説明

雑草地図を構築するための機構

本発明は雑草地図を構築するための機構(100)に関する。この機構(100)は、ビデオカメラ(112)と待避トラックレーザカメラ(114)を有する画像記録ユニット(110;110’)、画像処理及び評価ユニット(120)、後者に接続されたデータ格納ユニット(130)、及び雑草データベース(135)を具備する。この機構(100)は、また光源(160)、位置検知素子(152)を備えた位置検出ユニット(150)、及び前者により供給された立体座標をさらに正確に決定するための位置較正素子(154)を具備している。画像記録ユニット(110;110’)、位置検出ユニット(150)及び光源(160)は全てが前記画像処理及び評価ユニット(120)とデータ通信接続状態である。さらに画像処理及び評価ユニット(120)には1つ以上の制御出力(122,124)が設けられており、制御出力の1つ(124)は別の雑草除去装置の制御ユニット(190)とデータ通信接続状態を確立することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の主題は、ビデオカメラと待避トラックレーザカメラを有する画像記録ユニット、画像処理及び評価ユニット、後者に接続されたデータ格納ユニット、並びに雑草データベースを具備する雑草地図を構築するための機構である。
【背景技術】
【0002】
ドイツ特許出願の番号4,132,637A1には、雑草の除去を行う方法と装置が開示されている。この方法によれば、雑草除去は雑草地図に基づいて行われる。雑草地図は、当該書面において議論されている雑草除去装置の、全てがコンピュータに接続されている光センサ及びビデオカメラにより構築されている。画像記録の処理中においては、その装置は特定の径路上を動いている。雑草地図の構築は、単に光センサにより走査された領域から反射された光を感知することと、そして記録された画像を分析することに基づいて行われる。分析中において、現在の画像が検討され、そして除草されるとしてグリーンの中に現れているその部分を考慮することにより、グリーンの中に現れている部分に対応するグリーン画素から雑草地図が形成される。この方法において得られた雑草地図は、雑草状態の範囲に関する情報を与えるが、雑草状態自体の原因となる雑草の種類に関する情報は含まれていない。
【0003】
また、ハンガリー特許出願の番号P0202205には、雑草地図に基づいてもたらされる効果的な雑草除去方法、並びにその方法を実行するための鉄道車両に装着された雑草除去装置が開示されている。この構成の雑草地図は、雑草状態の範囲の他に、除草されるべき領域に存在する雑草の種類に関する情報を含んでいる。しかしながら、雑草除去装置と雑草地図作成ユニットの一体化により、雑草地図作成ユニットは、比較的に大きな寸法のものであり、軌道間の領域及び必要であれば鉄道線路に沿った傾斜面の領域に属する雑草地図を単に作成しているに過ぎない。このように作成された雑草地図は、軌道の径路に密接に関連するものである。このため、環境の視点から大いに好ましく、そして化学薬品の消費量を比較的に少なくすることができる雑草地図に基づいて実行される手順を提供しているハンガリー特許出願の番号P0202205に係る雑草除去方法は、比較的に小さな領域(例えば、鉄道線路に沿った領域)にしか適用されない。さらに、前記ハンガリー特許出願において議論された雑草除去方法の欠点は、雑草地図が1日の特定の時間(即ち、日中)でしか作成できず、そしてその方法により、適切な光の状態(即ち、画像を記録するために十分な自然光)の存在するところでしか作成することができない、という点である。
【0004】
さらに、当該雑草除去装置の欠点は、ある特定の場合、例えば、急に変化する光/影の影響において、又は装置の速い移動による画像のブレの結果として、雑草の種類に関連する情報の要素を、不確実にしか決定することができないという点である。しかしながら、目標の方法、即ち特定の種類に限定された除草剤を使用することにより、雑草地図の作成に対して後の時間で雑草除去が行われるとき、これはとても不利な点となりうる。種類が正確に識別されないために、雑草除去に基づいた雑草地図が、特定の領域に実際に存在している雑草に対する最も効果的に制御することができる除草剤により行われないということが生じうる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記の欠点を解消することを目的とするものである。特に、本発明は雑草地図を構築するための機構を提供することを目的とし、この機構が、雑草で覆われた如何なる領域においても、本質的に単独で使用すること、若しくは雑草地図に基づいて雑草除去処理を実行するための昨今存在する如何なる雑草除去装置にも簡単に接続すること、のいずれの場合も可能であり、この機構により構成された雑草地図は、除草されるべき領域の地形状態、雑草状態の範囲、及び雑草状態自身の原因となる雑草の種類について、空間的な高い正確さと信頼性を同様に有している。達成されるべき発明の更なる目的は、必要な場合には、低い視認性状態において、及び/又は1日の時間の如何なる独立的な時間においてさえ、雑草地図の構築のために確実に使用することができる機構を提供することである。また、達成すべき更なる目的は、強い日射しや光/影の急な変化の影響を受けるとき、及び/又は日の出/日の入り時に雑草で覆われた領域の色スペクトルにおける大きな変位が生じるときでさえ、確実に使用することができ、そして雑草の種類についての情報の正確なピースを供与することができる雑草地図を構築するための機構を開発することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、雑草除去装置と物理的に接続されていないが、その装置の雑草除去制御ユニットとデータ通信接続状態を確立することができる単独型デバイスとしての雑草地図構築ユニットを構成することが、そしてさらにそれ自身の位置検出ユニットを備えることが有利であるという発見に基づいている。さらにまた、それ自身の光源が雑草地図を構築するための機構に備えられており、その光源の制御(即ち、そのオンオフの切替え)は機構自身により実行される、ことが有利であるという発見に基づいている。
【0007】
上記目的は、雑草地図を構築するための機構を開発したことにより達成され、その雑草地図は、光源、位置検知素子とその位置検知素子により供給された立体座標を更に正確に決定するための少なくとも1つの位置較正素子とを有する位置検出ユニット、を具備しており、この機構において、画像記録ユニット、位置検出ユニット及び光源は、全てが画像処理及び評価ユニットとデータ通信接続状態にあり、そして画像処理及び評価ユニットには1つ以上の制御出力が設けられており、その制御出力の1つにより別の雑草除去装置の制御ユニットとデータ通信接続状態を確立することができる。雑草地図を構築するための機構の更なる実施可能な実施例は、従属請求項により明確となっている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明及びその好ましい実施例は、添付の図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0009】
図1に概略的に示された雑草地図を形成するための機構100は、画像記録ユニット110、画像処理及び評価ユニット120、データ格納ユニット130、雑草データベース135、位置検出ユニット150、及び光源160を具備している。また、雑草地図を構築するための機構100には、好ましくは輝度センサ170が設けられており、そして必要であればディスプレイユニット180に接続される。さらに、雑草地図を構築するための機構100は、分かれている別の雑草除去装置の制御ユニット190に接続可能に構成されている。
【0010】
画像記録ユニット110は、搬送車両(例えば、鉄道車両、又は好適な自動車)に装着することができる。この装着は、搬送車両の移動中において画像記録ユニット110の防振位置を保証するショックアブソーバを備えたブラケットにより達成される。ショックアブソーバを備えたブラケットによる装着は、画像記録ユニット110がその動作中に動かないことを保証するものであり、そしてそれにより常に鮮明な画像が記録できる。
【0011】
画像記録ユニット110の課題は、雑草地図を構築するための機構100が前進している間の移動径路の連続的な画像を記録することであり、一番目は移動径路の雑草について、2番目は移動径路上に存在する雑草の種類について、そして3番目は移動径路の地形状態について(即ち、その傾斜部分又は凸凹部分について)の明確な視覚情報を提供することである。従って、図1に表した画像記録ユニット110はビデオカメラ112と待避トラックレーザカメラ114を含むものである。ビデオカメラ112は、高い解像度のカラーカメラであり、光効果に対する各種妨害を取り除くための好適な光学素子(例えば、カラーフィルタ、又は文献から公知の偏光子)が備えられている。また、待避トラックレーザカメラ114は、ディジタルカメラ(高い解像度)であり、その画像処理は、特定の波長帯域において、レーザ光を出射する光源(図示なし)によりアシストされている。この光源は、好ましくはレーザカメラ114の一部を構成するが、しかしながら、これは必要なものではない。ビデオカメラ112とレーザカメラ114は、それらにより記録された画像を、有線(好適なデータケーブルにより)、又は無線(例えば、赤外線又は「ブルーツース」)のデータ通信を介して画像処理及び評価ユニット120に送信する。図1に示された実施例において、雑草状態の範囲の計算及び雑草の種類の識別が、ビデオカメラ112により記録された画像に基づいて行われ、一方待避トラックレーザカメラ114は地形状態を決定するために機能する。
【0012】
図1に示されている、雑草地図を構築するための機構100を、1日の時間において独立的に駆動する能力は、光源160により保証されており、そのオンオフの切替えは、輝度センサ170の信号に基づき画像処理及び評価ユニット120により実行される。光源160は、日中(自然光)の色温度に対応した又は近似した色温度を有する集中照度を保証する光源である。光源160として優先的にはメタルハライドランプが使用される。移動径路の記録される部分を最善の照度とするために、その好ましい実施例の一例においては、光源160が画像記録ユニット110と一体的に構成されている。
【0013】
位置検出ユニット150の課題は、ビデオ情報の記録されたピースから得られた雑草状態、雑草の種類、及び地形状態に関する情報のピースを、それらの空間的な位置の観点で可能な限り高い精度での構築において雑草地図に対応付けるために、画像記録ユニット110の正確な現在の位置、及び/又は記録されたビデオ情報の正確な現在の位置を決定することである。従って、位置検出ユニット150は、位置検知素子152、及びその位置検知素子152により供給された立体座標をさらに正確に決定するための少なくとも1つの位置較正素子154を含む。この好ましい実施例の一例において、位置検知素子152は衛星航法システム、例えば、GPSユニットである。その更なる好ましい実施例において、位置検知素子152は、移動電話ネットワークのベースステーションにより発信された信号を活用するナビゲーションデバイスである。
【0014】
特に、画像記録ユニット110が移動しない場合、人工衛星に基づく位置決定は、10cmの単位の正確さで位置決めが可能である。画像記録ユニット110は、その移動のために、雑草地図の形成中においてその位置が変わるので、その実際の位置のGPSに基づく決定値(及びそれにより記録されたビデオ情報)は、比較的に不正確になる(即ち、3−5メートル以内の正確さ)。計画され、そして高い効率の雑草除去処理の基準として後で使用され得る雑草地図を形成するために、画像記録ユニット110の実際の位置は、より正確に知らねばならない。即ち、それが、位置検出ユニット150が少なくとも1つの位置較正素子154を追加して備える理由である。
【0015】
優先的には、位置較正素子154は変換器であり、好ましくは、例えば、画像記録ユニット110の移動に作用する搬送車両の車輪に装着された角変位感知変換器である。さらに、位置較正素子154は、他のいかなる種類の変換器によっても提供されうるものであり、例えば高い精度で搬送車両の速度を感知する速度変換器である。位置較正素子154の課題は、その移動中に画像記録ユニット110の実際の位置に関して、位置検知素子152により(必要に応じて、GPSユニットにより)提供された立体座標を較正することである。したがって、雑草地図の精度は、位置検知素子152により供給された情報によっては基本的には決定されず、画像記録ユニット110の位置を感知/算出する変換器により決定され、それにより数センチメートルの精度が達成される。雑草地図上の画像記録ユニット110の現在の位置を正確に算出するために、使用された変換器及び位置検知素子152、好ましくは、GPSユニットは、画像記録ユニット110が動かないときに、互いに同期している。
【0016】
位置検知素子152及び位置較正素子154により供給された座標は、位置検出ユニット150により、有線(好適なデータケーブルにより)又は無線(例えば、赤外線又は「ブルーツース」)のデータ通信を介して画像処理及び評価ユニット120に送信される。
【0017】
ビデオカメラ112及びレーザカメラ114からのビデオ情報のピース、並びに位置検出ユニット150により供給された情報の位置形式は、データ格納ユニット130に記憶される。優先的には、データ格納ユニット130は、高速アクセス記憶装置であるが、データを記憶するために好適な他の如何なる手段でも同様に使用することができる。雑草データベース135は、データ格納ユニット130の一部を構成するが(即ち、そこに格納される)、しかしながら、そのような構成の必要はなく、雑草データベース135を、分かれた別のユニットとして雑草地図を構築するための機構100に接続(例えば、ファームウェアの形式で)することもできる。
【0018】
基本的に、図1に示した機構100の画像処理及び評価ユニット120の課題は、ビデオカメラ112とレーザカメラ114の画像を処理することに基づいて、雑草状態の範囲及び雑草状態の原因となる雑草の種類、並びに地形状態を決定することであり、そしてそこで位置検出ユニット150により提供された立体座標に従った雑草地図として取得された情報のピースを記憶することである。画像処理及び評価ユニット120は、予めプログラミングされた好適なソフトウェアにより取得された情報のピースの処理を実行し、そのそれぞれのステップは画像処理及び評価ユニット120の一部を構成するプロセッサ(図示なし)により実行される。移動径路の雑草に侵された地域は、ビデオカメラ112により記録された画像の緑色の影部分を考慮するソフトウェアの雑草状態報告アルゴリズムにより決定される。本発明に係る雑草地図を構築するための機構100により雑草スポットとして識別されうる最小部分は、機構100の解像度を考慮して、10×10センチメートル四方の領域により示される。雑草の種類の識別は、スペクトル分析、及び雑草データベース135内に含まれる雑草に関する情報の特定の種類のピースを比較することによる形状認識を介して行われる。さらに、本発明に係る雑草地図を構築するための機構100の形状を小型にするために、画像処理及び評価ユニット120、データ格納ユニット130、及び雑草データベース135は、全てパーソナルコンピュータ(例えば、ラップトップPC)の一部として形成されている。
【0019】
また、画像処理及び評価ユニット120には、少なくとも2つの制御出力122,124が設けられている。制御出力の1つ122は、画像処理及び評価ユニット120がそれを介してディスプレイユニット180に接続することができるように構成されている。雑草地図及び画像処理及び評価ユニット120に入る情報のピースの実時間の視覚化のために、ディスプレイユニット180はスクリーンのようなもので形成され、好ましくはタッチスクリーンで形成される。当該情報のピースを印刷できるように、ディスプレイユニット180はまた印刷装置の形式で提供することもできる。
【0020】
別の制御出力124は、データ通信接続状態を画像処理及び評価ユニット120と、分かれている別の雑草除去装置の制御ユニット190との間にそれを通して確立するよう構成されている。これは、雑草の除去を達成するために要求されたパラメータ(除草剤の形式、その要求された投与量、配達の場所と期間)を決定するために、雑草除去装置に準備された雑草地図を直接ダウンロードできることを意図したものである。このデータ通信は有線通信又は無線通信のいずれかで再び行うことができる。
【0021】
図2に示された雑草地図を構築するための機構100’は、各種の雑草の種類をより高い精度で識別できる能力を確保するために、その画像記録ユニット110’がビデオカメラ112と待避トラックレーザカメラ114の他に、種類較正レーザカメラ115を含んでいる点で、図1に示した機構100と異なっている。種類較正レーザカメラ115は、高い解像度のディジタルカメラであり、その画像処理は、特定の波長帯域において、高い強度のレーザ光放射光源(図示なし)によりアシストされている。優先的には、このレーザ光放射光源は、電磁スペクトルの赤外線―可視光線の範囲において、雑草に対して特徴的な狭い波長帯域で放射する1個以上のレーザダイオードにより提供される。優先的には、レーザ光放射光源は、種類較正レーザカメラ115の一部を構成しているが、このような構成は必要なものではなく、レーザ光放射光源を光源160の一部として提供することもできる。照射スポットに放射されたコヒーレント光の強さを極めて大きくする、好ましくは対象のスポットの自然光(及びまた必要であれば光源160により放射された光)において測定された強さより10倍大きくするという手段を用いて、レーザ光放射光源の出力は調整される。ここで、前記レーザ光源が、基本的には、通常のフラッシュの役目を果たすものであることに注意すべきである。ビデオカメラ112を妨害(例えば、光/影の影響を急に変更する、記録された画像の色スペクトルにおける日の出/日の入り時に出現する大きな変位)するかもしれない自然照射の影響、及び/又は雑草地図を構築するための機構100’の画像記録ユニット110’の急激な動きのための影響(例えば、ぼやけた画像)は、レーザ光による瞬間的な照射を提供することにより除去することができる。レーザ光による照射により、太陽の影響は好適な光学手段(図示なし)により照射されたスポットに影響を与えるものではなく、比較的に異なった光の状態下であっても、それにより一定の輝度の画像はレーザカメラ115により記録されうる。短いパルスによる照射において記録された画像は、高速度でさえ静的に残っており、そしてビデオカメラ112により記録された同じ領域からのものより極めて鮮明である。このため、雑草データベース135に基づき、適切な形状認識アルゴリズムを使用して、種類較正レーザカメラ115により記録された画像を考慮し、そして、ビデオカメラ112により記録された画像とそれらの画像とを比較することにより、雑草の種類の識別が、図1に示された機構100の場合に比べて画像処理及び評価ユニット120により更なる正確さで達成することが可能となり、それにより、構築された雑草地図の信頼性が強化されることになる。
【0022】
次に、雑草地図の構築のために本発明に係る機構100,100’の適用について詳細に述べる。
【0023】
画像記録ユニット110,110’を搬送車両上に装着した後、そしてまだ画像記録ユニット110,110’の静止位置において、位置検知素子152と位置較正素子154は互いに同期している。この方法において、位置較正素子154の信号に基づき、画像記録ユニット110,110’の位置は、画像記録ユニット110,110’と搬送車両の連結した動作中いつでも正確に知られるであろう。同期した後、搬送車両は動作を開始し、同時に画像記録ユニット110,110’はその動作を始める、即ちそれは移動径路及びその径路を覆う雑草植物の画像を記録する。その画像は、高精度のカラービデオカメラ112と待避トラックレーザカメラ114により、必要であれば光源160により均一な照射と協動して、記録される。このため、取得されたビデオ情報は、有線又は無線のデータ通信により画像処理及び評価ユニット120に送信される。要求される光源160のオンオフの切替えは、輝度センサ170の入力信号に基づき画像処理及び評価ユニット120により制御される。もし画像記録ユニット110’が使用されるのであれば、レーザ光放射光源は、即ち種類較正レーザカメラ115と協動して、そして通常のフラッシュとして機能し、搬送車両の移動と同時の動作を開始して、そしてレーザ光による瞬間的な照射とともに、レーザカメラ115は移動径路の画像を記録する。また、これらの画像は、有線又は無線のデータ通信により画像処理及び評価ユニット120に送信される。
【0024】
そこで、ビデオ情報の入力されたピースに基づき、雑草状態の範囲が算出され、雑草状態の原因となっている雑草の種類の識別が実行され、そして移動径路の地形状態が画像処理及び評価ユニット120により決定される。この目的のため、画像における雑草の色及び特色を分析するスペクトル検査アルゴリズムが実行され、及び/又はビデオカメラ112から−必要であればレーザカメラ115から−受け取ったフレーム及び静止画が形状認識アルゴリズムにかけられる。各種の雑草からの光の放出は、放射している雑草において特徴的であるため、形状認識アルゴリズムが適用されるが、しかしながら、それらは互いに非常に近い波長である。雑草の認識は、予め記憶された雑草データベース135のデータに基づいて行われる。
【0025】
ビデオ情報の入力ピースの分析を終了した後、その後の使用のために、検討した現在の領域の雑草については、その雑草状態の原因となっている雑草の種類、及び地形状態、並びに位置検出ユニット150により供給された正確な座標が、データ格納ユニット130における雑草地図として記憶され、及び/又はディスプレイユニット180に送られる。雑草の除去をもたらすために、このように構築された雑草地図は分かれている別の雑草除去装置の制御ユニット190にも同時に送信することができる。
【0026】
本発明に係る雑草地図を構築するための機構100,100’により構成された雑草地図は、出発及び到着座標の両方、移動径路、メートル単位の表現で示された距離、移動径路の座標(好ましくは、例えば、変換器により較正されたそのGPS座標)、%単位及び領域単位の雑草状態の範囲、並びに検出された雑草の種類、を含んでいる。
【0027】
本発明に係る雑草地図を構築するための機構100,100’は、以下の特徴を有する。
− 如何なる環境においても基本的に雑草除去装置から、物理的に分離され、独立的に動作することが可能であるが、雑草除去を実行するために、機構100,100’により構築された雑草地図は、機構100,100’が雑草除去装置に接続された後、その雑草除去装置に容易にダウンロードすることができ、
− 高精度で、雑草状態の他に雑草の種類を含む雑草地図は、一日のいつでも、及び/又は自然照射状態が不十分であっても、機構100,100’により構築することができ、
− 雑草地図に描かれた雑草の種類の識別は、光/影の影響が比較的に急に変化する時でさえ、非常に正確に実行することができ、これは、雑草除去処理が雑草地図に基づいて行われるとき、特定の地域を覆う雑草を除去する最も効果的である特定の種類の除草剤が、除草されるべき地域に確実に散布されることを保証するものである。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】図1は、本発明に係る雑草地図を構築するための機構の実施可能な実施例のブロックダイアグラムを示す。
【図2】図2は、本発明に係る雑草地図を構築するための機構の実施可能な更なる実施例のブロックダイアグラムを表している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビデオカメラ(112)と待避トラックレーザカメラ(114)を有する画像記録ユニット(110;110’)、画像処理及び評価ユニット(120)、後者に接続されたデータ格納ユニット(130)、及び雑草データベース(135)を具備する、雑草地図を構築するための機構(100)において、
前記機構(100)は、また光源(160)、位置検知素子(152)を有する位置検出ユニット(150)、及び前記位置検知素子(152)により供給された立体座標をさらに正確に決定するための少なくとも1つの位置較正素子(154)を具備しており、
前記画像記録ユニット(110;110’)、位置検出ユニット(150)及び光源(160)は全てが前記画像処理及び評価ユニット(120)とデータ通信接続状態にあり、そして前記画像処理及び評価ユニット(120)には1つ以上の制御出力(122,124)が設けられており、前記制御出力の1つ(124)は別の雑草除去装置の制御ユニット(190)とデータ通信接続状態を確立できることを特徴とする雑草地図を構築するための機構。
【請求項2】
前記画像記録ユニット(110;110’)は雑草の種類を較正するためのレーザカメラ(115)を備えていることを特徴とする請求項1に記載の雑草地図を構築するための機構。
【請求項3】
前記光源(160)は、電磁スペクトルの赤外線の範囲の波長で高輝度コヒーレント光を放射する1つ以上のレーザダイオードにより少なくとも部分的に構成されたことを特徴とする請求項2に記載の雑草地図を構築するための機構。
【請求項4】
位置検知素子(152)は衛星航法デバイス(GPS)であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の雑草地図を構築するための機構。
【請求項5】
前記位置検知素子(152)は移動電話ネットワークのベースステーションにより発信された信号を利用する航法デバイスであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の雑草地図を構築するための機構。
【請求項6】
前記位置較正素子(154)は、角変位感知変換器であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の雑草地図を構築するための機構。
【請求項7】
前記画像処理及び評価ユニット(120)に接続された輝度センサ(170)を具備することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の雑草地図を構築するための機構。
【請求項8】
前記雑草データベース(135)はデータ格納ユニット(130)の一部を構成することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の雑草地図を構築するための機構。
【請求項9】
前記画像処理及び評価ユニット(120)、前記データ格納ユニット(130)及び前記雑草データベース(135)は、全てがパーソナルコンピュータの部分を構成することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の雑草地図を構築するための機構。
【請求項10】
前記制御出力の1つ(122)はディスプレイユニット(180)とデータ通信接続状態にあることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の雑草地図を構築するための機構。
【請求項11】
前記ディスプレイユニット(180)はスクリーン、好ましくはタッチスクリーンであることを特徴とする請求項10に記載の雑草地図を構築するための機構。
【請求項12】
前記ディスプレイユニット(180)が印刷装置であることを特徴とする請求項10に記載の雑草地図を構築するための機構。
【請求項13】
前記光源(160)は、自然光の色温度に近似した色温度を有する光を放射する光源により少なくとも部分的に提供されていることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載の雑草地図を構築するための機構。
【請求項14】
前記光源(160)は、画像記録ユニット(110;110’)と一体的に構成されていることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか一項に記載の雑草地図を構築するための機構。
【請求項15】
前記光源(160)は、互いに物理的に分割されている個々の光源により提供されていることを特徴とする請求項1乃至14のいずれか一項に記載の雑草地図を構築するための機構。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2008−539459(P2008−539459A)
【公表日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−508312(P2008−508312)
【出願日】平成18年4月28日(2006.4.28)
【国際出願番号】PCT/HU2006/000038
【国際公開番号】WO2006/117581
【国際公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ブルーツース
【出願人】(507329572)
【Fターム(参考)】