説明

雑草防除方法

本発明は、1つの態様において、雑草の成長を低下させるか或は有害生物を減少させる方法に関し、この方法は、植物生産培地に粒状材料を少なくとも約1cmの深さにまで施すことで前記植物生産培地が前記深さまでに粒状材料を約1重量%以上から約25重量%以下の量で含有するようにすることを伴う。本発明は、別の態様において、雑草の成長を低下させる方法に関し、この方法は、粒状材料の膜を植物生産培地または望まれない植物に付着させることを伴い、ここでは、前記膜の厚みを約1μm以上から約5mm以下にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、土壌または植物を粒子の膜で処理すること、そして土壌に由来するか或はその場所に移って来る望まれない植物を防除する方法に向けたものである。
【背景技術】
【0002】
望まれない植物、例えば雑草などを防除する目的で除草剤である化学品および微生物剤を用いることは公知である。例えば、特許文献1は、発芽前および発芽後用除草剤の活性材料に関し、特許文献2は、小麦生産における雑草問題であるウマノチャヒキ(downy brome)を防除する土壌媒介細菌である。また、物理的雑草防除方法も公知である。例えば、特許文献3は、水溶性重合体と耐水性樹脂からマルチフィルム(mulch film)を製造することに関する。前記マルチに栄養剤または他の添加剤を含有させることも可能である。特許文献4は、ポリエチレン重合体繊維とセルロースパルプで構成されていて8−12週間存続する分解性農業用グランドカバー(ground cover)を製造することに関する。特許文献5は、再生紙から雑草防除用集合体を製造することに関する。特許文献6は、コーングルテン粉のマルチを発芽前用雑草防除材として製造することに関する。色、組成および厚みがいろいろなプラスチックマルチの適用は通常の雑草防除実施である。いろいろな源の油が除草剤配合で用いられる。油を葉に塗布した時にそれ自身に入っている低沸点の油、不飽和油および芳香族化合物が除草性を示し得る(非特許文献1)。反射するマルチを用いると植物の冠の中に入り込む光の反射が増大することで光合成が増加しかつ果実の色が向上する(非特許文献2)。マルチの表面の色は新鮮市場のトマトの収穫率に影響を与える(非特許文献3)。プラスチックマルチは雑草の成長を低下させると同時にまた病気および昆虫による損害も低下させる(非特許文献4)。トマトおよびカボチャをアルミニウムおよびプラスチックのシート材(sheeteings)で覆った時の昆虫の数が調査された(非特許文献5)。ソラリゼーション(solarization)はイチゴ生産に有効な土壌害虫駆除技術である(非特許文献6)。
【特許文献1】Wenger、米国特許第5,599,771号
【特許文献2】HarrisおよびStahlman、米国特許第5,332,673号
【特許文献3】Lahalih他、米国特許第4,686,790号
【特許文献4】Monroe他、米国特許第5,532,298号
【特許文献5】Adamoli他、米国特許第5,674,806号
【特許文献6】Christians、米国特許第5,030,268号
【非特許文献1】GauvritおよびCabanne(1993)Pesticide Science 37:147−153、Oils for weed control:uses and mode of action
【非特許文献2】Decoteau,E.R.、M.J.KasperbauerおよびP.G.Hunt、1989)
【非特許文献3】J.Amer.Soc.Hort.Sci.114(2):216−219
【非特許文献4】T.K.Wolfenbarger、D.O.およびW.D. Moore、1968
【非特許文献5】J.Econ.Entomol.61(1):34−36、Hartz,J.E.DevayおよびC.L.Elmore、1993
【非特許文献6】HortScience 28(2):104−106
【発明の開示】
【0003】
(発明の要約)
本発明は、粒状材料を用いた雑草の防除、園芸効果(horticultural effects)の向上、病気の防除、果実の収穫の向上および有害生物(昆虫)の防除を提供するものである。そのような粒状材料は粉じん、水を用いたスラリー、または水と高沸点有機液を用いた乳液として投与可能である。
【0004】
具体的には、本発明は、1つの態様において、雑草の成長を低下させるか或は有害生物を減少させる方法に関し、この方法は、粒状材料を植物生産培地(plant producing media)に施すことを伴う。本発明は、また、土地または植物生産培地に本方法に従う処理を受けさせることにも関する。
【0005】
本発明は、別の態様において、雑草の成長を低下させる方法に関し、この方法は、粒状材料の膜を植物生産培地または望まれない植物に付着させることを伴う。別法の方法は、水と粒状材料と高沸点有機液を含有して成る乳液を望まれない植物に施して膜を形成させることを伴う。本発明は、また、土地、植物生産培地または望まれない植物に本方法に従う処理を受けさせることにも関する。
【0006】
本発明は、更に別の態様において、水と粒状材料と高沸点有機液の乳液を施して花(flowers/blossoms)の全部ではなく一部が発育しないようにすることで果実の木から収穫される果実の大きさを増大させる方法に関する。
(発明の詳細な説明)
本発明は雑草の防除、園芸効果の向上、病気の防除および有害生物防除効果を提供するものであり、この方法は、基質(substrate)を粒状材料で処理することを伴う。雑草防除または雑草成長低下は、雑草の成長を防止すること、雑草をある程度死滅させること、雑草を死滅させること、そして雑草の種子が発芽しないようにすることを伴う。この粒状材料を適切な任意様式、例えば粉じんまたはスラリーの形態で基質に投与する。
【0007】
本発明に従う処理を受けさせることができる基質には、一般に、望まれない植物、および植物生産培地、例えば土壌など、有機材料、例えばピートおよびコンポストなど、無機基質、例えばバーミキュライト、ロックウール(rockwool)および他の不活性な合成成育用培地(growing media)などが含まれる。望まれない植物には雑草、農業用作物の近隣に存在する非農業用植物、および有用でなくかつ観賞用ではない他の植物が含まれる。基質の具体例には、天然に存在する土壌、改善された土壌、植物の生産で用いられる人工媒体、雑草(雑草自身、雑草の根、雑草の種子など)などが含まれる。
【0008】
望まれない植物の例には下記が含まれる:
アメリカンビューティーベリーフラワー[American beauty berry flower];アメリカヒイラギ[American holly];茎が紫のアンゼリカ[angelica,purple−stemmed];ハルノノゲシ[annual sowthistle];アスター[aster];イヌエビ[barnyardgrass];アメリカセンダングサ[beggarsticks][別名センダングサ、スティックタイト(bur−marigold,sticktight)];ベルガモット[bergamot][ホースミント(horse−mint)];ビッグブルーステム[big bluestem];マルバアサガオ[bigroot morningglory][(別名ワイルドスウィートポテト(wild sweet potato)];セイヨウミヤコグサ[birdsfoot trefoil];ビターナイトシェード[bitter nightshade];ヒヨス[black henbane];ブラック(ハニー)ロカスト[black(hony)locust][別名コーヒービーンツリー(coffee bean tree)];コメツブウマゴヤシ[black medic];ブラックナイトシェード[black nightshade];ブラックグラス[blackgrass];ブルーバーベイン[blue vervain];シャボンソウ[bouncingbet][別名ソープワート(soapwort)];ブラケンファーンウエスタン[brakenfern western][別名コゴミ(fiddlehead)];ザラツキエノコログサ[bristly foxtail][別名バーブリストルグラス(bur bristlegrass)];エゾノギシギシ[broadleaf dock];セイヨウオオバコ[broadleaf plantain];ルドベッキア・トリロバ[browneyed susan][別名ブラックアイドスーザン(black−eyed susan)];ヤセウツボ[broomrape];ウツギ[crenate][別名スカロプトブルームレイプ(scalloped broomrape)];エジプトブルームレイプ[Egyptian broomrape];ソバ[buckwheat];アメリカオニアザミ[bull thistle];イガウリ[bur cucumber];ゴボウ[burdock];キンポウゲ[buttercup];セイヨウトゲアザミ[Canada thistle];ベニバナサワギキョウ[cardinal flower][別名スカーレットロベリア(scarlet lobelia)];クルマバザタロソウ[carpetweed];トウゴマ[castorbean];ヤエムグラ[catchweed bedstraw];イヌハッカ[catnip];ヒラガマ[cattail];カラスノチャヒキ[cheat];ハコベ[chickweed common];ミミナグサ[chickweed,mouseear];チコリ[chicory];ホオズキ[Chinese lantern];チョークチェリー[chokecherry];オヘビイチゴ[cinquefoil];クラーミー[clammy];カウンドチェリー[coundcherry];クライミングミルクウィード[climbing milkweed][別名ハニーバインミルクウィード(honeyvine milkweed)];チガヤ[cogongrass];キンポウゲ[common buttercup];オナモミ[common cocklebur];シロアカザ[common lambsquarters];ウスベニアオイ[common mallow][別名ワイルドゲラニウム、ラウンドリーフマロウ(wild geranium,raundleaf mallow)];シリアカ[common milkweed];コモンミリエン[common mullien][別名キャンドルウィック(candlewick)];コモンレグウィード[common regweed];セイヨウノコギリソウ[common yarrow];コンパスプラント[compass plant];エキナセア[coneflower(purple)];ムギナデシコ[corn cockle];コーンロウ[corn row];ヤグルマギク[cornflower];カウコックル[cow cockle];クリーピングチャーリー[creeping charlie];ツキヌキオグルマ[cupplant];ギシギシ[curly dock][別名サワードッグ(sour dock)];オオハンゴンソウ[cutleaf coneflower];ヒメジオン[daisy fleabane];セイヨウタンポポ[dandelion];ドダー[dodder];フィールド[field][別名フォダーグラス(foddergrass)];ウマノチャヒキ[downy brome][別名チートグラス(cheatgrass)];イースタンブラックシェード[eastern black shade];イングリッシュアイビー[English ivy];マツヨイグサ[evening primrose];オオクサキビ[fall panicum];フェスツゥーカ[fescue];セイヨウヒルガオ[field bindweed][別名ワイルドモーニンググローリー(wild morningglory)];グンバイナズナ[field pennycress];フリックスウィード[flixweed];キツネノテブクロ[foxglove];フォックステールバーレイ[foxtail barley];アキノエノコログサ[giant foxtail];ジャイアントグリーンフォックステール[giant green foxtail];オオブタクサ[giant ragweed][別名ヒメムカシヨモギ(horseweed)];ゴーツベアード[goatsbeard][別名ウエスタンサルシフィ(western salsify)];アキノキリンソウ[goldenrod];オヒシバ[goosegrass];エゾボウフウ[goutweed];アマランサス[grain amaranth];センナリホウズキ[ground cherry];カキドウシ[ground ivy];ヘアリークラブグラス[hairy crabgrass];シロバナヒルガオ[hedge bindweed];大麻[hemp][別名マリファナ(marijuana)];ヘンプドッグベイン[hemp dogbane][別名インド大麻(Indian hemp)];ワイルドインディゴ[hemp sasbania][別名ムラサキセンダイハギ(indigoweed)];ホトケノザ[henbit];ハニーバインミルクウィード[honeyvine milkweed][別名クライミングミルクウィード(climbing milkweed)];ホップホーンビームコパーリーフ[hophornbeam copperleaf];ワルナスビ[horsenettle];ヒメムカシヨモギ[horseweed][マレステイル (marestail)];ヒヤシンス[hyacinth];インディアンスティールグラス[Indiangrass];アイビー[ivy];アメリカアサガオ[ivyleaf moringglory];キクイモ[Jerusalem artichoke];シロバナヨウシュチョウセンアサガオ[jimsonweed];セイバンモロコシ[johnsongrass];ナップウィード[knapweed];ノットウィード[knotweed];コキア[kochia];レディースサムスマートウィード[ladysthumb smartweed];アカザ[lambsquarter];ヒメクリイノガ[longspine sandbur];マキシミリアンサンフラワー[maximillian sunflower];オオスズメノテッポウ[meadow foxtail];メドーサルシフィ[meadow salsify];アサガオ[morningglory];マザーワート[motherwort];モウドヘイ[mowed hay];ヒレアザミ[musk thistle];ナルジサス[narzissus];イラクサ[nettle];オハイオバッカイ[Ohio buckeye];オーチャードグラス[orchardgrass];オキザリス[oxalis];パロウスターウィード[palouse tarweed];ペンシルバニアスマートウィード[Pennslyvania smartweed];ペニークレス[Pennycress];タイワンハチジョウナ[perennial sowthistle];フィロデンドロン[philodendron];フロックス[phlox];アカザ[pigweed];コシカギク[pineappleweed];ドクニンジン[poison hemlock];ツタウルシ[poison ivy];アメリカヤマゴボウ[pokeweed,common];ケシ[poppy];プレイリーブッシュクローバー[prairie bush clover];プレイリードッグ[prairie dock];トゲチシャ[prickly lettuce];アメリカキンゴジカ[prickly sida];コニシキソウ[prostrate spurge];エキナセア[purple coneflower];エゾミソハギ[purple loosestrife];スベリヒユ[purslane];ムシクサ[purslane speedwell];ヒメカモジグサ[quackgrass];ノラニンジン[Queen Anne’s lace];ラトゥルボックス[rattlebox];ニセコバンソウ[rattlesnake brome];アカツメグサ[red clover];アオゲイトウ[redroot pigweed];オランダフウロ[redstem filaree];コヌカグサ[redtop];クサヨシ[reed canarygrass];ヤナギバヒメジョオン[rough fleabane];ゼニバアオイ[roundleaf mallow];イグサ[rush];ロシアラップウィード[Russian knapweed];サルシフィ[salsify];トクサ[scouring−rush,common];オオヒレアザミ[Scotch thistle];シネラリア[senicio];ホウキモロコシ[shattercane/wild cane];ナズナ[shepherd spurse];スモールホールドポゴニア[small whorled pogonia];スモールフラワーバターカップ[smallflower buttercup];スマートウィード、ライト(またはペール)[smartweed,light(or pale)];スマートウィード、スワンプ[smartweed,swamp];スムーズブロムグラス[smooth bromegrass];キタメヒシシバ[smooth crabgrass];スムーズグランドチェリー[smooth groundcherry];モロコシ[sorghum almum];ノゲシ[sowthistle];ハリビユ[spiny amaranth];モンステラ[splitleaf philodendron];ヤグルマギク[spotted knapweed];スクイレルテール[squirreltail];スターオブベツレヘム[star of Bethlehem];スティンギングネトル[stinging nettle];スイッチグラス[switchgrass];トール/アイビーリーフモーニンググローリー[tall/ivyleaf morningglory];マルバアサガオ[tall morningglory];トールウォーターヘンプ[tall waterhemp];タンシーマスタード[tansy mustard][別名ピノール
(pinole)];アザミ[thistles];ティックシードコレオペシス[tickseed coreopesis];チモシートランペットクリーパー[Timothy trumpet creeper];イチビ[velvetleaf][別名エレファントイヤー、バタープリント(elephant ear, butterprint)];ギンセンカ[Venice mallow][別名フラワーオブアンナワー(flower−of−an−hour)];カラスノエンドウ[vetch];スイカズラ[Virginia creeper];マメグンバイナズナ[Virginia pepperweed];ボランティアコーン[volunteer corn];トウモロコシ[zea mays];ドクセリ[water hemlock];スイレン[water−lilly];ウォーターポッド[waterpod];ホワイトブリオニーオンハウソーン[white bryony on hawthorn];シロツメグサ[white clover];マルバフジバカマ[white snakeroot];シロバナシナガワハギ[white sweetclover];グリオニア[whorled milkweed];イトバハルシャギク[whorled tickseed];ソバカズラ[wild buckwheat];ワイルド4オクロック[wild 4 o’clock];ギョウジャニンニク[wild garlic];ワイルドグレープ[wild grape];ワイルドマスタード[wild mustard];ワイルドオニオン[wild onion];シロにんじん[wild parsnip];キビ[wild proso millet];セイヨウゴボウ[wild salsify];オオグルマ[wild sunflower];ワイルドスウィートポテト[wild sweet potato][別名マルバアサガオ(bigroot morningglory)];ワイルドバイオレット[wild violets];キダチノネズミガヤ[wirestem muhley];シバムギ[witchgrass];カタバミ[wood sorrel];イヌキクイモ[woodland sunflower];ナルコビエ[woolly cupgrass];ノコギリソウ[yarrow];イエロークローバー[yellow clover];キンエノコロ[yellow foxtail];キハマスゲ[yellow nutsedge][別名チュファ(chufa)];セイヨウヤマガラシ[yellow rocket];イチイ[yew];イトラン[yucca];およびキハマスゲ[yellow nutsedge]。
【0009】
有害生物は細菌から節足動物、微生物から哺乳動物の範囲に及ぶ。例えば、有害生物には細菌、菌・カビ、虫(線虫を包含)、昆虫、くも類の動物、例えばクモおよびダニなど、鳥、齧歯類、鹿およびウサギが含まれる。基質に本発明に従う処理を受けさせと、そのような処理を受けさせた領域に存在する有害生物が減少するか或はそれらの存在が妨げられ得る。
【0010】
本発明の結果として利益を受ける(成長が高まる)植物には、園芸作物、特に農業用作物および鑑賞用作物そして農業用作物および鑑賞用作物の種子が含まれる。そのような植物には、活動的に成育する農業用作物、活動的に成育する鑑賞用作物、実を付ける農業用作物および実を付ける鑑賞用作物およびそれらの産物が含まれる。農業用作物は、有用な産物、例えば食品、餌製品、繊維製品などの生産で用いられる植物である。鑑賞用作物は装飾または美的理由で用いられる植物である。その例には果実、野菜、木、花、草、そして庭園植物および鑑賞用植物が含まれる。具体例にはリンゴの木、梨の木、桃の木、プラムの木、レモンの木、グレープフルーツの木、アボガドの木、オレンジの木、アプリコットの木、くるみの木、ラズベリー植物、イチゴ植物、ブルーベリー植物、ブラックベリー植物、ボセンベリー(bosenberry)植物、トウモロコシ、豆(大豆を包含)、カボチャ、タバコ、バラ、スミレ、チューリップ、トマト植物、ブドウの木、コショウ植物、小麦、大麦、カラス麦、ライ麦、トリチケイル(triticale)およびホップが含まれる。そのような植物は望まれない植物ではない。たいていは、そのような植物には本発明に従う処理を受けさせない。
【0011】
本発明で用いるに適した粒状材料は疎水性または親水性である。1つの態様における粒状材料はこれら自身が自然に疎水性である(例えば鉱物であるタルク)。別の態様における粒状材料は、適切な疎水性湿潤剤(wetting agent)または連成剤の外側被膜を付着させることで疎水性にしておいた親水性材料である(例えば、1つの態様では、粒状材料に親水性の中心部と疎水性の外側表面を持たせる)。更に別の態様における粒状材料はこれら自身が自然に親水性である(焼成カオリン)。
【0012】
本発明で用いるに適した親水性粒状材料の例には、鉱物、例えば炭酸カルシウム、タルク、カオリン(含水カオリンおよび焼成カオリンの両方)、選別したカオリン(beneficiated kaolin)、ベントナイト、粘土、ピロフィライト、シリカ、長石、砂、石英、チョーク、石灰石、沈澱炭酸カルシウム、ケイソウ土および重晶石など、官能充填材、例えば三水化アルミニウム、火成シリカおよび二酸化チタンなどが含まれる。鉱物ではない親水性粒子の例には炭素煤、炭じん、灰廃棄物、そして他の暗色有機材料が含まれる。
【0013】
1つの態様において本発明で用いるに適した粒状材料は熱処理された粒状材料である。本発明の目的で、熱処理された粒状材料は、高温に加熱された粒状材料であり、それには、焼かれた(baked)粒状材料、焼成(calcined)粒状材料および火入れされた(fired)粒状材料が含まれる。熱処理された粒状材料は一般に親水性である。具体例には、焼成炭酸カルシウム、焼成タルク、焼成カオリン、焼かれたカオリン、火入れされたカオリン、疎水処理を受けた熱処理カオリン、焼成ベントナイト、焼成粘土、焼成ピロフィライト、焼成シリカ、焼成長石、焼成砂、焼成石英、焼成チョーク、焼成石灰石、焼成沈澱炭酸カルシウム、焼かれた炭酸カルシウム、焼成ケイソウ土、焼成重晶石、焼成三水化アルミニウム、焼成火成シリカ(calcined pyrogenic silica)および焼成二酸化チタンが含まれる。
【0014】
本発明に従う熱処理は、粒状材料を約300℃から約1,200℃の温度に約10秒から約24時間加熱することを伴う。別の態様における熱処理は、粒状材料を約400℃から約1,100℃の温度に約1分から約15時間加熱することを伴う。更に別の態様における熱処理は、粒状材料を約500℃から約1,000℃の温度に約10分から約10時間加熱することを伴う。この熱処理は空気中、不活性雰囲気中または真空下で実施可能である。
【0015】
このような態様における粒状材料は、熱処理された粒状材料を少なくとも約25重量%、特に約25重量%から約100重量%含有する。別の態様における粒状材料は、熱処理された粒状材料を少なくとも約40重量%、特に約40重量%から約99重量%含有する。
【0016】
親水性の粒状材料を少なくとも1種の疎水性湿潤剤および/または連成剤と接触させることでそれの表面を疎水性にすることができる。産業用鉱物用途、特に有機系、例えばプラスチック複合体、フィルム、有機被膜またはゴムなどにおける用途では、鉱物の表面を疎水性にする疎水表面処理が利用されており、例えばJesse Edenbaum、「Plastics Additives and Modifiers Handbook」、Van Nostrand Reinhold、ニューヨーク、1992、497−500頁(これはそのような疎水表面処理材料およびこれらの用途の教示に関して引用することによって本明細書に組み入れられる)を参照のこと。
【0017】
そのような産業を目的にした充填材または添加剤として固体状粒子の表面を処理する時に連成剤、例えば脂肪酸およびシランなどが通常用いられる。そのような疎水剤は本技術分野で知られている。その例には有機チタン酸塩、例えばTioxide Chemicalsから入手可能なTilcom(商標)、Kenrich Petrochemical,Inc.から入手可能な連成剤である有機ジルコン酸塩もしくはアルミン酸塩、有機官能シラン、例えばビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス−(2−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタアクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランおよびβ−メルカプトエチルトリエトキシシラン、そしてWitcoから商標Silquestの下で入手可能な他のシラン、またはPCRから商標Prosilの下で入手可能なシラン、修飾シリコン流体、例えばShin Etsuから入手可能なDM−Fluidsなど、そして脂肪酸、例えば二重圧縮(double pressed)ステアリン酸および三重圧縮ステアリン酸、そしてWitco Corporationから商標HystreneもしくはIndustreneの下で入手可能な脂肪酸、またはHenkel Corporationから商標Emersolの下で入手可能な脂肪酸が含まれる。具体的態様として、粒子の表面を疎水性にしようとする場合、ステアリン酸およびステアリン酸塩が特に有効である。
【0018】
粒状材料のさらなる具体例には、Engelhard Corporation(Iselin、NJ)から商標Satintoneの下で入手可能な焼成カオリンおよび商標Translinkの下で入手可能なシロキサン処理焼成カオリン、English China Clayから商標AtomiteおよびSupermiteの下で入手可能な炭酸カルシウム、およびEnglish China Clayから商標SupercoatおよびKotamiteの下で入手可能なステアリン酸処理粉砕炭酸カルシウムが含まれる。
【0019】
本発明で用いるに適した粒状材料は微細である。用語「微細」を本明細書で用いる場合、これは、そのような粒状材料の個別粒子サイズ中央値(平均直径)が約100μm未満であることを意味する。1つの態様における粒状材料が示す個別粒子サイズ中央値は約10μm以下である。別の態様における粒状材料が示す個別粒子サイズ中央値は約3μm以下である。更に別の態様における粒状材料が示す個別粒子サイズ中央値は約1μm以下である。
【0020】
本明細書で用いる如き粒子サイズおよび粒子サイズ分布はMicromeritics Sedigraph 5100 Particle Size Analyzerを用いて測定した粒子サイズおよび粒子サイズ分布である。親水性粒子の場合には脱イオン水を用いて測定値を記録する。乾燥したサンプルを4グラム計り取ってプラスチック製ビーカーに入れ、分散剤(dispersant)を加えそして脱イオン水を用いて80mlの印の所まで希釈することで、分散液を生じさせる。次に、このスラリーを超音波浴に入れて撹拌しながら290秒間入れたままにする。カオリンの場合には、典型的に、0.5%のピロ燐酸テトラナトリウムを分散剤として用い、炭酸カルシウムの場合には1.0%のCalgon Tを分散剤として用いる。いろいろな粉末の典型的な密度、例えばカオリンの場合には2.58g/mlの密度をセディグラフ(sedigraph)にプログラムする。サンプル用セルを前記サンプルのスラリーで満たした後、X線を記録し、それをStokes式で粒子サイズ分布曲線に変換する。粒子サイズ中央値を50%の濃度で測定する。
【0021】
本発明の粒状材料は高い反射率を示す。「高い反射率」を本明細書で用いる場合、これは、TAPPI標準T646で測定した時に少なくとも約80の「ブロックブライトネス(Block Brightness)」を示す材料を意味する。別の態様における粒状材料が示すブロックブライトネスは少なくとも約90である。更に別の態様における粒状材料が示すブロックブライトネスは少なくとも約95である。Technidyne Corporationが製造しているReflectance Meter Technidyne S−4 Brightness Testerを用いて測定を行うことができ、これに較正をInstitute of Paper ScienceまたはTechinidyne Corporationが供給している輝度標準(紙札またはオパールガラス標準)を用いて60日以内の間隔で受けさせる。典型的には、乾燥した(遊離水分が約1%未満の)粉末を12グラム用いて粒子のブロックもしくはプラークを調製する。このサンプルを円柱形ホルダーの中に拘束されない状態で入れた後、このサンプルの上にプランジャーをゆっくり下げて約29.5から約30.5psiの圧力をかけて約5秒間保持する。この圧力を解放した後、そのプラークを欠陥に関して検査する。全体で3個のプラークを調製して、各プラークを読みと読みの間で約120度回転させることで各プラーク毎に3つの輝度値を記録する。次に、その9つの値の平均を取って報告する。
【0022】
本発明で特に用いるに適した粒状材料は不活性でありかつ無毒である。本明細書で用いる如き不活性な粒状材料は、園芸作物および鑑賞用作物に植物毒性を示さない粒子である。しかしながら、それを土壌および他の植物生産用基質の中または上に置いたユニークな組み合わせおよびそれを他の材料と組み合わせたユニークな組み合わせは、ある場合には、植物毒性を示す(一般に望まれない植物、例えば雑草などに対して)。例えば、作物の種子を土壌の中の4”の深さの所に撒いてもよく、そして前記粒状材料を土壌と一緒に3”の深さまで混合する。このような例では、前記粒状材料は土壌の中の3”の深さの所の雑草の種子に対しては植物毒性を示すが、4”の深さの所に撒いた作物種子に対しては植物毒性を示さない。本分野の技術者は所定組み合わせが植物毒性を示すか否かの決定を成すことができるであろう。前記粒状材料は好適には無毒であり、このことは、前記材料が有効な雑草防除に要する量の時に動物、環境、アプリケーター(applicator)および本発明に関連して生産された農業製品の最終消費者(もしあれば)に有害でないと見なされることを意味する。
【0023】
本発明は雑草防除方法に関し、この方法では、土壌、望まれない植物または植物生産用基質の表面を1種以上の粒状材料で処理する。詳細には、適切な量の粒状材料を基質の表面(土壌、望まれない植物または植物生産用基質の表面)に接触させる。
【0024】
1つの態様では、前記基質の表面全体を前記粒状材料で覆う。基質を完全に覆うと有効な雑草防除かつ病気および昆虫の防除が得られる傾向がある。別の態様では、表面全体ではない表面を前記粒状材料で覆う。そのような態様では部分的被覆が非常に有効であり、例えば、連続的でない被覆によって光および赤外線が前記粒状材料から反射すると同時に有効な雑草防除を与える。別の態様では、本発明の方法を用いる結果として土壌の表面、望まれない植物の表面または他の植物生産用基質の表面の上に高反射性粒状材料の1層以上の層で出来ている膜もしくはフィルムを生じさせる。この膜もしくはフィルムは前記基質の表面をある程度覆っていてもよいか、前記基質の表面を実質的に覆っていてもよいか或は前記基質の表面を完全に覆っていてもよい。このフィルムは合着性または非合着性であってもよい。
【0025】
1つの態様では、前記粒状材料を微細な粒子が揮発性液、例えば水、低沸点有機溶媒または低沸点有機溶媒/水混合物に入っているスラリーとして基質に投与する。前記スラリーの1層以上の層を前記基質に噴霧するか或は他の様式で付着させる。この個別粒子が入っているスラリーに添加剤、例えば界面活性剤、分散剤、展着剤/粘着剤(接着剤)、低沸点有機液、高沸点有機液、塩類、農業化学品および色付き粒子などを混合してもよい。添加剤にはまた油および非揮発性の高沸点有機材料も含まれる。前記粒状材料をスラリーとして施す場合、それは疎水性粒状材料または親水性粒状材料である。
【0026】
別の態様では、前記粒状材料を乾燥粉じんとして基質に施して前記基質の中に取り込ませる(この基質が土壌または他の植物生産用表面である場合)。この処理の結果として生じる残留物は親水性または疎水性であり得る。前記粒状材料を乾燥粒子として施す場合、それは疎水性粒状材料または親水性粒状材料であるが、好適には疎水性粒状材料である。
【0027】
更に別の態様では、前記粒状材料を水と高沸点有機液の乳液として基質に施す。この態様では、前記粒状材料を最初に前記高沸点有機液と混合した後に水と混合して安定な乳液を生じさせる。前記粒状材料と高沸点有機液の混合では、水を添加した後に安定な乳液が生じるのを助長する目的で高せん断混合を行う必要があり得る。前記粒状材料を乳液として施す場合、それは疎水性粒状材料または親水性粒状材料であるが、好適には親水性粒状材料である。
【0028】
園芸基質に噴霧する時に均一な処理を補助する目的で親水性粒子に混合可能(例えば水中約3重量%以上の固体量になるように)な展着剤/粘着剤は、修飾フタリック(modified phthalic)グリセロールアルキド樹脂、例えばRohn & Haas Co.のLatron B−1956など;乳化剤が入っている植物油が基になった材料[ココジタリミド(cocodithalymide)]、例えばSalsbury lab,Inc.のSea−wetなど;高分子量のテルペン、例えばDrexel Chemical Co.のPinene IIなど、非イオン性界面活性剤(エトキシル化トール油脂肪酸)、例えばStephanのToximul 859およびNinex MT−600シリーズなどである。
【0029】
別の態様では、前記粒子のスラリーまたは粒子−基質の混合物に農業化学品を混合する。農業化学品の例には、栄養素、微生物剤、肥料、除草剤、有害生物防除剤、殺菌・殺カビ剤、殺虫剤などが含まれる。
【0030】
更に別の態様では、前記粒状材料にいろいろな色の粒子を含有させることで、そのような粒状材料を基質(土壌、望まれない植物または植物生産用基質)に施した時に前記基質から反射する光のスペクトルまたは熱交換が変わるようにする。そのような色付き粒子は非反射性であってもよい。その例には天然の酸化鉄、例えば黄色リモナイト(limonite)、赤色ヘマタイト(hematite)、褐色リモナイトなど;黒色酸化鉄、例えばPigment Black 10など、合成酸化鉄、例えばコペラスレッド(copperas red)およびフェライトレッドなど、沈澱させた赤色酸化鉄、褐色酸化鉄、例えばPigment Brown 6および褐色オーカーなど、合成黒色酸化鉄、例えばPigment Black 1および合成マグネタイト(magnetite)など;銅−ブラック;クロム−ブラック;亜鉛マグネシウムフェライト顔料、例えばPigment Brown 11およびマピオクタンス(mapioc tans)など;カーボンブラック顔料、例えばPigment Black 6または7、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、ファーネスブラック、ボーンブラックおよびランプブラックなど;グラファイト(天然および合成グラファイトを包含)、例えばエレクトログラファイトまたは人工グラファイトなど、アニリンブラック、例えばPigment Black 1など、ログウッドブラックレーキ、例えばNatural Black 3、Lake、Logwood Pigmentなどが含まれる。
【0031】
前記低沸点有機液には好適には水と混和する有機溶媒が含まれる。1つの態様における低沸点有機液が含有する炭素原子の数は1から約6である。用語「低沸点」を本明細書で用いる場合、これは、沸点が一般に約100℃以下の有機液を意味する。このような液は、前記粒状材料が有意な凝集を起こすことなく微細な状態のままであり得ることを助長する。低沸点有機液の例には、アルコール類、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、i−プロパノール、ブタノール、i−ブタノールなど、グリコール類(ポリオール類)、ケトン類、例えばアセトン、メチルエチルケトンなど、そして環状エーテル類、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドおよびテトラヒドロフランなどが含まれる。また、上述した低沸点有機液の組み合わせを水の有り無しで用いることも可能である。メタノールが好適な低沸点有機液である。
【0032】
前記粒状材料を基質に噴霧してそれを付着させるのを助長する目的で低沸点有機液を用いてもよい。そのような低沸点有機液を典型的には前記粒状材料の分散液の生成を助長するに充分な量で用いる。1つの態様では、低沸点有機液の量を分散液の約30%(体積パーセント)以下にする。別の態様では、低沸点有機液の量を分散液の約1から約20%(体積パーセント)にする。更に別の態様では、低沸点有機液の量を分散液の約2から約10%(体積パーセント)にする。好適には、前記粒状材料を低沸点有機液に加えてスラリーを生じさせた後、このスラリーを水で希釈して水性分散液を生じさせる。
【0033】
本発明の目的で前記粒子を基質に施す時に高沸点有機液(油および脂肪酸を包含)を用いてもよい。用語「高沸点」を本明細書で用いる場合、これは沸点が一般に約100℃より高い有機液を意味する。この高沸点有機液および/または油を典型的には前記粒状材料の乳液の生成を助長するに充分な量で用いる。1つの態様では、高沸点有機液の量を乳液の約30%(体積パーセント)以下にする。別の態様では、高沸点有機液の量を乳液の約1から約20%(体積パーセント)にする。更に別の態様では、高沸点有機液の量を乳液の約2から約10%(体積パーセント)にする。前記粒状材料を高沸点有機液および/または油に加えてスラリーを生じさせるか、或は前記粒状材料を水と一緒に高沸点有機液および/または油に加えることで乳液−スラリーを生じさせる。
【0034】
高沸点有機液の例には、植物、産業、海洋およびパラフィン油が含まれ、それらには綿実油、パーム油、落花生油、トウモロコシ油、大豆油、ヒマシ油、亜麻仁油、菜種油、きり油、オイチシカ油、魚油、マッコウ鯨油、Menhaden油などが含まれる。高沸点有機液のさらなる例には、脂肪酸、例えば飽和および不飽和脂肪酸などが含まれ、それらにはC6からC32のカルボン酸が含まれる。具体例にはカプロン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルギガリックアシッド(margigaric acid)、ステアリン酸、ラウロレイン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸などが含まれる。商業的に入手可能な油には、ExxonのOrchex(商標)製品、ChevronのVolck油、Pennzoil−Quaker StateのPennzspray(商標)製品およびSunocoのSunspray(商標)製品が含まれる。
【0035】
別の態様では、前記粒子のスラリーまたは粒子−基質の混合物に塩類を混合する。添加用塩類には、イオン性塩、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸カルシウム、硝酸マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、亜硝酸ナトリウムおよび亜硝酸カリウムなどが含まれる。
【0036】
前記粒子組成物の植物毒性を向上させて雑草防除能力を更に向上させようとする時には特にいくつかの高沸点有機液が有効である。これに関連して、1つの態様における高沸点有機液には、炭素原子数が約9以上から炭素原子数が約20以下の有機液、炭素原子数が奇数の有機液、および不飽和または芳香性を有する有機液が含まれる。
【0037】
その結果として得たスラリーまたは乳液は前記粒子を微細形態でか或は凝集体として保持しており、その中に入っている粒状材料は、用いる液体が高沸点有機液であるか、低沸点有機液であるか、或は高沸点有機液と低沸点有機液であるかに拘らず、大部分が約100ミクロン未満の粒子サイズになるように分散している。1つの態様では、前記粒状材料の90重量%以上が約10ミクロン未満の粒子サイズを有する。別の態様では、前記粒状材料の90重量%以上が約3ミクロン未満の粒子サイズを有する。更に別の態様では、前記粒状材料の90重量%以上が約1ミクロン未満の粒子サイズを有する。
【0038】
凝集体が生じる場合、前記スラリーまたは乳液に入っている粒状材料の90重量%以上が約500ミクロン未満の凝集体サイズを有するようにする。別の態様では、前記スラリーまたは乳液に入っている粒状材料の90重量%以上が約250ミクロン未満の凝集体サイズを有するようにする。
【0039】
本粒子処理は微細粒状材料の1層以上の層として適用可能である。付着させる材料の量は数多くの要因、例えば当該基質の同定および当該粒状材料の同定などに応じて変わる。本分野の通常の技術者は如何なる場合にも付着させるべき材料の量を決定することができるであろう。その量は、粒子処理を適用する土壌または他の植物生産用基質の全部または一部を覆う連続膜もしくは不連続膜が生じるに充分な量であってもよい。1つの態様における粒子処理は、表面の外観を白色にするか或は外観を所望の色にする場合に特に効果的である。
【0040】
1つの態様では、粒状材料を基質の中に取り込ませた時に粒状材料の約1から約99重量%が前記基質の中に加わるようにする(例えば、粒状材料と土壌の混合物を土壌に加える)。別の態様では、粒状材料を基質(例えば、土壌または植物生産用基質)に取り込ませた時に粒状材料の約5から約80重量%が前記基質の中に加わるようにする。
【0041】
別の態様では、粒状材料をスラリーとして基質にそれの約5から約50重量%が加わるようにする(例えば、粒状材料と液体の混合物を望まれない植物の表面に施す)。別の態様では、粒状材料をスラリーとして基質の表面にそれの約20から約40重量%が付着するようにする。次に、そのような処理を受けさせた基質を耕すことで前記粒状材料を前記基質の中に混合してもよい。
【0042】
粒状材料を粉じんとして施すか、基質(例えば土壌)と混合して施すか、スラリー(水性およびまたは有機液)の状態で混合して施すかに拘らず、粒状材料を基質に望まれない植物の中の少なくとも1種を減少させ、有害生物の存在または望ましくない影響を低下させ、病気を減少させ、そして作物または他の所望植物の園芸効果を向上させるに充分な量で施す。一般的に言って、前記粒状材料を湿っているか或は乾燥している状態で施して基質と一緒に混合するか或はそれで基質を覆う。混合は前記粒状材料で処理した土壌をひっくり返すか或は回転耕作(roto−tilling)することで達成可能である。
【0043】
一般的には、前記粒状材料を基質に適切な任意様式で施す。例えば、前記粒状材料が入っているスラリーを植物生産培地または望まれない植物に接触させることなどで、前記粒状材料を基質に加えてもよい。植物生産培地の上に膜を生じさせると、その膜は発芽前用除草剤として働く可能性がある。別法として、前記粒状材料を粉末形態で基質に施してもよく、そして当該基質が植物生産培地の場合には、場合により、前記粒状材料と基質を混合してもよい。別の態様では、前記粒状材料をかたく固まっていない植物生産培地(典型的には土壌)と一緒に混合して混合物を生じさせた後に前記混合物を基質、典型的には植物生産培地に加えることで、前記粒状材料を基質に加えてもよい。
【0044】
前記粒状材料を基質と混合する態様、例えば土壌または他の植物生産培地と混合する態様では、この混合の深さを表面から少なくとも約1cmにする。別の態様では、その混合の深さを表面から少なくとも約3cmから約30cmにする。更に別の態様では、その混合の深さを表面から少なくとも約5cmから約20cmにする。前記粒状材料を植物生産培地と混合する時、それをその中に実質的に均一に混合してもよいか或はそれをその中にランダムに分散させてもよい。
【0045】
1つの態様では、そのように混合した成育用媒体の中の粒状材料の量が約1重量%以上から約25重量%以下になるようにする。別の態様では、そのように混合した成育用媒体の中の粒状材料の量が約2重量%以上から約15重量%以下になるようにする。更に別の態様では、そのように混合した成育用媒体の中の粒状材料の量が約3重量%以上から約10重量%以下になるようにする。
【0046】
前記粒状材料を表面から特定の深さにまで混合することに加えて、それを植え付け用培地(planting medium)の表面下の個別の層の状態で混合することも可能である。例えば、前記粒状材料を表面下5cmの所に位置する厚みが7cmの層(表面下5cmから12cm)の状態で混合してもよい。
【0047】
前記粒状材料で基質を被覆する態様では、前記粒状材料が成育用媒体もしくは望まれない植物の上に連続もしくは不連続の被膜または膜を形成するようにする。1つの態様において、被膜を連続的または存在させる場合、それの厚みを約1μm以上から約5mm以下にする。別の態様では、被膜の厚みを約5μm以上から約2mm以下にする。
【0048】
ある場合には、環境条件、例えば風および雨などで前記粒状材料の被覆度(残留度)が低下する可能性があり、従って、成育時期には本発明の所望効果を維持する目的で前記粒子を1回以上施すのが望ましい。
【0049】
1つの態様において、本発明に従って生じさせた粒子膜(particulate films)は前記土壌の表面で起こる気体の交換に実質的な影響を与えない。前記粒子で処理した所(または本発明の処理によって残存する残留物)を通過する気体は、典型的に、土壌または植物生産用基質を通って交換される気体である。そのような気体には水蒸気、二酸化炭素、酸素、窒素および揮発性有機物が含まれる。
【0050】
別の態様では、前記粒状材料が気体を透過しない膜を形成するようにしてもよく、そのような膜は、土壌、植物生産用基質および/または望まれない植物の表面で起こる気体の交換を制限する。このような態様では、土壌の中の気体を捕捉する気体不透過性膜を生じさせる。このような態様の粒子処理部を透過しない気体は、典型的に当該基質を通って交換される気体である。そのような気体には水蒸気、二酸化炭素、酸素、窒素および揮発性有機物、そして施された農業化学品、例えば燻蒸剤などが含まれる。
【0051】
前記粒状材料は、雑草防除方法、園芸効果を向上させる方法、病気防除方法および有害生物防除効果方法で使用可能である。雑草防除は、存在する雑草の成育の抑制、新しい雑草の成育の防止、そして存在する雑草の寿命の停止の中の少なくとも1つを伴う。園芸効果の向上には、農業および/または鑑賞用作物の成長速度を速めること、農業および/または鑑賞用作物の健康を亢進させること、農業および/または鑑賞用作物の寿命を長くすること、農業および/または鑑賞用作物が作り出す果実または花の量を多くすること、そして農業および/または鑑賞用作物の根系を強化することの中の少なくとも1つが含まれる。病気防除は、農業および/または鑑賞用作物が被るウイルス病の罹病率の軽減、細菌病の軽減、菌・カビ病の軽減および昆虫蔓延病(insect spread desease)の軽減の中の少なくとも1つを伴う。有害生物防除は、農業および/または鑑賞用作物が昆虫、クモおよび/または線虫外寄生によって被る損害の低下、農業および/または鑑賞用作物の土壌または成育用媒体の昆虫、クモおよび/または線虫外寄生の減少、農業および/または鑑賞用作物の土壌または成育用媒体の昆虫、クモおよび/または線虫外寄生の防止、そして農業および/または鑑賞用作物の昆虫、クモおよび/または線虫外寄生の防止の中の1つである。
【0052】
本発明の雑草防除方法の実施の継続がもはや望まれない時には、当該基質に最初に施した処理を乱すように通常の耕作実施を行うことで、その処理した基質を土壌または他の植物生産用基質の中に入り込ませて分散させる(混ぜ合わせる)。
【0053】
前記粒状材料は、また、果実の木、典型的には花が咲いている状態の木に付いている花の数を少なくすることで所定枝に生じる果実が隣接する果実と木の栄養に関して競合しないようにする方法で用いることも可能である。この特別な態様では、水と前記粒状材料と1種以上の高沸点有機溶媒が入っている乳液を果実の木に施す。そのように施すことで花の全部ではなくある数の花が充分には発育しないようにする。これは典型的に施して約2週間以内に起こり、ある場合には、施して約1週間以内に起こる。そのように花の数が少なくなる結果として、そのような処理を受けさせた果実の木から収穫される果実は、処理を受けさせていない同様な果実の木から収穫される果実に比べて大きくかつ健康的である。また、そのような処理を受けさせた果実の木から収穫される果実の味も向上する。
【0054】
1つの態様では、粒状材料の乳液を施すことで果実の木の花の少なくとも約25%(数で表して)が充分には発育しないようにしそしてそれから収穫される果実が未処理の木から収穫される果実よりも約5重量%以上大きくなるようにする。別の態様では、粒状材料の乳液を施すことで果実の木の花の少なくとも約50%(数で表して)が充分には発育しないようにしそしてそれから収穫される果実が未処理の木から収穫される果実よりも約10重量%以上大きくなるようにする。更に別の態様では、粒状材料の乳液を施すことで果実の木の花の少なくとも約60%(数で表して)が充分には発育しないようにしそしてそれから収穫される果実が未処理の木から収穫される果実よりも約15重量%以上大きくなるようにする。
【0055】
以下に示す実施例で本発明の説明を行う。以下に示す実施例そして本明細書および添付請求の範囲に示す部およびパーセントは特に明記しない限り全部重量部および重量パーセントであり、温度は摂氏度であり、そして圧力は大気圧またはほぼ大気圧である。
【実施例1】
【0056】
疎水性材料であるTranslink(商標)77を用いて改善した土壌に関して、前記材料の量を多くして行くことで水放出曲線(water release curve)を作成する。5バールの空気流入値(air entry value)を有する圧力膜装置(pressure membrane apparatus)(Soil Moisture Eqpt.Santa Barbara、CA、モデル1600)を用いる。土壌用環(直径が48mmで高さが10mm)を土壌[Hagerstown微砂質土壌(silt loam)]およびいろいろな量(土壌の0、1、2、3、4重量%)のTranslink(商標)77で満たす。前記環と土壌を直立水(standing water)の中に30日間入れた後、既知レベルの土壌乾燥を模擬する目的で、それに圧力差(−0.05、−0.1、−0.5、−1、−2、−3気圧)を膜プレート(membrane plate)上で受けさせる。圧力差が−0.05から−0.5気圧の範囲であることは水が充分な土壌であることに相当する一方、圧力差が−2から−3気圧の範囲であることは、植物の成育を容易には支援しない乾燥した土壌であることに相当する。
【0057】
圧力差および疎水性粒子の添加が体積土壌水含有量(水の体積/土壌の体積)に対して示す効果を表1に示す。
【0058】
【表1】

【0059】
圧力差または土壌水分圧が低くなる、即ちより負になると、土壌が乾燥しかつ土壌の水含有量が少なくなる。特定の土壌水分圧の時に疎水性粒子の添加量を多くして行くと、−0.05から−2気圧の範囲の時には土壌の水含有量が更に低くなる。従って、疎水性粒子を添加すると、特に−0.05から−0.5気圧の範囲で水が充分な時には、水の利用度が低くなる。
【実施例2】
【0060】
4種[イヌエビ(Echinochloa crusgalli)、キハマスゲ(Cyperus esculentus)、セイヨウトゲアザミ(Cirsium arvense)、アカザ(Chenopodium album)]の雑草の種子および2種類の作物種[小麦(Triticum aestivum)、モロコシ(Sorghum bicolor)]の種子に処理を下記の6種類の植え付け配置で受けさせる:
1. 土壌に植え付けた後に1cmの土壌で覆う
2. 土壌に植え付けた後に2cmの土壌で覆う
3. 土壌に植え付けた後にTranslink(商標)77含有量が5%(重量/重量)の1cmの土壌で覆う
4. 土壌に植え付けた後にTranslink(商標)77含有量が5%(重量/重量)の2cmの土壌で覆う
5. Translink(商標)77含有量が5%(重量/重量)の土壌を土壌の上に厚みが1cmの層として位置させてこれに植え付けた後に種子をTranslink(商標)77含有量が5%(重量/重量)の1cmの土壌で覆う
6. Translink(商標)77含有量が5%(重量/重量)の土壌を土壌の上に厚みが1cmの層として位置させてこれに植え付けた後に種子をTranslink(商標)77含有量が5%(重量/重量)の2cmの土壌で覆う。
【0061】
前記土壌はHagerstown微砂質土壌であり、これを4mmのスクリーンに通してふるい分けした後、加熱殺菌することで、固有の雑草の種子を死滅させる。土壌を5cm入れておいたポットに各種の種子を10個植えた後、その土壌の上に処理物を置く。毎週、前記ポットを水の層の中に2cmの深さにまで1から2時間浸すことで前記ポットに水を与える。毎日、各ポットの表面に水を噴霧する。
【0062】
この研究を3回の反復を伴う乱塊法(randomized block design)で計画する。種子を植え付けた後、収穫を行う。収穫時には、各容器に入っている植物の数およびそれを60℃で乾燥させた後の重量を測定する。
【0063】
疎水性粒子であるTranslink(商標)77を用いて土壌を改善した時にそれが種子の発芽および成育に対して示した効果を表2に示す。
【0064】
【表2】

【0065】
前記データは、雑草または作物の種子を土壌に植え付けるか或はそれの上に置きそしてそれをTranslink(商標)77を5%用いて改善した土壌で覆っても種子の発芽があまり抑制されないことを示している(処理1−4)。しかしながら、雑草の種子をTranslink(商標)77で改善しておいた土壌の中に入れると、種子の発芽が大きく減少する(処理5および6)。如何なる理論でも範囲を限定することを望むものでないが、種子の発芽が減少する理由は表1に示すようにある程度ではあるがその改善を受けさせた土壌では水の利用度が低下することによるものであると考えている。
【実施例3】
【0066】
1つの現場は、8月の始めに回転耕作を行うに先立って5年間に渡って永久的な牧草地の状態であった現場である。回転耕作を行った後、同じ年の8月29日に、未処理土壌および処理を受けさせた土壌の1mx1mの区画を6反復を伴う対応のあるt検定計画(paired−t−test design)で確立する。処理を受けさせる土壌には、Engelhard CorpのTranslink(商標)77である疎水性カオリン粒子を1.2kg/mの量で与える。Translink(商標)77を土壌の上部3cmの中に手で耕すことで均一に混合する。処理した3cmの土壌領域の中のTranslink(商標)77の濃度が約3重量%および20体積%になるようにする。次の年の5月6日に各ポットの中心部からバイオマス(biomass)サンプルを採取し、60℃で乾燥させた後、重量を測定する。各ポットの中心部から1,195cmの円形領域をサンプリングする。処理を受けさせていない処理地の中の植物の乾燥質量は218.5g/mであり、処理した土壌から収穫した23.5g/mよりも有意(p=0.05)に多い。このデータは、土壌を3%の量の疎水性粒子で改善しておくとその改善領域の中の種子の発芽が大きく抑制されることを示している。如何なる理論でも範囲を限定することを望むものではないが、そのような抑制の理由は前記改善領域の中では種子の発芽で利用される水の量が少なくなったことによるものであると考えている。いくつかの種子は発芽したが、その理由は、ある程度ではあるが、表2に示すように、その改善を受けさせた土壌と天然の土壌の界面の所で種子が発芽したことによるものであろう。
【実施例4】
【0067】
キハマスゲの種子をHagerstown微砂質土壌を5cm入れておいたポットの1cmの深さの所に植える。ポットに下記の6種類の処理を受けさせる:
1. なし
2. Parafilmの気密耐水被覆材で覆う
3. 疎水性粒子であるTranslink(商標)77の5mmの被覆物で覆う
4. 綿実油の1mmの被覆物で覆う
5. Translink(商標)77が綿実油に30%(重量/体積)入っている1mmの被覆物で覆う
6. 親水性粒子であるSatintone(商標)5HBが綿実油に30%(重量/体積)入っている1mmの被覆物で覆う。
【0068】
毎週、前記ポットを2cmの水の中に1から2時間浸漬する。この研究は8反復を伴う完全無作為計画である。マルチ処理がキハマスゲの成育に対して示す効果(各新芽の長さcm)を表3に示す。
【0069】
【表3】

【0070】
このようなデータは、疎水性もしくは親水性いずれかの材料と綿実油を一緒にした混合物は種子の発芽を邪魔し、これの効果は、乾燥した材料が示した効果よりもまた綿実油を単独で用いた時の効果よりも高いことを示している。このことは抑制は空気が排除させることによるものではない、と言うのは、Parafilmで覆っても種子の発芽が抑制されなかったからである。
【実施例5】
【0071】
Licor 1800分光光度計を用いて、土壌の反射スペクトルおよび疎水性材料[Translink(商標)77]で処理した土壌の反射スペクトルを全太陽光条件(full sun conditions)下で測定する。その反射スペクトルを図1に示し、この図1では、波長をμモル/m/秒に対してプロットする。
【0072】
このデータは、白色材料を用いて土壌を改善すると可視および赤外線の反射が増大することを示している。
【実施例6】
【0073】
トマト(Lycopersicon lycopersicon)および豆(Phaseolus vulgaris)に下記の処理を受けさせる:
1. 処理なし
2. 綿実油を噴霧
3. 綿実油中30%のTranslink(商標)77を噴霧
4. 綿実油中30%のSatintone(商標)5HBを噴霧
5. Translink(商標)77粉付け
6. Satintone(商標)5HB粉付け
施して7日後に植物を生存または死滅として評価する。3反復を伴う乱塊法を用い、その結果を表4に示す。
【0074】
【表4】

【0075】
このようなデータは、綿実油または粒子を単独で施しても植物を死滅させないことを示している。しかしながら、綿実油と疎水性粒子[Translink(商標)77]または親水性粒子[Satintone(商標)5HB]を組み合わせると植物を死滅させる。
【実施例7】
【0076】
リンゴの木の下の8フィートx10フィートの領域に下記の処理を受けさせる:
1)未処理対照
2)6ポンドのASP 672(含水カオリン)を0.6ガロンの綿実油と一緒に混合した後、この混合物に4.4ガロンの水を加えて穏やかに撹拌することで、カオリンと油と水を組み合わせる
3)6ポンドのASP 672(含水カオリン)と0.15ポンドの酸化鉄と0.6ガロンの綿実油を一緒に混合した後、この混合物に4.4ガロンの水を加えて穏やかに撹拌することで、カオリンと綿実油と酸化鉄と水を組み合わせる。
【0077】
処理2)および3)を1エーカー当たり50ガロンの溶液または1区画当たり11.75オンスの溶液または1区画当たり350mlの溶液の割合で適用する。未処理対照には何も加えない。適用を4月27日、5月31日および7月5日に行う。前記綿実油は乳化剤を全く含有していない。前記カオリンはある程度ではあるが乳化剤として働くことで綿実油が水に入っている乳液を生じさせる。
【0078】
【表5】

【0079】
このようなデータは、綿実油をカオリンと一緒に酸化鉄の有り/無しで乳化させて施すと植物が死滅しそして酸化鉄を加えると効力が高くなる傾向があることを示している。
【0080】
本発明を好適な態様に関連させて説明してきたが、本明細書を読んだ後の本分野の技術者に本発明のいろいろな修飾形が明らかになると理解されるべきである。従って、本明細書に開示する発明に添付請求の範囲の範囲内に入る如きそのような修飾形を包含させることを意図すると理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】図1は、未処理土壌および本発明に従う処理を受けさせた土壌が示した反射スペクトルである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
雑草の成長を低下させる方法であって、植物生産培地に個別粒子サイズ中央値が約100μm未満の疎水性粒状材料を少なくとも約1cmの深さにまで施すことで前記植物生産培地が前記深さまでに疎水性粒状材料を約1重量%以上から約25重量%以下の量で含有するようにすることを含んで成る方法。
【請求項2】
前記疎水性粒状材料を少なくとも約3cmから約30cmの深さまで施す請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記植物生産培地が前記深さまでに疎水性粒状材料を約2重量%以上から約15重量%以下の量で含有するようにする請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記疎水性粒状材料の90重量%以上が約3ミクロン未満の粒子サイズを有するようにする請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記疎水性粒状材料を下記:
水と前記疎水性粒状材料を含んで成るスラリーを前記植物生産培地と接触させそして前記スラリーと前記植物生産培地を混合するか、
粉末形態の前記疎水性粒状材料を前記植物生産培地に施しそして前記疎水性粒状材料と前記植物生産培地を混合するか、或は
前記疎水性粒状材料とかたく固まっていない植物生産培地を混合して混合物を生じさせることで前記混合物を前記植物生産培地に施す、
の中の1つで施す請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記植物生産培地が土壌、ピート、コンポスト、バーミキュライトおよびロックウールから成る群から選択される少なくとも1種を含んで成る請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記疎水性粒状材料が熱処理された粒状材料、炭酸カルシウム、タルク、カオリン、ベントナイト、ピロフィライト、シリカ、長石、砂、石英、チョーク、石灰石、沈澱炭酸カルシウム、ケイソウ土、重晶石、三水化アルミニウム、火成シリカ、二酸化チタン、炭素煤および炭じんから成る群から選択される少なくとも1種を含んで成る請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記疎水性粒状材料が親水性の中心部と疎水性の外側表面を含んで成る請求項1記載の方法。
【請求項9】
雑草の成長を低下させる方法であって、植物生産培地に熱処理された粒状材料、タルク、カオリン、ケイソウ土、三水化アルミニウム、火成シリカ、二酸化チタン、炭素煤および炭じんから成る群から選択される個別凝集体サイズ中央値が約500μm未満の凝集体形態の粒状材料と高沸点有機液の混合物を施すことを含んで成る方法。
【請求項10】
前記凝集体形態の粒状材料を少なくとも約2cmの深さまで施すことで前記植物生産培地が前記深さまでに粒状材料を約1重量%以上から約25重量%以下の量で含有するようにする請求項9記載の方法。
【請求項11】
水と約5重量%から約50重量%の量の粒状材料を含有して成るスラリーに前記植物生産培地を接触させることで前記粒状材料の混合物を施す請求項9記載の方法。
【請求項12】
前記高沸点有機液が油および脂肪酸から成る群から選択される少なくとも1種を含んで成る請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記粒状材料が疎水性粒状材料を含んで成る請求項9記載の方法。
【請求項14】
前記粒状材料が含水カオリンを含んで成る請求項9記載の方法。
【請求項15】
雑草の成長を低下させる方法であって、望まれない植物に水と個別粒子サイズ中央値が約100μm未満の粒状材料と高沸点有機液を含有して成る乳液を施すことで厚みが約1μm以上から約5mm以下の膜を生じさせることを含んで成る方法。
【請求項16】
前記粒状材料の90重量%以上が約10ミクロン未満の粒子サイズを有しかつ前記膜の厚みが約5μm以上から約2mm以下になるようにする請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記粒状材料が含水カオリンを含んで成る請求項15記載の方法。
【請求項18】
前記乳液に更に除草剤、有害生物防除剤および殺菌・殺カビ剤から成る群から選択される少なくとも1種も含有させる請求項15記載の方法。
【請求項19】
前記粒状材料が炭酸カルシウム、タルク、含水カオリン、焼成カオリン、ベントナイト、ピロフィライト、シリカ、長石、砂、石英、チョーク、石灰石、沈澱炭酸カルシウム、ケイソウ土、重晶石、三水化アルミニウム、火成シリカ、二酸化チタン、炭素煤および炭じんから成る群から選択される少なくとも1種を含んで成る請求項15記載の方法。
【請求項20】
前記乳液に綿実油、パーム油、落花生油、トウモロコシ油および大豆油から成る群から選択される少なくとも1種の油を含有させる請求項15記載の方法。
【請求項21】
前記高沸点有機液が炭素原子数が約9から約20の高沸点有機液、炭素原子数が奇数の高沸点有機液、芳香部分を含有する高沸点有機液および不飽和を含有する高沸点有機液から成る群から選択される少なくとも1種を含んで成る請求項15記載の方法。
【請求項22】
請求項15記載の膜で覆われている望まれない植物。
【請求項23】
一区画の土地であって、
土壌と約1重量%以上から約25重量%以下の量の選別したカオリンおよび熱処理された粒状材料の1種以上を含んで成る個別粒子サイズ中央値が約100μm未満の疎水性粒状材料を含有して成っていて表面から始まって約3cmから約30cmの深さに至る上方層、および
土壌、岩、粘土および砂の中の少なくとも1種を含んで成る下方層、
を含んで成る一区画の土地。
【請求項24】
前記上方層が土壌と約2重量%以上から約15重量%以下の量の焼成カオリンを含んで成る請求項23記載の一区画の土地。
【請求項25】
植物生産培地の中および上に存在する有害生物を減少させる方法であって、植物生産培地に熱処理された粒状材料、タルク、カオリン、ケイソウ土、三水化アルミニウム、火成シリカ、二酸化チタン、炭素煤および炭じんから成る群から選択される個別粒子サイズ中央値が約10μm未満の粒状材料を少なくとも約1cmの深さにまで施すことで前記植物生産培地が前記深さまでに粒状材料を約1重量%以上から約25重量%以下の量で含有するようにすることを含んで成る方法。
【請求項26】
前記粒状材料を少なくとも約3cmから約30cmの深さまで施す請求項25記載の方法。
【請求項27】
前記粒状材料が含水カオリンを含んで成りそして前記有害生物に細菌、菌・カビ、虫、昆虫、クモ、鳥、齧歯類、鹿およびウサギから成る群から選択される少なくとも1種が含まれる請求項25記載の方法。
【請求項28】
前記粒状材料をこの粒状材料と水と高沸点有機液を含有して成る乳液の状態で植物生産培地に施す請求項25記載の方法。
【請求項29】
植物生産培地の中に位置する植物の園芸効果を向上させる方法であって、植物生産培地の上表面に個別粒子サイズ中央値が約10μm未満でブロックブライトネスが少なくとも約80の粒状材料を施すことで厚みが約1μm以上から約5mm以下の膜を生じさせることを含んで成る方法。
【請求項30】
前記粒状材料をこの粒状材料と水と高沸点有機液を含有して成る乳液の状態で植物生産培地の上表面に施す請求項29記載の方法。
【請求項31】
植物生産培地の中の植物の病気防除を向上させる方法であって、植物生産培地に熱処理された粒状材料、タルク、カオリン、ケイソウ土、三水化アルミニウム、火成シリカ、二酸化チタン、炭素煤および炭じんから成る群から選択される個別粒子サイズ中央値が約10μm未満の粒状材料を少なくとも約3cmの深さにまで施すことで前記植物生産培地が前記深さまでに粒状材料を約1重量%以上から約25重量%以下の量で含有するようにすることを含んで成る方法。
【請求項32】
前記粒状材料をこの粒状材料と水と高沸点有機液を含有して成る乳液の状態で植物生産培地に施す請求項31記載の方法。
【請求項33】
果実の木から収穫される果実の大きさを増大させる方法であって、1番目の数の花が付いている前記果実の木に水と個別粒子サイズ中央値が約100μm未満の粒状材料と高沸点有機液を含有して成る乳液を施すことで、施した後約2週間以内に前記果実の木に前記1番目の数より少なくとも約25%少ない2番目の数の花を付けさせることを含んで成る方法。
【請求項34】
前記果実の木がリンゴの木、梨の木、桃の木、プラムの木、レモンの木、グレープフルーツの木、アボガドの木、オレンジの木およびアプリコットの木から成る群から選択される請求項33記載の方法。
【請求項35】
前記2番目の数が前記1番目の数より少なくとも約50%少ない請求項33記載の方法。
【請求項36】
前記高沸点有機液が炭素原子を約9から約20個含有する高沸点有機液を含んで成る請求項33記載の方法。
【請求項37】
前記粒状材料が炭酸カルシウム、タルク、含水カオリン、焼成カオリン、ベントナイト、ピロフィライト、シリカ、長石、砂、石英、チョーク、石灰石、沈澱炭酸カルシウム、ケイソウ土、重晶石、三水化アルミニウム、火成シリカ、二酸化チタン、炭素煤および炭じんから成る群から選択される少なくとも1種を含んで成る請求項33記載の方法。

【図1】
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【公表番号】特表2006−505493(P2006−505493A)
【公表日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−568978(P2003−568978)
【出願日】平成15年2月10日(2003.2.10)
【国際出願番号】PCT/US2003/003808
【国際公開番号】WO2003/070002
【国際公開日】平成15年8月28日(2003.8.28)
【出願人】(591044371)エンゲルハード・コーポレーシヨン (43)
【氏名又は名称原語表記】ENGELHARD CORPORATION
【出願人】(502024052)ザ・ユナイテツド・ステイツ・オブ・アメリカ・アズ・リプレゼンテイド・バイ・ザ・セクレタリー・オブ・アグリカルチヤー (1)
【Fターム(参考)】