説明

難消化性オリゴ糖を含む栄養組成物

本発明は呼吸器感染症及び/又は呼吸器感染疾患の治療及び/又は予防のための方法及び組成物を提供し、前記方法は哺乳動物に組成物を経口投与することを含み、前記組成物はガラクトース含有難消化性オリゴ糖及び少なくとも5wt%の消化性ガラクトース糖を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は呼吸器感染症の予防及び/又は治療のための方法を提供し、前記方法は難消化性オリゴ糖の投与を含む。
【背景技術】
【0002】
呼吸器は病原体感染症のよく起こる部位である。呼吸器は物理的環境と直接接触しており、空気中の微生物に曝されているので、頻繁に感染される。幼児に病気を引き起こすいくつかの微生物が存在する。
【0003】
呼吸器合胞体ウイルス(respiratory syncytial virus、RSV)は、幼児及び小児における重篤な下気道感染疾患の主な原因である。RSV初感染は6週齢から2才の小児に最も頻繁に起こる。RSVは小児の細気管支炎の全体の75%程も、また小児肺炎の全体の40%に達するものを引き起こすと見積もられている。RSV感染の危険が大きい小児には、早産児、並びに、気管支肺異形成症、先天性心疾患、先天性又は後天性免疫不全症及び嚢胞性線維症の小児が含まれる。心臓又は肺の疾患をもち、RSVに感染症して入院した幼児における死亡率は、3%〜4%である。定着したRSV疾患に対する治療の選択肢は限られている。下気道の重いRSV疾患は、加湿酸素の投与及び呼吸補助を含めて、しばしば、かなりの支持療法(supportive care)を必要とする。
【0004】
パラインフルエンザウイルス感染は、幼児及び小児に重篤な呼吸器疾患を生じる。感染性パラインフルエンザは、全世界の呼吸器感染症に罹患した小児患者の全入院の約20%の原因である。
【0005】
母乳で育てられた幼児では呼吸器感染症の発生が少ない。当技術分野において、この発生の減少は、ウイルス及び他の微生物の中和活性を有する免疫グロブリンを母乳が含んでいるためであると、現在考えられている。
【0006】
呼吸器感染症の治療は困難であることが多い。数種の有効な薬剤だけが利用可能であり、しばしば治療は薬剤の肺内投与を必要とする。年少の幼児では、これがかなりのストレスになる。したがって、好ましくは、幼児及び小児にストレスを与えることなしに、或いは与えるストレスを減らして投与できる、更に効果的な薬剤が求められている。
【0007】
最近、プレバイオティク(ガラクトオリゴ糖)、プロバイオティック、ヌクレオチド及びLC−PUFAを多く含み、低レベルのラクトースを含む幼児用調合乳(infant formula)の投与が、呼吸器感染症に罹患した幼児にとって有益であることが記載された(Rivero et al(2004),J Pediatr Gastroenterol Nutr 39:suppl.l,P1121)。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
多施設臨床研究において、今回驚くべきことに、本発明者等は次の組合せ:
a)ガラクトース含有難消化性オリゴ糖(少なくとも1つの末端糖単位がグルコース及びガラクトースからなる群から選択され、少なくとも1つの末端糖がガラクトース及びフコースからなる群から選択される、少なくとも2つの末端糖単位を含む);及び
b)消化性ガラクトース糖;
の経腸投与により、呼吸器感染症の発生が減少することを見出した(実施例6参照)。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の方法は、活性成分が安全であり、栄養物に適切に混合され得るという利点を有する。このため、特に幼児において、ストレスの有意な減少をもたらす。したがって、一態様において、本発明は、呼吸器感染症の発生を減らす栄養組成物の経口投与を含む。
【0010】
幼児における呼吸器障害の予防にとって低ラクトース含量が必須であると、これまで考えられていたために、本発明は特に驚くべきである。本発明者等は、トランスガラクトオリゴ糖を含みラクトースの多い栄養組成物を投与することが呼吸器感染症を予防し治療するのに特に効果的であることを見出した。
【0011】
本発明者等は、ガラクトース含有難消化性オリゴ糖及び消化性ガラクトース糖の両方が、呼吸器感染症及び/又は呼吸器感染疾患の最適な治療及び/又は予防にとって必須であることを見出した。更に、特に、ラクトースが呼吸器感染症の発生を減らすことに寄与する。
【0012】
更に、本発明はまた商業的にもかなり重要なものである。低ラクトース調合乳の製造は、例えば、非乳タンパク質源(例えば、大豆タンパク質)の使用、或いは、ラクトースを除去するミルクの追加処理(例えば、限外濾過)を必要とする。何れの選択肢も、コストを増加させ、不十分な栄養が提供され得るので、望ましくないことが多い。
【0013】
さらなる態様において、本発明は呼吸器感染症及び呼吸器感染疾患の治療及び/又は予防のための方法を提供し、前記方法は栄養組成物を投与することを含む。栄養組成物としての本発明の活性成分の投与はストレスの低減を目指しており、一層最適には、前記オリゴ糖が長鎖多価不飽和脂肪酸、コリンと亜鉛の組合せ、プロバイオティック及び/又はプレバイオティック(ガラクトース含有難消化性オリゴ糖以外のもの)と相乗作用をもって働く時に、呼吸器感染症の発生を減らす。好ましい実施形態において、本発明は、呼吸器合胞体ウイルス感染症の治療及び/又は予防のための方法を提供し、前記方法は、0才と2才の間の幼児に、トランスガラクトオリゴ糖の有効量を含む栄養組成物を投与することを含む。
【0014】
さらなる態様において、本発明は、呼吸器感染症及び疾患の治療及び/又は予防に特に適切である組成物を提供し、前記組成物は、前記オリゴ糖、及びウイルス中和活性を有する免疫グロブリン(例えば、パラインフルエンザ又はRSV中和活性を有する免疫グロブリン)を含む。この免疫グロブリンは、好ましくは、呼吸器ウイルスに対する高度免疫牛から得られる。
【0015】
本発明は呼吸器感染症及び/又は呼吸器感染疾患の治療及び/又は予防のための方法を提供し、前記方法は哺乳動物に組成物を経口投与することを含み、前記組成物は、ガラクトース含有難消化性オリゴ糖(少なくとも1つの末端糖単位がグルコース及びガラクトースからなる群から選択され、少なくとも1つの末端糖がガラクトース及びフコースからなる群から選択される、少なくとも2つの末端糖単位を含む)と、組成物の全乾燥重量に対して少なくとも5wt%の消化性糖(ガラクトースと消化性ガラクトース含有糖(少なくとも1つの末端糖単位がグルコース及びガラクトースからなる群から選択され、少なくとも1つの末端糖がガラクトース及びフコースからなる群から選択される、少なくとも2つの末端糖単位を含む)とからなる群から選択される)とを含む。
【0016】
さらなる態様において、本発明は、
a.少なくとも1つの末端糖単位がグルコース及びガラクトースからなる群から選択され、少なくとも1つの末端糖がガラクトース及びフコースからなる群から選択される、少なくとも2つの末端糖単位を含むガラクトース含有難消化性オリゴ糖;
b.ウイルス中和作用を有する免疫グロブリン;及び
c.ヒト由来でない物質;
を含む、呼吸器感染症及び/又は呼吸器感染疾患の治療及び/又は予防に適する組成物を提供する。
【0017】
任意選択で、この組成物は、
d.前記組成物の全乾燥重量に対して少なくとも5wt%の消化性ガラクトース糖;
を更に含み、前記糖は、ガラクトースと、消化性ガラクトース含有糖(少なくとも1つの末端糖単位はグルコース及びガラクトースからなる群から選択され、少なくとも1つの末端糖はガラクトース及びフコースからなる群から選択される、少なくとも2つの末端糖単位を含む)とからなる群から選択される。
【0018】
オリゴ糖
本発明は、少なくとも1つの末端糖単位がグルコース及びガラクトースからなる群から選択され、少なくとも1つの末端糖がガラクトース及びフコースからなる群から選択される、少なくとも2つの末端糖単位を含むガラクトース含有難消化性オリゴ糖(GAL−オリゴ)を投与することを含む。好ましくは、GAL−オリゴの糖はβ−結合している。
【0019】
「末端糖」という用語は、別の1つの糖単位(例えば、ガラクトース、グルコース、フルクトース、フコース)に結合している糖を表す。好ましくは、本発明でのGAL−オリゴは、4つ以下、好ましくは2つ以下の末端糖を含む。本発明で使用される「難消化性オリゴ糖」という用語は、ヒトの上部消化管(小腸及び胃)に存在する酸又は消化酵素の作用によって腸内で消化されないか若しくは部分的にのみ消化されるが、ヒトの腸内フローラによって発酵される糖を表す。
【0020】
好ましい実施形態において、GAL−オリゴは、少なくとも1つの末端ガラクトース並びに少なくとも末端グルコース及び1つの末端フコースから選択される1つを含む。より一層好ましくは、本発明でのガラクトース含有難消化性オリゴ糖は、少なくとも1つの末端ガラクトース及び少なくとも1つの末端グルコースを含む。好ましくは、このオリゴ糖は、2つの末端糖単位、及び全体として2から60個の糖単位からなる。
【0021】
好ましくは、GAL−オリゴは、トランスガラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、ラクト−N−テトラオース(LNT)、ラクト−N−ネオテトラオース(ネオ−LNT)、フコシル−ラクトース、フコシル化LNT及びフコシル化ネオ−LNTからなる群から選択される。特に好ましい実施形態において、本発明の方法は、トランスガラクトオリゴ糖([ガラクトース]−グルコース;nは、1と60の間の整数、すなわち、2、3、4、5、6、・・・・、59、60である;好ましくは、nは2、3、4、5、6、7、8、9、又は10から選択される)の投与を含む。トランスガラクトオリゴ糖(TOS)は、例えば、Vivinal(商標)(Borculo Domo Ingredients、オランダ)の商標で販売されている。好ましくは、トランスガラクトオリゴ糖の糖はβ−結合している。
【0022】
本発明の組成物は、組成物の100グラムの乾燥重量に対して、0.1から12グラム、好ましくは0.5から8グラムの間、より好ましくは1.0から7.5グラムの間のGAL−オリゴを好ましくは含む。粉末を液体に溶かし、幼児に液体調合乳を投与した後、これらの量のGAL−オリゴは、腸の不快感を引き起こすことなく、望みの効果をもたらす。
【0023】
消化性ガラクトース糖
本発明の方法において使用される組成物は、消化性ガラクトース糖を含む消化性炭水化物を含む。本発明の組成物は、組成物の全乾燥重量に対して少なくとも5wt%の消化性ガラクトース糖を含み、前記糖は、ガラクトースと、消化性ガラクトース含有糖(少なくとも1つの末端糖単位がグルコース及びガラクトースからなる群から選択され、少なくとも1つの末端糖がガラクトース及びフコースからなる群から選択される、少なくとも2つの末端糖単位を含む)とからなる群から選択される。本発明の方法において使用される組成物は、本発明の組成物の全乾燥重量に対して、少なくとも5wt%、好ましくは少なくとも10wt%、より一層好ましくは少なくとも25wt%の消化性ガラクトース糖を含む。
【0024】
本発明で使用される「消化性ガラクトース糖」という用語は、ヒトの上部消化管(小腸及び胃)に存在する酸又は消化酵素の作用によって正常で健康なヒトの腸内で消化される単糖、二糖、三糖又は多糖を表す。好ましくは、ラクトースが本発明の方法において用いられる。
【0025】
好ましくは、消化性ガラクトース糖はラクトースである。好ましくは、本発明の方法において用いられる組成物の炭水化物の少なくとも50wt%、好ましくは、少なくとも75wt%、より一層好ましくは少なくとも90wt%がラクトースである。本明細書において用いられている炭水化物という用語は、通常の通り、消化性炭水化物を表す。本発明の方法において使用される組成物は、本発明の組成物の全乾燥重量に対して、少なくとも10wt%、好ましくは少なくとも25wt%、より一層好ましくは少なくとも40wt%、最も好ましくは少なくとも50wt%のラクトース糖を好ましくは含む。最適な栄養、すなわちヒトの母乳に非常によく似た組成物を幼児に与えるために、本発明の方法は、組成物の全乾燥重量に対して40と60wt%の間のラクトースを含む組成物の投与を好ましくは含む。
【0026】
更に好ましい実施形態において、本発明は、1食当たり約2から50グラムのラクトース、好ましくは1食当たり約10から25グラムのラクトースの投与に関する。1食当たりの量は、好ましくは5と500mlの間、より好ましくは100と300mlの間である。
【0027】
消化性ガラクトース糖:ガラクトース含有難消化性オリゴ糖の重量比は、好ましくは1を超え、より好ましくは5を超え、より一層好ましくは10を超える。この比は、好ましくは1000未満、より好ましくは100未満である。
【0028】
オリゴ糖の組合せ
特に好ましい実施形態において、本発明の方法は、本発明でのGAL−オリゴ及び第2の難消化性オリゴ糖(難消化性のデキストリン、キシロオリゴ糖、アラビノオリゴ糖、グルコオリゴ糖、マンノオリゴ糖、フコオリゴ糖、フルクタン−レバン型(β−D−(2→6)−フルクトフラノシル)α−D−グルコピラノシド)及びフルクタン−イヌリン型(β−D−((2→1)−フルクトフラノシル)α−D−グルコピラノシド)からなる群から選択される)の投与を含む。好ましくは、この第2オリゴ糖は、イヌリン、加水分解されたイヌリン及びフルクトオリゴ糖からなる群から選択される。
【0029】
本発明の組成物は、本発明の組成物の100グラムの乾燥重量当たり、好ましくは0.5から12グラムの間の第2難消化性オリゴ糖、より好ましくは1から8グラムの間の第2難消化性オリゴ糖を含む。第2オリゴ糖のDPは、好ましくは40未満、より一層好ましくは10と30の間である。
【0030】
最適には、本発明の組成物は、本発明の組成物の100グラムの乾燥重量に対して、全体として(すなわち、第2、第3などの水溶性難消化性オリゴ糖を合わせて、或いはこれら無しで)1と12グラムの間、より好ましくは全体として2と9グラムの間の水溶性難消化性オリゴ糖を含む。
【0031】
好ましくは、次の2つの重量比:
a.(DPが2から5のオリゴ糖):(DPが6から9のオリゴ糖);及び
b.(DPが10から60のオリゴ糖):(DPが6から9のオリゴ糖);
はどちらも1を超える。好ましくは、2つの重量比は2を超え、より一層好ましくは5を超える。
【0032】
本発明の方法は、組成物の100グラムの乾燥重量当たり、1と10の間のDPを有するトランスガラクトオリゴ糖の、好ましくは0.5から10グラム、より好ましくは2から5グラムの間の投与を含む。本発明は、組成物の100グラムの乾燥重量当たり、15と40の間のDPを有するフルクト多糖の、好ましくは0.5から10グラム、より好ましくは1と5グラムの間を含む。「フルクト多糖」という用語は、β−結合した少なくとも10個のフルクトース単位の鎖を含む難消化性多糖炭水化物を表す。
【0033】
更に好ましい実施形態において、第2難消化性オリゴ糖は酸性オリゴ糖である。酸性オリゴ糖という用語は、N−アセチルノイラミン酸、N−グリコロイルノイラミン酸、遊離又はエステル化されたカルボン酸、硫酸基及びリン酸基からなる群から選択される少なくとも1つの酸性基を含むオリゴ糖を表す。酸性オリゴ糖は、好ましくは、ポリヘキソースである。好ましくは、前記酸性基の少なくとも1つが酸性オリゴ糖の末端ヘキソース単位に位置している。好ましくは、酸性オリゴ糖は末端ヘキソース単位にカルボン酸を含み、前記カルボン酸基は遊離であってもエステル化していてもよい。本発明の方法及び組成物において適切に使用され得るエステル化ペクチン加水分解物の製造方法は、WO 01/60378及び/又はWO 02/42484に記載されており、これらの特許は参照を通して本明細書に組み込まれる。
【0034】
好ましくは、酸性オリゴ糖は、1つ、好ましくは2つの末端ウロン酸単位(遊離であってもエステル化されていてもよい)を有する。好ましくは、末端ウロン酸単位は、ガラクツロン酸、グルクロン酸、グルロン酸、イズロン酸、マンヌロン酸、リブロン酸及びアルツロン酸(alturonic acid)からなる群から選択される。これらの単位は遊離であってもエステル化されていてもよい。より一層好ましい実施形態において、末端ヘキソース単位は2重結合を有し、この2重結合は、好ましくは、末端ヘキソース単位のC及びC位の間に位置している。好ましくは、末端ヘキソース単位の1つは2重結合を含む。末端ヘキソース(例えば、ウロン酸)は、好ましくは、図1による構造を有する。
【0035】
図1:好ましい末端ヘキソース酸性基
【化1】


式中、
Rは、好ましくは、水素、ヒドロキシ又は酸性基からなる群から選択され、好ましくはヒドロキシ(上を参照)であり;また、
、R、R及びRからなる群から選択される少なくとも1つは、N−アセチルノイラミン酸、N−グリコロイルノイラミン酸、遊離又はエステル化されたカルボン酸、硫酸基及びリン酸基を表し、R、R、R及びRの残りはヒドロキシ及び/又は水素を表す。好ましくは、R、R、R及びRからなる群から選択される1つが、N−アセチルノイラミン酸、N−グリコロイルノイラミン酸、遊離又はエステル化されたカルボン酸、硫酸基及びリン酸基を表し、R、R、R及びRの残りはヒドロキシ及び/又は水素を表す。より一層好ましくは、R、R、R及びRからなる群から選択される1つが遊離又はエステル化されたカルボン酸を表し、R、R、R及びRの残りはヒドロキシ及び/又は水素を表す;nは整数であり、ヘキソース単位の数(重合度もまた参照、下記)を表し、このヘキソース単位はどのようなヘキソース単位であってもよい。適切には、nは、1〜5000の間のヘキソース単位の数を表す整数であり、前記ヘキソース単位は、好ましくはウロン酸、より一層好ましくはガラクツロン酸単位である。これらの単位上のカルボン酸基は、遊離であっても(部分的に)エステル化されていてもよく、好ましくは少なくとも部分的にメチル化されている。
【0036】
最も好ましくは、R及びRはヒドロキシを表し、Rは水素を表し、Rは遊離又はエステル化されたカルボン酸を表す。
【0037】
本発明の方法において使用される酸性オリゴ糖は、1と5000の間、好ましくは1と1000の間、より好ましくは2と250の間、より一層好ましくは2と50の間、最も好ましくは2と10の間の重合度(DP)を有する。重合度の異なる酸性オリゴ糖の混合物が用いられる場合、酸性オリゴ糖混合物の平均DPは、好ましくは2と1000の間、より好ましくは3と250の間、より一層好ましくは3と50の間である。
【0038】
酸性オリゴ糖は、20%を超え、好ましくは50%を超え、より一層好ましくは70%を超えるメトキシ化度によって好ましくは特徴付けられる。好ましくは、酸性オリゴ糖は、20%を超え、好ましくは50%を超え、より一層好ましくは70%を超えるメチル化度を有する。
【0039】
酸性オリゴ糖は、1日当たり10mgと100グラムの間、好ましくは1日当たり100mgと50グラムの間、より一層好ましくは1日当たり0.5と20グラムの間の量で好ましくは投与される。
【0040】
呼吸器感染症
本発明は呼吸器感染症の治療及び/又は予防のための方法を提供し、呼吸器感染症は通常、細菌、ウイルス又は真菌の感染によって引き起こされる。好ましい実施形態において、本発明の方法は、肺炎球菌、レジオネラ、連鎖球菌、シュードモナス、ブドウ球菌、ヘモフィルス、マイコプラズマ、抗酸菌、クラミジア、モラクセラ、コクシエラ、ノカルジア、クレブシエラ、エンテロバクター、プロテウス、セラチア、アシネトバクター、オルソミクソウイルス科、ミクソウイルス、オルソミクソウイルス、ライノウイルス、エコーウイルス、コクサッキーウイルス、アデノウイルス、パラインフルエンザウイルス、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)、コロナウイルス、はしかウイルス、サイトメガロウイルス、ヒストプラズマカプスラーツム、コクシジオイデスイミティス、ブラストミセスデルマティティディス、クリプトコッカスアスペルギルス、ケカビによって引き起こされる呼吸器感染症の治療及び/又は予防のための方法を提供する。本発明の方法は呼吸器合胞体ウイルス感染症の治療及び/又は予防に特に適している。
【0041】
好ましい実施形態において、本発明の方法は、結核、気管支炎、細気管支炎、気管炎、肺炎、副鼻腔炎(sinusinitis)、鼻炎、重症急性呼吸器症候群(SARS)、クループ、喉頭蓋炎、ヒストプラスマ症、コクシジオイデス症、ブラストミセス症、クリプトコッカス症、アスペルギルス症、ムコール症及び肺膿瘍からなる群から好ましくは選択される、呼吸器感染疾患の治療及び/又は予防に関する。特に好ましい実施形態において、本発明は、ウイルス性の肺炎及び/又は気管支炎の治療及び/又は予防のための方法を提供する。
【0042】
本発明の方法は、肺の炎症、肺のうっ血、過度の粘液産生、息切れ(すなわち、呼吸困難)からなる群から選択される呼吸器感染症の症状、特に息切れの治療及び/又は予防にもまた適している。
【0043】
治療群
本発明の方法は、0才と10才の間の小児、好ましくは0才と4才の間の幼児における呼吸器感染症の治療及び/又は予防に特に適している。本発明の方法は、未熟児(37週の妊娠期間の前に生まれた幼児)における前記の疾患、感染症及び症状の治療及び/又は予防のために、有利に使用され得る。
【0044】
本発明の方法は、免疫反応を十分に発揮し得ない哺乳動物、好ましくは中高年(約60才を超えるヒト)の患者、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)に感染した患者、次の疾患:ネフローゼ症候群、多発性骨髄腫、リンパ腫、ホジキン病:の1つ又は複数に罹患した患者、臓器移植を受けた患者、心臓、腎臓又は肺の慢性的な病気(特に、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺気腫、サルコイドーシス、膵嚢胞線維症、気管支拡張症、肺癌、無気肺、呼吸不全、職業による肺疾患、喘息)、糖尿病及びアルコール依存症をもつ患者における呼吸器感染症の治療及び/又は予防に特に適している。本発明の方法は、COPD、HIV感染症及び/又は糖尿病をもつ患者(これらの患者は、その疾患により衰弱していることがあるので)の治療及び/又は予防に有利に使用される。
【0045】
更に好ましい実施形態において、本発明の方法は、本発明の組成物を、ヒトに、大部分は入院しており、ベンチレータ又は人工呼吸装置を付けているか、或いは集中治療室に入っている患者(これらの患者はウイルスの感染を特に受け易いので)に、投与することを含む。
【0046】
栄養調合乳
0才と4才の間の幼児における呼吸器感染症の薬剤治療は、治療薬の多くが肺の経路を通して投与されなければならないために、厄介であることが多い。本発明は、栄養組成物を経口投与することを含む、呼吸器感染症の治療及び/又は予防のための方法を提供する。こうして、本発明の方法は肺投与の問題もまた克服する。
【0047】
本発明の方法における使用に適する栄養組成物は、好ましくは10と60en%の間の脂質、5と50en%の間のタンパク質、15と90en%の間に炭水化物を含む。より好ましくは、この栄養組成物は、7.5から12.5エネルギー%の間のタンパク質、40から55エネルギー%の間の炭水化物、及び35から50エネルギー%の間の脂肪を含む(en%はエネルギー%の短縮であり、製剤の全カロリー値に各成分が寄与する相対量を表す)。
【0048】
本発明の栄養組成物はまた、エイコサペンタエン酸(EPA、n−3)、ドコサヘキサエン酸(DHA、n−3)及びアラキドン酸(AA、n−6)からなる群から好ましくは選択される長鎖多価不飽和脂肪酸(LC−PUFA)の少なくとも1種を、これらが呼吸器感染症及び/又はこれらの症状を更に抑えるので、好ましくは含む。好ましくは、本発明の組成物は、AA及びDHAを、より一層好ましくはAA,DHA及びEPAを含む。(複数の)難消化性オリゴ糖とLC−PUFAの本発明での組合せは相乗的に作用する。
【0049】
好ましくは、本発明の組成物は、20及び22個の炭素原子を有するLC−PUFAを、全脂肪含量の少なくとも0.1wt%、好ましくは少なくとも0.25wt%、より好ましくは少なくとも0.5wt%、より一層好ましくは少なくとも0.75wt%含む。本発明の組成物における、20及び22個の炭素原子を有するLC−PUFAの含量は、好ましくは、全脂肪含量の15wt%を超えず、好ましくは10wt%を超えず、より一層好ましくは全脂肪含量の5wt%を超えない。
【0050】
EPA含量は、好ましくは全脂肪含量の15wt%を超えず、より好ましくは5wt%を超えず、最も好ましくは1wt%を超えないが、好ましくは全脂肪の少なくとも0.05wt%、より好ましくは少なくとも0.1wt%である。DHA含量は、好ましくは全脂肪の10wt%を超えず、より好ましくは5wt%を超えず、最も好ましくは1wt%を超えないが、少なくとも0.1wt%である。本発明の組成物は、全脂肪に対して、好ましくは少なくとも0.1wt%のAA、より一層好ましくは少なくとも0.25wt%のAA、最も好ましくは少なくとも0.5wt%のAAを含む。AA含量は、好ましくは全脂肪の5wt%を超えず、より好ましくは1wt%wtを超えない。
【0051】
成人に投与するのに適する組成物は、増量されたLC−PUFAを含み得る。この場合のEPA含量は、好ましくは全脂肪の15wt%を超えず、より好ましくは10wt%を超えないが、好ましくは全脂肪の少なくとも0.05wt%、より好ましくは全脂肪の少なくとも0.1wt%である。DHA含量は、好ましくは全脂肪の15wt%を超えず、より好ましくは10wt%を超えないが、少なくとも0.1wt%である。本発明の組成物は、全脂肪に対して、好ましくは、少なくとも0.1wt%のAA、より一層好ましくは少なくとも0.25wt%のAA、最も好ましくは少なくとも0.5wt%のAAを含む。AA含量は、好ましくは全脂肪の15wt%を超えず、より好ましくは10wt%を超えない。
【0052】
本発明の方法は、母乳からなる組成物の投与を含む方法を含まない。したがって、本発明の方法は、ヒトへの経口投与に適する栄養物質であることが好ましいヒト由来でない物質、より好ましくは、ヒト由来でなく、好ましくは植物、動物、細菌又は合成由来の繊維性炭水化物、脂肪及び/又はタンパク質を含む組成物の投与を好ましくは含む。
【0053】
免疫グロブリン
本発明はまた、呼吸器感染症の治療及び/又は予防のための方法において使用するのに特に適する組成物も提供し、該組成物は前記の(複数の)難消化性オリゴ糖と、ウイルス中和作用を有する免疫グロブリン(好ましくは、ミクソウイルス、オルソミクソウイルス、ライノウイルス、エコーウイルス、コクサッキーウイルス、アデノウイルス、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)、コロナウイルス、はしかウイルス及びサイトメガロウイルスからなる群から選択されるウイルスを中和できる免疫グロブリン)とを含む。免疫グロブリンは、好ましくは、IgA及び/又はIgGであり、好ましくは、高度免疫哺乳動物(好ましくはウシ)から得られる。高度免疫哺乳動物からこれらの免疫グロブリンを得るための方法は当業者によく知られており、例えばGB1573995に記載されている。
【0054】
高度免疫哺乳動物は、好ましくは、ウイルス中和活性を有する免疫グロブリンの産生を促すことができる抗原により免疫が賦活されており、前記ウイルスは、ミクソウイルス、オルソミクソウイルス、ライノウイルス、エコーウイルス、コクサッキーウイルス、アデノウイルス、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)、コロナウイルス、はしかウイルス及びサイトメガロウイルスからなる群から選択される。特に好ましい実施形態において、本発明の組成物は、RSV中和活性を有する免疫グロブリンを含む。
【0055】
本発明の組成物は、母乳からなる組成物を含まない。したがって、本発明の組成物は、好ましくはヒト由来でなく、好ましくは栄養物質であり、より好ましくは植物、動物、細菌又は合成由来の物質を含む。この物質は、好ましくは繊維、炭水化物、脂肪又はタンパク質である。
【0056】
本発明の組成物はまた、有利には、LC−PUFA(上に記載)、消化性ガラクトース糖(上を参照)、プロバイオティック(下に記載)、コリン(下を参照)及び亜鉛(下を参照)からなる群から選択される少なくとも1種と組み合わせられる。
【0057】
プロバイオティック
更に好ましい実施形態において、本発明の方法は、前記の(複数の)難消化性オリゴ糖及びプロバイオティックの投与を含む。好ましくは、プロバイオティックは、ラクトバチルス、ラクトコッカス、ビフィドバクテリウム、エンテロコッカス、プロピオニバクテリウム、ペディオコッカス、バシラス及びストレプトコッカスの群から、より好ましくは、ラクトバチルス及びビフィドバクテリウムからなる群から選択される。プロバイオティックは好ましくは非病原性乳酸産生菌である。本発明での(複数の)難消化性オリゴ糖及びプロバイオティック菌の組合せは相乗的に作用する。
【0058】
コリン及び亜鉛
更に好ましい実施形態において、本発明の組成物は亜鉛及び/又はコリンを含む。亜鉛もコリンも、健康な肺組織膜の生成を促し、その結果感染症に対する改善された耐性となる。亜鉛及び/又はコリンを含む組成物は本発明の方法において有利に使用され得る。本発明の組成物は、組成物の100gの乾燥重量当たり、好ましくは5と500mgの間のコリン、より好ましくは20と100mgの間のコリン、より一層好ましくは40と60mgの間のコリンを含む。本発明の組成物は、組成物の100gの乾燥重量当たり、好ましくは1と100mgの間の亜鉛、より好ましくは2と50mgの間の亜鉛、より一層好ましくは10と25mgの間の亜鉛を含む。
【実施例】
【0059】
(実施例1)
包装された幼児用調合乳であって、この調合乳が呼吸器合胞体ウイルスによる呼吸器感染症を予防するために適切に使用され得ることを示すラベルが付いており、100mlの最終生成物当たり(及び13.1gの粉末当たり)以下を含む調合乳。
8エネルギー%のタンパク質 1.4g(カゼインと乳清の混合物)
45エネルギー%の消化性炭水化物 7.5g
47エネルギー%の脂肪 3.5g
トランスガラクトオリゴ糖(TOS) 0.3g
【0060】
(実施例2)
実施例1による包装された幼児用調合乳であって、この調合乳が呼吸困難を和らげるのに適切に使用され得ることを示すラベルをパッケージに備えるもの。
【0061】
(実施例3)
実施例1による包装された幼児用調合乳であって、100mlの最終生成物当たり(及び13.1gの粉末当たり)更に以下を含むもの。
ラフティリンHP(オラフティ、ベルギー) 0.1g
ビフィドバクテリウムブレビ 1.3×10cfu
マグロ油 0.3グラム
40%アラキドン酸オイル 0.3グラム
(DSM Food Specialties、デルフト、オランダ)
【0062】
(実施例4)
実施例3による包装された幼児用調合乳であって、100mlの最終生成物当たり(及び13.1gの粉末当たり)更に以下を含むもの。
コリン 6.5mg
亜鉛 2mg
【0063】
(実施例5)
実施例1による包装された幼児用調合乳であって、EP0808173に記載されている、呼吸器合胞体ウイルス中和活性を有する免疫グロブリンを更に含むもの。
【0064】
(実施例6)
1才までの幼児における呼吸器感染症の予防に対する、標準的な幼児用調合乳におけるトランスオリゴ糖の有効性
【0065】
方法:7の医療施設及び56の小児科医を含む、多施設臨床試験をイタリアにおいて実施した。母乳育児を止めた時点で、幼児を2つのグループに分けた。グループA(n=69)の幼児に、0.36gのトランスガラクトオリゴ糖/100ml(Vivinal−GOS(商標)、Borculo Domo Ingredients、オランダ)及び0.04gのフルクト多糖/100ml(ラフティリン(Raftiline) HP(商標)、オラフティ(Orafti)、Tienen、ベルギー)の最終濃度にオリゴ糖を追加したNutrilon(商標)1又は2を投与した。対照グループB(n=82)の幼児には、標準のNutrilon(商標)1又は2を与えた。
【0066】
Nutrilon 1(商標)は、45en%の炭水化物、8en%のタンパク質及び47en%の脂肪;全炭水化物に対して約97wt%のラクトース;100ml当たり7.3グラムのラクトース;全組成物の100gの乾燥重量当たり約54グラムのラクトースを含む。
【0067】
Nutrilon 2(商標)は、47en%の炭水化物、10en%のタンパク質及び43en%の脂肪;全炭水化物に対して約96wt%のラクトース;100ml当たり7.9グラムのラクトース;全組成物の100gの乾燥重量当たり約54グラムのラクトースを含む。
【0068】
結果:幼児の年齢は2と9ヶ月の間で変化し、幼児は6ヶ月間試験に従った。2つのグループは栄養摂取量においてはどんな違いも示さなかった。グループAにおいて、合計32の上気道感染症の症状の出現が観察された。対照グループBにおいては、合計60の上気道感染症の症状の出現が観察された。このように、上気道感染症の症状の出現の発生率はグループAではグループBに対して著しく少なかった。
【0069】
(実施例7)
サシェ(sachet)
COPD又は糖尿病に罹患した患者によって摂取されることを意図する液体栄養剤(脂肪、タンパク質及び炭水化物を含む)に追加するための、サシェ(1グラムのラクトース及び0.5グラムのトランスガラクトオリゴ糖を含む)であって、サシェの内用物を栄養剤に添加すると呼吸器感染症の進展の発現が抑えられ得ることを示すラベルを備えるサシェ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
呼吸器感染症及び/又は呼吸器感染疾患の治療及び/又は予防のための方法において使用される組成物の製造のための、難消化性オリゴ糖及び消化性ガラクトース糖の使用であって、前記方法は哺乳動物に組成物を経口投与することを含み、前記組成物は、
a)ガラクトース含有難消化性オリゴ糖(少なくとも1つの末端糖単位がグルコース及びガラクトースからなる群から選択され、少なくとも1つの末端糖単位がガラクトース及びフコースからなる群から選択される、少なくとも2つの末端糖単位を含む);及び
b)前記組成物の全乾燥重量に対して少なくとも5wt%の消化性ガラクトース糖(ガラクトースと、消化性ガラクトース含有糖(少なくとも1つの末端糖単位がグルコース及びガラクトースからなる群から選択され、少なくとも1つの末端糖がガラクトース及びフコースからなる群から選択される、少なくとも2つの末端糖単位を含む)とからなる群から選択される);
を含む使用。
【請求項2】
前記組成物が、
a.10と60en%の間の脂質、5と50en%の間のタンパク質、及び15と90en%の間の炭水化物;
b.前記組成物の全乾燥重量に対して40と60wt%の間のラクトース;
c.前記組成物の100グラムの乾燥重量当たり0.1から12グラムの、2と10の間の重合度(DP)を有するトランスガラクトオリゴ糖;
d.エイコサペンタエン酸(EPA、n−3)、ドコサヘキサエン酸(DHA、n−3)及びアラキドン酸(AA、n−6)からなる群から選択される少なくとも1種の長鎖多価不飽和脂肪酸(LC−PUFA);
を含み、前記哺乳動物が0才と10才の間の小児である、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
ガラクトース含有難消化性オリゴ糖が少なくとも1つの末端ガラクトース及び少なくとも1つの末端グルコースを含む、請求項1に記載の使用。
【請求項4】
ガラクトース含有難消化性オリゴ糖が2と10の間の重合度(DP)を有するトランスガラクトオリゴ糖である、請求項3に記載の使用。
【請求項5】
前記組成物がヒト由来でない物質を含む、請求項1から4までのいずれか一項に記載の使用。
【請求項6】
前記組成物が、前記組成物の100グラムの乾燥重量当たり、ガラクトース含有難消化性オリゴ糖0.1から12グラムを含む、請求項1又は3から5までのいずれか一項に記載の使用。
【請求項7】
呼吸器感染症が呼吸器合胞体ウイルス感染症である、請求項1から6までのいずれか一項に記載の使用。
【請求項8】
前記方法が息切れの治療及び/又は予防を含む、請求項1から7までのいずれか一項に記載の使用。
【請求項9】
呼吸器感染疾患が、小児性細気管支炎及び/又は小児肺炎である、請求項1から8までのいずれか一項に記載の使用。
【請求項10】
前記組成物が、フルクトオリゴ糖、加水分解されたイヌリン及びイヌリンからなる群から選択される第2の難消化性オリゴ糖を更に含む、請求項1から9までのいずれか一項に記載の使用。
【請求項11】
前記組成物が、エイコサペンタエン酸(EPA、n−3)、ドコサヘキサエン酸(DHA、n−3)及びアラキドン酸(AA、n−6)からなる群から選択される少なくとも1種の長鎖多価不飽和脂肪酸(LC−PUFA)を含む、請求項1又は3から10までのいずれか一項に記載の使用。
【請求項12】
前記組成物が、ラクトバチルス(Lactobacillus)、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)、ラクトコッカス(Lactococcus)、ペディオコッカス(Pediococcus)、エンテロコッカス(Enterococcus)、プロピオニバクテリウム(Propionibacterium)、バシラス(Bacillus)及びストレプトコッカス(Streptococcus)の群から選択されるプロバイオティック細菌を更に含む、請求項1から11までのいずれか一項に記載の使用。
【請求項13】
前記方法が、10と60en%の間の脂質、5と50en%の間のタンパク質、及び15と90en%の間の炭水化物を含む組成物を投与することを含む、請求項1又は3から12までのいずれか一項に記載の使用。
【請求項14】
前記組成物が酸性オリゴ糖を更に含む、請求項1から13までのいずれか一項に記載の使用。
【請求項15】
前記方法が、0才と4才の間の幼児に組成物を投与することを含む、請求項1から14までのいずれか一項に記載の使用。
【請求項16】
前記組成物が、呼吸器合胞体ウイルス中和活性を有する免疫グロブリンを含む、請求項1から15までのいずれか一項に記載の使用。
【請求項17】
前記組成物が、後天性免疫不全症候群(AIDS)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)又は糖尿病に罹患した患者に投与される、請求項1から16までのいずれか一項に記載の使用。
【請求項18】
a.少なくとも1つの末端糖単位はグルコース及びガラクトースからなる群から選択され、少なくとも1つの末端糖はガラクトース及びフコースからなる群から選択される、少なくとも2つの末端糖単位を含むガラクトース含有難消化性オリゴ糖;
b.ウイルス中和作用を有する免疫グロブリン;及び
c.ヒト由来でない物質;
d.組成物の全乾燥重量に対して少なくとも5wt%の消化性ガラクトース糖(ガラクトースと、消化性ガラクトース含有糖(少なくとも1つの末端糖単位がグルコース及びガラクトースからなる群から選択され、少なくとも1つの末端糖がガラクトース及びフコースからなる群から選択される、少なくとも2つの末端糖単位を含む)とからなる群から選択される);
を含む、呼吸器感染症及び/又は呼吸器感染疾患の治療及び/又は予防に適する組成物。

【公表番号】特表2008−510803(P2008−510803A)
【公表日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−529745(P2007−529745)
【出願日】平成17年8月24日(2005.8.24)
【国際出願番号】PCT/NL2005/000611
【国際公開番号】WO2006/022542
【国際公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【出願人】(502290912)ナムローゼ フェンノートシャップ ニュートリシア (4)
【Fターム(参考)】