説明

難燃性プラスチック材料の劣化検査方法

【課題】難燃性プラスチック材料の内部にわたる劣化状況を非破壊で定量的に検査する。
【解決手段】分析対象(難燃性プラスチック材料)6にテラヘルツ波W1を照査する。分析対象6に照射されたテラヘルツ波W1は、分析対象6を透過し、レンズ18を通して、テラヘルツ波W2として検出部9に至り、計算・制御部10へ送られる。計算・制御部10は、テラヘルツ波W2のスペクトルデータを取得し、この取得したスペクトルデータに基づいて分析対象6の内部を含む劣化状況を検査する。この場合、難燃剤が化学変化することにより2.4THzに吸収ピークが現れるので、この吸収ピークの高さや吸収ピークの面積から分析対象6の内部を含む劣化状況を検査する。透過波のスペクトルデータではなく、反射波のスペクトルデータを取得し、同様の検査を行うようにしてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、難燃性プラスチック材料の内部を含む劣化状況を検査する難燃性プラスチック材料の劣化検査方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
プラスチック材料は、石油を原料とし、一般に燃え易い物質である。一方、家庭内の情報通信機器や設備内や構内の通信設備類には、軽量化や操作性を付与するために、プラスチック材料が使用されている。しかしながら、そのプラスチック材料が燃え易い場合、火災などの災害に結びつく恐れがある。
【0003】
そこで、燃えにくいプラスチックを使うことが必要であり、 不燃性、難燃性、自己消火性、遅燃性などの特性をもつプラスチックが開発され、使用されている。ここではそれらを総称して、難燃性プラスチック材料と呼ぶ。難燃性プラスチックは、その分子骨格に芳香族環構造、あるいは塩素や窒素などのいわゆるヘテロ原子を導入したり、また、難燃化効果を有するハロゲン化合物、リン化合物、あるいは無機化合物などをプラスチックに添加されている。
【0004】
難燃性のプラスチック材料は、高価でかつ、難燃性であるため、熱回収リサイクルよりもリユースやマテリアルリサイクルが有効であるが、収集した難燃性プラスチック材料は、長年に亘り使用されたものが多く、その劣化がリユースやリサイクルの妨げとなっている。
【0005】
例えば、通信用資材等には、設備内での延焼を防ぐため、難燃化が行われている。難燃剤には、火災時の有害ガス発生を抑制するためにノンハロゲン系の難燃剤が使用されており、現在、主に水酸化マグネシウムが使用されている。すなわち、燃焼時に有害ガスを発生するハロゲン系難燃剤の代わりに、水酸化マグネシウムなどのノンハロゲン系難燃剤が使用されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】K. Yamamoto, M. Yamaguchi, M. Tani, M. Hangyo, Appl. Phys. Lett. , 85, No22, pp.5194-5199 (2004)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、水酸化マグネシウムは、二酸化炭素と水の存在下で、炭酸マグネシウムへ化学変化を起こし、表面に白い結晶を生じ、またひび割れなどを起こすことが知られている(白化現象)。この白化現象(以下、白化という)が深さ方向にも進行すると、機械的な強度が低下することが報告されており、劣化の原因となる。そこで、白化を防ぐため、難燃剤の表面をコートした難燃剤が開発されており、白化の抑制に有る程度、成功してはいるが、完全に防ぐことはできていない。
【0008】
一方、白化が表面で止まっていれば、外見の問題だけで、機械強度などに影響はなく、この難燃性プラスチックを含む通信設備の廃棄後、難燃性プラスチックをマテリアルリサイクルに供することが可能である。このためには、それが再利用に適するかどうかを知る必要がある。すなわち、難燃性プラスチックにおいて白化が起こっている場合、それが表面だけであるかどうかを検査する必要がある。
【0009】
ところが、この白化がどの程度進行しているかは、目視による観察だけでは不明であるが、従来は、目視でしか白化を検査しなかったため、表面が少しでも白化したものは、リユースやリサイクルには不向きとされていた。すなわち、従来においては、内部の白化を検査する適切な方法がなかったため、表面が少しでも白化したものは、リユースやリサイクルには不向きとして廃棄され、リユースやリサイクルが進まなかった。
【0010】
なお、劣化状況を化学的に分析する手法として、反射赤外分析があるが、白化が表面で起こると、表面の結晶析出やひび割れなどの物理的劣化を伴い、乱反射を起こすために反射赤外分析法では分析できなかった。
【0011】
また、本出願人は、サンプルを薄く剥離し、内部を観察することも検討したが、実際に起こる白化は0.1−1mm程度であり、適切なサンプルを作成するのは困難であった。
【0012】
一方、ガンマ線によるポリエチレンの劣化を分析する手法として、テラヘルツ波を使った分析方法が提案されている(非特許文献1参照)。これは、プラスチックがテラヘルツ波をよく透過することを利用しており、ポリエチレンのアモルファス部分に対応するバックグラウンド吸収の変化から劣化を検出することが可能であるとしている。しかしながら、白化のようにプラスチックの添加剤の化学変化とそれに伴うひび割れなどの物理変化を伴う劣化がテラヘルツ波で分析できるかどうかは未知であった。
【0013】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、難燃性プラスチック材料の内部にわたる劣化状況を非破壊で定量的に検査することが可能な難燃性プラスチック材料の劣化検査方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
このような目的を達成するために本発明は、分析対象の難燃性プラスチック材料にテラヘルツ波を照射し、この分析対象から戻されてくるテラヘルツ波のスペクトルデータを取得し、この取得したスペクトルデータに基づいて分析対象の内部を含む劣化状況を検査するようにしたものである。
【0015】
テラヘルツ波は、ベースポリマー、カーボンブラック、ノンハロゲン系の難燃剤、難燃助剤などを含む暗黒色の難燃性プラスチック材料に対しても透過する。ここで、難燃性プラスチック材料でのテラヘルツ波の吸収の度合いは濃度に比例するため、劣化による生成物が増えることは、テラヘルツ波の吸収の度合いによって検知することが可能である。
【0016】
そこで、本発明では、分析対象(難燃性プラスチック材料)から戻されてくるテラヘルツ波のスペクトルデータを取得し、この取得したスペクトルデータに基づいて分析対象の内部を含む劣化状況を検査する。例えば、スペクトルデータにおける所定の周波数に現れる吸収ピークに基づいて、分析対象の内部を含む劣化状況を検査する。例えば、その吸収ピークの高さに基づいて分析対象の内部を含む劣化の度合いを検査したり、その吸収ピークの面積に基づいて分析対象の内部を含む劣化の度合いを検査したりする。
【0017】
また、本発明において、分析対象の難燃性プラスチック材料を冷却し、この冷却された分析対象にテラヘルツ波を照射するようにすれば、分析対象に付着した水分や分析雰囲気に存在する水分を除外し、検査の精度を向上させることが可能となる。
【0018】
また、本発明では、分析対象から戻されてくるテラヘルツ波のスペクトルデータを取得するが、分析対象から戻されてくるテラヘルツ波の透過波のスペクトルデータを取得するようにしてもよいし、分析対象から戻されてくるテラヘルツ波の反射波のスペクトルデータを取得するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、分析対象の難燃性プラスチック材料にテラヘルツ波を照射し、この分析対象から戻されてくるテラヘルツ波のスペクトルデータを取得し、この取得したスペクトルデータに基づいて分析対象の内部を含む劣化状況を検査するようにしたので、例えば、スペクトルデータにおける所定の周波数に現れる吸収ピークに基づき、その吸収ピークの高さに基づいて分析対象の内部を含む劣化の度合いを検査したり、その吸収ピークの面積に基づいて分析対象の内部を含む劣化の度合いを検査したりするなどして、白化に限らず、難燃性プラスチック材料の内部にわたる劣化状況を非破壊で定量的に検査することが可能となる。これにより、リユースまたはリサイクルに有益な情報が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】難燃性通信用ケーブル(光ケーブル)の一例を示す略図である。
【図2】本発明の実施に用いる透過型の劣化分析装置(テラヘルツ分光分析装置)の一例を示す構成図である。
【図3】この透過型の劣化分析装置における計算・制御部で取得されたスペクトルデータ(テラヘルツ波の吸収特性)の一例を示す図である。
【図4】炭酸マグネシウム標準サンプルおよび水酸化マグネシウムの標準サンプルのテラヘルツ波の吸収特性を例示する図である。
【図5】室温および冷却時のテラヘルツ波の吸収特性を例示する図である。
【図6】吸収ピークの面積の求め方の一例を説明する図である。
【図7】本発明の実施に用いる反射型の劣化分析装置(テラヘルツ分光分析装置)の一例を示す構成図である。
【図8】この反射型の劣化分析装置における計算・制御部で取得されたスペクトルデータ(テラヘルツ波の吸収特性)の一例を示す図である
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0022】
〔分析対象〕
図1は難燃性通信用ケーブル(光ケーブル)の一例を示す略図である。同図において、1は光ファイバ心線、2はスペーサ、3は押さえ巻きテープ、4は外被、5はテンションメンバである。
【0023】
この難燃性通信用ケーブル100において、外被4は、暗黒色の難燃性ブラスチック材料であり、ノンハロゲン系の水酸化マグネシウムを難燃剤として含み、難燃剤以外にベースポリマーとしてポリオレフィン系ポリマー、カーボンブラック、難燃助剤としてリンを含有している。本実施の形態では、この難燃性通信用ケーブル100における外被4を分析対象とする。
【0024】
〔実施の形態1:透過型〕
図2は本発明の実施に用いる透過型の劣化分析装置(テラヘルツ分光分析装置)の一例を示す構成図である。同図において、7は載置部、8は照射部、9は検出部、10は計算・制御部、11は移動体機構、12は冷却部、16はチャンバ、17よび18はレンズ、22は温度センサである。
【0025】
照射部8は光源13とパルス発生器14とから構成されている。移動体機構11は面内移動機構19と昇降機構20と駆動部21とから構成されている。チャンバ16は載置部7に設けられている。温度センサ22はチャンバ16内の温度を検出する。計算・制御部10は、プロセッサや記憶装置からなるハードウェアと、これらのハードウェアと協働して各種機能を実現させるプログラムとによって実現される。
【0026】
この透過型の劣化分析装置200では、チャンバ16内に難燃性通信用ケーブル100の外被4を分析対象6としてセットし、この分析対象6を−196℃まで冷却させた状態で、0.1−3THzのテラヘルツ波W1を分析対象6に照射する。
【0027】
なお、分析対象6の冷却は、計算・制御部10からの制御により、冷却部12によって行われる。この場合、計算・制御部10は、温度センサ22が検出する温度に基づき、分析対象6の温度が−196℃となるように、冷却部12の冷却能力を制御する。
【0028】
また、分析対象6へのテラヘルツ波の照射は、計算・制御部10からの制御により、照射部8によって行われる。この場合、計算・制御部10は、パルス発生器14の動作を制御することによって、光源13からの光を0.1−3THzのテラヘルツ波W1とする。この照射部18からのテラヘルツ波W1は、レンズ17を通して、チャンバ16内の分析対象6に照射される。
【0029】
また、計算・制御部10は、チャンバ16内の分析対象6にテラヘルツ波W1が効果的に照射されるように、駆動部21による面内移動機構19および昇降機構20の動きを制御し、載置部7の上下方向および左右方向の位置を調整する。
【0030】
分析対象6に照射されたテラヘルツ波W1は、分析対象6を透過し、レンズ18を通して、テラヘルツ波W2として検出部9に至り、計算・制御部10へ送られる。この際、照射されたテラヘルツ波W1の一部は、分析対象6を透過する際に吸収される。
【0031】
計算・制御部10は、検出部9を介して送られてくるテラヘルツ波W2のスペクトルデータを取得し、この取得したスペクトルデータに基づいて分析対象6の内部を含む劣化状況を検査する。
【0032】
図3に計算・制御部10で取得されたスペクトルデータの一例を示す。同図において、点線で示す特性Iは劣化前の分析対象6でのテラヘルツ波の吸収特性を示し、実線で示す特性IIは劣化後の分析対象6でのテラヘルツ波の吸収特性を示す。劣化前の吸収特性Iと劣化後の吸収特性IIとを比較して分かるように、劣化後の吸収特性IIでは、劣化前に存在しなかったピークが多数現れている。
【0033】
一方、水酸化マグネシウム難燃剤は水と二酸化炭素の存在下で劣化し、炭酸マグネシウムに化学変化を起こすが、テラヘルツ波を用いた分析により、炭酸マグネシウム標準サンプルにおいて2.4THzに吸収ピークを生じ(図4:実線で示す特性III参照)、水酸化マグネシウムの標準サンプルにはそのような吸収はないことが確認された(図4:点線で示す特性IV参照)。さらに、両者が混合されたものは、その中間に位置することが確認された(図4:一点鎖線で示す特性V参照)。
【0034】
このことから、図3における2.4THzに現れるピークは水酸化マグネシウムから炭酸マグネシウムに化学変化を起こしたために生じた吸収ピークであることが分かる。計算・制御部10は、この2.4THzに現れる吸収ピークの有無、吸収強度により、分析対象6の内部を含む劣化の度合いを検査する。例えば、2.4THzに現れる吸収ピークの高さを求め、この吸収ピークの高さから分析対象6の内部を含む劣化の度合いを定量的に検査する。
【0035】
このようにして、本実施の形態では、白化に限らず、分析対象6の内部にわたる劣化状況を非破壊で検査することができ、分析対象6のリユースまたはリサイクルに有益な情報が提供される。
【0036】
図5に室温でのテラヘルツ波の吸収特性VI(点線)と冷却時のテラヘルツ波の吸収特性VII(実線)を示す。この結果を比較すると、2.5THz以上の水による妨害ピークが抑制され、明瞭なスペクトルを得ることができることが分かる。この比較結果からも分かるように、本実施の形態では、分析対象6を冷却させた状態で分析対象6にテラヘルツ波W1を照射することにより、分析対象に付着した水分や分析雰囲気に存在する水分が除外され、検査の精度を向上させることができる。
【0037】
なお、上述においては、2.4THzに現れる吸収ピークの高さから分析対象6の内部を含む劣化の度合いを定量的に検査する例を示したが、2.4THzに現れる吸収ピークの面積から分析対象6の内部を含む劣化の度合いを定量的に検査するようにすることも考えられる。
【0038】
この場合、例えば、図6に示すように、図3に示した劣化後の分析対象6でのテラヘルツ波の吸収特性IIにおいて、2.4THzに対してベースラインBLを定め、このベースラインBLを超えた面積(図示斜線で示す領域の面積)を吸収ピークの面積として求め、この吸収ピークの面積と劣化前の吸収ピークの面積との差を吸収ピークの面積の増加量として求め、この吸収ピークの面積の増加量から分析対象6の内部を含む劣化の度合いを定量的に検査するようにする。
【0039】
〔実施の形態2:反射型〕
図7は本発明の実施に用いる反射型の劣化分析装置(テラヘルツ分光分析装置)の一例を示す構成図である。同図において、図2と同一符号は図2を参照して説明した構成要素と同一或いは同等構成要素を示し、その説明は省略する。
【0040】
同図において、24は反射ユニット24であり、載置部7の下部に設けられている。反射ユニット24は、送光側の反射鏡25a,25b,25cと、受光側の反射鏡26a,26b,26cと、メイン反射鏡27とを備えている。
【0041】
この反射型の劣化分析装置300でも、実施の形態1と同様、チャンバ16内に難燃性通信用ケーブル100の外被4を分析対象6としてセットし、この分析対象6を−196℃まで冷却させた状態で、0.1−3THzのテラヘルツ波W1を分析対象6に照射する。
【0042】
この場合、照射部18からのテラヘルツ波W1は、反射鏡25a,25b,25cによって次々に反射されてメイン反射鏡27へ至り、チャンバ16内の分析対象6に照射される。
【0043】
分析対象6に照射されたテラヘルツ波W1は、分析対象6で反射してメイン反射鏡27へ戻され、反射鏡26a,26b,26cによって次々に反射され、テラヘルツ波W2として検出部9に至り、計算・制御部10へ送られる。この際、照射されたテラヘルツ波W1の一部は、分析対象6で反射される際に吸収される。
【0044】
計算・制御部10は、検出部9を介して送られてくるテラヘルツ波W2のスペクトルデータを取得し、この取得したスペクトルデータに基づいて分析対象6の内部を含む劣化状況を検査する。
【0045】
図8に計算・制御部10で取得されたスペクトルデータの一例を示す。この場合も、実施の形態1と同様、水酸化マグネシウムが炭酸マグネシウムに化学変化を起こすことによって生じる吸収ピークが2.4THzに現れる。計算・制御部10は、この2.4THzに現れる吸収ピークの有無、吸収強度により、分析対象6の内部を含む劣化の度合いを検査する。
【0046】
この場合も、実施の形態1と同様、例えば、2.4THzに現れる吸収ピークの高さを求めたり、2.4THzに現れる吸収ピークの面積を求めたりして、分析対象6の内部を含む劣化の度合いを定量的に検査する。このようにして、実施の形態2でも、白化に限らず、分析対象6の内部にわたる劣化状況を非破壊で検査することができ、分析対象6のリユースまたはリサイクルに有益な情報が提供される。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明の難燃性プラスチック材料の劣化検査方法は、難燃性プラスチック材料の内部を含む劣化状況を検査する難燃性プラスチック材料の劣化検査方法として、不燃性、難燃性、自己消火性、遅燃性などの特性をもつ各種のプラスチックの検査に利用することができる。
【符号の説明】
【0048】
1…光ファイバ心線、2…スペーサ、3…押さえ巻きテープ、4…外被、5…テンションメンバ、6…分析対象、7…載置部、8…照射部、9…検出部、10…計算・制御部、11…移動体機構、12…冷却部、13…光源、14…パルス発生器、16…チャンバ、17,18…レンズ、19…面内移動機構、20…昇降機構、21…駆動部、22…温度センサ、24…反射ユニット、25a,25b,25c…送光側の反射鏡、26a,26b,26c…送光側の反射鏡、27…メイン反射鏡、100…難燃性通信用ケーブル、200…透過型の劣化分析装置、300…反射型の劣化分析装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分析対象の難燃性プラスチック材料にテラヘルツ波を照射するテラヘルツ波照射ステップと、
前記分析対象から戻されてくる前記テラヘルツ波のスペクトルデータを取得するスペクトルデータ取得ステップと、
前記取得したスペクトルデータに基づいて前記分析対象の内部を含む劣化状況を検査する劣化状況検査ステップと
を備えることを特徴とする難燃性プラスチック材料の劣化検査方法。
【請求項2】
請求項1に記載された難燃性プラスチック材料の劣化検査方法において、
前記劣化状況検査ステップは、
前記スペクトルデータにおける所定の周波数に現れる吸収ピークに基づいて前記分析対象の内部を含む劣化状況を検査する
ことを特徴とする難燃性プラスチック材料の劣化検査方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載された難燃性プラスチック材料の劣化検査方法において、
前記テラヘルツ波照射ステップは、
冷却された前記分析対象にテラヘルツ波を照射する
ことを特徴とする難燃性プラスチック材料の劣化検査方法。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか1項に記載された難燃性プラスチック材料の劣化検査方法において、
前記スペクトルデータ取得ステップは、
前記分析対象から戻されてくる前記テラヘルツ波の透過波のスペクトルデータを取得する
ことを特徴とする難燃性プラスチック材料の劣化検査方法。
【請求項5】
請求項1〜3の何れか1項に記載された難燃性プラスチック材料の劣化検査方法において、
前記スペクトルデータ取得ステップは、
前記分析対象から戻されてくる前記テラヘルツ波の反射波のスペクトルデータを取得する
ことを特徴とする難燃性プラスチック材料の劣化検査方法。
【請求項6】
請求項1〜5の何れか1項に記載された難燃性プラスチック材料の劣化検査方法において、
前記分析対象の難燃性プラスチック材料は、
ベースポリマー、カーボンブラック、ノンハロゲン系の難燃剤、難燃助剤などを含み、暗黒色である
ことを特徴とする難燃性プラスチック材料の劣化検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−247712(P2011−247712A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−120254(P2010−120254)
【出願日】平成22年5月26日(2010.5.26)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】