説明

難燃性燃料エンジン

【課題】難燃性燃料の不完全燃焼を抑制することができる難燃性燃料エンジンを提供する。
【解決手段】燃焼室2a内に供給されたアンモニアを燃焼させる難燃性燃料エンジン1は、燃焼室内2aを加熱する加熱手段3を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンモニア等の難燃性燃料を用いる難燃性燃料エンジンに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球温暖化防止などの環境保全の観点から、再生可能な燃料を用いたエンジンが着目されている。しかし、この再生可能な燃料を用いたエンジンは、アンモニア等の難燃性燃料を用いるものが多いため、難燃性燃料を燃え易くするための工夫が必要になる。このため、従来の難燃性燃料エンジンは、燃焼室に複数の点火プラグを配置し、点火火災核を複数の箇所で生成することによって、難燃性燃料(アンモニア)を容易に燃焼させるようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−159705号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の難燃性燃料エンジンにあっては、難燃性燃料を十分に燃焼させることができないため、不完全燃焼によりアンモニアガス等の毒性ガスが排出されるという問題があった。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、難燃性燃料の不完全燃焼を抑制することができる難燃性燃料エンジンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)前記目的を達成するための本発明の難燃性燃料エンジンは、燃焼室内に供給された難燃性燃料を燃焼させる難燃性燃料エンジンであって、前記燃焼室内を加熱する加熱手段を備えていることを特徴とする。
本発明の難燃性燃料エンジンによれば、加熱手段によって燃焼室内を加熱することにより、燃焼室内の温度を高めることができるため、燃焼室内に供給された難燃性燃料の燃焼効率を向上させることができる。これにより、難燃性燃料の不完全燃焼を抑制することができる。
【0006】
(2)前記加熱手段は、前記燃焼室内を難燃性燃料の引火点以上の所定温度まで加熱することが好ましい。
この場合、加熱手段によって燃焼室内を難燃性燃料の引火点以上の所定温度まで加熱するため、燃焼室内に供給された難燃性燃料の燃焼効率をさらに向上させることができる。これにより、難燃性燃料の不完全燃焼を効果的に抑制することができる。
【0007】
(3)前記難燃性燃料エンジンは、前記難燃性燃料がアンモニアであり、前記所定温度が300℃以上1100℃以下に設定されていることが好ましい。
この場合、燃焼室内に供給されたアンモニアの燃焼効率を向上させることができるため、アンモニアの不完全燃焼をさらに効果的に抑制することができる。
【0008】
(4)前記加熱手段は、前記燃焼室内で発生した熱を蓄熱する蓄熱部をさらに備えていることが好ましい。
この場合、蓄熱部に蓄熱された熱を燃焼室内を加熱する熱源として用いることができるため、加熱コストを低減することができる。
【0009】
(5)前記加熱手段は、通電により発熱する電熱線を有することが好ましい。
この場合、通電によって電熱線を発熱させるという簡単な構成によって、燃焼室内を加熱することができる。
【0010】
(6)前記加熱手段は、通電により発熱する電熱線を有し、前記蓄熱部は、前記電熱線を覆う筒状の金属管を有するものであってもよい。
この場合、電熱線から発生した熱を金属管に蓄熱することができるため、加熱コストを効果的に低減することができる。
【0011】
(7)前記蓄熱部は、前記金属管の外周に巻回された金属線をさらに有することが好ましい。
この場合、燃焼室内において金属管の外側で発生した熱を金属線に蓄熱することができるため、加熱コストをさらに効果的に低減することができる。
【0012】
(8)前記金属線は、線径が異なる複数の線材からなることが好ましい。
この場合、線径が異なる複数の線材に蓄熱することができるため、蓄熱効率を向上させることができる。
【0013】
(9)前記難燃性燃料エンジンは、前記燃焼室内に供給された難燃性燃料を点火させる点火部を有する点火プラグをさらに備え、前記蓄熱部は、前記点火プラグの点火部の近傍に取り付けられていることが好ましい。
この場合、難燃性燃料を点火させたときに発生する熱を蓄熱部により効率的に蓄熱することができる。
【0014】
(10)前記難燃性燃料エンジンは、前記加熱手段を駆動させるための操作指令を出力する操作手段と、前記燃焼室内に難燃性燃料を供給する供給手段と、前記操作手段により前記操作指令が出力されると、前記加熱手段により前記燃焼室内を所定時間加熱した後に、前記供給手段を駆動させて前記燃焼室内に難燃性燃料を供給させる制御手段と、をさらに備えていることが好ましい。
この場合、燃焼室内を加熱した状態で難燃性燃料が供給されるため、難燃性燃料の燃焼効率をさらに向上させることができ、難燃性燃料の不完全燃焼を効果的に抑制することができる。また、単一の操作手段を操作することによって、加熱手段の駆動と供給手段の駆動とを行うことができるため、難燃性燃料エンジンを容易に始動させることができる。
【0015】
(11)前記難燃性燃料エンジンは、前記燃焼室内の温度を測定する温度測定手段をさらに備え、前記制御手段は、前記温度測定手段の測定温度に基づいて前記所定時間を設定することが好ましい。
この場合、燃焼室内の温度に基づいて加熱手段による加熱時間が設定されるため、燃焼室内の温度を所定温度まで確実に高めることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の難燃性燃料エンジンによれば、燃焼室内に供給された難燃性燃料の燃焼効率を向上させることができるため、難燃性燃料の不完全燃焼を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る難燃性燃料エンジンの側断面図である。
【図2】図1のA−A矢視断面図であり、上記難燃性燃料エンジンの加熱手段の平面図である。
【図3】上記加熱手段の拡大側断面図である。
【図4】図3のB−B断面図である。
【図5】上記難燃性燃料エンジンの始動手順を示すタイムチャートである。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る難燃性燃料エンジンの点火プラグを示す図であり、(a)は側面図、(b)は正面図である。
【図7】本発明の他の実施形態に係る難燃性燃料エンジンの加熱手段の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の第1の実施形態に係る難燃性燃料エンジンの側断面図である。図2は、図1のA−A矢視断面図である。
図1において、本実施形態の難燃性燃料エンジン1は、内部に燃焼室2aを有するシリンダ2と、燃焼室2a内を加熱する加熱手段3と、燃焼室2a内に難燃性燃料であるアンモニアを供給する供給手段4と、燃焼室2a内に供給されたアンモニアを点火させる点火プラグ5と、燃焼室2a内から燃焼後の排気ガスを排出する排出手段6とを備えている。なお、本実施形態の難燃性燃料エンジン1は、アンモニア以外の他の難燃性燃料を用いることができるマルチフューエルエンジンとされている。
【0019】
シリンダ2は、筒状のシリンダライナ2bと、シリンダライナ2bの上部開口を覆うシリンダヘッド2cと、シリンダライナ2b内に往復動可能に設けられたピストン2dとを有している。シリンダライナ2bとシリンダヘッド2cとピストン2dとによって囲まれた空間が燃焼室2aとされている。ピストン2dの上面には、ピストン2dがシリンダライナ2b内を最上昇したときに、加熱手段3が収容される凹部2eが形成されている。これにより、ピストン2dを加熱手段3と干渉することなく最上昇させることができる。
【0020】
点火プラグ5は、供給手段4と排出手段6との間においてシリンダヘッド2cを貫通して固定されており、その下端部に設けれた点火部5aは燃焼室2a内に配置されている。また、点火部5aは、図2に示すように、シリンダ2の軸心Cに対して供給手段4側(図2の左側)にオフセットした位置に配置されている。
加熱手段3は、図1及び図2に示すように、複数(本実施形態では4個)の支持部材7を介してシリンダヘッド2cの下面に固定されている。加熱手段3の詳細については後述する。
【0021】
図1において、供給手段4は、シリンダヘッド2cに貫通形成された供給孔2c1を開閉する供給弁4aと、供給弁4aを開閉駆動する供給弁駆動手段4bとを備えており、供給弁駆動手段4bにより供給弁4aを開放駆動することにより、供給孔2c1から燃焼室2a内にアンモニアが供給されるようになっている。
【0022】
排出手段6は、シリンダヘッド2cに貫通形成された排出孔2c2を開閉する排出弁6aと、排出弁6aを開閉駆動する排出弁駆動手段6bとを備えており、排出弁駆動手段6bにより排出弁6aを開放駆動することにより、燃焼室2a内の燃焼後の排気ガスが排出孔2c2から排出されるようになっている。
【0023】
図3は加熱手段3の拡大側断面図であり、図4は図3のB−B断面図である。
図3及び図4において、加熱手段3は、通電により発熱する電熱線3aと、電熱線3aを覆う円筒状の金属管3bと、金属管3bの外周に巻回された金属線3cとによって構成されており、エンジンを始動する前に、燃焼室2a内を100℃以上1200℃以下(より好ましくは、アンモニアの引火点(約130℃)以上である300℃以上1100℃以下)の所定温度Tまで加熱するようになっている。
【0024】
電熱線3aは、例えば螺旋状のニクロム線からなり、ケーブル8(図1に示す)に接続されている。ケーブル8は、シリンダヘッド2cに貫通形成された取入孔2c3から燃焼室2a内に取り入れられている。
金属管3bは、その内部には電熱線3aが収容されている。また、金属管3bの内部には、電熱線3aの周囲を覆う絶縁体3dが充填されている。金属管3bは、図2に示すように、点火プラグ5を中心として渦巻状に形成されており、燃焼室2a全体を均一に加熱するようになっている。
【0025】
金属線3cは、線径が異なる複数の線材からなる。この複数の線材には、線径が0.5〜3.0mmの第1線材3c1と、線径が0.1〜1.0mmの第2線材3c2とが含まれている。第1線材3c1及び第2線材3c2は、いずれもSUS又はCr等の耐熱性を有する金属材料からなり、第1線材3c1は金属管3bの外周に螺旋状に巻回され、第2線材3c2は第1線材3c1の外側に螺旋状に巻回されている。
【0026】
前記金属管3b及び金属線3cは、燃焼室2a内で発生した熱を蓄熱する蓄熱部31とされている。より具体的には、金属管3bは主に電熱線3aから発生した熱を蓄熱し、金属線3cは燃焼室2a内においてアンモニアの燃焼によって発生する熱、すなわち金属管3bの外側で発生した熱を蓄熱するようになっている。
【0027】
図1において、難燃性燃料エンジン1は、加熱手段3を駆動させるための操作指令を出力する操作スイッチ(操作手段)11と、燃焼室2a内の温度を測定する温度測定手段12と、難燃性燃料エンジン1を駆動制御する制御手段13とをさらに備えている。
【0028】
温度測定手段12は、図3に示すように、金属管3b内において電熱線3aを挟んで配置されるとともに前記絶縁体3bにより周囲を覆われた状態で収容された一対の熱電対素線12aを有している。また、温度測定手段12は、図1に示すように、ケーブル9に接続されている。このケーブル9は、シリンダヘッド2cの取入孔2c3から前記ケーブル8とともに燃焼室2a内に取り入れられている。温度測定手段12の測定温度は、ケーブル9を介して制御手段13に入力されるようになっている。
【0029】
操作スイッチ11は、加熱手段3の電熱線3aへの通電をオンオフ操作する操作指令を出力するものである。操作スイッチ11の操作指令は、制御手段13に入力されるようになっている。
制御手段13は、操作スイッチ11及び温度測定手段12の入力信号に基づいて、供給弁駆動手段4b及び排出弁駆動手段6bに駆動指令を出力し、これらの駆動手段4b,6bを駆動させるようになっている。
【0030】
図5は、難燃性燃料エンジン1の始動手順を示すタイムチャートである。図5において、制御手段13は、操作手段11により電熱線3aへの通電をオン操作する操作指令が出力されると、電熱線3aを通電により発熱させて燃焼室2a内を加熱する。そして、制御手段13は、電熱線3aへの通電から所定時間tが経過すると、エンジンを始動する。すなわち、制御手段13は、供給弁駆動手段4bを駆動させて、燃焼室2a内にアンモニアを供給する。
【0031】
制御装置13は、温度測定手段12の測定温度に基づいて、所定時間tを設定するようになっている。より具体的には、制御装置13は、温度測定手段12の測定温度から前記所定温度Tまで、燃焼室2a内の温度を上昇させるのに必要な時間を所定時間tとして設定する。このように、制御装置13において燃焼室2aの燃焼条件(点火時期)を設定することにより、燃焼室2a内を前記所定温度Tまで確実に加熱した状態でエンジンを始動させることができる。なお、エンジンを始動させて燃焼室2a内にアンモニアを供給した後は、シリンダ2のピストン2dを上昇させて燃焼室2a内のアンモニアを圧縮した状態で、点火プラグ5によってアンモニアを点火させる。
【0032】
以上、本実施形態の難燃性燃料エンジン1によれば、加熱手段3によって燃焼室2a内を加熱することにより、燃焼室2a内の温度を高めることができるため、燃焼室2a内に供給されたアンモニアの燃焼効率を向上させることができる。これにより、アンモニアの不完全燃焼を抑制することができる。
また、加熱手段3は、燃焼室2a内をアンモニアの引火点以上の所定温度Tまで加熱するため、燃焼室2a内に供給されたアンモニアの燃焼効率をさらに向上させることができる。これにより、アンモニアの不完全燃焼を効果的に抑制することができる。
【0033】
また、加熱手段3によって、燃焼室2a内を300℃以上1100℃以下の所定温度まで加熱することにより、燃焼室2a内に供給されたアンモニアの燃焼効率をさらに向上させることができる。これにより、アンモニアの不完全燃焼をさらに効果的に抑制することができる。
また、通電によって電熱線3aを発熱させるという簡単な構成によって、燃焼室2a内を加熱することができる。
【0034】
また、燃焼室2a内で発生した熱を蓄熱部31に蓄熱することができるため、蓄熱部31に蓄熱された熱を燃焼室2a内を加熱する熱源として用いることができる。これにより、燃焼室2a内を加熱するための加熱コストを低減することができる。
また、蓄熱部31は、電熱線3aを覆う筒状の金属管3bを有しているため、電熱線3aから発生した熱を金属管3bに蓄熱することができる。これにより、加熱コストを効果的に低減することができる。
【0035】
また、蓄熱部31は、金属管3bの外周に巻回された金属線3cを有しているため、燃焼室2a内において金属管3bの外側で発生した熱を金属線3cに蓄熱することができる。これにより、加熱コストをさらに効果的に低減することができる。
また、金属線3cは、線径が異なる第1線材3c1と第2線材3c2とに蓄熱することができるため、蓄熱効率を向上させることができる。
【0036】
また、制御手段13は、操作スイッチ11により電熱線3aへの通電をオン操作する操作指令が出力されると、電熱線3aにより燃焼室2a内を所定時間tの間加熱した後に、供給弁駆動手段4bを駆動させて燃焼室2a内にアンモニアを供給するようにしたので、アンモニアの燃焼効率をさらに向上させることができ、アンモニアの不完全燃焼を効果的に抑制することができる。また、単一の操作スイッチ11を操作することによって、電熱線3aへの通電と供給弁駆動手段4bの駆動とを行うことができるため、難燃性燃料エンジン1を容易に始動させることができる。
また、制御手段13は、燃焼室2a内の温度を測定する温度測定手段12の測定温度に基づいて、加熱手段3による加熱時間を設定しているため、燃焼室2a内の温度を所定温度まで確実に高めることができる。
【0037】
図6は本発明の第2の実施形態に係る難燃性燃料エンジンの点火プラグを示す図であり、(a)は側面図、(b)は正面図である。図6(a)及び(b)において、本実施形態の難燃性燃料エンジンは、蓄熱部31が点火プラグ5の点火部5aの近傍に取り付けられている。この蓄熱部31は、点火プラグ5の下面に垂下固定された中実の金属棒3eと、この金属棒3eの外周に螺旋状に巻回された金属線3fとによって構成されている。
【0038】
金属棒3eは、側面視において略L字状に形成されるとともに正面視において略U字状に形成されており、点火プラグ5の下面から下方に延びる一対の垂下部3e1と、各垂下部3e1の下端同士を連結する水平部3e2とを有している。水平部3e2は、点火部5aの真下を跨ぐように配置されている。
金属線3fは、線径の異なる複数の線材(図示省略)からなる。これらの線材は、第1の実施形態の金属線3cと同様の構成であるため、その説明は省略する。
【0039】
以上、本実施形態の難燃性燃料エンジンによれば、蓄熱部31は、点火プラグ5の点火部5aの近傍に取り付けられているため、アンモニアを点火させたときに発生する熱を蓄熱部31により効率的に蓄熱することができる。
【0040】
また、蓄熱部31は、金属棒3eの外周に巻回された金属線3fを有しているため、燃焼室2a内において発生した熱を金属線3fに蓄熱することができる。これにより、加熱コストをさらに効果的に低減することができる。
また、金属線3fは、線径が異なる線材に蓄熱することができるため、蓄熱効率を向上させることができる。
【0041】
上述の実施形態はすべて例示であって制限的なものではない。本発明の権利範囲は特許請求の範囲によって規定され、そこに記載された構成と均等の範囲内のすべての変更は本発明の技術的範囲に含まれる。
例えば、上述の実施形態では、難燃性燃料としてアンモニアを用いているが、他の難燃性燃料を用いても良い。
【0042】
また、加熱手段3は、電熱線3aを熱源としているが、熱光線、プラズマ熱、熱風、赤外線、電磁波等のその他の熱源を利用してもよい。
さらに、加熱手段3は、電熱線3aと蓄熱部31とによって構成されているが、電熱線3aのみで構成されていてもよい。
【0043】
また、蓄熱部31の金属管3bは、渦巻状に形成されているが、図7に示すように、周方向に凹凸形状が連続するように形成されていてもよい。
また、蓄熱部31は、金属管3b(金属棒3e)と、金属線3c(3f)とによって構成されているが、金属管3b(金属棒3e)のみ又は金属線3c(3f)のみで構成されていてもよい。
【0044】
また、難燃性燃料エンジン1を始動させる際に、単一の操作スイッチ11を操作することによって、加熱手段3の駆動と供給手段4の駆動とを行うようにしているが、加熱手段3の駆動と供給手段4の駆動とをそれぞれ専用の操作スイッチによって操作するようにしてもよい。
また、温度測定手段12は、シリンダライナ2bの外周面に取り付けて、シリンダライナ2bの温度を燃焼室2a内の温度として測定するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0045】
1 難燃性燃料エンジン
2a 燃焼室
3 加熱手段
3a 電熱線
3b 金属管
3c 金属線
3c1 第1線材(線材)
3c2 第2線材(線材)
4 供給手段
5 点火プラグ
5a 点火部
11 操作スイッチ(操作手段)
12 温度測定手段
13 制御手段
31 蓄熱部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼室内に供給された難燃性燃料を燃焼させる難燃性燃料エンジンであって、
前記燃焼室内を加熱する加熱手段を備えていることを特徴とする難燃性燃料エンジン。
【請求項2】
前記加熱手段は、前記燃焼室内を難燃性燃料の引火点以上の所定温度まで加熱する請求項1に記載の難燃性燃料エンジン。
【請求項3】
前記難燃性燃料がアンモニアであり、
前記所定温度が300℃以上1100℃以下に設定されている請求項2に記載の難燃性燃料エンジン。
【請求項4】
前記加熱手段は、前記燃焼室内で発生した熱を蓄熱する蓄熱部をさらに備えている請求項1〜3のいずれか一項に記載の難燃性燃料エンジン。
【請求項5】
前記加熱手段は、通電により発熱する電熱線を有する請求項1〜4のいずれか一項に記載の難燃性燃料エンジン。
【請求項6】
前記加熱手段は、通電により発熱する電熱線を有し、
前記蓄熱部は、前記電熱線を覆う筒状の金属管を有する請求項4に記載の難燃性燃料エンジン。
【請求項7】
前記蓄熱部は、前記金属管の外周に巻回された金属線をさらに有する請求項6に記載の難燃性燃料エンジン。
【請求項8】
前記金属線は、線径が異なる複数の線材からなる請求項7に記載の難燃性燃料エンジン。
【請求項9】
前記燃焼室内に供給された難燃性燃料を点火させる点火部を有する点火プラグをさらに備え、
前記蓄熱部は、前記点火プラグの点火部の近傍に取り付けられている請求項4に記載の難燃性燃料エンジン。
【請求項10】
前記加熱手段を駆動させるための操作指令を出力する操作手段と、
前記燃焼室内に難燃性燃料を供給する供給手段と、
前記操作手段により前記操作指令が出力されると、前記加熱手段により前記燃焼室内を所定時間加熱した後に、前記供給手段を駆動させて前記燃焼室内に難燃性燃料を供給させる制御手段と、をさらに備えている請求項1〜9のいずれか一項に記載の難燃性燃料エンジン。
【請求項11】
前記燃焼室内の温度を測定する温度測定手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記温度測定手段の測定温度に基づいて前記所定時間を設定する請求項10に記載の難燃性燃料エンジン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−68126(P2013−68126A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−206218(P2011−206218)
【出願日】平成23年9月21日(2011.9.21)
【出願人】(501455275)岩井商事株式会社 (3)
【Fターム(参考)】