説明

難燃性組成物における対称性アゾ化合物

本発明は、>N−O−R置換された2,2,6,6−テトラアルキル−ピペリジル基が存在する化学式(I)のアゾ化合物に関する。それらのアゾ化合物は、単独で適用されても、あるいは難燃特性を有する他の化合物と組み合わせても、優れた難燃特性を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は新規のアゾ化合物、該アゾ化合物を含む難燃性組成物、およびポリマー、好ましくは熱可塑性ポリマーにおけるそれらの使用に関する。
【0002】
難燃剤(FR、FRs)はポリマーの難燃特性を強化するためにポリマー材料(対称性あるいは中性)に添加される。それらの組成に依存して、難燃剤は固相、液相あるいは気相中で、化学的に、例えば窒素の遊離による泡立ちとして、および/または物理的に、例えば泡の被覆領域を形成することによってはたらき得る。難燃剤は特定の段階の間に、例えば加熱、分解、発火あるいは火炎の広がりの間に燃焼工程を妨害する。
【0003】
FR活性を有する無機および有機の化合物が、様々なタイプのポリマーにおいてFR効果を実現するために使用されている。かかる化合物はハロゲン化炭化水素、リン含有化合物、金属含有化合物、例えば金属酸化物および水酸化物、およびメラミン誘導体を含む。ハロゲン化FRはそれらの効力のために非常に一般的に使用されている。それにもかかわらず、ハロゲン化化合物の使用は一般に環境面で懸念されつつある。
【0004】
ハロゲン化FRに関する問題を減らすために、しばしば協力剤をハロゲン化FRと組み合わせて使用する。協力剤はハロゲン化FRの難燃特性を強化する化合物であり、従ってハロゲン化FRの本質的に減少させた量での使用を可能にする。協力剤化合物は"ラジカル開始剤"として知られる群を包含し、それは有機過酸化物(US3058926号を参照)、ジベンジル化合物(US3271333号およびUS3420786号を参照)、二硫化物(US3284544号を参照)、ヒドラゾン(US3269962号を参照)、およびアゾ化合物(US4237179号、US3897373号、US4486347号およびFR1425563号を参照)を含む。かかる協力剤は、他のFRとの、典型的には前記のハロゲン化FRとの組み合わせにおいてのみ使用される。該アゾ化合物は例えばFR−協力剤としての追加機能を有するアゾ染料として使用されており、且つ、典型的には遷移金属イオン、例えばCuあるいはCrとの錯体の形態である。
【0005】
非ハロゲン化N−ヒドロカルビルオキシヒンダードアミノ光安定剤(NOR−HALS)もその問題の解決のために提案されている。それらを単独で、例えばハロゲン化FRの代わりに、あるいはFR用途のための協力剤として使用できる(例えばWO99/00450号参照)。
【0006】
WO2005/030852号によれば、非ハロゲン化アゾおよびヒドラジン誘導体は、例えばポリマーの用途に使用された場合、それら自身で難燃効果を示す。もはやそれらの薬剤を他のFR、例えば従来の有機あるいは無機ハロゲン化FR化合物と、あるいはリン、アンチモンあるいは金属水酸化物FR化合物と組み合わせる必要はない。
【0007】
WO2005/030852号によれば、アゾ化合物の欠点は、それらが光に曝されたときに劣化し、従ってそれらのFR活性を失う事実において見られる。従って、本発明の課題は、人工暴露の実験条件に曝されても優れたFR活性を保持するアゾ化合物の製造である。
【0008】
驚くべきことに、>N−O−R置換された2,2,6,6−テトラアルキルピペリジル基が存在するアゾ化合物は、単独で適用されても、あるいはFR特性を有する他の化合物と組み合わせても、優れたFR特性を有することが見出された。さらには、火炎の適用の間の火炎滴下物が著しく減少する。
【0009】
本発明の主題は、化学式
【化1】

[式中、
RはC1〜C20−アルキル、ヒドロキシ−C2〜C8−アルキル、C1〜C20−アルカノイル、C7〜C13−アロイル、C2〜C20−アルケニル、O、SおよびNからなる群から選択される少なくとも1つのヘテロ原子によって中断されたC1〜C20−アルキルあるいはC2〜C20−アルケニル、C6〜C20−アリール、C1〜C12−アルキル−C6〜C20−アリール、C6〜C20−アリール−C1〜C4−アルキル、単環あるいは二環式のC5〜C20−シクロアルキル、単環あるいは二環式のC1〜C12−アルキル−C5〜C20−シクロアルキル、あるいは単環あるいは二環式のC5〜C20−シクロアルキル−C1〜C4−アルキルを表し、
1、R2、R3およびR4は互いに独立に水素あるいはC1〜C3−アルキルを表し、
5は水素あるいはメチルを表し、且つ
R’、R1’、R2’、R3’、R4’およびR5’はR、R1、R2、R3、R4およびR5の定義と同じである]
の化合物である。
【0010】
化合物(I)は、それらの優れた難燃性を特徴とする。本組成物は優れた初期色を有しており、且つほとんど黄変を示さない。
【0011】
化合物(I)をハロゲン化および/または非ハロゲン化FR化合物、例えば非ハロゲン化FRと組み合わせて使用して難燃効果を改善できる。かかるハロゲン化および/または非ハロゲン化FR化合物は、従来の有機あるいは無機のハロゲン化FR化合物、あるいはリン、アンチモン、あるいは金属水酸化物FR化合物であってよい。本化合物は他の従来のFR化合物における協力効果を有し得る。その場合には、化合物(I)は、従来のFR化合物、例えばハロゲン化あるいはアンチモンFR化合物を適用する際の必要量を著しく減少させる。
【0012】
本発明の説明において使用される一般的な用語は、特段記載されない限り、以下のように定義される:
化合物(I)において、R’、R1’、R2’、R3’、R4’およびR5’はR、R1、R2、R3、R4およびR5の定義に相当する。
【0013】
1〜C20−アルキルは、例えばメチル、エチル、あるいは直鎖または分岐鎖C3〜C30−アルキル、例えばn−プロピル、イソプロピル、n−、イソ−あるいはtert−ブチル、n−ペンチル、イソアミル、ネオペンチル、2−エチルブチル、n−ヘキシル、1−メチルペンチル、1,3−ジメチルブチル、n−ヘプチル、イソヘプチル、n−オクチル、1,4,4−トリメチル−2−ペンチル、3,4−、3,5−あるいは4,5−ジメチル−1−ヘキシル、3−または5−メチル−1−ヘプチル、1,1,3,3−テトラメチルブチル、2−エチルヘキシル、イソブチレンの二量体から得られる分岐オクチル、n−ノニル、1,1,3−トリメチルヘキシル、トリプロピレンの三量体から得られる分岐ノニル、1−メチルウンデシル、2−n−ブチル−n−オクチル、イソブチレンの三量体あるいはプロピレンの四量体から得られる分岐ドデシル、プロピレンの五量体から得られる分岐ペンタデシル、2−n−ヘキシル−n−デシルあるいは2−n−オクチル−n−ドデシルである。
【0014】
ヒドロキシ−C2〜C8−アルキルは好ましくはヒドロキシ−C2〜C5−アルキル、例えば2−ヒドロキシエチル、2−あるいは3−n−ヒドロキシプロピルあるいは2−ヒドロキシ−イソブチル(=2−メチル−2−ヒドロキシプロピル)である。
【0015】
1〜C20−アルカノイルは、直鎖あるいは分岐鎖あるいは非分岐の例えばホルミル、アセチル、プロピオニル、n−ブタノイル、イソブタノイル、ペンタノイル、ヘキサノイル、ヘプタノイル、オクタノイル、ノナノイル、デカノイル、ウンデカノイル、ドデカノイル、トリデカノイル、テトラデカノイル、ペンタデカノイル、ヘキサデカノイル、ヘプタデカノイル、オクタデカノイル、エイコサノイルあるいはドコサノイルである。好ましいのは、2〜18、特に2〜12、例えば2〜6個のC原子を有するアルカノイルである。特に好ましいのはアセチルである。
【0016】
7〜C13−アロイルは、例えばベンゾイルあるいはナフトイルあるいはシンナモイルである。
【0017】
2〜C20−アルケニルは、例えば1−プロペニル、アリル、メタリル、2−ブテニルあるいは2−ペンテニルである。
【0018】
6〜C20−アリールは、例えばフェニルあるいは1−または2−ナフチルである。
【0019】
1〜C12−アルキル−C6〜C20−アリールは、C6〜C20−アリール、好ましくは例えば上述の1から3つまでのC1〜C4−アルキル基によって、あるいは1または2つのC1〜C6−アルキル基によって、あるいは1つのC1〜C12−アルキル基によって置換されているフェニルである。
【0020】
6〜C20−アリール−C1〜C4−アルキルは、好ましくはフェニル−C1〜C4−アルキル、例えばベンジルあるいは1−フェニル−1−エチルあるいは2−フェニル−1−エチルである。
【0021】
単環あるいは二環式のC5〜C20−シクロアルキルは、好ましくはC5〜C12−シクロアルキル、例えばシクロペンチルあるいはシクロヘキシルである。
【0022】
単環あるいは二環式のC1〜C12−アルキル−C5〜C20−シクロアルキルは、好ましくはC5〜C12−シクロアルキル、例えば上述の1から3つのC1〜C4−アルキル基、例えばメチルまたはtert−ブチルによって、あるいは1つあるいは2つのC1〜C6−アルキル基あるいは1つのC1〜C12−アルキル基によって置換されたシクロペンチルあるいはシクロヘキシルである。
【0023】
単環あるいは二環式のC5〜C20−シクロアルキル−C1〜C4−アルキルは、好ましくはC5〜C20−シクロアルキル−C1〜C4−アルキル、例えばシクロペンチルメチルあるいはシクロヘキシルメチルである。
【0024】
本発明による化合物は、以下に説明される公知の方法によって得られる:
【化2】

【0025】
a) N−O置換を還元
b) 4−COを4−アミノに還元転換
c) スルホン化
d) スルホ基を除去。
【0026】
スルファミドあるいはそれらの任意の前駆体から出発する上述の化合物(I)の製造方法もまた本発明の主題である。好ましい実施態様によれば、4−オキソ−TEMPO(=4−オキソ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシド)で開始する合成経路が以下の反応機構を用いた代表的な化合物に対して説明される:
【化3】

【0027】
好ましい実施態様によれば、本発明は化合物(I)において、
RがC1〜C8−アルキル、ヒドロキシ−C2〜C8−アルキル、C1〜C8−アルカノイル、フェニル、(C1〜C4−アルキル)1〜3フェニル、フェニル−C1〜C4−アルキル、C5〜C6−シクロアルキル、(C1〜C4−アルキル)1〜35〜C6−シクロアルキル、あるいは(C1〜C4−アルキル)1〜35〜C6−シクロアルキル−C1〜C4−アルキルを表し、
1、R2、R3およびR4がメチルを表すか、または
1およびR2の1つ、およびR3およびR4の1つがメチルを表し且つ他の1つがエチルを表し、
5が水素を表し、且つ
R’、R1’、R2’、R3’、R4’およびR5’はR、R1、R2、R3、R4およびR5の定義と同じである化合物に関する。
【0028】
特に好ましい実施態様によれば、本発明は化合物(I)において、
RがC1〜C8−アルキル、ヒドロキシ−C2〜C8−アルキル、C1〜C8−アルカノイル、フェニル、あるいはC5〜C6−シクロアルキルを表し、
1、R2、R3およびR4がメチルを表し、且つ
5が水素を表し、且つ
R’、R1’、R2’、R3’、R4’およびR5’はR、R1、R2、R3、R4およびR5の定義と同じである化合物に関する。
【0029】
非常に好ましい実施態様によれば、本発明は化合物(I)において、
RがC1〜C4−アルキル、ヒドロキシ−C2〜C4−アルキル、C1〜C4−アルカノイル、フェニル、あるいはC5〜C6−シクロアルキルを表し、
1、R2、R3およびR4がメチルを表し、且つ
5が水素を表し、且つ
R’、R1’、R2’、R3’、R4’およびR5’はR、R1、R2、R3、R4およびR5の定義と同じである化合物に関する。
【0030】
特に関連するのは、化合物(I)において
【化4】

からなる群から選択される化合物(I)である。
【0031】
本発明の化合物(I)は、ポリマー、例えば合成ポリマー、特に熱可塑性樹脂に難燃特性を付与するのに際立って適している。従って、本発明のさらなる実施態様は、組成物において、
a) ポリマー基材、および
b) 化学式(I)
[式中、
RはC1〜C20−アルキル、ヒドロキシ−C2〜C8−アルキル、C1〜C20−アルカノイル、C2〜C20−アルケニル、C7〜C13−アロイル、O、SおよびNからなる群から選択される少なくとも1つのヘテロ原子によって中断されたC1〜C20−アルキルあるいはC2〜C20−アルケニル、C2〜C20−アルキニル、C6〜C20−アリール、C1〜C12−アルキル−C6〜C20−アリール、C6〜C20−アリール−C1〜C4−アルキル、単環あるいは二環式のC5〜C20−シクロアルキル、単環あるいは二環式のC1〜C12−アルキル−C5〜C20−シクロアルキル、あるいは単環あるいは二環式のC5〜C20−シクロアルキル−C1〜C4−アルキルを表し、
1、R2、R3およびR4は互いに独立に水素あるいはC1〜C3−アルキルを表し、
5は水素あるいはメチルを表し、且つ
R’、R1’、R2’、R3’、R4’およびR5’はR、R1、R2、R3、R4およびR5の定義と同じである]
の化合物
を含む組成物に関する。
【0032】
本発明による組成物は、反応性の混合あるいは化合法、特に反応性の押出法によって通常の混合機内で得られ。そこで成分a)およびb)および随意にさらなる添加剤およびポリマーを混合し且つ溶解させる。適切な装置は当業者には公知である。それらは主として混合機、ニーダ、および押出機である。
【0033】
本発明の化合物(I)をポリマー基材b)に単独で、あるいは1つあるいはそれより多くの化合物(I)の混合物として添加できる。その量は、産業的に認容の難燃特性をポリマー基材に提供できるような公知のやり方で選択される。その量は使用されるポリマー基材に依存して変化する。一例として、ポリマー基材b)に対して0.1〜20.0質量%、好ましくは0.1〜10.0質量%、例えば0.1〜5.0質量%の量が適していることが明らかである。
【0034】
本発明による組成物は優れた熱安定性を特徴とする。本発明の記載の文脈においては、熱安定性は加熱における発泡に対する耐性の度合いとして定義される。難燃組成物の熱安定性におけるより正確な区別には、物理化学的方法、例えば熱重量分析(TGA)および示差走査熱分析(DSC)が使用される。
【0035】
押出温度で、好ましくは300℃未満の加工温度での溶融加工に適した任意のタイプのポリマー材料を選択できる。一般にポリマーあるいは担体樹脂を、難燃性を必要とするポリマーマトリックス材料によって選択する。ポリプロピレンおよびポリエチレンは、その広範な可用性および容易な加工特性のために第一の選択肢である。これに関して、高密度ポリエチレン、HDPEの使用によって無色の難燃性ペレットを製造できることが見出されており、それは無色の難燃性ポリマー組成物の製造に有利である。選択的な実施態様において、ポリプロピレンの使用が有利であると判明している。高い流動性と優れた難燃性と複合材料の機械的特性とを兼ね備えた、認容の色の難燃性マスターバッチが得られる。
【0036】
本発明のポリマー組成物に適した他のポリマーは、300℃未満、および好ましくは280℃未満の温度で加工されるポリマーである。
【0037】
成分a)による適したポリマー基材は以下の合成ポリマーからなる。例えば:
1. モノオレフィンあるいはジオレフィンのポリマー、例えばポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブテン−1、ポリ−4−メチルペンテン−1、ポリビニルシクロヘキサン、ポリイソプレンあるいはポリブタジエン、およびシクロオレフィン、例えばシクロペンテンあるいはノルボルネンの重合体;およびポリエチレン(架橋していてもよい)、例えば高密度ポリエチレン(HDPE)、高分子量高密度ポリエチレン(HDPE−HMW)、超高分子量高密度ポリエチレン(HDPE−UHMW)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、および線形低密度ポリエチレン(LLDPE)、(VLDPE)および(ULDPE)からなる。
【0038】
前出の段落における例で述べられたポリオレフィン、即ちモノオレフィンのポリマー、特にポリエチレンおよびポリプロピレンは、様々な工程によって、特に以下の方法によって製造される:
a) (通常は高圧高温での)ラジカル重合によって;
b) 触媒の存在下にて。該触媒は通常、周期律表の1つあるいはそれより多くのIVb、Vb、VIbあるいはVIII族金属を含有する。それらの金属は一般に、πあるいはσ配位し得る1つあるいはそれより多くの置換基あるいは配位子、例えばオキシド、ハライド、アルコレート、エステル、エーテル、アミン、アルキル、アルケニルおよび/またはアリールを有する。かかる金属錯体は遊離しているか、あるいは担体、例えば活性化されたマグネシウム塩化物、塩化チタン(III)、アルミニウム酸化物あるいはケイ素酸化物に固定されていてもよい。かかる触媒は重合媒体中で可溶性あるいは不溶性であってよい。該触媒は重合においてそれ自体で活性であるか、あるいはさらなる活性化剤、例えば金属アルキル、金属水素化物、金属アルキルハライド、金属アルキルオキシドあるいは金属アルキルオキシランを使用してもよい。これは特にIa、IIaおよび/またはIIIa族の金属にあてはまる。該活性化剤を、例えばさらなるエスエル、エーテル、アミンあるいはシリルエーテル基で修飾してもよい。かかる触媒系は通常、Phillips、Standard Oil Indiana、Ziegler(−Natta)、TNZ(DuPont)、メタロセンあるいはシングルサイト触媒(SSC)が挙げられる。
【0039】
2. 1)で述べられたポリマーの混合物、例えばポリプロピレンとポリイソブチレンとの混合物、ポリプロピレンとポリエチレンとの混合物(例えばPP/HDPE、PP/LDPE)および異なるタイプのポリエチレンの混合物(例えばLDPE/HDPE)。
【0040】
3. モノオレフィンおよびジオレフィン同士の、あるいは他のビニルモノマーとのコポリマー、例えばエチレン/プロピレンコポリマー、線形低密度ポリエチレン(LLDPE)およびそれらの低密度ポリエチレン(LDPE)との混合物、プロピレン/ブテン−1コポリマー、プロピレン/イソブチレンコポリマー、エチレン/ブテン−1コポリマー、エチレン/ヘキセンコポリマー、エチレン/メチルペンテンコポリマー、エチレン/ヘプテンコポリマー、エチレン/オクテンコポリマー、エチレン/ビニルシクロヘキサンコポリマー、エチレン/シクロオレフィンコポリマー、例えばエチレン/ノルボルネン(COC)、1−オレフィンがその場で生成されるエチレン/1−オレフィンコポリマー、プロピレン/ブタジエンコポリマー、イソブチレン/イソプレンコポリマー、エチレン/ビニルシクロヘキセンコポリマー、エチレン/アルキルアクリレートコポリマー、エチレン/アルキルメタクリレートコポリマー、エチレン/ビニルアセテートコポリマー、エチレン/アクリル酸コポリマーおよびそれらの塩(イオノマー)、およびエチレンとプロピレンおよびジエン、例えばヘキサジエン、ジシクロペンタジエンあるいはエチリデンノルボルネンとのターポリマー;およびかかるコポリマー同士の、あるいは1)で述べられたポリマーとの混合物、例えばポリプロピレン−エチレン/プロピレンコポリマー、LDPE−エチレン/ビニルアセテートコポリマー、LDPE−エチレン/アクリル酸コポリマー、LLDPE−エチレン/ビニルアセテートコポリマー、LLDPE−エチレン/アクリル酸コポリマー、および交互またはランダムに構成されたポリアルキレン−一酸化炭素コポリマーおよび他のポリマー、例えばポリアミドとのそれらの組み合わせ。
【0041】
4. ポリスチレン、ポリ(p−メチルスチレン)、ポリ(α−メチルスチレン)。
【0042】
5. ビニル芳香族モノマーから誘導される芳香族ホモポリマーおよびコポリマー、例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンの全ての異性体、例えばp−ビニルトルエン、エチルスチレンの全ての異性体、プロピルスチレン、ビニルビフェニル、ビニルナフタレン、ビニルアントラセンおよびそれらの混合物。ホモポリマーおよびコポリマーはシンジオタクチック、アイソタクチック、ヘミアイソタクチックあるいはアタクチック立体構造を有し得る。好ましいのはアタクチックポリマーである。ステレオブロックポリマーも含む。
【0043】
6. ホモポリマーおよびコポリマーはシンジオタクチック、アイソタクチック、ヘミアイソタクチックあるいはアタクチック立体構造を有し得る。好ましいのはアタクチックポリマーである。ステレオブロックポリマーも含む。
【0044】
a) 既に述べたビニル芳香族モノマーと、エチレン、プロピレン、ジエン、ニトリル、酸、マレイン酸無水物、マレイン酸アミド、ビニルアセテート、ビニル塩化物およびアクリル酸誘導体およびそれらの組み合わせから選択されるコモノマーとを含むコポリマー、例えばスチレン/ブタジエン、スチレン/アクリロ−ニトリル、スチレン/エチレン(共重合体)、スチレン/アルキルメタクリレート、スチレン/ブタジエン/アルキルアクリレートおよびメタクリレート、スチレン/マレイン酸無水物、スチレン/アクリロニトリル/メチルアクリレート;スチレンコポリマーおよび他のポリマー、例えばポリアクリレート、ジエンポリマーあるいはエチレン/プロピレン/ジエンターポリマーからなる高衝撃強度の混合物;およびスチレンのブロックコポリマー、例えばスチレン/ブタジエン/スチレン、スチレン/イソプレン/スチレン、スチレン/エチレン−ブチレン/スチレンあるいはスチレン/エチレン−プロピレン/スチレン。
【0045】
b) 6)で述べられたポリマーの水素化によって製造された水素化芳香族ポリマー、特にポリシクロヘキシルエチレン(PCHE)、時としてポリビニルシクロヘキサン(PVCH)とも呼ばれ、アタクチックポリスチレンの水素化によって製造される。
【0046】
c) 6a)で述べられたポリマーの水素化によって製造された水素化芳香族ポリマー。
【0047】
7. ビニル芳香族モノマーのグラフトコポリマー、例えばポリブタジエン上のスチレン、ポリブタジエン/スチレンあるいはポリブタジエン/アクリロニトリルコポリマー上のスチレン、ポリブタジエン上のスチレンおよびアクリロニトリル(あるいはメタクリロニトリル);ポリブタジエン上のスチレン、アクリロニトリルおよびメチルメタクリレート;ポリブタジエン上のスチレンおよびマレイン酸無水物;ポリブタジエン上のスチレン、アクリロニトリルおよびマレイン酸無水物あるいはマレイン酸イミド;ポリブタジエン上のスチレンおよびマレイン酸イミド、ポリブタジエン上のスチレンおよびアルキルアクリレートあるいはアルキルメタクリレート、エチレン/プロピレン/ジエンターポリマー上のスチレンおよびアクリロニトリル、ポリアルキルアクリレートあるいはポリアルキルメタクリレート上のスチレンおよびアクリロニトリル、アクリレート/ブタジエンコポリマー上のスチレンおよびアクリロニトリル、および段落6で述べられたコポリマーとのそれらの混合物、例えば、いわゆるABS、MBS、ASAあるいはAESポリマーとして知られるもの。
【0048】
8. ハロゲン含有ポリマー、例えばポリクロロプレン、塩化ゴム、イソブチレン/イソプレンの塩化および臭素化コポリマー(ハロブチルゴム)、塩化あるいはクロロ硫酸ポリエチレン、エチレンと塩化エチレンとのコポリマー、エピクロロヒドリンホモポリマーおよびコポリマー、特にハロゲン含有ビニル化合物のポリマー、例えばポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン;およびそれらのコポリマー、例えば塩化ビニル/塩化ビニリデン、塩化ビニル/酢酸ビニルあるいは塩化ビニリデン/酢酸ビニル。
【0049】
9. α,β−不飽和酸およびそれらの誘導体から誘導されたポリマー、例えばポリアクリレートおよびポリメタクリレート、あるいはブチルアクリレートで耐衝撃性を改質されたポリメチルメタクリレート、ポリアクリルアミドおよびポリアクリロニトリル。
【0050】
10. 段落9で述べられたモノマー同士の、あるいは他の不飽和モノマーとのコポリマー、例えばアクリロニトリル/ブタジエンコポリマー、アクリロニトリル/アルキルアクリレートコポリマー、アクリロニトリル/アルコキシアルキルアクリレートコポリマー、アクリロニトリル/ビニルハライドコポリマーあるいはアクリロニトリル/アルキルメタクリレート/ブタジエンターポリマー。
【0051】
11. 不飽和アルコールおよびアミンあるいはそれらの誘導体あるいはアセタールから誘導されるポリマー、例えばポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、ステアレート、ベンゾエート、またはマレエート、ポリビニルブチラール、ポリアリルフタレート、ポリアリルメラミン;および段落1で述べられたオレフィンとのそれらのコポリマー。
【0052】
12. 環状エーテルのホモポリマーおよびコポリマー、例えばポリアルキレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、あるいはそれらとビスグリシジルエーテルとのコポリマー。
【0053】
13. ポリアセタール、例えばポリオキシメチレン、およびコモノマーを含有するポリオキシンメチレン、例えばエチレンオキシド;熱可塑性ポリウレタン、アクリレートあるいはMBSで修飾されたポリアセタール。
【0054】
14. ポリフェニレンオキシドおよびスルフィド、およびそれらとスチレンポリマーあるいはポリアミドとの混合物。
【0055】
15. ジアミンおよびジカルボン酸から、および/またはアミノカルボン酸あるいは相応するラクタムから誘導されるポリアミドおよびコポリアミド、例えばポリアミド4、ポリアミド6、ポリアミド6/6、6/10、6/9、6/12、4/6、12/12、ポリアミド11、ポリアミド12、m−キシレン、ジアミンおよびアジピン酸から誘導される芳香族ポリアミド;ポリアミド6/I(ポリヘキサメチレンイソフタルイミド、MXD(m−キシレンジアミン);ヘキサメチレンジアミンおよびイソフタル酸および/またはテレフタル酸および随意に改質剤としてのエラストマーから製造されたポリアミド、例えばポリ−2,4,4−トリメチルヘキサメチレンテレフタルアミドあるいはポリ−m−フェニレンイソフタルアミド。上述のポリアミドと、ポリオレフィン、オレフィンコポリマー、イオノマー、あるいは化学結合した、またはグラフトされたエラストマーとの、あるいはポリエステルとの、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、またはポリテトラメチレングリコールとのブロックコポリマー。また、EPDMあるいはABSで修飾されたポリアミドあるいはコポリアミド;および加工中に縮合されたポリアミド("RIMポリアミド系")。
【0056】
使用できるポリアミドおよびコポリアミドの例は、とりわけ、ε−カプロラクタム、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ヘキサメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、2−メチル−ペンタメチレン−ジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、m−キシリデンジアミンあるいはビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタンから誘導される;および半芳香族ポリアミド、例えばポリアミド66/6/I、例えば70〜95%のポリアミド6/6および5〜30%のポリアミド6/Iからなるもの;およびいくつかのポリアミド6/6が置き換えられたトリコポリマー、例えば60〜89%のポリアミド6/6、5〜30%のポリアミド6/Iおよび1〜10%の他の脂肪族ポリアミドからなるもの;後者は例えばポリアミド6、ポリアミド11、ポリアミド12またはポリアミド6/12単位からなってもよい。かかるトリコポリマーは、従って、ポリアミド66/6I/6、ポリアミド66/6I/11、ポリアミド66/6I/12、ポリアミド66/6I/610あるいはポリアミド66/6I/612を意味してよい。
【0057】
16. ポリウレア、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド、ポリヒダントインおよびポリベンズイミダゾール。
【0058】
17. ジカルボン酸およびジアルコールから、および/またはヒドロキシカルボン酸あるいは相応するラクトンから誘導されたポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ−1,4−ジメチロールシクロヘキサンテレフタレート、ポリアルキレンナフタレート(PAN)およびポリヒドロキシ−ベンゾエート、および、ヒドロキシ末端基を有するポリエーテルから誘導されたブロックコポリマーエステル;およびポリカーボネートまたはMBSで修飾されたポリエステル。
【0059】
18. ポリカーボネートおよびポリエステルカーボネート。
【0060】
19. 上述のポリマーの混合物(ポリブレンド)、例えばPP/EPDM、ポリアミド/EPDMまたはABS、PVC/EVA、PVC/ABS、PVC/MBS、PC/ABS、PBTP/ABS、PC/ASA、PC/PBT、PVC/CPE、PVC/アクリレート、POM/熱可塑性PUR、PC/熱可塑性PUR、POM/アクリレート、POM/MBS、PPO/HIPS、PPO/PA6.6およびコポリマー、PA/HDPE、PA/PP、PA/PPO、PBT/PC/ABSまたはPBT/PET/PC。
【0061】
好ましいのは、熱可塑性ポリマーが高耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、発泡性ポリスチレン(EPS)、押出ポリスチレン(XPS)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート(PC)あるいはABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)型のポリマーブレンドあるいはPC/ABS(ポリカーボネート/アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)あるいはPPE/HIPS(ポリフェニレンエーテル/高耐衝撃性ポリスチレン)、特にポリアミド、ポリエスエルあるいはPPE/HIPS配合物である組成物である。
【0062】
特に好ましいのは、充填材あるいは強化材、特にガラス繊維強化ポリマー、例えばガラス繊維強化ポリアミドを含む、本発明によるポリマー組成物である。
【0063】
好ましい実施態様は、ポリマー基材a)がポリエチレン、ポリプロピレン、またはポリプロピレンとポリオレフィンとの配合物からなる難燃性組成物に関する。例は、ポリプロピレンと、高密度ポリエチレン(HDPE)、高分子量高密度ポリエチレン(HMW HDPE)、超高分子量高密度ポリエチレン(UHMW HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、線形低密度ポリエチレン(LLDPE)、分岐状低密度ポリエチレン(BLDPE)、および低比率のジエンを含有するエチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)からなる群から選択されるポリエチレンとの配合物である。
【0064】
本発明はさらに、上で定義された成分a)およびb)に加えて、ポリマー安定剤、および追加の難燃剤からなる群から選択されるさらなる添加剤c)を含む難燃性組成物、例えばメラミン含有難燃剤、リン含有難燃剤、メラミン含有難燃剤の他にさらに窒素含有難燃剤、ハロゲン化難燃剤および無機難燃剤に関する。
【0065】
安定剤は好ましくは無ハロゲンであり、且つニトロキシル安定剤、ニトロン安定剤、アミンオキシド安定剤、ベンゾフラノン安定剤、ホスフィットおよびホスホニット安定剤、キノンメチド安定剤および2,2’−アルキリデンビスフェノール安定剤のモノアクリレートエステルから選択される。
【0066】
本成分c)に関するさらなる難燃剤は、公知の成分、商品であるか、あるいは公知の方法によって得られる。
【0067】
代表的なメラミン含有難燃剤は、成分a)に関して上記で定義されたアゾ化合物(I)のほかに、例えば、メラミン構造:1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリアミン(=シアヌル酸トリアミド)であるメラミン含有化合物であり、あるいはそれらの縮合体が存在する。その定義は、メラミン、メラミンの縮合体あるいはメラミンとそれらのリン酸との縮合体のモノマー化合物、オリゴマー化合物またはポリマー化合物にあてはまる。
【0068】
好ましいメラミン含有化合物は、メラミンシアヌレート、メラミンホスフェート、ジメラミンホスフェート、メラミンピロホスフェート、メラミンポリホスフェート、メラミンボレート、メラミンアンモニウムホスフェート、メラミンアンモニウムポリホスフェート、メラミンアンモニウムピロホスフェート、メレム、メラムまたはメロン、あるいはメレム、メラムまたはメロンのポリホスフェートである。
【0069】
代表的なリン含有難燃剤は、成分b)に関して上記で定義されたメラミン化合物のほかに、例えば:
テトラフェニルレソルシノールジホスフィット(FYROLFLEX(登録商標)RDP、Akzo Nobel)、テトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウムスルフィド、トリフェニルホスフェート、ジエチル−N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−アミノ−メチルホスホネート、リン酸のヒドロキシアルキルエステル、アンモニウムポリホスフェート(APP)あるいは(HOSTAFLAM(登録商標)AP750)、レソルシノールジホスフェートオリゴマー(RDP)、ホスファゼン難燃剤およびエチレンジアミンジホスフェート(EDAP)
である。
【0070】
メラミン含有難燃剤の他のさらなる窒素含有難燃剤は例えば、イソシアヌレート難燃剤、例えばポリイソシアヌレート、イソシアヌル酸またはイソシアヌレートのエステルである。代表的な例は、ヒドロキシアルキルイソシアヌレート、例えばトリス−(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、トリス(ヒドロキシメチル)イソシアヌレート、トリス(3−ヒドロキシ−n−プロピル(proyl))イソシアヌレートあるいはトリグリシジルイソシアヌレートである。
【0071】
さらなる例は、ベンゾグアナミン、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、アラントイン、グリコウリル、メラミンシアヌレート、ウレアシアヌレートあるいはアンモニウムポリホスフェートである。
【0072】
代表的なオルガノハロゲン難燃剤は、例えば:
ポリ臭素化ジフェニルオキシド(DE−60F、Great Lakes社)、デカブロモジフェニルオキシド(DBDPO;SAYTEX(登録商標)102E)、トリス[3−ブロモ−2,2−ビス(ブロモメチル)プロピル]ホスフェート(PB370(登録商標)、FMC社)、トリス(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェート、トリス(2,3−ジクロロプロピル)ホスフェート、クロレンド酸、テトラクロロフタル酸、テトラブロモフタル酸、ポリ−β−クロロエチルトリホスホネート混合物、テトラブロモビスフェノールA ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)(PE68)、臭素化エポキシ樹脂、エチレン−ビス(テトラブロモフタルイミド)(SAYTEX(登録商標)BT−93)、ビス(ヘキサクロロシクロペンタジエノ)シクロオクタン(DECLORANE PLUS(登録商標))、塩素化パラフィン、オクタブロモジフェニルエーテル、ヘキサクロロシクロペンタジエン誘導体、1,2−ビス(トリブロモフェノキシ)エタン(FF680)、テトラブロモビスフェノールA(SAYTEX(登録商標)RB100)、エチレン ビス−(ジブロモ−ノルボルナンジカルボキシイミド)(SAYTEX(登録商標)BN−451)、ビス−(ヘキサクロロシクロペンタジエノ(hexachlorocycloentadeno))シクロオクタン、PTFE、トリス−(2,3−ジブロモプロピル)−イソシアヌレート、およびエチレン−ビス−テトラブロモフタルイミドである。
【0073】
上述の難燃剤を通常、無機(水)酸化物協力剤と組み合わせる。この用途に最も一般的なのは、アルミニウム(水)酸化物、例えばAl(OH)3またはAlOOH、マグネシウム水酸化物、亜鉛あるいはアンチモン酸化物、例えばSb23またはSb25である。ホウ素化合物もまた適している。
【0074】
上述のさらなる難燃剤化合物は有利にも、本発明の組成物内に有機ポリマー基材の約0.25質量%〜約45.0質量%、一例として約0.25質量%〜約35.0質量%、例えばポリマーの約0.25質量%〜約30.0質量%の量で含有される。
【0075】
上述のように、本発明による組成物はさらに、例えば顔料、染料、可塑剤、酸化防止剤、チキソトロープ剤、均染助剤、塩基補助安定剤、金属不活性化剤(metal passivator)、金属酸化物、有機リン化合物、さらなる光安定剤およびそれらの混合物、特に顔料、フェノール系酸化防止剤、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、紫外線吸収剤の2−ヒドロキシ−ベンゾフェノン、2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾールおよび/または2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン基から選択される1つあるいはそれより多くの従来の添加剤を含有できる。
【0076】
上述の添加剤は好ましくはポリマー基材b)の質量に対して0.01〜10.0%、特に0.05〜5.0%の量で含有される。
【0077】
従って本発明は、本発明による化合物(I)をポリマー基材、例えば合成ポリマー、特に熱可塑性樹脂に難燃特性を付与するのに用いる使用にも関し、且つ少なくとも1つの本発明による化合物(I)をポリマー基材中に導入するか、あるいはそれらの表面に適用する、合成ポリマーに難燃特性を付与する方法にも関する。
【0078】
化合物(I)および上で定義された随意の追加成分のポリマー基材内への導入を公知の方法、例えば粉末の形態での乾式混合、または溶液、分散液あるいは懸濁液、例えば不活性溶剤、水またはオイルの形態での湿式混合によって実施する。化合物(I)および随意のさらなる添加剤を、例えば成形の前あるいは後に、溶解または分散された添加剤または添加剤混合物をポリマー材料に適用することによって導入してもよく、該溶剤または懸濁/分散剤はその後蒸発させるか、あるいはさせない。それらを加工装置(例えば押出機、密閉式混合機など)内に、例えば粉末の乾燥混合物として、あるいは溶液または分散液または懸濁液または溶融物として、直接的に添加してもよい。
【0079】
ポリマー基材b)への添加剤成分の添加を、ポリマーを溶融し且つ添加剤と混合する全ての通常の混合機内で実施できる。適した装置は当業者に公知である。それらは主として混合機、ニーダおよび押出機である。
【0080】
特に好ましい加工機は、二軸スクリュー押出機、例えば反転または同方向回転二軸スクリュー押出機である。他の加工機は遊星歯車式押出機、円環状押出機(ring extruder)またはコニーダである。真空を適用できる少なくとも1つの気体あるいは蒸気除去室を有して提供される加工機を使用することも可能である。
【0081】
適した押出機およびニーダは、例えばHandbuch der Kunststoffextrusion、F.Hensen、W.Knappe、H.Potente編集、Vol.1 Grundladen、1989、pp.3−7、ISBN:3−446−14339−4およびVol.2 Extrusionsanlagen 1986、ISBN 3−446−14329−7内に記載されている。
【0082】
例えば、該スクリューの長さは、1〜60スクリュー直径、好ましくは35〜48スクリュー直径である。該スクリューの回転速度は好ましくは1分あたり10〜600回転(rpm)、非常に特に好ましくは25〜300rpmである。
【0083】
最大のスループットはスクリュー直径、回転速度および駆動力に依存する。本発明の方法は、述べられたパラメータを変化させることによって、または供与量を送達する計量器を用いることによって、最大スループットよりも低い水準でも実施できる。
【0084】
複数の成分を添加する場合、それらを予め混合するか、あるいは個々に添加できる。
【0085】
かかる作業において、該ポリマーを粉末、顆粒、溶液、および懸濁液の形態、あるいは格子の形態で使用できる。
【0086】
アゾ化合物(I)a)および随意のさらなる添加剤を、例えば約1.0質量%〜約40.0質量%および好ましくは2.0質量%〜約20.0質量%の濃度でポリマー内に導入された該成分を含有するマスターバッチ("凝縮物")の形態でポリマー基材b)に添加してもよい。かかる作業において、該ポリマーを粉末、顆粒、溶液、および懸濁液の形態、あるいは格子の形態で使用できる。
【0087】
成形作業の前あるいは間に導入を実施できる。ここで記載される本発明の添加剤を含有する材料を、好ましくは形成された物品、例えば回転成形物品、射出成形物品、形材およびその種のもの、および特に繊維、スパンメルト不織布、膜あるいは発泡体の製造に使用する。
【0088】
従って、本発明はさらに、本発明の組成物を含む成形された物品、あるいは押出された物品、例えばパイプ、ワイヤーおよびケーブル、繊維、スパンメルト不織布あるいは発泡体に関する。
【0089】
以下の実施例で本発明を説明する。
【0090】
A) 合成例
実施例1
1.ビス−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−4−ジアゼンの調製
1.1 N−シクロヘキシルオキシ−4−オキソ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの調製
亜鉛粉末(15.6mmol、1.02g)と触媒量の1,2−ジブロモエタン(50μl)とのTHF2ml中の懸濁液をアルゴン雰囲気下で1分間還流させる。該懸濁液を室温に冷却し次第、トリメチルクロロシラン(62μl)を添加し、そして該反応混合物を15分間攪拌する。5mlのTHF中で希釈されたヨードシクロヘキサンの溶液(15.0mmol、1.94ml)を該懸濁液に滴下し、そして該反応混合物を30℃で12時間攪拌する。そのように得られた溶液3.5ml(〜5mmol)を、CuCN(5.0mmol、0.45g)とオーブン乾燥させたLiCl(10.5mmol、0.45g)とをTHF5ml中で溶かした溶液に移し、−10℃に冷却する。0℃で10分間の攪拌を行い次第、該反応混合物を−20℃に冷却し、そしてTHF5ml中の(15.5mmol、2.60gの)4−オキソ−TEMPO(=4−オキソ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシド)を5分間滴下する。20分間の攪拌の後、該溶液の初期の赤みを帯びた色が消失する。該溶液を室温に暖め、そして減圧下で濃縮する。残留物をエーテル(100ml)中で希釈し、そして該エーテル溶液を水(100ml)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させて、そして減圧下で濃縮する。該残留物をフラッシュクロマトグラフィーに供して(石油エーテル/エチルアセテート 40/1)、無色の油としてのNOR化合物(0.89g、70%)を生成する。
【0091】

【0092】
1.2 4−アミノ−N−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの調製
酢酸アンモニウム(592.0mmol、45.63g)に分子ふるい(10-10m、8g)を添加し、それと95%のNaBH3CN(59.2mmol、3.92g)とを、アルゴン雰囲気下にて室温で、N−シクロヘキシルオキシ−4−オキソ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(59.2mmol、15.0g)を300mlのドライメタノール中に溶かした溶液に添加する。12時間の攪拌の後、CH2Cl2を添加する(1000ml)。該溶液を1NのNaOH(2×1000ml)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させて、そして減圧下で濃縮する。その残留物をフラッシュクロマトグラフィーに供して(CH2Cl2/メタノール 9:1)、4℃での貯蔵で凝固する無色の油としてのNOR化合物(9.94g、66%)を生成する。
【0093】

【0094】
1.3 ビス−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−4−スルファミドの調製
窒素雰囲気下で、塩化スルフリル(2.7mmol、0.25ml)を10mlのジクロロメタン中に溶かした溶液を、4−アミノ−N−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(6.70mmol、1.70g)とトリメチルアミン(13.4mmol、1.84g)とを20mlのジクロロメタン中に溶かした溶液中に、0℃で滴下する。添加が完了し次第、該反応混合物を0℃で4時間攪拌する。該反応物を水(50ml)およびジクロロメタンで希釈する。その有機相を水(3×50ml)で洗浄する。該有機相(Na2SO4)の乾燥後、該溶剤を減圧下で揮発させる。その残留物をジエチルエーテルで洗浄して、白い粉末としてのビス−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジル)−4−スルファミドを得る。
【0095】

【0096】
1.4 ビス−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−4−ジアゼンの調製
ナトリウムメトキシド(3.6mmol、0.19g)を4mlのドライメタノール中で溶かした溶液を、ビス−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−4−スルファミド(0.90mmol、0.51g)を20mlのドライメタノール中で溶かした溶液に、0℃で滴下する。30分間の攪拌の後、tert−ブチルハイポクロリット(1.70mmol、0.16g)を5mlのドライメタノール中で溶かした溶液を添加し、該混合物を0℃で1時間攪拌する。水を該懸濁液に添加し、そしてCH2Cl2(2×30ml)で抽出する。その有機相を水(1×30ml)で洗浄してNa2SO4上で乾燥させる。該溶剤を蒸発させて、白い粉末としてのビス−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−4−ジアゼン(0.43g、94%)を得る(融点127℃)。
【0097】

【0098】
実施例2
2. ビス(1−プロポキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−4−ジアゼンの調製
2.1 N−プロポキシ−4−オキソ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの調製
N−プロポキシ−4−オキソ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(3.2g、26%)を、Zn(61.1mmol、4.00g)、1,2−ジブロモエタン(200μl)、トリメチル−クロロシラン(250μl)、ヨードプロパン(58.8mmol、10.0g)、CuCN(53.6mmol、4.80g)、LiCl(114mmol、4.8g)および4−オキソ−TEMPO(58.8mmol、10g)の添加以外、N−シクロヘキシルオキシ−4−オキソ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンに関して上で記載されたのと同様に合成する。
【0099】

【0100】
2.2 4−アミノ−N−プロポキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの調製
4−アミノ−N−プロポキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(1.6g、62%)をN−プロポキシ−4−オキソ−テトラメチルピペリジン(12.2mmol、2.60g)から、酢酸アンモニウム(122mmol、9.40g)、6gの分子ふるい(10-10m)および95%のNaBH3CN(12.2mmol、0.8g)の添加以外、上で記載されたのと同じ方法によって調製する。
【0101】

【0102】
2.3 ビス−(1−プロポキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−4−スルファミドの調製
ビス−(1−プロポキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−4−スルファミド(1.0g、68%)を4−アミノ−N−プロポキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(7.5mmol、1.6g)から、塩化スルフリル(2.8mmol、0.25ml)およびトリエチルアミン(15.0mmol、2.0ml)の添加以外、ビス−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−4−スルファミドに関して上で記載されたのと同様に合成する。
【0103】

【0104】
2.4 ビス−(1−プロポキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−4−ジアゼンの調製
ビス−(1−プロポキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−4−ジアゼン(0.82g、95%;融点162℃)を、ナトリウムメトキシド(8.2mmol、0.45g)、ビス(1−プロポキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−4−スルファミド(2.04mmol、1.0g)およびtert−ブチルハイポクロリット(4.3mmol、0.4g)の添加以外、ビス−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−4−ジアゼンに関して上で記載されたのと同様に合成する。
【0105】

【0106】
実施例3
3. ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−4−ジアゼンの調製
3.1 N−オクチルオキシ−4−オキソ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの調製
N−オクチルオキシ−4−オキソ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(30.3g、36%)を、Zn(294.0mmol、19.25g)、1,2−ジブロモエタン(900μl)、トリメチルクロロシラン(1.2ml)、ヨードオクタン(294mmol、70.6g)、CuCN(294mmol、26.3g)、LiCl(588mmol、25.0g)および4−オキソ−TEMPO(294mmol、50.0g)の添加以外、N−シクロヘキシルオキシ−4−オキソ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンに関して上で記載されたのと同様に合成する。
【0107】

【0108】
3.2 4−アミノ−N−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの調製
4−アミノ−N−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(16.7g、62%)をN−オクチルオキシ−4−オキソ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(95.4mmol、27.0g)から、酢酸アンモニウム(954.5mmol、73.5g)、15gの分子ふるい(10-10m)および95%のNaBH3CN(95.4mmol、6.32g)の添加以外、上で記載されたのと同様の方法によって調製する。
【0109】

【0110】
3.3 ビス−(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−4−スルファミドの調製
ビス−(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−4−スルファミド(10.5g、60%)を4−アミノ−N−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(70.4mmol、20.0g)から、塩化スルフリル(28.2mmol、2.26ml)およびトリエチルアミン(141mmol、19.5ml)の添加以外、ビス−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−4−スルファミドに関して上で記載されたのと同様に合成する。
【0111】

【0112】
3.4 ビス−(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−4−ジアゼンの調製
ビス−(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−4−ジアゼン(6.9g、78%;融点71℃)を、ナトリウムメトキシド(63.6mmol、3.40g)、ビス(1−プロポキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−4−スルファミド(15.9mmol、10.0g)およびtert−ブチルハイポクロリット(31.8mmol、3.45g)の添加以外、ビス−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−4−ジアゼンに関して上で記載されたのと同様に合成する。
【0113】

【0114】
B) 適用例
材料および方法:加工および燃焼試験
特に述べられない限り、市販のポリプロピレン(MOPLEN HF500N、製造元:Basell)を、Werner&Pfleidrer製の同方向回転二軸スクリュー押出機ZSK25内にて、Tmaxの温度:230℃(加熱ゾーン1〜6)で、スループット速度4kg/時および100rpmで、基本レベルの安定剤(0.3% IRGANOX B225+0.05% Ca−ステアレート/IRGANOX B225: IRGAFOS168とIRGANOX1010との1:1混合物)、および表1および2に示される添加剤を添加しながら押し出す。水浴中での冷却後、該ポリマーストランドを粒状化する。
【0115】
NOR1:FLAMESTAB NOR116(Ciba Specialty Chemicalsの商品):
【化5】

【0116】
試験片をホットプレス中での加圧成形によって(膜厚200μm、250×110mm、Fontine TP200、pmax:50kN、230℃)、または射出成形(100×100mmプラク、厚さ:1mm、Arburg370S、225℃)によって製造する。
【0117】
該試験片を、DIN4102−B2(端部点火、火炎長:40mm)に従って、難燃性について調査する。人工暴露をAtlas製のWeather−O−meter Ci65 A内で実施する(BPT=63℃、60% RH、水スプレー)。
【0118】
表1 (200μmプレス膜におけるDIN 4102−B2による燃焼試験、端部点火、40mm火炎):低い値の質量損失および燃焼長さが難燃性の増加を反映する。
【0119】
【表1】

【0120】
【表2−1】

【0121】
【表2−2】

【0122】
追加の光安定効果のないアゾ化合物は、光への短い暴露の後、FR活性を失っているのに対し、本発明の化合物は優れた難燃性能を保持している。
【0123】
表3 (1mmの成形プラクにおけるDIN 4102−B2による燃焼試験、端部点火、20mm火炎、PDR100412):低い値の質量損失および燃焼長さが難燃性の増加を反映する。
【0124】
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学式
【化1】

[式中、
RはC1〜C20−アルキル、ヒドロキシ−C2〜C8−アルキル、C1〜C20−アルカノイル、C7〜C13−アロイル、C2〜C20−アルケニル、O、SおよびNからなる群から選択される少なくとも1つのヘテロ原子によって中断されたC1〜C20−アルキルあるいはC2〜C20−アルケニル、C6〜C20−アリール、C1〜C12−アルキル−C6〜C20−アリール、C6〜C20−アリール−C1〜C4−アルキル、単環あるいは二環式のC5〜C20−シクロアルキル、単環あるいは二環式のC1〜C12−アルキル−C5〜C20−シクロアルキル、あるいは単環あるいは二環式のC5〜C20−シクロアルキル−C1〜C4−アルキルを表し、
1、R2、R3およびR4は互いに独立に水素あるいはC1〜C3−アルキルを表し、
5は水素あるいはメチルを表し、且つ
R’、R1’、R2’、R3’、R4’およびR5’はR、R1、R2、R3、R4およびR5の定義と同じである]
の化合物。
【請求項2】
請求項1に記載の化合物(I)において、
RがC1〜C8−アルキル、ヒドロキシ−C2〜C8−アルキル、C1〜C8−アルカノイル、フェニル、(C1〜C4−アルキル)1〜3フェニル、フェニル−C1〜C4−アルキル、C5〜C6−シクロアルキル、(C1〜C4−アルキル)1〜35〜C6−シクロアルキル、あるいは(C1〜C4−アルキル)1〜35〜C6−シクロアルキル−C1〜C4−アルキルを表し、
1、R2、R3およびR4がメチルを表すか、または
1およびR2の1つ、およびR3およびR4の1つがメチルを表し且つ他の1つがエチルを表し、
5が水素を表し、且つ
R’、R1’、R2’、R3’、R4’およびR5’はR、R1、R2、R3、R4およびR5の定義と同じであることを特徴とする化合物。
【請求項3】
請求項1に記載の化合物(I)において、
RがC1〜C8−アルキル、ヒドロキシ−C2〜C8−アルキル、C1〜C8−アルカノイル、フェニル、あるいはC5〜C6−シクロアルキルを表し、
1、R2、R3およびR4がメチルを表し、且つ
5が水素を表し、且つ
R’、R1’、R2’、R3’、R4’およびR5’はR、R1、R2、R3、R4およびR5の定義と同じであることを特徴とする化合物。
【請求項4】
請求項1に記載の化合物(I)において、
RがC1〜C4−アルキル、ヒドロキシ−C2〜C4−アルキル、C1〜C4−アルカノイル、フェニル、あるいはC5〜C6−シクロアルキルを表し、
1、R2、R3およびR4がメチルを表し、且つ
5が水素を表し、且つ
R’、R1’、R2’、R3’、R4’およびR5’はR、R1、R2、R3、R4およびR5の定義と同じであることを特徴とする化合物。
【請求項5】
請求項1に記載の化合物(I)において、
【化2】

からなる群から選択される化合物。
【請求項6】
以下の(c)および(d)、
c) ポリマー基材、および
d) 化学式
【化3】

[式中、
RはC1〜C20−アルキル、ヒドロキシ−C2〜C8−アルキル、C1〜C20−アルカノイル、C2〜C20−アルケニル、O、SおよびNからなる群から選択される少なくとも1つのヘテロ原子によって中断されたC1〜C20−アルキルあるいはC2〜C20−アルケニル、C2〜C20−アルキニル、C5〜C20−アリール、C1〜C12−アルキル−C5〜C20−アリール、C5〜C20−アリール−C1〜C4−アルキル、単環あるいは二環式のC5〜C20−シクロアルキル、単環あるいは二環式のC1〜C12−アルキル−C5〜C20−シクロアルキル、あるいは単環あるいは二環式のC5〜C20−シクロアルキル−C1〜C4−アルキルを表し、
1、R2、R3およびR4は互いに独立に水素あるいはC1〜C3−アルキルを表し、
5は水素あるいはメチルを表し、且つ
R’、R1’、R2’、R3’、R4’およびR5’はR、R1、R2、R3、R4およびR5の定義と同じである]の化合物
を含む組成物。
【請求項7】
ポリマー安定剤および追加の難燃剤からなる群から選択される、さらなる添加剤を追加的に含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
ポリマー基材に難燃性を付与する方法において、前記のポリマー基材に請求項1に記載の化合物(I)を添加することを含む方法。

【公表番号】特表2010−519270(P2010−519270A)
【公表日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−550692(P2009−550692)
【出願日】平成20年2月13日(2008.2.13)
【国際出願番号】PCT/EP2008/051712
【国際公開番号】WO2008/101845
【国際公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】