説明

雨水貯留槽および地熱利用システム

【課題】土壌を安定して湿潤状態に保持できる雨水貯留槽および前記雨水貯留槽を用いた熱交換効率に優れる地熱利用システムを提供する。
【解決手段】本発明の雨水貯留槽1は地中2に埋設され、かつ透水性壁部7を有するものである。従って貯留槽1内の貯留水5は透水性壁部7を通って雨水貯留槽1近傍の土壌に滲出し、雨水貯留槽近傍の土壌を安定して湿潤状態に保持する。本発明の地熱利用システムは、前記湿潤状態となる土壌8に熱交換機の熱媒体管路11を埋設したものなので十分な熱交換効率が安定して得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、土壌を安定して湿潤状態に保持できる雨水貯留槽および前記雨水貯留槽を用いた熱交換効率に優れる地熱利用システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、森林伐採などにより大地の保水能力が低下し、鉄砲水や水不足などの災害が年々増加している。この対策として、集中豪雨時の雨水を雨水貯留槽に一旦貯留し、河川の水位が低下したところで放流したり、貯留した雨水をトイレ、洗濯、洗車、屋上緑化の散水などに利用することが行われている。
【0003】
一方、地熱(年間を通じて約15℃)を冷暖房に利用する方法として、地中埋設した雨水貯留槽の内部や下方に、熱交換機の熱媒体管路(クールチューブ)を配置する方法(特許文献1、2)が提案されているが、十分な熱交換効率が得られていない。また熱媒体管路を、吸水性樹脂を含ませた土壌中に配置する方法(特許文献3)は、吸水性樹脂が一旦暖まってしまうと水の移動が殆どなくなってその熱交換効率が低下し、さらにNaイオン濃度の高い土壌では吸水性樹脂の吸水機能が十分に得られないなどの問題がある。
【0004】
【特許文献1】特開平9−292153号公報
【特許文献2】特開平9−137478号公報
【特許文献3】特開2001−74316号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような状況に鑑み、本発明者は地中埋設した熱交換機の熱媒体管路と土壌との熱交換効率の向上および安定化について検討した。その結果、雨水貯留槽の水を、熱媒体管路を埋設した土壌に滲出させることにより土壌と熱媒体の熱交換効率が著しく向上することを知見し、さらに検討を重ねて本発明を完成させるに至った。
本発明は、土壌を安定して湿潤状態に保持できる雨水貯留槽および前記雨水貯留槽を用いた熱交換効率に優れる地熱利用システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、地中に埋設された雨水貯留槽の壁部の少なくとも一部が透水性部材で形成されている液体または空気を熱媒体として利用する地熱利用システム用雨水貯留槽である。
【0007】
請求項2記載の発明は、雨水貯留槽の側壁上部の少なくとも一部が透水性部材で形成され、前記側壁上部の下側の側壁下部が非透水性部材で形成されている側壁面を有する液体または空気を熱媒体として利用する地熱利用システム用雨水貯留槽である。
このような側壁面は、雨水貯留槽の全面でなくとも、側壁面の少なくとも1面が上記の構成になっていれば良い。
【0008】
請求項3記載の発明は、地中に埋設された雨水貯留槽の壁部の少なくとも一部が透水性部材で形成されており、前記雨水貯留槽の外方に所定間隔を開けて外壁が設けられている液体または空気を熱媒体として利用する請求項1または請求項2に記載の地熱利用システム用雨水貯留槽である。
【0009】
請求項4記載の発明は、雨水貯留槽の外方に所定間隔を開けて設けられた外壁が雨水貯留槽を外側から覆う容器形状をしているもう1つの貯留槽の外壁の一部であるような貯留槽を設けて、貯留槽を2重構造とし、内側の貯留槽と外側の貯留槽の間に、土砂を配置した請求項3に記載の地熱利用システム用雨水貯留槽である。
【0010】
請求項5記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の雨水貯留槽の側壁下部の外側の少なくとも一部に熱交換機の熱媒体管路を埋設し、埋設した熱媒体管路を利用して熱交換を行う熱媒体管路と雨水貯留槽を有する地熱利用システム。
【0011】
請求項6記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の雨水貯留槽内の貯留水中に熱交換機の熱媒体管路が配置され、配置した熱媒体管路を利用して熱交換を行う熱媒体管路と雨水貯留槽を有する地熱利用システムである。
【0012】
請求項7記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の雨水貯留槽の側壁下部の外側の少なくとも一部に熱交換機の熱媒体管路を埋設し、埋設した熱媒体管路と、貯留水中に熱交換機の熱媒体管路が配置され、配置した熱媒体管路の両者を利用して熱交換を行う熱媒体管路と雨水貯留槽を有する地熱利用システムである。
【0013】
請求項8記載の発明は、請求項5乃至請求項7のいずれかに記載の熱媒体管路と雨水貯留槽を有する地熱利用システムであって、前記雨水貯留槽の壁部が熱伝導率0.1W/(m・K)以上の材料により形成されていることを特徴とする地熱利用システムである。
【0014】
請求項9記載の発明は、請求項5乃至請求項7に記載の雨水貯留槽の壁部の透水係数を雨水貯留槽の壁部の外側の土砂の透水係数より小さくしたことを特徴とする熱媒体管路と雨水貯留槽を有する地熱利用システムである。
【0015】
請求項10記載の発明は、請求項5乃至請求項7に記載の熱媒体管路と雨水貯留槽を有する地熱利用システムにおいて、前記雨水貯留槽が地熱利用のための蓄熱機能と雨水の生活水としての利用の複合機能を有することを特徴とする熱媒体管路と雨水貯留槽を有する地熱利用システムである。
【発明の効果】
【0016】
本発明の雨水貯留槽は地中に埋設され、かつ透水性壁部を有するので、貯留槽内の貯留水は前記透水性壁部を通って雨水貯留槽近傍の土壌に滲出する。従って、雨水貯留槽近傍の土壌は湿潤状態が安定して保持される。
本発明の地熱利用システムは、前記湿潤状態となる土壌に熱交換機の熱媒体管路を埋設したものなので十分な熱交換効率が安定して得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明を、図を参照して具体的に説明する。符号の重複説明は省略する。
図1に示すように、本発明の雨水貯留槽1は、地中2に埋設されており、雨水貯留槽1の壁部3の少なくとも一部が透水性部材4により形成されている。
この雨水貯留槽1に雨水5が雨水流入管6から流れ込み、貯留された雨水(貯留水)5が透水性部材4により形成された透水性壁部7の下端を越えだすと貯留水5が透水性壁部7から地中2に徐々に滲出し始め、雨水貯留槽1近傍が湿潤状態の土壌8になる。図1で9は雨水貯留槽1の蓋である。
【0018】
透水性壁部7から滲出する滲出水10は、図2(イ)に示すように、土壌と熱交換しながら徐々に地中2を降下して行き、予め埋設された熱媒体管路11の表面を濡らしつつ熱媒体管路11と熱交換する。滲出水10の増加とともに熱媒体管路11が埋設された部分の土壌は湿潤し、湿潤状態の土壌域12が形成される。この土壌域12と熱媒体管路11間の熱交換効率は滲出水10が熱媒体管路を濡らすため飛躍的に向上し、熱媒体管路11内の熱媒体は効率よく加温或いは冷却される。
【0019】
熱媒体管路11は家屋13に設置された熱交換機本体14に接続されており、熱媒体管路11内の熱媒体は熱交換機本体14内で放熱或いは吸熱される。
前記熱媒体は、水などの液体でも空気などの気体でもよい。熱媒体に液体を用いる場合は、水のほか、不凍液や防腐剤の入った水や、アルコールなどの水溶性有機溶媒を混合した水を用いることができる。空気の場合は、熱交換機本体の代わりに送風機を用いて空気を循環させることで冷暖房が行える。
【0020】
本発明において、雨水貯留槽の壁部は、全壁を透水性部材4により形成してもよいが、図2(イ)に示したように、側壁上部を透水性とし、雨水貯留槽1の側壁下部に熱媒体管路11を埋設するようにすると、滲出水10は土壌と温度交換しつつ降下するため熱媒体管路11が効率よく冷却される。このとき、埋設する熱媒体管路は、雨水貯留槽の周囲を囲うように配設するのではなく、その何箇所かの側壁の一部に配設することでも良い。たとえば、雨水貯留槽の側壁の一面のみを透水性部材4で形成し、その側壁部分の土壌に熱媒体管路を配設すると、貯留水が有効に利用される。
【0021】
雨水貯留槽1内の貯留水5が、図2(ロ)に示すように、透水性壁部7の下端まで下がると貯留水5の滲出が止まるため熱交換効率が低下する。熱交換機を稼動し続けたいが降雨がないときは雨水貯留槽に上水などを補給して凌ぐことも可能である。側壁下部を透水性壁部とする場合は、雨水貯留槽内の貯留水を使い切り、雨水貯留槽内の雨水が枯渇する可能性があるため、側壁下部を非透水性とする方が雨水貯留槽を有する地熱利用システムを長時間安定的に使用するには、有利である。
【0022】
透水性壁部の透水性は、高すぎると貯留水が短時間で地中に滲出してしまって土壌の湿潤状態が持続せず、低すぎると十分な湿潤状態が得られず熱交換効率が低下する。従って、透水性壁部の透水性は、土壌の状態、貯留槽の容量などを考慮して適切に決める必要がある。
【0023】
本発明において、透水性壁部の材料には、微細な孔やスリットを有する樹脂成形品、多孔質セラミック、不織布などが用いられる。材質的には、適切な強度および加工性を有し、透水加工(微細な孔やスリットを設ける加工)が可能な材料が用いられる。
【0024】
前記微細な孔やスリットのサイズは、土砂粒子や砂粒子の大きさや透水係数を考慮して、通常1mmから10μmの範囲の大きさに適宜設定される。この理由は、1mmを超えると土壌粒子や砂粒子が徐々に貯留槽に進入し、貯留槽内に堆積するためであり、また10μm未満では孔やスリットが目詰まりを起こすからである。
【0025】
孔のサイズは、土砂粒子や砂粒子の大きさ、形などを考慮して決定しなければならない。実際の土砂は、土砂の種類や大きさ、形、硬さなどが一定ではなく、種類の異なる粒子の混合物であることも多いため、土砂粒子や砂粒子の種類や大きさに応じて経験的に決定される。土砂粒子や砂粒子のサイズが比較的粗い、透水係数(大気圧下の透水係数k)がやや大きめの場合には、孔とスリットのサイズは上記範囲で比較的大きめに設定され、また土砂が微細砂やシルトあるいは粘土またはこれらの混合物で形成され、その大きさが小さめで透水係数が小さい場合には、孔とスリットのサイズは上記範囲で小さめに設定する。また、透水係数は、実用的には、10−1cm/s〜10−7cm/sの範囲に設計することが多い。土壌が粘土質で土壌粒子が超微細でほぼ非透水な場合には、ごく稀には孔やスリットのサイズを10μm〜1μmに設定することもある。
【0026】
請求項4記載の発明のように、貯留槽を2重構造としたときは、内側の雨水貯留槽と外側の雨水貯留槽の間に透水係数の小さい土砂を入れて内側の雨水貯留槽の周囲での滲出水の滞留時間が長くなるようにすると、土壌と熱媒体管路間の熱交換効率を向上させることができる。このように雨水貯留槽の周りの土砂の透水係数を所定範囲に選定することは、雨水貯留槽の外側に外壁を有しない1重の雨水貯留槽構造の場合でも有効である。
【0027】
以上の他、透水性部材で形成された雨水貯留槽の透水性壁部の透水係数を、その壁部の周りの土砂の透水係数より小さく設定することにより、貯留槽の外側から貯留槽への雨水の流入を防止でき、本発明の効果を十分なものとすることができる。このように、土砂の透水係数と雨水貯留槽の透水性壁部の透水係数の比率は、土砂の透水係数と雨水貯留槽の透水性壁部の透水係数の1.2倍から1.3倍程度の差をつけることは必要であり、望ましくは2倍以上にすべきである。
【0028】
熱媒体管路の熱交換効率を左右する因子としては、透水係数の他、貯留槽の壁部の熱伝導率の影響がある。雨水貯留槽内の水温を予め土壌温度に近づけておくと土壌と熱媒体管路間の熱交換が効率よく行われるので、雨水貯留槽の壁部(透水性壁部を含む)には、熱伝導率が0.1W/(m・K)以上、更には0.5W/(m・K)以上の熱伝導性に優れる材料を用いるのが望ましい。
【0029】
熱伝導率が0.1W/(m・K)以上の材料としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂を主材とする材料、多孔質体を作り易いポリスチレンを主材とする発泡スチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂の不織布、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、エンジニアリングプラスチックなどが挙げられる。
【0030】
熱伝導率が0.5W/(m・K)以上の材料としては、現在も研究が盛んな機能性樹脂であるところの、ポリエチレン系高熱伝導性樹脂およびポリフェニレンサルファイド系高熱伝導性樹脂などが挙げられる。
【0031】
請求項2記載発明の雨水貯留槽や請求項3に記載の雨水貯留槽は、図3に示す1例を示すように、地中埋設された雨水貯留槽1を取り囲むように外壁15を設けたもので、透水性壁部7からの滲出水10はこの外壁15内に留まるため、土壌の湿潤状態が長期間持続する。従って、前記湿潤状態の土壌域12に熱媒体管路11を埋設した本発明の地熱利用システムは良好な熱交換が長期間安定して行われる。
雨水貯留槽1と外壁15間に天井を設けると湿潤状態がより長く持続する。
【0032】
この発明において、外壁15の高さは、滲出水が下方に移動するので透水性壁部より低くてもよいが、土壌の湿潤状態が外壁の外側にはみ出さず、また埋め戻し作業の邪魔にならない高さにする必要がある。
【0033】
外壁が底板を有する受け皿状の場合は、滲出水が外壁内に多量に留まって土壌温度が外気温に近づく虞がある。そのため底部に穴を空けてある程度の水抜きが必要になる。外壁にも熱伝導性の高い材料をもちいて、外壁外側の地熱を外壁内側に伝達するのが良い。
【0034】
雨水貯留槽の埋め戻しには、掘り起こした土をそのまま用いても良いが、保水性、熱伝導性などに優れる樹脂を混合した土を埋め戻すと熱交換効率を高めることができる。保水性樹脂としては橋かけポリアクリル酸塩系、ポリビニルアルコール/ポリアクリル酸塩系などの高吸水性ポリマーが用いられる。
【0035】
本発明において、雨水貯留槽内の貯留水の温度が地熱に近い温度であれば、図4に示すように、雨水貯留槽1の貯留水5中に熱媒体管路11を配置して熱交換を行うことができる。また貯留水をヒートポンプなどの熱源に用いることもできる。さらに水温に関係なく、貯留水をポンプでくみ上げて、家屋の外壁に散水して冷房することも、樹木の散水などに利用することもできる。さらに、トイレの水洗水などに利用することも可能である。上記のように、雨水貯留槽を地熱利用システムとして使用する他に、生活用水として複合利用することも可能であることが本発明の特徴の一つである。
【0036】
なお、本発明では、主として経済的であるなどの理由により、貯留槽内に貯留する対象を雨水としていることから、地下に埋設した貯留槽のことを総称して雨水貯留槽と記載しているが、地熱利用システムを安定して稼動するためには、貯留槽に一定量以上の水を常時確保しておく必要があることから、雨水の代わりに上水や融雪水を使用して発明の効果を実現する場合であっても本発明の権利に含まれるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の雨水貯留槽の実施形態を示す縦断面説明図である。
【図2】(イ)、(ロ)は本発明の地熱利用システムの第1の実施形態を示すそれぞれ縦断面説明図である。
【図3】本発明の地熱利用システムの第2の実施形態を示す縦断面説明図である。
【図4】本発明の地熱利用システムの第3の実施形態を示す縦断面説明図である。
【符号の説明】
【0038】
1 雨水貯留槽
2 地中
3 雨水貯留槽の壁部
4 透水性部材
5 貯留水
6 雨水流入管
7 透水性部材により形成された透水性壁部
8 湿潤状態の土壌
9 雨水貯留槽の蓋
10 透水性壁部からの滲出水
11 熱媒体管路
12 湿潤状態の土壌域
13 家屋
14 熱交換機本体
15 外壁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地中に埋設された雨水貯留槽の壁部の少なくとも一部が透水性部材で形成されている液体または空気を熱媒体として利用する地熱利用システム用雨水貯留槽。
【請求項2】
雨水貯留槽の側壁上部の少なくとも一部が透水性部材で形成され、前記側壁上部の下側の側壁下部が非透水性部材で形成されている側壁面を有する液体または空気を熱媒体として利用する地熱利用システム用雨水貯留槽。
【請求項3】
地中に埋設された雨水貯留槽の壁部の少なくとも一部が透水性部材で形成されており、前記雨水貯留槽の外方に所定間隔を開けて外壁が設けられている液体または空気を熱媒体として利用する請求項1または請求項2に記載の地熱利用システム用雨水貯留槽。
【請求項4】
雨水貯留槽の外方に所定間隔を開けて設けられた外壁が雨水貯留槽を外側から覆う容器形状をしているもう1つの貯留槽の外壁の一部であるような貯留槽を設けて、貯留槽を2重構造とし、内側の貯留槽と外側の貯留槽の間に、土砂を配置した請求項3に記載の地熱利用システム用雨水貯留槽。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の雨水貯留槽の側壁下部の外側の少なくとも一部に熱交換機の熱媒体管路を埋設し、埋設した熱媒体管路を利用して熱交換を行う熱媒体管路と雨水貯留槽を有する地熱利用システム。
【請求項6】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の雨水貯留槽内の貯留水中に熱交換機の熱媒体管路が配置され、配置した熱媒体管路を利用して熱交換を行う熱媒体管路と雨水貯留槽を有する地熱利用システム。
【請求項7】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の雨水貯留槽の側壁下部の外側の少なくとも一部に熱交換機の熱媒体管路を埋設し、埋設した熱媒体管路と、貯留水中に熱交換機の熱媒体管路が配置され、配置した熱媒体管路の両者を利用して熱交換を行う熱媒体管路と雨水貯留槽を有する地熱利用システム。
【請求項8】
請求項5乃至請求項7のいずれかに記載の熱媒体管路と雨水貯留槽を有する地熱利用システムであって、前記雨水貯留槽の壁部が熱伝導率0.1W/(m・K)以上の材料により形成されていることを特徴とする地熱利用システム。
【請求項9】
請求項5乃至請求項7に記載の雨水貯留槽の壁部の透水係数を雨水貯留槽の壁部の外側の土砂の透水係数より小さくしたことを特徴とする熱媒体管路と雨水貯留槽を有する地熱利用システム。
【請求項10】
請求項5乃至請求項7に記載の熱媒体管路と雨水貯留槽を有する地熱利用システムにおいて、前記雨水貯留槽が地熱利用のための蓄熱機能と雨水の生活水としての利用の複合機能を有することを特徴とする熱媒体管路と雨水貯留槽を有する地熱利用システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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