説明

雨滴検出装置

【課題】
光学式の雨滴検出装置において、入射側および出射側の導光体またはレンズにて発生する光量の低下に伴う雨滴の検出精度が低下する箇所または面積を減らした。
【解決手段】
LED40からの光が入射される複数の入射側傾斜面12a、12bと、隣り合う入射側傾斜面の端部同士が結ばれた入射側段差面11aと、反射した光が出射される複数の出射側傾斜面15a、15bと、隣り合う出射側傾斜面の端部同士が結ばれた出射側段差面14aとが形成された導光体10と、入射側傾斜面12a、12b上に形成された第1のレンズ13a、13bと、出射側傾斜面15a、15b上に形成された第2のレンズ16a、16bとを備え、入射側段差面11aの延長された面と出射側段差面14aの延長された面とがウインドシールド60の外壁面60aで交わっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、雨滴検出装置に関し、例えば車両のワイパ自動制御装置に採用するに適した雨滴検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両などのウインドシールドに付着した雨滴を検出する雨滴検出装置が知られている(特許文献1参照)。特許文献1の雨滴検出装置は、図9に示すようにウインドシールド200の内壁に装着され、雨滴の付着の有無を光学的に検出する。この雨滴検出装置は、主に導光体140、平凸レンズ120、130、150、160、発光素子100、110、受光素子170から構成されている。
【0003】
この導光体には、発光素子100、110に対向する平凸レンズ120、130と受光素子170に対向する平凸レンズ150、160が形成される傾斜面がある。入射側の導光体140には傾斜面が複数形成されている。各傾斜面には平凸レンズ120、130が一つずつ形成される。一方、出射側の導光体140にも傾斜面が複数形成されている。これらの傾斜面には一枚の平凸レンズを傾斜面の数で分割した平凸レンズ150、160が形成されている。
【0004】
入射側の平凸レンズ120、130によって発光素子100、110からの光は平行光(二点鎖線で示す)にされる。この平行光は、ウインドシールド200の所定の範囲を照らす。この範囲が、雨滴検出領域となる。雨滴検出領域における反射光を出射側の平凸レンズ150、160で集光し、受光素子170で受光することによりこの雨滴検出領域における雨滴量を検出する。
【特許文献1】特開2001−66246号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来技術のような構成では、図9に示すように、入射側の平凸レンズ120、130に発光素子100、110からの光が入射される。しかし、平凸レンズ130の一部(段差部180付近)に発光素子100の光が届かない場所が発生し、導光体140へ入射する光量が減り、平凸レンズ130からウインドシールド200に向かって延びる斜線の部分の光量が減ってしまう。これにより、この光量が減った箇所に対応する雨滴検出領域の検出精度が低下してしまう。
【0006】
一方、出射側の段差部分190付近では、分割平凸レンズ160、150によって反射光を集光させる際、段差部分190の形成位置によっては、出射側の段差部190および分割平凸レンズ150によって、受光素子170への光の集光が妨げられ、分割平凸レンズ150からウインドシールド200に向かって延びる斜線の部分の光量が減る可能性がある。
【0007】
本発明は、かかる従来技術の問題に鑑みなされたもので、入射側および出射側の導光体またはレンズに起因する雨滴の検出精度低下要因である光量低下の箇所または面積を減らすことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の雨滴検出装置は、発光素子からの光をウインドシールドの内壁側から照射し、ウインドシールドで反射した光を受光素子にて計測することによりウインドシールドの外壁面に付着した雨滴の量を検出する雨滴検出装置であって、ウインドシールドの内壁側に装着され、発光素子からの光が透過する複数の入射側傾斜面と、隣り合う入射側傾斜面の端部同士が結ばれた入射側段差面と、反射した光が透過する複数の出射側傾斜面と、隣り合う出射側傾斜面の端部同士が結ばれた出射側段差面とが形成された導光体と、入射側傾斜面上に形成され、発光素子からの光を平行光として形成させる第1のレンズと、出射側傾斜面上に形成され、反射した光を受光素子に集光させる第2のレンズとを備え、入射側段差面を延在方向に延長する延長面と出射側段差面を延在方向に延長する延長面とがウインドシールドの外壁面で交わっていることを特徴とする。
【0009】
一般に、入射側、出射側の導光体にはそれぞれレンズを形成するための傾斜面が複数設けられ、隣り合う傾斜面の端部同士を結ぶ段差面があるため、段差面では光量が低下するおそれがある。
【0010】
請求項1に記載した構成によると、入射側および出射側の導光体のそれぞれにレンズを形成するための複数の傾斜面を設け、隣り合う傾斜面の端部同士を結ぶ段差面が少なくとも一組設けられており、入射側の段差面を延長した面と出射側の段差面を延長した面とがウインドシールドの外壁面で交わるように導光体が形成されている。ウインドシールドの外壁面において、入射側段差面付近で発生する光量の低下の影響を受ける部分と、出射側段差面付近で発生する光量の低下の影響を受ける部分とが一致するので、ウインドシールドの外壁面において、光量の低下の影響を受ける箇所または面積が少なくなる。
【0011】
請求項2に記載されているように、第1のレンズは、一枚の入射側平凸レンズが入射側傾斜面に応じて分割された入射側分割平凸レンズからなり、第2のレンズは、一枚の出射側平凸レンズが出射側傾斜面に応じて分割された出射側分割平凸レンズからなることを特徴とする。
【0012】
このようにレンズを構成することで、従来技術の入射側の傾斜面に形成されたレンズとは違い、一枚の平凸レンズを傾斜面に応じて分割し、各傾斜面に形成しているので、入射側の発光素子の個数を減らすことができる。
【0013】
請求項3に記載によると、入射側段差面は、第1のレンズの光軸に沿って導光体に形成され、出射側段差面は、第2のレンズの光軸に沿って導光体に形成されることを特徴とする。
【0014】
これによると、請求項3に記載した雨滴検出装置の導光体に形成される段差面は、傾斜面上に形成されるレンズの光軸に沿って形成されているので、レンズの端部もしくは傾斜面の端部によって、隣の傾斜面に形成されたレンズに影を落として、検出領域が狭くなることを防止する。
【0015】
請求項4に記載の雨滴検出装置は、発光素子および受光素子が実装されている回路基板を備え、回路基板と入射側段差面の延長面との交線上には、発光素子が設けられ、回路基板と出射側段差面の延長面との交線上には、受光素子が設けられることが好ましい。
【0016】
これによると、導光体やレンズによって隣のレンズの表面に影を落としたり、受光素子への光を妨げたりすることが少なくなるので、雨滴検出の感度の低下を抑えることができる。
【0017】
請求項5に記載の雨滴検出装置は、入射側段差面と出射側段差面は、導光体を通る平行光のほぼ中央に設けられることを特徴とする。これによると、入射側段差面と出射側段差面とを、導光体を通る平行光のほぼ中央とすることで、入射側では、発光素子からの光が入射側の分割されたレンズへ満遍なく届き、出射側では、受光素子が反射光を効率よく受光することができる。
【0018】
請求項6に記載の雨滴検出装置は、入射側傾斜面および出射側傾斜面は、ウインドシールド側から見たとき重ならないように形成されていることを特徴とする。
【0019】
この導光体は、例えば樹脂で成型する場合、型に流し込んで成型される。導光体の肉厚にばらつきが多いと、ヒケやボイドが発生してしまうおそれがある。
【0020】
これに対して請求項6に記載した構成とすることで、導光体の肉厚を均一化する事ができる。これにより、導光体の成型時のヒケやボイドの発生を防止することができる。
【0021】
請求項7に記載の雨滴検出装置は、入射側傾斜面は、延長面上に発光素子の光源を有する入射側段差面を境に二つのグループに分けられ、二つのグループのうち、受光素子側のグループの入射側傾斜面は、一つであることを特徴とする。
【0022】
導光体に形成される複数の入射側傾斜面を、延長面上に発光素子の光源を有する入射側段差面を境に受光素子側とその反対側のグループに分けた場合、受光素子側のグループに形成される入射側傾斜面が複数形成されていると、そのグループ内のある傾斜面にこの傾斜面よりも発光素子の光源に近い傾斜面の端部もしくはその傾斜面に形成されるレンズによる影が落ちることがある。
【0023】
その傾斜面に形成されたレンズに影が落ちると、その影の面積分の光がウインドシールドに届かなくなる。雨滴の検出可能領域がその影の面積分だけ減ってしまう。
【0024】
これに対して請求項7に記載した構成とすることで、受光素子側の入射側傾斜面が一つであるので、傾斜面の端部もしくは傾斜面に形成されるレンズによる影が隣の傾斜面に落ちることがなくなる。一方、その反対側は、複数の入射側傾斜面にしてもよいので、雨滴の検出可能領域を減らすことなく、導光体の肉厚の均一化が図れる。
【0025】
請求項8に記載の雨滴検出装置は、出射側傾斜面は、延長面上に受光素子の受光点を有する出射側段差面を境に二つのグループに分けられ、二つのグループのうち、発光素子側のグループの出射側傾斜面は、一つであることを特徴とする。
【0026】
導光体に形成される複数の出射側傾斜面を、延長面上に受光素子の受光点を有する出射側段差面を境に発光素子側とその反対側のグループに分けた場合、発光素子側のグループに形成される出射側傾斜面が複数形成されていると、ウインドシールドにおける反射光を受光素子の受光点に集光させる際に傾斜面の端部またはその傾斜面に形成されたレンズが妨げとなり、反射光の一部が受光素子の受光点に届かないことがある。そうすると、傾斜面の端部やその傾斜面に形成されたレンズによって妨げられた反射光の面積分だけ雨滴の検出可能領域が減ってしまう。
【0027】
これに対して請求項8に記載した構成とすることで、発光素子側の出射側傾斜面が一つであるので、傾斜面の端部もしくは傾斜面に形成されるレンズによる反射光の受光素子への妨げをなくすことができる。一方、その反対側は、複数の出射側傾斜面にしてもよいので、雨滴の検出可能領域を減らすことなく、導光体の肉厚の均一化が図れる。
【0028】
請求項9に記載されているように、入射側分割平凸レンズの各曲率は、発光素子から入射する光が入射側導光部に平行光として形成されるように設定されており、出射側分割平凸レンズの各曲率は、反射した平行光が受光素子に集光されるように設定されることを特徴とする。
【0029】
これによると、各分割されるレンズの曲率を発光素子もしくは受光素子までの距離に応じて設定しているので、発光素子から入射する光が平行光として形成され、そして、反射光が受光素子に集光される。
【0030】
請求項10に記載されているように、導光体には、入射側分割平凸レンズが複数組、出射側分割平凸レンズが一組形成され、各組の入射側分割平凸レンズの光軸が平行となっており、回路基板には、各組の入射側分割平凸レンズの光軸上に発光素子が一つずつ設けられ、出射側分割平凸レンズの光軸上に受光素子が一つ設けられていることを特徴とする。
【0031】
雨滴検出装置は、発光素子と入射側分割平凸レンズによって定められる雨滴検出可能な領域が狭いほど雨滴の検出精度は高くなる傾向にある。これによると、一組の発光素子と入射側分割平凸レンズによる雨滴検出可能な領域は、雨滴検出装置が雨滴検出可能な領域の約半分となっているので、各組の発光素子と入射側分割平凸レンズで検出する雨滴の検出精度は、一組の発光素子と入射側分割平凸レンズのみを備えた雨滴検出装置よりも高くなる。
【0032】
請求項11に記載されているように、導光体は、上面から見た外形が略正方形であり、入射側分割平凸レンズと出射側分割平凸レンズが一組ずつ前記導光体の各辺に沿って形成されていることを特徴とする。
【0033】
これによると、導光体に入射側分割平凸レンズ、および出射側分割平凸レンズが四組形成されることになるが、回路基板に設けるLEDとPDの個数は、それぞれ二つずつとすることができるので、雨滴検出範囲を広範囲としながら、LEDとPDの個数を減らすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。雨滴検出装置は、自動車のウインドシールド60の外壁面60aに設けたワイパのためのワイパ自動制御装置(図示せず)に採用される。雨滴検出装置は、ウインドシールド60にその内壁面60bから上記ワイパの払拭領域に対応して設けられており、この払拭領域に付着する雨滴を光学的に検出して上記ワイパ自動制御装置に出力する。図1は、本発明に係わる雨滴検出装置を車両のウインドシールド60の内壁面60bに装着した状態を示した図2の導光体10のI−I矢視断面図である。図2は、図1中の導光体10、発光素子40、および受光素子50の位置関係を示す上面図である。
【0035】
図1に示すように、雨滴検出装置は、導光体10と発光素子40と受光素子50とから構成されている。この雨滴検出装置は、発光素子(以下、LED)40が放射する例えば赤外線などの光をウインドシールド60で反射させ、その反射光を受光素子(例えば、フォトダイオード、以下、PD)50で受光することにより雨滴量を検出している。つまり、この雨滴検出装置は、外壁面60aに雨滴が付着していると外壁面60aでの反射率が変化(小さくなる)し、PD50での受光量が減少することを利用して雨滴量を検出している。なお、この第1実施形態では、LED40一つに対してPD50を一つ備えた雨滴検出装置として説明する。LED40とPD50の数や組み合わせは、適宜変更可能である。変更した例は、後述する変形例2および変形例3で示す。
【0036】
雨滴量の検出方法を詳しく説明する。雨滴検出装置は、LED40からの発光量に対するPD50の受光量の低下率により雨滴量を検出する。低下率は、LED40から発光される光の電圧VLED、例えば、晴天時に記憶されたLED40の一定電流発光に対するPD50の出力電圧(PD50のLED40の発光に対する光−電圧変換値)VLEDと、現状のPD出力電圧VPDとを用いて、(VLED−VPD)/VLED*100によって算出される。なお、単位は%である。
【0037】
LED40およびPD50と、ウインドシールド60との間には、導光体10が設けられる。導光体10は、光結合層(シリコン層)70を介して内壁面60bに取付けられている。この導光体10は、LED40からの光をウインドシールド60に導き、そしてウインドシールド60にて反射した光をPD50に確実に入射する機能を有する。導光体10は、ポリカーボネイトアクリルなどの光透過性を有する樹脂材料で形成されている。なお、導光体10を形成する材料は、LED40からの光をPD50に導くことができればよいので、ガラス材料であってもよい。
【0038】
導光体10には、入射側傾斜面12a、12bと出射側傾斜面15a、15bとが形成されている。入射側傾斜面12a、12bは、LED40からの光が略垂直に入射されるように傾斜している。出射側傾斜面15a、15bは、ウインドシールド60からの反射した光が略垂直に出射するように傾斜している。さらに、入射側傾斜面12a、12bおよび出射側傾斜面15a、15bは、ウインドシールド60側の略垂直方向から見たとき全ての傾斜面が重ならないように形成されている。
【0039】
入射側傾斜面12a、12bには、第1のレンズが、出射側傾斜面15a、15bには、第2のレンズが形成されている。第1のレンズは、LED40から入射される光を平行光にして、導光体10に導く機能を有し、第2のレンズは、ウインドシールド60における反射光をPD50に集光させる機能を有する。
【0040】
第1のレンズは、複数のレンズ群から構成され、一枚の平凸レンズをこのレンズの光軸で分割したような形を成している。このレンズ群を入射側分割平凸レンズ13a、13bと呼ぶ。入射側傾斜面12aおよび入射側傾斜面12bには、入射側分割平凸レンズ13a、13bがそれぞれ形成される。第2のレンズは、複数のレンズ群から構成され、一枚の平凸レンズをこのレンズの光軸で分割したような形を成している。このレンズ群を出射側分割平凸レンズ16a、16bと呼ぶ。出射側傾斜面13aおよび出射側傾斜面13bには、出射側分割平凸レンズ16a、16bがそれぞれ形成される。
【0041】
なお、入射側および出射側分割平凸レンズ13a、13b、16a、16bは、導光体10と一体的に形成してもよく、別体で形成してもよい。別体で形成した場合は、例えば傾斜面12a、12b、15a、15b上に光透過性の接着剤で接着することが考えられる。
【0042】
なお、入射側分割平凸レンズ13a、13bの表面の曲率は、LED40から入射される光が入射側分割平凸レンズ13a、13bの表面により屈折されて平行光となるように設定され、出射側分割平凸レンズ16a、16bの表面の曲率も、ウインドシールド60にて反射された平行光が出射側分割平凸レンズ16a、16bの表面により屈折されてPD50に集光されるように設定されている。
【0043】
入射側傾斜面12aと入射側傾斜面12bとの間には、入射側段差面11aが形成されている。入射側段差面11aは、図1に示すように入射側傾斜面12aの端部と入射側傾斜面12bの端部とを結んだ面である。この入射側段差面11aは、入射側傾斜面12a、12bに対して略垂直な面である。さらに、入射側段差面11aは、入射側分割平凸レンズ13a、13bの光軸に沿って形成されている。
【0044】
出射側傾斜面15aと出射側傾斜面15bとの間には、出射側段差面14aが形成されている。出射側段差面15aは、図1に示すように出射側傾斜面15aの端部と出射側傾斜面15bの端部とを結んだ面である。この出射側段差面14aは、出射側傾斜面15a、15bに対して略垂直な面である。さらに、出射側段差面14aは、出射側分割平凸レンズ16a、16bの光軸に沿って形成されている。
【0045】
また、入射側段差面11aと出射側段差面14aは、各段差面11a、14aをウインドシールドに向かって延長した延長面がウインドシールド60の外壁面60aにて交わるように形成される。
【0046】
回路基板30は、ハウジング20に支持されている。回路基板30のウインドシールド60に対向する表面(以下、実装面と呼ぶ)には、LED40とPD50とが実装されている。LED40およびPD50は、チップ型で表面実装型のLEDおよびPDからなり、回路基板30に実装されている。LED40は、回路基板30上に実装される発光駆動回路(図示せず)からの駆動信号によって、赤外線などの光をウインドシールド60に向かって放射範囲θ1で放射、消灯する(図1にて破線で示す)。
【0047】
PD50は、反射光を受光する。PD50の受光範囲はθ2である(図1にて破線で示す)。PD50は、この範囲内にある光を受光し、受光した光量を回路基板30上に実装された演算処理回路(図示せず)に送る。演算処理回路は、受信した光量を付着雨滴量に相当する信号に変換する。
【0048】
ここで、LED40は、入射側段差面11aから回路基板30に向かって延長された延長面との交線上に実装されている。一方、PD50も、出射側段差面14aから回路基板30に向かって延長された延長面との交線上に実装されている。
【0049】
本実施形態では、LED40、PD50として、表面実装型のものを使用している。これにより、実装面積が減り回路基板を小型化することができ、ひいては雨滴検出装置も小型化できる。また、発光駆動回路や演算処理回路も表面実装型のものを使用すると、よりいっそう雨滴検出装置を小型化できる。
【0050】
なお、本実施形態では、導光体10に形成される入射側傾斜面12a、12bおよび出射側傾斜面15a、15bの面数はそれぞれ二つとしているが、傾斜面の面数は三つ以上としてもよい。その場合、傾斜面同士の間に形成される段差面は複数となる。形成される段差面の一つは、傾斜面上に形成される分割平凸レンズの光軸に沿って形成されることが好ましい。
【0051】
光軸に沿って段差面が形成されていないと、たとえ光軸の延長線上にLED40、PD50が配置されていたとしても、分割平凸レンズの端部の影が隣の分割平凸レンズ上に落ちる箇所が、分割平凸レンズの光軸に沿って段差面を形成される場合に比べて多く発生し、ウインドシールド60に届く光の面積が少なくなり、結果、検出領域が狭くなるからである。
【0052】
また、入射側段差面11aおよび出射側段差面14aは、導光体10を通る平行光のほぼ中央に設けることが好ましい。入射側では、LED40から放射される光が、入射側分割平凸レンズ13a、13bへ満遍なく届き、出射側では、受光素子が反射光を効率よく受光することができるからである。
【0053】
本実施形態では、図2に示すように、導光体10には、入射側分割平凸レンズ13a、13b、および出射側分割平凸レンズ16a、16bが一組ずつ形成されている。入射側分割平凸レンズ13a、13b、出射側分割平凸レンズ16a、16bのそれぞれの光軸と回路基板30の交点には、LED40とPD50が一つずつ設けられている。このように雨滴検出装置を構成することで、図6に示す従来技術の雨滴検出装置のように入射側の平凸レンズ120、130の個数に応じた発光素子100、110を使用することがなくなるので、雨滴検出装置の部品点数を減らすことができる。
【0054】
次に雨滴検出装置の作動を説明する。このように構成した本実施形態において、LED40が発光駆動回路により駆動されて発光すると、所定の指向性を持った赤外線などの光が放射される。この光は、入射側分割平凸レンズ13a、13bの表面に入射される。入射側分割平凸レンズ13a、13bの表面には、LED40から放射される光の放射範囲θ1のうち放射範囲θ11の光が入射される。
【0055】
入射側分割平凸レンズ13a、13bに入射した光は、入射側分割平凸レンズ13a、13bの表面により屈折されて二点鎖線で示すように平行光となる。この平行光は、ウインドシールド60に向けて導光体10内を進む。導光体10内を進んだ平行光は、内壁面60b側から外壁面60aに照射される。この平行光が外壁面60aを照射した範囲が、雨滴検出領域となる。
【0056】
導光体10を進む平行光は、雨滴検出領域内の外壁面60aにより反射され、再び平行光として導光体10内を出射側分割平凸レンズ16a、16bに向けて進む。反射光は、出射側分割平凸レンズ16a、16bに入射され、出射側分割平凸レンズ16a、16bの面により屈折されて二点鎖線で示すようにPD50に向けて集光される。PD50は、受光範囲θ2のうち受光範囲θ21の光を受光する。
【0057】
以上のようなLED40からの光の光学的経路を形成する構成において、雨滴が外壁面60aに付着していると、この雨滴のために反射光の光量が減少する。したがって、PD50に集光される光の光量も減少する。PD50は、集光した光量に応じた信号を演算処理回路に送信する。演算処理回路は、その信号に基づき光量に応じて付着した雨滴量を演算し、この付着雨滴量に相当する信号をワイパ自動制御装置に送信する。
【0058】
次に、本実施形態の作用効果を説明すると、
(1)入射側段差面および出射側段差面のそれぞれの段差面を延長した延長面が雨滴検出領域で交わっていないと、反射光は、上述の二箇所分の光量の低下を含むこととなる。結果、雨滴検出領域で二箇所の光量低下が生じ、これらの部分での雨滴の検出精度が低下し、雨滴検出領域内での雨滴の量が正確に検出できないおそれがある。
【0059】
本実施形態では、入射側段差面11aおよび出射側段差面14aのそれぞれの段差面を延長した延長面が外壁面60aで交わっているので、雨滴検出領域内の光量の低下の影響を受ける部分を一致させることができ、雨滴の検出精度が低下する箇所または面積を減らすことが可能となる。
【0060】
なお、光量が低下する原因を詳しく説明すると、導光体の入射側には、入射側分割平凸レンズおよび入射側傾斜面のそれぞれの間に入射側段差面が形成されている。この入射側段差面により、雨滴検出領域の入射側段差面を延長した延長面に対応する部分の光量が低下する。
【0061】
一方、導光体の出射側にも、出射分割平凸レンズおよび出射側傾斜面のそれぞれの間に出射側段差面が形成されている。この出射側段差面により、反射光のうち、出射側段差面に対応する部分の光量が低下する。言い換えると、雨滴検出領域の出射側段差面を延長した延長面に対応する部分の光量が低下する。
【0062】
(2)図1に示すように導光体10の入射側および出射側のそれぞれに傾斜面12a、12b、15a、15bとそれらの傾斜面の間に段差面11a、14aとが形成されている。言い換えると導光体10の入射側および出射側のそれぞれに形成される傾斜面12a、12b、15a、15bが階段状となっているので、従来の導光体に比べ(一点鎖線で示す)導光体10の高さを低くすることができる。
【0063】
(3)一枚の平凸レンズを二分割した入射側分割平凸レンズ13a、13bおよび出射側分割平凸レンズ16a、16bは、導光体10の入射側および出射側傾斜面12a、12b、15a、15b上に形成されている。これにより、入射側および出射側に形成されるレンズの光軸は一つとなり、LED40とPD50の個数が従来の雨滴検出装置に比べ少なくなる。
【0064】
(4)一枚の平凸レンズを二分割する場合、平凸レンズの光軸部分で分割することが好ましい。これは、光軸に沿って平凸レンズが分割されていないと、光軸の延長線上にLED40またはPD50が配置されていた場合、入射側および出射側分割平凸レンズの端部の影が、隣の分割平凸レンズ上に落ちる、もしくは、PD50で検出される光量に影響を及ぼすこととなるためである。
【0065】
(5)入射側段差面11aおよび出射側段差面14aは、導光体10を通る平行光のほぼ中央に設けられているので、入射側では、LED40から放射される光が、入射側分割平凸レンズ13a、13bへ満遍なく届き、出射側では、受光素子が反射光を効率よく受光することができる。
【0066】
(6)入射側および出射側傾斜面12a、12b、15a、15bが、それぞれの傾斜面のウインドシールド60に投影された面が互いに重ならないように形成されているので、導光体10の肉厚を均一化することができる。これにより、導光体10成型時のヒケやボイドを抑えることが可能となる。また、製造装置に温度分布の発生を防止するための装置が必要なくなるので、導光体10の製造コストの上昇を抑えることができる。
【0067】
(7)回路基板30上に形成されるLED40とPD50は、入射側および出射側段差面11a、14aの延長された面と回路基板30との交線上に形成されている。これにより、LED40から入射側分割平凸レンズ12a、12bに向かって照射し、ウインドシールド60にて反射された平行光を出射側分割平凸レンズ16a、16bにて集光する際、導光体10およびレンズ形状による影の発生を極力少なくすることができる。
【0068】
(8)入射側および出射側段差面11a、14aを、導光体10内を進む平行光の中央付近に設けているので、どの入射側分割平凸レンズ12a、12bへもLED40からの光が満遍なく届き、どの出射側分割平凸レンズ16a、16bからもPD50へ光を集光することができる。
【0069】
(9)例えば、図6に示すようにLED40から放射される光は、θ1=120°の指向性を有している。LED40には、中心部付近の光量を100%とすると、両翼(図中の破線で示す光線)での光量が約50%に半減する。図1に示すように本実施形態では、入射側分割平凸レンズ13a、13bを形成する入射側傾斜面12a、12bが階段状となっているため、LED40から放射する光の所定の放射範囲θ1のうち、光の強度の高い放射範囲θ11の部分を使用することができる。
【0070】
図示しないが、PD50にも受光できる所定の受光範囲がある。両翼での光の受光率は、中心部付近の光の受光率に比べると劣る。本実施形態では、出射側分割平凸レンズ16a、16bを形成する出射側傾斜面15a、15bが階段状となっているため、PD50が光を受光する所定の受光範囲θ2のうち、受光率の高い受光範囲θ21の光を受光することができる。
【0071】
(10)LED40が光を放射する所定の放射範囲θ1および、PD50が光を受光する所定の受光範囲θ2を最大限利用できるように、回路基板30と導光体10との距離を調整すれば、回路基板30と導光体の10との距離を短くすることが可能となり、雨滴検出装置自体の厚さを薄くすることが可能となる。
【0072】
(11)LED40が光を放射する所定の放射範囲、および、PD50が光を受光する所定の受光範囲が狭いものも使用することが可能となる。
【0073】
(12)入射側分割平凸レンズ13a、13bの表面の曲率は、LED40から入射される光が入射側分割平凸レンズ13a、13bの表面により屈折されて平行光となるように設定されている。出射側分割平凸レンズ16a、16bの表面の曲率も、ウインドシールド60にて反射された平行光が出射側分割平凸レンズ16a、16bの表面により屈折されてPD50に集光されるように設定されている。
【0074】
これによると、LED40から入射側分割平凸レンズ13a、13bと出射側分割平凸レンズ16a、16bまでの距離が異なっていても、導光体10内に平行光を形成することができ、反射された平行光をPD50に集光することができる。
【0075】
(第2の実施形態)
第2の実施形態を図3および図4に基づいて説明する。第2の実施形態では、入射側傾斜面および出射側傾斜面をそれぞれ三つ以上形成している。図3は、第2の実施形態に係わる雨滴検出装置を車両のウインドシールド60の内壁面60bに装着した状態の一例を示した断面図である。図4は、第3の実施形態に係わる雨滴検出装置を車両のウインドシールド60の内壁面60bに装着した状態の別の例を示した断面図である。
【0076】
図3に示すように、導光体10aの出射側には、三つの出射側傾斜面15c、15d、15eと、二つの出射側段差面14b、14cとが形成されている。出射側傾斜面15c、15d、15e上には、出射側分割平凸レンズ16c、16d、16eがそれぞれ形成されている。出射側段差面14bは出射側傾斜面15c、15dの間に、出射側段差面14cは出射側傾斜面15d、15eの間に形成される。
【0077】
入射側段差面11aと出射側段差面14cのそれぞれの段差面を延長した延長面は、ウインドシールド60の外壁面60aで交わっている。出射側段差面14cを回路基板30に向かって延長した延長面と回路基板30の実装面との交線上にはPD50の受光点51が設けられている。出射側段差面14cを境に、LED40側には出射側傾斜面15eが、その反対側には出射側傾斜面15c、15dが形成されている。
【0078】
図4に示すように、導光体10bの入射側および出射側には、入射側傾斜面12c、12d、12eおよび出射側傾斜面15c、15d、15eが三つずつ、入射側段差面11b、11cおよび出射側段差面14b、14cが二つずつ形成されている。入射側傾斜面12c、12d、12e上には、出射側分割平凸レンズ13c、13d、13eがそれぞれ形成されている。
【0079】
入射側段差面11bは、入射側傾斜面12c、12dの間に、入射側段差面11cは、入射側傾斜面12d、12eの間に形成される。出射側に形成される傾斜面、段差面、分割平凸レンズは、図3と同一である。
【0080】
入射側段差面11cと出射側段差面14cのそれぞれの段差面を延長した延長面は、ウインドシールド60の外壁面60aで交わっている。入射側段差面11cを回路基板30に向かって延長した延長面と回路基板30の実装面との交線上にはLED40の光源41が設けられている。入射側段差面11cを境に、PD50側には入射側傾斜面13eが、その反対側には入射側傾斜面13c、13dが形成されている。
【0081】
次に、本実施形態の作用効果を説明すると、
(1)入射側傾斜面を三つ以上形成する場合は、延長した延長面上にLED40を有する入射側段差面11cを境にPD50側には入射側傾斜面12eが一つ、その反対側には入射側傾斜面12c、12dが複数形成されている。これにより、傾斜面およびその上に形成される分割平凸レンズによる影が隣の分割平凸レンズに落とさずに導光体10bの肉厚を均一化することができる。
【0082】
(2)出射側傾斜面を三つ以上形成する場合は、延長した延長面上にPD50を有する出射側段差面14cを境にLED40側には出射側傾斜面15eが一つ、その反対側には出射側傾斜面15c、15dが複数形成されている。これにより、分割平凸レンズから出射される光が隣の傾斜面およびその上に形成される分割平凸レンズによって妨げられることなしに導光体10aの肉厚を均一化することができる。
【0083】
(第3の実施形態)
第3の実施形態を図5に基づいて説明する。第3の実施形態では、入射側および出射側傾斜面をそれぞれ四つ形成する。図5は、第3の実施形態に係わる雨滴検出装置を車両のウインドシールド60の内壁面60bに装着した状態の一例を示した断面図である。
【0084】
図5に示すように、導光体10cの入射側および出射側には、それぞれ入射側傾斜面12f、12g、12h、12iおよび出射側傾斜面15f、15g、15h、15iが四つずつ、入射側段差面11d、11e、11fおよび出射側段差面14d、14e、14fが三つずつ形成されている。
【0085】
入射側段差面11eと出射側段差面14eのそれぞれの段差面を延長した延長面は、ウインドシールド60の外壁面60aで交わっている。さらに、入射側段差面11eおよび出射側段差面14eをそれぞれ回路基板30に向かって延長した延長面と回路基板30の実装面との交線上にはそれぞれLED40とPD50が設けられる。
【0086】
次に、本実施形態の作用効果を説明すると、
(1)導光体10cの入射側および出射側にそれぞれ四つの傾斜面を形成することで、他の実施形態のどの導光体よりも薄くすることができ、肉厚を均一化することができる。
【0087】
(変形例1)
変形例1を図7に基づいて説明する。図7に示すように、導光体10dに二組の入射側分割平凸レンズ13j、13k、13l、13mと一組の出射側分割平凸レンズ16a、16bとが形成されている。なお、出射側分割平凸レンズ16a、16bとPD50は第1実施形態と同じため同一符号を用いる。
【0088】
図7に示すように一方の入射側分割平凸レンズ13j、13kの光軸と他方の入射側分割平凸レンズ13l、13mの光軸とが平行となるように入射側分割平凸レンズ13j、13k、13l、13mが導光体10dに形成されている。各光軸と回路基板30との交点には、LED40a、40bが設けられている。入射側分割平凸レンズ13j、13k、13l、13mの幅は、出射側分割平凸レンズ16a、16bの約半分である。
【0089】
LED40aから発光される光は、一方の入射側分割平凸レンズ13j、13kを介して雨滴検出領域の約半分の領域に照射される。LED40bから発光される光は、他方の入射側分割平凸レンズ13l、13mを介して残りの約半分の領域に照射される。LED40a、40bは、図示しない駆動回路にて交互に発光される。PD50は、交互に発光されるLED40a、40bからの光を受光する。雨滴検出装置は、発光量に対する受光量の低下率を算出することで雨滴量を検出する。
【0090】
上記構成を有する変形例1では、雨滴検出領域を二つの領域に分割し、各領域の発光量に対する受光量の低下率を別々に算出している。これにより、雨滴検出領域を分割しない場合に比べ、少量の雨滴であっても受光量の低下率が大きく算出されるので、雨滴の検出精度が向上する。
【0091】
(変形例2)
変形例2を図8に基づいて説明する。導光体10eに四組の入射側分割平凸レンズ13n、13o、13p、13q、13r、13s、13t、13uと四組の出射側平凸レンズ16j、16k、16l、16m、16n、16o、16p、16qが形成され、回路基板30にLED40c、40dとPD50a、50bが二つずつ設けられている。
【0092】
図8に示すように上面から見た外形が略正方形である導光体10eの各辺に四組の入射側分割平凸レンズ13n、13o、13p、13q、13r、13s、13t、13uと四組の出射側分割平凸レンズ16j、16k、16l、16m、16n、16o、16p、16qが形成されている。ある二組の入射側分割平凸レンズ13n、13o、13p、13qは、それらのレンズ13n、13o、13p、13qの光軸が導光体10eのある角部に向かうように形成されている。残りの二組の入射側分割平凸レンズ13r、13s、13t、13uは、それらのレンズ13r、13s、13t、13uの光軸が上記角部の対角に位置する角部に向かうように形成されている。
【0093】
ある二組の出射側分割平凸レンズ16j、16k、16l、16mは、それらのレンズ16j、16k、16l、16mの光軸が上記二つの角部でない、ある角部に向かうように形成されている。残りの二組の出射側分割平凸レンズ16n、16o、16p、16qは、それらのレンズ16n、16o、16p、16qの光軸がその角部の対角に位置する角部に向かうように形成されている。
【0094】
回路基板30上には、LED40c、40d、およびPD50a、PD50bが設けられている。LED40cは、向かい合う入射側分割平凸レンズ13n、13o、13p、13qの光軸の交点の位置に設けられる。LED40dは、向かい合う入射側分割平凸レンズ13r、13s、13t、13uの光軸の交点の位置に設けられる。PD50aは、向かい合う出射側分割平凸レンズ16j、16k、16l、16mの光軸の交点の位置に設けられる。PD50bは、向かい合う出射側分割平凸レンズ16n、16o、16p、16qの光軸の交点の位置に設けられる。
【0095】
このように構成することで、導光体10eに入射側分割平凸レンズ13n、13o、13p、13q、13r、13s、13t、13u、および出射側分割平凸レンズ16j、16k、16l、16m、16n、16o、16p、16qが四組形成されることになるが、回路基板30に設けるLED40c、40dとPD50a、50bの個数は、それぞれ二つずつとすることができるので、雨滴検出範囲を広範囲としながら、LED40c、40dとPD50a、50bの個数を減らすことができる。
【0096】
また、入射側分割平凸レンズ13n、13o、13p、13qと出射側分割平凸レンズ16j、16k、16n、16oとをL型に配置してもLEDまたは、PDのいずれか一方を共有できるので使用するLED、PDの個数を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】第1の実施形態に係わる雨滴検出装置を車両のフロントウインドシールド内壁面に装着した状態を示した図2の導光体のI−I矢視断面図である。
【図2】図1中の導光体、LED、およびPDの位置関係を示す上面図である。
【図3】第2の実施形態に係わる雨滴検出装置を車両のウインドシールド内壁面に装着した状態の一例を示した断面図である。
【図4】第2の実施形態に係わる雨滴検出装置を車両のウインドシールド内壁面に装着した状態の別の例を示した断面図である。
【図5】第3の実施形態に係わる雨滴検出装置を車両のウインドシールド内壁面に装着した状態の一例を示した断面図である。
【図6】LEDから放射される光の放射範囲と光の強度の関係を示した図である。
【図7】変形例1に係わる導光体、LED、およびPDの位置関係を示す上面図である。
【図8】変形例2に係わる導光体、LED、およびPDの位置関係を示す上面図である。
【図9】従来技術における雨滴検出装置を車両のウインドシールド内壁面に装着した状態を示した断面図である。
【符号の説明】
【0098】
10 導光体
11a 入射側段差面
12a、12b 入射側傾斜面
13a、13b 入射側分割平凸レンズ
14a 出射側段差面
15a、15b 出射側傾斜面
16a、16b 出射側分割平凸レンズ
20 ハウジング
30 回路基板
40 LED(発光素子)
50 PD(受光素子)
60 ウインドシールド
60a ウインドシールドの外壁面
70 光結合層(シリコン層)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子からの光をウインドシールドの内壁側から照射し、前記ウインドシールドで反射した光を受光素子にて計測することにより前記ウインドシールドの外壁面に付着した雨滴の量を検出する雨滴検出装置であって、
前記ウインドシールドの内壁側に装着され、前記発光素子からの光が透過する複数の入射側傾斜面、隣り合う前記入射側傾斜面の端部同士が結ばれた入射側段差面、前記反射した光が透過する複数の出射側傾斜面、および隣り合う前記出射側傾斜面の端部同士が結ばれた出射側段差面とが形成された導光体と、
前記入射側傾斜面上に形成され、前記発光素子からの光を平行光として形成させる第1のレンズと、
前記出射側傾斜面上に形成され、前記反射した光を前記受光素子に集光させる第2のレンズとを備え、
前記入射側段差面を延在方向に延長する延長面と前記出射側段差面を延在方向に延長する延長面とが前記ウインドシールドの外壁面で交わっていることを特徴とする雨滴検出装置。
【請求項2】
前記第1のレンズは、一枚の入射側平凸レンズが前記入射側傾斜面に応じて分割された入射側分割平凸レンズからなり、
前記第2のレンズは、一枚の出射側平凸レンズが前記出射側傾斜面に応じて分割された出射側分割平凸レンズからなることを特徴とする請求項1に記載の雨滴検出装置。
【請求項3】
前記入射側段差面は、前記第1のレンズの光軸に沿って前記導光体に形成され、
前記出射側段差面は、前記第2のレンズの光軸に沿って前記導光体に形成されることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の雨滴検出装置。
【請求項4】
前記発光素子および前記受光素子が実装されている回路基板を備え、
前記回路基板と前記入射側段差面の前記延長面との交線上には、前記発光素子が設けられ、
前記回路基板と前記出射側段差面の前記延長面との交線上には、前記受光素子が設けられることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の雨滴検出装置。
【請求項5】
前記入射側段差面と前記出射側段差面は、前記導光体を通る前記平行光のほぼ中央に設けられることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の雨滴検出装置。
【請求項6】
前記入射側傾斜面および前記出射側傾斜面は、前記ウインドシールド側から見たとき重ならないように形成されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の雨滴検出装置。
【請求項7】
前記入射側傾斜面は、前記延長面上に前記発光素子の光源を有する前記入射側段差面を境に二つのグループに分けられ、
前記二つのグループのうち、前記受光素子側のグループの前記入射側傾斜面は、一つであることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の雨滴検出装置。
【請求項8】
前記出射側傾斜面は、前記延長面上に前記受光素子の受光点を有する前記出射側段差面を境に二つのグループに分けられ、
前記二つのグループのうち、前記発光素子側のグループの前記出射側傾斜面は、一つであることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の雨滴検出装置。
【請求項9】
前記入射側分割平凸レンズの各曲率は、前記発光素子から入射する光が前記入射側導光部に前記平行光として形成されるように設定されており、前記出射側分割平凸レンズの各曲率は、前記反射した平行光が前記受光素子に集光されるように設定されることを特徴とする請求項2から請求項8のいずれか一項に記載の雨滴検出装置。
【請求項10】
前記導光体には、前記入射側分割平凸レンズが複数組、前記出射側分割平凸レンズが一組形成され、各組の前記入射側分割平凸レンズの光軸が平行となっており、
前記回路基板には、各組の前記入射側分割平凸レンズの光軸上に前記発光素子が一つずつ設けられ、前記出射側分割平凸レンズの光軸上に前記受光素子が一つ設けられていることを特徴とする請求項2から請求項9のいずれか一項に記載の雨滴検出装置。
【請求項11】
前記導光体は、上面から見た外形が略正方形であり、
前記入射側分割平凸レンズと前記出射側分割平凸レンズが一組ずつ前記導光体の各辺に沿って形成されていることを特徴とする請求項2から請求項9のいずれか一項に記載の雨滴検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−71491(P2006−71491A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−255971(P2004−255971)
【出願日】平成16年9月2日(2004.9.2)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】