電力供給制御装置、画像処理装置
【課題】節電のための電力遮断制御に伴う、インターロック部等に設けられた機械的動作を伴う接点切り替え動作を抑制する。
【解決手段】インターロック部14と前述したモード遷移(特に、「スリープモード」)との関係において、前記インターロック部14に設けられ、電力供給状態で機械的動作を伴って接点が切り替わるリレースイッチの動作を、スリープモード時の電力供給制御に関与させないようにしている。すなわち、リレースイッチRL2をノーマリークローズタイプとして、コイル部112が非通電時にスイッチ部104Sがオンし、コイル部112が通電時にスイッチ部104Sがオフするようにして、スリープモード時の電力非供給時には、オフにする必要がないことに着目し、切り替え頻度を軽減した。
【解決手段】インターロック部14と前述したモード遷移(特に、「スリープモード」)との関係において、前記インターロック部14に設けられ、電力供給状態で機械的動作を伴って接点が切り替わるリレースイッチの動作を、スリープモード時の電力供給制御に関与させないようにしている。すなわち、リレースイッチRL2をノーマリークローズタイプとして、コイル部112が非通電時にスイッチ部104Sがオンし、コイル部112が通電時にスイッチ部104Sがオフするようにして、スリープモード時の電力非供給時には、オフにする必要がないことに着目し、切り替え頻度を軽減した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力供給制御装置、画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像処理装置の筐体には、内部のメンテナンス等のために開放可能な扉が設けられている。ここで、前記扉が開放された場合、その開放を検出して画像処理装置の画像処理部、画像読取部等に代表される各デバイスへの電力供給を遮断するインターロックシステムが設けられている。インターロックシステムの一部として設けられる電力供給遮断のための手段は、耐圧等の観点から所謂機械的動作を伴う接点切替手段が適用される。接点切替手段は、例えばコイルを励磁することによって磁力で接点を接続又は遮断するリレースイッチが代表的である。
【0003】
上記インターロックシステムに関する先行技術として、特許文献1には、画像形成装置などの扉の開閉に伴って電源を切り替える際に、開いていた扉を閉じることによって装置を迅速に稼働状態にすることを可能にすることが提案されている。
【0004】
特許文献1では、AC(交流)入力とDC(直流)出力がされる第1直流電源と、AC入力と常時のDC出力がされる第2直流電源と、非常時電源要遮断部の要遮断動作に伴って前記第1直流電源へのAC入力を遮断するインターロック部と、負荷に対する電圧供給として前記第1直流電源のDC出力と第2直流電源のDC出力とを切り替える切替部と、前記切替部の切り替え制御する制御部とを有する。
【0005】
一方、画像処理装置の不使用時の電力消費を軽減するための技術として、特許文献2には、定着装置の使用からの所定時間が経過すると自動的に節電状態に移行する第1のタイマと、複合装置の操作又は外部からアクセスされたときの動作終了からの所定時間が経過すると自動的に電源オフ状態に移行する第2のタイマと、を持って制御することが提案されている。
【0006】
特許文献3では、複写機能、プリンタ機能及びファクシミリ機能のうち少なくとも2つの機能を備えた処理部を有し、選択された機能毎に処理部に対してオートシャット時間を設定可能とすることが提案されている。
【0007】
また、特許文献4には、人の接近を検知したことと操作部の操作指示履歴とを記録しておき、使用者か否かを判定する、或いは、使用者の検知により電力モードを切り替えることが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2010−262030号公報
【特許文献2】特開平2003−163769号公報
【特許文献3】特開平06−006496号公報
【特許文献4】特開2010−147725号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、節電のための電力遮断制御に伴う、インターロック部等に設けられた機械的動作を伴う接点切り替え動作を抑制することができる電力供給制御装置、画像処理装置を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に記載の発明は、一次側の回路として電源部から電力に基づいて電流が制御されるコイル部、二次側の回路として前記コイル部の通電状態に応じて機械的動作によって接点が切り替わる接点切替部を備え、前記電源部から負荷へ電力を供給するために設けられた電力供給配線を前記接点切替部の動作によって接続又は遮断するための継電器と、前記負荷及び前記継電器を対象として、前記電源部から電力を受ける電力供給状態、或いは前記電源部から電力の供給を受けない電力遮断状態に遷移させる電力供給状態遷移制御手段と、前記電力供給状態遷移制御手段による遷移制御に対する、前記継電器の接点切替部の機械的動作を制限する制限手段と、を有している。
【0011】
請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、前記制限手段が、前記電力供給状態遷移制御手段による遷移制御では、前記一次側の回路の電流の断続を変更させない。
【0012】
請求項3に記載の発明は、前記請求項1又は請求項2に記載の発明において、予め定められた状態を検出する状態検出手段をさらに有し、前記継電器は、前記状態検出手段における特定の状態の検出時に、前記コイルに電流を流すことで、前記接点切替部の接点切り替え動作により前記電力供給配線を接続し、前記状態検出手段における特定の状態の未検出時に、前記コイルへの電流を遮断することで、前記接点切替部の接点切り替え動作により前記電力供給配線を遮断する。
【0013】
請求項4に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、前記電力供給状態遷移制御手段による遷移制御で電力遮断状態となったとき、前記一次側の回路に対して、前記電源部からの電力供給を受けているときと同等の電力を供給する予備電源部をさらに有する。
【0014】
請求項5に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、前記負荷が、電力供給を受けて動作して、予め定められた処理を実行する複数の処理部と、当該複数の処理部に対して選択的に処理内容を少なくとも指示する指示部とに分類され、前記電源部からそれぞれの別々の電力供給配線によって接続されており、前記処理部への電力供給配線上には前記継電器の接点切替部が介在され、前記指示部への電力供給配線上には予備電源部が介在される。
【0015】
請求項6に記載の発明は、前記請求項4又は請求項5に記載の発明において、前記予備電源部が、前記電力供給状態遷移制御手段による遷移制御で電力供給状態中に充電される蓄電デバイスである。
【0016】
請求項7に記載の発明は、前記請求項1〜請求項6の何れか1項記載の発明において、前記負荷を基準とした周囲を検出領域として設置され前記負荷を使用する使用者を含む移動体が存在しているか否かを検出する移動体検出手段をさらに有し、前記移動体検出手段の検出結果を、電力供給状態遷移制御手段による電力供給状態及び電力遮断状態の遷移制御の契機とする。
【0017】
請求項8に記載の発明は、前記請求項7に記載の発明において、前記移動体検出手段が、相対的に広範囲を検出領域とする焦電型センサ、相対的に狭範囲を検出領域とする反射型センサの少なくとも一方である。
【0018】
請求項9に記載の発明は、前記請求項1〜請求項8の何れか1項記載の発明において、前記負荷が、電力供給を受けて動作して、予め定められた処理を実行する複数の処理部と、当該複数の処理部に対して選択的に処理内容を少なくとも指示する指示部とに分類され、前記電力遮断状態で遷移されるモードとして、前記移動体検出手段による検出結果を解析するための監視制御部に電力を供給するスリープモード、必要に応じて指示部に電力を供給するアウェイクモードを備え、前記電力供給状態で遷移されるモードとして、前記スリープモードから前記処理部を立ち上げるための準備段階であるウォームアップモード、前記処理部に対して定常時よりも下げて電力を供給しておくスタンバイモード、前記処理部に対して前記定常時の電力を供給するランニングモードを含む複数のモードを備え、処理状況に応じてモードを遷移する。
【0019】
請求項10に記載の発明は、前記請求項1〜請求項9の何れか1項記載の電力供給制御装置を備え、前記負荷が、原稿画像から画像を読み取る画像読取部、画像情報に基づいて記録用紙に画像を形成する画像形成部、予め相互に定められた通信手順の下で画像を送信先へ送信するファクシミリ通信制御部、使用者との情報の受付報知を行うユーザーインターフェイス部、使用者を識別するための使用者識別装置の少なくとも1つを含んでおり、使用者からの指示に基づいて、相互に連携しあって画像処理を実行する画像処理装置である。
【0020】
請求項11に記載の発明は、相反する状態に応じて、電源部から負荷まで配線された電力供給配線を導通又は非導通状態とする状態スイッチと(開閉検出スイッチSW1)、前記負荷の使用状態に関する情報に基づいて、当該負荷が不使用のとき、前記電源部からの電力供給を中断して、前記負荷への電力供給を断つことで節電する節電手段と(スリープモード遷移制御)、前記状態スイッチの下流側から分岐された下流側分岐線の電流が入力信号となって動作するスイッチング素子と(トランジスタQ1)、前記状態スイッチの上流側から分岐された上流側分岐線から電力供給を受ける共に前記スイッチ素子を含んだ回路の一部として設けられたコイル及び前記状態スイッチよりも下流側の電力供給配線上に介在され前記コイルが非通電状態でオンする常態導通型スイッチを備えた継電器と(リレースイッチRL2)、前記継電器の常態導通型スイッチと並列接続され、前記負荷への電力供給開始時の電流を制限して突入電流を抑制する電流制御回路部と(電流制御回路)、前記上流側分岐線の電流に対する前記入力信号の出力時期を調整する第1の遅延回路(コンデンサC1)、並びに前記スイッチング素子の導通状態に対する前記コイルの通電時期を調整する第2の遅延回路(コンデンサC2)を備え、前記第1の遅延回路と第2の遅延回路に設定する時定数を相関させ、少なくとも前記節電手段による節電中は前記継電器の常態導通型スイッチの導通を維持する導通維持手段と(リレースイッチRL2を制御するコイルを含む回路の動作全般)、を有している。
【発明の効果】
【0021】
請求項1に記載の発明によれば、節電のための電力遮断制御に伴う、インターロック部等に設けられた機械的動作を伴う接点切り替え動作を抑制することができる。
【0022】
請求項2に記載の発明によれば、電力供給状態の遷移制御と、接点切り替え動作の契機となる一次側の回路を、電力供給状態の遷移制御の対象外とすることができる。
【0023】
請求項3に記載の発明によれば、定常状態(状態検出手段における特定の状態の未検出状態)では、一次側の回路の電流が遮断されているので、電力供給状態の遷移制御によって電力遮断状態となっても影響を受けない。
【0024】
請求項4に記載の発明によれば、電力遮断状態では、継電器が予備電源部から電力供給を受けるので、電力供給状態の遷移制御の対象外とすることができる。
【0025】
請求項5に記載の発明によれば、継電器の接点切替頻度を軽減することができる。
【0026】
請求項6に記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比べて構造を簡単にすることができる。
【0027】
請求項7に記載の発明によれば、電力供給状態の遷移制御の利便性を省エネ性を両立することができる。
【0028】
請求項8に記載の発明によれば、移動体検出センサによる使用者とそれ以外との判別精度高めることができる。
【0029】
請求項9に記載の発明によれば、モード単位で電力供給状態の遷移制御をすることができる。
【0030】
請求項10及び請求項11に記載の発明によれば、節電のための電力遮断制御に伴う、インターロック部等に設けられた機械的動作を伴う接点切り替え動作を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】第1の実施の形態に係る画像処理装置を含む通信回線網接続図である。
【図2】第1の実施の形態に係る画像処理装置の概略図である。
【図3】第1の実施の形態に係る画像処理装置の制御系の構成を示すブロック図である。
【図4】第1の実施の形態に係るメインコントローラと電源装置の制御系を機能別に概略図である。
【図5】画像処理装置における、各モード状態と、当該モード状態の移行の契機となる事象を示したタイミングチャートである。
【図6】第1の実施の形態にかかり、画像処理装置及びその周辺示す平面図である。
【図7】第1の実施の形態に係るインターロック部の回路構成図である。
【図8】第1の実施の形態に係るインターロック部の動作状態を示すタイミングチャートである。
【図9】第2の実施の形態に係るインターロック部の回路構成図である。
【図10】第2の実施の形態に係るインターロック部の動作状態を示すタイミングチャートである。
【図11】第3の実施の形態に係るインターロック部及びその周辺の電力供給制御のためのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
[第1の実施の形態]
(画像処理装置の構成)
図1に示される如く、第1の実施の形態に係る画像処理装置10は、インターネット等のネットワーク通信回線網20に接続されている。図1では、2台の画像処理装置10が接続されているが、この数は限定されるものではなく、1台でもよいし、3台以上であってもよい。
【0033】
また、このネットワーク通信回線網20には、情報端末機器としての複数のPC(パーソナルコンピュータ)21が接続されている。図1では、2台のPC21が接続されているが、この数は限定されるものではなく、1台でもよいし、3台以上であってもよい。また、情報端末機器としては、PC21に限定されるものではなく、さらには有線接続である必要もない。すなわち、無線によって情報を送受信する通信回線網であってもよい。
【0034】
図1に示される如く、画像処理装置10では、PC21から当該画像処理装置10に対して、遠隔で、例えばデータを転送して画像形成(プリント)指示操作を行なう場合、或いは使用者(ユーザー)が画像処理装置10の前に立ち、各種操作によって、例えば、複写(コピー)、スキャン(画像読取)、ファクシミリ送受信等の処理を指示する場合がある。
【0035】
図2には、第1の実施の形態に係る画像処理装置10が示されている。
【0036】
画像処理装置10は、筐体10Aによって覆われており、適宜個所に開閉可能な扉が設けられている。一例として、図2の前面の扉10Bを図示するが、例えば、左右の側面にも扉が存在する場合がある。この扉10Bは、例えば、紙詰まり、消耗品の交換、定期点検等、装置内部に作業者が手を差し延べて作業する場合に開放されるものであり、通常処理中は閉止されている。
【0037】
この扉10Bの開閉動作軌跡上には、当該扉10Bの開閉状態を検出する開閉検出スイッチSW1が設けられている。この開閉検出スイッチSW1は、図4に示すインターロック部14の一部を構成している。詳細は後述するが、インターロック部14では、前記開閉検出スイッチSW1からの出力信号に基づいて、前記扉10Bが開放されたことを判別すると、24V電源部250H(図4参照)から一部の負荷(例えば、画像形成部240)への電力供給を遮断するようになっている。なお、24V電源部250Hからの出力を全て遮断する構成としてもよい。
【0038】
画像処理装置10は、記録用紙に画像を形成する画像形成部240と、原稿画像を読み取る画像読取部238と、ファクシミリ通信制御回路236を備えている。画像処理装置10は、メインコントローラ200を備えており、画像形成部240、画像読取部238、ファクシミリ通信制御回路236を制御して、画像読取部238で読み取った原稿画像の画像データを一次的に記憶したり、読み取った画像データを画像形成部240又はファクシミリ通信制御回路236へ送出したりする。
【0039】
メインコントローラ200にはインターネット等のネットワーク通信回線網20が接続され、ファクシミリ通信制御回路236には電話回線網22が接続されている。メインコントローラ200は、例えば、ネットワーク通信回線網20を介してホストコンピュータと接続され、画像データを受信したり、ファクシミリ通信制御回路236を介して電話回線網22を用いてファクシミリ受信及びファクシミリ送信を実行する役目を有している。
【0040】
画像読取部238は、原稿を位置決めする原稿台と、原稿台に置かれた原稿の画像を走査して光を照射する走査駆動系と、走査駆動系の走査により反射又は透過する光を受光して電気信号に変換するCCD等の光電変換素子と、が設けられている。
【0041】
画像形成部240は、感光体を備え、感光体の周囲には、感光体を一様に帯電する帯電装置と、画像データに基づいて光ビームを走査する走査露光部と、前記走査露光部によって走査露光されることで形成された静電潜像を現像する画像現像部と、現像化された感光体上の画像を記録用紙へ転写する転写部と、転写後の感光体の表面をクリーニングするクリーニング部と、が設けられている。また、記録用紙の搬送経路上には、転写後の記録用紙上の画像を定着する定着部を備えている。
【0042】
画像処理装置10には、入力電源線244の先端にコンセント245が取り付けられており、壁面Wまで配線された商用電源242の配線プレート243に、当該コンセント245を差し込むことで、画像処理装置10は、商用電源242から、電力の供給を受けるようになっている。
【0043】
(画像処理装置の制御系ハード構成)
図3は、画像処理装置10の制御系のハード構成の概略図である。
【0044】
ネットワーク回線網20は、メインコントローラ200に接続されている。メインコントローラ200には、それぞれ、データバスやコントロールバス等のバス33A〜33Dを介して、ファクシミリ通信制御回路236、画像読取部238、画像形成部240、UIタッチパネル216が接続されている。すなわち、このメインコントローラ200が主体となって、画像処理装置10の各処理部が制御されるようになっている。なお、UIタイッチパネル216には、UIタッチパネル用バックライト部(図4参照)が取り付けられている場合がある。
【0045】
また、画像処理装置10は、電源装置202を備えており、メインコントローラ200とはバス33Eで接続されている。電源装置202は、商用電源242から電力の供給を受けている。電源装置202では、メインコントローラ200、ファクシミリ通信制御回路236、画像読取部238、画像形成部240、UIタッチパネル216のそれぞれに対して独立して電力を供給する電力供給線35A〜35Dが設けられている。このため、メインコントローラ200では、各処理部(デバイス)に対して個別に電力供給(電力供給モード)、或いは電力供給遮断(スリープモード)し、所謂部分節電制御を可能としている。
【0046】
また、メインコントローラ200には、2個の第1の人感センサ28、第2の人感センサ30が接続されており、画像処理装置10の周囲の人の有無を監視している。この第1の人感センサ28、第2の人感センサ30については後述する。
【0047】
(部分節電構成を主体とした機能ブロック図)
図4は、前記メインコントローラ200によって制御される処理部(「デバイス」、「モジュール」等と称する場合もある)、並びにメインコントローラ200、並びに各デバイスへ電源を供給するための電源装置202の電源ラインを主体とした概略構成図である。第1の実施の形態では、画像処理装置10が処理部単位で電力供給又は非供給が可能でとなっている(部分節電)。
【0048】
なお、処理部単位の部分節電は一例であり、処理部をいくつかのグループに分類しグループ単位で節電の制御を行ってもよいし、処理部を一括して節電の制御を行ってもよい。
【0049】
[メインコントローラ200]
図4に示される如く、メインコントローラ200は、CPU204、RAM206、ROM208、I/O(入出力部)210、及びこれらを接続するデータバスやコントロールバス等のバス212を有している。I/O210には、UI制御回路214を介してUIタッチパネル216(バックライト部216BLを含む)が接続されている。また、I/O210には、ハードディスク(HDD)218が接続されている。ROM208やハードディスク218等に記録されているプログラムに基づいて、CPU204が動作することによって、メインコントローラ200の機能を実現する。なお、該プログラムを格納した記録媒体(CD−ROM、DVD−ROM等)から該プログラムをインストールし、これに基づいてCPU204が動作することにより画像処理機能を実現してもよい。
【0050】
I/O210には、タイマ回路220、通信回線I/F222が接続されている。さらに、I/O210には、ファクシミリ通信制御回路(モデム)236、画像読取部238、画像形成部240の各デバイスに接続されている。
【0051】
なお、前記タイマ回路220は、前記ファクシミリ通信制御回路236、画像読取部238、画像形成部240を節電状態(電源非供給状態)とするための契機として、初期設定時間の計時を行うものである(以下、「システムタイマ」という場合がある)。
【0052】
メインコントローラ200及び各デバイス(ファクシミリ通信制御回路236、画像読取部238、画像形成部240)は、電源装置202から電源が供給される(図4の点線参照)。なお、図4では、電源線を1本の線(点線)で示しているが、実際には2本〜3本の配線である。
【0053】
[電源装置202]
図4に示される如く、商用電源242から引き込まれた入力電源線244は、メインスイッチ246に接続されている。メインスイッチ246がオンされることで、第1の電源部248及び第2の電源部250へ電力供給が可能となる。
【0054】
第1の電源部248は、制御用電源生成部248Aを備え、メインコントローラ200の電源供給制御回路252に接続されている。電源供給制御回路252は、メインコントローラ200に電源供給すると共に、I/O210に接続され、メインコントローラ200の制御プログラムに従って、前記各デバイス(ファクシミリ通信制御回路236、画像読取部238、画像形成部240)への電源供給線を導通/非導通させるためのスイッチング制御を行う。
【0055】
一方、第2の電源部250へ接続される電源線254には、第1のサブ電源スイッチ256(以下、「SW−1」という場合がある。)が介在されている。このSW−1は、前記電源供給制御回路252で、オン・オフが制御されるようになっている。
【0056】
また、第2の電源部250は、24V電源部250H(LVPS2)と5V電源部250L(LVPS1)を備えている。24V電源部250H(LVPS2)は主としてモーター等で使用される電源である。
【0057】
第2の電源部250の24V電源部250H(LVPS2)及び5V電源部250L(LVPS1)は、選択的に、画像読取部電源供給部258、画像形成部電源供給部260、ファクシミリ通信制御回路電源供給部264、UIタッチパネル電源供給部266に接続されている。
【0058】
画像読取部電源供給部258は、24V電源部250H(LVPS2)を入力源として、第2のサブ電源スイッチ268(以下、「SW−2」という場合がある。)を介して、画像読取部238に接続されている。
【0059】
画像形成部電源供給部260は、24V電源部250H(LVPS2)と5V電源部250L(LVPS1)を入力源として、第3のサブ電源スイッチ270(以下、「SW−3」という場合がある。)を介して、画像形成部240に接続されている。
【0060】
ファクシミリ通信制御回路電源供給部264は、24V電源部250H(LVPS2)と5V電源部250L(LVPS1)を入力源として、第4のサブ電源スイッチ274(以下、「SW−4」という場合がある。)を介して、ファクシミリ通信制御回路236及び画像形成部240に接続されている。
【0061】
UIタッチパネル電源供給部266は、5V電源部250L(LVPS1)と24V電源部250H(LVPS2)を入力源として、第5のサブ電源スイッチ276(以下、「SW−5」という場合がある。)を介して、UIタッチパネル216(バックライト部216BLを含む)に接続されている。なお、UIタッチパネル216の本来の機能(バックライト部216BLを除く機能)へは、節電中監視制御部24から電源を供給可能としてもよい。
【0062】
前記第2のサブ電源スイッチ268、第3のサブ電源スイッチ270、第4のサブ電源スイッチ274、第5のサブ電源スイッチ276は、それぞれ前記第1のサブ電源スイッチ256と同様に、メインコントローラ200の電源供給制御回路252からの電源供給選択信号に基づいて、オン・オフ制御される。図示していないが、24V電源部250Hと5V電源部250Lが供給されるスイッチや配線は、2系統で構成されている。また電源スイッチ268〜276は電源装置202でなく、電源供給先の各デバイス内に配置されても良い。
【0063】
或いは、電源スイッチ268〜276は、それぞれの電源供給部(画像読取部電源供給部258、画像形成部電源供給部260、ファクシミリ通信制御回路電源供給部264、UIタッチパネル電源供給部266)の上流側に配置されていてもよい。
【0064】
上記構成では、機能別に各デバイス(ファクシミリ通信制御回路236、画像読取部238、画像形成部240)を選択した電源を供給し、指示された機能に不要なデバイスへの電源を供給しないため、必要最小限の電力で済む。なお、電源スイッチ268〜276を上流側に配置する方が、他の構成よりも、より省エネ効果が向上される。
【0065】
前記画像形成部電源供給部260の下流側には、第3のサブ電源スイッチ270を介して、インターロック部14が接続されている。インターロック部14の詳細構成については後述する。なお、第3のサブ電源スイッチ270が前記画像形成部電源供給部260の上流側に配置された場合には、インターロック部14は、画像形成部電源供給部260の下流側に直接接続される。
【0066】
(画像処理装置の状態遷移のための監視制御)
ここで、第1の実施の形態のメインコントローラ200は、必要最小限の電力消費となるように、部分的にその機能を停止させる場合がある。或いは、メインコントローラ200の大部分を含め、電力の供給を停止させる場合がある。これらを総称して「スリープモード(節電モード)」という場合がある(図5参照)。
【0067】
スリープモードは、例えば、画像処理が終了した時点でシステムタイマを起動させることで移行可能である。すなわち、前記システムタイマが起動してから所定時間経過することで電力供給を停止させている。なお、所定時間が経過するまでに、何らかの操作(ハードキーの操作等)があれば、当然、スリープモードへのタイマカウントは中止され、次の画像処理終了時からシステムタイマが起動される。
【0068】
一方、上記スリープモード中において、常に電力の供給を受ける素子として、節電中監視制御部24がI/O210に接続されている。この節電中監視制御部24は、例えば、ASICと称される、自身で動作プログラムが格納され、当該動作プログラムで処理されるCPU,RAM,ROM等を備えたICチップ等で構成することができる。
【0069】
ところで、前記節電中の監視において、例えば、通信回線検出部からプリント要求などが来たり、FAX回線検出部からFAX受信要求が来ることで、節電中であったデバイスに対して、節電中監視制御部24では、電源供給制御回路252を介して、第1のサブ電源スイッチ256、第2のサブ電源スイッチ268、第3のサブ電源スイッチ270、第4のサブ電源スイッチ274、第5のサブ電源スイッチ276を制御することで、電力を供給を行なうことが前提である。
【0070】
また、メインコントローラ200のI/O210には、節電制御ボタン26(単に、「節電ボタン26」という場合がある。)が接続されており、節電中に使用者がこの節電制御ボタン26を操作することで、節電が解除可能となっている。なお、この節電制御ボタン26には、処理部に電力が供給されているときに操作されることで、当該処理部の電力供給を強制的に遮断し、節電状態にする機能を持たせてもよい。
【0071】
ここで、スリープモードで監視するためには、節電中監視制御部24以外に、節電制御ボタン26や各検出部には節電中に必要最小限の電力を供給しておくことが好ましい。すなわち、電力非供給状態であるスリープモードであっても、予め定めた電力以下(例えば、0.5W以下)であり電力供給を行うか否かの判別制御に必要な電力の供給を受ける場合がある。
【0072】
なお、スリープモードの特定の期間(図5に示すアウェイクモード(awk)において、UIタッチパネル216やICカードリーダー217等の入力系を主体とした必要最小限の電力供給を含む(バックライト部216BLを除く、或いは照度を通常よりも減らすことが好ましい)。
【0073】
ところで、スリープモード時に使用者が画像処理装置10の前に立ち、その後に節電制御ボタン26を操作して、電力供給を再開した場合、画像処理装置10が立ち上がるまでに時間を要する場合があった。
【0074】
そこで、第1の実施の形態では、前記節電中監視制御部24に、第1の人感センサ28、第2の人感センサ30を設置すると共に、スリープモードでは、使用者が節電解除ボタンを押す前に人感センサで検知して早期に電力供給を再開して、使用者が早く使えるようにした。なお、節電制御ボタン26と第1の人感センサ28、第2の人感センサ30とを併用しているが、第1の人感センサ28、第2の人感センサ30のみで全ての監視を行うことも可能である。
【0075】
第1の人感センサ28、第2の人感センサ30は、検出部28A、30Aと回路基板部28B、30Bとを備えており、回路基板部28B,30Bは、検出部28A、30Aで検出した信号の感度を調整したり、出力信号を生成する。
【0076】
なお、第1の人感センサ28、第2の人感センサ30は、「人感」としているが、これは、第1の実施の形態に則した固有名詞であり、少なくとも人が感知(検出)できればよく、言い換えれば、人以外の移動体の感知(検出)も含むものである。従って、以下において、人感センサの検出対象を「人」に言及する場合があるが、将来的には、人に代わって実行するロボット等も感知対象範囲である。なお、逆に、人と特定して感知できる特殊センサが存在する場合は、当該特殊センサを適用可能である。以下では、移動体、人、使用者等は、第1の人感センサ28、第2の人感センサ30が検出する対象として同義として扱い、必要に応じて区別することとする。
【0077】
第1の実施の形態に係る第1の人感センサ28の仕様は、画像処理装置10の周囲において、移動体の動きを検出するものである。この場合、焦電素子の焦電効果を用いた赤外線センサ等が代表的である(焦電型センサ)。第1の実施の形態では、第1の人感センサ28として焦電型センサを適用している。
【0078】
この第1の人感センサ28に適用された焦電素子の焦電効果を用いたセンサの最大の特徴は、検出領域が広いことである。また、移動体の動きを感知するため、検出領域内であって、人が静止していると、人の存在を検出しない。例えば、人の移動時にハイレベル信号が出力されている場合、検出範囲内の人が静止すると、当該信号がローレベル信号になるものである。
【0079】
なお、第1の実施の形態における「静止」とは、スチルカメラ等で撮影した静止画のように完全静止も当然含まれるが、例えば、人が画像処理装置10の前に操作を目的として立ち止まることを含むものとする。従って、予め定めた範囲の微動(呼吸に伴う動き等)や、手足、首等を動かすといった場合を静止の範疇とする。
【0080】
但し、人が画像処理装置10の前で、例えば画像形成や画像読取等の処理を待つ間、その場でストレッチ運動等を行うと、人感センサ28では、人の存在を検出する場合もある。
【0081】
従って、当該「静止」を定義して第1の人感センサ28の感度を調整するのではなく、感度は、比較的おおまか、かつ標準的に調整し、当該第1の人感センサ28の検出状態に依存するようにしてもよい。すなわち、第1の人感センサ28が二値信号の内の1つ(例えば、ハイレベル信号)を出力しているときは人が動いていることを示し、第2の第1の人感センサ28の検出領域内に人が存在し、かつ二値信号の内の他の1つ(例えば、ローレベル信号)が出力された場合を静止とすればよい。
【0082】
一方、第1の実施の形態に係る第2の人感センサ30の仕様は、移動体の有無(存在・不存在)を検出するものが適用されている。この第2の人感センサ30に適用されるセンサは、投光部と受光部とを備えた反射型センサ等が代表的である(反射型センサ)。なお、投光部と受光部とが分離された形態であってもよい。
【0083】
この第2の人感センサ30に適用された反射型センサ等の最大の特徴は、受光部に入る光を遮断する/しないによって移動体の有無を確実に検出することである。また、投光部から投光される光量等により、受光部へ入射する光量に制限があるため、比較的近距離が検出領域である。
【0084】
なお、第1の人感センサ28、第2の人感センサ30として、以下に示す機能をそれぞれ達成することが可能であれば、第1の人感センサ28として焦電型センサや、第2の人感センサ30として反射型センサに限定されるものではない。
【0085】
ここで、第1の実施の形態では、第1の人感センサ28と第2の人感センサ30により、最大検出範囲(例えば、図1の領域M)を2つの領域(図6の第1の領域Fと第2の領域N)を設定した。
【0086】
相対的に遠い検出領域である図6の第1の領域F(単に、「領域F」という場合がある)は、第1の人感センサ28による検出領域であり、遠隔移動体検出手段としての機能を有する。また、相対的に近い検出領域である図6の第2の領域N(単に、「領域N」という場合がある)は、第2の人感センサ30による検出領域であり、近接移動体検出手段としての機能を有する。
【0087】
第1の人感センサ28の検出領域(図6の第1の領域F参照)は、画像処理装置10が設置されている場所の環境にもよるが、目安として2〜3m程度である。一方、第2の人感センサ30の検出領域(図6の第2の領域N)参照)は、画像処理装置10のUIタッチパネル216やハードキーの操作が可能な範囲であり、目安として0〜0.5m程度である。
【0088】
図6に示される如く、移動体(使用者)と画像処理装置10との関係は、大きく分けて3形態あり、第1の形態は、人が画像処理装置10に対して、使用目的で操作可能位置まで近づいてくる形態(図6のA線矢視の動向(Aパターン)参照)、第2の形態は、人が処理装置を使用目的ではないが、操作可能位置まで近づいてくる形態(図6のB線矢視の動向(Bパターン)参照)、第3の形態は、人が処理装置の操作可能位置まで近づかないが、第1の形態、第2の形態に移行する可能性のある距離まできている形態(図6のC線矢視の動向(Cパターン)参照)。
【0089】
第1の実施の形態では、人の動向を少なくとも上記Aパターン〜Cパターンに区別することで、画像処理装置10の状態、特にスリープモードからの電力供給状態へ立ち上げ、或いは電力供給状態からスリープモードへの立ち下げを制御する。
【0090】
(インターロック部14の回路構成)
ここで、第1の実施の形態に係るインターロック部14について詳細に説明する。
【0091】
従来のインターロック部14の回路構成は、24V電源供給部250Hからの電力供給状態に依存して、電力供給状態で機械的動作を伴って接点が切り替わるリレースイッチの接点切り替えが発生していた。
【0092】
これに対して、第1の実施の形態では、このインターロック部14と前述したモード遷移(特に、「スリープモード」)との関係において、前記インターロック部14に設けられ、電力供給状態で機械的動作を伴って接点が切り替わるリレースイッチ(図7に示すリレースイッチRL2のスイッチ部104S参照)の動作を、スリープモード時の電力供給制御に関与させないようにしている。
【0093】
図7に示される如く、24V電源供給部250Hは、開閉検出スイッチSW1のコモン接点100Aに接続され、この開閉検出スイッチSW1の第1接点100BはリレースイッチRL2の二次側であるスイッチ部104Sの第1端子104Aに接続されている。なお、開閉検出スイッチSW1の第2接点100Cは開放(不使用)されている。
【0094】
リレースイッチRL2のスイッチ部104Sの両端には、電流制御回路106が接続されている。また、このスイッチ部104Sの第2端子104Bは負荷108に接続されている。なお、この負荷108は、前述した全ての処理部(図4に示す、画像読取部238、画像形成部240、ファクシミリ通信制御回路236、UIタッチパネル216等)を総称したものである。
【0095】
なお、この24V電源供給部250Hから負荷108までの配線を、電力供給配線110という。
【0096】
ここで、24V電源供給部250Hから負荷108までの電力供給配線110が導通開始された直後は、電流制御回路106によって、リレースイッチRL2のスイッチ部104Sへ突入電流が流れることを回避し、負荷108へは徐々に電流が増加するように電力が供給されるようになっている。
【0097】
前記リレースイッチRL2のスイッチ部104Sは、所謂ノーマリークローズタイプ(常態導通型)のスイッチであり、後述する一次側のコイル部112が非通電のときにオン、通電するとオフするようになっている。
【0098】
前記開閉スイッチSW1の上流側、すなわち、前記24V電源供給部250Hと開閉検出スイッチSW1との間の電力供給配線110からは分岐線(以下、「上流側分岐線114」という)が接続され、ダイオードCR4のアノード側に接続されている。ダイオードCR4のカソード側は、前記リレースイッチ102の一次側であるコイル部112の一端112Aに接続されている。
【0099】
コイル部112の他端112Bは、pnp型のスイッチングトランジスタQ1のエミッタ(E)に接続されている。このスイッチングトランジタQ1のコレクタ(C)は接地されている。また、コイル部112の一端112Aと他端112Bとの間には、前記一端112A側がカソード、他端112B側がアノードとなるようにダイオードCR2が介在されている。
【0100】
また、コイル部112の一端112Aは、直列に接続された抵抗R5及びコンデンサC3を介して接地されている。さらに、コイル部112の一端112Aは抵抗R6を介して接地されている。
【0101】
このコンデンサC3及びその周辺の回路は、予め定めた時定数を持っており、コイル部112を通電するときの遅延回路としての役目を有している。
【0102】
一方、前記開閉スイッチSW1の下流側、すなわち、当該開閉スイッチSW1とリレースイッチ102のスイッチ部104Sとの間の電力供給配線110からは分岐線(以下、「下流側分岐線116」という)が接続され、ダイオードCR3のアノード側に接続されている。また、ダイオードCR3のカソード側は、直列接続された抵抗R2、抵抗R3、抵抗R4を介して接地されている。
【0103】
さらに、前記抵抗R2と抵抗R3との間は、コンデンサC2を介して接地されている。また、抵抗R3と抵抗R4との間は、前記スイッチングトランジスタQ1のベース(B)に接続されている。このため、抵抗R3と抵抗R4とにより分圧された電圧が、前記スイッチングトランジスタQ1のオン・オフを制御する入力信号となる。なお、このベース(B)への入力信号がL信号のとき、スイッチングトランジスタQ1はオン(エミッタ(E)−コレクタ(C)間の導通)、ベース(B)への入力信号がH信号のとき、スイッチングトランジスタQ1はオフ(エミッタ−コレクタ間の非導通)となる。
【0104】
前記コンデンサC2及びその周辺の回路は、予め定めた時定数を持っており、スイッチングトランジスタQ1のベース(B)に入力信号を送出するときの遅延回路としての役目を有している。
【0105】
このコンデンサC2を中心とする遅延回路と、前記コンデンサC3を中心とする遅延回路との間には相関関係があり、例えば、コンデンサC3の放電時間よりもコンデンサC2の放電時間を長くし、コンデンサC3の放電によるリレースイッチRL2のコイル部104へ電流を流すことをスイッチングトランジスタQ1のベース(B)信号のH信号維持により回避している。
【0106】
以下、第1の実施の形態の作用を説明する。
【0107】
(画像処理装置10(デバイス)の電力供給制御のモード遷移)
まず、図5に基づき、画像処理装置10における、各モード状態と、当該モード状態の移行の契機となる事象を示したタイミングチャートを示す。
【0108】
画像処理装置10は、処理がなされていないと動作状態は、スリープモードとなり、第1の実施の形態では、節電中監視制御部24にのみ電力が供給されている。
【0109】
ここで、立ち上げ契機(立ち上げトリガの検出、或いはUIタッチパネル216等の操作入力(キー入力))があると、動作状態はウォームアップモードへ遷移する。
【0110】
なお、この立ち上げトリガ契機後は、依然としてスリープモードと定義し、UIタッチパネル216のみを起動するようにしてもよいし、或いは、UIタッチパネル216の起動によって、節電中監視制御部24のみの電力供給よりも電力供給量が増加するので、アウェイクモード「awk」(目覚めモード)として定義してもよい(図5の遷移図における、スリープモード範囲の括弧[ ]内参照)。このアウェイクモードでUIタッチパネル216等の操作入力(キー入力))があると、動作状態はウォームアップモードへ遷移する。
【0111】
前記立ち上げトリガとは、主として、第2の人感センサ30による検出結果に基づく信号や情報等がある。なお、操作者による節電解除操作も立ち上げトリガとしてもよい。
【0112】
ウォームアップモードは画像処理装置10を迅速に処理可能状態にもっていくため、各モードの内最大の電力消費量となるが、例えば、定着部におけるヒータとしてIHヒータを利用することによって、ハロゲンランプを用いたヒータよりもウォームアップモード時間は、比較的短い時間とされている。
【0113】
ウォームアップモードによる暖機運転が終了すると、画像処理装置10はスタンバイモードに遷移するようになっている。
【0114】
スタンバイモードは、文字通り「事に備えて準備が完了している」モードであり、画像処理装置10においては、画像処理の動作が即実行できる状態となっている。
【0115】
このため、キー入力としてジョブ実行操作があると、画像処理装置10の動作状態は、ランニングモードに遷移し、指示されたジョブに基づく画像処理が実行されるようになっている。
【0116】
画像処理が終了すると(連続した複数のジョブが待機している場合は、その連続したジョブの全てが終了したとき)、待機トリガによって画像処理装置10の動作状態はスタンバイモードへ遷移する。なお、画像処理後、システムタイマによる計時を開始し、予め定めた時間経過した後に待機トリガを出力し、スタンバイモードへ遷移するようにしてもよい。
【0117】
このスタンバイモード中にジョブ実行指示があれば、再度ランニングモードへ遷移し、立ち下げトリガの検出がある、或いは予め定めた時間が経過したとき、スリープモードへ遷移するようになっている。
【0118】
なお、立ち下げトリガとは、第2の人感センサ30による検出結果に基づく信号や情報等がある。なお、システムタイマを併用してもよい。
【0119】
また、画像処理装置10における実際の動作におけるモード状態の遷移が、全てこのタイミングチャートのとおり時系列で進行するものではない。例えば、ウォームアップモード後のスタンバイモードで処理が中止され、スリープモードへ移行する場合もある。
【0120】
ここで、電力の供給を受けて動作する各デバイスは、図5におけるスリープモードからアウェイクモード、ウォームアップモードを経てスタンバイモードへ遷移することで、それぞれの処理を即時に実行可能となる。
【0121】
このように、第1の実施の形態の画像処理装置10は、モードの間を相互に遷移しており、各モード毎に電力供給量が異なっている。
【0122】
第1の実施の形態の画像処理装置10では、予め定められた条件(例えば、人感センサ30による移動体(使用者)立ち去り情報、或いはシステムタイマのタイムアップによる立ち下げトリガ出力)が揃うと、スリープモードへ移行する。このスリープモードでは、ファクシミリ通信制御回路236、画像読取部238、画像形成部240の各デバイスのみならず、節電中監視制御部24を除くメインコントローラ200、並びにUIタッチパネル216に対しても電力供給を遮断する。この場合、メインコントローラ200に接続されている節電制御ボタン26の機能も停止されることが好ましい。このため、周囲から画像処理装置10を見ると、メイン電源スイッチが切られている状態とほぼ同等の状態となる。すなわち、スリープモードが確実に実行されていることが、周囲から確認可能な状態となる(「見える化」の実現)。
【0123】
画像処理装置10のデバイス(ファクシミリ通信制御回路236、画像読取部238、画像形成部240)に関しては、第1の人感センサ28及び第2の人感センサ30に基づき、省エネ性及び利便性という二律背反の目的を相互に考慮し、適正なモード遷移(特に、スリープモードからの立ち上げ、並びにスリープモードへの立ち下げ)を行っている。この場合、第1の人感センサ28及び第2の人感センサ30等の検出系については、常時、電力が供給される前提となっている。なお、第1の人感センサ28のみを常時電力供給対象とし、この第1の人感センサ28で移動体(使用者)を検出した時点で、第2の人感センサ30に電力を供給するようにしてもよい。
【0124】
ところで、インターロック部14の回路構成は、24V電源部250Hからの電力供給状態(ひいては、スリープモードで遮断される商用電源242)に依存して、電力供給状態で機械的動作を伴って接点が切り替わるリレースイッチの接点切り替えが発生する。現状のインターロック部14の回路構成では、スリープモードへの遷移並びにスリープモードからの立ち上げの回数分、リレースイッチRL2のスイッチ部104Sの動作が増加するため、第1の実施の形態では、スリープモード時の電力供給制御に関与させないような、インターロック部14の回路構成を構築した(図7参照)。
【0125】
(第1の実施の形態に係る、インターロック部14の動作)
以下、この図7の回路に基づく動作を、図8のタイミングチャートに基づいて説明する。なお、括弧付き数字「例えば、(1)等」は、図8の各所に付記した括弧付き数字と対応しており、当該付記点の動作時期である。
【0126】
24V電源部250Hから電力が供給されていないとき、リレースイッチRL2は、ノーマリークローズ型であるので、スイッチ部104Sはオンとなっている。
【0127】
(1) 24V電源部250Hから電力供給が開始されると、開閉検出スイッチSW1→リレースイッチRL2(+電流制御回路106)を通して、負荷108へ電力が供給される。このとき、電流制御回路106により突入電流は抑制される。
【0128】
負荷108に電力が供給されると、ダイオードCR3→抵抗R2を通り、コンデンサC2が充電される。また、負荷108に電力が供給されると、ダイオードCR4→抵抗R5を通り、コンデンサC3が充電される。
【0129】
コンデンサC3が飽和すると、リレースイッチRL2のコイル部112に電流が流れるが、その前に、コンデンサC2を飽和させることで、(2) スイッチングトランジスタQ1のベース(B)をH信号とし、前記スイッチングトランジスタQ1をオフにすれば、(3) リレースイッチRL2のコイル部112に電流が流れず、リレースイッチRL2のスイッチ部104Sはオンが維持され、負荷108への電力供給が継続される。
【0130】
ここで、(4) 筐体10Aの扉10Bが開放されると、開閉検出スイッチSW1がオフとなり、コンデンサC2の放電後、(5) スイッチングトランジスタQ1のベース(B)の信号がL信号となり、スイッチングトランジスタQ1はオンとなる。
【0131】
扉10Bが開放されても、ダイオードCR4→抵抗R5を通る回路は電流が流れているので、コンデンサC3の飽和が継続されており、(6) リレースイッチRL2のコイル部112に電流が流れ、リレースイッチRL2のスイッチ部104Sがオフとなる。
【0132】
次に、(7) 扉10Bが閉止されると、開閉検出スイッチSW1がオンとなり、電流制御回路106を介して負荷108に電力が供給され(突入電流防止)、コンデンサC2が充電を開始する。
【0133】
その後、コンデンサC2が飽和すると、(8) スイッチングトランジスタQ1のベース(B)信号がH信号となり、スイッチングトランジスタQ1はオフとなる。
【0134】
このスイッチングトランジスタQ1のオフにより、(9) リレースイッチRL2のコイル部112に電流が流れなくなり、リレースイッチRL2のスイッチ部104Sがオンとなって、負荷108へ電力が供給される。
【0135】
次に、(10) スリープ状態(開閉検出スイッチSW1オン、24V電源供給部250Hからの電力供給断(電源オフ))になると、コンデンサC2、コンデンサC3がそれぞれ放電される。
【0136】
ここで、コンデンサC3の放電時間よりも、コンデンサC2の放電時間を長くする時定数を設定することで、コンデンサC3の放電によるリレースイッチRL2のコイル部112へ電流を流すことを、スイッチングトランジスタQ1のベース(B)信号のH信号維持により回避し、コンデンサC3の放電後にコンデンサC2が放電されると、(11) スイッチングトランジスタQ1のベース(B)がL信号になって、スイッチングトランジスタQ1がオンになっても、(12) リレースイッチRL2のコイル部112に電流が流れず、(13) リレースイッチRL2のスイッチ部104Sをオン状態で維持できる。
【0137】
(14)〜(16) スリープ状態が解除されると、24V電源部250Hの電力供給断(電源オフ)から電力供給が開始(電源オン)され、前記(1)〜(3)と同様に動作して、負荷108へ電力が供給される。
【0138】
[第2の実施の形態]
以下に第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態では、前記第1の実施の形態と同一構成部分については同一の符号を付してその構成の説明を省略する。この第2の実施の形態の特徴は、図9に示すインターロック部14Aであり、従前のインターロック部の回路構成に、蓄電デバイスを追加することで、スリープモード時のリレースイッチの動作を回避するものである。
【0139】
(インターロック部14Aの回路構成)
図9に示される如く、24V電源部250Hは、リレースイッチRL1の二次側であるスイッチ部118Sの第1端子120Aに接続されている。リレースイッチRL1の第2端子120Bは、リレースイッチRL2の二次側であるスイッチ部104Sの第1端子104Aに接続されている。スイッチ部104Sの両端には、電流制御回路106が接続されている。
【0140】
また、このスイッチ部104Sの第2端子104Bは負荷108に接続されている。なお、この負荷108は、前述した全ての処理部(図4に示す、画像読取部238、画像形成部240、ファクシミリ通信制御回路236、UIタッチパネル216等)を総称したものである。
【0141】
なお、この24V電源部250Hからから負荷108までの配線を、電力供給配線110という。
【0142】
ここで、24V電源部250Hからから負荷108までの電力供給配線110が導通開始された直後は、電流制御回路106によって、リレースイッチRL1のスイッチ部118S及びリレースイッチRL2のスイッチ部104Sへ突入電流が流れることを回避し、負荷108へは徐々に電流が増加するように電力が供給されるようになっている。
【0143】
前記リレースイッチRL1のスイッチ部118S、並びにリレースイッチRL2のスイッチ部104Sは、それぞれ所謂ノーマリーオープンタイプ(常態非導通型)のスイッチであり、後述する一次側のコイル部122、コイル部112が非通電のときにオフ、通電するとオンするようになっている。
【0144】
ここで、24V電源部250HからとリレースイッチRL1との間の電力供給配線110には、蓄電デバイス124が並列接続されている。すなわち、電力供給配線110には2個の分岐点126、128が設けられ、分岐点126はダイオードCR3のアノード側に接続され、分岐点128はダイオードCR5のアノード側に接続されている。
【0145】
ダイオードCR3のカソード側は、蓄電デバイス124の一端に接続されている。また、この蓄電デバイス124の他端はダイオードCR4のアノードに接続されている。このダイオードCR4のカソードは、前記ダイオードCR5のカソードに接続されている。
【0146】
さらに、ダイオードCR4とダイオードCR5との間は、開閉検出スイッチSW1のコモン接点100Aに接続され、この開閉検出スイッチSW1の第1接点100Bは、抵抗R3を介して、リレースイッチRL1の一次側であるコイル部122の一端122Aに接続されている。なお、開閉検出スイッチSW1の第2接点100Cは開放(不使用)されている。
【0147】
リレースイッチRL1のコイル部122の他端122Bは、pnp型のスイッチングトランジスタQ3のエミッタ(E)に接続されている。このスイッチングトランジタQ3のコレクタ(C)は接地されている。また、コイル部122の一端122Aと他端122Bとの間には、前記一端122A側がカソード、他端122B側がアノードとなるようにダイオードCR1が介在されている。
【0148】
また、コイル部122の一端122Aは、直列に接続された抵抗R1及びコンデンサC1を介して、スイッチングトランジスタQ3のエミッタ(E)に接続されている。
【0149】
前記抵抗R1とコンデンサC1との間は、リレースイッチRL2の一次側であるコイル部112の一端112Aに接続されている。
【0150】
リレースイッチRL2のコイル部112の他端112Bは、前記スイッチングトランジスタQ3のエミッタ(E)に接続されている。また、コイル部112の一端112Aと他端112Bとの間には、前記一端112A側がカソード、他端112B側がアノードとなるようにダイオードCR2が介在されている。
【0151】
また、コイル部112の一端112Aは直列に接続された抵抗R2、コンデンサC2を介して、スイッチングトランジスタQ3のエミッタ(E)に接続されている。
【0152】
スイッチングトランジスタQ3のベース(B)は外部からのオン(L信号)・オフ(H信号)の指示信号が入力されるようになっており、当該ベース(B)にL信号が送出されると、スイッチングトランジスタQ3はオン(エミッタ(E)−コレクタ(C)間が導通)し、ベース(B)にH信号が送出されると、スイッチングトランジスタQ3はオフ(エミッタ(E)−コレクタ(C)間が非導通)となる。
【0153】
前記コンデンサC1を中心とする遅延回路と、前記コンデンサC2を中心とする遅延回路との間には相関関係がある。
【0154】
(第2の実施の形態に係る、インターロック部14の動作)
以下、この図9の回路に基づく動作を、図10のタイミングチャートに基づいて説明する。なお、括弧付き数字「例えば、(1)等」は、図10の各所に付記した括弧付き数字と対応しており、当該付記点の動作時期である。
【0155】
(1) 24V電源部250Hの電力供給断(電源オフ)状態では(2) 蓄電デバイス124は充電されておらず、(3) リレースイッチRL1のコイル部122、リレースイッチRL2のコイル部112共に非励磁となり、リレースイッチRL1のスイッチ部118S、リレースイッチRL2のスイッチ部104Sはオフしている。
【0156】
(4) 24V電源部250Hの電力供給が開始(電源オン)されると、(5) 蓄電デバイス124の充電が開始され、(6) 開閉検出スイッチSW1がオンしているので、コンデンサC1、コンデンサC2への充電が開始され、所定時間後、(7) リレースイッチRL1のコイル部122、リレースイッチRL2のコイル部112が励磁されて、リレースイッチRL1のスイッチ部118S、リレースイッチRL2のスイッチ部104Sがオンになり、(8) 負荷108へ電力が供給される。
【0157】
次に、筐体10Aの扉10Bが開放されると、(9) 開閉検出スイッチSW1がオフし、蓄電デバイス124からの電力供給も、ダイオードCR3,CR5により阻まれているので、コンデンサC1、コンデンサC2の放電後、(10) リレースイッチRL1のコイル部122、リレースイッチRL2のコイル部112への通電がなくなって非励磁となり、リレースイッチRL1のスイッチ部118S、リレースイッチRL2のスイッチ部104Sがオフして、(11) 負荷108への電力供給が遮断される。
【0158】
また、再び、扉10Bが閉止されると、(12) 開閉検出スイッチSW1がオンするので、電源オン時と同様にコンデンサC1、コンデンサC2への充電が開始され、所定時間後、リレースイッチRL1のコイル部122、リレースイッチRL2のコイル部112が励磁されて、リレースイッチRL1のスイッチ部118S、リレースイッチRL2のスイッチ部104Sがオンになり、(13) 負荷108へ電力が供給される。
【0159】
次に、(14) スリープモードになると、商用電源242の電力供給断により、24V電源供給部250Hからの電力供給もなくなるが、(15) 蓄電デバイス124からの電力供給がダイオードCR4を通して継続されるため、(16) リレースイッチRL1のコイル122、リレースイッチRL2のコイル部112の励磁が継続される。
【0160】
その結果、(17) リレースイッチRL1のスイッチ部118S、リレースイッチRL2のスイッチ部104Sはオンのままであるが、ダイオードCR3,CR5により、蓄電デバイス124の電力も負荷108へ供給されないため、スリープモード中は、(18) 負荷108への電力は非供給となる。
【0161】
[第3の実施の形態]
以下に第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態では、前記第1の実施の形態及び第2の実施の形態と同一構成部分については同一の符号を付してその構成の説明を省略する。
【0162】
第3の実施の形態の特徴は、図5に示すアウェイクモード時に電力供給されるデバイス(主として、UIタッチパネル216等であり、以下、「スタンバイデバイス」という場合がある。)を備えた負荷130と、ウォームアップモード以降で電力供給されるデバイス(主として、画像読取部238、画像形成部240、ファクシミリ通信制御回路236等であり、以下、「処理デバイス」という場合がある。)を備えた負荷132に分類したことにある。
【0163】
図11に示される如く、商用電源242は、第1のサブ電源スイッチ256を介して24V電源部250Hに接続されている。
【0164】
第1のサブ電源スイッチ256は、コイル部134とこのコイル部134の励磁、非励磁によってオン、オフするスイッチ部136が組み合わされたリレースイッチRL3であり、復帰信号によってコイル部134が励磁されることでスイッチ136がオンする。
【0165】
24V電源部250Hの出力は分岐され、一方はインターロック部136を介して負荷(処理デバイス)132に接続されている。インターロック部136は、例えば、図9に示す構造から、蓄電デバイス124と、ダイオードCR3、CR4、CR5が除かれた従前の構造であり、ここでの詳細構造の説明は省略するが、少なくとも機械的動作を伴って切替動作がなされるスイッチ(図9に示すRL1、RL2)が備えられている。
【0166】
また、24V電源部250Hの出力の他方は、蓄電デバイス138を介して、負荷(スタンバイデバイス)130に接続されている。
【0167】
上記構成により、スリープモードにおいても、その立ちがり直前のアウェイクモード時(図5参照)でのUIタッチパネル216等の負荷(スタンバイデバイス)130は、蓄電デバイス138に蓄電された電力が供給されて動作するため、例えば、UIデバイス216を操作したのち、再びスリープモードへ遷移するような場合、インターロック部136への通電がなく、不必要なインターロック部136に設けられた、「機械的動作を伴って切替動作がなされるスイッチ」の切替動作を抑制することができる。
【符号の説明】
【0168】
W 壁面
10 画像処理装置
20 ネットワーク通信回線網
21 PC
22 電話回線網
24 節電中監視制御部
26 節電制御ボタン
28 第1の人感センサ
30 第2の人感センサ
200 メインコントローラ
204 CPU
206 RAM
208 ROM
210 I/O(入出力部)
212 バス
214 UI制御回路
216 UIタッチパネル
217 ICカードリーダー
218 ハードディスク
220 タイマ回路
222 通信回線I/F
236 ファクシミリ通信制御回路
238 画像読取部
240 画像形成部
242 商用電源
243 配線プレート
244 入力電源線
245 コンセント
246 メインスイッチ
248 第1の電源部
250 第2の電源部
248A 制御用電源生成部
252 電源供給制御回路
254 電源線
256 第1のサブ電源スイッチ(「SW−1」)
250H 24V電源部(LVPS2)
250L 5V電源部(LVPS1)
258 画像読取部電源供給部
260 画像形成部電源供給部
266 ファクシミリ通信制御回路電源供給部
268 第2のサブ電源スイッチ(「SW−2」)
270 第3のサブ電源スイッチ(「SW−3」)
274 第4のサブ電源スイッチ(「SW−4」)
276 第6のサブ電源スイッチ(「SW−5」)
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力供給制御装置、画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像処理装置の筐体には、内部のメンテナンス等のために開放可能な扉が設けられている。ここで、前記扉が開放された場合、その開放を検出して画像処理装置の画像処理部、画像読取部等に代表される各デバイスへの電力供給を遮断するインターロックシステムが設けられている。インターロックシステムの一部として設けられる電力供給遮断のための手段は、耐圧等の観点から所謂機械的動作を伴う接点切替手段が適用される。接点切替手段は、例えばコイルを励磁することによって磁力で接点を接続又は遮断するリレースイッチが代表的である。
【0003】
上記インターロックシステムに関する先行技術として、特許文献1には、画像形成装置などの扉の開閉に伴って電源を切り替える際に、開いていた扉を閉じることによって装置を迅速に稼働状態にすることを可能にすることが提案されている。
【0004】
特許文献1では、AC(交流)入力とDC(直流)出力がされる第1直流電源と、AC入力と常時のDC出力がされる第2直流電源と、非常時電源要遮断部の要遮断動作に伴って前記第1直流電源へのAC入力を遮断するインターロック部と、負荷に対する電圧供給として前記第1直流電源のDC出力と第2直流電源のDC出力とを切り替える切替部と、前記切替部の切り替え制御する制御部とを有する。
【0005】
一方、画像処理装置の不使用時の電力消費を軽減するための技術として、特許文献2には、定着装置の使用からの所定時間が経過すると自動的に節電状態に移行する第1のタイマと、複合装置の操作又は外部からアクセスされたときの動作終了からの所定時間が経過すると自動的に電源オフ状態に移行する第2のタイマと、を持って制御することが提案されている。
【0006】
特許文献3では、複写機能、プリンタ機能及びファクシミリ機能のうち少なくとも2つの機能を備えた処理部を有し、選択された機能毎に処理部に対してオートシャット時間を設定可能とすることが提案されている。
【0007】
また、特許文献4には、人の接近を検知したことと操作部の操作指示履歴とを記録しておき、使用者か否かを判定する、或いは、使用者の検知により電力モードを切り替えることが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2010−262030号公報
【特許文献2】特開平2003−163769号公報
【特許文献3】特開平06−006496号公報
【特許文献4】特開2010−147725号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、節電のための電力遮断制御に伴う、インターロック部等に設けられた機械的動作を伴う接点切り替え動作を抑制することができる電力供給制御装置、画像処理装置を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に記載の発明は、一次側の回路として電源部から電力に基づいて電流が制御されるコイル部、二次側の回路として前記コイル部の通電状態に応じて機械的動作によって接点が切り替わる接点切替部を備え、前記電源部から負荷へ電力を供給するために設けられた電力供給配線を前記接点切替部の動作によって接続又は遮断するための継電器と、前記負荷及び前記継電器を対象として、前記電源部から電力を受ける電力供給状態、或いは前記電源部から電力の供給を受けない電力遮断状態に遷移させる電力供給状態遷移制御手段と、前記電力供給状態遷移制御手段による遷移制御に対する、前記継電器の接点切替部の機械的動作を制限する制限手段と、を有している。
【0011】
請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、前記制限手段が、前記電力供給状態遷移制御手段による遷移制御では、前記一次側の回路の電流の断続を変更させない。
【0012】
請求項3に記載の発明は、前記請求項1又は請求項2に記載の発明において、予め定められた状態を検出する状態検出手段をさらに有し、前記継電器は、前記状態検出手段における特定の状態の検出時に、前記コイルに電流を流すことで、前記接点切替部の接点切り替え動作により前記電力供給配線を接続し、前記状態検出手段における特定の状態の未検出時に、前記コイルへの電流を遮断することで、前記接点切替部の接点切り替え動作により前記電力供給配線を遮断する。
【0013】
請求項4に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、前記電力供給状態遷移制御手段による遷移制御で電力遮断状態となったとき、前記一次側の回路に対して、前記電源部からの電力供給を受けているときと同等の電力を供給する予備電源部をさらに有する。
【0014】
請求項5に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、前記負荷が、電力供給を受けて動作して、予め定められた処理を実行する複数の処理部と、当該複数の処理部に対して選択的に処理内容を少なくとも指示する指示部とに分類され、前記電源部からそれぞれの別々の電力供給配線によって接続されており、前記処理部への電力供給配線上には前記継電器の接点切替部が介在され、前記指示部への電力供給配線上には予備電源部が介在される。
【0015】
請求項6に記載の発明は、前記請求項4又は請求項5に記載の発明において、前記予備電源部が、前記電力供給状態遷移制御手段による遷移制御で電力供給状態中に充電される蓄電デバイスである。
【0016】
請求項7に記載の発明は、前記請求項1〜請求項6の何れか1項記載の発明において、前記負荷を基準とした周囲を検出領域として設置され前記負荷を使用する使用者を含む移動体が存在しているか否かを検出する移動体検出手段をさらに有し、前記移動体検出手段の検出結果を、電力供給状態遷移制御手段による電力供給状態及び電力遮断状態の遷移制御の契機とする。
【0017】
請求項8に記載の発明は、前記請求項7に記載の発明において、前記移動体検出手段が、相対的に広範囲を検出領域とする焦電型センサ、相対的に狭範囲を検出領域とする反射型センサの少なくとも一方である。
【0018】
請求項9に記載の発明は、前記請求項1〜請求項8の何れか1項記載の発明において、前記負荷が、電力供給を受けて動作して、予め定められた処理を実行する複数の処理部と、当該複数の処理部に対して選択的に処理内容を少なくとも指示する指示部とに分類され、前記電力遮断状態で遷移されるモードとして、前記移動体検出手段による検出結果を解析するための監視制御部に電力を供給するスリープモード、必要に応じて指示部に電力を供給するアウェイクモードを備え、前記電力供給状態で遷移されるモードとして、前記スリープモードから前記処理部を立ち上げるための準備段階であるウォームアップモード、前記処理部に対して定常時よりも下げて電力を供給しておくスタンバイモード、前記処理部に対して前記定常時の電力を供給するランニングモードを含む複数のモードを備え、処理状況に応じてモードを遷移する。
【0019】
請求項10に記載の発明は、前記請求項1〜請求項9の何れか1項記載の電力供給制御装置を備え、前記負荷が、原稿画像から画像を読み取る画像読取部、画像情報に基づいて記録用紙に画像を形成する画像形成部、予め相互に定められた通信手順の下で画像を送信先へ送信するファクシミリ通信制御部、使用者との情報の受付報知を行うユーザーインターフェイス部、使用者を識別するための使用者識別装置の少なくとも1つを含んでおり、使用者からの指示に基づいて、相互に連携しあって画像処理を実行する画像処理装置である。
【0020】
請求項11に記載の発明は、相反する状態に応じて、電源部から負荷まで配線された電力供給配線を導通又は非導通状態とする状態スイッチと(開閉検出スイッチSW1)、前記負荷の使用状態に関する情報に基づいて、当該負荷が不使用のとき、前記電源部からの電力供給を中断して、前記負荷への電力供給を断つことで節電する節電手段と(スリープモード遷移制御)、前記状態スイッチの下流側から分岐された下流側分岐線の電流が入力信号となって動作するスイッチング素子と(トランジスタQ1)、前記状態スイッチの上流側から分岐された上流側分岐線から電力供給を受ける共に前記スイッチ素子を含んだ回路の一部として設けられたコイル及び前記状態スイッチよりも下流側の電力供給配線上に介在され前記コイルが非通電状態でオンする常態導通型スイッチを備えた継電器と(リレースイッチRL2)、前記継電器の常態導通型スイッチと並列接続され、前記負荷への電力供給開始時の電流を制限して突入電流を抑制する電流制御回路部と(電流制御回路)、前記上流側分岐線の電流に対する前記入力信号の出力時期を調整する第1の遅延回路(コンデンサC1)、並びに前記スイッチング素子の導通状態に対する前記コイルの通電時期を調整する第2の遅延回路(コンデンサC2)を備え、前記第1の遅延回路と第2の遅延回路に設定する時定数を相関させ、少なくとも前記節電手段による節電中は前記継電器の常態導通型スイッチの導通を維持する導通維持手段と(リレースイッチRL2を制御するコイルを含む回路の動作全般)、を有している。
【発明の効果】
【0021】
請求項1に記載の発明によれば、節電のための電力遮断制御に伴う、インターロック部等に設けられた機械的動作を伴う接点切り替え動作を抑制することができる。
【0022】
請求項2に記載の発明によれば、電力供給状態の遷移制御と、接点切り替え動作の契機となる一次側の回路を、電力供給状態の遷移制御の対象外とすることができる。
【0023】
請求項3に記載の発明によれば、定常状態(状態検出手段における特定の状態の未検出状態)では、一次側の回路の電流が遮断されているので、電力供給状態の遷移制御によって電力遮断状態となっても影響を受けない。
【0024】
請求項4に記載の発明によれば、電力遮断状態では、継電器が予備電源部から電力供給を受けるので、電力供給状態の遷移制御の対象外とすることができる。
【0025】
請求項5に記載の発明によれば、継電器の接点切替頻度を軽減することができる。
【0026】
請求項6に記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比べて構造を簡単にすることができる。
【0027】
請求項7に記載の発明によれば、電力供給状態の遷移制御の利便性を省エネ性を両立することができる。
【0028】
請求項8に記載の発明によれば、移動体検出センサによる使用者とそれ以外との判別精度高めることができる。
【0029】
請求項9に記載の発明によれば、モード単位で電力供給状態の遷移制御をすることができる。
【0030】
請求項10及び請求項11に記載の発明によれば、節電のための電力遮断制御に伴う、インターロック部等に設けられた機械的動作を伴う接点切り替え動作を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】第1の実施の形態に係る画像処理装置を含む通信回線網接続図である。
【図2】第1の実施の形態に係る画像処理装置の概略図である。
【図3】第1の実施の形態に係る画像処理装置の制御系の構成を示すブロック図である。
【図4】第1の実施の形態に係るメインコントローラと電源装置の制御系を機能別に概略図である。
【図5】画像処理装置における、各モード状態と、当該モード状態の移行の契機となる事象を示したタイミングチャートである。
【図6】第1の実施の形態にかかり、画像処理装置及びその周辺示す平面図である。
【図7】第1の実施の形態に係るインターロック部の回路構成図である。
【図8】第1の実施の形態に係るインターロック部の動作状態を示すタイミングチャートである。
【図9】第2の実施の形態に係るインターロック部の回路構成図である。
【図10】第2の実施の形態に係るインターロック部の動作状態を示すタイミングチャートである。
【図11】第3の実施の形態に係るインターロック部及びその周辺の電力供給制御のためのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
[第1の実施の形態]
(画像処理装置の構成)
図1に示される如く、第1の実施の形態に係る画像処理装置10は、インターネット等のネットワーク通信回線網20に接続されている。図1では、2台の画像処理装置10が接続されているが、この数は限定されるものではなく、1台でもよいし、3台以上であってもよい。
【0033】
また、このネットワーク通信回線網20には、情報端末機器としての複数のPC(パーソナルコンピュータ)21が接続されている。図1では、2台のPC21が接続されているが、この数は限定されるものではなく、1台でもよいし、3台以上であってもよい。また、情報端末機器としては、PC21に限定されるものではなく、さらには有線接続である必要もない。すなわち、無線によって情報を送受信する通信回線網であってもよい。
【0034】
図1に示される如く、画像処理装置10では、PC21から当該画像処理装置10に対して、遠隔で、例えばデータを転送して画像形成(プリント)指示操作を行なう場合、或いは使用者(ユーザー)が画像処理装置10の前に立ち、各種操作によって、例えば、複写(コピー)、スキャン(画像読取)、ファクシミリ送受信等の処理を指示する場合がある。
【0035】
図2には、第1の実施の形態に係る画像処理装置10が示されている。
【0036】
画像処理装置10は、筐体10Aによって覆われており、適宜個所に開閉可能な扉が設けられている。一例として、図2の前面の扉10Bを図示するが、例えば、左右の側面にも扉が存在する場合がある。この扉10Bは、例えば、紙詰まり、消耗品の交換、定期点検等、装置内部に作業者が手を差し延べて作業する場合に開放されるものであり、通常処理中は閉止されている。
【0037】
この扉10Bの開閉動作軌跡上には、当該扉10Bの開閉状態を検出する開閉検出スイッチSW1が設けられている。この開閉検出スイッチSW1は、図4に示すインターロック部14の一部を構成している。詳細は後述するが、インターロック部14では、前記開閉検出スイッチSW1からの出力信号に基づいて、前記扉10Bが開放されたことを判別すると、24V電源部250H(図4参照)から一部の負荷(例えば、画像形成部240)への電力供給を遮断するようになっている。なお、24V電源部250Hからの出力を全て遮断する構成としてもよい。
【0038】
画像処理装置10は、記録用紙に画像を形成する画像形成部240と、原稿画像を読み取る画像読取部238と、ファクシミリ通信制御回路236を備えている。画像処理装置10は、メインコントローラ200を備えており、画像形成部240、画像読取部238、ファクシミリ通信制御回路236を制御して、画像読取部238で読み取った原稿画像の画像データを一次的に記憶したり、読み取った画像データを画像形成部240又はファクシミリ通信制御回路236へ送出したりする。
【0039】
メインコントローラ200にはインターネット等のネットワーク通信回線網20が接続され、ファクシミリ通信制御回路236には電話回線網22が接続されている。メインコントローラ200は、例えば、ネットワーク通信回線網20を介してホストコンピュータと接続され、画像データを受信したり、ファクシミリ通信制御回路236を介して電話回線網22を用いてファクシミリ受信及びファクシミリ送信を実行する役目を有している。
【0040】
画像読取部238は、原稿を位置決めする原稿台と、原稿台に置かれた原稿の画像を走査して光を照射する走査駆動系と、走査駆動系の走査により反射又は透過する光を受光して電気信号に変換するCCD等の光電変換素子と、が設けられている。
【0041】
画像形成部240は、感光体を備え、感光体の周囲には、感光体を一様に帯電する帯電装置と、画像データに基づいて光ビームを走査する走査露光部と、前記走査露光部によって走査露光されることで形成された静電潜像を現像する画像現像部と、現像化された感光体上の画像を記録用紙へ転写する転写部と、転写後の感光体の表面をクリーニングするクリーニング部と、が設けられている。また、記録用紙の搬送経路上には、転写後の記録用紙上の画像を定着する定着部を備えている。
【0042】
画像処理装置10には、入力電源線244の先端にコンセント245が取り付けられており、壁面Wまで配線された商用電源242の配線プレート243に、当該コンセント245を差し込むことで、画像処理装置10は、商用電源242から、電力の供給を受けるようになっている。
【0043】
(画像処理装置の制御系ハード構成)
図3は、画像処理装置10の制御系のハード構成の概略図である。
【0044】
ネットワーク回線網20は、メインコントローラ200に接続されている。メインコントローラ200には、それぞれ、データバスやコントロールバス等のバス33A〜33Dを介して、ファクシミリ通信制御回路236、画像読取部238、画像形成部240、UIタッチパネル216が接続されている。すなわち、このメインコントローラ200が主体となって、画像処理装置10の各処理部が制御されるようになっている。なお、UIタイッチパネル216には、UIタッチパネル用バックライト部(図4参照)が取り付けられている場合がある。
【0045】
また、画像処理装置10は、電源装置202を備えており、メインコントローラ200とはバス33Eで接続されている。電源装置202は、商用電源242から電力の供給を受けている。電源装置202では、メインコントローラ200、ファクシミリ通信制御回路236、画像読取部238、画像形成部240、UIタッチパネル216のそれぞれに対して独立して電力を供給する電力供給線35A〜35Dが設けられている。このため、メインコントローラ200では、各処理部(デバイス)に対して個別に電力供給(電力供給モード)、或いは電力供給遮断(スリープモード)し、所謂部分節電制御を可能としている。
【0046】
また、メインコントローラ200には、2個の第1の人感センサ28、第2の人感センサ30が接続されており、画像処理装置10の周囲の人の有無を監視している。この第1の人感センサ28、第2の人感センサ30については後述する。
【0047】
(部分節電構成を主体とした機能ブロック図)
図4は、前記メインコントローラ200によって制御される処理部(「デバイス」、「モジュール」等と称する場合もある)、並びにメインコントローラ200、並びに各デバイスへ電源を供給するための電源装置202の電源ラインを主体とした概略構成図である。第1の実施の形態では、画像処理装置10が処理部単位で電力供給又は非供給が可能でとなっている(部分節電)。
【0048】
なお、処理部単位の部分節電は一例であり、処理部をいくつかのグループに分類しグループ単位で節電の制御を行ってもよいし、処理部を一括して節電の制御を行ってもよい。
【0049】
[メインコントローラ200]
図4に示される如く、メインコントローラ200は、CPU204、RAM206、ROM208、I/O(入出力部)210、及びこれらを接続するデータバスやコントロールバス等のバス212を有している。I/O210には、UI制御回路214を介してUIタッチパネル216(バックライト部216BLを含む)が接続されている。また、I/O210には、ハードディスク(HDD)218が接続されている。ROM208やハードディスク218等に記録されているプログラムに基づいて、CPU204が動作することによって、メインコントローラ200の機能を実現する。なお、該プログラムを格納した記録媒体(CD−ROM、DVD−ROM等)から該プログラムをインストールし、これに基づいてCPU204が動作することにより画像処理機能を実現してもよい。
【0050】
I/O210には、タイマ回路220、通信回線I/F222が接続されている。さらに、I/O210には、ファクシミリ通信制御回路(モデム)236、画像読取部238、画像形成部240の各デバイスに接続されている。
【0051】
なお、前記タイマ回路220は、前記ファクシミリ通信制御回路236、画像読取部238、画像形成部240を節電状態(電源非供給状態)とするための契機として、初期設定時間の計時を行うものである(以下、「システムタイマ」という場合がある)。
【0052】
メインコントローラ200及び各デバイス(ファクシミリ通信制御回路236、画像読取部238、画像形成部240)は、電源装置202から電源が供給される(図4の点線参照)。なお、図4では、電源線を1本の線(点線)で示しているが、実際には2本〜3本の配線である。
【0053】
[電源装置202]
図4に示される如く、商用電源242から引き込まれた入力電源線244は、メインスイッチ246に接続されている。メインスイッチ246がオンされることで、第1の電源部248及び第2の電源部250へ電力供給が可能となる。
【0054】
第1の電源部248は、制御用電源生成部248Aを備え、メインコントローラ200の電源供給制御回路252に接続されている。電源供給制御回路252は、メインコントローラ200に電源供給すると共に、I/O210に接続され、メインコントローラ200の制御プログラムに従って、前記各デバイス(ファクシミリ通信制御回路236、画像読取部238、画像形成部240)への電源供給線を導通/非導通させるためのスイッチング制御を行う。
【0055】
一方、第2の電源部250へ接続される電源線254には、第1のサブ電源スイッチ256(以下、「SW−1」という場合がある。)が介在されている。このSW−1は、前記電源供給制御回路252で、オン・オフが制御されるようになっている。
【0056】
また、第2の電源部250は、24V電源部250H(LVPS2)と5V電源部250L(LVPS1)を備えている。24V電源部250H(LVPS2)は主としてモーター等で使用される電源である。
【0057】
第2の電源部250の24V電源部250H(LVPS2)及び5V電源部250L(LVPS1)は、選択的に、画像読取部電源供給部258、画像形成部電源供給部260、ファクシミリ通信制御回路電源供給部264、UIタッチパネル電源供給部266に接続されている。
【0058】
画像読取部電源供給部258は、24V電源部250H(LVPS2)を入力源として、第2のサブ電源スイッチ268(以下、「SW−2」という場合がある。)を介して、画像読取部238に接続されている。
【0059】
画像形成部電源供給部260は、24V電源部250H(LVPS2)と5V電源部250L(LVPS1)を入力源として、第3のサブ電源スイッチ270(以下、「SW−3」という場合がある。)を介して、画像形成部240に接続されている。
【0060】
ファクシミリ通信制御回路電源供給部264は、24V電源部250H(LVPS2)と5V電源部250L(LVPS1)を入力源として、第4のサブ電源スイッチ274(以下、「SW−4」という場合がある。)を介して、ファクシミリ通信制御回路236及び画像形成部240に接続されている。
【0061】
UIタッチパネル電源供給部266は、5V電源部250L(LVPS1)と24V電源部250H(LVPS2)を入力源として、第5のサブ電源スイッチ276(以下、「SW−5」という場合がある。)を介して、UIタッチパネル216(バックライト部216BLを含む)に接続されている。なお、UIタッチパネル216の本来の機能(バックライト部216BLを除く機能)へは、節電中監視制御部24から電源を供給可能としてもよい。
【0062】
前記第2のサブ電源スイッチ268、第3のサブ電源スイッチ270、第4のサブ電源スイッチ274、第5のサブ電源スイッチ276は、それぞれ前記第1のサブ電源スイッチ256と同様に、メインコントローラ200の電源供給制御回路252からの電源供給選択信号に基づいて、オン・オフ制御される。図示していないが、24V電源部250Hと5V電源部250Lが供給されるスイッチや配線は、2系統で構成されている。また電源スイッチ268〜276は電源装置202でなく、電源供給先の各デバイス内に配置されても良い。
【0063】
或いは、電源スイッチ268〜276は、それぞれの電源供給部(画像読取部電源供給部258、画像形成部電源供給部260、ファクシミリ通信制御回路電源供給部264、UIタッチパネル電源供給部266)の上流側に配置されていてもよい。
【0064】
上記構成では、機能別に各デバイス(ファクシミリ通信制御回路236、画像読取部238、画像形成部240)を選択した電源を供給し、指示された機能に不要なデバイスへの電源を供給しないため、必要最小限の電力で済む。なお、電源スイッチ268〜276を上流側に配置する方が、他の構成よりも、より省エネ効果が向上される。
【0065】
前記画像形成部電源供給部260の下流側には、第3のサブ電源スイッチ270を介して、インターロック部14が接続されている。インターロック部14の詳細構成については後述する。なお、第3のサブ電源スイッチ270が前記画像形成部電源供給部260の上流側に配置された場合には、インターロック部14は、画像形成部電源供給部260の下流側に直接接続される。
【0066】
(画像処理装置の状態遷移のための監視制御)
ここで、第1の実施の形態のメインコントローラ200は、必要最小限の電力消費となるように、部分的にその機能を停止させる場合がある。或いは、メインコントローラ200の大部分を含め、電力の供給を停止させる場合がある。これらを総称して「スリープモード(節電モード)」という場合がある(図5参照)。
【0067】
スリープモードは、例えば、画像処理が終了した時点でシステムタイマを起動させることで移行可能である。すなわち、前記システムタイマが起動してから所定時間経過することで電力供給を停止させている。なお、所定時間が経過するまでに、何らかの操作(ハードキーの操作等)があれば、当然、スリープモードへのタイマカウントは中止され、次の画像処理終了時からシステムタイマが起動される。
【0068】
一方、上記スリープモード中において、常に電力の供給を受ける素子として、節電中監視制御部24がI/O210に接続されている。この節電中監視制御部24は、例えば、ASICと称される、自身で動作プログラムが格納され、当該動作プログラムで処理されるCPU,RAM,ROM等を備えたICチップ等で構成することができる。
【0069】
ところで、前記節電中の監視において、例えば、通信回線検出部からプリント要求などが来たり、FAX回線検出部からFAX受信要求が来ることで、節電中であったデバイスに対して、節電中監視制御部24では、電源供給制御回路252を介して、第1のサブ電源スイッチ256、第2のサブ電源スイッチ268、第3のサブ電源スイッチ270、第4のサブ電源スイッチ274、第5のサブ電源スイッチ276を制御することで、電力を供給を行なうことが前提である。
【0070】
また、メインコントローラ200のI/O210には、節電制御ボタン26(単に、「節電ボタン26」という場合がある。)が接続されており、節電中に使用者がこの節電制御ボタン26を操作することで、節電が解除可能となっている。なお、この節電制御ボタン26には、処理部に電力が供給されているときに操作されることで、当該処理部の電力供給を強制的に遮断し、節電状態にする機能を持たせてもよい。
【0071】
ここで、スリープモードで監視するためには、節電中監視制御部24以外に、節電制御ボタン26や各検出部には節電中に必要最小限の電力を供給しておくことが好ましい。すなわち、電力非供給状態であるスリープモードであっても、予め定めた電力以下(例えば、0.5W以下)であり電力供給を行うか否かの判別制御に必要な電力の供給を受ける場合がある。
【0072】
なお、スリープモードの特定の期間(図5に示すアウェイクモード(awk)において、UIタッチパネル216やICカードリーダー217等の入力系を主体とした必要最小限の電力供給を含む(バックライト部216BLを除く、或いは照度を通常よりも減らすことが好ましい)。
【0073】
ところで、スリープモード時に使用者が画像処理装置10の前に立ち、その後に節電制御ボタン26を操作して、電力供給を再開した場合、画像処理装置10が立ち上がるまでに時間を要する場合があった。
【0074】
そこで、第1の実施の形態では、前記節電中監視制御部24に、第1の人感センサ28、第2の人感センサ30を設置すると共に、スリープモードでは、使用者が節電解除ボタンを押す前に人感センサで検知して早期に電力供給を再開して、使用者が早く使えるようにした。なお、節電制御ボタン26と第1の人感センサ28、第2の人感センサ30とを併用しているが、第1の人感センサ28、第2の人感センサ30のみで全ての監視を行うことも可能である。
【0075】
第1の人感センサ28、第2の人感センサ30は、検出部28A、30Aと回路基板部28B、30Bとを備えており、回路基板部28B,30Bは、検出部28A、30Aで検出した信号の感度を調整したり、出力信号を生成する。
【0076】
なお、第1の人感センサ28、第2の人感センサ30は、「人感」としているが、これは、第1の実施の形態に則した固有名詞であり、少なくとも人が感知(検出)できればよく、言い換えれば、人以外の移動体の感知(検出)も含むものである。従って、以下において、人感センサの検出対象を「人」に言及する場合があるが、将来的には、人に代わって実行するロボット等も感知対象範囲である。なお、逆に、人と特定して感知できる特殊センサが存在する場合は、当該特殊センサを適用可能である。以下では、移動体、人、使用者等は、第1の人感センサ28、第2の人感センサ30が検出する対象として同義として扱い、必要に応じて区別することとする。
【0077】
第1の実施の形態に係る第1の人感センサ28の仕様は、画像処理装置10の周囲において、移動体の動きを検出するものである。この場合、焦電素子の焦電効果を用いた赤外線センサ等が代表的である(焦電型センサ)。第1の実施の形態では、第1の人感センサ28として焦電型センサを適用している。
【0078】
この第1の人感センサ28に適用された焦電素子の焦電効果を用いたセンサの最大の特徴は、検出領域が広いことである。また、移動体の動きを感知するため、検出領域内であって、人が静止していると、人の存在を検出しない。例えば、人の移動時にハイレベル信号が出力されている場合、検出範囲内の人が静止すると、当該信号がローレベル信号になるものである。
【0079】
なお、第1の実施の形態における「静止」とは、スチルカメラ等で撮影した静止画のように完全静止も当然含まれるが、例えば、人が画像処理装置10の前に操作を目的として立ち止まることを含むものとする。従って、予め定めた範囲の微動(呼吸に伴う動き等)や、手足、首等を動かすといった場合を静止の範疇とする。
【0080】
但し、人が画像処理装置10の前で、例えば画像形成や画像読取等の処理を待つ間、その場でストレッチ運動等を行うと、人感センサ28では、人の存在を検出する場合もある。
【0081】
従って、当該「静止」を定義して第1の人感センサ28の感度を調整するのではなく、感度は、比較的おおまか、かつ標準的に調整し、当該第1の人感センサ28の検出状態に依存するようにしてもよい。すなわち、第1の人感センサ28が二値信号の内の1つ(例えば、ハイレベル信号)を出力しているときは人が動いていることを示し、第2の第1の人感センサ28の検出領域内に人が存在し、かつ二値信号の内の他の1つ(例えば、ローレベル信号)が出力された場合を静止とすればよい。
【0082】
一方、第1の実施の形態に係る第2の人感センサ30の仕様は、移動体の有無(存在・不存在)を検出するものが適用されている。この第2の人感センサ30に適用されるセンサは、投光部と受光部とを備えた反射型センサ等が代表的である(反射型センサ)。なお、投光部と受光部とが分離された形態であってもよい。
【0083】
この第2の人感センサ30に適用された反射型センサ等の最大の特徴は、受光部に入る光を遮断する/しないによって移動体の有無を確実に検出することである。また、投光部から投光される光量等により、受光部へ入射する光量に制限があるため、比較的近距離が検出領域である。
【0084】
なお、第1の人感センサ28、第2の人感センサ30として、以下に示す機能をそれぞれ達成することが可能であれば、第1の人感センサ28として焦電型センサや、第2の人感センサ30として反射型センサに限定されるものではない。
【0085】
ここで、第1の実施の形態では、第1の人感センサ28と第2の人感センサ30により、最大検出範囲(例えば、図1の領域M)を2つの領域(図6の第1の領域Fと第2の領域N)を設定した。
【0086】
相対的に遠い検出領域である図6の第1の領域F(単に、「領域F」という場合がある)は、第1の人感センサ28による検出領域であり、遠隔移動体検出手段としての機能を有する。また、相対的に近い検出領域である図6の第2の領域N(単に、「領域N」という場合がある)は、第2の人感センサ30による検出領域であり、近接移動体検出手段としての機能を有する。
【0087】
第1の人感センサ28の検出領域(図6の第1の領域F参照)は、画像処理装置10が設置されている場所の環境にもよるが、目安として2〜3m程度である。一方、第2の人感センサ30の検出領域(図6の第2の領域N)参照)は、画像処理装置10のUIタッチパネル216やハードキーの操作が可能な範囲であり、目安として0〜0.5m程度である。
【0088】
図6に示される如く、移動体(使用者)と画像処理装置10との関係は、大きく分けて3形態あり、第1の形態は、人が画像処理装置10に対して、使用目的で操作可能位置まで近づいてくる形態(図6のA線矢視の動向(Aパターン)参照)、第2の形態は、人が処理装置を使用目的ではないが、操作可能位置まで近づいてくる形態(図6のB線矢視の動向(Bパターン)参照)、第3の形態は、人が処理装置の操作可能位置まで近づかないが、第1の形態、第2の形態に移行する可能性のある距離まできている形態(図6のC線矢視の動向(Cパターン)参照)。
【0089】
第1の実施の形態では、人の動向を少なくとも上記Aパターン〜Cパターンに区別することで、画像処理装置10の状態、特にスリープモードからの電力供給状態へ立ち上げ、或いは電力供給状態からスリープモードへの立ち下げを制御する。
【0090】
(インターロック部14の回路構成)
ここで、第1の実施の形態に係るインターロック部14について詳細に説明する。
【0091】
従来のインターロック部14の回路構成は、24V電源供給部250Hからの電力供給状態に依存して、電力供給状態で機械的動作を伴って接点が切り替わるリレースイッチの接点切り替えが発生していた。
【0092】
これに対して、第1の実施の形態では、このインターロック部14と前述したモード遷移(特に、「スリープモード」)との関係において、前記インターロック部14に設けられ、電力供給状態で機械的動作を伴って接点が切り替わるリレースイッチ(図7に示すリレースイッチRL2のスイッチ部104S参照)の動作を、スリープモード時の電力供給制御に関与させないようにしている。
【0093】
図7に示される如く、24V電源供給部250Hは、開閉検出スイッチSW1のコモン接点100Aに接続され、この開閉検出スイッチSW1の第1接点100BはリレースイッチRL2の二次側であるスイッチ部104Sの第1端子104Aに接続されている。なお、開閉検出スイッチSW1の第2接点100Cは開放(不使用)されている。
【0094】
リレースイッチRL2のスイッチ部104Sの両端には、電流制御回路106が接続されている。また、このスイッチ部104Sの第2端子104Bは負荷108に接続されている。なお、この負荷108は、前述した全ての処理部(図4に示す、画像読取部238、画像形成部240、ファクシミリ通信制御回路236、UIタッチパネル216等)を総称したものである。
【0095】
なお、この24V電源供給部250Hから負荷108までの配線を、電力供給配線110という。
【0096】
ここで、24V電源供給部250Hから負荷108までの電力供給配線110が導通開始された直後は、電流制御回路106によって、リレースイッチRL2のスイッチ部104Sへ突入電流が流れることを回避し、負荷108へは徐々に電流が増加するように電力が供給されるようになっている。
【0097】
前記リレースイッチRL2のスイッチ部104Sは、所謂ノーマリークローズタイプ(常態導通型)のスイッチであり、後述する一次側のコイル部112が非通電のときにオン、通電するとオフするようになっている。
【0098】
前記開閉スイッチSW1の上流側、すなわち、前記24V電源供給部250Hと開閉検出スイッチSW1との間の電力供給配線110からは分岐線(以下、「上流側分岐線114」という)が接続され、ダイオードCR4のアノード側に接続されている。ダイオードCR4のカソード側は、前記リレースイッチ102の一次側であるコイル部112の一端112Aに接続されている。
【0099】
コイル部112の他端112Bは、pnp型のスイッチングトランジスタQ1のエミッタ(E)に接続されている。このスイッチングトランジタQ1のコレクタ(C)は接地されている。また、コイル部112の一端112Aと他端112Bとの間には、前記一端112A側がカソード、他端112B側がアノードとなるようにダイオードCR2が介在されている。
【0100】
また、コイル部112の一端112Aは、直列に接続された抵抗R5及びコンデンサC3を介して接地されている。さらに、コイル部112の一端112Aは抵抗R6を介して接地されている。
【0101】
このコンデンサC3及びその周辺の回路は、予め定めた時定数を持っており、コイル部112を通電するときの遅延回路としての役目を有している。
【0102】
一方、前記開閉スイッチSW1の下流側、すなわち、当該開閉スイッチSW1とリレースイッチ102のスイッチ部104Sとの間の電力供給配線110からは分岐線(以下、「下流側分岐線116」という)が接続され、ダイオードCR3のアノード側に接続されている。また、ダイオードCR3のカソード側は、直列接続された抵抗R2、抵抗R3、抵抗R4を介して接地されている。
【0103】
さらに、前記抵抗R2と抵抗R3との間は、コンデンサC2を介して接地されている。また、抵抗R3と抵抗R4との間は、前記スイッチングトランジスタQ1のベース(B)に接続されている。このため、抵抗R3と抵抗R4とにより分圧された電圧が、前記スイッチングトランジスタQ1のオン・オフを制御する入力信号となる。なお、このベース(B)への入力信号がL信号のとき、スイッチングトランジスタQ1はオン(エミッタ(E)−コレクタ(C)間の導通)、ベース(B)への入力信号がH信号のとき、スイッチングトランジスタQ1はオフ(エミッタ−コレクタ間の非導通)となる。
【0104】
前記コンデンサC2及びその周辺の回路は、予め定めた時定数を持っており、スイッチングトランジスタQ1のベース(B)に入力信号を送出するときの遅延回路としての役目を有している。
【0105】
このコンデンサC2を中心とする遅延回路と、前記コンデンサC3を中心とする遅延回路との間には相関関係があり、例えば、コンデンサC3の放電時間よりもコンデンサC2の放電時間を長くし、コンデンサC3の放電によるリレースイッチRL2のコイル部104へ電流を流すことをスイッチングトランジスタQ1のベース(B)信号のH信号維持により回避している。
【0106】
以下、第1の実施の形態の作用を説明する。
【0107】
(画像処理装置10(デバイス)の電力供給制御のモード遷移)
まず、図5に基づき、画像処理装置10における、各モード状態と、当該モード状態の移行の契機となる事象を示したタイミングチャートを示す。
【0108】
画像処理装置10は、処理がなされていないと動作状態は、スリープモードとなり、第1の実施の形態では、節電中監視制御部24にのみ電力が供給されている。
【0109】
ここで、立ち上げ契機(立ち上げトリガの検出、或いはUIタッチパネル216等の操作入力(キー入力))があると、動作状態はウォームアップモードへ遷移する。
【0110】
なお、この立ち上げトリガ契機後は、依然としてスリープモードと定義し、UIタッチパネル216のみを起動するようにしてもよいし、或いは、UIタッチパネル216の起動によって、節電中監視制御部24のみの電力供給よりも電力供給量が増加するので、アウェイクモード「awk」(目覚めモード)として定義してもよい(図5の遷移図における、スリープモード範囲の括弧[ ]内参照)。このアウェイクモードでUIタッチパネル216等の操作入力(キー入力))があると、動作状態はウォームアップモードへ遷移する。
【0111】
前記立ち上げトリガとは、主として、第2の人感センサ30による検出結果に基づく信号や情報等がある。なお、操作者による節電解除操作も立ち上げトリガとしてもよい。
【0112】
ウォームアップモードは画像処理装置10を迅速に処理可能状態にもっていくため、各モードの内最大の電力消費量となるが、例えば、定着部におけるヒータとしてIHヒータを利用することによって、ハロゲンランプを用いたヒータよりもウォームアップモード時間は、比較的短い時間とされている。
【0113】
ウォームアップモードによる暖機運転が終了すると、画像処理装置10はスタンバイモードに遷移するようになっている。
【0114】
スタンバイモードは、文字通り「事に備えて準備が完了している」モードであり、画像処理装置10においては、画像処理の動作が即実行できる状態となっている。
【0115】
このため、キー入力としてジョブ実行操作があると、画像処理装置10の動作状態は、ランニングモードに遷移し、指示されたジョブに基づく画像処理が実行されるようになっている。
【0116】
画像処理が終了すると(連続した複数のジョブが待機している場合は、その連続したジョブの全てが終了したとき)、待機トリガによって画像処理装置10の動作状態はスタンバイモードへ遷移する。なお、画像処理後、システムタイマによる計時を開始し、予め定めた時間経過した後に待機トリガを出力し、スタンバイモードへ遷移するようにしてもよい。
【0117】
このスタンバイモード中にジョブ実行指示があれば、再度ランニングモードへ遷移し、立ち下げトリガの検出がある、或いは予め定めた時間が経過したとき、スリープモードへ遷移するようになっている。
【0118】
なお、立ち下げトリガとは、第2の人感センサ30による検出結果に基づく信号や情報等がある。なお、システムタイマを併用してもよい。
【0119】
また、画像処理装置10における実際の動作におけるモード状態の遷移が、全てこのタイミングチャートのとおり時系列で進行するものではない。例えば、ウォームアップモード後のスタンバイモードで処理が中止され、スリープモードへ移行する場合もある。
【0120】
ここで、電力の供給を受けて動作する各デバイスは、図5におけるスリープモードからアウェイクモード、ウォームアップモードを経てスタンバイモードへ遷移することで、それぞれの処理を即時に実行可能となる。
【0121】
このように、第1の実施の形態の画像処理装置10は、モードの間を相互に遷移しており、各モード毎に電力供給量が異なっている。
【0122】
第1の実施の形態の画像処理装置10では、予め定められた条件(例えば、人感センサ30による移動体(使用者)立ち去り情報、或いはシステムタイマのタイムアップによる立ち下げトリガ出力)が揃うと、スリープモードへ移行する。このスリープモードでは、ファクシミリ通信制御回路236、画像読取部238、画像形成部240の各デバイスのみならず、節電中監視制御部24を除くメインコントローラ200、並びにUIタッチパネル216に対しても電力供給を遮断する。この場合、メインコントローラ200に接続されている節電制御ボタン26の機能も停止されることが好ましい。このため、周囲から画像処理装置10を見ると、メイン電源スイッチが切られている状態とほぼ同等の状態となる。すなわち、スリープモードが確実に実行されていることが、周囲から確認可能な状態となる(「見える化」の実現)。
【0123】
画像処理装置10のデバイス(ファクシミリ通信制御回路236、画像読取部238、画像形成部240)に関しては、第1の人感センサ28及び第2の人感センサ30に基づき、省エネ性及び利便性という二律背反の目的を相互に考慮し、適正なモード遷移(特に、スリープモードからの立ち上げ、並びにスリープモードへの立ち下げ)を行っている。この場合、第1の人感センサ28及び第2の人感センサ30等の検出系については、常時、電力が供給される前提となっている。なお、第1の人感センサ28のみを常時電力供給対象とし、この第1の人感センサ28で移動体(使用者)を検出した時点で、第2の人感センサ30に電力を供給するようにしてもよい。
【0124】
ところで、インターロック部14の回路構成は、24V電源部250Hからの電力供給状態(ひいては、スリープモードで遮断される商用電源242)に依存して、電力供給状態で機械的動作を伴って接点が切り替わるリレースイッチの接点切り替えが発生する。現状のインターロック部14の回路構成では、スリープモードへの遷移並びにスリープモードからの立ち上げの回数分、リレースイッチRL2のスイッチ部104Sの動作が増加するため、第1の実施の形態では、スリープモード時の電力供給制御に関与させないような、インターロック部14の回路構成を構築した(図7参照)。
【0125】
(第1の実施の形態に係る、インターロック部14の動作)
以下、この図7の回路に基づく動作を、図8のタイミングチャートに基づいて説明する。なお、括弧付き数字「例えば、(1)等」は、図8の各所に付記した括弧付き数字と対応しており、当該付記点の動作時期である。
【0126】
24V電源部250Hから電力が供給されていないとき、リレースイッチRL2は、ノーマリークローズ型であるので、スイッチ部104Sはオンとなっている。
【0127】
(1) 24V電源部250Hから電力供給が開始されると、開閉検出スイッチSW1→リレースイッチRL2(+電流制御回路106)を通して、負荷108へ電力が供給される。このとき、電流制御回路106により突入電流は抑制される。
【0128】
負荷108に電力が供給されると、ダイオードCR3→抵抗R2を通り、コンデンサC2が充電される。また、負荷108に電力が供給されると、ダイオードCR4→抵抗R5を通り、コンデンサC3が充電される。
【0129】
コンデンサC3が飽和すると、リレースイッチRL2のコイル部112に電流が流れるが、その前に、コンデンサC2を飽和させることで、(2) スイッチングトランジスタQ1のベース(B)をH信号とし、前記スイッチングトランジスタQ1をオフにすれば、(3) リレースイッチRL2のコイル部112に電流が流れず、リレースイッチRL2のスイッチ部104Sはオンが維持され、負荷108への電力供給が継続される。
【0130】
ここで、(4) 筐体10Aの扉10Bが開放されると、開閉検出スイッチSW1がオフとなり、コンデンサC2の放電後、(5) スイッチングトランジスタQ1のベース(B)の信号がL信号となり、スイッチングトランジスタQ1はオンとなる。
【0131】
扉10Bが開放されても、ダイオードCR4→抵抗R5を通る回路は電流が流れているので、コンデンサC3の飽和が継続されており、(6) リレースイッチRL2のコイル部112に電流が流れ、リレースイッチRL2のスイッチ部104Sがオフとなる。
【0132】
次に、(7) 扉10Bが閉止されると、開閉検出スイッチSW1がオンとなり、電流制御回路106を介して負荷108に電力が供給され(突入電流防止)、コンデンサC2が充電を開始する。
【0133】
その後、コンデンサC2が飽和すると、(8) スイッチングトランジスタQ1のベース(B)信号がH信号となり、スイッチングトランジスタQ1はオフとなる。
【0134】
このスイッチングトランジスタQ1のオフにより、(9) リレースイッチRL2のコイル部112に電流が流れなくなり、リレースイッチRL2のスイッチ部104Sがオンとなって、負荷108へ電力が供給される。
【0135】
次に、(10) スリープ状態(開閉検出スイッチSW1オン、24V電源供給部250Hからの電力供給断(電源オフ))になると、コンデンサC2、コンデンサC3がそれぞれ放電される。
【0136】
ここで、コンデンサC3の放電時間よりも、コンデンサC2の放電時間を長くする時定数を設定することで、コンデンサC3の放電によるリレースイッチRL2のコイル部112へ電流を流すことを、スイッチングトランジスタQ1のベース(B)信号のH信号維持により回避し、コンデンサC3の放電後にコンデンサC2が放電されると、(11) スイッチングトランジスタQ1のベース(B)がL信号になって、スイッチングトランジスタQ1がオンになっても、(12) リレースイッチRL2のコイル部112に電流が流れず、(13) リレースイッチRL2のスイッチ部104Sをオン状態で維持できる。
【0137】
(14)〜(16) スリープ状態が解除されると、24V電源部250Hの電力供給断(電源オフ)から電力供給が開始(電源オン)され、前記(1)〜(3)と同様に動作して、負荷108へ電力が供給される。
【0138】
[第2の実施の形態]
以下に第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態では、前記第1の実施の形態と同一構成部分については同一の符号を付してその構成の説明を省略する。この第2の実施の形態の特徴は、図9に示すインターロック部14Aであり、従前のインターロック部の回路構成に、蓄電デバイスを追加することで、スリープモード時のリレースイッチの動作を回避するものである。
【0139】
(インターロック部14Aの回路構成)
図9に示される如く、24V電源部250Hは、リレースイッチRL1の二次側であるスイッチ部118Sの第1端子120Aに接続されている。リレースイッチRL1の第2端子120Bは、リレースイッチRL2の二次側であるスイッチ部104Sの第1端子104Aに接続されている。スイッチ部104Sの両端には、電流制御回路106が接続されている。
【0140】
また、このスイッチ部104Sの第2端子104Bは負荷108に接続されている。なお、この負荷108は、前述した全ての処理部(図4に示す、画像読取部238、画像形成部240、ファクシミリ通信制御回路236、UIタッチパネル216等)を総称したものである。
【0141】
なお、この24V電源部250Hからから負荷108までの配線を、電力供給配線110という。
【0142】
ここで、24V電源部250Hからから負荷108までの電力供給配線110が導通開始された直後は、電流制御回路106によって、リレースイッチRL1のスイッチ部118S及びリレースイッチRL2のスイッチ部104Sへ突入電流が流れることを回避し、負荷108へは徐々に電流が増加するように電力が供給されるようになっている。
【0143】
前記リレースイッチRL1のスイッチ部118S、並びにリレースイッチRL2のスイッチ部104Sは、それぞれ所謂ノーマリーオープンタイプ(常態非導通型)のスイッチであり、後述する一次側のコイル部122、コイル部112が非通電のときにオフ、通電するとオンするようになっている。
【0144】
ここで、24V電源部250HからとリレースイッチRL1との間の電力供給配線110には、蓄電デバイス124が並列接続されている。すなわち、電力供給配線110には2個の分岐点126、128が設けられ、分岐点126はダイオードCR3のアノード側に接続され、分岐点128はダイオードCR5のアノード側に接続されている。
【0145】
ダイオードCR3のカソード側は、蓄電デバイス124の一端に接続されている。また、この蓄電デバイス124の他端はダイオードCR4のアノードに接続されている。このダイオードCR4のカソードは、前記ダイオードCR5のカソードに接続されている。
【0146】
さらに、ダイオードCR4とダイオードCR5との間は、開閉検出スイッチSW1のコモン接点100Aに接続され、この開閉検出スイッチSW1の第1接点100Bは、抵抗R3を介して、リレースイッチRL1の一次側であるコイル部122の一端122Aに接続されている。なお、開閉検出スイッチSW1の第2接点100Cは開放(不使用)されている。
【0147】
リレースイッチRL1のコイル部122の他端122Bは、pnp型のスイッチングトランジスタQ3のエミッタ(E)に接続されている。このスイッチングトランジタQ3のコレクタ(C)は接地されている。また、コイル部122の一端122Aと他端122Bとの間には、前記一端122A側がカソード、他端122B側がアノードとなるようにダイオードCR1が介在されている。
【0148】
また、コイル部122の一端122Aは、直列に接続された抵抗R1及びコンデンサC1を介して、スイッチングトランジスタQ3のエミッタ(E)に接続されている。
【0149】
前記抵抗R1とコンデンサC1との間は、リレースイッチRL2の一次側であるコイル部112の一端112Aに接続されている。
【0150】
リレースイッチRL2のコイル部112の他端112Bは、前記スイッチングトランジスタQ3のエミッタ(E)に接続されている。また、コイル部112の一端112Aと他端112Bとの間には、前記一端112A側がカソード、他端112B側がアノードとなるようにダイオードCR2が介在されている。
【0151】
また、コイル部112の一端112Aは直列に接続された抵抗R2、コンデンサC2を介して、スイッチングトランジスタQ3のエミッタ(E)に接続されている。
【0152】
スイッチングトランジスタQ3のベース(B)は外部からのオン(L信号)・オフ(H信号)の指示信号が入力されるようになっており、当該ベース(B)にL信号が送出されると、スイッチングトランジスタQ3はオン(エミッタ(E)−コレクタ(C)間が導通)し、ベース(B)にH信号が送出されると、スイッチングトランジスタQ3はオフ(エミッタ(E)−コレクタ(C)間が非導通)となる。
【0153】
前記コンデンサC1を中心とする遅延回路と、前記コンデンサC2を中心とする遅延回路との間には相関関係がある。
【0154】
(第2の実施の形態に係る、インターロック部14の動作)
以下、この図9の回路に基づく動作を、図10のタイミングチャートに基づいて説明する。なお、括弧付き数字「例えば、(1)等」は、図10の各所に付記した括弧付き数字と対応しており、当該付記点の動作時期である。
【0155】
(1) 24V電源部250Hの電力供給断(電源オフ)状態では(2) 蓄電デバイス124は充電されておらず、(3) リレースイッチRL1のコイル部122、リレースイッチRL2のコイル部112共に非励磁となり、リレースイッチRL1のスイッチ部118S、リレースイッチRL2のスイッチ部104Sはオフしている。
【0156】
(4) 24V電源部250Hの電力供給が開始(電源オン)されると、(5) 蓄電デバイス124の充電が開始され、(6) 開閉検出スイッチSW1がオンしているので、コンデンサC1、コンデンサC2への充電が開始され、所定時間後、(7) リレースイッチRL1のコイル部122、リレースイッチRL2のコイル部112が励磁されて、リレースイッチRL1のスイッチ部118S、リレースイッチRL2のスイッチ部104Sがオンになり、(8) 負荷108へ電力が供給される。
【0157】
次に、筐体10Aの扉10Bが開放されると、(9) 開閉検出スイッチSW1がオフし、蓄電デバイス124からの電力供給も、ダイオードCR3,CR5により阻まれているので、コンデンサC1、コンデンサC2の放電後、(10) リレースイッチRL1のコイル部122、リレースイッチRL2のコイル部112への通電がなくなって非励磁となり、リレースイッチRL1のスイッチ部118S、リレースイッチRL2のスイッチ部104Sがオフして、(11) 負荷108への電力供給が遮断される。
【0158】
また、再び、扉10Bが閉止されると、(12) 開閉検出スイッチSW1がオンするので、電源オン時と同様にコンデンサC1、コンデンサC2への充電が開始され、所定時間後、リレースイッチRL1のコイル部122、リレースイッチRL2のコイル部112が励磁されて、リレースイッチRL1のスイッチ部118S、リレースイッチRL2のスイッチ部104Sがオンになり、(13) 負荷108へ電力が供給される。
【0159】
次に、(14) スリープモードになると、商用電源242の電力供給断により、24V電源供給部250Hからの電力供給もなくなるが、(15) 蓄電デバイス124からの電力供給がダイオードCR4を通して継続されるため、(16) リレースイッチRL1のコイル122、リレースイッチRL2のコイル部112の励磁が継続される。
【0160】
その結果、(17) リレースイッチRL1のスイッチ部118S、リレースイッチRL2のスイッチ部104Sはオンのままであるが、ダイオードCR3,CR5により、蓄電デバイス124の電力も負荷108へ供給されないため、スリープモード中は、(18) 負荷108への電力は非供給となる。
【0161】
[第3の実施の形態]
以下に第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態では、前記第1の実施の形態及び第2の実施の形態と同一構成部分については同一の符号を付してその構成の説明を省略する。
【0162】
第3の実施の形態の特徴は、図5に示すアウェイクモード時に電力供給されるデバイス(主として、UIタッチパネル216等であり、以下、「スタンバイデバイス」という場合がある。)を備えた負荷130と、ウォームアップモード以降で電力供給されるデバイス(主として、画像読取部238、画像形成部240、ファクシミリ通信制御回路236等であり、以下、「処理デバイス」という場合がある。)を備えた負荷132に分類したことにある。
【0163】
図11に示される如く、商用電源242は、第1のサブ電源スイッチ256を介して24V電源部250Hに接続されている。
【0164】
第1のサブ電源スイッチ256は、コイル部134とこのコイル部134の励磁、非励磁によってオン、オフするスイッチ部136が組み合わされたリレースイッチRL3であり、復帰信号によってコイル部134が励磁されることでスイッチ136がオンする。
【0165】
24V電源部250Hの出力は分岐され、一方はインターロック部136を介して負荷(処理デバイス)132に接続されている。インターロック部136は、例えば、図9に示す構造から、蓄電デバイス124と、ダイオードCR3、CR4、CR5が除かれた従前の構造であり、ここでの詳細構造の説明は省略するが、少なくとも機械的動作を伴って切替動作がなされるスイッチ(図9に示すRL1、RL2)が備えられている。
【0166】
また、24V電源部250Hの出力の他方は、蓄電デバイス138を介して、負荷(スタンバイデバイス)130に接続されている。
【0167】
上記構成により、スリープモードにおいても、その立ちがり直前のアウェイクモード時(図5参照)でのUIタッチパネル216等の負荷(スタンバイデバイス)130は、蓄電デバイス138に蓄電された電力が供給されて動作するため、例えば、UIデバイス216を操作したのち、再びスリープモードへ遷移するような場合、インターロック部136への通電がなく、不必要なインターロック部136に設けられた、「機械的動作を伴って切替動作がなされるスイッチ」の切替動作を抑制することができる。
【符号の説明】
【0168】
W 壁面
10 画像処理装置
20 ネットワーク通信回線網
21 PC
22 電話回線網
24 節電中監視制御部
26 節電制御ボタン
28 第1の人感センサ
30 第2の人感センサ
200 メインコントローラ
204 CPU
206 RAM
208 ROM
210 I/O(入出力部)
212 バス
214 UI制御回路
216 UIタッチパネル
217 ICカードリーダー
218 ハードディスク
220 タイマ回路
222 通信回線I/F
236 ファクシミリ通信制御回路
238 画像読取部
240 画像形成部
242 商用電源
243 配線プレート
244 入力電源線
245 コンセント
246 メインスイッチ
248 第1の電源部
250 第2の電源部
248A 制御用電源生成部
252 電源供給制御回路
254 電源線
256 第1のサブ電源スイッチ(「SW−1」)
250H 24V電源部(LVPS2)
250L 5V電源部(LVPS1)
258 画像読取部電源供給部
260 画像形成部電源供給部
266 ファクシミリ通信制御回路電源供給部
268 第2のサブ電源スイッチ(「SW−2」)
270 第3のサブ電源スイッチ(「SW−3」)
274 第4のサブ電源スイッチ(「SW−4」)
276 第6のサブ電源スイッチ(「SW−5」)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一次側の回路として電源部から電力に基づいて電流が制御されるコイル部、二次側の回路として前記コイル部の通電状態に応じて機械的動作によって接点が切り替わる接点切替部を備え、前記電源部から負荷へ電力を供給するために設けられた電力供給配線を前記接点切替部の動作によって接続又は遮断するための継電器と、
前記負荷及び前記継電器を対象として、前記電源部から電力を受ける電力供給状態、或いは前記電源部から電力の供給を受けない電力遮断状態に遷移させる電力供給状態遷移制御手段と、
前記電力供給状態遷移制御手段による遷移制御に対する、前記継電器の接点切替部の機械的動作を制限する制限手段と、
を有する電力供給制御装置。
【請求項2】
前記制限手段が、前記電力供給状態遷移制御手段による遷移制御では、前記一次側の回路の電流の断続を変更させない請求項1記載の電力供給制御装置。
【請求項3】
予め定められた状態を検出する状態検出手段をさらに有し、
前記継電器は、前記状態検出手段における特定の状態の検出時に、前記コイルに電流を流すことで、前記接点切替部の接点切り替え動作により前記電力供給配線を接続し、
前記状態検出手段における特定の状態の未検出時に、前記コイルへの電流を遮断することで、前記接点切替部の接点切り替え動作により前記電力供給配線を遮断する請求項1又は請求項2記載の電力供給制御装置。
【請求項4】
前記電力供給状態遷移制御手段による遷移制御で電力遮断状態となったとき、前記一次側の回路に対して、前記電源部からの電力供給を受けているときと同等の電力を供給する予備電源部をさらに有する請求項1記載の電力供給制御装置。
【請求項5】
前記負荷が、電力供給を受けて動作して、予め定められた処理を実行する複数の処理部と、当該複数の処理部に対して選択的に処理内容を少なくとも指示する指示部とに分類され、前記電源部からそれぞれの別々の電力供給配線によって接続されており、
前記処理部への電力供給配線上には前記継電器の接点切替部が介在され、前記指示部への電力供給配線上には予備電源部が介在される請求項1記載の電力供給制御装置。
【請求項6】
前記予備電源部が、前記電力供給状態遷移制御手段による遷移制御で電力供給状態中に充電される蓄電デバイスである請求項4又は請求項5記載の電力供給制御装置。
【請求項7】
前記負荷を基準とした周囲を検出領域として設置され前記負荷を使用する使用者を含む移動体が存在しているか否かを検出する移動体検出手段をさらに有し、
前記移動体検出手段の検出結果を、電力供給状態遷移制御手段による電力供給状態及び電力遮断状態の遷移制御の契機とする請求項1〜請求項6の何れか1項記載の電力供給制御装置。
【請求項8】
前記移動体検出手段が、相対的に広範囲を検出領域とする焦電型センサ、相対的に狭範囲を検出領域とする反射型センサの少なくとも一方である請求項7記載の電力供給制御装置。
【請求項9】
前記負荷が、電力供給を受けて動作して、予め定められた処理を実行する複数の処理部と、当該複数の処理部に対して選択的に処理内容を少なくとも指示する指示部とに分類され、
前記電力遮断状態で遷移されるモードとして、前記移動体検出手段による検出結果を解析するための監視制御部に電力を供給するスリープモード、必要に応じて指示部に電力を供給するアウェイクモードを備え、
前記電力供給状態で遷移されるモードとして、前記スリープモードから前記処理部を立ち上げるための準備段階であるウォームアップモード、前記処理部に対して定常時よりも下げて電力を供給しておくスタンバイモード、前記処理部に対して前記定常時の電力を供給するランニングモードを含む複数のモードを備え、
処理状況に応じてモードを遷移する請求項1〜請求項8の何れか1項記載の電力供給制御装置。
【請求項10】
前記請求項1〜請求項9の何れか1項記載の電力供給制御装置を備え、前記負荷が、原稿画像から画像を読み取る画像読取部、画像情報に基づいて記録用紙に画像を形成する画像形成部、予め相互に定められた通信手順の下で画像を送信先へ送信するファクシミリ通信制御部、使用者との情報の受付報知を行うユーザーインターフェイス部、使用者を識別するための使用者識別装置の少なくとも1つを含んでおり、使用者からの指示に基づいて、相互に連携しあって画像処理を実行する画像処理装置。
【請求項11】
相反する状態に応じて、電源部から負荷まで配線された電力供給配線を導通又は非導通状態とする状態スイッチと、
前記負荷の使用状態に関する情報に基づいて、当該負荷が不使用のとき、前記電源部からの電力供給を中断して、前記負荷への電力供給を断つことで節電する節電手段と、
前記状態スイッチの下流側から分岐された下流側分岐線の電流が入力信号となって動作するスイッチング素子と、
前記状態スイッチの上流側から分岐された上流側分岐線から電力供給を受ける共に前記スイッチ素子を含んだ回路の一部として設けられたコイル及び前記状態スイッチよりも下流側の電力供給配線上に介在され前記コイルが非通電状態でオンする常態導通型スイッチを備えた継電器と、
前記継電器の常態導通型スイッチと並列接続され、前記負荷への電力供給開始時の電流を制限して突入電流を抑制する電流制御回路部と、
前記上流側分岐線の電流に対する前記入力信号の出力時期を調整する第1の遅延回路、並びに前記スイッチング素子の導通状態に対する前記コイルの通電時期を調整する第2の遅延回路を備え、前記第1の遅延回路と第2の遅延回路に設定する時定数を相関させ、少なくとも前記節電手段による節電中は前記継電器の常態導通型スイッチの導通を維持する導通維持手段と、
を有する画像処理装置。
【請求項1】
一次側の回路として電源部から電力に基づいて電流が制御されるコイル部、二次側の回路として前記コイル部の通電状態に応じて機械的動作によって接点が切り替わる接点切替部を備え、前記電源部から負荷へ電力を供給するために設けられた電力供給配線を前記接点切替部の動作によって接続又は遮断するための継電器と、
前記負荷及び前記継電器を対象として、前記電源部から電力を受ける電力供給状態、或いは前記電源部から電力の供給を受けない電力遮断状態に遷移させる電力供給状態遷移制御手段と、
前記電力供給状態遷移制御手段による遷移制御に対する、前記継電器の接点切替部の機械的動作を制限する制限手段と、
を有する電力供給制御装置。
【請求項2】
前記制限手段が、前記電力供給状態遷移制御手段による遷移制御では、前記一次側の回路の電流の断続を変更させない請求項1記載の電力供給制御装置。
【請求項3】
予め定められた状態を検出する状態検出手段をさらに有し、
前記継電器は、前記状態検出手段における特定の状態の検出時に、前記コイルに電流を流すことで、前記接点切替部の接点切り替え動作により前記電力供給配線を接続し、
前記状態検出手段における特定の状態の未検出時に、前記コイルへの電流を遮断することで、前記接点切替部の接点切り替え動作により前記電力供給配線を遮断する請求項1又は請求項2記載の電力供給制御装置。
【請求項4】
前記電力供給状態遷移制御手段による遷移制御で電力遮断状態となったとき、前記一次側の回路に対して、前記電源部からの電力供給を受けているときと同等の電力を供給する予備電源部をさらに有する請求項1記載の電力供給制御装置。
【請求項5】
前記負荷が、電力供給を受けて動作して、予め定められた処理を実行する複数の処理部と、当該複数の処理部に対して選択的に処理内容を少なくとも指示する指示部とに分類され、前記電源部からそれぞれの別々の電力供給配線によって接続されており、
前記処理部への電力供給配線上には前記継電器の接点切替部が介在され、前記指示部への電力供給配線上には予備電源部が介在される請求項1記載の電力供給制御装置。
【請求項6】
前記予備電源部が、前記電力供給状態遷移制御手段による遷移制御で電力供給状態中に充電される蓄電デバイスである請求項4又は請求項5記載の電力供給制御装置。
【請求項7】
前記負荷を基準とした周囲を検出領域として設置され前記負荷を使用する使用者を含む移動体が存在しているか否かを検出する移動体検出手段をさらに有し、
前記移動体検出手段の検出結果を、電力供給状態遷移制御手段による電力供給状態及び電力遮断状態の遷移制御の契機とする請求項1〜請求項6の何れか1項記載の電力供給制御装置。
【請求項8】
前記移動体検出手段が、相対的に広範囲を検出領域とする焦電型センサ、相対的に狭範囲を検出領域とする反射型センサの少なくとも一方である請求項7記載の電力供給制御装置。
【請求項9】
前記負荷が、電力供給を受けて動作して、予め定められた処理を実行する複数の処理部と、当該複数の処理部に対して選択的に処理内容を少なくとも指示する指示部とに分類され、
前記電力遮断状態で遷移されるモードとして、前記移動体検出手段による検出結果を解析するための監視制御部に電力を供給するスリープモード、必要に応じて指示部に電力を供給するアウェイクモードを備え、
前記電力供給状態で遷移されるモードとして、前記スリープモードから前記処理部を立ち上げるための準備段階であるウォームアップモード、前記処理部に対して定常時よりも下げて電力を供給しておくスタンバイモード、前記処理部に対して前記定常時の電力を供給するランニングモードを含む複数のモードを備え、
処理状況に応じてモードを遷移する請求項1〜請求項8の何れか1項記載の電力供給制御装置。
【請求項10】
前記請求項1〜請求項9の何れか1項記載の電力供給制御装置を備え、前記負荷が、原稿画像から画像を読み取る画像読取部、画像情報に基づいて記録用紙に画像を形成する画像形成部、予め相互に定められた通信手順の下で画像を送信先へ送信するファクシミリ通信制御部、使用者との情報の受付報知を行うユーザーインターフェイス部、使用者を識別するための使用者識別装置の少なくとも1つを含んでおり、使用者からの指示に基づいて、相互に連携しあって画像処理を実行する画像処理装置。
【請求項11】
相反する状態に応じて、電源部から負荷まで配線された電力供給配線を導通又は非導通状態とする状態スイッチと、
前記負荷の使用状態に関する情報に基づいて、当該負荷が不使用のとき、前記電源部からの電力供給を中断して、前記負荷への電力供給を断つことで節電する節電手段と、
前記状態スイッチの下流側から分岐された下流側分岐線の電流が入力信号となって動作するスイッチング素子と、
前記状態スイッチの上流側から分岐された上流側分岐線から電力供給を受ける共に前記スイッチ素子を含んだ回路の一部として設けられたコイル及び前記状態スイッチよりも下流側の電力供給配線上に介在され前記コイルが非通電状態でオンする常態導通型スイッチを備えた継電器と、
前記継電器の常態導通型スイッチと並列接続され、前記負荷への電力供給開始時の電流を制限して突入電流を抑制する電流制御回路部と、
前記上流側分岐線の電流に対する前記入力信号の出力時期を調整する第1の遅延回路、並びに前記スイッチング素子の導通状態に対する前記コイルの通電時期を調整する第2の遅延回路を備え、前記第1の遅延回路と第2の遅延回路に設定する時定数を相関させ、少なくとも前記節電手段による節電中は前記継電器の常態導通型スイッチの導通を維持する導通維持手段と、
を有する画像処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−20049(P2013−20049A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−152615(P2011−152615)
【出願日】平成23年7月11日(2011.7.11)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月11日(2011.7.11)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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