説明

電力供給装置及びそれを使用した電力供給システム

【課題】太陽光発電装置又は風力発電装置が発電しているときに、負荷側へ十分な品質の電力を供給すると共に、商用電源側へ逆潮流させる場合も同じく十分な品質の電力を送ることができる電力供給システムを提供する。
【解決手段】
太陽光発電装置(1)と、太陽光発電装置(1)から供給された直流電力を、充電する蓄電池の特性に合わせて電圧を一定の範囲内に調整した直流電力に変換するDC/DCコンバータ(20)と、DC/DCコンバータ(20)から出力された直流電力を充電する蓄電池(21,22)と、蓄電池(21,22)から放電された直流電力を交流電力に変換するDC/ACインバータ(23)とを有し、蓄電池(21,22)は複数系統を有し、系統が異なる蓄電池によって充電と放電とを同時に行うようにした電力供給装置(D)を、商用電力(4)側と負荷(3)側に連係させた電力供給システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力供給装置及びそれを使用した電力供給システムに関するものである。
更に詳しくは、太陽光発電装置又は風力発電装置(以下、太陽光発電装置のみを表記する場合がある)で発生した不安定な直流電力を、安定した直流電力に変換し、該安定した直流電力を交流電力に変換して負荷側に供給する、商用電源側及び負荷側と連係する電力供給装置及びそれを使用した電力供給システムであって、太陽光発電装置又は風力発電装置が発電しているときに、負荷側へ十分な品質の電力を供給すると共に、商用電源側へ逆潮流させる場合も同じく十分な品質の電力を送ることができるものに関する。
【背景技術】
【0002】
電力会社の発電設備は、夏期昼間の最大の電力消費量に対応できるように整備されている。このため、夜間においては、消費しきれない余剰電力が生じている。この余剰電力は、最後には熱として捨てられ消滅してしまう。電力会社では、この余剰電力を低減するために、夜間の電気料金を安価に設定して利用を促進したり、発電設備のうち一部を停止したり、出力を小さくする等の対策を講じている。
【0003】
しかし、前記後者による対策は、結果的に発電機を低効率で運転することになり、エネルギーの損失がきわめて大きい。また、特に原子力発電設備の運転においては、安全上の観点から出力を変動させないようになっており、夜間においても昼間と同出力の運転が行われている。このため、前記のような調整をしても、依然として夜間に多くの余剰電力が生じ、多大なエネルギーが無駄に失われているのが現状である。
【0004】
このような状況を改善するために、変動要因の大きい太陽光発電装置等の再生可能エネルギー系電力と深夜電力等の安定電力とを連係させ、余剰電力を有効に利用して省エネルギー化を図った給電システムとしては、例えば本願発明者が提案した特許文献1に開示されている「住宅用給電システム」がある。
【0005】
この住宅用給電システムは、料金が安価な時間帯に商用電源の電力を負荷側へ供給すると共に蓄電池に充電するモード、料金が通常料金の時間帯に充電電力を負荷側へ供給すると共に太陽光発電装置又は風力発電装置からの電力を売電するモード、蓄電池からの電力が負荷側で不足した場合に発電装置と商用電源から負荷側へ電力を供給するモード、停電時、発電装置が発電していないときは充電電力を負荷側へ供給し、発電しているときは同様に負荷側へ供給すると共に蓄電池に充電するモードを含み、各モードは給電制御装置によってタイムスケジュールに従って切り替えられるか停電時/無停電時に切り替えられる構成を有するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011−50131
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記従来の住宅用給電システムには、次のような課題があった。
すなわち、太陽光発電装置等の再生可能エネルギー系発電装置が稼働し、発電しているときの発電電力は、供給経路においてDC/ACインバータを備えているパワーコンディショナによって直流電力を交流電力に変換することによって、直接商用電力側へ連係すると共に負荷側へ供給されている。また、発電電力のうち負荷側で消費されずに余った電力を商用電源側へ逆潮流させる際も同様に供給されている。
【0008】
このようにして供給される電力は、太陽光発電装置で発電される直流電力が、電圧が一定になりにくく電流も同様に不安定であるため、交流電力に変換されたときに電流の波形が安定しにくく、負荷側で使用するための電力又は商用電源側へ逆潮流させる電力として十分な品質が得られない課題があった。
このため、システム設置需要者の負荷側あるいは商用電源側へ逆潮流され他の需要者の負荷側へ供給される不安定な電力によって、負荷側の各種電気機器に障害が起こったり、あるいは電力会社側の電柱上電気機器では容量を増やすなどの対策が必要になったり、他需要者側の各種電気機器にも障害が起こるおそれがあった。
【0009】
また、従来の住宅用給電システムは、発電電力を供給する経路において、前記したようにパワーコンディショナを使用する構造である。この構造では、例えば昼間、太陽光発電装置により発電しているときに商用電源側が停電した場合、太陽光発電装置を強制的に停止するようになっていた。
【0010】
つまり、前記状況で太陽光発電装置の運転を続けた場合、例えば雨天や曇天となったとき発電出力が下がって負荷側への電力供給不足が発生したときに、負荷側で使用していた各種電気機器に障害が起こったり、あるいはパソコン等ではデータが破損することがある等、需要者側が電力が供給されていることを認識し電気機器を使用しているが故の各種不都合が生じるおそれがあった。
【0011】
このため、前記状況においては、太陽光発電装置で発電した電力の供給をパワーコンディショナが停止して前記各不都合が生じるのを防止するようになっており、結果的に負荷側に発電電力の供給を行うことができなかった。
したがって、従来の住宅用給電システムは、日照時(特に晴天の昼間)であれば一般家庭での電力需要に対し発電量に十分な余裕がある太陽光発電装置を備えていながら、前記状況においては、これを有効に利用することができず、負荷側では結局停電状態となっていた。
【0012】
(本発明の目的)
本発明は、太陽光発電装置又は風力発電装置で発生した不安定な直流電力を、安定した直流電力に変換し、該安定した直流電力を交流電力に変換して負荷側に供給する、商用電源側及び負荷側と連係する電力供給装置及びそれを使用した電力供給システムであって、太陽光発電装置又は風力発電装置が発電しているときに、負荷側へ十分な品質の電力を供給すると共に、商用電源側へ逆潮流させる場合も同じく十分な品質の電力を送ることができる電力供給装置及びそれを使用した電力供給システムを提供することを目的とする。
【0013】
本発明の他の目的は、前記目的に加えて、例えば日照時に太陽光発電装置が発電しているときに商用電源側が停電した場合でも、特に晴天の昼間であれば一般家庭での電力需要に対し発電量に十分な余裕がある太陽光発電装置の運転を停止させることなく通常運転ができるようにし、負荷側での停電又は電力不足を生じないようにする蓄電機能を有する電力供給装置及びそれを使用した電力供給システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために本発明が講じた手段は次のとおりである。
【0015】
(1)本発明は、
商用電源側及び負荷側と連係し、太陽光発電装置又は風力発電装置で発生した不安定な直流電力を安定した直流電力に変換し、該安定した直流電力を交流電力に変換して負荷側に供給する電力供給装置であって、
太陽光発電装置又は風力発電装置と、
前記太陽光発電装置又は風力発電装置から供給された直流電力を、充電する蓄電池の特性に合わせて指定電圧に調整した直流電力に変換するDC/DCコンバータと、
前記DC/DCコンバータから出力された直流電力を充電する蓄電池と、
前記蓄電池から放電された直流電力を交流電力に変換するDC/ACインバータを備えており、
前記DC/ACインバータで変換した交流電力を負荷側へ供給するようにした、
電力供給装置である。
【0016】
(2)本発明は、
前記電力供給装置は、制御手段を有しており、太陽光発電装置又は風力発電装置が発電しているときに、商用電源側が停電した場合は、前記制御手段によって、太陽光発電装置又は風力発電装置からの電力を複数系統で構成される蓄電池のうち一系統の蓄電池に充電し、同時に他系統の蓄電池から放電させて負荷側に供給し、負荷側の停電又は電力不足を回避する制御を含む、
前記(1)の電力供給装置である。
【0017】
(3)本発明は、
前記制御手段は、太陽光発電装置又は風力発電装置からの電力を複数系統で構成される蓄電池のうち一系統の蓄電池に充電し、同時に他系統の蓄電池から放電する制御において、
放電している側の蓄電池が放電限界に達する前に、該放電している側の蓄電池が充電側に切り替わり、前記放電している側の蓄電池とは異なる他系統の蓄電池が放電側に切り替わるようにした制御を含む、
前記(2)の電力供給装置である。
【0018】
(4)本発明は、
前記電力供給装置は、制御手段を有し、該制御手段は、
(A.通常時、深夜)
太陽光発電装置又は風力発電装置が発電していないときに、商用電源側から入力される交流電力を負荷側へ供給すると共に、前記交流電力を直流電力に変換して蓄電池に充電する制御を行う第1の運転モードと、
(B.通常時、朝昼)
太陽光発電装置又は風力発電装置が発電しているときに、太陽光発電装置又は風力発電装置から入力される直流電力を蓄電池に充電すると共に、蓄電池から直流電力を放電し交流電力に変換して負荷側へ供給し、前記放電電力が負荷側の需要電力より多い場合は、余剰分を商用電源側へ逆潮流させ、前記放電電力が負荷側の需要電力より少ない場合は、該不足した電力を商用電源側から補完し負荷側へ供給する制御を行う第2の運転モードと、
(C.通常時、夜)
太陽光発電装置又は風力発電装置が発電していないときに、蓄電池から放電された直流電力を交流電力に変換して負荷側へ供給し、前記放電電力が負荷側の需要電力より少ない場合は、該不足した電力を商用電源側から補完し負荷側へ供給する制御を行う第3の運転モードと、
(D.F.停電時、深夜、夜)
商用電源側が停電し、太陽光発電装置又は風力発電装置が発電していないときは、蓄電池から放電された直流電力を交流電力に変換して負荷側へ供給する制御を行う第4の運転モードと、
(E.停電時、朝昼)
商用電源側が停電し、太陽光発電装置又は風力発電装置が発電しているときは、蓄電池から放電された直流電力を交流電力に変換して負荷側へ供給すると共に、太陽光発電装置又は風力発電装置から入力される直流電力を前記蓄電池に充電する制御を行う第5の運転モードと、
を行う制御を含む、
前記(1)の電力供給装置である。
【0019】
(5)本発明は、
商用電源側と負荷側との間に、前記(1)乃至(4)の何れか一項に記載の電力供給装置が連係して配置されるものである、
電力供給システムである。
【0020】
太陽光発電装置又は風力発電装置は、他の再生可能エネルギー系発電装置と組み合わせたり、又はこれらで代替することが可能である。
【0021】
特許請求の範囲及び明細書にいう「逆潮流」とは、太陽光発電や風力発電等、再生可能エネルギー系発電装置で発電した電力を、電力会社から受電する電力と接続する系統連係において、系統連係状態で施設の電気系統を運用している場合に、前記発電電力が多くなると、その余剰電力が電力会社線(商用電源)側に送られることをいう。
【0022】
日本国内の各電力会社においては、用途に合わせた料金体系で契約することができる。その区分けを一例としてあげれば、(1)23:00〜7:00(深夜の時間帯)、(2)7:00〜10:00(朝の時間帯)及び18:00〜23:00(晩の時間帯)、(3)10:00〜18:00(昼の時間帯)であり、本発明は、この様な契約体系時間帯によって制御時間を合せた制御設定を可能にした機能を持つものである。
【0023】
前記料金体系である23:00〜7:00(深夜)の時間帯は、本明細書の記載において「電気料金が安価な時間帯」に当たり、7:00〜10:00(朝)及び18:00〜23:00(晩)の時間帯は、同じく「電気料金がやや安価な時間帯」に当たり、10:00〜18:00(昼)の時間帯は、同じく「電気料金が通常料金の時間帯」に当たる。
【0024】
前記各時間帯における電気料金の違いは、一例をあげると、10:00〜18:00(昼)の時間帯(電気料金が通常料金の時間帯)の料金を100とすると、7:00〜10:00(朝)及び18:00〜23:00(夜)の時間帯(電気料金がやや安価な時間帯)の料金が69.3、深夜の時間帯(電気料金が安価な時間帯)の料金が27.5となっている。
【0025】
また、複数系統で構成される蓄電池は、例えば二系統で構成してもよいし、或いは三系統以上で構成することもできる。
【0026】
なお、特許請求の範囲及び明細書で使用する「DC/ACインバータ」の用語は、本来「インバータ」が「直流電流を交流電流に変換する装置」の意味であるため、用語頭に「DC/AC」を標記する必要はないが、分かりやすくするためにこの用語を使用している。
【0027】
(作用)
本発明に係る電力供給装置及び電力供給システムの作用を説明する。
電力供給装置及び電力供給システムは、太陽光発電装置又は風力発電装置が発電しているときに、発電した直流電力をDC/DCコンバータによって充電する蓄電池の特性に合わせて電圧を一定の範囲内に調整した後、蓄電池に充電する。太陽光発電装置又は風力発電装置で発電した直流電力は、電圧が一定していないが、前記のように電圧を調整して蓄電池に充電することにより、安定状態となる。
【0028】
そして、蓄電池から放電された直流電力は、DC/ACインバータによって交流電力に変換される。このようにして得られた交流電力は、変換される放電直流電力が安定していることにより、電流の波形が安定した品質のよい交流電力となる。したがって、負荷側へ十分な品質の電力を供給できるようになり、商用電源側へ逆潮流させる場合も同じく十分な品質の電力を送ることができるようになる。これにより、負荷側の各種電気機器に障害が起こったり、あるいは電力会社側の電柱上電気機器では容量を増やすなどの対策が必要になったり、他需要者側の各種電気機器にも障害が起こることを防止できる。
【0029】
また、太陽光発電装置又は又は風力発電装置で発電した直流電力は、全て蓄電池へ送られて充電されるようになっており、従来のシステムで使用されていた、発電した直流電力を全て交流電力に変換して負荷側や商用電源側へ送るパワーコンディショナは使用する必要がない。したがって、従来のような直流電力を交流電力に変換する際のパワーコンディショナでの電力損失がなく、無駄を低減することができる。
さらには、パワーコンディショナがないため、使用する部品の点数が少ない分だけ装置全体の信頼性も向上する。
【0030】
なお、従来のものは、パワーコンディショナを使用しているため、例えばシステム設置後に発電パネルを増設したり部分的に取り替えたりする際には、同じメーカーの同規格のものを使用する必要があり、他メーカーのものは混在させることができないので、選択する際の制限が大きく、選択しにくかった。
【0031】
しかし、本発明に係る電力供給システムでは、太陽光発電装置又は風力発電装置で発電した直流電力を、パワーコンディショナを使用することなく、蓄電池へ送って充電するようになっているので、他メーカーの発電パネルを増設したり部分的に取り替えて混在させた場合でも支障なく運転することができる。したがって、特に設置者(需要者)にとって、発電パネルの増設や取り替えの際の選択の自由度が高い利点がある。
【0032】
制御手段を有しており、太陽光発電装置又は風力発電装置が発電しているときに、商用電源側が停電した場合は、前記制御手段によって、太陽光発電装置又は風力発電装置からの電力を複数系統で構成される蓄電池のうち一系統の蓄電池に充電し、同時に他系統の蓄電池から放電させて負荷側に供給し、負荷側の停電又は電力不足を回避する制御を含むものは、太陽光発電装置又は風力発電装置の運転を停止させることなく通常運転ができる。
すなわち、太陽光発電装置又は風力発電装置により発電しているときに停電しても、発電電力の蓄電池への充電と、蓄電電力の放電による負荷側への電力供給を同時に並行して行うことができ、これにより負荷側へ十分な電力を供給することができるので、雨天や曇天となったときも負荷側で電力不足を生じにくく、従来のように太陽光発電装置又は風力発電装置を止める必要はない。
したがって、前記状況においても、特に晴天の昼間であれば一般家庭での電力需要に対し発電量に十分な余裕がある太陽光発電装置又は風力発電装置の運転を続けることができ、通常運転が可能になる。これにより、日照時の商用電源側の停電時にも、負荷側において停電又は電力不足を生じることを防止できる。
【0033】
太陽光発電装置又は風力発電装置からの電力を複数系統で構成される蓄電池のうち一系統の蓄電池に充電し、同時に他系統の蓄電池から放電する制御において、放電している側の蓄電池が放電限界に達する前に、該放電している側の蓄電池が充電側に切り替わり、前記放電している側の蓄電池とは異なる他系統の蓄電池が放電側に切り替わるようにした制御を含むものは、例えば放電している蓄電池を放電限界まで放電しないようにして充電側へ切り替えるように制御すれば、蓄電池の寿命が長くなり長期にわたり使用できるようになるので、メンテナンス性に優れている。
また、各系統の蓄電池を充電用又は放電用として切り替えながら運転することができるので、従来の一系統の蓄電池で充電と放電を繰り返し行うものと比較して、蓄電池の全体の容量を大きくすることができる。
【発明の効果】
【0034】
本発明は、太陽光発電装置又は風力発電装置で発生した不安定な直流電力を、安定した直流電力に変換し、該安定した直流電力を交流電力に変換して負荷側に供給する、商用電源側及び負荷側と連係する電力供給装置及びそれを使用した電力供給システムであって、太陽光発電装置又は風力発電装置が発電しているときに、発電電力を一旦蓄電池に充電した後、これを放電するようになっているので、負荷側へ十分な品質の電力を供給すると共に、商用電源側へ逆潮流させる場合も同じく十分な品質の電力を送ることができる電力供給装置及びそれを使用した電力供給システムを提供することができる。
【0035】
また、制御手段を備え、太陽光発電装置又は風力発電装置が発電しているときに、商用電源側が停電した場合は、前記制御手段によって、太陽光発電装置又は風力発電装置からの電力を複数系統で構成される蓄電池のうち一系統の蓄電池に充電し、同時に他系統の蓄電池から放電させて負荷側に供給し、負荷側の停電又は電力不足を回避する制御を含んでいるものは、太陽光発電装置又は風力発電装置により発電しているときに停電しても、発電電力の蓄電池への充電と、蓄電電力の放電による負荷側への電力供給を同時に並行して行うことができ、これにより負荷側へ十分な電力を供給することができるので、雨天や曇天となったときも負荷側で電力不足を生じにくく、従来のように太陽光発電装置又は風力発電装置を止める必要はない。
したがって、前記状況においても、特に晴天の昼間であれば一般家庭での電力需要に対し発電量に十分な余裕がある太陽光発電装置又は風力発電装置の運転を続けることができ、自立運転が可能になる。これにより、日照時の商用電源側の停電時にも、負荷側において停電又は電力不足を生じることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明に係る電力供給システムの一実施の形態を示すブロック図。
【図2】図1に示す電力供給システムを構成する電力供給制御部のブロック図。
【図3】通常時Aモード(23:00〜7:00の時間帯)の運転制御を示す説明図。
【図4】通常時Bモード(7:00〜18:00の時間帯)の運転制御を示す説明図。
【図5】通常時Cモード(18:00〜23:00の時間帯)の運転制御を示す説明図。
【図6】停電時Dモード(23:00〜7:00の時間帯)の運転制御を示す説明図。
【図7】停電時Eモード(7:00〜18:00の時間帯)の運転制御を示す説明図。
【図8】停電時Fモード(18:00〜23:00の時間帯)の運転制御を示す説明図。
【図9】二系統の蓄電池モジュールの蓄電管理を示し、(a)は時間帯グラフ、(b)はAモードにおける説明図、(c)はBモードにおける説明図、(d)はCモードにおける説明図。
【発明を実施するための形態】
【0037】
〔実施の形態〕
本発明を図面に示した実施の形態に基づき詳細に説明する。
図1及び図2を参照する。なお、図1に表した電力供給制御部2は、図2の電力供給制御部2を簡略化して表しており、後記する冷却ファン26、保温ヒーター27及び開閉スイッチS11、12の図示を省略している。
【0038】
電力供給システムSは、住宅用のシステムであり、電力供給装置Dと、電力供給装置と連係する商用電源4及び負荷側配電盤3により構成されている。
電力供給装置Dは、太陽光発電装置1及び第1蓄電池モジュール21と第2蓄電池モジュール22を備えた電力供給制御部2を有している。
なお、発電装置については、本実施の形態において太陽光発電装置を例にしている。
【0039】
太陽光発電装置1は、太陽電池モジュール10、10a、10b、10cと、太陽電池モジュール10、10a、10b、10cの各系統で発電され不均等な電圧の直流電力を一定の範囲の電圧に調整する太陽光発電系統接続部11を備えている。なお、太陽光発電系統接続部11については、既に市販されその技術的内容は公知であるので説明は省略する。
【0040】
太陽電池モジュール10、10a、10b、10cは、太陽光(光エネルギー)を光起電力効果により電力に変換するものであり、多数のセルを直列又は並列に接続して必要な電力をつくり出すパネルである。太陽光発電系統接続部11は、本実施の形態では、四系統ある太陽電池モジュール10、10a、10b、10cを電力供給制御部2に接続する。
【0041】
主に図2を参照する。
電力供給制御部2は、太陽光発電装置1からの直流電力を入力するDC入力部204、負荷側配電盤3へのAC100Vの交流電力を出力するAC出力部205、負荷側へAC200Vの交流電力を出力するAC出力部206及び商用電源4からのAC100V陽極二線の電流を入力するAC入出力部207を有している。
【0042】
電力供給制御部2は、並列に接続された二系統の第1蓄電池モジュール21及び第2蓄電池モジュール22を備えている。第1蓄電池モジュール21及び第2蓄電池モジュール22は、それぞれ多数のバッテリーセル(符号省略)を備えている。使用されるバッテリーセルとしては、例えばリチウムポリマー電池があげられるが、システムとして必要な充電容量に対応して適宜公知の他の種類の蓄電池を採用することができる。
【0043】
第1蓄電池モジュール21及び第2蓄電池モジュール22と前記DC入力部204間には、配線経路W1が設けられている。配線経路W1の経路中には、DC入力部204側から順に、DC/DCコンバータ20、開閉スイッチS1、DC入出力バランスセンサ200、切替スイッチS2が設けられている。
【0044】
DC/DCコンバータ20は、太陽光発電装置1より供給されDC入力部204から入力された直流電力を充電する第1蓄電池モジュール21及び第2蓄電池モジュール22の特性に合わせて、充電に適した指定電圧に調整するものである。
このように、太陽光発電装置1で発電した直流電力は、全て第1蓄電池モジュール21、22へ送られて充電されるようになっており、従来のシステムで使用されていた、発電した直流電力を全て交流電力に変換して負荷側や商用電源側へ送るパワーコンディショナは使用しない。
【0045】
また、DC入出力バランスセンサ200は、後記する配線経路W2との間で、第1蓄電池モジュール21及び第2蓄電池モジュール22の何れか一方から交互に入力される直流電力と、第1蓄電池モジュール21及び第2蓄電池モジュール22の何れか一方から交互に出力される直流電力のバランスを検出するセンサである。
【0046】
切替スイッチS2は、配線経路W1を通り供給される直流電力を充電する第1蓄電池モジュール21及び第2蓄電池モジュール22を制御部25の制御により切り替えるスイッチである(切り替えを行わないときの第1蓄電池モジュール21及び第2蓄電池モジュール22への入力遮断は開閉スイッチS1で行う)。なお、第1蓄電池モジュール21及び第2蓄電池モジュール22は、後記するように商用電源4からの電力を充電する場合に、AC100Vの電力を充電用の指定電圧の直流電力に変換するAC/DCコンバータ(変換器)を備えた充電器(図示省略)をそれぞれ備えている。
【0047】
電力供給制御部2は、第1蓄電池モジュール21及び第2蓄電池モジュール22から交互に放電される直流電力を交流電力に変換するDC/ACインバータ23を備えている。第1蓄電池モジュール21及び第2蓄電池モジュール22とDC/ACインバータ23の間には、配線経路W2が設けられている。
配線経路W2の経路中には、第1蓄電池モジュール21及び第2蓄電池モジュール22側から順に、切替スイッチS3、前記DC入出力バランスセンサ200及び開閉スイッチS4が設けられている。切替スイッチS3は、第1蓄電池モジュール21及び第2蓄電池モジュール22から直流電力を放電する際に放電する電池を切り替えるスイッチである。
【0048】
DC/ACインバータ23と前記AC出力部205の間には、配線経路W3が設けられている。配線経路W3の経路中には、DC/ACインバータ23側から順に、AC単相三線の陽極二線出力バランスセンサ201、AC放電出力センサ202及びAC負荷側出力センサ203が設けられている。
【0049】
AC単相三線の陽極二線出力バランスセンサ201は、DC/ACインバータ23の陽極二線の出力バランスを制御部25の制御によって読み取り、これを均等にする(バランスをとる)ものである。また、AC放電出力センサ202は、太陽光電力量の情報を制御部25へ送信するものであり、AC負荷側出力センサ203は、負荷側で使用する電力量を検出し、その情報を制御部25へ送信するものである。
【0050】
配線経路W3において、AC負荷側出力センサ203とAC出力部205の間の経路と前記AC出力部206の間には、配線経路W4が設けられている。配線経路W4の経路中には、開閉スイッチS9が設けられている。
【0051】
また、前記第1蓄電池モジュール21及び第2蓄電池モジュール22と前記AC入出力部207の間には、配線経路W5が設けられている。配線経路W5の経路中には、AC入出力部207側から順に、開閉スイッチS5及び切替スイッチS6が設けられている。
【0052】
切替スイッチS6は、配線経路W5を通り商用電源4(図1参照)より供給される電力を充電する第1蓄電池モジュール21及び第2蓄電池モジュール22を切り替えるスイッチである。なお、充電する際の交流電力から直流電力への変換は、前記したように第1蓄電池モジュール21及び第2蓄電池モジュール22がそれぞれ備えている充電器によって行われる。
【0053】
配線経路W5において、AC入出力部207と開閉スイッチS5の間の経路と、前記配線経路W3におけるAC放電出力センサ202とAC負荷側出力センサ203の間の経路間には、配線経路W6が設けられている(図1、図3参照)。配線経路W6の経路中には、開閉スイッチS7が設けられている。
【0054】
配線経路W5において、AC入出力部207と開閉スイッチS5の間で前記配線経路W6より更にAC入出力部207寄りの経路と、前記配線経路W3において、前記配線経路W6より更にAC負荷側出力センサ203寄りの経路間には、配線経路W5から分岐して配線経路W7が設けられている。配線経路W7はメンテナンス用の配線経路であり、その経路中には、手動で開閉操作を行うメンテナンス用の開閉スイッチS8が設けられている。
【0055】
なお、図2に示すように前記第1蓄電池モジュール21及び第2蓄電池モジュール22は、第1蓄電池モジュール21及び第2蓄電池モジュール22の温度管理を行うための冷却ファン26と保温ヒーター27を備えている。冷却ファン26と保温ヒーター27は、第1蓄電池モジュール21及び第2蓄電池モジュール22と配線経路W9で接続されている。配線経路W9において、互いに分岐し冷却ファン26につながる経路と保温ヒーター27につながる経路には、開閉スイッチS10と開閉スイッチS11が設けられている。
【0056】
また、電力供給制御部2は、MPU(Micro-Processing Unit)を備えた制御部25と、制御部25に電力を供給するDCパワーモジュール24を備えている。なお、DCパワーモジュール24については、既に市販されその技術的内容は公知であるので説明は省略する。
【0057】
制御部25は、制御プログラムソフトウェアをインストールする記憶部(図示省略)を有している。制御部25は、記憶部にインストールされたプログラムソフトウェアにより、例えば前記各スイッチS1〜S11の開閉又は切替の制御、前記各センサ200、201、202、203との情報のやり取り、DC/DCコンバータ20とDC/ACインバータ23の制御、或いは第1蓄電池モジュール21及び第2蓄電池モジュール22の充電特性や放電量の制御等を行うものである。
【0058】
また、例えば使用する蓄電池の規格や性能に合わせたプログラムソフトウェアを制御部25の記憶部に適宜インストールすることによって、システム導入後の蓄電池の変更やグレードアップ等に柔軟に対応できるようにしている。
【0059】
前記DCパワーモジュール24は、前記配線経路W3における前記切替スイッチS3とDC/ACインバータ23の間の経路と配線経路W8により接続されている。システムの運転中、制御部25には、例えば商用電源4が停電しても第1蓄電池モジュール21及び第2蓄電池モジュール22から常時直流電力が供給されるようになっており、停電時又は停電復旧後のシステムの制御に支障を来さないようにしている。
【0060】
前記商用電源4は、前記AC入出力部207と配線経路W10により接続されており、配線経路W10の経路中には、商用電源4側から順に、電力会社と契約したユーザー側の電力契約アンペアを制御するブレーカ42、買電用電力量計40、売電用電力量計41が設けられている。また、前記負荷側配電盤3は、前記AC100Vを出力するAC出力部205に接続されている。
【0061】
なお、電力会社への売電は、配線経路W3を通りAC出力部205へ送られる交流電力の電圧をDC/ACインバータ23によって、商用電源4から供給される交流電力の電圧より高くなるように制御して商用電源4側へ逆潮流させることにより行われる。
【0062】
(作用)
図1乃至図8を参照して、電力供給システムSの制御の一例を各モードごとに詳細に説明する。制御部25でモードの切り替えを行うための制御は、電力供給システムSを設置するエリアのサービスを行っている各電力会社の時間帯の区分けに合わせるようにする。この区分けは各電力会社で必ずしも同じではなく、異なる場合がある。
【0063】
本実施の形態では、図9(a)に示すように、サービス時間帯が、Aは23:00〜7:00(深夜)、Bは7:00〜10:00(朝)及び10:00〜18:00(昼)、Cは18:00〜23:00(夜)のように区分けされている電力会社のエリア内に設置する場合を例にとり説明する。
制御部25は、この時間帯の区分に対応したプログラムソフトウェアにより管理される。
【0064】
なお、以下の作用の説明の理解を容易にするために目次を示す。
【0065】
(目次)
(1)通常時運転
(1-1)Aモード:商用電源から負荷側への電力供給と蓄電池への充電を行うモード
(1-2)Bモード:蓄電池から負荷側への電力供給、太陽光発電装置から蓄電池への充電、商用電源側への売電を行うモード
(1-3)Cモード:蓄電池から負荷側への電力供給を行うモード
(2)停電時運転
(2-1)Dモード:蓄電池から負荷側への電力供給を行うモード
(2-2)Eモード:蓄電池から負荷側への電力供給、太陽光発電装置から蓄電池への充電を行うモード
(2-3)Fモード:蓄電池から負荷側への電力供給を行うモード
【0066】
(1)通常時運転
商用電源が正常(停電していない)であり、日照時には太陽光発電装置が稼働し発電できる状況における運転。なお、後記Aモードは特許請求の範囲にいう第1の運転モード、同じくBモードは第2の運転モード、同じくCモードは第3の運転モードを構成する。
【0067】
(1-1)
Aモード:商用電源から負荷側への電力供給と蓄電池への充電を行うモード
(深夜の時間帯、23:00〜7:00での制御)
図3を主に参照する。
【0068】
このモードでは、商用電源4から安価な電力が供給される。この電力は一方で負荷側へ供給され、他方で第1蓄電池モジュール21又は第2蓄電池モジュール22に充電される。また、商用電源4側への逆潮流、つまり売電は行われない。
以下、このモードの制御を更に詳しく説明する。
【0069】
なお、制御部25の制御により、各スイッチS1〜S7及びS9が図3に示すように開閉及び設定される。すなわち、開閉スイッチS1がOFF、切替スイッチS2が何れかに接続状態(通電はされない)、切替スイッチS3が何れかに接続状態(通電はされない)、開閉スイッチS4がOFF、開閉スイッチS5がON、切替スイッチS6がON(第1、第2蓄電池モジュールの何れかに接続)、開閉スイッチS7がON、開閉スイッチS9がONとなる。
【0070】
この時間帯では、商用電源4から安価な電力が買電され、交流電力が買電用電力量計40を通り、AC入出力部207から電力供給制御部2へ電力が供給される。
開閉スイッチS7がONとなっているので、商用電源4からの電力は、負荷側の需要がある分だけ負荷側へ直接供給される。詳しくは、AC100VがAC出力部205から負荷側配電盤3へ出力される。また、開閉スイッチS9がONとなっているので、AC出力部206からAC200Vが出力される。
【0071】
なお、配線経路W6を通る交流電力は、AC負荷側出力センサ203により電力通電量が検出され、その情報が制御部25へ配信される。
また、制御部25にインストールされ後記する各モードの制御を行うプログラムソフトウェアに入力することによって、Aモードの23:00〜7:00の充電時間で分単位の充電電圧コントロールを行うための最大充電セル電圧が設定されている。一例としては、第1蓄電池モジュール21及び第2蓄電池モジュール22のリチウム標準セル電圧3.7V、最大充電セル電圧4.2V、放電最低セル電圧(放電限界)3.0Vとして、制御部25に記憶されており、第1蓄電池モジュール21及び第2蓄電池モジュール22の充放電の切替えを切替スイッチS2、S3にて行うようにする。
【0072】
また、配線経路W5の経路中の開閉スイッチS5がONとなっているので、AC入出力部207より入力される商用電源4からの電力は、切替スイッチS6の切り替えによって接続された第1蓄電池モジュール21又は第2蓄電池モジュール22に充電器で交流電力から直流電力に変換されて充電される。この際、充電される蓄電池モジュールは、制御部25で制御される切替スイッチS6によって、制御部25に記憶されている蓄電池充電特性記録の情報をもとに適宜切り替えられる。なお、第1蓄電池モジュール21及び第2蓄電池モジュール22に充電する際には、制御部25による充電器の制御によって充電電流調整が行われる。
【0073】
このモードにおける第1蓄電池モジュール21及び第2蓄電池モジュール22への充電の管理は、例えば次のように行われる。
図9(b)を参照する。
【0074】
まず、一方の系統の第1蓄電池モジュール21は、容量の100%充電(満充電)を行う。第1蓄電池モジュール21の容量の100%充電が完了したら、切替スイッチS6によって他方の系統の第2蓄電池モジュール22へ切り替えられる。第2蓄電池モジュール22への充電は、例えば容量の50%充電で止められる。なお、第1蓄電池モジュール21及び第2蓄電池モジュール22に充電された充電量の検出は、充電された電力の電圧を検出することで行われる。
【0075】
この第2蓄電池モジュール22への充電を容量の50%で止める目的は、太陽光発電装置1が発電をしている朝及び昼の時間帯(例えば7:00〜18:00)に、第2蓄電池モジュール22へ不安定な発電電力を取り込み安定状態とするときに蓄電池モジュールの空き容量が必要なためである。
【0076】
さらには、蓄電池は、容量の100%に近い充電と放電を繰り返すよりも、蓄電池モジュールのダメージが抑制され寿命を長くすることができる利点がある。また、制御部25よる制御において、容量の50%充電では100%充電の最大充電セル電圧と比較して、二分の一の電圧で制御できる利点もある。なお、前記空き容量をつくる側の蓄電池モジュールの充電量は、容量の50%充電に限定するものではなく、適宜設定することが可能である。
【0077】
また、深夜の時間帯において、第1蓄電池モジュール21及び第2蓄電池モジュール22に充電される充電量は、例えば朝や夜の時間帯における負荷側(一般家庭等)の一般的な需要電力量を基準に設定されており、例えば6KW/hであるが、これに限定はされず、必要に応じて適宜設定することができる。
【0078】
(1-2)
Bモード:蓄電池から負荷側への電力供給、太陽光発電装置から蓄電池への充電、商用電源側への売電を行うモード
(昼の時間帯、7:00〜18:00での制御:例えば電力会社の時間帯の区分では、(朝)7:00〜10:00及び(昼)10:00〜18:00)
図4を主に参照する。
【0079】
この時間帯のうち、例えば7:00〜10:00では商用電源4からやや安価な電力が供給され、10:00〜18:00では通常料金の電力が供給される。太陽光発電装置1は稼働しており、太陽光発電装置1で発電された電力は、直接負荷側へ供給されることはなく、一旦第1蓄電池モジュール21又は第2蓄電池モジュール22に充電して安定状態とされる。そして、第1蓄電池モジュール21又は第2蓄電池モジュール22から電力が放電され負荷側へ供給される。
【0080】
負荷側の消費電力が第1蓄電池モジュール21又は第2蓄電池モジュール22から放電される電力(例えば6kW/h)より小さく、余剰電力がある場合は、商用電源4側へ逆潮流されて売電される。
【0081】
また、負荷側の需要電力量が第1蓄電池モジュール21又は第2蓄電池モジュール22から放電可能な電力量より大きくて足りない場合は逆潮流(売電)が停止し、足りない分の電力が随時商用電源4から補完される。
以下、このモードの制御を更に詳しく説明する。
【0082】
なお、制御部25の制御により、各スイッチS1〜S7及びS9が図4に示すように開閉及び設定される。すなわち、開閉スイッチS1がON、切替スイッチS2がON(第1、第2蓄電池モジュールの何れかに接続)、切替スイッチS3がON(第1、第2蓄電池モジュールの何れかに接続)、開閉スイッチS4がON、開閉スイッチS5がOFF、切替スイッチS6が何れかに接続状態(通電はされない)、開閉スイッチS7がON、開閉スイッチS9がONとなる。
【0083】
この時間帯では、太陽電池モジュール10、10a、10b、10cで発電され、各系統で不均等な電圧の直流電力が太陽光発電系統接続部11によって一定の範囲の電圧に調整される。太陽光発電系統接続部11から送られる直流電力は、DC入力部204から電力供給制御部2に入力され、DC/DCコンバータ20により規定のDC電圧、すなわち第1蓄電池モジュール21及び第2蓄電池モジュール22の特性に適合したDC電圧へ変換される。
【0084】
また、DC入出力バランスセンサ200により、第1蓄電池モジュール21又は第2蓄電池モジュール22に入力されるDC/DCコンバータ20からのDC発電電力と、第1蓄電池モジュール21及び第2蓄電池モジュール22の何れか一方から放電され後記するDC/ACインバータ23へ送られるDC放電電力の出力のバランスでDC/ACインバータ23の出力が同等かどうかを検出する。
【0085】
なお、負荷側の需要電力量に対して発電電力が不足しているときは逆潮流はしない。発電電力が不足しているときは、DC/ACインバータ23の出力電圧が商用電源4と同電圧(100V)になり、放電電力の逆潮流を防止するため開閉スイッチS7がOFFとなる。このとき、DC入出力バランスセンサ200の情報を制御部25は無視し、負荷側の需要電力出力を優先する。一方、太陽光発電装置1による発電電力は、そのまま第1蓄電池モジュール21又は第2蓄電池モジュール22へ充電される。
【0086】
制御部25により制御される切替スイッチS2で、充電する蓄電池を第1蓄電池モジュール21及び第2蓄電池モジュール22の何れか一方に設定し、この蓄電池モジュールにDC/DCコンバータ20から出力される直流電力を送り充電する。また、制御部25により制御される切替スイッチS3で、放電する蓄電池を第1蓄電池モジュール21及び第2蓄電池モジュール22の何れか一方(前記充電する蓄電池モジュールではない方)に切り替える。
【0087】
なお、充電側の第1蓄電池モジュール21又は第2蓄電池モジュール22が最大充電セル電圧になれば、切替スイッチS2により第1蓄電池モジュール21及び第2蓄電池モジュール22の充放電側は切り替わる。但し、発電量より負荷側の需要電力量(消費電力)が大きい場合は、DC入出力バランスセンサ200からの情報に関係なく、負荷側への出力優先でDC/ACインバータ23より交流電力を出力する。
【0088】
切替スイッチS3で接続された第1蓄電池モジュール21又は第2蓄電池モジュール22から直流電力が放電される。そして、前記したようにDC入出力バランスセンサ200により第1蓄電池モジュール21又は第2蓄電池モジュール22に入力されるDC/DCコンバータ20からの直流電力との電力のバランスが同等かどうか検出される。
【0089】
DC入出力バランスセンサ200からの情報が制御部25に送られ、電力のバランスが同等であれば、制御部25よりDC/ACインバータ23に制御信号が送信され、太陽光発電量と同等の直流電力を交流電力に変換し、負荷側への供給電力と余剰電力として出力される。なお、余剰電力があるかどうかと負荷側の電力不足は、AC負荷側出力センサ203からの情報とAC放電出力センサ202のデータとの差により制御部25で検出する。
【0090】
AC単相三線の陽極二線出力バランスセンサ201がDC/ACインバータ23の出力の陽極2線のバランスを感知し補正する。
なお、開閉スイッチS4は、前記したようにAモード(充電モード)の第1蓄電池モジュール21又は第2蓄電池モジュール22の充電時にはOFFとなり、逆流を防止する。また、第1蓄電池モジュール21又は第2蓄電池モジュール22からの過放電を防止する場合(放電最低セル電圧を制御部25で管理する)もOFFとなる。
【0091】
また、AC100VがAC出力部205から負荷側配電盤3へ出力される。AC負荷側出力センサ203により制御部25へ負荷側の需要電力量の情報を送信する。開閉スイッチS9がONとなっているので、AC出力部206からAC200Vが出力される。
開閉スイッチS9は、後記する商用電源4の停電時の深夜の時間帯23:00〜7:00のみOFFとなる。
【0092】
一方で商用電源4との連係用の開閉スイッチS7はONとなっており、DC/ACインバータ23で出力電圧を調整し、電圧を商用電源4の電圧(100V)より高くなるようにして(例えば103Vに昇圧)、負荷側での消費残量電力(余剰電力)を商用電源4側へ逆潮流させることにより売電を行う。
【0093】
また、第1蓄電池モジュール21及び第2蓄電池モジュール22の蓄電電力のDC/ACインバータ23からの出力電圧がAC入出力部207に入力される商用電源4からの交流電力の電圧と同じになると、開閉スイッチS7がOFFとなり、AC入出力部207への逆潮流が防止される。
【0094】
このモードにおける第1蓄電池モジュール21及び第2蓄電池モジュール22の充電及び放電の管理は、例えば次のように行われる。
図9(c)を参照する。
【0095】
前記Aモードにおいて、第1蓄電池モジュール21及び第2蓄電池モジュール22に蓄電された電力は、前記したように負荷側への供給電力と余剰電力として出力される。一方、太陽光発電装置1で発電された電力が第2蓄電池モジュール22の容量の50%の空き容量部分に充電される。すなわち、一方の系統の第1蓄電池モジュール21からは放電し、他方の系統の第2蓄電池モジュール22に充電する。
【0096】
そして、第2蓄電池モジュール22が容量の100%充電(満充電)になると、制御部25の制御により切替スイッチS2と切替スイッチS3が切り替わる。すなわち、前記とは逆に、100%充電となった第2蓄電池モジュール22から放電し、電力の一部が放電され蓄電容量の空きが生じた第1蓄電池モジュール21に太陽光発電装置1で発電された電力が充電される。
【0097】
以降、一方の蓄電池モジュールが容量の100%充電になると、切替スイッチS2と切替スイッチS3が切り替わり、充電する側と放電する側の蓄電池モジュールが切り替わる。なお、この際、充電されている側の蓄電池モジュールが容量の100%まで充電される前に、放電している側の蓄電池モジュールが予め設定されている放電限界(例えば容量の50%)に達すると、こちらが優先されて前記と同様に充電側と放電側の蓄電池モジュールが切り替わる。
【0098】
(1-3)
Cモード:蓄電池から負荷側への電力供給を行うモード
(夜の時間帯、18:00〜23:00での制御)
図5を主に参照する。
【0099】
この時間帯は、商用電源4からやや安価な電力が供給される時間帯である。また、太陽光発電装置1は発電していない。そして、第1蓄電池モジュール21又は第2蓄電池モジュール22から放電された電力が負荷側へ供給される。
【0100】
負荷側の需要電力量が第1蓄電池モジュール21又は第2蓄電池モジュール22から放電される電力量より大きく足りない場合は、足りない分の電力が商用電源4から補完される。また、負荷側の需要電力が第1蓄電池モジュール21又は第2蓄電池モジュール22から放電される電力より少なく、第1蓄電池モジュール21又は第2蓄電池モジュール22からの電力に余裕がある場合でも商用電源4側への売電は行われない。
以下、このモードの制御を更に詳しく説明する。
【0101】
この時間帯では、制御部25からの制御信号により、各スイッチS1〜S7及びS9が図5に示すように開閉及び設定される。すなわち、開閉スイッチS1がOFF、切替スイッチS2が何れかに接続状態(通電はされない)、切替スイッチS3がON(第1、第2蓄電池モジュールの何れかに接続)、開閉スイッチS4がON、開閉スイッチS5がOFF、切替スイッチS6が何れかに接続状態(通電はされない)、開閉スイッチS7がON、開閉スイッチS9がONとなる。
【0102】
制御部25により制御される切替スイッチS3で、放電する第1蓄電池モジュール21又は第2蓄電池モジュール22を適宜切り替え、接続された第1蓄電池モジュール21又は第2蓄電池モジュール22から放電する。
DC入出力バランスセンサ200は機能させない状態であり、放電された直流電力はDC/ACインバータ23へ送られる。DC/ACインバータ23は、AC放電出力センサ202とAC負荷出力センサ203の検出情報に基づく制御部25からの制御信号により、DC/ACインバータ23から出力するAC出力電圧を調整する(商用電源4の電圧を基準として放電量不足時は同電圧で不足分を商用電源4より補完する)。
【0103】
AC単相三線の陽極二線出力バランスセンサ201は、DC/ACインバータ23から出力される交流電流を感知し陽極補正を行う。すなわち、単相三線は陽極100V2本と陰極1本で構成され、負荷側配電盤は100Vを2本接続することで200Vとするというように100Vで小分けし個々の遮断器を備えているが、2本の100Vがアンバランスな状態であるため、AC放電出力センサ202の情報にもとづき制御部25によりDC/ACインバータ23の陽極バランスの制御を行う。
また、AC放電出力センサ202によりDC/ACインバータ23からの出力電力量を表す信号を制御部25へ送信する。
【0104】
AC負荷側出力センサ203により制御部25へ負荷側の需要電力量の情報を送信する。AC100VがAC出力部205から負荷側配電盤3へ出力され、また、開閉スイッチS9がONとなっているので、AC出力部206からAC200Vが出力される。
【0105】
また、一方で開閉スイッチS7がONとなっており、商用電源4から買電用電力量計40を通して負荷側での電力の不足分を買電することができる。詳しくは、DC/ACインバータ23の出力より負荷側の需要電力が上回り、電力不足をAC放電出力センサ202と負荷AC出力センサ203により感知したときに、DC/ACインバータ23の出力電圧が商用電源4と同じ電圧になり、商用電源4から不足分の電力を補完する。なお、その後、第1蓄電池モジュール21又は第2蓄電池モジュール22の放電電力量が最低セル電圧(放電限界)に達した時は、制御部25より開閉スイッチS4をOFFとし、放電を制御する。
【0106】
このモードにおける第1蓄電池モジュール21又は第2蓄電池モジュール22の放電の管理は、例えば次のように行われる。
図9(d)を参照する。
【0107】
前記Aモード又はBモードにおいて、第1蓄電池モジュール21及び第2蓄電池モジュール22に蓄電された電力は、前記したように負荷側への供給電力として出力される。また、負荷側の需要電力量が大きく、第1蓄電池モジュール21又は第2蓄電池モジュール22から放電可能な電力量で足りない場合は、商用電源4から買電して足りない分の電力量が補完される。
【0108】
(2)停電時運転
商用電源が停電しており、日照時には太陽光発電装置が稼働し発電できる状況における運転。後記Dのモードが特許請求の範囲にいう第4の運転モードを構成し、同じくEのモードが第5の運転モードを構成する。
【0109】
(2-1)
Dモード:蓄電池から負荷側への電力供給を行うモード
(深夜の時間帯、23:00〜7:00での制御)
図6を主に参照する。
【0110】
停電のため商用電源4からは電力が供給されず、この時間帯では太陽光発電装置1も発電していないため、第1蓄電池モジュール21又は第2蓄電池モジュール22からのみ電力が供給される。第1蓄電池モジュール21又は第2蓄電池モジュール22から放電された電力は負荷側へ供給される。
【0111】
なお、この時間帯は200VのAC出力はOFFとしており、100Vの負荷側の需要電力量(消費電力)は極めて少ないが、18:00〜7:00までの負荷消費電力に見合う必要十分な容量を有する蓄電容量モジュール(第1蓄電池モジュール21及び第2蓄電池モジュール22)を搭載している。
以下、このモードの制御を更に詳しく説明する。
【0112】
この時間帯では、制御部25からの制御信号により、各スイッチS1〜S7及びS9が図6に示すように開閉及び設定される。すなわち、開閉スイッチS1がOFF、切替スイッチS2が何れかに接続状態(通電はされない)、切替スイッチS3がON(第1、第2蓄電池モジュールの何れかに接続)、開閉スイッチS4がON、開閉スイッチS5がOFF、切替スイッチS6が何れかに接続状態(通電はされない)、開閉スイッチS7がOFF、開閉スイッチS9がOFFとなる。
【0113】
制御部25により制御される切替スイッチS3で、放電する第1蓄電池モジュール21又は第2蓄電池モジュール22を適宜切り替え、接続された第1蓄電池モジュール21又は第2蓄電池モジュール22から放電する。
DC入出力バランスセンサ200は機能させない状態であり、放電された直流電力はDC/ACインバータ23へ送られる。
【0114】
AC単相三線の陽極二線出力バランスセンサ201は、DC/ACインバータ23から出力される交流電流を感知し陽極補正を行う。
AC放電出力センサ202によりDC/ACインバータ23からの出力電力量を表す信号を制御部25へ送信する。
【0115】
AC負荷側出力センサ203により制御部25へ負荷側の需要電力量の情報を送信する。
AC100VがAC出力部205から負荷側配電盤3へ出力される。開閉スイッチS9がOFFであり、AC出力部206から負荷側へ200Vの交流電力は出力しない。
また、一方で開閉スイッチS7がOFFとなっており、商用電源4側への逆潮流を防止できるようになっている。
【0116】
(2-2)
Eモード:蓄電池から負荷側への電力供給、太陽光発電装置から蓄電池への充電を行うモード
(昼の時間帯、7:00〜18:00での制御)
図7を主に参照する。
【0117】
停電のため商用電源4からは電力が供給されない。この時間帯では太陽光発電装置1は発電している。太陽光発電装置1で発電された電力は、直接負荷側へ供給されることはなく、一旦第1蓄電池モジュール21又は第2蓄電池モジュール22に充電して安定状態とされる。そして、第1蓄電池モジュール21又は第2蓄電池モジュール22から電力が放電され、負荷側へ供給される。
以下、このモードの制御を更に詳しく説明する。
【0118】
この時間帯では、制御部25の制御により、各スイッチS1〜S7及びS9が図7に示すように開閉及び設定される。すなわち、開閉スイッチS1がON、切替スイッチS2がON(第1、第2蓄電池モジュールの何れかに接続)、切替スイッチS3がON(第1、第2蓄電池モジュールの何れかに接続)、開閉スイッチS4がON、開閉スイッチS5がOFF、切替スイッチS6が何れかに接続状態(通電はされない)、開閉スイッチS7がOFF、開閉スイッチS9がONとなる。
【0119】
太陽電池モジュール10、10a、10b、10cで発電され、各系統で不均等な電圧の直流電力が太陽光発電系統接続部11によって一定の範囲の電圧に調整される。
太陽光発電系統接続部11から送られる直流電力は、DC入力部204から電力供給制御部2に入力され、DC/DCコンバータ20により規定のDC電圧、すなわち第1蓄電池モジュール21及び第2蓄電池モジュール22の特性に適合したDC電圧へ変換される。
【0120】
DC入出力バランスセンサ200により、第1蓄電池モジュール21又は第2蓄電池モジュール22に入力されるDC/DCコンバータ20からの発電電力と、後記するDC/ACインバータ23へ送られる電力のバランスが同等かどうかを検出する。
【0121】
制御部25により制御される切替スイッチS2で、充電する蓄電池を第1蓄電池モジュール21及び第2蓄電池モジュール22の何れか一方に設定し、この蓄電池モジュールにDC/DCコンバータ20から出力される直流電力を送り充電する。また、制御部25により制御される切替スイッチS3で、放電する蓄電池を第1蓄電池モジュール21及び第2蓄電池モジュール22の何れか一方(前記充電する蓄電池モジュールではない方)に切り替える。
【0122】
切替スイッチS3で接続された第1蓄電池モジュール21又は第2蓄電池モジュール22から直流電力が放電される。そして、前記したようにDC入出力バランスセンサ200により第1蓄電池モジュール21又は第2蓄電池モジュール22に入力されるDC/DCコンバータ20からの直流電力との電力のバランスが同等かどうか検出される。
【0123】
DC入出力バランスセンサ200からの情報が制御部25に送られ、電力のバランスが同等であれば、制御部25よりDC/ACインバータ23に制御信号が送信され、太陽光発電量と同等の直流電力を交流電力に変換し、負荷側への供給電力と余剰電力として出力される。なお、余剰電力があるかどうかは、AC放電出力センサ202とAC負荷側出力センサ203からの情報により制御部25にて検出される。
【0124】
AC単相三線の陽極二線出力バランスセンサ201がDC/ACインバータ23の出力の陽極2線のバランスを感知し補正する。そして、AC放電出力センサ202が太陽光電力量の情報を制御部25へ送信する。なお、開閉スイッチS4は、前記Aモードの23:00〜7:00の第1蓄電池モジュール21又は第2蓄電池モジュール22の充電時にはOFFとなり、逆流を防止する。また、第1蓄電池モジュール21又は第2蓄電池モジュール22からの過放電を防止する場合もOFFとなる。
【0125】
AC放電出力センサ202とAC負荷側出力センサ203により制御部25へ負荷側の需要電力量の情報を送信する。この情報により、AC100VがAC出力部205から負荷側配電盤3へ出力される。また、開閉スイッチS9がONとなっているので、AC出力部206からAC200Vが出力される。
また一方で、商用電源4との連係用の開閉スイッチS7はOFFとなっており、商用電源4側への逆潮流が防止される。
【0126】
このように、Eモードにおいては、太陽光発電装置1により発電しているときに商用電源4側が停電したときに、発電電力の第1蓄電池モジュール21又は第2蓄電池モジュール22への充電と、蓄電電力の放電による負荷3側への電力供給を同時に並行して行うことができ、これにより負荷側へ十分な電力を供給することができるので、雨天や曇天となったときも負荷側で電力不足を生じにくく、従来のように太陽光発電装置1を止める必要はない。
したがって、前記状況においても、特に晴天の昼間であれば一般家庭での電力需要に対し発電量に十分な余裕がある太陽光発電装置1の運転を続けることができ、自立運転が可能になる。これにより、日照時の商用電源4側の停電時にも、負荷3側において停電又は電力不足を生じることを防止できる。
【0127】
(2-3)
Fモード:蓄電池から負荷側への電力供給を行うモード
(夜の時間帯、18:00〜23:00での制御)
図8を主に参照する。
【0128】
停電のため商用電源4からは電力が供給されない。この時間帯では太陽光発電装置1も発電していないため、第1蓄電池モジュール21又は第2蓄電池モジュール22からのみ電力が供給される。第1蓄電池モジュール21又は第2蓄電池モジュール22から放電された電力は、負荷側へ供給される。
【0129】
この時間帯では、制御部25からの制御信号により、各スイッチS1〜S7及びS9が図8に示すように開閉及び設定される。すなわち、開閉スイッチS1がOFF、切替スイッチS2が何れかに接続状態(通電はされない)、切替スイッチS3がON(第1、第2蓄電池モジュールの何れかに接続)、開閉スイッチS4がON、開閉スイッチS5がOFF、切替スイッチS6が何れかに接続状態(通電はされない)、開閉スイッチS7がOFF、開閉スイッチS9がONとなる。開閉スイッチS9がONである点のみ前記Dモードと異なっている。
【0130】
なお、本モードの具体的な制御は、開閉スイッチS9がONとなり、AC出力部206からAC200Vが出力される点が異なるだけで、他の制御は前記Dモードとほぼ同様であるので、他の制御の説明は省略する。
【0131】
本明細書で使用している用語と表現は、あくまでも説明上のものであって、なんら限定的なものではなく、本明細書に記述された特徴およびその一部と等価の用語や表現を除外する意図はない。また、本発明の技術思想の範囲内で、種々の変形態様が可能であるということは言うまでもない。
【符号の説明】
【0132】
S 電力供給システム
D 電力供給装置
1 太陽光発電装置
10、10a、10b、10c 太陽電池モジュール
11 太陽光発電系統接続部
2 電力供給制御部
20 DC/DCコンバータ
21 第1蓄電池モジュール
22 第2蓄電池モジュール
23 DC/ACインバータ
24 DCパワーモジュール
25 制御部
26 冷却ファン
27 保温ヒーター
200 DC入出力バランスセンサ
201 AC単相三線の陽極二線出力バランスセンサ
202 AC放電出力センサ
203 AC負荷側出力センサ
204 DC入力部
205 AC出力部
206 AC出力部
207 AC入出力部
3 負荷側配電盤
4 商用電源
40 買電用電力量計
41 売電用電力量計
42 ブレーカ
S1 開閉スイッチ
S2、S3 切替スイッチ
S4、S5 開閉スイッチ
S6 切替スイッチ
S7〜S11 開閉スイッチ
W1〜W10 配線経路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商用電源側及び負荷側と連係し、太陽光発電装置又は風力発電装置で発生した不安定な直流電力を安定した直流電力に変換し、該安定した直流電力を交流電力に変換して負荷側に供給する電力供給装置であって、
太陽光発電装置又は風力発電装置と、
前記太陽光発電装置又は風力発電装置から供給された直流電力を、充電する蓄電池の特性に合わせて指定電圧に調整した直流電力に変換するDC/DCコンバータと、
前記DC/DCコンバータから出力された直流電力を充電する蓄電池と、
前記蓄電池から放電された直流電力を交流電力に変換するDC/ACインバータと、
を備えており、
前記DC/ACインバータで変換した交流電力を負荷側へ供給するようにした、
電力供給装置。
【請求項2】
前記電力供給装置は、制御手段を有しており、太陽光発電装置又は風力発電装置が発電しているときに、商用電源側が停電している場合は、前記制御手段によって、太陽光発電装置又は風力発電装置からの電力を複数系統で構成される蓄電池のうち一系統の蓄電池に充電し、同時に他系統の蓄電池から放電させて負荷側に供給し、負荷側の停電又は電力不足を回避する制御を含む、
請求項1記載の電力供給装置。
【請求項3】
前記制御手段は、太陽光発電装置又は風力発電装置からの電力を複数系統で構成される蓄電池のうち一系統の蓄電池に充電し、同時に他系統の蓄電池から放電する制御において、
放電している側の蓄電池が放電限界に達する前に、該放電している側の蓄電池が充電側に切り替わり、前記放電している側の蓄電池とは異なる他系統の蓄電池が放電側に切り替わるようにした制御を含む、
請求項2記載の電力供給装置。
【請求項4】
前記電力供給装置は、制御手段を有し、該制御手段は、
太陽光発電装置又は風力発電装置が発電していないときに、商用電源側から入力される交流電力を負荷側へ供給すると共に、前記交流電力を直流電力に変換して蓄電池に充電する制御を行う第1の運転モードと、
太陽光発電装置又は風力発電装置が発電しているときに、太陽光発電装置又は風力発電装置から入力される直流電力を蓄電池に充電すると共に、蓄電池から直流電力を放電し交流電力に変換して負荷側へ供給し、前記放電電力が負荷側の需要電力より多い場合は、余剰分を商用電源側へ逆潮流させ、前記放電電力が負荷側の需要電力より少ない場合は、該不足した電力を商用電源側から補完し負荷側へ供給する制御を行う第2の運転モードと、
太陽光発電装置又は風力発電装置が発電していないときに、蓄電池から放電された直流電力を交流電力に変換して負荷側へ供給し、前記放電電力が負荷側の需要電力より少ない場合は、該不足した電力を商用電源側から補完し負荷側へ供給する制御を行う第3の運転モードと、
商用電源側が停電し、太陽光発電装置又は風力発電装置が発電していないときは、蓄電池から放電された直流電力を交流電力に変換して負荷側へ供給する制御を行う第4の運転モードと、
商用電源側が停電し、太陽光発電装置又は風力発電装置が発電しているときは、蓄電池から放電された直流電力を交流電力に変換して負荷側へ供給すると共に、太陽光発電装置又は風力発電装置から入力される直流電力を前記蓄電池に充電する制御を行う第5の運転モードと、
を行う制御を含む、
請求項1記載の電力供給装置。
【請求項5】
商用電源側と負荷側との間に、請求項1乃至4の何れか一項に記載の電力供給装置が連係して配置されるものである、
電力供給システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−70585(P2013−70585A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−213185(P2011−213185)
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【出願人】(509239727)株式会社ホットプラン (2)
【Fターム(参考)】