説明

電力制御コマンドおよび消去指示を用いた電力制御およびハンドオフ

【課題】アップ−ダウンPCモードおよび消去ベースPCモードなど、複数のPCモードをサポートする。
【解決手段】1つのPCモードが、使用のために選択されることができる。信号が、選択PCモードを通知するために、送信されることができる。アップ−ダウンPCモードが選択された場合、基地局は、端末に関する受信信号品質を推定し、伝送電力を調整するよう端末に指示するためにPCコマンドを送信する。消去ベースPCモードが選択された場合、基地局は、端末から受信された符号語が消去か、それとも非消去かを通知する消去指示を送信する。どちらのPCモードの場合も、端末は、目標性能レベル(例えば符号語に関する目標消去率)を達成するために、電力制御フィードバック(例えばPCコマンドおよび/または消去指示)に基づいて、伝送電力を調整する。消去指示は、ハンドオフのためにも使用されることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、本出願の譲受人に譲渡され、参照により本明細書に組み込まれる、2006年1月5日に出願された「METHOD OF CONTROL WITH UP/DOWN COMMANDS AND ERASURE INDICATIONS」と題する米国仮特許出願第60/756981号の優先権を主張する。
【0002】
本開示は、一般に、通信に関し、より詳細には、無線通信システムにおいて電力制御およびハンドオフを実行するための技法に関する。
【背景技術】
【0003】
無線多元接続通信システムは、例えば帯域幅および伝送電力など、利用可能なシステムリソースを共用することによって、複数の無線端末に対して通信をサポートすることができる。各端末は、順方向および逆方向リンク上の伝送を介して、1つまたは複数の基地局と通信することができる。順方向リンク(またはダウンリンク)とは、基地局から端末への通信リンクのことであり、逆方向リンク(またはアップリンク)とは、端末から基地局への通信リンクのことである。
【0004】
複数の端末は同時に、順方向リンク上でデータを受信し、かつ/または逆方向リンク上でデータを送信することができる。これは、各リンク上の伝送を、時間、周波数、および/または符号領域において互いに直交するように多重化することによって達成されることができる。逆方向リンク上において、完全な直交性は、それが達成されるならば、受信基地局において他の端末からの伝送と干渉しない、各端末からの伝送をもたらす。しかし、異なる端末からの伝送の間での完全な直交性は、チャネル状態および受信機の不完全性などのため、しばしば実現されない。直交性の損失は、各端末が、同じ基地局と通信する他の端末と、ある程度の干渉を起こすという結果をもたらす。さらに、異なる基地局と通信する端末からの伝送は一般に、互いに直交していない。したがって、各端末は、近くの基地局と通信する他の端末とも干渉を起こすことがある。各端末の性能は、システム内の他のすべての端末からの干渉によって悪化させられる。
【発明の概要】
【0005】
したがって、干渉を低減し、すべての端末にとって良好な性能を達成するために、端末の伝送電力を制御する技法の必要性が当技術分野には存在する。
【0006】
電力制御およびハンドオフを効率的に実行するための技法が、本明細書で説明される。一態様では、電力制御(PC)は、アップ−ダウンPCモード(up-down PC mode)および消去ベースPCモード(erasure-based PC mode)など、複数のPCモードを用いてサポートされる。1つのPCモードが、例えば所望の性能に基づいて、使用のために選択されることができる。信号(例えばPCモードビット)が、選択PCモードを通知するために、送信されることができる。アップ−ダウンPCモードが選択された場合、基地局は、端末に関する受信された信号の品質を推定し、伝送電力を調整するよう端末に指示するためにPCコマンドを送信する。消去ベースPCモードが選択された場合、基地局は、端末から受信された符号語を検出し、これらの符号語が消去されたもの(erased)か、それとも消去されていないもの(non-erased)かを通知する消去指示(erasure indication)を送信する。どちらのPCモードの場合も、端末は、目標性能レベル(例えば端末によって送信される符号語に関する目標消去率(erasure rate))を達成するために、電力制御フィードバック(例えばPCコマンドおよび/または消去指示)に基づいて、伝送電力を調整する。
【0007】
別の態様では、電力制御が、PCコマンドに基づいて達成され、ハンドオフが、消去指示に基づいて達成される。端末は、逆方向リンク上で符号語を伝送する。少なくとも1つの基地局が属する第1の組は、例えば端末から受信された符号語に基づいて、端末に関する受信された信号の品質を推定し、受信された信号の品質に基づいて、PCコマンドを生成する。少なくとも1つの基地局が属する第2の組は、端末から受信された符号語に関する消去指示を生成する。第1の組は、ただ1つのサービス提供基地局を含むことができる。第2の組は、サービス提供基地局と、おそらくはその他の基地局とを含むことができる。端末は、基地局の第1の組から受信されたPCコマンドに基づいて、伝送電力を調整する。端末は、第2の組に属する各基地局に関する消去率を決定し、最も低い消去率を有する基地局を選択し、選択された基地局へのハンドオフを実行することができる。
【0008】
本開示の様々な態様および特徴が、以下でさらに詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】無線通信システムを示す図。
【図2】複数のPCモードをサポートする電力制御機構を示す図。
【図3】アップ−ダウンPCモードに関する電力制御機構を示す図。
【図4】消去ベースPCモードに関する電力制御機構を示す図。
【図5】端末の電力制御のために基地局によって実行されるプロセスを示す図。
【図6】端末の電力制御のための基地局における装置を示す図。
【図7】電力制御のために端末によって実行されるプロセスを示す図。
【図8】電力制御のための端末における装置を示す図。
【図9】電力制御およびハンドオフを実行するためのプロセスを示す図。
【図10】電力制御およびハンドオフを実行するための装置を示す図。
【図11】端末と2つの基地局を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、複数の基地局110を有する無線通信システム100を示している。基地局は、端末と通信する局である。基地局は、アクセスポイント、ノードB、および/またはその他の何らかのネットワークエンティティと呼ばれることもあり、それらの機能の一部または全部を含むことができる。各基地局は、特定の地理的エリアに対して通信カバレージを提供する。「セル」という用語は、この用語が使用される文脈に応じて、基地局および/またはそのカバレージエリアを指すことができる。システム能力を改善するため、基地局カバレージエリアは、複数(例えば3つ)のより小さなエリアに分割されることができる。より小さな各エリアは、それぞれの基地局トランシーバサブシステム(BTS)によってサービス提供を受けることができる。「セクタ」という用語は、この用語が使用される文脈に応じて、BTSおよび/またはそのカバレージエリアを指すことができる。セクタ化されたセルの場合、そのセルのすべてのセクタのためのBTSは一般に、そのセルのための基地局内に共存させられる。
【0011】
端末は、システム全域に散在させられることができ、各端末は、固定されていても、または移動可能であってもよい。簡単にするため、ただ1つの端末120が、図1に示されている。端末は、アクセス端末(AT)、移動局(MS)、ユーザ装置(UE)、および/またはその他の何らかのエンティティと呼ばれることもあり、それらの機能の一部または全部を含むことができる。端末は、無線装置、セルラ電話、携帯情報端末(PDA)、無線モデム、およびハンドヘルド装置などとすることができる。端末は、任意の与えられた瞬間に、順方向リンクおよび/または逆方向リンク上で、0、1、または複数の基地局と通信することができる。
【0012】
中央集中アーキテクチャの場合、システムコントローラ130は、基地局110に結合され、調整および制御を基地局に提供する。システムコントローラ130は、単一のネットワークエンティティであっても、またはネットワークエンティティの集まりでもよい。分散アーキテクチャの場合、基地局は、必要に応じて、互いに通信することができる。
【0013】
本明細書で説明される電力制御およびハンドオフ技法は、様々な無線通信システムのため、および符号分割多元接続(CDMA)、時分割多元接続(TDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、直交FDMA(OFDMA)、シングルキャリアFDMA(SC−FDMA)など、様々な無線技法のために使用されることができる。OFDMAは、直交周波数分割多重化(OFDM)を利用し、SC−FDMAは、シングルキャリア周波数分割多重化(SC−FDM)を利用する。OFDMおよびSC−FDMは、周波数帯(例えばシステム帯域幅)を、トーンおよびビンなどとも呼ばれる複数の直交サブキャリアに分割する。各サブキャリアは、データによって変調されることができる。一般に、変調シンボルは、OFDMでは周波数領域で、SC−FDMでは時間領域で送信される。本明細書で説明される技法は、複数の無線技法(例えばCDMAおよびOFDMA)を利用する無線通信システムのためにも使用されることができる。
【0014】
本明細書で説明される技法は、セクタ化されたセルを用いるシステムばかりでなく、セクタ化されていないセルを用いるシステムのためにも使用されることができる。明確にするため、本明細書の技法は、以下では、セクタ化されたセルを用いるシステムに関して説明される。以下の説明において、「基地局」および「セクタ」という用語は、交換可能に使用され、「端末」および「ユーザ」という用語も、交換可能に使用される。
【0015】
端末120は、逆方向リンク上で、データ、信号、パイロット、および/またはその他の内容を伝送することができる。逆方向リンク上での伝送は、システム設計に応じて、様々な方式でサポートされることができる。1つの設計では、アクティブ集合(active set)が、端末のために維持され、アクティブ集合は、逆方向リンク上で端末にサービス提供し得る1つまたは複数のセクタを含む。セクタは、端末および/またはセクタによって行われ得る信号品質測定に基づいて、アクティブ集合に追加され、または削除されることができる。アクティブ集合内の1つのセクタは、端末のための逆方向リンク(RL)サービス提供中のセクタとして設計されることができる。サービス提供中のセクタは、端末に関する逆方向リンク伝送をサポートするために、様々な機能(例えば、スケジューリング、データ復号、および電力制御など)を実行することができる。アクティブ集合内の残りのセクタは(もしあるならば)、アクティブ集合のサービス提供中でないセクタと呼ばれることがある。サービス提供中でないセクタは、サービス提供中のセクタの選択を支援するために、様々な機能(例えばフィードバック報告)を実行することができる。
【0016】
図1に示されるように、端末120からの伝送は、任意の数のセクタによって受信されることができる。これらのセクタは、サービス提供中のセクタ110xと、サービス提供中でないセクタ120aから120mと、端末のアクティブ集合に属さないその他のセクタ(例えば近隣セクタ120n)とを含むことができる。端末120からの伝送は、同じサービス提供中のセクタ110xに向けて伝送する他の端末ばかりでなく、例えばセクタ110aから110nなどの他のセクタに向けて伝送する他の端末に対しても干渉を引き起こすことがある。したがって、他の端末に対する干渉を低減しながら、端末120について所望の性能が達成されるように、端末120の伝送電力を制御するのが望ましい。
【0017】
1.RL電力制御
逆方向リンク(RL)電力制御は、逆方向リンク上における端末の伝送電力の制御に関する。一般に、RL電力制御は、端末に関する逆方向リンクの信号品質をセクタが推定することを可能にする、任意のRL伝送に基づいて達成されることができる。RL伝送は、パイロット、データ、信号、またはそれらの任意の組み合わせに関することができる。良好な電力制御性能を達成するため、RL伝送は、チャネル状態の変化を追跡するのに十分な速さで端末の伝送電力が調整され得るように、定期的に送信されるべきである。
【0018】
1つの設計では、RL電力制御は、端末によって制御チャネル上で送信される符号語に基づいて達成される。一般に、符号語は、様々なタイプの情報に関することができる。1つの設計では、符号語は、チャネル品質表示(CQI)チャネル上で送信されるCQI報告用である。端末は、アクティブ集合内のセクタに関して信号品質測定を行い、これらの測定に関するCQI報告を生成し、CQI報告をCQIチャネル上で例えばサービス提供中のセクタに伝送することができる。CQI報告は、順方向リンク上で端末にサービス提供するのに適切なセクタを選択するために使用されることができる。他の設計では、符号語は、その他のタイプの情報に関することができる。
【0019】
CQI報告(または信号メッセージ)は、Lビットを含む小さなワードとすることができ、一般に、L≧1である。このワードは、符号帳内の2個の可能な符号語の1つにマップされることができる。その後、符号語は、CQIチャネル上で送信される。同じ数のビット(例えばLビット)が、各CQI報告用に送信されることができる。この場合、各CQI報告に対して、同じコードブックが使用されることができる。代替として、異なる数のビットが、異なるCQI報告用に送信されることができ、送信されるビットの数に応じて、異なるコードブックが使用されることができる。与えられたコードブック内の符号語は、ブロック符号またはその他の何らかのマッピング方式に基づいて生成されることができる。1つの設計では、2個の可能な符号語は、長さが2の2個の異なるウォルッシュ符号によって形成される。特定のウォルッシュ符号が、LビットCQI報告用の符号語として送信されることができる。
【0020】
一態様では、RL電力制御は、複数のPCモードを用いてサポートされる。PCモードは、PC方式、PC機構、およびPCアルゴリズムなどと呼ばれることもある。1つの設計では、複数のPCモードは、アップ−ダウンPCモードと、消去ベースPCモードとを含む。アップ−ダウンPCモードでは、セクタ(例えばサービス提供セクタ)は、端末に関する受信された信号の品質を推定し、伝送電力を調整するよう端末に指示するためにPCコマンド/ビットを送信する。消去ベースPCモードでは、セクタ(例えばサービス提供セクタ)は、端末から受信された符号語に関するセクタにおける消去検出の結果を通知する消去指示/ビットを送信する。どちらのPCモードの場合も、端末は、目標消去率および/またはその他の何らかの尺度によって定量化され得る目標性能レベルを達成するために、電力制御フィードバック(例えばPCコマンドおよび/または消去指示)に基づいて、伝送電力を調整する。
【0021】
図2は、アップ−ダウンPCモードおよび消去ベースPCモードをサポートする電力制御機構200の設計を示している。この設計では、サービス提供セクタ110xは、RL電力制御用に使用するPCモードを通知するシグナリングを、端末120に送信する。1つの設計では、この信号は、消去ベースPCモードを表す「0」またはアップ−ダウンPCモードを表す「1」に設定され得るRLCtrlPCModeビットである。信号は、通信セッションの開始時に、およびPCモードに変更があった時などに送信されることができる。別の設計では、サービス提供セクタ110xは、セクタによってサポートされるPCモードを、カバレージエリア内のすべての端末にブロードキャストする。いずれの場合も、端末120の信号プロセッサ258は、サービス提供セクタ110xから信号を受信し、アップ−ダウンPCモードを使用するか、それとも消去ベースPCモードを使用するかを指示するモード制御を提供する。
【0022】
アップ−ダウンPCモードが選択された場合、サービス提供セクタ110xは、端末120に関する受信された信号の品質を定期的に推定し、順方向リンク(雲形252)を介してPCコマンドを端末120に送信する。各PCコマンドは、(1)伝送電力の増大を指示するアップコマンド、または(2)伝送電力の減少を指示するダウンコマンドとすることができる。端末120において、アップ−ダウンPCモードプロセッサ260は、サービス提供セクタ110xからPCコマンドを受信し、受信されたPCコマンドに基づいて端末120の伝送電力を調整し、伝送電力レベルPud(n)を伝送(TX)データプロセッサ/変調器280に提供する。プロセッサ280は、逆方向リンク(雲形250)上で符号語をサービス提供セクタ110xおよび非サービス提供セクタ110aから110mに伝送電力Pud(n)で伝送する。
【0023】
セクタ110xおよび110aから110mは、端末120から符号語を受信する。各セクタ110は、受信された符号語を復号し、復号結果が所望の信頼性レベルを満たしているかどうかを決定するために消去検出を実行する。受信された符号語は、(1)復号結果が所望の信頼性レベルを満たしていない場合に「消去されたもの」と見なされ、または(2)復号結果が所望の信頼性レベルを満たしている場合に「消去されていないもの」と見なされることができる。各セクタ110は、消去指示を端末120に送信する。消去指示は、受信された符号語が消去されたものか、それとも消去されていないものかを通知することができる。
【0024】
消去ベースPCモードが選択された場合、サービス提供セクタ110xからの消去指示が、RL電力制御のために使用される。端末120において、消去ベースPCモードプロセッサ270は、サービス提供セクタ110xから消去指示を受信し、受信消去指示に基づいて端末120の伝送電力を調整し、伝送電力レベルPeb(n)をTXデータプロセッサ280に提供する。その後、プロセッサ280は、符号語を伝送電力Peb(n)で伝送する。
【0025】
図2に示される設計では、RL電力制御は、サービス提供セクタ110xからの電力制御フィードバックにもっぱら基づいて実行される。このフィードバックは、アップ−ダウンPCモードではPCコマンドを、消去ベースPCモードでは消去指示を備えることができる。この設計は、端末120の伝送電力が1つのソースからのフィードバックに基づいて調整されるので、RL電力制御を単純化することができる。
【0026】
RL電力制御は、複数のセクタからのフィードバックに基づいて実行されることもできる。アップ−ダウンPCモードの別の設計では、複数のセクタが、端末120に関する受信された信号の品質を推定し、PCコマンドを端末に送信することができる。その後、端末120は、すべてのセクタから受信されたPCコマンドに基づいて、伝送電力を調整することができる。端末120は、ダウンに関するOR規則(OR-of-the-down rule)を適用することができ、いずれかのセクタがダウンコマンドを送信した場合は常に、伝送電力を低減することができる。端末120は、受信されたPC受信されたPCコマンドをその他の方式で組み合わせることもできる。消去ベースPCモードの別の設計では、端末120は、複数のセクタから受信された消去指示に基づいて、伝送電力を調整することができる。また別の設計では、ハイブリッドPCモードがサポートされることができ、端末120は、PCコマンドと消去指示の組み合わせに基づいて、伝送電力を調整することができる。RL電力制御は、その他の方式で実行されることもできる。
【0027】
1つの設計では、アクティブセットは、上で説明されたように、サービス提供および非サービス提供セクタを含む。別の設計では、アクティブセットは、複数の同期サブセットを含むことができる。サービス提供セクタは、同期サブセットの1つから選択されることができ、(もしあるならば)残りの各同期サブセット内で最良のセクタが、例えばセクタに関する消去率に基づいて、識別されることができる。端末は、サービス提供セクタからのフィードバック(例えばPCコマンドおよび/または消去指示)ばかりでなく、残りの各同期サブセット内で最良のセクタからのフィードバックにも応答することができる。可能な曖昧性を回避するため、各セクタは、逆方向リンク上でそのセクタによってサービス提供される端末に対して、アップ−ダウンPCモードを使用することができ、アクティブセット内にそのセクタを有する他の端末に対して、消去ベースPCモードを使用することができる。
【0028】
別の態様では、端末に関するRLハンドオフが、サービス提供および非サービス提供セクタによって送信される消去指示に基づいてサポートされる。ハンドオフまたはハンドオーバとは、1つのサービス提供セクタから別のサービス提供セクタに引渡しが行われるプロセスのことである。逆方向リンク上で、異なるセクタは一般に、異なる経路損失および/または干渉レベルのため、端末に関する異なる受信された信号の品質を観測する。最良の受信された信号の品質を観測するセクタが、端末にサービス提供するのが望ましい。一般に、セクタは、端末によって送信された任意の伝送に基づいて、端末に関する受信された信号の品質を推定することができる。しかし、端末がその他の目的ですでに符号語を伝送している場合、セクタは、端末に関する受信された信号の品質を推定するために、これらの符号語を効率的に使用することができる。その場合、セクタによって送信される消去指示は、端末に関するセクタによって測定された受信された信号の品質を通知するフィードバックに相当する。端末は、逆方向リンク上で端末にサービス提供する最良のセクタを選択するために、消去指示を使用することができる。
【0029】
図2に示される設計では、RLハンドオフプロセッサ290は、サービス提供セクタ110xばかりでなく、非サービス提供セクタ110aから110mからも、消去指示を受信する。プロセッサ290は、上で説明されたように、受信された消去指示に基づいて、端末120に関する最良の受信された信号の品質を観測したセクタを識別する。プロセッサ290は、別のセクタが、現在のサービス提供セクタよりも、端末120に関するより良い受信された信号の品質を観測した場合、ハンドオフ要求を生成する。
【0030】
1つの設計では、RL電力制御は、PCコマンドに基づいて実行されることができ、RLハンドオフは、消去指示に基づいて実行されることができる。別の設計では、RL電力制御およびハンドオフはともに、消去指示に基づいて実行されることができる。他の設計では、RL電力制御およびハンドオフは、セクタからの他のフィードバックに基づいて実行されることができる。
【0031】
アップ−ダウンPCモードおよび消去ベースPCモードは、様々な方式で実施されることができる。2つのPCモードの例示的な設計が、以下で説明される。
【0032】
図3は、アップ−ダウンPCモード用の電力制御機構300の設計を示している。電力制御機構300は、内側ループ310と、外側ループ312と、第3のループ314とを含む。内側ループ310は、サービス提供セクタ110xと端末120の間で機能する。外側ループ312および第3のループ314は、サービス提供セクタ110xによって維持される。端末120において、内側ループ310は、アップ−ダウンPCモードプロセッサ260によってサポートされ、アップ−ダウンPCモードプロセッサ260は、PCコマンドプロセッサ262と、TX電力調整ユニット264とを含む。
【0033】
内側ループ310は、サービス提供セクタ110xにおいて受信された信号の品質を目標信号品質近くに維持するために、端末120の伝送電力を調整する。信号品質は、SN比(SNR)、信号対雑音および干渉比(SINR)、キャリア対干渉比(C/I)、およびシンボル当たりエネルギー対雑音比(Es/No)などによって定量化されることができる。明確にするため、以下の説明では、信号品質を表すのにSNRが使用される。サービス提供セクタ110xにおいて、SNR推定器220が、(例えば符号語を伝送する制御チャネルに基づいて)端末120の受信SNRを推定し、受信SNRを提供する。SNR推定器220は、受信SNRの改善された推定値を獲得するために、複数のフレームにわたってSNR推定値を平均することができる。SNR推定器220は、受信された符号語が消去であるフレームに関するSNR推定値を廃棄することもできる。PCコマンド生成器222は、受信SNRおよび目標SNRを獲得し、受信SNRを目標SNRと比較し、以下のようにPCコマンドを生成する。
【数1】

【0034】
ここで、SNRrx(n)は、フレームnでの受信SNRであり、SNRtargetは、目標SNRである。サービス提供セクタ110xは、PCコマンドを端末120に伝送する。
【0035】
端末120において、PCコマンドプロセッサ262は、サービス提供セクタ110xによって送信されたPCコマンドを受信し、受信されたPCコマンドの各々について判定を下す。PC判定は、受信されたPCコマンドがアップコマンドであると見なされた場合はアップ判定とすることができ、または受信されたPCコマンドがダウンコマンドであると見なされた場合はダウン判定とすることができる。その後、調整ユニット264は、プロセッサ262からのPC判定に基づいて、端末120の伝送電力を以下のように調整することができる。
【数2】

【0036】
ここで、Pud(n)は、フレームnでの伝送電力であり、ΔPは、アップ−ダウンPCモードにおいて伝送電力を調整するためのステップサイズである。
【0037】
伝送電力Pud(n)およびステップサイズΔPは、デシベル(dB)単位で与えられる。式(2)に示される設計では、伝送電力は、同じステップサイズ(例えば、0.5dB、1.0dB、またはその他の何らかの値)だけ増大または減少させられ、ステップサイズは、RL電力制御に良好な性能を提供するように選択されることができる。別の設計では伝送電力は、異なるアップおよびダウンステップサイズによって調整される。伝送電力Pud(n)は、受信されたPCコマンドがあまりにも信頼できないと見なされた場合、同じレベルに維持されることもできる。プロセッサ280は、符号語を生成し、これらの符号語をサービス提供セクタ110xおよび非サービス提供セクタ110aから110m(図3には図示されず)に伝送電力Pud(n)で伝送する。
【0038】
外側ループ312は、端末120によって送信された符号語に関する目標消去率を達成するために、受信された符号語に基づいて、目標SNRを調整する。サービス提供セクタ110xにおいて、メトリック計算ユニット224が、受信された符号語の各々に関するメトリックを計算する。消去検出器426は、以下で説明されるように、メトリックおよび消去閾値に基づいて、受信された符号語の各々に対して消去検出を実行し、消去されたものまたは消去されていないものとし得る受信された符号語の各々のステータスを提供する。目標SNR調整ユニット228は、受信された符号語の各々のステータスを獲得し、1つの設計では、目標SNRを以下のように調整することができる。
【数3】

【0039】
ここで、ΔSNRtarget(k)は、更新インターバルkでの目標SNRであり、ΔSNRupは、目標SNRに関するアップステップサイズであり、ΔSNRdnは、目標SNRに関するダウンステップサイズである。目標SNRならびにアップおよびダウンステップサイズは、dB単位で与えられる。
【0040】
ΔSNRupおよびΔSNRdnステップサイズは、以下のように設定されることができる。
【数4】

【0041】
ここで、Prerasureは、目標消去率である。一例として、目標消去率が10%である場合、アップステップサイズは、ダウンステップサイズの9倍である。アップステップサイズが0.5dBである場合、ダウンステップサイズは、約0.056dBである。
【0042】
別の設計では、サービス提供基地局110xは、消去符号語の窓にわたって消去率を測定し、測定消去率と目標消去率の差に基づいて、目標SNRを調整する。目標SNRは、等しいまたは異なるアップおよびダウンステップサイズを使用して調整されることができる。
【0043】
1つの設計では、消去閾値は固定され、適切な閾値の値は、コンピュータシミュレーション、経験的測定値、および/またはその他の何らかの手段に基づいて決定されることができる。別の設計では、消去閾値は、符号語に関する目標とする条件付き誤り率(conditional error rate)Prerrorを達成するために、閉ループを用いて調整される。条件付き誤り率は、消去されていない符号語で条件付けられた誤りの確率であり、これは、受信された符号語が消去されていないものであると宣言された場合に、復号された受信された符号語が誤りである確率がPrerrorであることを意味する。低いPrerror(例えば1%または0.1%)は、消去されていない符号語が宣言された場合には、復号結果の信頼度が高いことに対応する。
【0044】
第3のループ314は、目標とする条件付き誤り率を達成するために、受信された既知の符号語に基づいて、消去閾値を調整する。端末120は、定期的または指示された時に、既知の符号語を伝送することができる。サービス提供セクタ110xにおいて、メトリック計算ユニット224および消去検出器226は、その他の受信された符号語に対するのと同じ方式で、受信された既知の符号語の各々に対して消去検出を実行する。消去検出器226は、受信された既知の符号語の各々のステータスを提供する。復号器230は、消去されていないものであると見なされた受信された既知の符号語の各々を復号し、符号語ステータスを提供し、符号語ステータスは、(1)「消去されたもの」、(2)受信された既知の符号語が消去されていないものであり、正しく復号された場合には、「良好」、または(3)受信された既知の符号語は消去されていないものであるが、誤って復号された場合には、「粗悪」とすることができる。1つの設計では、消去閾値調整ユニット232は、受信された既知の符号語のステータスに基づいて、消去閾値を以下のように調整することができる。
【数5】

【0045】
ここで、ΔTHerasure(j)は、更新インターバルjでの消去閾値であり、ΔTHupは、消去閾値に関するアップステップサイズであり、ΔTHdnは、消去閾値に関するダウンステップサイズである。
【0046】
式(5)の設計は、受信された符号語に関するより大きなメトリックが、より高い信頼度に対応することを仮定している。この場合、消去閾値は、「粗悪」な受信された既知の符号語の各々に対してはΔTHupだけ増大される。より高い消去閾値は、より厳格な消去検出基準に対応し、消去されたものと見なされる可能性がより高い受信された符号語をもたらし、そのことが次に、消去されていないものと見なされた場合には、正しく復号される可能性がより高い受信された符号語をもたらす。消去閾値は、「良好」な受信された既知の符号語の各々に対してはΔTHdnだけ減少され、消去された受信された既知の符号語に対しては維持される。
【0047】
ΔTHupおよびΔTHdnステップサイズは、以下のように設定されることができる。
【数6】

【0048】
一例として、目標とする条件付き誤り率が1%である場合、アップステップサイズは、ダウンステップサイズの99倍である。ΔTHupおよびΔTHdnの大きさは、第3のループの所望の収束率(convergence rate)および/またはその他の要因に基づいて、選択されることができる。
【0049】
別の設計では、サービス提供基地局110xは、誤り率(または誤警報率(false alarm rate))を測定し、測定誤り率と目標誤り率(または測定誤警報率と目標誤警報率)の差に基づいて、消去閾値を調整する。消去閾値は、等しいまたは異なるアップおよびダウン閾値ステップサイズを用いて調整されることができる。
【0050】
消去閾値は、様々な方式で調整されることができる。1つの設計では、サービス提供セクタ110xは、各端末毎に別個の第3のループを維持し、その端末に関する所望の性能を達成するために、消去閾値を調整する。別の設計では、サービス提供セクタ110xは、すべての端末に対して単一の第3のループを維持し、これらの端末から受信された既知符号語に基づいて、消去閾値を調整する。また別の設計では、サービス提供セクタ110xは、類似の性能を有する端末からなる各グループ毎に別個の第3のループを維持し、グループ内のすべての端末から受信された既知の符号語に基づいて、消去閾値を調整する。
【0051】
消去率、条件付き誤り率、消去閾値、および受信SNRは、一般に関係がある。消去閾値および受信SNRを所与とした場合、特定の消去率および特定の条件付き誤り率が存在する。第3のループ314を介して消去閾値を変更することによって、消去率と条件付き誤り率の間でトレードオフが行われることができる。
【0052】
内側ループ310、外側ループ312、および第3のループ314は、異なる割合で動作する。内側ループ310は、いつでも受信SNRが利用可能である場合に、更新されることができる。外側ループ312は、いつでも符号語が受信された場合に、更新されることができる。第3のループ314は、いつでも既知の符号語が受信された場合に、更新されることができる。これら3つのループの更新割合は、RL電力制御に関する所望の性能を達成するように選択されることができる。
【0053】
図4は、消去ベースPCモード用の電力制御機構400の設計を示している。電力制御機構400は、第1のループ410と、第2のループ412とを含む。第1のループ410は、サービス提供セクタ110xと端末120の間で機能し、第2のループ412は、サービス提供セクタ110xによって維持される。端末120において、第1のループ410は、消去ベースPCモードプロセッサ270によってサポートされ、消去ベースPCモードプロセッサ270は、消去指示プロセッサ272と、TX電力調整ユニット274とを含む。
【0054】
第1のループ410は、目標消去率を達成するために、端末120の伝送電力を調整する。サービス提供セクタ110xにおいて、メトリック計算ユニット224が、受信された符号語の各々に関するメトリックを計算する。消去検出器226は、以下で説明されるように、メトリックおよび消去閾値に基づいて、受信された符号語の各々に対して消去検出を実行し、受信された符号語が消去されたものか、それとも消去されていないものかを通知する消去指示を生成する。サービス提供セクタ110xは、消去指示を端末120に伝送する。
【0055】
端末120において、消去指示プロセッサ272は、サービス提供セクタ110xによって送信された消去指示を受信し、受信された消去指示の各々について消去された旨または消去されていない旨の判定を下す。調整ユニット274は、プロセッサ272からの消去判定に基づいて、端末120の伝送電力を以下のように調整することができる。
【数7】

【0056】
ここで、ΔPupは、消去判定の場合のアップステップサイズであり、ΔPdnは、消去されていない旨の判定の場合のダウンステップサイズである。
【0057】
ΔPupおよびΔPdnステップサイズは、目標消去率に基づいて、以下のように設定されることができる。
【数8】

【0058】
サービス提供セクタ110xは、ΔPupおよび/またはΔPdnステップサイズをカバレージエリア内の端末にブロードキャストすることができる。与えられた配備では、目標消去率は、非常に緩やかに変化することができる。したがって、ΔPupおよび/またはΔPdnステップサイズをブロードキャストするオーバーヘッドは、総オーバーヘッドのうちの僅かなパーセンテージとすることができる。
【0059】
第2のループ412は、目標とする条件付き誤り率を達成するために、受信された既知の符号語に基づいて、消去閾値を調整する。第2のループ412は、図3の第3のループ314に関して上で説明されたように動作する。
【0060】
第1のループ410および第2のループ412は、異なる割合で動作することができる。第1のループ410は、いつでも符号語が受信された時に、更新されることができる。第2のループ412は、いつでも既知の符号語が受信された時に、更新されることができる。
【0061】
図3および図4に示される設計では、所望の性能レベルは、目標消去率および目標とする条件付き誤り率によって定量化される。性能は、例えば目標誤警報確率など、その他の尺度によっても定量化されることができ、誤警報確率は、何も送信されなかった場合に消去されていない符号語を宣言する確率である。電力制御機構は、性能を定量化するのに使用される尺度に従って設計されることができる。
【0062】
アップ−ダウンPCモードを使用するか、それとも消去ベースPCモードを使用するかを選択する際に、様々な要因が考えられ得る。例えば、PCモードは、目標消去率、収束率、および/またはその他の要因に基づいて選択されることができる。消去ベースPCモードは、目標消去率が50%である場合には、アップ−ダウンPCモードと同様であることができる。これら2つのPCモードは、目標消去率が50%以外の何かである場合に、異なる特徴を有することができる。消去ベースPCモードは、外側ループを使用することなく、目標消去率を直接的に達成するために使用されることができる。しかし、消去ベースPCモードにおける異なるΔPudおよびΔPdnステップサイズの使用は、(1)適切な伝送電力レベルへのより緩やかな収束、および(2)受信SNRのより広い分布をもたらし得る。消去率は、消去指示を検出する際の誤りにも敏感であることができ、特に、例えば1%または10%など、非常に高いまたは非常に低い消去率を目標とする場合にそうである。アップ−ダウンPCモードは、目標消去率に関わらず、等しいアップおよびダウンステップサイズΔPを利用する。その結果、アップ−ダウンPCモードは、(1)適切な伝送電力レベルへのより速い収束、および(2)受信SNRのより狭い分布を達成することができる場合がある。
【0063】
1つの設計では、PCモードは、各端末毎に選択されることができる。別の設計では、PCモードは、各セクタ毎に選択され、そのセクタによってサービス提供されるすべての端末に対して使用される。また別の設計では、PCモードは、セクタの各グループまたはネットワーク全体に対して選択される。すべての設計で、選択されたPCモードは、上で説明された例えばRLCtrlPCModeビットなどの、オーバーヘッドメッセージパラメータを介して、端末に伝達されることができる。
【0064】
端末は、オーバーヘッドメッセージパラメータを読むことによって、電力制御用に使用するPCモードを確認することができる。このパラメータがアップ−ダウンPCモードを示している場合、端末は、サービス提供セクタから受信されたPCコマンドに基づいて、等しいアップおよびダウンステップサイズを用いて、伝送電力を調整することができる。パラメータが消去ベースPCモードを示している場合、端末は、サービス提供セクタからの消去指示を電力制御コマンドとして扱うことができ、受信された消去指示に基づいて、異なるアップおよびダウンステップサイズを用いて、伝送電力を調整することができる。
【0065】
上で説明されたRL電力制御は、符号語を送信するのに使用される制御チャネルの信頼性の高い動作を可能にする。この制御チャネルの伝送電力は、その他の制御チャネルおよびデータチャネルのための基準電力レベルとして使用されることができる。
【0066】
2.消去検出
消去検出は、符号語がどのように生成されたかに応じて、および使用するために選択されたメトリックに応じて、様々な方式で実行されることができる。消去検出のためのいくつかの例示的な方式が以下で説明される。
【0067】
1つの設計では、端末は、LビットのCQI報告(または信号メッセージ)を、長さが2の2個の可能なウォルッシュ符号の1つにマップする。その後、端末は、マップされたウォルッシュ符号を、CQI報告用の符号語として伝送する。端末は、伝送に先立って、符号語をスクランブルすることができる。セクタは、伝送された符号語を受信し、符号語の検出に先立って、相補的なデスクランブリングを実行する。
【0068】
1つの設計では、セクタは、2個の可能なウォルッシュ符号の各々を用いて受信された符号語を逆拡散することによって、以下のように検出を実行する。
【数9】

【0069】
ここで、r(n,i)は、フレームnでの第iの受信サンプルであり、w(i)は、ウォルッシュ符号lの第iのチップであり、M(n)は、フレームnでのウォルッシュ符号lに関するメトリック値である。
【0070】
セクタは、伝送され得た2個の可能なウォルッシュ符号に関する2個のメトリック値を獲得する。セクタは、各メトリック値を消去閾値と以下のように比較することができる。
【数10】

【0071】
符号語が十分な電力で伝送された場合、ただ1つのメトリック値が消去閾値を超える可能性が高い。この場合、このメトリック値に関するウォルッシュ符号が、復号語として提供されることができ、消去されていない符号語が宣言されることができる。しかし、2個のメトリック値がすべて消去閾値を下回る場合、消去された符号語が宣言されることができる。複数のメトリック値が消去閾値を超える場合、ただ1つのウォルッシュ符号が伝送され得たので、誤りイベントが宣言されることができる。この誤りイベントは、セクタによって観測される雑音および干渉に起因することができ、低い消去閾値を伴う可能性がより高くなり得る。
【0072】
別の設計では、セクタは、受信された符号語と、例えば式(9)に示されるような符号帳内の2個の可能な有効符号語の各々との間のユークリッド距離を計算することによって検出を実行する。その後、セクタは、メトリックを以下のように導出することができる。
【数11】

【0073】
ここで、d(n)は、フレームnでの受信された符号語と最も近い有効符号語との間のユークリッド距離であり、d(n)は、フレームnでの受信された符号語と次に最も近い有効符号語との間のユークリッド距離である。
【0074】
その後、セクタは、メトリックを消去閾値と以下のように比較することができる。
【数12】

【0075】
その他のメトリックも、消去検出のために使用されることができる。一般に、メトリックは、任意の信頼性関数f(r,C)に基づいて定義されることができ、ここで、rは、受信された符号語であり、Cは、すべての可能な符号語からなる符号帳である。関数f(r,C)は、受信された符号語の品質/信頼性を表示すべきであり、例えば検出信頼性に対して単調であるなど、適切な特性を有するべきである。
【0076】
3.RLハンドオフ
端末120は、RLハンドオフのために、サービス提供セクタ110xおよび非サービス提供セクタ110aから110mからの消去指示を使用することができる。端末120は、端末120に関する各セクタによって観測された消去率を、そのセクタから受信された消去指示に基づいて決定することができる。各セクタ毎に、端末120は、そのセクタから受信された各消去指示が、消去された符号語を通知しているか、それとも消去されていない符号語を通知しているかを決定することができる。端末120は、セクタに関する消去率を決定するために、所定の時間窓内で、消去された符号語の数をカウントすることができる。端末120は、最も低い消去率を有するセクタを識別することができ、このセクタをRLサービス提供セクタとして選択することができる。
【0077】
端末120は、ハンドオフ要求メッセージを現在のサービス提供セクタおよび/または新しく選択されたセクタに送信することができる。1つの設計では、端末120は、逆方向リンク上で伝送することを望む場合はいつでも、逆方向リンクリソースを求める要求を送信する。端末120は、このリソース要求を(1)現在のサービス提供セクタに関する識別コードを適用することによって、この現在のセクタに、または(2)新しく選択されたセクタに関する識別コードを適用することによって、この新しいセクタに送信することができる。新しく選択されたセクタへのリソース要求の伝送は、新しいセクタへのハンドオフ要求と見なされることができる。ハンドオフ要求は、その他の方式でも送信されることができる。
【0078】
RLハンドオフは、システムによって開始されることもできる。1つの設計では、端末120のアクティブセット内のセクタは、消去指示を、例えば図1のシステムコントローラなど、指定されたエンティティに送信する。指定されたエンティティは、端末120に関する最良の逆方向リンクを観測したセクタを決定することができ、このセクタを端末に関するRLサービス提供セクタとして選択することができる。現在のサービス提供セクタおよび/または新しく選択されたセクタは、RLハンドオフを伝えるために、信号を端末120に送信することができる。
【0079】
4.システム
図5は、端末のRL電力制御のための、基地局(例えばサービス提供基地局)によって実行されるプロセス500の設計を示している。複数のPCモードの中から選択されたPCモードを通知するシグナリングが送信される(ブロック510)。複数のPCモードは、アップ−ダウンPCモード、消去ベースPCモード、および/またはその他の何らかのPCモードを含むことができる。信号は、RLCtrlPCModeビットまたはその他の何らかのタイプの信号とすることができる。その後、端末に関する電力制御フィードバックが、選択されたPCモードに従って生成される(ブロック520)。電力制御フィードバックは、端末の伝送電力を調整するのに使用され、PCコマンド、消去指示、および/またはその他の情報を備えることができる。電力制御フィードバックは、端末に送信される(ブロック540)。伝送電力を調整するために使用されるアップおよび/またはダウンステップサイズも、端末に送信されることができ、またはすべての端末にブロードキャストされることができる。
【0080】
ブロック520について、アップ−ダウンPCモードが選択されたか、それとも消去ベースPCモードが選択されたかの判定が下される(ブロック522)。アップ−ダウンPCモードが選択された場合、端末に関する受信された信号の品質が推定され(ブロック524)、受信された信号の品質および目標信号品質に基づいて、PCコマンドが生成される(ブロック526)。目標信号品質は、例えば目標消去率など、目標性能レベルを達成するために調整されることができる(ブロック528)。消去ベースPCモードが選択された場合、符号語が端末から受信される(ブロック534)。受信された符号語の各々が消去されたものか、それとも消去されていないものかが判定され(ブロック536)、受信された符号語に関する消去指示が送信される(ブロック538)。
【0081】
図6は、端末に関するRL電力制御をサポートする装置600の設計を示している。装置600は、複数のPCモードの中から選択されたPCモードを通知するシグナリングを送信するための手段(モジュール610)と、選択されたPCモードに従って端末に関する電力制御フィードバックを生成するための手段(モジュール620)と、電力制御フィードバックを端末に送信するための手段(モジュール640)とを含む。電力制御フィードバックを生成するための手段は、アップ−ダウンPCモードを使用するか、それとも消去ベースPCモードを使用するかを判定するための手段(モジュール622)を含む。アップ−ダウンPCモードの場合、電力制御フィードバックを生成するための手段は、端末に関する受信された信号の品質を推定するための手段(モジュール624)と、受信された信号の品質および目標信号品質に基づいてPCコマンドを生成するための手段(モジュール626)と、例えば目標消去率など、目標性能レベルを達成するために目標信号品質を調整するための手段(モジュール628)とを含む。消去ベースPCモードの場合、電力制御フィードバックを生成するための手段は、端末から符号語を受信するための手段(モジュール634)と、受信された符号語の各々が消去されたものか、それとも消去されていないものかを判定するための手段(モジュール636)と、受信された符号語に関する消去指示を送信するための手段(モジュール638)とを含む。モジュール610から640は、プロセッサ、電子装置、ハードウェア装置、電子コンポーネント、論理回路、メモリなど、またはそれらの任意の組み合わせを備えることができる。
【0082】
図7は、端末のRL電力制御のための、端末によって実行されるプロセス700の設計を示している。最初に、複数のPCモードの中から選択されたPCモードを通知するシグナリングが受信される(ブロック710)。その後、伝送電力が、選択されたPCモードに従って調整される(ブロック720)。
【0083】
ブロック720について、アップ−ダウンPCモードが選択されたか、それとも消去ベースPCモードが選択されたかの判定が下される(ブロック722)。アップ−ダウンPCモードが選択された場合、PCコマンドが受信され(ブロック724)、受信されたPCコマンドに従って、伝送電力が調整される(ブロック726)。伝送電力は、(1)受信されたPCコマンドがアップコマンドである場合は、アップステップだけ増大されることができ、または(2)受信されたPCコマンドがダウンコマンドである場合は、ダウンステップだけ減少されることができる。アップ−ダウンPCモードでは、アップおよびダウンステップサイズは等しくすることができる。消去ベースPCモードが選択された場合、通信チャネルを介して送信された符号語に関する消去指示が受信され(ブロック734)、受信消去指示に従って、伝送電力が調整される(ブロック736)。伝送電力は、(1)受信消去指示が消去された符号語を示している場合は、アップステップだけ増大されることができ、または(2)受信消去指示が消去されていない符号語を示している場合は、ダウンステップだけ減少されることができる。消去ベースPCモードでは、アップおよびダウンステップサイズは異なることができ、目標消去率に基づいて選択されることができる。
【0084】
符号語が、選択されたPCモードに従って調整された伝送電力で送信される(ブロック740)。その他の伝送用の伝送電力も、符号語に関する伝送電力に基づいて調整されることができる。
【0085】
図8は、端末に関するRL電力制御を実行するための装置800の設計を示している。装置800は、複数のPCモードの中から選択されたPCモードを通知するシグナリングを受信するための手段(モジュール810)と、選択されたPCモードに従って伝送電力を調整するための手段(モジュール820)と、選択されたPCモードに従って調整された伝送電力で符号語を送信するための手段(モジュール840)とを含む。伝送電力を調整するための手段は、アップ−ダウンPCモードを使用するか、それとも消去ベースPCモードを使用するかの判定を下すための手段(モジュール822)を含む。アップ−ダウンPCモードの場合、伝送電力を調整するための手段は、PCコマンドを受信するための手段(モジュール824)と、受信されたPCコマンドに従って伝送電力を調整するための手段(モジュール826)とを含む。消去ベースPCモードの場合、伝送電力を調整するための手段は、通信チャネルを介して送信された符号語に関する消去指示を受信するための手段(モジュール834)と、受信消去指示に従って伝送電力を調整するための手段(モジュール836)とを含む。モジュール810から840は、プロセッサ、電子装置、ハードウェア装置、電子コンポーネント、論理回路、メモリなど、またはそれらの任意の組み合わせを備えることができる。
【0086】
図9は、RL電力制御およびハンドオフのための、端末によって実行されるプロセス900の設計を示している。伝送電力が、少なくとも1つの基地局が属する第1の組から受信されたPCコマンドに基づいて調整される(ブロック910)。ハンドオフが、少なくとも1つの基地局が属する第2の組から受信された消去指示に基づいて実行される(ブロック920)。第1の組は、ただ1つのサービス提供基地局を含むことができる。第2の組は、サービス提供基地局と、おそらくはその他の基地局とを含むことができる。
【0087】
端末は、逆方向リンク上で符号語を伝送する。RLハンドオフの場合、符号語に関する消去指示は、基地局の第2の組から受信されることができる。第2の組内の各基地局に関して、消去率が、その基地局から受信された消去指示に基づいて決定されることができる。最も低い消去率を有する基地局が、新しいサービス提供基地局として選択されることができ、選択された基地局へのハンドオフが、実行されることができる。RL電力制御の場合、端末の伝送電力は、受信されたPCコマンドがアップコマンドである場合は、アップステップだけ増大されることができ、または受信されたPCコマンドがダウンコマンドである場合は、ダウンステップだけ減少されることができる。
【0088】
図10は、RL電力制御およびハンドオフを実行するための装置1000の設計を示している。装置1000は、少なくとも1つの基地局が属する第1の組から受信されたPCコマンドに基づいて伝送電力を調整するための手段(モジュール1010)と、少なくとも1つの基地局が属する第2の組から受信された消去指示に基づいてハンドオフを実行するための手段(モジュール1020)とを含む。モジュール1010から1020は、プロセッサ、電子装置、ハードウェア装置、電子コンポーネント、論理回路、メモリなど、またはそれらの任意の組み合わせを備えることができる。
【0089】
図11は、図1の端末120、サービス提供基地局110x、および非サービス提供基地局110mの設計のブロック図を示している。サービス提供基地局110xにおいて、TXデータプロセッサ1114xは、データソース1112xからトラフィックデータを、コントローラ/プロセッサ1130xおよびスケジューラ1134xから信号を受信する。コントローラ/プロセッサ1130xは、基地局110xと通信する端末の伝送電力を調整するために、フィードバック(例えばPCコマンドおよび/または消去指示)を提供することができ、スケジューラ1134xは、データチャネルおよび/またはサブキャリアの割り当てを端末に提供することができる。TXデータプロセッサ1114xは、トラフィックデータおよび信号の処理(例えば、符号化、インタリーブ、およびシンボルマップ)を行い、シンボルを提供する。変調器(Mod)1116xは、シンボルに対して(例えば、CDMA、OFDMA、および/またはその他の無線技法用の)変調を実行し、出力チップを提供する。送信機(TMTR)1118xは、出力チップの調整(例えば、アナログ変換、増幅、フィルタ、および周波数アップコンバート)を行い、順方向リンク信号を生成し、順方向リンク信号は、アンテナ1120xを介して伝送される。
【0090】
非サービス提供基地局110mは同様に、基地局110mによってサービス提供される端末およびアクティブセット内に基地局110mを有する端末に関するトラフィックデータおよび信号を処理する。トラフィックデータおよび信号は、TXデータプロセッサ1114mによって処理され、変調器1116mによって変調され、送信機1118mによって調整され、アンテナ1120mを介して伝送される。
【0091】
端末120において、アンテナ1152は、基地局110xおよび110m、ならびにおそらくはその他の基地局から順方向リンク信号を受信する。受信機1154は、アンテナ1152から受け取った受信信号の調整(例えば、フィルタ、増幅、周波数ダウンコンバート、およびデジタル化)を行い、サンプルを提供する。復調器(Demod)1156は、(例えば、CDMA、OFDMA、および/またはその他の無線技法用の)復調を実行し、シンボル推定を提供する。RXデータプロセッサ1158は、シンボル推定の処理(例えば、シンボル逆マップ、デインタリーブ、および復号)を行い、復号データをデータシンク1160に提供し、検出信号(例えば、RLCtrlPCModeビット、PCコマンド、および消去指示など)をコントローラ/プロセッサ1170に提供する。
【0092】
逆方向リンク上で、TXデータプロセッサ1182は、データソース1180からのトラフィックデータおよびコントローラ/プロセッサ1170からの信号(例えば、符号語およびハンドオフ要求など)を処理し、シンボルを生成する。シンボルは、変調器1184によって変調され、逆方向リンク信号を生成するために送信機1186によって調整され、逆方向リンク信号は、アンテナ1152から伝送される。コントローラ1170は、伝送用に使用する伝送電力レベルの表示を提供することができる。
【0093】
サービス提供基地局110xにおいて、端末120およびその他の端末からの逆方向リンク信号は、アンテナ1120xによって受信され、受信機1140xによって調整され、復調器1142xによって復調され、RXデータプロセッサ1144xによって処理される。プロセッサ1144xは、復号データをデータシンク1146xに提供し、検出信号(例えば符号語)をコントローラ/プロセッサ1130xに提供する。受信機1140xは、各端末に関する受信された信号の品質を推定し、この情報をコントローラ/プロセッサ1130xに提供することができる。コントローラ/プロセッサ1130xは、上で説明されたように、各端末に関するPCコマンドおよび/または消去指示を導出することができる。非サービス提供基地局110mは同様に、端末120によって送信された信号(例えば、符号語およびハンドオフ要求)を検出することができ、消去指示を端末に送信することができる。
【0094】
コントローラ/プロセッサ1130x、1130m、および1170は、それぞれ、基地局110xおよび110mならびに端末120の様々な処理ユニットの動作を指示する。これらのコントローラ/プロセッサは、電力制御およびハンドオフに関する様々な機能を実行することもできる。例えば、コントローラ/プロセッサ1130xは、基地局110xに関する図3および図4に示されたユニット220から232の一部あるいは全部を実施することができる。コントローラ1170は、端末120に関する図2から図4に示されたユニット258から290の一部あるいは全部を実施することができる。コントローラ1130xは、図5のプロセス500を実施することもできる。コントローラ1170は、図7および図9のプロセス700および/または900を実施することもできる。メモリ1132x、1132m、および1172は、それぞれ、基地局110xおよび110mならびに端末120に関するデータおよびプログラムコードを保存する。スケジューラ1134xおよび1134mは、それぞれ、基地局110xおよび110mと通信する端末をスケジュールし、スケジュールされた端末にデータチャネルおよび/またはサブキャリアを割り当てる。
【0095】
本明細書で説明された技法は、様々な手段によって実施されることができる。例えば、これらの技法は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、またはそれらの組み合わせで実施されることができる。ハードウェア実施の場合、電力制御およびハンドオフを実行するのに使用される処理ユニットは、1つまたは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、デジタル信号処理装置(DSPD)、プログラム可能論理回路(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、電子装置、本明細書で説明された機能を実行するように設計されたその他の電子ユニット、またはそれらの組み合わせ内で実施されることができる。
【0096】
ファームウェアおよび/またはソフトウェア実施の場合、本明細書の技法は、本明細書で説明された機能を実行するモジュール(例えば、プロシージャおよび関数など)を用いて実施されることができる。ファームウェアおよび/またはソフトウェアコードは、メモリ(例えば、図11のメモリ1132x、1132m、または1172)内に保存され、プロセッサ(プロセッサ1130x、1130m、または1170)によって実行されることができる。メモリは、プロセッサ内に実装されても、またはプロセッサの外部に実装されてもよい。
【0097】
本明細書には、参照用に、および特定のセクションの発見に役立つように、見出しが含まれる。これらの見出しは、その下で説明される概念の範囲を限定することは意図されておらず、これらの概念は、明細書全体のその他のセクションにおいても適用性を有することができる。
【0098】
本開示の先の説明は、当業者が本開示を作成または使用することを可能にするために提供された。本開示に対する様々な修正が、当業者には容易に明らかであり、本明細書で確定された汎用的な概念は、本開示の主旨および範囲から逸脱することなく、その他の変形に適用されることができる。したがって、本開示は、本明細書で説明された例に限定されることは意図されておらず、本明細書で開示された原理および新規な特徴に矛盾しない最も広い範囲を与えられるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記を備える装置:
複数のPCモードの中から選択されたPCモードを通知するシグナリングを受信し、前記選択されたPCモードに従って伝送電力を調整するように構成される少なくとも1つのプロセッサ;および、
前記少なくとも1つのプロセッサに結合されるメモリ。
【請求項2】
前記複数のPCモードが、アップ−ダウンPCモードと、消去ベースのPCモードとを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
請求項1に記載の装置、ここにおいて、
前記選択されたPCモードが、アップ−ダウンPCモードであり、前記少なくとも1つのプロセッサが、受信されたPCコマンドに従って前記伝送電力を調整するように構成される。
【請求項4】
請求項3に記載の装置、ここにおいて、
前記少なくとも1つのプロセッサが、受信されたPCコマンドがアップコマンドである場合、前記伝送電力をアップステップだけ増大させ、前記受信されたPCコマンドがダウンコマンドである場合、前記伝送電力をダウンステップだけ減少させるように構成される。
【請求項5】
前記アップステップが、前記ダウンステップに等しい、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
請求項1に記載の装置、ここにおいて、
前記選択されたPCモードが、消去ベースのPCモードであり、前記少なくとも1つのプロセッサが、通信チャネルを介して送信された符号語に関する消去指示を受信し、前記受信された消去指示に従って前記伝送電力を調整するように構成される。
【請求項7】
請求項6に記載の装置、ここにおいて、
前記少なくとも1つのプロセッサが、受信された消去指示が消去される符号語を示している場合、前記伝送電力をアップステップだけ増大させ、前記受信された消去指示が消去されない符号語を示している場合、前記伝送電力をダウンステップだけ減少させるように構成される。
【請求項8】
前記アップステップおよび前記ダウンステップが、目標消去率によって決定される、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記少なくとも1つのプロセッサが、前記選択されたPCモードに従って調整された前記伝送電力で符号語を送信するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記シグナリングが、PCモードビットである、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
下記を備える方法:
複数のPCモードの中から選択されたPCモードを通知するシグナリングを受信すること;および、
前記選択されたPCモードに従って伝送電力を調整すること。
【請求項12】
請求項11に記載の方法、ここにおいて、
前記選択されたPCモードに従って前記伝送電力を調整することが、受信されたPCコマンドに従って前記伝送電力を調整することを備える。
【請求項13】
請求項11に記載の方法、ここにおいて、
前記選択されたPCモードに従って前記伝送電力を調整することは、下記を備える: 通信チャネルを介して送信された符号語に関する消去指示を受信すること;および、 前記受信された消去指示に従って前記伝送電力を調整すること。
【請求項14】
下記を備える装置:
複数のPCモードの中から選択されたPCモードを通知するシグナリングを受信するための手段;および、
前記選択されたPCモードに従って伝送電力を調整するための手段。
【請求項15】
請求項14に記載の装置、ここにおいて、
前記選択されたPCモードに従って前記伝送電力を調整するための前記手段は、
受信されたPCコマンドに従って前記伝送電力を調整するための手段を備える。
【請求項16】
請求項14に記載の装置、ここにおいて、
前記選択されたPCモードに従って前記伝送電力を調整するための前記手段は下記を備える:
通信チャネルを介して送信された符号語に関する消去指示を受信するための手段;および、
前記受信された消去指示に従って前記伝送電力を調整するための手段。
【請求項17】
下記のように動作可能な命令を保存するためのプロセッサ可読媒体:
複数のPCモードの中から選択されたPCモードを通知するシグナリングを受信する; 前記選択されたPCモードに従って伝送電力を調整する。
【請求項18】
下記を備える装置:
複数のPCモードの中から選択されたPCモードを通知するシグナリングを送信し、前記選択されたPCモードに従って端末に関する電力制御フィードバックを生成し、前記電力制御フィードバックを前記端末に送信するように構成される少なくとも1つのプロセッサ、ここにおいて、前記電力制御フィードバックは、前記端末の伝送電力を調整するために使用される;および、
前記少なくとも1つのプロセッサに結合されるメモリ。
【請求項19】
請求項18に記載の装置、ここにおいて、
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記端末に関する受信された信号の品質を推定し、前記受信された信号の品質に基づいてPCコマンドを生成するように構成され、ここにおいて、
前記電力制御フィードバックは、前記PCコマンドを備える。
【請求項20】
請求項18に記載の装置、ここにおいて、
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記端末に関する受信された信号の品質を推定し、前記受信された信号の品質および目標信号品質に基づいてPCコマンドを生成し、目標性能レベルに基づいて前記目標信号品質を調整するように構成され、ここにおいて、
前記電力制御フィードバックは、前記PCコマンドを備える。
【請求項21】
請求項20に記載の装置、ここにおいて、
前記目標とする性能レベルは、目標消去率であり、ここにおいて、
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記端末から符号語を受信し、受信された符号語の各々が消去されたものか、それとも消去されていないものかを判定し、前記目標消去率を達成するために前記目標信号品質を調整するように構成される。
【請求項22】
請求項18に記載の装置、ここにおいて、
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記端末から符号語を受信し、受信された符号語の各々が消去されたものか、それとも消去されていないものかを判定し、前記受信された符号語に関する消去指示を送信するように構成され、ここにおいて、
前記電力制御フィードバックは、前記消去指示を備える。
【請求項23】
請求項18に記載の装置、ここにおいて、
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記端末の前記伝送電力を調整するのに使用されるアップステップ、ダウンステップ、または前記アップステップと前記ダウンステップの両方を送信するように構成される。
【請求項24】
請求項22に記載の装置、ここにおいて、
前記少なくとも1つのプロセッサは、消去閾値に基づいて、受信された符号語の各々が消去されたものか、それとも消去されていないものかを判定し、目標性能レベルに基づいて前記消去閾値を調整するように構成される。
【請求項25】
請求項24に記載の装置、ここにおいて、
前記目標性能レベルが、前記受信された符号語に関する目標とする条件付き誤り率、目標誤り率、または目標誤警報率である。
【請求項26】
下記を備える方法:
複数のPCモードの中から選択されたPCモードを通知するシグナリングを送信すること;
前記選択されたPCモードに従って端末に関する電力制御フィードバックを生成すること;および、
前記電力制御フィードバックを前記端末に送信すること、ここにおいて、
前記電力制御フィードバックは、前記端末の伝送電力を調整するために使用される。
【請求項27】
請求項26に記載の方法、ここにおいて、
前記端末に関する前記電力制御フィードバックを生成することは、下記を備える:
前記端末に関する受信された信号の品質を推定すること;
前記受信された信号の品質および目標信号品質に基づいてPCコマンドを生成すること;および、
目標性能レベルに基づいて前記目標信号品質を調整すること、ここにおいて、
前記電力制御フィードバックは、前記PCコマンドを備える。
【請求項28】
請求項26に記載の方法、ここにおいて、
前記端末に関する前記電力制御フィードバックを生成することは、下記を備える:
前記端末から符号語を受信すること;
受信された符号語の各々が消去されたものか、それとも消去されていないものかを判定すること;および、
前記受信された符号語に関する消去指示を送信すること、ここにおいて、
前記電力制御フィードバックは、前記消去指示を備える、。
【請求項29】
下記を備える装置:
複数のPCモードの中から選択されたPCモードを通知するシグナリングを送信するための手段;
前記選択されたPCモードに従って端末に関する電力制御フィードバックを生成するための手段;および、
前記電力制御フィードバックを前記端末に送信するための手段、ここにおいて、
前記電力制御フィードバックは、前記端末の伝送電力を調整するために使用される。
【請求項30】
請求項29に記載の装置、ここにおいて、
前記端末に関する前記電力制御フィードバックを生成するための前記手段は、下記を備える:
前記端末に関する受信された信号の品質を推定するための手段;
前記受信された信号の品質および目標信号品質に基づいてPCコマンドを生成するための手段;および、
目標性能レベルに基づいて前記目標信号品質を調整するための手段、ここにおいて、 前記電力制御フィードバックは、前記PCコマンドを備える。
【請求項31】
請求項29に記載の装置、ここにおいて、
前記端末に関する前記電力制御フィードバックを生成するための前記手段は、下記を備える:
前記端末から符号語を受信するための手段;
受信された符号語の各々が消去されたものか、それとも消去されていないものかを判定するための手段;および、
前記受信された符号語に関する消去指示を送信するための手段、ここにおいて、
前記電力制御フィードバックは、前記消去指示を備える。
【請求項32】
下記のように動作可能な命令を保存するためのプロセッサ可読媒体:
複数のPCモードの中から選択されたPCモードを通知するシグナリングを送信する; 前記選択されたPCモードに従って端末に関する電力制御フィードバックを生成する; 前記電力制御フィードバックを前記端末に送信する、ここにおいて、
前記電力制御フィードバックは、前記端末の伝送電力を調整するために使用される。
【請求項33】
下記を備える装置:
少なくとも1つの基地局が属する第1の組から受信されたPCコマンドに基づいて伝送電力を調整し、少なくとも1つの基地局が属する第2の組から受信された消去指示に基づいてハンドオフを実行するように構成される少なくとも1つのプロセッサ;および、
前記少なくとも1つのプロセッサに結合されるメモリ。
【請求項34】
請求項33に記載の装置、ここにおいて、
前記第1の組が、サービス提供基地局として指定された単一の基地局を含み、前記第2の組が、前記サービス提供基地局を含む。
【請求項35】
請求項33に記載の装置、ここにおいて、
前記少なくとも1つのプロセッサが、前記受信されたPCコマンドに基づいて調整された前記伝送電力で符号語を伝送し、少なくとも1つの基地局が属する前記第2の組から前記符号語に関する前記消去指示を受信するように構成される。
【請求項36】
請求項33に記載の装置、ここにおいて、
前記少なくとも1つのプロセッサが、前記基地局から受信された消去指示に基づいて、前記第2の組内の各基地局に関する消去率を決定し、最も低い消去率を有する基地局を選択し、前記選択された基地局へのハンドオフを実行するように構成される。
【請求項37】
請求項33に記載の装置、ここにおいて、
前記少なくとも1つのプロセッサが、受信されたPCコマンドがアップコマンドである場合、前記伝送電力をアップステップだけ増大させ、前記受信されたPCコマンドがダウンコマンドである場合、前記伝送電力をダウンステップだけ減少させるように構成される。
【請求項38】
下記を備える方法:
少なくとも1つの基地局が属する第1の組から受信されたPCコマンドに基づいて伝送電力を調整すること;および、
少なくとも1つの基地局が属する第2の組から受信された消去指示に基づいてハンドオフを実行すること。
【請求項39】
さらに下記を備える請求項38に記載の方法:
前記受信されたPCコマンドに基づいて調整された前記伝送電力で符号語を伝送すること;および、
少なくとも1つの基地局が属する前記第2の組から前記符号語に関する前記消去指示を受信すること。
【請求項40】
請求項38に記載の方法、ここにおいて、
前記ハンドオフを実行することは、下記を備える:
前記基地局から受信された消去指示に基づいて、前記第2の組内の各基地局に関する消去率を決定すること;
最も低い消去率を有する基地局を選択すること;および、
前記選択された基地局へのハンドオフを実行すること。
【請求項41】
下記を備える装置:
少なくとも1つの基地局が属する第1の組から受信されたPCコマンドに基づいて伝送電力を調整するための手段;および、
少なくとも1つの基地局が属する第2の組から受信された消去指示に基づいてハンドオフを実行するための手段。
【請求項42】
さらに下記を備える請求項41に記載の装置:
前記受信されたPCコマンドに基づいて調整された前記伝送電力で符号語を伝送するための手段;および、
少なくとも1つの基地局が属する前記第2の組から前記符号語に関する前記消去指示を受信するための手段。
【請求項43】
請求項41に記載の装置、ここにおいて、
ハンドオフを実行するための前記手段は、下記を備える:
前記基地局から受信された消去指示に基づいて、前記第2の組内の各基地局に関する消去率を決定するための手段;
最も低い消去率を有する基地局を選択するための手段;および、
前記選択された基地局へのハンドオフを実行するための手段。
【請求項44】
下記のように動作可能な命令を保存するためのプロセッサ可読媒体:
少なくとも1つの基地局が属する第1の組から受信されたPCコマンドに基づいて伝送電力を調整する;および、
少なくとも1つの基地局が属する第2の組から受信された消去指示に基づいてハンドオフを実行する。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−120183(P2012−120183A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−284089(P2011−284089)
【出願日】平成23年12月26日(2011.12.26)
【分割の表示】特願2008−549670(P2008−549670)の分割
【原出願日】平成19年1月5日(2007.1.5)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】