説明

電力制御システムおよび電力制御システムを有する電力施設

【課題】発電施設の効率性を向上させる技術を提供する。
【解決手段】電力制御システムは、複数の発電体(204)の出力電力が第1の電力として合成される、当該複数の発電体(204)を接続可能な第1のノード(205)と、第1のノード(205)における第1の電力を、負荷に接続可能な第2のノード(221)における、当該第1の電力よりも高電圧の第2の電力に変換するトランス(219)と、第1のノード(205)および/または第2のノード(221)に接続可能な少なくとも1つのキャパシタ(213、223)と、発電体(204)から負荷までにおける電力の送電損失による電力損失が最少化されるよう、少なくとも1つのキャパシタ(213、223)と、第1のノード(205)および/または第2のノード(221)との接続を制御する制御ユニット(209)と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の発電体を制御するための電力制御システムに関する。また、本発明は、複数の発電体と電力制御システムとを有する発電施設に関する。特に、本発明は、複数の発電体を制御するための電力制御システムに関し、該電力制御システムは電力制御システム内のノードに接続可能な少なくとも1つのキャパシタを有する。
【背景技術】
【0002】
電力施設には複数の発電体、たとえば風力タービンが設けられている。発電体は系統連系点(PCC)において接続されており、生成された電力を系統(グリッド)に供給する。米国において「PCC」の語はたとえば系統管理者およびローカル電力生産者の間の接続点を意味する。したがって、系統事業者がトランスを保有する場合には、系統連系点はたとえばMV(中電圧)側にある。系統連系点はたとえば当該トランスの反対側であるHV(高電圧)側にあるか、または、ローカル電力生産者が風力発電プラントまでラインを設ける必要があった場合にはたとえば数マイル上流側にある。
【0003】
風力タービンはたとえば特に可変速風力タービンである。電力品質を高めるため、または、系統連系点における相互接続取り決めを満たすため、この可変速風力タービンは、系統における負荷に応じて、なんらかの無効電力(VAr)の制御を必要とする。
【0004】
US7,071,579B2には、系統に接続されたウインドファームのための、ウインドファームのVArサポートコントローラおよび高調波フィルタコントローラが開示されている。VArサポートおよび高調波フィルタは、風力タービンのトランスとウインドファームのトランスとの間の系統の低電圧側に設置される。ウインドファームのトランスは、ローカルの電圧制御に従って低電圧または中電圧を高電圧に変換する。VArサポートは、PCCにおける制約を満たすよう、変電所のトランスのMV側またはHV側において発電体(タービン)に用いられる。
【0005】
US7,042,110B2には、風力タービンの発電機のコンバータがフィールドオリエンテーション法により発電機のトルクを制御する、可変速風力タービンが開示されている。そして、系統のコンバータがMW、電圧(MVArまたはcos(φ))などの系統特性を制御する。しかし、無効電圧およびcos(φ)のコントローラは詳細には記載されていない。
【0006】
US7,606,638B2には、電圧制御(MVArまたはcos(φ))を用いるウインドパークが開示されている。パークマスタは、有効なキャパシタバンクと風力タービンに対する電圧基準との最適な組み合わせを設定しネットワークへの送電を増加させるよう、風力エネルギー設備を制御するための通信ラインを有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】US7,071,579B2
【特許文献2】US7,042,110B2
【特許文献3】US7,606,638B2
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
複数の発電体を有する電力施設が最適な効率で動作しない場合がある。さらに、従来の制御方法はより高いレベルの効率を達成可能な柔軟性を提供しない場合がある。
【0009】
発電施設の効率性を向上させるよう、個々の発電体に電圧(MVArまたはcos(φ))の基準を与える、複数の発電体を制御するための電力制御システムが必要とされている。さらに、電力制御システムを有する電力施設、特にその効率性が向上された電力施設が必要とされている。さらに、負荷が変化する状態で電力を効率的に提供する電力施設が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題は独立請求項にかかる発明により解決される。本発明の有利な実施形態は従属請求項に記載される。
【0011】
一実施形態では、電力制御システムは、複数の発電体が接続可能であり、それらの電力出力信号が第1の電力として合成される第1のノードと、第1のノードにおける第1の電力を、当該第1の電力よりも電圧の高い、第2のノードにおける第2の電力に変換するトランスと、第1のノードおよび/または第2のノードに接続可能な少なくとも1つのキャパシタと、第1のノードにおける電力出力信号の合成および/または負荷に対する第2の電力の供給により引き起こされる電力損失を最少化するよう、特に、発電体により生成される電力のPCCまたは電圧制御点への伝送により引き起こされる電力損失が最少化できるよう、少なくとも1つのキャパシタと第1のノードおよび/または第2のノードとの間の接続ならびに発電体に対して電圧(MVArまたはcos(φ))の基準の送信を制御する制御ユニットと、を有している。
【0012】
第1のノードは、たとえば、各発電体を第1のノードに対して接続または非接続とする複数のスイッチを介して複数の発電体が接続可能または接続されている点であってよい。複数の発電体のそれぞれは発電可能ないかなるもの、たとえば風力タービンであってよい。たとえば、電力は、風力エネルギー、波力エネルギーおよび/または太陽エネルギーなどの機械的エネルギーから生成される。
【0013】
複数の発電体のそれぞれは、たとえば機械的エネルギーを電気エネルギーに変換する電気機械的変換器を有している。特に、たとえば複数の発電体のそれぞれは発電機を有している。さらに、複数の発電体のそれぞれは、たとえば発電機からの電力を公共の系統に適合する電力、特に所定の周波数と所定の電圧および/または所定の電流を有し、特に3相の電力に変換するためのAC/DC/ACコンバータを有している。さらに、複数の発電体のそれぞれは、たとえば発電体の主要端における電力の質をさらに向上させるためのフィルタ回路を有している。
【0014】
複数の発電体のそれぞれについて動作電圧が調整可能であり、この動作電圧は発電体による出力電力の電圧を表している。特に、動作電圧は、たとえば、コンバータにおいて、特に風力タービンのコンバータにおいて調節可能である。
【0015】
複数の発電体の電力は、第1のノードにおいて、特定の電圧と特定の電流を有する第1の電力として合成される。電圧および電流は、時間に関するサインまたはコサインなどの三角関数に従って変動する。変動する第1の電力の周波数は、たとえば、公称50Hzまたは60Hzである。
【0016】
第1の電力の電圧と電流は同相であってもよく、または、互いに位相がずれていてもよい。相対位相角はφで表される。したがって、たとえば電流は電圧より位相φだけ進んでいてもよいし、遅れていてもよい。第1の電力における電流と電圧の間の相対的な位相ずれφは、たとえば、複数の発電体それぞれの電気特性、第2の電力が送られる負荷および他の要因に依存している。負荷がたとえば完全な抵抗である場合には、第1の電力の電圧および電流は同相(φ=0)であり、同時にその極性を反転させる。たとえば、負荷が完全なリアクトルである場合には、第1の電力の電圧および電流は90°ずれており、すなわち、φ=90°である。
【0017】
伝送される電力は、電気信号の電圧と電流との積である。したがって、相対位相の関係を考慮に入れ、電力は電圧と電流と相対位相φのコサインとの積に等しい。量√3×I×V×cos(φ)は「有効電力」と呼ばれ、√3×I×V×sin(φ)は「無効電力」と呼ばれる(両式において、「×」は積を表している。)。量I×Vは「皮相電力」と呼ばれる。ここで、「I」はで第1の電力の電流を表し、「V」は第1の電力の電圧を表している。負荷から発電施設へと戻る無効電力は「VAr」の単位で定量化される。一方、有効電力はワット(W)の単位で測定される。
【0018】
たとえば、負荷が完全なリアクトル(φ=90)である場合には、負荷への正味のエネルギー伝送は無い。相対位相角φが0°から90°の間にある場合、特定の時間において負荷への正味のエネルギー伝送が存在し、他の特定の時間においては負荷から逆方向への正味の伝送が存在することとなる。
【0019】
トランスは、たとえば、長距離の電力線を介したより効率的な伝送が可能となるよう、第1の電力を当該第1の電力よりも高い電圧を有する第2の電力に変換する。少なくとも1つのキャパシタは、電荷を蓄積可能ないかなる電気デバイスであってよい。たとえば、キャパシタは誘電材料により分離された2つの電極において電荷を蓄積するものであってよい。このとき、エネルギーは2つの電極間に生成される電界に蓄積される。少なくとも1つのキャパシタは3相の電力系統におけるキャパシタ特性を表し、たとえばスイッチドキャパシタまたは他のデバイスであってもよい。
【0020】
一実施形態では、制御ユニットはたとえば、第1のノードおよび/または第2のノードのいずれかにおける、特定のデバイスにおけるキャパシタンスの量を調整する。
【0021】
アクティブなキャパシタバンクの可能な組み合わせのそれぞれ、および、系統の制約を満たすタービンに伝送される電圧基準に関して、制御ユニットは、回路を通じて生じる電流および電圧を算出するために、PSS(登録商標)Eモデル(Siemens社製)または電気インフラの任意の他のモデルを用いることができる。制御ユニットは、このモデルによる結果に基づいて、発電体から測定点(たとえば図2中のノード205または221)までのMW損失の値を求める。系統からの要求により非常に大きな無効成分の供給が必要とされる場合があり、確実に必要な電力供給を満たすキャパシタの複数の組み合わせがありうる。他の動作条件においては、無効成分がほとんど必要とされない場合があり、キャパシタの少ない組み合わせまたはタービンにおける電圧制御のみで、必要とされる無効電力の供給を満たす場合がある。
【0022】
たとえば、系統の相互接続取り決めに対して準拠するように、所定条件下で風力発電プラントが15MVArの無効電力を生成しなければならない場合、これは以下により達成される。
【0023】
タービンの寄与:+15MVAr;ノード(205)におけるキャパシタ(211)の寄与:0MVAr;ノード(221)におけるキャパシタ(223)の寄与:0MVAr;または
タービンの寄与:+10MVAr;ノード(205)におけるキャパシタ(211)の寄与:+5MVAr;ノード(221)におけるキャパシタ(223)の寄与:0MVAr;または
タービンの寄与:0MVAr;ノード(205)におけるキャパシタ(211)の寄与:+15MVAr;ノード(221)におけるキャパシタ(223)の寄与:0MVAr。
【0024】
キャパシタのサイズ、キャパシタの数に応じて、他の組み合わせも可能である。制御ユニット(209)は、たとえば、全ての組み合わせを考慮し、最少の送電損失を伴う組み合わせを決定し、それに従ってキャパシタの接続を設定する。
【0025】
タービンのレベルで15MVArを生成する電圧基準を設定することにより、LV(低電圧)側の電圧が上昇し、ここでの損失が低減される。しかし、少なくとも複数のキャパシタバンクを接続してオンとすることにより、発電体から測定点までのより低いエネルギー損失が実現される可能性が高くなる。最適なソリューションはたとえば同様に主要な系統の電圧に依存する。
【0026】
系統の相互接続には、単純な固定目標値が用いられない場合がある。系統管理者がいかなる時点で何を必要としているのかに応じて、ある相互接続に関しては動的な電圧基準が用いられ、他の相互接続に関しては動的なMVArまたはcos(φ)が基準とされる。ある相互接続に関しては、たとえば、所定の風力発電プラントが電圧制御とMVAr/cos(φ)モードなどの異なる動作モードの間で切り替えが要求される場合がある。
【0027】
一実施形態では、少なくとも1つのキャパシタを第1のノードに接続することが有利である。別の実施形態では、少なくとも1つのキャパシタを第2のノードに接続することが有利である。他の実施形態では、少なくとも1つのキャパシタを第1のノードと第2のノードのいずれにも接続しないことが有利である。
【0028】
一実施形態では、電力損失は、たとえば、複数の発電体により生成された元々の電力と負荷に伝送された電力との間の差として定義される。元々の電力とは、たとえば、電力が発電体特に風力タービンのコンバータ、フィルタおよび他の電気的構成要素に供給される前に各発電機により生成される、複数の発電体の電力である。したがって、電力損失の少なくとも一部は、たとえば、発電体から第1のノードに電力を伝送することにより生じる。それに加えてまたはそれに代わって、電力損失の少なくとも一部は、たとえば、第1のノードにおける第1の電力の第2のノードへの伝送によるものであり、第1の電力から第2の電力への変換によっても生じる。
【0029】
制御ユニットにより実行される、複数の発電体と少なくとも1つのキャパシタとを有している発電施設の制御方法は、したがって、発電施設の効率性を向上させ、さらに、電力がローカルの電圧制御に確実に従うようにすることができる。
【0030】
一実施形態では、少なくとも1つのキャパシタは、第1のノードに接続可能な少なくとも1つの第1のキャパシタと、第2のノードに接続可能な少なくとも1つの第2のキャパシタとを有している。制御ユニットは、電力損失が最少となるよう、第1のキャパシタの第1のノードへの接続と、第2のキャパシタの第2のノードへの接続とを制御する。複数の第1のキャパシタと複数の第2のキャパシタとが設けられている場合、制御ユニットは、電力損失が最少となるよう、全ての第1のキャパシタの第1のノードへの接続と、全ての第2のキャパシタの第2のノードへの接続とを制御する。
【0031】
本願明細書において、たとえば、第1のキャパシタは複数のキャパシタから構成されており、たとえば、第2のキャパシタは複数のキャパシタから構成されている。
【0032】
第1のノードに接続可能な少なくとも1つの第1のキャパシタおよび/または第2のノードに接続可能な少なくとも1つの第2のキャパシタを設けることにより、(特に複数の第1のキャパシタと複数の第2のキャパシタとが設けられている場合の、第1のキャパシタの第1のノードへの接続および第2のキャパシタの第2のノードへの接続のより多くの組み合わせにより)電力損失を低減させるより多くの機会が与えられ、これにより発電施設の効率が向上可能となる。
【0033】
一実施形態では、少なくとも1つの第1のキャパシタが第1のノードに接続され、少なくとも1つの第2のキャパシタが第2のノードに接続される。別の実施形態では、少なくとも1つの第1のキャパシタが第1のノードに接続され、少なくとも1つの第2のキャパシタが第2のノードとは非接続とされている。また別の実施形態では、1つの第1のキャパシタが第1のノードとは非接続とされており、1つの第2のキャパシタは第2のノードに接続されている。さらに別の実施形態では、1つの第1のキャパシタは第1のノードとは非接続とされており、1つの第2のキャパシタも第2のノードと非接続とされている。
【0034】
一実施形態では、制御ユニットは、第1のキャパシタの第1のノードとの接続および第2のキャパシタの第2のノードとの接続の全ての可能な組み合わせを考慮し、発電施設の最少の電力損失をもたらす接続モードを選択する。
【0035】
一実施形態では、発電体はその電力出力信号の動作電圧を調整することができる。ここで、制御ユニットはさらに、電力損失が最少となるよう、発電体の動作電圧を制御する。
【0036】
発電体の動作電圧を調整することにより、発電体それぞれの力率を調整することができる。これにより、各発電体が生成する電力の電圧と電流との間の位相の関係を変化させることができる。特に、少なくとも2つの発電体の動作電圧は、たとえば互いに異なっている。
【0037】
一実施形態では、制御ユニットは、発電体に電圧(MVArまたはcos(φ))の基準を与え、結果生じる電力特性が相互接続の取り決めを確実に満たすよう制御する。さらに、制御ユニットは、たとえば、第1のキャパシタの第1のノードとの接続、第2のキャパシタの第2のノードとの接続、および、発電体に印加される動作電圧の全ての組み合わせを考慮し、最少の電力損失を生じる組み合わせを決定する。そして、第1のキャパシタの第1のノードとの接続および第2のキャパシタの第2のノードとの接続ならびに発電体に対する動作電圧の調整は、たとえば、最少の電力損失を生じる決定された組み合わせにしたがって実行される。
【0038】
一実施形態では、制御ユニットは、さらに、風力発電プラントインフラの固有周波数の影響が最少化されるよう、第1のキャパシタの接続および/または第2のキャパシタの接続および/または発電体の動作電圧(MVArまたはcos(φ))を制御する。
【0039】
振動は、たとえば系統の公称周波数の倍数の周波数で生じる。公称周波数はたとえば50Hzまたは60Hzである。公称周波数の倍数の周波数は、高調波周波数ともいわれる。振動は複数の発電体を第1のノードに接続するネットワークにおいて生じ、振動はそれに加えてまたはそれに代わって第1のノードと第2のノードとの間の電気的素子および/または第2のノードと負荷との間の電気的接続および電気的素子において生じうる。一実施形態では、振動は、負荷を表す複数の消費体に発電施設を接続する系統を含む発電施設全体において生じうる。1つまたは複数の固有周波数での振動は、発電施設の効率性または信頼性に好ましくない影響をもたらしうる。よって、風力発電プラントの内部系統の容量性素子をアクティブに動作させることにより、固有の共振または高調波の好ましくない影響を低減させることができる。
【0040】
振動にはたとえば電圧および/または電流の振動が含まれ、電圧および/または電流は時間とともに変動する。
【0041】
一実施形態では、制御ユニットは、電気特性を予測する電力制御システムのモデルに基づいて、第1のキャパシタの接続および/または第2のキャパシタの接続および/または発電体の動作電圧を制御する。
【0042】
特に、少なくとも1つの第1のキャパシタは、たとえば、第1のノードに独立に接続可能な複数の第1のキャパシタから構成されている。特に、少なくとも1つの第2のキャパシタは、たとえば、第2のノードに独立に接続可能な複数の第2のキャパシタから構成されている。別の実施形態では、少なくとも1つの第1のキャパシタは、たとえば、調整可能な量の電荷を蓄積可能なキャパシタである。一実施形態では、少なくとも1つの第2のキャパシタは、たとえば、調整可能な量の電荷を蓄積可能なキャパシタである。これらの実施形態によれば、制御ユニットは、たとえば、少なくとも1つの第1のキャパシタおよび/または少なくとも1つの第2のキャパシタに蓄積されている電荷量を調整する。したがって、制御ユニットは、(スイッチドキャパシタシステムのスイッチを閉じるか、または、動的VAr装置のMVAr基準または電圧基準を設定することによって、)調整可能な電荷(制御ユニットにより制御可能な電荷)を有する電荷蓄積体を第1のノードに接続し、調整可能な電荷(制御ユニットにより制御可能な電荷)を有する電荷蓄積体を第2のノードに接続する。
【0043】
一実施形態では、たとえば、モデルは、複数の発電体と、該発電体から第1のノードへの複数の接続パスと、第1のノードと第2のノードとの間の電気的構成要素の電気的特性とを含む発電施設全体のモデルであり、電力を負荷に与える送電系統の一部を含んでいてもよい。
【0044】
モデルは、たとえば、負荷への電力の送電路における(複素)インピーダンスを含んでいる。モデルには、PSS(登録商標)Eモデル(Siemens社製モデリングソフトウェアを用いて構築されるモデル)またはパークコントローラプラットフォームにおいて存在しうる同様の任意の他のモデリング表現が含まれる。さらに、モデルにはたとえば送電ラインのモデルおよびキャパシタ、インダクタ、抵抗などの電気デバイスのモデルが含まれる。さらに、モデルにはたとえば発電体に設けられるAC/ACコンバータのモデルが含まれる。これにより、電力損失が最少となるよう、第1のキャパシタおよび/または第2のキャパシタおよび/または発電体の動作電圧の制御が行われる。
【0045】
一実施形態では、モデルは高調波分析を含んでいる。高調波分析は、発電施設におけるまたは発電施設の少なくとも一部における振動の分析を含んでいる。また、高調波分析には発電施設および/または送電系統において発生する振動の分析が含まれてもよい。高調波分析には、たとえば電気的インフラの高調波特性のフーリエ分析または他の任意の表現が含まれる。したがって、振動はたとえば基本周波数の倍数に対応する周波数で発生する。基本周波数はたとえばローカル系統の周波数である。したがって、発電施設の性能に好ましくない影響を与える振動の周波数が識別可能であり、たとえば、第1のキャパシタの第1のノードへの接続と第2のキャパシタの第2のノードへの接続が識別され(および/または変化され)、これによりこの識別された周波数における振動を少なくとも部分的に防ぎまたは減衰させる。
【0046】
一実施形態では、制御ユニットは、第1のノードおよび/または第2のノードで測定される電圧および/またはMVArおよび/または力率に基づいて、第1のキャパシタの接続および/または第2のキャパシタの接続および/または発電体の動作電圧を制御する。
【0047】
第1のノードにおける電流と電圧を測定することにより、第1のノードに供給される電力が求められる。さらに、第2のノードにおける電流と電圧を測定することにより、第2のノードに供給される電力が求められる。さらに、たとえば各発電機からの電力出力を測定することにより、たとえば、各発電体からの電力出力を測定することができる。これによって、測定された値により電力損失を求めることができる。よって、電力損失を最少化することがより容易となる。さらに、第1のノードおよび/または第2のノードにおける力率を得るよう、電圧と電流との位相関係を測定することができる。測定された値をフィードバックすることにより、第1のキャパシタおよび/または第2のキャパシタの接続モードの制御および発電体に対する動作電圧の調整制御を向上することができる。
【0048】
一実施形態では、制御ユニットは、第1のノードに接続される、第1の個数の少なくとも1つの第1のキャパシタと、第2のノードに接続される、第2の個数の少なくとも1つの第2のキャパシタとの可能な全ての組み合わせに相応する電力損失を求め、かつ、発電体に送信される電圧を求める。また、制御ユニットは、少なくとも1つの第1のキャパシタおよび/または少なくとも1つの第2のキャパシタの接続を制御し、最少の電力損失を有する組み合わせに従う電圧基準を選択するよう制御する。電力損失は、たとえば、上述した発電施設のモデルを用いる各組み合わせについて決定される。これにより、発電施設の制御は、その性能が向上するよう改善可能である。第1の数および/または第2の数はゼロであってもよい。
【0049】
一実施形態では、制御ユニットは、複数の発電体において調整された動作電圧の全ての可能な組み合わせに関する電力損失を求め;かつ、最少化された電力損失を示す組み合わせにしたがって、少なくとも1つの第1のキャパシタおよび/または少なくとも1つの第2のキャパシタの接続を制御し、および/または、発電体の動作電圧を調整する。これにより、発電施設の効率性はさらに改善可能である。
【0050】
一実施形態では、制御ユニットは、発電体の電力出力信号の和が変化したときおよび/または負荷が変化したとき、少なくとも1つの第1のキャパシタの第1のノードへの接続および/または少なくとも1つの第2のキャパシタの第2のノードへの接続を変化させる。したがって、制御ユニットは、風の状態が変化したとき、発電体により生成される電力の変化に応答するよう、発電施設を動的に制御することができる。このため、制御ユニットは、第1のキャパシタの第1のノードへの接続および第2のキャパシタの第2のノードへの接続を適切に制御し、発電体の動作電圧を適切に制御するため、たとえば、発電体の電気的特性を連続的にまたは繰り返しモニタする。
【0051】
一実施形態では、発電施設は、上述の実施形態にかかる電力制御システムと、第1のノードにおいて電力出力信号が合成されるよう接続された複数の発電体とを有している。これにより、発電施設は、電力制御システムによる改善された制御により、改善された性能を有し、これによりその効率が改善される。
【0052】
一実施形態では、複数の発電体の少なくとも1つは、風力タービン、光起電力セルおよび/または波力システムを有している。したがって、発電体または複数の発電体の少なくとも1つは、風力エネルギーから、太陽エネルギーから、および/または、水や潮流などの波に含まれているエネルギーから電気エネルギーを生成しうる。各発電体は、たとえば、発電機、または、機械的エネルギーを電気的エネルギーに変換するための電気機械的変換器を有している。特に、複数の発電体は、たとえば、複数の風力タービンを有している。
【0053】
一実施形態では、複数の発電体の少なくとも1つは、電力出力の動作電圧を調整可能な装置(特にフルパワーコンバータ)を有している。この装置(たとえばコンバータ)は、発電機により生成された電力(たとえば変動する周波数と変動する電圧振幅を有する信号)を、系統の周波数を有しかつ所定の電圧振幅を有する電力に変換する。特に、コンバータから出力される電力出力の電圧振幅は、コンバータに適用される動作電圧基準に対し調整される。これにより、発電体の動作電圧は容易に調整され、その結果、発電施設の性能を改善する制御が簡単となる。
【0054】
風力発電プラントのための電圧(MVArまたはcos(φ))の基準は、たとえば、系統管理者により示され該系統管理者によってほとんど変更されない静的な値であり、あるいは、OPC、MPDBUS、TCPまたは他のデータ転送プロトコルまたは有線インタフェースを介して外部ソースから電力制御システムに自動的に動的に与えられる。風力発電プラントコントローラ(HPPP209)は、たとえば、割り当てられた基準に可能な程度まで従う。測定点における実際の電圧が割り当てられた電圧基準よりも低い場合、風力発電プラントコントローラは、電圧を上昇させるよう、発電体に電圧基準を与え、風力発電プラントからMVArの移出がなされる。測定点における実際の系統電圧が割り当てられた電圧基準よりも高い場合には、風力発電コントローラは、電圧を引き下げるよう、無効電力の移入をもたらしうる電圧基準を与える。やりとりされるMVArの量は、電圧のデルタ値(偏差)、電圧の低下制御設定、系統のインピーダンスなどに依存している。典型的には、やりとりされるMVArの量は、風力発電プラントの無効電力能力における電圧のデルタ値に比例する。
【0055】
一実施形態では、負荷に電気エネルギーを供給する方法が提供される。該方法は、複数の発電体により電力出力を生成するステップと、第1のノードにおける第1の電力として電力出力を合成するステップと、第2のノードにおいて、第1の電力を該第1の電力よりも電圧の高い第2の電力に変換するステップと、第2の電力を負荷に供給するステップと、MVからHV、そして負荷への伝送における電力損失が最少化されるよう、第1のノードおよび/または第2のノードに接続可能な少なくとも1つのキャパシタの接続を制御するステップと、を有している。一実施形態では、MW損失の最少化に基づきかつ高調波の影響の削減に基づく電圧制御が記載され、用いられる。他の実施形態では、制御ユニットに基づくモデルを用いて、両方の基準から寄与を評価し、所定の条件下で適用されるべき最も望ましい組み合わせを選択することも可能となる。これにより、発電施設の効率性が改善される。
【0056】
本発明の実施形態について、異なる対象に関して記載した。殊に、幾つかの実施形態は装置を特定する請求項に関して説明したが、その他の実施形態は方法を特定する請求項に関して説明した。 しかしながら当業者であれば、前述の記載および後述の記載から、ことわりが無い限り、1つの態様に関連する特徴のあらゆる組み合わせの他に、それとは異なる態様または実施形態に関連する複数の特徴の組み合わせ、例えば、装置を特定する請求項に記載の特徴と、方法を特定する請求項に記載の特徴の組み合わせも本願の開示内容と見なせることが分かる。
【0057】
本発明の上記において規定した態様および実施形態ならびに別の態様および実施形態は以下の記載より明らかになり、また図面を参照しながらそれらの態様および実施形態を説明するが、本発明はそれらの態様および実施形態に制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】既存の制御手法に従う発電施設を擬略的に示す。
【図2】本発明の一実施形態にかかる発電施設を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0059】
本発明の実施形態について、以下添付図面を参照して詳細に説明する。
【0060】
図面中の記載は概略的なものである。異なる図面中、類似または同一の要素は、同一の参照符号または最初の桁のみ対応する参照符号と異なる参照符号により示されている。
【0061】
図1は、風力発電プラントコントローラのためのおよびMVおよびHVキャパシタバンクのための、準独立的な制御アルゴリズムを用いる典型的な既存の施設を示している。発電施設100は風力タービン104の組103を有しており、風力タービン104は並列接続されてこれらの電力出力信号は接続点105において合成される。キャパシタコントロール117、127およびHPPP109は互いに独立とされている。したがって、接続点105および接続点121に対するキャパシタの接続の最適な組み合わせは設定できない。
【0062】
図2は、組み合わされたタービンおよびキャパシタバンクコントロールを有する発電施設の実施形態200を概略的に示す。図1に示されている発電施設100と同様に、図2に示されている発電施設200は複数203の風力タービン204を有しており、該風力タービンは第1のノード205に接続可能である。
【0063】
各風力タービン204は、タワーの頂部に取り付けられたナセルを有する風力タービンタワーを有している。ナセルは複数のロータブレードが取り付けられたハブを有している。風によりロータブレードが動かされ、ロータに接続されたハブが回転される。ロータシャフトは各風力タービン104が有する発電機に機械的エネルギーを伝送する。各タービン204の発電機は電力を出力し、当該電力はコンバータ(図示せず)により、系統の周波数および電圧振幅を調整する信号に変換される。この電力はタービン204のフィルタ要素によりさらにフィルタリングされてもよい。風力タービン204は、フィルタリングされた電力を数kV、たとえば20kV〜40kVの電圧信号に変換する個別のトランスを有していてもよい。
【0064】
このようにフィルタリングされた電力はライン206を介してスイッチ208に供給される。スイッチ208をオンにすることにより、選択された風力タービン204は第1のノード205に接続され、または、第1のノード205から切り離される。個々のスイッチ208は、制御線(図示せず)を介してコントロールシステム209によりオンオフされてもよく、また、過電流保護装置または地絡保護装置のような系統保護装置を単に表すスイッチに永続的に接続されてもよい。したがって、第1のノード205に供給される電力は中電圧(数10kV)とされる。
【0065】
また、第1のノード205には、キャパシタ213の組211が接続可能である。各キャパシタ213は他のキャパシタ213から独立にスイッチ215を介して第1のノード205に接続可能とされている。
【0066】
第1のノードに供給される第1の電力はトランス219により第2のノード221に供給される第2の電力に変換される。第2の電力は第1のノード205に供給される第1の電力よりも高い電圧を有する。キャパシタ223はスイッチ225をオンとすることにより第2のノード221に接続可能である。
【0067】
他の実施形態では、キャパシタ211の組は1つまたは複数のキャパシタを有している。一実施形態では、第2のノード221に接続可能なキャパシタ223は1つまたは複数の付加的なキャパシタを有している。他の実施形態では、1つまたは複数のキャパシタは第1のノード205または第2のノード221にのみ接続可能であり、両方のノード205、221には接続可能ではない。
【0068】
高性能パークパイロット(HPPP)209が例示の実施形態においてトランス219の高電圧側に設けられている。HPPP209は個々のタービン204における電圧を(図示しない制御線を介して)制御することができ、系統の電圧および/または電流(無効成分および/または有効成分)および/または系統の力率を(図示しないセンサおよびデータ線を介して)測定/モニタする。特に、HPPP209は、測定点における電力特性が系統の相互接続取り決めを満たすように、個々のタービンにおける電圧を調整する。
【0069】
第1のノード205に供給される第1の電力はトランス219により変換されて、第2のノード221に供給される。第1のノード205にはキャパシタ213の組211がスイッチ215を介して接続可能である。第2のノード221にはキャパシタ223がスイッチ225のオンオフにより接続可能とされている。
【0070】
図1に示されている実施形態100と異なり、発電施設200のHPPP209は、制御線210を介して、スイッチ215をオンとしてキャパシタ213を第1のノード205に接続し、スイッチ225をオンとしてキャパシタ223を第2のノード221に接続する制御を行い、かつ、図示しない制御線を介して個々のタービン204の動作電圧を制御する。これにより、キャパシタの制御と動作電圧の制御とが統合されたソリューションがHPPP209によりもたらされる。
【0071】
(第1および/または第2のノードに接続可能な)付加的なキャパシタバンクの構成はローカルの制約に依存してもよく、これらのキャパシタバンクの制御は電圧/MVArまたは力率アルゴリズムに基づいていてもよい。キャパシタバンク211、223はウインドパークにおけるトランス229の中電圧側(第1のノード205)と高電圧側(第2のノード221)との両方の側それぞれに配置されていてもよい。HPPP209は個々の風力タービン204のタービンレベルにおける電圧(無効電力/力率/cos(φ)/tan(φ))を制御し、そして、キャパシタバンク211、223を統合されたソリューションとして制御する。制御アルゴリズムは、ローカルの電圧制御により許容されまたは制約されるいかなるスキームに基づいていてもよい。しかし、これはコントローラが系統の損失および/または系統の高調波共振に基づいて構成を最適化する、基本制約としての系統のコードに適合することを条件とする。一実施形態では、HPPPコントローラ209は系統のモデル(解析レベルは可変)を含んでよく、このモデルに基づいて制御アルゴリズムは系統全体における可用なシステムの間の電圧の分布を最適化可能である。
【0072】
HPPPにさらにより詳細な系統モデルを用いることにより、高調波分析がHPPPにより実行可能である。キャパシタバンクの他の組み合わせがより好ましい高調波状態をもたらす場合には、電力損失が最少化される限りこの構成が適用される。
【0073】
より好ましい高調波状態は必ずしも全高調波歪み(THD)が小さいことを意味せず、発電施設の内部設備または外部設備において共振を引き起こさない周波数へネットワークが向かうことを意味している。
【0074】
本発明は、光起電力、風力発電プラントおよび波力発電などの任意の分散型発電施設に適用可能である。中央高性能パークパイロット(HPPP)209はたとえば無効電力および/または力率の観点から個々のタービンの電圧を制御し、系統損失または送電損失および/または系統の高調波共振に基づいてキャパシタバンクの構成を最適化するよう、パークのトランス219の各側に接続可能な1つまたは複数のキャパシタバンク211、223をさらに制御することができる。
【0075】
パークコントローラにより直接制御されるべきいくつかのキャパシタバンクを有することにより、風力発電プラントの電圧および系統の高調波共振の制御性を向上させることができ、上記のような系統損失および高調波共振を最少化することができる。最適な高調波条件に基づいてキャパシタバンクを制御する能力は、場合によっては、発電系統内の変電所における高調波フィルタを必要ないものとする。発電系統のモデルに基づくパークコントローラ209の制御アルゴリズムを有することにより、系統全体における可用なシステム間の電圧分布を最適化しうる。
【0076】
一実施形態では、キャパシタの組211は、第1のノード205に接続可能な4つのキャパシタバンクを有しており、キャパシタの組223は第2のノード221と接続可能な4つのキャパシタバンクを有している。一実施形態では、HPPP209は、第1のノード205に接続される0個、1個、2個、3個、4個のキャパシタバンクと、第2のノード221に接続される0個、1個、2個、3個、4個のキャパシタバンクとの全ての組み合わせに関して電力損失を求める。その後、HPPP209は両方の判定基準から寄与を評価し、適用されるべき最も望ましい組み合わせを選択する。また、これらの組み合わせのいくつかは相互接続点における不適合を引き起こすために使用されない。HPPP209は最少の電力(伝送)損失を示す組み合わせを決定することができる。HPPP209は、最少損失の組み合わせが確立されるよう、スイッチ215、225をオンにすることができる。
【0077】
上記のキャパシタの組み合わせに加え、タービンによる無効電力範囲は、許容されかつ適合するキャパシタのいくつかのさらなる組み合わせの追加を可能にする。発電施設200のモデルに基づいて、許容可能なキャパシタ200の組み合わせのそれぞれについて、この位置での特定の状態に関する可能な系統損失を計算することが可能である。系統損失を最少化するため、最低の系統(伝送)損失を示すキャパシタの組み合わせが実行され、発電レベルおよび系統の電圧が変化するにつれ、新たなシミュレーションが行われて可能な最低の損失で動作の継続がなされうる。キャパシタバンクは、キャパシタバンク構成の代わりに数値として各位置に関するVArサポートの特定の設定を見るよう該シミュレーションを変化させる任意の種類の動的VAr制御と置き換えることができる。キャパシタバンクのある組み合わせがより好ましい高調波状態をもたらす場合には、この構成は対応するスイッチをオンにすることにより適用可能である。キャパシタの任意の組み合わせによっては、危機的な共振周波数がコントローラ209に基づくモデルによって発生してしまうことがある。特定の系統に関して第12次高調波未満の高調波のいずれかが危機的であることがわかった場合には、レギュレータ209に基づくモデルによって共振周波数を危機的範囲から離れるようにシフトさせるキャパシタバンクの組み合わせを選択することが可能となる。このことは変電所またはタービンにおける高価なフィルタ装置を不要とし、装置の停止時間を少なくできる。
【0078】
「有する」との語は他の要素またはステップを除外するものではなく、「1つの」との語は複数を除外するものではないことは留意すべきである。また、異なる実施形態と関連して記載されたものも含まれうる。また、特許請求の範囲中の参照番号は請求項の範囲を限定するものと考えられるべきではない。
【符号の説明】
【0079】
204 風力タービン(発電体)、 205 第1のノード、 209 HPPP(制御ユニット)、 213 第1のキャパシタ、 219 トランス、 221 第2のノード、 223 第2のキャパシタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の発電体(204)の出力電力が第1の電力として合成される、当該複数の発電体(204)を接続可能な第1のノード(205)と、
前記第1のノード(205)における第1の電力を、負荷に接続可能な第2のノード(221)における、当該第1の電力よりも高電圧の第2の電力に変換するトランス(219)と、
前記第1のノード(205)および/または前記第2のノード(221)に接続可能な少なくとも1つのキャパシタ(213、223)と、
前記発電体(204)から前記負荷までにおける前記電力の送電損失による電力損失が最少化されるよう、前記少なくとも1つのキャパシタ(213、223)と、前記第1のノード(205)および/または前記第2のノード(221)との接続を制御する制御ユニット(209)と、
を有する、ことを特徴とする電力制御システム。
【請求項2】
前記キャパシタ(213、223)は、前記第1のノード(205)に接続可能な少なくとも1つの第1のキャパシタ(213)と、前記第2のノード(221)に接続可能な少なくとも1つの第2のキャパシタ(223)と、を有しており、
前記制御ユニット(209)は、前記電力損失が最少化されるように、前記第1のキャパシタ(213)の前記第1のノード(205)との接続、および、前記第2のキャパシタ(223)の前記第2のノード(221)との接続を制御する、請求項1記載の電力制御システム。
【請求項3】
前記複数の発電体(204)は、前記電力損失が最少化されるように、各動作電圧を電力出力において調整可能である、請求項2記載の電力制御システム。
【請求項4】
前記制御ユニット(209)は、集電回路における固有周波数が減衰されるよう、前記第1のキャパシタ(213)の接続および/または前記第2のキャパシタ(223)の接続および/または前記発電体(204)の動作電圧を制御する、ことを特徴とする請求項2または3記載の電力制御システム。
【請求項5】
前記制御ユニット(209)は、電気特性を予測する電力制御システムのモデルに基づいて、前記第1のキャパシタ(213)の接続および/または前記第2のキャパシタ(223)の接続および/または前記発電体(204)の動作電圧を制御する、請求項2乃至4のいずれか1項記載の電力制御システム。
【請求項6】
前記モデルは高調波分析を含んでいる、請求項2乃至5のいずれか1項記載の電力制御システム。
【請求項7】
前記制御ユニット(209)は、前記第1のノード(205)および/または前記第2のノード(221)において測定された電圧および/または電流および/または力率に基づいて、前記第1のキャパシタ(213)の接続および/または前記第2のキャパシタ(223)の接続および/または前記発電体(204)の動作電圧を制御する、請求項2乃至6のいずれか1項記載の電力制御システム。
【請求項8】
前記制御ユニット(209)は、
前記第1のノード(205)に接続されている、第1の数の前記少なくとも1つの第1のキャパシタ(213)と、
前記第2のノード(221)に接続されている、第2の数の前記少なくとも1つの第2のキャパシタ(223)と、
の全ての可能な組み合わせに関する電力損失を求め、かつ、
最少の電力損失を示す組み合わせに従って、前記少なくとも1つの第1のキャパシタ(213)の接続および前記少なくとも1つの第2のキャパシタ(223)の接続を制御する、
請求項2乃至7のいずれか1項記載の電力制御システム。
【請求項9】
前記制御ユニット(209)は、
前記複数の発電体(204)において調整された各動作電圧の全ての可能な組み合わせに関する電力損失を求め、かつ、
最少の電力損失を示す組み合わせに従って、前記少なくとも1つの第1のキャパシタ(213)および/または前記少なくとも1つの第2のキャパシタ(223)を制御し、および/または、前記発電体(204)の動作電圧を調整する、
請求項至8記載の電力制御システム。
【請求項10】
前記制御ユニット(209)は、前記複数の発電体(204)の出力電力の和の変化および/または前記負荷の変化の際に、前記少なくとも1つの第1のキャパシタ(213)と前記第1のノード(205)との接続を変化させ、かつ、前記少なくとも1つの第2のキャパシタ(223)と前記第2のノード(221)との間の接続を変化させる、請求項1乃至9のいずれか1項記載の電力制御システム。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれか1項記載の電力制御システムと、
前記第1のノード(205)において自身の出力電力が合成されるよう接続されている複数の発電体(204)と、
を有している電力施設。
【請求項12】
前記複数の発電体(204)の少なくとも1つは、風力タービン、光起電力セルおよび/または波力システムまたは潮流システムを含んでいる、請求項11記載の電力施設。
【請求項13】
前記複数の発電体(204)の少なくとも1つは、電力出力の動作電圧を調整可能な装置を有している、請求項11または12記載の電力施設。
【請求項14】
負荷に電力を供給する方法であって、
複数の発電体(204)により出力電力出力を生成するステップと、
第1のノード(205)において複数の前記出力電力を第1の電力として合成するステップと、
第2のノード(221)において、前記第1の電力を該第1の電力よりも高い電圧の第2の電力に変換するステップと、
負荷に前記第2の電力を供給するステップと、
前記発電体(204)から前記第1のノード(205)への伝送による電力損失が最少化されるように、前記第1のノード(205)に接続可能な少なくとも1つのキャパシタと前記第1のノード(205)および/または前記第2のノード(221)との間の接続を制御するステップと、
を含んでいる方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−5345(P2012−5345A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−133133(P2011−133133)
【出願日】平成23年6月15日(2011.6.15)
【出願人】(390039413)シーメンス アクチエンゲゼルシヤフト (2,104)
【氏名又は名称原語表記】Siemens Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】Wittelsbacherplatz 2, D−80333 Muenchen, Germany
【Fターム(参考)】