説明

電力制御装置、画像形成装置、印刷システム

【課題】ユーザに関するスケジュールに応じて、消費される電力を制御することのできる電力制御装置、画像形成装置および印刷システムを提供する。
【解決手段】印刷システムは処理装置と画像形成装置とを備える。処理装置は、スケジュール情報を管理する機能に対応するスケジュール管理ソフトウェアを実行する。画像形成装置は、処理装置と通信回線を介して接続されデータの送受信を行う通信手段と、該通信手段を介して処理装置で動作するスケジュール管理ソフトウェアにログインし、所定のスケジュール情報を取得するスケジュール情報取得手段と、取得された所定のスケジュール情報を基に自己装置の節電状態を制御する節電制御手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力制御装置、画像形成装置および印刷システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタ、複写機などの画像形成装置は、所定の条件に従って、例えば、通常の電力状態で動作する通常モードと、その電力状態よりも低い低電力状態で動作する低電力モードとに切り替えて、省電力化を図っている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
また、複数の画像形成装置と印刷指示を行うホストコンピュータとがネットワークに接続されたシステムにおいては、ホストコンピュータが特定の画像形成装置に対し印刷指示を与えると、その特定の画像形成装置は印刷指示に応じた印刷処理を行う(例えば特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平4−331961号公報
【特許文献2】特開平9−6559号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、ユーザに関するスケジュールに応じて、消費される電力を制御することのできる電力制御装置、画像形成装置および印刷システムを提供することを目的とする。
【0005】
また、本発明は、ユーザに関するスケジュールに応じて、予定先の場所で使用される文書に対応する印刷物をユーザに対して迅速に提供することのできる画像形成装置および印刷システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の本発明の電力制御装置は、スケジュール情報を取得するスケジュール情報取得手段と、前記取得されたスケジュール情報を基に制御対象の装置で消費される電力を制御する制御手段と、を有することを特徴とする。
【0007】
上記課題を解決するため、請求項2に記載の本発明の画像形成装置は、請求項1記載の電力制御装置を有することを特徴とする。
【0008】
上記課題を解決するため、請求項3に記載の本発明の画像形成装置は、処理装置で動作しスケジュール情報を管理する機能に対応するソフトウェアにログインし、所定のスケジュール情報を取得するスケジュール情報取得手段と、前記取得された所定のスケジュール情報を基に自己装置の節電状態を制御する節電制御手段と、を有することを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、上記請求項3に記載の発明において、前記処理装置と通信回線を介して接続されデータの送受信を行う通信手段と、所定のユーザを識別するユーザ識別情報を入力するユーザ識別情報入力手段と、前記入力されたユーザ識別情報を記憶するユーザ識別情報記憶手段と、を更に備え、前記ソフトウェアは、ユーザを識別するユーザ識別情報と当該ユーザに関するスケジュールの開始時刻および終了時刻を含むスケジュール情報とを対応付けて当該スケジュール情報を管理する機能を有し、前記スケジュール情報取得手段は、前記通信手段を介して、前記ソフトウェアにログインし、当該ソフトウェアが管理するスケジュール情報の中から前記ユーザ識別情報記憶手段に記憶されているユーザ識別情報に対応するスケジュール情報を取得する、ことを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、上記請求項3に記載の発明において、前記処理装置と通信回線を介して接続されデータの送受信を行う通信手段と、所定のユーザの属性に関する属性情報を入力する属性情報入力手段と、前記入力された属性情報を記憶する属性情報記憶手段と、を更に備え、前記ソフトウェアは、ユーザを識別するユーザ識別情報と当該ユーザの属性に関する属性情報と当該ユーザに関するスケジュールの開始時刻および終了時刻を含むスケジュール情報とを対応付けて当該スケジュール情報を管理する機能を有し、前記スケジュール情報取得手段は、前記通信手段を介して、前記処理装置で動作する前記ソフトウェアにログインし、当該ソフトウェアが管理するスケジュール情報の中から、前記属性情報記憶手段に記憶されている属性情報に対応するスケジュール情報を取得する、ことを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、上記請求項4または5に記載の発明において、前記節電制御手段は、印刷処理中を含む稼動状態での消費電力よりも低い消費電力の状態を意味する第1の節電モードと、前記第1の節電モードの場合と比較して低い消費電力の状態を意味する第2の節電モードとの切り替えを制御するものであり、前記スケジュール情報取得手段が取得したスケジュール情報を基に、開始時刻を基準にして所定の時間前の時刻を前記第1の節電モードの開始時刻とするとともに開始時刻から終了時刻までの時間においては前記第2の節電モードとする、ことを特徴とする。
【0012】
請求項7に記載の発明は、上記請求項4〜6の何れか一項に記載の発明において、印刷データを記憶する印刷データ記憶手段と、印刷処理を実行する印刷手段と、前記印刷手段に対し、前記スケジュール取得手段が取得したスケジュール情報に含まれるスケジュールの開始時刻までに前記印刷データ記憶手段に記憶されている印刷データに係る印刷処理を終了させる制御を行う印刷制御手段と、を更に備え、前記スケジュール情報取得手段は、前記取得したスケジュール情報に対応するユーザ識別情報に関連付けられて印刷対象の文書データを示す文書名が登録されているときは、前記処理装置に保存されている当該文書名の文書データを取得し、この取得した文書データを印刷データとして前記印刷データ記憶手段に保存する、ことを特徴とする。
【0013】
上記課題を解決するため、請求項8に記載の本発明の画像形成装置は、クライアント装置から送信される印刷データを受信する受信手段と、予定先の場所を示す場所情報と当該場所における所定の位置から基準位置までの経路の距離に対応する移動時間情報とを含むスケジュール情報を管理する機能に対応するソフトウェアを実行する処理装置で動作する当該ソフトウェアにログインし、前記スケジュール情報の中から、場所情報および移動時間情報を取得するスケジュール情報取得手段と、前記受信手段が受信した印刷データに関する所定の単位当たりの印刷に要する印刷時間を推測する印刷時間推測手段と、前記スケジュール情報取得手段が取得した場所情報に基づく予定先の場所に設置されている所定の画像形成装置に対し印刷に関する性能を問い合せるとともに、当該所定の画像形成装置から前記問い合わせに対する結果を取得する性能情報取得手段と、前記受信手段が受信した印刷データの印刷すべき印刷部数が複数のときは、前記性能情報取得手段が取得した前記所定の画像形成装置の印刷に関する性能情報と、自己装置の印刷に関する性能情報と、前記スケジュール情報取得手段が取得した移動時間情報と、前記印刷時間推測手段が推測した印刷時間とを基に、自己装置と前記所定の画像形成装置とに対する印刷処理量の割合を求める処理手段と、を有することを特徴とする。
【0014】
上記課題を解決するため、請求項9に記載の本発明の印刷システムは、スケジュール情報を管理する機能に対応するソフトウェアを実行する処理装置と、前記処理装置と通信回線を介して接続されデータの送受信を行う通信手段と、該通信手段を介して前記処理装置で動作する前記ソフトウェアにログインし、所定のスケジュール情報を取得するスケジュール情報取得手段と、前記取得された所定のスケジュール情報を基に自己装置の節電状態を制御する節電制御手段とを備えた画像形成装置と、を有することを特徴とする。
【0015】
上記課題を解決するため、請求項10に記載の本発明の印刷システムは、予定先の場所を示す場所情報と当該場所における所定の位置から基準位置までの経路の距離に対応する移動時間情報とを含むスケジュール情報を管理する機能に対応するソフトウェアを実行する処理装置と、印刷データの印刷指示を行うクライアント装置と、前記基準位置を包含する所定の場所に設置された第1の画像形成装置と、前記予定先の場所に設置された第2の画像形成装置と、を有し、前記クライアント装置から印刷指示される印刷対象の印刷データと、前記処理装置で動作する前記ソフトウェアにより提供される前記スケジュール情報と、前記第1の画像形成装置および前記第2の画像形成装置のそれぞれの印刷に関する性能情報とを基に、前記第1の画像形成装置と前記第2の画像形成装置とに対する前記印刷対象の印刷データに係る印刷処理に対応する印刷処理量の割合を求める、ことを特徴とする。
【0016】
請求項11に記載の発明は、上記請求項10に記載の発明において、前記第1の画像形成装置は、前記クライアント装置から印刷指示される印刷対象の印刷データと、前記処理装置で動作する前記ソフトウェアにより提供される前記スケジュール情報と、当該第1の画像形成装置および前記第2の画像形成装置のそれぞれの印刷に関する性能情報とを基に、当該第1の画像形成装置と前記第2の画像形成装置とに対する前記印刷対象の印刷データに係る印刷処理に対応する印刷処理量の割合を求める、ことを特徴とする。
【0017】
請求項12に記載の発明は、上記請求項10または11に記載の発明において、前記第1の画像形成装置は、クライアント装置から送信される印刷対象の印刷データを受信する受信手段と、前記処理装置で動作する前記ソフトウェアにログインし、スケジュール情報の中から場所情報および移動時間情報を取得するスケジュール情報取得手段と、前記スケジュール情報取得手段が取得した場所情報に基づく予定先の場所に設置されている前記第2の画像形成装置に対し印刷に関する性能を問い合せるとともに、前記第2の画像形成装置から前記問い合わせに対する結果を取得する性能情報取得手段と、前記受信手段が受信した印刷データの印刷すべき印刷部数が複数のときは、前記性能情報取得手段が取得した前記第2の画像形成装置の印刷に関する性能情報と、当該第1の画像形成装置の印刷に関する性能情報と、前記スケジュール情報取得手段が取得した移動時間情報と、前記受信手段が受信した印刷データとを基に、前記予定先の場所における所定の位置においてユーザが前記印刷データに係る前記複数の印刷部数分の印刷物を準備するという条件を満たす、当該第1の画像形成装置と前記第2の画像形成装置とに対する前記受信手段が受信した印刷データの印刷処理に係る印刷処理量の割合を求める処理手段と、を有することを特徴とする。
【0018】
請求項13に記載の発明は、上記請求項10に記載の発明において、前記クライアント装置は、前記処理装置で動作する前記ソフトウェアにログインし、スケジュール情報の中から場所情報および移動時間情報を取得するスケジュール情報取得手段と、印刷対象の印刷データの印刷すべき印刷部数が複数のときは、前記第1の画像形成装置および前記スケジュール情報取得手段が取得した場所情報に基づく予定先の場所に設置されている前記第2の画像形成装置のそれぞれの予め設定される印刷に関する性能情報と、前記スケジュール情報取得手段が取得した移動時間情報と、前記印刷対象の印刷データとを基に、前記予定先の場所における所定の位置においてユーザが前記印刷データに係る前記複数の印刷部数分の印刷物を準備するという条件を満たす、前記第1の画像形成装置と前記第2の画像形成装置とに対する前記印刷対象の印刷データに係る印刷処理に対応する印刷処理量の割合を求める処理手段と、前記処理手段が求めた印刷処理量の割合に応じて、前記第1の画像形成装置と前記第2の画像形成装置とに対し、所定の印刷部数情報を含む前記印刷対象の印刷データの印刷指示を送信する印刷制御手段と、を有することを特徴とする。
【0019】
請求項14に記載の発明は、上記請求項12または13に記載の発明において、前記第1の画像形成装置および前記第2の画像形成装置のそれぞれの印刷に関する性能情報は、節電モードから通常モードへの復帰時間情報と印刷速度情報とを含み、前記処理手段は、前記第1の画像形成装置および前記第2の画像形成装置のそれぞれの印刷に関する性能情報に含まれる印刷速度情報を基に、前記印刷対象の印刷データに関する所定の単位当たりの印刷に要する印刷時間を推測する印刷時間推測手段、を更に備え、前記処理手段は、前記受信手段が受信した印刷データの印刷すべき印刷部数が複数のときは、前記第1の画像形成装置および前記第2の画像形成装置のそれぞれの印刷に関する性能情報に含まれる復帰時間情報と、前記印刷時間推測手段が推測した印刷時間と、前記印刷対象の印刷データとを基に、前記印刷処理量の割合を求める、ことを特徴とする。
【0020】
上記課題を解決するため、請求項15に記載の本発明の印刷システムは、異なる予定先の場所に対応する複数の場所情報と該当する予定先の場所における所定の位置から基準位置までの経路の距離に対応する複数の移動時間情報とが関連付けされたスケジュール情報を管理する機能に対応するソフトウェアを実行する処理装置と、印刷データの印刷指示を行うクライアント装置と、前記基準位置を包含する所定の場所に設置された第1の画像形成装置と、前記複数の予定先の場所に設置された複数の第2の画像形成装置と、を有し、前記クライアント装置から印刷指示される印刷対象の印刷データと、前記処理装置で動作する前記ソフトウェアにより提供される前記スケジュール情報に含まれる複数の場所情報および移動時間情報のうち特定の場所情報および移動時間情報と、前記第1の画像形成装置の印刷に関する性能情報と、前記特定の場所情報に対応する予定先の場所に設定された第2の画像形成装置の印刷に関する性能情報とを基に、前記予定先の場所における所定の位置においてユーザが前記印刷データに係る前記複数の印刷部数分の印刷物を準備するという条件を満たす、前記第1の画像形成装置と前記特定の場所情報に対応する予定先の場所に設定された第2の画像形成装置とに対する前記印刷対象の印刷データに係る印刷処理に対応する印刷処理量の割合を求める、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
請求項1記載の発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、制御対象の装置の消費電力を抑制することが可能になる。
【0022】
請求項2記載の発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、消費電力を抑制することが可能になる。
【0023】
請求項3記載の発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、消費電力を抑制することが可能になる。
【0024】
請求項4記載の発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、消費電力を抑制することが可能になる。
【0025】
請求項5記載の発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、消費電力を抑制することが可能になる。
【0026】
請求項6記載の発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、消費電力を抑制することが可能になる。
【0027】
請求項7記載の発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、ユーザのスケジュールに従って印刷処理を実行し、しかも消費電力を抑制することが可能になる。
【0028】
請求項8記載の発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、ユーザは予定先の場所で使用される印刷物を最短の時間で取得し配布することが可能になる。
【0029】
請求項9記載の発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、消費電力を抑制することが可能になる。
【0030】
請求項10記載の発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、ユーザは予定先の場所で使用される印刷物を最短の時間で取得し配布することが可能になる。
【0031】
請求項11記載の発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、ユーザは予定先の場所で使用される印刷物を最短の時間で取得し配布することが可能になる。
【0032】
請求項12記載の発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、ユーザは予定先の場所で使用される印刷物を最短の時間で取得し配布することが可能になる。
【0033】
請求項13記載の発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、ユーザは予定先の場所で使用される印刷物を最短の時間で取得し配布することが可能になる。
【0034】
請求項14記載の発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、ユーザは予定先の場所で使用される印刷物を最短の時間で取得し配布することが可能になる。
【0035】
請求項15記載の発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、ユーザは予定先の場所で使用される印刷物を最短の時間で取得し配布することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための図面において同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0037】
(実施の形態1)
【0038】
図1は、実施の形態1に係る印刷システムの構成を示している。
【0039】
図1に示すように、印刷システム1は、複数のホストコンピュータ(以下「ホストPC」という)10,20と、画像形成装置である複数のプリンタ30,40,50とが通信回線2を介して電気的に接続されている。
【0040】
通信回線2としては、ローカルエリアネットワーク(LAN)や電話回線などの有線通信回線、無線LANなどの無線通信回線、さらには、これらの通信回線を組み合わせたもの、などが挙げられる。
【0041】
ホストPC10は、スケジュール情報を管理する機能に対応するソフトウェア(以下「スケジュール管理ソフトウェア」という)11がインストールされているハードディスク12と、ハードディスク12から読み出されたスケジュール管理ソフトウェア11を記憶するRAM(Random Access Memory:随時書き込み読み出しメモリ)などの主メモリ13と、ハードディスク12から主メモリ13へスケジュール管理ソフトウェア11を読み出して実行するCPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)14と、通信回線2を介してデータを送受信する送受信部15と、を有している。
【0042】
実施の形態1では、ホストPC10は、スケジュール情報を管理するスケジュール管理ソフトウェアを実行する処理装置の機能を有している。
【0043】
ホストPC20は、印刷ソフトウェア21がインストールされているハードディスク22と、ハードディスク22から読み出された印刷ソフトウェア21を記憶するRAMなどの主メモリ23と、ハードディスク22から主メモリ23へ印刷ソフトウェア21を読み出して実行するCPU24と、通信回線2を介してデータを送受信する送受信部25と、を有している。
【0044】
なお、実施の形態1では、スケジュール管理ソフトウェア11と印刷ソフトウェア21とを異なるホストPCで実行するようにているが、同一のホストPCで実行するようにしてもよい。
【0045】
複数のプリンタ30,40,50は、ホストPC20からの印刷指示に応じて印刷処理を実行するとともに、ホストPC10上で動作するスケジュール管理ソフトウェア11にログインし、スケジュール管理ソフトウェア11により管理されるスケジュール情報を取得する。
【0046】
ここでは、プリンタ30は会議室3に設置され、プリンタ40はオフィス4に設置され、プリンタ50はオフィス5に設定されているとする。またオフィス5は共用されるオフィスを示し、オフィス4は、例えば管理者にのみ使用(個人使用)され、共用されないオフィスを示すものとする。
【0047】
図2は、実施の形態1に係る画像形成装置を適用したプリンタの構成を示している。
【0048】
図2に示すように、プリンタ50は、CPU51、ROM(Read Only Memory:読み出し専用メモリ)52、RAM53、EEPROM(Electrically
Erasable and Programmable Read Only Memory:電気的に消去可能なプログラマブルROM)54、入出力インターフェース(以下「入出力I/F」という)55、エンジンインターフェース(以下「エンジンI/F」という)56、操作パネルインターフェース(以下「操作パネルI/F」という)57、プリンタエンジン58、電源制御ユニット59、操作パネル60、および複数の入出力ポート61,62を備えている。
【0049】
ROM52は、後述する処理手順(図6および図8参照)に対応するソフトウェア(プログラム)を含むコントロールソフトウェアを格納する。
【0050】
RAM53は、ROM52から読み出されたコントロールソフトウェアやホストPCからの受信データなど、様々なデータを保存する。
【0051】
EEPROM54は、所定のデータを格納する。
【0052】
CPU51は、ROM52に格納されているコントロールソフトウェアやEEPROM54に格納されている所定のデータをRAM53に読み出して、コントロールソフトウェアを実行する。
【0053】
入出力I/F55は、入出力ポート61を介して例えばホストPC10との間でデータの送受信を行うとともに、入出力ポート62を介して例えばホストPC20との間でデータの送受信を行う。
【0054】
入出力ポート61および入出力ポート62は、通信回線2を介してデータの送受信を行う。
【0055】
エンジンI/F56は、印刷処理を実行するプリンタエンジン58との通信を行うインターフェースの機能を有する。プリンタエンジン58には、露光部、感光体、現像器など画像形成処理を実行する画像形成部、用紙に転写されたトナー像を定着させる定着器、用紙は搬送する搬送部、これらを駆動する駆動部などが含まれている。
【0056】
操作パネルI/F57は、操作パネル60との通信を行うインターフェースの機能を有する。
【0057】
操作パネル60は、プリンタの状態を示すLCD(Liquid Crystal Display:液晶表示装置)、LED(Light
Emitting Diode:発光ダイオード)、所定の表示情報を表示するLCDなどの表示機能と、ユーザが設定を行うためのスイッチやキーなどの入力機能とを備えている。操作パネル60からのユーザによる入力情報は、操作パネルI/F57を介してCPU51に与えられる。
【0058】
電源制御ユニット59は、プリンタエンジン58および操作パネル60のそれぞれに、それぞれの構成要素が動作するのに適した所定の電力(電源電圧)を供給する電源部(図示せず)を有し、CPU51の制御の下、前記電源部を制御して例えばプリンタエンジン58の各構成要素の全部または一部に対する電力の供給を停止させる。
【0059】
ここでは、プリンタ50の構成について説明したが、他のプリンタ30,40もプリンタ50と同様の構成になっている。
【0060】
図3は、図2に示したプリンタの機能構成を示している。
【0061】
図3に示すように、プリンタ50は、入力部100、記憶部110、入出力制御部120、データ解析部130、データ変換部140、印刷部150、設置環境登録部160、スケジュール情報取得/判断部170、節電制御部180、および全体制御部190を備えている。
【0062】
入力部100は、ユーザによって操作され、プリンタの設置環境に関する情報、例えば設置環境情報、ユーザIDや属性情報などの登録情報など所定の入力情報を入力するためのものであり、操作パネル60に対応する。
【0063】
記憶部110は、操作パネル60からの入力情報、後述するスケジュール情報取得/判断部170が取得したスケジュール情報を記憶するものであり、RAM53に対応する。
【0064】
入出力制御部120は、ホストPC10,20などコンピュータとの間でデータの送受信を行うものであり、入出力I/F55および入出力ポート61,62に対応する。例えば、入出力制御部120は、ホストPC10のスケジュール管理ソフトウェアから取得されるスケジュール情報を受け付けるとともに、ホストPC20からの印刷データを受け付ける。
【0065】
データ解析部130は、入出力制御部120を介して受信した例えばPDL(Page Description Language:ページ記述言語)で記述された印刷データを解析する。この解析結果は、データ変換部140に与えられる。
【0066】
データ変換部140は、受け付けたデータ(解析結果であるデータ)を印刷可能なビットマップデータに変換する。
【0067】
印刷部150は、受け付けたビットマップデータを印刷するものであり、エンジンI/F56およびプリンタエンジン58に対応する。
【0068】
設置環境登録部160は、入力部100からの入力情報つまりプリンタの設置環境に関する情報(設置環境情報、登録情報)を受け付け、記憶部110に登録する。設置環境登録部160の詳細な機能については後述する。
【0069】
スケジュール情報取得/判断部170は、全体制御部190によって起動され、スケジュール管理ソフトウェア11にログインし、そのスケジュール管理ソフトウェア11により管理されているスケジュール情報を取得する。このスケジュール情報およびスケジュール情報取得/判断部170の詳細な機能については後述する。
【0070】
節電制御部180は、全体制御部190の制御の下、節電モードの切り替えを制御する機能を有する。
【0071】
ここで、節電モードは、印刷データを受信した後、すぐに印刷可能な「レディモード」、レディモードよりも消費電力が低くなる「第1の節電モード」、第1の節電モードよりもさらに消費電力が低くなるものの、印刷データを受信した後、印刷開始までにウォームアップ時間が必要となる「第2の節電モード」の3つのモードを含んでいる。
【0072】
すなわち、これらの3つのレベルの節電レベルにおいては、「レディモードにおける消費電力>第1の節電モードにおける消費電力>第2の節電モードにおける消費電力」の関係が成立することになる。
【0073】
全体制御部190は、プリンタ全体の制御を司るものであり、例えば上記各構成要素を制御する。
【0074】
なお、実施の形態1では、データ解析部130、データ変換部140、設置環境登録部160、スケジュール情報取得/判断部170、節電制御部180および全体制御部190は、CPU51が、それぞれの構成要素の機能を遂行させるためのソフトウェアを含むコントロールソフトウェアをROM52からRAM53に読み出して実行することにより実現されるようになっている。
【0075】
また、実施の形態1では、スケジュール情報取得手段はスケジュール情報取得/判断部170に対応し、節電制御手段は節電制御部180および全体制御部190に対応し、通信手段は入出力制御部120に対応し、ユーザ識別情報入力手段および属性情報入力手段は入力部100に対応し、ユーザ識別情報記憶手段および属性情報記憶手段は記憶部110に対応する。
【0076】
さらに、実施の形態1では、スケジュール情報取得/判断部170、節電制御部180および全体制御部190は、スケジュール情報取得手段と制御手段とを有する電力制御装置200を構成する。すなわち、プリンタ50は電力制御装置200を有していることになる。
【0077】
この場合、スケジュール情報取得手段はスケジュール情報取得/判断部170に対応し、制御手段は節電制御部180および全体制御部190に対応する。
【0078】
これらのスケジュール情報取得/判断部170、節電制御部180および全体制御部190は、上述したようにCPU51がそれぞれの構成要素の機能を遂行させるためのソフトウェアを実行することで実現される。
【0079】
そのため、電力制御装置200は、ハードウェア構成として例えばCPU51および電源制御ユニット59を備えている。このような電力制御装置200は、スケジュール管理ソフトウェアから取得したスケジュール情報を基に、制御対象の装置としてのプリンタ50で消費される電力を制御する。
【0080】
具体的には、電力制御装置200では、電源制御ユニット59が、CPU51の制御に従って、上述したレディモード、第1の節電モードおよび第2の節電モードのうち何れかの節電モードを基に、当該電源制御ユニット59内の電源部(図示せず)からの電力供給を制御する。
【0081】
これにより、例えば、プリンタエンジン58内の画像形成部、定着器、搬送部および駆動部などの構成要素のうち全部または一部に対する電力(電源電圧)の供給が停止されるか、あるいは同一の構成要素の中の一部分に対する電力(電源電圧)の供給が停止される。また、前記節電モードに応じて、操作パネル60の一部に対する電力の供給も停止されることがある。
【0082】
以上でプリンタ50の機能構成についての説明を終了する。なお、他のプリンタ30,40もプリンタ50と同様の機能構成になっている。
【0083】
次に、スケジュール管理ソフトウェアで管理されるスケジュール情報を含むスケジュール管理情報について説明する。
【0084】
図4は、スケジュール管理情報のフォーマットの一例を示している。
【0085】
図4に示すように、スケジュール管理情報300は、ユーザID情報310と属性情報320とスケジュール情報330とを含み、ホストPC10のハードディスク12に格納される。
【0086】
ユーザID情報310は、ユーザを識別するユーザ識別情報(識別子)を示す。属性情報320は、該当するユーザ(ユーザIDに対応するユーザ)の属性に関する属性情報を示し、例えばユーザが所属する組織に関する属性情報を示す。
【0087】
スケジュール情報330は、予定区分情報331と、場所情報332と、期日情報333と、開始時刻情報334と、終了時刻情報335とを含んでいる。予定区分情報331は、例えば外出、会議、休暇などの情報を意味する。場所情報332は、例えば外出先名、会議室名などの情報を意味する。期日情報333は、予定の期日情報を意味する。開始時刻情報334は、予定の開始時刻を示す情報を意味する。終了時刻情報335は、予定の終了時刻を示す情報を意味する。
【0088】
また、スケジュール管理情報300は、図4に示すように、例えば、ユーザに係る情報301と会議室などの設備に係る情報302とに分類される。
【0089】
情報301はプリンタがオフィスに設置される場合に適用される情報を意味し、ユーザID情報は社員識別情報であり、属性情報はグループや部署などの所属部門を示す情報である。
【0090】
一方、情報302はプリンタが会議室等の設備に設置される場合に適用される情報を意味し、ユーザID情報は会議室名であり、属性情報は会議室を示す情報である。この場合、スケジュール情報は予約状況を示す情報を意味する。
【0091】
上述したように、スケジュール管理ソフトウェア11は、スケジュール管理情報300を管理する機能、すなわちユーザ毎に、ユーザ識別情報310と属性情報320とスケジュール情報330とを対応付けて当該スケジュール情報330を管理する機能を有している。
【0092】
なお、個々のユーザが、通信回線2を介してホストPC10と接続される図示しないコンピュータを操作して、スケジュール管理ソフトウェア11にログインし、ユーザID、属性、スケジュール(予定、場所、期日、開始時刻、終了時刻)などのスケジュールの登録に関する情報を入力すると、スケジュール管理ソフトウェア11が、入力されたスケジュールの登録に関する情報を、図4に示すフォーマットを基に情報301として管理する。
【0093】
一方、スケジュール管理ソフトウェア11が、情報301の内容の会議室(例えば会議室名=MT1の会議室)の予約状況を認識し、この認識した結果(会議室の予約状況に関する情報)を、図4に示すフォーマットを基に情報302として管理する。
【0094】
図5は、スケジュール管理情報の登録例を示している。
【0095】
ここで、ユーザIDがMember1およびMember2に対応する2人のユーザはTeam1というグループに所属し、またユーザIDがMember3およびMember4に対応する2人のユーザはTeam2というグループに所属しているとする。また、MT1という会議室名のユーザID(会議室ID)は「MT1」であるとする。
【0096】
また、情報301は、個々のユーザ(Member1〜Member4)によって入力されたスケジュールの登録に関する情報を基に、スケジュール管理ソフトウェア11によって作成された情報である。
【0097】
一方、情報302は、情報301におけるスケジュール情報330に含まれる予定情報331に登録された「会議」または場所情報332に登録された「会議室名」に対応する、期日情報333、開始時刻情報334および終了時刻情報335のそれぞれに登録された登録内容を予約状況として認識したスケジュール管理ソフトウェア11によって作成された情報である。
【0098】
次に、設置環境登録部160による設置環境登録処理について、図6を参照して説明する。
【0099】
図6は、その設置環境登録処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0100】
ここでは、プリンタ50の設置環境登録部160の設置環境登録処理について説明するが、他のプリンタ30,40においても同様の処理が行われる。
【0101】
最初に、共有するオフィス5に設置されたプリンタ50を管理する管理者は、入力部100つまりプリンタ50の操作パネル60を操作して「設置環境」を設定するために、例えば「会議室」、「オフィス:共用する」、「オフィス:共用しない」など設置場所のリストを操作パネル60に表示させ、当該プリンタ50を設置する場所に該当するリスト項目を選択し、その後、ユーザIDまたは属性情報を入力する。この例では、「オフィス:共用する」が選択され、グループ名などの属性情報が入力される。
【0102】
ちなみに、会議室にプリンタが設置される場合には、「会議室」が選択され、ユーザIDとしての会議室名が入力される。また、共用されないオフィスにプリンタが設置される場合は、「オフィス:共用しない」が選択され、ユーザIDが入力される。
【0103】
入力部100によって入力された設置場所情報およびユーザIDまたは属性情報の入力情報は、設置環境登録部160に与えられる。
【0104】
さて、設置環境登録部160は、設置場所情報およびユーザIDまたは属性情報の入力情報を受け付けると(ステップS101)、その設置場所情報を基にプリンタの設置場所は会議室であるか、あるいはオフィスであるかを判断し(ステップS102)、この判断した結果、会議室である場合は、「会議室である旨」と前記受け付けた入力情報中の「ユーザID(この場合は会議室名=会議室ID)」とを関連付けて、記憶部110に登録する(ステップS103)。
【0105】
ここで、「会議室である旨」は設置環境情報となり、また「ユーザID(会議室ID)」は登録情報となる。
【0106】
ステップS102においてプリンタの設置場所はオフィスであると判断した設置環境登録部160は、入力情報を基に、オフィスは共用するオフィスであるか、あるいは共用しないオフィス(個人使用のオフィス)であるかを判断する(ステップS104)。
【0107】
そして、設置環境登録部160は、ステップS104において、共用するオフィスであると判断した場合には、「共用するオフィスである旨」と前記受け付けた入力情報中の「属性情報」とを関連付けて、記憶部110に登録し(ステップS105)、一方、共用しないオフィスであると判断した場合は、「共用しないオフィスである旨」と前記受け付けた入力情報中の「ユーザID」とを関連付けて、記憶部110に登録する(ステップS106)。
【0108】
ここで、「共用するオフィスである旨」および「共用しないオフィスである旨」はそれぞれ設置環境情報となり、また、「属性情報」および「ユーザID」はそれぞれ登録情報となる。
【0109】
ステップS103、ステップS105またはステップS106を終了した設置環境登録部160は、この処理を終了する。
【0110】
上述したようにして設置環境登録処理が実行されることにより、共有するオフィス5に設置されたプリンタ50の記憶部110には、図7(a)に示すように、例えば「オフィス共用」という「共用するオフィスである旨」と属性情報とが関連付けられて記憶されることになる。
【0111】
ちなみに、プリンタが会議室に設置される場合の当該プリンタ(これはプリンタ30に対応する)の記憶部には、図7(b)に示すように、設置環境情報としての例えば「会議室」という「会議室である旨」と登録情報としての「会議室ID」とが関連付けられて記憶されることになる。
【0112】
また、プリンタが、共用しないオフィス(個人使用のオフィス)に設置される場合の当該プリンタ(これはプリンタ40に対応する)の記憶部には、図7(c)に示すように、設置環境情報としての例えば「オフィス非共用」という「共用しないオフィスである旨」と登録情報としての「ユーザID」とが関連付けられて記憶されることになる。
【0113】
次に、スケジュール情報取得/判断部170によるスケジュール情報取得処理について、図8を参照して説明する。
【0114】
図8は、そのスケジュール情報取得処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0115】
プリンタの電源がON状態となりプリンタが起動すると、全体制御部190は、スケジュール情報取得/判断部170を起動する。
【0116】
全体制御部190によって起動されたスケジュール情報取得/判断部170は、図8に示すように、設置環境登録部160に対し設置環境情報および登録情報を要求するとともに、設置環境登録部160からの前記要求に対する結果つまり設置環境情報および登録情報を取得する(ステップS201)。
【0117】
設置環境登録部160は、スケジュール情報取得/判断部170からの要求に応じて、記憶部110に登録されている設置環境情報および登録情報を読み出して、スケジュール情報取得/判断部170へ送出する。
【0118】
スケジュール情報取得/判断部170は、ホストPC10で動作するスケジュール管理ソフトウェア11にログインし、スケジュール管理ソフトウェア11により管理されるスケジュール情報330の中から、ステップS201において取得した登録情報(ユーザIDまたは属性情報または会議室ID)を対応するスケジュール情報を取得する(ステップS202)。
【0119】
ここで、プリンタの設置環境が「会議室」の場合は、取得された登録情報で示される会議室IDに対応するスケジュール情報が取得される。
【0120】
また、プリンタの設置環境が「共用するオフィス」の場合には、取得された登録情報で示される「属性情報」に対応するスケジュール情報が取得される。この場合、属性情報が同一の全てのユーザID(同一の属性情報に対応するユーザID)に対応するスケジュール情報が取得される。
【0121】
さらに、プリンタの設置環境が「共用しないオフィス(個人使用のオフィス)」の場合は、取得された登録情報で示される「ユーザID」に対応するスケジュール情報が取得される。
【0122】
次に、スケジュール情報取得/判断部170は、設置環境登録部160から取得した設置環境情報を基に、当該プリンタの設置環境(設定された場所)は会議室か否かを判断する(ステップS203)。
【0123】
スケジュール情報取得/判断部170は、ステップS203において設置環境が会議室であると判断した場合は、上記取得した登録情報である会議室IDに対応して取得したスケジュール情報に含まれる開始時刻情報に基づく会議開始時刻の時間t1前の時刻、例えば10分前の時刻を第1の節電モードの開始時刻であるとして、この会議開始時刻の時間t1前の時刻を基に第1の節電モードに係る節電開始時刻情報を生成する(ステップS204)。
【0124】
また、スケジュール情報取得/判断部170は、上記取得した登録情報である会議室IDに対応して取得したスケジュール情報に含まれる開始時刻情報および終了時刻情報に基づく開始時刻から終了時刻までの期間(会議期間)は第2の節電モードの期間であるとして、この開始時刻から終了時刻までの期間(会議期間)を基に第2の節電モードに係る節電期間情報を生成する(ステップS205)。
【0125】
そして、スケジュール情報取得/判断部170は、上述したようにして生成した第1の節電モードに係る節電開始時刻情報および第2の節電モードに係る節電期間情報を節電制御情報として全体制御部190へ通知する(ステップS206)。
【0126】
ところで、ステップS203においてプリンタの設置環境が会議室ではない(オフィスである)と判断したスケジュール情報取得/判断部170は、プリンタの設置環境は「共用するオフィス(つまりオフィス共用)」であるか否かを判断する(ステップS207)。
【0127】
ステップS207において設置環境がオフィス共用(共用するオフィス)であると判断したスケジュール情報取得/判断部170は、上記取得した登録情報である属性情報が同一の全てのユーザID(同一の属性情報に対応するユーザID)に対応して取得したスケジュール情報に含まれる予定情報として「会議」が登録されているときは、当該スケジュール情報に含まれる開始時刻情報に基づく会議開始時刻の時間t2前の時刻、例えば30分前の時刻を第1の節電モードの開始時刻であるとして、この会議開始時刻の時間t2前の時刻を基に第1の節電モードに係る節電開始時刻情報を生成する(ステップS208)。
【0128】
また、スケジュール情報取得/判断部170は、上記取得した登録情報である属性情報が同一の全てのユーザID(同一の属性情報に対応するユーザID)に対応して取得したスケジュール情報に含まれる開始時刻情報および終了時刻情報に基に全てのユーザが不在となる期間を求め、この求めた期間は第2の節電モードの期間であるとして、この全てのユーザが不在となる期間を基に第2の節電モードに係る節電期間情報を生成し(ステップS209)、その後、ステップS206に進む。
【0129】
これに対し、ステップS207において設置環境が共用しないオフィス(個人使用のオフィス)であると判断したスケジュール情報取得/判断部170は、上記取得した登録情報であるユーザIDに対応して取得したスケジュール情報に含まれる予定情報として「会議」が登録されている場合は、当該スケジュール情報に含まれる開始時刻情報に基づく会議開始時刻の時間t2前の時刻、例えば30分前の時刻を第1の節電モードの開始時刻であるとして、この会議開始時刻の時間t2前の時刻を基に第1の節電モードに係る節電開始時刻情報を生成する(ステップS210)。
【0130】
また、スケジュール情報取得/判断部170は、上記取得した登録情報であるユーザIDに対応して取得したスケジュール情報に含まれる開始時刻情報および終了時刻情報に基にユーザが不在となる期間を求め、この求めた期間は第2の節電モードの節電期間であるとして、このユーザが不在となる期間を基に第2の節電モードに係る節電期間情報を生成し(ステップS211)、その後、ステップS206に進む。
【0131】
ところで、スケジュール情報取得/判断部170から節電制御情報(第1の節電モードに係る節電開始時刻情報および第2の節電モードに係る節電期間情報)を通知された全体制御部190は、その節電制御情報を基に、節電制御部180に対し節電モード情報を通知する。節電制御部180は、全体制御部190から通知された節電モード情報を基に、節電モードの切り替えを行う。
【0132】
次に、スケジュール情報取得/判断部170によるスケジュール情報取得処理について、上述した図5を参照して具体的に説明する。
【0133】
プリンタが設置される設置環境は、上述したように「会議室」に設置される場合、「共用オフィス(共用するオフィス)」に設置される場合および「非共用オフィス(共用しないオフィス)」に設置される場合の3つのパターンがあるので、それぞれのパターンにおける具体例を説明する。
【0134】
(1)「会議室」に設置される場合
【0135】
最初に、例えば図1に示すプリンタ30のスケジュール情報取得/判断部による処理について説明する。
【0136】
設置環境登録部160によって、設置環境情報として「会議室」が登録され、ユーザID情報としの会議室IDとして「MT1」が登録された場合は、図5を参照して分かるように、MT1の会議予定は「14:00〜17:00」の期間である。
【0137】
このスケジュールにおいては、スケジュール情報取得/判断部170は、スケジュール管理ソフトウェア11で管理されるスケジュール管理情報300の中から、MT1に対応するスケジュール情報つまり符号351で示される項目(行)のスケジュール情報を取得する。
【0138】
スケジュール情報取得/判断部170は、取得したスケジュール情報を基に、開始時刻「14:00」の時間t1前の時刻、例えば10分前の時刻「13:50」を、第1の節電モードの開始時刻とし、「14:00〜17:00」の期間を第2の節電モードの期間とする。
【0139】
そして、スケジュール情報取得/判断部170は、節電開始時刻情報として時刻「13:50」は第1の節電モードの開始時刻である旨を、また節電期間情報として期間「14:00〜17:00」は第2の節電モードの期間である旨をそれぞれ生成する。
【0140】
(2)「共用オフィス(共用するオフィス)」に設置される場合
【0141】
次に、例えば図1に示すプリンタ50スケジュール情報取得/判断部170による処理について説明する。
【0142】
設置環境登録部160によって、設置環境情報として「オフィス共用(共用するオフィス)」、が登録され、属性情報としの「Team1」が登録された場合は、図5を参照して分かるように、Member2の会議予定が「14:00〜17:00」の期間となっている。
【0143】
このスケジュールにおいては、スケジュール情報取得/判断部170は、スケジュール管理情報300の中から、Team1に所属するMember1およびMember2に対応するスケジュール情報、つまり符号352,353で示される項目(行)のスケジュール情報を取得する。
【0144】
次に、スケジュール情報取得/判断部170は、Member2の会議予定が「14:00〜17:00」の期間となっているため、開始時刻「14:00」の時間t2前の時刻、例えば30分前の時刻「13:30」を、第1の節電モードの開始時刻とする。
【0145】
また、スケジュール情報取得/判断部170は、メンバ(Member1、Member2)に対応して取得したスケジュール情報のうち開始時刻情報および終了時刻情報を基に、すべてのメンバ(Member1、Member2)が不在となる期間は「14:00〜17:00」であると認識し、この全てのメンバが不在となる期間「14:00〜17:00」を第2の節電モードの期間とする。
【0146】
そして、スケジュール情報取得/判断部170は、節電開始時刻情報として時刻「13:30」は第1の節電モードの開始時刻である旨を、また節電期間情報として期間「14:00〜17:00」は第2の節電モードの期間である旨をそれぞれ生成する。
【0147】
(3)「非共用オフィス(共用しないオフィス)」に設置される場合
【0148】
最後に、例えば図1に示すプリンタ40のスケジュール情報取得/判断部による処理について説明する。
【0149】
設置環境登録部160によって、設置環境情報として「オフィス非共用(共用しないオフィス)」が登録され、属性情報としの「Member2」が登録された場合は、図5を参照して分かるように、Member2の会議予定が「14:00〜17:00」の期間となっている。
【0150】
このスケジュールにおいては、スケジュール情報取得/判断部170は、スケジュール管理情報300の中から、Member2のスケジュール情報、つまり符号353で示される項目(行)のスケジュール情報を取得する。
【0151】
次に、スケジュール情報取得/判断部170は、Member2の会議予定が「14:00〜17:00」の期間となっているため、開始時刻「14:00」の時間t2前の時刻、例えば30分前の時刻「13:30」を、第1の節電モードの開始時刻とする。
【0152】
また、スケジュール情報取得/判断部170は、Member2に対応して取得したスケジュール情報の開始時刻情報および終了時刻情報を基に、Member2が不在となる期間は「14:00〜17:00」であると認識し、このMember2が不在となる期間「14:00〜17:00」を第2の節電モードの期間とする。
【0153】
そして、スケジュール情報取得/判断部170は、節電開始時刻情報として時刻「13:30」は第1の節電モードの開始時刻である旨を、また節電期間情報として期間「14:00〜17:00」は第2の節電モードの期間である旨をそれぞれ生成する。
【0154】
ここで、プリンタが設置される設置環境として上述した(2)「共用オフィス(共用するオフィス)」に設置される場合の、節電モードの切り替えを時系列に表した様子を、図9に示す。
【0155】
図9においては、時刻「12:00」で第2の節電モードに切り替えられた状態になっている。そして、上述したようにTeam1に所属するMember1およびMember2に対応するスケジュール情報を基に、Member2の会議予定の開始時刻「14:00」の時間t2(例えば30分)前の時刻「13:30」で、第2の節電モードから第1の節電モードに切り替えられる。
【0156】
次に、全てのメンバ(Member1およびMember2)が不在となる期間「14:00〜17:00」の開始時刻「14:00」で第1の節電モードから第2の節電モードに切り替えられる。この期間「14:00〜17:00」の終了時刻「17:00」を経過した時間においては、例えば印刷データを受信するなど所定の事象が発生しない限り、第2の節電モードが継続される。
【0157】
図9に示す例では、第1の節電モードの開始時刻「13:30」よりも前の時間は第2の節電モードになっているが、その開始時刻「13:30」よりも前の時間においては、レディモード、第1の節電モードおよび第2の節電モードの3つの節電モードのうち何れかの節電モードになる。
【0158】
なお、開始時刻「13:30」よりも前に印刷処理が実行されている場合において、現在の時刻が開始時刻「13:30」に達しても印刷処理が終了していないときは、稼働モードから第1の節電モードに切り替えられることなく、稼働モードのままで印刷処理が継続される。つまり稼働モードが節電モードよりも優先されるようになっている。
【0159】
ところで、ホストPC20が印刷データをプリンタ50に向けて送信した場合は、プリンタ50は、入出力制御部120を介して印刷データを受信する。この受信されたデータは、データ解析部130によって解析され、さらにデータ変換部140によって印刷可能なビットマップデータに変換され、その後、印刷部150によって印刷される。
【0160】
なお、上述した説明では、スケジュール情報取得/判断部170によるスケジュール管理ソフトウェア11からのスケジュール情報の取得タイミングは、プリンタの電源が投入されたことに起因して全体制御部190がスケジュール情報取得/判断部170を起動する起動タイミングに同期するようになっているが、実施の形態1においては、スケジュール情報取得/判断部170は、一定の周期で、スケジュール管理ソフトウェア11からスケジュール情報を取得するようにしてもよい。
【0161】
例えば、ファクシミリ装置機能およびプリンタ機能を有する画像形成装置では、24時間体制でファクシミリ装置機能によるファックス受信処理を必要とするため、常時、当該画像形成装置の電源がON状態となっている。このような画像形成装置においては、スケジュール情報取得/判断部170は、毎日、所定の時刻(例えば午前8時)に、スケジュール管理ソフトウェア11からスケジュール情報を取得するようにする。
【0162】
(実施の形態2)
【0163】
実施の形態2に係る印刷システムは、図1に示した実施の形態1に係る印刷システムと同様の構成になっている。ここでは、その詳細な説明については省略する。
【0164】
実施の形態2に係る画像形成装置を適用したプリンタは、図2に示した実施の形態1に係るプリンタと同様のハードウェア構成になっている。ここでは、その詳細な説明については省略する。
【0165】
図10は、実施の形態2に係る画像形成装置を適用したプリンタの機能構成を示している。
【0166】
図10に示すプリンタ400は、図3に示した実施の形態1のプリンタ50の機能構成において、データ保存部410を追加し、スケジュール情報取得/判断部170をスケジュール判断部420に変更した機能構成になっている。図10において、図3に示した構成要素と同様の機能を果たす部分には同一の符号を付している。
【0167】
データ保存部410は、印刷データを保存するものであり、例えば図2に示したRAM53に対応する。
【0168】
スケジュール情報取得/判断部420は、スケジュール情報取得/判断部170の機能に加えて、スケジュール管理ソフトウェア11に所定の文書が登録されている場合は、その文書を取得する機能を有している。ここでは、所定の文書は会議で使用される資料(以下「会議資料」という)であるとする。スケジュール情報取得/判断部420の詳細な説明については後述する。
【0169】
なお、実施の形態2では、ホストPC10で動作するスケジュール管理ソフトウェア11が管理するスケジュール管理情報300のうちスケジュール情報330は、図11に示す内容になっている。この図11に示すスケジュール情報330は、図4に示したスケジュール管理情報300のうちスケジュール情報330の構成において資料情報336および会議参加ユーザ数情報337を追加した構成になっている。
【0170】
資料情報336には、例えばユーザIDとしての会議室IDに対応して、会議資料の資料名が登録される。この資料名の会議資料の実体(データ)は、ホストPC10の例えばハードディスク13に格納される(図1参照)。
【0171】
会議参加ユーザ数情報337には、会議室での会議に参加されるユーザの数(会議参加ユーザ数)が登録される。この会議参加ユーザ数は、予定情報331に登録された「会議」の数または場所情報332に登録された「会議室名」の数である。また、会議参加ユーザ数は、印刷部数として採用される。
【0172】
なお、スケジュール管理ソフトウェア11は、予定情報331に登録された「会議」の数または場所情報332に登録された「会議室名」の数を計数することにより知ることができる。例えば図5に示す例では、予定情報331に登録された「会議」の数または場所情報332に登録された「会議室名=MT1」の数は2であるので、会議参加ユーザ数は2人となる。そのため、図11に示すスケジュール情報330におけるユーザIDとしての会議室ID=MT1に対応する会議参加ユーザ数情報337の項目には、2人を示す情報が登録される。
【0173】
また、実施の形態2では、印刷データ記憶手段はデータ保存部410に対応し、印刷手段は印刷部150に対応し、印刷制御手段は全体制御部190に対応する。
【0174】
次に、スケジュール情報取得/判断部420よるスケジュール情報取得処理について、図12を参照して説明する。
【0175】
この例では、設置環境登録部160によって、設置環境情報として「会議室」が登録され、登録情報として会議室ID例えばMT1が登録されているとする。
【0176】
プリンタの電源がON状態となりプリンタが起動すると、全体制御部190は、スケジュール情報取得/判断部420を起動する。
【0177】
全体制御部190によって起動されたスケジュール情報取得/判断部420は、図12に示すように、設置環境登録部160に対し設置環境情報および登録情報を要求するとともに、設置環境登録部160からの前記要求に対する結果つまり設置環境情報(会議室)および登録情報(会議室ID=MT1)を取得する(ステップS301)。
【0178】
設置環境登録部160は、スケジュール情報取得/判断部420からの要求に応じて、記憶部110に登録されている設置環境情報(会議室)および登録情報(会議室ID=MT1)を読み出して、スケジュール情報取得/判断部420へ送出する。
【0179】
スケジュール情報取得/判断部420は、ホストPC10で動作するスケジュール管理ソフトウェア11にログインし、スケジュール管理ソフトウェア11により管理されるスケジュール情報330(図11参照)の中から、ステップS301において取得した登録情報(ユーザIDまたは属性情報または会議室ID)を対応するスケジュール情報を取得する(ステップS302)。
【0180】
ここで、プリンタの設置環境が「会議室」の場合は、取得された登録情報で示される会議室IDに対応するスケジュール情報が取得される。
【0181】
また、プリンタの設置環境が「共用するオフィス」の場合には、取得された登録情報で示される「属性情報」に対応するスケジュール情報が取得される。この場合、属性情報が同一の全てのユーザID(同一の属性情報に対応するユーザID)に対応するスケジュール情報が取得される。
【0182】
さらに、プリンタの設置環境が「共用しないオフィス(個人使用のオフィス)」の場合は、取得された登録情報で示される「ユーザID」に対応するスケジュール情報が取得される。
【0183】
次に、スケジュール情報取得/判断部420は、設置環境登録部160から取得した設置環境情報(会議室)を基に、当該プリンタの設置環境(設定された場所)は会議室か否かを判断する(ステップS303)。
【0184】
ステップS303において設置環境が会議室であると判断したスケジュール情報取得/判断部420は、上記取得した登録情報である会議室IDに対応して取得したスケジュール情報に含まれる開始時刻情報に基づく会議開始時刻の時間t1前の時刻、例えば10分前の時刻を第1の節電モードの開始時刻であるとする(ステップS304)。
【0185】
また、スケジュール情報取得/判断部420は、上記取得した登録情報である会議室IDに対応して取得したスケジュール情報に含まれる開始時刻情報および終了時刻情報に基づく開始時刻から終了時刻までの期間(会議期間)は第2の節電モードの期間であるする(ステップS305)。
【0186】
続いて、スケジュール情報取得/判断部420は、上記取得した登録情報である会議室IDに対応して取得したスケジュール情報に、資料情報336の項目に対応して資料名が登録されているか否か(つまり会議資料が登録されているか否か)を判断する(ステップS306)。
【0187】
ステップS306において資料名が登録されていないと判断(つまり会議資料が登録されていないと判断)したスケジュール情報取得/判断部420は、ステップS304における会議開始時刻の時間t1前の時刻を基に第1の節電モードに係る節電開始時刻情報を生成するとともに、ステップS305における開始時刻から終了時刻までの期間(会議期間)を基に第2の節電モードに係る節電期間情報を生成し、さらに、これら生成した第1の節電モードに係る節電開始時刻情報および第2の節電モードに係る節電期間情報を節電制御情報として全体制御部190へ通知し、その後、この処理を終了する。
【0188】
スケジュール情報取得/判断部420から節電制御情報(第1の節電モードに係る節電開始時刻情報および第2の節電モードに係る節電期間情報)を通知された全体制御部190は、その節電制御情報を基に、節電制御部180に対し節電モード情報を通知することになる。
【0189】
ところで、ステップS306において資料情報336の項目に対応して資料名が登録されていると判断(つまり会議資料が登録されていると判断)したスケジュール情報取得/判断部420は、その会議資料の印刷に係る前段階処理を実行する(ステップS307)。
【0190】
この前段階処理においては、スケジュール情報取得/判断部420は、上記取得したスケジュール情報330に含まれる資料情報336の項目に対応して登録されている資料名(文書名)の会議資料(文書データ)をホストPC10から取得する。
【0191】
この場合、ホストPC10は、スケジュール情報取得/判断部420から送信依頼された資料名(文書名)に対応する会議資料(文書データ)のファイルをハードディスク12から読み出して、プリンタ50に向けて送信することになる。
【0192】
スケジュール情報取得/判断部420がホストPC10から取得した会議資料(文書データ)をデータ変換部140へ送出すると、データ変換部140は、受け取った会議資料(文書データ)を印刷可能なデータ(印刷データ)に変換し、変換後の印刷データをスケジュール情報取得/判断部420へ送出する。
【0193】
スケジュール情報取得/判断部420は、データ変換部140からの印刷データをデータ保存部410に保存する、すなわち会議資料(文書データ)を印刷データとしてデータ保存部410に保存するとともに、保存した印刷データの文書識別情報、会議参加ユーザ数情報337に対応して登録されている会議参加ユーザ数に基づく印刷部数情報、および開始時刻情報334に対応して登録されている開始時刻に基づく会議開始時刻情報を全体制御部190へ通知する。
【0194】
また、スケジュール情報取得/判断部420は、上述したようにして生成した第1の節電モードに係る節電開始時刻情報および第2の節電モードに係る節電期間情報のうち、少なくとも第2の節電モードに係る節電期間情報を節電制御情報として全体制御部190へ通知する。ここでは、第2の節電モードに係る節電期間情報のみを節電制御情報として通知するものとする。
【0195】
文書識別情報、印刷部数情報および会議開始時刻情報を受け取った全体制御部190は、その会議開始時刻情報を基に会議開始には印刷が終了するよう印刷部150を起動し、さらにデータ保存部410から前記文書識別情報に対応する印刷データ(会議資料)を読み出すとともに、起動した印刷部150に対し、この読み出した印刷データを前記印刷部数情報に基づく印刷部数分を印刷するよう指示する。
【0196】
これにより印刷部150からは、会議開始時刻よりも前に、印刷部数分の会議資料(印刷物)が出力される。
【0197】
例えば、会議資料の印刷部数が2部で、会議開始時刻が14:00の場合は、この会議開始時刻「14:00」よりも前の時刻に、2部分の会議資料が印刷物として印刷部150から出力されることとなる。
【0198】
なお、全体制御部190は、第1の節電モードに係る節電開始時刻情報および第2の節電モードに係る節電期間情報が節電制御情報として通知された場合は、会議開始時刻「14:00」の時間t1前(例えば10分前)の時刻つまり第1の節電モードの開始時刻「13:50」よりも前の時刻に、2部分の会議資料が印刷物として出力されるように、印刷部150を制御する。また、全体制御部190は、節電制御情報(第1の節電モードに係る節電開始時刻情報および第2の節電モードに係る節電期間情報)を基に、節電制御部180に対し節電モード情報を通知することになる。
【0199】
勿論、全体制御部190は、第1の節電モードに係る節電開始時刻情報および第2の節電モードに係る節電期間情報が節電制御情報が通知されたとしても、第1の節電モードの開始時刻「13:50」を無視し、会議開始時刻「14:00」よりも前の時刻に2部分の会議資料が印刷物として出力されるように、印刷部150を制御するようにしてもよい。この場合、全体制御部190は、節電制御情報(第2の節電モードに係る節電期間情報)を基に、節電制御部180に対し節電モード情報を通知することになる。
【0200】
なお、上述した説明では、スケジュール情報取得/判断部420によるスケジュール管理ソフトウェア11からのスケジュール情報の取得タイミングは、プリンタの電源が投入されたことに起因して全体制御部190がスケジュール情報取得/判断部420を起動する起動タイミングに同期するようになっているが、実施の形態2においても、上述した実施の形態1の場合と同様に、スケジュール情報取得/判断部420は、一定の周期で、スケジュール管理ソフトウェア11からスケジュール情報を取得するようにしてもよい。
【0201】
(実施の形態3)
【0202】
図13は、実施の形態3に係る印刷システムの構成を示している。
【0203】
図13に示すように、印刷システム500は、クライアントコンピュータ(以下「クライアントPC」という)510と、画像形成装置である複数のプリンタ520,530,540とが通信回線550を介して電気的に接続されている。
【0204】
通信回線550としては、ローカルエリアネットワーク(LAN)や電話回線などの有線通信回線、無線LANなどの無線通信回線、さらには、これらの通信回線を組み合わせたもの、などが挙げられる。
【0205】
クライアントPC510は、スケジュール情報を管理するスケジュール管理ソフトウェア511がインストールされているハードディスク512と、ハードディスク512から読み出されたスケジュール管理ソフトウェア511を記憶するRAMなどの主メモリ513と、ハードディスク512から主メモリ513へスケジュール管理ソフトウェア511を読み出して実行するCPU514と、通信回線550を介してデータを送受信する通信装置515と、を有している。
【0206】
クライアントPC510はユーザによって入力情報などの入力操作が行われる。例えば、ユーザがクライアントPC510を操作して、スケジュール管理ソフトウェア511にログインして、自己のスケジュールの登録、変更などの入力情報の入力や、印刷対象の印刷データ(文書データ)の印刷に関する印刷指示操作を行う。
【0207】
実施の形態3では、クライアントPC510は、予定先の場所を示す場所情報と当該場所における所定の位置から基準位置までの経路の距離に対応する移動時間情報とを含むスケジュール情報を管理する機能に対応するソフトウェアを実行する処理装置の機能と、印刷データの印刷指示を行うクライアント装置の機能と、を有している。なお、クライアントPC510は事務所520A内に設置されているものとする。
【0208】
事務所520Aに設置されたプリンタ(以下「事務所プリンタ」という)520は、クライアントPC510からの印刷指示に応じて印刷処理を実行するとともに、クライアントPC510上で動作するスケジュール管理ソフトウェア511にログインし、スケジュール管理ソフトウェア511により管理されるスケジュール情報を取得する。
【0209】
また、事務所プリンタ520は、クライアントPC510からの印刷指示に応じて印刷処理を実行するに際し、当該印刷処理の一部を他のプリンタ530またはプリンタ540へ依頼する。
【0210】
会議室530Aに設置されたプリンタ(以下「会議室プリンタ」という)530および会議室540Aに設定されたプリンタ(以下「会議室プリンタ」という)540は、事務所プリンタ520からの印刷依頼に応じて印刷処理を実行する。
【0211】
実施の形態3では、処理装置およびクライアント装置はクライアントPC510に対応し、第1の画像形成装置は事務所プリンタ520に対応し、第2の画像形成装置は会議室プリンタ530および会議室プリンタ540に対応する。
【0212】
図14は、図13に示したクライアントPC510の機能構成を示している。
【0213】
図14に示すように、クライアントPC510は、予定先の場所を示す場所情報と当該場所における所定の位置から基準位置までの距離に対応する移動時間情報とを含むスケジュール情報を管理する機能に対応するソフトウェア(以下「スケジュール管理ソフトウェア」という)511を実行する実行部516と、事務所プリンタ520に対し印刷データの印刷指示を行う印刷指示部517と、通信回線550を介してデータを送受信する送受信部518と、を有している。
【0214】
実施の形態3では、実行部516および印刷指示部517は、CPU514が、それぞれの構成要素の機能を遂行させるためのソフトウェアをハードディスク512から主メモリ513に読み出して実行することにより実現されるようになっている。また、送受信部518は通信装置515に対応する。
【0215】
次に、スケジュール管理ソフトウェアで管理されるスケジュール情報を含むスケジュール管理情報について説明する。
【0216】
図15は、スケジュール管理情報の一例を示している。
【0217】
図15に示すように、スケジュール管理情報600は、ユーザID情報610と属性情報620とスケジュール情報630とを含んでいる。また、スケジュール情報330は、予定区分情報631と、場所情報632と、期日情報633と、開始時刻情報634と、終了時刻情報635とを含んでいる。
【0218】
ユーザID情報610、属性情報620およびスケジュール情報630は、それぞれ図4に示した実施の形態1のユーザID情報310、属性情報320およびスケジュール情報330と同様の意味を有する。
【0219】
また、予定区分情報631、場所情報632、期日情報633、開始時刻情報634および終了時刻情報635は、それぞれ図4に示した実施の形態1の予定区分情報331、場所情報332、期日情報333、開始時刻情報334および終了時刻情報335と同様の意味を有する。
【0220】
なお、実施の形態3では、予定区分情報631には、例えば外出、会議、休暇などの情報と、該当する会議に参加するユーザの数を示す会議参加ユーザ数情報とが登録されるようになっている。
【0221】
また、場所情報632には、予定先の場所を示す場所情報と当該場所における所定の位置から基準位置までの経路の距離に対応する移動時間情報が登録されるようになっている。
【0222】
その移動時間情報の登録に関し、管理者は、クライアントPC510、または通信回線550を介してクライアントPC510と接続される図示しないコンピュータを操作して、スケジュール管理ソフトウェア511にログインし、会議室(会議室名=MTA、MTB)に対応して移動時間情報を入力することになる。
【0223】
ところで、スケジュール管理情報600は、例えば、図15に示すように、ユーザに係る情報601と、会議室などの設備に係る情報602とに分類される。
【0224】
情報601はプリンタが事務所に設定される場合に適用される情報を意味し、ユーザID情報は社員識別情報であり、属性情報はグループや部署などの所属部門を示す情報である。
【0225】
一方、情報602はプリンタが会議室等の設備に設置される場合に適用される情報を意味し、ユーザID情報は会議室名であり、属性情報は会議室を示す情報である。この場合、スケジュール情報は予約状況を示す情報を意味する。
【0226】
上述したようにスケジュール管理ソフトウェア511は、スケジュール管理情報600を管理する機能、すなわちユーザ毎に、ユーザ識別情報610と属性情報620とスケジュール情報630とを対応付けて当該スケジュール情報630を管理する機能を有している。
【0227】
なお、個々のユーザが、通信回線550を介してクライアントPC510と接続される図示しないコンピュータを操作して、スケジュール管理ソフトウェア511にログインし、ユーザID、属性、スケジュール(予定、場所、期日、開始時刻、終了時刻)などのスケジュールの登録に関する情報を入力すると、スケジュール管理ソフトウェア511が、入力されたスケジュールの登録に関する情報を、図15に示すフォーマットを基に情報601として管理する。
【0228】
ここで、ユーザIDがMember1〜Member10に対応する10人のユーザはTeam1というグループに所属し、またユーザIDがMember11〜Member20に対応する10人のユーザはTeam2というグループに所属しているとする。
【0229】
一方、スケジュール管理ソフトウェア511が、情報601の内容の会議室(会議室名=MTA、MTB)の予約状況を認識し、この認識した結果(会議室の予約状況に関する情報)を、図15に示すフォーマットを基に情報602として管理する。
【0230】
すなわち、スケジュール管理ソフトウェア511は、(1)情報601の内容を基に会議室(会議室名=MTA、MTB)の予約状況を識別して得られた予約状況内容、(2)予定情報631に登録された「会議」の数または場所情報632に登録された「会議室名」の数を計数して得られた計数値(これは、会議に参加するユーザの数を意味する)、(3)管理者によって会議室(会議室名=MTA、MTB)に対応して入力された移動時間情報を、図15に示すフォーマットを基に情報602として管理する。
【0231】
ここで、MTAという会議室名のユーザID(会議室ID)は「MTA」であり、MTBという会議室名のユーザID(会議室ID)は「MTB」であるとする。
【0232】
なお、実施の形態3において、予定先の場所とは、例えば予定が会議の場合では会議が開催される会議室のことであり、例えば図13に示す例では、会議室530Aまたは会議室540Aのことである。
【0233】
予定先の場所を示す場所情報とは、例えば予定が会議の場合では会議が開催される会議室を示す識別情報(以下「会議室ID」という)のことであり、例えば図13に示す例では、会議室530Aに対応する会議室ID=MTAまたは会議室540Aに対応する会議室ID=MTBのことである。
【0234】
当該場所(予定先の場所)における所定の位置とは、例えば予定が会議の場合では会議が開催される会議室に設置されたプリンタ(会議室プリンタ)の設置位置を基準にして、水平方向に一定の距離離れた位置に対応する会議室内の床面の位置のことである。
【0235】
例えば、会議室530Aに設置された会議室プリンタ50の設置位置を基準にして、水平方向に一定の距離離れた位置に対応する会議室530A内の床面の位置である。
【0236】
基準位置とは、印刷データの印刷指示を行うクライアント装置が印刷指示を与えるプリンタが設置されている設置位置を基準にして、水平方向に一定の距離離れた位置に対応する、主に業務を遂行するための例えば事務所内の床面の位置のことである。
【0237】
例えば、クライアントPC510も設置されている事務所520Aに設置された事務所プリンタ520の設置位置を基準にして、水平方向に一定の距離離れた位置に対応する事務所520A内の床面の位置である。
【0238】
移動時間情報とは、予定先の場所における所定の位置から基準位置までの経路の距離に対応する時間のことである。この時間は、人が予定先の場所における所定の位置から基準位置までの経路を移動した移動時間を実際に計測した計測値に対応する時間である。例えば、移動時間の計測を複数回実施し、その複数の計測値の平均を採用すればよい。
【0239】
ところで、実施の形態3に係る画像形成装置を適用したプリンタ、すなわち事務所プリンタ520および会議室プリンタ530,540のハードウェア構成は、それぞれ図2に示した実施の形態1に係るプリンタの構成と同様になっている。ここでは、その詳細な説明については省略する。
【0240】
図16は、図13に示した事務所プリンタ520の機能構成を示している。
【0241】
図16に示すように、事務所プリンタ520は、処理部521、印刷制御部522、印刷部523および送受信部524を備えている。
【0242】
処理部521は、印刷時間推測部710と最短時間計算部720と性能情報記憶部730とを有し、自己装置つまり当該事務所プリンタ520と予定先の場所(会議室)に設置された会議室プリンタ530または会議室プリンタ540とに対する印刷対象の印刷データに係る印刷処理に対応する印刷処理量の割合、すなわち分担量を求める。
【0243】
性能情報記憶部730は、当該事務所プリンタ520の印刷に関する性能情報を記憶するものであり、例えば、復帰時間を示す情報、印刷速度(例えば、印刷枚数/分)などの情報を予め記憶している。
【0244】
なお、実施の形態3において、性能情報記憶部730は、会議室プリンタ530および会議室プリンタ540のそれぞれに対応して、該当するプリンタの印刷速度情報を予め記憶するようにしてもよい。
【0245】
印刷時間推測部710は、性能情報記憶部730に記憶されている当該事務所プリンタ520の印刷に関する性能情報に含まれる印刷速度情報を基に、当該事務所プリンタ520における印刷対象の印刷データに関する所定の単位当たりの印刷に要する印刷時間を推測する。例えば、印刷データ(文書データ)全てを印刷(1部数分の印刷データを印刷)するのに要する印刷時間が推測される。
【0246】
また、印刷時間推測部710は、後述する性能情報取得部722によって取得される会議室プリンタ530または会議室プリンタ540のそれぞれの印刷に関する性能情報に含まれる印刷速度情報を基に、会議室プリンタ530または会議室プリンタ540における印刷対象の印刷データに関する所定の単位当たりの印刷に要する印刷時間を推測する。
【0247】
しかし、会議室プリンタ530の印刷速度情報および会議室プリンタ540の印刷速度情報が性能情報記憶部730に記憶されているときは、印刷時間推測部710は、後述する性能情報取得部722からの印刷速度情報を用いることなく、性能情報記憶部730に記憶されている該当する会議室プリンタの印刷速度情報を採用することになる。
【0248】
最短時間計算部720は、スケジュール情報取得部721と性能情報取得部722とを有している。
【0249】
スケジュール情報取得部721は、クライアントPC510で動作するスケジュール管理ソフトウェア511にログインし、スケジュール情報の中から場所情報、移動時間情報および会議参加ユーザ数情報を取得する。
【0250】
性能情報取得部722は、予定先の場所(会議室)に設置された会議室プリンタ530または会議室プリンタ540に対し、印刷に関する性能情報を要求するとともに、会議室プリンタ530または会議室プリンタ540からの前記要求に対する結果つまり印刷に関する性能情報を取得する。この印刷に関する性能情報には、プリンタの復帰時間を示す情報、印刷速度(例えば、印刷枚数/分)などの情報のうち、少なくとも復帰時間情報が含まれる。
【0251】
最短時間計算部720は、(1)後述する送受信部524が受信する印刷データ、(2)印刷時間推測部710による推測結果(推測印刷時間)、(3)スケジュール情報取得部721が取得したスケジュール情報(場所情報、移動時間情報および会議参加ユーザ数情報)、(4)性能情報取得部722が取得した性能情報(復帰時間情報および印刷速度情報のうち少なくとも復帰時間情報)、(5)性能情報記憶部723に記憶されている当該プリンタ520の印刷に関する性能情報(復帰時間情報および印刷速度情報のうち少なくとも復帰時間情報)を基に、予定先の場所における所定の位置においてユーザが印刷対象の印刷データに係る複数の印刷部数分の印刷物を準備するという条件を満たす、当該事務所プリンタ520と、予定先の場所(会議室)に設置された会議室プリンタ530または会議室プリンタ540と、に対する前記印刷対象の印刷データに係る印刷処理に対応する印刷処理量の割合を求める。
【0252】
この印刷処理量の割合は、印刷データを印刷すべき部数の分担の割合を示す。例えば、10部分の印刷データを印刷する場合では、事務所プリンタ520は4部、例えば会議室プリンタ520は6部、というように各プリンタが担当すべき印刷部数の割合が求められる。
【0253】
印刷制御部522は、処理部521による処理結果(印刷処理量の割合)を基に、印刷部523に印刷指示を与えるとともに、予定先の場所(会議室)に設置された会議室プリンタ530または会議室プリンタ540に向けて印刷指示を与える。印刷部523は、印刷制御部522の印刷指示に従って印刷処理を実行する。
【0254】
送受信部524は、通信回線550を介してデータを送受信するものであり、例えばクライアント装置としてのクライアントPC510から送信される印刷対象の印刷データを受信する。
【0255】
次に、このような事務所プリンタ520の各構成要素の、図2に示した実施の形態1のプリンタ50の各構成要素(ハードウェア構成における各構成要素)との対応関係について説明する。
【0256】
実施の形態3では、性能情報記憶部730を除く処理部521および印刷制御部522は、CPU51が、それぞれの構成要素の機能を遂行させるためのソフトウェアを含むコントロールソフトウェアをROM52からRAM53に読み出して実行することにより実現されるようになっている。また、性能情報記憶部730はROM23やEEPROM54に対応し、印刷部523はエンジンI/F56およびプリンタエンジン58に対応し、送受信部524は、入出力I/F55および入出力ポート61,62に対応する。
【0257】
また、実施の形態3では、処理手段は処理部521に対応し、受信手段は送受信部524に対応し、印刷時間推測手段は印刷時間推測部710に対応し、スケジュール情報取得手段はスケジュール情報取得部721に対応し、性能情報取得手段は性能情報取得部722に対応する。
【0258】
図17は、図13に示した会議室プリンタ530の機能構成を示している。
【0259】
図17に示すように、会議室プリンタ530は、性能情報通知部531、印刷制御部532、印刷部533および送受信部534を備えている。
【0260】
性能情報通知部531は、事務所プリンタ520の性能情報取得部722からの性能情報の問い合わせに応じて、当該会議プリンタ530の印刷に関する性能情報を事務所プリンタ520に向けて通知するものであり、当該会議プリンタ530の復帰時間情報を事務所プリンタ520に向けて通知する節電復帰時間情報通知部531Aと、当該会議プリンタ530の印刷速度(印刷枚数/分)情報を事務所プリンタ520に向けて通知する印刷速度情報通知部531Bとを有している。
【0261】
なお、性能情報通知部531では、事務所プリンタ520から復帰時間情報の要求があったときは、節電復帰時間情報通知部531Aのみが復帰時間情報を通知し、印刷速度情報通知部531Bは機能しないようになっている。
【0262】
印刷制御部532は、事務所プリンタ520の印刷制御部522からの印刷指示に応じて、印刷部533に印刷指示を与える。印刷部533は、印刷制御部532の印刷指示に従って印刷処理を実行する。
【0263】
送受信部534は、通信回線550を介してデータを送受信するものであり、性能情報通知部531からの性能情報を事務所プリンタ520に向けて送信するとともに、事務所プリンタ520から送信される印刷データを含む印刷指示内容を受信する。
【0264】
次に、このような会議室プリンタ530の各構成要素の、図2に示した実施の形態1のプリンタの各構成要素(ハードウェア構成における各構成要素)との対応関係について説明する。
【0265】
実施の形態3では、性能情報通知部531および印刷制御部532は、CPU51が、それぞれの構成要素の機能を遂行させるためのソフトウェアを含むコントロールソフトウェアをROM52からRAM53に読み出して実行することにより実現されるようになっている。また、印刷部533はエンジンI/F56およびプリンタエンジン58に対応し、送受信部534は、入出力I/F55および入出力ポート61,62に対応する。
【0266】
なお、会議室プリンタ540の機能構成も、上述した会議室プリンタ530と同様になっている。ここでは、その詳細な説明については省略する。
【0267】
次に、印刷システムの印刷処理について、図18および図19を参照して説明する。
【0268】
図18は、印刷システムの印刷処理を説明する図であり、図19は、事務所プリンタ520による印刷処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0269】
ここでは、会議室名「MTA」に対応する会議室に設置されているプリンタは会議室プリンタ530Aであり、会議室名「MTB」に対応する会議室に設置されているプリンタは会議室プリンタ540Aであるとする。
【0270】
また、性能情報記憶部730には、当該事務所プリンタ520の性能情報(復帰時間情報、印刷速度情報)と、会議室プリンタ530および会議室プリンタ540のそれぞれに対する印刷速度情報とが記憶されているとする。そのため、会議室プリンタにおいては、印刷速度情報通知部は機能しないものとする。
【0271】
ユーザID「Member1」のユーザが、クライアントPC510を操作して、自己のユーザID情報と会議資料(文書データ)を印刷すべき旨とを含めて印刷指示操作を行うものとする。
【0272】
クライアントPC510では、印刷指示部517は、ユーザからの印刷指示操作に応じた入力情報(ユーザID情報と会議資料)を基に、印刷対象の印刷データ(文書データ)を含む印刷指示を事務所プリンタ520に向けて送信する。
【0273】
事務所プリンタ520は、クライアントPC510の印刷指示部517からユーザID情報および印刷データ(文書データ)を含む印刷指示を受信したか否かを判断し(ステップS401)、その判断した結果、その印刷指示を受信しない場合は、その印刷指示を受信するまで待機する。
【0274】
ステップS401において前記印刷指示を受信したと判断した事務所プリンタ520では、スケジュール情報取得部721は、クライアントPC510で動作するスケジュール管理ソフトウェア511にログインする(ステップS402)。
【0275】
スケジュール情報取得部721は、スケジュール管理ソフトウェア511が管理するスケジュール情報を基に、前記印刷指示内容に含まれるユーザID情報に対応する場所情報(会議室名)を識別するとともに、この識別した場所情報に対応する会議室IDを識別し、さらに識別した会議室IDに対応する会議参加ユーザ数情報および移動時間情報、並びに場所情報(会議室名)を取得し(ステップS403)、場所情報(会議室名)については印刷時間推測部710および性能情報取得部722へ通知する。
【0276】
例えば、ユーザID「Member1」のユーザによる印刷指示操作の場合、図15に示すように、ユーザID「Member1」に対応する場所情報は会議室名「MTA」、この会議室名「MTA」に対応するユーザIDつまり会議室IDは「MTA」、この会議室ID「MTA」に対応する会議参加ユーザ数情報および移動時間情報はそれぞれ「10人」および「移動時間T1」である。
【0277】
したがって、スケジュール情報取得部721は、スケジュール管理ソフトウェア511が管理するスケジュール情報の中から、場所情報としての会議室名「MTA」、会議参加ユーザ数情報「5人」および移動時間情報「移動時間T1」を取得する。このようにして取得された情報のうち、場所情報としての会議室名「MTA」については、印刷時間推測部710および性能情報取得部722へ通知される。
【0278】
次に、事務所プリンタ520では、印刷時間推測部710は、スケジュール情報取得部721から通知された会議室名に対応する会議室に設置されているプリンタ(これを予定先のプリンタとする)の印刷速度情報および当該事務所プリンタ520の印刷速度情報を性能情報記憶部730から読み出すとともに、この読み出した予定先のプリンタおよび当該事務所プリンタ520のそれぞれの印刷速度情報と受信された印刷データ(文書データ)とを基に、予定先のプリンタおよび当該事務所プリンタ520のそれぞれにおける印刷に要する印刷時間を推測する(ステップS404)。
【0279】
例えば、スケジュール情報取得部721から会議室名「MTA」が通知された場合は、この会議室名「MTA」に対応する会議室プリンタ530の印刷速度情報および当該事務所プリンタ520の印刷速度情報が、性能情報記憶部730から読み出され、この読み出された印刷速度情報と印刷データとに基づいて印刷時間が推測される。
【0280】
次に、事務所プリンタ520では、性能情報取得部722は、スケジュール情報取得部721から通知された会議室名に対応する会議室に設置されたプリンタに対し、節電復帰時間情報を要求するとともに(ステップS405)、当該予定先のプリンタの節電復帰時間情報通知部531Aからの復帰時間情報を取得する(ステップS406)。
【0281】
例えば、性能情報取得部722は、上述したように会議室名「MTA」に対応するプリンタは会議室プリンタ530であるので、この会議室プリンタ530に対し、復帰時間情報を要求し、会議室プリンタ530の前記要求に対する結果としての復帰時間情報を取得する。
【0282】
次に、事務所プリンタ520では、最短時間計算部720は、性能情報記憶部730から当該事務所プリンタ520の復帰時間情報を読み出す(ステップS407)。
【0283】
また、最短時間計算部720は、性能情報記憶部730から読み出した復帰時間情報、性能情報取得部722が取得した復帰時間情報、印刷時間推測部710が推測した印刷時間、スケジュール情報取得部721が取得した移動時間情報および会議参加ユーザ数を基に、当該事務所プリンタ520と予定先のプリンタ例えば会議室プリンタ530とに対する印刷対象の印刷データに係る印刷処理に対応する印刷処理量の割合(印刷部数)を求める(ステップS408)。
【0284】
ここで、会議参加ユーザ数(n)は、印刷データ(文書データ)を印刷すべき印刷部数(n)となる。
【0285】
そのため、最短時間計算部720は、nの印刷部数分の印刷処理に関し、ステップS408で求めた印刷処理量の割合(印刷部数)および印刷データ(文書データ)を含む印刷指示を印刷制御部522に与える。
【0286】
印刷制御部522は、最短時間計算部720からの印刷指示内容を基に、第1の印刷部数に対応する印刷処理を実施するよう、当該第1の印刷部数および印刷データ(文書データ)を含む印刷指示を、予定先のプリンタ例えば会議室プリンタ530に向けて送信する(ステップS409)。
【0287】
また、印刷制御部522は、最短時間計算部720からの印刷指示内容を基に、nの印刷部数から第1の印刷部数を減算した結果である第2の印刷部数に対応する印刷処理を実施するよう、当該第2の印刷部数および印刷データ(文書データ)を含む印刷指示を、当該事務所プリンタ520の印刷部523へ送出する(ステップS410)。
【0288】
これにより、予定先のプリンタ例えば会議室プリンタ530の印刷部からは第1の印刷部数分の印刷物が出力されるとともに、事務所プリンタ520の印刷部からは第2の印刷部数分の印刷物が出力されるので、最終的には、それらの出力結果を合計したnの印刷部数分の印刷物が得られることになる。
【0289】
次に、事務所プリンタ520の印刷処理について、具体例を挙げて説明する。
【0290】
まず、図15に示すスケジュール管理情報600において、会議室ID=MTAに対応して、スケジュール情報630の場所情報632の項目に、移動時間情報として移動時間T1=120秒を示す情報が登録されているとする。すなわち、事務所520Aの基準位置から会議室530Aの所定の位置までの経路の距離を移動するのに120秒の時間を要するものとする。
【0291】
また、図15に示すスケジュール管理情報600において、会議室ID=MTAに対応して、スケジュール情報630の予定情報631の項目に、会議参加ユーザ数として10人を示す情報が登録されているとする。
【0292】
このような前提条件においては、スケジュール情報取得部721は、スケジュール管理ソフトウェア511から、会議室名「MTA」、会議参加ユーザ数=「10人」および移動時間T1=「120秒」のスケジュール情報を取得する。
【0293】
また、最短時間計算部720は、会議参加ユーザ数が「10人」であるので、会議室530Aにおいて開催される会議にて配布する会議資料の印刷部数は10部であると認識する。
【0294】
次に、性能情報記憶部730には、事務所プリンタ520の印刷速度情報に加えて、会議室プリンタ530および会議室プリンタ540のそれぞれに対応して、該当するプリンタの印刷速度情報が記憶されているとする。また、事務所プリンタ520および会議室プリンタ530の性能(印刷速度)は同一とする。
【0295】
このような前提条件の下、ユーザがクライアントPC510を操作して、事務所プリンタ520から会議資料を印刷させるべく印刷指示操作を行った場合、事務所プリンタ520では、印刷時間推測部710が、印刷速度情報と会議資料(文書データ)とを基に、当該会議資料(文書データ)の全文書(1部数当たりの全文書)の印刷時間を推測する。
【0296】
この推測された推測印刷時間は例えば40秒であるとする。このことは、事務所プリンタ520および会議室プリンタ530のそれぞれにおいて、全文書(1部数当たりの全文書)を印刷するのに40秒の印刷時間を要することを意味する。
【0297】
また、性能情報記憶部730には、事務所プリンタ520の復帰時間情報として30秒を示す情報が登録されているとする。さらに、性能情報取得部722が取得した節電復帰時間情報通知部531Aから通知された復帰時間情報は30秒を示す情報であるとする。すなわち、事務所プリンタ520および会議室プリンタ530ともに節電モードから復帰するのに30秒の復帰時間を要するものとする。
【0298】
そして、最短時間計算部720は、事務所520Aから会議室530Aへの移動時間「120秒」、印刷部数「10部」、事務所プリンタ520および会議室プリンタ530のそれぞれにおける1部数当たりの印刷対象の印刷データ(全文書)の印刷処理に係る印刷時間「40秒」および節電モードからの復帰時間「30秒」を基に、事務所プリンタ520と会議室プリンタ530とに対する印刷対象の印刷データに係る印刷処理に対応する印刷処理量の割合すなわち印刷部数を求める。
【0299】
次に、印刷部数を決める方法について説明する。
【0300】
事務所プリンタ520における節電モードからの復帰時間をt1、印刷時間をt2、事務所から会議室への移動時間をt3とした場合、会議資料(文書データ)を事務所プリンタ520によって印刷し、印刷された会議資料(印刷物)を会議室で配布可能となる時間tAは「t1+t2+t3」である。
【0301】
また、会議室プリンタ530の節電モードからの復帰時間をt4、印刷時間をt5とした場合、会議資料(文書データ)を会議室プリンタ530によって印刷し、印刷された会議資料(印刷物)を会議室で配布可能となる時間tBは「t4+t5」となる。
【0302】
ここで、会議資料1部あたりの印刷時間をtc、必要な印刷部数をn、会議室プリンタ530が印刷すべき会議資料の印刷部数をK、事務所プリンタ520が印刷すべき会議資料の印刷部数を(n−K)とすると、事務所プリンタ520における印刷処理量に対応する印刷時間t2は「tc*(n−K)」で表され、会議室プリンタ530における印刷処理量に対応する印刷時間t5は「tc*K」で表される。
【0303】
そして、事務所プリンタ520および会議プリンタ530を使用して、印刷後の会議資料(印刷物)を最短で配布可能とする時間を次のようにして求める。
【0304】
すなわち、最短時間計算部720は、tA=t1+tc*(n−K)+t3の演算式に、t1、tc、nおよびt3を代入し、またB=t4+tc*Kの演算式にt4およびtcを代入し、さらに前記tAおよびtBの各演算式にKを「0」から「n」まで変化させて、これらtAおよびtBの各演算式を演算する。
【0305】
ちなみに、Kが「0,1,2,6,9,10」の各値のときのtAおよびtBは次のようになる。
【0306】
K=0の場合、tA=550、tB=30
【0307】
K=1の場合、tA=510、tB=70
【0308】
K=2の場合、tA=470、tB=110
【0309】
K=6の場合、tA=310、tB=270
【0310】
K=9の場合、tA=190、tB=390
【0311】
K=10の場合、tA=150、tB=430
【0312】
最短時間計算部720は、このようにしてKの値を「0」から「n=10」まで変化させたときに得られる時間tAおよび時間tBのうち大きい値の時間をTmaxとし、(n+1)個のTmaxのうち最小のTmaxを識別するとともに、この最小のTmaxとなるKが、会議室プリンタ530での印刷部数であると決定する。
【0313】
なお、実施の形態3では、同一の値となっている最小のTmaxが複数存在する場合は、複数のKのうち、小さい値のKを採用するようになっている。
【0314】
例えば、K=2の場合には、tA=470、tB=110であるので、Tmax=tA=470となり、K=6の場合には、tA=310、tB=270であるので、Tmax=tA=310となり、K=9の場合は、tA=190、tB=390であるので、Tmax=tB=390となる。なお、上記の例では、K=7の場合は、tA=270、tB=310となり、Tmax=tB=310となる。
【0315】
そのため、Kの値を「0」から「n=10」まで変化させた場合の最小のTmaxは、Kが6のときのtB=310の場合と、Kが7のときのtA=310の場合の2つ存在することになるが、実施の形態3では、K=6およびK=7のうち小さい値であるK=6を採用する。
【0316】
したがって、会議室プリンタ530での印刷部数は6部、事務所プリンタ520での印刷部数は4部となる。
【0317】
次に、印刷部数10部分の会議資料(文書データ)を、事務所プリンタ520および会議室プリンタ530で分担して印刷処理する場合と、事務所プリンタ520および会議室プリンタ530のそれぞれにおいて全て印刷する場合の、印刷後の会議資料(印刷物)が配布可能となるまでの様子について、図20を参照しながら説明する。
【0318】
なお、図20は、印刷後の会議資料(印刷物)が配布可能となるまでの時系列的な事象およびそれに対応する時間を説明するための図である。
【0319】
事務所プリンタ520において会議資料を4部印刷するようにした場合は、図20(a)に示すように、事務所プリンタ520が復帰時間30秒を経過した後、会議資料(文書データ)を4部印刷し(印刷時間160秒)、ユーザがその4部の会議資料(印刷物)を持参して会議室へ移動するので(移動時間120秒)、会議資料が配布可能となるまでの合計時間は310秒(tA=310秒)となる。
【0320】
一方、会議室プリンタ530において会議資料を6部印刷するようにした場合は、図20(b)に示すように、会議室プリンタ530が復帰時間30秒を経過した後、会議資料(文書データ)を6部印刷するので(印刷時間240秒)、その6部の会議資料(印刷物)が配布可能となるまでの合計時間は270秒(tB=270秒)となる。
【0321】
このように、最短の時間で会議資料が配布可能となるように、事務所プリンタ520と会議室プリンタ530とで分担して印刷処理を行うことができる。
【0322】
ここで、事務所プリンタ520が、印刷部数10部および会議資料(文書データ)を含む印刷指示を会議室プリンタ530に送信した場合の会議資料が配布可能となるまでの時間を求めてみる。
【0323】
すなわち、会議室プリンタ530において会議資料を10部印刷するようにした場合、図20(c)に示すように、会議室プリンタ530が復帰時間30秒を経過した後、会議資料(文書データ)を10部印刷するので(印刷時間400秒)、その10部の会議資料(印刷物)が配布可能となるまでの合計時間は430秒となる。
【0324】
この場合、ユーザは、会議室で会議資料(印刷物)を配布するために事務所から会議室へ移動するが(移動時間120秒)、図20(d)に示すように、会議室プリンタ530による印刷処理中に会議室へ移動可能である。その移動時間は印刷時間には合算されない。
【0325】
次に、事務所プリンタ520が、印刷部数10部分の会議資料(文書データ)を印刷するようにした場合は、図20(e)に示すように、事務所プリンタ520が復帰時間30秒を経過した後、会議資料(文書データ)を10部印刷し(印刷時間400秒)、ユーザがその10部の会議資料(印刷物)を持参して会議室へ移動するので(移動時間120秒)、会議資料が配布可能となるまでの合計時間は550秒となる。
【0326】
以上説明したように、事務所プリンタ520において会議資料を4部印刷するようにし、会議室プリンタ530において会議資料を6部印刷するようにした場合は、会議室530Aにおいて会議資料(印刷物)が配布可能となるまでに310秒の時間を要する。
【0327】
これに対し、会議室プリンタ530において会議資料を10部印刷するようにした場合では、会議室において会議資料(印刷物)が配布可能となるまでに430秒の時間を要し、また、事務所プリンタ520において会議資料を10部印刷するようにした場合では、会議室において会議資料(印刷物)が配布可能となるまでに550秒の時間を要する。
【0328】
続いて、ユーザID「Member11」のユーザが、クライアントPC510を操作して、自己のユーザID情報と会議資料(文書データ)を印刷すべき旨とを含めて印刷指示操作を行った場合における、最短の時間で会議資料(印刷物)が配布可能となる、事務所プリンタと会議室プリンタとに対する印刷部部数の割合について説明する。
【0329】
この場合、スケジュール管理ソフトウェア511のスケジュール情報630の中から、会議室名「MTB」、ユーザID=会議室ID「MTB」に対応する会議参加ユーザ数、移動時間数T2が取得される。ここで、移動時間T2=180秒であるとする。
【0330】
事務所プリンタ520および会議室名「MTB」に対応する会議室540Aに設定された会議室プリンタ540の印刷に関する性能、例えば節電モードからの復帰時間および印刷速度は、上記同様に同一とする。
【0331】
すなわち、この例では、事務所から会議室への移動時間が120秒から180秒に変更になった以外は、上述した例の場合と同一であるとする。
【0332】
最短時間計算部720は、事務所520Aから会議室530Aへの移動時間「180秒」、印刷部数「10部」、事務所プリンタ520および会議室プリンタ540のそれぞれにおける1部数当たりの印刷対象の印刷データ(全文書)の印刷処理に係る印刷時間「40秒」および節電モードからの復帰時間「30秒」を基に、事務所プリンタ520と会議室プリンタ540とに対する印刷対象の印刷データに係る印刷処理に対応する印刷処理量の割合すなわち印刷部数を求める。
【0333】
すなわち、最短時間計算部720は、上述した例の場合と同様に、Kの値を「0」から「n=10」まで変化させて、tA=t1+tc*(n−K)+t3、B=t4+tc*Kの各演算式を演算することで得られる時間tAおよび時間tBのうち、大きい値の時間をTmaxとし、(n+1)個のTmaxのうち最小のTmaxを識別するとともに、この最小のTmaxとなるKが、会議室プリンタ540での印刷部数であると決定する。
【0334】
その結果、K=7が求められ、会議室プリンタ540での印刷部数は7部、事務所プリンタ520での印刷部数は3部となる。そのK=7のときは、tA=330秒、tB=310秒であるので、会議室540Aにおいて、会議資料が配布可能となるまでの合計時間(最短の時間)は310秒となる。
【0335】
以上説明したように、節電モードからの復帰時間、事務所から予定先の会議室への移動時間を考慮して、事務所プリンタと予定先の会議室に設置された会議室プリンタとに対する印刷処理量の割合つまり印刷部数の割合を求め、この求めた印刷部数の割合に応じて事務所プリンタと予定先での会議室プリンタとで印刷処理を分担するようにしているので、最短の時間で会議資料(印刷物)が配布可能となる。
【0336】
(実施の形態4)
【0337】
図21は、実施の形態4に係る印刷システムの構成を示している。
【0338】
図21に示すように、印刷システム800は、クライアントPC810と、画像形成装置である複数のプリンタ820,830とが通信回線840を介して電気的に接続されている。
【0339】
通信回線840としては、ローカルエリアネットワーク(LAN)や電話回線などの有線通信回線、無線LANなどの無線通信回線、さらには、これらの通信回線を組み合わせたもの、などが挙げられる。
【0340】
クライアントPC810は、図21に示すように、スケジュール管理ソフトウェア811を実行する実行部812と、プリンタドライバ813と、性能情報記憶部814と、送受信部815と、を有している。
【0341】
スケジュール管理ソフトウェア811は、図14に示した実施の形態3のスケジュール管理ソフトウェア511と同様の機能を有する。スケジュール管理ソフトウェア811が管理するスケジュール管理情報は、図15に示す実施の形態3のスケジュール管理情報600と同様の構成になっている。
【0342】
実行部812は、図14に示した実施の形態3の実行部516と同様の機能を有する。
【0343】
プリンタドライバ813は、スケジュール情報取得部813a、印刷時間推測部813b、最短時間計算部813cおよび印刷制御部813dを備えている。
【0344】
スケジュール情報取得部813a、印刷時間推測部813b、最短時間計算部813cおよび印刷制御部813dは、それぞれ図16に示した実施の形態3のスケジュール情報取得部721、印刷時間推測部710、最短時間計算部720および印刷制御部522と同様の機能を有している。
【0345】
性能情報記憶部814は、事務所プリンタ820の印刷に関する性能情報および会議室プリンタ830の印刷に関する性能情報、例えば、節電モードからの復帰時間を示す情報、印刷速度(例えば、印刷枚数/分)などの情報を予め記憶している。
【0346】
送受信部815は、通信回線840を介して事務所プリンタ820および会議室プリンタ830との間でデータを送受信する。
【0347】
このようなクライアントPC810の構成(ハードウェア構成)は、図13に示した実施の形態3に係るクライアントPC510の構成と同様になっている。ここでは、その詳細な説明については省略する。
【0348】
なお、クライアントPC810は、後述する会議室820Aに設置され、ユーザによって印刷対象の印刷データを印刷すべき旨の操作(印刷指示操作)が行われる。
【0349】
実施の形態4では、実行部812およびプリンタドライバ813は、CPU514が、それぞれの構成要素の機能を遂行させるためのソフトウェアをハードディスク512から主メモリ513に読み出して実行することにより実現されるようになっている。また、性能情報記憶部814はROM23やEEPROM54に対応し、送受信部815は通信装置515に対応する。
【0350】
事務所820Aに設置されたプリンタ(以下「事務所プリンタ」という)820は、通信回線840を介してクライアントPC810からの印刷指示を受信する送受信部821、送受信部821からの受信内容を基に印刷部823に対し印刷指示を与える印刷制御部822、印刷制御部822からの印刷指示に従って印刷処理を実行する印刷部823を備えている。
【0351】
会議室830Aに設置されたプリンタ(以下「会議室プリンタ」という)830は、通信回線840を介してクライアントPC810からの印刷指示を受信する送受信部831、送受信部831からの受信内容を基に印刷部833に対し印刷指示を与える印刷制御部832、印刷制御部832からの印刷指示に従って印刷処理を実行する印刷部833を備えている。
【0352】
これらの事務所プリンタ820および会議室プリンタ830のハードウェア構成は、それぞれ図2に示した実施の形態1に係るプリンタの構成と同様になっている。ここでは、その詳細な説明については省略する。
【0353】
実施の形態4では、印刷制御部822,832は、CPU51が、それぞれの構成要素の機能を遂行させるためのソフトウェアを含むコントロールソフトウェアをROM52からRAM53に読み出して実行することにより実現されるようになっている。また、印刷部823,833はエンジンI/F56およびプリンタエンジン58に対応し、送受信部821,831は、入出力I/F55および入出力ポート61,62に対応する。
【0354】
実施の形態4では、処理装置はクライアントPC810に対応しかつ実行部812に対応し、スケジュール情報取得手段はスケジュール情報取得部813a、印刷制御手段は印刷制御部813dに対応し、処理手段はプリンタドライバ813に対応し、クライアント装置はクライアントPC810に対応し、第1の画像形成装置は事務所プリンタ820に対応し、第2の画像形成装置は会議室プリンタ830に対応する。
【0355】
なお、スケジュール情報取得手段、印刷制御手段および処理手段はプリンタドライバ813に対応していると言える。
【0356】
次に、プリンタドライバ813の処理について詳細に説明する。
【0357】
例えばユーザID「Member1」のユーザがクライアントPC810を操作して、自己のユーザID情報と会議資料(文書データ)を印刷すべき旨とを含めて印刷指示操作を行ったとする。
【0358】
プリンタドライバ813は、スケジュール管理ソフトウェア811が管理するスケジュール情報の中から、ユーザIDに対応する場所情報としての会議室名、会議参加ユーザ数情報および移動時間情報を取得する。
【0359】
プリンタドライバ813は、事務所プリンタ520および会議室プリンタ830のそれぞれの印刷速度情報を性能情報記憶部814から読み出し、性能情報記憶部814から読み出した印刷速度情報と会議資料(文書データ)とを基に全文書(1部数当たりの文書)に関する印刷時間を推測する。ここでは、各プリンタの性能は同一であるとする。
【0360】
また、プリンタドライバ813は、事務所プリンタ520および会議室プリンタ830のそれぞれの復帰時間情報を性能情報記憶部814から読み出し、これらの復帰時間情報、上記推測した印刷時間、および既に取得した移動時間情報および会議参加ユーザ数を基に、予定先の場所における所定の位置においてユーザが印刷対象の印刷データに係る複数の印刷部数分の印刷物を準備するという条件を満たす、事務所プリンタ820と予定先の会議プリンタ830とに対する印刷対象の印刷データの印刷処理に係る印刷処理量の割合(印刷部数)を求める
【0361】
この印刷部数の割合の算出に関し、プリンタドライバ813は、実施の形態3の場合と同様に、tA=t1+tc*(n−K)+t3の演算式に、t1、tc、nおよびKを代入し、またB=t4+tc*Kの演算式にt4およびtcを代入し、さらに前記tAおよびtBの各演算式にKを「0」から「n」まで変化させて、これらtAおよびtBの各演算式を演算する。
【0362】
プリンタドライバ813は、演算して得られる時間tAおよび時間tBのうち大きい値の時間をTmaxとし、(n+1)個のTmaxのうち最小のTmaxを識別するとともに、この最小のTmaxとなるKを会議室プリンタ830での印刷部数とし、(n−K)を事務所プリンタ820での印刷部数とする。
【0363】
プリンタドライバ813は、印刷部数(n−K)および会議資料(文書データ)を含む印刷指示を事務所プリンタ820に向けて送信するとともに、印刷部数Kおよび会議資料(文書データ)を含む印刷指示を会議室プリンタ830に向けて送信する。
【産業上の利用可能性】
【0364】
本発明は、ファクシミリ機能、複写機能(コピー機能)、印刷機能(プリント機能)およびスキャン機能のなどの画像形成機能のうち何れかの画像形成機能を有する画像形成装置、あるいは前記複数の画像形成機能のうち2以上の画像形成機能を有する画像形成装置、それらの画像形成装置に設けられる電力制御装置、およびそれらの画像形成装置を有する印刷システムに適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0365】
【図1】実施の形態1に係る印刷システムの構成を示す構成図である。
【図2】実施の形態1に係る画像形成装置を適用したプリンタの構成を示す構成図である。
【図3】図2に示したプリンタの機能構成を示す機能ブロック図である。
【図4】実施の形態1に係るスケジュール管理ソフトウェアで管理されるスケジュール管理情報のフォーマットの一例を示す図である。
【図5】図4に示したスケジュール管理情報の登録例を示す図である。
【図6】実施の形態1に係る設置環境登録部による設置環境登録処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図7】実施の形態1に係る設置環境登録部による設置環境登録処理により登録される内容を説明する図である。
【図8】実施の形態1に係るスケジュール情報取得/判断部によるスケジュール情報取得処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図9】実施の形態1に係るモード切り替えを時系列に表した様子を示す図である。
【図10】実施の形態2に係る画像形成装置を適用したプリンタの機能構成を示す機能ブロック図である。
【図11】実施の形態2に係るスケジュール管理ソフトウェアで管理されるスケジュール管理情報のスケジュール情報を説明する図である。
【図12】実施の形態2に係るスケジュール情報取得/判断部によるスケジュール情報取得処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図13】実施の形態3に係る印刷システムの構成を示す構成図である。
【図14】図13に示したクライアントコンピュータの機能構成を示す機能ブロック図である。
【図15】実施の形態3に係るスケジュール管理ソフトウェアで管理されるスケジュール管理情報のフォーマットの一例を示す図である。
【図16】図13に示した事務所プリンタの機能構成を示す機能ブロック図である。
【図17】図13に示した会議室プリンタの機能構成を示す機能ブロック図である。
【図18】実施の形態3に係る印刷システムの印刷処理を説明する図である。
【図19】実施の形態3に係る事務所プリンタによる印刷処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図20】印刷後の会議資料(印刷物)が配布可能となるまでの時系列的な事象およびそれに対応する時間を説明するための図である。
【図21】実施の形態4に係る印刷システムの機能構成を示す機能ブロック図である。
【符号の説明】
【0366】
1,500,800 印刷システム
2,550,840 通信回線
10,20 ホストコンピュータ
11,511,811 スケジュール管理ソフトウェア
12,22,512 ハードディスク
13,23,513 主メモリ
14,24,514 CPU
15,25,518,524,534,815,821,831 送受信部
21 印刷ソフトウェア
30,40,50 プリンタ
51 CPU
52 ROM
53 RAM
54 EEPROM
55 入出力I/F
56 エンジンI/F
57 操作パネルI/F
58 プリンタエンジン
59 電源制御ユニット
60 操作パネル
61,62 入出力ポート
100 入力部
110 記憶部
120 入出力制御部
130 データ解析部
140 データ変換部
150 印刷部
160 設置環境登録部
170,420 スケジュール情報取得/判断部
180 節電制御部
190 全体制御部
200 電力制御装置
300,600 スケジュール管理情報
330,630 スケジュール情報
410 データ保存部
510 クライアントコンピュータ
515 通信装置
516,812 実行部
517 印刷指示部
520,820 プリンタ(事務所プリンタ)
521 処理部
522,532,822,832 印刷制御部
523,823,833 印刷部
530,540,830 プリンタ(会議室プリンタ)
531 性能情報通知部
531A 節電復帰時間情報通知部
513B 印刷速度情報通知部
710,813b 印刷時間推測部
720,813c 最短時間計算部
721,813a スケジュール情報取得部
722 性能情報取得部
730,814 性能情報記憶部
813 プリンタドライバ




【特許請求の範囲】
【請求項1】
スケジュール情報を取得するスケジュール情報取得手段と、
前記取得されたスケジュール情報を基に制御対象の装置で消費される電力を制御する制御手段と、
を有することを特徴とする電力制御装置。
【請求項2】
請求項1記載の電力制御装置を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
処理装置で動作しスケジュール情報を管理する機能に対応するソフトウェアにログインし、所定のスケジュール情報を取得するスケジュール情報取得手段と、
前記取得された所定のスケジュール情報を基に自己装置の節電状態を制御する節電制御手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
前記処理装置と通信回線を介して接続されデータの送受信を行う通信手段と、
所定のユーザを識別するユーザ識別情報を入力するユーザ識別情報入力手段と、
前記入力されたユーザ識別情報を記憶するユーザ識別情報記憶手段と、
を更に備え、
前記ソフトウェアは、
ユーザを識別するユーザ識別情報と当該ユーザに関するスケジュールの開始時刻および終了時刻を含むスケジュール情報とを対応付けて当該スケジュール情報を管理する機能を有し、
前記スケジュール情報取得手段は、
前記通信手段を介して、前記ソフトウェアにログインし、当該ソフトウェアが管理するスケジュール情報の中から前記ユーザ識別情報記憶手段に記憶されているユーザ識別情報に対応するスケジュール情報を取得する、
ことを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記処理装置と通信回線を介して接続されデータの送受信を行う通信手段と、
所定のユーザの属性に関する属性情報を入力する属性情報入力手段と、
前記入力された属性情報を記憶する属性情報記憶手段と、
を更に備え、
前記ソフトウェアは、
ユーザを識別するユーザ識別情報と当該ユーザの属性に関する属性情報と当該ユーザに関するスケジュールの開始時刻および終了時刻を含むスケジュール情報とを対応付けて当該スケジュール情報を管理する機能を有し、
前記スケジュール情報取得手段は、
前記通信手段を介して、前記処理装置で動作する前記ソフトウェアにログインし、当該ソフトウェアが管理するスケジュール情報の中から、前記属性情報記憶手段に記憶されている属性情報に対応するスケジュール情報を取得する、
ことを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記節電制御手段は、
印刷処理中を含む稼動状態での消費電力よりも低い消費電力の状態を意味する第1の節電モードと、前記第1の節電モードの場合と比較して低い消費電力の状態を意味する第2の節電モードとの切り替えを制御するものであり、
前記スケジュール情報取得手段が取得したスケジュール情報を基に、開始時刻を基準にして所定の時間前の時刻を前記第1の節電モードの開始時刻とするとともに開始時刻から終了時刻までの時間においては前記第2の節電モードとする、
ことを特徴とする請求項4または5記載の画像形成装置。
【請求項7】
印刷データを記憶する印刷データ記憶手段と、
印刷処理を実行する印刷手段と、
前記印刷手段に対し、前記スケジュール取得手段が取得したスケジュール情報に含まれるスケジュールの開始時刻までに前記印刷データ記憶手段に記憶されている印刷データに係る印刷処理を終了させる制御を行う印刷制御手段と、
を更に備え、
前記スケジュール情報取得手段は、
前記取得したスケジュール情報に対応するユーザ識別情報に関連付けられて印刷対象の文書データを示す文書名が登録されているときは、前記処理装置に保存されている当該文書名の文書データを取得し、この取得した文書データを印刷データとして前記印刷データ記憶手段に保存する、
ことを特徴とする請求項4〜6の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
クライアント装置から送信される印刷データを受信する受信手段と、
予定先の場所を示す場所情報と当該場所における所定の位置から基準位置までの経路の距離に対応する移動時間情報とを含むスケジュール情報を管理する機能に対応するソフトウェアを実行する処理装置で動作する当該ソフトウェアにログインし、前記スケジュール情報の中から、場所情報および移動時間情報を取得するスケジュール情報取得手段と、
前記受信手段が受信した印刷データに関する所定の単位当たりの印刷に要する印刷時間を推測する印刷時間推測手段と、
前記スケジュール情報取得手段が取得した場所情報に基づく予定先の場所に設置されている所定の画像形成装置に対し印刷に関する性能を問い合せるとともに、当該所定の画像形成装置から前記問い合わせに対する結果を取得する性能情報取得手段と、
前記受信手段が受信した印刷データの印刷すべき印刷部数が複数のときは、前記性能情報取得手段が取得した前記所定の画像形成装置の印刷に関する性能情報と、自己装置の印刷に関する性能情報と、前記スケジュール情報取得手段が取得した移動時間情報と、前記印刷時間推測手段が推測した印刷時間とを基に、自己装置と前記所定の画像形成装置とに対する印刷処理量の割合を求める処理手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
スケジュール情報を管理する機能に対応するソフトウェアを実行する処理装置と、
前記処理装置と通信回線を介して接続されデータの送受信を行う通信手段と、該通信手段を介して前記処理装置で動作する前記ソフトウェアにログインし、所定のスケジュール情報を取得するスケジュール情報取得手段と、前記取得された所定のスケジュール情報を基に自己装置の節電状態を制御する節電制御手段とを備えた画像形成装置と、
を有することを特徴とする印刷システム。
【請求項10】
予定先の場所を示す場所情報と当該場所における所定の位置から基準位置までの経路の距離に対応する移動時間情報とを含むスケジュール情報を管理する機能に対応するソフトウェアを実行する処理装置と、
印刷データの印刷指示を行うクライアント装置と、
前記基準位置を包含する所定の場所に設置された第1の画像形成装置と、
前記予定先の場所に設置された第2の画像形成装置と、
を有し、
前記クライアント装置から印刷指示される印刷対象の印刷データと、前記処理装置で動作する前記ソフトウェアにより提供される前記スケジュール情報と、前記第1の画像形成装置および前記第2の画像形成装置のそれぞれの印刷に関する性能情報とを基に、前記第1の画像形成装置と前記第2の画像形成装置とに対する前記印刷対象の印刷データに係る印刷処理に対応する印刷処理量の割合を求める、
ことを特徴とする印刷システム。
【請求項11】
前記第1の画像形成装置は、
前記クライアント装置から印刷指示される印刷対象の印刷データと、前記処理装置で動作する前記ソフトウェアにより提供される前記スケジュール情報と、当該第1の画像形成装置および前記第2の画像形成装置のそれぞれの印刷に関する性能情報とを基に、当該第1の画像形成装置と前記第2の画像形成装置とに対する前記印刷対象の印刷データに係る印刷処理に対応する印刷処理量の割合を求める、
ことを特徴とする請求項10記載の印刷システム。
【請求項12】
前記第1の画像形成装置は、
クライアント装置から送信される印刷対象の印刷データを受信する受信手段と、
前記処理装置で動作する前記ソフトウェアにログインし、スケジュール情報の中から場所情報および移動時間情報を取得するスケジュール情報取得手段と、
前記スケジュール情報取得手段が取得した場所情報に基づく予定先の場所に設置されている前記第2の画像形成装置に対し印刷に関する性能を問い合せるとともに、前記第2の画像形成装置から前記問い合わせに対する結果を取得する性能情報取得手段と、
前記受信手段が受信した印刷データの印刷すべき印刷部数が複数のときは、前記性能情報取得手段が取得した前記第2の画像形成装置の印刷に関する性能情報と、当該第1の画像形成装置の印刷に関する性能情報と、前記スケジュール情報取得手段が取得した移動時間情報と、前記受信手段が受信した印刷データとを基に、前記予定先の場所における所定の位置においてユーザが前記印刷データに係る前記複数の印刷部数分の印刷物を準備するという条件を満たす、当該第1の画像形成装置と前記第2の画像形成装置とに対する前記受信手段が受信した印刷データの印刷処理に係る印刷処理量の割合を求める処理手段と、
を有することを特徴とする請求項10または11記載の印刷システム。
【請求項13】
前記クライアント装置は、
前記処理装置で動作する前記ソフトウェアにログインし、スケジュール情報の中から場所情報および移動時間情報を取得するスケジュール情報取得手段と、
印刷対象の印刷データの印刷すべき印刷部数が複数のときは、前記第1の画像形成装置および前記スケジュール情報取得手段が取得した場所情報に基づく予定先の場所に設置されている前記第2の画像形成装置のそれぞれの予め設定される印刷に関する性能情報と、前記スケジュール情報取得手段が取得した移動時間情報と、前記印刷対象の印刷データとを基に、前記予定先の場所における所定の位置においてユーザが前記印刷データに係る前記複数の印刷部数分の印刷物を準備するという条件を満たす、前記第1の画像形成装置と前記第2の画像形成装置とに対する前記印刷対象の印刷データに係る印刷処理に対応する印刷処理量の割合を求める処理手段と、
前記処理手段が求めた印刷処理量の割合に応じて、前記第1の画像形成装置と前記第2の画像形成装置とに対し、所定の印刷部数情報を含む前記印刷対象の印刷データの印刷指示を送信する印刷制御手段と、
を有することを特徴とする請求項10載の印刷システム。
【請求項14】
前記第1の画像形成装置および前記第2の画像形成装置のそれぞれの印刷に関する性能情報は、節電モードから通常モードへの復帰時間情報と印刷速度情報とを含み、
前記処理手段は、前記第1の画像形成装置および前記第2の画像形成装置のそれぞれの印刷に関する性能情報に含まれる印刷速度情報を基に、前記印刷対象の印刷データに関する所定の単位当たりの印刷に要する印刷時間を推測する印刷時間推測手段、を更に備え、
前記処理手段は、
前記受信手段が受信した印刷データの印刷すべき印刷部数が複数のときは、前記第1の画像形成装置および前記第2の画像形成装置のそれぞれの印刷に関する性能情報に含まれる復帰時間情報と、前記印刷時間推測手段が推測した印刷時間と、前記印刷対象の印刷データとを基に、前記印刷処理量の割合を求める、
ことを特徴とする請求項12または13記載の印刷システム。
【請求項15】
異なる予定先の場所に対応する複数の場所情報と該当する予定先の場所における所定の位置から基準位置までの経路の距離に対応する複数の移動時間情報とが関連付けされたスケジュール情報を管理する機能に対応するソフトウェアを実行する処理装置と、
印刷データの印刷指示を行うクライアント装置と、
前記基準位置を包含する所定の場所に設置された第1の画像形成装置と、
前記複数の予定先の場所に設置された複数の第2の画像形成装置と、
を有し、
前記クライアント装置から印刷指示される印刷対象の印刷データと、前記処理装置で動作する前記ソフトウェアにより提供される前記スケジュール情報に含まれる複数の場所情報および移動時間情報のうち特定の場所情報および移動時間情報と、前記第1の画像形成装置の印刷に関する性能情報と、前記特定の場所情報に対応する予定先の場所に設定された第2の画像形成装置の印刷に関する性能情報とを基に、前記予定先の場所における所定の位置においてユーザが前記印刷データに係る前記複数の印刷部数分の印刷物を準備するという条件を満たす、前記第1の画像形成装置と前記特定の場所情報に対応する予定先の場所に設定された第2の画像形成装置とに対する前記印刷対象の印刷データに係る印刷処理に対応する印刷処理量の割合を求める、
ことを特徴とする印刷システム。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2008−97375(P2008−97375A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−279215(P2006−279215)
【出願日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】