電力変換装置およびそれを備えた空気調和機
【課題】小型・軽量・低コストかつ、信頼性の高い電力変換装置を提供する。
【解決手段】交流電源1からの交流電力を所望の周波数、所望の電圧を持つ交流電力に変換しモータ4に供給する双方向スイッチ3を含む電力変換装置2において、前記モータの各相に流れる電流を検出するモータ電流検出手段5と、前記双方向スイッチをPWM制御するための信号を出力する制御部6を設け、前記モータ電流検出手段で得られる各相に流れる電流検出値の絶対値が所定の値以下であるとして定められるモータ電流ゼロクロス付近の期間における前記双方向スイッチをPWM制御するための信号のキャリア周波数が、モータ電流ゼロクロス付近以外の期間よりも高い周波数にするようにしたものである。
【解決手段】交流電源1からの交流電力を所望の周波数、所望の電圧を持つ交流電力に変換しモータ4に供給する双方向スイッチ3を含む電力変換装置2において、前記モータの各相に流れる電流を検出するモータ電流検出手段5と、前記双方向スイッチをPWM制御するための信号を出力する制御部6を設け、前記モータ電流検出手段で得られる各相に流れる電流検出値の絶対値が所定の値以下であるとして定められるモータ電流ゼロクロス付近の期間における前記双方向スイッチをPWM制御するための信号のキャリア周波数が、モータ電流ゼロクロス付近以外の期間よりも高い周波数にするようにしたものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータ駆動用の電力変換装置およびそれを用いた空気調和機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、三相電源を入力とした電力変換装置によるモータドライブに関しては、数多くの研究がなされている。その主回路例を図7に示す。
【0003】
同図は、三相/三相変換の電力変換装置であり、交流電源1の入力電力を三相モータ4の可変速運転が可能となる電力に変換する双方向スイッチ群3で構成されている。
【0004】
双方向スイッチ群3内の個々の双方向スイッチとは、双方向に電流を流すことができるスイッチングデバイスのことであり、現時点ではこの条件を満足する適当なデバイスが市販されていないため、具体的には図8に示すようなIGBT31、32とダイオード33、34を並列接続したものを直列にして使用するなどの工夫がなされている。
【0005】
この種の電力変換装置は直流段を必要とせず、大容量のリアクトルやコンデンサなどのエネルギー蓄積要素が不要のため、小型、軽量、安価にすることが可能である。
【0006】
また、図9に示すように、近年開発が進んでいる逆阻止IGBT35、36を逆並列接続し双方向スイッチを実現すれば、1つのスイッチにおいて電流が通過するデバイスが1個のみとなり、導通損失が小さくなることから、電力損失をさらに低減できるなど多くの特徴を有するものである。
【0007】
図10は、マトリクスコンバータのモータ側一相分の回路図である。三相交流電圧の入力端子をR,S,T、出力端子をU,V,Wとすると、図10に示すモータ側U相分の回路において、オン時にR相からU相へ電流を流す方向に接続されているスイッチング素子をRUとし、以下同様に、各スイッチング素子をUR,SU,US,TU,UTとする。そして、各瞬間にオンしているスイッチング素子に灰色の丸印を付けて表示している。
【0008】
いま、各相の入力電圧Vr,Vs,VtがVr>Vs>Vtの関係にある場合を考える。このとき、スイッチング素子UR,US、または同RU,UT、または同SU,UTが同時にオンすると、それぞれR相とS相、R相とT相、S相とT相の間に入力端の短絡電流が流れてしまう。更に、モータ電流Iuが図10の矢印方向に流れている場合、スイッチング素子UR,SU,TUが何れもオフして出力端が開放されると電流Iuの通流経路がなくなるので、各スイッチング素子に過大なサージ電圧が印加されてスイッチング素子の破壊を引き起こす。
【0009】
この課題を解消するために、モータ電流Iuの極性に応じてスイッチングの順序を決定する方法がある。
【0010】
図10において、モータ電流Iuが矢印の方向に流れているものとし、R相とU相との間で電流が流れている状態から、S相とU相との間で電流を流すように転流させる場合について説明する。
【0011】
初期状態としてはスイッチング素子RUがオン、URがオン、SUがオフ、USがオフであり、以後の転流シーケンスは以下のようになる。
【0012】
1.URオフ→2.SUオン→3.RUオフ→4.USオン
ここで、スイッチング素子SUは、URをオフさせてから時間差を設けてオンすることでSU,URの同時オンを防止し、また、USはRUをオフさせてから時間差を設けてオンすることでUS,RUの同時オンを防止しており、これらによってR相とS相との間の短絡を防止している。更に、スイッチング素子RUはSUをオンさせてから時間差を設けてオフすることでRU,SUの同時オフを防止しており、これによってモータ電流Iuの経路を確保している。
【0013】
次に、図11に示すようにモータ電流Iuが矢印の方向に流れているものとし、R相とU相との間で電流が流れている状態から、S相とU相との間で電流を流すように転流させる場合について説明する。
【0014】
初期状態としてはスイッチング素子RUがオン、URがオン、SUがオフ、USがオフであり、以後の転流シーケンスは以下のようになる。
【0015】
1.RUオフ→2.USオン→3.URオフ→4.SUオン
ここで、スイッチング素子USは、RUをオフさせてから時間差を設けてオンすることでUS,RUの同時オンを防止し、また、SUはURをオフさせてから時間差を設けてオンすることでSU,URの同時オンを防止しており、これらによってR相とS相との間の短絡を防止している。更に、スイッチング素子URはUSをオンさせてから時間差を設けてオフすることでUR,USの同時オフを防止しており、これによってモータ電流Iuの経路を確保している。
【0016】
この転流シーケンスは、モータ電流Iuの極性に基づいてスイッチングの順序を決定しているため、電流転流と呼ばれ、例えば特許文献1や非特許文献1に説明されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】特開2003−309975号公報
【非特許文献】
【0018】
【非特許文献1】「マトリックスコンバータの制御方式と解析技術」、平成19年電気学会産業応用部門大会論文No.1−S2−3
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
しかしながら、上述した特許文献1に記載された従来型電力変換装置では、 モータ電流の極性に応じてスイッチング順序を決定しているので、モータ電流の極性の検出と実際の状態に誤差が生じると出力端の開放が発生する。
【0020】
例えば、図10において、Iuが矢印の向きに流れているものと検出して転流を行う際に図11のようにIuの向きが変わると、スイッチング素子URをオフした瞬間に電流経路が絶たれるので、出力端が開放する。
【0021】
従って、電流転流では、モータ電流の極性が変化する時点(モータ電流のゼロクロス付近)において、検出遅れや精度に起因して出力端が開放状態になる転流失敗を発生させてしまう可能性がある。
【0022】
出力端の開放の転流失敗が起きると、過大なサージ電圧がスイッチング素子に印加され、装置の故障等を引き起こし、問題となる。
【0023】
また、これらの対策として大容量のスナバ回路等を取り付けることは、体積増加やコストアップの要因となり、好ましくない。
【0024】
本発明はこのような従来の課題を解決するものであり、小型・軽量・低コストを実現しつつ、出力端の開放によって過大なサージ電圧がスイッチング素子に印加され、破壊に至る事象を極力回避できる信頼性の高い電力変換装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0025】
本発明に係る電力変換装置は、交流電源からの交流電力を所望の周波数、所望の電圧を持つ交流電力に変換しモータに供給する双方向スイッチを含む電力変換装置において、前記モータの各相に流れる電流を検出するモータ電流検出手段と、前記双方向スイッチをPWM制御するための信号を出力する制御部を設け、前記モータ電流検出手段で得られる各相に流れる電流検出値の絶対値が所定の値以下であるとして定められるモータ電流ゼロクロス付近の期間における前記双方向スイッチをPWM制御するための信号のキャリア周波数が、モータ電流ゼロクロス付近以外の期間よりも高い周波数であることを特徴とするものである。
【0026】
上記の構成によって、モータ電流ゼロクロス付近の期間における双方向スイッチをPWM制御するための信号のキャリア周波数を高めることによって制御性を向上させ、検出遅れ等による出力端の開放を回避し、過大なサージ電圧によるスイッチング素子の破壊が起きないようにすることで信頼性の高い電力変換装置を実現することが可能である。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、モータ電流ゼロクロス付近の期間における双方向スイッチをPWM制御するための信号のキャリア周波数を高め、制御性を向上させることによって、出力端の開放を回避した信頼性の高い電力変換装置を実現するとともに、モータ電流の歪みを低減してモータの騒音や過熱を防止できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の第1の実施形態を示すモータ駆動装置のシステム構成図
【図2】本発明の第1の実施形態を示すモータ駆動装置のモータ電流波形図
【図3】電力変換装置における一般的な動作タイミングを示す図
【図4】本発明の第1の実施形態における動作タイミングを示す図
【図5】本発明の第2の実施形態におけるキャリア周波数の設定を示す図
【図6】本発明の空気調和機の一実施形態を示す構成のブロック図
【図7】一般的な三相/三相変換の電力変換装置回路図
【図8】双方向スイッチを実現する回路の一例を示す図
【図9】双方向スイッチを実現する回路の一例を示す図
【図10】電力変換装置における一般的な転流動作を示す図
【図11】電力変換装置における一般的な転流動作を示す図
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0030】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態に係る電力変換装置を用いたモータ駆動装置の基本構成を示す図である。
【0031】
図1に示すように、本発明の実施の形態に係るモータ駆動装置は、交流電源1を入力電
源とし、出力として三相モータ4が接続された電力変換装置2によって構成されている。
【0032】
電力変換装置2は、交流電源1の入力電力を三相モータ4の可変速運転が可能となる電力に変換する双方向スイッチ群3と、三相モータ4に流れる電流を検出するモータ電流検出手段5a,5bと、交流電源1のからの入力線を接続する入力端子7a,7b,7cと、三相モータ4の各相に繋がる配線を接続する出力端子8a,8b,8cと、制御部6を有している。
【0033】
制御部6では、モータ電流検出手段5a,5bからの信号を入力し、コントローラ9で演算処理が行われ、双方向スイッチ群3へのPWM信号を出力するなど、三相モータ4を駆動するための一連の制御が行われる。
【0034】
図1に示した基本構成においては、交流電源1は三相電源であり、交流電源1のからの入力線を接続する入力端子7a,7b,7cには、それぞれ交流電源1のR相,S相,T相が接続されている。
【0035】
コントローラ9は、三相モータ4を駆動するためのu相,v相,w相に対する三つの電圧指令通りの出力電圧を実現しつつ、交流電源1からの入力側電流の高調波を少なくするPWM信号を双方向スイッチ群3の18個全てのスイッチング素子に出力するための演算が行われる。
【0036】
なお、本発明の実施の形態では、背景技術で記載したように入力端の短絡と出力端の開放を回避した、図10と図11に示す電流転流が行われるようなPWM信号が生成、出力されるものとする。
【0037】
図2は、図10と図11に示す電流転流が行われる期間とモータ電流の位相との関係を示した図である。
【0038】
モータ電流が電力変換装置からモータに流れ込む方向を正とし、この期間(図中[A]期間)では、図10に示した転流を行おうとする。
【0039】
逆に、モータ電流がモータから電力変換装置に流れ込む方向を負とし、この期間(図中[B]期間)では、図11に示した転流を行おうとする。
【0040】
ここで、モータ電流が正から負に変わるゼロクロス付近(図中[Z]期間)の動作について図3と図4を用いて説明する。
【0041】
図3はPWM信号のキャリア周期が一定である時の状態を示した図である。
【0042】
キャリア周期タイミング<1>〜<6>毎に三相モータ4に流れる電流を検出し、その検出値の正負によって図10、もしくは、図11に示される転流が行われる。
【0043】
すなわち、キャリア周期タイミング<1>、<2>、<3>における電流検出値は正であることから、キャリア周期タイミング<4>までの期間においては図10に示した転流が行われ、キャリア周期タイミング<4>、<5>、<6>における電流検出値は負であることから、キャリア周期タイミング<4>以降の期間においては図11に示した転流が行われることになる。
【0044】
ここで、キャリア周期タイミング<3>〜<4>に注目すると、モータ電流が正から負に変わる真のゼロクロスポイントがこの期間に存在し、図中[X]の期間においては、実
際のモータ電流は負の状態にあり、本来図11に示す転流でなければならないにもかかわらず、図10に示す転流となってしまう。
【0045】
特にモータの可変速運転を行うようなシステムにおいては、モータ回転数(モータ電流周波数)とキャリア周波数とは非同期となることから、[X]の期間に示されるような実際とのズレが生じてしまう。
【0046】
この図中[X]の期間においては、双方向スイッチ群3のオンオフ状態から、モータ電流の流通経路が遮断される出力端開放状態が発生してしまうことになる。
【0047】
出力端開放状態は、背景技術でも述べたように、各スイッチング素子に過大なサージ電圧が印加され、この状態が頻繁に起こるようであると、スイッチング素子の破壊を引き起こすことに繋がってしまう。
【0048】
そこで、モータ電流の方向が変わるゼロクロス付近においては、PWM信号のキャリア周波数を一時的に高くするようにした。これを、図4を用いて説明する。
【0049】
図3に示した時と同様にキャリア周期タイミング<1>〜<14>毎に三相モータ4に流れる電流を検出し、その検出値の正負によって図10、もしくは、図11に示される転流が行われるのであるが、本実施の形態においては、モータ電流のしきい値を設け、電流検出値の絶対値がこのしきい値以下にある場合にはPWM信号のキャリア周波数を高くするようにした。
【0050】
図4で、まず、キャリア周期タイミング<1>での電流検出値の絶対値は、設定されたしきい値よりも大きいため、キャリア周期タイミング<1>〜<2>においては通常のキャリア周波数によってPWM信号が出力される。
【0051】
次に、キャリア周期タイミング<2>での電流検出値の絶対値は、設定されたしきい値よりも小さいため、以降のキャリア周波数はそれまでの通常の値の4倍に設定した。
【0052】
これによって、キャリア周期タイミング<6>〜<7>にモータ電流が正から負に変わる真のゼロクロスポイントが存在するが、キャリア周期タイミング<7>までの期間(図3の説明において問題とした期間[X])が短く、即座に実際のモータ電流の方向に則した転流がキャリア周期タイミング<7>以降、行われることになる。
【0053】
その後、キャリア周期タイミング<13>での電流検出値の絶対値は、設定されたしきい値よりも大きくなったため、キャリア周期タイミング<13>以降においては通常のキャリア周波数によってPWM信号が出力される。
【0054】
以上のように、モータ電流の方向が変わるゼロクロス付近を、モータ電流のしきい値を設け、電流検出値の絶対値がこのしきい値以下にある場合として判断し、この期間においては、PWM信号のキャリア周波数を一時的に高くすることによって、実際のモータ電流の方向に則した転流を即座に切り替えることが可能となり、電力変換装置の出力端開放状態を極力回避し、各スイッチング素子に過大なサージ電圧が印加されるのを防止できる。
【0055】
本実施形態の電力変換装置は、モータ電流の方向が変わるゼロクロス付近以外の期間におけるキャリア周波数については、制御性や電力損失といった観点からそれぞれのシステムに応じて最適な値を選択できるとともに、上述した出力端開放状態によって生じるスイッチング素子の破壊が起こるようなことのない信頼性の高い装置を実現することが可能となるのである。
【0056】
なお、本発明は、周知のベクトル制御やV/F制御といったモータ駆動のアルゴリズムに関して制約を受けるものではなく、三相モータであればあらゆる種類のものに適用可能である。
【0057】
なお、空気調和機における圧縮機駆動モータなどのようにパルスジェネレータ等の速度センサを使用することができない場合や、サーボドライブなどのように速度センサを具備することができる場合のどちらにおいても本発明は適用可能である。
【0058】
(実施の形態2)
図5に、実施の形態1に示した電力変換装置のモータ電流の方向が変わるゼロクロス付近おけるキャリア周波数の設定例を示す。
【0059】
同図に示すように、モータの回転数が上昇するのに伴い、キャリア周波数も増加させるように設定されている。
【0060】
これは、モータの回転数が上昇すると、モータ電流のゼロクロス付近における時間変化に対するモータ電流の変化量、すなわちモータ電流の傾きが大きくなることから、その変化により速くスイッチング素子の転流動作が追従するようにキャリア周波数を増加させたものである。
【0061】
この設定によって、モータの低速運転から高速運転まで電力変換装置の出力端開放状態を回避した信頼性の高い装置を実現することが可能となる。
【0062】
(実施の形態3)
図6に、上記の電力変換装置を利用した空気調和機の構成例を示す。
【0063】
同図に示すように、空気調和機は、上記のモータ駆動装置100を用いており、さらに、電動圧縮機82に加えて、室内ユニット92、室外ユニット95及び四方弁91からなる冷凍サイクルを備えている。室内ユニット92は室内送風機93と室内熱交換器94とから構成され、また室外ユニット95は室外熱交換器96、室外送風機97及び膨張弁98より構成される。
【0064】
電動圧縮機82は三相モータ4により駆動され、三相モータ4は電力変換装置2により駆動される。冷凍サイクル中は熱媒体である冷媒が循環する。冷媒は電動圧縮機82により圧縮され、室外熱交換器96にて室外送風機97からの送風により室外の空気と熱交換され、また室内熱交換器94にて室内送風機93からの送風により室内の空気と熱交換される。
【0065】
なお、前述の実施の形態では三相モータ4の種類について言及しなかったが、本発明はインダクションモータやDCブラシレスモータなどあらゆる三相モータについて適用可能なものであることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明は、出力端の開放を回避した信頼性の高い電力変換装置を実現するとともに、モータ電流の歪みを低減してモータの騒音や過熱を防止できるという効果も期待でき、空気調和機等に使用されるモータの制御装置として有用である。
【符号の説明】
【0067】
1 交流電源
2 電力変換装置
3 双方向スイッチ群
4 三相モータ
5a〜5b モータ電流検出手段
6 制御部
7a〜7c 入力端子
8a〜8c 出力端子
9 コントローラ
31,32 IGBT
33,34 ダイオード
35,36 逆阻止IGBT
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータ駆動用の電力変換装置およびそれを用いた空気調和機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、三相電源を入力とした電力変換装置によるモータドライブに関しては、数多くの研究がなされている。その主回路例を図7に示す。
【0003】
同図は、三相/三相変換の電力変換装置であり、交流電源1の入力電力を三相モータ4の可変速運転が可能となる電力に変換する双方向スイッチ群3で構成されている。
【0004】
双方向スイッチ群3内の個々の双方向スイッチとは、双方向に電流を流すことができるスイッチングデバイスのことであり、現時点ではこの条件を満足する適当なデバイスが市販されていないため、具体的には図8に示すようなIGBT31、32とダイオード33、34を並列接続したものを直列にして使用するなどの工夫がなされている。
【0005】
この種の電力変換装置は直流段を必要とせず、大容量のリアクトルやコンデンサなどのエネルギー蓄積要素が不要のため、小型、軽量、安価にすることが可能である。
【0006】
また、図9に示すように、近年開発が進んでいる逆阻止IGBT35、36を逆並列接続し双方向スイッチを実現すれば、1つのスイッチにおいて電流が通過するデバイスが1個のみとなり、導通損失が小さくなることから、電力損失をさらに低減できるなど多くの特徴を有するものである。
【0007】
図10は、マトリクスコンバータのモータ側一相分の回路図である。三相交流電圧の入力端子をR,S,T、出力端子をU,V,Wとすると、図10に示すモータ側U相分の回路において、オン時にR相からU相へ電流を流す方向に接続されているスイッチング素子をRUとし、以下同様に、各スイッチング素子をUR,SU,US,TU,UTとする。そして、各瞬間にオンしているスイッチング素子に灰色の丸印を付けて表示している。
【0008】
いま、各相の入力電圧Vr,Vs,VtがVr>Vs>Vtの関係にある場合を考える。このとき、スイッチング素子UR,US、または同RU,UT、または同SU,UTが同時にオンすると、それぞれR相とS相、R相とT相、S相とT相の間に入力端の短絡電流が流れてしまう。更に、モータ電流Iuが図10の矢印方向に流れている場合、スイッチング素子UR,SU,TUが何れもオフして出力端が開放されると電流Iuの通流経路がなくなるので、各スイッチング素子に過大なサージ電圧が印加されてスイッチング素子の破壊を引き起こす。
【0009】
この課題を解消するために、モータ電流Iuの極性に応じてスイッチングの順序を決定する方法がある。
【0010】
図10において、モータ電流Iuが矢印の方向に流れているものとし、R相とU相との間で電流が流れている状態から、S相とU相との間で電流を流すように転流させる場合について説明する。
【0011】
初期状態としてはスイッチング素子RUがオン、URがオン、SUがオフ、USがオフであり、以後の転流シーケンスは以下のようになる。
【0012】
1.URオフ→2.SUオン→3.RUオフ→4.USオン
ここで、スイッチング素子SUは、URをオフさせてから時間差を設けてオンすることでSU,URの同時オンを防止し、また、USはRUをオフさせてから時間差を設けてオンすることでUS,RUの同時オンを防止しており、これらによってR相とS相との間の短絡を防止している。更に、スイッチング素子RUはSUをオンさせてから時間差を設けてオフすることでRU,SUの同時オフを防止しており、これによってモータ電流Iuの経路を確保している。
【0013】
次に、図11に示すようにモータ電流Iuが矢印の方向に流れているものとし、R相とU相との間で電流が流れている状態から、S相とU相との間で電流を流すように転流させる場合について説明する。
【0014】
初期状態としてはスイッチング素子RUがオン、URがオン、SUがオフ、USがオフであり、以後の転流シーケンスは以下のようになる。
【0015】
1.RUオフ→2.USオン→3.URオフ→4.SUオン
ここで、スイッチング素子USは、RUをオフさせてから時間差を設けてオンすることでUS,RUの同時オンを防止し、また、SUはURをオフさせてから時間差を設けてオンすることでSU,URの同時オンを防止しており、これらによってR相とS相との間の短絡を防止している。更に、スイッチング素子URはUSをオンさせてから時間差を設けてオフすることでUR,USの同時オフを防止しており、これによってモータ電流Iuの経路を確保している。
【0016】
この転流シーケンスは、モータ電流Iuの極性に基づいてスイッチングの順序を決定しているため、電流転流と呼ばれ、例えば特許文献1や非特許文献1に説明されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】特開2003−309975号公報
【非特許文献】
【0018】
【非特許文献1】「マトリックスコンバータの制御方式と解析技術」、平成19年電気学会産業応用部門大会論文No.1−S2−3
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
しかしながら、上述した特許文献1に記載された従来型電力変換装置では、 モータ電流の極性に応じてスイッチング順序を決定しているので、モータ電流の極性の検出と実際の状態に誤差が生じると出力端の開放が発生する。
【0020】
例えば、図10において、Iuが矢印の向きに流れているものと検出して転流を行う際に図11のようにIuの向きが変わると、スイッチング素子URをオフした瞬間に電流経路が絶たれるので、出力端が開放する。
【0021】
従って、電流転流では、モータ電流の極性が変化する時点(モータ電流のゼロクロス付近)において、検出遅れや精度に起因して出力端が開放状態になる転流失敗を発生させてしまう可能性がある。
【0022】
出力端の開放の転流失敗が起きると、過大なサージ電圧がスイッチング素子に印加され、装置の故障等を引き起こし、問題となる。
【0023】
また、これらの対策として大容量のスナバ回路等を取り付けることは、体積増加やコストアップの要因となり、好ましくない。
【0024】
本発明はこのような従来の課題を解決するものであり、小型・軽量・低コストを実現しつつ、出力端の開放によって過大なサージ電圧がスイッチング素子に印加され、破壊に至る事象を極力回避できる信頼性の高い電力変換装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0025】
本発明に係る電力変換装置は、交流電源からの交流電力を所望の周波数、所望の電圧を持つ交流電力に変換しモータに供給する双方向スイッチを含む電力変換装置において、前記モータの各相に流れる電流を検出するモータ電流検出手段と、前記双方向スイッチをPWM制御するための信号を出力する制御部を設け、前記モータ電流検出手段で得られる各相に流れる電流検出値の絶対値が所定の値以下であるとして定められるモータ電流ゼロクロス付近の期間における前記双方向スイッチをPWM制御するための信号のキャリア周波数が、モータ電流ゼロクロス付近以外の期間よりも高い周波数であることを特徴とするものである。
【0026】
上記の構成によって、モータ電流ゼロクロス付近の期間における双方向スイッチをPWM制御するための信号のキャリア周波数を高めることによって制御性を向上させ、検出遅れ等による出力端の開放を回避し、過大なサージ電圧によるスイッチング素子の破壊が起きないようにすることで信頼性の高い電力変換装置を実現することが可能である。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、モータ電流ゼロクロス付近の期間における双方向スイッチをPWM制御するための信号のキャリア周波数を高め、制御性を向上させることによって、出力端の開放を回避した信頼性の高い電力変換装置を実現するとともに、モータ電流の歪みを低減してモータの騒音や過熱を防止できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の第1の実施形態を示すモータ駆動装置のシステム構成図
【図2】本発明の第1の実施形態を示すモータ駆動装置のモータ電流波形図
【図3】電力変換装置における一般的な動作タイミングを示す図
【図4】本発明の第1の実施形態における動作タイミングを示す図
【図5】本発明の第2の実施形態におけるキャリア周波数の設定を示す図
【図6】本発明の空気調和機の一実施形態を示す構成のブロック図
【図7】一般的な三相/三相変換の電力変換装置回路図
【図8】双方向スイッチを実現する回路の一例を示す図
【図9】双方向スイッチを実現する回路の一例を示す図
【図10】電力変換装置における一般的な転流動作を示す図
【図11】電力変換装置における一般的な転流動作を示す図
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0030】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態に係る電力変換装置を用いたモータ駆動装置の基本構成を示す図である。
【0031】
図1に示すように、本発明の実施の形態に係るモータ駆動装置は、交流電源1を入力電
源とし、出力として三相モータ4が接続された電力変換装置2によって構成されている。
【0032】
電力変換装置2は、交流電源1の入力電力を三相モータ4の可変速運転が可能となる電力に変換する双方向スイッチ群3と、三相モータ4に流れる電流を検出するモータ電流検出手段5a,5bと、交流電源1のからの入力線を接続する入力端子7a,7b,7cと、三相モータ4の各相に繋がる配線を接続する出力端子8a,8b,8cと、制御部6を有している。
【0033】
制御部6では、モータ電流検出手段5a,5bからの信号を入力し、コントローラ9で演算処理が行われ、双方向スイッチ群3へのPWM信号を出力するなど、三相モータ4を駆動するための一連の制御が行われる。
【0034】
図1に示した基本構成においては、交流電源1は三相電源であり、交流電源1のからの入力線を接続する入力端子7a,7b,7cには、それぞれ交流電源1のR相,S相,T相が接続されている。
【0035】
コントローラ9は、三相モータ4を駆動するためのu相,v相,w相に対する三つの電圧指令通りの出力電圧を実現しつつ、交流電源1からの入力側電流の高調波を少なくするPWM信号を双方向スイッチ群3の18個全てのスイッチング素子に出力するための演算が行われる。
【0036】
なお、本発明の実施の形態では、背景技術で記載したように入力端の短絡と出力端の開放を回避した、図10と図11に示す電流転流が行われるようなPWM信号が生成、出力されるものとする。
【0037】
図2は、図10と図11に示す電流転流が行われる期間とモータ電流の位相との関係を示した図である。
【0038】
モータ電流が電力変換装置からモータに流れ込む方向を正とし、この期間(図中[A]期間)では、図10に示した転流を行おうとする。
【0039】
逆に、モータ電流がモータから電力変換装置に流れ込む方向を負とし、この期間(図中[B]期間)では、図11に示した転流を行おうとする。
【0040】
ここで、モータ電流が正から負に変わるゼロクロス付近(図中[Z]期間)の動作について図3と図4を用いて説明する。
【0041】
図3はPWM信号のキャリア周期が一定である時の状態を示した図である。
【0042】
キャリア周期タイミング<1>〜<6>毎に三相モータ4に流れる電流を検出し、その検出値の正負によって図10、もしくは、図11に示される転流が行われる。
【0043】
すなわち、キャリア周期タイミング<1>、<2>、<3>における電流検出値は正であることから、キャリア周期タイミング<4>までの期間においては図10に示した転流が行われ、キャリア周期タイミング<4>、<5>、<6>における電流検出値は負であることから、キャリア周期タイミング<4>以降の期間においては図11に示した転流が行われることになる。
【0044】
ここで、キャリア周期タイミング<3>〜<4>に注目すると、モータ電流が正から負に変わる真のゼロクロスポイントがこの期間に存在し、図中[X]の期間においては、実
際のモータ電流は負の状態にあり、本来図11に示す転流でなければならないにもかかわらず、図10に示す転流となってしまう。
【0045】
特にモータの可変速運転を行うようなシステムにおいては、モータ回転数(モータ電流周波数)とキャリア周波数とは非同期となることから、[X]の期間に示されるような実際とのズレが生じてしまう。
【0046】
この図中[X]の期間においては、双方向スイッチ群3のオンオフ状態から、モータ電流の流通経路が遮断される出力端開放状態が発生してしまうことになる。
【0047】
出力端開放状態は、背景技術でも述べたように、各スイッチング素子に過大なサージ電圧が印加され、この状態が頻繁に起こるようであると、スイッチング素子の破壊を引き起こすことに繋がってしまう。
【0048】
そこで、モータ電流の方向が変わるゼロクロス付近においては、PWM信号のキャリア周波数を一時的に高くするようにした。これを、図4を用いて説明する。
【0049】
図3に示した時と同様にキャリア周期タイミング<1>〜<14>毎に三相モータ4に流れる電流を検出し、その検出値の正負によって図10、もしくは、図11に示される転流が行われるのであるが、本実施の形態においては、モータ電流のしきい値を設け、電流検出値の絶対値がこのしきい値以下にある場合にはPWM信号のキャリア周波数を高くするようにした。
【0050】
図4で、まず、キャリア周期タイミング<1>での電流検出値の絶対値は、設定されたしきい値よりも大きいため、キャリア周期タイミング<1>〜<2>においては通常のキャリア周波数によってPWM信号が出力される。
【0051】
次に、キャリア周期タイミング<2>での電流検出値の絶対値は、設定されたしきい値よりも小さいため、以降のキャリア周波数はそれまでの通常の値の4倍に設定した。
【0052】
これによって、キャリア周期タイミング<6>〜<7>にモータ電流が正から負に変わる真のゼロクロスポイントが存在するが、キャリア周期タイミング<7>までの期間(図3の説明において問題とした期間[X])が短く、即座に実際のモータ電流の方向に則した転流がキャリア周期タイミング<7>以降、行われることになる。
【0053】
その後、キャリア周期タイミング<13>での電流検出値の絶対値は、設定されたしきい値よりも大きくなったため、キャリア周期タイミング<13>以降においては通常のキャリア周波数によってPWM信号が出力される。
【0054】
以上のように、モータ電流の方向が変わるゼロクロス付近を、モータ電流のしきい値を設け、電流検出値の絶対値がこのしきい値以下にある場合として判断し、この期間においては、PWM信号のキャリア周波数を一時的に高くすることによって、実際のモータ電流の方向に則した転流を即座に切り替えることが可能となり、電力変換装置の出力端開放状態を極力回避し、各スイッチング素子に過大なサージ電圧が印加されるのを防止できる。
【0055】
本実施形態の電力変換装置は、モータ電流の方向が変わるゼロクロス付近以外の期間におけるキャリア周波数については、制御性や電力損失といった観点からそれぞれのシステムに応じて最適な値を選択できるとともに、上述した出力端開放状態によって生じるスイッチング素子の破壊が起こるようなことのない信頼性の高い装置を実現することが可能となるのである。
【0056】
なお、本発明は、周知のベクトル制御やV/F制御といったモータ駆動のアルゴリズムに関して制約を受けるものではなく、三相モータであればあらゆる種類のものに適用可能である。
【0057】
なお、空気調和機における圧縮機駆動モータなどのようにパルスジェネレータ等の速度センサを使用することができない場合や、サーボドライブなどのように速度センサを具備することができる場合のどちらにおいても本発明は適用可能である。
【0058】
(実施の形態2)
図5に、実施の形態1に示した電力変換装置のモータ電流の方向が変わるゼロクロス付近おけるキャリア周波数の設定例を示す。
【0059】
同図に示すように、モータの回転数が上昇するのに伴い、キャリア周波数も増加させるように設定されている。
【0060】
これは、モータの回転数が上昇すると、モータ電流のゼロクロス付近における時間変化に対するモータ電流の変化量、すなわちモータ電流の傾きが大きくなることから、その変化により速くスイッチング素子の転流動作が追従するようにキャリア周波数を増加させたものである。
【0061】
この設定によって、モータの低速運転から高速運転まで電力変換装置の出力端開放状態を回避した信頼性の高い装置を実現することが可能となる。
【0062】
(実施の形態3)
図6に、上記の電力変換装置を利用した空気調和機の構成例を示す。
【0063】
同図に示すように、空気調和機は、上記のモータ駆動装置100を用いており、さらに、電動圧縮機82に加えて、室内ユニット92、室外ユニット95及び四方弁91からなる冷凍サイクルを備えている。室内ユニット92は室内送風機93と室内熱交換器94とから構成され、また室外ユニット95は室外熱交換器96、室外送風機97及び膨張弁98より構成される。
【0064】
電動圧縮機82は三相モータ4により駆動され、三相モータ4は電力変換装置2により駆動される。冷凍サイクル中は熱媒体である冷媒が循環する。冷媒は電動圧縮機82により圧縮され、室外熱交換器96にて室外送風機97からの送風により室外の空気と熱交換され、また室内熱交換器94にて室内送風機93からの送風により室内の空気と熱交換される。
【0065】
なお、前述の実施の形態では三相モータ4の種類について言及しなかったが、本発明はインダクションモータやDCブラシレスモータなどあらゆる三相モータについて適用可能なものであることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明は、出力端の開放を回避した信頼性の高い電力変換装置を実現するとともに、モータ電流の歪みを低減してモータの騒音や過熱を防止できるという効果も期待でき、空気調和機等に使用されるモータの制御装置として有用である。
【符号の説明】
【0067】
1 交流電源
2 電力変換装置
3 双方向スイッチ群
4 三相モータ
5a〜5b モータ電流検出手段
6 制御部
7a〜7c 入力端子
8a〜8c 出力端子
9 コントローラ
31,32 IGBT
33,34 ダイオード
35,36 逆阻止IGBT
【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電源からの交流電力を所望の周波数、所望の電圧を持つ交流電力に変換しモータに供給する双方向スイッチを含む電力変換装置において、
前記モータの各相に流れる電流を検出するモータ電流検出手段と、
前記双方向スイッチをPWM制御するための信号を出力する制御部を設け、
前記モータ電流検出手段で得られる各相に流れる電流検出値の絶対値が所定の値以下であるとして定められるモータ電流ゼロクロス付近の期間における前記双方向スイッチをPWM制御するための信号のキャリア周波数が、モータ電流ゼロクロス付近以外の期間よりも高い周波数であることを特徴とした電力変換装置。
【請求項2】
前記モータ電流検出手段で得られる各相に流れる電流検出値の絶対値が所定の値以下であるとして定められるモータ電流ゼロクロス付近の期間における前記双方向スイッチをPWM制御するための信号のキャリア周波数は、前記モータの回転数に応じて増減することを特徴とする、請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項3】
冷媒を圧縮する圧縮機と、
前記圧縮機を駆動するためのモータと、
交流電源からの交流電力を所望の周波数、所望の電圧を持つ交流電力に変換して前記モータに供給する請求項1または2記載の電力変換装置と
を備えたことを特徴とする空気調和機。
【請求項1】
交流電源からの交流電力を所望の周波数、所望の電圧を持つ交流電力に変換しモータに供給する双方向スイッチを含む電力変換装置において、
前記モータの各相に流れる電流を検出するモータ電流検出手段と、
前記双方向スイッチをPWM制御するための信号を出力する制御部を設け、
前記モータ電流検出手段で得られる各相に流れる電流検出値の絶対値が所定の値以下であるとして定められるモータ電流ゼロクロス付近の期間における前記双方向スイッチをPWM制御するための信号のキャリア周波数が、モータ電流ゼロクロス付近以外の期間よりも高い周波数であることを特徴とした電力変換装置。
【請求項2】
前記モータ電流検出手段で得られる各相に流れる電流検出値の絶対値が所定の値以下であるとして定められるモータ電流ゼロクロス付近の期間における前記双方向スイッチをPWM制御するための信号のキャリア周波数は、前記モータの回転数に応じて増減することを特徴とする、請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項3】
冷媒を圧縮する圧縮機と、
前記圧縮機を駆動するためのモータと、
交流電源からの交流電力を所望の周波数、所望の電圧を持つ交流電力に変換して前記モータに供給する請求項1または2記載の電力変換装置と
を備えたことを特徴とする空気調和機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−19352(P2011−19352A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−162651(P2009−162651)
【出願日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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