説明

電力変換装置

【課題】部品点数、製造工数、および製造原価の増加を抑制しながら、平滑コンデンサと配線に係るインダクタンス成分との相互作用によって生じる共振現象を可及的に抑制可能な電力変換装置を提供する。
【解決手段】第1の群に属する第1の単位変換器U11aまたはU11bのいずれか、および、第2の群に属する第1の単位変換器U11cまたはU11dのいずれかの全ての組み合わせに係る各々の間は、直流側の正電位端子P11a,P11b同士を結ぶ正電位側母線PML、および、直流側の負電位端子N11c,N11d同士を結ぶ負電位側母線NMLをそれぞれ介して電気的に接続される。配線に係るインダクタンス成分のいずれもが略等しくなるように、両母線PML,NMLの態様をそれぞれ設定した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交流電力を直流電力に、または、直流電力を交流電力に変換する単位変換器を備えた電力変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
交流電力を直流電力に、または、直流電力を交流電力に変換する単位変換器を備えたインバータ装置(以下、電力変換装置と呼ぶ。)では、大容量化の要請がある。
【0003】
かかる要請に応えるために、本願出願人は、PWM制御方式に従うスイッチング動作によって電力量の調整を行う複数の単位変換器の間を、直流母線を介して結線してなる電力変換装置を提案している(例えば特許文献1参照)。特許文献1に係る電力変換装置では、複数の単位変換器の直流部のそれぞれに平滑コンデンサを有する。
【0004】
特許文献1に係る電力変換装置では、単位変換器のスイッチング動作に伴って、複数の単位変換器の間を結ぶ直流母線に脈動電流を生じる。特に、直流部に平滑コンデンサを有する単位変換器では、平滑コンデンサの静電容量および直流母線の配線インダクタンスの相互作用によって共振の周波数と脈動電流の周波数とが一致した場合に共振電流が流れる。そこで、特許文献1に係る電力変換装置では、複数の単位変換器の間を結ぶ直流母線(配線)に共振抑制用のリアクトルを設ける技術を提案している。
【0005】
特許文献1に係る技術によれば、平滑コンデンサと配線に係るインダクタンス成分との相互作用により生じる共振現象を抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−070263号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に係る電力変換装置では、複数の単位変換器の間を結ぶ配線毎に、別部品である共振抑制用リアクトルを設けているため、部品点数、製造工数および製造原価の増加を招くといった新たな課題が生じる。
【0008】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、部品点数、製造工数、および製造原価の増加を抑制しながら、平滑コンデンサと配線に係るインダクタンス成分との相互作用によって生じる共振現象を可及的に抑制可能な電力変換装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る電力変換装置は、交流電力を直流電力に、または、直流電力を交流電力に変換する単位変換器を備えた電力変換装置が前提となる。前記単位変換器は、スイッチング回路の直流側の正電位端子および負電位端子間に平滑コンデンサを設けてなる。前記単位変換器は、それぞれ2N(Nは1以上の自然数)だけ並列に設けられる第1の群と、前記2Nと同じ数だけ並列に設けられる第2の群とからなる。
【0010】
前記第1の群に属する前記単位変換器のいずれか、および、前記第2の群に属する前記単位変換器のいずれかの全ての組み合わせに係る各々の間は、前記直流側の正電位端子同士を結ぶ正電位側母線、および、前記直流側の負電位端子同士を結ぶ負電位側母線をそれぞれ介して電気的に接続される。そして、前記正電位側母線および前記負電位側母線の配線に係るインダクタンス成分のいずれもが略等しくなるように前記両母線の態様をそれぞれ設定したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、部品点数、製造工数、および製造原価の増加を抑制しながら、平滑コンデンサと配線に係るインダクタンス成分との相互作用によって生じる共振現象を可及的に抑制可能な電力変換装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1A】本発明の第1実施形態に係る電力変換装置11の回路図である。
【図1B】本発明の第1実施形態に係る電力変換装置11の構成要素である第1の単位変換器U11aの回路図である。
【図2】図2(a)〜(c)は、本発明の第1実施形態に係る電力変換装置11の共振電流の経路を表す説明図である。
【図3】図3(a)〜(c)は、本発明の第1実施形態に係る電力変換装置11の共振電流の経路を表す説明図である。
【図4A】本発明の第2実施形態に係る電力変換装置21の回路図である。
【図4B】本発明の第2実施形態に係る電力変換装置21の構成要素である第2の単位変換器U21aの回路図である。
【図5】図5(a)〜(c)は、本発明の第2実施形態に係る電力変換装置21の共振電流の経路を表す説明図である。
【図6】本発明の第3実施形態に係る電力変換装置31の回路図である。
【図7】図7(a)〜(b)は、本発明の第3実施形態に係る電力変換装置31の共振電流の経路を表す説明図である。
【図8】図8(a)〜(c)は、本発明の第3実施形態に係る電力変換装置31の共振電流の経路を表す説明図である。
【図9A】本発明の第4実施形態に係る電力変換装置41の回路図である。
【図9B】本発明の第4実施形態に係る電力変換装置41の構成要素である第4の単位変換器U41aの回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の複数の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
[第1実施形態]
図1Aは、本発明の第1実施形態に係る電力変換装置11の回路構成図である。図1Bは、本発明の第1実施形態に係る電力変換装置11の構成要素である第1の単位変換器U11aの回路図である。
【0014】
〔第1実施形態に係る電力変換装置11の構成〕
第1実施形態に係る電力変換装置11は、図1Aに示すように、4台の第1の単位変換器U11a〜U11dを組み合わせて構成されている。なお、第1の単位変換器U11a〜U11dは、その回路構成が共通である。そこで、ひとつの第1の単位変換器U11aを代表的に説明することにより、4台全体の第1の単位変換器U11a〜U11dの説明に代えることとする。
【0015】
第1の単位変換器U11aは、図1Bに示すように、三相交流電力を2レベル直流電力に変換する三相2レベル変換器である第1のスイッチング回路I11aと、第1のスイッチング回路I11aの正負の出力端子O11Pa,O11Na間に接続された第1の平滑コンデンサC11aとを備える。第1のスイッチング回路I11aは、6つのスイッチング素子S11〜S16をフルブリッジ接続して構成されている。
【0016】
スイッチング素子S11〜S16のそれぞれは、不図示の制御部に接続されており、同制御部から送られてきたPWM制御信号に従って、それぞれのタイミングでスイッチング動作を行う。これにより、第1のスイッチング回路I11aは、三相交流電力をPWM制御信号に従う大きさの直流電力に変換して出力する。
【0017】
第1の平滑コンデンサC11aは、第1のスイッチング回路I11aの出力信号を平滑化する機能を有する。第1の単位変換器U11a〜U11dのそれぞれに設けられる第1の平滑コンデンサC11a〜C11d(図2および図3参照)は、それぞれ等しい容量に設定されている。
【0018】
第1の単位変換器U11aの交流側(第1のスイッチング回路I11aの交流側でもある。)は、多重変圧器15に対して並列に接続されている。第1の単位変換器U11aの直流側には、正電位端子P11aおよび負電位端子N11aがそれぞれ設けられている。
【0019】
第1のスイッチング回路I11aの正電位側出力端子O11Paと直流側正電位端子P11aとの間は、不図示の基板上に形成された配線パターン(電線でも可、以下同じ。)によって電気的に接続されている。これにより、両端子O11Pa,P11a間には、配線インダクタンスL11Paが生じている。同様に、第1のスイッチング回路I11aの負電位側出力端子O11Naと直流側負電位端子N11aとの間は、基板上に形成された配線パターンによって電気的に接続されている。これにより、両端子O11Na,N11a間には、配線インダクタンスL11Naが生じている。
【0020】
ここで、第1の単位変換器U11a〜U11dはすべて等しい構造である。このため、各単位変換器U11a〜U11d毎にそれぞれ生じる配線インダクタンスL11Pa〜L11Pd,L11Na〜L11Nd(図2および図3参照)は、横並びで等しい値となる。
【0021】
本発明に係る第1の群に属する第1の単位変換器U11a,U11bは、図1Aに示すように、第1の列盤13Aに設けられている。第1の列盤13Aには、図1Aに示すように、第1の接続点P11が設けられている。第1の接続点P11には、第1の群に属する第1の単位変換器U11a,U11bの直流側のうち正電位端子P11a,P11b同士が接続されている。
【0022】
一方、本発明に係る第2の群に属する第1の単位変換器U11c,U11dは、図1Aに示すように、第2の列盤13Bに設けられている。第2の列盤13Bには、図1Aに示すように、第2の接続点がN11設けられている。第2の接続点N11には、第2の群に属する第1の単位変換器U11c,U11dの直流側のうち負電位端子N11c,N11d同士が接続されている。
【0023】
第1の群に属する第1の単位変換器U11a,U11bの直流側のうち負電位端子N11a,N11bは、図1Aに示すように、本発明に係る一対の負電位側母線NMLをそれぞれ介して、第2の接続点N11に電気的に接続されている。一対の負電位側母線NMLは、配線に係るインダクタンス成分L11N,L13Nをそれぞれ有する。これらの配線に係るインダクタンス成分L11N,L13Nは、相互に等しい値に設定される。この設定の詳細については後述する。
【0024】
一方、第2の群に属する第1の単位変換器U11c,U11dの直流側のうち正電位端子P11c,P11dは、図1Aに示すように、本発明に係る一対の正電位側母線PMLをそれぞれ介して、第1の接続点P11に電気的に接続されている。一対の正電位側母線PMLは、配線に係るインダクタンス成分L11P,L13Pをそれぞれ有する。これらの配線に係るインダクタンス成分L11P,L13Pは、相互に等しい値に設定される。この設定の詳細については次述する。
【0025】
〔配線に係るインダクタンス成分L11P,L13P,L11N,L13Nの設定〕
負電位側母線NMLの配線に係るインダクタンス成分L11N,L13Nと、正電位側母線PMLの配線に係るインダクタンス成分L11P,L13Pとは、すべて等しい値に設定される。要するに、第1の群に属する第1の単位変換器U11a,U11bのいずれか、および、第2の群に属する第1の単位変換器U11c,U11dのいずれかの全ての組み合わせに係る各々の間は、共通のインダクタンス値を有する正電位側母線PMLまたは負電位側母線NMLによって接続されている。
【0026】
ここで、配線に係るインダクタンス成分L11P,L13P,L11N,L13Nがそれぞれ有するインダクタンス値を、どのようにして共通の値に設定するのかが問題となる。かかる問題を解決するために、本第1実施形態では、正電位側母線PMLおよび負電位側母線NMLの態様を変えることによって対応することとした。本発明でいう“母線”は、一般に電線ケーブルのことを意味する。また、“母線の態様”とは、具体的には、電線ケーブルの種別(太さや耐電圧グレードなど)、電線ケーブルの長さ、並びに電線ケーブルの配索方法(直線状、またはコイル状など)などを意味する。
【0027】
本第1実施形態では、前述した正電位側母線PMLおよび負電位側母線NMLの態様を適宜変更することによって、配線に係るインダクタンス成分L11P,L13P,L11N,L13Nがそれぞれ有するインダクタンス値を、ほぼ共通の値に設定している。なお、ほぼ共通の値に設定するとは、同一の値に設定することを含むと共に、目標設定値に対する所定の偏差を許容する趣旨である。この所定の偏差は、目標とする共振電流の抑制効果を考慮して適宜設定すればよい。
【0028】
〔第1実施形態に係る電力変換装置11の動作〕
次に、第1実施形態に係る電力変換装置11の動作について、図面を参照して説明する。図2(a)〜(c)および図3(a)〜(c)は、第1実施形態に係る電力変換装置11の各部位に流れる共振電流の経路を表す回路図である。図2(a)〜(c)および図3(a)〜(c)では、図1Aおよび図1Bに示す電力変換装置11から、第1のスイッチング回路I11a〜I11d、および多重変圧器15を省略した回路図を描くと共に、同回路図のそれぞれに対して共振電流の経路のバリエーションをひとつずつ重ねて示している。
【0029】
第1実施形態に係る電力変換装置11において共振現象の起こりうる経路の数は、4C2=6通りである。共振電流の経路は、4つある第1の平滑コンデンサC11a〜C11dのうちいずれか2つを通るように形成されるからである。共振電流の経路の種類としては2つある。一つめは、同一の列盤(13Aまたは13B)内でおこる共振電流の経路X1(図2(a)参照),X2(図3(c)参照)である。二つめは、配線(直流母線PML,NML)をわたって流れる共振電流の経路Y1(図2(b)参照),Y2(図2(c)参照),Y3(図3(a)参照),Y4(図3(b)参照)である。
【0030】
仮に、配線インダクタンスL11Pa〜L11Pd、および、L11Na〜L11Ndのインダクタンス値をLa(H)とし、配線インダクタンスL11P,L13P,L11N,L13Nのインダクタンス値をLb(H)とし、第1の平滑コンデンサC11a〜C11dのキャパシタンス値をCa(F)とする。この場合、共振電流の経路X1,X2、および、経路Y1〜Y4のいずれも、各経路上にCa2つ分のキャパシタンス値(Ca/2)(F)と、La4つ分およびLb2つ分のインダクタンス値(4La+2Lb)(H)をもつ。また、共振電流の経路のインダクタンス値とキャパシタンス値は、いずれも略等しい。このため、第1実施形態に係る電力変換装置11の共振周波数F(Hz)は、下記の式(1)により表すことができる。
【数1】

【0031】
前述した特許文献1でも言及されているように、共振電流の経路のインダクタンス値を変更することにより、共振周波数を調節する技術は良く知られている。この点、本第1実施形態では、共振電流の経路X1,X2、および、経路Y1〜Y4のいずれにも、正電位側母線PMLおよび負電位側母線NMLが存在する。そこで、これらの母線PML,NMLの態様(具体的には、例えば電線ケーブルの種別(太さや耐電圧グレード)、電線ケーブルの長さ、並びに電線ケーブルの配索方法(直線状、またはコイル状)など)を変更することにより、共振周波数F(Hz)を狙った値に調節することができる。
【0032】
第1実施形態に係る電力変換装置11では、本来、共振電流の流通経路が6種類もある。このため、何らの対策も施さない場合、共振現象の生じる蓋然性は高い。ところが、本発明を適用した第1実施形態に係る電力変換装置11では、上記式(1)により表した通り、共振周波数F(Hz)はただひとつに集約されている。このため、共振現象の生じる蓋然性は低い。また、正電位側母線PMLまたは負電位側母線NMLの態様を変更することによって、共振周波数F(Hz)の変更を簡易に行うことができる。このため、共振周波数を脈動電流の周波数に一致させない設計を容易に行うことができる。また、仮に共振現象が生じた場合であっても、母線PML,NMLの態様の変更によるインダクタンス値の調整を行うことによって、共振周波数を容易に変更することができる。これにより、共振現象の発生を速やかに回避することができる。
【0033】
従って、第1実施形態に係る電力変換装置11によれば、第1の平滑コンデンサC11a〜C11dと、配線に係るインダクタンス成分L11Pa〜L11Pd,L11Na〜L11Nd,L11P,L13P,L11N,L13Nとの相互作用によって生じる共振現象を可及的に抑制することができる。
【0034】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る電力変換装置21について、図面を参照して説明する。
図4Aは、本発明の第2実施形態に係る電力変換装置21の回路図である。図4Bは、本発明の第2実施形態に係る電力変換装置21の構成要素である第2の単位変換器U21aの回路図である。第1実施形態に係る電力変換装置11と、第2実施形態に係る電力変換装置21とは、一部の構成要素が共通している。このため、その機能が共通する部材間には共通の符号を付し、その重複した説明を省略して、両者の相違点に注目して説明を進める。
【0035】
第1実施形態と第2実施形態との相違点は大きくふたつある。
一つめの相違点は次のとおりである。すなわち、第1実施形態に係る電力変換装置11では、図1Aおよび図1Bに示すように、第1の単位変換器U11a〜U11dはそれぞれ単独で動作するように設けられている。
【0036】
これに対し、第2実施形態に係る電力変換装置21では、図4Aおよび図4Bに示すように、8台の第2の単位変換器U21a〜U21hは、一対を直列に接続した二段の組単位で動作するように設けられている。
【0037】
二つめの相違点は次のとおりである。すなわち、第1実施形態に係る電力変換装置11では、図1Aおよび図1Bに示すように、第1のスイッチング回路I11aは、三相2レベル変換器であり、6つのスイッチング素子S11〜S16をフルブリッジ接続して構成されている。
【0038】
これに対し、第2実施形態に係る電力変換装置21では、図4Bに示すように、第2のスイッチング回路I21aは、単相交流電力を2レベル直流電力に変換する単相2レベル変換器であり、4つのスイッチング素子S21〜S24をフルブリッジ接続して構成されている。
【0039】
〔第2実施形態に係る電力変換装置21の構成〕
上述した相違点を踏まえて、第2実施形態に係る電力変換装置21の構成について説明する。第2実施形態に係る電力変換装置21は、図4Aに示すように、8台の第2の単位変換器U21a〜U21hを組み合わせて構成されている。これら8台の第2の単位変換器U21a〜U21hは、一対を直列に接続した二段の組(例えば、U21aとU21bの組)単位で動作するように設けられている。なお、第2の単位変換器U21a〜U21hは、その回路構成が共通である。そこで、以下では、ひとつの第2の単位変換器U21aを代表的に説明することにより、8台全体の第2の単位変換器U21a〜U21hの説明に代えることとする。
【0040】
第2の単位変換器U21aは、単相2レベル変換器である第2のスイッチング回路I21aと、第2のスイッチング回路I21aの正負の出力端子O21Pa,O21Na間に接続された第2の平滑コンデンサC21aとを備える。第2のスイッチング回路I21aは、4つのスイッチング素子S21〜S24をフルブリッジ接続して構成されている。
【0041】
スイッチング素子S21〜S24のそれぞれは、不図示の制御部に接続されており、同制御部から送られてきたPWM制御信号に従って、それぞれのタイミングでスイッチング動作を行う。これにより、第2のスイッチング回路I21aは、単相交流電力をPWM制御信号に従う大きさの直流電力に変換して出力する。
【0042】
第2の平滑コンデンサC21aは、第2のスイッチング回路I21aの出力信号を平滑化する機能を有する。第2の単位変換器U21a〜U21hのそれぞれに設けられる第2の平滑コンデンサC21a〜C21h(図5(a)〜(c)参照)は、それぞれ等しい容量に設定されている。
【0043】
第2の単位変換器U21aの交流側(第2のスイッチング回路I21aの交流側でもある。)は、多重変圧器15に対して並列に接続されている。第2の単位変換器U21aの直流側には、正電位端子P21aDおよび負電位端子N21aDがそれぞれ設けられている。また、第2の単位変換器U21aの交流側には、正電位端子P21aAおよび負電位端子N21aAがそれぞれ設けられている。
【0044】
第2のスイッチング回路I21aの正電位側出力端子O21Paと直流側正電位端子P21aDとの間は、不図示の基板上に形成された銅箔等からなる配線パターン(電線でも可、以下同じ。)によって電気的に接続されている。これにより、両端子O21Pa,P21aD間には、配線インダクタンスL21PaDが生じている。同様に、第2のスイッチング回路I21aの負電位側出力端子O21Naと直流側負電位端子N21aDとの間は、基板上に形成された配線パターンによって電気的に接続されている。これにより、両端子O21Na,N21aD間には、配線インダクタンスL21NaDが生じている。
【0045】
また、第2のスイッチング回路I21aの正電位側出力端子O21Paと交流側正電位端子P21aAとの間は、基板上に形成された配線パターンによって電気的に接続されている。これにより、両端子O21Pa,P21aA間には、配線インダクタンスL21PaAが生じている。同様に、第2のスイッチング回路I21aの負電位側出力端子O21Naと交流側負電位端子N21aAとの間は、基板上に形成された配線パターンによって電気的に接続されている。これにより、両端子O21Na,N21aA間には、配線インダクタンスL21NaAが生じている。
【0046】
ここで、第2の単位変換器U21a〜U21hはすべて等しい構造である。このため、各単位変換器U21a〜U21h毎の直流側にそれぞれ生じる配線インダクタンスL21PaD〜L21PhD,L21NaD〜L21NhDは、横並びで等しい値となる。同様に、各単位変換器U21a〜U21h毎の交流側にそれぞれ生じる配線インダクタンスL21PaA〜L21PhA,L21NaA〜L21NhAも、横並びで等しい値となる。
【0047】
本発明に係る第1の群に属する第2の単位変換器U21a,U21bおよびU21c,U21dは、図4Aに示すように、第1の列盤23Aに設けられている。第1の列盤23Aには、図4Aに示すように、第1の接続点P21が設けられている。第1の接続点P21には、第1の群に属して直流側に位置する第2の単位変換器U21b,U21dの直流側のうち正電位端子P21bD,P21dD同士が接続されている。
【0048】
一方、本発明に係る第2の群に属する第2の単位変換器U21e,U21fおよびU21g,U21hは、図4Aに示すように、第2の列盤23Bに設けられている。第2の列盤23Bには、図4Aに示すように、第2の接続点がN21設けられている。第2の接続点N21には、第2の群に属して直流側に位置する第2の単位変換器U21e,U21gの直流側のうち負電位端子N21eD,N21gD同士が接続されている。
【0049】
第1の群に属して直流側に位置する第2の単位変換器U21b,U21dの直流側のうち負電位端子N21bD,N21dDは、図4Aに示すように、本発明に係る一対の負電位側母線NMLをそれぞれ介して、第2の接続点N21に電気的に接続されている。一対の負電位側母線NMLは、配線に係るインダクタンス成分L21N,L23Nをそれぞれ有する。これらの配線に係るインダクタンス成分L21N,L23Nは、相互に等しい値に設定される。この設定形態については、前述した“母線の態様”と同じである。
【0050】
一方、第2の群に属して直流側に位置する第2の単位変換器U21e,U21gの直流側のうち正電位端子P21eD,P21gDは、図4Aに示すように、本発明に係る一対の正電位側母線PMLをそれぞれ介して、第1の接続点P21に電気的に接続されている。一対の正電位側母線PMLは、配線に係るインダクタンス成分L21P,L23Pをそれぞれ有する。これらの配線に係るインダクタンス成分L21P,L23Pは、相互に等しい値に設定される。この設定形態については、前述した“母線の態様”と同じである。
【0051】
〔第2実施形態に係る電力変換装置21の動作〕
次に、第2実施形態に係る電力変換装置21の動作について、図面を参照して説明する。図5(a)〜(c)は、第2実施形態に係る電力変換装置21の各部位に流れる共振電流の経路を表す回路図である。図5(a)〜(c)では、図4Aおよび図4Bに示す電力変換装置21から、第2のスイッチング回路I21a〜I21h、および多重変圧器15を省略した回路図を描くと共に、同回路図に対して共振電流の経路のバリエーションのうち三つの代表例を重ねて示している。
【0052】
第2実施形態に係る電力変換装置21において、直流が流れる直流部の共振周波数に関係するのは、直流部の回路インピーダンスである。つまり、直流部の共振周波数は、第2のスイッチング回路I21a〜I21hの構成とは無関係である。第2のスイッチング回路I21a〜I21hは、交流を取り扱う回路だからである。従って、直流部の共振周波数を検討するにあたっては、第2のスイッチング回路I21a〜I21hの構成を考慮対象から除く(考慮しない)ことができる。
【0053】
第2実施形態に係る電力変換装置21では、第1実施形態に係る電力変換装置11と同様、第1および第2の列盤23A,23Bの間を接続する直流母線(正電位側母線PMLおよび負電位側母線NML)の態様を変更することによって、配線(直流母線)に係るインダクタンス成分の値を適宜変更することができる。ここで、配線(直流母線)に係るインダクタンスL21P,L23P,L21N,L23Nの値を、第2の単位変換器U21a〜U21h内に存する配線インダクタンスL21PaD〜L21PhD,L21NaD〜L21NhD、および、L21PaA〜L21PhA,L21NaA〜L21NhAの値と比べて高い値に設定した場合について考える。この場合、配線(直流母線)をわたって生じる共振現象に対して、第2の平滑コンデンサC21aとC21b、C21cとC21d、C21eとC21f、C21gとC21hの組のように、配線(直流母線)をわたる(介する)ことなく結合されている第2の平滑コンデンサ間に存する配線インダクタンスL21PaA〜L21PhA,L21NaA〜L21NhAは無視できる。要するに、配線(直流母線)をわたる(介する)ことなく結合されている第2の平滑コンデンサC21aとC21b、C21cとC21d、C21eとC21f、C21gとC21hの組は、インダクタンスを介することなく相互に並列に接続されたコンデンサであるかのように動作する。
【0054】
上記を考慮した場合の、配線(直流母線PML,NML)をわたって共振電流が流れ得る経路の数は、4C2=6通りである。共振電流の経路は、相互に並列接続された4組の第2の平滑コンデンサC21aとC21b、C21cとC21d、C21eとC21f、C21gとC21hのうちいずれか2組を通るように形成されるからである。
【0055】
第2実施形態に係る電力変換装置21では、実際の共振電流の経路の種類としては3つある。一つめは、同一の列盤(23Aまたは23B)内でおこる共振電流の経路X3(例えば図5(a)参照)である。二つめは、配線(直流母線PML,NML)をわたって流れる共振電流の経路Y5(例えば図5(b)参照)である。三つ目は、配線(直流母線PML,NML)をわたる(介する)ことなく相互に結合されている第2の平滑コンデンサC21aとC21b、C21cとC21d、C21eとC21f、C21gとC21hの組内でおこる共振電流の経路Z1(例えば図5(c)参照)である。
【0056】
仮に、インダクタンスL21P,L23P,L21N,L23Nのインダクタンス値をLb(H)とし、配線インダクタンスL21PaD〜L21PhDのインダクタンス値をLPD(H)とし、配線インダクタンスL21PaA〜L21PhAのインダクタンス値をLPA(H)とし、配線インダクタンスL21NaD〜L21NhDのインダクタンス値をLND(H)とし、配線インダクタンスL21NaA〜L21NhAのインダクタンス値をLNA(H)とし、第2の平滑コンデンサC21a〜C21hのキャパシタンス値をCa(F)とする。
【0057】
この場合、共振電流の経路Z1の共振周波数F(Z1)(Hz)は、配線インダクタンスのみによって決定され、下記の式(2)により表すことができる。
【数2】

【0058】
第2実施形態に係る電力変換装置21では、共振電流の経路X3およびY5のいずれもが、それぞれの経路上に並列接続された第2の平滑コンデンサの組2つ分のキャパシタンス値、配線インダクタンス値LPD,LPA,LND,LNA、および、Lb2つ分のインダクタンス値をもつ。共振電流の経路X3およびY5は、それぞれに含まれるキャパシタンス値、およびインダクタンス値の点で等価である。共振電流の経路の数は6つある。この場合、共振周波数F(Hz)は、下記の式(3)により表すことができる。
【数3】

【0059】
第2実施形態に係る電力変換装置21では、本来、共振電流の流通経路が6種類もある。このため、何らの対策も施さない場合、共振現象の生じる蓋然性は高い。ところが、本発明を適用した第2実施形態に係る電力変換装置21では、上記式(2),(3)により表した通り、共振周波数F(Hz)はただひとつに集約されている。このため、共振現象の生じる蓋然性は低い。また、正電位側母線PMLまたは負電位側母線NMLの態様を変更することによって、共振周波数F(Hz)の変更を簡易に行うことができる。このため、共振周波数を脈動電流の周波数に一致させない設計を容易に行うことができる。また、第1実施形態と同様に、仮に共振現象が生じた場合であっても、母線PML,NMLの態様の変更によるインダクタンス値の調整を行うことによって、共振周波数を容易に変更することができる。これにより、共振現象の発生を速やかに回避することができる。
【0060】
従って、第2実施形態に係る電力変換装置21によれば、第1実施形態に係る電力変換装置11と同様に、第2の平滑コンデンサC21a〜C21hと、配線に係るインダクタンス成分L21P,L23P,L21N,L23N、L21PaD〜L21PhD、L21PaA〜L21PhA、L21NaD〜L21NhDとの相互作用によって生じる共振現象を可及的に抑制することができる。
【0061】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係る電力変換装置31について、図面を参照して説明する。
図6は、本発明の第3実施形態に係る電力変換装置31の回路図である。第1実施形態に係る電力変換装置11と、第3実施形態に係る電力変換装置31とは、一部の構成要素が共通している。このため、その機能が共通する部材間には原則として共通の符号を付し、その重複した説明を省略して、両者の相違点に注目して説明を進める。
【0062】
第1実施形態と第3実施形態との相違点は大きくふたつある。
一つめの相違点は、“単位変換器”の数である。すなわち、第1実施形態に係る電力変換装置11では、図1Aおよび図1Bに示すように、第1の単位変換器U11a〜U11dは全部で4つ設けられている。第2の単位変換器U21a〜U21hは、その回路構成が共通である。
【0063】
これに対し、第3実施形態に係る電力変換装置31では、図6に示すように、第3の単位変換器U31a〜U31fは、全部で6つ設けられている。なお、第1の単位変換器U11aと、第3の単位変換器U31aとは、その構成および機能が同じである。また、第3の単位変換器U31a〜U31fは、その回路構成が共通である。ただし、第1および第3の単位変換器間で同一の符号を共有した場合、各自を説明する上で混同を生じ好ましくない。そこで、第3の単位変換器U31a〜U31fでは、第1の単位変換器U11a〜U11dで採用した符号付けの規則に則って、第1の単位変換器U11a〜U11dとの間で識別可能な符号を付すこととする。
【0064】
二つめの相違点は、“単位変換器”相互間の接続態様である。これについて以下に詳しく説明する。
【0065】
〔第3実施形態に係る電力変換装置31の“単位変換器”相互間の接続態様〕
【0066】
本発明に係る第1の群に属する第3の単位変換器U31a,U31bおよびU31cは、図6に示すように、第1の列盤33Aに設けられている。第1の列盤33Aには、図6に示すように、第1の接続点P31が設けられている。第1の接続点P31には、第1の群に属する第3の単位変換器U31a,U31bおよびU31cの直流側のうち正電位端子P31a,P31bおよびP31c同士が、基板上に形成された配線パターン(電線でも可)を介して接続されている。
【0067】
これにより、第3の単位変換器U31aの直流側のうち正電位端子P31aと、第1の接続点P31との間には、配線インダクタンスL31Pabが生じている。また、第1の接続点P31と、第3の単位変換器U31cの直流側のうち正電位端子P31cとの間には、配線インダクタンスL31Pbcが生じている。これらの配線インダクタンスL31Pab,L31Pbcは、相互に等しい値に設定されている。この設定形態については、前述した“母線の態様”と同じである。
【0068】
一方、本発明に係る第2の群に属する第3の単位変換器U31d,U31eおよびU31fは、図6に示すように、第2の列盤33Bに設けられている。第2の列盤33Bには、図6に示すように、第2の接続点N31が設けられている。第2の接続点N31には、第2の群に属する第3の単位変換器U31d,U31eおよびU31fの直流側のうち負電位端子N31d,N31eおよびN31f同士が、基板上に形成された配線パターン(電線でも可)を介して接続されている。
【0069】
これにより、第3の単位変換器U31dの直流側のうち負電位端子P31dと、第2の接続点N31との間には、配線インダクタンスL31Ndeが生じている。また、第2の接続点N31と、第3の単位変換器U31fの直流側のうち負電位端子N31fとの間には、配線インダクタンスL31Nefが生じている。これらの配線インダクタンスL31Nde,L31Nefは、相互に等しい値に設定されている。この設定形態については、前述した“母線の態様”と同じである。
【0070】
第1の群に属する第3の単位変換器U31a,U31bおよびU31cの直流側のうち負電位端子N31a,N31bおよびN31cは、図6に示すように、本発明に係る三本の負電位側母線NMLをそれぞれ介して、第2の接続点N31に電気的に接続されている。三本の負電位側母線NMLは、配線に係るインダクタンス成分L31N1,L31N2,L31N3をそれぞれ有する。これらの配線に係るインダクタンス成分L31N1,L31N2,L31N3(これらを総称して、“配線に係るインダクタンス成分の集合L31N”と呼ぶ場合がある。)は、相互に等しい値に設定されている。この設定形態については、前述した“母線の態様”と同じである。
【0071】
一方、第2の群に属する第3の単位変換器U31d,U31eおよびU31fの直流側のうち正電位端子P31d,P31eおよびP31fは、図6に示すように、本発明に係る三本の正電位側母線PMLをそれぞれ介して、第1の接続点P31に電気的に接続されている。三本の正電位側母線PMLは、配線に係るインダクタンス成分L31P1,L31P2,L31P3をそれぞれ有する。これらの配線に係るインダクタンス成分L31P1,L31P2,L31P3(これらを総称して、“配線に係るインダクタンス成分の集合L31P”と呼ぶ場合がある。)は、相互に等しい値に設定されている。この設定形態については、前述した“母線の態様”と同じである。
【0072】
〔第3実施形態に係る電力変換装置31の動作〕
次に、第3実施形態に係る電力変換装置31の動作について、図面を参照して説明する。図7(a),(b)並びに図8(a)〜(c)は、第3実施形態に係る電力変換装置31の各部位に流れる共振電流の経路を表す回路図である。図7(a),(b)並びに図8(a)〜(c)では、図6に示す電力変換装置31から、第3のスイッチング回路(不図示)、および多重変圧器15を省略した回路図を描くと共に、同回路図に対して共振電流の経路のバリエーションのうち5つの代表例を重ねて示している。
【0073】
第3実施形態に係る電力変換装置31において共振現象の起こりうる経路の数は、6C2=15通りである。共振電流の経路は、6つある第3の平滑コンデンサC31a〜C31fのうちいずれか2つを通るように形成されるからである。
【0074】
第3実施形態に係る電力変換装置31において共振電流の経路の種類は5つある。一つめは、同一の列盤(33Aまたは33B)内でおこる共振電流の経路X4(図7(a)参照)である。この経路X4のバリエーションとしては、第3の単位変換器U31aまたはU31cのいずれか一方とU31bの間を結ぶ2つの経路と、第3の単位変換器U31dまたはU31fのいずれか一方とU31eの間を結ぶ2つの経路とがある。
【0075】
三つめは、配線(直流母線PML,NML)をわたって流れる共振電流の経路Y6(図8(a)参照)である。この経路Y6のバリエーションとしては、第3の単位変換器U31aまたはU31cのいずれか一方とU31eの間を結ぶ2つの経路と、第3の単位変換器U31dまたはU31fのいずれか一方とU31bの間を結ぶ2つの経路とがある。
【0076】
四つめも、配線(直流母線PML,NML)をわたって流れる共振電流の経路Y7(図8(b)参照)である。この経路Y7のバリエーションとしては、第3の単位変換器U31aまたはU31cのいずれか一方と、第3の単位変換器U31dまたはU31fのいずれか一方との間をたすきがけ状に結ぶ4つの経路がある。
【0077】
五つめも、配線(直流母線PML,NML)をわたって流れる共振電流の経路Y8(図8(c)参照)である。この経路Y8のバリエーションとしては、第3の単位変換器U31bと、第3の単位変換器U31eとの間を結ぶ1つの経路がある。
【0078】
仮に、配線インダクタンスL31Pa〜L31Pf、および、L31Na〜L31Nfのインダクタンス値をLa(H)とし、配線インダクタンスL31P1,L31P2,L31P3,L31N1,L31N2,L31N3のインダクタンス値をLb(H)とし、配線インダクタンスL31Pab,L31Pbc,L31Nde,L31Nefのインダクタンス値をLc(H)とし、第3の平滑コンデンサC31a〜C31fのキャパシタンス値をCa(F)とする。
【0079】
共振電流の経路X4およびY6では、図7(a)および図8(a)に示すように、それぞれの経路中にインダクタンス値Laを4つ、Lbを2つ、Lcを1つと、キャパシタンス値Caを2つ分だけ含む。従って、共振電流の経路X4およびY6における共振周波数F(X4,Y6)(Hz)は、下記の式(4)により表すことができる。
【数4】

【0080】
また、共振電流の経路X5およびY7では、図7(b)および図8(b)に示すように、それぞれの経路中にインダクタンス値Laを4つ、Lbを2つ、Lcを2つと、キャパシタンス値Caを2つ分だけ含む。従って、共振電流の経路X5およびY7における共振周波数F(X5,Y7)(Hz)は、下記の式(5)により表すことができる。
【数5】

【0081】
また、共振電流の経路Y8では、図8(c)に示すように、その経路中にインダクタンス値Laを4つ、Lbを2つと、キャパシタンス値Caを2つ分だけ含む。従って、共振電流の経路X8における共振周波数F(Y8)(Hz)は、下記の式(6)により表すことができる。
【数6】

【0082】
第3実施形態に係る電力変換装置31では、本来、共振電流の流通経路が15種類もある。このため、何らの対策も施さない場合、共振現象の生じる蓋然性はきわめて高い。ところが、本発明を適用した第3実施形態に係る電力変換装置31では、上記式(4)〜(6)により表した通り、共振周波数F(Hz)は3つに集約されている。このため、共振現象の生じる蓋然性を大きく低減することができた。また、第1および第2実施形態と同様に、正電位側母線PMLまたは負電位側母線NMLの態様を変更することによって、共振周波数F(Hz)の変更を簡易に行うことができる。このため、共振周波数を脈動電流の周波数に一致させない設計を容易に行うことができる。また、仮に共振現象が生じた場合であっても、母線PML,NMLの態様の変更によるインダクタンス値の調整を行うことによって、共振周波数を容易に変更することができる。これにより、共振現象の発生を速やかに回避することができる。
【0083】
従って、第3実施形態に係る電力変換装置11によれば、第3の平滑コンデンサC31a〜C31fと、配線に係るインダクタンス成分(L31Pa〜L31Pf、L31Na〜L31Nf、L31P1,L31P2,L31P3,L31N1,L31N2,L31N3、並びに、L31Pab,L31Pbc,L31Nde,L31Nef)との相互作用によって生じる共振現象を可及的に抑制することができる。
【0084】
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態に係る電力変換装置41について、図面を参照して説明する。
図9Aは、本発明の第4実施形態に係る電力変換装置41の回路図である。図9Bは、本発明の第4実施形態に係る電力変換装置41の構成要素である第4の単位変換器U41aの回路図である。第1実施形態に係る電力変換装置11と、第4実施形態に係る電力変換装置41とは、一部の構成要素が共通している。このため、その機能が共通する部材間には原則として共通の符号を付し、その重複した説明を省略して、両者の相違点に注目して説明を進める。
【0085】
第1実施形態と第3実施形態との相違点は大きく3つある。
一つめの相違点は、“単位変換器”の内部構成である。すなわち、第1実施形態に係る電力変換装置11では、図1Aおよび図1Bに示すように、第1のスイッチング回路I11aは、三相2レベル変換器であり、6つのスイッチング素子S11〜S16をフルブリッジ接続して構成されている。
【0086】
これに対し、第4実施形態に係る電力変換装置41では、図9Bに示すように、第4のスイッチング回路I41aは、三相交流電力を3レベル直流電力に変換する三相3レベル変換器であり、一対のスイッチング素子を直列接続して組み合わせた素子群を6つ用意し、これら6つの素子群をフルブリッジ接続して構成されている。
【0087】
二つめの相違点は、第4のスイッチング回路I41aとして三相3レベル変換器を採用したことに伴って、図9Aに示すように、中性点に係る母線を追加した点である。
【0088】
三つめの相違点は、中性点に係る母線の追加に伴って、図9Aに示すように、中性点に係る母線に対して抵抗を追加した点である。
【0089】
〔第4実施形態に係る電力変換装置41の構成〕
第4のスイッチング回路I41aを構成する6つの素子群は、スイッチング素子S41およびS42、S43およびS44、S45およびS46、S47およびS48、S49およびS50、並びに、S51およびS52をそれぞれ組み合わせてなる。素子群S41およびS42と、素子群S43およびS44との間には、三相交流の第1端子が接続されている。素子群S45およびS46と、素子群S47およびS48との間には、三相交流の第2端子が接続されている。素子群S49およびS50と、素子群S51およびS52との間には、三相交流の第3端子が接続されている。
【0090】
素子群S41およびS42の接続点と、素子群S43およびS44の接続点との間には、一対のダイオードD41,D42が直列接続されている。素子群S45およびS46の接続点と、素子群S47およびS48の接続点との間には、一対のダイオードD43,D44が直列接続されている。素子群S49およびS50の接続点と、素子群S51およびS52の接続点との間には、一対のダイオードD45,D46が直列接続されている。
【0091】
ダイオードD41のアノード端子は素子群S41およびS42の接続点に接続され、ダイオードD42のカソード端子は素子群S43およびS44の接続点に接続されている。ダイオードD43のアノード端子は素子群S45およびS46の接続点に接続され、ダイオードD44のカソード端子は素子群S47およびS48の接続点に接続されている。ダイオードD45のアノード端子は素子群S49およびS50の接続点に接続され、ダイオードD46のカソード端子は素子群S51およびS52の接続点に接続されている。
【0092】
第4の単位変換器U41aの交流側(第4のスイッチング回路I41aの交流側でもある。)は、多重変圧器15に対して並列に接続されている。第4の単位変換器U41aの直流側には、正電位端子P41a、中性点端子M41a、および負電位端子N41aがそれぞれ設けられている。
【0093】
第4のスイッチング回路I41aの正電位側出力端子O41Paと直流側の正電位端子P41aとの間は、基板上に形成された配線パターン(電線でも可、以下同じ。)によって電気的に接続されている。これにより、両端子O41Pa,P41a間には、配線インダクタンスL41Paが生じている。
【0094】
同様に、第4のスイッチング回路I41aの負電位側出力端子O41Naと直流側負電位端子N41aとの間は、基板上に形成された配線パターンによって電気的に接続されている。これにより、両端子O41Na,N41a間には、配線インダクタンスL41Naが生じている。
【0095】
同様に、第4のスイッチング回路I41aの中性点出力端子O41Maと直流側中性点端子M41aとの間は、基板上に形成された配線パターンによって電気的に接続されている。これにより、両端子O41Ma,M41a間には、配線インダクタンスL41Maが生じている。
【0096】
第4のスイッチング回路I41aの正電位側出力端子O41Paと中性点出力端子O41Maとの間には、第4の平滑コンデンサC41aが接続されている。また、第4のスイッチング回路I41aの中性点出力端子O41Maと負電位側出力端子O41Naとの間には、第5の平滑コンデンサC43aが接続されている。
【0097】
ここで、第4の単位変換器U41a〜U41dはすべて等しい構造である。このため、各単位変換器U41a〜U41d毎の直流側にそれぞれ生じる配線インダクタンスL41Pa,L41Ma,L41Naは、横並びで等しい値となる。
【0098】
本発明に係る第3の群に属する第4の単位変換器U41aおよびU41bは、図9Aに示すように、第3の列盤43Aに設けられている。第3の列盤43Aには、図9Aに示すように、第3および第4の接続点P41,M41がそれぞれ設けられている。第3の接続点P41には、第3の群に属する第4の単位変換器U41aおよびU41bの直流側のうち正電位端子P41a,P41b同士が接続されている。
【0099】
また、本発明に係る第4の群に属する第4の単位変換器U41cおよびU41dは、図9Aに示すように、第4の列盤43Bに設けられている。第4の列盤43Bには、図9Aに示すように、第5および第6の接続点N41,M41がそれぞれ設けられている。第5の接続点N41には、第4の群に属する第4の単位変換器U41cおよびU41dの直流側のうち負電位端子N41c,N41d同士が接続されている。
【0100】
第3の列盤43Aの第4の接続点M41には、図9Aに示すように、第3の群に属する第4の単位変換器U41aおよびU41bの直流側のうち中性点端子M41a,M41b同士が接続されている。中性点端子M41aと第4の接続点M41Aとの間には、共振抑制用の抵抗R41Maが設けられている。第4の接続点M41Aと中性点端子M41bとの間にも、共振抑制用の抵抗R41Mbが設けられている。抵抗R41Ma,R41Mbは、相互に等しい値に設定される。
【0101】
第4の列盤43Bの第6の接続点M41Bには、図9Aに示すように、第4の群に属する第4の単位変換器U41cおよびU41dの直流側のうち中性点端子M41c,M41d同士が接続されている。中性点端子M41cと第6の接続点M41Bとの間には、共振抑制用の抵抗R41Mcが設けられている。第6の接続点M41Bと中性点端子M41dとの間にも、共振抑制用の抵抗R41Mdが設けられている。抵抗R41Mc,R41Mdは、相互に等しい値に設定される。また、抵抗R41Mc,R41Mdは、抵抗R41Ma,R41Mbとも等しい値に設定される。
【0102】
第3の群に属する第4の単位変換器U41a,U41bの直流側のうち負電位端子N41a,N41bは、図9Aに示すように、本発明に係る一対の負電位側母線NMLをそれぞれ介して、第5の接続点N41に電気的に接続されている。一対の負電位側母線NMLは、配線に係るインダクタンス成分L41N1,L41N2をそれぞれ有する。これらの配線に係るインダクタンス成分L41N1,L41N2は、相互に等しい値に設定される。この設定形態については、前述した“母線の態様”と同じである。
【0103】
また、第4の群に属する第4の単位変換器U41c,U21dの直流側のうち正電位端子P41c,P41dは、図9Aに示すように、本発明に係る一対の正電位側母線PMLをそれぞれ介して、第3の接続点P41に電気的に接続されている。一対の正電位側母線PMLは、配線に係るインダクタンス成分L41P1,L41P2をそれぞれ有する。これらの配線に係るインダクタンス成分L41P1,L41P2は、相互に等しい値に設定される。この設定形態については、前述した“母線の態様”と同じである。
【0104】
また、第3の群に属する第4の接続点M41Aと、第4の群に属する第6の接続点M41Bとは、図9Aに示すように、本発明に係る一本の中性点電位側母線MMLを介して電気的に接続されている。中性点電位側母線MMLは、配線に係るインダクタンス成分L41Mを有する。この配線に係るインダクタンス成分L41Mは、配線に係るインダクタンス成分L41P1,L41P2,L41N1,L41N2と相互に等しい値に設定される。この設定形態については、前述した“母線の態様”と同じである。
【0105】
〔第4実施形態に係る電力変換装置41の作用効果〕
第4実施形態に係る電力変換装置41によれば、第4の単位変換器U41a〜U41dの直流側中性点端子M41a〜M41dは、共振抑制用の抵抗R41Ma〜R41Mdを介して相互に接続したため、中性点電位側母線MMLを通る共振電流の経路は無視することができる。そうすると、共振電流の経路は第1実施形態と同じになる。
【0106】
第4実施形態に係る電力変換装置41によれば、第1〜第3実施形態に係る電力変換装置11,21,31と同様に、共振電流の経路の数を減じることができる。また、正電位側母線PML、負電位側母線NML、および、中性点電位側母線MMLの態様(具体的には、例えば電線ケーブルの種別(太さや耐電圧グレード)、電線ケーブルの長さ、並びに電線ケーブルの配索方法(直線状、またはコイル状)など)を変更することにより、共振周波数F(Hz)を狙った値に調節することができる。このため、共振周波数を脈動電流の周波数に一致させない設計を容易に行うことができる。仮に、共振現象が生じた場合であっても、それぞれの母線PML,NML,MMLの態様の変更によるインダクタンス値の調整を行うことによって、共振周波数を容易に変更することができる。これにより、共振現象の発生を回避することができる。
【0107】
従って、第4実施形態に係る電力変換装置41によれば、第4の平滑コンデンサと、配線に係るインダクタンス成分との相互作用によって生じる共振現象を可及的に抑制することができる。
【0108】
[その他の実施形態]
以上説明した複数の実施形態は、本発明の具現化例を示したものである。従って、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならない。本発明はその要旨またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形態で実施することができるからである。
【0109】
例えば、第1〜第4実施形態に係る電力変換装置11,21,31,41において、それぞれの単位変換器で用いるスイッチング素子としては、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、またはMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)などを適宜採用することができる。
【符号の説明】
【0110】
11 第1実施形態に係る電力変換装置
13A 第1の列盤
13B 第2の列盤
15 多重変圧器
21 第2実施形態に係る電力変換装置
23A 第1の列盤
23B 第2の列盤
31 第3実施形態に係る電力変換装置
33A 第1の列盤
33B 第2の列盤
41 第4実施形態に係る電力変換装置
43A 第3の列盤
43B 第4の列盤
P11 第1実施形態の第1の接続点
N11 第1実施形態の第2の接続点
P21 第2実施形態の第1の接続点
N21 第2実施形態の第2の接続点
P31 第3実施形態の第1の接続点
N31 第3実施形態の第2の接続点
P41 第4実施形態の第3の接続点
M41A 第4実施形態の第4の接続点
N41 第4実施形態の第5の接続点
M41B 第4実施形態の第6の接続点
P11a〜P11d 第1実施形態の直流側の正電位端子
P21aD〜P21hD 第2実施形態の直流側の正電位端子
P31a〜P31f 第3実施形態の直流側の正電位端子
P41a〜P41d 第4実施形態の直流側の正電位端子
N11a〜N11d 第1実施形態の直流側の負電位端子
N21aD〜N21hD 第2実施形態の直流側の負電位端子
N31a〜N31f 第3実施形態の直流側の負電位端子
N41a〜N41d 第4実施形態の直流側の負電位端子
M41a〜M41d 第4実施形態の直流側の中性点電位端子
U11a〜U11d 第1の単位変換器
U21a〜U21h 第2の単位変換器
U31a〜U31f 第3の単位変換器
U41a〜U41d 第4の単位変換器
C11a〜C11d 第1の平滑コンデンサ
C21a〜C21h 第2の平滑コンデンサ
C31a〜C31f 第3の平滑コンデンサ
L11Pa〜L11Pd,L11Na〜L11Nd,L11P,L13P,L11N,L13N 第1実施形態の配線に係るインダクタンス成分
L21P,L23P,L21N,L23N、L21PaD〜L21PhD、L21PaA〜L21PhA、L21NaD〜L21NhD 第2実施形態の配線に係るインダクタンス成分
L31Pa〜L31Pf、L31Na〜L31Nf、L31P1,L31P2,L31P3,L31N1,L31N2,L31N3、並びに、L31Pab,L31Pbc,L31Nde,L31Nef 第3実施形態の配線に係るインダクタンス成分
PML 正電位側母線
MML 中性点電位側母線
NML 負電位側母線
R41Ma〜R41Md 共振抑制用の抵抗
X1〜X5、Y1〜8、Z1 共振電流の経路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電力を直流電力に、または、直流電力を交流電力に変換する単位変換器を備えた電力変換装置であって、
前記単位変換器は、スイッチング回路の直流側の正電位端子および負電位端子間に平滑コンデンサを設けてなり、
前記単位変換器は、それぞれ2N(Nは1以上の自然数)だけ並列に設けられる第1の群と、前記2Nと同じ数だけ並列に設けられる第2の群とからなり、
前記第1の群に属する前記単位変換器のいずれか、および、前記第2の群に属する前記単位変換器のいずれかの全ての組み合わせに係る各々の間は、前記直流側の正電位端子同士を結ぶ正電位側母線、および、前記直流側の負電位端子同士を結ぶ負電位側母線をそれぞれ介して電気的に接続され、
前記正電位側母線および前記負電位側母線の配線に係るインダクタンス成分のいずれもが略等しくなるように前記両母線の態様をそれぞれ設定した、
ことを特徴とする電力変換装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電力変換装置であって、
前記単位変換器は、単相または三相の2レベルコンバータである、
ことを特徴とする電力変換装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の電力変換装置であって、
前記単位変換器は、直列に複数設けられ、
前記第1の群に属する前記単位変換器の直列の段数と、前記第2の群に属する前記単位変換器の直列の段数とを同じに設定した、
ことを特徴とする電力変換装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の電力変換装置であって、
第1の列盤に前記第1の群に属する前記単位変換器を、第2の列盤に前記第2の群に属する前記単位変換器をそれぞれ設け、
前記第1の列盤に第1の接続点を、前記第2の列盤に第2の接続点をそれぞれ設け、
前記第1の接続点に、前記第1の群に属する前記単位変換器の前記直流側のうち正電位端子同士を接続する一方、前記第2の接続点に、前記第2の群に属する前記単位変換器の前記直流側のうち負電位端子同士を接続した、
ことを特徴とする電力変換装置。
【請求項5】
三相交流電力を直流電力に変換すると共に直流電力を三相交流電力に変換する三相単位変換器を備えた電力変換装置であって、
前記三相単位変換器は、スイッチング回路の直流側のうち正電位端子と中性点電位端子の間、並びに、前記直流側のうち前記中性点電位端子と負電位端子の間のそれぞれに平滑コンデンサを設けてなり、
前記三相単位変換器は、それぞれ2N(Nは1以上の自然数)だけ並列に設けられる第3の群と、前記2Nと同じ数だけ並列に設けられる第4の群とからなり、
前記第3の群に属する前記三相単位変換器のいずれか、および、前記第4の群に属する前記三相単位変換器のいずれかの全ての組み合わせに係る各々の間は、前記直流側の正電位端子同士を結ぶ正電位側母線、前記直流側の中性点電位端子同士を結ぶ中性点電位側母線、および、前記直流側の負電位端子同士を結ぶ負電位側母線をそれぞれ介して電気的に接続され、
前記正電位側母線、前記中性点電位側母線、および前記負電位側母線の配線に係るインダクタンス成分のいずれもが略等しくなるように前記両母線の態様をそれぞれ設定した、
ことを特徴とする電力変換装置。
【請求項6】
請求項5に記載の電力変換装置であって、
前記三相単位変換器は、直列に複数設けられ、
前記第3の群に属する前記三相単位変換器の直列の段数と、前記第4の群に属する前記三相単位変換器の直列の段数とを同じに設定した、
ことを特徴とする電力変換装置。
【請求項7】
請求項5または6に記載の電力変換装置であって、
第3の列盤に前記第3の群に属する複数の三相単位変換器を、第4の列盤に前記第4の群に属する複数の三相単位変換器をそれぞれ設け、
前記第3の列盤に第3および第4の接続点を、前記第2の列盤に第5および第6の接続点をそれぞれ設け、
前記第3の接続点に、前記第3の群に属する複数の三相単位変換器の前記直流側のうち正電位端子同士を接続すると共に、前記第4の接続点に、前記第4群に属する前記直流側のうち中性点電位端子同士を接続する一方、
前記第5の接続点に、前記複数の三相単位変換器の前記直流側のうち負電位端子同士を接続すると共に、前記第6の接続点に、前記直流側のうち中性点電位端子同士を接続した、
ことを特徴とする電力変換装置。


【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【公開番号】特開2012−239312(P2012−239312A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−106812(P2011−106812)
【出願日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】