説明

電力損失低減のための能動型整流器回路の電圧クランプ方法

【課題】ロードダンプにおける過電圧による損傷からの効果的な保護を実現すること。
【解決手段】ロードダンプの存在を識別するために、発電機装置の位相電圧の各半波期間毎に、所定の閾値を上回っているか否かを検査し、ロードダンプの存在が識別された場合には、位相電圧を電圧限界値を用いて閾値よりも小さい所定の電圧値まで低減させるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力損失を低減する目的の整流器回路を有する発電機装置における電圧クランプ方法に関している。
【背景技術】
【0002】
例えば三相交流電源網などの三相交流系統からの直流系統の給電に対しては、一般的に複数の整流器が用いられる。これらの整流器は、大抵はブリッジ回路として構成される。整流器素子としてよく用いられるのはダイオードである。この種のダイオードは駆動制御回路を必要としない。なぜならダイオード自身で適時に導通状態若しくは遮断状態に移行できるからである。
【0003】
ブリッジ回路は整流器として自動車の発電機にも利用されている。
【0004】
整流器は、ダイオードと初期電流とによって予め想定できる電力損失を有するが、これは例えばダイオードの並列接続等の回路技術的な手段によって無視できるくらいに低減することが可能である。
【0005】
このような電力損失の実質的な低減は、例えば前述したようなダイオードをMOSFETなどの能動スイッチに置換えることで達成することが可能である。しかしながらこの種の能動スイッチは、それらを適時にオン・オフするための制御系を必要としている。
【0006】
能動型整流器の臨界的な作動状態では、いわゆるロードダンプ(負荷遮断)と呼ばれる過渡現象が発生する。例えば励起された状態で大電流が流れている電気機械のもとで負荷ケーブルが脱落した場合や、全ての負荷が突然遮断された場合などには最大のロードダンプが発生する。このような突発的に生じるケースにおいては、発電機はある期間の間、典型的には300ms〜500msの間、さらにエネルギーを送り続ける。このエネルギーは整流器において変換されなければならない。なぜなら過電圧による損傷から搭載電源網を保護する必要があるからである。
【0007】
従来のダイオード整流器を用いたケースでは、このような損失エネルギーは熱に変換されてきた。なぜならダイオード整流器は非常に低い熱インピーダンスを備えた良好な構造及び接続技法として提供されてきたからである。
【0008】
一方、MOSFETをスイッチとして用いたケースでは、損失エネルギーの熱への変換は、熱インピーダンスが比較的高いMOSFET特有の特性のために、このような構造及び接続技法としては限られたケースでしか利用できないものである。MOSFETは電圧クランプモードにおいては、ダイオードよりも少ない負荷状態におかれる。
【0009】
DE102007060219A1明細書からは、ダイオードの代わりに交流電圧の整流に用いることのでき、ダイオードのようにカソード端子とアノード端子を備えた二極性が形成される整流器回路が公知である。この種の整流器回路の電力損失は、シリコンpnダイオードの電力損失に比べれば遙かに少ない。この明細書に開示されている整流器回路の1つは、カソード端子とアノード端子とを備え、さらにこれらの端子間に次のような電子回路が設けられている。すなわち、集積化された逆起電力ダイオードを備えたMOSトランジスタと、コンデンサと、差動増幅器と、カソード端子とアノード端子の間の電位差を所定の値に制限するリミッタとを有した電子回路である。この種の電位差の制限は、電圧クランプと称され、特定のケースにおいてロードダンプ保護の役割を担ったものである。
【0010】
DE10001876C1明細書からは、不均衡な作動状態の回避のための過電圧保護回路を備えたパワートランジスタが公知である。このパワートランジスタは、メイントランジスタのドレイン端子とソース端子の間に割り当てられている主電流チャネルの制御のための少なくとも一つの制御ゲートと、サブトランジスタのドレイン端子とソース端子の間に割り当てられている補助電流チャネルの制御のための少なくとも一つの補助ゲートと、前記補助ゲートをドレイン端子に接続している保護ツェナーダイオードとを含んでいる。
【0011】
EP0777309B1明細書からは、ロードダンプエネルギーを消去するために、ハイサイド分岐又はローサイド分岐をまとめて整流器ブリッジに短絡させる手段が開示されている。この解決手段の欠点は、ケーブルの脱落や欠陥のためにバッテリーが不在となった場合に、突発的な電圧給電がもたらされることである。そのような場合にはシステムが危険な状態に陥る。なぜなら整流器もそのエネルギーを搭載電源網から引き込むからである。さらにこの解決手段は、従来の搭載電源網の制御と組合わせることができない。なぜなら、この手段は電圧の降下を識別した後で励起電流を引き上げてしまうからである。このことは結果として、ロードダンプ状態を終熄できなくさせる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】DE102007060219A1明細書
【特許文献2】DE10001876C1明細書
【特許文献3】EP0777309B1明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
前述してきたような従来技術における欠点に鑑みこれを解消すべく解決を行うことである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記課題は本発明により、ロードダンプの存在を識別するために、発電機装置の位相電圧の各半波期間毎に、所定の閾値を上回っているか否かが検査され、ロードダンプの存在が識別された場合には、位相電圧を、電圧限界値を用いて閾値よりも小さい所定の電圧値まで低減させるようにして解決される。
【0015】
本発明の上記構成によれば、ロードダンプ状態が発生した場合の出力段における電力損失が最小化され、クリティカルな電圧範囲から十分に離れた間隔を維持することができるようになる。さらに、ロードダンプの想定される期間を推定し、それに対する保護期間の間に対抗措置を講じるための特別な評価ユニットの適用も不要である。本発明の方法によれば、カソード端子とアノード端子の間に印加される交流電圧の正の各半波期間毎に、カソード端子とアノード端子との間の電位差が、ロードダンプの存在に対して予め設定された所定の閾値よりも大きいか否かが求められ、前記電位差が所定の閾値よりも大きい場合には、カソード端子とアノード端子との間の電位差が、当該半波期間が終了するまでに、ロードダンプの予め定められた閾値よりも小さい所定の電圧値に制限される。
【0016】
ロードダンプ、すなわち突発的な負荷遮断のために生じる過渡的な過電圧の発生期間は、300ms〜500msの範囲にある期間を越えて延びる可能性がある。この期間の範囲内で、整流器回路のカソード端子とアノード端子との間に、複数の正の半波を有する交流電圧が印加される。これらの半波期間は、発電機の実際の回転数と磁極数に依存する。例えば回転数が毎時6000回転で、磁極数が8つのケースでは、半波期間は625μsとなる。本発明によれば、正の各半波期間毎に新たに、整流器回路のカソード端子とアノード端子の間の電位差が、ロードダンプの存在に対して予め設定された所定の閾値よりも大きいか否かが求められ、前記電位差が所定の閾値よりも大きい場合には、当該半波期間が終了するまで、ロードダンプの予め定められた閾値よりも小さい所定の電圧値への当該電位差の制限が行われる。例えば前記予め定められた閾値は25Vで、前記所定の電圧値は16Vであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】ロードダンプが存在する場合の送出電力を概略的に表わした図
【図2】ロードダンプが存在する場合の測定された送出電流を概略的に表わした図
【図3】発電機装置の実施例の概略図
【図4】損失ピーク電力とクランプ電圧との間の関係を概略的に表わした図
【図5】本発明による整流器回路の実施例を示した図
【図6】位相電圧と搭載電源網電圧の経過を概略的に示した図
【図7】位相電圧と搭載電源網電圧のさらなる経過を概略的に示した図
【0018】
以下では本発明の実施例を図面に基づき詳細に説明する。
【実施例】
【0019】
ロードダンプのもとでは、制御された初期電圧に基づいて非常に迅速な電圧上昇が現われる。なぜなら発電機は、励起巻線を流れる電流がなくなるまで相端子を介して強制的に電力を送出するからである。
【0020】
極端なケースでは、搭載電源網への電流供給が中断されるかまたは負荷の遮断によって「0」の目標値を有するようになるので、この電力は整流器において変換されなければならない。電圧上昇と発電機の位相を介した電流送出に基づいて、発電機から送出される電力は急峻に上昇する。測定される送出電力の例は図1に示されている。
【0021】
図1には、ロードダンプの前後に生じる電力経過が例示的に示されている。ここでは特にロードダンプの際に電気機械の界磁石で測定された送出電力が描写されている。この図の縦軸10には、電力Pがワット単位で示され、横軸12には時間tが秒単位でプロットされている。ロードダンプはt=0.1sの時点で発生している。
【0022】
特性曲線14は、発電機から搭載電源網へ送出される電力を示している。さらなる特性曲線16は、ロードダンプ中に整流器が受け入れなければならない電力を示している。このロードダンプは0.1sのところで開始されている。特性曲線16は、発電機の励起回路によって定まる時定数Tのe関数に近似的に追従する。
【0023】
図2にはロードダンプのもとで測定された電流特性曲線が表わされている。このダイヤグラムは、ロードダンプの際に整流器の下流側で測定された送出電流の一例を表わしている。この場合縦軸30には電流がアンペア単位で示され、横軸32には秒単位の時間Tがプロットされている。
【0024】
図3には、その全体が符号50で表わされている発電機装置の実施例が描写されている。この図では、ブリッジ型整流器として構成されている整流器54と、発電機52とが示されている。
【0025】
本発明によれば、このブリッジ型整流器のスイッチの各々が整流器回路によって置換えられている。以下ではこの種の整流器回路の実施例を図5に基づいて説明する。
【0026】
整流器におけるロードダンプの結果として置換えられる電力は、整流器のクランプ電圧にほぼ比例して増加する。ここでの目的は、電力損失の最適化の趣旨のもとでクランプ電圧をできるだけ低く抑えることにある。
【0027】
図4には、230Aのクランプ電圧とピーク損失電力との間の関係が描写されている。この描写では、縦軸300に損失電力がキロワット単位でプロットされ、横軸302には、クランプ電圧がボルト単位でプロットされている。この図4には、以下の特徴によって特性付けられる様々な電圧領域が示されている。すなわち、
第1の領域310;クランプ電圧<8V; 供給電圧は搭載電源網へもたらされる
第2の領域312;8V<クランプ電圧<18V; 通常の作動モード領域
第3の領域314;15V<クランプ電圧<18V; ボルテージレギュレータの制御電圧よりも上方の通常の作動領域
第4の領域316;クランプ電圧>18V; 高い損失電力の伴う、通常作動領域上方。
【0028】
公知のダイオード整流器のクランプは、18Vよりも上方の電圧領域において動作する。これにより、電圧クランプが通常の作動モード以外でしか行われないことが保証される。
【0029】
時間に関して能動的な整流器とクランプ電圧は、制御されて動作し得るものなので、損失電力を低減するためにはクランプ電圧が低減される。この場合第3の領域314は、15Vと18Vの間で有利に設定される。なぜならこの電圧領域では制御器が切り離され、全ての電子機器が引き続き安定して動作し、損失電力も、18V以上の第4の領域316に比べて著しく低減している。しかしながら整流器側方からの15V以下の電圧クランプのもとでは、制御器における付加的手段なしでも、整流器の電圧クランプが、レギュレータにおける電圧制御に抗して動作し、もはやロードダンプ状態を逸脱することができなくなる。それにより、15V〜18Vの間の電圧領域が、損失電力と不変の制御との間の良好な妥協を提供する。現下の負荷の低下を識別し、レギュレータに低い目標電圧値を設定する、重畳型の論理回路のケースでは、例えば8Vまでの制御が考えられる。能動的な駆動制御が可能な電圧クランプは、例えば25Vの高い電圧レベルの上回りからロードダンプを識別し、ロードダンプが識別された後では、本発明によれば、より低いレベル、例えば16Vのレベルまで低減される。
【0030】
図5にはこの種の電圧クランプを有する本発明による整流器回路の一実施例が示されている。
【0031】
図5中に示されている整流器回路では、図3中に示されている各スイッチの代わりに、整流器ブリッジが置き換わっている。この整流器ブリッジはカソード端子Kとアノード端子Aを有している。カソード端子Kは、MOSFETM1のドレイン端子Dと接続されている。アノード端子AはMOSFETM1のソース端子と接続されている。
【0032】
さらにMOSFETM1のドレイン端子Dは、ダイオードD2のカソードにも接続されている。このダイオードD2のアノードは、npn型トランジスタQ1のエミッタ端子に接続されている。このnpn型トランジスタQ1は、さらに別のnpn型トランジスタQ2と共に差動増幅器を形成している。前記2つのトランジスタQ1,Q2のベース端子は相互接続されている。トランジスタQ2のエミッタ端子はダイオードD1を介して当該整流器回路のアノード端子Aに接続されている。
【0033】
トランジスタQ1のコレクタは抵抗R4を介して回路点Pに接続されている。2つのトランジスタQ1,Q2のベース端子は抵抗R2を介して回路点Pに接続されている。トランジスタQ2のコレクタは抵抗R3を介して回路点Pに接続されている。
【0034】
整流器回路のカソード端子Kは、抵抗R8を介してpnp型トランジスタQ7のベースに接続され、さらにダイオードD5を介してトランジスタQ7のエミッタに接続されている。トランジスタQ7のコレクタは回路点Pに接続されている。トランジスタQ7のエミッタはさらに抵抗R6を介して前記2つのトランジスタQ1,Q2のベース端子に接続され、さらにコンデンサC1を介して当該整流器回路のアノード端子Aと、npn型トランジスタQ3のコレクタとに接続されている。
【0035】
このnpn型トランジスタQ3は、pnp型トランジスタQ4と一緒に電流増幅段を形成している。その際これらのトランジスタのエミッタとベース端子がそれぞれ相互接続されている。トランジスタQ4のコレクタは、アノード端子Aに接続形成される。2つのトランジスタQ3、Q4のエミッタは、MOSFETM1のゲート端子Gに接続されている。前記2つのトランジスタQ3,Q4のベース端子は、ツェナーダイオードD4を介してアノード端子Aとコンタクト形成される。
【0036】
さらに前記カソード端子Kは、ダイオードD6とツェナーダイオードD7を介してpnp型トランジスタQ6のエミッタと接続されている。このエミッタは、さらに抵抗R7を介して当該トランジスタQ6のベースに接続されている。トランジスタQ7のコレクタは、トランジスタQ5のベースに接続されている。このトランジスタQ5のベースは、抵抗R9を介してトランジスタQ5のエミッタと接続形成される。さらにトランジスタQ5は、抵抗R5を介してトランジスタQ3及びQ4のベース端子と接続されさらにツェナーダイオードD4のカソードと接続されている。トランジスタQ5のコレクタは、トランジスタQ6のベースと接続されており、また抵抗R7を介してツェナーダイオードD7のアノードと接続され、さらに別のツェナーダイオードD3のカソードと接続されており、そのアノードは当該整流器回路のアノード端子Aに接続される。
【0037】
前記差動増幅器Q1,Q2のトランジスタQ2のコレクタ端子は、抵抗R1を介してトランジスタQ3,Q4のベース端子に接続されている。トランジスタQ3,Q4は電流増幅段を形成している。
【0038】
図5に示されている整流器回路は次のように動作する。すなわち、ロードダンプが発生した場合には、低い電圧レベルの活性化のために、まずそのつど存在する位相電圧の各半波が、ロードダンプの存在を特徴付ける予め設定された閾値よりも大きい電圧レベルに達しているか否かが識別される。この閾値は図示の実施例では約25Vである。但し一般的には20V〜35Vの範囲にある値であってもよい。この電圧レベルは、当該実施例では、ツェナーダイオードD3及びD7のブレーク電圧によって定められる。ツェナーダイオードD3,D7を流れる各電流は、(これはトランジスタQ5,Q6のターンオンにつながる)、原因となり得る残りの半波期間に対してカソード端子Kとアノード端子Aの間に印加される電圧を所定の電圧値まで引き下げる。これは15V〜18Vの範囲にあり、当該実施例では約16Vである。この低い電圧レベルは主にツェナーダイオードD7のブレーク電圧によって定められる。
【0039】
それにも係わらず図示の実施例ではまず、ロードダンプが、ツェナーダイオードD7とD3を通って遮断方向で電流が流れることで識別される。この電流はトランジスタQ5,Q6をターンオンさせ、それによってこれらが電流増幅器Q3,Q4を介してMOSFETM1のゲートGを次のように駆動制御する。すなわち、当該MOSFETが導通状態にもたらされるように制御する。それによって、クランプの趣旨で、カソード端子Kとアノード端子Aの間の電位差が、引き起こされた半波の残留期間の間、15V〜18Vの範囲の所定の電圧値に制限される。これはロードダンプの存在を検出するために設定された閾値であり、20V〜35Vの範囲にある。
【0040】
図6及び図7には、位相電圧と搭載電源網電圧の経過が概略的に示されている。
【0041】
図6の上方図には、位相電圧UPの経過が時間軸に亘って描写されており、一方、図6の下方図には、搭載電源網電圧UBの経過が時間軸に亘って描写されている。ここではそれぞれの開始時点において各半波を特徴付ける電圧ピークが現われていることが見て取れる。
【0042】
図7の上方図でも位相電圧UPの経過が時間軸に亘って描写されており、図7の下方図でも、搭載電源網電圧の経過が時間軸に亘って描写されている。ここではロードダンプの立上がりに対してロードダンプ特有の電圧上昇がバッテリー正端子において生じていることが見て取れる。図7中では、ロードダンプの開始が符号SLAで表わされ、連続的な電圧経過を伴うロードダンプ終熄の開始が符号ALAで示されている。
【符号の説明】
【0043】
Q3,Q4 電流増幅器
D3,D7 ツェナーダイオード
Q5,Q6 トランジスタ回路
52 発電機
54 整流器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
整流器回路を有する発電機装置における電圧クランプのための方法において、
ロードダンプの存在を識別するために、発電機装置の位相電圧の各半波期間毎に、所定の閾値を上回っているか否かが検査され、
ロードダンプの存在が識別された場合には、位相電圧を、電圧限界値を用いて閾値よりも小さい所定の電圧値まで低減させるようにしたことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記所定の電圧値までの位相電圧の低減を、各半波期間の終了時点まで行うようにした、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記所定の閾値は、20Vから35Vの範囲に含まれる値である、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記所定の電圧値は、15Vから18Vの範囲に含まれる値である、請求項1から3いずれか1項記載の方法。
【請求項5】
発電機装置のレギュレータの実際の制御値は、論理回路によって15Vよりも小さい電圧値まで低減され、前記所定の電圧値は15Vよりも小さい値である、請求項1から3いずれか1項記載の方法。
【請求項6】
整流器回路を備えた発電機装置であって、
ロードダンプの存在を識別するために、発電機装置の位相電圧の各半波期間毎に、所定の閾値を上回っているか否かを検査する検出器と、
ロードダンプの存在が識別された場合に、位相電圧を、所定の閾値よりも小さい所定の電圧値まで能動的に低減させる電圧リミッタと、
を有していることを特徴とする発電機装置。
【請求項7】
前記整流器回路は、カソード端子と、アノード端子と、当該カソード端子とアノード端子の間に設けられる電子回路とを有しており、前記電子回路は、前記カソード端子とアノード端子との間に設けられる2つのツェナーダイオード(D7,D3)からなる直列回路を有しており、ロードダンプが存在する場合にはブレイク電圧を上回り、そのため当該ツェナーダイオード(D7,D3)を通って電流通流が行われることを特徴とする、請求項6記載の発電機装置。
【請求項8】
前記ツェナーダイオード(D7,D3)を流れる各電流によってトランジスタ回路(Q5,Q6)が駆動制御され、前記トランジスタ回路(Q5,Q6)の出力側は、電流増幅器(Q3,Q4)の入力側に接続されており、前記電流増幅器(Q3,Q4)の出力側はMOSトランジスタのゲート端子に接続されている、請求項7記載の発電機装置。
【請求項9】
前記2つのツェナーダイオードのうちの第1のツェナーダイオード(D7)は、カソード端子と、前記トランジスタ回路の制御端子との間に設けられている、請求項8記載の発電機装置。
【請求項10】
前記2つのツェナーダイオードのうちの第2のツェナーダイオード(D3)は、前記トランジスタ回路の制御端子とアノード端子との間に設けられている、請求項9記載の発電機装置。
【請求項11】
予め設定される電圧値は、第1のツェナーダイオード(D7)のブレーク電圧によって定められる、請求項10記載の発電機装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−175905(P2012−175905A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−36577(P2012−36577)
【出願日】平成24年2月22日(2012.2.22)
【出願人】(390023711)ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング (2,908)
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Stuttgart, Germany
【Fターム(参考)】