説明

電力管理装置、処理装置、電力管理方法及びそのプログラム

【課題】消費電力が所定の許容電力を超えない範囲で複数の処理装置を起動すると共に、優先度を加味した順位で該複数の処理装置を起動することができる。
【解決手段】消費電力管理システム10は、電力・印刷管理サーバ40が印刷処理を実行可能な状態とする起動処理を行っていない複数のプリンタの起動順位を、プリンタの優先度を表す、プリンタの利用頻度としての前回からの印刷枚数と印刷処理可能となるまでに要する起動時間とに基づいて設定し、この複数のプリンタの各々の起動処理に伴う消費電力を取得し、この取得したプリンタの消費電力の総和(総消費電力P)が許容電力Pmaxを超えない範囲となるよう、設定された起動順位に基づいて起動指令を未起動のプリンタへ出力する。そして、この起動指令をプリンタが受信すると起動指令を受信した順番に起動処理(ヒータ38aをオン)を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力管理装置、処理装置、電力管理方法及びそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電力管理装置としては、複数のプリンタエンジンを備え、各プリンタエンジンの定着器のヒータなどの消費電力を監視し、定着器のヒータが消費する電力の総和が予め定められた一定値を超える場合には、プリントジョブをプリンタエンジンに送信しないようにして、消費電力が一定値を超えないようにするものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平11−143663号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、この特許文献1に記載された電力管理装置では、消費電力が許容電力を超えない範囲で複数の処理装置を起動する際に、複数のプリンタエンジンを順番に起動する点については考慮されていなかった。このように、複数のプリンタエンジンを所望の順位で起動することが望まれている。
【0004】
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、消費電力が所定の許容電力を超えない範囲で複数の処理装置を起動すると共に、優先度を加味した順位で該複数の処理装置を起動することができる電力管理装置、電力管理方法及びその方法を提供することを目的の一つとする。また、現在の処理装置の状態を加味した起動順位を設定することができる電力管理装置、電力管理方法及びその方法を提供することを目的の一つとする。また、そのような電力管理装置に利用することが好ましい処理装置を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述の目的の少なくとも一つを達成するために以下の手段を採った。
【0006】
本発明の電力管理装置は、
所定の処理を実行可能な処理装置が複数接続され該接続された複数の処理装置の消費電力を管理する電力管理装置であって、
情報を送信可能な情報出力手段と、
前記所定の処理を実行可能な状態とする起動処理を行っていない複数の未起動処理装置の起動順位を該未起動処理装置の優先度に基づいて設定する順位設定手段と、
前記複数の未起動処理装置の各々の前記起動処理に伴う消費電力を取得する情報取得手段と、
前記取得した未起動処理装置の消費電力が所定の許容電力を超えない範囲となるよう前記設定された起動順位に基づいて前記起動処理の実行開始の指令である起動指令を前記未起動処理装置へ出力するよう前記情報出力手段を制御する管理制御手段と、
を備えたものである。
【0007】
この電力管理装置では、所定の処理を実行可能な状態とする起動処理を行っていない複数の未起動処理装置の起動順位を未起動処理装置の優先度に基づいて設定し、この複数の未起動処理装置の各々の起動処理に伴う消費電力を取得し、この取得した未起動処理装置の消費電力が所定の許容電力を超えない範囲となるよう、設定された起動順位に基づいて起動処理の実行開始の指令である起動指令を未起動処理装置へ出力する。そして、この起動指令を処理装置が受信すると起動指令を受信した順番に起動処理を実行する。したがって、消費電力が所定の許容電力を超えない範囲で複数の処理装置を起動すると共に、優先度を加味した順位で該複数の処理装置を起動することができる。
【0008】
本発明の電力管理装置において、前記管理制御手段は、前記未起動処理装置の消費電力が前記許容電力を超えない範囲となるよう前記起動順位に基づいて前記起動指令を出力するに際して、前記起動順位の順に前記起動処理に伴う消費電力を加算し、該消費電力の総和が前記許容電力以下となる前記未起動処理装置に対して前記起動指令を出力するよう前記情報出力手段を制御するものとしてもよい。こうすれば比較的容易に、消費電力が所定の許容電力を超えない範囲で複数の処理装置を起動すると共に、優先度を加味した順位で該複数の処理装置を起動することができる。このとき、前記管理制御手段は、前記優先順位の順に前記起動処理に伴う消費電力を加算し、該消費電力の総和が前記許容電力を超えたときには、該消費電力の総和が超えた未起動処理装置の起動処理を次回以降にすると共に、残りの未起動処理装置の中から前記許容電力以下となる未起動処理装置を前記起動順位に基づいて選択し、該選択した未起動処理装置に前記起動指令を出力するよう前記情報出力手段を制御するものとしてもよい。こうすれば、当初設定した起動順位に忠実に起動するよりも迅速に複数の未起動処理装置の起動処理を完了することができる。
【0009】
本発明の電力管理装置において、前記順位設定手段は、前記未起動処理装置に関する経時変化するパラメータを前記優先度として前記起動順位を設定するものとしてもよい。こうすれば、未起動処理装置の経時変化した状態を加味して適正な起動順位を設定することができる。このとき、前記未起動処理装置に関する経時変化するパラメータには、前記未起動処理装置の利用頻度に関する情報及び前記起動処理に要する時間のうち少なくとも一方が含まれるものとしてもよい。ここで、利用頻度が高い未起動処理装置を優先的に起動するものとすれば、ユーザが利用したい処理装置がより迅速に利用できるようになるし、起動処理に要する時間が短い未起動処理装置を優先的に起動するものとすれば、できるだけ短時間でより多くの処理装置が利用できるようになる。このとき、前記情報取得手段は、前記未起動処理装置に関する経時変化するパラメータを該未起動処理装置から取得するものとしてもよい。あるいは、本発明の電力管理装置は、前記未起動処理装置に関する経時変化するパラメータを記憶する記憶手段、を備え、前記情報取得手段は、前記記憶手段から前記未起動処理装置に関する経時変化するパラメータを取得するものとしてもよい。
【0010】
本発明の電力管理装置において、前記情報取得手段は、前記未起動処理装置の所定処理に関する情報である起動情報を前記優先度として該未起動処理装置から取得可能であり、前記管理制御手段は、前記未起動処理装置から前記情報取得手段へ前記起動情報が出力される指令である起動情報出力指令を該未起動処理装置へ出力するよう前記情報出力手段を制御し、前記順位設定手段は、前記情報取得手段が前記未起動処理装置から前記起動情報を取得したあと、該取得した起動情報に基づいて前記起動順位を設定するものとしてもよい。こうすれば、未起動処理装置の優先度としての起動情報を未起動処理装置から取得したあと起動順位を設定するため、現在の未起動処理装置の状態を加味した起動順位を設定することができる。特に、未起動処理装置に関する経時変化するパラメータを優先度として取得する態様を採用したものは、現在の未起動処理装置の状態を十分に加味した起動順位を設定することができる。
【0011】
本発明の電力管理装置において、前記管理制御手段は、前記設定した起動順位と前記未起動処理装置が前記起動処理に要する時間とに基づいて前記複数の未起動処理装置の各々の起動終了タイミングに関する情報を求め、該求めた起動終了タイミングに関する情報をユーザへ出力するよう前記情報出力手段を制御するものとしてもよい。こうすれば、消費電力が許容電力を超えないように起動処理を実行している状態をユーザが十分把握することができる。また、ユーザがどの処理装置に処理を依頼すれば迅速に処理可能かを認識することができる。ここで、「ユーザへ出力する」とは、表示手段に表示出力したり、音声出力手段に音声出力したり、ユーザのパソコンへ送信出力したりすることを含む。このとき、前記制御手段は、前記起動終了タイミングに関する情報をユーザへ出力するに際して、前記未起動処理装置と該未起動処理装置が前記所定処理を実行可能になるまでの時間とを各々対応付けた態様で表示可能な情報を前記ユーザへ出力するよう前記情報出力手段を制御するものとしてもよい。こうすれば、ユーザは、処理装置が利用可能になるまでの時間を視認可能であるため、より容易にどの処理装置に処理を依頼すれば迅速に処理可能かを認識することができる。
【0012】
本発明の処理装置は、
上述したいずれかに記載の電力管理装置から情報を受信可能な受信手段と、
前記電力管理装置へ情報を送信可能な送信手段と、
前記所定の処理として印刷媒体へ画像を印刷処理可能な印刷処理手段と、
前記受信手段が前記電力管理装置から前記印刷処理を実行可能な状態とする起動処理の実行開始の指令である起動指令を受信したときには、前記起動処理を実行するよう前記印刷処理手段を制御する印刷制御手段と、
を備えたものである。
【0013】
この処理装置では、電力管理装置から起動指令を受信したあとで起動処理を実行するため、上述の電力管理装置に用いられるのが好ましい。また、印刷処理の前に、例えば電子写真方式の印刷装置では定着器のヒータの加熱処理や、インク吐出方式の印刷装置ではクリーニング処理などの起動処理が必要であるため、本発明を印刷処理に適用する意義が高い。
【0014】
本発明の電力管理方法は、
所定の処理を実行可能な処理装置が複数接続され該接続された複数の処理装置の消費電力を管理する電力管理装置を利用した電力管理方法であって、
(a)前記所定の処理を実行可能な状態とする起動処理を行っていない複数の未起動処理装置の起動順位を該未起動処理装置の優先度に基づいて設定するステップと、
(b)前記複数の未起動処理装置の各々の前記起動処理に伴う消費電力を取得するステップと、
(c)前記ステップ(b)で取得した未起動処理装置の消費電力が所定の許容電力を超えない範囲となるよう前記ステップ(a)で設定された起動順位に基づいて前記起動処理の実行開始の指令である起動指令を前記未起動処理装置へ出力するステップと、
を含むものである。
【0015】
この電力管理方法では、所定の処理を実行可能な状態とする起動処理を行っていない複数の未起動処理装置の起動順位を未起動処理装置の優先度に基づいて設定し、この複数の未起動処理装置の各々の起動処理に伴う消費電力を取得し、この取得した未起動処理装置の消費電力が所定の許容電力を超えない範囲となるよう、設定された起動順位に基づいて起動処理の実行開始の指令である起動指令を未起動処理装置へ出力する。そして、この起動指令を処理装置が受信すると起動指令を受信した順番に起動処理を実行する。したがって、消費電力が所定の許容電力を超えない範囲で複数の処理装置を起動すると共に、優先度を加味した順位で該複数の処理装置を起動することができる。なお、この電力管理方法において、上述した電力管理装置の種々の態様を採用してもよいし、また、上述した電力管理装置の各機能を実現するようなステップを追加してもよい。
【0016】
本発明のプログラムは、上述した電力管理方法の各ステップを1又は複数のコンピュータに実現させるためのものである。このプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体(例えばハードディスク、ROM、FD、CD、DVDなど)に記録されていてもよいし、伝送媒体(インターネットやLANなどの通信網)を介してあるコンピュータから別のコンピュータへ配信されてもよいし、その他どのような形で授受されてもよい。このプログラムを一つのコンピュータに実行させるか又は複数のコンピュータに各ステップを分担して実行させれば、上述した電力管理方法の各ステップが実行されるため、電力管理方法と同様の作用効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
次に本発明を具現化した一実施形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態である消費電力管理システム10の構成の概略を示す構成図であり、図2は、電力・印刷管理サーバ40が備えるHDD45に記憶された起動管理情報45a及びユーザPC管理情報45bの説明図である。本実施例の消費電力管理システム10は、ネットワークとしてのLAN12に接続され本発明の処理装置としての機能を備えた複数のプリンタ20,62,64,66,68と、このプリンタ20などとLAN12を介して接続され本発明の電力管理装置としての機能を備えた電力・印刷管理サーバ40と、プリンタ20や電力・印刷管理サーバ40とLAN12を介して接続された複数のユーザパソコン(以下ユーザPCとする)50,72とによって構成されている。この消費電力管理システム10では、図示しないがプリンタが10台接続されているものとする。なお、ここでは、プリンタを10台、ユーザPCを2台としたが、それぞれを2以上の任意の数だけ備えたものとしてもかまわない。
【0018】
プリンタ20は、装置全体の制御を司るコントローラ21と、プリンタ機構31を制御するプリンタASIC(Application Specific Integrated Circuit)32を含んで構成されるプリンタ部30と、電気通信回線としてのLAN12に接続された外部機器との間で信号の送受信が可能なネットワークインターフェース(I/F)26とを備えている。コントローラ21は、CPU22を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、各種処理プログラムを記憶したROM23と、一時的にデータを記憶したりデータを保存したりするRAM24と、データを書き込み消去可能なフラッシュメモリ25とを備えている。フラッシュメモリ25には、現在の総印刷枚数や現在の定着ユニット38のヒータ38aの温度などに基づいて求められる起動時間や起動処理に必要な消費電力などプリンタの印刷処理に関する情報を含む起動情報25aが保存されている。この起動情報25aは、印刷処理が終了したりプリンタ20の電源が投入されたりするたびに更新される。コントローラ21は、バス28を介してプリンタASIC32やI/F26と接続されている。プリンタ機構31は、図1に示すように、単一感光体方式と中間転写方式とを採用したフルカラーの電子写真方式の印刷機構として構成され、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色に色分解された各色ごとの画像の静電潜像をその表面に形成する感光体33と、装着された各色のトナーカートリッジから供給される各色のトナーを用いて感光体33上に形成された静電潜像をトナー像として現像する現像器34と、現像したトナー像を重ね合わせるよう一次転写する中間転写体としての転写ベルト35と、図示しない用紙トレイから搬送された記録紙Sに転写ベルト35上に形成された4色のトナー像を二次転写する二次転写ユニット37と、記録紙S上に転写された4色のトナー像をヒータ38aにより記録紙Sに溶融し定着させる定着ユニット38と、を備え印刷を行うものである。現像器34は、装着された各トナーカートリッジがそれぞれ感光体33に対向するように回転可能に構成されている。なお、プリンタASIC32は、プリンタ機構31を制御する機能を備えたICチップであり、RAM24に設けられた印刷バッファ内に記憶されたデータを1ページごとにビットマップイメージに展開し該展開したデータが記録紙Sに印刷されるようにプリンタ機構31を制御するものである。このプリンタ20は、電源投入直後にはヒータ38aに通電しない未起動モードで起動するよう設定されている。本明細書では、ヒータ38aの温度を上昇させ印刷処理を実行可能な状態とする処理を「起動処理」と称し、電源投入後に起動処理を行っていない状態を「未起動状態」と称し、起動処理の完了後の状態を「定温状態」と称し、ヒータ38aの温度を上昇させ未起動モードから定温モードへ移行するのにかかる時間を「起動時間」と称するものとする。ここでは、ヒータ38aの温度を検出し、この温度を加味して起動時間を算出する、即ち定着ユニット38の温度が高いときには起動時間が短くなるように起動時間を算出するものとした。なお、プリンタ62,64,66,68は、電子写真方式のプリンタ機構を備えており、プリンタ20と同様の構成であるため、その説明を省略する。
【0019】
電力・印刷管理サーバ40は、プリンタ20などの起動時の電力管理や、ユーザPC50などのクライアントからの印刷ジョブをプリンタ20などへ送信して印刷処理を実行する処理などを行うサーバである。この電力・印刷管理サーバ40は、各種制御を実行するCPU42と、各種制御プログラムを記憶するROM43と、データを一時記憶するRAM44と、各種アプリケーションプログラムや各種データファイルを記憶する大容量メモリであるHDD45と、LAN12に接続された外部機器との間で信号の送受信が可能なI/F46とを備えている。このCPU42は、図示しないバスによって情報のやり取りが可能なようにHDD45やI/F46などと接続されている。この電力・印刷管理サーバ40は、LAN12を介してプリンタ20やユーザPC50などとデータを送受信する際には、RAM44の所定領域に設けられた受信バッファ及び送信バッファを利用して行う。HDD45には、図2に示すように、LAN12に接続された各プリンタの情報を含みプリンタの起動順位を設定する際に用いられる起動管理情報45aやユーザに関する情報であるユーザ管理情報45bなどが記憶されている。起動管理情報45aには、プリンタの名称や各プリンタに固有のシリアルナンバー、プリンタの総印刷枚数及び前回起動時の印刷枚数と現在の総印刷枚数との差分などを含む印刷枚数情報、待機モードから印刷処理を実行可能な状態とするのに必要な時間としての起動時間、印刷可能状態とするのに必要な消費電力などの情報のほか、プリンタのアドレス、プリンタのステータスなどの情報が含まれている。ここでは、プリンタ20が「プリンタA」、プリンタ62が「プリンタB」、プリンタ64が「プリンタC」、・・・に対応しているものとした。ユーザ管理情報45bには、本システムを利用するユーザの名称や、ユーザが使用するPCのアドレス、ユーザに固有のユーザID,ユーザIDに対応付けられたパスワード、ユーザのメールアドレスなどが含まれている。
【0020】
ユーザPC50は、ユーザが使用する情報処理装置として構成された周知の汎用パソコンであり、図1に示すように、各種制御を実行するCPU52と、各種制御プログラムを記憶するROM53と、データを一時記憶するRAM54と、各種アプリケーションプログラムや各種データファイルを記憶する大容量メモリであるHDD55と、LAN12に接続された外部機器との間で信号の送受信が可能なI/F56とを備えている。このユーザPC50は、インストールされたプログラムによりファイルの印刷指令をLAN12を介してプリンタ20に送信したり、電力・印刷管理サーバ40に情報を送信したり電力・印刷管理サーバ40から送信された情報を受信したりする。このユーザPC50は、各種情報を画面表示するディスプレイ58や、ユーザが各種指令を入力するキーボード等の入力装置59などを備え、ディスプレイ58に表示されたカーソル等をユーザが入力装置59を介して入力操作するとその入力操作に応じた動作を実行する機能を有している。なお、ユーザPC72は、ユーザPC50と同様の構成であるため、その説明を省略する。
【0021】
次に、こうして構成された本実施形態の消費電力管理システム10の動作について、まず、プリンタ20,62,64,66,68を起動する際の動作について説明する。なお、ここでは、各プリンタのスイッチは常にオンになっており、電力・印刷管理サーバ40のスイッチオン・オフに基づいて各プリンタへの電力供給がオン・オフされるよう設定されている場合について説明する。また、説明の便宜のため、以下、主にプリンタ20とユーザPC50とを用いて説明する。図3は、電力・印刷管理サーバ40のCPU42により実行される電力管理プリンタ起動処理ルーチンの一例を示すフローチャートであり、図4は、起動処理を実行する際の電力・印刷管理サーバ40とプリンタ20との各処理及び通信の様子をシーケンシャルに示す説明図である。なお、図4に示した各ステップ番号は、図3のルーチンのステップ番号に対応している。この電力管理プリンタ起動処理ルーチンは、HDD45に記憶され、電力・印刷管理サーバ40のスイッチがオンされたあとCPU42により実行される。
【0022】
このルーチンを開始すると、CPU42は、LAN12に接続されている各プリンタへの電力供給を開始すると共に、まだ起動処理を実行しない旨の未起動指令を各プリンタへ送信し(ステップS100)、利用頻度を表す総印刷枚数や起動時間や起動時の消費電力などを含む起動情報を電力・印刷管理サーバ40へ送信する旨の指令である起動情報出力指令を各プリンタへ送信する(ステップS110)。この未起動指令を受信したプリンタ20は、図4に示すように、未起動状態で待機し(ステップS300)、この起動情報出力指令を受信した各プリンタは、フラッシュメモリ25に記憶された起動情報25aを電力・印刷管理サーバ40へ送信する処理を行う(ステップS310)。次に、CPU42は、各プリンタから起動情報を受信したか否かを判定し(ステップS120)、起動情報を全て受信していないときにはそのまま待機し、起動情報を全て受信したときには、受信した起動情報を用いて起動管理情報45aを更新する(ステップS130)。このとき、現在の総印刷枚数と前回の総印刷枚数との差分も計算して起動管理情報45aに格納する。
【0023】
次に、CPU42は、各プリンタの利用頻度に基づいてプリンタの起動順位を設定する(ステップS140)。ここでは、前回からの印刷枚数の差分を利用頻度として用い、利用頻度が高いプリンタ、即ち前回と今回との印刷枚数の差分が一番大きいプリンタを上位としてプリンタの起動順位を設定する。続いて、CPU42は、同順位のプリンタがあるか否かを印刷枚数の差分が同じ値であるか否かに基づいて判定し(ステップS150)、同順位のプリンタがあった場合は、この同順位のものの中で起動時間に基づいて起動順位を設定する(ステップS160)。ここでは、起動時間が短いプリンタを上位として起動順位を設定する。次に、CPU42は、更に同順位のプリンタがあるか否かを起動時間が同じであるか否かに基づいて判定し(ステップS170)、更に同順位のプリンタがあるときには、この同順位のものの中でシリアルナンバーが小さいものを上位としてプリンタの起動順位を設定する(ステップS180)。このように、利用頻度の高いプリンタを最優先とし、次に起動時間が短いものを優先してプリンタの起動順位を設定するのである。
【0024】
ステップS150及びステップS170で同順位のプリンタがない、即ち起動順位が重複しないときには、起動順位を確定可能とみなし、プリンタ順位nに値1をセットし、即ち起動する順番を1番目のプリンタに設定し(ステップS190)、現在プリンタの起動処理で消費されている総消費電力Pにn番目のプリンタの起動処理で消費される消費電力Pnを加えることによりn番目のプリンタの起動処理が実行されるときの総消費電力Pを算出する(ステップS200)。なお、総消費電力Pの初期値は値0である。次に、CPU42は、算出した総消費電力Pが、システムで許容される電力量として予め定められた許容電力Pmaxを超えているか否かを判定し(ステップS210)、総消費電力Pが許容電力Pmaxを超えていないときには、起動処理を実行する旨の指令である起動指令をn番目のプリンタに送信出力する(ステップS220)。この許容電力Pmaxは、システム管理者の入力により、予めHDD45の所定領域に記憶されている。そして、この起動指令を受信したn番目のプリンタ20は、図4に示すように、起動処理としてヒータ38aをオンし定着ユニット38の温度上昇を開始する(ステップS320)。なお、プリンタ20は、その後定着ユニット38が定温状態となったら、起動完了の信号を電力・印刷管理サーバ40へ送信する(ステップS330)。さて、CPU42は、すべてのプリンタに起動指令を送信したか否かを判定し(ステップS230)、すべてのプリンタに起動指令を送信していないときには、起動順位nを1インクリメントし(ステップS240)、ステップS200以降の処理を実行する。したがって、総消費電力Pが許容電力Pmaxを超えない範囲で、起動順位の順番で起動指令が各プリンタへ送信出力される。
【0025】
一方、CPU42は、ステップS200で計算した総消費電力Pが許容電力Pmaxを超えると判定されたときには、n番目のプリンタが起動処理を実行すると総消費電力Pが許容電力Pmaxを超えてしまうものとみなしn番目のプリンタへの起動指令は行わず、既に起動処理を実行しているいずれかのプリンタから起動完了信号を受信したか否かを判定する(ステップS250)。起動完了信号を受信していないときには、そのまま待機し、起動完了信号を受信したときには、起動完了信号を受信したプリンタの起動処理での消費電力を総消費電力Pから減じて総消費電力Pを再計算し(ステップS260)、ステップS210以降の処理を実行する。ステップS210で総消費電力Pが許容電力Pmaxを超えていると判定されると、ステップS250で更に他のプリンタの起動完了を待ち、ステップS210で総消費電力Pが許容電力Pmaxを超えていないときには、ステップS220でn番目のプリンタに起動指令を送信出力する。そして、ステップS230ですべてのプリンタに起動指令を送信したときには、このルーチンを終了する。なお、CPU42は、起動完了信号を受信すると、起動が完了したプリンタに対応する起動管理情報45aの起動状態の欄(図示せず)に「起動完了」を登録する。
【0026】
ここで、起動順位を設定したあと起動指令を行うまでの一連の処理について図を用いて説明する。図5は、複数の未起動のプリンタへ起動指令するときの経時的な説明図である。なお、図5において、2回目以降の起動プリンタ群に網掛け処理を施した。複数の未起動プリンタの起動順位は、前回のスイッチオンから今回のスイッチオンまでの印刷枚数(差分)が多いプリンタがより上位になるよう設定し、印刷枚数が同じものがあれば起動時間が短いものをより上位とし、更に起動時間が同じプリンタがあるときはシリアルナンバーが小さいものをより上位となるよう設定する(ステップS140〜S180)。ここでは、プリンタA,E,B,C,D,Fの順に起動順位が設定されたものとした。そして、設定した起動順位の順番に、許容電力Pmaxを超えないように各プリンタへ起動指令を送信出力する(ステップS220)。図5に示すように、電力・印刷管理サーバ40は、起動順位を設定し(時刻t0)、プリンタA,E,Bへの起動指令を送信したあと、プリンタCの消費電力を総消費電力Pに加えると許容電力Pmaxを超えることからプリンタCへの起動指令を待ち状態とし(時刻t1)、起動処理中の他のプリンタの起動完了を待つ。次に、プリンタEから起動完了の信号を取得すると総消費電力Pを再計算し、再計算した総消費電力Pが許容電力Pmax以内であると判定すると、プリンタCへ起動指令を送信出力する。このとき、次のプリンタDの消費電力を加えると総消費電力Pが許容電力Pmaxを超えることから、プリンタDへの起動指令を待ち状態とする。そして、プリンタAの起動完了の信号を受信すると(時刻3)、総消費電力Pを再計算し、総消費電力Pが許容電力Pmax以下であると判定すると、プリンタDへ起動指令を送信出力する。続いて、プリンタBの起動完了の信号を受信すると、総消費電力Pを再計算し、総消費電力Pが許容電力Pmax以下であると判定すると、プリンタFへ起動指令を送信出力する。その後、プリンタCからの起動完了の信号を受信すると(時刻t4)、以下、同様の処理を行う。このように、消費電力管理システム10では、プリンタの起動処理で用いられる電力が許容電力Pmaxを超えない範囲でプリンタの優先度に基づく順番で各々のプリンタが起動するのである。
【0027】
次に、この各プリンタの起動処理中にユーザPC50などからプリンタの起動状態の問合せを受信したときの電力・印刷管理サーバ40の処理について説明する。図6は、プリンタ起動情報提供処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、HDD45に記憶され、電力・印刷管理サーバ40のスイッチがオンされたあとCPU42よって実行される。このルーチンを開始すると、CPU42は、上述した電力管理プリンタ起動処理ルーチンのステップS220で、1番目のプリンタへ起動指令を送信出力するのを待って、プリンタを起動する処理の経過時間を計測すべく、図示しないタイマをスタートし(ステップS400)、いずれかのプリンタの起動状態の問い合わせがユーザPC50などのクライアントからあるか否かを判定する(ステップS410)。プリンタの起動状態の問合せがあったときには、CPU42は、各プリンタの状態を起動管理情報45aに基づいて把握し、各プリンタの起動完了までの時間を算出する(ステップS420)。各プリンタの起動完了までの時間は、図5に示すような経過状態を予め求めることにより算出することができる。次に、CPU42は、問合せがあったプリンタの起動状態や起動処理が完了するまでの時間などの情報をプリンタに対応づけた態様で表示される情報として問合せ元であるユーザPC50へ送信出力する(ステップS430)。この情報を受信したユーザPC50は、図7に示す印刷設定画面80をディスプレイ58に表示する。図7は、ユーザPC50のディスプレイ58に表示される印刷設定画面80の説明図である。この印刷設定画面80には、利用可能に登録されたプリンタの起動状況(印刷可能や起動処理中など)を表示する起動状況表示部81や印刷可能となるまでの残り時間をバー表示する残時間表示部82などが含まれている。そして、ステップS430のあと、CPU42は、すべてのプリンタが起動処理を終了したか否かを判定し(ステップS440)、すべてのプリンタが起動処理を終了していないときにはステップS410以降の処理を実行し、すべてのプリンタが起動処理を終了したときには、タイマを停止し(ステップS450)、このルーチンを終了する。このように、印刷設定画面80の内容を確認し、ユーザはどのプリンタが現在利用可能であるかや、比較的速く利用可能となるかなどを視認することができる。
【0028】
ここで、本実施形態の構成要素と本発明の構成要素との対応関係を明らかにする。本実施形態の電力・印刷管理サーバ40が本発明の電力管理装置に相当し、このうち、I/F46が本発明の情報出力手段に相当し、CPU42が順位設定手段、情報取得手段及び管理制御手段に相当する。また、プリンタ20が本発明の処理装置に相当し、このうち、I/F26が本発明の受信手段及び送信手段に相当し、プリンタ部30が印刷処理手段に相当し、CPU22が印刷制御手段に相当する。なお、本実施形態では、消費電力管理システム10の動作を説明することにより本発明の電力管理方法の一例も明らかにしている。
【0029】
以上詳述した本実施形態の消費電力管理システム10によれば、印刷処理を実行可能な状態とする起動処理を行っていない複数のプリンタの起動順位を、プリンタの優先度を表す経時変化するパラメータである、プリンタの利用頻度としての前回からの印刷枚数と起動時間とに基づいて設定し、この複数のプリンタの各々の起動処理に伴う消費電力を取得し、この取得したプリンタの消費電力の総和(総消費電力P)が許容電力Pmaxを超えない範囲となるよう、設定された起動順位に基づいて起動指令を未起動のプリンタへ出力する。そして、この起動指令をプリンタが受信すると起動指令を受信した順番に起動処理を実行する。したがって、消費電力が許容電力Pmaxを超えない範囲で複数のプリンタを起動すると共に、優先度を加味した順位でこの複数のプリンタを起動することができる。このため、ユーザは利用したいプリンタをより迅速に利用することができる。また、起動順位の順に起動処理に伴う消費電力を加算し総消費電力Pを求め、この総消費電力Pが許容電力Pmax以下となるプリンタに対して起動指令を出力するため、比較的容易に上記効果を得ることができる。更に、利用頻度が高い未起動処理装置を優先的に起動するため、ユーザが利用したいプリンタがより迅速に利用できるようになるし、起動処理に要する時間が短いプリンタを次に優先的に起動するため、できるだけ短時間でより多くの処理装置を利用することができる。更にまた、未起動のプリンタの優先度としての起動情報25aをプリンタから取得したあと起動順位を設定するため、現在の未起動のプリンタの状態を加味した起動順位を設定することができる。特に、経時変化するパラメータである前回からの印刷枚数と起動時間とを優先度として取得するため、現在のプリンタの状態を十分に加味した適正な起動順位を設定することができる。そして、複数の未起動のプリンタの各々の起動終了タイミングを算出し、この算出した起動終了タイミングをユーザへ出力するため、消費電力が許容電力を超えないように起動処理を実行している状態をユーザが十分把握することができるし、ユーザがどのプリンタに処理を依頼すれば迅速に印刷処理可能かを認識することができる。また、この起動終了タイミングに関する情報を未起動のプリンタと印刷処理を実行可能になるまでの時間とを各々対応付けた態様で表示可能な情報としてユーザへ出力するため、ユーザは、処理装置が利用可能になるまでの時間を視認可能であり、より容易にどのプリンタに処理を依頼すれば迅速に印刷処理可能かを認識することができる。また、プリンタ20は、電力・印刷管理サーバ40から起動指令を受信したあとで起動処理を実行するため、上述の消費電力管理システム10に用いられるのが好ましい。また、電子写真方式のプリンタ部30では定着ユニット38のヒータの加熱処理が印刷処理の前に必要であるため、本発明をプリンタ20に適用する意義が高い。
【0030】
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
【0031】
例えば、上述した実施形態では、設定された起動順位に従って起動指令を未起動のプリンタへ送信するものとしたが、優先順位の順に起動処理に伴う消費電力を加算し、総消費電力Pが許容電力Pmaxを超えたときには、消費電力の総和が超えた未起動プリンタの起動処理を次回以降にすると共に、残りの未起動プリンタの中から許容電力Pmax以下となるものを起動順位に基づいて選択し、この選択した未起動プリンタに起動指令を出力するものとしてもよい。例えば、図5に示すように、プリンタCへ起動指令したあと(時刻t2)起動順位通りにプリンタDの起動指令を待つ(時刻t3)ものとしたが、図8に示すように、プリンタDよりあとの起動順位のプリンタのうち、起動処理を行っても総消費電力Pが許容電力Pmaxを超えないものがあれば、そのプリンタへ先に起動指令を送信出力するのである。こうすれば、一旦設定された起動順位に忠実に起動するよりも迅速に複数の未起動プリンタの起動処理を完了することができる。
【0032】
上述した実施形態では、プリンタの利用頻度を最も優先し、次に起動時間を優先し、最後にシリアルナンバーを用いて起動順位を定めるものとしたが、これらのうちいずれか1以上を省略するものとしてもよいし、これらの優先順位を変えて起動順位を設定するものとしてもよい。また、これらとは別の優先度をこれらのうちいずれかに代えて又は加えて起動順位を設定するものとしてもよい。なお、プリンタの利用頻度として印刷枚数の差分を用いるものとしたが、プリンタの利用頻度としてユーザPC50などのクライアントからプリンタへのアクセス数を用いるものとしてもよい。
【0033】
上述した実施形態では、プリンタ20のスイッチがオン状態となっており、電力・印刷管理サーバ40のスイッチオンされたあと電力・印刷管理サーバ40が電力を供給するものとして説明したが、電力・印刷管理サーバ40が常にオン状態であり、ブレーカのオンに伴い複数のプリンタが一斉にスイッチオンになるような態様であってもよい。こうしても、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。このとき、プリンタは、未起動状態でスイッチオンになるものとし、スイッチオン後に起動情報を電力・印刷管理サーバ40へ送信するものとしてもよい。この起動情報を受信した電力・印刷管理サーバ40が、上述した電力管理プリンタ管理処理ルーチンのステップS130以降の処理を実行するものとすればよい。あるいは、このブレーカのオンに代えて複数のプリンタのスイッチをユーザが順番にオンにする態様としてもよい。このとき、電力・印刷管理サーバ40は、1番目の起動情報を受信したあと所定時間(例えば数秒や十数秒、数十秒など)待ち、この所定時間の間に受信した起動情報に対応するプリンタの起動順位を設定するものとしてもよい。これらのように、未起動のプリンタに対して起動順位に基づいて起動処理を実行するものであれば、特に限定されない。
【0034】
上述した実施形態では、電力・印刷管理サーバ40のスイッチオンのあとに起動情報を未起動プリンタから取得するものとしたが、電力・印刷管理サーバ40をスイッチオフする前に起動情報を各プリンタから取得し起動管理情報45aを更新しておき、電力管理プリンタ起動処理ルーチンではこの処理を省略してもよい。
【0035】
上述した実施形態では、プリンタの起動状況や印刷可能となるまでの残り時間などを含む印刷設定画面80をユーザPC50へ送信出力しディスプレイ58に表示させるものとしたが、電力・印刷管理サーバ40に接続されたディスプレイに印刷設定画面80を表示出力するものとしてもよいし、スピーカを備えるものとし、音声出力するものとしてもよい。こうしても、ユーザはプリンタの起動状態などを把握することができる。
【0036】
上述した実施形態では、フルカラーの電子写真方式のプリンタ部30を備えるものとしたが、フルカラーのインク吐出方式のプリンタ部を備えるものとしてもよい。インク吐出方式のプリンタではクリーニング処理などの起動処理が必要であるため、本発明を適用する意義が高い。また、熱転写方式のプリンタや、ドットインパクト方式のプリンタとしてもよいし、これらのモノクロプリンタとしてもよい。また、プリンタ20を本発明の処理装置として説明したが、スキャナを備えたマルチファンクションプリンタや、FAXなどに適用してもよいし、起動時に電力をより多く消費するその他の機器などに特に限定されずに適用することができる。また、電力・印刷管理サーバ40の態様で本発明を説明したが、電力管理方法の態様としてもよいし、この方法のプログラムの態様としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】消費電力管理システム10の構成の概略を示す構成図である。
【図2】HDD45に記憶された情報の説明図である。
【図3】電力管理プリンタ起動処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【図4】起動処理及び通信の様子をシーケンシャルに示す説明図である。
【図5】複数の未起動のプリンタへ起動指令するときの経時的な説明図である。
【図6】プリンタ起動情報提供処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【図7】ディスプレイ58に表示される印刷設定画面80の説明図である。
【図8】複数の未起動のプリンタへ起動指令するときの経時的な説明図である。
【符号の説明】
【0038】
10 消費電力管理システム、12 LAN、20,62,64,66,68 プリンタ、21 コントローラ、22 CPU、23 ROM、24 RAM、25 フラッシュメモリ、25a 起動情報、26 ネットワークインターフェース(I/F)、28 バス、30 プリンタ部、31 プリンタ機構、32 プリンタASIC、33 感光体、34 現像器、35 転写ベルト、37 二次転写ユニット、38 定着ユニット、38a ヒータ、40 電力・印刷管理サーバ、42 CPU、43 ROM、44 RAM、45 HDD、45a 起動管理情報、45b ユーザ管理情報、46 I/F、50,72 ユーザPC、52 CPU、53 ROM、54 RAM、55 HDD、56 I/F、58 ディスプレイ、59 入力装置、80 印刷設定画面、81 起動状況表示部、82 残時間表示部、S 記録紙。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の処理を実行可能な処理装置が複数接続され該接続された複数の処理装置の消費電力を管理する電力管理装置であって、
情報を送信可能な情報出力手段と、
前記所定の処理を実行可能な状態とする起動処理を行っていない複数の未起動処理装置の起動順位を該未起動処理装置の優先度に基づいて設定する順位設定手段と、
前記複数の未起動処理装置の各々の前記起動処理に伴う消費電力を取得する情報取得手段と、
前記取得した未起動処理装置の消費電力が所定の許容電力を超えない範囲となるよう前記設定された起動順位に基づいて前記起動処理の実行開始の指令である起動指令を前記未起動処理装置へ出力するよう前記情報出力手段を制御する管理制御手段と、
を備えた電力管理装置。
【請求項2】
前記管理制御手段は、前記未起動処理装置の消費電力が前記許容電力を超えない範囲となるよう前記起動順位に基づいて前記起動指令を出力するに際して、前記起動順位の順に前記起動処理に伴う消費電力を加算し、該消費電力の総和が前記許容電力以下となる前記未起動処理装置に対して前記起動指令を出力するよう前記情報出力手段を制御する、請求項1に記載の電力管理装置。
【請求項3】
前記管理制御手段は、前記優先順位の順に前記起動処理に伴う消費電力を加算し、該消費電力の総和が前記許容電力を超えたときには、該消費電力の総和が超えた未起動処理装置の起動処理を次回以降にすると共に、残りの未起動処理装置の中から前記許容電力以下となる未起動処理装置を前記起動順位に基づいて選択し、該選択した未起動処理装置に前記起動指令を出力するよう前記情報出力手段を制御する、請求項2に記載の電力管理装置。
【請求項4】
前記順位設定手段は、前記未起動処理装置に関する経時変化するパラメータを前記優先度として前記起動順位を設定する、請求項1〜3のいずれかに記載の電力管理装置。
【請求項5】
前記未起動処理装置に関する経時変化するパラメータには、前記未起動処理装置の利用頻度に関する情報及び前記起動処理に要する時間のうち少なくとも一方が含まれる、請求項4に記載の電力管理装置。
【請求項6】
前記情報取得手段は、前記未起動処理装置の所定処理に関する情報である起動情報を前記優先度として該未起動処理装置から取得可能であり、
前記管理制御手段は、前記未起動処理装置から前記情報取得手段へ前記起動情報が出力される指令である起動情報出力指令を該未起動処理装置へ出力するよう前記情報出力手段を制御し、
前記順位設定手段は、前記情報取得手段が前記未起動処理装置から前記起動情報を取得したあと、該取得した起動情報に基づいて前記起動順位を設定する、
請求項1〜5のいずれかに記載の電力管理装置。
【請求項7】
前記管理制御手段は、前記設定した起動順位と前記未起動処理装置が前記起動処理に要する時間とに基づいて前記複数の未起動処理装置の各々の起動終了タイミングに関する情報を求め、該求めた起動終了タイミングに関する情報をユーザへ出力するよう前記情報出力手段を制御する、請求項1〜6のいずれかに記載の電力管理装置。
【請求項8】
前記制御手段は、前記起動終了タイミングに関する情報をユーザへ出力するに際して、前記未起動処理装置と該未起動処理装置が前記所定処理を実行可能になるまでの時間とを各々対応付けた態様で表示可能な情報を前記ユーザへ出力するよう前記情報出力手段を制御する、請求項7に記載の電力管理装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかに記載の電力管理装置から情報を受信可能な受信手段と、
前記電力管理装置へ情報を送信可能な送信手段と、
前記所定の処理として印刷媒体へ画像を印刷処理可能な印刷処理手段と、
前記受信手段が前記電力管理装置から前記印刷処理を実行可能な状態とする起動処理の実行開始の指令である起動指令を受信したときには、前記起動処理を実行するよう前記印刷処理手段を制御する印刷制御手段と、
を備えた処理装置。
【請求項10】
所定の処理を実行可能な処理装置が複数接続され該接続された複数の処理装置の消費電力を管理する電力管理装置を利用した電力管理方法であって、
(a)前記所定の処理を実行可能な状態とする起動処理を行っていない複数の未起動処理装置の起動順位を該未起動処理装置の優先度に基づいて設定するステップと、
(b)前記複数の未起動処理装置の各々の前記起動処理に伴う消費電力を取得するステップと、
(c)前記ステップ(b)で取得した未起動処理装置の消費電力が所定の許容電力を超えない範囲となるよう前記ステップ(a)で設定された起動順位に基づいて前記起動処理の実行開始の指令である起動指令を前記未起動処理装置へ出力するステップと、
を含む電力管理方法。
【請求項11】
請求項10に記載の電力管理方法の各ステップを1又は複数のコンピュータに実現させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−139949(P2008−139949A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−323156(P2006−323156)
【出願日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】