説明

電動光学カプラを備えた内視鏡ビューシステム

本発明は、電動ズームのカプラを備えた内視鏡ビューシステムにおいて、このカプラが、カメラを内視鏡の近傍端に取り付けるように構成されている。カプラには、スリーブ内に配置した複数のレンズと、第1モータおよび第2モータとが設けられている。第1モータおよび第2モータは、複数のレンズの少なくとも一部をスリーブを基準として移動させる。カプラは、カメラに送られるイメージを光学的にフォーカスするとともに、そのイメージを拡大可能である。このシステムは、イメージをデジタル的にフォーカスするとともに拡大可能にする制御センタを含む。外科医は、単体の制御ユニットでモニタに表示されるイメージを光学的にまた電子的に処理できる。イメージをデジタル的および光学的に変化させることができるので、よりワイド側にズーム可能であるとともに、より広いフォーカス領域を得ることが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、内視鏡ビューシステムに関するものであり、より具体的には、電動光学カプラを備えた内視鏡ビューシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
もし、内視鏡手術が可能ならば、外科医は内視鏡手術で行いたいと思うのが通常である。内視鏡手術を行うにあたっては、内視鏡を人体の手術部位に挿入する。内視鏡は延長チューブであって、外科医はその内視鏡を挿入した人体の部位を目視することができる。外科医が内視鏡で目視し、それによって人体の手術部位に挿入したその他の手術器具を操作する。その他の器具と同様に、内視鏡の発展により侵襲手術が最小限になされるようになった。この種の手術においては、手術部位へ接近するための大なる切開が避けられるようになった。その代わり、外科医は内視鏡やその他の器具を人体の小さな切開部(ポータル)に挿入することになる。内視鏡手術の利点の一つには、切開部が小さいので、術後の治癒すべき人体部位が減少しているところにある。さらに、外部へ開いている患者の内部組織がより少なくなっているので、患者の組織や器官が感染される程度も減少している。
【0003】
当初は、内視鏡は外科医が手術部位を目視するアイピースのみを備えていた。しかし現代の内視鏡システムは、内視鏡の近傍端にカメラヘッドを取り付けたカメラアセンブリを備えている。そして信号プロセッサがカメラヘッドからの出力信号を入力する。この出力信号は、信号プロセッサによりモニタに表示される電気信号に変換される。このシステムにより、手術室の外科医や手術要員は、モニタを監視することで手術部位を直ちに確認できるようになる。
【0004】
通常、内視鏡システムは、内視鏡の近傍端とカメラヘッドとの間にレンズアセンブリを備えている。このレンズアセンブリは、内視鏡の近傍端に取り付けたカプラ内に装填している。レンズアセンブリは、カメラヘッド内のトランスデューサにイメージを集中させる一つ以上のレンズを備えている。またレンズアセンブリは、イメージを任意に拡大するように移動する一つ以上のレンズを備えている。
【0005】
現代のカメラアセンブリは、外科医が要望した通りのイメージを表示するために、カメラヘッドが発信した出力信号を処理することも可能である。特に、かかるアセンブリは、手術部位のイメージを拡大するために出力信号の一部位を拡大可能である。このようなシステムは、2001年5月1日に付与された米国特許第6,224,542号(Endoscopic Camera System With Non−Mechanical Zoom)の明細書に開示されており、本参照をもって本願に記載したものとする。
【0006】
また、これらのアセンブリは、受け取ったカメラヘッド出力信号を補正強化して、取得イメージを明瞭にカメラディスプレイに表示することも可能である。このようなシステムは、2001年7月27日に出願した米国特許出願第09/917,473号(ENDOSCOPIC CAMERA SYSTEM WITHAUTOMATIC NON−MECHANICALFOCUS)の明細書に開示されており、本参照をもって本願に記載したものとする。
【特許文献1】米国特許第6,224,542号
【特許文献2】米国特許出願第09/917,473号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、従来、手術の際、外科医がモニタに表示される手術部位の拡大率(視界領域)を一時的に変更したいと思うこともあるかもしれない。これを実現するために、外科医や手術要員がカプラ内のレンズ位置の調整やビデオ信号プロセッサの拡大率設定の調整が必要になることが多い。この調整により手術の所要時間が延長するとともに、手術部位への注意を逸らすことになる。
【0008】
また、時には、手術の際に内視鏡システムによる手術部位のイメージの画質が悪化する場合もある。そこで、カプラ内のレンズ位置の再調整および/またはそのカメラ位置でのビデオイメージ処理の再調整が必要となる。さらに、外科医や手術要員がかかる措置を行う必要があるので、外科医が行う手術部位への注意を逸らすことになるし、手術の総時間が延長されてしまいかねない。これは、患者が麻酔状態にある時間を最小限にするために手術をできるだけ迅速に行うという現代の手術目的の一つに反するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、新規性および有用性のある電動ズームカプラを備えた内視鏡ビューシステムに関するものである。この内視鏡ビューシステムはカメラを備えている。カプラはカメラを内視鏡の近傍端に取り付けるように構成されている。モニタが設けられており、カメラが検知したイメージを表示できる。カプラはスリーブ内に複数のレンズを備えている。また、カプラは第1モータおよび第2モータを備えている。第1モータおよび第2モータのそれぞれは、少なくともレンズの一部をスリーブを基準として相対移動させる。カプラは、光学的にイメージの焦点を合わせる(フォーカスする)とともにイメージを拡大することができる。本発明によるシステムは、カプラのレンズ設定を調整するとともにカメラが発するビデオ信号を処理する制御卓を備えている。この制御センタは、デジタル的にイメージの焦点を合わせるとともにイメージを拡大する。
【発明の効果】
【0010】
このような内視鏡ビューシステムの構造により、外科医は、モニタに表示されるイメージを単独の制御ユニットで光学的にかつ電子的に処理できるようになる。デジタル的および光学的にイメージを変化させることができるので、よりワイド側にズーム可能であるとともに、より広いフォーカス領域を得ることも可能である。さらに、従来の内視鏡システムのように対象物が遠くに移動して焦点外となった場合でも、内視鏡を取り外したり位置を変更したりする必要がない。また、本発明の電動ズームカプラは使用が簡単であり、対象物を迅速にズーム・フォーカスできる。手術部位イメージの拡大および/または焦点調整には手動制御は必要ではないので、手術による時間延長が短縮される。さらに、カプラの全体サイズは従来のカプラと同じである。よって、このカプラは特別なアダプタの必要とせず、既存の内視鏡カメラに使用可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
この発明は、請求項にその特殊性を示している。上述した本発明の特徴や利点や本発明のその他の特徴や利点は、添付の図面に基づいて次に示す説明を参照することによって、さらによく理解できよう。
【実施例】
【0012】
図1には、本発明の内視鏡ビューシステム20が示されている。この内視鏡ビューシステム20は、内視鏡22、およびその内視鏡22の近傍端24に取り付けたカメラシステム26を備えている。内視鏡はポータル32を通って体内に挿入される。カメラシステム26自体は、内視鏡22に物理的に取り付けたカメラヘッド28(図2)を備えている。
【0013】
カメラヘッド28内には、手術部位のイメージを構成する光線をビデオ出力信号に変換するトランスデューサ29が設けられている。本発明の一形態においては、トランスデューサ29は、イメージを赤・緑・青の三原色成分に分割するプリズムアセンブリを備えている。個々のイメージ成分は独立したCCD(電荷結合デバイス)に送られる。トランスデューサ29からの青・緑・青のビデオ出力信号は、それぞれカメラ制御ユニット34に送られる。このカメラ制御ユニット34は、カメラヘッド28からのビデオ出力信号をディスプレイ信号に変換する。カメラ制御ユニット34は、カメラヘッド28が取得したイメージ部位を任意に拡大ズームすることができ、これによりイメージの拡大表示が可能となる。
【0014】
カメラ制御ユニット34が生成したディスプレイ信号は、外科医が望むイメージを表示するモニタ36に送られる。またカメラ制御ユニット34は、モニタ36に表示されるイメージのピントを合わせることもできる。本発明の内視鏡ビューシステム20に組み込んだかかるカメラシステム26には、出願権利譲受人たるストライカーエンドスコピー社(カリフォルニア州サンタクララ)製造の988 3チップカメラがある。このシステムは、2001年7月27日に出願した米国特許出願第09/917,473号(ENDOSCOPIC CAMERA WITH AUTOMATIC NON−MECHANIC FOCUS)の明細書に開示されており、本参照をもって本願に記載したものとする。
【0015】
カメラヘッド28は内視鏡22の近傍端24に取り付けられる。電動ズームのカプラ38はカメラヘッド28内に設けられる。既に述べたように、カプラ38は、カメラヘッドのトランスデューサへ送られるイメージの焦点を合わせる(フォーカスする)ために移動する複数のレンズを備えている。またこのレンズは、カメラヘッドのトランスデューサへ送られるイメージを拡大すべく任意に移動可能でもある。カプラ38は、任意にレンズを移動させる一つ以上のモータ128、138(それぞれ図2、図8を参照)を備えている。モータを駆動する付勢信号は、カメラ制御ユニット34により発生している。カメラ制御ユニット34は、カプラ38からレンズの相対的位置を示す信号を受け取る。
【0016】
外科医は、手術室の制御センタ42で、内視鏡ビューシステム20により表示された手術部位のイメージを調整できる。制御センタ42は、タッチスクリーンや音声指令に反応してカメラ制御ユニット34に信号を発信する。制御センタ42からの信号に基づいて、カメラ制御ユニット34は、カプラ38内のレンズを適切な拡大位置に設定する。あるいは、制御センタ42からの指令に基づいて、カメラ制御ユニット34は、トランスデューサ29に送られるイメージを再フォーカスするよう、あるいは適切に位置するようにレンズを再設定する。また、制御センタ42からの指令に基づいて、カメラ制御ユニット34は、カメラヘッドのトランスデューサ29から受け取った信号を処理し、モニタ36に表示される最終取得イメージをデジタル補正、ピント合わせ、および/または任意拡大する。
【0017】
図2および図3に示すように、カメラヘッド28はケース40を備えている。クランプ50はケース40の遠方端46に取り付けられ、それによりカメラヘッド28を内視鏡22の近傍端に取り外し可能に取り付けることができる。トランスデューサ29およびカプラ38は、ケース40内に設けられる。
【0018】
カプラ38は、長手方向軸54を有するメインスリーブ52を備えている。複数のレンズ60、62、64、66、68は、メインスリーブ52内を移動可能である。このレンズ60〜68は、メインスリーブ52を基準として、また各レンズを基準として相対的に移動する。詳述したように、メインスリーブ52の近傍端から順に、第1レンズ60は凹レンズ、第2レンズ62は凹凸レンズ、第3レンズ64は両凸レンズ、第4レンズ66は両凹レンズ、第5レンズ68は両凸レンズである。レンズ60〜68は、それらがメインスリーブ52および各レンズを基準に移動した場合は、トランスデューサ29に送られるイメージ拡大率が変化するように形成されている。これに対し、レンズ60〜68がメインスリーブ52のみを基準として移動する場合は、カメラヘッドのトランスデューサ29の表面に現れるイメージ焦点が変化する。
【0019】
この5つのレンズ60〜68は、カプラ38内において環状のレンズホルダにより支持されている。第1レンズ60および第2レンズ62は、第1レンズホルダ70に取り付けられる。第1レンズホルダ70は、径方向外側に向かうピン76を備えている。第2レンズホルダ72は、第3レンズ64を支持する。ピン78は第2レンズホルダ72に含まれる。第4レンズ66および第5レンズ68は、第3レンズホルダ74に取り付けられている。第3レンズホルダ74はピン80を備えている。
【0020】
レンズホルダ70〜74は、メインスリーブ52内のレンズスリーブ82により移動可能に支持される。このレンズスリーブ82は、図4に示すように、長手方向軸54に沿って軸方向に移動する。以下説明するように、カプラ38は、レンズスリーブ82が長手方向軸54周囲を回転しないように構成されている。レンズスリーブ82は近傍端84および遠方端86を備えている。レンズスリーブ82には、4つの螺旋状スロットを備えており、それぞれスリーブの円周を半分だけ延長している。これらのスロットは、近傍端84側から遠方端86側へ向かって、第1スロット88、第2スロット90、第3スロット92、第4スロット94を備えている。
【0021】
ピン76は、第1スロット88を延長しており、第1レンズホルダ70をレンズスリーブ82に結合する。またピン78は、第2スロット90を延長しており、第2レンズホルダ72をレンズスリーブ82に結合する。ピン80は、第3スロット92を延長しており、第3レンズホルダ74をレンズスリーブ82に結合する。スロット88〜92のそれぞれは、各ピン76〜80がスライドできる寸法になっている。
【0022】
図4に最も良く示されているが、スロット88〜92の第1端は、レンズスリーブ82の長さを延長する第1線で終結している。スロット88〜92の第2端は、レンズスリーブ82の長さを延長する第2線を中心にしている。スロット88〜92のそれぞれの垂直距離により、レンズホルダ70〜74ひいてはレンズ60〜68が移動可能な垂直距離が制限されることになる。
【0023】
さらにレンズスリーブ82は、スロット88、90、92の傾斜角が異なるように形成されている。ピン76およびピン78がそれぞれスロット88およびスロット90を移動する場合には、第1レンズ60・第2レンズ62と第3レンズ64との間の垂直距離が変化する。同様に、ピン78およびピン80がそれぞれスロット90およびスロット92を移動する場合には、第3レンズ64と第4レンズ66・第5レンズ68との間の垂直距離が変化する。同様に、ピン76およびピン80がスロット88およびスロット92を移動すると、それぞれ第1レンズ60・第2レンズ62と第4レンズ66・第5レンズ68との間の垂直距離が変化する。このように、レンズ60〜68はメインスリーブ52の一定点を基準にして移動する場合には、各レンズを基準に相対的に移動することになる。
【0024】
図2および図5に示すように、駆動スリーブ96は、メインスリーブ52とレンズスリーブ82との間に嵌入される。この駆動スリーブ96は、カプラ38内で長手方向軸54周囲を回転する。駆動スリーブ96は近傍端98および遠方端100を有している。駆動スリーブ96をカプラ38に配置した場合、遠方端100はレンズスリーブ82の第4スロット94の上方で終結する。長手方向スロット102は、駆動スリーブ96の近傍端98から遠方端100へと延長する。ボア104は、駆動スリーブ96の近傍端98を貫通している。このボア104は、駆動スリーブ96の周囲を長手方向スロット102から約90度偏倚している。駆動スリーブ96は、長手方向スロット102がスロット88〜92上に配置されるよう、レンズスリーブ82を包囲する。
【0025】
図7aおよび図7bに示すように、ピン76〜80は、駆動スリーブ96の長手方向スロット102を延長する。駆動スリーブ96が回転すると、ピン76〜80がスロット88〜92内を移動するとともにレンズスリーブ82を基準として回転する。ピン76〜80が回転すると、それに応じてレンズホルダ70〜74も回転する。レンズホルダ70〜74が回転すると、レンズ60〜68もメインスリーブ52を基準として回転する。スロット88〜92の傾斜角が異なっているので、レンズ60〜68は各レンズを基準として移動することになる。
【0026】
上に示したように、レンズ60〜68が各レンズを基準としておよびメインスリーブ52を基準として移動した場合、カメラヘッドのトランスデューサ29に送られるイメージの拡大率は変化する。駆動スリーブ96が回転した場合、上記のようにレンズ60〜68の配置が変化する。そして、駆動スリーブ96の回転限界によって、カプラ38の拡大ズーム率の限界が定まることになる。
【0027】
図2に示すように、メインスリーブ52は駆動スリーブ96上を包囲する。メインスリーブ52は、近傍端56と遠方端58を有している。さらに図6に示すように、近傍スロット106は、メインスリーブ52の近傍端56を延長している。遠方スロット108はメインスリーブ52の遠方端58を延長している。近傍スロット106と遠方スロット108の両方は、長手方向軸54の直角方向に指向している。近傍スロット106は、メインスリーブ52の周囲を半分だけ延長している。また遠方スロット108も、メインスリーブ52の周囲を半分だけ延長しているが、近傍スロット106から90度だけ偏倚している。
【0028】
カプラ38を組み立てた場合、駆動スリーブ96のボア104は、メインスリーブ52の近傍スロット106と位置が揃う。駆動スリーブ96は、近傍スロット106およびボア104を通って延長するピン110により、メインスリーブ52に保持される。このように駆動スリーブ96は、駆動スリーブ96がメインスリーブ52を基準として平行移動しないようにしてメインスリーブ52へ結合される。
【0029】
近傍スロット106のピン110が回転すると、駆動スリーブ96が長手方向軸54周囲を回転する。駆動スリーブ96は、その遠方端100がメインスリーブの遠方スロット108より上に位置するような寸法となっている。駆動スリーブ96の回転の限界は、近傍スロット106のアーチ状の周囲により定まることになる。近傍スロット106はカプラ38のメインスリーブ52周囲を半分だけ延長しているので、駆動スリーブ96は180度回転可能である。
【0030】
ピン112は、メインスリーブ52の遠方スロット108を通り、レンズスリーブのスロット94にまで延長する。したがって、ピン112はレンズスリーブをメインスリーブ52内に保持する。ピン112は、メインスリーブの遠方スロット108内を移動可能である。ピン112が移動すると、スロット94を構成するレンズスリーブ82の表面に作用する。ピン112を使用すると、駆動スリーブ96がロックされる。したがって、駆動スリーブ96は、レンズホルダ76、78、80の回転を防止する。レンズホルダのピン76、78、80は、このようにレンズスリーブ82の回転を防止する回転防止ピンとして機能する。その結果、ピン112がレンズスリーブ82の近傍表面を移動すると、この表面はカム面として機能する。より具体的には、レンズスリーブは回転不能なので、ピン112の力の結果、レンズスリーブ82は長手方向軸54に沿って軸方向に移動することになる。レンズスリーブ82の長手方向の移動により、レンズホルダのピン76・78・80、レンズホルダ70・72・74、レンズ60〜68が同様に移動する。
【0031】
レンズスリーブ82の水平移動の限界は、第4スロット94の第1端・第2端間の垂直距離によって定まる。
【0032】
レンズスリーブ82が駆動スリーブ96を基準として軸方向に移動する場合、ピン76〜80は、長手方向スロット102内を水平移動する。したがって、レンズ60〜68は、レンズスリーブ82とともに軸方向に移動する。既に述べたように、レンズ60〜68がメインスリーブ52を基準として移動する場合、トランスデューサ29へ送られるイメージのフォーカスが変化する。したがって、カプラ38の光学的なフォーカスの限界は、レンズスリーブ82の水平移動の限界により定まることになる。
【0033】
図3に戻るが、ズーム調整リング114は、メインスリーブ52の近傍端56に装着される。ピン110は、ボア104から近傍スロット106を通り、ズーム調整リング114まで延長する。したがって、ズーム調整リング114および駆動スリーブ96は共に長手方向軸54周囲を回転する。ズーム調整リングギヤ116は、ズーム調整リング114に取り付けられる。
【0034】
フォーカス調整リング118は、メインスリーブ52の遠方端58に装着される。ピン112は、第4スロット94からメインスリーブ52の遠方スロット108を通り、フォーカス調整リング118まで延長する。レンズスリーブ82は、フォーカス調整リングの回転とともに移動する。フォーカス調整リング118は、フォーカス調整リングギヤ120を備えている。
【0035】
モータケース122はメインスリーブ52に装着される。ズームモータアセンブリ126およびフォーカスモータアセンブリ136は、モータケース122内に搭載されている。ズームモータアセンブリ126は、ズームモータ128の出力を制御するズームギヤボックス130を備えている。ズームモータ軸132はズームギヤボックス130の反対端に連結している。ズームスパーギヤ134はズームモータ軸132周囲に配置している。ズームモータ128は、ズームスパーギヤ134がメインスリーブ52の近傍端56付近に位置するように配置している。ズームスパーギヤ134は、ズーム調整リングギヤ116と係合するように構成されている。ズームスパーギヤ134が回転すると、それに対応してズーム調整リング114が回転する。
【0036】
フォーカスモータアセンブリ136は、ズームモータアセンブリ126と実質的に同じものである。フォーカスモータアセンブリ136は、フォーカスギヤボックス140と連結したフォーカスモータ138を備えている。フォーカスモータ138は、フォーカスモータ軸142も備えている。フォーカススパーギヤ144は、フォーカスモータ軸142周囲に位置している。フォーカスモータ138は、フォーカススパーギヤ144がメインスリーブ52の遠方端付近に位置するように配置している。フォーカススパーギヤ144は、フォーカスリングギヤ120と係合するように構成されている。フォーカススパーギヤ144が回転すると、それに対応してフォーカス調整リング118が回転する。
【0037】
ズームモータ128およびフォーカスモータ138は、本発明のカプラ38が従来のカプラと同等のサイズとなるように、比較的小型(高さ0.5インチ(約12.7mm)未満)であることが好ましい。このサイズのモータは、約10万rpmもの高速出力が可能であるものの、トルクが比較的小さいのが通常である。そこで、ズームギヤボックス130およびフォーカスギヤボックス140は、遊星ギヤ列を備えている。この遊星ギヤ列は、ズームモータ軸132およびフォーカスモータ軸142の出力トルク量を増加する減速ギヤとして機能する。さらに、適切なモータならばどのモータを使用してもよいが、ズームモータ128およびフォーカスモータ138は、三相モータが好ましい。
【0038】
図8に最も良く示されているが、カプラ38は、カプラ38内のレンズ位置を検出する複数のセンサを備えている。ズーム設定センサ146は、ズームスパーギヤ134付近たるモータケース122のスロット148に位置している。フォーカス設定センサ152は、フォーカススパーギヤ144付近たるモータケース122のスロット154に位置している。ズーム設定センサ146もフォーカス設定センサ152も、カメラ制御ユニット34に電気的に連結している。このズーム設定センサ146およびフォーカス設定センサ152は、カプラ38内のレンズ配置に応じた信号をこの電気的結線を通じてカメラ制御ユニット34に出力する。本発明の一形態においては、ズーム設定センサ146およびフォーカス設定センサ152は、ホール効果センサである。カメラ制御ユニット34が光学的ズーム限界および光学的フォーカス限界に達したと判断した場合には、このカプラの状態を表すデータを制御センタ42に転送する。
【0039】
図8に示すように、二つのマグネット150がズーム調整リング114に取り付けられている。マグネット150は、カプラ38の光学ズームの限界に相当するところに位置している。ズーム調整リング114が回転すると、マグネット150の一つがズーム設定センサ146に接近する。
【0040】
ズーム設定センサ146がマグネット150の一つを検知した場合、ズーム設定センサ146はカメラ制御ユニット34に信号を送る。この信号の強度は、マグネット150のズーム設定センサ146への接近に応じて変化する。この信号に基づいて、カメラ制御ユニット34は、カプラ38内のレンズ60〜68の位置を判断する。信号強度においてレンズが光学ズーム限界位置の一つにあることを示した場合、カメラ制御ユニット34はズームモータ128を停止する。カメラ制御ユニット34は、依然としてズームモータ128を作動させレンズ60〜68を反対方向に移動可能である。
【0041】
図8に示すように、二つのマグネット156が、フォーカス調整リング118に取り付けられている。マグネット156のそれぞれは、そのフォーカス設定センサ152に対する位置がレンズスリーブ82の一方向における最大移動可能距離となるように、フォーカス調整リング118内に位置している。すなわち、マグネット156のそれぞれは、レンズ60〜68がフォーカス限界の一つに達した場合にフォーカス設定センサ152が適切な信号をカメラ制御ユニット34に伝送するように位置している。
【0042】
フォーカス設定センサ152の出力信号は、カメラ制御ユニット34に伝送される。この出力信号の状態に基づき、カメラ制御ユニット34は、カプラ38内のレンズ60〜68の位置を判定する。信号強度においてレンズがカプラ38での光学的なフォーカス限界にあることを示した場合、カメラ制御ユニット34はフォーカスモータ138を停止する。カメラ制御ユニット34は、もはや、この方向にレンズ60〜68を移動するようにフォーカスモータ138を駆動しない。ただし、カメラ制御ユニット34は、反対方向にレンズ60〜68を移動するために、ズームモータ128の駆動を妨げない。
【0043】
あるいは、さらにマグネットをズーム調整リング114およびフォーカス調整リング118の付近に追加配置することもできる。図8の実施例において、それぞれの調整リングに取付けたマグネットは、同じ磁界強度でありうる。しかし図9に示すように、異なった磁界強度を有するマグネットをカプラ38に追加配置することもできる。例えば、図9に示すように、異なった磁界強度や極性を有する一連のマグネットを調整リング114および118のうちの一方又は双方に設けることができる。カメラ制御ユニット34は、フォーカス設定センサ152が伝送した信号強度を評価して、カプラ38の光学的限界内におけるマグネットの配置を判定する。
【0044】
例えば、ズームの増分に応じて、たくさんの追加マグネット150をズーム調整リング114周囲に設けることができる。第1マグネットは1.25倍、第2マグネットは1.5倍の拡大率の位置といったように続いて配置できる。ズームアウトまたはズームインの指令を与えるよりというよりは、むしろ外科医は直接カプラ38に1.5倍のズームを行わせる。この場合、制御センタ42は、カメラ制御ユニット34にズームモータ128を駆動する信号を送る。ズーム設定センサ146は、マグネット150の接近に応じて、カプラ指令センタ40にレンズ位置信号を伝送する。信号強度は、マグネット150の接近やマグネット150の検出磁界強度に基づいている。ズーム設定センサ146からの信号においてレンズ60〜68が要望の配置になったことを表す場合、制御センタ42は、カメラ制御ユニット34にズームモータ128を停止する信号を送る。
【0045】
カメラ制御ユニット34内の分岐回路は、図10に示されている。カメラ制御ユニット34は、電子シャッタ202を備えている。この電子シャッタは、カメラ制御ユニット34に一体化したCCDのピクセルをゲート制御(スキャン)して、各ピクセルの電荷を取得する。電子シャッタ202は、この電荷量に基づき、取得イメージの原色成分を表す個別の青・緑・青の出力信号を発生する。これらの青・緑・青出力信号は、個別に増幅される。図10においては、単独の増幅器(A)204がこの増幅を行うものとして示されている。しかし、各原色信号を任意に増幅または減衰させる別個の複数の増幅器を設けることもできることは理解されよう。これらの増幅器は、トランスデューサ29からの三原色信号が電子シャッタ202に送られる前にかかる信号を増幅するアナログ増幅器でもよい。
【0046】
また、カメラ制御ユニット34は、光センサ回路(LS)206も備えている。この光センサ回路206は、カメラヘッド28が取得した手術部位の光を表す出力信号を電子シャッタ202から受け取る。
【0047】
増幅器204による信号は、ビデオ信号処理部207に送られる。通常、このビデオ信号処理部207は、デジタル信号処理装置である。ビデオ信号処理部207は、種々の処理の内でもとりわけ、取得イメージの拡大部位を生成すべく個々のピクセル信号間へ挿入可能である。このビデオ信号処理部207の出力信号は、イメージを構成する出力信号となり、モニタ36へ送られる。
【0048】
電子シャッタ202、増幅器204、光センサ回路206、およびビデオ信号処理部207は、マイクロ制御装置208に連結している。光センサ回路206は、このマイクロ制御装置208に手術部位の光レベルを示す信号を送る。この入力変数や他の変数に応じて、マイクロ制御装置208は、電子シャッタ202がCCDのピクセルのゲート処理率を決定するとともに、増幅器204の三原色信号に対する増幅量または減衰量を決定する。またマイクロ制御装置208は、ビデオ信号処理部207によるビデオ信号処理も制御する。
【0049】
また、マイクロ制御装置208は、入力信号として、ズーム設定センサ146およびフォーカス設定センサ152からの出力信号を受け取る。カメラ制御ユニット34内には、ズーム駆動部210も設けられている。このズーム駆動部210は、選択的に付勢信号をズームモータ(M)128に適用する。フォーカス駆動部212も設けられている。このフォーカス駆動部212は、選択的に付勢信号をフォーカスモータ(M)138に適用する。マイクロ制御装置208は、ズーム駆動部210およびフォーカス駆動部212が送るモータ付勢信号を調整する。
【0050】
また、カメラ制御ユニット34は、グラフィックジェネレータ214も備えている。これにより、カメラ制御ユニット34がモニタ36にメッセージを表示できるようになる。マイクロ制御装置208は、グラフィックジェネレータ214に指令を発し、任意のメッセージを生成させる。図10において、グラフィックジェネレータ214により発生する出力信号は、ミキサ216によって、ビデオ信号処理部207から出力されたディスプレイ信号に印加される。
【0051】
図11〜13に基づき、内視鏡ビューシステム20の作用を説明する。図11は、内視鏡ビューシステム20の手術部位拡大ズームイン指令に対する反応を示す図である。ここに記載した制御センタ42は、タッチスクリーンまたは音声指令を受領できることを思い出されたい。ただし、本発明のカプラ38は、制御センタが指令を受領できる適切な方法ならば、どのような方法でも使用可能である。さらに、指令実行時にはいつでも外科医が停止指令をなしえ、制御センタ42の動作完了を妨げることができる。
【0052】
図11に示すように、表示される手術部位のイメージに対するズームイン指令を外科医から受け取る(ステップ250)。この指令に応じて、カメラ制御ユニット34のマイクロ制御装置208は、まずカプラ38が最大光学ズームの位置にあるか否かを判断する(ステップ252)。この判断は、ズーム設定センサ146から受領した出力信号に基づいて、マイクロ制御装置208が行う。もしカプラ38が最大光学ズーム位置になければ、カメラ制御ユニット34は、付勢信号をズームモータ128に適用する(ステップ254)。
【0053】
レンズ60〜68の位置がカプラ38内で変化するので、カメラ制御ユニット34のマイクロ制御装置208は、ズーム設定センサ146からの信号を入力する。この信号を受け取ると、マイクロ制御装置208は、まずレンズ60〜68が要望の拡大率にまで移動したか否かを判断する(ステップ256)。この判断は、ズームモータ128の駆動時間の計測値によりなされる。あるいは、この判断は、ズーム設定センサ146からの信号が要望のレンズ位置移動があったことを示すかどうかで判断してもよい。もしレンズの位置が適切であるならば、マイクロ制御装置208は、ズーム駆動部210にズームモータ128を停止するよう信号を発する(ステップ258)。
【0054】
もし、レンズが要望の位置まで移動していない場合は、マイクロ制御装置208は、ズーム設定センサ146からの信号評価を継続し、レンズ60〜68が最大光学ズーム位置に達したか否かの判断を継続する(ステップ260)。もし、信号がこの最大ズーム限界に至ったことを示している場合、カメラ制御ユニット34は、二つの処理を行う。第一に、マイクロ制御装置208は、ズーム駆動部210にズームモータ128を停止する信号を送る(ステップ262)。これにより、ズームモータ128をズーム調整リング114がもはやそれ以上回転不可能な方向に駆動することにより生じるズームモータ128の過剰な摩耗を避けることができる。次に、マイクロ制御装置208は、グラフィックジェネレータ214にズーム限界に達したというメッセージを上書き表示するための信号を送る(ステップ264)。グラフィックジェネレータ214は、ミキサ216によりディスプレイ出力信号を印可して、モニタ36にメッセージを上書き表示する。もし外科医がさらに拡大したいと思う場合は、制御センタ42でかかる命令を入力することになる。
【0055】
上記から明らかなように、ステップ252の実行において、カプラのレンズが最大ズーム位置にあるとカメラ制御ユニット34が判断する場合がある。この状態の場合は、マイクロ制御装置208は、ビデオ信号処理部207にモニタ36へのイメージをデジタル的に拡大するよう信号を送る(ステップ266)。このデジタル拡大イメージは、モニタ36に表示される(ステップ268)。カメラ制御ユニット34は、グラフィックジェネレータ214をしてモニタ36にイメージがデジタル的に拡大された旨を示すメッセージを表示させる。
【0056】
図12は、内視鏡ビューシステム20の手術部位におけるズームアウト指令に対する反応が示されている。外科医が制御センタ42にズームアウト指令を入力し(ステップ280)、カメラ制御ユニット34にズームアウト指令が伝送される。この制御ユニット状態フラグに基づき、マイクロ制御装置208は、モニタ36に表示されるイメージかデジタル拡大されているか否かを判定する(ステップ282)。イメージがデジタル拡大されていない場合は、マイクロ制御装置208は、ズーム駆動部210にズームモータ128を駆動する信号を送る(ステップ284)。これにより、カプラレンズは、トランスデューサ29に送られるイメージの拡大率を減少させるように移動する。
【0057】
カプラ38が光学的にイメージ拡大を調整する場合、カメラ制御ユニット34は、レンズ60〜68の配置を監視する。レンズ60〜68の配置は、マイクロ制御装置208がズーム設定センサ146から受領した信号に基づいて監視する。マイクロ制御装置208は、この信号を評価してカプラ38内のレンズ60〜68の位置を判断する。
【0058】
マイクロ制御装置208は、イメージ拡大率が要望のレベルになったか否かを判断する(ステップ286)。この判断は、どのくらいの時間、ズームモータ128が駆動したかによってなされる。あるいは、この判断は、ズーム設定センサ146からの出力信号変化に基づいたカプラのレンズ移動距離を評価することでなされる。拡大率が適切に減少した場合は、マイクロ制御装置208はズーム駆動部210にズームモータ128の駆動を停止する信号を送る(ステップ288)。
【0059】
もし、拡大率が要望のレベルにまで変更されない場合は、マイクロ制御装置208は、ズーム設定センサ146の信号によりカプラ38内のレンズ位置の監視を継続する。
【0060】
マイクロ制御装置208は、ズーム設定センサ146からの信号を評価して、レンズ60〜68の最小光学的拡大率に達したか否かを判断する(ステップ290)。もし信号が最小ズーム限界に達したことを示している場合、マイクロ制御装置208は、ズーム駆動部210にズームモータ128を停止する信号を送る(ステップ292)。最小ズーム限界に達したことを外科医に知らせるようにすることもできる。それからカメラ制御ユニット34は、レンズ状態の信号を制御センタ42に伝送する(ステップ294)。もし最小ズーム限界に達していない場合、マイクロ制御装置208はカプラ38内のレンズ60〜68の位置監視を継続する。
【0061】
ステップ282に戻るが、もしイメージがデジタル拡大されている場合は、制御センタ42は、カメラ制御ユニット34にイメージ再処理をする指令を送る(ステップ296)。それからビデオ信号処理部207によりイメージがデジタル再処理される。このときマイクロ制御装置208は、ズームアウト機能は光学的にではなくデジタル的に行われている旨外科医に対して表示をするようにグラフィックジェネレータ214に信号を送る。
【0062】
図11及び図12は、カメラ制御ユニット34がズームイン指令またはズームアウト指令を受領したときの内視鏡ビューシステム20の反応を示すものである。また内視鏡ビューシステム20は、モニタ36に表示されるイメージを光学的にまたは電子的に再フォーカスする。この再フォーカスは、カメラ制御ユニット34の監視の結果なされるか、あるいは制御センタ42が指令を受け取ったことに応じてなされる。
【0063】
図13は、内視鏡ビューシステム20によるモニタ36に表示されるイメージのオートフォーカスを行うステップを示すものである。マイクロ制御装置208は、ビデオ信号処理部207が生成する出力イメージ信号に基づき、イメージの焦点が合っているか否かを判断する(ステップ300)。この判断は、イメージを構成する信号のエネルギレベルを監視することでなされる。イメージの焦点が最初に合ったときに、外科医が制御センタ42にこの状態を指定する指令を入力する。このとき、マイクロ制御装置208は、イメージエネルギレベルを示すデータを記憶する。もしイメージのフォーカスが外れた場合は、イメージ指定のエネルギレベルが変化する。マイクロ制御装置208は、このエネルギレベルの変化をイメージのフォーカスが変化したと解釈する。
【0064】
あるいは、ビデオ信号処理部207が輪郭検出ソフトウェアを使用して、取得イメージの2項目間の輪郭を示す信号のシャープさを監視することもできる。通常、このソフトウェアは、イメージの個々の部分を比較する(明るさが大きく変化する周囲部分は、輪郭を構成するとされる)。このソフトウェアにおいて輪郭がぼけていると示した場合は、ビデオ信号処理部207またはマイクロ制御装置208は、イメージの焦点が外れたと認識する。
【0065】
もし、マイクロ制御装置208がイメージの焦点が外れていないと判断した場合は、処理はなされない。マイクロ制御装置208は、手術の際にイメージのフォーカス状態を監視し続ける。
【0066】
マイクロ制御装置208がイメージの焦点が外れたと判断した場合は、ステップ302に進む。このステップ302では、マイクロ制御装置208は、イメージぼけが大きいか小さいかを判断する。この判断は、イメージを構成する信号のエネルギレベルの変化度合いを評価することでなされる。特に、大きなエネルギレベル変化は、ぼけが大きいものとして認識される。あるいは、この判断は、ディスプレイ信号を構成するイメージ輪郭ぼけの程度を評価することでもなしうる。
【0067】
もし、イメージぼけが大きい場合は、イメージを光学的に再フォーカスする。マイクロ制御装置208は、フォーカスモータ138を駆動する信号をフォーカス駆動部212に送る(ステップ304)。フォーカスモータ138が駆動したら、マイクロ制御装置208は、レンズの位置を監視する。フォーカスマグネット156の接近度合いに基づいて、フォーカス設定センサ152は、マイクロ制御装置208にレンズ60〜68の配置に関する信号を送る。
【0068】
この信号を受け取ってから、マイクロ制御装置208は、カプラ38の最大又は最小フォーカス限界に至ったか否か判断する(ステップ306)。もしこの限界に至っていない場合は、イメージのフォーカスは、さらに光学的に調整される。あるいは、イメージのフォーカスが再び合った場合は、制御センタ42で入力した指令により、フォーカスモータを停止するとともにカプラのレンズを移動させることになる(このステップは示されていない)。マイクロ制御装置208は、フォーカス設定センサ152からの信号に基づきレンズ60〜68の位置監視を継続する。もし最大又は最小フォーカス限界に達した場合、マイクロ制御装置208は、フォーカス駆動部212にフォーカスモータ138を停止する信号を送る(ステップ308)。このとき、マイクロ制御装置208は、グラフィックジェネレータ214にフォーカス限界に達した旨をモニタ36に表示するよう信号を送ることもできる。これは、別の方法、例えば音声メッセージでなすこともできる。
【0069】
ステップ302に戻るが、もしイメージぼけが小さい場合は、マイクロ制御装置208は、カメラヘッド28にイメージを電子的に補正するよう信号を送る(ステップ312)。イメージが電子的に補正されたら、マイクロ制御装置208は、モニタ36に送られるイメージを監視して、フォーカスが合っているか否かを判断する(ステップ314)。もしイメージの焦点が合うと、マイクロ制御装置208は、カメラヘッド28にイメージの電子的補正を終了する信号を送る(ステップ316)。もしイメージの焦点が合っていない場合は、マイクロ制御装置208はフォーカスモータ138を駆動して、レンズを光学的に再フォーカスするためにレンズをリセットし、それからステップ304を実行する。
【0070】
すなわち、電子的フォーカス回路が出力表示信号の質をこれ以上改善できないという状態に達した場合に、内視鏡ビューシステム20はステップ304を実行することが理解されよう。この回路は、かかる状態に達した場合に、マイクロ制御装置208にフィードバック信号を供給する。あるいは、フォーカス回路に送られる指令を監視することで、マイクロ制御装置208は、いつ電子的フォーカス回路がもはや画質を改善できないという状態に達したかを内部的に判断する。
【0071】
既に述べたように、外科医は、イメージフォーカスをさらに調整したいと望むかもしれない。この場合、外科医はフォーカス指令を送ることができる。すなわち、図13のステップ300は、制御センタ42が指令を受け取ったか否かに変更してもよい。特定の指令、例えば「電子フォーカス」という指令に基づき、外科医は、制御センタ42を通じて、まずカメラ制御ユニット34が電子的補正を行うようにする。あるいは、「フォーカスイン」、「フォーカスアウト」指令に応じて、制御センタ42は、カメラ制御ユニット34がレンズを内視鏡22の前後に選択的に移動させるようにする。
【0072】
以上の記載は、単に例示目的であって、請求項の範囲から逸脱しない範囲内では本発明の別の実施例は可能であることは理解されよう。例えば、ホール効果センサ以外のセンサを監視に用いることもできる。かかるセンサには、ズーム調整リング114およびフォーカス調整リング118の回転位置を監視する光学センサが含まれる。あるいは、電位差計を使用してかかるリング位置を監視することもできる。
【0073】
さらに、タッチスクリーンおよび音声指令を入力可能な制御センタ42とともに使用する内視鏡ビューシステム20について記載したが、本発明は、かかるシステムに限定されない。例えば、制御センタ42に連通した一つ以上のスイッチやペダルの移動を通じてズーム指令およびフォーカス指令を入力できる。
【0074】
また、特定の個々のレンズを備えたレンズシステムについて記載したが、適切ならばいかなるレンズおよび/またはレンズシステムを使用可能である。例えば、記載したカプラ38は、ズーム指令およびフォーカス指令に反応して全部が位置を変えるレンズ60〜68を備えている。これに代えて、カプラ38は、イメージを拡大する一連の第1レンズと、イメージフォーカスを調整する一連の第2レンズとを備えることも可能である。さらに、本発明は3つのレンズホルダに支持された5つのレンズを備えたものが例示されたが、この配置は変更可能である。
【0075】
さらに、上記の制御プロトコルは例示であって限定されるものではないことは理解されよう。例えば、本発明の内視鏡ビューシステムは、トランスデューサ29に送られるイメージ拡大をリセットするためにカプラのレンズを移動させる前にまずイメージのデジタル拡大ズームを行うことが好ましい場合は、いくつかの形態がありうる。本発明のある形態においては、「ズームアウト」処理は、表示信号のデジタル拡大をリセットする前に、カプラレンズをリセットすることから開始する。
【0076】
同様に、本発明のある形態においては、フォーカスが少しだけ外れた場合のイメージ補正は、カプラレンズをリセットすることでなされる。本発明のこの形態においては、大きな再フォーカスは、カメラ制御ユニット34内のビデオ信号処理回路によって行われる。
【0077】
あるいは、このシステムのイメージ処理は連続的に行われず、まず光学的に、それから電子的に行う、あるいはその逆に行われる。かかるシステムのある形態においては、例えば、まず電子的フォーカスを少し変更することで再フォーカスする。この変更によっても画質改良できなかった場合は、このシステムは、カプラレンズを少し移動させ、それから別の電子的フォーカスルーチンを実行する。イメージのズームイン・ズームアウトは、レンズ移動および電子フォーカス再調整を介して、同様に行われる。
【0078】
同様に、カプラは常にカメラヘッドと一体化されている必要はないことは理解されよう。本発明のある形態においては、カプラは単体部品となっている。単独のカプラを種々のカメラシステムに使用可能なので、これは経済的理由がある場合には有用である。
【0079】
この結果、この実施例においては、新規性および有用性のある電動ズームカプラを備えた内視鏡ビューシステムに関するものである。この内視鏡ビューシステムはカメラを備えている。カプラはカメラを内視鏡の近傍端に取り付けるように構成されている。モニタが設けられており、カメラが検知したイメージを表示できる。カプラはスリーブ内に複数のレンズを備えている。また、カプラは第1モータおよび第2モータを備えている。第1モータおよび第2モータのそれぞれは、少なくともレンズの一部をスリーブを基準として相対移動させる。カプラは、光学的にイメージの焦点を合わせる(フォーカスする)とともにイメージを拡大することができる。本発明によるシステムは、カプラのレンズ設定を調整するとともにカメラが発するビデオ信号を処理する制御卓を備えている。この制御センタは、デジタル的にイメージの焦点を合わせるとともにイメージを拡大する。
【0080】
このような内視鏡ビューシステムの構造により、外科医は、モニタに表示されるイメージを単独の制御ユニットで光学的にかつ電子的に処理できるようになる。デジタル的および光学的にイメージを変化させることができるので、よりワイド側にズーム可能であるとともに、より広いフォーカス領域を得ることも可能である。さらに、従来の内視鏡システムのように対象物が遠くに移動して焦点外となった場合でも、内視鏡を取り外したり位置を変更したりする必要がない。また、本発明の電動ズームカプラは使用が簡単であり、対象物を迅速にズーム・フォーカスできる。手術部位イメージの拡大および/または焦点調整には手動制御は必要ではないので、手術による時間延長が短縮される。さらに、カプラの全体サイズは従来のカプラと同じである。よって、このカプラは特別なアダプタの必要とせず、既存の内視鏡カメラに使用可能である。
【0081】
このように、一定の好ましい本発明の実施例が例示のために詳細に開示されたが、明細書や図面や請求項に記載された本発明の趣旨を逸脱しない範囲内では、種々の応用改変をなしうることは認識されよう。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明は、上述の実施例のみに限定されるものではなく、請求項に記載の本発明の趣旨の範囲内では変更や改変をなしうることは当業者が理解できる。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の内視鏡ビューシステムの等角図である。
【図2】図1に示す電動ズームカプラの側面図である。
【図3】外側ハウジングを取り外した本発明の電動ズームカプラの等角図である。
【図4】電動ズームカプラのレンズスリーブの側面図である。
【図5】図2に示す電動ズームカプラの駆動スリーブの側面図である。
【図6】図2に示す電動ズームカプラのメインスリーブの側面図である。
【図7a】図2に示す光学システムのズームアセンブリの側面図である。
【図7b】図2に示す光学システムのフォーカスアセンブリの側面図である。
【図8】図2に示すモータケースおよび電動ズームカプラのメインスリーブの等角図である。
【図9】図2に示す電動ズームカプラの別の実施例の等角図である。
【図10】図1に示すカメラ制御ユニットの分岐回路の概略図である。
【図11】ズームイン指令を受け取った場合の図1による内視鏡ビューシステムの動作を示す制御ダイアグラムである。
【図12】ズームアウト指令を受け取った場合の図1による内視鏡ビューシステムの動作を示す制御ダイアグラムである。
【図13】図1による内視鏡ビューシステムのフォーカス動作を示す制御ダイアグラムである。
【符号の説明】
【0084】
20 内視鏡ビューシステム
22 内視鏡
26 カメラシステム
28 カメラヘッド
32 ポータル
34 カメラ制御ユニット
36 モニタ
38 電動ズームのカプラ
60〜68 レンズ
82 スリーブ
128 第1モータ
138 第2モータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内視鏡ビューシステムであって、
この内視鏡ビューシステムには、その近傍端が患者の体外に位置する内視鏡を設け、
その内視鏡近傍端を越えたところに位置するカメラヘッドを設け、
このカメラヘッドには光学的イメージを受け取るとともに取得イメージに基づいた出力信号を発信するトランスデューサを設け、
前記内視鏡の近傍端と前記カメラとの間にはカプラを設け、
このカプラには、前記内視鏡からのイメージを受け取る一つ以上のレンズを設け、
この複数のレンズは、選択的に変化した内視鏡イメージを前記トランスデューサに送るように前記カメラヘッドを基準として相対的に移動可能に設け、
前記一つ以上の前記レンズに取り付けて前記レンズを任意に前記トランスデューサを基準として相対的に移動させる第1モータを設け、
前記レンズの位置を監視するように構成するとともに前記レンズ位置を表す第1レンズ状態信号を発信する第1レンズ状態センサを設け、
また、前記内視鏡ビューシステムには、前記トランスデューサの出力信号を受け取るように連通したビデオ信号回路を設け、
このビデオ信号回路は、受け取ったトランスデューサの出力信号に基づいてモニタに伝送するディスプレイ信号を生成するように構成して設け、
前記ビデオ信号回路は、受け取ったビデオ信号処理指令に基づいてディスプレイ信号を選択的に発生するように構成して設け、
前記第1レンズ状態センサから前記第1レンズ状態信号を受け取るよう連結し、
前記第1モータを駆動するよう前記第1モータに連結し、
前記ビデオ信号処理器に連結したカメラ制御処理装置を設け、
このカメラ制御処理装置は、前記ビデオ信号により生成されたディスプレイ信号を変更する外部からの指令を受け取るように構成して設け、
前記カメラ制御処理装置は、この外部指令に応じて、また、前記レンズの前記トランスデューサを基準とした位置に応じて、前記第1モータが所定のシーケンスで駆動して前記レンズを移動するとともに前記ビデオ信号回路への前記ビデオ信号処理指令を発信するように構成して設けたことを特徴とする内視鏡ビューシステム。
【請求項2】
前記レンズは、前記レンズが前記トランスデューサに送る内視鏡イメージを選択的に拡大するように構成されており、
前記レンズが拡大する程度は、前記レンズの前記トランスデューサを基準とした位置に応じて定まり、
前記レンズの最大拡大位置は、内視鏡イメージの拡大が最大限となる位置であり、
前記ビデオ信号回路は、ビデオ信号処理指令に基づいて、受け取ったトランスデューサ出力信号に含まれるイメージを拡大したディスプレイ信号を生成するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡ビューシステム。
【請求項3】
前記カメラ制御処理装置は、
ディスプレイ信号の拡大率を増加する指令を受け取ること、
このディスプレイ信号拡大率増加指令を受け取ると、前記第1レンズ状態センサにより前記レンズが最大拡大位置か否かを判断すること、
もし、前記レンズが最大拡大位置ではない場合は、前記モータを駆動して前記レンズを最大拡大位置側に移動すること、
もし、前記レンズが最大拡大位置にある場合は、前記ビデオ信号回路がトランスデューサ出力信号に含まれるイメージを拡大したディスプレイ信号を伝送するように、前記ビデオ信号回路にビデオ信号処理指令を発することを行うように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の内視鏡ビューシステム。
【請求項4】
前記レンズは、前記レンズが前記トランスデューサに送る内視鏡イメージを選択的にフォーカスするように構成して設け、
内視鏡イメージの焦点は、前記レンズの前記トランスデューサからの距離に応じて定まり、
前記ビデオ信号回路は、受け取ったフォーカス指令に応じて、トランスデューサの出力信号を電子的にフォーカスしてディスプレイ出力信号を生成するように構成して設け、
前記カメラ制御処理装置または前記ビデオ信号は、前記ビデオ信号回路が生成したディスプレイ信号が示すイメージのフォーカス程度を監視するように構成して設け、
前記カメラ制御処理装置は、このディスプレイ信号が示すイメージ焦点が外れる程度の監視に基づいて、選択的にまず前記第1モータを駆動して前記レンズを前記トランスデューサに向かう側あるいは離れる側に移動するか、前記ビデオ信号回路に前記フォーカス指令を生成するように構成して設けたことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡ビューシステム。
【請求項5】
前記カメラ制御処理装置は、前記ディスプレイ信号が示すイメージ焦点の外れ程度の監視結果においてイメージが第1程度外れていることを示した場合、
前記カメラ制御処理装置が前記ビデオ信号回路にフォーカス指令を生成するように構成するとともに、
ディスプレイ信号が示すイメージ焦点の外れ程度の監視結果においてイメージが前記第1程度よりもさらにフォーカス外れ度合いの大きい第2程度外れていることを示した場合、
前記カメラ制御処理装置は、前記第1モータを駆動して前記レンズのトランスデューサを基準とした位置が変化するように構成して設けたことを特徴とする請求項4に記載の内視鏡ビューシステム。
【請求項6】
前記カメラ制御処理装置は、ディスプレイ信号が示すイメージの焦点の外れ程度の監視結果においてイメージの焦点が外れていることを示した場合、
前記カメラ制御処理装置が前記ビデオ信号回路に前記フォーカス指令を生成するように構成するとともに、
引き続き行ったディスプレイ信号が示すイメージ監視結果においてイメージの焦点が外れていることを示した場合、
前記カメラ制御処理装置は、前記第1モータを駆動して前記レンズのトランスデューサを基準とした位置が変化するように構成して設けたことを特徴とする請求項4に記載の内視鏡ビューシステム。
【請求項7】
前記カプラには、少なくとも二つのレンズが設けられており、
前記レンズが前記トランスデューサを基準とした第1運動パターンを行う場合には、
前記レンズは前記トランスデューサの内視鏡イメージをフォーカスするとともに、
前記レンズが前記トランスデューサを基準とした第2運動パターンを行う場合には、
前記レンズは前記トランスデューサへの内視鏡イメージを選択的に拡大するように構成して設け、
前記カプラには、前記レンズを第1運動パターンで移動させるように前記レンズに取り付けた第1リンクアセンブリを設け、
この第1リンクアセンブリは、所定の移動領域を有しており、
前記第1モータは、前記第1リンクアセンブリを駆動し前記レンズを第1運動パターンで移動させるように前記第1リンクアセンブリに連結して設け、
前記第1レンズ状態センサは、前記第1リンクアセンブリを監視するとともに、
前記第1リンクアセンブリが運動領域限界に達したことを示す前記第1レンズ状態信号を生成するように構成して設け、
第2リンクアセンブリは、前記カプラに装着かつ前記レンズに取り付けて設けるとともに、前記レンズが第2運動パターンで移動するように構成して設け、
前記第2リンクアセンブリは、所定の移動領域を有するように設け、
前記カプラに取り付けるとともに前記第2リンクアセンブリに連通して前記第2リンクアセンブリをして前記レンズを第2運動パターンで移動させる第2モータを設け、
前記第2リンクアセンブリを監視するとともに前記第2リンクアセンブリが運動領域限界に達したことを示す前記第2レンズ状態信号を生成するように構成した第2レンズ状態センサを前記カプラに取り付けて設け、
前記カメラ制御処理装置は、前記第2モータに連通して前記第2モータを駆動するとともに、前記第2レンズ状態センサに連通して前記第2レンズ状態を受け取るように設け、
前記カメラ制御処理装置は、前記第1レンズ状態信号に示される前記第1リンクアセンブリの位置に基づき前記第1モータを選択的に駆動するように、また、前記第2レンズ状態信号に示される前記第2リンクアセンブリの位置に基づき前記第2モータを選択的に駆動するように構成して設けたことをことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡ビューシステム。
【請求項8】
内視鏡からこの内視鏡に取り付けたレンズアセンブリを通ってトランスデューサへ内視鏡イメージを受け取るステップであって、
前記レンズアセンブリには、トランスデューサを基準とした所定の移動領域を有する一つ以上のレンズを設け、
この一つ以上のレンズは、前記レンズの前記トランスデューサからの距離に応じた前記トランスデューサへ送られる内視鏡イメージを選択的に拡大するように構成して設けた前記ステップと、
前記一つ以上のレンズの前記トランスデューサを基準とした位置を監視するステップと、
前記トランスデューサへ送られる内視鏡イメージをトランスデューサがトランスデューサ出力信号に変換するステップと、
トランスデューサ出力信号をビデオ信号回路に送るステップであって、
このビデオ信号回路は、トランスデューサ出力信号を選択的に拡大してそのトランスデューサ出力信号に基づいたディスプレイ信号を生成するように構成された前記ステップと、
モニタに内視鏡イメージの少なくとも一部を表示するように前記ディスプレイ信号をモニタに送るステップと、
前記レンズの監視に基づき前記トランスデューサを基準とした前記レンズの位置を判断し、
この判断に基づいて前記レンズ位置を再設定して前記トランスデューサを基準に送られる内視鏡イメージの拡大率を再調整するとともに、前記ビデオ信号回路が処理する前記トランスデューサ出力信号の拡大率を再調整するという所定の手順で選択的にモニタに表示される内視鏡イメージ部分の拡大率を調整するステップとを備えたことを特徴とする内視鏡で取得したイメージを表示する方法。
【請求項9】
前記モニタに表示される前記内視鏡イメージの拡大は、
前記監視に基づき、前記一つ以上のレンズがそれ以上前記トランスデューサに送られる内視鏡イメージを拡大すべく移動できないという移動領域限界に達したか否かを判断し、
もし、この判断ステップで前記レンズが、まだその移動限界領域に達していないと判断された場合は、
前記トランスデューサに送られるイメージの拡大率を増加すべく前記レンズの位置を再設定し、
もし、前記判断ステップで前記レンズが、その移動限界領域に達したと判断された場合は、ビデオ信号回路がトランスデューサ出力信号を処理してトランスデューサ出力信号の拡大率を増加することで拡大されることを特徴とする請求項8に記載の内視鏡で取得したイメージを表示する方法。
【請求項10】
モニタに表示される前記内視鏡イメージの拡大率の減少は、前記監視に基づき、前記一つ以上のレンズが、それ以上前記トランスデューサに送られる内視鏡イメージの拡大率を減少すべく移動できないという移動領域限界に達したか否かを判断し、
もし、この判断ステップで前記レンズがまだその移動限界領域に達していないと判断された場合は、前記トランスデューサに送られるイメージの拡大率を減少すべく前記レンズの位置を再設定し、
もし、前記判断ステップで前記レンズがその移動限界領域に達したと判断された場合は、ビデオ信号回路がトランスデューサ出力信号を処理してトランスデューサ出力信号の拡大率を減少することで縮小されることを特徴とする請求項8に記載の内視鏡で取得したイメージを表示する方法。
【請求項11】
内視鏡からこの内視鏡に取り付けたレンズアセンブリを通ってトランスデューサへ内視鏡イメージを受け取るステップであって、
前記レンズアセンブリには、トランスデューサを基準とした所定の移動領域を有する一つ以上のレンズを設け、
この一つ以上のレンズは、前記レンズの前記トランスデューサからの距離に応じた前記トランスデューサへ送られる内視鏡イメージを選択的に拡大するように構成して設けた前記ステップと、
前記一つ以上のレンズの前記トランスデューサを基準とした位置を監視するステップと、
前記トランスデューサへ送られる内視鏡イメージをトランスデューサがトランスデューサ出力信号に変換するステップと、
トランスデューサ出力信号をビデオ信号回路に送るステップであって、
このビデオ信号回路は、トランスデューサ出力信号を選択的に拡大してトランスデューサ出力信号に基づいたディスプレイ信号を生成するように構成された前記ステップと、
ディスプレイ信号が示すイメージの質を監視するステップと、
モニタに内視鏡イメージの少なくとも一部を表示するように前記ディスプレイ信号をモニタに送るステップと、
もし、ディスプレイ信号が示すイメージ質を監視してイメージの質が徐々に悪化したことが示された場合は、前記一つ以上のレンズを選択的に再配置するとともにビデオ信号回路が処理するトランスデューサ出力信号を強化処理して補正するステップであって、
前記レンズ再配置およびビデオ信号回路の信号処理のシーケンスは、
イメージ悪化の程度、前記レンズの位置、および前記ビデオ信号回路が処理するトランスデューサ出力信号の強化の現在のレベルに応じて行われる前記ステップとを備えたことを特徴とする内視鏡で取得したイメージを表示する方法。
【請求項12】
もし、ディスプレイ信号が示すイメージ質を監視してイメージの質が少し悪化したことが示された場合は、
ビデオ信号回路が処理するトランスデューサ出力信号の強化処理を補正し、
もし、ディスプレイ信号が示すイメージ質を監視してイメージの質が前記少悪化よりも大きく悪化したことが示された場合は、
前記一つ以上のレンズが再配置されることを特徴とする請求項11に記載の内視鏡で取得したイメージを表示する方法。
【請求項13】
ビデオ信号回路による前記トランスデューサ信号の強化補正した後、ディスプレイ信号が示すイメージの質を以後監視し、
もし、この前記ディスプレイ信号が示すイメージ質の監視から、イメージ質が所定レベルにまで改善されていないことが判明した場合は、前記レンズが再配置されることを特徴とする請求項12に記載の内視鏡で取得したイメージを表示する方法。
【請求項14】
内視鏡アセンブリであって、
この内視鏡アセンブリには、その近傍端が患者の体外に位置する内視鏡を設け、カプラを設け、
このカプラには、ハウジングを設け、
このハウジングは、対向する近傍端と遠方端と長手方向軸を備えており、
前記ハウジングの遠方端を前記内視鏡の遠方端に取り外し可能に保持するクランプを前記ハウジングに取り付けて設け、
前記内視鏡からのイメージを受け取るように位置する少なくとも二つの離間したレンズを前記ハウジング内で前記長手方向軸に沿って設け、
このレンズは、前記ハウジング内で長手方向軸に沿って移動可能であって、
第1レンズは、前記レンズの移動によって前記ハウジングの近傍端側へ向かう内視鏡イメージの焦点を合わせるとともに、
第2レンズの移動によって前記ハウジングの近傍端側へ向かう内視鏡イメージを選択的に拡大するように構成して設け、
長手方向軸に沿って前記第1レンズを選択的に移動させるように前記第1レンズに連通した第1駆動アセンブリを前記ハウジング内に設け、
長手方向軸に沿って前記第2レンズを選択的に移動させるように前記第2レンズに連通した第2レンズアセンブリを前記ハウジング内に設け、
また、前記内視鏡アセンブリには、前記第1駆動アセンブリを駆動して前記第1レンズを移動するように前記第1駆動アセンブリに連通した第1モータを前記ハウジングに取り付けて設け、
前記第2駆動アセンブリを駆動して前記第2レンズを移動するように前記第2駆動アセンブリに連通した第2モータを前記ハウジングに取り付けて設けたことを特徴とする内視鏡アセンブリ。
【請求項15】
前記第1レンズおよび第2レンズは、これらのレンズ相互を基準とした移動およびこれらのレンズの前記カプラを基準とした移動により、前記レンズが内視鏡イメージの拡大率を変更するように、また、前記レンズの一定距離の離間を維持しつつなす前記レンズの前記カプラを基準とした移動により、前記レンズが内視鏡イメージの焦点を変化させるように集合的に構成して設け、
前記第1駆動アセンブリは、前記第1レンズおよび第2レンズが前記カプラを基準として、また、相互を基準にして移動するように前記第1レンズおよび第2レンズに連通して設け、
前記第2駆動アセンブリは、前記第1レンズおよび第2レンズが相互に一定距離で離間しつつ前記カプラを基準として移動するように前記第1レンズおよび第2レンズに連通して設けたことを特徴とする請求項14に記載の内視鏡アセンブリ。
【請求項16】
前記第1レンズおよび第2レンズは、これらのレンズ相互を基準とした移動およびこれらのレンズの前記カプラを基準とした移動により、前記レンズが内視鏡イメージの拡大率を変更するように、また、前記レンズの一定距離の離間を維持しつつなす前記レンズの前記カプラを基準とした移動により、前記レンズが内視鏡イメージの焦点を変化させるように集合的に構成して設け、
レンズスリーブを前記ハウジング内に設け、
このレンズスリーブは、前記ハウジングの長手方向軸を中心に配置するとともに前記ハウジング内を長手方向に移動するように前記ハウジングに移動可能に固着して設け、
前記第1レンズおよび第2レンズは、前記レンズスリーブ内に配置するとともに、レンズ相互を基準におよびレンズスリーブを基準に長手方向に移動可能なように前記レンズスリーブに移動可能に取り付けて設け、
前記第1駆動アセンブリは、前記第1レンズおよび第2レンズが前記レンズスリーブを基準にかつレンズ相互を基準に移動するように連通して設け、
前記第2駆動アセンブリは、前記レンズスリーブが前記ハウジング内を長手方向に移動するように前記レンズスリーブに連通して設けたことを特徴とする請求項14に記載の内視鏡アセンブリ。
【請求項17】
前記レンズスリーブは、二つ以上の螺旋状スロットを備えるように設け、
前記第1レンズおよび第2レンズから延長する独立したピンを設け、
前記ピンは、前記レンズスリーブのそれぞれ独立したスロット内に延長するとともに前記レンズスリーブ外に延長して設け、
前記第1駆動アセンブリには、回転可能に前記レンズスリーブ上に装着した駆動スリーブを設け、
この駆動スリーブは、前記駆動スリーブが回転すると前記駆動スリーブが前記ピンを前記レンズスロット内で移動させるように、前記レンズピンと係合する位置に設けたことを特徴とする請求項16に記載の内視鏡アセンブリ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内視鏡ビューシステムであって、
この内視鏡ビューシステムには、その近傍端が患者の体外に位置する内視鏡を設け、
その内視鏡近傍端を越えたところに位置するカメラヘッドを設け、
このカメラヘッドには光学的内視鏡イメージを受け取るとともに取得イメージに基づいたトランスデューサー出力信号を発信するトランスデューサを設け、
前記内視鏡の近傍端と前記カメラとの間にはカプラを設け、
このカプラには、前記内視鏡からのイメージを受け取る一つ以上のレンズを設け、
この複数のレンズは、選択的に変化した内視鏡イメージを前記トランスデューサに送るように前記カメラヘッドを基準として相対的に移動可能に設け、
前記一つ以上の前記レンズに取り付けて前記レンズを任意に前記トランスデューサを基準として相対的に移動させる第1モータを設け、
前記レンズの位置を監視するように構成するとともに前記レンズ位置を表す第1レンズ状態信号を発信する第1レンズ状態センサを設け、
また、前記内視鏡ビューシステムには、前記トランスデューサの出力信号を受け取るように連通したビデオ信号回路を設け、
このビデオ信号回路は、受け取ったトランスデューサの出力信号に基づいてモニタに伝送するディスプレイ信号を生成するように構成して設け、
前記ビデオ信号回路は、受け取ったビデオ信号処理指令に基づいてディスプレイ信号を選択的に発生するように構成して設け、
前記第1レンズ状態センサから前記第1レンズ状態信号を受け取るよう連結し、
前記第1モータを駆動するよう連結し、ビデオ信号処理指令を前記ビデオ信号回路に与えるように連結したカメラ制御処理装置を設けたことを特徴とする内視鏡ビューシステム。
【請求項2】
前記レンズは、前記レンズが前記トランスデューサに送る内視鏡イメージを選択的に拡大するように構成されており、
前記レンズが前記イメージを拡大する程度は、前記レンズの前記トランスデューサを基準とした位置に応じて定まり、
前記レンズの最大拡大位置は、内視鏡イメージの拡大が最大限となる位置であり、
前記ビデオ信号回路は、ビデオ信号処理指令に基づいて、受け取ったトランスデューサ出力信号に含まれるイメージを拡大したディスプレイ信号を生成するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡ビューシステム。
【請求項3】
前記レンズは、前記レンズが前記トランスデューサに送る内視鏡イメージを選択的にフォーカスするように構成して設け、
焦点が合った内視鏡イメージは、前記レンズの前記トランスデューサからの距離に応じて定まり、
前記ビデオ信号回路は、受け取った指令に応じて、トランスデューサの信号を電子的にフォーカスしてディスプレイ信号を生成するように構成して設け、
前記カメラ制御処理装置または前記ビデオ信号回路は、前記ビデオ信号回路が生成したディスプレイ信号が示すイメージのフォーカス程度を監視するように構成して設け、
前記カメラ制御処理装置は、このディスプレイ信号が示すイメージの焦点が外れる程度の監視に基づいて、選択的にまず前記第1モータを駆動して前記レンズを前記トランスデューサに向かう側あるいは離れる側に移動するか、前記ビデオ信号回路にフォーカス指令を生成するように構成して設けたことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡ビューシステム。
【請求項4】
前記カメラ制御処理装置は、ディスプレイ信号が示すイメージの焦点の外れ程度の監視結果においてイメージの焦点が外れていることを示した場合、前記カメラ制御処理装置が前記ビデオ信号回路に前記フォーカス指令を生成するように構成するとともに、
引き続き行ったイメージ監視結果においてイメージの焦点が外れていることを示した場合、前記カメラ制御処理装置は、前記第1モータを駆動して前記レンズのトランスデューサを基準とした位置が変化するように構成して設けたことを特徴とする請求項に記載の内視鏡ビューシステム。
【請求項5】
前記カプラには、少なくとも二つのレンズが設けられており、前記レンズが前記トランスデューサを基準とした第1運動パターンを行う場合には、前記レンズは前記トランスデューサの内視鏡イメージをフォーカスするとともに、
前記レンズが前記トランスデューサを基準とした第2運動パターンを行う場合には、前記レンズは前記トランスデューサへの内視鏡イメージを選択的に拡大するように構成して設け、
前記カプラには、前記レンズを第1運動パターンで移動させるように前記レンズに取り付けた第1リンクアセンブリを設け、
この第1リンクアセンブリは、第1リンク機構を備えるとともに所定の移動領域を有しており、前記第1モータは、前記第1リンク機構を駆動し前記レンズを第1運動パターンで移動させるように前記第1リンク機構に連結して設け、
前記第1レンズ状態センサは、前記第1リンクアセンブリを監視するとともに、前記第1リンクアセンブリが運動領域限界に達したことを示す前記第1レンズ状態信号を生成するように構成して設け、
第2リンク機構を備えた第2リンクアセンブリは、前記カプラに装着かつ前記レンズに取り付けて設けるとともに、前記レンズが第2運動パターンで移動するように構成して設け、
前記第2リンクアセンブリは、所定の移動領域を有するように設け、
前記カプラに取り付けるとともに前記第2リンク機構に連通して前記第2リンク機構を駆動して前記レンズを第2運動パターンで移動させる第2モータを設け、
前記第2リンクアセンブリを監視するとともに前記第2リンクアセンブリが運動領域限界に達したことを示す前記第2レンズ状態信号を生成するように構成した第2レンズ状態センサを前記カプラに取り付けて設け、
前記カメラ制御処理装置は、前記第2モータに連通して前記第2モータを駆動するとともに、前記第2レンズ状態センサに連通して前記第2レンズ状態を受け取るように設け、前記カメラ制御処理装置は、
前記第1レンズ状態信号に示される前記第1リンクアセンブリの位置に基づき前記第1モータを選択的に駆動するように、
また前記第2レンズ状態信号に示される前記第2リンクアセンブリの位置に基づき前記第2モータを選択的に駆動するように構成して設けたことを特徴とする請求項に記載の内視鏡ビューシステム。
【請求項6】
前記カメラ制御処理装置は、前記ビデオ信号回路により生成されたディスプレイ信号を変更する外部からの指令を受け取るように構成して設け、
前記カメラ制御処理装置は、この外部指令に応じて、また前記レンズの前記トランスデューサを基準とした位置に応じて、前記第1モータが所定のシーケンスで駆動して前記レンズを移動するとともに前記ビデオ信号回路への前記ビデオ信号処理指令を発信するように構成して設けたことを特徴とする請求項に記載の内視鏡ビューシステム。
【請求項7】
内視鏡からこの内視鏡に取り付けたレンズアセンブリを通ってトランスデューサへ内視鏡イメージを受け取るステップであって、前記レンズアセンブリには、トランスデューサを基準とした所定の移動領域を有する一つ以上のレンズを設け、
この一つ以上のレンズは、前記レンズの前記トランスデューサからの距離に応じた前記トランスデューサへ送られる内視鏡イメージを選択的に拡大するように構成して設けた前記ステップと、
前記一つ以上のレンズの前記トランスデューサを基準とした位置を監視するステップと、
前記トランスデューサへ送られる内視鏡イメージをトランスデューサがトランスデューサ出力信号に変換するステップと、
トランスデューサ出力信号をビデオ信号回路に送るステップであって、このビデオ信号回路は、トランスデューサ出力信号を選択的に拡大してそのトランスデューサ出力信号に基づいたディスプレイ信号を生成するように構成された前記ステップと、
モニタに内視鏡イメージの少なくとも一部を表示するように前記ディスプレイ信号をモニタに送るステップと、
モニタに表示される内視鏡イメージ部分の拡大率を選択的に調整するステップとを備えたことを特徴とする内視鏡で取得したイメージを表示する方法。
【請求項8】
モニタに表示される内視鏡イメージ部分の拡大率を選択的に調整する前記ステップは、少なくとも一つの前記レンズの監視に基づき前記トランスデューサを基準とした前記レンズの位置を判断するステップと、
この判断に基づき、前記レンズ位置を再設定して前記トランスデューサに送られる内視鏡イメージの拡大率を再設定するとともに、前記ビデオ信号回路が処理する前記トランスデューサ出力信号の拡大率を再調整するステップとを備えたことを特徴とする請求項7に記載の内視鏡で取得したイメージを表示する方法。
【請求項9】
前記モニタに表示される前記内視鏡イメージの拡大は、前記監視に基づき、前記一つ以上のレンズがそれ以上前記トランスデューサに送られる内視鏡イメージを拡大すべく移動できないという移動領域限界に達したか否かを判断するステップと
もしこの判断ステップで前記レンズがまだその移動限界領域に達していないと判断された場合は、前記トランスデューサに送られるイメージの拡大率を増加すべく前記レンズの位置を再設定するステップと
もし前記判断ステップで前記レンズがその移動限界領域に達したと判断された場合は、ビデオ信号回路がトランスデューサ出力信号を処理してトランスデューサ出力信号の拡大率を増加するステップとにより拡大されることを特徴とする請求項8に記載の内視鏡で取得したイメージを表示する方法。
【請求項10】
内視鏡からこの内視鏡に取り付けたレンズアセンブリを通ってトランスデューサへ内視鏡イメージを受け取るステップであって、前記レンズアセンブリには、トランスデューサを基準とした所定の移動領域を有する一つ以上のレンズを設け、
この一つ以上のレンズは、
前記レンズの前記トランスデューサからの距離に応じた前記トランスデューサへ送られる内視鏡イメージを選択的に拡大するように構成して設けた前記ステップと、
前記一つ以上のレンズの前記トランスデューサを基準とした位置を監視するステップと、前記トランスデューサへ送られる内視鏡イメージをトランスデューサがトランスデューサ出力信号に変換するステップと、
トランスデューサ出力信号をビデオ信号回路に送るステップであって、このビデオ信号回路は、トランスデューサ出力信号を選択的に拡大してトランスデューサ出力信号に基づいたディスプレイ信号を生成するように構成された前記ステップと、
ディスプレイ信号が示すイメージの質を監視するステップと、
モニタに内視鏡イメージの少なくとも一部を表示するように前記ディスプレイ信号をモニタに送るステップとを備えたことを特徴とする内視鏡で取得したイメージを表示する方法。
【請求項11】
もし、ディスプレイ信号が示すイメージ質を監視してイメージの質が徐々に悪化したことが示された場合は、前記一つ以上のレンズを選択的に再配置するとともにビデオ信号回路が処理するトランスデューサ出力信号を強化処理して補正し、
前記レンズ再配置およびビデオ信号回路の信号処理のシーケンスは、イメージ悪化の程度、前記レンズの位置、および前記ビデオ信号回路が処理するトランスデューサ出力信号の強化の現在のレベルに応じて行われることを特徴とする請求項10に記載の内視鏡で取得したイメージを表示する方法。
【請求項12】
もし、ディスプレイ信号が示すイメージ質を監視してイメージの質が少し悪化したことが示された場合は、ビデオ信号回路が処理するトランスデューサ出力信号の強化処理を補正し、
もし、ディスプレイ信号が示すイメージ質を監視してイメージの質が前記少悪化よりも大きく悪化したことが示された場合は、前記一つ以上のレンズが再配置されることを特徴とする請求項11に記載の内視鏡で取得したイメージを表示する方法。
【請求項13】
遠方端を有するとともにその近傍端が患者の体外に位置する内視鏡を設け、
カプラを設け、このカプラには、
ハウジングを設け、このハウジングは対向する近傍端と遠方端と長手方向軸を備えており、
前記ハウジングの遠方端を前記内視鏡の遠方端に取り外し可能に保持する結合部材を前記ハウジングに取り付けて設け、
前記内視鏡からの内視鏡イメージを受け取るように位置する少なくとも二つの離間したレンズを前記ハウジング内で前記長手方向軸に沿って設け、
このレンズは、前記ハウジング内で長手方向軸に沿って移動可能であって、第1レンズは、この第1レンズの移動によって前記ハウジングの近傍端側へ向かう内視鏡イメージの焦点を合わせるとともに、第2レンズの移動によって前記ハウジングの近傍端側へ向かう内視鏡イメージを選択的に拡大するように構成して設け、
長手方向軸に沿って前記第1レンズを選択的に移動させるように前記第1レンズに連通した第1駆動アセンブリを前記ハウジング内に設け、
長手方向軸に沿って前記第2レンズを選択的に移動させるように前記第2レンズに連通した第2レンズアセンブリを前記ハウジング内に設け、
前記第1駆動アセンブリを駆動して前記第1レンズを移動するように前記第1駆動アセンブリに連通した第1モータを前記ハウジングに取り付けて設け、前記第2駆動アセンブリを駆動して前記第2レンズを移動するように前記第2駆動アセンブリに連通した第2モータを前記ハウジングに取り付けて設けたことを特徴とする内視鏡アセンブリ。
【請求項14】
前記第1レンズおよび第2レンズは、これらのレンズ相互を基準とした移動およびこれらのレンズの前記カプラを基準とした移動により、前記レンズが内視鏡イメージの拡大率を変更するように、また前記レンズの一定距離の離間を維持しつつなす前記レンズの前記カプラを基準とした移動により、前記レンズが内視鏡イメージの焦点を変化させるように集合的に構成して設け、
前記第1駆動アセンブリは、前記第1レンズおよび第2レンズが前記カプラを基準としてまた相互を基準にして移動するように前記第1レンズおよび第2レンズに連通して設け、
前記第2駆動アセンブリは、前記第1レンズおよび第2レンズが相互に一定距離で離間しつつ前記カプラを基準として移動するように前記第1レンズおよび第2レンズに連通して設けたことを特徴とする請求項13に記載の内視鏡アセンブリ。
【請求項15】
前記第1レンズおよび第2レンズは、これらのレンズ相互を基準とした移動およびこれらのレンズの前記カプラを基準とした移動により、前記レンズが内視鏡イメージの拡大率を変更するように、また前記レンズの一定距離の離間を維持しつつなす前記レンズの前記カプラを基準とした移動により、前記レンズが内視鏡イメージの焦点を変化させるように集合的に構成して設け、
レンズスリーブを前記ハウジング内に設け、
このレンズスリーブは、前記ハウジングの長手方向軸を中心に配置するとともに前記ハウジング内を長手方向に移動するように前記ハウジングに移動可能に固着して設け、
前記第1レンズおよび第2レンズは、前記レンズスリーブ内に配置するとともに、レンズ相互を基準におよびレンズスリーブを基準に長手方向に移動可能なように前記レンズスリーブに移動可能に取り付けて設け、
前記第1駆動アセンブリは、前記第1レンズおよび第2レンズが前記レンズスリーブを基準にかつレンズ相互を基準に移動するように連通して設け、
前記第2駆動アセンブリは、前記レンズスリーブが前記ハウジング内を長手方向に移動するように前記レンズスリーブに連通して設けたことを特徴とする請求項13に記載の内視鏡アセンブリ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7a】
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【図7b】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2006−503663(P2006−503663A)
【公表日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−548238(P2004−548238)
【出願日】平成14年10月25日(2002.10.25)
【国際出願番号】PCT/US2002/034221
【国際公開番号】WO2004/039250
【国際公開日】平成16年5月13日(2004.5.13)
【出願人】(595148888)ストライカー・コーポレーション (52)
【氏名又は名称原語表記】STRYKER CORPORATION
【住所又は居所原語表記】2725 Fairfield Road,Kalamazoo,Michigan United States of America
【Fターム(参考)】