説明

電動調理器

【課題】容器に果物・野菜等を入れてカッターにより切削攪拌ジュースなどの調理物をつくるミキサーなどの電動調理器において、安全レバーが異常な位置で停止する状態を未然に防ぎ、カッターが外部に露出した状態では回転しないようにして安全性を向上する。
【解決手段】電動機2を内蔵した電動調理器本体1内に上下動する安全ピン6を設け、電動機2により回転駆動されるカッター9を内設した容器台3を電動調理器本体1に装着し、容器台3に調理物を投入する容器4を螺合嵌合により装着し、容器台3の内側面に上下動する安全レバー7を設ける。容器4を容器台3に嵌合装着したときは容器4に形成した螺子山12にて安全レバー7を押し下げ、容器4を容器台3から外すときは螺子山12にて安全レバー7を引き上げる構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器に果物・野菜等を入れてカッターにより切削攪拌ジュースなどの調理物をつくるミキサーなどの電動調理器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の電動調理器は、図7に示すように構成していた。以下、その構成について説明する。
【0003】
図7に示すように、電動調理器本体1に電動機2を内蔵し、この電動機2に直結した下コネクタ11と上コネクタ10を介して、電動調理器本体1に装着された容器台3に軸支されたカッター9を高速回転させ、容器4内の果物・野菜等と液体を切削・粉砕し攪拌する。
【0004】
容器台3は上下動自在に支持された安全レバー13を内蔵し、容器台3の内側面に安全レバー13の一部が突出する開口部を設け、容器4が容器台3に嵌合装着した場合に、安全レバー13の突出した頭頂部13bが容器4の螺子山12に押圧されることにより安全レバー13を押し下げる。押し下げられた安全レバー13が、電動調理器本体1上に突設された安全ピン6を押すことにより、安全ピン6がスイッチ5を押し、電動機2への電源回路を閉じる安全構成となっている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−309859号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような従来の構成では、容器4と容器台3を嵌合した状態で、容器台3と安全レバー13の隙間に異物が挟まったり、ジュースが侵入後に乾燥したりして、安全レバー13が押し下がった状態で固着してしまった場合に、安全ピン6が押され、カッター9が外部に露出した状態で回転して危険であるという問題を有していた。
【0006】
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、安全レバーが異常な位置で停止する状態を未然に防ぎ、カッターが外部に露出した状態では回転しないようにして安全性を向上することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記目的を達成するために、電動機を内蔵した電動調理器本体内に上下動する安全ピンを設け、電動機により回転駆動されるカッターを内設した容器台を電動調理器本体に装着し、容器台に調理物を投入する容器を螺合嵌合により装着し、容器台内側面に上下動する安全レバーを設け、容器を容器台に嵌合装着したときは容器に形成した螺子山にて安全レバーを押し下げ、容器を容器台から外すときは螺子山にて安全レバーを引き上げる構成としたものである。
【0008】
これにより、安全レバーが異常な位置で停止する状態を未然に防ぐことができ、カッターが外部に露出した状態では回転しないようにできて、安全性を向上することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の電動調理器は、安全レバーが異常な位置で停止する状態を未然に防ぐことができ、カッターが外部に露出した状態では回転しないようにできて、安全性を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
第1の発明は、電動機を内蔵した電動調理器本体と、前記電動調理器本体内に設け上下動する安全ピンと、調理物を投入する容器と、前記電動機により回転駆動されるカッターと、前記カッターを内設し前記容器を螺合嵌合により装着し前記電動調理器本体に装着される容器台と、前記容器台内側面に設け上下動する安全レバーとを備え、前記容器を容器台に嵌合装着したときは前記容器に形成した螺子山にて安全レバーを押し下げ、前記容器を容器台から外すときは前記螺子山にて安全レバーを引き上げる構成としたものであり、容器を容器台から外している状態では、常に安全レバーが引き上がっているという安全な位置にあることができる。このことにより、安全レバーが異常な位置で停止して、カッターが外部に露出した状態で回転することを未然に防ぐことができて、安全性を向上することができる。
【0011】
第2の発明は、上記第1の発明において、容器に形成した螺子山は、一条未満で、円周方向に安全レバーの幅以上の隙間を設けたものであり、安全レバーが螺子山に拘束されない位置を作ることができ、安全レバー凹部の開口長さを螺子山ピッチの1.5倍程度に短くすることができるため、安全レバー凹部の剛性を高めることができる。
【0012】
第3の発明は、上記第1または第2の発明において、容器台と安全レバーの間にばねを設置し、容器が容器台に装着されていないときは前記ばねにて安全レバーを上方向に押し上げる構成としたものであり、容器が容器台から外れている状態での安全レバーが押し下がった状態での固着を防ぐことができるため、より安全な電動調理器を提供することができる。
【0013】
第4の発明は、上記第1〜3のいずれか1つの発明において、容器台に安全レバーを複数個設けたものであり、容器台の電動調理器本体への載置位置を複数箇所に増やすことができる。
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0015】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における電動調理器の一部切欠した側面図である。
【0016】
図1に示すように、電動調理器本体1は、電動機2を内蔵し、内部に上下動する安全ピン6を設け、電動機2により回転駆動されるカッター9を内設した容器台3を電動調理器本体1に装着し、容器台3に調理物を投入する容器4を螺合嵌合により装着している。容器台3内側面に上下動する安全レバー7を設け、安全レバー7がばね8を介して安全ピン6を押すことによりスイッチ5をオンし、電動機2の電源回路を閉じてカッター9を回転できるようにしている。他の構成は従来例と同じであるので、同一符号を付して説明を省略する。
【0017】
ここで、容器4を容器台3に嵌合装着したときは、容器4に形成した螺子山12にて安全レバー7を押し下げ、容器4を容器台3から外すときは螺子山12にて安全レバー7を引き上げる構成としている。
【0018】
上記構成において、動作、作用を説明する。容器4がカッター9を内設した容器台3に螺合嵌合により装着するとき、容器4に形成された螺子山12にて容器台3内側面に設けた上下動する安全レバー7を押し下げる。容器台3を電動調理器本体1に設置すると、安全レバー7は安全ピン6を押すことにより、電動機2への電源回路を閉じる。
【0019】
容器4を装着せずに容器台3を電動調理器本体1に載置しても、安全レバー7は安全ピン6を押さないため、電動機2への電源回路は開放されており、カッター9が外部に露出した状態で回転することはない。
【0020】
図2は、容器4を容器台3に装着した状態の要部断面図、図3は、容器4を容器台3から外す途中の状態の要部断面図である。
【0021】
図2および3に示すように、安全レバー7の突出部側面に安全レバー凹部7aを設け、容器4を容器台3に螺合嵌合により装着した場合には、安全レバー凹部7aの下側を容器4に形成した螺子山12が押し下げ、容器4を容器台3から外す場合には、安全レバー凹部7aの上側を容器4に形成した螺子山12が引き上げる形状としている。このことにより、容器4を容器台3から外す際には、安全レバー7が確実に引き上げられ、容器4を装着せずに容器台3を電動調理器本体1に載置しても、安全レバー7が安全ピン6を押すことはないため電源回路は開放されており、カッター9が回転することはなく安全である。
【0022】
また、上記構成は、容器4と容器台3の着脱時に確実に安全レバー7の位置を規制することができるため、安全レバー7が作動範囲の途中で止まることを防ぐこともできる。
【0023】
以上のように、本実施の形態においては、容器4を容器台3に嵌合装着したときは容器4に形成した螺子山12にて安全レバー7を押し下げ、容器4を容器台3から外すときは螺子山12にて安全レバー7を引き上げる構成としたので、容器4を容器台3から外している状態では、常に安全レバー7が引き上がっているという安全な位置にあることができ、安全レバー7が異常な位置で停止して、カッター9が外部に露出した状態で回転することを未然に防ぐことができて、安全性を向上することができる。
【0024】
(実施の形態2)
図4は、本発明の実施の形態2における電動調理器の容器の一部切欠した斜視図である。
【0025】
図4に示すように、容器4に形成した螺子山12は、一条未満の長さで、かつ円周方向に安全レバー7の幅以上の隙間を設けている。他の構成は上記実施の形態1と同じであり、同一符号を付して説明を省略する。
【0026】
上記構成において、動作、作用を説明する。螺子山12は、一条未満の長さで、かつ円周方向に安全レバー7の幅以上の隙間を設けることにより、安全レバー7が螺子山12に拘束されない位置を作ることができ、安全レバー凹部7aの開口長さを螺子山12のピッチの1.5倍程度に短くすることができるため、安全レバー凹部7aの剛性を高めることができる。
【0027】
以上のように、本実施の形態においては、容器4に形成した螺子山12は、一条未満で、円周方向に安全レバー7の幅以上の隙間を設けたので、安全レバー凹部7aの開口長さを螺子山ピッチの1.5倍程度に短くすることができるため、安全レバー凹部7aの剛性を高めることができる。
【0028】
(実施の形態3)
図5は、本発明の実施の形態3における電動調理器の一部切欠した側面図である。
【0029】
図5に示すように、ばね8は、容器台3と安全レバー7の間に設置し、容器4が容器台3に装着されていないときは、ばね8にて安全レバー7を上方向に押し上げるよう構成し
ている。他の構成は上記実施の形態1または2と同じであり、同一符号を付して説明を省略する。
【0030】
上記構成において、動作、作用を説明する。容器4が容器台3に装着されていないとき、安全レバー7はばね8によって上方へ押し上げられる。このことにより、容器4を装着せずに容器台3を電動調理器本体1に載置しても、安全レバー7が安全ピン6を押すことはないため電源回路は開放されており、カッター9が回転することはなく安全である。
【0031】
以上のように、本実施の形態においては、容器台3と安全レバー7の間にばね8を設置し、容器4が容器台3に装着されていないときは、ばね8にて安全レバー7を上方向に押し上げる構成としたので、容器4が容器台3から外れている状態での安全レバー7が押し下がった状態での固着を防ぐことができるため、より安全な電動調理器を提供することができる。
【0032】
(実施の形態4)
図6は、本発明の実施の形態4における電動調理器の容器台の斜視図である。
【0033】
図6に示すように、容器台3に安全レバー7を複数個設けている。他の構成は上記実施の形態1〜3と同じであり、同一符号を付して説明を省略する。
【0034】
上記構成において、動作、作用を説明する。容器台3に複数個の安全レバー7を設けているため、容器台3を電動調理器本体1へ載置する際に、いずれか1つの安全レバー7で安全ピン6を押すことができる。このことにより、容器台3の電動調理器本体1への載置位置を複数箇所に増やすことができる。
【0035】
以上のように、本実施の形態においては、容器台3に安全レバー7を複数個設けたので、容器台3の電動調理器本体1への載置位置を複数箇所に増やすことができる。
【産業上の利用可能性】
【0036】
以上のように、本発明にかかる電動調理器は、安全レバーが異常な位置で停止する状態を未然に防ぐことができ、カッターが外部に露出した状態では回転しないようにできて、安全性を向上することができるので、容器に果物・野菜等を入れてカッターにより切削攪拌ジュースなどの調理物をつくるミキサーなどの電動調理器として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の実施の形態1における電動調理器の一部切欠した側面図
【図2】同電動調理器の容器を容器台に装着した状態の要部断面図
【図3】同電動調理器の容器を容器台から外す途中の状態の要部断面図
【図4】本発明の実施の形態2における電動調理器の容器の一部切欠した斜視図
【図5】本発明の実施の形態3における電動調理器の一部切欠した側面図
【図6】本発明の実施の形態4における電動調理器の容器台の斜視図
【図7】従来の電動調理器の一部切欠した側面図
【符号の説明】
【0038】
1 電動調理器本体
2 電動機
3 容器台
4 容器
6 安全ピン
7 安全レバー
9 カッター
12 螺子山

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動機を内蔵した電動調理器本体と、前記電動調理器本体内に設け上下動する安全ピンと、調理物を投入する容器と、前記電動機により回転駆動されるカッターと、前記カッターを内設し前記容器を螺合嵌合により装着し前記電動調理器本体に装着される容器台と、前記容器台内側面に設け上下動する安全レバーとを備え、前記容器を容器台に嵌合装着したときは前記容器に形成した螺子山にて安全レバーを押し下げ、前記容器を容器台から外すときは前記螺子山にて安全レバーを引き上げる構成とした電動調理器。
【請求項2】
容器に形成した螺子山は、一条未満で、円周方向に安全レバーの幅以上の隙間を設けた請求項1記載の電動調理器。
【請求項3】
容器台と安全レバーの間にばねを設置し、容器が容器台に装着されていないときは前記ばねにて安全レバーを上方向に押し上げる構成とした請求項1または2記載の電動調理器。
【請求項4】
容器台に安全レバーを複数個設けた請求項1〜3のいずれか1項に記載の電動調理器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate