説明

電動送風機およびそれを用いた電気掃除機

【課題】送風の圧損を低減し、効率良くブラシレスモータを冷却して小型にした電動送風機を提供する。
【解決手段】インペラから吐出されエアガイドに導かれた気流を、外筒とフレームとの間に構成した通風路に流し、フレームの外周面に固定子のコイルエンドが露出する位置に通風孔を複数個設け、気流の下流側のフレーム端面に通風孔を設ける構成とする。これによって、主な発熱源の一つであるコイルのコイルエンドを気流で直接冷却し、多くの気流の流れを大きく妨げる構造がないので圧損が大幅に増加することが無い。これらにより圧損の増大を抑えつつ効率良く放熱することができるため、小型でかつ圧損を抑えた冷却構成が実現できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家庭用電気掃除機等に使用される電動送風機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、家庭用電気掃除機に使用される電動送風機の電動機は、ほとんどがユニバーサルモータが使われている。近年、より強い吸い込み力のものや、使用性から小型・軽量の良いものが求められている。そこで、より高速回転にすることによる吸込仕事率の向上や小型・軽量を狙ってブラシレスモータを使用した電動送風機が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この従来例は、図7に示す通り、回転軸102の先端に装着されたインペラ109が、回転軸102に装着した回転子101と、固定子コア104とコイル103とから構成される固定子を内包するフレーム105と、フレーム105と回転軸102を回転自在に連接する軸受107、108とからなるブラシレスモータによって回転する。
【0004】
複数枚のブレードを有したインペラ109の外周に配置されたエアガイド110は、インペラ109の回転によって送風された空気を圧力回復させて、エアガイド110内に流れる空気の気流をエアガイド110で内側へ大きく曲げ、この気流をブラシレスモータの内部へと流し固定子や回転子101を冷却する。
【0005】
また、モータの主な発熱部位は、ユニバーサルモータの場合、電機子・固定子、整流子であるのに対して、ブラシレスモータを使用した場合は、固定子であることから、モータのフレームの外周に沿ってエアを流すことにより、送風による圧損の低減をする提案がされている(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
この従来例は、図8に示す通り、回転軸102の先端に装着されたインペラ109が、回転軸102に装着した回転子101と、固定子コア104とコイル103とから構成される固定子を内包するフレーム105と、フレーム105と回転軸102を回転自在に連接する軸受107、108とからなるブラシレスモータによって回転する。複数枚のブレードを有したインペラ109の外周に配置されたエアガイド110は、インペラ109の回転によって送風された空気を圧力回復させて、エアガイド110内に流れる空気の気流をエアガイド110で内側へ大きく曲げ、この気流を外筒113とフレーム105の間に形成した通風路114へと流している。
【0007】
そして、ブラシレスモータでの熱の主な発生場所であるコイル103と、固定子コア104の熱を、フレーム105を介して通風路114を流れる空気に放熱させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2003−135320号公報
【特許文献2】特開平11−336696号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、前記従来のモータ内部にエアを通風して冷却する構成では、エアガイドの吐出口から大きく空気を曲げてモータ内部に導く必要があるので、送風の圧損を大きく生じてしまう。さらにモータ内部の隙間が小さいので、ここを通過するために更なる圧損
が発生する。一方、モータのフレーム外周を沿うようにエアを流す構成では、通風路での空気の圧損は低く抑えられるが、コイルで発生した熱はコアとフレームを介して放熱するため、小型にするほど十分な冷却が行えない。従って、放熱効率が悪いために小型化するのに制約が生じてしまうという課題を有していた。
【0010】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、送風の圧損を低減し、かつブラシレスモータを効率良く冷却して小型化した電動送風機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記従来の課題を解決するために、本発明の電動送風機は、回転軸を有した回転子と、複数のコイルを有した固定子と、固定子を内包し回転軸を支持する軸受を保持したフレームとにより構成されたブラシレスモータを備えるとともに、複数枚のブレードを有し、回転軸に固着されたインペラと、前記インペラの外周に配置されたエアガイドと、前記インペラおよび前記エアガイドを内包し、中央部に吸気口を配置し、少なくとも前記フレームまたは前記エアガイドの一部に固定されたファンケースと、前記ファンケースに接続された外筒接続部と前記フレームの外側に設けた外筒とからなる外筒部とを備え、前期インペラによって発生させ、前記エアガイドに導かれた空気を前記フレーム外周に沿って流す通路を前期外筒と前記フレーム間に構成し、前記フレームの外周に前記固定子のコイルエンドが露出する位置に通風孔を複数個設ける構成としたものである。
【0012】
これによって、モータの主な発熱源であるコイルのコイルエンドを空気で直接冷却してフレーム端面へと抜けるとともに、多くの空気をフレーム外周に沿って流すことにより、流れを大きく妨げる構造がないので圧損が大幅に増加することが無い。これらによって圧損の増大を抑えつつ効率良く放熱することができるため、小型でかつ圧損を抑えた冷却構成が実現できる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の電動送風機は、フレーム外周を流れる空気の圧損を抑えながら、モータのコイルを効率良く冷却できるため、送風の効率の低下を抑えながら小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態1における電動送風機の部分断面図
【図2】本発明の実施の形態1における電動送風機のエアガイドとインペラ部を示す図1でのA−A断面図
【図3】(a)本発明の実施の形態1におけるブラシレスモータのフレーム端面部の平面図(b)同ブラシレスモータのフレーム端面部の平面図
【図4】本発明の実施の形態1におけるブラシレスモータの断面図
【図5】本発明の実施の形態2における電動送風機の部分断面図
【図6】本発明の実施の形態2におけるブラシレスモータの断面図
【図7】従来のモータ内部に空気を通して冷却する電動送風機の部分断面図
【図8】従来のモータ外周に空気を通して冷却する電動送風機の部分断面図
【発明を実施するための形態】
【0015】
第1の発明は、回転軸を有した回転子と、複数のコイルを有した固定子と、前記固定子を内包し前記回転軸を支持する軸受を保持したフレームと、により構成されたブラシレスモータを備えるとともに、複数枚のブレードを有し、前記回転軸に固着されたインペラと、前記インペラの周囲に複数の流路を構成するエアガイドと、前記インペラおよび前記エアガイドを内包し、中央部に吸気口を配置したファンケースと、前記フレームの外周に設けられた外筒とを備え、前記インペラによって発生され前記ファンケースと前記エアガイドによって導かれた空気を、前記フレーム外周に沿って流す通路を前記外筒と前記フレー
ムとの間に構成し、前記フレームの外周には側面通風孔が複数設けられ、前記側面通風孔は、前記回転軸の鉛直方向から見て前記固定子のコイルエンドが前記側面通風孔を介して露出する位置に配置され、前記フレームの両端面において前記インペラ側のフレーム端面と対向する側のフレーム端面に少なくとも一つ以上の端面通風孔を設けたことにより、インペラからの気流がフレーム外周面の側面通風孔から入ってコイルエンドに直接接触し、フレーム外周面の側面通風孔やフレーム端面の端面通風孔へと抜ける。ブラシレスモータの主な発熱源の1つは固定子のコイルなので、非常に効率良く熱がコイルから空気へと伝達するので、効率良く冷却することができる。
【0016】
第2の発明は、特に、第1の発明のフレーム端面に設けた端面通風孔は、少なくとも前記固定子のコイルエンドの内周側が回転軸方向から見て露出する位置に設けることとしたことにより、主にインペラ側のコイルエンドと回転軸の長手方向に対向するコイルエンドが露出するフレーム外周面の側面通風孔から入った気流が、コイルエンドの山を乗り越えるようにしてフレーム端面の端面通風孔へと抜ける成分が生まれる。コイルエンドの高い部分から回転軸側に乱流が発生してコイルエンドと空気の接触機会が増大する。こうすることで、コイルエンドと接触する空気の量を増やすことができるので、より効率良く冷却することができる。
【0017】
第3の発明は、特に、第1の発明のフレーム端面に設けた前記端面通風孔は、少なくとも前記固定子のコイルエンドの外周側が回転軸方向から見て露出する位置に設けることにより、主にインペラ側のコイルエンドと回転軸の長手方向に対向するコイルエンドが露出するフレーム外周面の通風孔から入った気流が、コイルエンドの山を乗り越えるが大きな湾曲なしにフレーム端面の端面通風孔へと抜けることができるため、気流の圧損が増大するのを抑制することができる。
【0018】
第4の発明は、特に、第1〜3のいずれか1つの発明の電動送風機を電気掃除機に搭載することにより、小型・軽量で吸込仕事率が高い電気掃除機が実現できる。
【0019】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0020】
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における電動送風機の部分断面図を示すものである。図1において、1は回転子で、回転子1は回転軸2を中心に配置しており、回転子1の外周側に複数のコイル3と固定子コア4を有する固定子が配置され固定子コア4はフレーム5に焼きバメなどによって内包されており、このフレーム5とフレーム5に連接したブラケット6とで軸受7、軸受8を保持して回転軸2を回転自在に支持している。
【0021】
回転軸2の先端にはインペラ9が連結され、インペラ9の周囲にエアガイド10が配置され、エアガイド10の複数チャンネルの独立したディフューザにより、インペラ9から排出された空気を徐々に減速し、圧力回復を行っている。
【0022】
ファンケース11は中央部に空気を流入するための吸気口を有し、吸気口には樹脂製リング12が配置されており、インペラ9との隙間を最小限にして空気の漏れを防いでいる。
【0023】
フレーム5の外周側にファンケース11に連接された外筒13が設けられ、フレーム5との間に通風路14を形成している。インペラ9から吐出された気流はエアガイド10を通って通風路14へと導かれる。フレーム5の外周面にコイル3のコイルエンドが露出する位置に側面通風孔15を複数個設けている。
【0024】
通風路14を通る気流のうち、フレーム5に沿って流れる気流の一部は、側面通風孔15を通ってコイル3のコイルエンドに当たることにより、ブラシレスモータの主な発熱源の1つであるコイル3を直接冷却するので、効率良く冷却することが可能となる。
【0025】
側面通風孔15を通過してコイル3のコイルエンドに接触した気流の内、一部の気流はブラシレスモータの内部を通って固定子と回転子1を冷却する。また大半の気流はブラシレスモータの内部の隙間が通風路14に比べて小さいので再び通風路14に戻る。
【0026】
このブラシレスモータの内部を通った気流と、通風路14を流れる気流の下流側にあるコイルエンドが露出する位置に設けた側面通風孔15からモータの内側に入る気流の多くとがフレーム端面に設けた端面通風孔16へと排出されるのでスムーズにモータ内部を通過することができるため圧損が低くなり気流がコイルエンドに触れる機会が多くなる。
【0027】
端面通風孔16は、少なくとも固定子のコイルエンドの内周側が回転軸方向から見て露出する位置に設けることとしたことにより、前記フレーム外周面の側面通風孔から入った気流が、コイルエンドの山を乗り越えるようにしてフレーム端面の端面通風孔へと抜ける成分が生まれる。
【0028】
コイルエンドの外周部分から回転軸側に乱流が発生してコイルエンドと空気の接触機会が増大する。これにより、一層、効率良く冷却することが可能となる。また、このように通風路14を流れる気流を大きく遮ることがないので、圧損の大きな増大を抑えることができる。
【0029】
図2は、本発明の実施の形態1における電動送風機のエアガイドとインペラ部を示す図1でのA−A断面図である。図2において、回転軸2に装着された複数枚のブレードを有したインペラ9から外周に向かって吐出された気流は、エアガイド10で徐々に圧力回復された後、外筒13の内側の通風路14へと旋回気流となって送られる。それゆえ、通風路14内に生じた旋回気流によってフレーム5の側面通風孔15内に気流が導入されることとなる。
【0030】
図3(a)は、本発明の実施の形態1におけるブラシレスモータのフレーム端面部の平面図であり、端面通風孔が均一サイズを示した例であり、図3(b)は端面通風孔が2種類のサイズの円形の場合を示した例である。
【0031】
図3(a)において端面通風孔16は扇形で円周状に均一に配置されている。端面通風孔16は、少なくとも固定子のコイル3のコイルエンドの内周側が回転軸方向から見て露出する位置に設けることとしたことにより、主にインペラ側のコイルエンドと回転軸の長手方向に対向するコイルエンドが露出するフレーム5の外周面の側面通風孔15から入った気流が、コイルエンドの山を乗り越えるようにしてフレーム端面の端面通風孔16へと抜ける成分が生まれる。
【0032】
コイルエンドの外周部分から回転軸側に乱流が発生してコイルエンドと空気の接触機会が増大する。こうすることで、コイルエンドと接触する空気の量を増やすことができるので、より効率良く冷却することができる。
【0033】
図3(b)において大きな端面通風孔16と小さな端面通風孔16とを組み合わせることにより、側面通風孔15から入った気流が端面通風孔16へと抜ける経路を制御しやすくなる。気流は主に旋回気流なので、側面通風孔15と端面通風孔16の配置角度の位相差を大きくとると、主経路が長くなり、位相差を小さくすると主経路が小さくなる。これ
により、気流に対する圧損とコイルエンドを冷却する効果とのバランスを調整することができる。
【0034】
図4は本発明の実施の形態1におけるブラシレスモータの断面図である。
図4においてフレーム5に設けた側面通風孔15と、集中巻きにしてある複数のコイル3のコイルエンドの間に形成される隙間の位置とを合わせている。旋回気流は側面通風孔15からブラシレスモータの内部へ入りコイルエンドに当たって再びブラシレスモータの外へと出るものと、コイルエンドとフレーム5の間を通るものと、コイルエンドの間の隙間からさらに内周側を通って再びブラシレスモータの外へ向かうものとがある。
【0035】
旋回気流の妨げをせずに側面通風孔15から内周側に導入しやすくするため、側面通風孔15の旋回気流の上流側のエッジ17が外周側に面する斜面の形状にしている。フレーム5の形状に沿った旋回気流が斜面の形状に沿うため、内周側に向かいやすくなる。これによりコイル3に接触する気流が増加して冷却性能が向上する。
【0036】
また、旋回気流の下流側の側面通風孔15のエッジ18が外周側に向けて突出するように曲がっていることによりフレーム5とコイル3の間とその内側へ導入しやすくなる。これにより、コイル3と接触する気流がさらに増加して冷却性能が向上する。
【0037】
また、図1において、エアガイド10を通る気流を徐々に変化させるようにファンケース11のエアガイド10の外周側に対面する内側の角を曲面にするとすることで、圧損を低減することができる。
【0038】
(実施の形態2)
図5は、本発明の第2の実施の形態における電動送風機の一部破断正面図を示すものである。
図5において、1は回転子で、回転子1は回転軸2を中心に配置しており、回転子1の外周側にコイル3と固定子コア4を有する固定子が配置され固定子コア4はフレーム5に固着されており、このフレーム5とフレーム5に連接したブラケット6とで軸受7、軸受8を保持して回転軸2を回転自在に支持している。
【0039】
回転軸2の先端にはインペラ9が連結され、インペラ9の外周にエアガイド10が配置され、エアガイド10の複数チャンネルの独立したディフューザにより、インペラ9から排出された空気を徐々に減速し、圧力回復を行っている。ファンケース11は中央部に空気を流入するための吸気口を有し、吸気口には樹脂製リング12が配置されており、インペラ9との隙間を最小限にして空気の漏れを防いでいる。
【0040】
フレーム5の外周側にファンケース11に連接された外筒13が設けられ、外筒13の内側に吸音材19が連接してあり、吸音材19は通常、気流を通すのに十分な剛性を有している。そして外筒13及び吸音材19とフレーム5との間に通風路14を形成している。
【0041】
インペラ9から吐出された気流はエアガイド10を通って通風路14へと導かれる。フレーム5の外周面にコイル3のコイルエンドが露出する位置に側面通風孔15を複数個設けている。通風路14を通る気流のうち、フレーム5に沿って流れるものの一部は側面通風孔15を通ってコイル3のコイルエンドに当たることにより、ブラシレスモータの主な発熱源であるコイル3を直接冷却するので、効率良く冷却することが可能となる。
【0042】
側面通風孔15を通過してコイル3のコイルエンドに接触した気流の内、一部の気流はブラシレスモータの内部を通って固定子と回転子を冷却する。また大半の気流はブラシレ
スモータの内部の隙間が通風路14に比べて小さいので再び通風路14に戻る。
【0043】
このブラシレスモータの内部を通った気流と、通風路14を流れる気流の下流側にあるコイルエンドが露出する位置に設けた側面通風孔15からモータの内側に入る気流の多くとがフレーム端面に設けた端面通風孔16へと排出されるのでスムーズにモータ内部を通過することができるので圧損が低くなり気流がコイルエンドに触れる機会が多くなる。
【0044】
端面通風孔16は、少なくとも固定子のコイルエンドの内周側が回転軸方向から見て露出する位置に設けることとしたことにより、主にインペラ側のコイルエンドと回転軸の長手方向に対向するコイルエンドが露出するフレーム外周面の側面通風孔から入った気流が、コイルエンドの山を乗り越えるようにしてフレーム端面の端面通風孔へと抜ける成分が生まれる。
【0045】
コイルエンドの外周部分から回転軸側に乱流が発生してコイルエンドと空気の接触機会が増大する。これにより、一層、効率良く冷却することが可能となる。また、このように通風路14を流れる気流を大きく遮ることがないので、圧損の大きな増大を抑えることができる。
【0046】
また、通風路14は吸音材19によって気流が十分に流れる寸法を確保し、かつ気流がフレーム5に近づく方向へ流れるように規制しているので、フレーム5に沿う気流の割合を増やす働きを有している。
【0047】
このように通風路14を流れる気流を大きく遮ることがないので、圧損の大きな増大を抑えることができる。インペラ9から吐出された気流は、実施の形態1の図2と同様に、エアガイド10を通って通風路14へと旋回気流として吐出される。それゆえ、旋回気流によってフレーム5の側面通風孔15に気流が導入される。
【0048】
図6は本発明の実施の形態2におけるブラシレスモータの断面図である。
図6においてフレーム5に設けた側面通風孔15と集中巻きにしてあるコイル3のコイルエンドの山の位置に合わせている。
【0049】
また、固定子コア4は内周側へ突出したティース21を有しており、ティース21にコイル3を巻回されている。
【0050】
固定子コア4の外周面にはティース21の中央を通る半径方向の延長線上に溝20が設けられ、溝20は回転軸方向へ固定子コア4の両側の端面に連通するように構成されているので、側面通風孔15からブラシレスモータの内部へ入った気流の一部がコア外周の溝20を通ることにより、より冷却効果を高めることができる。
【0051】
側面通風孔15から入ってくる旋回気流の多くはコイルエンドの山にあたって再びフレーム5の外周へと流れていくので、気流の流れを大きく妨げることがない。通風路14を流れる気流の下流側にある側面通風孔15からモータの内側に入る気流については、さらに大きな妨げなくフレーム5の端面の端面通風孔16へと抜ける。それにより圧損の増大を抑えながら冷却効率を高めることが実現できる。
【0052】
なお、溝20は円筒形状の固定子コア4にV溝形状としたが、固定子コア4の磁気回路として不具合がない寸法・形状であればフレーム5との間で固定子コア4の両側の端面に連通する通路を形成するようなものであれば、いかなる形状でも同様な効果が得られることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0053】
以上のように、本発明にかかる電動送風機は、フレーム外周を流れる空気の圧損を抑えながら、コイルエンドを直接冷却することができるため、送風の効率の低下を抑えながら小型化することが可能となるので、小型・軽量で送風効率が高い電動送風機を実現できる。また、この電動送風機を用いて、小型・軽量で吸込仕事率の高く使い勝手の良い電気掃除機を実現することができる。
【符号の説明】
【0054】
1 回転子
2 回転軸
3 コイル
4 固定子コア
5 フレーム
6 ブラケット
7 軸受
8 軸受
9 インペラ
10 エアガイド
11 ファンケース
12 樹脂製リング
13 外筒
14 通風路
15 側面通風孔
16 端面通風孔
17 エッジ
18 エッジ
19 吸音材
20 溝
21 ティース
101 回転子
102 回転軸
103 コイル
104 固定子コア
105 フレーム
106 ブラケット
107 軸受
108 軸受
109 インペラ
110 エアガイド
111 ファンケース
112 樹脂製リング
113 外筒
114 通風路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸を有した回転子と、
複数のコイルを有した固定子と、
前記固定子を内包し前記回転軸を支持する軸受を保持したフレームと、により構成されたブラシレスモータを備えるとともに、
複数枚のブレードを有し、前記回転軸に固着されたインペラと、
前記インペラの周囲に複数の流路を構成するエアガイドと、
前記インペラおよび前記エアガイドを内包し、中央部に吸気口を配置したファンケースと、
前記フレームの外周に設けられた外筒とを備え、
前記インペラによって発生され前記ファンケースと前記エアガイドによって導かれた空気を、前記フレーム外周に沿って流す通路を前記外筒と前記フレームとの間に構成し、
前記フレームの外周には側面通風孔が複数設けられ、前記側面通風孔は、前記回転軸の鉛直方向から見て前記固定子のコイルエンドが前記側面通風孔を介して露出する位置に配置され、
前記フレームの両端面において前記インペラ側のフレーム端面と対向する側のフレーム端面に少なくとも一つ以上の端面通風孔を設けた電動送風機。
【請求項2】
前記フレーム端面に設けた前記端面通風孔は、少なくとも前記固定子のコイルエンドの内周側が回転軸方向から見て露出する位置に設けることとした請求項1に記載の電動送風機。
【請求項3】
前記フレーム端面に設けた前記端面通風孔は、少なくとも前記固定子のコイルエンドの外周側が回転軸方向から見て露出する位置に設けることとした請求項1に記載の電動送風機。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の電動送風機を搭載した電気掃除機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−202283(P2012−202283A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−67232(P2011−67232)
【出願日】平成23年3月25日(2011.3.25)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】