説明

電子カメラ及び画像取扱い装置並びに電子カメラシステム

【課題】本発明は、簡単な構成で画像データと地域名とを対応させる。
【解決手段】被写体像を撮影する地域の郵便番号のコードデータ又は地域名をEEPROM59に記憶し、第1のCPU40の指令によりEEPROM59に記憶されたコードデータ又は地域名と画像データDとを対応させてメモリカード20に記憶する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、撮影した被写体像の画像データを情報記録媒体に記憶する電子カメラ及びこの電子カメラに対する設定や画像処理を行う画像取扱い装置並びに電子カメラシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】電子カメラは、対物レンズを通して入射する被写体像を光電変換素子により光電変換し、その画像データを情報記録媒体に記憶するものであるが、この情報記録媒体への画像データの記憶とともに、被写体像を撮影した地域名をも情報記録媒体に記憶させるものがある。
【0003】このような地域名の記憶手段としては、電子カメラにGPS(グローバル・ポジショニング・システム:全地球航法)を接続し、このGPSを用いて複数の衛生からの電波を受けて現在位置を求め、この現在位置から地域名を求めて画像データとともに情報記録媒体に記憶している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、GPSを用いて地域名を記憶する手段では、GPSにより求めた現在位置から地域名を求めるためには、現在位置から地域名への変換テーブルを持たなければならず、この変換テーブルは、例えば日本全土の地域名を記憶したものでなければならず、膨大なデータ量となり、かつ高価となる。又、電子カメラにGPSを内蔵させる構成もあるが、これでは電子カメラ自体が大型化するとともに高価となる。
【0005】そこで本発明は、簡単な構成で画像データと地域名とを対応させることができる電子カメラ及び画像取扱い装置並びに電子カメラシステムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1によれば、被写体像を光電変換して画像データを作成し、この画像データを情報記録媒体に格納する機能を備えた電子カメラにおいて、郵便番号に対応するデータと画像データとを対応させて情報記録媒体に格納するように構成された記録手段を備えた電子カメラである。
【0007】請求項2によれば、請求項1記載の電子カメラにおいて、自己に対して着脱自在な情報記録媒体から郵便番号と地名との対応関係に係わる情報の供給を受けるように構成されている。
【0008】請求項3によれば、請求項1記載の電子カメラにおいて、自己と情報電送路によって結ばれた外部機器から郵便番号に対応するデータの供給を受けるように構成されている。
【0009】請求項4によれば、請求項1記載の電子カメラにおいて、記録手段は、複数の郵便番号をシンボル化されたデータとして保持し、これらシンボル化されたデータに基づいて郵便番号を選択可能に構成した。
【0010】請求項5によれば、複数の地域の各郵便番号に対応する地域特定用データを保持する地域データ保持手段と、この地域データ保持手段に保持されている複数の地域特定用データのうち撮影を所望する地域の郵便番号に対応する地域特定用データを電子カメラに設定する地域データ設定手段と、を備えた画像取扱い装置である。
【0011】請求項6によれば、複数の地域の各郵便番号に対応する地域特定用データを保持する地域データ保持手段と、電子カメラの情報記憶媒体に記憶されている画像データ及び地域特定用データを受け取って保存する画像データ保存手段と、地域名又は郵便番号の指示を受けると、地域特定用データに基づいて地域データ保持手段に記憶されている地域名又は郵便番号に対応する画像データを検索してその画像を再生表示する画像再生手段と、を備えた画像取扱い装置である。
【0012】請求項7によれば、特定の画像と郵便番号との対応関係が維持されるようにして特定の画像を表す画像データと郵便番号に対応するデータとが格納された情報記録媒体が適用され得るように構成され、情報記録媒体が適用されるときには、郵便番号に対応する情報に依拠して特定の画像の検索を行うための手段を備えた画像取扱い装置である。
【0013】請求項8によれば、特定の画像と郵便番号との対応関係が維持されるようにして特定の画像を表す画像データと郵便番号に対応するデータとが格納された情報記録媒体が適用され得るように構成され、情報記録媒体が適用されるときには、画像の特定が行われるに関連してその画像に対応した郵便番号乃至この郵便番号に対応する情報が検索されるように構成された手段を備えた画像取扱い装置である。
【0014】請求項9によれば、被写体像を光電変換して得られた画像データと被写体像を撮影する地域の郵便番号に対応する地域特定用データとを対応させて情報記録媒体に記憶する機能を有する電子カメラと、複数の地域の各郵便番号に対応する地域特定用データを保持する地域データ保持手段と、この地域データ保持手段に保持されている複数の地域特定用データのうち撮影を所望する地域の郵便番号に対応する地域特定用データを電子カメラに設定する地域データ設定手段と、電子カメラの情報記憶媒体に記憶されている画像データ及び地域特定用データを受け取って保存する画像データ保存手段と、地域名又は郵便番号の指示を受けると、地域特定用データに基づいて地域データ保持手段に記憶されている地域名又は郵便番号に対応する画像データを検索してその画像を再生表示する画像再生手段とを有する画像取扱い装置と、を備えた電子カメラシステムである。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。図1は電子カメラの外観図であり、図2は同電子カメラのメモリカード装着室回りの斜視図である。
【0016】電子カメラ1の外装体は、前カバー2と後カバー3とを組み合わせた構成であり、このうち前カバー2側には、撮像レンズ4を装備した鏡筒部が設けられている。この前カバー2の上面部には、ストロボ発光部5、電源スイッチ釦6、記録/再生切り換えスイッチ釦7、レリーズスイッチボタン8、モード表示用LCD9、撮影モード設定スイッチ釦群10が配設されている。又、後カバー3の背面側には、画像表示用LCD11、画像表示用LCD操作スイッチ釦群12、ファインダ接眼部13が配設されている。
【0017】電子カメラ1の外装体の右側部分には、通常撮影時に右手で把持するための把持部14が設けられている。この把持部14の撮影者より右手前側、すなわち後カバー3の右端コーナ部には、メモリカード用蓋15が配置されている。このメモリカード用蓋15は、その一方の測縁部が前カバー2と後カバー3との接合部に配置されている蓋回動軸部16に保持され、この蓋回動軸部16を中心として回動して開閉できるようになっている。
【0018】図1はメモリカード用蓋15を閉じた状態を示している。後カバー3の背面部の対応部分に指挿入用凹部17が形成され、閉じた状態のメモリカード用蓋15を指で開放できるようになっている。この指挿入用凹部17の上部の背面部には、メモリカードLED窓18が設けられており、その内部にはメモリカードのアクセス中であることを示すLEDが配置されている。
【0019】図2はメモリカード用蓋15を開放じた状態を示している。後カバー3のメモリカード用蓋15に対応する部分は、背面部にほぼ平行な蓋内平面部19aと、凹曲面から成る蓋内凹曲面部19bとの2つの面から構成されている。そして、蓋内凹曲面部19bの一部に背面部に接近してメモリカード20の挿入用開口21が形成されている。又、メモリカード装着部としてのメモリカード装着室22が背面部に平行に配置され、メモリカード20が後カバー3の背面部に平行に挿入されるようになっている。
【0020】メモリカード20の挿入用開口21は、斜めでかつ円弧状にえぐられて形成されている。従って、メモリカード20がメモリカード装着室22内へ完全に挿入された装着状態にあっても、メモリカード20の端縁部の中央部分を指で摘むのに十分な端縁部分が露出されるようになっている。
【0021】又、メモリカード装着室22の被写体側の内面には、メモリカード20を挿脱自在に保持し、かつメモリカード20のコネクタパターン23と電気的接続が可能なコネクタ接点群24が配置されている。このコネクタ接点群24は、電子カメラ内部のプリント基板に実装されており、メモリカード20に対する電源及び信号授受ラインの接続用である。メモリカード20側のコネクタパターン23の電源ピンP1 とP2 とに対応するカメラ側のコネクタ接点群24は電源ラインに接続され、コネクタパターン23の検出ピンP3 に対応するカメラ側のコネクタ接点群24の接点部は、抵抗を介してプルダウンされているCPUのカードモニタラインに接続されている。
【0022】さらに、メモリカード装着室22のカード挿入方向の底部下方には、逆差し防止ピン25が固着されている。同じくカード挿入方向の底部下方には、カード挿入検出スイッチ26が配設されている。このカード挿入検出スイッチ26のアクチュエータ(可動片)27は、常時メモリカード装着室22内にバネで付勢された状態でメモリカード装着室22内に突出しており、メモリカード20の先端部で押圧されると後退し、カード挿入検出スイッチ26がオンに切り換えられるようになっている。
【0023】上記メモリカード用蓋15の開閉先端部付近に対応した蓋内平面部19aには、メモリカード蓋スイッチ28及びこのスイッチ28に隣接してリセットスイッチ29が配置されている。このうちメモリカード蓋スイッチ28は、メモリカード用蓋15の開閉状態を検出するもので、メモリカード用蓋15の一部に形成されている突起30により押圧されることによりメモリカード用蓋15の開閉状態を検出するものとなっている。電子カメラの記録時又は再生時の電源オン状態において、メモリカード蓋スイッチ28によってメモリカード用蓋15が開けられたことを検出すると、強制的に電源をオフするものとなっている。従って、メモリカード20がメモリカード装着室22から引き抜かれる際には、確実に電源がオフになり、メモリカード20内のデータが確実に保護される。
【0024】一方、図3は電子カメラの電気回路のブロック構成図である。この電子カメラ1は、第1のCPU40から発する指令により系全体が統括的に制御され、かつ画像データに対する処理が第2のCPU41から発する指令により実行されるようになっている。
【0025】撮像系について説明すると、撮影レンズ42を通して被写体像がCCD43に入射するようになっており、このCCD43は、入射した被写体像を光電変換して電気信号として出力するものとなっている。このCCD43の出力端子には、撮影処理回路44、A/D変換回路45及び補正回路46が接続されている。このうち撮影レンズ42は、アクチュエータ47に取り付けられ、アクチュエータ駆動回路48の駆動によってズーム又はフォーカス駆動されるものとなっている。
【0026】又、撮影処理回路44はCCD43の出力信号に対してAGC、クランプ処理を施す機能を有し、補正回路44はA/D変換回路45からのディジタル信号に対してホワイトバランス等の処理を行う機能を有している。この補正回路44の出力端子は、第2のCPU41と接続されるバス49を介してフレームメモリ50、FIFOメモリ51及び記録媒体I/F52が接続されている。このうちFIFOメモリ51には、オンスクリーン回路53を介してビデオ出力回路54及びTFT液晶駆動回路55が接続されている。
【0027】従って、補正回路44から出力されるディジタル信号は、第2のCPU41からの指令によりバス49を通してフレームメモリ50に書き込まれ、その後にFIFOメモリ51に出力される。そして、このFIFOメモリ51の出力信号は、オンスクリーン回路53でキャラクタ信号が重畳され、ビデオ出力回路54でビデオ信号に変換され、ビデオ出力端子56から外部に映像信号として出力される。これと同時にオンスクリーン回路53の出力信号は、TFT液晶駆動回路55を介してTFT液晶パネルである画像表示用LCD11に撮影中の被写体画像として表示される。この画像表示用LCD11は、バックライトユニット58によりバックライト照明がなされている。
【0028】撮影画像信号をメモリカード20に記憶する場合は、第2のCPU41からの指令により補正回路46のディジタル出力信号の1画面分をフレームメモリ50に記憶し、このフレームメモリ50に記憶されたディジタル画像信号を第2のCPU41によって圧縮処理し、この後に記録媒体I/F52を通して画像データとしてメモリカード20に記憶する。
【0029】一方、メモリカード20に記憶された画像データを再生する場合は、第2のCPU41からの指令によりメモリカード20に記憶された画像データを記録媒体I/F52を通して読み出し、第2のCPU41によって伸長処理し、この後に1画面分をフレームメモリ50に記憶する。そして、このフレームメモリ50に記憶されたディジタル画像信号は、上記同様にFIFOメモリ51を通してオンスクリーン回路53でキャラクタ信号が重畳され、ビデオ出力回路54でビデオ信号に変換され、ビデオ出力端子56から外部に映像信号として出力される。これと同時にオンスクリーン回路53の出力信号は、TFT液晶駆動回路55を介してTFT液晶パネルである画像表示用LCD11に撮影中の被写体画像として表示される。
【0030】上記第1のCPU40は、電子カメラ1の補正値等が記憶されているEEPROM59、外部プリンタ又はパーソナルコンピュータ70等へ画像データを送信するための外部データI/F60、画像表示用LCD操作スイッチ釦群12を含むキーマトリクス61が接続され、かつLCD表示回路62を介してモード表示LCD63でモード等の表示を行う機能を有している。なお、電池64の出力は、第1のCPU40で制御される電源回路65を通して各回路に供給されている。
【0031】上記第2のCPU41は、画像信号に対する画像圧縮機能、画像伸長機能、フレームメモリ50に対して制御を行うフレームメモリコントロール機能、メモリカード20に対してアクセスするメモリカードアクセス機能を有している。
【0032】一方、上記EEPROM59には、被写体像を撮影する地域の郵便番号に対応する地域特定用データすなわち郵便番号のコードデータ又は地域名が記憶されている。この郵便番号のコードデータ又は地域名のEEPROM59への記憶は、外部データI/F60を通して外部機器としてのパーソナルコンピュータ70から送られてくる郵便番号のコードデータを受け取って第1のCPU40の指令により実行される。
【0033】又、このうち郵便番号のコードデータのEEPROM59への記憶は、キーマトリクス61への操作により行う。この場合、キーマトリクス61は、第1のCPU40の指令により画像表示用LCD操作スイッチ釦群12を、図4に示すように昇順用スイッチ釦12a、降順用スイッチ釦12b、設定用スイッチ釦12c及び短縮用スイッチ釦12dとして機能させ、かつTFT液晶パネルである画像表示用LCD11には、郵便番号設定用の枠71と数字「0,1,2,3,…,9」72とを表示させるものとなる。
【0034】そして、昇順用スイッチ釦12aは、1回押し操作する毎に画像表示用LCD11に表示ている数字の指示位置73を「0→1→2…→9」の順に上げ、降順用スイッチ釦12bは、1回押し操作する毎に画像表示用LCD11に表示ている数字の指示位置73を「9→8→7…→0」の順に下げるものとなる。又、設定用スイッチ釦12cは、昇順用スイッチ釦12aと降順用スイッチ釦12bとの操作による指示位置73の選択により指示された数字を郵便番号設定用の各枠71に設定するものとなっている。
【0035】短縮用スイッチ釦12dは、例えば7桁の郵便番号を3桁の任意の数字(短縮番号)に対応させてEEPROM59に予め記憶させてある場合、昇順用スイッチ釦12aと降順用スイッチ釦12bとの操作により短縮番号を郵便番号設定用の各枠71に設定した後に押し操作されることにより、短縮番号に対応する郵便番号をEEPROM59から読み出して郵便番号設定用の各枠71に表示させるものとなっている。
【0036】さらに、上記EEPROM59には、被写体像を撮影する地域名を予め記憶させてもよい。この場合、キーマトリクス61は、第1のCPU40の指令により画像表示用LCD操作スイッチ釦群12を、図6に示すように昇順用スイッチ釦12a、降順用スイッチ釦12b、設定用スイッチ釦12cとして機能させ、かつ画像表示用LCD11には、被写体像を撮影する地域名の候補を複数表示させるものとなる。
【0037】尚、EEPROM59に上述の各データを予め格納し、これを用いるに代えて、当該電子カメラに着脱自在に適用される情報記録媒体であるメモリカード20に上述同様の各データを保有させたものを適用し、既述の構成に於けると同様に機能せしめる構成を取ることもできる。
【0038】上記の構成において、昇順用スイッチ釦12aは、1回押し操作する毎に画像表示用LCD11に表示ている地域名の指示位置73を例えば「八王子小宮町」→「八王子久保山町」→「八王子大和田町」…→「八王子石川町」の順に上げ、降順用スイッチ釦12bは、1回押し操作する毎に画像表示用LCD11に表示ている地域名の指示位置73を例えば「八王子石川町」→「八王子宇津木町」→「八王子大和田町」…→「八王子小宮町」の順に下げるものとなる。又、設定用スイッチ釦12cは、昇順用スイッチ釦12aと降順用スイッチ釦12bとの操作による指示位置73の選択により指示された地域名のデータを設定するものとなっている。
【0039】しかるに、上記第1のCPU40は、EEPROM59に対して予め被写体像を撮影する地域の郵便番号のコードデータが記憶されていると、被写体像を撮影してその画像データをメモリカード20に記憶するとき、EEPROM59に記憶されている郵便番号のコードデータを読み出し、このコードデータを図5に示すように画像データDのヘッダデータの領域Fに書き込んで、画像データとともにメモリカード20に記憶する画像データ記憶手段40aとしての機能を有している。
【0040】又、この第1のCPU40は、EEPROM59に対して予め被写体像を撮影する地域名のデータが記憶されていると、被写体像を撮影してその画像データをメモリカード20に記憶するとき、EEPROM59に記憶されている地域名のデータを読み出し、この地域名のデータを上記図5に示すように画像データDのヘッダデータの領域Fに書き込んで、画像データとともにメモリカード20に記憶する画像データ記憶手段40aとしての機能を有している。
【0041】一方、パーソナルコンピュータ70は、電子カメラ1とともに電子カメラシステムを構成するもので、図7に示すように電子カメラ1の外部データI/F60に対して例えばRC232等のケーブル75を介して接続されている。このパーソナルコンピュータ70は、電子カメラ1に対して郵便番号のコードデータを設定し、かつ電子カメラ1のメモリカード20に記憶されている画像データDと郵便番号のコードデータとを読み取って保存し、地域名や郵便番号の指示を受けてこれら地域名や郵便番号に対応する画像データDを検索してその被写体画像を表示画面76に表示する画像取扱い装置としての機能を有している。
【0042】具体的にパーソナルコンピュータ70は、地域データ保持部77、地域データ設定部78、画像データ保存部79、画像再生部80の各機能を有している。地域データ保持部77は、例えば日本全土の地域名とその地域の各郵便番号のコードデータとを対応させて保持する機能を有している。
【0043】地域データ設定部78は、地域データ保持部77に記憶されている日本全土の地域名を読み出して表示画面76に表示し、撮影を所望する地域名が指示されると、地域データ保持部77に保持されている各郵便番号のコードデータのうち撮影を所望する地域の郵便番号のコードデータをを読み出して電子カメラ1に送信し設定する機能を有している。
【0044】画像データ保存部79は、電子カメラ1のメモリカード20に記憶されている画像データD及び郵便番号のコードデータ又は地域名のデータを読みとつて保存する機能を有している。
【0045】画像再生部80は、地域名又は郵便番号の指示を受けると、郵便番号のコードデータに基づいて地域データ設定部78に記憶されている地域名又は郵便番号に対応する画像データDを検索してその被写体画像を表示画面76に再生表示する機能を有している。
【0046】このうち画像データ保存部79は、図8のパーソナルコンピュータ70の表示画面75に表示されるフォルダ構成に示すようにパーソナルコンピュータ70内のハードディスク内に複数のフォルダ81a、81b、…を作成し、これらフォルダ81a、81b、…毎にそれぞれ1枚の画像データDを記憶する構成となっている。この表示画面75には、各フォルダ81a、81b、…のファイル名、ファイルサイズ、撮影場所も表示されるようになっている。又、地域データ保持部76は、各フォルダ81a、81b、…にそれぞれ記憶される各画像データDの各画像情報として図9に示すようにファイル名、サイズ、ファイルサイズ、フォーマット、撮影日時、撮影場所、コメントを持っている。なお、コメントは、パーソナルコンピュータ70において入力される。
【0047】次に上記の如く構成された電子カメラシステムでの作用について説明する。先ず、電子カメラ1での写真撮影に先立って行われる電子カメラ1への撮影地域に対応する郵便番号のコードデータの設定について図10に示す情報登録のフローチャートに従って説明する。
【0048】電子カメラ1において撮影地域に対応する郵便番号のコードデータを設定する場合は、第1のCPU40は、ステップ#1から#2に移ってキーマトリクス61におけるモードボタンの押し操作の確認の後、ステップ#3においてメモリカード20が挿入されているか否かの判断を行い、郵便カードが挿入されていなければステップ#4において郵便番号のコードデータの設定モードにする。
【0049】この設定モードになると第1のCPU40は、電子カメラ1の画像表示用LCD11に対して図4に示すように郵便番号設定用の枠71と数字「0,1,2,3,…,9」72とを表示させ、かつキーマトリクス61のうち画像表示用LCD操作スイッチ釦群12を同図に示すように昇順用スイッチ釦12a、降順用スイッチ釦12b、設定用スイッチ釦12c及び短縮用スイッチ釦12dとして機能させる。
【0050】この状態に昇順用スイッチ釦12aと降順用スイッチ釦12bとがステップ#5において操作され、7桁の郵便番号を1桁づつ設定するのにその1つの桁の数字「0,1,2,3,…,9」72が選択指示されると、第1のCPU40は、ステップ#6から#7に移って設定用スイッチ釦12cの押し操作されるのを待ち、この設定用スイッチ釦12cの押し操作により郵便番号の1桁の数字を設定して郵便番号設定用の各枠71に表示する。このようにして昇順用スイッチ釦12aと降順用スイッチ釦12bとの操作を繰り返し、7桁の郵便番号を1桁づつ設定する。
【0051】なお、短縮用スイッチ釦12dを用いる場合は、予めEEPROM59に7桁の郵便番号を例えば3桁の短縮番号に対応させて記憶させてあるので、短縮用スイッチ釦12dをを押し操作した後に、昇順用スイッチ釦12aと降順用スイッチ釦12bとの操作により短縮番号を郵便番号設定用の各枠71に設定し、この後に設定用スイッチ釦12cの押し操作により短縮番号に対応する郵便番号をEEPROM59から読み出して郵便番号設定用の各枠71に表示させる。
【0052】一方、郵便カードが挿入されている場合、第1のCPU40は、上記ステップ#4から#9に移り、図6に示すように画像表示用LCD11に被写体像を撮影する地域名の候補、例えば「八王子小宮町」「八王子久保山町」「八王子大和田町」…「八王子石川町」を表示し、かつキーマトリクス61の画像表示用LCD操作スイッチ釦群12を昇順用スイッチ釦12a、降順用スイッチ釦12b、設定用スイッチ釦12cとして機能させる。
【0053】この状態に昇順用スイッチ釦12aと降順用スイッチ釦12bとがステップ#10において操作され、被写体像を撮影する地域名が選択指示されると、第1のCPU40は、ステップ#11から#12に移って設定用スイッチ釦12cの押し操作されるのを待ち、この設定用スイッチ釦12cの押し操作により被写体像を撮影する地域名例えば「八王子石川町」を設定する。
【0054】さらに一方、パーソナルコンピュータ70を用いて電子カメラ1に郵便番号のコードデータを設定する場合、電子カメラ1は、その外部データI/F60に対して例えばRC232等のケーブル74を介してパーソナルコンピュータ70に接続される。
【0055】このパーソナルコンピュータ70は、電子カメラ1との間でデータ授受を行ってステップ#13において自身での郵便番号のコードデータ設定を認識し、次のステップ#14においてコードデータ設定のアプリケーションを起動し、続くステップ#15において電子カメラ1をチェックし、ステップ#16において現在電子カメラ1に設定されている郵便番号のコードデータ又は地域名を表示画面76に表示する。
【0056】ここで、現在電子カメラ1に設定されている郵便番号のコードデータ又は地域名が今回被写体像の撮影を行う地域名であれば、パーソナルコンピュータ70での設定は終了する。
【0057】ところが、現在電子カメラ1に設定されている郵便番号のコードデータ又は地域名が今回被写体像の撮影を行う地域名でなければ、パーソナルコンピュータ70は、ステップ#18に移って地域データ設定部78により地域データ保持部77に記憶されている日本全土の地域名を読み出して表示画面76に表示する。そして、パーソナルコンピュータ70は、ステップ#19での撮影を行う地域名の検索により所望する地域名が指示されると、地域データ設定部78は、ステップ#20から#21に移って地域データ保持部77に保持されている各郵便番号のコードデータのうち撮影を所望する地域の郵便番号のコードデータを読み出して電子カメラ1に送信し設定する。この電子カメラ1は、パーソナルコンピュータ70から送られてきた郵便番号のコードデータを取り込み、このコードデータを第1のCPU40の指令によりEEPROM59に記憶する。
【0058】なお、パーソナルコンピュータ70のキー操作により撮影地域の地名が入力されても、地域データ設定部77は、この入力された撮影地域の地名に対応する郵便番号のコードデータを地域データ保持部76を検索して読み出し、このコードデータをケーブル74を通して電子カメラ1に送出してもよい。
【0059】次に電子カメラ1がユーザにより持ち出され、ステップ#22、#23において写真撮影が行われる。撮影レンズ42を通して被写体像がCCD43に入射すると、このCCD43は、入射した被写体像を光電変換して電気信号として出力する。撮影処理回路44はCCD43の出力信号に対してAGC、クランプ処理を施す機能を有し、補正回路44はA/D変換回路45からのディジタル信号に対してホワイトバランス等の処理を行う。この補正回路44から出力されるディジタル信号は、第2のCPU41からの指令によりバス49を通してフレームメモリ50に書き込まれ、その後にFIFOメモリ51に出力される。そして、このFIFOメモリ51の出力信号は、オンスクリーン回路53でキャラクタ信号が重畳され、その出力信号は、TFT液晶駆動回路55を介してTFT液晶パネルである画像表示用LCD11に撮影中の被写体画像として表示される。
【0060】そして、撮影画像信号をメモリカード20に記憶する場合、第2のCPU41は、補正回路46のディジタル出力信号の1画面分をフレームメモリ50に記憶し、このフレームメモリ50に記憶されたディジタル画像信号を圧縮処理し、この後に記録媒体I/F52を通して画像データとしてメモリカード20に記憶する。
【0061】これと共に第1のCPU40は、ステップ#24においてEEPROM59に対して被写体像を撮影する地域の郵便番号のコードデータが記憶されていると、被写体像を撮影してその画像データをメモリカード20に記憶するとき、EEPROM59に記憶されている郵便番号のコードデータを読み出し、このコードデータを上記図5に示すように画像データDのヘッダデータの領域Fに書き込んで、画像データとともにメモリカード20に記憶する。
【0062】なお、EEPROM59に被写体像を撮影する地域名のデータが記憶されていれば、第1のCPU40は、被写体像を撮影してその画像データをメモリカード20に記憶するとき、EEPROM59に記憶されている地域名のデータを読み出し、この地域名のデータを上記図5に示すように画像データDのヘッダデータの領域Fに書き込んで、画像データとともにメモリカード20に記憶する。
【0063】このようにして写真撮影が終了し、電子カメラ1に挿入されているメモリカード20がパーソナルコンピュータ70に挿入されると、このパーソナルコンピュータ70の画像データ保存部79は、電子カメラ1のメモリカード20に記憶されている画像データD及び郵便番号のコードデータ又は地域名のデータを読みとつて保存する。この場合、画像データ保存部79は、複数枚の画像データD及び郵便番号のコードデータ又は地域名のデータを図8に示すようにパーソナルコンピュータ70内のハードディスク内の各フォルダ81a、81b、…毎にそれぞれ記憶する。
【0064】そして、パーソナルコンピュータ70でのキー操作により地域名又は郵便番号の指示を受けると、画像再生部80は、地域名又は郵便番号のコードデータに基づいて地域データ設定部78に記憶されている地域名又は郵便番号に対応する画像データDを検索してその被写体画像を表示画面76に再生表示する。
【0065】なお、図8に示すパーソナルコンピュータ70内のハードディスク内の各フォルダ81a、81b、…を指示すれば、容易にその被写体画像を表示画面76に再生表示できる。
【0066】このように上記一実施の形態においては、被写体像を撮影する地域の郵便番号のコードデータ又は地域名を保持し、このコードデータ又は地域名と画像データDとを対応させてメモリカード20に記憶するようにしたので、GPSを用いずに簡単な構成で画像データと地域名とを対応させることができ、電子カメラ1自体も大型化することなく安価にできる。
【0067】又、電子カメラ1への郵便番号のコードデータ又は地域名の設定は、電子カメラ1側で行ったり、パーソナルコンピュータ70に接続して行うことができる。パーソナルコンピュータ70に接続して郵便番号のコードデータ又は地域名の設定を行う場合は、日本全土の地域名や郵便番号のコードデータをパーソナルコンピュータ70側に記憶すればよく、電子カメラ1側に膨大なデータを記憶させる必要はない。
【0068】一方、パーソナルコンピュータ70において電子カメラ1で撮影された画像データDと郵便番号のコードデータとを対応させて各フォルダ81a、81b、…ごとに保存するので、複数の画像データDの管理が容易になるばかりでなく、地域名又は郵便番号を操作入力するだけで、その地域で撮影された被写体画像を容易に表示画面76に再生表示できる。
【0069】なお、本発明は、上記一実施の形態に限定されるものでなく次の通り変形してもよい。例えば、電子カメラ1の画像データ記憶部40aは、複数の郵便番号をそれぞれ絵記号やアイコンなどでシンボル化したデータとして保持し、これらデータを撮影する地域に合せて選択自在に構成してもよい。
【0070】
【発明の効果】以上詳記したように本発明の請求項1〜3によれば、簡単な構成で画像データと地域名とを対応させることができる電子カメラ及び画像取扱い装置並びに電子カメラシステムを提供できる。
【0071】又、本発明の請求項4によれば、電子カメラに撮影する地域の郵便番号のコードデータを設定できる画像取扱い装置を提供できる。又、本発明の請求項5によれば、画像データを撮影地域の郵便番号コードデータと対応させて保存して画像データを容易に管理してその被写体像を再生表示できる画像取扱い装置を提供できる。
【0072】又、本発明の請求項6によれば、電子カメラに撮影する地域の郵便番号のコードデータを設定し、かつ複数の画像データをそれぞれ撮影地域の郵便番号コードデータと対応させて保存して画像データを容易に管理できる電子カメラシステムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる電子カメラの第1の実施の形態を示す外観図。
【図2】同電子カメラのメモリカード装着室回りの斜視図。
【図3】同電子カメラの電気回路のブロック構成図。
【図4】同電子カメラのメモリカードに記憶される画像データと郵便番号のコードデータの模式図。
【図5】同電子カメラへの郵便番号の設定手段の一例を示す図。
【図6】同電子カメラへの地域名の設定手段の一例を示す図。
【図7】電子カメラシステムを構成するパーソナルコンピュータの機能ブロック図。
【図8】同パーソナルコンピュータの表示画面に表示されるフォルダ構成を示す図。
【図9】画像データに付けられる画像情報を示す図。
【図10】電子カメラシステムでの情報登録のフローチャート。
【符号の説明】
1: 電子カメラ、
11:画像表示用LCD、
12:画像表示用LCD操作スイッチ釦群、
12a:昇順用スイッチ釦、
12b:降順用スイッチ釦、
12c:設定用スイッチ釦、
12d:短縮用スイッチ釦、
20:メモリカード、
40:第1のCPU、
40a:画像データ記憶手段、
41:第2のCPU、
59:EEPROM、
70:パーソナルコンピュータ、
71:郵便番号設定用の枠、
77:地域データ保持部、
78:地域データ設定部、
79:画像データ保存部、
80:画像再生部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 被写体像を光電変換して画像データを作成し、この画像データを情報記録媒体に格納する機能を備えた電子カメラにおいて、郵便番号に対応するデータと前記画像データとを対応させて前記情報記録媒体に格納するように構成された記録手段を具備したことを特徴とする電子カメラ。
【請求項2】 自己に対して着脱自在な情報記録媒体から郵便番号と地名との対応関係に係わる情報の供給を受けるように構成されたことを特徴とする請求項1記載の電子カメラ。
【請求項3】 自己と情報電送路によって結ばれた外部機器から前記郵便番号に対応するデータの供給を受けるように構成されたことを特徴とする請求項1記載の電子カメラ。
【請求項4】 前記記録手段は、複数の前記郵便番号をシンボル化されたデータとして保持し、これらシンボル化されたデータに基づいて郵便番号を選択可能に構成したことを特徴とする請求項1記載の電子カメラ。
【請求項5】 複数の地域の各郵便番号に対応する地域特定用データを保持する地域データ保持手段と、この地域データ保持手段に保持されている複数の前記地域特定用データのうち撮影を所望する前記地域の前記郵便番号に対応する前記地域特定用データを電子カメラに設定する地域データ設定手段と、を具備したことを特徴とする画像取扱い装置。
【請求項6】 複数の地域の各郵便番号に対応する地域特定用データを保持する地域データ保持手段と、電子カメラの情報記憶媒体に記憶されている画像データ及び前記地域特定用データを受け取って保存する画像データ保存手段と、地域名又は前記郵便番号の指示を受けると、前記地域特定用データに基づいて前記地域データ保持手段に記憶されている前記地域名又は前記郵便番号に対応する前記画像データを検索してその画像を再生表示する画像再生手段と、を具備したことを特徴とする画像取扱い装置。
【請求項7】 特定の画像と郵便番号との対応関係が維持されるようにして前記特定の画像を表す画像データと前記郵便番号に対応するデータとが格納された情報記録媒体が適用され得るように構成され、前記情報記録媒体が適用されるときには、前記郵便番号に対応する情報に依拠して前記特定の画像の検索を行うための手段を備えたことを特徴とする画像取扱い装置。
【請求項8】 特定の画像と郵便番号との対応関係が維持されるようにして前記特定の画像を表す画像データと前記郵便番号に対応するデータとが格納された情報記録媒体が適用され得るように構成され、前記情報記録媒体が適用されるときには、前記画像の特定が行われるに関連してその画像に対応した郵便番号乃至この郵便番号に対応する情報が検索されるように構成された手段を備えたことを特徴とする画像取扱い装置。
【請求項9】 被写体像を光電変換して得られた画像データと前記被写体像を撮影する地域の郵便番号に対応する地域特定用データとを対応させて情報記録媒体に記憶する機能を有する電子カメラと、複数の前記地域の前記各郵便番号に対応する前記地域特定用データを保持する地域データ保持手段と、この地域データ保持手段に保持されている複数の前記地域特定用データのうち撮影を所望する前記地域の前記郵便番号に対応する前記地域特定用データを前記電子カメラに設定する地域データ設定手段と、前記電子カメラの前記情報記憶媒体に記憶されている前記画像データ及び前記地域特定用データを受け取って保存する画像データ保存手段と、前記地域名又は前記郵便番号の指示を受けると、前記地域特定用データに基づいて前記地域データ保持手段に記憶されている前記地域名又は前記郵便番号に対応する前記画像データを検索してその画像を再生表示する画像再生手段とを有する画像取扱い装置と、を具備したことを特徴とする電子カメラシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2000−101963(P2000−101963A)
【公開日】平成12年4月7日(2000.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平10−266622
【出願日】平成10年9月21日(1998.9.21)
【出願人】(000000376)オリンパス光学工業株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】