電子カルテ装置、電子カルテシステム、電子カルテ表示方法、電子カルテプログラム、電子カルテプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体
【課題】過去の電子カルテの複数表示についての操作性を向上させることのできる電子カルテ装置、電子カルテシステム、電子カルテ表示方法、電子カルテプログラム、電子カルテプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供すること。
【解決手段】複数の項目に分類して記録された診療データを含む電子カルテが記憶装置から読み出されて配置される過去カルテ表示画面41を、予め設定された数(3つ)の表示領域(41C〜41E)に分割し、前記表示領域(41C〜41E)各々に異なる前記電子カルテの診療データを表示させる。このとき、前記表示領域(41C〜41E)各々に表示される全ての前記電子カルテの診療データについて、前記複数の項目設定タブ(61〜65)のうち操作入力装置により選択された項目設定タブ(62)に対応する項目を表示させる。
【解決手段】複数の項目に分類して記録された診療データを含む電子カルテが記憶装置から読み出されて配置される過去カルテ表示画面41を、予め設定された数(3つ)の表示領域(41C〜41E)に分割し、前記表示領域(41C〜41E)各々に異なる前記電子カルテの診療データを表示させる。このとき、前記表示領域(41C〜41E)各々に表示される全ての前記電子カルテの診療データについて、前記複数の項目設定タブ(61〜65)のうち操作入力装置により選択された項目設定タブ(62)に対応する項目を表示させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者の診療情報を電子データ化して管理する電子カルテシステムに関し、特に、過去の電子カルテの表示手法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、病院などの医療施設では、患者各々の診療に関する情報を電子カルテと称される電子データで管理する電子カルテシステム(例えば特許文献1、2参照)が利用される。
一般に、1回(1日)の診療に関する電子カルテには、「S」、「O」、「A」、「P」の各項目に分類して記録された診療データが含まれる。なお、「S」は主観情報、「O」は客観情報、「A」は評価情報、「P」は計画情報である。そして、このような電子カルテシステムでは、過去の電子カルテを表示する際にも「S」、「O」、「A」、「P」の各項目の順で診療データが表示される。
【0003】
また、過去の電子カルテを表示する際に、表示画面を複数の表示領域に分割し、その複数の表示領域を用いて過去の複数の電子カルテを同一画面上に表示させる電子カルテシステムも知られている。
但し、この構成では、表示画面が複数の表示領域に分割されるため、その表示領域ごとにおいて電子カルテの診療データを表示できる範囲は狭くなる。そのため、電子カルテの診療データの全体が表示領域内に収まらず表示されないおそれがある。例えば、電子カルテに含まれる「S」、「O」、「A」、「P」の各項目のうち「S」の項目のみが表示され、その他の「O」、「A」及び「P」の項目については表示されないことが考えられる。
これに対し、従来は、分割された表示領域ごとに電子カルテの診療データの表示をスクロール可能とする構成が採られていた。これにより、表示領域ごとにスクロール表示操作を行うことで、「S」、「O」、「A」、「P」の全ての項目を参照することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−43284号公報
【特許文献2】特開2008−250748号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、分割された表示領域ごとにスクロール表示可能な構成には以下の問題がある。例えば三つの表示領域に過去3日分の電子カルテの診療データが表示された状態で、その3日分の全ての電子カルテに関して「A」の項目の診療データを参照する場合を考える。この場合、医師は、その三つの表示領域全てについて個別にスクロール操作を行って「A」の項目の診療データが表示されるよう調整する必要がある。このようなスクロール操作は医師にとって煩雑な作業である。
従って、本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、過去の電子カルテの複数表示についての操作性を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために本発明は、読出手段、第1の表示制御手段、第2の表示制御手段、第3の表示制御手段、及び第4の表示制御手段を備えた電子カルテ装置として構成されている。前記読出手段は、複数の項目に分類して記録された診療データを含む電子カルテを蓄積する記憶装置から前記電子カルテを読み出す。前記第1の表示制御手段は、前記読出手段により読み出された前記電子カルテの診療データが配置される過去カルテ表示画面を表示装置に表示させる。前記第2の表示制御手段は、前記過去カルテ表示画面を予め設定された数の表示領域に分割する。そして、前記第2の表示制御手段は、前記表示領域各々に異なる前記電子カルテの診療データを表示させる。前記第3の表示制御手段は、前記複数の項目に対応する複数の項目設定部を前記表示装置に表示させる。前記第4の表示制御手段は、前記表示領域各々に表示される全ての前記電子カルテの診療データについて、前記複数の項目設定部のうち操作入力装置により選択された項目設定部に対応する項目を表示させる。
本発明によれば、所望の項目に対応する前記項目設定部を選択するという簡単な操作で、全ての前記表示領域においてその所望の項目の診療データを一気に表示させて参照することが可能となる。従って、前記電子カルテ装置における過去の前記電子カルテの複数表示についての操作性が向上し、例えば前記電子カルテ装置を使用する医師による診療効率を高めることができる。
特に、前記第4の表示制御手段は、前記表示領域各々に表示される全ての前記電子カルテの診療データを、前記複数の項目設定部のうち操作入力装置により選択された項目設定部に対応する項目を先頭にして表示させるものであることが望ましい。これにより、前記選択された項目が前記表示領域各々における先頭位置に表示されるため、該項目の内容がより見やすくなる。
【0007】
ここで、前記第1の表示制御手段は、前記過去カルテ表示画面と現在の入力対象の電子カルテが配置される現在カルテ表示画面とを同一画面上で左右方向又は上下方向に並べて前記表示装置に表示させるものであることが考えられる。また、前記第2の表示制御手段は、前記過去カルテ表示画面を上下方向又は左右方向に分割するものであることが考えられる。
同一画面上に前記過去カルテ表示画面及び前記現在カルテ表示画面を同時に表示させる場合には、該過去カルテ表示画面が狭くなる。そして、その狭い過去カルテ表示画面を上下方向又は左右方向に分割した表示領域は更に狭くなる。この場合、その分割後の表示領域では前記電子カルテの診療データの全項目を一度に表示できない可能性が高くなるため、本発明が特に好適である。
【0008】
ところで、前記第2の表示制御手段による前記過去カルテ表示画面の分割数を設定するための複数の分割設定部を前記表示装置に表示させる第5の表示制御手段を更に備えることが考えられる。この場合、前記第2の表示制御手段は、前記複数の分割設定部のうち前記操作入力装置により選択された分割設定部に対応する分割数で前記過去カルテ表示画面を上下方向又は左右方向に分割するものである。これにより、前記分割設定部の操作により簡単に前記過去カルテ表示画面の分割数を任意に設定することが可能となる。
また、前記第1の表示制御手段は、前記記憶装置に記憶された前記電子カルテ各々に対応する複数のカルテ識別情報を配置したリスト表示画面を、前記過去カルテ表示画面及び前記現在カルテ表示画面と共に前記表示装置の同一画面上に表示させるものであることが考えられる。この場合、前記第2の表示制御手段は、前記複数のカルテ識別情報のうち前記操作入力装置により選択されたカルテ識別情報に対応する前記電子カルテを前記過去カルテ表示画面に表示させるものである。これにより、前記過去カルテ表示画面に表示させる電子カルテを任意に選択することが可能となる。
さらに、前記リスト表示画面に表示された前記複数のカルテ識別情報を絞り込む絞込条件を設定するための複数の絞込部を前記表示手段に表示させる第6の表示制御手段を更に備えることが考えられる。この場合、前記第1の表示制御手段は、前記複数の絞込部のうち前記操作入力装置により選択された絞込部に対応する前記絞込条件に合致する前記カルテ識別情報のみを前記リスト表示画面に表示させるものである。これにより、前記絞込条件に合致した前記カルテ識別情報のみを表示させた状態で、前記過去カルテ表示画面に表示させる電子カルテを任意に選択することができるため、所望の電子カルテを表示させるための手間及び所要時間を短縮することができる。
【0009】
また、前記第2の表示制御手段は、前記複数のカルテ識別情報のうち前記操作入力装置により一つのカルテ識別情報が選択された場合、該選択された一つのカルテ識別情報の以前又は以後に連続表示された前記分割数の前記カルテ識別情報に対応する複数の前記電子カルテを前記過去カルテ表示画面に表示させるものであることが考えられる。これにより、一つの前記カルテ識別情報を選択するだけでそのカルテ識別情報を基準として複数のカルテ識別情報に対応する前記電子カルテを一気に前記過去カルテ表示画面に表示させることが可能である。
一方、前記第2の表示制御手段は、前記複数のカルテ識別情報のうち前記操作入力装置により複数のカルテ識別情報が任意選択された場合、該任意選択された複数のカルテ識別情報に対応する複数の前記電子カルテを前記過去カルテ表示画面に表示させるものであることも考えられる。これにより、必ずしも連続して表示された前記カルテ識別情報に限らず、前記リスト表示画面から任意に選択した前記カルテ識別情報に対応する複数の前記電子カルテを前記過去カルテ表示画面に表示させることができる。さらに、前記絞込条件に合致した前記カルテ識別情報のみが表示された状態で、そのカルテ識別情報のうちから任意の複数のカルテ識別情報を選択することも可能であり高い操作性を得ることができる。
ここで、前記第2の表示制御手段は、前記操作入力装置による選択順で前記電子カルテ各々を前記過去カルテ表示画面の先頭の前記表示領域から表示させるものであることが考えられる。これにより、医師が選択した順序でそのまま前記電子カルテが表示されるため、例えば、医師が重要と考える順に前記電子カルテを表示させることができる。
【0010】
また、前記過去カルテ表示画面に表示されている前記電子カルテに対応する前記カルテ識別情報には他の前記カルテ識別情報と異なる配色を施す色変更手段を備えてなることが考えられる。これにより、前記過去カルテ表示画面に表示されている電子カルテに対応するカルテ識別情報を容易に認識することができる。
さらに、前記過去カルテ表示画面に表示されている前記電子カルテをその直前及び直後に一つずつ切り替えるための第1の切替部を前記表示装置に表示させる第7の表示制御手段を更に備えてなることが考えられる。この場合、前記第2の表示制御手段は、前記操作入力装置による前記第1の切替部の操作に応じて前記過去カルテ表示画面に表示されている前記電子カルテをその直前又は直後に一つずつ切り替えるものである。これにより、前記過去カルテ表示画面に表示させる前記複数の電子カルテを、前記第1の切替部の操作により簡単に一つだけずらすことができる。
また、前記過去カルテ表示画面に表示されている前記電子カルテをその直前及び直後に前記分割数ずつ切り替えるための第2の切替部を前記表示装置に表示させる第8の表示制御手段を更に備えてなることも考えられる。この場合、前記第2の表示制御手段は、前記操作入力装置による前記第2の切替部の操作に応じて前記過去カルテ表示画面に表示されている前記複数の電子カルテをその直前又は直後に前記分割数ずつ切り替えるものである。これにより、前記過去カルテ表示画面に表示させる前記複数の電子カルテを、前記第2の切替部の操作により簡単に前記分割数ずつまとめてずらすことができる。
ところで、本発明は、コンピュータを前記電子カルテ装置の各手段として機能させるための電子カルテプログラムの発明として捉えることもできる。また、前記電子カルテプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を本発明と捉えてもよい。
【0011】
また、本発明は、表示装置、操作入力装置、記憶装置、読出手段、第1の表示制御手段、第2の表示制御手段、第3の表示制御手段、及び第4の表示制御手段を備えてなることを特徴とする電子カルテシステムとして捉えてもよい。前記表示装置は情報を表示するものであり、前記操作入力装置は情報を入力するものである。前記記憶装置は、複数の項目に分類して記録された診療データを含む電子カルテを蓄積する。前記読出手段は、前記記憶装置から前記電子カルテを読み出す。前記第1の表示制御手段は、前記読出手段により読み出された前記電子カルテの診療データが配置される過去カルテ表示画面を表示装置に表示させる。前記第2の表示制御手段は、前記過去カルテ表示画面を予め設定された数の表示領域に分割する。そして、前記第2の表示制御手段は、前記表示領域各々に異なる前記電子カルテの診療データを表示させる。前記第3の表示制御手段は、前記複数の項目に対応する複数の項目設定部を前記表示装置に表示させる。前記第4の表示制御手段は、前記表示領域各々に表示される全ての前記電子カルテの診療データを、前記複数の項目設定部のうち操作入力装置により選択された項目設定部に対応する項目を先頭にして表示させる。
【0012】
さらに、本発明は、コンピュータにより、読出工程、第1の表示制御工程、第2の表示制御工程、第3の表示制御工程、及び第4の表示制御工程を実行することを特徴とする電子カルテ表示方法として捉えてもよい。前記読出工程は、複数の項目に分類して記録された診療データを含む電子カルテを蓄積する記憶装置から前記電子カルテを読み出す。前記第1の表示制御工程は、前記読出工程により読み出された前記電子カルテの診療データが配置される過去カルテ表示画面を表示装置に表示させる。前記第2の表示制御工程は、前記過去カルテ表示画面を予め設定された数の表示領域に分割し、前記表示領域各々に異なる前記電子カルテの診療データを表示させる。前記第3の表示制御工程は、前記複数の項目に対応する複数の項目設定部を前記表示装置に表示させる。前記第4の表示制御工程は、前記表示領域各々に表示される全ての前記電子カルテの診療データを、前記複数の項目設定部のうち操作入力装置により選択された項目設定部に対応する項目を先頭にして表示させる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、過去の電子カルテの複数表示についての操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態に係る電子カルテシステムXの概略構成を示す模式図。
【図2】本発明の実施の形態に係る電子カルテシステムXのサーバ装置Y及びクライアント装置Zの概略構成を示すブロック図。
【図3】受診リスト画面の表示例を示す図。
【図4】カルテ表示画面の配置構成の一例を模式的に示した図。
【図5】カルテ表示画面の配置構成の一例を模式的に示した図。
【図6】カルテ表示画面の配置構成の一例を模式的に示した図。
【図7】カルテ表示画面の表示例を示す図。
【図8】カルテ表示画面の表示例を示す図。
【図9】カルテ表示画面の表示例を示す図。
【図10】カルテ表示処理の手順の一例を示すフローチャート。
【図11】カルテ選択処理の手順の一例を示すフローチャート。
【図12】カルテ表示画面の表示例を示す図。
【図13】カルテ表示画面の表示例を示す図。
【図14】カルテ表示画面の表示例を示す図。
【図15】カルテ表示画面の表示例を示す図。
【図16】カルテ表示画面の表示例を示す図。
【図17】カルテ表示画面の表示例を示す図。
【図18】カルテ表示画面の表示例を示す図。
【図19】操作バーの一例を示す図。
【図20】過去カルテ表示画面の表示対象の遷移例を示す図。
【図21】過去カルテ表示画面の表示対象の遷移例を示す図。
【図22】過去カルテ表示画面の表示対象の遷移例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明し、本発明の理解に供する。なお、以下の実施の形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
【0016】
<電子カルテシステムX>
図1に示すように、本発明の実施の形態に係る電子カルテシステムXは、サーバ装置Y及び複数のクライアント装置Zを備えている。前記サーバ装置Y及び前記クライアント装置Zは、LAN又はインターネット等の通信ネットワーク20で通信可能に接続されている。ここに、前記クライアント装置Z各々が本発明に係る電子カルテ装置に該当する。
なお、前記電子カルテシステムXは、バックアップのために複数の前記サーバ装置Yを備えるものであってもよい。また、前記電子カルテシステムXは、前記サーバ装置Y及び前記クライアント装置Zをそれぞれ1台のみ備える構成であってもよい。さらに、前記クライアント装置Zが前記サーバ装置Yの機能を兼ねたものであってもよく、この場合、前記クライアント装置Zが本願発明に係る電子カルテシステムを構成する。
【0017】
<サーバ装置Y>
図2に示すように、前記サーバ装置Yは、通信インターフェース11及び記憶装置12を備えている。前記通信インターフェース11及び前記記憶装置12はバス13によって接続されている。
【0018】
前記通信インターフェース11は、前記通信ネットワーク20を介して前記クライアント装置Zとの間でデータ通信を行う通信モデムなどを有する。また、前記通信インターフェース11は、前記クライアント装置Z等の外部装置から前記通信ネットワーク20を通じた前記サーバ装置Yへのアクセスについて例えば認証制御及び排他制御などを実行する。
【0019】
前記記憶装置12は、患者各々の診療に関する情報が記録された電子カルテを蓄積して記憶するハードディスク又はフラッシュメモリなどの不揮発性の記憶装置である。前記電子カルテシステムXでは、前記クライアント装置Zにおいて入力された電子カルテが前記サーバ装置Yの前記記憶装置12に蓄積記憶される。
具体的に、前記記憶装置12では、患者ごとに、個人情報、診療履歴情報、電子カルテがそれぞれ対応付けられた状態で記憶されている。前記個人情報は、例えば患者の氏名、性別、年齢、既往歴、家族情報などの情報を含む。前記診療履歴情報は、前記電子カルテ各々を識別するためのカルテ識別情報に相当するものであり、例えば患者が過去に診療を受けた日時、診療科、処置などの情報を含む。
また、1回(1日)の診療に関する電子カルテには、「S」、「O」、「A」、「P」、「指導」の各項目に分類された診療データが含まれる。ここに、「S」は主観情報(Subjective Information)であって、患者が主観的に感じている症状などに関する情報である。「O」は客観情報(Objective Information)であって、医師の診療所見及び検査所見などに関する情報である。「A」は評価情報(Assessment Information)であって、医師の評価及び判断などに関する情報である。「P」は計画情報(Plan Information)であって、投薬及び治療計画などに関する情報である。「指導」は指導情報であって、患者への教育及び指導などに関する情報である。なお、このような診療データの項目の分類は単なる一例に過ぎず、もちろん他の項目に分類してもよい。
【0020】
<クライアント装置Z>
一方、図2に示すように、前記クライアント装置Zは、CPU1、ROM2、RAM3、データ記憶部4、通信インターフェース5、操作入力装置6及び表示装置7などを備えたコンピュータである。前記クライアント装置Zに設けられた各構成要素はバス10によって接続されている。前記通信インターフェース5は、前記通信ネットワーク20を介して前記サーバ装置Yとの間でデータ通信を行う通信モデムなどを有する。
【0021】
前記CPU1は、各種プログラムに従って各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROM2は、前記CPU1により実行されるBIOS等のプログラムが予め記憶された不揮発性メモリである。前記RAM3は、前記CPU1による各種プログラムの展開及びデータの一時記憶に用いられる揮発性メモリ又は不揮発性メモリである。また、前記CPU1は、各種処理の履歴をログ情報として前記RAM3に記憶する。
【0022】
前記データ記憶部4は、前記CPU1によって実行される各種のアプリケーションプログラム及び各種のデータが記憶されたハードディスク等である。具体的に、前記データ記憶部4には、前記CPU1に後述のカルテ表示処理(図10参照)及びカルテ選択処理(図11参照)などの各処理手順を実行させる電子カルテプログラムが記憶されている。例えば、前記電子カルテプログラムはC言語(Microsoft社のC/C++及びVisual C/C++(登録商標)など)で記述されたものである。この電子カルテプログラムも本発明に該当する。また、前記電子カルテプログラムは、例えばCD、DVD、BD、フラッシュメモリなどの記録媒体からインストールされるものである。ここに、前記電子カルテプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能なCD、DVD、BD、フラッシュメモリなどの記録媒体も本発明に該当する。なお、前記電子カルテプログラムがインストールされた前記データ記憶部4も本発明に係る記録媒体に該当する。ところで、本発明は、前記クライアント端末Zの各機能を実現するために該クライアント端末Zで各処理工程を実行する電子カルテ表示方法の発明として捉えることもできる。
なお、前記データ記憶部4には、例えば医薬品マスター、病名マスター、医療行為マスター等の各種データベースも記憶されている。前記医薬品マスターは、医薬品名、医薬品コード、薬効などの情報である。前記病名マスターは、症状に関する情報である。前記医療行為マスターは、各医薬品の服用方法や身体のどの部位の症状であるか等に関する情報である。これらの各種データベースは、例えば医師が診療を行う際に前記操作入力装置6の操作に応じて前記CPU1によって読み出され、前記表示装置7に表示される。
【0023】
前記操作入力装置6は、医師などの操作者が前記クライアント装置Zへの各種情報の入力に使用するユーザインターフェースである。例えば、前記操作入力装置6は各種情報を入力するキーボード及びマウス(ポインティングデバイス)である。以下、前記表示装置7の表示画面上における「選択」及び「操作」とは、前記操作入力装置6のマウス又はキーボードを用いた操作入力によって行われることをいう。なお、前記操作入力装置6は、指又はタッチペンによる各種情報の入力を受け付けるべく前記表示装置7に配置されたタッチパネルを含むものであってもよい。また、前記操作入力装置6は、音声認識により各種情報の入力を受け付ける音声操作入力装置を含むものであってもよい。
【0024】
前記表示装置7は、各種情報を表示する表示画面を有する表示装置である。前記表示装置7は、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイなどである。例えば、図3は、前記CPU1が前記表示装置7に表示させる受信リスト画面31の一例を示している。前記受信リスト画面31は、電子カルテを記録する診療対象の患者を選択するための患者リスト32が配置された操作画面である。前記受診リスト画面31は、前記電子カルテシステムXに接続された不図示の受付端末等で入力され、前記サーバ装置Yの前記記憶装置12に記憶された患者リストに基づいて前記CPU1によって生成される。
そして、前記患者リスト32に表示された患者のうち、例えば患者33が選択され、前記受信リスト画面31に表示されたカルテ表示キー34が操作されると、前記CPU1は、その患者33に関する電子カルテを前記サーバ装置Yから読み出して前記表示装置7の表示画面に表示させる。ここに、前記電子カルテを読み出すときの前記CPU1が読出手段に相当する。
このとき、前記CPU1は、前記電子カルテを含む各種の情報を配置したカルテ表示画面の描画データを生成し、該描画データを前記表示装置7に出力する。これにより、前記表示装置7は、前記CPU1から入力された前記描画データに基づいて、前記電子カルテの診療データ等が表示画面上の既定の位置に配置されたカルテ表示画面を表示する。
【0025】
<カルテ表示画面>
ここで、前記表示装置7に表示されるカルテ表示画面について説明する。ここに、図4〜図6は、前記CPU1によって表示されるカルテ表示画面の配置構成の一例を模式的に示した図である。
図4〜図6に示すように、前記CPU1は、前記表示装置7の表示画面を四つに分割し、過去カルテ表示画面41、現在カルテ表示画面42、患者表示画面43及び入力画面44を同一画面上に配置する。具体的に、前記CPU1は、前記カルテ表示画面40の上段を左右(幅方向)に均等に分割し、前記過去カルテ表示画面41及び前記現在カルテ表示画面42を左右方向に並べて表示させる。また、前記CPU1は、前記カルテ表示画面40の下段を左右(幅方向)に均等に分割し、前記患者表示画面43及び前記入力画面44を左右方向に並べて表示させる。なお、前記患者表示画面43及び前記入力画面44は、前記過去カルテ表示画面41及び前記現在カルテ表示画面42に比べて高さ方向の幅が小さい。このような前記カルテ表示画面40の配置構成は、C言語で記述された前記電子カルテプログラムの作成時に、配置ダイヤグラムにアイテムを配置することによって定められる。なお、前記配置構成がCSS(Cascading Style Sheets)で定義されることも他の実施形態として考えられる。
【0026】
前記過去カルテ表示画面41は、前記CPU1により前記サーバ装置Yの記憶装置12から読み出された過去の電子カルテの診療データが配置される画面である。ここに、前記過去カルテ表示画面41を含む前記カルテ表示画面40を前記表示装置7に表示させるための処理(第1の表示制御工程)を実行するときの前記CPU1が第1の表示制御手段に相当する。
また、前記現在カルテ表示画面42は、現在の入力対象の電子カルテが配置される画面である。なお、図7〜図9に示すように、前記過去カルテ表示画面41及び前記現在カルテ表示画面42各々の内部は更に左右に分割されており、左側に「S」、「O」、「A」、「P」「指導」の項目がこの順で表示され、右側に「P」の項目について保険診療点数などの計算に必要な情報(診療内容及び投薬量など)が表示される。この点は、従来のカルテ2号紙と同様である。
前記患者表示画面43には、前記受診リスト画面31で選択された患者の個人情報及び診療履歴情報などが表示される。また、前記入力画面44には、前記現在カルテ表示画面42に表示された電子カルテに各種の診療データを記録するために用いられるキーパッド等が表示される。前記キーパッドは、前記操作入力装置6のマウス、キーボードのテンキー、タッチパネルなどを用いて操作者により操作される。
【0027】
また、前記CPU1は、図4〜図6に示すように、前記過去カルテ表示画面41に表示させる電子カルテの数によって該過去カルテ表示画面41の配置構成を切り替える。
具体的に、一つの電子カルテを表示させる場合、前記CPU1は、図4に示すように、前記過去カルテ表示画面41を分割せず、該過去カルテ表示画面41を一画面として一つの電子カルテの診療データを表示させる(図7参照)。
これに対し、二つの電子カルテを表示する場合、前記CPU1は、図5に示すように、前記過去カルテ表示画面41を上下方向(高さ方向)に均等に二分割し、その分割された表示領域41A、41Bに異なる二日分の電子カルテの診療データを表示させる(図8参照)。具体的に、前記CPU1は、前記過去カルテ表示画面41の高さの1/2の前記表示領域41A、41Bを該過去カルテ表示画面41に上から順に挿入することにより、該過去カルテ表示画面41を二分割して利用する。
さらに、三つの電子カルテを表示する場合、前記CPU1は、図6に示すように、前記過去カルテ表示画面41を上下方向(高さ方向)に均等に三分割し、その分割された表示領域41C、41D、41Eに異なる三日分の電子カルテの診療データを表示させる(図9参照)。具体的に、前記CPU1は、前記過去カルテ表示画面41の高さの1/3の前記表示領域41C〜41Eを該過去カルテ表示画面41に上から順に挿入することにより、該過去カルテ表示画面41を三分割して利用する。
なお、本実施の形態では、前記CPU1が、前記過去カルテ表示画面41を一画面、二分割画面、三分割画面の3種類の表示状態に選択的に切り替え可能である構成を例に挙げて説明する。一方、より多くの種類の表示状態を切り替えることも他の実施例として考えられる。また、前記CPU1が、前記過去カルテ表示画面41を一画面と二分割画面との2種類に切り替えが可能であることも他の実施例として考えられる。もちろん、前記CPU1が、前記過去カルテ表示画面41を一画面と三分割画面との2種類に切り替えが可能であることも他の実施例として考えられる。
さらに、前記過去カルテ表示画面41の分割方向は上下方向に限らない。具体的には、前記CPU1が、前記過去カルテ表示画面41を左右方向に二分割又は三分割させる構成が他の実施例として考えられる。また、前記カルテ表示画面40における前記過去カルテ表示画面41及び前記現在カルテ表示画面42の配置も左右方向に限らない。即ち、前記CPU1が、前記過去カルテ表示画面41及び前記現在カルテ表示画面42を上下方向に並べて表示させることも他の実施例として考えられる。
【0028】
ここで、図8及び図9に示すように、前記表示領域41A〜41E各々のサイズは上下方向に狭いため、電子カルテの診療データの全てを同時に表示することができない可能性がある。
そこで、前記CPU1は、前記表示領域41A〜41E各々に、該表示領域41A〜41E内の表示をそれぞれ個別にスクロールさせるためのスクロールバー411A〜411Eを表示させる(図8、図9)。なお、前記過去カルテ表示画面41が分割されていない場合(図7参照)でも、電子カルテの診療データの全項目が表示されない場合には、該過去カルテ表示画面41にスクロールバーが表示される。
そして、前記CPU1は、前記操作入力装置6の操作に応じて前記スクロールバー411A〜411Eを上下方向に移動させると共に、前記表示領域41A〜41E内の前記診療データを上下方向にスクロール表示させる。例えば、前記CPU1は、前記表示領域41C〜41Eのうち表示領域41Cの前記スクロールバー411Cが操作された場合、該表示領域41Cに表示された前記診療データのみをスクロールさせる。このとき、他の前記表示領域41D、41E各々の診療データの表示はスクロールしない。
なお、前記スクロールバー411A〜411E各々は、前記過去カルテ表示画面41における前記表示領域41A〜41Eの分割方向(上下方向)に、該表示領域41A〜41E各々の表示をスクロールさせるものである。従って、仮に前記表示領域41A〜41Eが左右方向に分割されたものである場合は、前記スクロールバー411A〜411Eは、その分割方向である左右方向に表示をスクロールさせるために用いられるものとなる。
【0029】
また、図7に示すように、前記CPU1は、前記過去カルテ表示画面41の下端部に、複数の分割設定タブ51〜53(分割設定部に相当)及び複数の項目設定タブ61〜65(項目設定部に相当)を表示させる。なお、本実施の形態において前記表示装置7に表示され、前記操作入力装置6によって選択又は操作される「タブ」と称される部分は、一般に「キー」又は「ボタン」等とも称される。
前記分割設定タブ51〜53は、前記過去カルテ表示画面41に表示する電子カルテの数、即ち前記過去カルテ表示画面41の分割数を設定するためのタブである。前記分割設定タブ51は1日分、前記分割設定タブ52は2日分、前記分割設定タブ53は3日分に対応する。ここに、前記分割設定タブ51〜53を前記表示装置7に表示させるときの前記CPU1が第5の表示制御手段に相当する。なお、本実施の形態では、日単位で電子カルテの数を特定しているが診療単位で電子カルテの数を特定してもよい。そして、後述するように、前記CPU1は、前記分割設定タブ51〜53のうち前記操作入力装置6により選択された分割設定タブに対応する分割数で分割された前記過去カルテ表示画面41を前記表示装置7に表示させる。
前記項目設定タブ61〜65は、前記過去カルテ表示画面41に表示する電子カルテの診療データの各項目に対応する。具体的に、前記項目設定タブ61は「S」、前記項目設定タブ62は「O」、前記項目設定タブ63は「A」、前記項目設定タブ64は「P」、前記項目設定タブ65は「指導」に対応する。ここに、前記項目設定タブ61〜65を前記表示装置7に表示させるための処理(第3の表示制御工程)を実行するときの前記CPU1が第3の表示制御手段に相当する。そして、後述するように、前記CPU1は、前記項目設定タブ61〜65のうち前記操作入力装置6により選択された項目設定タブに対応する項目が先頭になるように前記過去カルテ表示画面41における診療データの表示対象箇所を変更する。
また、前記CPU1は、前記カルテ表示画面40の前記患者表示画面43に、該患者表示画面43に表示された患者の診療履歴情報を表示させるための診療履歴タブ431が表示されている。そして、後述するように、前記CPU1は、前記診療履歴タブ431が操作されると、前記患者表示画面43に患者の診療履歴情報を表示させる。
【0030】
<電子カルテシステムXの動作>
以下、図10及び図11のフローチャートを参照しつつ、前記CPU1が前記電子カルテプログラムに従って実行するカルテ表示処理(図10)及びカルテ選択処理(図11)の手順の一例について説明する。なお、図示するS1、S2、…は前記CPU1が実行する処理手順(ステップ)番号を示す。また、当該カルテ表示処理及び当該カルテ選択処理は前記CPU1によって並列に実行される。
ところで、本実施の形態で説明する前記カルテ表示処理及び前記カルテ選択処理は、前記CPU1が前記電子カルテプログラムに従って実行する処理の一部である。例えば前記CPU1は、前記電子カルテプログラムに従って前記電子カルテの登録及び変更などの処理も実行するが、ここではその説明を省略する。
【0031】
<カルテ表示処理>
(ステップS1)
図10に示すように、まず、ステップS1において、前記CPU1は、前記過去カルテ表示画面41に表示させる電子カルテの表示日数が1日に設定されているか否かを判断する。このとき、前記CPU1は、前記表示日数タブ51〜53のうち前記表示日数タブ51が選択されているか否かを判断する。
具体的に、前記CPU1は、表示日数の値を示す表示日数フラグを前記RAM3の記憶領域に確保している。そして、前記CPU1は、前記操作入力装置6による前記表示日数タブ51〜53の操作に応じて前記表示日数フラグの値を更新する(1:1日、2:2日、3:3日)。この場合、前記CPU1は、前記RAM3の表示日数フラグを参照することにより前記表示日数タブ51〜53のいずれが選択されているかを判断することができる。なお、前記表示日数フラグの初期値は「1」である。その他、前記CPU1が前記表示日数タブ51〜53の操作ログを前記RAM3に記憶させる構成では、該CPU1はその操作ログを参照することで前記表示日数タブ51〜53のいずれが選択されているかを判断することができる。
ここで、表示日数が1日に設定されていると判断された場合(S1のYes側)、処理はステップS11に移行する。一方、表示日数が1日でないと判断された場合(S1のNo側)、処理はステップS2に移行する。
【0032】
(ステップS2)
ステップS2において、前記CPU1は、前記過去カルテ表示画面41に表示させる電子カルテの表示日数が2日に設定されているか否かを判断する。具体的に、前記CPU1は、前記ステップS1と同様の手法で、前記表示日数タブ51〜53のうち前記表示日数タブ52が選択されているか否かを判断する。
ここで、表示日数が2日に設定されていると判断された場合(S2のYes側)、処理はステップS12に移行する。一方、表示日数が2日でないと判断された場合(S2のNo側)、即ち表示日数が3日に設定されている場合、処理はステップS13に移行する。
【0033】
(ステップS11)
ステップS11において、前記CPU1は、1日分の電子カルテを前記表示装置7の前記過去カルテ表示画面41に表示させる。具体的に、前記CPU1は、前記サーバ装置Yの記憶装置12から、予め設定された1日分の電子カルテを読み出す。なお、初期設定では、ここで読み出される電子カルテは最新の1日分の電子カルテである。ここに、前記電子カルテを読み出すための処理(読出工程)を実行するときの前記CPU1が読出手段に相当する。
そして、前記CPU1は、前記1日分の電子カルテを含む各種情報を配置した前記カルテ表示画面40を前記表示装置7に表示させる(図7参照)。
但し、後述のカルテ選択処理(図11参照)において他の電子カルテが選択された場合は、その選択された電子カルテが読み出されて表示される。また、表示対象となる1日分の電子カルテが既に表示されている場合には再度の読み出しは行われず、その表示状態が維持される。
【0034】
(ステップS12)
一方、ステップS12において、前記CPU1は、前記複数の分割設定タブ51〜53のうち前記操作入力装置6によって選択された分割設定タブ52に対応する分割数「2」で前記過去カルテ表示画面41を上下方向に分割し、2日分の電子カルテを表示させる。
具体的に、前記CPU1は、前記サーバ装置Yの記憶装置12から、予め設定された2日分の電子カルテを読み出す。なお、初期設定では、ここで読み出される電子カルテは最新の2日分の電子カルテである。ここに、前記電子カルテを読み出すときの前記CPU1が読出手段に相当する。そして、前記CPU1は、前記2日分の電子カルテを含む各種情報を配置した前記カルテ表示画面40を前記表示装置7に表示させる。即ち、前記CPU1は、前記過去カルテ表示画面41を上下二つの表示領域41A、41Bに分割し、前記表示領域41A、41B各々に異なる前記電子カルテの診療データを表示させる(図8参照)。ここに、係る処理(第2の表示制御工程)を実行するときの前記CPU1が第2の表示制御手段に相当する。このとき、前記表示領域41A、41B各々において、前記電子カルテの診療データは、先頭から「S」、「O」、「A」、「P」、「指導」の順で表示される。
但し、後述のカルテ選択処理(図11参照)において他の電子カルテが選択された場合は、その選択された電子カルテが読み出されて表示される。また、表示対象となる2日分の電子カルテが既に表示されている場合には再度の読み出しは行われず、その表示状態が維持される。
【0035】
(ステップS13)
また、ステップS13において、前記CPU1は、前記複数の分割設定タブ51〜53のうち前記操作入力装置6によって選択された分割設定タブ53に対応する分割数「3」で前記過去カルテ表示画面41を上下方向に分割し、3日分の電子カルテを表示させる。具体的に、前記CPU1は、前記サーバ装置Yの記憶装置12から、予め設定された3日分の電子カルテを読み出す。なお、初期設定では、ここで読み出される電子カルテは最新の3日分の電子カルテである。ここに、前記電子カルテを読み出すときの前記CPU1が読出手段に相当する。そして、前記CPU1は、前記3日分の電子カルテを含む各種情報を配置した前記カルテ表示画面40を前記表示装置7に表示させる。即ち、前記CPU1は、前記過去カルテ表示画面41を上下三つの表示領域41C〜41Eに分割し、前記表示領域41C〜41E各々に異なる前記電子カルテの診療データを表示させる(図9参照)。ここに、係る処理(第2の表示制御工程)を実行するときの前記CPU1が第2の表示制御手段に相当する。このとき、前記表示領域41C〜41E各々において、前記電子カルテの診療データは、先頭から「S」、「O」、「A」、「P」、「指導」の順で表示される。
但し、後述のカルテ選択処理(図11参照)において他の電子カルテが選択された場合は、その選択された電子カルテが読み出されて表示される。また、表示対象となる3日分の電子カルテが既に表示されている場合には再度の読み出しは行われず、その表示状態が維持される。
【0036】
(ステップS3)
次に、ステップS3において、前記CPU1は、前記項目設定タブ61〜65のいずれが選択されているかを特定する。
具体的に、前記CPU1は、前記RAM3の記憶領域に項目設定フラグを確保している。そして、前記CPU1は、前記操作入力装置6による前記項目設定タブ61〜65の操作に応じて前記項目設定フラグの値を更新する(1:「S」、2:「O」、3:「A」、4:「P」、5:「指導」)。これにより、前記CPU1は、前記RAM3の項目設定フラグを参照することにより前記項目設定タブ61〜65のいずれが選択されているかを判断することができる。なお、前記項目設定フラグの初期値は「1」である。その他、前記CPU1が前記項目設定タブ61〜65の操作ログを前記RAM3に記憶させる構成では、該CPU1はその操作ログを参照することで前記項目設定タブ61〜65のいずれが選択されているかを判断することができる。
【0037】
(ステップS4)
そして、ステップS4において、前記CPU1は、前記過去カルテ表示画面41に表示される全ての電子カルテの診療データを、前記項目設定タブ61〜65のうち選択された項目設定タブに対応する項目を先頭にして表示させる。ここに、係る処理(第4の表示制御工程)を実行するときの前記CPU1が第4の表示制御手段に相当する。
具体的に、前記CPU1は、前記電子カルテの診療データを前記過去カルテ表示画面41に配置して表示させるときに、該診療データの各項目のヘッダー部(項目名が表示される箇所)に対応する位置情報を前記RAM3に記憶する。これにより、前記CPU1は、前記ステップS4において、前記RAM3に記憶されている位置情報を読み出し、前記項目設定タブ61〜65うち選択された項目設定タブに対応する項目が先頭に表示されるように、前記過去カルテ表示画面41における電子カルテの診療データの表示対象箇所を調整することが可能となる。
【0038】
例えば、図12に示す前記過去カルテ表示画面41では、前記表示領域41C〜41E各々に「S」、「O」、「A」、「P」、「指導」の順で診療データが表示されている。このとき、「O」の項目に対応する前記項目設定タブ62が選択された場合を考える。なお、図12に示す前記表示領域41Cにおいて、電子カルテの「O」の項目が先頭に表示されているのは、当該電子カルテに「S」の項目が記録されていないためである。
この場合、前記CPU1は、前記過去カルテ表示画面41の前記表示領域41C〜41Eの全てについて、前記スクロールバー411C〜411E各々の位置を個別に制御し、図13に示すように、前記表示領域41C〜41E各々において「O」の項目が先頭位置となるように診療データを表示させる。具体的に図13を参照すれば、前記スクロールバー411D、411Eが下方に移動していることがわかる。これにより、医師は、前記項目設定タブ61〜65を選択するという簡単な操作で、前記表示領域41C〜41E各々に表示された全ての電子カルテについて、「O」の項目の診療データを一画面上で参照することができる。
ところで、「S」、「O」、「A」、「P」、「指導」のいずれかの項目が記録されていない電子カルテが表示されているときに、その記録のない項目に対応する前記項目設定タブ61〜65のいずれかが選択された場合、前記CPU1は、その項目に対応する記録がない旨を前記カルテ表示画面40にポップアップ表示させることが望ましい。例えば、複数の電子カルテが表示されている場合には、その項目の記録がない電子カルテの表示領域上で前記ポップアップ表示を行えばよい。なお、この表示手法は、ポップアップ表示に限らず、ステータスバーへの表示や警告音表示も他の実施例として考えられる。
なお、本実施の形態では、前記ステップS4において、前記項目設定タブ61〜65のうち選択された項目設定タブに対応する項目が先頭位置となるように診療データを表示させる場合について説明した。一方、前記CPU1は、前記ステップS4において、前記表示領域41C〜41E各々に表示される全ての前記電子カルテの診療データについて、前記項目設定部61〜65のうち選択された項目設定部に対応する項目を少なくとも表示させるものであればよい。即ち、選択された項目の表示位置は、前記表示領域41C〜41E各々における先頭に限らず、該表示領域41C〜41E各々において先頭位置より下方の位置、例えば中央に表示されることも考えられる。
また、前記CPU1が、上下方向及び左右方向に対応する二つのスクロールバーを表示させ、該スクロールバー各々の操作に従って表示を上下左右にスクロールさせる構成では、前記CPU1は、前記ステップS4において、選択された項目が少なくとも表示されるように、前記スクロールバー各々の位置を調整して前記表示領域41A〜41E各々の診療データの表示位置を上下左右に移動させる。
【0039】
<カルテ選択処理>
続いて、図11を参照しつつ前記カルテ選択処理の手順の一例について説明する。ここに、図示するS21、S22、…は前記CPU1が実行する処理手順(ステップ)番号を示す。
当該カルテ選択処理は、前記カルテ表示処理の前記ステップS11〜S13において前記過去カルテ表示画面41内に表示される電子カルテを選択するために実行される処理である。
【0040】
(ステップS21)
図11に示すように、ステップS21において、前記CPU1は、前記患者表示画面43に表示された前記診療履歴タブ431(図7参照)が選択されているか否かを判断する。
具体的に、前記CPU1は、前記RAM3の記憶領域に診療履歴フラグを確保している。そして、前記CPU1は、前記操作入力装置6により前記診療履歴タブ431が選択されると、該診療履歴タブ431に対応して前記RAM3に確保された診療履歴フラグをONする。一方、前記診療履歴タブ431と並んで表示された他のタブが選択された場合、前記CPU1は前記診療履歴フラグをOFFにする。従って、当該ステップS21において、前記CPU1は、前記RAM3の前記診療履歴フラグを参照することにより、前記診療履歴タブ431の選択の有無を判断することができる。
ここで、前記診療履歴タブ431が選択されていると判断された場合(S21のYes側)、処理はステップS22に移行する。なお、前記診療履歴タブ431が選択されるまでの間(S21のNo側)、処理は当該ステップS21で待機される。
【0041】
(ステップS22)
ステップS22において、前記CPU1は、現在表示対象である患者の過去の診療履歴情報のリストを前記サーバ装置Yの記憶装置12から読み出し、該診療履歴情報のリストを配置したリスト表示画面43Aを前記患者表示画面43に表示させる(図14参照)。即ち、前記CPU1は、前記リスト表示画面43Aを前記過去カルテ表示画面41及び前記現在カルテ表示画面42と共に前記表示装置7の同一画面上に表示させる。
図14に示す前記リスト表示画面43Aでは、診療の受付日が新しい順に診療履歴情報が表示されている。なお、前記CPU1は、前記リスト表示画面43Aの受付日タブ43Bの操作に応じて前記診療履歴情報のリストの表示順を受付日の昇順又は降順に切り替えて表示させる。
また、前記CPU1は、前記リスト表示画面43Aにおいて、前記診療履歴情報のリストを絞り込む絞込条件を設定するための絞込タブ43C(絞込部に相当)を表示させる。前記絞込タブ43Cは、投薬、注射、処置などの各項目により前記リスト表示画面43Aに表示された複数の前記診療履歴情報を絞り込むための複数の絞込キーを含む。ここに、前記絞込タブ43Cを表示させるときの前記CPU1が第6の表示制御手段に相当する。
【0042】
(ステップS23)
続いて、ステップS23において、前記CPU1は、前記絞込タブ43Cの操作により絞込条件が設定されたか否かを判断する。例えば、図15に示すように、前記絞込タブ43Cの投薬の項目の絞込キーが操作された場合、前記CPU1は、その投薬の項目についての絞込条件を設定するためのプルダウンメニューを表示させる。そして、前記CPU1は、前記プルダウンメニューで表示された絞込条件が選択されると、その絞込条件が有効となるように設定する。
ここで、絞込条件が設定されたと判断されると(S23のYes側)、処理はステップS24に移行する。一方、絞込条件が設定されていないと判断されると(S23のNo側)、処理はステップS25に移行する。
【0043】
(ステップS24)
ステップS24において、前記CPU1は、前記診療履歴情報のリストのうち前記操作入力装置6によって操作された前記絞込タブ43Cの絞込キーに対応する絞込条件に合致する診療履歴情報のみを抽出して前記リスト表示画面43Aに表示させる。ここに、図16は、図15において前記絞込タブ43Cの投薬の項目の絞込キーが操作され、投薬有り(●)が絞込条件として設定された場合の表示例を示している。
【0044】
(ステップS25)
次に、ステップS25において、前記CPU1は、前記カルテ表示処理(図10参照)の前記ステップS1と同様に、前記過去カルテ表示画面41に表示される電子カルテの日数が1日であるか否かを判断する。
ここで、表示日数が1日であると判断された場合(S25のYes側)、処理はステップS26に移行する。一方、表示日数が1日でないと判断された場合(S25のNo側)、処理はステップS31に移行する。
【0045】
(ステップS26)
ステップS26において、前記CPU1は、前記リスト表示画面43Aにおいて選択された診療履歴情報が変更されたか否かを判断する。即ち、前記CPU1は、現在前記過去カルテ表示画面41に表示中の電子カルテとは異なる電子カルテに対応する診療履歴情報が選択されたか否かを判断する。
ここで、前記診療履歴情報の選択が変更されたと判断された場合(S26のYes側)、処理はステップS27に移行する。一方、前記診療履歴情報の選択が変更されていないと判断された場合(S26のNo側)、処理は前記ステップS21に戻される。
【0046】
(ステップS27)
ステップS27において、前記CPU1は、前記診療履歴情報の選択変更後の診療履歴情報に対応する電子カルテを前記カルテ表示処理(図10参照)の前記ステップS11における表示対象として設定する。
これにより、前記CPU1は、前記ステップ11において、前記ステップS27で設定された1日分の電子カルテを前記サーバ装置Yの記憶装置12から読み出して前記過去カルテ表示画面41に表示させる。
【0047】
(ステップS31)
一方、前記過去カルテ表示画面41に表示される電子カルテの日数が2日又は3日である場合(S25のNo側)、前記CPU1は、ステップS31において、前記操作入力装置6のキーボードに設けられた任意選択キーが操作されているか否かを判断する。前記任意選択キーは、前記診療履歴情報のリストの中から任意の診療履歴情報を選択するキーとして予め定められたものであって、例えば前記キーボードの「Ctrl」キーがそれに該当する。
ここで、前記任意選択キーが操作されていると判断されると(S31のYes側)、処理はステップS32に移行する。一方、前記任意選択キーが操作されていないと判断されると(S31のNo側)、処理はステップS34に移行する。
【0048】
(ステップS32)
ステップS32において、前記CPU1は、前記リスト表示画面43Cに表示された診療履歴情報が選択されたか否かを判断する。
ここで、前記診療履歴情報が選択されたと判断されると(S32のYes側)、処理はステップS33に移行し、前記診療履歴情報が選択されなければ(S33のNo側)、処理は前記ステップS21に戻される。
【0049】
(ステップS33)
ステップS33において、前記CPU1は、前記ステップS32で任意に選択されたと判断された前記診療履歴情報に対応する電子カルテを前記過去カルテ表示画面41に表示させる。具体的に、前記CPU1は、前記ステップS32で任意に選択された前記診療履歴情報に対応する電子カルテを前記サーバ装置Yの記憶装置12から読み出して前記過去カルテ表示画面41に表示させる。このとき、前記CPU1は、前記操作入力装置6による選択順で前記電子カルテ各々を前記過去カルテ表示画面41の先頭の表示領域から表示させる。
例えば、前記表示日数が3日である場合には、一つ目に選択された診療履歴情報に対応する電子カルテが前記過去カルテ表示画面41Cに表示される。そして、二つ目に選択された診療履歴情報に対応する電子カルテは前記過去カルテ表示画面41Dに表示される。その後、三つ目に選択された診療履歴情報に対応する電子カルテは前記過去カルテ表示画面41Eに表示される(図17参照)。なお、図17では、前記リスト表示画面43Aに表示された診療履歴情報のうち上から8番目、5番目、2番目の診療履歴情報433、432、431が順に選択されている。そして、図17では、前記表示領域41C、41D、41Eに、前記診療履歴情報433、432、431に対応する電子カルテがそれぞれ表示されている。
また、前記表示日数が2日である場合にも同じく、一つ目に選択された診療履歴情報に対応する電子カルテが前記過去カルテ表示画面41Aに表示される。そして、二つ目に選択された診療履歴情報に対応する電子カルテは前記過去カルテ表示画面41Bに表示される。
このとき、前記表示日数が2日である場合、前記CPU1は、二つの診療履歴情報が選択されるまでの間、前記過去カルテ表示画面41の前記表示領域41Bに空白を表示させる。同じく、前記表示日数が3日である場合、前記CPU1は、二つ目の診療履歴情報が選択されるまでの間は、前記過去カルテ表示画面41の前記表示領域41D、41Eに空白を表示させ、三つ目の診療履歴情報が選択されるまでの間は、前記過去カルテ表示画面41の前記表示領域41Eに空白を表示させる。
【0050】
このように、前記CPU1は、前記リスト表示画面43Aに表示された複数の診療履歴情報のうち前記操作入力装置6により複数の診療履歴情報が任意選択された場合、該任意選択された複数の診療履歴情報に対応する2日分又は3日分の電子カルテを前記過去カルテ表示画面41に表示させる。従って、医師などの操作者は、前記操作入力装置6により所望の複数の診療履歴情報を選択して前記過去カルテ表示画面41で参照することができる。
特に、図16に示したように、前記ステップS23〜S24において前記絞込タブ43Cの操作に応じてリスト表示画面43Aに表示させる診療履歴情報を絞り込んだ状態で、前記ステップS32〜S33において任意の3日分の診療履歴情報を選択表示させることが可能である。具体的に、図16では、前記ステップS24で絞り込まれた後、前記リスト表示画面43Aに表示された診療履歴情報のうち上から4番目、2番目、1番目の診療履歴情報436、435、434が順に選択されている。そして、図16では、前記表示領域41C、41D、41Eに、前記診療履歴情報436、435、434に対応する電子カルテがそれぞれ表示されている。
これにより、診療履歴情報が多量に蓄積された状態であっても、操作者は簡単な操作によって所望の電子カルテを任意に選んで前記過去カルテ表示画面41に表示させることができる。
【0051】
(ステップS34)
一方、前記ステップS34において、前記CPU1は、前記リスト表示画面43Aにおいて選択された診療履歴情報が変更されたか否かを判断する。具体的に、前記CPU1は、現在前記過去カルテ表示画面41の先頭に表示された電子カルテとは異なる電子カルテに対応する診療履歴情報が選択されたか否かを判断する。
ここで、前記診療履歴情報の選択が変更されたと判断された場合(S34のYes側)、処理はステップS35に移行する。一方、前記診療履歴情報の選択が変更されていないと判断された場合(S34のNo側)、処理は前記ステップS21に戻される。
【0052】
(ステップS35)
ステップS35において、前記CPU1は、前記診療履歴情報の選択変更後の診療履歴情報を基準としてそれ以前に連続表示された2日分又は3日分に対応する電子カルテを前記リスト表示画面43Aから選択して表示対象として設定する。
具体的に、前記過去カルテ表示画面41に表示される電子カルテの日数が3日である場合、前記CPU1は、前記ステップS34で選択された診療履歴情報の診療日を含む該診療日以前の3日分の電子カルテを前記カルテ表示処理(図10参照)の前記ステップS13における表示対象として設定する。これにより、前記CPU1は、前記ステップ13において、前記ステップS35で設定された3日分の電子カルテを前記サーバ装置Yの記憶装置12から読み出して前記過去カルテ表示画面41に表示させる(図18参照)。ここで、図18では、前記ステップS34において前記リスト表示画面43Aの上から5番目の診療履歴情報437が選択され、前記ステップS35でそれ以前の3日分の診療履歴情報438に対応する電子カルテが表示対象として設定されている。また、その後、前記項目設定タブ64が操作されたことにより、前記CPU1によって、前記過去カルテ表示画面41の表示領域41C〜41E各々において「P」の項目の診療データが先頭に表示された状態を示している。
また、前記過去カルテ表示画面41に表示される電子カルテの日数が2日である場合にも同じく、前記CPU1は、前記ステップS34で選択された診療履歴情報の診療日を含む該診療日以前の2日分の電子カルテを前記カルテ表示処理(図10参照)の前記ステップS12における表示対象として設定する。これにより、前記CPU1は、前記ステップ12において、前記ステップS35で設定された2日分の電子カルテを前記サーバ装置Yの記憶装置12から読み出して前記過去カルテ表示画面41に表示させる。
このように、前記CPU1は、前記リスト表示画面43Aに表示された複数の診療履歴情報のうち前記操作入力装置6により一つの診療履歴情報が選択された場合、該選択された一つの診療履歴情報の以前又は以後に連続表示された2日分又は3日分の診療履歴情報に対応する電子カルテを前記過去カルテ表示画面41に表示させる。
なお、当該ステップS35において、前記CPU1は、前記診療履歴情報の選択変更後の診療履歴情報を基準としてそれ以後に連続表示された2日分又は3日分に対応する電子カルテを前記リスト表示画面43Aから選択して表示対象として設定してもよい。
【0053】
ところで、前記ステップS27、S33、S35各々において、前記CPU1は、前記リスト表示画面43Cにおいて選択された診療履歴情報の表示色(例えば背景や文字の配色)を他の診療履歴情報と異なる色、例えば水色に変更する。ここに、係る処理を実行するときの前記CPU1が色変更手段に対応する。これにより、操作者に選択された診療履歴情報を視覚的に認識させることができる。
また、このとき、前記CPU1が、前記診療履歴リスト画面で選択された診療履歴情報の表示色各々を異なる色とし、該診療履歴情報に対応する電子カルテが表示される過去カルテ表示画面のヘッダー部分の表示色各々に同じ色を用いることが考えられる。これにより、医師は診療履歴情報と電子カルテとの対応関係を一目で把握することが可能となる。
なお、本実施の形態では、前記表示領域41C〜41E各々において所定の項目を先頭に表示させる手法として,前記スクロールバー411A〜411Eの位置を変更して前記表示領域41A〜41E各々における表示対象箇所を変更することについて説明した。一方、例えば、前記表示領域41A〜41E各々に表示される項目の順序を並べ替えることにより前記表示領域41C〜41E各々において所定の項目を先頭に表示させることも他の実施形態として考えられる。
【0054】
<その他の機能>
以下、前記クライアント装置Zにおいて前記CPU1が前記電子カルテプログラムを実行することにより実現するその他の機能について説明する。
【0055】
<動作設定機能>
前記CPU1は、操作者による前記操作入力装置6の操作に応じて、前記受診リスト画面31において患者を選択したときに初期表示される前記過去カルテ表示画面41に、1日分〜3日分のいずれを表示させるかを予め設定する機能を有する。
また、前記CPU1は、操作者による前記操作入力装置6の操作に応じて、前記過去カルテ表示画面41に2日分又は3日分の電子カルテを表示させる際に、上から新しい電子カルテを表示させるか、下から新しい電子カルテを表示させるかを予め設定する機能を有する。
【0056】
<ドラッグ・アンド・ドロップ機能>
前記CPU1は、前記操作入力装置6のマウスのドラッグ・アンド・ドロップ(D&D)操作が行われた場合に、前記過去カルテ表示画面41の内容を前記現在カルテ表示画面42にコピーする機能を有する。
これにより、医師は、過去の診療データと同様の診療データを入力する手間を省くことができる。なお、前記過去カルテ表示画面41が分割されて複数の電子カルテが表示されている状態では、同一電子カルテ内であれば複数の項目を同時にドラッグ・アンド・ドロップ操作によりコピー可能である。
【0057】
<リンク機能>
前記CPU1は、前記電子カルテの診療データの登録時に、該診療データに含まれるシェーマ、医薬品情報、又はバインダなどの情報を表示させるためのリンク情報を貼り付ける機能を有する。そして、前記CPU1は、リンク情報が貼り付けられた電子カルテが前記過去カルテ表示画面41に表示されたとき、そのリンク情報が前記操作入力装置6のマウスで操作(クリック)された場合に、そのリンク情報に対応するシェーマ、医薬品情報、又はバインダなどの情報を表示させる機能を有する。なお、シェーマは、図によって病状を記載したものである。医薬品情報は、医薬品の名称、型番、消費期限、外観画像、効能などである。バインダは、電子カルテに関連づけて記録された文書ファイル又はイメージファイル等である。
【0058】
<サイズ変更機能>
ところで、前述したように、前記CPU1により前記過去カルテ表示画面41が複数の表示領域に分割される際、その分割は均等に行われることが考えられる。一方、前記CPU1は、例えば前記表示領域41A〜41E各々の列幅や文字サイズなどを、医師による前記操作入力装置6の操作に応じて変更する機能を有する。これにより、医師の好みに応じて前記過去カルテ表示画面41のレイアウトを設定することが可能となる。なお、前記CPU1が、幅サイズや文字サイズの変更可能時期を、1日分の電子カルテを前記過去カルテ表示画面41に表示させている場合に限定することも考えられる。
【0059】
<変更履歴蓄積機能>
また、前記CPU1は、前記電子カルテの修正などが行われたとき、その修正前後の両方の診療データを保持する機能を有する。例えば、前記修正前の電子カルテを第1版としてその作成者や作成日時と共に記憶する。一方、前記修正後の電子カルテは第2版としてその修正者や修正日時と共に記憶する。そして、前記CPU1は、前記過去カルテ表示画面41に前記電子カルテを表示する際には、最新の前記第2版の電子カルテを表示させ、該電子カルテのヘッダー部の受付日時の欄がマウスの右クリック操作により、その電子カルテの過去の版番号のデータを表示させる。
【0060】
<ページ変更機能>
ここに、図19は、前記過去カルテ表示画面41の下部に設けられた操作部410の拡大図である。
図19(A)に示すように、前記操作部410には、前記表示日数タブ51〜53及び前記項目設定タブ61〜65などが配置されている。また、前記CPU1は、前記表示装置7の前記操作部410に、前記過去カルテ表示画面41に表示される電子カルテをその直前及び直後に1つずつ切り替えるための戻りタブ71及び送りタブ72(第1の切替部に相当)を表示させる。ここに、係る表示処理を実行するときの前記CPU1が第7の表示制御手段に相当する。また、前記操作部410には、前記過去カルテ表示画面41に表示される電子カルテを前回(最新)の電子カルテにワンタッチで切り替えるための前回タブ73も表示されている。
そして、前記CPU1は、前記操作入力装置6による前記戻りタブ71又は前記送りタブ72の操作に応じて前記過去カルテ表示画面41に表示されている前記電子カルテをその直前又は直後に一つずつ切り替える。なお、前記CPU1は、最古の電子カルテが表示されているときは前記戻りタブ71の操作を無効とし、最新の電子カルテが表示されているときは前記送りタブ72の操作を無効とする。また、前記CPU1は、前記操作入力装置6による前記前回タブ73の操作に応じて前記過去カルテ表示画面41に表示される電子カルテを前回(最新)の電子カルテに切り替える。
【0061】
例えば、前記記憶装置12に4/17〜4/21までの毎日について電子カルテが存在しているものとする。
この場合、図20(A)に示すように、前記表示領域41全体に4/20の電子カルテが表示されている状態で前記戻りタブ71が操作されると、前記CPU1は、前記表示領域41全体に4/19の電子カルテを表示させる。また、前記表示領域41に4/20全体の電子カルテが表示されている状態で前記送りタブ72が操作されると、前記CPU1は、前記表示領域41全体に4/21の電子カルテを表示させる。
また、図20(B)に示すように、前記表示領域41A(上段)に4/20、前記表示領域41B(下段)に4/19の電子カルテが表示されている状態を考える。この場合、前記戻りタブ71が操作されると、前記CPU1は、前記表示領域41A(上段)に4/19、前記表示領域41B(下段)に4/18の電子カルテを表示させる。一方、前記送りタブ72が操作されると、前記CPU1は、前記表示領域41A(上段)に4/21、前記表示領域41B(下段)に4/20の電子カルテを表示させる。なお、前記CPU1は、前記表示領域41Aの2回前の電子カルテが存在しない場合は前記戻りタブ71の操作を無効とし、前記表示領域41Aの1回後の電子カルテが存在しない場合は前記送りタブ72の操作を無効とする。
さらに、図20(C)に示すように、前記表示領域41C(上段)に4/20、前記表示領域41D(中段)に4/19、前記表示領域41E(下段)に4/18の電子カルテが表示されている状態を考える。この場合、前記戻りタブ71が操作されると、前記CPU1は、前記表示領域41C(上段)に4/19、前記表示領域41D(中段)に4/18、前記表示領域41E(下段)に4/17の電子カルテを表示させる。一方、前記送りタブ72が操作されると、前記CPU1は、前記表示領域41C(上段)に4/21、前記表示領域41D(中段)に4/20、前記表示領域41E(下段)に4/19の電子カルテを表示させる。なお、前記CPU1は、前記表示領域41Cの3回前の電子カルテが存在しない場合は前記戻りタブ71の操作を無効とし、前記表示領域41Aの1回後の電子カルテが存在しない場合は前記送りタブ72の操作を無効とする。
【0062】
<タブ表示切替機能>
さらに、図19に示すように、前記操作部410の左端部には、タブ変更キー74が表示されている。
そして、前記CPU1は、前記タブ変更キー74の操作ごとに、前記操作部410に表示する操作タブの一部又は全部を変更する機能を有する。例えば、図19(B)に示す例では、前記タブ変更キー74の操作により、図19(A)に示す前記操作部410に表示されていた前記表示日数タブ51〜53及び前記項目設定タブ61〜65に代えて、全表示タブ91、オプションタブ92、検索タブ93、カラータブ94、セットタブ95の各種タブが表示される。このように、前記タブ変更キー74が操作されるごとに前記操作部410のタブの機能を異なる機能に割り当てることにより、省スペース化を図りつつ、多種の機能を実行するためのタブ表示を行うことができる。もちろん、前記タブ変更キー74の操作による表示変更は3ページ以上に亘るものであってもよい。
【0063】
また、前記表示日数タブ51と前記表示日数タブ52、53とのいずれが選択されているか、即ち前記過去カルテ表示画面41に1日分の電子カルテが表示される場合と2日分又は3日分の電子カルテが表示される場合とで、前記操作部410の操作タブの一部又は全部を変更することが考えられる。
例えば、図19(A)、(B)は1日分の電子カルテが表示される場合、図19(C)、(D)は2日分の電子カルテが表示される場合の前記操作部410の表示例を示している。図19(C)、(D)は、図19(A)、(B)と同様に前記タブ変更キー74の操作により前記CPU1によって切り替えられる。なお、3日分の電子カルテが前記過去カルテ表示画面41に表示される場合も同様である。
また、2日分又は3日分の電子カルテが表示される場合、前記CPU1は、前記操作部410の右端部に、前記過去カルテ表示画面41に表示されている電子カルテをその直前又は直後に2日分又は3日分まとめて変更する戻りタブ81及び送りタブ82(第2の切替部に相当)を表示させる。ここに、係る表示処理を実行するときの前記CPU1が第8の表示制御手段に相当する。
そして、前記CPU1は、前記操作入力装置6による前記戻りタブ81又は前記送りタブ82の操作に応じて前記過去カルテ表示画面41に表示されている前記複数の電子カルテをその直前又は直後に2日分又は3日分ずつ切り替える。
【0064】
例えば、図21(A)、(B)に示すように、前記表示領域41A(上段)に4/20、前記表示領域41B(下段)に4/19の電子カルテが表示されている状態を考える。図21(A)は、前記表示領域41Aの4/20の3回前の4/17の電子カルテが存在し、該表示領域41Aの4/20の2回後の4/22の電子カルテが存在する場合の表示変化を示している。この場合、前記戻りタブ81が操作されると、前記CPU1は、前記表示領域41A(上段)に4/18、前記表示領域41B(下段)に4/17の電子カルテを表示させる。一方、前記送りタブ82が操作されると、前記CPU1は、前記表示領域41A(上段)に4/22、前記表示領域41B(下段)に4/21の電子カルテを表示させる。
また、図21(B)は、前記表示領域41Aの4/20の2回前の4/18の電子カルテは存在するが3回前の4/17の電子カルテは存在せず、該表示領域41Aの4/20の1回後の4/21の電子カルテは存在するが2回後の4/22の電子カルテは存在しない場合の表示変化を示している。この場合、前記戻りタブ81が操作されると、前記CPU1は、前記表示領域41A(上段)に4/19、前記表示領域41B(下段)に4/18の電子カルテを表示させる。一方、前記送りタブ82が操作されると、前記CPU1は、前記表示領域41A(上段)に4/21、前記表示領域41B(下段)に4/20の電子カルテを表示させる。
なお、前記CPU1は、前記表示領域41Aの2回前の電子カルテが存在しない場合は前記戻りタブ71の操作を無効とし、前記表示領域41Aの1回後の電子カルテが存在しない場合は前記送りタブ72の操作を無効とする。
【0065】
また、図21(C)〜図21(E)に示すように、記表示領域41C(上段)に4/20、前記表示領域41D(中段)に4/19、前記表示領域41E(下段)に4/18の電子カルテが表示されている状態を考える。
まず、図21(C)は、前記表示領域41Aの4/20の5回前の4/15の電子カルテが存在し、該表示領域41Aの4/20の3回後の4/23の電子カルテが存在する場合の表示変化を示している。この場合、前記戻りタブ81が操作されると、前記CPU1は、前記表示領域41C(上段)に4/17、前記表示領域41D(中段)に4/16、前記表示領域41E(下段)に4/15の電子カルテを表示させる。一方、前記送りタブ82が操作されると、前記CPU1は、前記表示領域41C(上段)に4/23、前記表示領域41D(中段)に4/22、前記表示領域41E(下段)に4/21の電子カルテを表示させる。
次に、図21(D)は、前記表示領域41Aの4/20の4回前の4/16の電子カルテが存在するが5回前の4/15の電子カルテは存在せず、該表示領域41Aの4/20の2回後の4/22の電子カルテが存在するが3回後の4/23の電子カルテは存在しない場合の表示変化を示している。この場合、前記戻りタブ81が操作されると、前記CPU1は、前記表示領域41C(上段)に4/18、前記表示領域41D(中段)に4/17、前記表示領域41E(下段)に4/16の電子カルテを表示させる。一方、前記送りタブ82が操作されると、前記CPU1は、前記表示領域41C(上段)に4/22、前記表示領域41D(中段)に4/21、前記表示領域41E(下段)に4/20の電子カルテを表示させる。
さらに、図21(E)は、前記表示領域41Aの4/20の3回前の4/17の電子カルテが存在するが4回前の4/16の電子カルテは存在せず、該表示領域41Aの4/20の1回後の4/21の電子カルテが存在するが2回後の4/22の電子カルテは存在しない場合の表示変化を示している。この場合、前記戻りタブ81が操作されると、前記CPU1は、前記表示領域41C(上段)に4/19、前記表示領域41D(中段)に4/18、前記表示領域41E(下段)に4/17の電子カルテを表示させる。一方、前記送りタブ82が操作されると、前記CPU1は、前記表示領域41C(上段)に4/21、前記表示領域41D(中段)に4/20、前記表示領域41E(下段)に4/19の電子カルテを表示させる。
なお、前記CPU1は、前記表示領域41Aの3回前の電子カルテが存在しない場合は前記戻りタブ71の操作を無効とし、前記表示領域41Aの1回後の電子カルテが存在しない場合は前記送りタブ72の操作を無効とする。
【0066】
ところで、以下に説明するように、前記戻りタブ71及び前記送りタブ72、前記戻りタブ81及び前記送りタブ82は、前記過去カルテ表示画面41に任意選択した複数の電子カルテが表示された状態でも有効である(図22(A)〜(D)参照)。
【0067】
例えば、前記記憶装置12に7/1〜7/20までの毎日について電子カルテが存在している場合を考える。また、図22(A)、(B)の中央に示すように、前記過去カルテ表示画面41が三分割され、前記表示領域41C(上段)に7/15、前記表示領域41D(中段)に7/10、前記表示領域41E(下段)に7/5の電子カルテがそれぞれ表示されているものとする。
この場合、図22(A)に示すように、前記戻りタブ71又は前記送りタブ72が操作されると、前記CPU1は、前記過去カルテ表示画面41の最上段の前記表示領域41(C)に表示された電子カルテを基準に、表示対象をその直前又は直後に一つずつ切り替える。具体的に、前記戻りタブ71が操作された場合、前記CPU1は、前記表示領域41C、41D、41Eに、7/14、7/13、7/12の電子カルテをそれぞれ表示させる。一方、前記送りタブ72が操作されると、前記CPU1は、前記表示領域41C、41D、41Eに、7/16、7/15、7/14の電子カルテをそれぞれ表示させる。
一方、図22(B)に示すように、前記戻りタブ81又は前記送りタブ82が操作されると、前記CPU1は、前記過去カルテ表示画面41の最上段の表示領域に表示された電子カルテを基準に、表示対象をその直前又は直後に三つずつ切り替える。具体的に、前記戻りタブ81が操作された場合、前記CPU1は、前記表示領域41C、41D、41Eに、7/12、7/11、7/10の電子カルテをそれぞれ表示させる。一方、前記送りタブ82が操作されると、前記CPU1は、前記表示領域41C、41D、41Eに、7/18、7/17、7/16の電子カルテをそれぞれ表示させる。
【0068】
また、前記記憶装置12に7/1、7/4、7/5、7/10、7/15、7/20について電子カルテが存在している場合を考える。また、図22(C)、(D)の中央に示すように、前記過去カルテ表示画面41が三分割され、前記表示領域41C(上段)に7/15、前記表示領域41D(中段)に7/10、前記表示領域41E(下段)に7/5の電子カルテがそれぞれ表示されているものとする。
この場合、図22(C)に示すように、前記戻りタブ71又は前記送りタブ72が操作されると、前記CPU1は、前記過去カルテ表示画面41の最上段の前記表示領域41(C)に表示された電子カルテを基準に、表示対象をその直前又は直後に一つずつ切り替える。具体的に、前記戻りタブ71が操作された場合、前記CPU1は、前記表示領域41C、41D、41Eに、7/10、7/5、7/4の電子カルテをそれぞれ表示させる。一方、前記送りタブ72が操作されると、前記CPU1は、前記表示領域41C、41D、41Eに、7/20、7/15、7/10の電子カルテをそれぞれ表示させる。
一方、図22(D)に示すように、前記戻りタブ81又は前記送りタブ82が操作されると、前記CPU1は、前記過去カルテ表示画面41の最上段の表示領域に表示された電子カルテを基準に、表示対象をその直前又は直後に三つずつ切り替える。但し、図21(D)に示した場合と同様に、前記表示領域41Cの5回前の電子カルテが存在しない。そのため、図22(D)に示すように、前記戻りタブ81が操作された場合、前記CPU1は、前記表示領域41C、41D、41Eに、7/5、7/4、7/1の電子カルテをそれぞれ表示させる。また、図21(E)に示した場合と同様に、前記表示領域41Cの2回後の電子カルテが存在しない。そのため、図22(D)に示すように、前記送りタブ82が操作されると、前記CPU1は、前記表示領域41C、41D、41Eに、7/20、7/15、7/10の電子カルテを表示させる。
【符号の説明】
【0069】
1 :CPU
2 :ROM
3 :RAM
4 :データ記憶部
5 :通信インターフェース
6 :操作入力装置
7 :表示装置
10:バス
11:通信インターフェース
12:記憶装置
13:バス
20:通信ネットワーク
31:受信リスト画面
40:カルテ表示画面
41:過去カルテ表示画面
41A、41B:表示領域
41C、41D、41E:表示領域
411A〜411E:スクロールバー
42:現在カルテ表示画面
43:患者表示画面
43A:リスト表示画面
44:入力画面
51〜53:分割設定タブ(分割設定部)
61〜65:項目設定タブ(項目設定部)
S1、S2、…:処理手順(ステップ)番号
S21、S22、…:処理手順(ステップ)番号
X :電子カルテシステム
Y :サーバ装置
Z :クライアント装置(電子カルテ装置)
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者の診療情報を電子データ化して管理する電子カルテシステムに関し、特に、過去の電子カルテの表示手法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、病院などの医療施設では、患者各々の診療に関する情報を電子カルテと称される電子データで管理する電子カルテシステム(例えば特許文献1、2参照)が利用される。
一般に、1回(1日)の診療に関する電子カルテには、「S」、「O」、「A」、「P」の各項目に分類して記録された診療データが含まれる。なお、「S」は主観情報、「O」は客観情報、「A」は評価情報、「P」は計画情報である。そして、このような電子カルテシステムでは、過去の電子カルテを表示する際にも「S」、「O」、「A」、「P」の各項目の順で診療データが表示される。
【0003】
また、過去の電子カルテを表示する際に、表示画面を複数の表示領域に分割し、その複数の表示領域を用いて過去の複数の電子カルテを同一画面上に表示させる電子カルテシステムも知られている。
但し、この構成では、表示画面が複数の表示領域に分割されるため、その表示領域ごとにおいて電子カルテの診療データを表示できる範囲は狭くなる。そのため、電子カルテの診療データの全体が表示領域内に収まらず表示されないおそれがある。例えば、電子カルテに含まれる「S」、「O」、「A」、「P」の各項目のうち「S」の項目のみが表示され、その他の「O」、「A」及び「P」の項目については表示されないことが考えられる。
これに対し、従来は、分割された表示領域ごとに電子カルテの診療データの表示をスクロール可能とする構成が採られていた。これにより、表示領域ごとにスクロール表示操作を行うことで、「S」、「O」、「A」、「P」の全ての項目を参照することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−43284号公報
【特許文献2】特開2008−250748号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、分割された表示領域ごとにスクロール表示可能な構成には以下の問題がある。例えば三つの表示領域に過去3日分の電子カルテの診療データが表示された状態で、その3日分の全ての電子カルテに関して「A」の項目の診療データを参照する場合を考える。この場合、医師は、その三つの表示領域全てについて個別にスクロール操作を行って「A」の項目の診療データが表示されるよう調整する必要がある。このようなスクロール操作は医師にとって煩雑な作業である。
従って、本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、過去の電子カルテの複数表示についての操作性を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために本発明は、読出手段、第1の表示制御手段、第2の表示制御手段、第3の表示制御手段、及び第4の表示制御手段を備えた電子カルテ装置として構成されている。前記読出手段は、複数の項目に分類して記録された診療データを含む電子カルテを蓄積する記憶装置から前記電子カルテを読み出す。前記第1の表示制御手段は、前記読出手段により読み出された前記電子カルテの診療データが配置される過去カルテ表示画面を表示装置に表示させる。前記第2の表示制御手段は、前記過去カルテ表示画面を予め設定された数の表示領域に分割する。そして、前記第2の表示制御手段は、前記表示領域各々に異なる前記電子カルテの診療データを表示させる。前記第3の表示制御手段は、前記複数の項目に対応する複数の項目設定部を前記表示装置に表示させる。前記第4の表示制御手段は、前記表示領域各々に表示される全ての前記電子カルテの診療データについて、前記複数の項目設定部のうち操作入力装置により選択された項目設定部に対応する項目を表示させる。
本発明によれば、所望の項目に対応する前記項目設定部を選択するという簡単な操作で、全ての前記表示領域においてその所望の項目の診療データを一気に表示させて参照することが可能となる。従って、前記電子カルテ装置における過去の前記電子カルテの複数表示についての操作性が向上し、例えば前記電子カルテ装置を使用する医師による診療効率を高めることができる。
特に、前記第4の表示制御手段は、前記表示領域各々に表示される全ての前記電子カルテの診療データを、前記複数の項目設定部のうち操作入力装置により選択された項目設定部に対応する項目を先頭にして表示させるものであることが望ましい。これにより、前記選択された項目が前記表示領域各々における先頭位置に表示されるため、該項目の内容がより見やすくなる。
【0007】
ここで、前記第1の表示制御手段は、前記過去カルテ表示画面と現在の入力対象の電子カルテが配置される現在カルテ表示画面とを同一画面上で左右方向又は上下方向に並べて前記表示装置に表示させるものであることが考えられる。また、前記第2の表示制御手段は、前記過去カルテ表示画面を上下方向又は左右方向に分割するものであることが考えられる。
同一画面上に前記過去カルテ表示画面及び前記現在カルテ表示画面を同時に表示させる場合には、該過去カルテ表示画面が狭くなる。そして、その狭い過去カルテ表示画面を上下方向又は左右方向に分割した表示領域は更に狭くなる。この場合、その分割後の表示領域では前記電子カルテの診療データの全項目を一度に表示できない可能性が高くなるため、本発明が特に好適である。
【0008】
ところで、前記第2の表示制御手段による前記過去カルテ表示画面の分割数を設定するための複数の分割設定部を前記表示装置に表示させる第5の表示制御手段を更に備えることが考えられる。この場合、前記第2の表示制御手段は、前記複数の分割設定部のうち前記操作入力装置により選択された分割設定部に対応する分割数で前記過去カルテ表示画面を上下方向又は左右方向に分割するものである。これにより、前記分割設定部の操作により簡単に前記過去カルテ表示画面の分割数を任意に設定することが可能となる。
また、前記第1の表示制御手段は、前記記憶装置に記憶された前記電子カルテ各々に対応する複数のカルテ識別情報を配置したリスト表示画面を、前記過去カルテ表示画面及び前記現在カルテ表示画面と共に前記表示装置の同一画面上に表示させるものであることが考えられる。この場合、前記第2の表示制御手段は、前記複数のカルテ識別情報のうち前記操作入力装置により選択されたカルテ識別情報に対応する前記電子カルテを前記過去カルテ表示画面に表示させるものである。これにより、前記過去カルテ表示画面に表示させる電子カルテを任意に選択することが可能となる。
さらに、前記リスト表示画面に表示された前記複数のカルテ識別情報を絞り込む絞込条件を設定するための複数の絞込部を前記表示手段に表示させる第6の表示制御手段を更に備えることが考えられる。この場合、前記第1の表示制御手段は、前記複数の絞込部のうち前記操作入力装置により選択された絞込部に対応する前記絞込条件に合致する前記カルテ識別情報のみを前記リスト表示画面に表示させるものである。これにより、前記絞込条件に合致した前記カルテ識別情報のみを表示させた状態で、前記過去カルテ表示画面に表示させる電子カルテを任意に選択することができるため、所望の電子カルテを表示させるための手間及び所要時間を短縮することができる。
【0009】
また、前記第2の表示制御手段は、前記複数のカルテ識別情報のうち前記操作入力装置により一つのカルテ識別情報が選択された場合、該選択された一つのカルテ識別情報の以前又は以後に連続表示された前記分割数の前記カルテ識別情報に対応する複数の前記電子カルテを前記過去カルテ表示画面に表示させるものであることが考えられる。これにより、一つの前記カルテ識別情報を選択するだけでそのカルテ識別情報を基準として複数のカルテ識別情報に対応する前記電子カルテを一気に前記過去カルテ表示画面に表示させることが可能である。
一方、前記第2の表示制御手段は、前記複数のカルテ識別情報のうち前記操作入力装置により複数のカルテ識別情報が任意選択された場合、該任意選択された複数のカルテ識別情報に対応する複数の前記電子カルテを前記過去カルテ表示画面に表示させるものであることも考えられる。これにより、必ずしも連続して表示された前記カルテ識別情報に限らず、前記リスト表示画面から任意に選択した前記カルテ識別情報に対応する複数の前記電子カルテを前記過去カルテ表示画面に表示させることができる。さらに、前記絞込条件に合致した前記カルテ識別情報のみが表示された状態で、そのカルテ識別情報のうちから任意の複数のカルテ識別情報を選択することも可能であり高い操作性を得ることができる。
ここで、前記第2の表示制御手段は、前記操作入力装置による選択順で前記電子カルテ各々を前記過去カルテ表示画面の先頭の前記表示領域から表示させるものであることが考えられる。これにより、医師が選択した順序でそのまま前記電子カルテが表示されるため、例えば、医師が重要と考える順に前記電子カルテを表示させることができる。
【0010】
また、前記過去カルテ表示画面に表示されている前記電子カルテに対応する前記カルテ識別情報には他の前記カルテ識別情報と異なる配色を施す色変更手段を備えてなることが考えられる。これにより、前記過去カルテ表示画面に表示されている電子カルテに対応するカルテ識別情報を容易に認識することができる。
さらに、前記過去カルテ表示画面に表示されている前記電子カルテをその直前及び直後に一つずつ切り替えるための第1の切替部を前記表示装置に表示させる第7の表示制御手段を更に備えてなることが考えられる。この場合、前記第2の表示制御手段は、前記操作入力装置による前記第1の切替部の操作に応じて前記過去カルテ表示画面に表示されている前記電子カルテをその直前又は直後に一つずつ切り替えるものである。これにより、前記過去カルテ表示画面に表示させる前記複数の電子カルテを、前記第1の切替部の操作により簡単に一つだけずらすことができる。
また、前記過去カルテ表示画面に表示されている前記電子カルテをその直前及び直後に前記分割数ずつ切り替えるための第2の切替部を前記表示装置に表示させる第8の表示制御手段を更に備えてなることも考えられる。この場合、前記第2の表示制御手段は、前記操作入力装置による前記第2の切替部の操作に応じて前記過去カルテ表示画面に表示されている前記複数の電子カルテをその直前又は直後に前記分割数ずつ切り替えるものである。これにより、前記過去カルテ表示画面に表示させる前記複数の電子カルテを、前記第2の切替部の操作により簡単に前記分割数ずつまとめてずらすことができる。
ところで、本発明は、コンピュータを前記電子カルテ装置の各手段として機能させるための電子カルテプログラムの発明として捉えることもできる。また、前記電子カルテプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を本発明と捉えてもよい。
【0011】
また、本発明は、表示装置、操作入力装置、記憶装置、読出手段、第1の表示制御手段、第2の表示制御手段、第3の表示制御手段、及び第4の表示制御手段を備えてなることを特徴とする電子カルテシステムとして捉えてもよい。前記表示装置は情報を表示するものであり、前記操作入力装置は情報を入力するものである。前記記憶装置は、複数の項目に分類して記録された診療データを含む電子カルテを蓄積する。前記読出手段は、前記記憶装置から前記電子カルテを読み出す。前記第1の表示制御手段は、前記読出手段により読み出された前記電子カルテの診療データが配置される過去カルテ表示画面を表示装置に表示させる。前記第2の表示制御手段は、前記過去カルテ表示画面を予め設定された数の表示領域に分割する。そして、前記第2の表示制御手段は、前記表示領域各々に異なる前記電子カルテの診療データを表示させる。前記第3の表示制御手段は、前記複数の項目に対応する複数の項目設定部を前記表示装置に表示させる。前記第4の表示制御手段は、前記表示領域各々に表示される全ての前記電子カルテの診療データを、前記複数の項目設定部のうち操作入力装置により選択された項目設定部に対応する項目を先頭にして表示させる。
【0012】
さらに、本発明は、コンピュータにより、読出工程、第1の表示制御工程、第2の表示制御工程、第3の表示制御工程、及び第4の表示制御工程を実行することを特徴とする電子カルテ表示方法として捉えてもよい。前記読出工程は、複数の項目に分類して記録された診療データを含む電子カルテを蓄積する記憶装置から前記電子カルテを読み出す。前記第1の表示制御工程は、前記読出工程により読み出された前記電子カルテの診療データが配置される過去カルテ表示画面を表示装置に表示させる。前記第2の表示制御工程は、前記過去カルテ表示画面を予め設定された数の表示領域に分割し、前記表示領域各々に異なる前記電子カルテの診療データを表示させる。前記第3の表示制御工程は、前記複数の項目に対応する複数の項目設定部を前記表示装置に表示させる。前記第4の表示制御工程は、前記表示領域各々に表示される全ての前記電子カルテの診療データを、前記複数の項目設定部のうち操作入力装置により選択された項目設定部に対応する項目を先頭にして表示させる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、過去の電子カルテの複数表示についての操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態に係る電子カルテシステムXの概略構成を示す模式図。
【図2】本発明の実施の形態に係る電子カルテシステムXのサーバ装置Y及びクライアント装置Zの概略構成を示すブロック図。
【図3】受診リスト画面の表示例を示す図。
【図4】カルテ表示画面の配置構成の一例を模式的に示した図。
【図5】カルテ表示画面の配置構成の一例を模式的に示した図。
【図6】カルテ表示画面の配置構成の一例を模式的に示した図。
【図7】カルテ表示画面の表示例を示す図。
【図8】カルテ表示画面の表示例を示す図。
【図9】カルテ表示画面の表示例を示す図。
【図10】カルテ表示処理の手順の一例を示すフローチャート。
【図11】カルテ選択処理の手順の一例を示すフローチャート。
【図12】カルテ表示画面の表示例を示す図。
【図13】カルテ表示画面の表示例を示す図。
【図14】カルテ表示画面の表示例を示す図。
【図15】カルテ表示画面の表示例を示す図。
【図16】カルテ表示画面の表示例を示す図。
【図17】カルテ表示画面の表示例を示す図。
【図18】カルテ表示画面の表示例を示す図。
【図19】操作バーの一例を示す図。
【図20】過去カルテ表示画面の表示対象の遷移例を示す図。
【図21】過去カルテ表示画面の表示対象の遷移例を示す図。
【図22】過去カルテ表示画面の表示対象の遷移例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明し、本発明の理解に供する。なお、以下の実施の形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
【0016】
<電子カルテシステムX>
図1に示すように、本発明の実施の形態に係る電子カルテシステムXは、サーバ装置Y及び複数のクライアント装置Zを備えている。前記サーバ装置Y及び前記クライアント装置Zは、LAN又はインターネット等の通信ネットワーク20で通信可能に接続されている。ここに、前記クライアント装置Z各々が本発明に係る電子カルテ装置に該当する。
なお、前記電子カルテシステムXは、バックアップのために複数の前記サーバ装置Yを備えるものであってもよい。また、前記電子カルテシステムXは、前記サーバ装置Y及び前記クライアント装置Zをそれぞれ1台のみ備える構成であってもよい。さらに、前記クライアント装置Zが前記サーバ装置Yの機能を兼ねたものであってもよく、この場合、前記クライアント装置Zが本願発明に係る電子カルテシステムを構成する。
【0017】
<サーバ装置Y>
図2に示すように、前記サーバ装置Yは、通信インターフェース11及び記憶装置12を備えている。前記通信インターフェース11及び前記記憶装置12はバス13によって接続されている。
【0018】
前記通信インターフェース11は、前記通信ネットワーク20を介して前記クライアント装置Zとの間でデータ通信を行う通信モデムなどを有する。また、前記通信インターフェース11は、前記クライアント装置Z等の外部装置から前記通信ネットワーク20を通じた前記サーバ装置Yへのアクセスについて例えば認証制御及び排他制御などを実行する。
【0019】
前記記憶装置12は、患者各々の診療に関する情報が記録された電子カルテを蓄積して記憶するハードディスク又はフラッシュメモリなどの不揮発性の記憶装置である。前記電子カルテシステムXでは、前記クライアント装置Zにおいて入力された電子カルテが前記サーバ装置Yの前記記憶装置12に蓄積記憶される。
具体的に、前記記憶装置12では、患者ごとに、個人情報、診療履歴情報、電子カルテがそれぞれ対応付けられた状態で記憶されている。前記個人情報は、例えば患者の氏名、性別、年齢、既往歴、家族情報などの情報を含む。前記診療履歴情報は、前記電子カルテ各々を識別するためのカルテ識別情報に相当するものであり、例えば患者が過去に診療を受けた日時、診療科、処置などの情報を含む。
また、1回(1日)の診療に関する電子カルテには、「S」、「O」、「A」、「P」、「指導」の各項目に分類された診療データが含まれる。ここに、「S」は主観情報(Subjective Information)であって、患者が主観的に感じている症状などに関する情報である。「O」は客観情報(Objective Information)であって、医師の診療所見及び検査所見などに関する情報である。「A」は評価情報(Assessment Information)であって、医師の評価及び判断などに関する情報である。「P」は計画情報(Plan Information)であって、投薬及び治療計画などに関する情報である。「指導」は指導情報であって、患者への教育及び指導などに関する情報である。なお、このような診療データの項目の分類は単なる一例に過ぎず、もちろん他の項目に分類してもよい。
【0020】
<クライアント装置Z>
一方、図2に示すように、前記クライアント装置Zは、CPU1、ROM2、RAM3、データ記憶部4、通信インターフェース5、操作入力装置6及び表示装置7などを備えたコンピュータである。前記クライアント装置Zに設けられた各構成要素はバス10によって接続されている。前記通信インターフェース5は、前記通信ネットワーク20を介して前記サーバ装置Yとの間でデータ通信を行う通信モデムなどを有する。
【0021】
前記CPU1は、各種プログラムに従って各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROM2は、前記CPU1により実行されるBIOS等のプログラムが予め記憶された不揮発性メモリである。前記RAM3は、前記CPU1による各種プログラムの展開及びデータの一時記憶に用いられる揮発性メモリ又は不揮発性メモリである。また、前記CPU1は、各種処理の履歴をログ情報として前記RAM3に記憶する。
【0022】
前記データ記憶部4は、前記CPU1によって実行される各種のアプリケーションプログラム及び各種のデータが記憶されたハードディスク等である。具体的に、前記データ記憶部4には、前記CPU1に後述のカルテ表示処理(図10参照)及びカルテ選択処理(図11参照)などの各処理手順を実行させる電子カルテプログラムが記憶されている。例えば、前記電子カルテプログラムはC言語(Microsoft社のC/C++及びVisual C/C++(登録商標)など)で記述されたものである。この電子カルテプログラムも本発明に該当する。また、前記電子カルテプログラムは、例えばCD、DVD、BD、フラッシュメモリなどの記録媒体からインストールされるものである。ここに、前記電子カルテプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能なCD、DVD、BD、フラッシュメモリなどの記録媒体も本発明に該当する。なお、前記電子カルテプログラムがインストールされた前記データ記憶部4も本発明に係る記録媒体に該当する。ところで、本発明は、前記クライアント端末Zの各機能を実現するために該クライアント端末Zで各処理工程を実行する電子カルテ表示方法の発明として捉えることもできる。
なお、前記データ記憶部4には、例えば医薬品マスター、病名マスター、医療行為マスター等の各種データベースも記憶されている。前記医薬品マスターは、医薬品名、医薬品コード、薬効などの情報である。前記病名マスターは、症状に関する情報である。前記医療行為マスターは、各医薬品の服用方法や身体のどの部位の症状であるか等に関する情報である。これらの各種データベースは、例えば医師が診療を行う際に前記操作入力装置6の操作に応じて前記CPU1によって読み出され、前記表示装置7に表示される。
【0023】
前記操作入力装置6は、医師などの操作者が前記クライアント装置Zへの各種情報の入力に使用するユーザインターフェースである。例えば、前記操作入力装置6は各種情報を入力するキーボード及びマウス(ポインティングデバイス)である。以下、前記表示装置7の表示画面上における「選択」及び「操作」とは、前記操作入力装置6のマウス又はキーボードを用いた操作入力によって行われることをいう。なお、前記操作入力装置6は、指又はタッチペンによる各種情報の入力を受け付けるべく前記表示装置7に配置されたタッチパネルを含むものであってもよい。また、前記操作入力装置6は、音声認識により各種情報の入力を受け付ける音声操作入力装置を含むものであってもよい。
【0024】
前記表示装置7は、各種情報を表示する表示画面を有する表示装置である。前記表示装置7は、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイなどである。例えば、図3は、前記CPU1が前記表示装置7に表示させる受信リスト画面31の一例を示している。前記受信リスト画面31は、電子カルテを記録する診療対象の患者を選択するための患者リスト32が配置された操作画面である。前記受診リスト画面31は、前記電子カルテシステムXに接続された不図示の受付端末等で入力され、前記サーバ装置Yの前記記憶装置12に記憶された患者リストに基づいて前記CPU1によって生成される。
そして、前記患者リスト32に表示された患者のうち、例えば患者33が選択され、前記受信リスト画面31に表示されたカルテ表示キー34が操作されると、前記CPU1は、その患者33に関する電子カルテを前記サーバ装置Yから読み出して前記表示装置7の表示画面に表示させる。ここに、前記電子カルテを読み出すときの前記CPU1が読出手段に相当する。
このとき、前記CPU1は、前記電子カルテを含む各種の情報を配置したカルテ表示画面の描画データを生成し、該描画データを前記表示装置7に出力する。これにより、前記表示装置7は、前記CPU1から入力された前記描画データに基づいて、前記電子カルテの診療データ等が表示画面上の既定の位置に配置されたカルテ表示画面を表示する。
【0025】
<カルテ表示画面>
ここで、前記表示装置7に表示されるカルテ表示画面について説明する。ここに、図4〜図6は、前記CPU1によって表示されるカルテ表示画面の配置構成の一例を模式的に示した図である。
図4〜図6に示すように、前記CPU1は、前記表示装置7の表示画面を四つに分割し、過去カルテ表示画面41、現在カルテ表示画面42、患者表示画面43及び入力画面44を同一画面上に配置する。具体的に、前記CPU1は、前記カルテ表示画面40の上段を左右(幅方向)に均等に分割し、前記過去カルテ表示画面41及び前記現在カルテ表示画面42を左右方向に並べて表示させる。また、前記CPU1は、前記カルテ表示画面40の下段を左右(幅方向)に均等に分割し、前記患者表示画面43及び前記入力画面44を左右方向に並べて表示させる。なお、前記患者表示画面43及び前記入力画面44は、前記過去カルテ表示画面41及び前記現在カルテ表示画面42に比べて高さ方向の幅が小さい。このような前記カルテ表示画面40の配置構成は、C言語で記述された前記電子カルテプログラムの作成時に、配置ダイヤグラムにアイテムを配置することによって定められる。なお、前記配置構成がCSS(Cascading Style Sheets)で定義されることも他の実施形態として考えられる。
【0026】
前記過去カルテ表示画面41は、前記CPU1により前記サーバ装置Yの記憶装置12から読み出された過去の電子カルテの診療データが配置される画面である。ここに、前記過去カルテ表示画面41を含む前記カルテ表示画面40を前記表示装置7に表示させるための処理(第1の表示制御工程)を実行するときの前記CPU1が第1の表示制御手段に相当する。
また、前記現在カルテ表示画面42は、現在の入力対象の電子カルテが配置される画面である。なお、図7〜図9に示すように、前記過去カルテ表示画面41及び前記現在カルテ表示画面42各々の内部は更に左右に分割されており、左側に「S」、「O」、「A」、「P」「指導」の項目がこの順で表示され、右側に「P」の項目について保険診療点数などの計算に必要な情報(診療内容及び投薬量など)が表示される。この点は、従来のカルテ2号紙と同様である。
前記患者表示画面43には、前記受診リスト画面31で選択された患者の個人情報及び診療履歴情報などが表示される。また、前記入力画面44には、前記現在カルテ表示画面42に表示された電子カルテに各種の診療データを記録するために用いられるキーパッド等が表示される。前記キーパッドは、前記操作入力装置6のマウス、キーボードのテンキー、タッチパネルなどを用いて操作者により操作される。
【0027】
また、前記CPU1は、図4〜図6に示すように、前記過去カルテ表示画面41に表示させる電子カルテの数によって該過去カルテ表示画面41の配置構成を切り替える。
具体的に、一つの電子カルテを表示させる場合、前記CPU1は、図4に示すように、前記過去カルテ表示画面41を分割せず、該過去カルテ表示画面41を一画面として一つの電子カルテの診療データを表示させる(図7参照)。
これに対し、二つの電子カルテを表示する場合、前記CPU1は、図5に示すように、前記過去カルテ表示画面41を上下方向(高さ方向)に均等に二分割し、その分割された表示領域41A、41Bに異なる二日分の電子カルテの診療データを表示させる(図8参照)。具体的に、前記CPU1は、前記過去カルテ表示画面41の高さの1/2の前記表示領域41A、41Bを該過去カルテ表示画面41に上から順に挿入することにより、該過去カルテ表示画面41を二分割して利用する。
さらに、三つの電子カルテを表示する場合、前記CPU1は、図6に示すように、前記過去カルテ表示画面41を上下方向(高さ方向)に均等に三分割し、その分割された表示領域41C、41D、41Eに異なる三日分の電子カルテの診療データを表示させる(図9参照)。具体的に、前記CPU1は、前記過去カルテ表示画面41の高さの1/3の前記表示領域41C〜41Eを該過去カルテ表示画面41に上から順に挿入することにより、該過去カルテ表示画面41を三分割して利用する。
なお、本実施の形態では、前記CPU1が、前記過去カルテ表示画面41を一画面、二分割画面、三分割画面の3種類の表示状態に選択的に切り替え可能である構成を例に挙げて説明する。一方、より多くの種類の表示状態を切り替えることも他の実施例として考えられる。また、前記CPU1が、前記過去カルテ表示画面41を一画面と二分割画面との2種類に切り替えが可能であることも他の実施例として考えられる。もちろん、前記CPU1が、前記過去カルテ表示画面41を一画面と三分割画面との2種類に切り替えが可能であることも他の実施例として考えられる。
さらに、前記過去カルテ表示画面41の分割方向は上下方向に限らない。具体的には、前記CPU1が、前記過去カルテ表示画面41を左右方向に二分割又は三分割させる構成が他の実施例として考えられる。また、前記カルテ表示画面40における前記過去カルテ表示画面41及び前記現在カルテ表示画面42の配置も左右方向に限らない。即ち、前記CPU1が、前記過去カルテ表示画面41及び前記現在カルテ表示画面42を上下方向に並べて表示させることも他の実施例として考えられる。
【0028】
ここで、図8及び図9に示すように、前記表示領域41A〜41E各々のサイズは上下方向に狭いため、電子カルテの診療データの全てを同時に表示することができない可能性がある。
そこで、前記CPU1は、前記表示領域41A〜41E各々に、該表示領域41A〜41E内の表示をそれぞれ個別にスクロールさせるためのスクロールバー411A〜411Eを表示させる(図8、図9)。なお、前記過去カルテ表示画面41が分割されていない場合(図7参照)でも、電子カルテの診療データの全項目が表示されない場合には、該過去カルテ表示画面41にスクロールバーが表示される。
そして、前記CPU1は、前記操作入力装置6の操作に応じて前記スクロールバー411A〜411Eを上下方向に移動させると共に、前記表示領域41A〜41E内の前記診療データを上下方向にスクロール表示させる。例えば、前記CPU1は、前記表示領域41C〜41Eのうち表示領域41Cの前記スクロールバー411Cが操作された場合、該表示領域41Cに表示された前記診療データのみをスクロールさせる。このとき、他の前記表示領域41D、41E各々の診療データの表示はスクロールしない。
なお、前記スクロールバー411A〜411E各々は、前記過去カルテ表示画面41における前記表示領域41A〜41Eの分割方向(上下方向)に、該表示領域41A〜41E各々の表示をスクロールさせるものである。従って、仮に前記表示領域41A〜41Eが左右方向に分割されたものである場合は、前記スクロールバー411A〜411Eは、その分割方向である左右方向に表示をスクロールさせるために用いられるものとなる。
【0029】
また、図7に示すように、前記CPU1は、前記過去カルテ表示画面41の下端部に、複数の分割設定タブ51〜53(分割設定部に相当)及び複数の項目設定タブ61〜65(項目設定部に相当)を表示させる。なお、本実施の形態において前記表示装置7に表示され、前記操作入力装置6によって選択又は操作される「タブ」と称される部分は、一般に「キー」又は「ボタン」等とも称される。
前記分割設定タブ51〜53は、前記過去カルテ表示画面41に表示する電子カルテの数、即ち前記過去カルテ表示画面41の分割数を設定するためのタブである。前記分割設定タブ51は1日分、前記分割設定タブ52は2日分、前記分割設定タブ53は3日分に対応する。ここに、前記分割設定タブ51〜53を前記表示装置7に表示させるときの前記CPU1が第5の表示制御手段に相当する。なお、本実施の形態では、日単位で電子カルテの数を特定しているが診療単位で電子カルテの数を特定してもよい。そして、後述するように、前記CPU1は、前記分割設定タブ51〜53のうち前記操作入力装置6により選択された分割設定タブに対応する分割数で分割された前記過去カルテ表示画面41を前記表示装置7に表示させる。
前記項目設定タブ61〜65は、前記過去カルテ表示画面41に表示する電子カルテの診療データの各項目に対応する。具体的に、前記項目設定タブ61は「S」、前記項目設定タブ62は「O」、前記項目設定タブ63は「A」、前記項目設定タブ64は「P」、前記項目設定タブ65は「指導」に対応する。ここに、前記項目設定タブ61〜65を前記表示装置7に表示させるための処理(第3の表示制御工程)を実行するときの前記CPU1が第3の表示制御手段に相当する。そして、後述するように、前記CPU1は、前記項目設定タブ61〜65のうち前記操作入力装置6により選択された項目設定タブに対応する項目が先頭になるように前記過去カルテ表示画面41における診療データの表示対象箇所を変更する。
また、前記CPU1は、前記カルテ表示画面40の前記患者表示画面43に、該患者表示画面43に表示された患者の診療履歴情報を表示させるための診療履歴タブ431が表示されている。そして、後述するように、前記CPU1は、前記診療履歴タブ431が操作されると、前記患者表示画面43に患者の診療履歴情報を表示させる。
【0030】
<電子カルテシステムXの動作>
以下、図10及び図11のフローチャートを参照しつつ、前記CPU1が前記電子カルテプログラムに従って実行するカルテ表示処理(図10)及びカルテ選択処理(図11)の手順の一例について説明する。なお、図示するS1、S2、…は前記CPU1が実行する処理手順(ステップ)番号を示す。また、当該カルテ表示処理及び当該カルテ選択処理は前記CPU1によって並列に実行される。
ところで、本実施の形態で説明する前記カルテ表示処理及び前記カルテ選択処理は、前記CPU1が前記電子カルテプログラムに従って実行する処理の一部である。例えば前記CPU1は、前記電子カルテプログラムに従って前記電子カルテの登録及び変更などの処理も実行するが、ここではその説明を省略する。
【0031】
<カルテ表示処理>
(ステップS1)
図10に示すように、まず、ステップS1において、前記CPU1は、前記過去カルテ表示画面41に表示させる電子カルテの表示日数が1日に設定されているか否かを判断する。このとき、前記CPU1は、前記表示日数タブ51〜53のうち前記表示日数タブ51が選択されているか否かを判断する。
具体的に、前記CPU1は、表示日数の値を示す表示日数フラグを前記RAM3の記憶領域に確保している。そして、前記CPU1は、前記操作入力装置6による前記表示日数タブ51〜53の操作に応じて前記表示日数フラグの値を更新する(1:1日、2:2日、3:3日)。この場合、前記CPU1は、前記RAM3の表示日数フラグを参照することにより前記表示日数タブ51〜53のいずれが選択されているかを判断することができる。なお、前記表示日数フラグの初期値は「1」である。その他、前記CPU1が前記表示日数タブ51〜53の操作ログを前記RAM3に記憶させる構成では、該CPU1はその操作ログを参照することで前記表示日数タブ51〜53のいずれが選択されているかを判断することができる。
ここで、表示日数が1日に設定されていると判断された場合(S1のYes側)、処理はステップS11に移行する。一方、表示日数が1日でないと判断された場合(S1のNo側)、処理はステップS2に移行する。
【0032】
(ステップS2)
ステップS2において、前記CPU1は、前記過去カルテ表示画面41に表示させる電子カルテの表示日数が2日に設定されているか否かを判断する。具体的に、前記CPU1は、前記ステップS1と同様の手法で、前記表示日数タブ51〜53のうち前記表示日数タブ52が選択されているか否かを判断する。
ここで、表示日数が2日に設定されていると判断された場合(S2のYes側)、処理はステップS12に移行する。一方、表示日数が2日でないと判断された場合(S2のNo側)、即ち表示日数が3日に設定されている場合、処理はステップS13に移行する。
【0033】
(ステップS11)
ステップS11において、前記CPU1は、1日分の電子カルテを前記表示装置7の前記過去カルテ表示画面41に表示させる。具体的に、前記CPU1は、前記サーバ装置Yの記憶装置12から、予め設定された1日分の電子カルテを読み出す。なお、初期設定では、ここで読み出される電子カルテは最新の1日分の電子カルテである。ここに、前記電子カルテを読み出すための処理(読出工程)を実行するときの前記CPU1が読出手段に相当する。
そして、前記CPU1は、前記1日分の電子カルテを含む各種情報を配置した前記カルテ表示画面40を前記表示装置7に表示させる(図7参照)。
但し、後述のカルテ選択処理(図11参照)において他の電子カルテが選択された場合は、その選択された電子カルテが読み出されて表示される。また、表示対象となる1日分の電子カルテが既に表示されている場合には再度の読み出しは行われず、その表示状態が維持される。
【0034】
(ステップS12)
一方、ステップS12において、前記CPU1は、前記複数の分割設定タブ51〜53のうち前記操作入力装置6によって選択された分割設定タブ52に対応する分割数「2」で前記過去カルテ表示画面41を上下方向に分割し、2日分の電子カルテを表示させる。
具体的に、前記CPU1は、前記サーバ装置Yの記憶装置12から、予め設定された2日分の電子カルテを読み出す。なお、初期設定では、ここで読み出される電子カルテは最新の2日分の電子カルテである。ここに、前記電子カルテを読み出すときの前記CPU1が読出手段に相当する。そして、前記CPU1は、前記2日分の電子カルテを含む各種情報を配置した前記カルテ表示画面40を前記表示装置7に表示させる。即ち、前記CPU1は、前記過去カルテ表示画面41を上下二つの表示領域41A、41Bに分割し、前記表示領域41A、41B各々に異なる前記電子カルテの診療データを表示させる(図8参照)。ここに、係る処理(第2の表示制御工程)を実行するときの前記CPU1が第2の表示制御手段に相当する。このとき、前記表示領域41A、41B各々において、前記電子カルテの診療データは、先頭から「S」、「O」、「A」、「P」、「指導」の順で表示される。
但し、後述のカルテ選択処理(図11参照)において他の電子カルテが選択された場合は、その選択された電子カルテが読み出されて表示される。また、表示対象となる2日分の電子カルテが既に表示されている場合には再度の読み出しは行われず、その表示状態が維持される。
【0035】
(ステップS13)
また、ステップS13において、前記CPU1は、前記複数の分割設定タブ51〜53のうち前記操作入力装置6によって選択された分割設定タブ53に対応する分割数「3」で前記過去カルテ表示画面41を上下方向に分割し、3日分の電子カルテを表示させる。具体的に、前記CPU1は、前記サーバ装置Yの記憶装置12から、予め設定された3日分の電子カルテを読み出す。なお、初期設定では、ここで読み出される電子カルテは最新の3日分の電子カルテである。ここに、前記電子カルテを読み出すときの前記CPU1が読出手段に相当する。そして、前記CPU1は、前記3日分の電子カルテを含む各種情報を配置した前記カルテ表示画面40を前記表示装置7に表示させる。即ち、前記CPU1は、前記過去カルテ表示画面41を上下三つの表示領域41C〜41Eに分割し、前記表示領域41C〜41E各々に異なる前記電子カルテの診療データを表示させる(図9参照)。ここに、係る処理(第2の表示制御工程)を実行するときの前記CPU1が第2の表示制御手段に相当する。このとき、前記表示領域41C〜41E各々において、前記電子カルテの診療データは、先頭から「S」、「O」、「A」、「P」、「指導」の順で表示される。
但し、後述のカルテ選択処理(図11参照)において他の電子カルテが選択された場合は、その選択された電子カルテが読み出されて表示される。また、表示対象となる3日分の電子カルテが既に表示されている場合には再度の読み出しは行われず、その表示状態が維持される。
【0036】
(ステップS3)
次に、ステップS3において、前記CPU1は、前記項目設定タブ61〜65のいずれが選択されているかを特定する。
具体的に、前記CPU1は、前記RAM3の記憶領域に項目設定フラグを確保している。そして、前記CPU1は、前記操作入力装置6による前記項目設定タブ61〜65の操作に応じて前記項目設定フラグの値を更新する(1:「S」、2:「O」、3:「A」、4:「P」、5:「指導」)。これにより、前記CPU1は、前記RAM3の項目設定フラグを参照することにより前記項目設定タブ61〜65のいずれが選択されているかを判断することができる。なお、前記項目設定フラグの初期値は「1」である。その他、前記CPU1が前記項目設定タブ61〜65の操作ログを前記RAM3に記憶させる構成では、該CPU1はその操作ログを参照することで前記項目設定タブ61〜65のいずれが選択されているかを判断することができる。
【0037】
(ステップS4)
そして、ステップS4において、前記CPU1は、前記過去カルテ表示画面41に表示される全ての電子カルテの診療データを、前記項目設定タブ61〜65のうち選択された項目設定タブに対応する項目を先頭にして表示させる。ここに、係る処理(第4の表示制御工程)を実行するときの前記CPU1が第4の表示制御手段に相当する。
具体的に、前記CPU1は、前記電子カルテの診療データを前記過去カルテ表示画面41に配置して表示させるときに、該診療データの各項目のヘッダー部(項目名が表示される箇所)に対応する位置情報を前記RAM3に記憶する。これにより、前記CPU1は、前記ステップS4において、前記RAM3に記憶されている位置情報を読み出し、前記項目設定タブ61〜65うち選択された項目設定タブに対応する項目が先頭に表示されるように、前記過去カルテ表示画面41における電子カルテの診療データの表示対象箇所を調整することが可能となる。
【0038】
例えば、図12に示す前記過去カルテ表示画面41では、前記表示領域41C〜41E各々に「S」、「O」、「A」、「P」、「指導」の順で診療データが表示されている。このとき、「O」の項目に対応する前記項目設定タブ62が選択された場合を考える。なお、図12に示す前記表示領域41Cにおいて、電子カルテの「O」の項目が先頭に表示されているのは、当該電子カルテに「S」の項目が記録されていないためである。
この場合、前記CPU1は、前記過去カルテ表示画面41の前記表示領域41C〜41Eの全てについて、前記スクロールバー411C〜411E各々の位置を個別に制御し、図13に示すように、前記表示領域41C〜41E各々において「O」の項目が先頭位置となるように診療データを表示させる。具体的に図13を参照すれば、前記スクロールバー411D、411Eが下方に移動していることがわかる。これにより、医師は、前記項目設定タブ61〜65を選択するという簡単な操作で、前記表示領域41C〜41E各々に表示された全ての電子カルテについて、「O」の項目の診療データを一画面上で参照することができる。
ところで、「S」、「O」、「A」、「P」、「指導」のいずれかの項目が記録されていない電子カルテが表示されているときに、その記録のない項目に対応する前記項目設定タブ61〜65のいずれかが選択された場合、前記CPU1は、その項目に対応する記録がない旨を前記カルテ表示画面40にポップアップ表示させることが望ましい。例えば、複数の電子カルテが表示されている場合には、その項目の記録がない電子カルテの表示領域上で前記ポップアップ表示を行えばよい。なお、この表示手法は、ポップアップ表示に限らず、ステータスバーへの表示や警告音表示も他の実施例として考えられる。
なお、本実施の形態では、前記ステップS4において、前記項目設定タブ61〜65のうち選択された項目設定タブに対応する項目が先頭位置となるように診療データを表示させる場合について説明した。一方、前記CPU1は、前記ステップS4において、前記表示領域41C〜41E各々に表示される全ての前記電子カルテの診療データについて、前記項目設定部61〜65のうち選択された項目設定部に対応する項目を少なくとも表示させるものであればよい。即ち、選択された項目の表示位置は、前記表示領域41C〜41E各々における先頭に限らず、該表示領域41C〜41E各々において先頭位置より下方の位置、例えば中央に表示されることも考えられる。
また、前記CPU1が、上下方向及び左右方向に対応する二つのスクロールバーを表示させ、該スクロールバー各々の操作に従って表示を上下左右にスクロールさせる構成では、前記CPU1は、前記ステップS4において、選択された項目が少なくとも表示されるように、前記スクロールバー各々の位置を調整して前記表示領域41A〜41E各々の診療データの表示位置を上下左右に移動させる。
【0039】
<カルテ選択処理>
続いて、図11を参照しつつ前記カルテ選択処理の手順の一例について説明する。ここに、図示するS21、S22、…は前記CPU1が実行する処理手順(ステップ)番号を示す。
当該カルテ選択処理は、前記カルテ表示処理の前記ステップS11〜S13において前記過去カルテ表示画面41内に表示される電子カルテを選択するために実行される処理である。
【0040】
(ステップS21)
図11に示すように、ステップS21において、前記CPU1は、前記患者表示画面43に表示された前記診療履歴タブ431(図7参照)が選択されているか否かを判断する。
具体的に、前記CPU1は、前記RAM3の記憶領域に診療履歴フラグを確保している。そして、前記CPU1は、前記操作入力装置6により前記診療履歴タブ431が選択されると、該診療履歴タブ431に対応して前記RAM3に確保された診療履歴フラグをONする。一方、前記診療履歴タブ431と並んで表示された他のタブが選択された場合、前記CPU1は前記診療履歴フラグをOFFにする。従って、当該ステップS21において、前記CPU1は、前記RAM3の前記診療履歴フラグを参照することにより、前記診療履歴タブ431の選択の有無を判断することができる。
ここで、前記診療履歴タブ431が選択されていると判断された場合(S21のYes側)、処理はステップS22に移行する。なお、前記診療履歴タブ431が選択されるまでの間(S21のNo側)、処理は当該ステップS21で待機される。
【0041】
(ステップS22)
ステップS22において、前記CPU1は、現在表示対象である患者の過去の診療履歴情報のリストを前記サーバ装置Yの記憶装置12から読み出し、該診療履歴情報のリストを配置したリスト表示画面43Aを前記患者表示画面43に表示させる(図14参照)。即ち、前記CPU1は、前記リスト表示画面43Aを前記過去カルテ表示画面41及び前記現在カルテ表示画面42と共に前記表示装置7の同一画面上に表示させる。
図14に示す前記リスト表示画面43Aでは、診療の受付日が新しい順に診療履歴情報が表示されている。なお、前記CPU1は、前記リスト表示画面43Aの受付日タブ43Bの操作に応じて前記診療履歴情報のリストの表示順を受付日の昇順又は降順に切り替えて表示させる。
また、前記CPU1は、前記リスト表示画面43Aにおいて、前記診療履歴情報のリストを絞り込む絞込条件を設定するための絞込タブ43C(絞込部に相当)を表示させる。前記絞込タブ43Cは、投薬、注射、処置などの各項目により前記リスト表示画面43Aに表示された複数の前記診療履歴情報を絞り込むための複数の絞込キーを含む。ここに、前記絞込タブ43Cを表示させるときの前記CPU1が第6の表示制御手段に相当する。
【0042】
(ステップS23)
続いて、ステップS23において、前記CPU1は、前記絞込タブ43Cの操作により絞込条件が設定されたか否かを判断する。例えば、図15に示すように、前記絞込タブ43Cの投薬の項目の絞込キーが操作された場合、前記CPU1は、その投薬の項目についての絞込条件を設定するためのプルダウンメニューを表示させる。そして、前記CPU1は、前記プルダウンメニューで表示された絞込条件が選択されると、その絞込条件が有効となるように設定する。
ここで、絞込条件が設定されたと判断されると(S23のYes側)、処理はステップS24に移行する。一方、絞込条件が設定されていないと判断されると(S23のNo側)、処理はステップS25に移行する。
【0043】
(ステップS24)
ステップS24において、前記CPU1は、前記診療履歴情報のリストのうち前記操作入力装置6によって操作された前記絞込タブ43Cの絞込キーに対応する絞込条件に合致する診療履歴情報のみを抽出して前記リスト表示画面43Aに表示させる。ここに、図16は、図15において前記絞込タブ43Cの投薬の項目の絞込キーが操作され、投薬有り(●)が絞込条件として設定された場合の表示例を示している。
【0044】
(ステップS25)
次に、ステップS25において、前記CPU1は、前記カルテ表示処理(図10参照)の前記ステップS1と同様に、前記過去カルテ表示画面41に表示される電子カルテの日数が1日であるか否かを判断する。
ここで、表示日数が1日であると判断された場合(S25のYes側)、処理はステップS26に移行する。一方、表示日数が1日でないと判断された場合(S25のNo側)、処理はステップS31に移行する。
【0045】
(ステップS26)
ステップS26において、前記CPU1は、前記リスト表示画面43Aにおいて選択された診療履歴情報が変更されたか否かを判断する。即ち、前記CPU1は、現在前記過去カルテ表示画面41に表示中の電子カルテとは異なる電子カルテに対応する診療履歴情報が選択されたか否かを判断する。
ここで、前記診療履歴情報の選択が変更されたと判断された場合(S26のYes側)、処理はステップS27に移行する。一方、前記診療履歴情報の選択が変更されていないと判断された場合(S26のNo側)、処理は前記ステップS21に戻される。
【0046】
(ステップS27)
ステップS27において、前記CPU1は、前記診療履歴情報の選択変更後の診療履歴情報に対応する電子カルテを前記カルテ表示処理(図10参照)の前記ステップS11における表示対象として設定する。
これにより、前記CPU1は、前記ステップ11において、前記ステップS27で設定された1日分の電子カルテを前記サーバ装置Yの記憶装置12から読み出して前記過去カルテ表示画面41に表示させる。
【0047】
(ステップS31)
一方、前記過去カルテ表示画面41に表示される電子カルテの日数が2日又は3日である場合(S25のNo側)、前記CPU1は、ステップS31において、前記操作入力装置6のキーボードに設けられた任意選択キーが操作されているか否かを判断する。前記任意選択キーは、前記診療履歴情報のリストの中から任意の診療履歴情報を選択するキーとして予め定められたものであって、例えば前記キーボードの「Ctrl」キーがそれに該当する。
ここで、前記任意選択キーが操作されていると判断されると(S31のYes側)、処理はステップS32に移行する。一方、前記任意選択キーが操作されていないと判断されると(S31のNo側)、処理はステップS34に移行する。
【0048】
(ステップS32)
ステップS32において、前記CPU1は、前記リスト表示画面43Cに表示された診療履歴情報が選択されたか否かを判断する。
ここで、前記診療履歴情報が選択されたと判断されると(S32のYes側)、処理はステップS33に移行し、前記診療履歴情報が選択されなければ(S33のNo側)、処理は前記ステップS21に戻される。
【0049】
(ステップS33)
ステップS33において、前記CPU1は、前記ステップS32で任意に選択されたと判断された前記診療履歴情報に対応する電子カルテを前記過去カルテ表示画面41に表示させる。具体的に、前記CPU1は、前記ステップS32で任意に選択された前記診療履歴情報に対応する電子カルテを前記サーバ装置Yの記憶装置12から読み出して前記過去カルテ表示画面41に表示させる。このとき、前記CPU1は、前記操作入力装置6による選択順で前記電子カルテ各々を前記過去カルテ表示画面41の先頭の表示領域から表示させる。
例えば、前記表示日数が3日である場合には、一つ目に選択された診療履歴情報に対応する電子カルテが前記過去カルテ表示画面41Cに表示される。そして、二つ目に選択された診療履歴情報に対応する電子カルテは前記過去カルテ表示画面41Dに表示される。その後、三つ目に選択された診療履歴情報に対応する電子カルテは前記過去カルテ表示画面41Eに表示される(図17参照)。なお、図17では、前記リスト表示画面43Aに表示された診療履歴情報のうち上から8番目、5番目、2番目の診療履歴情報433、432、431が順に選択されている。そして、図17では、前記表示領域41C、41D、41Eに、前記診療履歴情報433、432、431に対応する電子カルテがそれぞれ表示されている。
また、前記表示日数が2日である場合にも同じく、一つ目に選択された診療履歴情報に対応する電子カルテが前記過去カルテ表示画面41Aに表示される。そして、二つ目に選択された診療履歴情報に対応する電子カルテは前記過去カルテ表示画面41Bに表示される。
このとき、前記表示日数が2日である場合、前記CPU1は、二つの診療履歴情報が選択されるまでの間、前記過去カルテ表示画面41の前記表示領域41Bに空白を表示させる。同じく、前記表示日数が3日である場合、前記CPU1は、二つ目の診療履歴情報が選択されるまでの間は、前記過去カルテ表示画面41の前記表示領域41D、41Eに空白を表示させ、三つ目の診療履歴情報が選択されるまでの間は、前記過去カルテ表示画面41の前記表示領域41Eに空白を表示させる。
【0050】
このように、前記CPU1は、前記リスト表示画面43Aに表示された複数の診療履歴情報のうち前記操作入力装置6により複数の診療履歴情報が任意選択された場合、該任意選択された複数の診療履歴情報に対応する2日分又は3日分の電子カルテを前記過去カルテ表示画面41に表示させる。従って、医師などの操作者は、前記操作入力装置6により所望の複数の診療履歴情報を選択して前記過去カルテ表示画面41で参照することができる。
特に、図16に示したように、前記ステップS23〜S24において前記絞込タブ43Cの操作に応じてリスト表示画面43Aに表示させる診療履歴情報を絞り込んだ状態で、前記ステップS32〜S33において任意の3日分の診療履歴情報を選択表示させることが可能である。具体的に、図16では、前記ステップS24で絞り込まれた後、前記リスト表示画面43Aに表示された診療履歴情報のうち上から4番目、2番目、1番目の診療履歴情報436、435、434が順に選択されている。そして、図16では、前記表示領域41C、41D、41Eに、前記診療履歴情報436、435、434に対応する電子カルテがそれぞれ表示されている。
これにより、診療履歴情報が多量に蓄積された状態であっても、操作者は簡単な操作によって所望の電子カルテを任意に選んで前記過去カルテ表示画面41に表示させることができる。
【0051】
(ステップS34)
一方、前記ステップS34において、前記CPU1は、前記リスト表示画面43Aにおいて選択された診療履歴情報が変更されたか否かを判断する。具体的に、前記CPU1は、現在前記過去カルテ表示画面41の先頭に表示された電子カルテとは異なる電子カルテに対応する診療履歴情報が選択されたか否かを判断する。
ここで、前記診療履歴情報の選択が変更されたと判断された場合(S34のYes側)、処理はステップS35に移行する。一方、前記診療履歴情報の選択が変更されていないと判断された場合(S34のNo側)、処理は前記ステップS21に戻される。
【0052】
(ステップS35)
ステップS35において、前記CPU1は、前記診療履歴情報の選択変更後の診療履歴情報を基準としてそれ以前に連続表示された2日分又は3日分に対応する電子カルテを前記リスト表示画面43Aから選択して表示対象として設定する。
具体的に、前記過去カルテ表示画面41に表示される電子カルテの日数が3日である場合、前記CPU1は、前記ステップS34で選択された診療履歴情報の診療日を含む該診療日以前の3日分の電子カルテを前記カルテ表示処理(図10参照)の前記ステップS13における表示対象として設定する。これにより、前記CPU1は、前記ステップ13において、前記ステップS35で設定された3日分の電子カルテを前記サーバ装置Yの記憶装置12から読み出して前記過去カルテ表示画面41に表示させる(図18参照)。ここで、図18では、前記ステップS34において前記リスト表示画面43Aの上から5番目の診療履歴情報437が選択され、前記ステップS35でそれ以前の3日分の診療履歴情報438に対応する電子カルテが表示対象として設定されている。また、その後、前記項目設定タブ64が操作されたことにより、前記CPU1によって、前記過去カルテ表示画面41の表示領域41C〜41E各々において「P」の項目の診療データが先頭に表示された状態を示している。
また、前記過去カルテ表示画面41に表示される電子カルテの日数が2日である場合にも同じく、前記CPU1は、前記ステップS34で選択された診療履歴情報の診療日を含む該診療日以前の2日分の電子カルテを前記カルテ表示処理(図10参照)の前記ステップS12における表示対象として設定する。これにより、前記CPU1は、前記ステップ12において、前記ステップS35で設定された2日分の電子カルテを前記サーバ装置Yの記憶装置12から読み出して前記過去カルテ表示画面41に表示させる。
このように、前記CPU1は、前記リスト表示画面43Aに表示された複数の診療履歴情報のうち前記操作入力装置6により一つの診療履歴情報が選択された場合、該選択された一つの診療履歴情報の以前又は以後に連続表示された2日分又は3日分の診療履歴情報に対応する電子カルテを前記過去カルテ表示画面41に表示させる。
なお、当該ステップS35において、前記CPU1は、前記診療履歴情報の選択変更後の診療履歴情報を基準としてそれ以後に連続表示された2日分又は3日分に対応する電子カルテを前記リスト表示画面43Aから選択して表示対象として設定してもよい。
【0053】
ところで、前記ステップS27、S33、S35各々において、前記CPU1は、前記リスト表示画面43Cにおいて選択された診療履歴情報の表示色(例えば背景や文字の配色)を他の診療履歴情報と異なる色、例えば水色に変更する。ここに、係る処理を実行するときの前記CPU1が色変更手段に対応する。これにより、操作者に選択された診療履歴情報を視覚的に認識させることができる。
また、このとき、前記CPU1が、前記診療履歴リスト画面で選択された診療履歴情報の表示色各々を異なる色とし、該診療履歴情報に対応する電子カルテが表示される過去カルテ表示画面のヘッダー部分の表示色各々に同じ色を用いることが考えられる。これにより、医師は診療履歴情報と電子カルテとの対応関係を一目で把握することが可能となる。
なお、本実施の形態では、前記表示領域41C〜41E各々において所定の項目を先頭に表示させる手法として,前記スクロールバー411A〜411Eの位置を変更して前記表示領域41A〜41E各々における表示対象箇所を変更することについて説明した。一方、例えば、前記表示領域41A〜41E各々に表示される項目の順序を並べ替えることにより前記表示領域41C〜41E各々において所定の項目を先頭に表示させることも他の実施形態として考えられる。
【0054】
<その他の機能>
以下、前記クライアント装置Zにおいて前記CPU1が前記電子カルテプログラムを実行することにより実現するその他の機能について説明する。
【0055】
<動作設定機能>
前記CPU1は、操作者による前記操作入力装置6の操作に応じて、前記受診リスト画面31において患者を選択したときに初期表示される前記過去カルテ表示画面41に、1日分〜3日分のいずれを表示させるかを予め設定する機能を有する。
また、前記CPU1は、操作者による前記操作入力装置6の操作に応じて、前記過去カルテ表示画面41に2日分又は3日分の電子カルテを表示させる際に、上から新しい電子カルテを表示させるか、下から新しい電子カルテを表示させるかを予め設定する機能を有する。
【0056】
<ドラッグ・アンド・ドロップ機能>
前記CPU1は、前記操作入力装置6のマウスのドラッグ・アンド・ドロップ(D&D)操作が行われた場合に、前記過去カルテ表示画面41の内容を前記現在カルテ表示画面42にコピーする機能を有する。
これにより、医師は、過去の診療データと同様の診療データを入力する手間を省くことができる。なお、前記過去カルテ表示画面41が分割されて複数の電子カルテが表示されている状態では、同一電子カルテ内であれば複数の項目を同時にドラッグ・アンド・ドロップ操作によりコピー可能である。
【0057】
<リンク機能>
前記CPU1は、前記電子カルテの診療データの登録時に、該診療データに含まれるシェーマ、医薬品情報、又はバインダなどの情報を表示させるためのリンク情報を貼り付ける機能を有する。そして、前記CPU1は、リンク情報が貼り付けられた電子カルテが前記過去カルテ表示画面41に表示されたとき、そのリンク情報が前記操作入力装置6のマウスで操作(クリック)された場合に、そのリンク情報に対応するシェーマ、医薬品情報、又はバインダなどの情報を表示させる機能を有する。なお、シェーマは、図によって病状を記載したものである。医薬品情報は、医薬品の名称、型番、消費期限、外観画像、効能などである。バインダは、電子カルテに関連づけて記録された文書ファイル又はイメージファイル等である。
【0058】
<サイズ変更機能>
ところで、前述したように、前記CPU1により前記過去カルテ表示画面41が複数の表示領域に分割される際、その分割は均等に行われることが考えられる。一方、前記CPU1は、例えば前記表示領域41A〜41E各々の列幅や文字サイズなどを、医師による前記操作入力装置6の操作に応じて変更する機能を有する。これにより、医師の好みに応じて前記過去カルテ表示画面41のレイアウトを設定することが可能となる。なお、前記CPU1が、幅サイズや文字サイズの変更可能時期を、1日分の電子カルテを前記過去カルテ表示画面41に表示させている場合に限定することも考えられる。
【0059】
<変更履歴蓄積機能>
また、前記CPU1は、前記電子カルテの修正などが行われたとき、その修正前後の両方の診療データを保持する機能を有する。例えば、前記修正前の電子カルテを第1版としてその作成者や作成日時と共に記憶する。一方、前記修正後の電子カルテは第2版としてその修正者や修正日時と共に記憶する。そして、前記CPU1は、前記過去カルテ表示画面41に前記電子カルテを表示する際には、最新の前記第2版の電子カルテを表示させ、該電子カルテのヘッダー部の受付日時の欄がマウスの右クリック操作により、その電子カルテの過去の版番号のデータを表示させる。
【0060】
<ページ変更機能>
ここに、図19は、前記過去カルテ表示画面41の下部に設けられた操作部410の拡大図である。
図19(A)に示すように、前記操作部410には、前記表示日数タブ51〜53及び前記項目設定タブ61〜65などが配置されている。また、前記CPU1は、前記表示装置7の前記操作部410に、前記過去カルテ表示画面41に表示される電子カルテをその直前及び直後に1つずつ切り替えるための戻りタブ71及び送りタブ72(第1の切替部に相当)を表示させる。ここに、係る表示処理を実行するときの前記CPU1が第7の表示制御手段に相当する。また、前記操作部410には、前記過去カルテ表示画面41に表示される電子カルテを前回(最新)の電子カルテにワンタッチで切り替えるための前回タブ73も表示されている。
そして、前記CPU1は、前記操作入力装置6による前記戻りタブ71又は前記送りタブ72の操作に応じて前記過去カルテ表示画面41に表示されている前記電子カルテをその直前又は直後に一つずつ切り替える。なお、前記CPU1は、最古の電子カルテが表示されているときは前記戻りタブ71の操作を無効とし、最新の電子カルテが表示されているときは前記送りタブ72の操作を無効とする。また、前記CPU1は、前記操作入力装置6による前記前回タブ73の操作に応じて前記過去カルテ表示画面41に表示される電子カルテを前回(最新)の電子カルテに切り替える。
【0061】
例えば、前記記憶装置12に4/17〜4/21までの毎日について電子カルテが存在しているものとする。
この場合、図20(A)に示すように、前記表示領域41全体に4/20の電子カルテが表示されている状態で前記戻りタブ71が操作されると、前記CPU1は、前記表示領域41全体に4/19の電子カルテを表示させる。また、前記表示領域41に4/20全体の電子カルテが表示されている状態で前記送りタブ72が操作されると、前記CPU1は、前記表示領域41全体に4/21の電子カルテを表示させる。
また、図20(B)に示すように、前記表示領域41A(上段)に4/20、前記表示領域41B(下段)に4/19の電子カルテが表示されている状態を考える。この場合、前記戻りタブ71が操作されると、前記CPU1は、前記表示領域41A(上段)に4/19、前記表示領域41B(下段)に4/18の電子カルテを表示させる。一方、前記送りタブ72が操作されると、前記CPU1は、前記表示領域41A(上段)に4/21、前記表示領域41B(下段)に4/20の電子カルテを表示させる。なお、前記CPU1は、前記表示領域41Aの2回前の電子カルテが存在しない場合は前記戻りタブ71の操作を無効とし、前記表示領域41Aの1回後の電子カルテが存在しない場合は前記送りタブ72の操作を無効とする。
さらに、図20(C)に示すように、前記表示領域41C(上段)に4/20、前記表示領域41D(中段)に4/19、前記表示領域41E(下段)に4/18の電子カルテが表示されている状態を考える。この場合、前記戻りタブ71が操作されると、前記CPU1は、前記表示領域41C(上段)に4/19、前記表示領域41D(中段)に4/18、前記表示領域41E(下段)に4/17の電子カルテを表示させる。一方、前記送りタブ72が操作されると、前記CPU1は、前記表示領域41C(上段)に4/21、前記表示領域41D(中段)に4/20、前記表示領域41E(下段)に4/19の電子カルテを表示させる。なお、前記CPU1は、前記表示領域41Cの3回前の電子カルテが存在しない場合は前記戻りタブ71の操作を無効とし、前記表示領域41Aの1回後の電子カルテが存在しない場合は前記送りタブ72の操作を無効とする。
【0062】
<タブ表示切替機能>
さらに、図19に示すように、前記操作部410の左端部には、タブ変更キー74が表示されている。
そして、前記CPU1は、前記タブ変更キー74の操作ごとに、前記操作部410に表示する操作タブの一部又は全部を変更する機能を有する。例えば、図19(B)に示す例では、前記タブ変更キー74の操作により、図19(A)に示す前記操作部410に表示されていた前記表示日数タブ51〜53及び前記項目設定タブ61〜65に代えて、全表示タブ91、オプションタブ92、検索タブ93、カラータブ94、セットタブ95の各種タブが表示される。このように、前記タブ変更キー74が操作されるごとに前記操作部410のタブの機能を異なる機能に割り当てることにより、省スペース化を図りつつ、多種の機能を実行するためのタブ表示を行うことができる。もちろん、前記タブ変更キー74の操作による表示変更は3ページ以上に亘るものであってもよい。
【0063】
また、前記表示日数タブ51と前記表示日数タブ52、53とのいずれが選択されているか、即ち前記過去カルテ表示画面41に1日分の電子カルテが表示される場合と2日分又は3日分の電子カルテが表示される場合とで、前記操作部410の操作タブの一部又は全部を変更することが考えられる。
例えば、図19(A)、(B)は1日分の電子カルテが表示される場合、図19(C)、(D)は2日分の電子カルテが表示される場合の前記操作部410の表示例を示している。図19(C)、(D)は、図19(A)、(B)と同様に前記タブ変更キー74の操作により前記CPU1によって切り替えられる。なお、3日分の電子カルテが前記過去カルテ表示画面41に表示される場合も同様である。
また、2日分又は3日分の電子カルテが表示される場合、前記CPU1は、前記操作部410の右端部に、前記過去カルテ表示画面41に表示されている電子カルテをその直前又は直後に2日分又は3日分まとめて変更する戻りタブ81及び送りタブ82(第2の切替部に相当)を表示させる。ここに、係る表示処理を実行するときの前記CPU1が第8の表示制御手段に相当する。
そして、前記CPU1は、前記操作入力装置6による前記戻りタブ81又は前記送りタブ82の操作に応じて前記過去カルテ表示画面41に表示されている前記複数の電子カルテをその直前又は直後に2日分又は3日分ずつ切り替える。
【0064】
例えば、図21(A)、(B)に示すように、前記表示領域41A(上段)に4/20、前記表示領域41B(下段)に4/19の電子カルテが表示されている状態を考える。図21(A)は、前記表示領域41Aの4/20の3回前の4/17の電子カルテが存在し、該表示領域41Aの4/20の2回後の4/22の電子カルテが存在する場合の表示変化を示している。この場合、前記戻りタブ81が操作されると、前記CPU1は、前記表示領域41A(上段)に4/18、前記表示領域41B(下段)に4/17の電子カルテを表示させる。一方、前記送りタブ82が操作されると、前記CPU1は、前記表示領域41A(上段)に4/22、前記表示領域41B(下段)に4/21の電子カルテを表示させる。
また、図21(B)は、前記表示領域41Aの4/20の2回前の4/18の電子カルテは存在するが3回前の4/17の電子カルテは存在せず、該表示領域41Aの4/20の1回後の4/21の電子カルテは存在するが2回後の4/22の電子カルテは存在しない場合の表示変化を示している。この場合、前記戻りタブ81が操作されると、前記CPU1は、前記表示領域41A(上段)に4/19、前記表示領域41B(下段)に4/18の電子カルテを表示させる。一方、前記送りタブ82が操作されると、前記CPU1は、前記表示領域41A(上段)に4/21、前記表示領域41B(下段)に4/20の電子カルテを表示させる。
なお、前記CPU1は、前記表示領域41Aの2回前の電子カルテが存在しない場合は前記戻りタブ71の操作を無効とし、前記表示領域41Aの1回後の電子カルテが存在しない場合は前記送りタブ72の操作を無効とする。
【0065】
また、図21(C)〜図21(E)に示すように、記表示領域41C(上段)に4/20、前記表示領域41D(中段)に4/19、前記表示領域41E(下段)に4/18の電子カルテが表示されている状態を考える。
まず、図21(C)は、前記表示領域41Aの4/20の5回前の4/15の電子カルテが存在し、該表示領域41Aの4/20の3回後の4/23の電子カルテが存在する場合の表示変化を示している。この場合、前記戻りタブ81が操作されると、前記CPU1は、前記表示領域41C(上段)に4/17、前記表示領域41D(中段)に4/16、前記表示領域41E(下段)に4/15の電子カルテを表示させる。一方、前記送りタブ82が操作されると、前記CPU1は、前記表示領域41C(上段)に4/23、前記表示領域41D(中段)に4/22、前記表示領域41E(下段)に4/21の電子カルテを表示させる。
次に、図21(D)は、前記表示領域41Aの4/20の4回前の4/16の電子カルテが存在するが5回前の4/15の電子カルテは存在せず、該表示領域41Aの4/20の2回後の4/22の電子カルテが存在するが3回後の4/23の電子カルテは存在しない場合の表示変化を示している。この場合、前記戻りタブ81が操作されると、前記CPU1は、前記表示領域41C(上段)に4/18、前記表示領域41D(中段)に4/17、前記表示領域41E(下段)に4/16の電子カルテを表示させる。一方、前記送りタブ82が操作されると、前記CPU1は、前記表示領域41C(上段)に4/22、前記表示領域41D(中段)に4/21、前記表示領域41E(下段)に4/20の電子カルテを表示させる。
さらに、図21(E)は、前記表示領域41Aの4/20の3回前の4/17の電子カルテが存在するが4回前の4/16の電子カルテは存在せず、該表示領域41Aの4/20の1回後の4/21の電子カルテが存在するが2回後の4/22の電子カルテは存在しない場合の表示変化を示している。この場合、前記戻りタブ81が操作されると、前記CPU1は、前記表示領域41C(上段)に4/19、前記表示領域41D(中段)に4/18、前記表示領域41E(下段)に4/17の電子カルテを表示させる。一方、前記送りタブ82が操作されると、前記CPU1は、前記表示領域41C(上段)に4/21、前記表示領域41D(中段)に4/20、前記表示領域41E(下段)に4/19の電子カルテを表示させる。
なお、前記CPU1は、前記表示領域41Aの3回前の電子カルテが存在しない場合は前記戻りタブ71の操作を無効とし、前記表示領域41Aの1回後の電子カルテが存在しない場合は前記送りタブ72の操作を無効とする。
【0066】
ところで、以下に説明するように、前記戻りタブ71及び前記送りタブ72、前記戻りタブ81及び前記送りタブ82は、前記過去カルテ表示画面41に任意選択した複数の電子カルテが表示された状態でも有効である(図22(A)〜(D)参照)。
【0067】
例えば、前記記憶装置12に7/1〜7/20までの毎日について電子カルテが存在している場合を考える。また、図22(A)、(B)の中央に示すように、前記過去カルテ表示画面41が三分割され、前記表示領域41C(上段)に7/15、前記表示領域41D(中段)に7/10、前記表示領域41E(下段)に7/5の電子カルテがそれぞれ表示されているものとする。
この場合、図22(A)に示すように、前記戻りタブ71又は前記送りタブ72が操作されると、前記CPU1は、前記過去カルテ表示画面41の最上段の前記表示領域41(C)に表示された電子カルテを基準に、表示対象をその直前又は直後に一つずつ切り替える。具体的に、前記戻りタブ71が操作された場合、前記CPU1は、前記表示領域41C、41D、41Eに、7/14、7/13、7/12の電子カルテをそれぞれ表示させる。一方、前記送りタブ72が操作されると、前記CPU1は、前記表示領域41C、41D、41Eに、7/16、7/15、7/14の電子カルテをそれぞれ表示させる。
一方、図22(B)に示すように、前記戻りタブ81又は前記送りタブ82が操作されると、前記CPU1は、前記過去カルテ表示画面41の最上段の表示領域に表示された電子カルテを基準に、表示対象をその直前又は直後に三つずつ切り替える。具体的に、前記戻りタブ81が操作された場合、前記CPU1は、前記表示領域41C、41D、41Eに、7/12、7/11、7/10の電子カルテをそれぞれ表示させる。一方、前記送りタブ82が操作されると、前記CPU1は、前記表示領域41C、41D、41Eに、7/18、7/17、7/16の電子カルテをそれぞれ表示させる。
【0068】
また、前記記憶装置12に7/1、7/4、7/5、7/10、7/15、7/20について電子カルテが存在している場合を考える。また、図22(C)、(D)の中央に示すように、前記過去カルテ表示画面41が三分割され、前記表示領域41C(上段)に7/15、前記表示領域41D(中段)に7/10、前記表示領域41E(下段)に7/5の電子カルテがそれぞれ表示されているものとする。
この場合、図22(C)に示すように、前記戻りタブ71又は前記送りタブ72が操作されると、前記CPU1は、前記過去カルテ表示画面41の最上段の前記表示領域41(C)に表示された電子カルテを基準に、表示対象をその直前又は直後に一つずつ切り替える。具体的に、前記戻りタブ71が操作された場合、前記CPU1は、前記表示領域41C、41D、41Eに、7/10、7/5、7/4の電子カルテをそれぞれ表示させる。一方、前記送りタブ72が操作されると、前記CPU1は、前記表示領域41C、41D、41Eに、7/20、7/15、7/10の電子カルテをそれぞれ表示させる。
一方、図22(D)に示すように、前記戻りタブ81又は前記送りタブ82が操作されると、前記CPU1は、前記過去カルテ表示画面41の最上段の表示領域に表示された電子カルテを基準に、表示対象をその直前又は直後に三つずつ切り替える。但し、図21(D)に示した場合と同様に、前記表示領域41Cの5回前の電子カルテが存在しない。そのため、図22(D)に示すように、前記戻りタブ81が操作された場合、前記CPU1は、前記表示領域41C、41D、41Eに、7/5、7/4、7/1の電子カルテをそれぞれ表示させる。また、図21(E)に示した場合と同様に、前記表示領域41Cの2回後の電子カルテが存在しない。そのため、図22(D)に示すように、前記送りタブ82が操作されると、前記CPU1は、前記表示領域41C、41D、41Eに、7/20、7/15、7/10の電子カルテを表示させる。
【符号の説明】
【0069】
1 :CPU
2 :ROM
3 :RAM
4 :データ記憶部
5 :通信インターフェース
6 :操作入力装置
7 :表示装置
10:バス
11:通信インターフェース
12:記憶装置
13:バス
20:通信ネットワーク
31:受信リスト画面
40:カルテ表示画面
41:過去カルテ表示画面
41A、41B:表示領域
41C、41D、41E:表示領域
411A〜411E:スクロールバー
42:現在カルテ表示画面
43:患者表示画面
43A:リスト表示画面
44:入力画面
51〜53:分割設定タブ(分割設定部)
61〜65:項目設定タブ(項目設定部)
S1、S2、…:処理手順(ステップ)番号
S21、S22、…:処理手順(ステップ)番号
X :電子カルテシステム
Y :サーバ装置
Z :クライアント装置(電子カルテ装置)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の項目に分類して記録された診療データを含む電子カルテを蓄積する記憶装置から前記電子カルテを読み出す読出手段と、
前記読出手段により読み出された前記電子カルテの診療データが配置される過去カルテ表示画面を表示装置に表示させる第1の表示制御手段と、
前記過去カルテ表示画面を予め設定された数の表示領域に分割し、前記表示領域各々に異なる前記電子カルテの診療データを表示させる第2の表示制御手段と、
前記複数の項目に対応する複数の項目設定部を前記表示装置に表示させる第3の表示制御手段と、
前記表示領域各々に表示される全ての前記電子カルテの診療データについて、前記複数の項目設定部のうち操作入力装置により選択された項目設定部に対応する項目を表示させる第4の表示制御手段と、
を備えてなることを特徴とする電子カルテ装置。
【請求項2】
前記第4の表示制御手段は、前記表示領域各々に表示される全ての前記電子カルテの診療データを、前記複数の項目設定部のうち操作入力装置により選択された項目設定部に対応する項目を先頭にして表示させるものである請求項1に記載の電子カルテ装置。
【請求項3】
前記第1の表示制御手段は、前記過去カルテ表示画面と現在の入力対象の電子カルテが配置される現在カルテ表示画面とを同一画面上で左右方向又は上下方向に並べて前記表示装置に表示させるものであり、
前記第2の表示制御手段は、前記過去カルテ表示画面を上下方向又は左右方向に分割するものである請求項1又は2のいずれかに記載の電子カルテ装置。
【請求項4】
前記第2の表示制御手段による前記過去カルテ表示画面の分割数を設定するための複数の分割設定部を前記表示装置に表示させる第5の表示制御手段を更に備え、
前記第2の表示制御手段は、前記複数の分割設定部のうち前記操作入力装置により選択された分割設定部に対応する分割数で前記過去カルテ表示画面を上下方向又は左右方向に分割するものである請求項1〜3のいずれかに記載の電子カルテ装置。
【請求項5】
前記第1の表示制御手段は、前記記憶装置に記憶された前記電子カルテ各々に対応する複数のカルテ識別情報を配置したリスト表示画面を、前記過去カルテ表示画面及び前記現在カルテ表示画面と共に前記表示装置の同一画面上に表示させるものであり、
前記第2の表示制御手段は、前記複数のカルテ識別情報のうち前記操作入力装置により選択されたカルテ識別情報に対応する前記電子カルテを前記過去カルテ表示画面に表示させるものである請求項4に記載の電子カルテ装置。
【請求項6】
前記リスト表示画面に表示された前記複数のカルテ識別情報を絞り込む絞込条件を設定するための複数の絞込部を前記表示手段に表示させる第6の表示制御手段を更に備え、
前記第1の表示制御手段は、前記複数の絞込部のうち前記操作入力装置により選択された絞込部に対応する前記絞込条件に合致する前記カルテ識別情報のみを前記リスト表示画面に表示させるものである請求項5に記載の電子カルテ装置。
【請求項7】
前記第2の表示制御手段は、前記複数のカルテ識別情報のうち前記操作入力装置により一つのカルテ識別情報が選択された場合、該選択された一つのカルテ識別情報の以前又は以後に連続表示された前記分割数の前記カルテ識別情報に対応する複数の前記電子カルテを前記過去カルテ表示画面に表示させるものである請求項5又は6のいずれかに記載の電子カルテ装置。
【請求項8】
前記第2の表示制御手段は、前記複数のカルテ識別情報のうち前記操作入力装置により複数のカルテ識別情報が任意選択された場合、該任意選択された複数のカルテ識別情報に対応する複数の前記電子カルテを前記過去カルテ表示画面に表示させるものである請求項5〜7のいずれかに記載の電子カルテ装置。
【請求項9】
前記第2の表示制御手段は、前記操作入力装置による選択順で前記電子カルテ各々を前記過去カルテ表示画面の先頭の前記表示領域から表示させるものである請求項8に記載の電子カルテ装置。
【請求項10】
前記過去カルテ表示画面に表示されている前記電子カルテに対応する前記カルテ識別情報には他の前記カルテ識別情報と異なる配色を施す色変更手段を更に備えてなる請求項5〜9のいずれかに記載の電子カルテ装置。
【請求項11】
前記過去カルテ表示画面に表示されている前記電子カルテをその直前及び直後に一つずつ切り替えるための第1の切替部を前記表示装置に表示させる第7の表示制御手段を更に備えてなり、
前記第2の表示制御手段は、前記操作入力装置による前記第1の切替部の操作に応じて前記過去カルテ表示画面に表示されている前記電子カルテをその直前又は直後に一つずつ切り替えるものである請求項1〜10のいずれかに記載の電子カルテ装置。
【請求項12】
前記過去カルテ表示画面に表示されている前記電子カルテをその直前及び直後に前記分割数ずつ切り替えるための第2の切替部を前記表示装置に表示させる第8の表示制御手段を更に備えてなり、
前記第2の表示制御手段は、前記操作入力装置による前記第2の切替部の操作に応じて前記過去カルテ表示画面に表示されている前記複数の電子カルテをその直前又は直後に前記分割数ずつ切り替えるものである請求項1〜11のいずれかに記載の電子カルテ装置。
【請求項13】
情報を表示する表示装置と、
情報を入力する操作入力装置と、
複数の項目に分類して記録された診療データを含む電子カルテを蓄積する記憶装置と、
前記記憶装置から前記電子カルテを読み出す読出手段と、
前記読出手段により読み出された前記電子カルテの診療データが配置される過去カルテ表示画面を表示装置に表示させる第1の表示制御手段と、
前記過去カルテ表示画面を予め設定された数の表示領域に分割し、前記表示領域各々に異なる前記電子カルテの診療データを表示させる第2の表示制御手段と、
前記複数の項目に対応する複数の項目設定部を前記表示装置に表示させる第3の表示制御手段と、
前記表示領域各々に表示される全ての前記電子カルテの診療データについて、前記複数の項目設定部のうち操作入力装置により選択された項目設定部に対応する項目を表示させる第4の表示制御手段と、
を備えてなることを特徴とする電子カルテシステム。
【請求項14】
コンピュータにより、
複数の項目に分類して記録された診療データを含む電子カルテを蓄積する記憶装置から前記電子カルテを読み出す読出工程と、
前記読出工程により読み出された前記電子カルテの診療データが配置される過去カルテ表示画面を表示装置に表示させる第1の表示制御工程と、
前記過去カルテ表示画面を予め設定された数の表示領域に分割し、前記表示領域各々に異なる前記電子カルテの診療データを表示させる第2の表示制御工程と、
前記複数の項目に対応する複数の項目設定部を前記表示装置に表示させる第3の表示制御工程と、
前記表示領域各々に表示される全ての前記電子カルテの診療データについて、前記複数の項目設定部のうち操作入力装置により選択された項目設定部に対応する項目を表示させる第4の表示制御工程と、
を実行することを特徴とする電子カルテ表示方法。
【請求項15】
コンピュータを請求項1〜12のいずれかに記載の電子カルテ装置の各手段として機能させるための電子カルテプログラム。
【請求項16】
請求項15に記載の電子カルテプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項1】
複数の項目に分類して記録された診療データを含む電子カルテを蓄積する記憶装置から前記電子カルテを読み出す読出手段と、
前記読出手段により読み出された前記電子カルテの診療データが配置される過去カルテ表示画面を表示装置に表示させる第1の表示制御手段と、
前記過去カルテ表示画面を予め設定された数の表示領域に分割し、前記表示領域各々に異なる前記電子カルテの診療データを表示させる第2の表示制御手段と、
前記複数の項目に対応する複数の項目設定部を前記表示装置に表示させる第3の表示制御手段と、
前記表示領域各々に表示される全ての前記電子カルテの診療データについて、前記複数の項目設定部のうち操作入力装置により選択された項目設定部に対応する項目を表示させる第4の表示制御手段と、
を備えてなることを特徴とする電子カルテ装置。
【請求項2】
前記第4の表示制御手段は、前記表示領域各々に表示される全ての前記電子カルテの診療データを、前記複数の項目設定部のうち操作入力装置により選択された項目設定部に対応する項目を先頭にして表示させるものである請求項1に記載の電子カルテ装置。
【請求項3】
前記第1の表示制御手段は、前記過去カルテ表示画面と現在の入力対象の電子カルテが配置される現在カルテ表示画面とを同一画面上で左右方向又は上下方向に並べて前記表示装置に表示させるものであり、
前記第2の表示制御手段は、前記過去カルテ表示画面を上下方向又は左右方向に分割するものである請求項1又は2のいずれかに記載の電子カルテ装置。
【請求項4】
前記第2の表示制御手段による前記過去カルテ表示画面の分割数を設定するための複数の分割設定部を前記表示装置に表示させる第5の表示制御手段を更に備え、
前記第2の表示制御手段は、前記複数の分割設定部のうち前記操作入力装置により選択された分割設定部に対応する分割数で前記過去カルテ表示画面を上下方向又は左右方向に分割するものである請求項1〜3のいずれかに記載の電子カルテ装置。
【請求項5】
前記第1の表示制御手段は、前記記憶装置に記憶された前記電子カルテ各々に対応する複数のカルテ識別情報を配置したリスト表示画面を、前記過去カルテ表示画面及び前記現在カルテ表示画面と共に前記表示装置の同一画面上に表示させるものであり、
前記第2の表示制御手段は、前記複数のカルテ識別情報のうち前記操作入力装置により選択されたカルテ識別情報に対応する前記電子カルテを前記過去カルテ表示画面に表示させるものである請求項4に記載の電子カルテ装置。
【請求項6】
前記リスト表示画面に表示された前記複数のカルテ識別情報を絞り込む絞込条件を設定するための複数の絞込部を前記表示手段に表示させる第6の表示制御手段を更に備え、
前記第1の表示制御手段は、前記複数の絞込部のうち前記操作入力装置により選択された絞込部に対応する前記絞込条件に合致する前記カルテ識別情報のみを前記リスト表示画面に表示させるものである請求項5に記載の電子カルテ装置。
【請求項7】
前記第2の表示制御手段は、前記複数のカルテ識別情報のうち前記操作入力装置により一つのカルテ識別情報が選択された場合、該選択された一つのカルテ識別情報の以前又は以後に連続表示された前記分割数の前記カルテ識別情報に対応する複数の前記電子カルテを前記過去カルテ表示画面に表示させるものである請求項5又は6のいずれかに記載の電子カルテ装置。
【請求項8】
前記第2の表示制御手段は、前記複数のカルテ識別情報のうち前記操作入力装置により複数のカルテ識別情報が任意選択された場合、該任意選択された複数のカルテ識別情報に対応する複数の前記電子カルテを前記過去カルテ表示画面に表示させるものである請求項5〜7のいずれかに記載の電子カルテ装置。
【請求項9】
前記第2の表示制御手段は、前記操作入力装置による選択順で前記電子カルテ各々を前記過去カルテ表示画面の先頭の前記表示領域から表示させるものである請求項8に記載の電子カルテ装置。
【請求項10】
前記過去カルテ表示画面に表示されている前記電子カルテに対応する前記カルテ識別情報には他の前記カルテ識別情報と異なる配色を施す色変更手段を更に備えてなる請求項5〜9のいずれかに記載の電子カルテ装置。
【請求項11】
前記過去カルテ表示画面に表示されている前記電子カルテをその直前及び直後に一つずつ切り替えるための第1の切替部を前記表示装置に表示させる第7の表示制御手段を更に備えてなり、
前記第2の表示制御手段は、前記操作入力装置による前記第1の切替部の操作に応じて前記過去カルテ表示画面に表示されている前記電子カルテをその直前又は直後に一つずつ切り替えるものである請求項1〜10のいずれかに記載の電子カルテ装置。
【請求項12】
前記過去カルテ表示画面に表示されている前記電子カルテをその直前及び直後に前記分割数ずつ切り替えるための第2の切替部を前記表示装置に表示させる第8の表示制御手段を更に備えてなり、
前記第2の表示制御手段は、前記操作入力装置による前記第2の切替部の操作に応じて前記過去カルテ表示画面に表示されている前記複数の電子カルテをその直前又は直後に前記分割数ずつ切り替えるものである請求項1〜11のいずれかに記載の電子カルテ装置。
【請求項13】
情報を表示する表示装置と、
情報を入力する操作入力装置と、
複数の項目に分類して記録された診療データを含む電子カルテを蓄積する記憶装置と、
前記記憶装置から前記電子カルテを読み出す読出手段と、
前記読出手段により読み出された前記電子カルテの診療データが配置される過去カルテ表示画面を表示装置に表示させる第1の表示制御手段と、
前記過去カルテ表示画面を予め設定された数の表示領域に分割し、前記表示領域各々に異なる前記電子カルテの診療データを表示させる第2の表示制御手段と、
前記複数の項目に対応する複数の項目設定部を前記表示装置に表示させる第3の表示制御手段と、
前記表示領域各々に表示される全ての前記電子カルテの診療データについて、前記複数の項目設定部のうち操作入力装置により選択された項目設定部に対応する項目を表示させる第4の表示制御手段と、
を備えてなることを特徴とする電子カルテシステム。
【請求項14】
コンピュータにより、
複数の項目に分類して記録された診療データを含む電子カルテを蓄積する記憶装置から前記電子カルテを読み出す読出工程と、
前記読出工程により読み出された前記電子カルテの診療データが配置される過去カルテ表示画面を表示装置に表示させる第1の表示制御工程と、
前記過去カルテ表示画面を予め設定された数の表示領域に分割し、前記表示領域各々に異なる前記電子カルテの診療データを表示させる第2の表示制御工程と、
前記複数の項目に対応する複数の項目設定部を前記表示装置に表示させる第3の表示制御工程と、
前記表示領域各々に表示される全ての前記電子カルテの診療データについて、前記複数の項目設定部のうち操作入力装置により選択された項目設定部に対応する項目を表示させる第4の表示制御工程と、
を実行することを特徴とする電子カルテ表示方法。
【請求項15】
コンピュータを請求項1〜12のいずれかに記載の電子カルテ装置の各手段として機能させるための電子カルテプログラム。
【請求項16】
請求項15に記載の電子カルテプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2013−25336(P2013−25336A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−156214(P2011−156214)
【出願日】平成23年7月15日(2011.7.15)
【出願人】(592246705)株式会社湯山製作所 (202)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月15日(2011.7.15)
【出願人】(592246705)株式会社湯山製作所 (202)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]