説明

電子ディスプレイ用フィルター及び該フィルターを用いた電子ディスプレイ装置

【課題】 電子ディスプレイの前面に設置するフィルター自体の外光による
不自然な色付きを低減する。
【解決手段】 波長400nm〜700nmの可視光領域に、少なくとも一
つの透過率の極小値を有する電子ディスプレイ用フィルターにおいて、三波長域
発光形蛍光管の青色発光ピーク、緑色発光ピーク、赤色発光ピークが存在する波
長の透過率(%)a、b、cを比較し、これらの透過率(%)の最大値と最小値
の差を10以内に規制することにより、外光が、435nm、545nm、61
0nmに大きな発光ピークが存在するF10やF6のような蛍光灯であっても、
フィルターによる蛍光灯の発光スペクトルのバランスが崩れないようにして、外
光によるフィルター自体の不自然な色付きを低減した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ等の電子ディスプ
レイの前面に設置し、不要な発光成分の除去機能を有する電子ディスプレイ用フ
ィルターに関し、特に、外光による不自然なフィルター自体の着色を低減させた
電子ディスプレイ用フィルターに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、種々の電子機器の表示パネルとして、プラズマディスプレイ、有機EL
ディスプレイ等の電子ディスプレイが使用されている。
【0003】
このような電子ディスプレイの前面には、不要な発光成分を除去して、表示色
を鮮明にするために、フィルターが設置されている。
【0004】
例えば、プラズマディスプレイでは、放電によりキセノンとネオンの混合ガス
が励起され真空紫外線を放射し、その真空紫外線励起による赤、青、緑のそれぞ
れの蛍光体の発光を利用して3原色発光を得ている。その際、ネオン原子が励起
された後、基底状態に戻る際に600nm付近を中心とするいわゆるネオンオレ
ンジ光を発光するため、プラズマディスプレイでは、赤色にオレンジ色が混ざり
鮮やかな赤色が得られない欠点がある。このため、プラズマディスプレイでは、
ネオンオレンジ光を吸収除去する機能を有するフィルター、例えば、ネオンオレ
ンジ光の波長の透過率を局所的に低下させているフィルターを、ディスプレイの
前面に設置している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、電子ディスプレイは、蛍光灯や太陽光等、様々な種類の外光が存在
する場所に設置される。したがって、外光は、電子ディスプレイの前面のフィル
ターを通過し、電子ディスプレイの表面で反射される外光成分が、再び前面のフ
ィルターを通過して人間の目に到達することになる。
【0006】
このように、外光は、電子ディスプレイの前面のフィルターを2回通過し、フ
ィルターを通過する際に、所定の光成分が吸収されるので、外光のスペクトルの
バランスが崩れ、フィルター自体が、例えば、青紫や赤紫等の不自然な色合いに
色付いて見えることがある。
【0007】
特に、外光の中でも、3波長域発光形蛍光管F10(JIS Z8719−1
996)や普通形蛍光管F6(JIS Z8719−1996)といった蛍光灯
の場合には、図3に示すように、通常、435nm、545nm、610nmに
、大きな発光ピーク(青色発光ピーク、緑色発光ピーク、赤色発光ピーク)が存
在するため、フィルターの吸収によってスペクトルのバランスが崩れ易く、フィ
ルター自体に不自然な色付きが生じ易い。
【0008】
そこで、この発明は、この外光によるフィルター自体の不自然な色付きを低減
しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、上記の課題を解決するために、電子ディスプレイ用フィルターに
おいて、下記一般式(II)で表されるスクアリリウム系化合物を含有することを
特徴とする。
【化2】

〔式(II)中、R1は、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を
有していてもよいアルコキシ基を示し、置換基Aは、水酸基、又はW−X−R2
(Wは、イミノ基、又はアルキルイミノ基を示し、Xは、カルボニル基、又は
スルホニル基を示し、R2は、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基
、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアリール
基、又は置換基を有していてもよい複素環基を示し、mは、0又は1を示し、R
6,R7は、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよ
いアリール基を示し、Zは、酸素原子を示す。)を示す。
【0010】
即ち、この発明に係るフィルターは、外光の青色発光ピーク、緑色発光ピーク
、赤色発光ピークが存在する波長における透過率(%)の差を10以内に抑制し
ているため、外光が、通常、435nm、545nm、610nmに大きな発光
ピークが存在するF10やF6のような蛍光灯であっても、発光スペクトルのバ
ランスが大きく崩れるということがなく、外光によるフィルターの不自然な色付
きが生じない。
【0011】
上記青色発光ピーク、緑色発光ピーク、赤色発光ピークが存在する波長におけ
る透過率(%)の最大値と最小値の差は、好ましくは5以内である。
【0012】
この発明では、上記のように、外光の発光スペクトルのバランスが崩れないよ
うに、外光の青色発光ピーク、緑色発光ピーク、赤色発光ピークが存在する波長
における透過率(%)の最大値と最小値の差を10以内に揃えることが重要であ
り、透過率(%)自体は特に制限されず、80%〜5%の範囲にあればよい。
【0013】
外光の青色発光ピーク、緑色発光ピーク、赤色発光ピークが存在する波長のい
ずれかの波長近傍に最大吸収を有する化合物を含有することによって、これらの
波長の透過率を揃えることができる。
【0014】
この発明に係る電子ディスプレイ用フィルターは、波長400nm〜700n
mの可視光領域に、少なくとも一つの透過率の極小値を有し、不要な発光成分を
除去している。例えば、プラズマディスプレイ用のフィルターの場合には、ネオ
ンオレンジ光を吸収除去するために、530nm〜600nmの波長域に、透過
率の極小値を設けている。
【0015】
即ち、530nm〜600nmの波長域に透過率の極小値を持つということは
、この波長域の光線をカットすることを意味している。ここで「極小値」とは、
例えば二次関数のグラフ等で定義されている場合と同様な意味、即ちグラフ上に
おいて減少から増加に変わる変曲点を意味し、最小値とは異なる。
【0016】
この発明に係る電子ディスプレイ用フィルターにおいては、上記のように、所
定の波長域に透過率の極小値を持つ層を有するが、この層以外に、紫外線吸収剤
を含有する層、近赤外線カット層、電磁波シールド層、反射防止層、ぎらつき防
止(ノングレア)層等を適宜組み合わせて設けることが望ましい。
【0017】
この発明に係るフィルターは、電子ディスプレイ装置に使用することができる

【発明の効果】
【0018】
以上説明したように、この発明の電子ディスプレイ用フィルターは、435n
m、545nm、610nmにおける透過率(%)の差を10以内に抑制してい
るため、外光が、435nm、545nm、610nmに大きな発光ピークが存
在するF10やF6のような蛍光灯であっても、発光スペクトルのバランスが大
きく崩れるということがなく、外光によるフィルターの不自然な色付きを抑制す
ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、この発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0020】
図1及び図2は、プラズマディスプレイに使用するこの発明に係るフィルター
の透過スペクトルを示す図であり、横軸に波長、縦軸に各波長の透過率(%)を
示し、併せてプラズマディスプレイの発光スペクトルを示している。
【0021】
図1に示すこの発明に係るフィルターは、波長530〜600nmに透過率の
極小値Kを一つ持っている。
【0022】
530〜600nmの波長域に透過率の極小値Kを持つということは、すなわ
ちこの波長域の光線をカットすることを意味し、この530〜600nmの波長
域は緑色発光と赤色発光との間のオレンジ発光部分(ネオン発光)であり、この
部分をカットすることによって鮮明な赤色表示を得ることができ、更に色温度を
高めることができるので、より好ましい色調の画像を得ることができる。極小透
過率が530nmよりも短波長側であると、ネオン発光をカットする効果が低く
、且つ色温度を高める効果も低いため好ましくない。また、極小透過率が600
nmよりも長波長側であると、ディスプレイの赤色の発光を阻害(赤色を吸収)
してしまうため好ましくない。
【0023】
また、530〜600nmの波長域に極小値を有する透過スペクトルはシャー
プ(急峻)なバレー型(谷型)を有するほうが、赤発光の色純度向上、及び視野
の明るさ確保のため好ましい。
【0024】
この図1の例では、上記のように、ネオン発光をカットするために、530〜
600nmの波長域に透過率の極小値Kを設けているため、この極小値Kの存在
により、610nmの透過率(%)の値cは、50%付近にある。
【0025】
この発明は、外光の赤色発光ピークが存在する波長(610nm)の透過率(
%)の値cと、青色発光ピークが存在する波長(435nm)、緑色発光ピーク
が存在する波長(545nm)の透過率(%)の値a、bを揃えることにより、
外光の透過スペクトルのバランスが崩れないようにしている。即ち、外光の青色
発光ピークが存在する波長(435nm)、緑色発光ピークが存在する波長(5
45nm)、赤色発光ピークが存在する波長(610nm)の透過率(%)の値
a、b、cの最大値と最小値の差が10以内になるように規制するもの、赤色発
光ピークが存在する波長(610nm)の透過率(%)cに対し、|c−a|≦
10(%)、|c−b|≦10(%)、|a−b|≦10(%)となるように、
a、bの値を揃えている。
【0026】
図2に示すフィルターは、ネオン発光をカットするために、530〜600n
mの波長域に透過率の極小値Kを有し、外光の赤色発光ピークが存在する波長(
610nm)の透過率(%)の値cと、青色発光ピークが存在する波長(435
nm)、緑色発光ピークが存在する波長(545nm)の透過率(%)の値a、
bを揃えるために、青色発光ピークが存在する波長(435nm)近傍と、緑色
発光ピークが存在する波長(545nm)近傍にも極小値Ka、Kbを持たせ、
極小値Ka、Kbにより、610nmの透過率(%)cに対し、|c−a|≦1
0(%)、|c−b|≦10(%)、|a−b|≦10(%)となるように、a
、bの値を50%近傍の値に揃え、電子ディスプレイ用フィルター自体が不自然
に色付かないようにしている。つまり電子ディスプレイ用フィルター自体の色は
、ナチュラルグレー或いはナチュラルブルーであることが好ましいので、電子デ
ィスプレイの青色や緑色の発光を阻害せず、かつナチュラルグレー或いはナチュ
ラルブルーの色調であるフィルターを得るため、530nm〜600nmの波長
域に加えて、外光の青色発光ピークが存在する波長(435nm)近傍と、緑色
発光ピークが存在する波長(545nm)近傍にも極小値Ka、Kbを持たせて
いる。
【0027】
本発明の電子ディスプレイ用フィルターは、外光の青色発光ピークが存在する
波長(435nm)、緑色発光ピークが存在する波長(545nm)及び赤色発
光ピークが存在する波長(610nm)のいずれかの波長近傍に最大吸収を有す
る化合物を含有することによって、これらの波長の透過率を揃えることができる

【0028】
この場合に用いられる化合物としては、特に限定されないが、435nm、5
45nm、及び610nmにおける光の吸収量を調整するにあたり、これらの波
長の近傍に最大吸収を有する化合物であればよい。
【0029】
435nmの近傍に最大吸収を有する化合物としては、下記一般式(IV)の化
合物が挙げられる。
【0030】
【化5】

【0031】
〔式(IV)中、R3は、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有し
ていてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は水
素原子を示し、R4は、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有して
いてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、
置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリー
ル基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよい
アリールオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアミノ基、又は水素原
子を示し、R5は、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していて
もよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は水素原子
を示し、Yは、酸素原子、又はイミノ基を示し、これらのR4、R5、及びYは、
両方のピラゾール環の間で互いに異なっていてもよい。〕
前記一般式(IV)における置換基R3及びR5のアルキル基としては、例えば、
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチ
ル基、オクチル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ペン
タデシル基等の炭素数1〜20の直鎖状若しくは分岐鎖状のものが、又、R3
びR5のシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル
基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等の炭素数1〜2
0のものが、又、R3及びR5のアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフ
チル基等が、それぞれ挙げられる。
【0032】
又、前記アルキル基、前記シクロアルキル基、及びアリール基の置換基として
は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシ
ル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基等の炭素数1〜10のアルキル基、メ
トキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシ
ルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基等の炭素数
1〜10のアルコキシ基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、フェノキシ
基、ナフチルオキシ基等のアリールオキシ基、スルホンアミド基、アルキルスル
ホンアミド基、ジアルキルスルホンアミド基、ニトロ基、水酸基、及び、弗素原
子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子等が挙げられる。
【0033】
前記一般式(IV)において、R3及びR5としては、前記の中で、(1)アルコ
キシ基、アリール基、アリールオキシ基、水酸基、或いはハロゲン原子を置換基
として有していてもよい直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基、(2)アルキル基
、アルコキシ基、スルホンアミド基、アルキルスルホンアミド基、ジアルキルス
ルホンアミド基、ニトロ基、水酸基、或いはハロゲン原子を置換基として有して
いてもよいアリール基、又は(3)水素原子、が好ましく、特に、R3としては
、水素原子、炭素数1〜8の直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基、又はフェニル
基が好ましく、R5としては、炭素数1〜8の直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル
基、又は、アルキル基或いはハロゲン原子を置換基として有していてもよいフェ
ニル基が好ましい。
【0034】
又、前記一般式(IV)におけるR4のアルキル基としては、前記R3及びR5
おけるアルキル基として挙げたと同様のものが、又、R4のアルコキシ基として
は、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオ
キシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキ
シ基、ウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基、トリデシルオキシ基、ペンタデ
シルオキシ基等の炭素数1〜20の直鎖状若しくは分岐鎖状のものが、又、R4
のアルコキシカルボニル基としては、前記アルコキシ基を有するカルボニル基が
、又、R4のシクロアルキル基としては、前記R3及びR5におけるシクロアルキ
ル基として挙げたと同様のものが、又、アリール基としては、前記R3及びR5
おけるアリール基として挙げたと同様のものが、又、R4のアリールオキシ基と
しては、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等が、又、R4のアリールオキシカル
ボニル基としては、前記アリールオキシ基を有するカルボニル基が、それぞれ挙
げられる。
【0035】
又、前記アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、シクロアルキ
ル基、アリール基、アリールオキシ基、アリールオキシカルボニル基、及びアミ
ノ基の置換基としては、例えば、前記R3及びR5におけるアルキル基、シクロア
ルキル基、及びアリール基の置換基として挙げたと同様のアルキル基、同じくア
ルコキシ基、同じくアリール基、同じくアリールオキシ基、同じくスルホンアミ
ド基、同じくアルキルスルホンアミド基、同じくジアルキルスルホンアミド基、
同じくニトロ基、同じくハロゲン原子、並びに、プロピオニル基、ブチリル基、
ベンゾイル基等のアシル基、メタンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基等のス
ルホニル基、水酸基、及びハロゲン原子等が挙げられる。
【0036】
前記一般式(IV)において、R4としては、前記の中で、(1)アルコキシ基
、アリール基、アリールオキシ基、水酸基、或いはハロゲン原子を置換基として
有していてもよい直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基、(2)アルコキシ基を置
換基として有していてもよい直鎖状若しくは分岐鎖状アルコキシ基、(3)アル
コキシ基を置換基として有していてもよいアルコキシ基を有するカルボニル基、
(4)アルキル基、アルコキシ基、スルホンアミド基、アルキルスルホンアミド
基、ジアルキルスルホンアミド基、ニトロ基、水酸基、或いはハロゲン原子を置
換基として有していてもよいアリール基、(5)アルキル基、或いはアルコキシ
基を置換基として有していてもよいアリール基を有するカルボニル基、又は(6
)アルキル基、アシル基、又はスルホニル基を置換基として有していてもよいア
ミノ基、が好ましく、特に、炭素数1〜8の直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基
が好ましい。
【0037】
又、前記一般式(IV)において、Yとしては酸素原子が好ましい。更に、本発
明において、前記一般式(IV)で表されるジピラゾリルメチン系化合物としては
、前記R4、R5、及びYは、両方のピラゾール環の間で互いに異なっていてもよ
いが、メチン基を挟んで左右対象であるものが好ましい。
【0038】
435nmの近傍に最大吸収を有する化合物としては、一般式(IV)の化合物
の内、Yが酸素原子、R3が水素原子で、R4及びR5が、置換基を有していても
良いアルキル基、又は置換基を有していても良いアリール基の場合が特に好まし
い。
【0039】
その好ましい具体例を以下に示す。
【0040】
【化6】

【0041】
又、545nm近傍に最大吸収を有する化合物としては、下記一般式(I)の
化合物が挙げられる。
【0042】
【化7】

【0043】
〔式(I)中、R1は、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を
有していてもよいアルコキシ基、又は水酸基を示し、置換基Aは、水酸基、又は
W−X−R2(Wは、イミノ基、又はアルキルイミノ基を示し、Xは、カルボニ
ル基、又はチオカルボニル基、又はスルホニル基を示し、R2は、置換基を有し
ていてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有
していてもよいアリール基、又は置換基を有していても良いアミノ基、又は置換
基を有していてもよい複素環基を示し、m=0、又は1から4の整数を示し、m
' =0、又は1を示す。)を示す。〕
一般式(I)におけるR1のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基
、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ペンタデシル基等の炭
素数1〜20の直鎖状若しくは分岐鎖状のものが、又、R1のアルコキシ基とし
ては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチル
オキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオ
キシ基、ウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基、トリデシルオキシ基、ペンタ
デシルオキシ基等の炭素数1〜20の直鎖状若しくは分岐鎖状のものが、それぞ
れ挙げられる。
【0044】
又、前記アルキル基、アルコキシ基の置換基としては、例えば、メチル基、エ
チル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチ
ル基、デシル基等の炭素数1〜10のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プ
ロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキ
シ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基等の炭素数1〜10のアルコキシ基、
シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シ
クロヘプチル基等の炭素数1〜10のシクロアルキル基、フェニル基等のアリー
ル基、水酸基、又は、弗素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、アセチ
ルアミノ基、メタンスルフォニルアミノ基、トリフルオロアセチルアミノ基、ト
リフルオロメタンスルフォニルアミノ基、ブタノイルアミノ基、ヘキサノイルア
ミノ基、ノナノイルアミノ基、トリデカノイルアミノ基等の炭素数1〜15のア
シルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、トリルアミノ基等の芳香族カルボニルアミ
ノ基、トシルアミノ基等の芳香族スルフォニルアミノ基等が挙げられる。
【0045】
前記一般式(I)において、R1としては、前記の中で、(1)アルコキシ基
、水酸基、或いはハロゲン原子を置換基として有していてもよい直鎖状若しくは
分岐鎖状アルキル基が好ましく、炭素数1〜8の直鎖状若しくは分岐鎖状アルキ
ル基、又は炭素数1〜8の直鎖状若しくは分岐鎖状アルコキシ基が特に好ましい

【0046】
又、前記一般式(I)におけるW−X−R2中のWのアルキルイミノ基におけ
るアルキル基としては、炭素数1〜8の直鎖状、若しくは分岐鎖状のものが好ま
しく、Wとしては、イミノ基、又はアルキルイミノ基が好ましく、イミノ基が特
に好ましい。尚、Xがスルホニル基であるとき、R2は水素原子ではない。
【0047】
又、W−X−R2中のR2のアルキル基としては、例えば、前記R1におけるア
ルキル基として挙げたと同様のアルキル基、ビニル基等のアルケニル基、フェニ
ル基、ナフチル基等のアリール基、アミノ基、3−ピリジル基、2−フリル基、
2−テトラヒドロフリル基、2−チエニル基等の複素環基等が挙げられ、これら
のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アミノ基及び複素環基は、例えば、
前記R1におけるアルキル基、アルコキシ基の置換基として挙げたと同様の、炭
素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数1〜10の
シクロアルキル基、又はハロゲン原子、或いはアリール基等を置換基として有し
ていてもよい。
【0048】
前記R2のうち、前記R1の好ましい基と同様のアルキル基、又は、炭素数1〜
8のアルキル基で置換されていても良いフェニル基、又は、炭素数1〜8のアル
キル基で置換されていても良いビニル基が特に好ましい。
【0049】
以下にその好ましい具体例を示す。
【0050】
【化8】

【0051】
【化9】

【0052】
又、545nmの近傍に最大吸収を有する化合物としては、下記一般式(II)
の化合物が挙げられる。
【0053】
【化10】

【0054】
〔式(II)中、R1は、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を
有していてもよいアルコキシ基を示し、置換基Aは、水酸基、又はW−X−R2
(Wは、イミノ基を示し、Xは、カルボニル基、又はスルホニル基を示し、R2
は、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよ
いアルケニル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有してい
てもよい複素環基を示し、を示し、mは、0又は1を示し、R6,R7は、置換基
を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよいアリール基を示
し、Zは、酸素原子を示す。)を示す。
【0055】
一般式(II)におけるR1のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基
、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ペンタデシル基等の炭
素数1〜20の直鎖状若しくは分岐鎖状のものが、又、R1のアルコキシ基とし
ては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチル
オキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオ
キシ基、ウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基、トリデシルオキシ基、ペンタ
デシルオキシ基等の炭素数1〜20の直鎖状若しくは分岐鎖状のものが、それぞ
れ挙げられる。
【0056】
又、前記アルキル基、アルコキシ基の置換基としては、例えば、メチル基、エ
チル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチ
ル基、デシル基等の炭素数1〜10のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プ
ロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキ
シ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基等の炭素数1〜10のアルコキシ基、
シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シ
クロヘプチル基等の炭素数1〜10のシクロアルキル基、フェニル基等のアリー
ル基、水酸基、又は、弗素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子等が挙げ
られる。
【0057】
前記一般式(II)において、R1としては、前記の中で、(1)アルコキシ基
、水酸基、或いはハロゲン原子を置換基として有していてもよい直鎖状若しくは
分岐鎖状アルキル基が好ましく、炭素数1〜8の直鎖状若しくは分岐鎖状アルキ
ル基が特に好ましい。
【0058】
又、前記一般式(II)におけるW−X−R2中のWのアルキルイミノ基におけ
るアルキル基としては、炭素数1〜8の直鎖状、若しくは分岐鎖状のものが好ま
しく、Wとしては、イミノ基、又はアルキルイミノ基が好ましく、イミノ基が特
に好ましい。尚、Xがスルホニル基であるとき、R2は水素原子ではない。
【0059】
又、W−X−R2中のR2のアルキル基としては、例えば、前記R1におけるア
ルキル基として挙げたと同様のアルキル基、ビニル基等のアルケニル基、フェニ
ル基、ナフチル基等のアリール基、3−ピリジル基、2−フリル基、2−テトラ
ヒドロフリル基、2−チエニル基等の複素環基等が挙げられ、これらのアルキル
基、アルケニル基、アリール基、及び複素環基は、例えば、前記R1におけるア
ルキル基、アルコキシ基の置換基として挙げたと同様の、炭素数1〜10のアル
キル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数1〜10のシクロアルキル基、
又はハロゲン原子、或いはアリール基等を置換基として有していてもよい。
【0060】
前記、R2のうち、前記R1の好ましい基と同様のアルキル基、又は、炭素数1
〜8のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基が特に好ましい。
【0061】
6、及びR7の置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有してい
てもよいアリール基としては、前記R2で挙げた置換基を有していてもよいアル
キル基、又は置換基を有していてもよいアリール基が挙げられる。
【0062】
前記、R6、及びR7のうち、前記R2の好ましい基と同様のアルキル基、又は
、アリール基が特に好ましい。
【0063】
以下にその好ましい具体例を示す。
【0064】
【化11】

【0065】
【化12】

【0066】
又、545nmの近傍に最大吸収を有する化合物としては、下記一般式(XIV
)の化合物が挙げられる。
【0067】
【化13】

【0068】
〔式(XIV)中、 R1は、ハロゲン原子、又は、−SCNを表し、R2は、−C
OOH、−COOR5(R5は置換されていても良いアルキル基を表す。)、又は
、−COOM(Mは金属原子、置換されていても良いトリアルキルアンモニウム
基、又は、置換されていても良いテトラアルキルアンモニウム基を表す。)を表
し、R3、R4は、ハロゲン原子、水酸基、又は、置換されていても良いアルキル
基を表し、Aは、水酸基、−OM(Mは、金属原子、又は、置換されていても良
いトリアルキルアンモニウム基、又は、置換されていても良いテトラアルキルア
ンモニウム基を表す。)、又は、―NR67(R6、R7は、水素原子、又は、置
換されていても良いアルキル基を表す。)を表し、Bは、酸素原子、又は、=N
+89(X-)で表される基(R8、R9は、水素原子、又は、置換されていても
良いアルキル基を表し、X-は、1価の陰イオンを表す。)を表し、J及びkは
、それぞれ独立して0〜5の整数を表し(ここで、J+k≦5である。)、m及
びnは、それぞれ独立して、0〜3の整数を表す。〕
【0069】
一般式(XIV)における、R1のハロゲン原子の具体例としては、弗素原子、塩
素原子、臭素原子、沃素原子が挙げられ、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9
のアルキル基、及びMにおけるトリアルキルアンモニウム基、又は、テトラアル
キルアンモニウム基のアルキル基としては、置換されていても良い、メチル基、
エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オク
チル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ペンタデシル基
、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、
シクロヘプチル基等の炭素数1〜10の直鎖状、分岐鎖状若しくは環状のものが
挙げられる。上記アルキル基の置換基としては、色素の安定性に悪影響を与えな
い限りにおいて、特に限定されないが、例えば、ハロゲン原子、アルコキシ基、
又は、アリール基が挙げられ、このうち、ハロゲン原子としては、フッ素原子、
又は、塩素原子が好ましく、アルコキシ基としては、炭素数1〜4のものが好ま
しく、アリール基としては、フェニル基が好ましい。J及びkは、それぞれ独立
して、0〜5の整数を示すが、Jとして好ましくは、0〜4であり、kとして、
好ましくは、0又は1である。m及びnは、それぞれ独立して、0又は3の整数
を表すが、好ましくは、0〜2である。
【0070】
-で表される、1価の陰イオンとしては、フッ素イオン、塩素イオン、臭素
イオン、ヨウ素イオン等ハロゲンイオン、ヘキサフルオロアンチモン酸イオン、
過塩素酸イオン、過ヨウ素酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフル
オロリン酸イオン等の無機の1価の陰イオン、酢酸イオン、乳酸イオン、安息香
酸イオン、トルエンスルホン酸イオン、メタンスルフォン酸イオン等の有機の1
価の陰イオンが挙げられる。
【0071】
上記一般式(XIV)で表される化合物の具体例としては、Rhodamine B, Rhodam
ine B isocyanate, Rhodamine 123, Rhodamine 6G, Fluorone Black, Phloxine
B, Rose Bengal 等が挙げられる。
以下にその好ましい具体例を示す。
【0072】
【化14】

【0073】
又、610nmの近傍に最大吸収を有する化合物としては、下記一般式(III
)の化合物が挙げられる。
【0074】
【化15】

【0075】
〔式(III )中、R1は、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基
を有していてもよいアルコキシ基を示し、置換基Bは、W−CO−R2(Wは、
イミノ基、又はアルキルイミノ基を示し、R2は、置換基を有していてもよいア
ルケニル基、又は、置換基を有していてもよいアルキニル基を示し、m及びm'
は、それぞれ独立して、0又は1を示す。)を示す。〕
一般式(III )におけるR1のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチ
ル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル
基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ペンタデシル基等の
炭素数1〜20の直鎖状若しくは分岐鎖状のものが、又、R1のアルコキシ基と
しては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチ
ルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、デシル
オキシ基、ウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基、トリデシルオキシ基、ペン
タデシルオキシ基等の炭素数1〜20の直鎖状若しくは分岐鎖状のものが、それ
ぞれ挙げられる。
【0076】
又、前記アルキル基、アルコキシ基の置換基としては、例えば、メチル基、エ
チル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチ
ル基、デシル基等の炭素数1〜10のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プ
ロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキ
シ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基等の炭素数1〜10のアルコキシ基、
シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シ
クロヘプチル基等の炭素数1〜10のシクロアルキル基、フェニル基等のアリー
ル基、水酸基、又は、弗素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子等が挙げ
られる。
【0077】
前記一般式(III )において、R1としては、前記の中で、(1)アルコキシ
基、水酸基、或いはハロゲン原子を置換基として有していてもよい直鎖状若しく
は分岐鎖状アルキル基が好ましく、炭素数1〜8の直鎖状若しくは分岐鎖状アル
キル基、又は炭素数1〜8の直鎖状若しくは分岐鎖状アルコキシ基が特に好まし
い。
【0078】
又、前記一般式(III )におけるW−CO−R2中のWのアルキルイミノ基に
おけるアルキル基としては、炭素数1〜8の直鎖状、若しくは分岐鎖状のものが
好ましく、Wとしては、イミノ基、又はアルキルイミノ基が好ましく、イミノ基
が特に好ましい。
【0079】
又、W−X−R2中のR2としては、ビニル基等のアルケニル基、アセチレン基
等のアルキニル等が挙げられ、これらのアルケニル基、アルキニルは、例えば、
前記R1におけるアルキル基、アルコキシ基の置換基として挙げたと同様の、炭
素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数1〜10の
シクロアルキル基、又はハロゲン原子、或いはアリール基等を置換基として有し
ていてもよい。
【0080】
前記R2のうち、炭素数1〜8のアルキル基、又はフェニル基で置換されてい
ても良いビニル基が特に好ましい。
【0081】
以下にその好ましい具体例を示す。
【0082】
【化16】

【0083】
又、本発明の電子ディスプレイフィルターには、更に530〜600nm付近
に最大吸収を有する化合物を併存させることが好ましく前述の一般式(IV)、(
I)、(II)、及び(III )の他に、下記の一般式(V)〜(XII)、及び一般式(XI
V)〜(XV)の化合物が挙げられる。
【0084】
【化17】

【0085】
〔式(V)中、R1は、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有し
ていてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換
基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基
、又はハロゲン原子を示し、W−X−R2中のWは、イミノ基、アルキルイミノ
基、又は酸素原子を示し、Xは、カルボニル基、又はスルホニル基を示し、R2
は、1価基、又は水素原子を示し、l及びl’はそれぞれ独立して0〜5の整数
、m及びm’はそれぞれ独立して0〜5の整数、n及びn’はそれぞれ独立して
0〜3の整数で、l+m+n≦5、及びl’+m’+n’≦5であり、ベンゼン
環上にR1及びW−X−R2がそれぞれ複数個存在するとき、R1及びW−X−R2
のそれぞれは、一方のベンゼン環において、又、他方のベンゼン環との間で、互
いに異なっていてもよい。〕
一般式(V)におけるR1のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基
、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ペンタデシル基等の炭
素数1〜20の直鎖状若しくは分岐鎖状のものが、又、R1のアルコキシ基とし
ては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチル
オキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオ
キシ基、ウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基、トリデシルオキシ基、ペンタ
デシルオキシ基等の炭素数1〜20の直鎖状若しくは分岐鎖状のものが、又、R
1のシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、
シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等の炭素数1〜20の
ものが、又、R1のアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等が
、又、R1のアリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基、ナフチルオキ
シ基等が、又、R1のハロゲン原子としては、例えば、弗素原子、塩素原子、臭
素原子等が、それぞれ挙げられる。
【0086】
又、前記アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、アリール基、及びア
リールオキシ基の置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、
ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基等の炭
素数1〜10のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ
基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ
基、デシルオキシ基等の炭素数1〜10のアルコキシ基、シクロプロピル基、シ
クロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等の炭
素数1〜10のシクロアルキル基、水酸基、又は、弗素原子、塩素原子、臭素原
子等のハロゲン原子等が挙げられる。
【0087】
前記一般式(V)において、R1としては、前記の中で、(1)アルコキシ基
、水酸基、或いはハロゲン原子を置換基として有していてもよい直鎖状若しくは
分岐鎖状アルキル基、(2)アルコキシ基を置換基として有していてもよい直鎖
状若しくは分岐鎖状アルコキシ基、(3)アルキル基、アルコキシ基、或いはハ
ロゲン原子を置換基として有していてもよいアリール基、(4)アルキル基、ア
ルコキシ基、或いはハロゲン原子を置換基として有していてもよいアリールオキ
シ基、又は(5)ハロゲン原子、が好ましく、炭素数1〜8の直鎖状若しくは分
岐鎖状アルキル基、又は炭素数1〜8の直鎖状若しくは分岐鎖状アルコキシ基が
特に好ましい。
【0088】
又、前記一般式(V)におけるW−X−R2中のWのアルキルイミノ基におけ
るアルキル基としては、炭素数1〜8の直鎖状若しくは分岐鎖状のものが好まし
く、Wとしては、イミノ基、又はアルキルイミノ基が好ましく、イミノ基が特に
好ましい。尚、Xがスルホニル基であるとき、R2は水素原子ではない。
【0089】
又、W−X−R2中のR2の1価基としては、例えば、前記R1におけるアルキ
ル基として挙げたと同様のアルキル基、前記R1におけるアルコキシ基として挙
げたと同様のアルコキシ基、前記R1におけるシクロアルキル基として挙げたと
同様のシクロアルキル基、前記R1におけるアリール基として挙げたと同様のア
リール基、前記R1におけるアリールオキシ基として挙げたと同様のアリールオ
キシ基、並びに、アミノ基、及び、3−ピリジル基、2−フリル基、2−テトラ
ヒドロフリル基、2−チエニル基等の複素環基等が挙げられ、これらのアルキル
基、アルコキシ基、シクロアルキル基、アリール基、アリールオキシ基、アミノ
基、及び複素環基は、例えば、前記R1 におけるアルキル基、アルコキシ基、シ
クロアルキル基、アリール基、及びアリールオキシ基の置換基として挙げたと同
様の、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数1
〜10のシクロアルキル基、又はハロゲン原子、或いはアリール基等を置換基と
して有していてもよい。
【0090】
前記R2のうち、前記R1の好ましい基と同様のアルキル基、炭素数1〜8のア
ルキル基で置換されていても良いフェニル基、炭素数1〜8のアルキル基で置換
されていても良いフェニル基が、炭素数1〜8のアルキル基で置換されていても
良い2−フリル基、炭素数1〜8のアルキル基で置換されていても良い2−テト
ラヒドロフリル基が、又は、炭素数1〜8のアルキル基で置換されていても良い
シクロヘキシル基が特に好ましい。
【0091】
又、前記一般式において、l及びl’はそれぞれ独立して0〜5の整数、m及
びm’はそれぞれ独立して0〜5の整数、n及びn’はそれぞれ独立して0〜3
の整数で、l+m+n≦5、及びl’+m’+n’≦5であるが、l及びl’は
1以上で、l+m+n≦3、及びl’+m’+n’≦3であるのが好ましく、よ
り好ましくは、m及びm’は0である。又、ベンゼン環上にR1及びW−X−R2
がそれぞれ複数個存在するとき、R1及びW−X−R2のそれぞれは、一方のベン
ゼン環において、又、他方のベンゼン環との間で、互いに異なっていてもよい。
又、一方のベンゼン環上に隣接して存在するR1同士が互いに連結してアルカン
ジイル基やアルキレンジオキシ基等となって環状構造を形成していてもよい。
【0092】
【化18】

【0093】
〔式(VI)中、R1は、ハロゲン原子、置換基を有していても良いアルキル基
、置換基を有していても良いアルコキシ基又は置換基を有していても良いアルケ
ニル基を表し、mは1〜3の整数を、nは1〜4の整数を表す。〕
一般式(VI)において、置換基R1としては、例えば、次の(i) 〜(vii) のよ
うなものが例示できる。
(i) フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;
(ii) メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンンチル基、ヘキシル基
、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル
基、ペンタデシル基等の炭素数1〜20の直鎖もしくは分岐鎖アルキル基;
(iii) 置換基としてヒドロキシ基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル
基、ブトキシカルボニル基等のアルキコキシカルボニル基、アセチルオキシ基カ
ルボニル基、プロピオニルオキシカルボニル基等のアシルオキシカルボニル基、
メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、ブトキシカルボニ
ルオキシ基等のアルコキシカルボニルオキシ基、シクロヘキシル基、フェニル基
等を有する前記炭素数1〜20の直鎖もしくは分岐鎖アルキル基;
(iv) メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンンチルオキシ
基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、デシオキシ基、
ウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基、トリデシルオキシ基、ペンタデシルオ
キシ基等の炭素数1〜20の直鎖もしくは分岐鎖アルコキシ基;
(v) 置換基としてメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチ
ルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基等の炭素
数1〜8のアルコキシ基を有する前記炭素数1〜20の直鎖もしくは分岐鎖アル
コキシ基;
(vi) エテニル基などのアルケニル基;
(vii) 置換基としてメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンンチル基
、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基等のアルキル基、フェニル基
、4−ヒドロキシフェニル基、4−アルコキシ(例えば、炭素数1〜10のアル
コキシ基)フェニル基、3,4−ビスアルコキシ(例えば、炭素数1〜10のア
ルコキシ基)フェニル基、3,5−ビスアルコキシ(例えば、炭素数1〜10の
アルコキシ基)フェニル基、3,4,5−トリスアルコキシ(例えば、炭素数1
〜10のアルコキシ基)フェニル基で置換されたエテニル基等のアルケニル基。
【0094】
これらのうち、Rは炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基;水酸基
もしくはアルコキシカルボニル基で置換された炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐
鎖のアルキル基;炭素数1〜6のアルコキシ基;または置換基を有するエテニル
基が特に好ましい。
【0095】
【化19】

【0096】
〔式(VII )中、R6は、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有
していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は
水素原子を示し、R7は、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有し
ていてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基
、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリ
ール基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよ
いアリールオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアミノ基、水酸基、
又は水素原子を示し、Zは、イミノ基、又はアルキルイミノ基を示し、Lは、水
素原子、又は−XR(Rは、1価基、又は水素原子を示し、Xは、カルボニル基
、又はスルホニル基を示す。)を示し、これらのR6、R7、L及びZは、両方の
ピラゾール環の間で互いに異なっていてもよい。〕
前記一般式(VII )における置換基R6のアルキル基としては、例えば、メチ
ル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基
、オクチル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ペンタデ
シル基等の炭素数1〜20の直鎖状若しくは分岐鎖状のものが、又、R6のシク
ロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペ
ンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等の炭素数1〜20のものが、
又、R6のアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等が、それぞ
れ挙げられる。
【0097】
又、前記アルキル基、前記シクロアルキル基、及びアリール基の置換基として
は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシ
ル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基等の炭素数1〜10のアルキル基、メ
トキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシ
ルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基等の炭素数
1〜10のアルコキシ基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、フェノキシ
基、ナフチルオキシ基等のアリールオキシ基、ホルムアミノ基、アルキルカルボ
ニルアミノ基、アルキルスルフォニルアミノ基、アミノカルボニル基、アルキル
アミノカルボニル基、ジアルキルアミノカルボニル基、アミノスルフォニル基、
アルキルアミノスルフォニル基、ジアルキルアミノスルフォニル基、アミノ基、
ニトロ基、水酸基、及び、弗素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子等が
挙げられる。
【0098】
前記一般式(VII )において、R6としては、前記の中で、(1)アルコキシ
基、アリール基、アリールオキシ基、水酸基、或いはハロゲン原子を置換基とし
て有していてもよい直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基、又は(2)アルキル基
、アルコキシ基、アミノ基、アルキルカルボニルアミノ基、アルキルスルフォニ
ルアミノ基、ニトロ基、水酸基、或いはハロゲン原子を置換基として有していて
もよいアリール基、が好ましく、特に、アルコキシ基を置換基として有していて
もよい炭素数1〜8の直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基が好ましい。
【0099】
又、前記一般式(VII )におけるR7のアルキル基としては、前記R6における
アルキル基として挙げたと同様のものが、又、R7のアルコキシ基としては、例
えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基
、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基、
ウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基、トリデシルオキシ基、ペンタデシルオ
キシ基等の炭素数1〜20の直鎖状若しくは分岐鎖状のものが、又、R7のアル
コキシカルボニル基としては、前記アルコキシ基を有するカルボニル基が、又、
7のシクロアルキル基としては、前記R6におけるシクロアルキル基として挙げ
たと同様のものが、又、アリール基としては、前記R6におけるアリール基とし
て挙げたと同様のものが、又、R7のアリールオキシ基としては、フェノキシ基
、ナフチルオキシ基等が、又、R7のアリールオキシカルボニル基としては、前
記アリールオキシ基を有するカルボニル基が、それぞれ挙げられる。
【0100】
又、前記アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、シクロアルキ
ル基、アリール基、アリールオキシ基、アリールオキシカルボニル基、及びアミ
ノ基の置換基としては、例えば、前記R6におけるアルキル基、シクロアルキル
基、及びアリール基の置換基として挙げたと同様のアルキル基、同じくアルコキ
シ基、同じくアリール基、同じくアリールオキシ基、同じくスルホンアミド基、
同じくアルキルスルホンアミド基、同じくジアルキルスルホンアミド基、同じく
ニトロ基、同じくハロゲン原子、並びに、プロピオニル基、ブチリル基、ベンゾ
イル基等のアシル基、メタンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基等のスルホニ
ル基、水酸基、及びハロゲン原子等が挙げられる。
【0101】
前記一般式(VII )において、R7としては、前記の中で、(1)アルコキシ
基、アリール基、アリールオキシ基、水酸基、或いはハロゲン原子を置換基とし
て有していてもよい直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基、(2)アルコキシ基を
置換基として有していてもよい直鎖状若しくは分岐鎖状アルコキシ基、(3)ア
ルコキシ基を置換基として有していてもよいアルコキシ基を有するカルボニル基
、(4)アルキル基、アルコキシ基、スルホンアミド基、アルキルスルホンアミ
ド基、ジアルキルスルホンアミド基、ニトロ基、水酸基、或いはハロゲン原子を
置換基として有していてもよいアリール基、(5)アルキル基、或いはアルコキ
シ基を置換基として有していてもよいアリール基を有するカルボニル基、又は(
6)アルキル基、アシル基、或いはスルホニル基を置換基として有していてもよ
いアミノ基、が好ましく、特に、アルコキシ基を置換基として有していてもよい
炭素数1〜8の直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基が好ましい。
【0102】
又、−X−R中のRの一価基としては、R6におけるアルキル基、シクロアル
キル基、アルコキシ基、R6におけるアリール基を有するアリールオキシ基、並
びに、アミノ基、及び、3−ピリジル基、2−フリル基、2−テトラヒドロフリ
ル基、2−チエニル基等の複素環基、ビニル基等のアルケニル基等が挙げられる

【0103】
又、前記一般式(VII )におけるZのアルキルイミノ基におけるアルキル基と
しては、炭素数1〜8の直鎖状若しくは分岐鎖状のものが好ましく、Zとしては
、イミノ基、又はアルキルイミノ基が好ましく、イミノ基が特に好ましい。尚、
Xがスルホニル基であるとき、Rは水素原子ではない。
【0104】
【化20】

【0105】
〔式(VIII)中、R1は、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有
していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置
換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリールオキシ
基、又はハロゲン原子を示し、Wは、イミノ基、アルキルイミノ基、又は酸素原
子を示し、Xは、カルボニル基、又はスルホニル基を示し、R2は、1価基、又
は水素原子を示し、lは0〜5の整数、mは0〜5の整数、nは0〜3の整数で
、l+m+n≦5であり、ベンゼン環上にR1 及びW−X−R2がそれぞれ複数
個存在するとき、R1及びW−X−R2のそれぞれは異なっていてもよい。R6
、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアル
キル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は水素原子を示し、R7は、
置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基
、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよ
いシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有してい
てもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニ
ル基、置換基を有していてもよいアミノ基、水酸基、又は水素原子を示し、Zは
、酸素原子、イミノ基、又はアルキルイミノ基を示し、Lは、水素原子、又は−
XR(Rは、1価基、又は水素原子を示し、Xは、カルボニル基、又はスルホニ
ル基を示す。)を示す。〕
前記一般式(VIII)におけるR1、R2、W、X、l、m、nは、一般式(V )
におけると同意義を表し、R6、R7、L、Zは、一般式(VII )におけると同意
義を表す。
【0106】
【化21】

【0107】
〔式(IX)中、R1は、水酸基、アミノ基、置換基を有していても良いアルキ
ル基、又は置換基を有していても良いアリール基を表し、R2は、置換基を有し
ていてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有
していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は
ハロゲン原子を示し、sは0〜5の整数を表す。〕
一般式(IX)におけるR1のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基
、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ペンタデシル基等の炭
素数1〜20の直鎖状若しくは分岐鎖状のものが、又、R2のアリール基として
は、例えば、フェニル基、ナフチル基等が、それぞれ挙げられる。
【0108】
2のアルキル基としては、例えば、前記R1と同様なアルキル基が、又、R2
のアリール基としては、例えば、前記R1と同様なアリール基が挙げられる。又
、R2のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ
基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オ
クチルオキシ基、デシルオキシ基、ウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基、ト
リデシルオキシ基、ペンタデシルオキシ基等の炭素数1〜20の直鎖状若しくは
分岐鎖状のものが、又、R2のシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロ
ピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチ
ル基等の炭素数1〜20のものが、又、R1のハロゲン原子としては、例えば、
弗素原子、塩素原子、臭素原子等が、それぞれ挙げられる。
【0109】
又、前記アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、及びアリール基の置
換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル
基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基等の炭素数1〜10のアル
キル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ
基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基
等の炭素数1〜10のアルコキシ基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シク
ロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等の炭素数1〜10のシク
ロアルキル基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、水酸基、又は、弗素原
子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子等が挙げられる。
【0110】
【化22】

【0111】
〔式(X)中、R1は、水酸基、アミノ基、置換基を有していても良いアルキ
ル基、又は置換基を有していても良いアリール基を表し、R2は、置換基を有し
ていても良いアルキル基、又は置換基を有していても良いアリール基を表し、s
は0〜3の整数を表す。〕
一般式(X)における、R1、R2のアルキル基としては、例えば、メチル基、
エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オク
チル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ペンタデシル基
等の炭素数1〜20の直鎖状若しくは分岐鎖状のものが、又、R1、R2のアリー
ル基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等が、それぞれ挙げられる。
【0112】
又、前記アルキル基、及びアリール基の置換基としては、例えば、メチル基、
エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オク
チル基、デシル基等の炭素数1〜10のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、
プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオ
キシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基等の炭素数1〜10のアルコキシ基
、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、
シクロヘプチル基等の炭素数1〜10のシクロアルキル基、フェニル基、ナフチ
ル基等のアリール基、水酸基、又は、弗素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲ
ン原子等が挙げられる。
【0113】
【化23】

【0114】
〔式(XI)中、R1〜R8は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基
、シアノ基、ヒドロキシ基、アミノ基、置換基を有していても良いアルキル基、
置換基を有していても良いアルコキシ基、置換基を有していても良いアリール基
、置換基を有していても良いアリールオキシ基、置換基を有していても良いアル
キルアミノ基、置換基を有していても良いジアルキルアミノ基、置換基を有して
いても良いアルキルチオ基、又は置換基を有していても良いアリールチオ基を示
し、また、R1とR2、R3とR4、R5とR6、R7とR8は各々連結して脂肪族炭素
環を形成しても良い。Mは、2個の水素原子、2価の金属原子、3価1置換金属
原子、4価2置換金属原子又はオキシ金属原子を示す。〕
前記一般式(XI)において、ハロゲン原子としては、例えば、弗素原子、塩素
原子、臭素原子等が挙げられ、アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基
、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ペンタデシル基、シク
ロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロ
ヘプチル基等の炭素数1〜20の直鎖状、分岐鎖状若しくは環状のものが挙げら
れ、アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、
ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチ
ルオキシ基、デシルオキシ基、ウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基、トリデ
シルオキシ基、ペンタデシルオキシ基等の炭素数1〜20の直鎖状若しくは分岐
鎖状のものが挙げられ、アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基
等の炭化水素系アリール基、又は、チエニル基、フリル基、又はピリジル基等の
複素環系アリール基が挙げられ、アリールオキシ基としては、例えば、フェノキ
シ基、ナフチルオキシ基等の炭化水素系アリールオキシ基、又はチエニルオキシ
基、フリルオキシ基、又はピリジルオキシ基等の複素環系アリールオキシ基等が
挙げられ、アルキルアミノ基又はジアルキルアミノ基としては、メチル基、エチ
ル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル
基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ペンタデシル基等の
炭素数1〜20の直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基で1置換又は2置換された
アミノ基挙げられ、アルキルチオ基としては、例えば、メチルチオ基、エチルチ
オ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、ヘプ
チルチオ基、オクチルチオ基、デシルチオ基、ウンデシルチオ基、ドデシルチオ
基、トリデシルチオ基、ペンタデシルチオ基等の炭素数1〜20の直鎖状若しく
は分岐鎖状のものが挙げられ、アリールチオ基としては、例えば、フェニルチオ
基、ナフチルチオ基が挙げられる。
【0115】
又、前記アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アルキ
ルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルチオ基、及びアリールチオ基の置換
基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基
、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、シクロプロピル基、シクロ
ブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等の炭素数
1〜10のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、
ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、
デシルオキシ基等の炭素数1〜10のアルコキシ基;水酸基;又は、弗素原子、
塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子等が挙げられる。
【0116】
又、R1とR2、R3とR4、R5とR6、R7とR8が各々連結して、−(
CH−,−(CH−,−(CH−等の脂肪族炭素環を形成し
ていても良い。
【0117】
前記一般式(XI)において、R1〜R8としては、前記の中で、(1)アルコキ
シ基或いはハロゲン原子を置換基として有していてもよい、直鎖状若しくは分岐
鎖状アルキル基、(2)直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基を置換基として有し
ていてもよいシクロアルキル基、(3)アルキル基、アルコキシ基或いはハロゲ
ン原子を置換基として有していてもよい、アリール基、(4)ハロゲン原子、又
は(5)それぞれが連結して脂肪族炭素環を形成している場合が好ましく、炭素
数1〜8の直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基或いは連結して−(CH
又は−(CH−を形成している場合が特に好ましい。
【0118】
前記一般式(XI)におけるMとしては、2個の水素原子;或いは、無機化学命
名法1990年規則に基づく周期律表の2属、3属、4属、8属、9属、10属
、11属、12属、13属、14属又は15属に属する元素から選ばれる、2価
の金属原子、3価1置換金属原子、4価2置換金属原子又はオキシ金属原子を示
すが、その具体例として、2価の金属原子としては、Cu,Zn,Fe,Co,
Ni,Ru,Rd,Pd,Mn,Sn,Mg,Ti等が挙げられ、3価1置換金
属原子としては、Al−Cl,Ga−Cl,In−Cl,Fe−Cl,Ru−C
l等のハロゲン原子、水酸基又はアルコキシ基で1置換された金属原子が挙げら
れ、4価2置換金属としては、SiCl,GeCl,TiCl,SnCl
,Si(OH),Ge(OH),Mn(OH),Sn(OH)等のハ
ロゲン原子、水酸基又はアルコキシ基で2置換された金属原子が挙げられ、オキ
シ金属としては、VO,MnO,TiO等が挙げられる。このうち好ましくは、
VO、Cu、Ni、Coが挙げられ、更に好ましくは、VO及びCuが挙げられ
る。
【0119】
【化24】

【0120】
〔式(XII )中、R1〜R7は各々独立に水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シ
アノ基、ヒドロキシ基、アミノ基、カルボキシル基、スルホン酸基、炭素数1〜
20のアルキル基、炭素数1〜20のハロゲノアルキル基、炭素数1〜20のア
ルコキシ基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数2〜20のアルコキシアル
キル基、炭素数2〜20のアルコキシアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール
オキシ基、炭素数1〜20のアシル基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル
基、炭素数2〜20のアルキルアミノカルボニル基、炭素数3〜20のジアルキ
ルアミノカルボニル基、炭素数2〜20のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数
7〜20のフェニルカルボニルアミノ基、炭素数7〜20のフェニルアミノカル
ボニル基、炭素数7〜20のフェノキシカルボニル基、炭素数7〜20のアラル
キル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数4〜20のヘテロアリール基、炭
素数1〜20のアルキルチオ基、炭素数6〜20のフェニルチオ基、炭素数3〜
20のアルケニルオキシカルボニル基、炭素数8〜20のアラルキルオキシカル
ボニル基、炭素数4〜20のアルコキシカルボニルアルコキシカルボニル基、炭
素数4〜20のアルキルカルボニルアルコキシカルボニル基、炭素数2〜20の
モノ(ヒドロキシアルキル)アミノカルボニル基、炭素数3〜20のジ(ヒドロ
キシアルキル)アミノカルボニル基、炭素数3〜20のモノ(アルコキシアルキ
ル)アミノカルボニル基又は炭素数5〜20のジ(アルコキシアルキル)アミノ
カルボニル基を表し、R2とR3及び/又はR5とR6はそれぞれ互いに結合してピ
ロール環に縮合する芳香環を形成してもよく、また、これらによって形成される
縮合芳香環は、それぞれ同一であっても異なるものであってもよく、式(XIII)
【0121】
【化25】

【0122】
〔式(XIII)中、R8〜R11は各々独立に水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、
シアノ基、ヒドロキシ基、アミノ基、カルボキシル基、スルホン酸基、炭素数1
〜20のアルキル基、炭素数1〜20のハロゲノアルキル基、炭素数1〜20の
アルコキシ基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数2〜20のアルコキシア
ルキル基、炭素数2〜20のアルコキシアルコキシ基、炭素数6〜20のアリー
ルオキシ基、炭素数1〜20のアシル基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニ
ル基、炭素数2〜20のアルキルアミノカルボニル基、炭素数3〜20のジアル
キルアミノカルボニル基、炭素数2〜20のアルキルカルボニルアミノ基、炭素
数7〜20のフェニルカルボニルアミノ基、炭素数7〜20のフェニルアミノカ
ルボニル基、炭素数7〜20のフェノキシカルボニル基、炭素数7〜20のアラ
ルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数4〜20のヘテロアリール基、
炭素数1〜20のアルキルチオ基、炭素数6〜20のフェニルチオ基、炭素数3
〜20のアルケニルオキシカルボニル基、炭素数8〜20のアラルキルオキシカ
ルボニル基、炭素数4〜20のアルコキシカルボニルアルコキシカルボニル基、
炭素数4〜20のアルキルカルボニルアルコキシカルボニル基、炭素数2〜20
のモノ(ヒドロキシアルキル)アミノカルボニル基、炭素数3〜20のジ(ヒド
ロキシアルキル)アミノカルボニル基、炭素数3〜20のモノ(アルコキシアル
キル)アミノカルボニル基又は炭素数5〜20のジ(アルコキシアルキル)アミ
ノカルボニル基を表し、R10とR11はそれぞれ互いに結合して芳香環を形成して
もよい。)を表し、Mは、遷移金属を表す。〕
1〜R11の具体例としては、水素原子;ニトロ基;シアノ基;ヒドロキシ基
;アミノ基;カルボキシル基;スルホン酸基;フッ素、塩素、臭素、ヨウ素のハ
ロゲン原子;メチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基
、iso-ブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、iso-ペンチル基、
2-メチルブチル基、1-メチルブチル基、neo-ペンチル基、1,2-ジメチルプロピル
基、1,1-ジメチルプロピル基、cyclo-ペンチル基、n-ヘキシル基、4-メチルペン
チル基、3-メチルペンチル基、2-メチルペンチル基、1-メチルペンチル基、3,3-
ジメチルブチル基、2,3-ジメチルブチル基、1,3-ジメチルブチル基、2,2-ジメチ
ルブチル基、1,2-ジメチルブチル基、1,1-ジメチルブチル基、3-エチルブチル基
、2-エチルブチル基、1-エチルブチル基、1,2,2-卜リメチルブチル基、1,1,2-ト
リメチルブチル基、1-エチル-2- メチルプロピル基、cyclo-ヘキシル基、n-ヘプ
チル基、2-メチルヘキシル基、3-メチルヘキシル基、4-メチルヘキシル基、5-メ
チルヘキシル基、2,4-ジメチルペンチル基、n-オクチル基、2-エチルヘキシル基
、2,5-ジメチルヘキシル基、2,5,5-トリメチルペンチル基、2,4-ジメチルヘキシ
ル基、2,2,4-トリメチルペンチル基、n-オクチル基、3,5,5-トリメチルヘキシル
基、n-ノニル基、n-デシル基、4-エチルオクチル基、4-エチル-4,5- メチルヘキ
シル基、n-ウンデシル基、n-ドデシル基、1,3,5,7-テトラエチルオクチル基、4-
ブチルオクチル基、6,6-ジエチルオクチル基、n-トリデシル基、6-メチル-4- ブ
チルオクチル基、n-テトラデシル基、n-ペンタデシル基、3,5-ジメチルヘプチル
基、2,6-ジメチルヘプチル基、2,4-ジメチルヘプチル基、2,2,5,5-テトラメチル
ヘキシル基、1-cyclo-ペンチル-2,2- ジメチルプロピル基、1-cyclo-ヘキシル-2
,2- ジメチルプロピル基等の炭素数1〜20の直鎖、分岐又は環状のアルキル基
;クロロメチル基、ジクロロメチル基、フルオロメチル基、トリフルオロメチル
基、ペンタフルオロエチル基、ノナフルオロブチル基等の炭素数1〜20のハロ
ゲノアルキル基;メトキシエチル基、エトキシエチル基、iso-プロピルオキシエ
チル基、3-メトキシプロピル基、2-メトキシブチル基等の炭素数2〜20のアル
コキシアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、iso-プロポキシ
基、n-ブトキシ基、iso-ブトキシ基、sec-ブトキシ基、t-ブトキシ基、n-ペント
キシ基、iso-ペントキシ基、neo-ペントキシ基、n-ヘキシルオキシ基、n-ドデシ
ルオキシ基等の炭素数1〜20のアルコキシ基;ビニル基、プロペニル基、1-ブ
テニル基、iso-ブテニル基、1-ペンテニル基、2-ペンテニル基、2-メチル-1- ブ
テニル基、3-メチル-1- ブテニル基、2-メチル-2- ブテニル基、2,2-ジシアノビ
ニル基、2-シアノ-2- メチルカルボキシルビニル基、2-シアノ-2- メチルスルホ
ンビニル基等の炭素数2〜20のアルケニル基;メトキシエトキシ基、エトキシ
エトキシ基、3-メトキシプロピルオキシ基、3-(iso-プロピルオキシ)プロピル
オキシ基等の炭素数2〜20のアルコキシアルコキシ基;フェノキシ基、2-メチ
ルフェノキシ基、4-メチルフェノキシ基、4-t-ブチルフェノキシ基、2-メトキシ
フェノキシ基、4-iso-プロピルフェノキシ基等の炭素数6〜20のアリールオキ
シ基;ホルミル基、アセチル基、エチルカルボニル基、n-プロピルカルボニル基
、iso-プロピルカルボニル基、n-ブチルカルボニル基、iso-ブチルカルボニル基
、sec-ブチルカルボニル基、t-ブチルカルボニル基、n-ペンチルカルボニル基、
iso-ペンチルカルボニル基、neo-ペンチルカルボニル基、2-メチルブチルカルボ
ニル基、ニトロベンジルカルボニル基等の炭素数1〜20のアシル基;メトキシ
カルボニル基、エトキシカルボニル基、イソプロピルオキシカルボニル基、2,4-
ジメチルブチルオキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;メチルアミノ
カルボニル基、エチルアミノカルボニル基、n-プロピルアミノカルボニル基、n-
ブチルアミノカルボニル基、n-ヘキシルアミノカルボニル基等の炭素数2〜20
のアルキルアミノカルボニル基;ジメチルアミノカルボニル基、ジエチルアミノ
カルボニル基、ジ-n- プロピルアミノカルボニル基、ジ-n- ブチルアミノカルボ
ニル基、N- メチル- N- シクロヘキシルアミノカルボニル基等の炭素数3〜2
0のジアルキルアミノカルボニル基;アセチルアミノ基、エチルカルボニルアミ
ノ基、ブチルカルボニルアミノ基等の炭素数2〜20のアルキルカルボニルアミ
ノ基;フェニルアミノカルボニル基、4-メチルフェニルアミノカルボニル基、2-
メトキシフェニルアミノカルボニル基、4-n-プロピルフェニルアミノカルボニル
基等の炭素数7〜20のフェニルアミノカルボニル基;フェニルカルボニルアミ
ノ基、4-エチルフェニルカルボニルアミノ基、3-ブチルフェニルカルボニルアミ
ノ基等の炭素数7〜20のフェニルカルボニルアミノ基;フェノキシカルボニル
基、2-メチルフェノキシカルボニル基、4-メトキシフェノキシカルボニル基、4-
t-ブチルフェノキシカルボニル基等の炭素数7〜20のフェノキシカルボニル基
;ベンジル基、ニトロベンジル基、シアノベンジル基、ヒドロキシベンジル基、
メチルベンジル基、ジメチルベンジル基、トリメチルベンジル基、ジクロロベン
ジル基、メトキシベンジル基、エトキシベンジル基、トリフルオロメチルベンジ
ル基、ナフチルメチル基、ニトロナフチルメチル基、シアノナフチルメチル基、
ヒドロキシナフチルメチル基、メチルナフチルメチル基、トリフルオロメチルナ
フチルメチル基等の炭素数7〜20のアラルキル基;フェニル基、ニトロフェニ
ル基、シアノフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メチルフェニル基、ジメチル
フェニル基、トリメチルフェニル基、ジクロロフェニル基、メトキシフェニル基
、エトキシフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、N, N- ジメチルアミ
ノフェニル基、ナフチル基、ニトロナフチル基、シアノナフチル基、ヒドロキシ
ナフチル基、メチルナフチル基、トリフルオロメチルナフチル基等の炭素数6〜
20のアリール基;ピロリル基、チエニル基、フラニル基、オキサゾイル基、イ
ソオキサゾイル基、オキサジアゾイル基、イミダゾイル基、ベンゾオキサゾイル
基、ベンゾチアゾイル基、ベンゾイミダゾイル基、ベンゾフラニル基、インドイ
ル基等の炭素数4〜20のヘテロアリール基;メチルチオ基、エチルチオ基、n-
プロピルチオ基、iso-プロピルチオ基、n-ブチルチオ基、iso-ブチルチオ基、se
c-ブチルチオ基、t-ブチルチオ基、n-ペンチルチオ基、iso-ペンチルチオ基、2-
メチルブチルチオ基、1-メチルブチルチオ基、neo-ペンチルチオ基、1,2-ジメチ
ルプロピルチオ基、1,1-ジメチルプロピルチオ基等の炭素数1〜20のアルキル
チオ基;フェニルチオ基、4-メチルフェニルチオ基、2-メトキシフェニルチオ基
、4-t-プチルフェニルチオ基等の炭素数6〜20のフェニルチオ基;ビニル基、
プロペニル基、1-ブテニル基、iso-ブテニル基、1-ペンテニル基、2-ペンテニル
基、2-メチル-1- ブテニル基、3-メチル-1- ブテニル基、2-メチル-2- ブテニル
基、2,2-ジシアノビニル基、2-シアノ-2- メチルカルボキシルビニル基、2-シア
ノ-2- メチルスルホンビニル基等の炭素数2〜20のアルケニル基;アリルオキ
シカルボニル基、2-ブテノキシカルボニル基等の炭素数3〜20のアルケニルオ
キシカルボニル基;ベンジルオキシカルボニル基、フェネチルオキシカルボニル
基等の炭素数8〜20のアラルキルオキシカルボニル基;メトキシカルボニルメ
トキシカルボニル基、エトキシカルボニルメトキシカルボニル基、n-プロポキシ
カルボニルメトキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニルメトキシカルボニ
ル基等の炭素数4〜20のアルコキシカルボニルアルコキシカルボニル基;メチ
ルカルボニルメトキシカルボニル基、エチルカルボニルメトキシカルボニル基等
の炭素数4〜20のアルキルカルボニルアルコキシカルボニル基;ヒドロキシエ
チルアミノカルボニル基、2-ヒドロキシプロピルアミノカルボニル基、3-ヒドロ
キシプロピルアミノカルボニル基等の炭素数2〜20のモノ(ヒドロキシアルキ
ル)アミノカルボール基;ジ(ヒドロキシエチル)アミノカルボニル基、ジ(2-
ヒドロキシプロピル)アミノカルボニル基、ジ(3-ヒドロキシプロピル)アミノ
カルボニル基等の炭素数3〜20のジ(ヒドロキシアルキル)アミノカルボニル
基;メトキシメチルアミノカルボニル基、メトキシエチルアミノカルボニル基、
エトキシメチルアミノカルボニル基、エトキシエチルアミノカルボニル基、プロ
ボキシエチルアミノカルボニル基等の炭素数3〜20のモノ(アルコキシアルキ
ル)アミノカルボニル基;ジ(メトキシエチル)アミノカルボニル基、ジ(エト
キシメチル)アミノカルボニル基、ジ(エトキシエチル)アミノカルボニル基、
ジ(プロポキシエチル)アミノカルボニル基等の炭素数5〜20のジ(アルコキ
シアルキル)アミノカルボール基等を挙げることができる。
【0123】
一般式(XII )で示されるジピロメテン系化合物と一緒にキレート化合物を形
成する金属Mとしては、 一般にジベンゾピロメテン系化合物とキレート化合物
を形成する能力を有する金属であれば特に制限されないが、8、9、10族(VI
II族)、11族(Ib族)、12族(IIb 族)、3族(IIIa族)、4族(IVa 族)
、5族(Va族)、6族(VIa 族)、7族(VIIa族)の金属が挙げられ、好ましく
は、ニッケル、コバルト、鉄、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銅、オスミ
ウム、イリジウム、白金、亜鉛等の遷移元素が挙げられる。
【0124】
【化26】

【0125】
〔(式中、−T−は、酸素原子、硫黄原子、又は、−CR12−で表される基
(R1 、R2 は各々独立に炭素数1〜4のアルキル基を表し、あるいはR1 、R
2 は一緒になって酸素、硫黄、窒素原子を含んでもよい3〜6員環を形成するこ
とがでる。)であり、Yは各々独立に有機基を表し、Xは水素原子、ハロゲン原
子、アルキル基、又は、アリール基を表し、Rは、ハロゲン原子、ニトロ基、ア
ルコキシ基、又は、アリール基を表し、kは、1又は2を表し、Anm-はm価の
アニオンを表し、mは1又は2の整数を表し、pは電荷を中性に保つ係数を表す
。〕
上記一般式(XV)において、式中、R1 、R2 で表される炭素数1〜4のアル
キル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、
第二ブチル、第三ブチル、イソブチル等が挙げられる。また、R1 、R2 から形
成することのできる3〜6員環の酸素、硫黄、窒素原子を含んでもよく、置換基
を有してもよい有機基としては、シクロプロパン−1,1−ジイル、シクロブタ
ン−1,1−ジイル、2,4−ジメチルシクロブタン−1,1−ジイル、3−ジ
メチルシクロブタン−1,1−ジイル、シクロペンタン−1,1−ジイル、シク
ロヘキサン−1,1−ジイル、テトラヒドロピラン−4,4−ジイル、チアン−
4,4−ジイル、ピペリジン−4,4−ジイル、N−置換ピペリジン−4,4−
ジイル、モルホリン−2,2−ジイル、モルホリン−3,3−ジイル、N−置換
モルホリン−2,2−ジイル、N−置換モルホリン−3,3−ジイル等が挙げら
れる。Yで表される有機基としては特に制限を受けず、例えば、メチル、エチル
、プロピル、イソプロピル、ブチル、第二ブチル、第三ブチル、イソブチル、ア
ミル、イソアミル、第三アミル、ヘキシル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメ
チル、2−シクロヘキシルエチル、ヘプチル、イソヘプチル、第三ヘプチル、n
−オクチル、イソオクチル、第三オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、イソ
ノニル、デシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサ
デシル、ペプタデシル、オクタデシル等の直鎖、分岐鎖、もしくは、環状のアル
キル基、好ましくは、C1〜C8のアルキル基:ビニル、1−メチルエテニル、
2−メチルエテニル、プロペニル、ブテニル、イソブテニル、ペンテニル、ヘキ
セニル、ヘプテニル、オクテニル、デセニル、ぺンタデセニル、1−フェニルプ
ロペン−3−イル等のアルケニル基、フェニル、ナフチル、2−メチルフェニル
、3−メチルフェニル、4−メチルフェニル、4−ビニルフェニル、3−イソプ
ロピルフェニル、4−イソプロピルフェニル、4−ブチルフェニル、4−イソブ
チルフェニル、4−第三ブチルフェニル、4−ヘキシルフェニル、4−シクロヘ
キシルフェニル、4−オクチルフェニル、4−(2−エチルヘキシル)フェニル
、4−ステアリルフェニル、2,3−ジメチルフェニル、2,4−ジメチルフェ
ニル、2,5−ジメチルフェニル、2,6−ジメチルフェニル、3,4−ジメチ
ルフェニル、3,5−ジメチルフェニル、2,4−ジ第三ブチルフェニル、シク
ロヘキシルフェニル等のアルキルアリール基、ベンジル、フェネチル、2−フェ
ニルプロパン−2−イル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、スチリル、
シンナミル等のアリールアルキル基等、それがエーテル結合、チオエーテル結合
で中断されたもの、例えば、2−メトキシエチル、3−メトキシプロピル、4−
メトキシブチル、2−ブトキシエチル、メトキシエトキシエチル、メトキシエト
キシエトキシエチル、3−メトキシブチル、2−フェノキシエチル、2−メチル
チオエチル、2−フェニルチオエチルが挙げられ、更にこれらの基は、アルコキ
シ基、アルケニル基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子等で置換されていても
よい。Xで表されるハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、及び、ヨウ素
原子が挙げられ、アルキル基及びアリール基としては、Yの説明の項で例示した
ものと同様のものが挙げられる。Rのハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭
素、及びヨウ素原子が挙げられ、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ
基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、iso−ブチルオキ基、n−ヘキシシル
オキシ基、シクロヘキシルオキシ基、n−オクチルオキシ基等の炭素数1〜8の
直鎖、分岐鎖、又は、環状アルコキシ基が挙げられ、アリール基としては、Yの
項で例示したものと同様なものが挙げられる。Anm-で表されるアニオンとして
は、例えば、一価のものとして、塩素アニオン、臭素アニオン、ヨウ素アニオン
、フッ素アニオン等のハロゲンアニオン;過塩素酸アニオン、塩素酸アニオン、
チオシアン酸アニオン、六フッ化リンアニオン、六フッ化アンチモンアニオン、
四フッ化ホウ素アニオン等の無機系アニオン、ベンゼンスルホン酸アニオン、ト
ルエンスルホン酸アニオン、トリフルオロメタンスルホン酸アニオン等の有機ス
ルホン酸アニオン;オクチルリン酸アニオン、ドデシルリン酸アニオン、オクタ
デシルリン酸アニオン、フェニルリン酸アニオン、ノニルフェニルリン酸アニオ
ン、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)ホスホン酸アニ
オン等の有機リン酸系アニオン等が挙げられ、二価のものとしては、例えば、ベ
ンゼンジスルホン酸アニオン、ナフタレンジスルホン酸アニオン等が挙げられる
。また、金属錯体化合物であるクエンチャーアニオンも必要に応じて用いること
ができる。
上記のクエンチャーアニオンとしては、特開昭60−234892号公報、及
び、特開2002−350632号公報に記載されたようなアニオンが挙げられ
る。例えば、下記一般式(A)及び(B)で表されるアニオンが挙げられる。
【0126】
【化27】

【0127】
(式中、R3 及びR4 は各々独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリ
ール基、−SO2−Z基(Zは、ジアルキルアミノ基、ジアリールアミノ基、ピペリ
ジノ基、モルフォリノ基を表す。)表し、a及びbは各々0〜3を表す。R5
6 、R7 及びR8 は各々独立にアルキル基、アルキルフェニル基、アルコキシ
フェニル基又はハロゲン化フェニル基を表し、Mは、ニッケル又は銅原子を表す
Mは、ニッケル又は銅原子を表す。)
上記一般式(A)において、置換基R3、R4のハロゲン原子としては、フッ素
、塩素、臭素、及びヨウ素原子が挙げられ、アルキル基、及び、アリール基とし
ては、上記一般式(XV)の置換基Yの項で例示したものと同様なものが挙げら
れる。 Zのアルキル基としては、炭素数1〜8の直鎖又は分岐鎖状のアルキル
基が挙げられ、Zのアリール基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子で置
換されていても良いフェニル基が挙げられ、ジアルキルアミノ基のアルキル基と
しては、炭素数1〜8の直鎖又は分岐鎖状のアルキル基が挙げられる。置換基R
3、R4としては、電子吸引性基が好ましく、特に、2,3,5-トリクロル基、2,3-ジ
クロル基、2,4-ジクロル基、2,5-ジクロル基、―SO2Zが好ましい。Zとしては、
ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ-n-プロピルアミノ基、ジ-n-ブチルア
ミノ基、ピペリジノ基、モルフォリノ基が好ましく、特に、モルフォリノ基が好
ましい。
上記一般式(B)において、R5 、R6 、R7 及びR8 のアルキル基、アルキ
ルフェニル基のアルキル基としては、上記一般式(XV)の置換基Yの項で例示
したものと同様なものが挙げられる。アルコキシフェニル基のアルコキシ基とし
ては、上記一般式(XV)の置換基Rの項で例示したものと同様なものが挙げら
れ、ハロゲン化フェニル基のハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、及びヨウ
素原子が挙げられる。
【0128】
一般式(I)から一般式(X)のスクアリリウム系化合物及び一般式(XIV)〜(
XV)の化合物は、置換基の種類により、又、一般式(XI)のテトラアザポルフィ
リン系化合物、及びピロメテン系化合物(XII )の場合、置換基の種類と中心金
属Mの組み合わせにより、吸収波長が異なる。
【0129】
530〜600nm付近に透過率の極小値Kを持たせる為の一般式(V)のス
クアリリウム系化合物の好ましい例としては、特願平2001−265276号
で例示した化合物が挙げられるが、そのうち特に好ましい具体例を以下に示す。
【0130】
【化28】

【0131】
又、530〜600nm付近に透過率の極小値Kを持たせる為の一般式(VI)
のスクアリリウム系化合物の好ましい例としては、一般式(VI)の内、m=3、
n=0、又は、m=3、n=1でR1=置換基を有していても良いアルキル基で
ある化合物が挙げられる。
【0132】
以下にその好ましい具体例を示す。
【0133】
【化29】

【0134】
又、530〜600nm付近に透過率の極小値Kを持たせる為の一般式(VII
)のスクアリリウム系化合物の好ましい例としては、一般式(VII )の内、Zが
イミノ基、Lが水素原子、R6及びR7が、置換基を有していても良いアルキル基
、又は置換基を有していても良いアリール基である化合物が挙げられる。
【0135】
以下にその好ましい具体例を示す。
【0136】
【化30】

【0137】
又、530〜600nm付近に透過率の極小値Kを持たせる為の一般式(VIII
)のスクアリリウム系化合物としては、一般式(VIII)の内、R1=アルキル基
、−W−X−R2において、Wは、イミノ基、Xは、カルボニル基、又はスルホ
ニル基、R2は、置換基を有していても良いアルキル基、又は、置換基を有して
いても良いアルケニル基、置換基を有していても良いアリール基、l=2、又は
、3、m=0、又は1、n=0又は1で、Zが酸素原子、Lが水素原子、R6
びR7が、置換基を有していても良いアルキル基、又は置換基を有していても良
いアリール基の場合か、R1=アルコキシ基、l=0、m=3、n=0で、Zが
イミノ基、Lが水素原子、R6及びR7が、置換基を有していても良いアルキル基
、又は置換基を有していても良いアリール基の場合が好ましい。
【0138】
以下にその好ましい具体例を示す。
【0139】
【化31】

【0140】
又、530〜600nm付近に透過率の極小値Kを持たせる為の一般式(IX)
のスクアリリウム系化合物としては、一般式(IX)の内、R1は、水素原子、ア
ルキル基、又はアリール基、R7は、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子
、又は、アリール基、sは、0〜2の場合が好ましい。
【0141】
以下にその好ましい具体例を示す。
【0142】
【化32】

【0143】
又、530〜600nm付近に透過率の極小値Kを持たせる為の一般式(X)
のスクアリリウム系化合物としては、一般式(X)の内、R1=水素原子、アル
キル基、又はアリール基、R2は、アルキル基、又は、アリール基、s=2、又
は、3の場合が好ましい。
【0144】
以下にその好ましい具体例を示す。
【0145】
【化33】

【0146】
又、530〜600nm付近に透過率の極小値Kを持たせる為の一般式(XI)
のテトラアザポルフィリン系化合物としては、一般式(XI)の内、R1〜R8の少
なくとも4個の基がアルキル基で、残りが水素原子の場合、又は、R1とR2、R
3とR4、R5とR6、R7とR8が各々連結して、−(CH−,−(CH
−,−(CH−等の脂肪族炭素環を形成した場合で、金属原子Mが、V
O、Cu、Ni、Coの場合が好ましい。
【0147】
以下にその好ましい具体例を示す。
【0148】
【化34】

【0149】
又、530〜600nm付近に透過率の極小値Kを持たせるための一般式(XII
)のピロメテン系化合物のうち、好ましい具体例としては、特開平10−226
172の表−1(1) の2−8〜2−10、表―1(2) の2−18、2−20、表
−1(11)の11−1〜11−10、表−1(4) の4−1〜4−13、表−1(5)
の4−14〜4−15、表−1(7) の4−47、4−48、4−51等の化合物
等が挙げられる。
【0150】
又、530〜600nm付近に透過率の極小値を持たせる為の一般式(XV)の
シアニン系化合物の内、好ましい具体例を、化学式と共に、以下の表−1に挙げ
る。
【0151】
【化35】

【0152】
【表1】

【0153】
*1; A-1は、一般式(A)の内、下記の構造を示す。
【0154】
【化36】

【0155】
*2;A-2は、一般式(A)の内、下記の構造を示す。
【0156】
【化37】

【0157】
尚、本発明のフィルターに使用する530〜610nmの波長域に最大吸収を
有する前記一般式(V)〜(XII)、(XIV)〜(XV)、及び(I)〜(III)等の化合
物としては、ディスプレイの発光を阻害しない様に透過率曲線はシャープなバレ
ー型(谷型)を有しているほうが良く、その透過率曲線の半値幅は、60nm以
下であることが好ましい。
【0158】
合成例1(式 I −2の合成)
3,4−ジヒドロキシ−3−シクロブテン−1,2−ジオン 塩化チオニルを
原料として、Tetrahedron Letters,781(1970) の方法で1,2−ジクロロシクロ
ブタン−3,4−ジオンを合成した。
【0159】
次に1,2−ジクロロシクロブタン−3,4−ジオン(A)を用いてDyes and
Pigments 49,161(2001) に記載の以下の方法で、2−クロロ−1−(4−メト
キシフェニル)シクロブタン3,4−ジオン [EI-MS ;m/z 222(M+), 1H-NMR(40
0MHz,inCDCl3δ,ppm) ;3.93(s,3H)、7.08(d,2H)、8.25(d,2H)]]を経由し、2
−メトキシ−1−(4−ヒドロキシフェニル)シクロブタン3,4−ジオン [1H
-NMR(400MHz ,inCDCl3δ,ppm) ;3.90(s,3H)、7.04(d,2H)、8.11 (d,2H)]] を
合成した。
【0160】
【化38】

【0161】
さらに2−ヒドロキシ−1−(4−メトキシフェニル)シクロブタン3,4−
ジオン0.10g(0.49mmol)、をn−デカンン酸(3,5−ジヒドロ
キシ−フェニル)−アミド0.14g(0.49mmol)、トルエン20ml
及びn−ブタノール20mlを反応容器に加え、ジーンスターク装置を備えた反
応容器に加え、4時間加熱還流させる。
反応終了後、反応混合物を放冷し、沈殿物を濾過、トルエン/ヘキサンで洗浄
、乾燥し、目的の化合物(1A−2)0.15g(収率65.8%)を得た。
[可視部吸収 λmax :552nm(テトラヒドロフラン) マススペクトル
MALDI−TOF MS(neg,no marix)法:m/z =465(
M−)]
【0162】
合成例2(式 I −4の合成)
2−ヒドロキシ−1−(4−メトキシフェニル)シクロブタン3,4−ジオ
ン0.10g(0.49mmol)、を1,3,5−トリヒドロキシベンゼン0
.063g(0.50mmol)、トルエン20ml及びn−ブタノール20m
lを反応容器に加え、ジーンスターク装置を備えた反応容器に加え、4時間加熱
還流させた。
反応終了後、反応混合物を放冷し、沈殿物を濾過、トルエン/ヘキサンで洗浄
、乾燥し、目的の化合物(I −4)0.12g(収率85.0%)を得た。
[可視部吸収 λmax :532nm(テトラヒドロフラン), マススペクト
ル MALDI−TOF MS(negative ion mode ,matrix:α-CHCA )法:
m/z =311(M−H)]
【0163】
合成例3(式 III −3の合成)
2’−ノネノイック酸(3,5−ジヒドロキシフェニルアミド)0.30g、
及び、3,4−ジヒドロキシ−3−シクロブテン−1,2−ジオン0.065g
とをトルエン20mlとn−ブタノール20mlの混合溶媒と共に、ジーンスタ
ーク装置を備えた反応容器に入れ、4時間加熱還流させて、反応させ、反応終了
後、反応混合物を放冷し、沈殿物を濾過、トルエンで洗浄し、乾燥させることに
より、目的の化合物(III −3)0.21g(収率60.9%)を得た。
[可視部吸収 λmax :609nm(テトラヒドロフラン) 、マススペクト
ル DEI−MS(pos) 法:m/z =605(M+H)]
【0164】
合成例4(式 II−5の合成)
2’−エチルヘキサン酸(3,5−ジヒドロキシフェニルアミド)0.251
g、1−メチル−3−n−プロピル−2−ピラゾリン−5−オン0.14g、及
び、3,4−ジヒドロキシ−3−シクロブテン−1,2−ジオン0.114gと
をトルエン20mlとn−ブタノール20mlの混合溶媒と共に、ジーンスター
ク装置を備えた反応容器に入れ、4時間加熱還流させて、反応させ、反応終了後
、反応混合物を放冷し、沈殿物を濾過、トルエンで洗浄し、乾燥させることによ
り、反応物0.25gを得た。
【0165】
1 H−NMR〔500MHz、d8−THF、δ(ppm)、25℃〕により
、1,3−ビス(5−ヒドロキシ−1−メチル−3−プロピル−1H−ピラゾー
ル−4−イル)シクロブテンジイリウム−2,4−ジオラート、1,3−ビス(
2−(2−エチルヘキサノイル)アミノ−4, 6−ジヒドロキシ−フェニル)シ
クロブテンジイリウム−2,4−ジオラート、及び、前記式(II−5)の18:
29:53の混合物であった。尚、1,3−ビス(5−ヒドロキシ−1−メチル
−3−プロピル−1H−ピラゾール−4−イル)シクロブテンジイリウム−2,
4−ジオラート、及び1,3−ビス(2−(2−エチルヘキサノイル)アミノ−
4,6−ジヒドロキシ−フェニル)シクロブテンジイリウム−2,4−ジオラー
トは、それぞれ、特願2000−149260号、実施例2及び特願2000―
266415号、実施例2に記載のそれぞれと、Mass、NMR、IRが一致
した。
II−5;
可視部吸収 ;λmax:549nm(テトラヒドロフラン)
マススペクトル; DEI−MS(pos) 法:m/z =469(M+H)
1 H−NMR〔500MHz、d8 −THF、δ(ppm)、25℃〕;
10.32(1H,s), 7.96(1H,d), 5.94(1H,d), 3.57(3H,s),2.83(2H,t ),
2.52(1H,m ),1.80-0.80(19H,m)
【0166】
合成例5(式II−11の合成)
3,4−ジメトキシ−3−シクロブテン−1,2−ジオン 1.0g、1−(p
−トリル)−3−メチルピラゾリン−5−オン 1.33gをメタノール 72
mlに溶解し、この溶液に炭酸カリウム0.97gを添加し25℃で2時間撹拌
し、析出物を濾取した。得られた固体を炭酸カリウム0.37gと水16mlの
混合液に加え、50℃で5時間反応させた後、水32ml及び1mol/l塩酸
水溶液を加えて、析出物を濾取した。得られた個体にn−ブタノール100ml
、トルエン100ml及び2’−エチルヘキサン酸(3,5−ジヒドロキシフェ
ニルアミド)0.84gを加え、ジーンスターク装置を備えた反応容器に加え、
4時間加熱還流させた。 反応終了後、反応混合物を10mlまでエバポレータ
ーで濃縮した後、メタノール10mlを加え、室温まで冷却し、沈殿物を濾取し
て、目的の化合物(II−11)0.80gを得た。
[融点:143℃, 可視部吸収 λmax:557nm(テトラヒドロフラ
ン),マススペクトル:DEI−MS法 m/z=517(M+ )]
【0167】
合成例6(式II−14の合成)
合成例5の1−(p−トリル)−3−メチルピラゾリン−5−オン 1.33g
の代わりに、1−(tert−ブチル)−3−フェニルピラゾリン−5−オン 1.
1gを使用する以外は、合成例5と同様な操作を行い、目的の化合物(II−14
)0.33gを得た。
[融点:138℃, 可視部吸収 λmax:558nm(テトラヒドロフラ
ン),マススペクトル:DEI−MS法 m/z=545(M+ )]
【0168】
この発明の電子ディスプレイ用フィルターは、前述したスクアリリウム系化合
物及び/又はテトラアザポルフィリン系化合物を単独又は混合して含有する。そ
の含有形態としては、代表的には、シート状あるいはフィルム状の透明基材上に
、前述したスクアリリウム系化合物及び/又はテトラアザポルフィリン系化合物
を含有するバインダー樹脂によりスクアリリウム系化合物及び/又はテトラアザ
ポルフィリン系化合物含有樹脂を形成させた積層体、又は前記スクアリリウム系
化合物及び/又はテトラアザポルフィリン系化合物を含有するバインダー樹脂そ
のものから成るスクアリリウム系化合物及び/又はテトラアザポルフィリン系化
合物含有樹脂の単層シートあるいはフィルムが挙げられる。
【0169】
また、複数のスクアリリウム系化合物及び/又はテトラアザポルフィリン系化
合物を含有する場合、それぞれを別にバインダー樹脂に混入させ、スクアリリウ
ム系化合物及び/又はテトラアザポルフィリン系化合物を含有する各バインダー
樹脂を積層することにより、個々の化合物が別層に存在する積層体の形態をとっ
てもよい。
【0170】
この発明の電子ディスプレイ用フィルターは、反射防止、近赤外線吸収、電磁
波吸収等、フィルターとして必要な機能を含む構成において、例えば、530n
m〜600nmの波長域における透過率の極小値Kを、30%以下、好ましくは
20%以下にして、その場合に、610nmの透過率(%)の値cと、435n
m、545nmの透過率(%)の値a、bを、610nmの透過率(%)cに対
し、|c−a|≦10(%)、|c−b|≦10(%)、|a−b|≦10(%
)となるように、a、bの値を揃え、電子ディスプレイ用フィルター自体が不自
然に色付かないようにしている。
【0171】
但し、電子ディスプレイ発光の輝度を大きく低下させないために、視感透過率
Y1が30%以上、好ましくは40%以上、更に好ましくは45%以上であるこ
とが望ましい。視感透過率は、JIS Z8105−1982に記述された、物
体を透過する光束φtと物体に入射する光束φiとの比、φt/φiであり、人
の視覚系の明るさ感覚に対する相対分光応答度( 分光視感効率) を考慮した上で
の、380nm〜780nmの波長域における透過率の平均で、これは物体の相
対的な明暗を示す明度とおおむね相関するため、視感透過率をフィルターの明る
さ/暗さの指標としている。
【0172】
また、この発明の電子ディスプレイ用フィルターの耐光性を上げるために紫外
線吸収層を設けることができる。
【0173】
さらに、この発明の電子ディスプレイ用フィルターは、近赤外線カット層や電
磁波カット層を設けることができる。近赤外線カット層は、プラズマディスプレ
イから放射される近赤外線によるリモコンや伝送系光通信における誤動作を防止
する目的でディスプレイの前面に設置する。電磁波カット層は、金属酸化物等の
蒸着或いはスパッタリング方法、あるいは銅箔や銅メッキ層のエッチングによる
メッシュ等が利用でき、電子ディスプレイから放射される電磁波をカットする。
【0174】
この電子ディスプレイ用フィルターは、単独層でも、また透明のガラスや他の
透明樹脂板等と貼り合わせた積層体としても用いることができる。また、電子デ
ィスプレイ表示面へ直接貼付される部材、透明ガラスや他の透明樹脂板等と貼り
合わせた積層体として設置される部材等、複数の部材の特性を組み合わせること
で本発明を実施することもできる。本発明の電子ディスプレイ用フィルターを用
いて、電子ディスプレイ、またはプラズマディスプレイパネル表示装置を得るに
は、表示装置として、公知の表示装置あるいは市販品であれば特に限定なく使用
することができる。
【実施例】
【0175】
以下に、この発明を実施例により更に詳細に説明するが、この発明はその要旨
を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
【0176】
フィルターの評価方法
1.透過率:
島津分光光度計UV3100PCにより、フィルターの435nm、545n
m、610nmの各光線波長の透過率を測定した。
2.フィルター着色の視感評価:
日立製作所社製プラズマディスプレイ(W32−PD2100)から前面ガラ
スフィルターを取り外した後のディスプレイパネルの前にフィルターを設置し、
プラズマディスプレイの電源を切断した状態で、普通形白色蛍光灯及び、3波長
域発光形昼白色蛍光灯のどちらか一方でフィルターを照射し、それぞれの場合に
ついてフィルターの色を目視評価した。なお、評価は天井に普通形白色蛍光灯と
、3波長域発光形昼白色蛍光灯のそれぞれが設置された暗室内で実施した。
【0177】
実施例1
ポリエチレンテレフタレート製フィルム(三菱化学ポリエステルフィルム社製
PETフィルム「T 600E」、厚み50μm)に、ポリメチルメタクリレー
ト樹脂(ダイヤナール BR−80;三菱レーヨン社製) 30wt%トルエン
溶液に前記具体例(III−3) の化合物(スクアリリウム系化合物) 0.150
wt%/樹脂分、前記具体例(VI −3) の化合物(スクアリリウム系化合物)
0.320wt%/樹脂分、前記具体例(IV −3) の化合物(ジピラゾリルメチ
ン系化合物) 0.250wt%/樹脂分、THF、DME、トルエンを混合溶
解し、NO.30バーコーター(太祐機材社製)で塗工し、乾燥し、膜厚4.5
μmのコーティング膜を有するフィルターを得た。これをフィルターAとする。
【0178】
ポリエチレンテレフタレート製フィルム(三菱化学ポリエステルフィルム社製
PETフィルム「T 600E」、厚み50μm)に、ポリメチルメタクリレー
ト樹脂(ダイヤナール BR−80;三菱レーヨン社製) 30wt%トルエン
溶液にジイモニウム系近赤外線吸収色素(N,N,N' ,N’−テトラキス(p
−ジブチルアミノフェニル)−p−フェニレンジイモニウムの六フッ化アンチモ
ン酸塩) 7.6%/樹脂分、トルエン、MEKを混合溶解して、NO.30バ
ーコーター(太祐機材(株)製)で塗工し、乾燥してコーティング膜を有するフ
ィルムの裏面に、ポリメチルメタクリレート樹脂(ダイヤナール BR−80;
三菱レーヨン社製) 30wt%トルエン溶液にジチオールニッケル錯体近赤外
線吸収色素{ビス−2,2−[1,2−ジ(3−クロロフェニル)エチレンジイ
ミン]ベンゼンチオラート}ニッケル(II) 9.2wt%/樹脂分、トルエン
、THFを混合溶解して同様にコーティングしたフィルターと、上記フィルター
Aと、電磁波シールドメッシュ(線巾10μm、線ピッチ250μm)、ガラス
を貼り合わせ、更に反射防止フィルム(日本油脂製リアルック8500)を、U
V吸収剤を添加した粘着剤により貼り合わせて、プラズマディスプレイパネル用
フィルターを得た。
【0179】
このフィルターの610nm、545nm、435nmの各波長における透過
率、及び普通形白色蛍光灯、3波長域発光形昼白色蛍光灯でのフィルターの色調
を評価した。各評価結果を表1に示す。
【0180】
実施例2
前記具体例(III −3)(スクアリリウム系化合物)の添加量を0.210w
t%/樹脂分、前記具体例(VI−3)の化合物(スクアリリウム系化合物)に
替えて前記具体例(VI−2)の化合物(スクアリリウム系化合物)の添加量を
0.150wt%/樹脂分、前記具体例(IV−3)の化合物(ジピラゾリルメチ
ン系化合物)の添加量を0.600wt%/樹脂分とした以外は、実施例1と同
様にしてプラズマディスプレイパネル用フィルターを得た。
【0181】
得られたフィルターの610nm、545nm、435nmの各波長における
透過率、及び普通形白色蛍光灯、3波長域発光形昼白色蛍光灯でのフィルターの
色調を評価した。各評価結果を表1に示す。
【0182】
実施例3
前記具体例(III −3)(スクアリリウム系化合物)の添加量を0.120w
t%/樹脂分、前記具体例(VI−3)の化合物(スクアリリウム系化合物)に替
えて前記具体例(XI−1)の化合物(テトラアザポルフィリン系化合物)の添加
量を0.192wt%/樹脂分、前記具体例(IV−3)の化合物(ジピラゾリル
メチン系化合物)に替えて前記具体例(VI−1)の化合物(スクアリリウム系化
合物)の添加量を0.048wt%/樹脂分とした以外は、実施例1と同様にし
てプラズマディスプレイパネル用フィルターを得た。
【0183】
得られたフィルターの610nm、545nm、435nmの各波長における
透過率、及び普通形白色蛍光灯、3波長域発光形昼白色蛍光灯でのフィルターの
色調を評価した。各評価結果を表1に示す。
【0184】
実施例4
前記具体例(III −3)の化合物(スクアリリウム系化合物)に替えて前記具
体例(V−3)の化合物(スクアリリウム系化合物)0.150wt%/樹脂分
とした以外は、実施例1と同様にしてプラズマディスプレイパネル用フィルター
を得た。
【0185】
得られたフィルターの610nm、545nm、435nmの各波長における
透過率、及び普通形白色蛍光灯、3波長域発光形昼白色蛍光灯でのフィルターの
色調を評価した。各評価結果を表1に示す。
【0186】
実施例5
前記具体例(III −3)の化合物(スクアリリウム系化合物)に替えて前記具
体例(V−3)の化合物(スクアリリウム系化合物)0.210wt%/樹脂分
、前記具体例(VI−2)の化合物(スクアリリウム系化合物)に替えて前記具体
例(VI−1)の化合物(スクアリリウム系化合物)0.150wt%/樹脂分と
した以外は、実施例2と同様にしてプラズマディスプレイパネル用フィルターを
得た。
【0187】
得られたフィルターの610nm、545nm、435nmの各波長における
透過率、及び普通形白色蛍光灯、3波長域発光形昼白色蛍光灯でのフィルターの
色調を評価した。各評価結果を表1に示す。
【0188】
実施例6
前記具体例(III −3)の化合物(スクアリリウム系化合物)に替えて前記具
体例(V−3)の化合物(スクアリリウム系化合物)0.330wt%/樹脂分
、前記具体例(VI−3)の化合物(スクアリリウム系化合物)に替えて前記具体
例(VI−1)の化合物(スクアリリウム系化合物)0.080wt%/樹脂分、
前記具体例(IV−3)の化合物(ジピラゾリルメチン化合物)の添加量を0.6
00wt%/樹脂分、更に前記具体例(I−4)の化合物(スクアリリウム系化
合物)を0.090wt%/樹脂分添加とした以外は、実施例1と同様にしてプ
ラズマディスプレイパネル用フィルターを得た。
【0189】
得られたフィルターの610nm、545nm、435nmの各波長における
透過率、及び普通形白色蛍光灯、3波長域発光形昼白色蛍光灯でのフィルターの
色調を評価した。各評価結果を表1に示す。
【0190】
実施例7
前記具体例(III −3)の化合物(スクアリリウム系化合物)に替えて前記具
体例(V−3)の化合物(スクアリリウム系化合物)0.330wt%/樹脂分
、前記具体例(VI−3)の化合物(スクアリリウム系化合物)に替えて前記具体
例(II−11)の化合物(スクアリリウム系化合物)0.210wt%/樹脂分
、前記具体例(IV−3)の化合物(ジピラゾリルメチン化合物)の添加量を0.
750wt%/樹脂分とした以外は、実施例1と同様にしてプラズマディスプレ
イパネル用フィルターを得た。
【0191】
得られたフィルターの610nm、545nm、435nmの各波長における
透過率、及び普通形白色蛍光灯、3波長域発光形昼白色蛍光灯でのフィルターの
色調を評価した。各評価結果を表1に示す。
【0192】
比較例1
前記具体例(III −3)の化合物(スクアリリウム系化合物)に替えて前記具
体例(XI−1)の化合物(テトラアザポルフィリン系化合物)0.384wt%
/樹脂分、前記具体例(VI−3)に替えて前記具体例(VI−1)の化合物(スク
アリリウム系化合物)0.064wt%/樹脂分、前記具体例(IV−3)の化合
物(ジピラゾリルメチン系化合物)の添加量を0.350wt%/樹脂分とした
以外は、実施例1と同様にしてプラズマディスプレイパネル用フィルターを得た

【0193】
得られたフィルターの610nm、545nm、435nmの各波長における
透過率、及び普通形白色蛍光灯、3波長域発光形昼白色蛍光灯でのフィルターの
色調を評価した。各評価結果を表1に示す。
【0194】
比較例2
前記具体例(III −3)の化合物(スクアリリウム系化合物)の添加量を0.
240wt%/樹脂分、前記具体例(VI−3)の化合物(スクアリリウム系化合
物)に替えて前記具体例(VI−1)の化合物(スクアリリウム系化合物)0.1
59wt%/樹脂分、前記具体例(IV−3)の化合物(ジピラゾリルメチン系化
合物)を添加せずとした以外は、実施例1と同様にしてプラズマディスプレイパ
ネル用フィルターを得た。
【0195】
得られたフィルターの610nm、545nm、435nmの各波長における
透過率、及び普通形白色蛍光灯、3波長域発光形昼白色蛍光灯でのフィルターの
色調を評価した。各評価結果を表1に示す。
フィルター着色の視感評価:
実施例1〜実施例7は普通形蛍光灯、3波長発光形蛍光灯のどちらで照射して
も、グレーに近い違和感のない色であった。比較例1は普通形蛍光灯で照射した
場合にはグレーであったが、3波長発光形蛍光灯で照射すると赤くなり、違和感
があった。比較例2はどちらの蛍光灯で照射しても紫系の色で違和感があった。
【0196】
【表2】

【図面の簡単な説明】
【0197】
【図1】この発明に係る電子ディスプレイ用フィルターの可視光領域における透過スペクトルを示す図である。
【図2】この発明に係る電子ディスプレイ用フィルターの可視光領域における透過スペクトルの他の例を示す図である。
【図3】各種外光の発光スペクトルを示す特性図である。
【符号の説明】
【0198】
a 435nmにおけるフィルターの透過率(%)
b 545nmにおけるフィルターの透過率(%)
c 610nmにおけるフィルターの透過率(%)
K、Ka、Kb 極小値

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(II)で表されるスクアリリウム系化合物を含有することを特徴とする
電子ディスプレイ用フィルター。
【化1】

〔式(II)中、R1は、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を
有していてもよいアルコキシ基を示し、置換基Aは、水酸基、又はW−X−R2
(Wは、イミノ基、又はアルキルイミノ基を示し、Xは、カルボニル基、又は
スルホニル基を示し、R2は、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基
、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアリール
基、又は置換基を有していてもよい複素環基を示し、mは、0又は1を示し、R
6,R7は、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよ
いアリール基を示し、Zは、酸素原子を示す。)を示す。
【請求項2】
請求項1に記載の電子ディスプレイ用フィルターを使用した電子ディスプレイ
装置。
【請求項3】
下記一般式(II)で表されるスクアリリウム系化合物。
【化2】

〔式(II)中、R1は、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を
有していてもよいアルコキシ基を示し、置換基Aは、水酸基、又はW−X−R2
(Wは、イミノ基、又はアルキルイミノ基を示し、Xは、カルボニル基、又は
スルホニル基を示し、R2は、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基
、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアリール
基、又は置換基を有していてもよい複素環基を示し、mは、0又は1を示し、R
6,R7は、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよ
いアリール基を示し、Zは、酸素原子を示す。)を示す。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−241459(P2006−241459A)
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−56688(P2006−56688)
【出願日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【分割の表示】特願2003−165480(P2003−165480)の分割
【原出願日】平成15年6月10日(2003.6.10)
【出願人】(000005968)三菱化学株式会社 (4,356)
【Fターム(参考)】