説明

電子メール対応ファクシミリ装置、FAX原稿処理方法、及びプログラム

【課題】電子メールの送受信が行えるファクシミリ装置において、分割形式のメールは、分割されたメールの合計サイズ分の受信メモリが必要となるため、1メールのサイズでは受信可能サイズか否か判断できない。
【解決手段】LISTコマンドでPO3サーバにあるメールの数と各メールのサイズを取得した後、TOPコマンドを使用し、先頭(メール1)のメールのヘッダー情報を取得する。受信したヘッダー情報から分割メールであることを示すTAG情報を検索し、このTAG情報から2つに分割されたメールであることを認識する。残りの1つのメールを検索するため、POP3サーバにある残りのメール2についてもTOPコマンドを使用しヘッダー情報を取得する。メール2のヘッダー情報からメール1の分割メールであることを認識すると、メール1、メール2の合計サイズを受信メールのサイズとして扱う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子メール対応ファクシミリ装置に関し、特にメールサイズを確認する電子メール対応ファクシミリ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットFAX(Facsimile)サービスを利用できる電子メール対応ファクシミリ装置(以下、FAX装置と呼ぶ)では、FAX原稿を電子メール(以下、メールと呼ぶ)の添付ファイルにして送受信を行う機能を有している。
【0003】
FAX原稿は、A4サイズ以上の画像ファイルとなるため、文字だけのメールと比べてメールの容量が大きくなる。
【0004】
会社の支店等、小規模な店舗におかれるパーソナルファクシミリでは、コスト等の関係でメモリ容量はあまり大きくできない。そのため、容量の大きなメールが送られてきた時に、パーソナルファクシミリでは当該メールを受信、及び処理できず、送られてきたメールをメールサーバに残し、パソコン等の他の装置で該当のメールサーバに接続してメールを受信、削除しなくてはならないという問題があった。
【0005】
従来の電子メール対応ファクシミリ装置(FAX装置)では、FAX装置の受信可能容量を超えるメールを受信した場合、メール内容(FAX原稿)を印刷できない旨を記載したレポートを印刷し、受信したメールをメールサーバから削除しないようにしていた。
【0006】
メールサーバに残されたメールについては、利用者がパソコン等の他の装置を用いてメールサーバから受信し、メールサーバ上のメールを削除することになる。しかし、利用者が上記操作を行わなかった場合、メールサーバにメールが残ったままとなり、同種のメール件数が増え、最終的にメールサーバの受信容量を超え、メール受信ができなくなってしまうという問題があった。
【0007】
他の方法として、特開2005−229294号公報(特許文献1)のように、機器管理専用の端末を用意し、専用端末にメール受信を依頼し、受信、削除する方法が提案されている。しかし、この場合、受信依頼のメールを受けて該当するメールのみ受信する仕組みを持った専用の端末を用意する必要があった。
【0008】
関連する技術として、特開2002−057695号公報(特許文献2)にファクシミリサーバと該サーバを用いた通信方法が開示されている。この関連技術では、ファクシミリサーバが、電子メールのデータサイズをメールサーバに問い合わせると共に、受信可能なデータサイズを検出し、電子メールのデータサイズが大き過ぎる場合に、メールをパケット単位で受信して、転送先又はメールの送信元へパケット単位で送信する。
【0009】
上記の技術を用いることで、電子メールのデータサイズが大き過ぎる場合に、メールデータ全てを装置側に受信することなく、メールデータの一部を受信した時点でメールを転送するようにすることが可能になる。これにより、メールサイズが装置の受信可能容量を超えていても対応することができる。
【0010】
また、特開2003−209656号公報(特許文献3)にファクシミリ装置が開示されている。この関連技術では、ファクシミリ装置の制御ユニットは、原稿の画像情報を読み取り画像データを出力する画像情報読取手段と、画像データの送受信手段と、電子メールの受信プロトコルと送信プロトコルとを処理する手段と、メールデータを転送する転送先アドレスを登録する手段とを有する。ファクシミリ装置の制御ユニットは、指定された転送先アドレス又はそのメールデータのヘッダーに含まれる転送先アドレスを宛先として、受信したメールデータを送信メールサーバに転送する。これにより、ファクシミリ装置において、記憶装置の容量を超える容量の大きいメールデータが廃棄されることなくファクシミリ出力できるようにする。
【0011】
また、特開平09−200482号公報(特許文献4)に画像形成装置が開示されている。この関連技術では、画像形成装置において、コントロールパネルを介してユーザにより自動転送モードが設定されると、転送処理制御部は、FAX処理部により受信されたFAXデータをデータ蓄積装置に一時的に蓄積させた後、自動メール分離/作成部を制御してFAXデータを電子メールの添付ファイルとして付加し、転送用電子メールを作成させる。更に、転送処理制御部は、電子メール処理部を制御して所定のアドレスを有するLAN上のメールサーバにネットワーク通信部を介して転送用電子メールを送信させる。これにより、画像形成装置において、メモリ容量を大きくすることなく、ファクシミリデータを確実に受信できるようにする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2005−229294号公報
【特許文献2】特開2002−057695号公報
【特許文献3】特開2003−209656号公報
【特許文献4】特開平09−200482号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかし、電子メールの送受信が行えるファクシミリ装置において、分割形式のメールは、分割されたメールの合計サイズ分の受信メモリが必要となるため、1メールのサイズでは、装置の受信可能容量に収まる受信可能サイズか否か判断できないという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の電子メール対応ファクシミリ装置は、FAX原稿をメールの添付ファイルとして送信するメールサーバから、メールサーバ上のメールの数と個々のメールのサイズを取得し、メールサーバにあるメールを受信し、受信メールをメールサーバから削除するメール受信制御部と、受信メールを蓄積するメールデータ蓄積部と、受信メールのサイズに応じて、蓄積されたメールに添付されたFAX原稿を出力する出力制御部とを具備する。メール受信制御部は、メールサーバ上の個々のメールのヘッダー情報を受信し、受信したヘッダー情報に基づいて、分割メールであるか否か判断し、分割メールである場合、分割メールの合計サイズを受信メールのサイズとして扱う。
【0015】
本発明のFAX原稿処理方法は、電子メール対応ファクシミリ装置により実施されるFAX原稿処理方法であって、FAX原稿をメールの添付ファイルとして送信するメールサーバから、メールサーバ上のメールの数と個々のメールのサイズを取得することと、メールサーバ上の個々のメールのヘッダー情報を受信し、受信したヘッダー情報に基づいて、分割メールであるか否か判断することと、分割メールである場合、分割メールの合計サイズを受信メールのサイズとして扱うことと、メールサーバにあるメールを受信し、受信メールをメールサーバから削除することと、受信メールを蓄積することと、受信メールのサイズに応じて、蓄積されたメールに添付されたFAX原稿を出力することとを含む。
【0016】
本発明のプログラムは、FAX原稿をメールの添付ファイルとして送信するメールサーバから、メールサーバ上のメールの数と個々のメールのサイズを取得するステップと、メールサーバ上の個々のメールのヘッダー情報を受信し、受信したヘッダー情報に基づいて、分割メールであるか否か判断するステップと、分割メールである場合、分割メールの合計サイズを受信メールのサイズとして扱うステップと、メールサーバにあるメールを受信し、受信メールをメールサーバから削除するステップと、受信メールを蓄積するステップと、受信メールのサイズに応じて、蓄積されたメールに添付されたFAX原稿を出力するステップとを電子メール対応ファクシミリ装置に実行させるためのプログラムである。なお、本発明のプログラムは、記憶装置や記憶媒体に格納することが可能である。
【発明の効果】
【0017】
電子メール対応ファクシミリ装置において、分割形式のメールであっても、メールサイズが受信可能サイズか否か判断できるようにして、分割メールをまとめて受信メールとして処理できるようにし、受信できないサイズのメールがメールサーバに残り、この残されたメールがメールサーバの受信空き容量を圧迫して他のメールが受け取れなくなる、という問題を、特別な機器を別に用意することなく防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1実施形態に係るインターネットFAXサービスシステムについて説明するための図である。
【図2】本発明の電子メール対応ファクシミリ装置の構成例を示すブロック図である。
【図3】POP3メール受信シーケンスについて説明するための図である。
【図4A】メール転送時シーケンスについて説明するための図である。
【図4B】メール転送時シーケンスについて説明するための図である。
【図5A】メール出力時シーケンスについて説明するための図である。
【図5B】メール出力時シーケンスについて説明するための図である。
【図6】分割メール受信シーケンスについて説明するための図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係るインターネットFAXサービスシステムを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
<第1実施形態>
以下に、本発明の第1実施形態について添付図面を参照して説明する。
図1では、電子メール対応ファクシミリ装置(以下、FAX装置と呼ぶ)が受信可能容量(残量)を超える電子メール(以下、メールと呼ぶ)を受信した時のメールデータの流れを示す。
【0020】
[全体構成]
図1に示すように、本発明に係るインターネットFAXサービスシステムでは、第1端末10と、メールサーバA20と、FAX装置30と、メールサーバB40と、第2端末50を含む。
【0021】
第1端末10、メールサーバA20、FAX装置30、メールサーバB40、及び第2端末50は、それぞれネットワークを介して接続されている。ネットワークは、メールの送受信が可能な通信回線である。有線、無線は問わない。ネットワークの例として、インターネット、LAN(Local Area Network)、無線LAN(Wireless LAN)、WAN(Wide Area Network)、バックボーン(Backbone)、ケーブルテレビ(CATV)回線、固定電話網、携帯電話網、WiMAX(IEEE 802.16a)、3G(3rd Generation)、専用線(lease line)等が考えられる。但し、実際には、これらの例に限定されない。
【0022】
第1端末10は、インターネットFAXサービスを利用できる電子メール対応ファクシミリ装置であり、FAX原稿をメールの添付ファイルにして送受信を行う。
【0023】
メールサーバA20は、POP3(Post Office Protocol)サーバA21と、SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)サーバA22を備える。
【0024】
POP3サーバA21は、FAX装置30がメール受信に使用するサーバである。SMTPサーバA22は、FAX装置30がメール送信に使用するサーバである。FAX装置30のメールアドレスをアドレスAとする。
【0025】
メールサーバB40は、POP3サーバB41と、SMTPサーバB42を備える。
【0026】
POP3サーバA41は、第2端末50がメール受信に使用するサーバである。SMTPサーバB42は、第2端末50がメール送信に使用するサーバである。第2端末50のメールアドレスをアドレスBとする。
【0027】
[基本動作]
第1端末10は、アドレスA宛にメールを送信する。第1端末10からアドレスAにメールを送信すると、POP3サーバA21にメールが届く。
【0028】
POP3サーバA21は、アドレスA宛のメールを受信する。
【0029】
FAX装置30は、POP3サーバA21からメールを受信する。FAX装置30は、メールを受信する際、メールのサイズが装置受信可能容量を超えるメールと認識した場合、メールの受信開始後、受信データをメールの内容としたアドレスB宛のメールを作成し、作成したメールを送信する動作をメール受信と並行して行う。FAX装置30からアドレスBにメールを送信すると、SMTPサーバA22にメールが届く。
【0030】
また、FAX装置30は、メール受信及びメール送信が終了した後、受信したメールをメールサーバA20から削除する。
【0031】
SMTPサーバA22は、FAX装置30からアドレスB宛のメールを受信すると、アドレスB宛にメールを送信する。SMTPサーバA22からアドレスB宛にメールを送信すると、POP3サーバB41にメールが届く。
【0032】
POP3サーバB41は、アドレスB宛のメールを受信する。
【0033】
第2端末50は、POP3サーバB41からメールを受信する。
【0034】
なお、POP3は一例に過ぎない。実際には、POP3の代わりに、IMAP4(Internet Message Access Protocol)、APOP(Authenticated Post Office Protocol)等を用いることも考えられる。
【0035】
また、FAX装置30は、メールのサイズが装置受信可能容量を超えるメールと認識した場合、アドレスB宛のメール転送と同時に、送信元の第1端末10に対して、FAX装置30の受信可能容量を超えている旨の通知を、FAX又は電子メールの形式で送信するようにしても良い。例えば、FAX装置30は、上記の通知内容を定型文として画像データ又はテキストデータ等の形式で予め用意しておき、メールのサイズが装置受信可能容量を超えるメールと認識した場合、上記の画像データ又はテキストデータ等に基づいてFAX原稿又はメールデータを作成し、送信元の第1端末10に対して送信するようにする。
【0036】
また、FAX装置30は、メールのサイズが装置受信可能容量を超えるメールと認識した場合、送信元の第1端末10の識別情報(電話番号、メールアドレス等)を「容量超過データ送信者」として履歴に残し、所定期間内(例えば同日中)に所定の回数(例えば3回)、装置受信可能容量を超えるメールを送信してきた場合、この条件に該当した時点から一定期間(例えば24時間)、第1端末10からのメールの受信を拒否する設定を行うようにしても良い。
【0037】
[ハードウェアの例示]
第1端末10、FAX装置30、及び第2端末50は、インターネットFAX対応の電子機器であれば良い。なお、FAX装置30は、第2端末50と比べてメール受信可能容量が小さいものとする。
【0038】
第1端末10、FAX装置30、及び第2端末50の例として、メールの送受信が可能なPC(パソコン)、ファクシミリ装置、複合機、携帯電話機、カーナビ(カーナビゲーションシステム)、携帯型ゲーム機、家庭用ゲーム機、ガジェット(電子機器)、双方向テレビ、デジタルチューナー、デジタルレコーダー、情報家電(information home appliance)、OA(Office Automation)機器、IP電話機(IP phone)等が考えられる。第1端末10、FAX装置30、及び第2端末50は、車両や船舶、航空機等の移動体に搭載されていても良い。
【0039】
更に、第2端末50は、プリンタ(印刷装置)やディスプレイ(表示装置)、或いはこれらに受信メールの内容を出力する端末又はサーバでも良い。
【0040】
メールサーバA20、及びメールサーバB40の例として、PC、ワークステーション、メインフレーム、スーパーコンピュータ等の計算機を想定している。また、計算機に限らず、中継機器や周辺機器、計算機に搭載される拡張ボード、物理マシン上に構築された仮想マシン(Virtual Machine(VM))等でも良い。
【0041】
なお、POP3サーバB21、SMTPサーバB22、POP3サーバB41、及びSMTPサーバB42は、物理マシンや仮想マシンに限らず、sendmail(登録商標)等のメール転送エージェント(MTA:Mail Transfer Agent)等でも良い。
【0042】
但し、実際には、これらの例に限定されない。
【0043】
[装置構成]
図2に、本発明のメール対応ファクシミリ装置(FAX装置)の構成を示す。
【0044】
図2に示すように、メール対応ファクシミリ装置(FAX装置)30は、ネットワーク制御部31と、メール受信制御部32と、メールデータ蓄積部33と、メール送信制御部34と、転送先メールアドレス登録部35と、出力制御部36と、主制御部37を備える。
【0045】
ネットワーク制御部31は、ネットワークとの接続を制御する。ネットワーク制御部31の例として、ネットワーク通信に対応した基板(マザーボードやI/Oボード)等の半導体集積回路、モデム(MODEM:MOdulator−DEModulator)、ターミナルアダプタ(TA:Terminal Adapter)、ネットワークインターフェースカード(NIC:Network Interface Card)等のネットワークアダプタや同様の拡張カード、アンテナ等の通信装置、接続口(コネクタ)等の通信ポート等が考えられる。但し、実際には、これらの例に限定されない。
【0046】
メール受信制御部32は、メール受信のためのPOP3プロトコルを制御する。メール受信制御部32の例として、sendmail(登録商標)等のメール転送エージェント(MTA)、通信制御装置(CCU:Communication Control Unit)、網制御装置(NCU:Network Control Unit)等が考えられる。但し、実際には、これらの例に限定されない。
【0047】
メールデータ蓄積部33は、受信したメールのデータを蓄積する。メールデータ蓄積部33の例として、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)やフラッシュメモリ等の半導体記憶装置、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の補助記憶装置、又は、DVD(Digital Versatile Disk)やSDメモリカード(Secure Digital memory card)等のリムーバブルディスクや記憶媒体(メディア)等が考えられる。但し、実際には、これらの例に限定されない。
【0048】
メール送信制御部34は、メールの送信データの作成及び送信のためのSMTPプロトコルを制御する。メール送信制御部34の例については、メール受信制御部32と同様である。但し、実際には、これらの例に限定されない。
【0049】
転送先メールアドレス登録部35は、メールを転送する時の転送先アドレスを登録、記憶する。転送先メールアドレス登録部35の例については、メールデータ蓄積部33と同様である。
【0050】
出力制御部36は、受信したメールのデータ等を出力する。出力制御部36の例として、出力内容を印刷用紙等に印刷するプリンタ等の印刷装置、LCD(液晶ディスプレイ)やPDP(プラズマディスプレイ)、有機ELディスプレイ(organic electroluminescence display)等の表示装置、或いは、外部の表示装置や記憶装置に情報を出力するためのインターフェース(I/F:interface)等が考えられる。但し、実際には、これらの例に限定されない。ここでは、出力制御部36は、受信したメールのデータ等を印刷用紙に印刷するものとする。
【0051】
主制御部37は、上記の各制御部を監視し、受信メールの転送、あるいは印刷を指示する。主制御部37の例として、CPU(Central Processing Unit)、マイクロプロセッサ(microprocessor)、マイクロコントローラ、或いは、専用の機能を有する半導体集積回路(Integrated Circuit(IC))等が考えられる。但し、実際には、これらの例に限定されない。
【0052】
なお、ネットワーク制御部31、メール受信制御部32、メールデータ蓄積部33、メール送信制御部34、転送先メールアドレス登録部35、出力制御部36、及び主制御部37は、プログラムに基づいて駆動し所定の処理を実行するプロセッサと、当該プログラムや各種データを記憶するメモリとによって実現されるものでも良い。但し、実際には、これらの例に限定されない。
【0053】
[POP3メール受信シーケンス]
図3を用いて、図2のFAX装置30のメール受信制御部32が、POP3サーバA21からメールを受信する時の動作シーケンスについて説明する。なお、このシーケンスは、RFC1939(Request For Comment 1939)に従った一般的なPOP3メール受信シーケンスである。
【0054】
(1)接続
FAX装置30のメール受信制御部32は、接続のシーケンスで、POP3サーバA21に接続する。具体的には、FAX装置30のメール受信制御部32は、POP3サーバA21に接続要求と認証情報(ユーザーIDやパスワード等)を送信し、認証に成功した場合、POP3サーバA21から接続許可の通知を受信する。
【0055】
(2)メールサイズ取得
FAX装置30のメール受信制御部32は、接続後、メールサイズ取得のシーケンスで、メールサーバA20にあるメールの数と個々のメールのサイズを取得する。具体的には、FAX装置30のメール受信制御部32は、POP3サーバA21にLISTコマンドを送信し、PO3サーバA21にあるメールの数とメールのサイズに関する通知を受信する。
【0056】
(3)メールデータ受信
次に、FAX装置30のメール受信制御部32は、メールデータ受信のシーケンスで、受信したいメールのデータをPOP3メールサーバから受信する。
【0057】
(4)メール削除
FAX装置30のメール受信制御部32は、メールデータ受信完了後、メール削除のシーケンスで、受信したメールをメールサーバA20から削除する。
【0058】
(5)切断
その後、FAX装置30のメール受信制御部32は、切断のシーケンスで、POP3サーバA21との接続を開放する。
【0059】
[メール転送時シーケンス]
次に、図4A、図4Bを用いて、メール受信時のFAX装置30の動作シーケンスについて説明する。ここでは、転送先メールアドレス登録部35は、事前に転送先のメールアドレスを登録しておくものとする。
【0060】
(1)メールサイズ取得
メール受信制御部32は、受信するメールのサイズをメールサーバA20のPOP3サーバA21から受け取ると、そのサイズを主制御部37に通知する。
【0061】
(2)送信要求
主制御部37は、メールサイズが装置受信可能容量を超えていた場合、メール送信制御部34に対して、メールの作成及び送信を指示する。
【0062】
(3)転送準備
メール送信制御部34は、主制御部37から指示を受けると、転送先メールアドレス登録部35から転送先のメールアドレスを取得し、取得したメールアドレスを送信先として、メールサーバA20のSMTPサーバA22への接続を行う。
【0063】
(4)受信要求
その後、主制御部37は、メール受信制御部32に対して、メールデータの受信を指示する。メール受信制御部32は、主制御部37からメールデータ受信の指示を受けると、POP3サーバA21にRETRコマンドを送信し、メールデータの受信を要求する。
【0064】
(5)受信・蓄積
メール受信制御部32は、POP3サーバA21からメールデータを受信し、受信したメールデータをメールデータ蓄積部33に蓄積する。
【0065】
(6)送信
メール送信制御部34は、SMTPサーバA22への接続後、メールデータ蓄積部33のデータ蓄積を監視し、受信したメールデータが蓄積されると、蓄積されたメールデータを送信メールのメールデータとして、SMTPサーバA22へ送信する。ここでは、メール送信制御部34は、メール受信制御部32でのメールの受信・蓄積と並行して、SMTPサーバA22への送信を行う。
【0066】
(7)送信完了
メール送信制御部34は、メール受信制御部32でのメール受信が完了し、受信したメールデータ全ての送信が完了すると、主制御部37に送信完了を通知する。
【0067】
(8)削除要求
主制御部37は、メール受信制御部32に対して、受信したメールの削除を指示する。メール受信制御部32は、主制御部37からメール削除の指示を受けると、POP3サーバA21にDELEコマンドを送信し、メールデータの削除を要求する。
【0068】
(9)削除
POP3サーバA21は、メールサーバA20からメールを削除する。
【0069】
メールサーバA20に複数件のメールが存在する場合は、上記動作を繰り返す。
【0070】
[メール出力時シーケンス]
次に、図5A、図5Bを用いて、メール出力時のFAX装置30の動作シーケンスについて説明する。
【0071】
(1)メールサイズ取得
メール受信制御部32は、受信するメールのサイズをメールサーバA20のPOP3サーバA21から受け取ると、そのサイズを主制御部37に通知する。
【0072】
(2)受信要求
主制御部37は、メール受信制御部32から通知されたメールサイズが装置受信可能容量以下であった場合は、メール送信制御部34への指示を行わず、メール受信制御部32に対して、メールデータの受信を指示する。メール受信制御部32は、主制御部37からメールデータ受信の指示を受けると、POP3サーバA21にRETRコマンドを送信し、メールデータの受信を要求する。
【0073】
(3)受信・蓄積
メール受信制御部32は、POP3サーバA21からメールデータを受信し、受信したメールデータをメールデータ蓄積部33に蓄積する。
【0074】
(4)出力要求
主制御部37は、出力制御部36に対して出力の指示を行う。
【0075】
(5)出力
出力制御部36は、メールデータ蓄積部33に蓄積されたメールデータを取り出し、出力する。例えば、出力制御部36は、印刷用紙に印刷する。
【0076】
(6)印刷完了
出力制御部36は、受信メールの印刷を完了後、主制御部37に印刷完了を通知する。
【0077】
(7)削除要求
主制御部37は、メール受信制御部32に対して、受信したメールの削除を指示する。メール受信制御部32は、主制御部37からメール削除の指示を受けると、POP3サーバA21にDELEコマンドを送信し、メールデータの削除を要求する。
【0078】
(8)削除
POP3サーバA21は、メールサーバA20からメールデータを削除する。
【0079】
以上説明したように、本発明においては、FAX装置が受信できないサイズのメールを他の装置やアドレスに転送することを可能とし、転送後に削除するようにしている。
【0080】
このため、受信できないサイズのメールがメールサーバに残り、この残されたメールがメールサーバの受信空き容量を圧迫して他のメールが受け取れなくなる、という問題を、特別な機器を別に用意することなく防ぐことができる。
【0081】
<実施例>
以下に、本発明の具体的な実施例について説明する。
メールのサイズが大きい場合には、1件のメールのサイズを小さくするために、一定サイズ毎に分割して、複数件の分割形式のメール(分割メール)として送られてくる場合がある。
【0082】
分割形式のメールは、分割されたメールの合計サイズ分の受信メモリが必要となるため、1件のメールのサイズでは正確な受信可能サイズが判断できない。
【0083】
メール受信制御部32が、POP3サーバA21からメールのサイズを取得する方法を、図6に示すように変更することで、分割メールにも対応することが可能となる。
【0084】
[分割メール受信シーケンス]
図6を用いて、POP3サーバA21に3通のメールがあり、このうちメール1、2が分割メールだった場合の動作シーケンスについて説明する。
【0085】
(1)分割メールサイズ取得
FAX装置30のメール受信制御部32は、分割メールサイズ取得シーケンスで、PO3サーバA21にLISTコマンドを送信し、PO3サーバA21にあるメールの数と各メールのサイズを取得した後、TOPコマンドを使用し、先頭のメール(メール1)のヘッダー情報を取得する。
【0086】
FAX装置30のメール受信制御部32は、メール1のヘッダー情報から分割メールであることを示すTAG情報[Content−Type: message/partial; number=1; total=2; id=“メッセージID”]を検索し、このTAG情報から、メール1が2つに分割されたメールのうちの1つであることを認識する(参照:RFC 2046 5.2.2節)。
【0087】
FAX装置30のメール受信制御部32は、2つに分割されたメールのうちの残りの1つのメール(メール2)を検索するため、POP3サーバA21にある残りのメールについてもTOPコマンドを使用し、ヘッダー情報を取得する。
【0088】
FAX装置30のメール受信制御部32は、メール2のヘッダー情報から分割メールであることを示すTAG情報[Content−Type: message/partial; number=2; total=2; id=“メッセージID”]を検索し、このTAG情報から、メール2が2つに分割されたメールのうちの残りの1つであることを認識する。
【0089】
FAX装置30のメール受信制御部32は、メール2がメール1の続きの分割メールであることを認識すると、メール1、メール2の合計サイズを受信メールのサイズ(1件分のサイズ)として扱う。
【0090】
(2)分割メールデータ受信
FAX装置30のメール受信制御部32は、POP3サーバA21にRETRコマンドを送信し、メール1及びメール2のメールデータの受信を要求する。POP3サーバA21は、応答として、FAX装置30のメール受信制御部32にメール1及びメール2のメールデータを送信する。FAX装置30のメール受信制御部32は、メール1及びメール2のメールデータの受信が完了すると、POP3サーバA21にDELEコマンドを送信し、メール1及びメール2のメールデータの削除を要求する。POP3サーバA21は、メールサーバA20からメール1及びメール2のメールデータを削除し、メール1及びメール2のメールデータを削除した旨をFAX装置30のメール受信制御部32に通知する。
【0091】
なお、メール1及びメール2のメールデータの受信については、同時でも良いし、連続でも良い。例えば、FAX装置30のメール受信制御部32は、先にメール1のメールデータの受信・削除を行った後、続けてメール2のメールデータの受信・削除を行うようにしても良い。
【0092】
FAX装置30のメール受信制御部32は、図4Aに示す「(1)メールサイズ取得」において、主制御部37に通知するメールサイズを分割メール合計のサイズとすることで、図4A、図4Bに示す「メール転送時シーケンス」で、メール1、メール2のメールを転送することが可能となる。
【0093】
<第2実施形態>
以下に、本発明の第2実施形態について説明する。
本実施形態では、第1端末10が、インターネットFAXではなく通常のFAXで、FAX原稿をFAX装置30に送信してきた場合に、一旦、メールサーバA20でFAX原稿を受信し、メールサーバA20がFAX原稿を電子メールの添付ファイルにしてFAX装置30に送信する。
【0094】
図7では、電子メール対応ファクシミリ装置(FAX装置)宛のFAX原稿をメールサーバA20が代理受信し、電子メール(メール)に変換してFAX装置に送信する時のメールデータの流れを示す。
【0095】
[全体構成]
図7に示すように、本発明に係るインターネットFAXサービスシステムでは、第1端末10と、メールサーバA20と、FAX装置30と、メールサーバB40と、第2端末50を含む。
【0096】
第1端末10、FAX装置30、メールサーバB40、及び第2端末50については、基本的に第1実施形態と同様である。
【0097】
本実施形態では、メールサーバA20は、POP3サーバA21と、SMTPサーバA22と、FAX代理受信サーバA23を備える。
【0098】
POP3サーバA21及びSMTPサーバA22については、基本的に第1実施形態と同様である。
【0099】
FAX代理受信サーバA23は、FAX装置30宛のFAX原稿の画像データを代理受信し、FAX原稿をメールの添付ファイルにして、FAX原稿を添付したメールを作成し、FAX装置30に送信するサーバである。FAX代理受信サーバA23は、FAX装置30のメールアドレス(アドレスA)を記憶しているものとする。
【0100】
ここでは、FAX代理受信サーバA23は、電子メール対応ファクシミリ装置としての機能を有するものとする。すなわち、FAX代理受信サーバA23は、公衆回線を通じて転送されてきた画像データを受信する機能(FAX受信機能)と、この画像データを添付したメールを作成して送信する機能(メール送信機能)を有する。更に、FAX代理受信サーバA23は、公衆回線を通じて転送されてきた文書データを読み取って画像データに変換する機能(画像データ化機能)を有していても良い。なお、FAX代理受信サーバA23は、物理マシンでも仮想マシンでも良い。
【0101】
[基本動作]
第1端末10は、FAX代理受信サーバA23宛にFAX原稿の画像データを送信する。第1端末10からFAX代理受信サーバA23宛にFAXで画像データを送信すると、FAX代理受信サーバA23にFAX原稿の画像データが届く。
【0102】
FAX代理受信サーバA23は、FAX原稿の画像データを受信すると、FAX原稿をメールの添付ファイルにして、FAX原稿を添付したメールを作成し、アドレスA宛に送信する。このとき、FAX代理受信サーバA23は、送信メールのメールデータを、SMTPサーバA22へ送信する。すなわち、FAX代理受信サーバA23からアドレスA宛にメールを送信すると、SMTPサーバA22に送信メールが届く。
【0103】
SMTPサーバA22は、アドレスA宛にメールを送信する。SMTPサーバA22からアドレスAにメールを送信すると、POP3サーバA21にメールが届く。
【0104】
ここでは、FAX代理受信サーバA23は、メールサーバA20の一部である場合を想定しているが、実際には、メールサーバA20から独立していても良い。FAX代理受信サーバA23がメールサーバA20から独立している場合、FAX代理受信サーバA23は、FAX原稿の画像データを受信すると、FAX原稿をメールの添付ファイルにして、FAX原稿を添付したメールを作成し、アドレスA宛に送信する。このとき、FAX代理受信サーバA23からアドレスA宛のメールは、SMTPサーバA22ではなく、POP3サーバA21が受信する。
【0105】
以降の動作については、基本的に第1実施形態と同様である。
【0106】
POP3サーバA21は、アドレスA宛のメールを受信する。
【0107】
FAX装置30は、POP3サーバA21からメールを受信する。FAX装置30は、メールを受信する際、メールのサイズが装置受信可能容量を超えるメールと認識した場合、メールの受信開始後、受信データをメールの内容としたアドレスB宛のメールを作成し、作成したメールを送信する動作をメール受信と並行して行う。FAX装置30からアドレスBにメールを送信すると、SMTPサーバA22にメールが届く。
【0108】
また、FAX装置30は、メール受信及びメール送信が終了した後、受信したメールをメールサーバA20から削除する。
【0109】
SMTPサーバA22は、アドレスB宛にメールを送信する。SMTPサーバA22からアドレスBにメールを送信すると、POP3サーバB41にメールが届く。
【0110】
POP3サーバB41は、アドレスB宛のメールを受信する。
【0111】
第2端末50は、POP3サーバB41からメールを受信する。
【0112】
他の構成、動作については、基本的に第1実施形態と同様である。
【0113】
<他の実施例>
上記の各実施形態において、FAX原稿の画像ファイルに限らず、動画ファイルや音声ファイルのような、大容量のファイルが添付されたメールを転送の対象とすることもできる。
【0114】
また、上記の各実施形態において、本発明の電子メール対応ファクシミリ装置が未対応の不明ファイルが添付されたメールを転送の対象とすることもできる。例えば、本発明の電子メール対応ファクシミリ装置には存在しないアプリケーションプログラムで使用される形式(フォーマット)のファイルが添付されたメールを、PC等に転送することが考えられる。ファイル形式は、拡張子で判断できる。すなわち、本発明の電子メール対応ファクシミリ装置は、受信メールに、事前に登録されていない拡張子のファイルが添付されている場合に、PC等に転送するようにすることもできる。
【0115】
また、上記の各実施形態において、本発明の電子メール対応ファクシミリ装置は、メールデータの出力に失敗した際に、当該メールデータを転送の対象とすることもできる。メールサイズ等が基準を満たしていても、データ破損や出力装置自体の故障等、何らかの事情でメールデータが出力できない場合がある。このような場合に、そのままメールデータを破棄したり、電子メール対応ファクシミリ装置内に残したりすることなく、PC等の他の装置に転送し、データ自体を確保しておくことが考えられる。
【0116】
更に、上記の各実施形態において、FAX原稿をメール形式ではなくファイル形式で送受信する事例を想定し、プロトコルとして、POP3及びSMTPに限らず、HTTP(HyperText Transfer Protocol)、FTP(File Transfer Protocol)、SMB(Server Message Block)、SIP(Session Initiation Protocol)、SOAP(Simple Object Access Protocol)等を用いることも考えられる。
【0117】
なお、上記の各実施形態は、組み合わせて実施することも可能である。
【0118】
<本発明の特徴>
本発明は、メールの送受信が行えるファクシミリ装置において、装置受信可能容量を超えるメールを受信した場合、他のメールアドレスに転送し、他の機器(パソコン等)で受信できるようにしたことを特徴としたメール対応ファクシミリ装置(FAX装置)に関するものである。
【0119】
本発明では、メール送受信が可能なファクシミリ装置において、メール受信を行う際に、受信メールのサイズを判定し、装置搭載のメモリ容量を超えるメールについては、受信データをメール送信のデータとして使用し、指定されたアドレスにメール送信する。
【0120】
印刷できないファイルが添付されたメールを受信した場合、他のメールアドレスに転送する
【0121】
ファクシミリ装置において、メール受信とメール送信を並行して行う。
【0122】
メール受信終了後、受信データを全て送信した後、受信メールをメールサーバから削除する。
【0123】
本発明では、メール送受信が可能なファクシミリ装置において、分割形式のメールであっても、メールサイズが受信可能サイズか否か判断できるようにして、分割メールをまとめて受信メールとして確実に処理できるようにした。
【0124】
これにより、受信できないサイズのメールがメールサーバに残り、この残されたメールがメールサーバの受信空き容量を圧迫して他のメールが受け取れなくなる、という問題を、特別な機器を別に用意することなく防ぐことができる。
【0125】
<付記>
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のように記載することも可能である。但し、実際には、以下の記載例に限定されない。
【0126】
(付記1)
FAX原稿をメールの添付ファイルとして送信するメールサーバから、前記メールサーバ上のメールの数と個々のメールのサイズを取得し、前記メールサーバ上の個々のメールのヘッダー情報を受信し、受信したヘッダー情報に基づいて、分割メールであるか否か判断し、分割メールである場合、分割メールの合計サイズを受信メールのサイズとして扱い、前記メールサーバにあるメールを受信し、受信メールを前記メールサーバから削除するメール受信制御部と、
前記受信メールを蓄積するメールデータ蓄積部と、
前記受信メールのサイズに応じて、前記蓄積されたメールに添付されたFAX原稿を出力する出力制御部と
転送先のメールアドレスを取得し、取得したメールアドレスを送信先として、前記蓄積されたメールを送信するメール送信制御部と、
前記メール受信制御部、前記出力制御部、及び前記メール送信制御部を制御する主制御部と
を具備し、
前記主制御部は、
前記メール受信制御部から前記受信メールのサイズの通知を受け取り、前記メール受信制御部に対して、前記メールサーバにあるメールの受信を指示する手段と、
前記受信メールのサイズが受信可能容量を超えていた場合、前記メール送信制御部に対して、前記蓄積されたメールの転送を指示する手段と、
前記受信メールのサイズが受信可能容量を超えていない場合、前記出力制御部に対して、前記蓄積されたメールに添付されたFAX原稿の出力を指示する手段と
を具備する
電子メール対応ファクシミリ装置。
【0127】
(付記2)
付記1に記載の電子メール対応ファクシミリ装置であって、
前記メール受信制御部は、
前記メールサーバ上の個々のメールのうち、先頭のメールのヘッダー情報を受信し、受信したヘッダー情報に基づいて、前記先頭のメールが分割メールであるか否か判断する手段と、
前記先頭のメールが分割メールである場合、他のメールのヘッダー情報を受信し、受信したヘッダー情報に基づいて、前記先頭のメールの続きの分割メールであるか否か判断する手段と、
当該分割メール全ての合計サイズを受信メールのサイズとして扱い、当該分割メール全てを受信し、受信した分割メール全てを前記メールサーバ上から削除する手段と
を具備する
電子メール対応ファクシミリ装置。
【0128】
以上、本発明の実施形態を詳述してきたが、実際には、上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の変更があっても本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0129】
10… 第1端末
20… メールサーバA
21… POP3(Post Office Protocol)サーバA
22… SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)サーバA
23… FAX代理受信サーバA
30… 電子メール対応ファクシミリ装置(FAX装置)
31… ネットワーク制御部
32… メール受信制御部
33… メールデータ蓄積部
34… メール送信制御部
35… 転送先メールアドレス登録部
36… 出力制御部
37… 主制御部
40… メールサーバB
41… POP3サーバB
42… SMTPサーバB
50… 第2端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
FAX原稿をメールの添付ファイルとして送信するメールサーバから、前記メールサーバ上のメールの数と個々のメールのサイズを取得し、前記メールサーバにあるメールを受信し、受信メールを前記メールサーバから削除するメール受信制御部と、
前記受信メールを蓄積するメールデータ蓄積部と、
前記受信メールのサイズに応じて、前記蓄積されたメールに添付されたFAX原稿を出力する出力制御部と
を具備し、
前記メール受信制御部は、前記メールサーバ上の個々のメールのヘッダー情報を受信し、受信したヘッダー情報に基づいて、分割メールであるか否か判断し、分割メールである場合、分割メールの合計サイズを受信メールのサイズとして扱う
電子メール対応ファクシミリ装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電子メール対応ファクシミリ装置であって、
前記メール受信制御部は、
前記メールサーバ上の個々のメールのうち、先頭のメールのヘッダー情報を受信し、受信したヘッダー情報に基づいて、前記先頭のメールが分割メールであるか否か判断する手段と、
前記先頭のメールが分割メールである場合、他のメールのヘッダー情報を受信し、受信したヘッダー情報に基づいて、前記先頭のメールの続きの分割メールであるか否か判断する手段と、
当該分割メール全ての合計サイズを受信メールのサイズとして扱い、当該分割メール全てを受信し、受信した分割メール全てを前記メールサーバ上から削除する手段と
を具備する
電子メール対応ファクシミリ装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の電子メール対応ファクシミリ装置であって、
転送先のメールアドレスを取得し、取得したメールアドレスを送信先として、前記蓄積されたメールを送信するメール送信制御部と、
前記メール受信制御部、前記出力制御部、及び前記メール送信制御部を制御する主制御部と
を更に具備し、
前記主制御部は、
前記メール受信制御部から前記受信メールのサイズの通知を受け取り、前記メール受信制御部に対して、前記メールサーバにあるメールの受信を指示する手段と、
前記受信メールのサイズが受信可能容量を超えていた場合、前記メール送信制御部に対して、前記蓄積されたメールの転送を指示する手段と、
前記受信メールのサイズが受信可能容量を超えていない場合、前記出力制御部に対して、前記蓄積されたメールに添付されたFAX原稿の出力を指示する手段と
を具備する
電子メール対応ファクシミリ装置。
【請求項4】
電子メール対応ファクシミリ装置により実施されるFAX原稿処理方法であって、
FAX原稿をメールの添付ファイルとして送信するメールサーバから、前記メールサーバ上のメールの数と個々のメールのサイズを取得することと、
前記メールサーバ上の個々のメールのヘッダー情報を受信し、受信したヘッダー情報に基づいて、分割メールであるか否か判断することと、
分割メールである場合、分割メールの合計サイズを受信メールのサイズとして扱うことと、
前記メールサーバにあるメールを受信し、受信メールを前記メールサーバから削除することと、
前記受信メールを蓄積することと、
前記受信メールのサイズに応じて、前記蓄積されたメールに添付されたFAX原稿を出力することと
を含む
FAX原稿処理方法。
【請求項5】
請求項4に記載のFAX原稿処理方法であって、
前記メールサーバ上の個々のメールのうち、先頭のメールのヘッダー情報を受信し、受信したヘッダー情報に基づいて、前記先頭のメールが分割メールであるか否か判断することと、
前記先頭のメールが分割メールである場合、他のメールのヘッダー情報を受信し、受信したヘッダー情報に基づいて、前記先頭のメールの続きの分割メールであるか否か判断することと、
当該分割メール全ての合計サイズを受信メールのサイズとして扱い、当該分割メール全てを受信し、受信した分割メール全てを前記メールサーバ上から削除することと
を更に含む
FAX原稿処理方法。
【請求項6】
請求項4又は5に記載のFAX原稿処理方法であって、
受信メールのサイズの通知を受け取り、前記メールサーバにあるメールを受信することと、
前記受信メールのサイズが受信可能容量を超えていた場合、転送先のメールアドレスを取得し、取得したメールアドレスを送信先として、前記蓄積されたメールを転送することと、
前記受信メールのサイズが受信可能容量を超えていない場合、前記蓄積されたメールに添付されたFAX原稿を出力することと
を更に含む
FAX原稿処理方法。
【請求項7】
FAX原稿をメールの添付ファイルとして送信するメールサーバから、前記メールサーバ上のメールの数と個々のメールのサイズを取得するステップと、
前記メールサーバ上の個々のメールのヘッダー情報を受信し、受信したヘッダー情報に基づいて、分割メールであるか否か判断するステップと、
分割メールである場合、分割メールの合計サイズを受信メールのサイズとして扱うステップと、
前記メールサーバにあるメールを受信し、受信メールを前記メールサーバから削除するステップと、
前記受信メールを蓄積するステップと、
前記受信メールのサイズに応じて、前記蓄積されたメールに添付されたFAX原稿を出力するステップと
を電子メール対応ファクシミリ装置に実行させるための
プログラム。
【請求項8】
請求項7に記載のプログラムであって、
前記メールサーバ上の個々のメールのうち、先頭のメールのヘッダー情報を受信し、受信したヘッダー情報に基づいて、前記先頭のメールが分割メールであるか否か判断するステップと、
前記先頭のメールが分割メールである場合、他のメールのヘッダー情報を受信し、受信したヘッダー情報に基づいて、前記先頭のメールの続きの分割メールであるか否か判断するステップと、
当該分割メール全ての合計サイズを受信メールのサイズとして扱い、当該分割メール全てを受信し、受信した分割メール全てを前記メールサーバ上から削除するステップと
を更に電子メール対応ファクシミリ装置に実行させるための
プログラム。
【請求項9】
請求項7又は8に記載のプログラムであって、
受信メールのサイズの通知を受け取り、前記メールサーバにあるメールを受信するステップと、
前記受信メールのサイズが受信可能容量を超えていた場合、転送先のメールアドレスを取得し、取得したメールアドレスを送信先として、前記蓄積されたメールを転送するステップと、
前記受信メールのサイズが受信可能容量を超えていない場合、前記蓄積されたメールに添付されたFAX原稿を出力するステップと
を更に電子メール対応ファクシミリ装置に実行させるための
プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図4B】
image rotate

【図5A】
image rotate

【図5B】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2012−48667(P2012−48667A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−192784(P2010−192784)
【出願日】平成22年8月30日(2010.8.30)
【出願人】(000197366)NECアクセステクニカ株式会社 (1,236)
【Fターム(参考)】