説明

電子レンジ用足つき調理容器

【課題】電子レンジによる加熱、調理において、食材にマイクロ波が特定方向から強く照射されることによる加熱むらを減少する。
【解決手段】マイクロ波が電子レンジ用調理容器とターンテーブルあるいは庫内下面との間を自由に通過出来るように、容器の下面に高さ1mm以上の足を、2個以上つける。容器の下部の隙間をマイクロ波が自由に通過することによって、調理容器の内部の温度上昇がより均一かつ効率的になり食材全面からの加熱と均等な加熱調理を可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子レンジによる料理の調理において、調理容器の内部の温度上昇がより均一かつ効率的になるように容器下部に小さい足をつけた調理容器の発明である。
この特許願においてマイクロ波とは、実用化されている電子レンジに使用されている2,450,000,000ヘルツ程度の電磁波をいう。
電子レンジ用調理容器の素材は、誘電損失係数の低い耐熱ガラス、陶磁器、プラスティック等が使用される。
電子レンジ用調理容器の形状は、円形または方形で適度の高さをもった平たい形状が実用的で普通に使われている。
電子レンジにかける前の加熱前料理は、40%ないし95%の水分を含む。
水の誘電損失係数が高いことが発熱の源となり、調理が進む。
料理には3%〜20%の食塩を含み、誘電損失係数は水より高くなる。マイクロ波の半減深度は1cm程度である。
【0002】
【表1】

【背景技術】
【0003】
電子レンジの形状は、大別してターンテーブルつきとターンテーブルなしとに分かれる。
ターンテーブル付はマイクロ波の発信装置が壁面上部についている。
食材は上面が強く熱せられる。
ターンテーブルなしは、マイクロ波の発信装置が下面についている。
食材は下面が強く熱せられる。
加熱前料理のマイクロ波の半減深度は1cm程度であり、料理用の食材を入れた調理容器をターンテーブルの上、あるいは直接庫内の下面におき食材の加熱むらを容認して調理していた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電子レンジは電波むらが問題である。
電子レンジに使われているマイクロ波は波長が12cmと長いので、庫内で6cmごとに電波むらが発生する。
平たい容器を下台の上に置くと、容器と下台が密着して隙間に誘電損失係数=0の空気の存在がなくなり、マイクロ波の通りが悪くなり、加熱むらを起こす。
ターンテーブルつきであっても、なしであっても、電子レンジにとって加熱むらは宿命的な問題であった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
平たい形状の電子レンジ用調理容器の下面に、高さ1mm以上の足をつける。
足の形状は下面の周囲全面を取り巻く必要はなく、安定性を確保するために中心角で120度離れた3点でよい。
一例として、円形直径内径21cm、深さ内径5cm、容器厚さ4mm
足高さ3mm、足直径1cm×3cmの楕円形、3個
【0006】
この容器に食材を入れ電子レンジ庫内に入れる。
ターンテーブルありであっても、なしであっても、電子レンジ用調理容器とターンテーブルあるいは庫内下面との間に3mm程度の空間ができる。
空気の誘電損失係数は0であるから、マイクロ波はこの空間を自由に通過し、食材の全面から加熱することが出来る。
【発明の効果】
【0007】
以上述べたごとく、本発明方法によれば、加熱むらの減少が実用的に効果あるものとして認められた。
商品化して好評を得ている。
平成17年の販売実績は、44,224個である。
【請求項1について説明】
【0008】
この調理容器が安定するための足は、中心角で120度離れた位置に3点、形状は丸い点であれば十分であり、合理的である。
しかし、外径に近いところで円周にそって、適当な長さのある足であれば2点で目的を実現できるので、請求項1で「2個以上」とした。
【図1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
料理用食材を均一に加熱することを目的として、マイクロ波が電子レンジ用調理容器とターンテーブルあるいは庫内下面との間を自由に通過出来るように、容器の下面に高さ1mm以上の足を、2個以上つけた電子レンジ用調理容器。