説明

電子位置コード

【課題】莫大な数のアイテムの位置を個別に追跡することを見越した電子位置コードを提供する。
【解決手段】物体のための位置情報を提供する電子位置コード(eLC)について記載されている。eLCは、高い精度レベルが可能であるが、このような高い精度レベルを表すために、比較的少ないデータ量しか使用しない。更に、eLCは、高い精度レベルが使用可能でないか、または要求されていないときに、より低い精度レベルを表すように容易に調節することができる。eLCは、複数のユーザー間での容易な伝送、共有、および記憶を可能にする標準化された形式を有している。これらおよび他の特徴のおかげで、eLCは、位置データの使用に対する多くの利点および可能性を提供する。例えば、莫大な数のアイテムの位置を個別に追跡することを見越している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この記述は、物体の位置を特定することに関する。
【背景技術】
【0002】
物体の位置を特定するための多くの方法がある。例えば、ビルの中で、物体は、ビルのある階の特定の部屋にあるものとして特定され得る。小売店の中で、物体は、指定された通路の特定の棚にあるものとして特定され得る。一般に、物体の位置は、指定された目印を基準にして特定され得る。特に、例えば、移動通信のためのグローバルシステム(GSM)の三角測量が、特定のセルフォンの位置を特定するために、セル(電話)タワーを基準にして実行され得る。
【0003】
更に一般的に、位置は、例えば、物体の緯度、経度、および高度によって特定される座標を用いて、地球の表面を基準にして特定され得る。特に、全地球位置測定システム(GPS)は、多数の地球周回衛星を用いて、衛星と信号をやりとりするGPSトランシーバの位置を特定する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような位置情報は、情報におけるユーザーの状況によって、役に立つかもしれないし、立たないかもしれない。小売店の場合、例えば、店のレイアウトに精通していないユーザーは、通路/棚情報が役に立たないことを見いだすかもしれない。たとえユーザーが店のレイアウトに精通していても、このユーザーは、通路/棚情報を別のユーザーに効果的な方法で伝えることができないかもしれない。ほぼ同様に、GPSトランシーバの緯度、経度、および高度情報は、トランシーバのユーザーが都市の中を進むために、GPSトランシーバが現在位置する都市の地図を基準にして表示されることを要求されるかもしれない。
【0005】
位置情報の共用および使用に関する、このような問題は、多数の物体、頻繁な位置収集、および/または多数のユーザーを伴っているとき、一般に大きな問題になり得る。このようなユーザーは、例えば、位置情報の表現、精度、伝送、記憶、または使用に関して、様々な要求または期待を持っているかもしれない。更に、各ユーザーの要求または期待は、個々の物体のタイプによって変化するかもしれないし、単一の物体に対してであっても、物体の状況によって変化するかもしれない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの全般的な態様によれば、システムは、第1の位置成分を位置セグメントの複数のサブセグメントに連続的に変換することによって、物体の位置の第1の態様を表す第1の位置成分を、第1の位置セグメントに変換するように動作可能な第1の変換器を備えていて、各々の連続するサブセグメントは、位置成分を表す際の追加の精度レベルを表していて、更に、物体の位置の第2の態様を表す第2の位置成分を、データ形式に従ってフォーマットされた第2の位置セグメントに変換するように動作可能な第2の変換器と、第1の位置セグメントのサブセグメントを、第2の位置セグメントのサブセグメントと統合して、物体の位置を表す位置コードを得るように動作可能な統合器とを備えている。
【0007】
実施例は、以下の特徴のうちの少なくとも1つを有していてもよい。例えば、前記第1の位置成分は、物体の緯度を含んでいて、前記第2の位置成分は、物体の経度を含んでいる。この場合、システムは、物体の位置の第3の態様を表す第3の位置成分を、データ形式に従ってフォーマットされた第3の位置セグメントに変換して、統合器によって位置コードの中に含ませるように動作可能な第3の変換器を備えていて、前記第3の位置成分は、物体の高度を含んでいてもよい。
【0008】
システムは、第1の位置セグメントと第2の位置セグメントとの間での割り当てのために、全ビット数を位置コードと関連付けて、これにより、第1の位置セグメント、第2の位置セグメントの長さ、および全体としての位置コードに基づいて、第1の位置成分および第2の位置成分を表す際の精度の程度を、第1の位置セグメントおよび第2の位置セグメントに、それぞれ割り当てるように動作可能な精度制御ユニットを備えていてもよい。この場合、前記精度制御ユニットは、サブセグメントの全数、および各サブセグメント内のビット数を割り当てることによって、第1の位置成分を表す際の精度の程度を割り当ててもよい。
【0009】
更に、前記第1の位置成分および第2の位置成分を表すための基準点を割り当てる基準選択器を備えていてもよい。この場合、第1の位置セグメントおよびサブセグメントの各々、第2の位置セグメント、および位置コードの長さを表すヘッダセグメントをエンコードするように動作可能で、かつ更に基準点を表すように動作可能なヘッダエンコーダを備えていて、前記統合器は、位置コード内でヘッダセグメントを第1の位置セグメントに連結するように動作可能であってもよい。
【0010】
前記統合器は、位置コード内にヘッダセグメントを含ませるように動作可能であり、前記ヘッダセグメントは、位置コードを第1の位置成分および第2の位置成分に戻す変換を行う際に位置コードデコーダによって用いられるための、位置コードの形式を表していてもよい。この場合、システムは、位置コードを受け取り、ヘッダセグメントを分析して、位置コードの形式を特定し、位置コードを第1のセグメントと第2のセグメントに分離し、第1のセグメントおよび第2のセグメントを、それぞれ第1の位置成分および第2の位置成分に変換するように動作可能な位置コードデコーダを備えていてもよい。
【0011】
位置コードがエンコードされた時間に関連付けて位置コードを記憶するように動作可能な位置データベースを備えていてもよい。前記物体は、無線識別(RFID)送信器と関連付けられていて、第1の変換器、第2の変換器、および統合器の動作は、RFID送信器から受信した信号の読み出しによって起動させられてもよい。位置コードを特徴付けている基準および精度制御情報を割り当てて、位置コード内に含まれているヘッダセグメントの中に包含させるためのユーザーインターフェースを備えていてもよい。
【0012】
別の全般的な態様によれば、位置を記述している位置情報が受け取られる。位置情報に関する精度レベル数が決定される。位置情報が、各々が精度レベルのうちの1つと関連付けられた複数のサブセグメントに変換され、サブセグメントが第1の位置セグメントに統合される。
【0013】
実施例は、以下の特徴のうちの少なくとも1つを有していてもよい。例えば、前記位置情報を受け取るステップは、複数の位置成分を受け取るステップ、位置の態様を各々特徴付けるステップを含んでいて、精度レベル数を決定するステップは、位置成分の各々に対する成分の精度レベルを決定するステップを含んでいてもよい。この場合、前記位置情報を変換するステップは、位置成分の各々を成分のサブセグメントに変換するステップを含んでいて、各成分のサブセグメントは、対応する成分の精度レベルと関連していてもよい。更に、サブセグメントを統合するステップは、成分のサブセグメントを成分の位置セグメントに統合するステップと、第1の位置セグメントおよび成分の位置セグメントを位置コードに統合するステップとを含んでいてもよい。
【0014】
位置セグメントへの付加のためのヘッダセグメントを割り当てるステップを有していて、前記ヘッダセグメントは、位置情報を得るために位置セグメントをデコードするための精度レベル数および基準情報を含んでいてもよい。前記位置情報は、高度情報を含んでいて、前記基準情報は、高度情報を表すための高度モデルを含んでいてもよい。前記基準情報は、位置情報を表すための絶対または相対座標系を含んでいてもよい。
【0015】
別の全般的な態様によれば、記憶媒体を備えている装置において、前記記憶媒体上にはインストラクションが記憶されていて、前記インストラクションは、位置情報を受け取るための第1のコードセグメントと、位置情報を表す際に用いるための精度レベル数を決定するための第2のコードセグメントと、変換規則を実行して、位置情報を、第1の精度レベルを有する第1のサブセグメントに変換し、第1の残り値を提供するための第3のコードセグメントと、第1の残り値に基づいて、変換規則を実行して、第1の残り値を第2のサブセグメントに変換し、第2の残り値を得るための第4のコードセグメントと、第1のサブセグメントと第2のサブセグメントを連結して位置セグメントにするための第5のコードセグメントとを有している。
【0016】
実施例は、以下の特徴のうちの少なくとも1つを有していてもよい。例えば、前記第3のコードセグメントおよび第4のコードセグメントは、それぞれ第1のサブセグメントおよび第2のサブセグメントにおいて使用可能なビット数に基づいて、変換規則を実行してもよい。この場合、前記位置セグメントと共にヘッダセグメントを含ませるための第6のコードセグメントを有していて、前記ヘッダセグメントは、位置セグメントを位置情報に変換する際に用いるための情報を含んでいてもよい。
【0017】
1つ以上の実施例の詳細が、添付の図面および下記の説明に記載されている。他の特徴は、この説明および図面から、かつ請求項から明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1は、電子位置コード(eLC)エンコードシステム102のブロック図である。eLCエンコードシステム102は、対応するコード104内に、物体に対する位置情報を供給し、それは、高い精度レベルを実現可能であり、このような高い精度レベルを表すにしては、比較的少ないデータ量ですむ。更に、結果として得られる位置コード104は、高い精度レベルが使用可能でないか、または要求されていないとき、より低い精度レベルを表すように、容易に調節可能である。更に、位置コード104は、標準化された形式を有していて、それは、複数のユーザー間での位置コード104の容易な伝送、共有、および記憶を可能にする。これらおよび他の特徴のおかげで、位置コード104は、更に詳細に以下で説明するが、位置データの使用に対する多くの利点および可能性を提供する。
【0019】
図1において、eLCエンコードシステム102は、物体に対する位置情報を受け取るように動作可能であり、位置情報は、例えば物体の緯度、経度、および高度のような、複数の位置成分を含んでいて、各位置成分は、物体の位置の態様を特徴付けている。eLCエンコードシステム102は、位置成分の各々を、対応する位置コードセグメント106、108、110に変換するが、これらの位置コードセグメントは、例えば2進または16進表記法のような、指定されたデータ形式を有している。
【0020】
図1に示すように、セグメント106、108、110には、ヘッダセグメント112が加えられる。以下でより詳細に説明するが、ヘッダセグメント112は、例えば、位置コード104の形式に関する情報を提供する。その結果、ヘッダセグメント112は、eLCエンコードシステム102のエンコード動作の中で、役に立ち、かつ、特に、位置コード104を、例えば緯度、経度、および高度のような、元の位置成分に戻す、最後のデコードの中で、役に立つ。
【0021】
eLCエンコードシステム102は、様々な異なる方法で位置情報を受け取ることができる。例えば、図1は、3つの位置システム114、116、および118を示している。位置システム114は、全地球位置測定システム(GPS)であり、これは、上述したように、複数の衛星から位置情報を受信する。
【0022】
位置システム116は、グローバル位置番号(GLN)であり、これは、電子製品コード(EPC)システムと共に用いられ、無線識別(RFID)追跡システム内で個々のアイテムを追跡する。EPCシステムは、図4および5に関して、以下でより詳細に説明するが、図1の意図のために、GLNがユニークに割り当てられた番号であることは、理解されるべきであり、それは、指定された物理的、法的、またはビジネスの実体または設備と関連している。すなわち、GLNは、例えば、特定の倉庫と関連付けられ、倉庫についての位置情報は、後のアクセスおよび検索のために、割り当てられたGLNと関連付けて記憶され得る。
【0023】
位置システム118は、上述した、移動通信のためのグローバルシステム(GSM)の三角測量技術であり、これは、説明したように、特定のセルフォンまたは他の機器の位置を特定するために、セル(電話)タワーを基準にして実行され得る。GPSとGSM機器間の協働の段階を見越した、いくつかのサービスが存在するが、このような協働は、以下で詳細に説明するが、位置コード104の多くの特徴および利点を提供しない。
【0024】
更に、多くの他の技術を、位置コード104への変換のための位置情報を特定するために用いることができ、システム114、116、および118は、単なる例である。他の例において、通路/棚毎に位置を追跡する小売店は、局所変換器を有していてもよく、このような情報を、例えば店に関する既知の基準点を用いて、緯度、経度、および高度情報に変換する。
【0025】
ほぼ同様に、しかしより詳しくは、例えばRFID読み取り器のような、複数の読み取り器が、RFIDタグを有するアイテムの正確な位置を特定するために用いられ得る。すなわち、以下でより詳細に説明するが、自動識別(自動ID)システムが存在し、この中でアイテムがタグと関連付けられていて、これがRF信号を介して情報を読み取り器に伝送する。タグは、例えば上述したEPCを伝送することができるので、読み取り器によって受信されるEPCは、ユニークにアイテムを識別するために用いることができる。
【0026】
従って、該当するRF読み取り器の位置を知ることによって、読み取られる各アイテムの位置は、様々な精度の程度まで特定され得る。特に、このような読み取り器が重複範囲を有するとき、位置情報を、結合範囲の領域を通して提供することができ、それは、例えば、三角測量法を用いるものであり、単一の読み取り器から得ることができるものより明確である。
【0027】
しかし、位置情報が得られ、成分変換システム120が、この位置情報を受け取り、必要に応じて、この位置情報を別々の成分、例えば、緯度、経度、および高度に分解する。それから、緯度変換器122が緯度成分を第1の位置セグメント106に変換し、経度変換器124が経度成分を第2の位置セグメント108に変換し、かつ高度変換器126が高度成分を第3の位置セグメント110に変換する。
【0028】
ヘッダエンコーダ128は、以下でより詳細に説明するが、ヘッダセグメント112の特性を決定する。それから、統合器130は、位置セグメント106、108、および110と共に、ヘッダセグメント112を受け取り、4つの全てのセグメントを結合して位置コード104とする。例えば、セグメント106、108、110、および112が16進数または2進数の形式で表されるとき、統合器130は、予め決められた順序でセグメント106、108、110、および112を連結することによって、セグメント106、108、110、および112を統合して、位置コード104とすることができる。
【0029】
ヘッダエンコーダ128がヘッダセグメント112をエンコードするので、位置コード104は、容易に伝送、記憶、アクセス、かつデコードされ得る。例えば、ヘッダエンコーダは、基準選択器132を備えていて、これは、緯度、経度、および高度をどこを基準にして表すかに関する基準情報を提供する。
【0030】
基準選択器は、例えば、高度モデル134のための選択を含んでいてもよく、それは、位置コード104の中で表される高度情報のための基準点として役に立つ。このような高度モデルは、一般に、例えば海面のような共通の点を基準とする、“z”のモデルまたは配列、または地球の“x,y”座標面上の高度パラメータを指す。例えば、多数の既知の高度モデルが存在し、図1の高度モデル134に対して用いられ得る。
【0031】
基準選択器132は、更に、絶対/相対位置情報136を含んでいて、ここで、絶対位置とは、地球の表面を基準に取った位置情報を指す。これに対して、相対位置情報とは、いくつかの固定された座標系を基準に取った位置情報を指し、それは、与えられたシナリオの中で重要な座標系だけであってもよい。
【0032】
例えば、eLCエンコードシステム102は、大きな船で輸送されているアイテムの位置情報のために用いられ得る。この場合、eLCエンコードシステム102のユーザーは、少なくとも船が航海中は、船に対する位置情報(すなわち、そのアイテムが船上のどこにあるか)に関心を持つだけであり、絶対緯度、経度、および高度情報は、いかなる付加的な価値も提供しないであろう。一般に、相対位置情報は、eLCエンコードシステム102の特定の用途または応用に対して、絶対位置の完全な程度が要求されないときはいつでも、役に立つ可能性がある。
【0033】
精度制御ユニット138は、位置コード104およびそのセグメント106、108、および110の実現を見越しているので、位置コード104の全長および/またはセグメント106、108、および110のうちの1つ以上の個々の長さは、修正することができ、位置情報においてより高いまたはより低い精度を得ることができる。すなわち、例えば、位置コード104は、複数のバージョン、例えば96ビットバージョンまたは64ビットバージョンを有していてもよい。この全ビット長の中で、例えば緯度測定値に割り当てられる部分は、理論的には、(ヘッダセグメント112のために確保されている部分を除いて)ゼロから位置コードの実質的な全体まで変動し得る。
【0034】
特に、精度制御ユニット138は、位置コード104の全ビット数を指定するビット長選択器140を備えている。全ビット数に対する選択肢は、成分変換システム120の能力に応じて提供され得る。
【0035】
他の実施例において、ビット長選択器140は、受け取った位置情報に基づいてビット長を決定してもよい。特に、受け取った位置情報が、特に正確というわけではないとき、96ビットバージョンの比較的大きい長さおよび精度は、このシナリオの中では役に立たないかもしれないので、ビット長選択器140は、自動的に、96ビットバージョンより64ビットバージョンを選択してもよい。別の例として、ビット長選択器140は、位置コード104の出所および/または宛先に基づいて、またはeLCエンコードシステム102のオペレータの選択に基づいて、位置コード104のビット長を選択してもよい。
【0036】
精度制御ユニット138は、更に、ビット割り当て器142を備えていて、これは、ビット数を各位置成分と対応付けるように動作可能である。すなわち、96ビットの全ビット長に対して、ビット割り当て器142は、31ビットを緯度に割り当て、32ビットを経度に割り当て、かつ27ビットを高度に割り当て、6ビットがヘッダセグメント112のために残る。他の実施例において、ビット割り当て器142は、43ビットを緯度に割り当て、38ビットを経度に割り当て、かつ9ビットのみを高度に割り当ててもよい。このように、ビット割り当て器142は、与えられた全ビット長の枠組みの中で、精度制御ユニット138が各成分の精度レベルを調節することを可能にする。
【0037】
例えば、いくつかの状況において、高度情報は重要ではない一方で、高い精度で物体の緯度および経度を知ることが望ましいかもしれない。例えば、(例えば車または別の方法で運ばれて)地面の上を移動するアイテムの精密な監視は、移動する距離および地形次第で、多量の高度情報を必要としないかもしれない。他方、非常に高いビルの多数の階の中で物体の位置を追跡するには、高度セグメント110に対して、より高い精度(およびより長いビット長)が必要になるかもしれない。
【0038】
ひとたび基準情報および精度情報が分かれば、ヘッダ割り当てシステム144は、ヘッダセグメント112を決定して出力することができる。例えば、ヘッダバージョンのデータベース146が使用可能なので、ヘッダ割り当てシステム144は、単に、基準および精度要求を、使用可能なヘッダバージョンのリストと比較するだけで、適切なヘッダバージョンを選択することができる。図3に関連して以下で検討するが、このようなヘッダ情報は、eLCデコードシステムが、位置コード104を読み出して、適切に位置コードを分析することを可能にする。
【0039】
このように、例えば、ヘッダバージョン“000001”は、基準および標準高度モデルの絶対的な枠組みに対して、緯度、経度、および高度セグメントのために、それぞれ31ビット、32ビット、および27ビットを有する96ビットの位置コードを表していてもよい。他のヘッダバージョンは、他のビット長、ビット割り当て、および基準情報、およびおそらく他のまたは様々な情報を表していてもよい。
【0040】
いくつかの実施例において、ヘッダセグメント112自体に割り当てられるビット数は、変化し得る。ちょうど今述べた場合には、位置コード104の形式が非常に標準的であるとき、ヘッダセグメント112のビット数は、ほんの2、3ビットに限定されるかもしれないし、いくつかの場合には、1または0ビットにすら限定されるかもしれない。他の場合で、ヘッダセグメント112の多くのバージョンが必要になる場合(例えば、高度モデルに対する選択肢、基準情報、またはビット長/割り当てが広範囲である場合、または他の情報がヘッダセグメント112の中に含まれている場合)には、ヘッダセグメント112は、6ビット以上を有していてもよい。これらの実施例においては、位置コード104をやりとりするユーザーが、位置コード104をエンコード/デコードすることができることを保証するために、追加のメカニズム、例えば、ヘッダセグメント112のビット長を共有するための予め取り決められた取り決めまたは他の外部通信を必要とするかもしれない。
【0041】
与えられた全ビット長に対して、ヘッダセグメント112により多いまたはより少ないビット数を割り当てると、位置セグメント106、108、および110に割り当てられる、より少ないまたはより多いビット数が残ることは、理解されるべきである。従って、ヘッダ割り当てシステムは、精度制御ユニット138および/または基準選択器132と通信することにより、後者の構成要素が、最適な方法で、それらのそれぞれの機能を実行することができるようにしてもよい。
【0042】
例えば、一実施例において、精度制御ユニット138および/または基準選択器132がそれらの機能を実行して、次に、もしヘッダ割り当てシステム144が、適切なバージョンの選択後に、追加のビットが使用可能であることを見極めたら、ヘッダ割り当てシステム144は、精度制御ユニット138および/または基準選択器132の使用のために、更なるビットを許可または割り当てることができる。他の実施例において、ヘッダ割り当てシステム144は、精度制御ユニット138および/または基準選択器132の動作の間、これらの構成要素と通信することにより、後者の構成要素が、それに応じて、それらの機能を実行することができるようにしてもよい。
【0043】
ユーザーインターフェース148は、eLCエンコードシステム102のオペレータが、ヘッダエンコーダ128のパラメータを設定することを可能にする。例えば、インターフェース148は、オペレータがあるビット長またはある高度モデルを指定することを可能にしてもよい。いくつかの実施例においては、例えば、ヘッダエンコーダ128または位置コード104自体のパラメータが、自動エンコードのために予め取り決められているので、ユーザーインターフェース148は、縮小または完全に省略されてもよい。
【0044】
図1から理解されるように、ユーザーは、単に適切なヘッダバージョンを割り当てるだけで、位置コード104全体をフォーマットすることができる。例えば、もしユーザーが、どのヘッダバージョンが特定の基準および/または精度情報に対応しているかを知っていれば(多分、ユーザーは、しばしば、それらのヘッダバージョンを使用するので)、ユーザーは、ユーザーインターフェース148を介して、所望のヘッダバージョンを指定する1つの番号を入力するだけで、位置コード104に対する、もしかすると非常に異なる形式間での切り換えをすることができる。
【0045】
基準および/または精度情報、および他の情報は、数多くの様々な方法で、成分変換システム120の動作の中で実現され得る。この点について、ヘッダエンコーダ128は、能動的または受動的であるとみなされ得る。
【0046】
例えば、図1は、ヘッダエンコーダ128が、システム114、116、118から位置情報を受け取り、それ、またはユーザーの選択、または他の要因に基づいて、精度および基準情報を決定するように実施されてもよい。それから、ヘッダ割り当てシステム144は、この情報を、変換器122、124、126によって位置成分を位置セグメント106、108、および110に変換する際に使用するために、成分変換システム120に渡してもよい。
【0047】
他の実施例において、成分変換システム120は、位置情報を受け取って、ビット長/割り当ておよび基準情報の選択を含めて、どのように適切な変換を実行するかについての決定を行ってもよい。これらの実施例において、ヘッダエンコーダ128の動作は、より受動的であり、ヘッダエンコーダは、概して、成分変換システム120から受け取った情報に応じて、適切なヘッダ(バージョン)を決定するだけである。これらの実施例において、基準選択器132、精度制御ユニット138、およびユーザーインターフェース148のうちのいくつかまたは全ては、成分変換システム120と共同で実現され得る。
【0048】
eLCエンコードシステム102を用いて、位置コード104は、非常にコンパクトな、デジタル形式で、三次元の位置を記述する。位置コード104は、位置コード104の伝送および記憶のためのデータ量を最小にする一方で、高い精度を提供する。加えて、述べたように、位置コード104は、一般的に拡張性があり、小さい(例えば、モバイル)機器によってでさえ効率的に処理され得る。位置コード104は、更に、特に1つのファイル内に複数の位置データポイントを記述するのに用いる場合に、圧縮性が高い。
【0049】
図2Aおよび2Bは、それぞれ96ビットおよび64ビットeLCの例である。より詳しくは、図2Aは、16進数表記を用いた位置コード104aの例を示している。緯度情報を提供する位置セグメント106は、受け取った位置システムの一部として入力される、緯度の程度と関連する符号を提供する最初のビットレベル202を含む一方で、サブセグメントまたはレベル204が、緯度測定値と関連する値を提供する。その結果は、指定された基準に対して、所望の精度レベルまでの緯度を表す16進数の位置セグメント106である。
【0050】
レベル204の数は、所望の、または必要な精度レベルに応じて、ビット割り当て器142によって割り当てられ得る。すなわち、より高いレベル数は、より高い精度の緯度情報の表現を見越している。図2Aにおいて、セグメント106は、5つのサブセグメントまたはレベルを含んでいて、詳細には、各レベルは6ビットを含んでいる。同様の説明は、図示したように、セグメント108および110にも適用され、かつ図2Bの位置コード104bにも適用される。
【0051】
16進表記法を図2Aおよび2Bに示したが、他の表記法、例えば2進表記法を用いることもできる。ビット割り当てが、レベル204に関してだけでなく、セグメント106(および他のセグメント108、110)に関して、どのように実行されるかについての詳細を、以下で更に詳細に述べる。更に、例えば、度またはメートルで表される緯度、経度、および高度情報が、どのように16進数または2進数の形式に変換されるか(すなわち、変換器122、124、および126の動作)の例もまた、以下で述べる。
【0052】
図3は、eLCデコードシステム300のブロック図である。図示したように、eLCデコードシステム300は、位置コード104を受け取り、ヘッダデコーダ302を用いてヘッダセグメント112を解読する。一実施例において、ヘッダデコーダ302は、単に、ヘッダ情報を、ヘッダバージョンのデータベース146と照合する。このように、eLCデコードシステム300は、容易に、位置コード104に関する全ビット長、ビット割り当て、および基準情報を特定することができる。
【0053】
セグメント分離器304は、ヘッダデコーダ302からこの情報を受け取り、位置コード104をそのセグメント106、108、110に分離する。すなわち、セグメント分離器は、位置コード104が96ビット長であり、かつ緯度セグメント106が、合計31ビットに対して、そのビット6−36に含まれているという、図2Aの例104aにおける情報に基づいて分離を実行する。同様の説明は、セグメント108および110にも適用され、かつ図2Bの例のコード104bにも適用される。
【0054】
成分変換システム306は、セグメント106、108、110を受け取り、それらを、それぞれ緯度変換器308、経度変換器310、および高度変換器312を用いて、例えば度およびメートルの単位に変換する。成分変換システム306は、サブセグメントのビット割り当て、すなわちレベル、例えば図2Aのレベル204の情報を、ヘッダデコーダ302から、たぶんセグメント分離器304を経由して受け取ってもよい。
【0055】
図1〜3は、このように、位置が、当事者間で標準化された方法で共有され得る技術を示している。もちろん、eLCエンコードシステム102およびデコードシステム300は、一緒に実現され得る。なぜなら、システム102および300の所定のオペレータは、標準の基盤上で、位置情報を送り、かつ受け取ることができるからである。このように、システム102および300のある相関性は、効率の目的のために、一緒に実現され得る。例えば、変換器122、124、および126は、変換器308、310、および312との相関性を共有していてもよく、一緒に実現され得る。
【0056】
図4は、図1および3のエンコード/デコードシステム102/300と共に用いられるアイテム追跡システム400のブロック図である。より詳しくは、図4は、個々の物体またはアイテムを追跡するための自動ID追跡システムと共に用いられるネットワークアーキテクチャのブロック図であり、例えば、アイテムは、製造され、流通され、販売される。一実施例において、システム400は、個別レベルでアイテムを追跡するために、上述した電子製品コード(EPC)に依存する。
【0057】
換言すれば、EPCは、標準製品コード(Uniform Product Code)(UPC)識別子と同様の、ユニークな番号を意味し、それは、予め定義された形式および方式を有していて、複数の組織および企業が、それらのそれぞれの製品、商品、またはサービス、またはその集合(例えば、パレット、ケース、またはトラックの積荷)をユニークに指定して識別する際に使用することに同意したものである。例えば、RFIDシステムの状況(context)の中で、EPCは、アイテム404のタグ402に割り当てることができるので、このタグは、RFID読み取り器406によって読み取ることができる。例えば、標準的なEPCは、4つのフィールドによって定義される。ヘッダフィールド(様々な形式を識別するため)、製造フィールド(EPCを割り当てる各組織は、それ自身の製造フィールドを持っている)、製品フィールド(製品コード)、およびシリアルナンバー(製品またはアイテム自体が有している)。
【0058】
読み取り器406のようなデバイス読み取り器は、例えば企業活動全体に、広く分布させることができる。例えば、デバイス読み取り器は、特定の倉庫または小売店全体に、または企業のサプライチェーンの複数の製造設備、倉庫、流通センター、および小売店全体に、配置することができる。
【0059】
単一の読み取り器406だけが便宜のために図4に示されているが、日々の取引の中で生産され、かつ販売される多数の商品は、このような商品のアイテムレベルでの追跡が、兆の範囲の多数のセンサを必要とするかもしれないことを意味する。更に、いかなる1つのアイテムも、その存続期間またはその存続期間の一部にわたって監視されるかもしれないので、各アイテムは、所定の期間にわたって、読み取り器406によって、複数の読み取りイベントを発生させるかもしれない。
【0060】
述べたように、EPCはアイテム404に対する製品情報を提供するが、タグ402が読み取り器406によって読み取られるたびに、上記のシステム102および300の特徴を組み込んでいるeLCエンコード/デコードシステム408は、それが読み取られる時(および各々の時)の、アイテム404に対する位置特定情報を提供するために用いられる。例えば、eLCシステム408は、アイテム404のEPCの読み取りの識別および出力と同時に、あるバージョンの位置コード104を出力することができる。
【0061】
上記のように、位置コードは、EPCネットワークアーキテクチャ400全体を通して、容易かつ有意義に、共有かつ記憶され得る。すなわち、各読み取り器406は、圧縮性が高く、かつ、対応する使用可能なeLCシステム408を持っている、位置コード104の他のどの受け取り人によっても、容易にデコードされる方法で、位置コード104を選択された精度レベルまでエンコードすることができる。
【0062】
位置コード104のこのような受け取り人は、EPCネットワーク全体に配置されるかもしれないので、対応するeLCシステムも、EPCネットワーク全体にわたって設置され得る。図4の残りは、以下で説明するが、どのようにeLCシステム408が配置され、この状況の中で用いられ得るかの例を示している。
【0063】
図4において、企業アプリケーション410は、1つ以上の多数のアプリケーションを表していて、それは、EPCネットワークと連係し得る。例えば、このような企業アプリケーションは、サプライチェーンマネジメントアプリケーションを含んでいてもよく、これは、企業の製品またはサービスの生産/購入、出荷、および販売の過程を管理するため、または、どの資産(例えば、在庫資産)が、企業にとって使用可能または不可であるのか、または企業によって望まれているのかを判断する目的で、サイト、組織内または全体、または組織間の多数の資産を監視かつ追跡するために用いられる資産追跡および管理システムを管理するために、企業によって用いられ得る。倉庫管理アプリケーションは、倉庫の受領、仕入れ、選別、および出荷態様を管理するために用いられ得る。分析システムは、企業活動の態様、例えば、消費者の要求に対する応答速度、盗みに起因する損失、または企業の利益または活動に影響を与え得る他の要因を定量化するために用いられ得る。
【0064】
このような企業アプリケーション410は、一般に、1つ以上の企業システムに共通のデータを集め、共有し、かつ使用する必要があり得る。例えば、サプライチェーンマネジメントアプリケーションは、資産管理アプリケーション内のデータに基づいて、あるタイプの資産のうちのいくらが、現在、使用可能であるかを知る必要があり得る。分析システムは、例えば、仕事の課題(例えば倉庫の使用、または配達遅れの理由)、問題(例えば製品偽造のパターン)、および物理的な物体(アイテム、ケース、パレット)の概略の認知度を発見するために、他のアプリケーションからデータを抽出し得る。
【0065】
従って、情報は、ちょうど今述べた、例としての企業アプリケーションのうちのいずれか、または他のものに伝達され、これらの間で共有され、かつこれらによって用いられ得る。このように、企業は、本質的にリアルタイムであり、その活動の全領域にわたる情報を得て、用いることができる。更に、企業は、情報を他の企業と共有することができる。例えば、サプライチェーンマネジメントアプリケーションは、第1の企業(例えば、小売店)と関連している一方で、倉庫マネジメントアプリケーションは、第2の企業(例えば、製造業者)と関連しているかもしれない。ここで述べたような情報を得て共有することによって、2つの企業は、それらのそれぞれの活動の両方の効率を上げることができる。
【0066】
示したように、企業アプリケーション410は、eLCシステム408を含んでいてもよいし、またはeLCシステム408にアクセスできてもよい。その結果、上記の活動は、例えば、企業のサプライチェーン内かつ全体にわたる製品に固有の位置情報の認識および共有から、利益を得ることができる。以下に示す例の中でより詳細に説明するが、このような位置の認識は、企業が、それらのサプライチェーンおよび他の活動をより効率的かつより安全に管理することを可能にし、かつ、他の利益の中で、位置の認識をベースとする効果的な構成を見越していて、それは、企業活動の間に起こり得る問題を発見(かつ修正)するために、照会かつ調査することができる。
【0067】
この状況の中で、図4において、EPC情報サービス(EPCIS)層412は、ネットワーク上でのEPCデータの交換を可能にする。すなわち、EPCISは、標準的な形式またはプロトコルを提供し、これによって、EPC番号を識別した読み取り器は、その番号についての(そして、それゆえに、その関連付けられたアイテムについての)情報を見つけて、使用することができる。いくつかの実施例において、かつ/または関連する実施例において、言語、例えば、物理的マークアップ言語(PML)および/または拡張可能なマークアップ言語(XML)は、上記のビジネスレベルのEPC情報の転送および使用のために用いられ得る。位置コード104は、上述した言語、または他の言語を用いて、率直な方法で、このようなEPCデータの中に組み込まれ得る。
【0068】
EPCIS層412は、アプリケーションマネージャ414から情報を受け取り、それは、一般に、情報イベント(例えば、タグの読み出し)を管理し、かつEPCIS層412への、そして、これにより、EPCIS倉庫(repository)416への通信のためにイベントを管理するように動作可能である。アプリケーションマネージャ414は、倉庫416がデータを蓄積するとき、倉庫416を監視かつ設定するように動作する。
【0069】
アプリケーションマネージャ414およびEPCIS層412は、オブジェクトネーミングサービス(ONS)418にアクセスでき、これは、ドメインネームサービス(DNS)と同様に、ルックアップサービスである。このルックアップサービスは、アプリケーションマネージャ414およびEPCIS層412が、製品についての情報を、その製品のためのEPCコードに基づいて見つけることを可能にする。ONS418は、様々なレベルの情報を有していてもよく、この情報は、例えば、情報が製品に対して局所的に記憶されたのか、非局所的に記憶されたのかによって分類され得る。
【0070】
示したように、eLCシステム408は、アプリケーションマネージャ414、EPCIS貯蔵所416、およびONS418の層で実現され得るので、アプリケーションマネージャ414、EPCIS倉庫416、およびONS418もまた、eLCシステム408を動作させ、または、それにアクセスできる。このように、再び、これらのアプリケーションの各々は、実用的かつ効率的な方法で、莫大な数の製品に対する位置情報を追跡かつ共有することができる。
【0071】
すなわち、ちょうど今述べたように、図4のアーキテクチャは、単に製品のEPCを知っていることによって、追跡、共有、かつアクセスされるべき製品を見越している。従って、例えば、位置コード104を所定の製品のEPCと関連付けることによって、倉庫416およびONS418は、製品の現在の位置、または製品の以前の位置の履歴、または製品の計画された将来の経路を特定するために用いられ得る。
【0072】
更に、図4において、アプリケーションレベルイベント(ALE)インターフェース層420は、デバイスマネージャ422に対するインターフェースを提供する。すなわち、非常に多数の読み取り器406、およびこのような各読み取り器に関連する非常に多数の読み出しイベントがあるかもしれないので、デバイスマネージャは、効率的な方法で複数の読み取り器の動作を調整するために用いられ得る。例えば、ALEインターフェース層420は、デバイスマネージャ422と共に用いられて、読み出しイベントを、読み取り器プロトコルインターフェース層304から受け取ったとき、フィルタにかけるか、または統合することができる。読み取り器プロトコルインターフェース層304は、ネットワークアーキテクチャ400内で、多数の異なるタイプの読み取り器との通信が可能なように設計されている。この状況において、再び、eLCシステム408は、記憶スペースを節約するために、例えば、より低い精度レベルまでの再エンコード位置情報によって、または基準情報(例えば、高度モデルまたは絶対/相対基準情報)が第2のセットの読み取り器406のそれに適合するような第1のセットの読み取り器406からの再エンコード位置情報によって、効率的に位置情報を管理するために用いられ得る。
【0073】
図5は、図4のアイテム追跡システムの実施例のブロック図である。多くの他の例が存在するが、図5は、eLCシステム408および位置コード104が、どのように用いられて、そのユーザーに利益をもたらし得るかの2、3の例を提供する。
【0074】
図5には、倉庫502が、小売店506に出荷されるべきアイテム504を格納しているシナリオが示されている。図5には示していないが、アイテム504は、RFIDタグまたは他の識別器を有していて、それによって、読み取り器508または読み取り器510は、例えばアイテム/タグのEPCを特定することによって、アイテム504を検出および識別し得ることは、理解されるべきである。
【0075】
示したように、読み取り器508は第1の位置に置かれる一方で、読み取り器510は第2の位置に置かれる。両方の読み取り器は、eLCシステム408を含む追跡システム512と通信する。図5には示していないが、上記のように、eLCシステムも、明確に読み取り器508/510の一方または両方と関連していてもよい。
【0076】
同様に、小売位置506は、第1の位置に読み取り器514を有し、第2の位置に読み取り器516を有し、かつ読み取り器514/516と通信する追跡システム518を有している。追跡システム512および518の両方とも、ネットワークと通信するが、それは、例えば、公共のネットワーク、例えばインターネットを表していてもよく、かつ/または、図4のEPCネットワークアーキテクチャ400のうちのいくつか又は全てを含んでいてもよい。
【0077】
そして、1つのシナリオにおいて、配達トラック522は、倉庫位置502から小売位置506までアイテム504を輸送するように割り当てられる。より詳細には、読み取り器508および510の位置は、倉庫502の2つの別々の荷積みドックを反映していて、かつトラック522は、読み取り器508と関連付けられた荷積みドックでアイテム504をピックアップするように割り当てられてもよい。
【0078】
この場合、倉庫502は、この位置、例えば「荷積みドックA」のための内部基準を有していてもよい。この内部基準は、しかし、倉庫502のレイアウトに精通していない可能性があるトラック522の運転手524にとっては、役に立たないかもしれない。更に、倉庫502が、上述したようなグローバル位置番号(GLN)を有していて、それによって、運転手524は、倉庫のストリートアドレスを見つけるかもしれないが、この情報は、まだ、この倉庫に対する読み取り器508の位置を見つけるのには役に立たないであろう。
【0079】
しかし、アイテム504(または読み取り器508)と関連付けられたeLCを特定することによって、運転手524は、明確に適切な位置に導かれ得る。例えば、eLCシステム408は、マッピングソフトウェアと関連していて、マッピングソフトウェア自体は、たぶん運転手524によって用いられるトランシーバ526を含むGPSシステムと関連している。すなわち、アイテム504の位置コード104を受信することによって、対応する緯度/経度/高度情報が特定され、倉庫502の地図または線図と関連付けられる。もちろん、GPSシステムも、トラック522自体の位置情報を提供することができ、それは、ここで述べたような、倉庫502の地図または線図、および/またはアイテム504の位置コードに関する相関のための位置コードとして表され得る。
【0080】
従って、運転手524は、小売位置506への輸送のために、アイテム504を得て、積むことができる。上記と同様に、小売店506のオペレータは、アイテム504のための特定の荷下ろし点を選ぶことができ、それは、ドライバ524に、選ばれた位置の読み取り器514の位置コード104を送信することによって、伝達され得る。再び、運転手524は、小売店のオペレータによって用いられ得る位置のための内部基準または命名法の知識を必要とせずに、有意義にこの位置情報を使用することができる。従って、運転手524は、単一の位置コードを介して、小売店506の概略の位置と、読み取り器514の特定の荷下ろし位置との両方を得ることができる。
【0081】
次に続くトラック522によるアイテム504の輸送は、位置コード104の有益な使用のための多くの機会を提供する。例えば、輸送されるときにアイテム504の位置を個別に追跡することは、起こり得る間違いの防止または少なくとも識別の助けになり得る。例えば、もし、例えば方向に沿った別々の配達のために、または異なる宛先への出荷の中で他のアイテムを送るために、トラック522の全出荷が分割されるならば、アイテム504は、不注意でトラック522から取り除かれるかもしれない。逆に、アイテム504は、取り除かれるべきであったが、取り除かれなかったかもしれない。
【0082】
このような場合に、その移動全体にわたるアイテム504の位置についての情報は、時間を通して、その関連付けられた位置コード104によって提供され得る。例えば、読み取り器528をトラック522上に設置して、アイテム504の存在を検出するように動作させることができる。読み取り器528およびGPS送信器526は、eLCシステム408と通信して、その移動全体にわたって、アイテム504の更新された位置コードのストリームを生成することができる。同様に、もしアイテム504が所定の位置でトラック522から(多分誤って)下ろされれば、その位置の読み取り器が、アイテム504の位置コードを送信し始めることができる。
【0083】
その結果、位置コードは、アイテム504を追跡するための遠隔測定データのストリームを効果的に形成することができ、それは、データベース530に格納することができる。更に、位置データは、示したように、その収集の時間と関連させてもよく、これにより、多数の異なるタイプの照会が、位置データに対して実行されることを可能にする。
【0084】
既存のシステムは、いくつかのタイプの位置情報を提供すると言えることは、理解されるべきである。なぜなら、例えば、倉庫502のマネージャは、倉庫内の全ての読み取り器の位置を知っているかもしれないからである。同様に、サプライチェーンを管理している誰かは、サプライチェーンに沿った全ての読み取り器についての情報を有しているかもしれないので、アイテムが予想された読み取り器のうちの1つによって読み取られる範囲で、輸送されたアイテムの位置を知っているかもしれない。
【0085】
ユーザーは予想される読み取り器の位置に精通していると仮定すると、または、もし読み取り器の位置が、関連する実体のGLNと関連するのであれば、このような情報は、一般に位置情報の概要を提供する。しかし、もしユーザーが、予想される読み取り器の位置に精通していないのであれば、または、もしGLNが使用可能でないのであれば、または、もし、このアイテムが(間違いまたは不正行為によって)予想外の読み取り器で読み取られたら、ユーザーは、(役に立つ)位置データを持つことができないか、または、使用可能な位置データに基づいて行動するために、様々な追加のステップまたは努力を実行しなければならない可能性がある。
【0086】
更に、読み取り器の位置の一般的な情報によって間接的に得られる、このような位置情報は、具体的な読み取り器またはアイテム504自体の緯度、経度および高度情報と同じように役に立つとは言えない。更に、このような一般的な位置情報は、望ましい精度レベルに容易に拡張することができないし、高速かつ有意義な方法で他の位置情報と比較することもできないし、コンパクトな仕方で記憶することもできない。
【0087】
しかし、図5においては、アイテム504の位置コードは、これらおよび他の利益を見越している。例えば、既に述べたが、アイテム504の位置コードは、アイテム504の移動全体を通して、送信され、かつ記憶され得る。更に、GPS送信器526によって、トラック522も追跡され得る。
【0088】
更にまた、運転手524は、上記で概説したように、例えば、GSMシステム534によって追跡される運転手のセルフォン532によって、追跡され得る。たとえ、GPS送信器526とGSMシステム534との個々の実施の間に、いくらかの互換性があるとしても、位置コード104は、ここで記述される様々な他のデバイス、および他のデバイスと同様に、eLC408と関連する実質的に任意のこのようなデバイスと互換性を持つという点で、更なる利益を提供する。更に、位置コード104は、フレキシブルで、拡張性があり、かつ非常に正確である。
【0089】
多数の異なるタイプの装置にわたって、正確で一貫した方法で、様々なアイテム、物体、および人の位置を追跡することを見越した位置コード104の能力は、多数の実現可能な利益を提供する。少し例を挙げれば、それは、トラック522の積荷が高価で、盗みまたは損害のないように単独で放置すべきではないので、運転手524が、トラック522から予め決められた距離以上離れないという指示下にある場合であってもよい。セルフォン532の位置コードをトラック522の位置コードと比較することによって、もしかすると本質的に異なるシステム(すなわちGPSとGSM)の存在にもかかわらず、2つの位置コードは、位置データベース530へのアクセス権を有する誰によってでも、有意義に比較され得る。
【0090】
更に、運転手524がトラック522から離れた時間および距離を確かめることができる。もし運転手がアイテム504をトラック522から盗もうとしたとしても、データベース530からの位置コードが、アイテム504がトラック522上に存在した最後の位置を特定するために用いられ得る。
【0091】
多くの他の照会が、データベース530に対してなされ得る。例えば、位置および関連する時間がアイテム504に対して分かっているので、アイテム504の速度が計算され得る。このような情報は、例えば、アイテム504が壊れやすく、過度に加速されるべきではないときに、役に立ち得る。更に、運転手524の管理者が、運転手524の安全運転の実施を維持することを望むのであれば、運転手524の平均または瞬間の速度もまた、計算され得る。
【0092】
もし多数のトラックがアイテムを配達しているのであれば、2台のトラックの比較もまた、なされ得る。例えば、トラックが、現在、お互いから、どれくらい遠く離れているか、または、どのトラックが、特定のピックアップまたは配達場所に、より近いかを、容易に特定することができる。このような能力は、配達トラックの運転手および管理者の効率を上げることができる。
【0093】
図6は、図1のeLCエンコードシステム102の動作を示しているフローチャート600である。図6の例において、システム102は、まず、緯度、経度、および高度情報を、局所的または非局所的な出所から受け取る(602)。それから、適切な基準情報、例えば、高度モデルおよび受け取った緯度、経度、および高度情報の絶対または相対位置間の区別を受け取る(604)。
【0094】
それから、形成される位置コード104の全ビット長が、例えば96ビット、64ビット、または他の長さのように決定される(606)。位置コード104の形式、例えば16進数かまたは2進数かもまた、決定され得る。述べたように、全ビット長は、結果としての位置コードにおける、より大きいまたはより小さい程度の精度を提供する。
【0095】
それから、選択された使用可能なビット数の割り当てがなされる(608)。一実施例において、上述したように、ビット長および/またはビット割り当て選択過程が、精度レベル数としての選択と同様に示され得る。ここで、各レベルは、位置コードセグメント106、108、および110の各々のサブセグメントを表している。より大きいかより小さいレベルが、全体の中でセグメントの各々に割り当てられ得る。または、与えられたレベル数(サブセグメント)が、セグメント106、108、および110間で、複数の方法で共有され得る(すなわち、より大きいレベル数が、他のセグメントに割り当てられるレベル数を減らすという犠牲を払って、1つのセグメントに割り当てられ得る)。
【0096】
ビット割り当て過程の一部は、もし以前に設定されていなかったのであれば、あるビット数をヘッダセグメント112に割り当てることを含んでいてもよい。もちろん、ヘッダセグメント112に対してより多いまたはより少ないビットを使用可能にすると、セグメント106、108、および110のうちの1つ以上に対して、それぞれ、より少ないまたはより多いビットが割り当てられる。
【0097】
それから、ヘッダバージョンが、基準情報、ビット長、およびビット割り当てに基づいて、決定され、かつ割り当てられ得る(610)。述べたように、ヘッダセグメントの指定されたバージョンは、eLCデコードシステム300での位置コードの直接かつ容易なデコードを見越していて、緯度、経度、および高度位置成分の実際の変換の一部として用いられ得る。
【0098】
すなわち、ひとたび上記の情報が分かれば、最初に受け取った緯度、経度、および高度情報は、適切なビット数を有するセグメント106、108、および110に変換され得る。それから、セグメント106、108、および110は、ヘッダセグメント112と共に、位置コード104に統合され得る(614)。
【0099】
いくつかの実施例において、例えば、基準情報およびビット長/割り当ては、緯度、経度、および高度情報を受け取る前に設定され得るので、これらの時点での決定は、位置コードが形成されるたびに、なされる必要はない。例えば、eLCエンコードシステム102の所定のユーザーは、使用のために割り当てられる特定のヘッダバージョンを持つことができ、それは、全ての入力位置情報に自動的に割り当てられ得る。他の例として、eLCエンコードシステム102は、位置情報の出所(例えば特定の読み取り器)または宛先(例えば特定の記憶データベース)に基づいて、特定のヘッダバージョンを割り当てるように構成され得る。この点に関しては、図1に関する上記のように、ユーザーインターフェース148が、このような設定を入力するために用いられ得ることは、理解されるべきである。
【0100】
緯度、経度、および高度変換(612)を実行するための具体的な技術を、表1〜4および図7および8に関連して更に詳細に以下で述べる。
【0101】
詳細には、表1は、緯度変換のための変換規則を提供する。表1においては、以下の表記法が用いられる。InLAは、入力緯度を指し、−90°と+90°との間の度で表される。RLAは、正しい単位を保証するための正規化係数を指し、緯度変換の場合、90°である。
【0102】
LxLAbは、所定のレベルのために使用可能なビット数を指す。例えば、図2Aを参照すると、緯度セグメント106は、5つのレベル204を有している。これらの中で、レベル1は、位置コード104aのビット7〜12から成る6ビットを有している。従って、この場合の量LxLAbは、L1LAb=6(ビット)と表記される。同様に、レベル2に対しては、結果はL2LAb=6(ビット)である。表1において、異なるレベル、例えば図2Aの5つのレベル204は、LxLAと称されるので、レベル1はL1LAと表され、レベル2はL2LAと表され、等々である。
【0103】
再度、図2Aを参照すると、既に位置コード104aに関して述べたように、1ビットから成るサブセグメント202が、緯度の符号を示すために確保され得るので、入力緯度InLAがゼロ未満のときsignLA=0であり、入力緯度InLAがゼロ以上のときsignLA=1である。換言すれば、例えば、入力緯度InLA=37°であれば、サブセグメント202のビット値は1である。入力緯度InLA=−37°であれば、サブセグメント202のビット値は0である。
【0104】
【表1】

【0105】
上記の表記法と共に、表1は2つの欄を有している。第1欄は、度で表される緯度測定値InLAを入力し、所定の精度レベルまでの緯度測定値に対応する整数値を出力するための変換規則を表している。計算は、入力緯度InLAおよび所定のレベルで使用可能なビット数LxLAbに依存する。
【0106】
第2欄は、所定のレベル、そのレベル(および前述のレベル)で使用可能な所定のビット数、および入力緯度測定値InLA自体の所定の精度レベルで表され得ることを超えた情報の残りを捕捉するための規則を表している。この残り値はRLxLAと表記され、レベル1の例ではRL1LAと表記される。
【0107】
例えば、37.425°であることが知られているだけである入力緯度InLAに対して、図2Aのように、レベル1でのビット数はL1LAb=6であると仮定すると、表1の欄1において、第1の計算は、L1LA=(37.425)(2=64)/90、すなわち約26.755という値になり、n=26という整数値になる。値26は、それから所望のデータ形式、例えば2進数のデータ形式に変換することができ、この例におけるレベル1で使用可能な全6ビットを用いて011010と表される。
【0108】
もしこの精度レベルが許容できるのであれば(この数によって表される分解能の程度は、更に詳細に以下で論じられる)、位置コードの残りのビットは、経度および高度測定値のために用いられるか、または単にゼロとして表され得る。しかし、37.425°の緯度測定値を表す際に、より高い分解能および精度を得るために、上記のように、位置コードの次のレベルすなわちサブセグメントが、前のレベルで使用可能なビット数だけでは表現することができない、追加の分解能を表す残り値に基づいて計算され得る。
【0109】
例えば、与えられた例を続けると、残り値RL1LAは、表1の第2欄の第1項目に従って、RL1LA=(37.425)−[(26)(90)/(64)]、すなわち.8625になる。そして、この値は、表1の第1欄の第2項目における整数値L2LAを計算するためのベースとして役立ち得る。それは、この場合、39であり、2進数の形式で表せば100111である。分かると思うが、望むのであれば、次の残り値RL2LAは、それから計算され得る。それから、2進数の形式にされた結果は、連結によって統合され、それは、この場合、1011010100111という結果になる(入力緯度37.425°の符号が正だったという事を表す最初のビットの1を含む)。十分に作業した例を、図8に関連して以下に示すが、それは、上記の数および仮定を使用して、緯度セグメント106の5つのレベルに対する結果に加えて、位置コード104の経度セグメント108および高度セグメント110に対する対応する結果も示している。
【0110】
図7は、表1に関連してちょうど今述べた、図6の動作の中で用いられる過程の概略の適用を示すフローチャート700である。詳細には、図7は、位置情報(詳細には、緯度成分)を位置コード104の対応する(すなわち、緯度)セグメント106に変換することを記述した実施例を示している。
【0111】
図7において、ちょうど今述べたように、緯度成分InLAが受け取られ、かつアクセスされる(702)。すなわち、例えば緯度変換器122で、経度および/または高度情報から分離される。そして、緯度変換器122は、各レベルに対するビット数LxLAbとして上述した、緯度セグメント106が使用可能なビット数を決定することができ、同様に、各々の使用可能なサブセグメントまたはレベルにビットを割り当てることができる(704)。従って、緯度変換器122は、使用可能な精度レベル(すなわちサブセグメント)を決定することができる(706)。逆に、もちろん、緯度変換器122は、最初に緯度セグメント106のための全ビット長およびセグメント106のレベル数を得ることによって、各レベルに対するビット数LxLAbを決定することもできる。
【0112】
それから、上記で概説した変換規則によって進み、レベルの整数は、最初のレベルに対して計算される(708)。上記の例では、レベル1の整数は26になる。このレベルの整数は、それから、選択された(例えば2進数の)データ形式の、結果としてのサブセグメントに変換され、かつ一時的に記憶され得る(710)。
【0113】
もし更なるレベル(ビット)が使用可能であるならば(712)、緯度変換器122は、残り値RLxLAを計算することができ、この例においては、第1レベルのための第1残り値、すなわちRL1LAである。それから、この値RL1LAは、次のレベルの整数を計算するために用いられ得る(708)。
【0114】
この過程は、それ以上のレベルが使用可能でなくなるまで続き、その時点で、計算されたサブセグメントは(符号ビットと)統合され、緯度セグメント106とされる(716)。他の実施例において、サブセグメントは、各サブセグメントが計算されるとき、進行中に連結され得る。
【0115】
図7の過程は、経度変換器124および高度変換器126のための同様の過程によって、それらの変換器によって用いられる適切な変換規則に従うことによって、繰り返され得る。このような変換規則の例を、以下で表2および表3に関連して示す。
【0116】
詳細には、表2は、経度変換器124のための変換規則を提供する。表2においては、表1と類似している以下の表記法が用いられる。InLOは、−180°と+180°の間の度で表される入力経度を指す。RLOは、正しい単位を保証するための正規化係数を指し、経度変換の場合、180°である。
【0117】
−90°<InLA<90°および−180°<InLO<180°のような緯度および経度の表現は、それぞれ、それらの用語の定義に起因することに注意した方がよい。特に、緯度および経度は、地球のグリッドシステムを定義している。赤道でスライスすることによって、経度線(子午線)が円(例えば赤道)のまわりの各々の度で定義され、全てのこのような経度線は極で出会う。各々の度での経度線によってスライスしても、緯度線を提供する、対応する円になる。
【0118】
赤道をゼロ度と定義し、かつ正の値としての各々の度(緯度線)で北を測定することによって、緯度線は北極で90°に達し、かつ同様に緯度線は南極で−90°に達する。経度に対しては、国際協定が、本初子午線として知られた特定の経度線においてゼロ度の経度を定義していて、経度の距離が、東西で、それらが後に180°で出会うまで測定される。
【0119】
更に表2において、LxLObは、所定の経度レベルのために使用可能なビット数を指し、例えば、図2AにおいてはL1LOb=7(ビット)である一方で、L2LOb=6(ビット)である。表2において、レベルはLxLOと称されるので、レベル1はL1LOと表され、レベル2はL2LOと表され、等々。
【0120】
緯度のための表1と同様に、1ビットから成るサブセグメントが、経度の符号を示すために確保されるので、入力経度InLOがゼロ未満のときsignLO=0であり、入力経度InLOがゼロ以上のときsignLO=1である。
【0121】
【表2】

【0122】
上記の表記法と共に、表2は、度で表される経度測定値InLOを入力し、経度測定値に所定の精度レベルまで対応する整数値を出力するための変換規則を表す第1欄を有している。第2欄は、残り値RLxLOを表していて、レベル1の例では、RL1LOである。
【0123】
表3は、高度変換器126のための変換規則を提供する。表3においては、表1および2と類似しているが、以下の表記法が用いられる。InALは、海抜メートルで表される入力高度を指す。RALは、正しい単位を保証するための正規化係数を指し、高度変換の場合、高度オフセットOffALおよび最大高度MaxALに関連して設定される。すなわち、高度に対しては、海面下のある(小さい)距離だけが重要であり、かつ、同様に、その上の高度測定値は求められていない、いくつかの定義される最大高度が、設定され得ることが、所定の高度モデルに対して仮定され得る。要するに、高度範囲が設定され、そして、下記の例においては、高度範囲は、OffAL=−24kmとMaxAL=1000kmの間、すなわち1,024,000mであると仮定される。
【0124】
更に表3においては、LxALbは、所定の高度レベルのために使用可能なビット数を指し、例えば、図2AにおいてはL1ALb=6(ビット)である。表3においては、レベルはLxALと称されるので、レベル1はL1ALと表され、レベル2はL2ALと表され、等々。
【0125】
1ビットのサブセグメントが、高度の符号を示すために確保され得る。代替案として、下記の例において、上述した範囲は、オフセット値OffALをゼロとみなし、かつ高度は24km未満の値に対しては負の値で表すように調節され得る。
【0126】
【表3】

【0127】
上記の表記法と共に、表3は、メートルで表される高度測定値InALを入力し、高度測定値に所定の精度レベルまで対応する整数値を出力するための変換規則を表す第1欄を有している。第2欄は、残り値RLxALを示していて、レベル1の例では、RL1ALである。
【0128】
図8A〜8Cは、図6および7の動作の結果を示している表である。詳細には、図8A〜8Cは、それぞれ、上記のように、入力緯度がInLA=37.425°である一方で、入力経度がInLO=−122.21°であり、かつ入力高度が(高度を定義するための上記で定義された範囲を用いて)InAL=−12345.786である例を示している。
【0129】
図8A〜8Cのための望ましいeLCは、2進数形式での96ビットの例に相当する。緯度のために使用可能なビットは、L1LAb=L2LAb=L3LAb=L4LAb=L5LAb=6、すなわち符号を示すための最初のビットを含めて合計31として表される。経度のために使用可能なビットは、L1LOb=7、およびL2LOb=L3LOb=L4LOb=L5LOb=6であり、符号を示すためのビットと合わせて合計32として表される。高度のために使用可能なビットは、L1ALb=6、およびL2ALb=L3ALb=L4ALb=5であり、合計21として表される。96ビットの全ビット長に対して、12ビットがヘッダセグメントのために残っていることを意味する。代替案として、高度は、例えばLxAlb=6を追加し、ヘッダセグメントのために6ビットを残すことによって、追加の精度レベルまで表され得る。または、もしその精度レベルが使用可能でないならば、最終的なレベルは、全ビット長および/またはヘッダビット長に対する要求に適合する必要に応じて、ゼロのプレースホールダ値で満たされてもよい。
【0130】
図8Aにおいて、上記の表1の変換規則の適用は、レベル1の結果802を提供し、この中で、L1=26およびRL1=.8625である。整数値L1=26の変換は、011010のような2進数形式で書かれたサブセグメント804という結果になる。残りRL1は、それから、100111のように書かれたサブセグメント808を含む、レベル2の結果806を決定するために用いられ得る。同様の説明は、残りのレベルにも当てはまる。
【0131】
更に、同様の説明は、図8Bおよび8Cにも当てはまる。その結果は、サブセグメント804、808、および図8A〜8Cの全ての残りのサブセグメントが、それぞれ入力緯度および経度の符号に関するsignLAおよびsignLOビットを含めて、トップダウン方式で連結され得るということである。例えば000100という架空の6ビットヘッダセグメントを含み、かつ高度部分において6つのゼロのプレースホールダ値を仮定することによって、結果としての位置コードは、eLC=000100101101010011101000000110110100101010110111001111010011011001100101110100111011110101000000となる。
【0132】
上記の例の結果は、下記の表4のように要約される。表4において、上記図8A〜8Cのように、eLCは2進数形式で表されている。しかし、上記を参照すると、ヘッダおよび各々のセグメントを最初に16進数形式で表し、次に区切り記号としての“.”と共に上記の順に連結することによって、選択された3次元位置のための16進数表現も得ることができる。
【0133】
【表4】

【0134】
図9は、図3のeLCデコードシステム300の動作を示しているフローチャートである。図9において、ヘッダデコーダ302で、位置コード104が受け取られ(902)、かつヘッダセグメントがデコードされる(904)。ヘッダセグメントのデコードのおかげで、位置セグメント106、108、および110のビット長が、位置コード104の全ビット長の中から特定され得るので、セグメントはセグメント分離器304で分離され得る(906)。
【0135】
また、ヘッダセグメントのおかげで、各セグメントの精度レベルも特定され得る。すなわち、各セグメントの各サブセグメントの長さが特定され得る(908)。それから、各サブセグメントは、整数の形で書かれ、かつ、例えば、成分変換システム306で実現されるような、下記の表5に示されている変換規則を用いて、正確な10進数の値に変換される(910)。
【0136】
【表5】

【0137】
それから、緯度および経度の場合、サブセグメントは、度に統合かつ変換される(912)。高度の場合、サブセグメントは、また上記の表5の変換規則によって示されたような、定義された基準/高度モデルに従って、メートルに統合かつ変換される(912)。
【0138】
例えば、上記のエンコードの例に、表5の変換規則を適用することによって、元のエンコード過程で用いられた、ほぼ、どんな精度レベルに対しても、元の緯度、経度および高度測定値を(再度)得ることができる。この場合、結果としての位置情報は、37.424999°の緯度、−122.21°の経度、および−12345.78705mの高度を含んでいる。
【0139】
上記のように、個々の位置コードをエンコードする中で用いられるための様々な使用可能なレベルを提供することは、全体としてのコード、およびコードの各セグメントに対する精度レベルにおける選択を可能にする。更に、使用可能なビット長、例えば上述した96ビット長は、容易に伝送、記憶、およびデコードされるコンパクトな形式の中で、位置測定値の極めて正確な分解能を見越している。
【0140】
ここで述べた位置コードによって可能にされる精度レベルの例として、表6は、SegBit=31ビットを有する緯度セグメントの例を示している(それは、6ビットのヘッダセグメントを仮定すると、全体として位置コードのBit=7−37のビットを含んでいる)。
【0141】
【表6】

【0142】
表6は、各々が6ビットを有する5つのレベルと共に、符号ビットを含むことを示している。示したように、レベル4の後は、メートル未満の分解能に達する一方で、第5レベルの使用は、充分にセンチメートル未満の分解能を提供する。
【0143】
述べたように、このような分解能は、例えば使用可能なヘッダバージョンの情報と、例えば緯度、経度、および高度のような一般的な位置情報をエンコードし、かつ位置コードをデコードするための上記で提供された変換規則とのみを要求する、普遍的にアクセス可能な形式で使用可能である。
【0144】
上記の例は、受け取られてエンコードされるべき位置情報として、緯度、経度、および高度について述べたが、多くの他のタイプの位置情報および/または座標系が用いられ得ることは、理解されるべきである。例えば、万国横メルカトル(UTM)座標系が用いられ得る。
【0145】
また、上記の説明は、地球のみに対して、明示された基準を有しているが、他の惑星または惑星状の物体上での位置の特定化もまた、ここで述べた位置コードの使用から利益を得ることができることは、理解されるべきである。例えば、月または火星への探査任務において、記載した原理を用いて位置データを送信することができるかもしれない。
【0146】
さらに、上記の例の多くは、商品の流通および販売の状況の中で与えられているが、ここで述べた位置コードは、位置情報が要求される、実質的にいかなる状況の中でも用いられ得ることは、理解されるべきである。例えば、家畜にRFIDタグを設けて、それらの位置を追跡することができるようにする場合である。特に、このような情報は、病気の大発生の間、役に立ち得る。なぜなら、特定の病気にかかった動物の経路を個別に追跡することができ、汚染を封じ込めることができるからである。
【0147】
他の例として、ある製造過程は、従業員、装置、および、ある場合にはロボットの動きを調整する際に、位置情報を利用する。特に、工場のフロア全体にわたって動き、様々な組み立て手順を実行するロボットを使用する過程は、高いレベルの特定性でロボットの移動を追跡することができることから利益を得ることができる。例えば、ロボットは、比較的高速で、かつお互いにまたは人間の労働者に比較的近い区域で動作することができ、高い精度レベルまで誘導可能であることを必要としてもよい。
【0148】
いくつかの実施例を述べてきた。それにもかかわらず、様々な修正がなされ得ることは、理解されるであろう。従って、他の実施例も請求項の範囲内である。
【図面の簡単な説明】
【0149】
【図1】電子位置コード(eLC)エンコードシステムのブロック図である。
【図2A】96ビットeLCの例である。
【図2B】64ビットeLCの例である。
【図3】eLCデコードシステムのブロック図である。
【図4】図1および3のエンコード/デコードシステムと共に用いるためのアイテム追跡システムのブロック図である。
【図5】図4のアイテム追跡システムの実施例のブロック図である。
【図6】図1のeLCエンコードシステムの動作を示しているフローチャートである。
【図7】図6の動作の中で用いられる過程を示しているフローチャートである。
【図8A】図6および7の動作の結果を示している表である。
【図8B】図6および7の動作の結果を示している表である。
【図8C】図6および7の動作の結果を示している表である。
【図9】図3のeLCデコードシステムの動作を示しているフローチャートである。
【符号の説明】
【0150】
102 電子位置コード(eLC)エンコードシステム
104 位置コード
106 第1の位置セグメント
108 第2の位置セグメント
110 第3の位置セグメント
112 ヘッダセグメント
114、116、118 位置システム
120 成分変換システム
122 緯度変換器
124 経度変換器
126 高度変換器
128 ヘッダエンコーダ
130 統合器
132 基準選択器
134 高度モデル
136 絶対/相対位置情報
138 精度制御ユニット
140 ビット長選択器
142 ビット割り当て器
144 ヘッダ割り当てシステム
146 ヘッダバージョンのデータベース
148 ユーザーインターフェース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の位置成分を位置セグメントの複数のサブセグメントに連続的に変換することによって、物体の位置の第1の態様を表す第1の位置成分を、第1の位置セグメントに変換するように動作可能な第1の変換器を備えていて、
各々の連続するサブセグメントは、位置成分を表す際の追加の精度レベルを表していて、
更に、物体の位置の第2の態様を表す第2の位置成分を、データ形式に従ってフォーマットされた第2の位置セグメントに変換するように動作可能な第2の変換器と、
第1の位置セグメントのサブセグメントを、第2の位置セグメントのサブセグメントと統合して、物体の位置を表す位置コードを得るように動作可能な統合器とを備えていることを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記第1の位置成分は、物体の緯度を含んでいて、前記第2の位置成分は、物体の経度を含んでいることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
物体の位置の第3の態様を表す第3の位置成分を、データ形式に従ってフォーマットされた第3の位置セグメントに変換して、統合器によって位置コードの中に含ませるように動作可能な第3の変換器を備えていて、前記第3の位置成分は、物体の高度を含んでいることを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
第1の位置セグメントと第2の位置セグメントとの間での割り当てのために、全ビット数を位置コードと関連付けて、これにより、第1の位置セグメント、第2の位置セグメントの長さ、および全体としての位置コードに基づいて、第1の位置成分および第2の位置成分を表す際の精度の程度を、第1の位置セグメントおよび第2の位置セグメントに、それぞれ割り当てるように動作可能な精度制御ユニットを備えていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記精度制御ユニットは、サブセグメントの全数、および各サブセグメント内のビット数を割り当てることによって、第1の位置成分を表す際の精度の程度を割り当てることを特徴とする請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1の位置成分および第2の位置成分を表すための基準点を割り当てる基準選択器を備えていることを特徴とする請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
第1の位置セグメントおよびサブセグメントの各々、第2の位置セグメント、および位置コードの長さを表すヘッダセグメントをエンコードするように動作可能で、かつ更に基準点を表すように動作可能なヘッダエンコーダを備えていて、
前記統合器は、位置コード内でヘッダセグメントを第1の位置セグメントに連結するように動作可能であることを特徴とする請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記統合器は、位置コード内にヘッダセグメントを含ませるように動作可能であり、前記ヘッダセグメントは、位置コードを第1の位置成分および第2の位置成分に戻す変換を行う際に位置コードデコーダによって用いられるための、位置コードの形式を表していることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
位置コードを受け取り、
ヘッダセグメントを分析して、位置コードの形式を特定し、
位置コードを第1のセグメントと第2のセグメントに分離し、
第1のセグメントおよび第2のセグメントを、それぞれ第1の位置成分および第2の位置成分に変換するように動作可能な位置コードデコーダを備えていることを特徴とする請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
位置コードがエンコードされた時間に関連付けて位置コードを記憶するように動作可能な位置データベースを備えていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記物体は、無線識別(RFID)送信器と関連付けられていて、第1の変換器、第2の変換器、および統合器の動作は、RFID送信器から受信した信号の読み出しによって起動させられることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
位置コードを特徴付けている基準および精度制御情報を割り当てて、位置コード内に含まれているヘッダセグメントの中に包含させるためのユーザーインターフェースを備えていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
位置を記述している位置情報を受け取るステップと、
位置情報に関する精度レベル数を決定するステップと、
位置情報を、各々が精度レベルのうちの1つと関連付けられた複数のサブセグメントに変換するステップと、
サブセグメントを第1の位置セグメントに統合するステップとを備えていることを特徴とする方法。
【請求項14】
前記位置情報を受け取るステップは、複数の位置成分を受け取るステップ、位置の態様を各々特徴付けるステップを含んでいて、精度レベル数を決定するステップは、位置成分の各々に対する成分の精度レベルを決定するステップを含んでいることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記位置情報を変換するステップは、位置成分の各々を成分のサブセグメントに変換するステップを含んでいて、各成分のサブセグメントは、対応する成分の精度レベルと関連していて、サブセグメントを統合するステップは、成分のサブセグメントを成分の位置セグメントに統合するステップと、第1の位置セグメントおよび成分の位置セグメントを位置コードに統合するステップとを含んでいることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
位置セグメントへの付加のためのヘッダセグメントを割り当てるステップを有していて、前記ヘッダセグメントは、位置情報を得るために位置セグメントをデコードするための精度レベル数および基準情報を含んでいることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記位置情報は、高度情報を含んでいて、前記基準情報は、高度情報を表すための高度モデルを含んでいて、更に、前記基準情報は、位置情報を表すための絶対または相対座標系を含んでいることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
記憶媒体を備えている装置において、前記記憶媒体上にはインストラクションが記憶されていて、前記インストラクションは、
位置情報を受け取るための第1のコードセグメントと、
位置情報を表す際に用いるための精度レベル数を決定するための第2のコードセグメントと、
変換規則を実行して、位置情報を、第1の精度レベルを有する第1のサブセグメントに変換し、第1の残り値を提供するための第3のコードセグメントと、
第1の残り値に基づいて、変換規則を実行して、第1の残り値を第2のサブセグメントに変換し、第2の残り値を得るための第4のコードセグメントと、
第1のサブセグメントと第2のサブセグメントを連結して位置セグメントにするための第5のコードセグメントとを有していることを特徴とする装置。
【請求項19】
前記第3のコードセグメントおよび第4のコードセグメントは、それぞれ第1のサブセグメントおよび第2のサブセグメントにおいて使用可能なビット数に基づいて、変換規則を実行することを特徴とする請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記位置セグメントと共にヘッダセグメントを含ませるための第6のコードセグメントを有していて、前記ヘッダセグメントは、位置セグメントを位置情報に変換する際に用いるための情報を含んでいることを特徴とする請求項19に記載の装置。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−343320(P2006−343320A)
【公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−81594(P2006−81594)
【出願日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【出願人】(300015447)エスアーペー アーゲー (146)
【氏名又は名称原語表記】SAP AG
【住所又は居所原語表記】Dietmar−Hopp−Allee 16, 69190 Walldorf, Germany
【Fターム(参考)】