説明

電子制御ユニットおよび車両用ブレーキ液圧制御装置

【課題】制御基板の電子回路や電子部品のレイアウトの自由度を高めることができ、ハウジングを小型化することができる電子制御ユニットを提供することを課題とする。
【解決手段】電子制御ユニット10であって、コイル組立体50(電気部品)および制御基板20が収容される収容室43を有するハウジング40を備え、ハウジング40は、コイル組立体50および制御基板20を取り囲む収容室用周壁部44と、収容室43を塞いでいる端壁部45とが一体に形成されており、端壁部45において収容室用周壁部44に囲まれている側の面に制御基板20が積層され、端壁部45には、バスバーが埋設されるとともに、バスバーと制御基板20とを電気的に接続する電気接続端子70が設けられ、制御基板20には、コイル組立体50が積層される領域以外の領域に、電気接続端子20に接続される接続孔(接続部)が配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気部品の作動を制御する電子制御ユニット、およびその電子制御ユニットを用いた車両用ブレーキ液圧制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、車両用ブレーキ液圧装置に用いられる電子制御ユニットは、ブレーキ液路が形成された基体に装着された電磁弁などの電気部品の作動を制御する制御基板と、制御基板が収容されるハウジングと、を備えている。
ハウジングは、基体の一面に固着される箱体であり、制御基板や電気部品が収容される内部空間が形成されている。
【0003】
従来の電子制御ユニットでは、ハウジング周壁部に隣接したターミナル集約部に露出した複数のバスバーと、制御基板の縁部に並設された複数の接続部とを、ワイヤボンディングによって接続することで、バスバーと制御基板の電子回路とを電気的に接続している。このような電子制御ユニットでは、ハウジングの表側の開口部からワイヤボンディングを行った後に、開口部をカバーによって閉塞している(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−105535号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記した従来の電子制御ユニットでは、制御基板の縁部に接続部が並設されており、縁部に電子回路が集中するため、制御基板の電子回路や電子部品のレイアウトの自由度が低くなっている。そして、制御基板の外側に複数のバスバーを露出させる必要があるため、ハウジングが大きくなるという問題がある。
【0006】
そこで、本発明では、前記した問題を解決し、制御基板の電子回路や電子部品のレイアウトの自由度を高めることができ、ハウジングを小型化することができる電子制御ユニット、およびその電子制御ユニットを用いた車両用ブレーキ液圧制御装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、本発明は、電子制御ユニットであって、電気部品の作動を制御する制御基板と、前記電気部品および前記制御基板が収容される収容室を有するハウジングと、を備え、前記ハウジングは、前記電気部品および前記制御基板を取り囲む収容室用周壁部と、前記収容室を塞いでいる端壁部とが一体に形成されており、前記端壁部において前記収容室用周壁部に囲まれている側の面に前記制御基板が積層され、前記端壁部には、バスバーが埋設されるとともに、前記バスバーと前記制御基板とを電気的に接続する電気接続端子が設けられ、前記制御基板には、前記電気部品が積層される領域以外の領域に、前記電気接続端子に接続される接続部が配置されていることを特徴としている。
【0008】
この構成では、制御基板において電気部品が積層される領域以外の領域に接続部を配置することで、制御基板上のスペースを有効に利用し、制御基板の電子回路や電子部品のレイアウトの自由度を高めることができるため、ハウジングを小型化することができる。
【0009】
前記した電子制御ユニットにおいては、前記ハウジングを、前記端壁部の一部を構成する第一成形部と、少なくとも前記収容室用周壁部を構成する第二成形部と、から構成し、前記第一成形部に前記バスバーを埋設し、前記第一成形部をモールド成形によって前記第二成形部に接合することができる。
【0010】
この構成では、第一成形部にバスバーを埋設した後に、第一成形部に第二成形部をモールド成形することで、バスバーを端壁部に簡単に埋設することができる。また、第一成形部を形成した段階で絶縁検査を行うことができる。
【0011】
前記した電子制御ユニットにおいて、前記第二成形部に、外部配線ケーブルのコネクタが挿入されるコネクタ室を形成するコネクタ用周壁部を設けた場合には、前記第一成形部には、前記コネクタ室と前記収容室とを連通する連通孔を形成することが好ましい。
【0012】
この構成では、コネクタ室と収容室とを連通させることで、コネクタ室内の気圧の変化を抑えることができ、コネクタ用周壁部の変形を防ぐことができるため、コネクタ用周壁部とコネクタとの密着性を良好に保つことができる。
なお、外部配線ケーブルには、電子制御ユニットに電力を供給するための電源ケーブルや各種装置との情報を送受信するための通信ケーブルなどが含まれる。
【0013】
前記した電子制御ユニットにおいて、前記端壁部において前記収容室用周壁部に囲まれている側の面に突設された係合突起部が、前記制御基板に形成された取付孔に挿入されるように構成した場合には、制御基板を簡単に位置決めすることができる。
【0014】
前記した電子制御ユニットにおいて、物理量検出用のセンサが取り付けられたセンサ基板が前記収容室に収容されている場合には、前記端壁部において前記収容室用周壁部に囲まれている側の面に突設された当接部に前記センサ基板を当接させるとよい。このようにすると、前記センサ基板を前記制御基板に簡単に積層させることができる。
【0015】
前記した電子制御ユニットにおいて、前記端壁部に設けられた基板接続端子を、前記制御基板および前記センサ基板に形成された接続孔を挿入することで、前記制御基板と前記センサ基板とを簡単に電気的に接続することができる。
【0016】
前記した電子制御ユニットにおいて、前記端壁部に設けられた基板接続端子を、前記制御基板に形成された接続孔に挿入するとともに、前記センサ基板にはんだ付けすることでも、前記制御基板と前記センサ基板とを簡単に電気的に接続することができる。
【0017】
前記した電子制御ユニットにおいて、前記制御基板において前記電気部品側の面に露出した電気接続パッドに、前記電気部品の端子を当接させる場合には、前記端壁部において前記収容室用周壁部に囲まれている側の面に突設された受け部の先端面を、前記制御基板の前記端壁部側の面において前記電気接続パッドに対応する位置に当接させるとよい。このようにすると、電気部品からの押圧力によって制御基板が撓むのを防ぐことができるため、電気部品の端子を電気接続パッドに確実に接合させることができる。
【0018】
前記した電子制御ユニットにおいて、前記端壁部において前記収容室用周壁部に囲まれている側の面に、前記制御基板に電気的に接続される端子が延出された電気接続パッドを露出させ、前記制御基板に形成された開口部に挿入された前記電気部品の端子を、前記電気接続パッドに当接させる場合には、電気部品が端壁部に接する位置に配置されるため、ハウジングを小型化することができる。
【0019】
ブレーキ液路が形成された基体と、前記ブレーキ液路内のブレーキ液圧を制御する電子制御ユニットと、を備えた車両用ブレーキ液圧制御装置において、前記した電子制御ユニットを用いた場合には、ハウジングが小型化されるため、装置全体を小型化することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の電子制御ユニットおよび車両用ブレーキ液圧制御装置では、制御基板上のスペースを有効に利用し、制御基板の電子回路や電子部品のレイアウトの自由度を高めることができるため、ハウジングを小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】第一実施形態の車両用ブレーキ液圧制御装置を示した側断面図である。
【図2】第一実施形態のハウジングを示した図で、制御基板およびコイル組立体が取り付けられていない状態の側断面図である。
【図3】第一実施形態のハウジングを示した図2のA−A断面図で、制御基板およびコイル組立体が取り付けられていない状態の図である。
【図4】第一実施形態のハウジングを裏側から見た図で、制御基板およびコイル組立体が取り付けられていない状態の図である。
【図5】第一実施形態のハウジングの連通孔および通気孔を示した図4のB−B断面図である。
【図6】第一実施形態のハウジングを裏側から見た図で、制御基板が取り付けられた状態の図である。
【図7】第一実施形態のハウジングを裏側から見た図で、制御基板およびコイル組立体が取り付けられた状態の図である。
【図8】第一実施形態の電子制御ユニットを示した側断面図である。
【図9】第一実施形態の電子制御ユニットにおいて、組み付け治具を用いて制御基板にコイル組立体を組み付ける態様を示した図で、(a)は側断面図、(b)は組み付け治具の先端面を示した図である。
【図10】第一実施形態のハウジングの他の構成を示した部分側断面図である。
【図11】第二実施形態の電子制御ユニットにおける制御基板とセンサ基板との接続構造を示した図で、(a)は側断面図、(b)は基板接続端子の変形例を示した側断面図である。
【図12】第三実施形態の電子制御ユニットにおける圧力センサと制御基板との接続を示した図で、(a)は制御基板に電気接続パッドが設けられている構成の側断面図、(b)は端壁部に電気接続パッドが設けられている構成の側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各実施形態の説明において、同一の構成要素に関しては同一の符号を付し、重複した説明は省略するものとする。
【0023】
(第一実施形態)
第一実施形態の車両用ブレーキ液圧制御装置Uは、ホイールシリンダに作用するブレーキ液圧を制御するものであり、図1に示すように、電磁弁Vなどの電気部品やモータMなどの電動部品が組み付けられる基体100と、電磁弁VやモータMの作動を制御する制御基板20を有する電子制御ユニット10と、を主として備えている。
【0024】
基体100内には、マスタシリンダとホイールシリンダとを接続するブレーキ液路が形成されており、車両の挙動に基づいて制御基板20が電磁弁VやモータMを作動させることで、ブレーキ液路内のブレーキ液圧を変動させるように構成されている。
【0025】
基体100は、略直方体に形成された金属部品であり、その内部にブレーキ液路が形成されている。基体100の表側の面101(図1の右側の面)において図1の上部には、電磁弁Vのガイド筒V1が突出しており、表側の面101において図1の下部には、ブレーキ液を貯溜するリザーバRが突出している。さらに、基体100の裏側の面102(図1の左側の面)には、基体100に組み付けられたプランジャポンプ(図示せず)の動力源であるモータMが固着されている。
【0026】
電子制御ユニット10は、電磁弁VやモータMの作動を制御する制御基板20と、コイル組立体50などの電気部品や制御基板20を収容するハウジング40と、を備えている。
ハウジング40は、基体100側(図1の左側)の面が開口している合成樹脂製の箱体であり、基体100の表側の面101から突出した電磁弁VやリザーバRを覆った状態で、表側の面101に取り付けられている。
【0027】
ハウジング40は、図3に示すように、外部配線ケーブルのコネクタ(図示せず)が挿入されるコネクタ室41を形成するコネクタ用周壁部42と、コイル組立体50や制御基板20(図8参照)が収容される収容室43を形成する収容室用周壁部44と、コネクタ室41および収容室43の表側の端部を塞いでいる端壁部45と、を有している。
ハウジング40では、コネクタ用周壁部42、収容室用周壁部44および端壁部45が一体に形成されている。
【0028】
収容室用周壁部44は、図7に示すように、コイル組立体50や制御基板20を取り囲む部位であり、その外周形状は略矩形に形成されている。
収容室用周壁部44には、図1に示すように、基体100の表側の面101の外周縁に当接するフランジ44aが形成されている。このフランジ44aの適所には取付孔44bが形成されている(図4参照)。また、フランジ44aの基体100側の端面の内周には、基体100の表側の面101に密着する無端状のシール部材44cが装着されている。
【0029】
コネクタ用周壁部42は、図4に示すように、収容室用周壁部44に対して図4の左側に形成されている。コネクタ用周壁部42は、外部配線ケーブルの端部に設けられたコネクタ(図示せず)が内部に嵌り合うように、コネクタの外周形状に合わせて形成されており、図4の上下方向に細長い長方形に形成されている。
なお、コネクタ用周壁部42と収容室用周壁部44とは、図4の左右方向に隙間S1の間隔を空けて配置されている。
【0030】
ハウジング40は、図3に示すように、端壁部45の裏側(図3の下側)、すなわち、基体100側となる部位を構成する第一成形部40aと、端壁部45の表側(図3の上側)の部位、コネクタ用周壁部42および収容室用周壁部44などを構成する第二成形部40bと、からなる。第一成形部40aはモールド成形によって第二成形部40bに接合されている。
【0031】
第一成形部40aには、コネクタ室41の底部を構成する第一の壁部40cと、コネクタ用周壁部42と収容室用周壁部44との間を構成する第一成形部40a側の壁間部40dと、収容室43の底部を構成する第二の壁部40eと、が形成されている。第一成形部40a側の壁間部40dは、第一の壁部40cと第二の壁部40eとを繋いでいる。また、第一の壁部40cおよび第一成形部40a側の壁間部40dの厚みは、第二の壁部40eの厚みよりも大きく形成されている。
なお、第一の壁部40cにおいて図3の左側の側端面40cと、コネクタ用周壁部42の内側面42aとの間には隙間S2が形成されている。
【0032】
第二成形部40bには、第一成形部40aの表側(図3の上側)に重ね合わされる第一の壁部40fと、コネクタ用周壁部42および収容室用周壁部44と、第一成形部40a側の壁間部40dの裏側(図3の下側)に重ね合わされる第二成形部40b側の壁間部40gと、が形成されている。
【0033】
図4に示すように、端壁部45の裏側の面45a(収容室用周壁部44に囲まれている側の面)には、三つの第一支持部46が突設されている(図2および図3参照)。各第一支持部46は、端壁部45の裏側の面45aの収容室用周壁部44に囲まれた領域において、図4の上部の左右中央部および下部の左右両側に配置されている。
第一支持部46は円形断面に形成されており、その先端面46bの中心部には、円形断面の保持ピン46aが突出している(図2参照)。
【0034】
また、端壁部45の裏側の面45aの収容室用周壁部44に囲まれた領域において、図4の下部の左右両側で各第一支持部46,46よりも外側には、二つの第二支持部47,47が突設されている。
第二支持部47は円形断面に形成されており、その先端面47bの中心部には、係合突起部47aが突出している(図2参照)。
【0035】
端壁部45の裏側の面45aにおいて、図4の領域Aには、複数の電気接続端子70が設けられている。この領域Aは、図4において収容室用周壁部44に囲まれた領域の左右中央部および下部の左右両側に設定されたT字状の領域であり、コイル組立体50などの電気部品が積層される領域以外の領域である(図7参照)。
【0036】
電気接続端子70は、金属製の導電部材であり、図2に示すように、基端部が端壁部45の裏側、すなわち、第一成形部40aの第一の壁部40eに埋設されている。電気接続端子70の先端部は、端壁部45の裏側に突出しており、リング状に拡幅された圧入部70aが形成されている。
【0037】
図4に示すように、端壁部45の裏側の面45aの収容室用周壁部44に囲まれた領域において、図4の下部の左右中央部には、ターミナルTを有するターミナル取付部T1が突設されている。ターミナル取付部T1の先端面には円形の穴部が形成されており、その底面からターミナルTの一端部が突出している(図3参照)。
ターミナルTは、金属製の導電部材であり、図3に示すように、ターミナル取付部T1および端壁部45の第一成形部40aに埋設され、電気接続端子70の基端部に接続されている。また、ターミナル取付部T1から突出したターミナルTの一端部には、モータMに設けられたモータバスバー(図示せず)が電気的に接続される。
【0038】
端壁部45の裏側、すなわち、第一成形部40aには、複数のバスバー60が埋設されている。バスバー60は、金属製の細長い板状の導電部材であり、第一成形部40aの第一の壁部40c、壁間部40dおよび第二の壁部40eに埋設され、電気接続端子70の基端部に接続されている。
また、バスバー60の一端部は、第一の壁部40cの裏側(図3の下側)の面からコネクタ室41に突出しており、外部配線ケーブルのコネクタ(図示せず)に電気的に接続されるコネクタ端子61を構成している。
【0039】
第一実施形態のハウジング40では、図5に示すように、第一成形部40aの第一の壁部40cおよび第一成形部40a側の壁間部40dに、コネクタ室41と収容室43とを連通する連通孔80が形成されている。図4に示すように、連通孔80は図4の下部に形成されており、図4の左右方向に直線状に形成されている。
連通孔80のコネクタ室41側の端部80aは、第一の壁部40cの側端面40cに開口しており、この側端面40cとコネクタ用周壁部42の内側面42aとの間に形成された隙間S2の狭い空間に通じている。
また、連通孔80の収容室43側の端部80bは、第一成形部40a側の壁間部40dの側端面40dに開口することで、収容室43内に通じている。
【0040】
第一成形部40a側の壁間部40dおよび第二成形部40b側の壁間部40gには、外部空間と連通孔80とを連通させる通気孔81が形成されている。この通気孔81は、第二成形部40b側の壁間部40gの裏側(図5の下側)の面40gに開口しており、コネクタ用周壁部42と収容室用周壁部44との間の隙間S1によって形成された狭い空間に通じている。
通気孔81は、ハウジング40の裏側から表側に向けて、第一成形部40aおよび第二成形部40bを貫通しており、第一成形部40a側の小径孔部81aと第二成形部40b側の大径孔部81bとが形成されている。
【0041】
第一成形部40a側の壁間部40dの接合面40dには、通気孔81を取り囲む環状の突起部40dが形成されている。この突起部40dは、第二成形部40bの接合面40gに食い込んでいる。
【0042】
また、第一成形部40aと第二成形部40bとの境界部には、空気の出入りを許容しつつ水の出入りを阻止する透湿防水素材82が介設されている。
透湿防水素材82は、第一成形部40a側の壁間部40dの接合面40dに形成された環状の突起部40dの内側に配置されており、小径孔部81aおよび大径孔部81bの開口部を覆っている。また、透湿防水素材82の外周縁部は、第一成形部40a側の壁間部40dと第二成形部40b側の壁間部40gとに挟まれている。
なお、透湿防水素材82は、例えば、商品名ゴアテックスなどからなり、通気孔81から連通孔80への水や埃等の浸入を防ぐことができる。
【0043】
透湿防水素材82は、第一成形部40aを第二成形部40bにモールド成形するときに、第一成形部40a側の壁間部40dの接合面40dに設置しておくことで、第一成形部40aと第二成形部40bとの境界部に配置される。
なお、透湿防水素材82は、環状の突起部40dによって、壁間部40dの接合面40d上に位置決めされるため、第一成形部40aを第二成形部40bにモールド成形するときに、透湿防水素材82の位置がずれるのを防ぐことができる。
【0044】
ここで、大径孔部81bの内径よりも小径孔部81aの内径が小さく形成されているため、大径孔部81bと小径孔部81aとの境界部では、大径孔部81bの開口部内に小径孔部81aの開口縁部が露出した状態となっている。
これにより、大径孔部81bと小径孔部81aとの境界部において、大径孔部81bの開口部に露出している透湿防水素材82の外周縁部は、その表側(図5の上側)が小径孔部81aの開口縁部によって支持されている。したがって、通気孔81の裏側(図5の下側)から浸入した水や空気に対する透湿防水素材82の耐力が大きくなっている。
【0045】
制御基板20は、図1に示すように、電子回路(図示せず)がプリントされた長方形の基板本体21(図6参照)に、半導体チップなどの電子部品(図示せず)を取り付けたものである。この制御基板20は、車両に設けられた各種センサから得られた情報や、予め記憶させておいたプログラム等に基づいて、電磁弁VやモータMの作動を制御するように構成されている。
制御基板20は、端壁部45の第一支持部46および第二支持部47(図4参照)に当接した状態で、端壁部45の裏側に積層されている。
【0046】
図6に示すように、制御基板20の基板本体21において、図6の領域Bには、複数の接続孔24(特許請求の範囲における「接続部」)が形成されている。領域Bは端壁部45の領域A(図4参照)に対応しており、コイル組立体50(図7参照)などの電気部品が積層される領域以外の領域である。
接続孔24は、環状の金属部品が内嵌された貫通孔であり、基板本体21の電子回路(図示せず)に電気的に接続されている。
この接続孔24は、端壁部45の電気接続端子70が接続される部位であり、各電気接続端子70に対応する位置に配置されている。
【0047】
また、制御基板20の基板本体21において、図6の上部の左右両側、すなわち、コイル組立体50などの電気部品が積層される領域には、複数の部品接続孔25が形成されている。
部品接続孔25は、環状の金属部品が内嵌された貫通孔であり、基板本体21の電子回路(図示せず)に電気的に接続されている。この部品接続孔25は、後記するコイル組立体50(図8参照)の端子53が接続される部位である。
【0048】
なお、制御基板20の基板本体21において、図6の下部の左右中央部には、ターミナル取付部T1が挿通されるターミナル挿通孔26が形成されている(図8参照)。
【0049】
制御基板20を端壁部45の裏側に積層させる場合には、図8に示すように、基板本体21に形成された第二取付孔23に、第二支持部47の係合突起部47aを嵌合させることで、制御基板20を端壁部45に対して簡単に位置決めすることができる。
また、基板本体21に形成された第一取付孔22には、第一支持部46の保持ピン46aが挿入される。
また、基板本体21の表側の面21b(端壁部45側の面)を、第一支持部46および第二支持部47の先端面46b,47bに当接させることで、制御基板20を端壁部45に対して平行かつ所定の間隔を空けて積層させることができる。
そして、第一取付孔22を通過して基板本体21の裏側(コイル組立体50側)に突出した保持ピン46aの先端部に熱を与えて押し潰して拡径させることで、制御基板20を第一支持部46に保持させる。
【0050】
また、図8に示すように、基板本体21の各接続孔24には、端壁部45の各電気接続端子70の圧入部70aが圧入(挿入)されることで、制御基板20の電子回路(図示せず)とバスバー60(図3参照)およびターミナルTとが電気的に接続される。
これにより、図3に示すコネクタ室41に外部配線ケーブルのコネクタ(図示せず)が嵌め込まれ、外部配線ケーブルがコネクタ端子61に接続されると、外部配線ケーブルからバスバー60を通じて制御基板20に電力が供給されるとともに、制御基板20からターミナルTを通じてモータMに電力が供給される。また、制御基板20は、外部配線ケーブルを通じて各種装置との間で情報を送受信することができる。
【0051】
コイル組立体50は、図1に示すように、制御基板20の裏側(図1の左側)で収容室43内に収容され、電磁弁Vのガイド筒V1に外嵌される電気部品である。
第一実施形態では、図7に示すように、収容室用周壁部44に囲まれた空間において、図7の上部の左右両側に、それぞれ四つのコイル組立体50が配置されている。具体的には、各コイル組立体50は、基板本体21の領域B以外の領域に積層されている。
【0052】
コイル組立体50は、図1に示すように、電磁弁Vのガイド筒V1に外嵌するボビン51と、このボビン51に巻回されたコイル52と、このコイル52と電気的に接続され、かつ、ボビン51の端部に設けられた端子53と、ボビン51の両端を挟むようにしてボビン51に装着される略コ字状の磁路枠54(図8参照)と、から構成されている。
コイル組立体50は、コイル52で発生した磁力によって、ガイド筒V1内の可動コア(図示せず)を移動させることで、電磁弁Vを開閉させるように構成されている。
【0053】
コイル組立体50の制御基板20側の端部には、一対の端子53,53が設けられている(図7参照)。端子53は、金属製の細長い板状の導電部材であり、図8に示すように、ボビン51の端部からボビン51の中心部に向けて延出された第一直線部53aと、第一直線部53aの端部からボビン51の軸方向の外側(制御基板20側)に向けて延出された第二直線部53bと、が形成されるように折り曲げられている。
【0054】
端子53の第二直線部53bの先端部には、リング状に拡幅された圧入部53cが形成されている。この圧入部53cが基板本体21の部品接続孔25に圧入(挿入)されることで、コイル52が基板本体21の電子回路に電気的に接続される。これにより、制御基板20からコイル52に電力を供給することができる。
また、コイル組立体50の端子53が基板本体21の部品接続孔25に接続されることで、コイル組立体50は制御基板20の基板本体21の裏側の面21aに保持される。
【0055】
ここで、基板本体21の部品接続孔25に、端子53の圧入部53cを圧入するときには、図9(a)に示すように、組み付け治具55を用いることが好ましい。
組み付け治具55は、ボビン51の中心孔51aに挿入される円柱状の部材であり、制御基板20側の先端面55aには、端子53が挿入される二つの溝部55b,55bが形成されている(図9(b)参照)。
【0056】
組み付け治具55を、中心孔51aに対して制御基板20側と反対側(図9(a)の下側)から挿入し、先端面55aを制御基板20側に突出させて、溝部55bに端子53の第一直線部53aおよび第二直線部53bを挿入する。このようにして、コイル組立体50を支持した組み付け治具55を制御基板20側に移動させることで、端子53の圧入部53cを基板本体21の部品接続孔25に圧入することができる(図8参照)。
【0057】
以上のような第一実施形態の電子制御ユニット10によれば、図7に示すように、制御基板20においてコイル組立体50などの電気部品が積層される領域以外の領域Bに接続孔24を配置することで、制御基板20上のスペースを有効に利用することができる。
したがって、制御基板20の電子回路(図示せず)や電子部品のレイアウトの自由度を高めることができ、制御基板20の外側にバスバー60を露出させる必要がないため、ハウジング40を小型化することができる。
【0058】
そして、第一実施形態の電子制御ユニット10を用いた車両用ブレーキ液圧制御装置U(図1参照)では、ハウジング40が小型化されるため、装置全体を小型化することができる。
【0059】
また、図3に示すように、ハウジング40は、第一成形部40aと第二成形部40bとから構成されており、バスバー60が埋設された第一成形部40aに、モールド成形によって第二成形部40bを接合することで、バスバー60を端壁部45に簡単に埋設することができる。また、第一成形部40aを形成した段階で、絶縁検査を行うことができる。
【0060】
また、図5に示すように、端壁部45には、コネクタ室41と収容室43とを連通する連通孔80が形成されているため、コネクタ室41内の気圧の変化を抑えることができ、コネクタ用周壁部42の変形を防ぐことができる。したがって、コネクタ用周壁部42と外部配線ケーブルのコネクタ(図示せず)との密着性を良好に保つことができる。
【0061】
また、連通孔80には、外部空間に通じる通気孔81が連通しているため、コネクタ室41内および収容室43内の気圧を大気圧と同程度に保つことができる。したがって、ハウジング40内が負圧になるのを防ぐことができ、水や水分を含む空気がハウジング40内に浸入するのを防ぐことができる。
また、コネクタ室41内が負圧になるのを防ぐことができるため、コネクタ室41に接続されたコネクタ(図示せず)から延出されたハーネス(図示せず)の先端部に接続された車輪速度センサ(図示せず)などの部品と、ハーネスの被膜との間から、毛細管現象によって水が浸入するのを防ぐことができる。
【0062】
なお、通気孔81は連通孔80を介してコネクタ室41および収容室43に通じており、通気孔81からコネクタ室41および収容室43に水が入り難くなっている。したがって、簡単な構造で通気孔81からコネクタ室41および収容室43への水の浸入を防ぐことができる。
【0063】
さらに、第一実施形態のハウジング40では、通気孔81がコネクタ用周壁部42と収容室用周壁部44との間の狭い空間に通じており、車両の洗車時などに通気孔81に直接水がかかり難くなっているため、通気孔81からコネクタ室41および収容室43への水の浸入を確実に防ぐことができる。
【0064】
なお、ハウジング40を射出成形する場合には、通常はコネクタ用周壁部42および収容室用周壁部44の立ち上げ方向、すなわち、表側から裏側に向けて型開きされることになる。ハウジング40の通気孔81は、型開き方向に合わせてハウジング40の裏側から表側に向けて形成されているため、通気孔81を簡単に形成することができる。
【0065】
また、連通孔80は、第一成形部40aに形成されているため、連通孔80が形成された第一成形部40aにモールド成形によって第二成形部40bを接合することで、端壁部45に連通孔80を簡単に形成することができる。
【0066】
また、透湿防水素材82によって連通孔80に水や埃等が浸入するのを防ぐことができる。さらに、透湿防水素材82の外周縁部が、第一成形部40aと第二成形部40bとに挟まれているため、透湿防水素材82を確実に取り付けることができる。
【0067】
また、第一成形部40a側の壁間部40dの接合面40dには、通気孔81を取り囲む突起部40dが形成されており、通気孔81から第一成形部40aと第二成形部40bとの境界部に浸入した水が、突起部40dによって遮られるため、コネクタ室41および収容室43への水の浸入を確実に防ぐことができる。
【0068】
以上、本発明の第一実施形態について説明したが、本発明は前記第一実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜に変更が可能である。
例えば、第一実施形態では、図9(a)に示すように、端壁部45に制御基板20を取り付けた後に、制御基板20にコイル組立体50を取り付けているが、制御基板20にコイル組立体50を取り付けた状態で、制御基板20を端壁部45に取り付けてもよい。
【0069】
また、接続孔24が配置される領域は、コイル組立体50が積層される領域以外の領域であれば、図7の領域Bに限定されるものではない。
【0070】
また、図10に示すように、第一成形部40aの縁部に側壁部40hを形成し、この側壁部40h内にバスバー60を埋設してもよい。
【0071】
また、第一実施形態では、図5に示すように、第一成形部40a側の壁間部40dの接合面40dに突起部40dが形成されているが、第二成形部40b側の壁間部40gの接合面40gに突起部を形成してもよい。すなわち、第一成形部40a側の壁間部40dの接合面40dに、通気孔81を取り囲む環状の窪み部が形成される場合でも、第一成形部40aと第二成形部40bとの境界部に浸入した水を遮ることができる。
【0072】
また、第一実施形態のハウジング40は、図3に示すように、端壁部45の裏側の部位を構成する第一成形部40aと、端壁部45の表側の部位、コネクタ用周壁部42および収容室用周壁部44などを構成する第二成形部40bと、から構成されているが、第一成形部40aは端壁部45を形成し、第二成形部40bは少なくともコネクタ用周壁部42および収容室用周壁部44を形成していればよい。
【0073】
(第二実施形態)
次に、本発明の第二実施形態について説明する。図11(a)に示す第二実施形態の電子制御ユニットでは、前記した第一実施形態のハウジング40(図1参照)の収容室43内にセンサ基板30を収容した構成となっている。
【0074】
センサ基板30は、図11(a)に示すように、電子回路(図示せず)がプリントされた基板本体31の裏側の面31aに、角速度センサ32や加速度センサ33などの電子部品を取り付けたものであり、角速度センサ32および加速度センサ33によって、車体の挙動を検出するように構成されている。
なお、センサ基板30は、制御基板20においてコイル組立体などの電気部品が積層される領域以外の領域に積層される。
【0075】
第二実施形態において、端壁部45の第二支持部47の係合突起部47aには、制御基板20の第二取付孔23に嵌合する第一係合部47cと、センサ基板30の取付孔35に嵌合する第二係合部47dとが形成されている。第二係合部47dは、第一係合部47cよりも先端側に形成されており、第一係合部47cの外径よりも第二係合部47dの外径が小さく形成されている。
【0076】
また、第二実施形態では、端壁部45の裏側の面45aに当接部48が突設されている。当接部48は、制御基板20の挿通孔21gを通過して裏側に突出している。
この当接部48の先端面48aに、センサ基板30の表側の面31bを当接させることで、センサ基板30を制御基板20の裏側に簡単に積層することができる。
なお、当接部48の先端面48aは、第二支持部47の係合突起部47aよりも突出量が小さいため、センサ基板30を当接部48に当接させたときに、センサ基板30の基板本体31の取付孔35には、係合突起部47aの第一係合部47cが嵌合され、センサ基板30が制御基板20に対して位置決めされる。
【0077】
第二実施形態の端壁部45の裏側の面45aには、制御基板20とセンサ基板30とを電気的に接続するための基板接続端子90が突設されている。
基板接続端子90は、金属製の導電部材であり、基端部が端壁部45の裏側の第一成形部40aに埋設されている。
【0078】
基板接続端子90の先端部には、リング状に拡幅された第一圧入部90aおよび第二圧入部90bが形成されている。第二圧入部90bは第一圧入部90aよりも先端側に形成され、第一圧入部90aの幅よりも第二圧入部90bの幅が小さく形成されている。
第一圧入部90aは、制御基板20の接続孔24に圧入(挿入)されることで、制御基板20の電子回路に電気的に接続される。また、第二圧入部90bは、センサ基板30の接続孔34に圧入(挿入)されることで、センサ基板30の電子回路に電気的に接続される。
これにより、制御基板20とセンサ基板30とが基板接続端子90を介して電気的に接続されるため、角速度センサ32および加速度センサ33で検出された車両の挙動情報を制御基板20に出力することができる。
【0079】
以上のような第二実施形態の電子制御ユニット10によれば、端壁部45の基板接続端子90を、制御基板20およびセンサ基板30に形成された接続孔24,34を圧入することで、制御基板20とセンサ基板30とを簡単に電気的に接続することができる。
【0080】
なお、図11(b)に示す基板接続端子90´のように、圧入部90aを制御基板20の接続孔24に圧入(挿入)するとともに、先端部90cをセンサ基板30の接続孔34に挿入してはんだ付けした場合でも、制御基板20とセンサ基板30とを簡単に電気的に接続することができる。さらに、基板接続端子を、制御基板20およびセンサ基板30の各接続孔24,34に挿入してはんだ付けすることで、制御基板20とセンサ基板30とを電気的に接続してもよい。
【0081】
(第三実施形態)
次に、本発明の第三実施形態について説明する。図12(a)に示す第三実施形態の電子制御ユニットでは、前記した第一実施形態のハウジング40(図1参照)の収容室43に、圧力センサSを収容した構成となっている。この圧力センサSは、基体100内に形成されたブレーキ液路内のブレーキ液圧を測定するものである。
【0082】
圧力センサSは、基体100の表側の面101に基端部が装着されており、表側の面101から突出した部分が収容室43内に収容されている。
【0083】
圧力センサSの先端面Saには、複数の部品接続端子Sbが突出している。この部品接続端子Sbが、制御基板20の基板本体21に設けられた平板状の電気接続パッド27に当接することで、圧力センサSは制御基板20の電子回路(図示せず)に電気的に接続される。これにより、圧力センサSで検出されたブレーキ液圧の検出情報を制御基板20に出力することができる。
【0084】
また、第三実施形態では、端壁部45に突設された受け部49の先端面49aが、基板本体21の表側の面21bにおいて、電気接続パッド27に対応する位置に当接している。すなわち、電気接続パッド27に対応する位置が受け部49によって表側から支持されている。
【0085】
したがって、第三実施形態の電子制御ユニットでは、圧力センサSからの押圧力によって基板本体21が表側に撓むのを防ぐことができるため、圧力センサSを電気接続パッド27に確実に接合させることができる。
【0086】
なお、図12(b)に示すように、基板本体21に圧力センサSが挿通される開口部28を形成し、開口部28を通じて表側に配置された部品接続端子Sbを電気接続パッド29に当接させてもよい。
この構成では、電気接続パッド29から延出された端子29aにリング状に拡幅された圧入部29bが形成されており、圧入部29bが基板本体21の接続孔24に圧入されることで、圧力センサSが制御基板20の電子回路(図示せず)に電気的に接続される。
このように、圧力センサSを制御基板20の表側に突出させることで、圧力センサSが端壁部45に接する位置に配置されるため、ハウジング40を小型化することができる。
【符号の説明】
【0087】
10 電子制御ユニット
20 制御基板
21 基板本体
22 第一取付孔
23 第二取付孔
24 接続孔
25 部品接続孔
26 ターミナル挿通孔
27 電気接続パッド
30 センサ基板
31 基板本体
32 角速度センサ
33 加速度センサ
34 接続孔
40 ハウジング
40a 第一成形部
40b 第二成形部
40d 第一成形部側の壁間部
40g 第二成形部側の壁間部
41 コネクタ室
42 コネクタ用周壁部
43 収容室
44 収容室用周壁部
45 端壁部
46 第一支持部
46a 保持ピン
47 第二支持部
47a 係合突起部
47c 第一係合部
47d 第二係合部
48 当接部
49 受け部
50 コイル組立体
51 ボビン
52 コイル
53 端子
53c 圧入部
54 磁路枠
55 組み付け治具
55b 溝部
60 バスバー
61 コネクタ端子
70 電気接続端子
70a 圧入部
80 連通孔
81 通気孔
81a 小径孔部
81b 大径孔部
82 透湿防水素材
90 基板接続端子
100 基体
V 電磁弁
V1 ガイド筒
S 圧力センサ
Sb 部品接続端子
T ターミナル
T1 ターミナル取付部
M モータ
U 車両用ブレーキ液圧制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気部品の作動を制御する制御基板と、
前記電気部品および前記制御基板が収容される収容室を有するハウジングと、を備え、
前記ハウジングは、前記電気部品および前記制御基板を取り囲む収容室用周壁部と、前記収容室を塞いでいる端壁部とが一体に形成されており、
前記端壁部において前記収容室用周壁部に囲まれている側の面に前記制御基板が積層され、
前記端壁部には、バスバーが埋設されるとともに、前記バスバーと前記制御基板とを電気的に接続する電気接続端子が設けられ、
前記制御基板には、前記電気部品が積層される領域以外の領域に、前記電気接続端子に接続される接続部が配置されていることを特徴とする電子制御ユニット。
【請求項2】
前記ハウジングは、
前記端壁部の一部を構成する第一成形部と、
少なくとも前記収容室用周壁部を構成する第二成形部と、からなり、
前記第一成形部には、前記バスバーが埋設され、
前記第一成形部は、モールド成形によって前記第二成形部に接合されていることを特徴とする請求項1に記載の電子制御ユニット。
【請求項3】
前記第二成形部は、外部配線ケーブルのコネクタが挿入されるコネクタ室を形成するコネクタ用周壁部を備え、
前記第一成形部には、前記コネクタ室と前記収容室とを連通する連通孔が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の電子制御ユニット。
【請求項4】
前記端壁部において前記収容室用周壁部に囲まれている側の面に突設された係合突起部が、前記制御基板に形成された取付孔に挿入されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電子制御ユニット。
【請求項5】
前記収容室には、
物理量検出用のセンサが取り付けられたセンサ基板が収容されており、
前記センサ基板は、前記端壁部において前記収容室用周壁部に囲まれている側の面に突設された当接部に当接した状態で、前記制御基板に積層されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の電子制御ユニット。
【請求項6】
前記端壁部には、前記制御基板および前記センサ基板に形成された接続孔に挿入されることで、前記制御基板と前記センサ基板とを電気的に接続する基板接続端子が設けられていることを特徴とする請求項5に記載の電子制御ユニット。
【請求項7】
前記端壁部には、前記制御基板に形成された接続孔に挿入されるとともに、前記センサ基板にはんだ付けされることで、前記制御基板と前記センサ基板とを電気的に接続する基板接続端子が設けられていることを特徴とする請求項5に記載の電子制御ユニット。
【請求項8】
前記制御基板において前記電気部品側の面に露出した電気接続パッドに、前記電気部品の端子が当接しており、
前記端壁部において前記収容室用周壁部に囲まれている側の面には受け部が突設され、
前記受け部の先端面は、前記制御基板の前記端壁部側の面において、前記電気接続パッドに対応する位置に当接していることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載された電子制御ユニット。
【請求項9】
前記端壁部において前記収容室用周壁部に囲まれている側の面には、前記制御基板に電気的に接続される端子が延出された電気接続パッドが露出しており、
前記制御基板に形成された開口部に挿入された前記電気部品の端子が、前記電気接続パッドに当接していることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載された電子制御ユニット。
【請求項10】
ブレーキ液路が形成された基体と、前記ブレーキ液路内のブレーキ液圧を制御する電子制御ユニットと、を備えた車両用ブレーキ液圧制御装置であって、
前記電子制御ユニットは、前記請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の電子制御ユニットであることを特徴とする車両用ブレーキ液圧制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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