電子増倍撮像素子のためのゲイン整合
電子増倍(EM)ピクセルのアレイ内のゲインを等化する方法および装置が開示され、各ピクセルは電荷移動の方向性を得るための注入を用いる1つまたは複数の衝突電離ゲイン・ステージを有し、フェーズ1クロックド・ゲートと、EMクロックド・ゲートと、フェーズ1クロックド・ゲートとEMクロックド・ゲートの間に形成された2つのDCゲートとを備え、(a)複数のピクセルの少なくとも2つのピクセルのDCゲートおよびEMクロックド・ゲートのそれぞれに初期電圧を印加するステップと、(b)衝突電離ゲインの後に平均ピクセル強度値を得るために、複数のピクセルの少なくとも2つのピクセルに関連するフェーズ1クロック・ゲートおよびEMクロック・ゲートを所定の回数クロックするステップと、(c)DCゲートと、対応するEMクロックド・ゲートの電圧の差を選択的に調整するステップとを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に撮像システムに関し、より詳細には電子増倍(衝突電離)を利用する撮像ピクセルのアレイの出力におけるゲインの等化に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラで用いられるどこにもある画像センサ技術は、電荷結合デバイス(CCD)撮像素子である。通常のCCD撮像素子では、入射光を表す信号電荷は、画像領域内のピクセルのアレイ内に蓄積される。積分期間の後に信号電荷は、適当なクロックまたは駆動パルスを制御電極に印加することによって出力レジスタに移動される。次いで信号電荷は、出力レジスタから読み出され、電荷検出回路に加えられて、信号電荷の大きさを表す電圧を発生する。
【0003】
適切なゲート電位を印加することによって、CCDデバイスにおいて衝突電離を通じて一種のゲインが得られることが見出されている。1986年8月にマサチューセッツ工科大学に提出された「Avalanche Gain In Charge Coupled Devices」と題する論文で、Stephanie A.Gagar(以下では「Gager」)は、電荷結合デバイスに電荷の衝突電離増倍を組み込むことを提案した。次に図1Aを参照すると、電荷2は、電位ウェル6内のゲート4の下に収集され蓄積される。次いで蓄積された電荷2は、中間ゲート8を通って保存ゲート10に移動され、そこで一時的に保存される。次いで最初に電荷が蓄積されたもとのゲート4は、衝突電離にバイアスされる。次に図1Bを参照すると、次いで電荷は、一時保持ゲート10から、今度は衝突電離ゲートとしてバイアスされている蓄積ゲート4に戻される。これは保持ゲート10をより低い電位にパルス印加し、電荷を中間ゲート8を通って衝突電離領域に移動することによって達成される。さらにゲインを得るために、この手順は電荷を増強させるように複数回、すなわち100回から500回繰り返される。衝突電離移動当たりのゲインは、およそ1.015倍である。N回の衝突電離移動の後のゲインは、およそ(1.015)Nである。Nが400に等しい場合は、結果としてのゲインは約386となる。十分な電荷が増強された後に電荷は、電荷−電圧変換および読み出しのために、CCDゲートから電荷増幅器に移動される。
【0004】
衝突電離を利用した第2の設計は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、本出願の権利者が所有する係属中の2007年9月28日に出願されたJohn Robertson Towerら(以下では「Towerら」)への米国特許出願第11/863,945号に見ることができる。次に図2Aおよび2Bを参照すると、TowerらのEMCMOSデバイスレイアウトおよび構造の平面図が示される。電荷収集、保存、および電子増倍(EM)領域は、集積回路としてモノリシックに形成された単一ピクセル30内に組み込まれる。ピクセル30は、電子増倍(EM)ゲイン領域32、34を含み、それらの蓄積された電荷は、取り囲まれた通路すなわちEMゲイン・レジスタ36と呼ばれる循環レジスタを循環する。図2A、2Bには、EMゲイン・レジスタ36の2つのステージ、すなわちPHI(クロックド・ゲート)38、DCゲート40、EM(ハイ電圧クロックド・ゲート)42、DCゲート44、PHI46、DCゲート48、EM50、およびDCゲート52を構成する合計8個のゲートがある。より一般の場合にはTowerらのデバイスは、電荷移動の方向性を得るために注入を用いる1つまたは複数の衝突電離ゲイン・ステージを備えることができる。
【0005】
いくつかの部分構造体を備える読み出し構造体54は、EMゲイン・レジスタ36内に重ね合わされてピクセル30内に製作される。ピクセル30上に入射する光エネルギーに比例して電子を生成する感光性領域は、図示のようなピンフォトダイオード(PPD)56、フォトゲートなどの光電変換デバイスとすることができる。PPD56は、PPD移動ゲート(TR1)58によってEMゲイン・レジスタ36に接続され、それに蓄積された電荷を放出する。EMゲイン・レジスタ36から増幅された電荷を受け取り、電荷を電圧に変換するためのフローティング拡散検出ノード60も、フローティング拡散移動ゲート(TR2)62によってEMゲイン・レジスタ36に接続される。読み出し回路54は、行選択ゲート64、PPDリセット・ゲート66、ソース・フォロワ・トランジスタ68、およびソース・フォロワ・リセット・ゲート70を含む。電源は、電源レールVDD72によってピクセル30に供給される。ピクセル30はCMOSプロセス、好ましくはPPD CMOSプロセスを用いて製造することができる。
【0006】
次に図3A〜3Cを参照すると、(EM)ゲイン・レジスタ36の1つのステージ(4つのゲート)の概略断面図、および付随するピクセル30の印加電位図が示される。各EMゲイン・ステージは、4つのゲート、すなわち第1のDCゲート74、フェーズ1クロック・ゲート76、第2のDCゲート78、および電子増倍機能を制御するために使用されるフェーズ2クロック・ゲート80を含む。EMゲイン・レジスタ36のクロッキングは、図4Aに示されるように2つのクロック・フェーズを用いて行われる。図3Bに示される第1のクロック期間では、フェーズ1クロック・ゲート76は、フェーズ1クロック・ゲート76の下の電位ウェル84内の電荷パケット82内に蓄積電荷(電子)を保持するように印加された第1の電位を有する。一方、最初は電荷がない電位ウェル86を生成するように、より大きな電位がフェーズ2クロック・ゲート80に印加される。クロック・ゲート76、80がハイ(オン)状態のときにクロック・ゲート76、80に印加されるハイ電圧に対して、適当なローDC電圧レベルを印加することによって、クロック・ゲート76、80の間、および(EM)ゲイン領域32、34の間の適切な電荷移動の方向を確実にするために、DCゲート74、78の下にそれぞれ障壁領域88、90が生成される。図3Cに示される第2のクロック・サイクルの間は、フェーズ1クロック・ゲート76の電位は、DCゲート74、78に印加された電位より低い約0ボルトに変化される。フェーズ1ゲート・クロック76の下に蓄積された電子は、今度はウェル86内に「溢れ出て」、第2のDCゲート78とフェーズ2クロック・ゲート80の間の境界面94にて衝突電離を受けることができる。その結果として、電子電荷パケット82はウェル86に移動する。適切な方向性は、最適化された注入によって得られる。
【0007】
電荷パケット82内の電子は、ピクセル30内のEMゲイン領域32、34を通って所定の回数循環される。EMゲイン領域32、34のそれぞれに対する衝突電離の確率、したがってステージ当たりの平均ゲインgは低いが、Nとして指定される電荷パケット82がピクセル30内でEMゲイン・レジスタ36を回りEMゲイン領域32、34を通る回数は、高くすることができる。縦続された増倍素子(EMゲイン領域32、34)の総ゲインは、M=gNによって与えられる。N=600、およびg=1.015(1.5%の衝突電離確率)の場合は、電荷領域での総ゲインは7500倍を超える。
【0008】
図4A〜4Dは、図2Aおよび2Bのピクセル30の動作を示す。第1の期間(図4A)では、ピンフォトダイオード(PPD)56に蓄積された電荷パケット82は、PPD移動ゲート58(TR1)を通じてEMゲイン・レジスタ36内にロードされる。第2の期間の間(図4B)では、電荷パケット82は、EMゲイン領域32、34を通ってEMゲイン・レジスタ36を循環する。その結果、EMゲイン・レジスタ36を循環する電荷パケット82は、EMゲイン領域32、34を通る公称では約400回の移動を累積する(200サイクル)。第3の期間(図4C)では、増幅された電荷パケット82は、フローティング拡散移動ゲート62によってフローティング拡散検出ノード60へ移動され、そこで電荷パケットは電圧に変換され、フローティング拡散検出ノード60はコンデンサのように動作する。第4の期間(図4D)では、フローティング拡散検出ノード60およびPPD56は、PPDリセット・ゲート66を通じてリセット(グローバル・リセット)される。次いでこのシーケンスは、次のフレームに対して繰り返される。
【0009】
Gagerデバイスの「線形」構造、およびTowerらのデバイスの「環状」構造の両方、および従来技術の衝突電離を使用する他のCCDまたはCMOSピクセルの場合は、ピクセルが二次元アレイに配置された場合に、各ピクセルはわずかに異なる設計およびプロセス公差を有するので電子増倍ゲインはピクセルごとに異なり得るという問題が生じる。デバイスパラメータのわずかな差がEMゲイン領域を通る単一パスに対する信号電荷および出力電圧に及ぼす影響は小さい場合があるが、ゲインの差は電荷がEMゲイン領域を数百回循環する結果として拡大される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許出願第11/863,945号
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】Stephanie A.Gagar、「Avalanche Gain In Charge Coupled Devices」、Massachusetts Institute of Technology、1986年8月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって望ましいが、これまで実現されていなかったものは、アレイに配置された固体EMゲインピクセルの間でゲインを等化する手段である。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述の問題は、電子増倍(EM)ピクセルのアレイにおけるゲインを等化するための方法および装置を提供することによって対処され、当技術分野での技術的解決策が達成される。各ピクセルは、電荷移動の方向性を得るための注入を用いる1つまたは複数の衝突電離ゲイン・ステージを備える。本発明は、選択されたピクセル構造におけるゲインは、DCゲートと、EMクロックド・ゲートのハイ・レベルの電圧差によって決まるという事実に基づく。選択されたピクセルの行が衝突電離ゲインを生じるようにクロックされているときに、DCゲートレベルを個々に調整することを可能にする手段が設けられる。
【0014】
選択された解決策では、各ピクセルEMゲイン・ステージは、フェーズ1クロックド・ゲートと、EMクロックド・ゲートと、フェーズ1クロックド・ゲートとEMクロックド・ゲートの間に形成されたDCゲートとを備え、(a)複数のピクセルの少なくとも2つのピクセルのDCゲートおよびEMクロックド・ゲートのそれぞれに初期電圧を印加するステップと、(b)衝突電離ゲインの後にピクセル強度値を得るために、複数のピクセルの少なくとも2つのピクセルに関連するフェーズ1クロック・ゲートおよびEMクロック・ゲートを所定の回数クロックするステップと、(c)結果としてのピクセル強度値と、所望の画像を生じるのに必要な平均ピクセル強度値の差が所定の閾値より小さくなるまで、複数のピクセルの少なくとも2つのピクセルのDCゲートと、対応するEMクロックド・ゲートの電圧の差を選択的に調整するステップとを含む。方法は、ステップ(b)の前に、複数のピクセルをフラットフィールドから反射された光に露出するステップをさらに含み、ステップ(c)は、(d)ほぼすべてのピクセルが同じゲインをもつように投射されるように複数のピクセルの少なくとも2つのピクセルに関連するDCゲートに印加される電圧を選択的に調整するステップと、(e)結果としてのピクセル強度値と、所望のフラットフィールド画像を生じるのに必要な平均ピクセル強度値の差が所定の閾値より小さくなるまで、ステップ(b)および(c)を繰り返すステップとをさらに含む。
【0015】
EMピクセルのアレイは、行と列の2次元アレイに配置することができ、各行は共通フェーズ1クロック・ゲート・バスと共通EMクロック・ゲート・バスとを含み、各列は共通DCゲート・バスを含み、ステップ(c)は、(f)ピクセルの行を選択するステップと、(g)DCゲート・バスにDC電圧の第1の組を印加するステップと、(h)ピクセルの行に関連するフェーズ1クロック・ゲート・バスおよびEMクロック・ゲート・バスをクロッキングするステップと、(i)非アクティブとなるように、他のピクセルの行のフェーズ1クロック・ゲート・バスおよびEMクロック・ゲート・バスを所定の一定DC電圧に保持するステップとをさらに含む。ステップ(c)は、(j)別のピクセルの行を選択するステップと、(k)DCゲート・バスのそれぞれにDC電圧の第2の組を印加するステップと、(l)別のピクセルの行に関連するフェーズ1クロック・ゲート・バスおよびEMクロック・ゲート・バスをクロッキングするステップと、(m)非アクティブとなるように他のピクセルの行のフェーズ1クロック・ゲート・バスおよびEMクロック・ゲート・バスを所定の一定DC電圧に保持するステップと、(n)複数のピクセルのほぼすべての行が、EMゲインの後に同じピクセル強度値を得るまで、ステップ(j)〜(m)を繰り返すステップとをさらに含むことができる。
【0016】
各行は、行選択バスに関連付けることができ、ステップ(d)は、(o)行選択バスを通じてピクセルの行を選択するステップと、(p)列のそれぞれの1組の出力電圧値を読み出すステップと、(q)1組の出力電圧値をメモリに記憶するステップと、(r)さらなるピクセルの行を選択するステップと、(s)複数のピクセルのほぼすべての行がほぼ同じゲインを得るまで、ステップ(o)〜(r)を繰り返すステップとをさらに含む。
【0017】
方法は、すべての記憶された電圧値を呼び出すステップと、フラットフィールド画像が得られたかどうかを判定するために計算を実行するステップと、ほぼ同じゲインを得るためにピクセルのアレイ内のDCゲートの対応するものに印加されるべき複数のDC電圧を計算するステップと、複数のDC電圧に対応する値をメモリに記憶するステップとをさらに含むことができる。
【0018】
本発明は、同じ構造は同じ参照番号を有する添付の図面と共に考察される、以下に示される例示的実施形態の詳細な説明から、より容易に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1A】従来技術のGager論文に概説されるような、結果として電子増倍を生じる衝突電離の原理を示す、CCDゲートの概略断面図および付随する印加電位図を示す図である。
【図1B】従来技術のGager論文に概説されるような、結果として電子増倍を生じる衝突電離の原理を示す、CCDゲートの概略断面図および付随する印加電位図を示す図である。
【図2A】従来技術のTowerらのEMCMOSピクセルレイアウトおよび構造の平面図である。
【図2B】従来技術のTowerらのEMCMOSピクセルレイアウトおよび構造の平面図である。
【図3A】図2Aおよび2Bのピクセルの電子増倍ゲートの概略断面図、および付随する印加電位図を示す図である。
【図3B】図2Aおよび2Bのピクセルの電子増倍ゲートの概略断面図、および付随する印加電位図を示す図である。
【図3C】図2Aおよび2Bのピクセルの電子増倍ゲートの概略断面図、および付随する印加電位図を示す図である。
【図4A】図2Aおよび2Bのピクセルの動作を示す図である。
【図4B】図2Aおよび2Bのピクセルの動作を示す図である。
【図4C】図2Aおよび2Bのピクセルの動作を示す図である。
【図4D】図2Aおよび2Bのピクセルの動作を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態による較正手順を使用した電子増倍(EM)ピクセルの二次元アレイの構成のブロック図である。
【図6A】較正時の図5の撮像アレイのEMクロック・バスラインおよびフェーズ1クロック・バスラインのクロック条件を示すタイミング図である。
【図6B】較正時の図5の撮像アレイのEMクロック・バスラインおよびフェーズ1クロック・バスラインのクロック条件を示すタイミング図である。
【図7】較正取付具内に組み込まれた図5のEMピクセルの二次元アレイのブロック図である。
【図8】本発明の較正手順のステップを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
添付の図面は本発明の概念を示すためのものであり、原寸に比例しない場合もあることを理解されたい。
【0021】
図3Aおよび3Cを再び参照すると、Towerらのデバイスの場合のピクセル30のEMゲイン・ステージ36のゲインは、電位ウェル86に関連する電界に比例する。衝突電離ゲインは、フェーズ2(EM)クロック・ゲート80に印加された電圧と、DCゲート78に印加された電圧の差によって設定される。したがってゲインをピクセルのアレイにわたって整合させるには、対応するフェーズ2(EM)クロック・ゲート80とDCゲート78の電圧差をトリミングすることができる。電圧差は、フェーズ2(EM)クロック・ゲート80およびDCゲート78に印加される電圧のいずれかまたは両方をトリミングすることによって調整できるが、実用的な理由(クロック整定およびクロック安定性など)により、DCゲート78に印加される電圧のトリミングを実施する方が容易である。列DCゲート78に印加される電圧は調整可能(通常±100mV)であるが、フェーズ1クロック・ゲート76(通常、約4V〜10Vの振幅)およびフェーズ2(EM)クロック・ゲート80(通常、約12V〜23Vの振幅)に印加される電圧は、活動的にクロックされているすべてのピクセルに対して共通である。
【0022】
図5は、本発明の一実施形態による較正手順を使用した電子増倍(EM)ピクセル101の二次元アレイ100の構成を示す。EMピクセル101は、複数の水平EMクロック・バスライン102a〜102n、フェーズ1クロック・バスライン104a〜104n、および垂直DCゲート・バスライン106a〜106nの交点のそれぞれに位置する。ピクセル101の各行は、共通EMクロック・バスライン、たとえば102a、(N、N+1、N+2などのラベルが付けられる)、およびフェーズ1クロック・バス、たとえば、104a、(N、N+1、N+2などのラベルが付けられる)を有することができる。ピクセル101の各列は、共通DCゲート・バスライン、たとえば106a、(M、M+1、M+2などのラベルが付けられる)を有することができる。列DCゲート・バスライン106a−106nのそれぞれは、独立に制御することができる。一時に1つの行(たとえばN)だけがクロックされた場合は、その行のピクセル101のそれぞれは、そのゲインを別々の列DCゲート・バスライン106a−106nを個別に調整することによってピクセルごとに調整することができる。ピクセル101のアレイ100によって発生される出力電圧を読み出すために、ピクセル101には水平行選択ライン108a〜108n、垂直列バス選択ライン110a〜110n、および複数の列バス増幅器112a〜112nが設けられる。
【0023】
次に図5、6A、および6Bを参照すると、タイミング図は、較正時の間のEMクロック・バスライン102a〜102n、およびフェーズ1クロック・バスライン104a〜104nのクロック条件を示す(これはまた、図3Bおよび3Cに示される通常動作時の相対クロック時間を反映することができる)。非アクティブ行、たとえば行N+1の電圧レベルは、その行のピクセルではゲインが生じないように一定のDCレベルに保持される。行N+1に対するEMクロック・バスライン102bは「ロー」に保持され、行N+1に対するフェーズ1クロック・バスライン102bは「ハイ」に保持される。アクティブ行、たとえば行Nに対しては、初期時間間隔T1の間は、EMクロック・バスライン102aも「ロー」に保持され、行Nに対するフェーズ1クロック・バスライン104aは「ハイ」に保持される。時間間隔T2の間は、EMクロック・バスライン102a入力はハイに設定されるが、キャパシタンスのために、およそ時間t1にてEMクロック・バスライン電圧が整定するまでに有限の時間を必要とする。時間間隔T3の間は、EMクロック・バスライン102aの電圧が整定できるように、フェーズ1クロック・バスライン104aも依然として「ハイ」レベルに保持される。次いで時間t2では、フェーズ1クロック・バスライン104aは「ロー」に設定され、これは時間間隔T4の間のハイのEMクロック・ゲート電圧の印加によって形成される電荷ウェル内へ、フェーズ1ゲートの下に蓄積された電荷が「溢れ出る」ことを可能にし、それによって衝突電離を通じたゲインを獲得する。時間t3では、フェーズ1クロック・ゲート電圧の設定はハイに戻されるが、整定するのに有限の長さの時間を要する。時間t4にてフェーズ1クロック電圧が整定した後に、EMクロック・バスライン102aの設定は「ロー」に戻されるが、整定するのに有限の時間がかかる。
【0024】
次に図7を参照すると、較正取付具116内に組み込まれた、EMピクセル101の二次元アレイ100のブロック図が示される。較正取付具は、焦点合わせ光学系120を有するカメラ118、少なくとも1つのプロセッサ124、およびメモリ126を含む。撮像アレイ100および較正取付具116は全体を、機能するカメラ内に組み込むことができ、または独立型工場試験装置内に組み込むことができる。
【0025】
次に図5および7と、図8のフローチャートを参照すると、動作時にはステップ127で、垂直DCゲート・バスライン106a〜106nは、すべてのピクセル101に対してメモリ126内に記憶された所定の公称DC電圧に設定される。ステップ128では、フラットフィールド画像122から反射された光121は、カメラ118の焦点合わせ光学系120によって撮像アレイ100上に焦点合わせされる。ステップ130では、最初のアクティブ行が、EMクロック・バスライン102a〜102nの1つ、およびフェーズ1クロック・バスライン104a〜104nに関して、図6で述べた波形を用いて(所望の平均ピクセル強度値を得るように)所定のクロック・サイクル数の間、クロックされ、他のEMクロック・バスライン102a〜102nおよびフェーズ1クロック・バスライン104a〜104nは、それらの所定の一定値に保持される。ステップ132では、これが撮像アレイ100の最後の行でない場合は、ステップ133で行番号がインクリメントされ、撮像アレイ100の次の行に対してステップ130が繰り返される。ステップ132で撮像アレイの最後の行がクロックされた場合は、ステップ134で蓄積電圧の読み出しのために行が選択される。ステップ136では、垂直列バス選択ライン110a〜110nのそれぞれが一時に1つずつ、またはすべて同時に選択され、それにより蓄積電圧は複数の列バス増幅器112a〜112nによって読み出されるようになる。ステップ138では、プロセッサ124は、選択された出力電圧をメモリ126に記憶する。ステップ140では、これが撮像アレイ100の最後の行でない場合は、ステップ141で行番号がインクリメントされ、撮像アレイ100の次の行に対してステップ134〜138が繰り返される。
【0026】
ステップ140で撮像アレイの最後の行がクロックされた場合は、ステップ142で所望のフラットフィールド画像がまだ得られていない場合は、ステップ143にてプロセッサ124は、すべての記憶された出力電圧を呼び出し、すべてのピクセルが同じゲインをもつようにするメモリ126内に記憶された電圧値から、ピクセル101のそれぞれに対して個々のDCゲート電圧を計算する。ステップ130〜142は、繰り返される。ステップ142で所望のフラットフィールド画像が得られた場合は、ステップ144で、ピクセル101のそれぞれに印加されるべきDC電圧の最終値が、プロセッサ124によってメモリ126に記憶される。
【0027】
本発明についてDCゲート電圧の調整の観点から上記では述べてきたが、本発明はこのような構成に限定されないことに留意されたい。より一般の場合では、必要とされるすべては、DCゲートと、所与のピクセルのEMゲイン・ステージのEMクロックド・ゲートのハイ・レベルの電圧差を調整することである。
【0028】
任意選択で、DCゲート電圧は、一時に1つの行ずつ、または個別ピクセルごとに印加することができる。他の実施形態では、温度変動に対して補償するために、各ピクセルに対して複数のDC値をメモリ126に記憶することができる。他の実施形態では、平均の所望のゲインの異なるレベルに対して調整するように、複数のDC値をメモリ126に記憶することができる。撮像アレイ100は、スナップショット・モードまたは順次走査モードを含む複数のモードにて動作させることができる。表1は、1024×1024ピクセルアレイに対して本発明を実施するために必要となるクロックレートの詳細を示す。表は、約20倍の全体ゲインを生じるように、一時に1つの行だけがクロックされ、各ピクセルは200サイクルに対してクロックされると仮定している。出力ソース・フォロワのノイズフロアが10eRMS未満の場合は、実効ノイズフロアは1eRMS未満となる。
【0029】
【表1】
【0030】
例示的実施形態は単に本発明を例示するものであり、当業者には、本発明の範囲から逸脱せずに上述の実施形態の多くの変形形態を考案し得ることを理解されたい。したがってすべてのそのような変形形態は、添付の特許請求の範囲およびその等価物の範囲内に含まれるものとする。
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に撮像システムに関し、より詳細には電子増倍(衝突電離)を利用する撮像ピクセルのアレイの出力におけるゲインの等化に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラで用いられるどこにもある画像センサ技術は、電荷結合デバイス(CCD)撮像素子である。通常のCCD撮像素子では、入射光を表す信号電荷は、画像領域内のピクセルのアレイ内に蓄積される。積分期間の後に信号電荷は、適当なクロックまたは駆動パルスを制御電極に印加することによって出力レジスタに移動される。次いで信号電荷は、出力レジスタから読み出され、電荷検出回路に加えられて、信号電荷の大きさを表す電圧を発生する。
【0003】
適切なゲート電位を印加することによって、CCDデバイスにおいて衝突電離を通じて一種のゲインが得られることが見出されている。1986年8月にマサチューセッツ工科大学に提出された「Avalanche Gain In Charge Coupled Devices」と題する論文で、Stephanie A.Gagar(以下では「Gager」)は、電荷結合デバイスに電荷の衝突電離増倍を組み込むことを提案した。次に図1Aを参照すると、電荷2は、電位ウェル6内のゲート4の下に収集され蓄積される。次いで蓄積された電荷2は、中間ゲート8を通って保存ゲート10に移動され、そこで一時的に保存される。次いで最初に電荷が蓄積されたもとのゲート4は、衝突電離にバイアスされる。次に図1Bを参照すると、次いで電荷は、一時保持ゲート10から、今度は衝突電離ゲートとしてバイアスされている蓄積ゲート4に戻される。これは保持ゲート10をより低い電位にパルス印加し、電荷を中間ゲート8を通って衝突電離領域に移動することによって達成される。さらにゲインを得るために、この手順は電荷を増強させるように複数回、すなわち100回から500回繰り返される。衝突電離移動当たりのゲインは、およそ1.015倍である。N回の衝突電離移動の後のゲインは、およそ(1.015)Nである。Nが400に等しい場合は、結果としてのゲインは約386となる。十分な電荷が増強された後に電荷は、電荷−電圧変換および読み出しのために、CCDゲートから電荷増幅器に移動される。
【0004】
衝突電離を利用した第2の設計は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、本出願の権利者が所有する係属中の2007年9月28日に出願されたJohn Robertson Towerら(以下では「Towerら」)への米国特許出願第11/863,945号に見ることができる。次に図2Aおよび2Bを参照すると、TowerらのEMCMOSデバイスレイアウトおよび構造の平面図が示される。電荷収集、保存、および電子増倍(EM)領域は、集積回路としてモノリシックに形成された単一ピクセル30内に組み込まれる。ピクセル30は、電子増倍(EM)ゲイン領域32、34を含み、それらの蓄積された電荷は、取り囲まれた通路すなわちEMゲイン・レジスタ36と呼ばれる循環レジスタを循環する。図2A、2Bには、EMゲイン・レジスタ36の2つのステージ、すなわちPHI(クロックド・ゲート)38、DCゲート40、EM(ハイ電圧クロックド・ゲート)42、DCゲート44、PHI46、DCゲート48、EM50、およびDCゲート52を構成する合計8個のゲートがある。より一般の場合にはTowerらのデバイスは、電荷移動の方向性を得るために注入を用いる1つまたは複数の衝突電離ゲイン・ステージを備えることができる。
【0005】
いくつかの部分構造体を備える読み出し構造体54は、EMゲイン・レジスタ36内に重ね合わされてピクセル30内に製作される。ピクセル30上に入射する光エネルギーに比例して電子を生成する感光性領域は、図示のようなピンフォトダイオード(PPD)56、フォトゲートなどの光電変換デバイスとすることができる。PPD56は、PPD移動ゲート(TR1)58によってEMゲイン・レジスタ36に接続され、それに蓄積された電荷を放出する。EMゲイン・レジスタ36から増幅された電荷を受け取り、電荷を電圧に変換するためのフローティング拡散検出ノード60も、フローティング拡散移動ゲート(TR2)62によってEMゲイン・レジスタ36に接続される。読み出し回路54は、行選択ゲート64、PPDリセット・ゲート66、ソース・フォロワ・トランジスタ68、およびソース・フォロワ・リセット・ゲート70を含む。電源は、電源レールVDD72によってピクセル30に供給される。ピクセル30はCMOSプロセス、好ましくはPPD CMOSプロセスを用いて製造することができる。
【0006】
次に図3A〜3Cを参照すると、(EM)ゲイン・レジスタ36の1つのステージ(4つのゲート)の概略断面図、および付随するピクセル30の印加電位図が示される。各EMゲイン・ステージは、4つのゲート、すなわち第1のDCゲート74、フェーズ1クロック・ゲート76、第2のDCゲート78、および電子増倍機能を制御するために使用されるフェーズ2クロック・ゲート80を含む。EMゲイン・レジスタ36のクロッキングは、図4Aに示されるように2つのクロック・フェーズを用いて行われる。図3Bに示される第1のクロック期間では、フェーズ1クロック・ゲート76は、フェーズ1クロック・ゲート76の下の電位ウェル84内の電荷パケット82内に蓄積電荷(電子)を保持するように印加された第1の電位を有する。一方、最初は電荷がない電位ウェル86を生成するように、より大きな電位がフェーズ2クロック・ゲート80に印加される。クロック・ゲート76、80がハイ(オン)状態のときにクロック・ゲート76、80に印加されるハイ電圧に対して、適当なローDC電圧レベルを印加することによって、クロック・ゲート76、80の間、および(EM)ゲイン領域32、34の間の適切な電荷移動の方向を確実にするために、DCゲート74、78の下にそれぞれ障壁領域88、90が生成される。図3Cに示される第2のクロック・サイクルの間は、フェーズ1クロック・ゲート76の電位は、DCゲート74、78に印加された電位より低い約0ボルトに変化される。フェーズ1ゲート・クロック76の下に蓄積された電子は、今度はウェル86内に「溢れ出て」、第2のDCゲート78とフェーズ2クロック・ゲート80の間の境界面94にて衝突電離を受けることができる。その結果として、電子電荷パケット82はウェル86に移動する。適切な方向性は、最適化された注入によって得られる。
【0007】
電荷パケット82内の電子は、ピクセル30内のEMゲイン領域32、34を通って所定の回数循環される。EMゲイン領域32、34のそれぞれに対する衝突電離の確率、したがってステージ当たりの平均ゲインgは低いが、Nとして指定される電荷パケット82がピクセル30内でEMゲイン・レジスタ36を回りEMゲイン領域32、34を通る回数は、高くすることができる。縦続された増倍素子(EMゲイン領域32、34)の総ゲインは、M=gNによって与えられる。N=600、およびg=1.015(1.5%の衝突電離確率)の場合は、電荷領域での総ゲインは7500倍を超える。
【0008】
図4A〜4Dは、図2Aおよび2Bのピクセル30の動作を示す。第1の期間(図4A)では、ピンフォトダイオード(PPD)56に蓄積された電荷パケット82は、PPD移動ゲート58(TR1)を通じてEMゲイン・レジスタ36内にロードされる。第2の期間の間(図4B)では、電荷パケット82は、EMゲイン領域32、34を通ってEMゲイン・レジスタ36を循環する。その結果、EMゲイン・レジスタ36を循環する電荷パケット82は、EMゲイン領域32、34を通る公称では約400回の移動を累積する(200サイクル)。第3の期間(図4C)では、増幅された電荷パケット82は、フローティング拡散移動ゲート62によってフローティング拡散検出ノード60へ移動され、そこで電荷パケットは電圧に変換され、フローティング拡散検出ノード60はコンデンサのように動作する。第4の期間(図4D)では、フローティング拡散検出ノード60およびPPD56は、PPDリセット・ゲート66を通じてリセット(グローバル・リセット)される。次いでこのシーケンスは、次のフレームに対して繰り返される。
【0009】
Gagerデバイスの「線形」構造、およびTowerらのデバイスの「環状」構造の両方、および従来技術の衝突電離を使用する他のCCDまたはCMOSピクセルの場合は、ピクセルが二次元アレイに配置された場合に、各ピクセルはわずかに異なる設計およびプロセス公差を有するので電子増倍ゲインはピクセルごとに異なり得るという問題が生じる。デバイスパラメータのわずかな差がEMゲイン領域を通る単一パスに対する信号電荷および出力電圧に及ぼす影響は小さい場合があるが、ゲインの差は電荷がEMゲイン領域を数百回循環する結果として拡大される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許出願第11/863,945号
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】Stephanie A.Gagar、「Avalanche Gain In Charge Coupled Devices」、Massachusetts Institute of Technology、1986年8月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって望ましいが、これまで実現されていなかったものは、アレイに配置された固体EMゲインピクセルの間でゲインを等化する手段である。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述の問題は、電子増倍(EM)ピクセルのアレイにおけるゲインを等化するための方法および装置を提供することによって対処され、当技術分野での技術的解決策が達成される。各ピクセルは、電荷移動の方向性を得るための注入を用いる1つまたは複数の衝突電離ゲイン・ステージを備える。本発明は、選択されたピクセル構造におけるゲインは、DCゲートと、EMクロックド・ゲートのハイ・レベルの電圧差によって決まるという事実に基づく。選択されたピクセルの行が衝突電離ゲインを生じるようにクロックされているときに、DCゲートレベルを個々に調整することを可能にする手段が設けられる。
【0014】
選択された解決策では、各ピクセルEMゲイン・ステージは、フェーズ1クロックド・ゲートと、EMクロックド・ゲートと、フェーズ1クロックド・ゲートとEMクロックド・ゲートの間に形成されたDCゲートとを備え、(a)複数のピクセルの少なくとも2つのピクセルのDCゲートおよびEMクロックド・ゲートのそれぞれに初期電圧を印加するステップと、(b)衝突電離ゲインの後にピクセル強度値を得るために、複数のピクセルの少なくとも2つのピクセルに関連するフェーズ1クロック・ゲートおよびEMクロック・ゲートを所定の回数クロックするステップと、(c)結果としてのピクセル強度値と、所望の画像を生じるのに必要な平均ピクセル強度値の差が所定の閾値より小さくなるまで、複数のピクセルの少なくとも2つのピクセルのDCゲートと、対応するEMクロックド・ゲートの電圧の差を選択的に調整するステップとを含む。方法は、ステップ(b)の前に、複数のピクセルをフラットフィールドから反射された光に露出するステップをさらに含み、ステップ(c)は、(d)ほぼすべてのピクセルが同じゲインをもつように投射されるように複数のピクセルの少なくとも2つのピクセルに関連するDCゲートに印加される電圧を選択的に調整するステップと、(e)結果としてのピクセル強度値と、所望のフラットフィールド画像を生じるのに必要な平均ピクセル強度値の差が所定の閾値より小さくなるまで、ステップ(b)および(c)を繰り返すステップとをさらに含む。
【0015】
EMピクセルのアレイは、行と列の2次元アレイに配置することができ、各行は共通フェーズ1クロック・ゲート・バスと共通EMクロック・ゲート・バスとを含み、各列は共通DCゲート・バスを含み、ステップ(c)は、(f)ピクセルの行を選択するステップと、(g)DCゲート・バスにDC電圧の第1の組を印加するステップと、(h)ピクセルの行に関連するフェーズ1クロック・ゲート・バスおよびEMクロック・ゲート・バスをクロッキングするステップと、(i)非アクティブとなるように、他のピクセルの行のフェーズ1クロック・ゲート・バスおよびEMクロック・ゲート・バスを所定の一定DC電圧に保持するステップとをさらに含む。ステップ(c)は、(j)別のピクセルの行を選択するステップと、(k)DCゲート・バスのそれぞれにDC電圧の第2の組を印加するステップと、(l)別のピクセルの行に関連するフェーズ1クロック・ゲート・バスおよびEMクロック・ゲート・バスをクロッキングするステップと、(m)非アクティブとなるように他のピクセルの行のフェーズ1クロック・ゲート・バスおよびEMクロック・ゲート・バスを所定の一定DC電圧に保持するステップと、(n)複数のピクセルのほぼすべての行が、EMゲインの後に同じピクセル強度値を得るまで、ステップ(j)〜(m)を繰り返すステップとをさらに含むことができる。
【0016】
各行は、行選択バスに関連付けることができ、ステップ(d)は、(o)行選択バスを通じてピクセルの行を選択するステップと、(p)列のそれぞれの1組の出力電圧値を読み出すステップと、(q)1組の出力電圧値をメモリに記憶するステップと、(r)さらなるピクセルの行を選択するステップと、(s)複数のピクセルのほぼすべての行がほぼ同じゲインを得るまで、ステップ(o)〜(r)を繰り返すステップとをさらに含む。
【0017】
方法は、すべての記憶された電圧値を呼び出すステップと、フラットフィールド画像が得られたかどうかを判定するために計算を実行するステップと、ほぼ同じゲインを得るためにピクセルのアレイ内のDCゲートの対応するものに印加されるべき複数のDC電圧を計算するステップと、複数のDC電圧に対応する値をメモリに記憶するステップとをさらに含むことができる。
【0018】
本発明は、同じ構造は同じ参照番号を有する添付の図面と共に考察される、以下に示される例示的実施形態の詳細な説明から、より容易に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1A】従来技術のGager論文に概説されるような、結果として電子増倍を生じる衝突電離の原理を示す、CCDゲートの概略断面図および付随する印加電位図を示す図である。
【図1B】従来技術のGager論文に概説されるような、結果として電子増倍を生じる衝突電離の原理を示す、CCDゲートの概略断面図および付随する印加電位図を示す図である。
【図2A】従来技術のTowerらのEMCMOSピクセルレイアウトおよび構造の平面図である。
【図2B】従来技術のTowerらのEMCMOSピクセルレイアウトおよび構造の平面図である。
【図3A】図2Aおよび2Bのピクセルの電子増倍ゲートの概略断面図、および付随する印加電位図を示す図である。
【図3B】図2Aおよび2Bのピクセルの電子増倍ゲートの概略断面図、および付随する印加電位図を示す図である。
【図3C】図2Aおよび2Bのピクセルの電子増倍ゲートの概略断面図、および付随する印加電位図を示す図である。
【図4A】図2Aおよび2Bのピクセルの動作を示す図である。
【図4B】図2Aおよび2Bのピクセルの動作を示す図である。
【図4C】図2Aおよび2Bのピクセルの動作を示す図である。
【図4D】図2Aおよび2Bのピクセルの動作を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態による較正手順を使用した電子増倍(EM)ピクセルの二次元アレイの構成のブロック図である。
【図6A】較正時の図5の撮像アレイのEMクロック・バスラインおよびフェーズ1クロック・バスラインのクロック条件を示すタイミング図である。
【図6B】較正時の図5の撮像アレイのEMクロック・バスラインおよびフェーズ1クロック・バスラインのクロック条件を示すタイミング図である。
【図7】較正取付具内に組み込まれた図5のEMピクセルの二次元アレイのブロック図である。
【図8】本発明の較正手順のステップを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
添付の図面は本発明の概念を示すためのものであり、原寸に比例しない場合もあることを理解されたい。
【0021】
図3Aおよび3Cを再び参照すると、Towerらのデバイスの場合のピクセル30のEMゲイン・ステージ36のゲインは、電位ウェル86に関連する電界に比例する。衝突電離ゲインは、フェーズ2(EM)クロック・ゲート80に印加された電圧と、DCゲート78に印加された電圧の差によって設定される。したがってゲインをピクセルのアレイにわたって整合させるには、対応するフェーズ2(EM)クロック・ゲート80とDCゲート78の電圧差をトリミングすることができる。電圧差は、フェーズ2(EM)クロック・ゲート80およびDCゲート78に印加される電圧のいずれかまたは両方をトリミングすることによって調整できるが、実用的な理由(クロック整定およびクロック安定性など)により、DCゲート78に印加される電圧のトリミングを実施する方が容易である。列DCゲート78に印加される電圧は調整可能(通常±100mV)であるが、フェーズ1クロック・ゲート76(通常、約4V〜10Vの振幅)およびフェーズ2(EM)クロック・ゲート80(通常、約12V〜23Vの振幅)に印加される電圧は、活動的にクロックされているすべてのピクセルに対して共通である。
【0022】
図5は、本発明の一実施形態による較正手順を使用した電子増倍(EM)ピクセル101の二次元アレイ100の構成を示す。EMピクセル101は、複数の水平EMクロック・バスライン102a〜102n、フェーズ1クロック・バスライン104a〜104n、および垂直DCゲート・バスライン106a〜106nの交点のそれぞれに位置する。ピクセル101の各行は、共通EMクロック・バスライン、たとえば102a、(N、N+1、N+2などのラベルが付けられる)、およびフェーズ1クロック・バス、たとえば、104a、(N、N+1、N+2などのラベルが付けられる)を有することができる。ピクセル101の各列は、共通DCゲート・バスライン、たとえば106a、(M、M+1、M+2などのラベルが付けられる)を有することができる。列DCゲート・バスライン106a−106nのそれぞれは、独立に制御することができる。一時に1つの行(たとえばN)だけがクロックされた場合は、その行のピクセル101のそれぞれは、そのゲインを別々の列DCゲート・バスライン106a−106nを個別に調整することによってピクセルごとに調整することができる。ピクセル101のアレイ100によって発生される出力電圧を読み出すために、ピクセル101には水平行選択ライン108a〜108n、垂直列バス選択ライン110a〜110n、および複数の列バス増幅器112a〜112nが設けられる。
【0023】
次に図5、6A、および6Bを参照すると、タイミング図は、較正時の間のEMクロック・バスライン102a〜102n、およびフェーズ1クロック・バスライン104a〜104nのクロック条件を示す(これはまた、図3Bおよび3Cに示される通常動作時の相対クロック時間を反映することができる)。非アクティブ行、たとえば行N+1の電圧レベルは、その行のピクセルではゲインが生じないように一定のDCレベルに保持される。行N+1に対するEMクロック・バスライン102bは「ロー」に保持され、行N+1に対するフェーズ1クロック・バスライン102bは「ハイ」に保持される。アクティブ行、たとえば行Nに対しては、初期時間間隔T1の間は、EMクロック・バスライン102aも「ロー」に保持され、行Nに対するフェーズ1クロック・バスライン104aは「ハイ」に保持される。時間間隔T2の間は、EMクロック・バスライン102a入力はハイに設定されるが、キャパシタンスのために、およそ時間t1にてEMクロック・バスライン電圧が整定するまでに有限の時間を必要とする。時間間隔T3の間は、EMクロック・バスライン102aの電圧が整定できるように、フェーズ1クロック・バスライン104aも依然として「ハイ」レベルに保持される。次いで時間t2では、フェーズ1クロック・バスライン104aは「ロー」に設定され、これは時間間隔T4の間のハイのEMクロック・ゲート電圧の印加によって形成される電荷ウェル内へ、フェーズ1ゲートの下に蓄積された電荷が「溢れ出る」ことを可能にし、それによって衝突電離を通じたゲインを獲得する。時間t3では、フェーズ1クロック・ゲート電圧の設定はハイに戻されるが、整定するのに有限の長さの時間を要する。時間t4にてフェーズ1クロック電圧が整定した後に、EMクロック・バスライン102aの設定は「ロー」に戻されるが、整定するのに有限の時間がかかる。
【0024】
次に図7を参照すると、較正取付具116内に組み込まれた、EMピクセル101の二次元アレイ100のブロック図が示される。較正取付具は、焦点合わせ光学系120を有するカメラ118、少なくとも1つのプロセッサ124、およびメモリ126を含む。撮像アレイ100および較正取付具116は全体を、機能するカメラ内に組み込むことができ、または独立型工場試験装置内に組み込むことができる。
【0025】
次に図5および7と、図8のフローチャートを参照すると、動作時にはステップ127で、垂直DCゲート・バスライン106a〜106nは、すべてのピクセル101に対してメモリ126内に記憶された所定の公称DC電圧に設定される。ステップ128では、フラットフィールド画像122から反射された光121は、カメラ118の焦点合わせ光学系120によって撮像アレイ100上に焦点合わせされる。ステップ130では、最初のアクティブ行が、EMクロック・バスライン102a〜102nの1つ、およびフェーズ1クロック・バスライン104a〜104nに関して、図6で述べた波形を用いて(所望の平均ピクセル強度値を得るように)所定のクロック・サイクル数の間、クロックされ、他のEMクロック・バスライン102a〜102nおよびフェーズ1クロック・バスライン104a〜104nは、それらの所定の一定値に保持される。ステップ132では、これが撮像アレイ100の最後の行でない場合は、ステップ133で行番号がインクリメントされ、撮像アレイ100の次の行に対してステップ130が繰り返される。ステップ132で撮像アレイの最後の行がクロックされた場合は、ステップ134で蓄積電圧の読み出しのために行が選択される。ステップ136では、垂直列バス選択ライン110a〜110nのそれぞれが一時に1つずつ、またはすべて同時に選択され、それにより蓄積電圧は複数の列バス増幅器112a〜112nによって読み出されるようになる。ステップ138では、プロセッサ124は、選択された出力電圧をメモリ126に記憶する。ステップ140では、これが撮像アレイ100の最後の行でない場合は、ステップ141で行番号がインクリメントされ、撮像アレイ100の次の行に対してステップ134〜138が繰り返される。
【0026】
ステップ140で撮像アレイの最後の行がクロックされた場合は、ステップ142で所望のフラットフィールド画像がまだ得られていない場合は、ステップ143にてプロセッサ124は、すべての記憶された出力電圧を呼び出し、すべてのピクセルが同じゲインをもつようにするメモリ126内に記憶された電圧値から、ピクセル101のそれぞれに対して個々のDCゲート電圧を計算する。ステップ130〜142は、繰り返される。ステップ142で所望のフラットフィールド画像が得られた場合は、ステップ144で、ピクセル101のそれぞれに印加されるべきDC電圧の最終値が、プロセッサ124によってメモリ126に記憶される。
【0027】
本発明についてDCゲート電圧の調整の観点から上記では述べてきたが、本発明はこのような構成に限定されないことに留意されたい。より一般の場合では、必要とされるすべては、DCゲートと、所与のピクセルのEMゲイン・ステージのEMクロックド・ゲートのハイ・レベルの電圧差を調整することである。
【0028】
任意選択で、DCゲート電圧は、一時に1つの行ずつ、または個別ピクセルごとに印加することができる。他の実施形態では、温度変動に対して補償するために、各ピクセルに対して複数のDC値をメモリ126に記憶することができる。他の実施形態では、平均の所望のゲインの異なるレベルに対して調整するように、複数のDC値をメモリ126に記憶することができる。撮像アレイ100は、スナップショット・モードまたは順次走査モードを含む複数のモードにて動作させることができる。表1は、1024×1024ピクセルアレイに対して本発明を実施するために必要となるクロックレートの詳細を示す。表は、約20倍の全体ゲインを生じるように、一時に1つの行だけがクロックされ、各ピクセルは200サイクルに対してクロックされると仮定している。出力ソース・フォロワのノイズフロアが10eRMS未満の場合は、実効ノイズフロアは1eRMS未満となる。
【0029】
【表1】
【0030】
例示的実施形態は単に本発明を例示するものであり、当業者には、本発明の範囲から逸脱せずに上述の実施形態の多くの変形形態を考案し得ることを理解されたい。したがってすべてのそのような変形形態は、添付の特許請求の範囲およびその等価物の範囲内に含まれるものとする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子増倍(EM)ピクセルのアレイ内のゲインを等化する方法であって、各ピクセルは、フェーズ1クロックド・ゲートと、EMクロックド・ゲートと、方向性注入を用いて前記フェーズ1クロックド・ゲートと前記EMクロックド・ゲートの間に形成された2つのDCゲートとを備え、前記方法は、
(a)複数のピクセルの少なくとも2つのピクセルの前記DCゲートおよび前記EMクロックド・ゲートのそれぞれに初期電圧を印加するステップと、
(b)衝突電離ゲインの後に平均ピクセル強度値を得るために、前記複数のピクセルの前記少なくとも2つのピクセルに関連するフェーズ1クロック・ゲートおよびEMクロック・ゲートを所定の回数クロックするステップと、
(c)結果としてのピクセル強度値と、所望の画像を生じるのに必要な前記平均ピクセル強度値の差が所定の閾値より小さくなるまで、前記複数のピクセルの少なくとも前記2つのピクセルの前記DCゲートと、対応するEMクロックド・ゲートの電圧の差を選択的に調整するステップと
を含む。
【請求項2】
ステップ(b)の前に、前記複数のピクセルをフラットフィールドから反射された光に露出するステップをさらに含み、ステップ(c)は、
(d)前記複数のピクセルのほぼすべてが同じゲインをもつように投射されるように前記複数のピクセルの前記少なくとも2つのピクセルに関連する前記DCゲートに印加される電圧を選択的に調整するステップと、
(e)結果としてのピクセル強度値と、所望のフラットフィールド画像を生じるのに必要な前記平均ピクセル強度値の差が所定の閾値より小さくなるまで、ステップ(b)および(c)を繰り返すステップと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複数のEMピクセルは、行と列の2次元アレイに配置され、各行は共通フェーズ1クロック・ゲート・バスと共通EMクロック・ゲート・バスとを含み、各列は共通DCゲート・バスを含み、ステップ(b)は、
(f)ピクセルの行を選択するステップと、
(g)前記DCゲート・バスにDC列電圧の第1の組を印加するステップと、
(h)前記ピクセルの行に関連する前記フェーズ1クロック・ゲート・バスおよび前記EMクロック・ゲート・バスをクロックするステップと、
(i)非アクティブとなるように、他のピクセルの行の前記フェーズ1クロック・ゲート・バスおよび前記EMクロック・ゲート・バスを所定の一定DC電圧に保持するステップと
をさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
ステップ(h)が、
前記選択されたピクセルの行の前記フェーズ1クロック・ゲート・バスに第1の電圧を印加するステップであって、それにより前記選択されたフェーズ1クロック・ゲート・バスに関連するピクセルの前記フェーズ1クロック・ゲートのそれぞれの下に第1の電荷ウェルが形成される、ステップと、
前記選択されたピクセルの行の前記EMクロック・ゲート・バスに前記第1の電圧より大きな第2の電圧を印加するステップであって、それにより前記選択されたEMクロック・ゲート・バスに関連する前記ピクセルの前記EMクロック・ゲートのそれぞれの下に、前記第1の電荷ウェルより深い第2の電荷ウェルが形成され、前記第1の電荷ウェルと前記第2の電荷ウェルの間に電荷障壁が形成されるように、前記第1および第2の電圧より小さな前記DC電圧の第1の組が前記DCゲート・バスに印加される、ステップと、
前記選択されたピクセルの行の前記フェーズ1クロック・ゲート・バスに、前記DC電圧の第1の組の各電圧より小さな第3の電圧を印加するステップであって、それにより前記電荷パケットのそれぞれが、前記複数のピクセルのそれぞれに関連する前記第1の電荷ウェルの対応する1つから前記第2の電荷ウェルの対応する1つに移動するのに従って衝突電離を受ける、ステップと
をさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
ステップ(b)が、
(j)さらなるピクセルの行を選択するステップと、
(k)前記DCゲート・バスのそれぞれにDC列電圧の第2の組を印加するステップと、
(l)前記別のピクセルの行に関連する前記フェーズ1クロック・ゲート・バスおよび前記EMクロック・ゲート・バスをクロックするステップと、
(m)非アクティブとなるように他のピクセルの行の前記フェーズ1クロック・ゲート・バスおよび前記EMクロック・ゲート・バスを所定の一定DC電圧に保持するステップと、
(n)前記複数のピクセルのほぼすべての行が、前記平均ピクセル強度値を得るまで、ステップ(j)〜(m)を繰り返すステップと
をさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
各行は行選択バスに関連付けられ、ステップ(d)は、
(o)前記行選択バスを通じてピクセルの行を選択するステップと、
(p)前記列のそれぞれの1組の出力電圧値を読み出すステップと、
(q)前記1組の出力電圧値をメモリに記憶するステップと、
(r)別のピクセルの行を選択するステップと、
(s)前記複数のピクセルのほぼすべての行がほぼ同じゲインを得るまで、ステップ(o)〜(r)を繰り返すステップと
をさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記記憶された電圧値のほぼすべてを呼び出すステップと、
フラットフィールド画像が得られたかどうかを判定するために計算を実行するステップと、
ほぼ同じゲインを得るために、前記ピクセルのアレイ内の前記DCゲートの対応するものに印加されるべき、複数のDC電圧を計算するステップと、
前記複数のDC電圧に対応する値を、前記メモリに記憶するステップと
をさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記EMピクセルのアレイは、行と列の2次元アレイに配置され、各行は共通フェーズ1クロック・ゲート・バスと共通EMクロック・ゲート・バスとを含み、各列は共通DCゲート・バスを含み、ステップ(b)は、
(f)ピクセルの行を選択するステップと、
(g)DCゲート・バス電圧(選択された行当たり列当たり1つ)を選択するステップと、
(h)DCゲート列バスにDC電圧を印加するステップと、
(i)前記ピクセルの行に関連する前記フェーズ1クロック・ゲート・バスおよび前記EMクロック・ゲート・バスをクロックするステップと、
(j)非アクティブとなるように、他のピクセルの行の前記フェーズ1クロック・ゲート・バスおよび前記EMクロック・ゲート・バスを所定の一定DC電圧に保持するステップと、
(k)DCゲート・バス電圧の別の組を選択するステップと、
(l)前記複数のピクセルのほぼすべてのピクセルが、前記平均ピクセル強度値を得るまで、ステップ(h)〜(k)を繰り返すステップと
をさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項9】
各行は行選択バスに関連付けられ、各列は列選択バスに関連付けられ、ステップ(d)は、
(m)前記行選択バスを通じてピクセルの行を選択するステップと、
(n)個別のピクセルを選択するように、前記列選択バスを通じてピクセルの列を選択するステップと、
(o)前記選択されたピクセルの出力電圧値を読み出すステップと、
(p)前記出力電圧値をメモリに記憶するステップと、
(q)別の列を選択するステップと、
(r)前記選択された行のほぼすべてのピクセルがほぼ同じゲインを得るまで、ステップ(m)〜(q)を繰り返すステップと、
(s)別の行を選択するステップと、
(t)前記複数のピクセルのほぼすべてのピクセルがほぼ同じゲインを得るまで、ステップ(m)〜(s)を繰り返すステップと
をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
異なる温度に対応する、フラットフィールド画像を生じるために必要なゲインを表す複数のDC値が、前記ピクセルのアレイ内のピクセルのそれぞれに対して、メモリに記憶される、請求項2に記載の方法。
【請求項11】
フラットフィールド画像を生じるために必要な複数のゲインを表す複数のDC値が、前記ピクセルのそれぞれに対して、メモリに記憶される、請求項2に記載の方法。
【請求項12】
前記複数のピクセルが、撮像アレイ・スナップショット・モードまたは順次走査モードの1つにて動作する、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
電子増倍(EM)ピクセルのアレイ内のゲインを等化するための装置であって、
第1のEMピクセルのアレイであって、各ピクセルは、フェーズ1クロックド・ゲートと、EMクロックド・ゲートと、電荷移動の方向性を確実にするための注入を用いて前記フェーズ1クロックド・ゲートと前記EMクロックド・ゲートの間に形成された2つのDCゲートとを備える、アレイと、
プロセッサおよびメモリとを備え、前記プロセッサおよびメモリは、
(a)複数のピクセルの少なくとも2つのピクセルの前記DCゲートおよびEMクロックド・ゲートに初期電圧を印加し、
(b)衝突電離ゲインの後にピクセル強度値を得るために、前記複数のピクセルの前記少なくとも2つのピクセルに関連するフェーズ1クロック・ゲートおよびEMクロック・ゲートを所定の回数クロックし、
(c)結果としてのピクセル強度値と、所望の画像を生じるのに必要な前記平均ピクセル強度値の差が所定の閾値より小さくなるまで、複数のピクセルの少なくとも1つのピクセルのDCゲートと、対応するEMクロックド・ゲートの電圧の差を選択的に調整する
ように構成される、装置。
【請求項14】
前記プロセッサおよびメモリが、ステップ(b)の前に、前記複数のピクセルをフラットフィールドから反射された光に露出するようにさらに構成され、
ステップ(c)は、
(d)前記複数のピクセルのほぼすべてが同じゲインをもつように投射されるように前記複数のピクセルの少なくとも前記2つのピクセルに関連する前記DCゲートに印加される電圧を選択的に調整し、
(e)結果としてのピクセル強度値と、所望のフラットフィールド画像を生じるのに必要な前記平均ピクセル強度値の差が所定の閾値より小さくなるまで、ステップ(b)および(d)を繰り返す
ステップをさらに含む、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記EMピクセルのアレイは、行と列の2次元アレイに配置され、各行は共通フェーズ1クロック・ゲート・バスと共通EMクロック・ゲート・バスとを含み、各列は共通DCゲート・バスを含み、前記プロセッサは、(b)において、
(f)ピクセルの行を選択し、
(g)前記DCゲート・バスにDC列電圧の第1の組を印加し、
(h)前記ピクセルの行に関連するフェーズ1クロック・ゲート・バスおよびEMクロック・ゲート・バスをクロックし、
(i)非アクティブとなるように、他のピクセルの行の前記フェーズ1クロック・ゲート・バスおよび前記EMクロック・ゲート・バスを所定の一定DC電圧に保持する
ようにさらに構成される、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記プロセッサが(h)において、
前記選択されたピクセルの行の前記フェーズ1クロック・ゲート・バスに第1の電圧を印加し、それにより前記選択されたフェーズ1クロック・ゲート・バスに関連するピクセルの前記フェーズ1クロック・ゲートのそれぞれの下に第1の電荷ウェルが形成され、
前記選択されたピクセルの行の前記EMクロック・ゲート・バスに前記第1の電圧より大きな第2の電圧を印加し、それにより前記選択されたEMクロック・ゲート・バスに関連する前記ピクセルの前記EMクロック・ゲートのそれぞれの下に、前記第1の電荷ウェルより深い第2の電荷ウェルが形成され、前記第1の電荷ウェルと前記第2の電荷ウェルの間に電荷障壁が形成されるように、前記第1および第2の電圧より小さな前記DC電圧の第1の組が前記DCゲート・バスに印加され、
前記第1の電荷ウェルのそれぞれに電荷パケットが形成されるように、前記第1の電圧、前記第2の電圧、および前記DC電圧の第1の組を所定の時間の長さの間、積分し、
前記選択されたピクセルの行の前記フェーズ1クロック・ゲート・バスに、前記DC電圧の第1の組の各電圧より小さな第3の電圧を印加し、それにより前記電荷パケットのそれぞれが、前記選択されたピクセルの行のそれぞれに関連する前記第1の電荷ウェルの対応する1つから前記第2の電荷ウェルの対応する1つに移動するのに従って衝突電離を受ける、
ようにさらに構成される、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記プロセッサが(b)において、
(j)さらなるピクセルの行を選択し、
(k)前記DCゲート・バスのそれぞれにDC列電圧の第2の組を印加し、
(l)前記別のピクセルの行に関連するフェーズ1クロック・ゲート・バスおよびEMクロック・ゲート・バスをクロックし、
(m)非アクティブとなるように他のピクセルの行の前記フェーズ1クロック・ゲート・バスおよび前記EMクロック・ゲート・バスを所定の一定DC電圧に保持し、
(n)前記複数のピクセルのほぼすべての行が、平均ピクセル強度値を得るまで、(j)〜(m)を繰り返す
ようにさらに構成される、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
各行は行選択バスに関連付けられ、前記プロセッサは(c)において、
(o)前記行選択バスを通じてピクセルの行を選択し、
(p)前記列のそれぞれの1組の出力電圧値を読み出し、
(q)前記1組の出力電圧値をメモリに記憶し、
(r)別のピクセルの行を選択し、
(s)前記複数のピクセルのほぼすべての行がほぼ同じゲインを得るまで、(o)〜(r)を繰り返す
ようにさらに構成される、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記プロセッサが、
前記記憶された電圧値のほぼすべてを呼び出し、
フラットフィールド画像が得られたかどうかを判定するために計算を実行し、
同じゲインを得るために、前記複数のピクセル内の前記DCゲートの対応するものに印加されるべき、複数のDC電圧を計算し、
前記複数のDC電圧に対応する値を、前記メモリに記憶する
ようにさらに構成される、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記複数のEMピクセルは、行と列の2次元アレイに配置され、各行は共通フェーズ1クロック・ゲート・バスと共通EMクロック・ゲート・バスとを含み、各列は共通DCゲート・バスを含み、前記プロセッサは(b)において、
(f)ピクセルの行を選択し、
(g)DCゲート・バス電圧(選択された行当たり列当たり1つ)を選択し、
(h)前記DCゲート列バスにDC列電圧を印加し、
(i)前記ピクセルの行に関連するフェーズ1クロック・ゲート・バスおよびEMクロック・ゲート・バスをクロックし、
(j)非アクティブとなるように、他のピクセルの行の前記フェーズ1クロック・ゲート・バスおよび前記EMクロック・ゲート・バスを所定の一定DC電圧に保持し、
(k)別のDCゲート・バスを選択し、
(l)前記複数のピクセルのほぼすべてのピクセルが、前記平均ピクセル強度値を得るまで、(h)〜(k)を繰り返す
ようにさらに構成される、請求項15に記載の装置。
【請求項21】
各行は行選択バスに関連付けられ、各列は列選択バスに関連付けられ、前記プロセッサは(b)において、
(m)前記行選択バスを通じてピクセルの行を選択し、
(n)個別のピクセルを選択するように、前記列選択バスを通じてピクセルの列を選択し、
(o)前記選択されたピクセルの出力電圧値を読み出し、
(p)前記出力電圧値を前記メモリに記憶し、
(q)別の列を選択し、
(r)前記選択された行のほぼすべてのピクセルがほぼ同じゲインを得るまで、(o)〜(q)を繰り返し、
(s)別の行を選択し、
(t)前記複数のピクセルのほぼすべてのピクセルがほぼ同じゲインを得るまで、(n)〜(s)を繰り返す
ようにさらに構成される、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
異なる温度に対応する、フラットフィールド画像を生じるために必要なゲインを表す複数のDC値が、前記ピクセルのアレイ内のピクセルのそれぞれに対して、前記メモリに記憶される、請求項14に記載の装置。
【請求項23】
フラットフィールド画像を生じるために必要な複数のゲインを表す複数のDC値が、前記複数のピクセルのそれぞれに対して、前記メモリに記憶される、請求項14に記載の装置。
【請求項24】
前記複数のピクセルが、撮像アレイ・スナップショット・モードおよび順次走査モードの1つにて動作する、請求項13に記載の装置。
【請求項1】
電子増倍(EM)ピクセルのアレイ内のゲインを等化する方法であって、各ピクセルは、フェーズ1クロックド・ゲートと、EMクロックド・ゲートと、方向性注入を用いて前記フェーズ1クロックド・ゲートと前記EMクロックド・ゲートの間に形成された2つのDCゲートとを備え、前記方法は、
(a)複数のピクセルの少なくとも2つのピクセルの前記DCゲートおよび前記EMクロックド・ゲートのそれぞれに初期電圧を印加するステップと、
(b)衝突電離ゲインの後に平均ピクセル強度値を得るために、前記複数のピクセルの前記少なくとも2つのピクセルに関連するフェーズ1クロック・ゲートおよびEMクロック・ゲートを所定の回数クロックするステップと、
(c)結果としてのピクセル強度値と、所望の画像を生じるのに必要な前記平均ピクセル強度値の差が所定の閾値より小さくなるまで、前記複数のピクセルの少なくとも前記2つのピクセルの前記DCゲートと、対応するEMクロックド・ゲートの電圧の差を選択的に調整するステップと
を含む。
【請求項2】
ステップ(b)の前に、前記複数のピクセルをフラットフィールドから反射された光に露出するステップをさらに含み、ステップ(c)は、
(d)前記複数のピクセルのほぼすべてが同じゲインをもつように投射されるように前記複数のピクセルの前記少なくとも2つのピクセルに関連する前記DCゲートに印加される電圧を選択的に調整するステップと、
(e)結果としてのピクセル強度値と、所望のフラットフィールド画像を生じるのに必要な前記平均ピクセル強度値の差が所定の閾値より小さくなるまで、ステップ(b)および(c)を繰り返すステップと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複数のEMピクセルは、行と列の2次元アレイに配置され、各行は共通フェーズ1クロック・ゲート・バスと共通EMクロック・ゲート・バスとを含み、各列は共通DCゲート・バスを含み、ステップ(b)は、
(f)ピクセルの行を選択するステップと、
(g)前記DCゲート・バスにDC列電圧の第1の組を印加するステップと、
(h)前記ピクセルの行に関連する前記フェーズ1クロック・ゲート・バスおよび前記EMクロック・ゲート・バスをクロックするステップと、
(i)非アクティブとなるように、他のピクセルの行の前記フェーズ1クロック・ゲート・バスおよび前記EMクロック・ゲート・バスを所定の一定DC電圧に保持するステップと
をさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
ステップ(h)が、
前記選択されたピクセルの行の前記フェーズ1クロック・ゲート・バスに第1の電圧を印加するステップであって、それにより前記選択されたフェーズ1クロック・ゲート・バスに関連するピクセルの前記フェーズ1クロック・ゲートのそれぞれの下に第1の電荷ウェルが形成される、ステップと、
前記選択されたピクセルの行の前記EMクロック・ゲート・バスに前記第1の電圧より大きな第2の電圧を印加するステップであって、それにより前記選択されたEMクロック・ゲート・バスに関連する前記ピクセルの前記EMクロック・ゲートのそれぞれの下に、前記第1の電荷ウェルより深い第2の電荷ウェルが形成され、前記第1の電荷ウェルと前記第2の電荷ウェルの間に電荷障壁が形成されるように、前記第1および第2の電圧より小さな前記DC電圧の第1の組が前記DCゲート・バスに印加される、ステップと、
前記選択されたピクセルの行の前記フェーズ1クロック・ゲート・バスに、前記DC電圧の第1の組の各電圧より小さな第3の電圧を印加するステップであって、それにより前記電荷パケットのそれぞれが、前記複数のピクセルのそれぞれに関連する前記第1の電荷ウェルの対応する1つから前記第2の電荷ウェルの対応する1つに移動するのに従って衝突電離を受ける、ステップと
をさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
ステップ(b)が、
(j)さらなるピクセルの行を選択するステップと、
(k)前記DCゲート・バスのそれぞれにDC列電圧の第2の組を印加するステップと、
(l)前記別のピクセルの行に関連する前記フェーズ1クロック・ゲート・バスおよび前記EMクロック・ゲート・バスをクロックするステップと、
(m)非アクティブとなるように他のピクセルの行の前記フェーズ1クロック・ゲート・バスおよび前記EMクロック・ゲート・バスを所定の一定DC電圧に保持するステップと、
(n)前記複数のピクセルのほぼすべての行が、前記平均ピクセル強度値を得るまで、ステップ(j)〜(m)を繰り返すステップと
をさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
各行は行選択バスに関連付けられ、ステップ(d)は、
(o)前記行選択バスを通じてピクセルの行を選択するステップと、
(p)前記列のそれぞれの1組の出力電圧値を読み出すステップと、
(q)前記1組の出力電圧値をメモリに記憶するステップと、
(r)別のピクセルの行を選択するステップと、
(s)前記複数のピクセルのほぼすべての行がほぼ同じゲインを得るまで、ステップ(o)〜(r)を繰り返すステップと
をさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記記憶された電圧値のほぼすべてを呼び出すステップと、
フラットフィールド画像が得られたかどうかを判定するために計算を実行するステップと、
ほぼ同じゲインを得るために、前記ピクセルのアレイ内の前記DCゲートの対応するものに印加されるべき、複数のDC電圧を計算するステップと、
前記複数のDC電圧に対応する値を、前記メモリに記憶するステップと
をさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記EMピクセルのアレイは、行と列の2次元アレイに配置され、各行は共通フェーズ1クロック・ゲート・バスと共通EMクロック・ゲート・バスとを含み、各列は共通DCゲート・バスを含み、ステップ(b)は、
(f)ピクセルの行を選択するステップと、
(g)DCゲート・バス電圧(選択された行当たり列当たり1つ)を選択するステップと、
(h)DCゲート列バスにDC電圧を印加するステップと、
(i)前記ピクセルの行に関連する前記フェーズ1クロック・ゲート・バスおよび前記EMクロック・ゲート・バスをクロックするステップと、
(j)非アクティブとなるように、他のピクセルの行の前記フェーズ1クロック・ゲート・バスおよび前記EMクロック・ゲート・バスを所定の一定DC電圧に保持するステップと、
(k)DCゲート・バス電圧の別の組を選択するステップと、
(l)前記複数のピクセルのほぼすべてのピクセルが、前記平均ピクセル強度値を得るまで、ステップ(h)〜(k)を繰り返すステップと
をさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項9】
各行は行選択バスに関連付けられ、各列は列選択バスに関連付けられ、ステップ(d)は、
(m)前記行選択バスを通じてピクセルの行を選択するステップと、
(n)個別のピクセルを選択するように、前記列選択バスを通じてピクセルの列を選択するステップと、
(o)前記選択されたピクセルの出力電圧値を読み出すステップと、
(p)前記出力電圧値をメモリに記憶するステップと、
(q)別の列を選択するステップと、
(r)前記選択された行のほぼすべてのピクセルがほぼ同じゲインを得るまで、ステップ(m)〜(q)を繰り返すステップと、
(s)別の行を選択するステップと、
(t)前記複数のピクセルのほぼすべてのピクセルがほぼ同じゲインを得るまで、ステップ(m)〜(s)を繰り返すステップと
をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
異なる温度に対応する、フラットフィールド画像を生じるために必要なゲインを表す複数のDC値が、前記ピクセルのアレイ内のピクセルのそれぞれに対して、メモリに記憶される、請求項2に記載の方法。
【請求項11】
フラットフィールド画像を生じるために必要な複数のゲインを表す複数のDC値が、前記ピクセルのそれぞれに対して、メモリに記憶される、請求項2に記載の方法。
【請求項12】
前記複数のピクセルが、撮像アレイ・スナップショット・モードまたは順次走査モードの1つにて動作する、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
電子増倍(EM)ピクセルのアレイ内のゲインを等化するための装置であって、
第1のEMピクセルのアレイであって、各ピクセルは、フェーズ1クロックド・ゲートと、EMクロックド・ゲートと、電荷移動の方向性を確実にするための注入を用いて前記フェーズ1クロックド・ゲートと前記EMクロックド・ゲートの間に形成された2つのDCゲートとを備える、アレイと、
プロセッサおよびメモリとを備え、前記プロセッサおよびメモリは、
(a)複数のピクセルの少なくとも2つのピクセルの前記DCゲートおよびEMクロックド・ゲートに初期電圧を印加し、
(b)衝突電離ゲインの後にピクセル強度値を得るために、前記複数のピクセルの前記少なくとも2つのピクセルに関連するフェーズ1クロック・ゲートおよびEMクロック・ゲートを所定の回数クロックし、
(c)結果としてのピクセル強度値と、所望の画像を生じるのに必要な前記平均ピクセル強度値の差が所定の閾値より小さくなるまで、複数のピクセルの少なくとも1つのピクセルのDCゲートと、対応するEMクロックド・ゲートの電圧の差を選択的に調整する
ように構成される、装置。
【請求項14】
前記プロセッサおよびメモリが、ステップ(b)の前に、前記複数のピクセルをフラットフィールドから反射された光に露出するようにさらに構成され、
ステップ(c)は、
(d)前記複数のピクセルのほぼすべてが同じゲインをもつように投射されるように前記複数のピクセルの少なくとも前記2つのピクセルに関連する前記DCゲートに印加される電圧を選択的に調整し、
(e)結果としてのピクセル強度値と、所望のフラットフィールド画像を生じるのに必要な前記平均ピクセル強度値の差が所定の閾値より小さくなるまで、ステップ(b)および(d)を繰り返す
ステップをさらに含む、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記EMピクセルのアレイは、行と列の2次元アレイに配置され、各行は共通フェーズ1クロック・ゲート・バスと共通EMクロック・ゲート・バスとを含み、各列は共通DCゲート・バスを含み、前記プロセッサは、(b)において、
(f)ピクセルの行を選択し、
(g)前記DCゲート・バスにDC列電圧の第1の組を印加し、
(h)前記ピクセルの行に関連するフェーズ1クロック・ゲート・バスおよびEMクロック・ゲート・バスをクロックし、
(i)非アクティブとなるように、他のピクセルの行の前記フェーズ1クロック・ゲート・バスおよび前記EMクロック・ゲート・バスを所定の一定DC電圧に保持する
ようにさらに構成される、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記プロセッサが(h)において、
前記選択されたピクセルの行の前記フェーズ1クロック・ゲート・バスに第1の電圧を印加し、それにより前記選択されたフェーズ1クロック・ゲート・バスに関連するピクセルの前記フェーズ1クロック・ゲートのそれぞれの下に第1の電荷ウェルが形成され、
前記選択されたピクセルの行の前記EMクロック・ゲート・バスに前記第1の電圧より大きな第2の電圧を印加し、それにより前記選択されたEMクロック・ゲート・バスに関連する前記ピクセルの前記EMクロック・ゲートのそれぞれの下に、前記第1の電荷ウェルより深い第2の電荷ウェルが形成され、前記第1の電荷ウェルと前記第2の電荷ウェルの間に電荷障壁が形成されるように、前記第1および第2の電圧より小さな前記DC電圧の第1の組が前記DCゲート・バスに印加され、
前記第1の電荷ウェルのそれぞれに電荷パケットが形成されるように、前記第1の電圧、前記第2の電圧、および前記DC電圧の第1の組を所定の時間の長さの間、積分し、
前記選択されたピクセルの行の前記フェーズ1クロック・ゲート・バスに、前記DC電圧の第1の組の各電圧より小さな第3の電圧を印加し、それにより前記電荷パケットのそれぞれが、前記選択されたピクセルの行のそれぞれに関連する前記第1の電荷ウェルの対応する1つから前記第2の電荷ウェルの対応する1つに移動するのに従って衝突電離を受ける、
ようにさらに構成される、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記プロセッサが(b)において、
(j)さらなるピクセルの行を選択し、
(k)前記DCゲート・バスのそれぞれにDC列電圧の第2の組を印加し、
(l)前記別のピクセルの行に関連するフェーズ1クロック・ゲート・バスおよびEMクロック・ゲート・バスをクロックし、
(m)非アクティブとなるように他のピクセルの行の前記フェーズ1クロック・ゲート・バスおよび前記EMクロック・ゲート・バスを所定の一定DC電圧に保持し、
(n)前記複数のピクセルのほぼすべての行が、平均ピクセル強度値を得るまで、(j)〜(m)を繰り返す
ようにさらに構成される、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
各行は行選択バスに関連付けられ、前記プロセッサは(c)において、
(o)前記行選択バスを通じてピクセルの行を選択し、
(p)前記列のそれぞれの1組の出力電圧値を読み出し、
(q)前記1組の出力電圧値をメモリに記憶し、
(r)別のピクセルの行を選択し、
(s)前記複数のピクセルのほぼすべての行がほぼ同じゲインを得るまで、(o)〜(r)を繰り返す
ようにさらに構成される、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記プロセッサが、
前記記憶された電圧値のほぼすべてを呼び出し、
フラットフィールド画像が得られたかどうかを判定するために計算を実行し、
同じゲインを得るために、前記複数のピクセル内の前記DCゲートの対応するものに印加されるべき、複数のDC電圧を計算し、
前記複数のDC電圧に対応する値を、前記メモリに記憶する
ようにさらに構成される、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記複数のEMピクセルは、行と列の2次元アレイに配置され、各行は共通フェーズ1クロック・ゲート・バスと共通EMクロック・ゲート・バスとを含み、各列は共通DCゲート・バスを含み、前記プロセッサは(b)において、
(f)ピクセルの行を選択し、
(g)DCゲート・バス電圧(選択された行当たり列当たり1つ)を選択し、
(h)前記DCゲート列バスにDC列電圧を印加し、
(i)前記ピクセルの行に関連するフェーズ1クロック・ゲート・バスおよびEMクロック・ゲート・バスをクロックし、
(j)非アクティブとなるように、他のピクセルの行の前記フェーズ1クロック・ゲート・バスおよび前記EMクロック・ゲート・バスを所定の一定DC電圧に保持し、
(k)別のDCゲート・バスを選択し、
(l)前記複数のピクセルのほぼすべてのピクセルが、前記平均ピクセル強度値を得るまで、(h)〜(k)を繰り返す
ようにさらに構成される、請求項15に記載の装置。
【請求項21】
各行は行選択バスに関連付けられ、各列は列選択バスに関連付けられ、前記プロセッサは(b)において、
(m)前記行選択バスを通じてピクセルの行を選択し、
(n)個別のピクセルを選択するように、前記列選択バスを通じてピクセルの列を選択し、
(o)前記選択されたピクセルの出力電圧値を読み出し、
(p)前記出力電圧値を前記メモリに記憶し、
(q)別の列を選択し、
(r)前記選択された行のほぼすべてのピクセルがほぼ同じゲインを得るまで、(o)〜(q)を繰り返し、
(s)別の行を選択し、
(t)前記複数のピクセルのほぼすべてのピクセルがほぼ同じゲインを得るまで、(n)〜(s)を繰り返す
ようにさらに構成される、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
異なる温度に対応する、フラットフィールド画像を生じるために必要なゲインを表す複数のDC値が、前記ピクセルのアレイ内のピクセルのそれぞれに対して、前記メモリに記憶される、請求項14に記載の装置。
【請求項23】
フラットフィールド画像を生じるために必要な複数のゲインを表す複数のDC値が、前記複数のピクセルのそれぞれに対して、前記メモリに記憶される、請求項14に記載の装置。
【請求項24】
前記複数のピクセルが、撮像アレイ・スナップショット・モードおよび順次走査モードの1つにて動作する、請求項13に記載の装置。
【図1A】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【公表番号】特表2011−522482(P2011−522482A)
【公表日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−511585(P2011−511585)
【出願日】平成20年10月27日(2008.10.27)
【国際出願番号】PCT/US2008/081284
【国際公開番号】WO2009/145803
【国際公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【出願人】(599134012)サーノフ コーポレーション (59)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月27日(2008.10.27)
【国際出願番号】PCT/US2008/081284
【国際公開番号】WO2009/145803
【国際公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【出願人】(599134012)サーノフ コーポレーション (59)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]