説明

電子式識別システム

【課題】復元電圧を高め動作範囲の拡大を図った電子式識別システム用トランスポンダを提供する。
【解決手段】このトランスポンダ20は、高入力インピーダンスに整合したアンテナ22にその入力が直接接続され、高い入力インピーダンス(>400Ω)を呈することを特徴とする。このトランスポンダは、質問信号から復元されるコンデンサC2上の電圧を高めることによって、システムの動作範囲を拡大することを目的とする。トランスポンダの変調器30は、80%未満、好ましくは約30%の変調深さで質問信号の後方散乱変調を行うように構成されている。これによっても、システムの動作範囲拡大が得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、質問器(interrogator)および複数のトランスポンダ(transponder)を含む電子式識別システムに関するものである。更に特定すれば、本発明はかかるシステムのトランスポンダを形成する部分に関するものである。
【背景技術】
【0002】
上述の種類の公知の電子式システムには、質問信号をトランスポンダに送信する送信機と、トランスポンダからの応答信号を受信する受信機を含む質問器が含まれる。質問器内のマイクロプロセッサが、応答信号内のデータ・ストリームから、特定のトランスポンダを識別する。各トランスポンダは、アンテナと、質問信号から電力(パワー)を受信しかつ収集し、蓄積コンデンサに十分に高い電圧を供給し、トランスポンダの変調器および論理回路に給電する検出回路とから成り、論理回路は、前述のデータ・ストリームを生成する。そのデータ・ストリームは、約100%の変調深さで付勢信号を変調し、付勢信号におけるエネルギの一部を反射して質問器に返すために用いられる。これは、後方散乱変調(backscatter modulation)として知られているものである。トランスポンダのアンテナは、通常、50Ωないし100Ωの給電点インピーダンス(feedpoint impedance)を有する、単一素子の半波長ダイポール・アンテナである。このアンテナは、適切なインピーダンス整合ネットワークによって、検出回路の125Ωないし200Ωの低入力インピーダンスに整合されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
公知のシステムでは、後方散乱応答信号の有効距離は、付勢信号によってトランスポンダに給電可能な距離を大きく超過している。阻害する要因として、トランスポンダの変調器および論理回路に給電するためのコンデンサに必要な電圧があげられる。公知の低入力インピーダンス・トランスポンダ、特に、小さな集積蓄積コンデンサを有し約100%の変調深さで付勢信号を変調するトランスポンダによって復元される電圧、即ち、動作範囲は、満足できるものではない。
【0004】
したがって、本発明の目的は、本出願人が、前述の欠点を少なくとも軽減し得ると確信する、代替的トランスポンダを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、トランスポンダ回路に接続された入力を含む、電子式識別システム用トランスポンダが提供され、このトランスポンダは、その入力における入力インピーダンスが少なくとも400Ωであることを特徴とする。
【0006】
したがって、本発明によるトランスポンダは、従来技術のトランスポンダにおけるように、回収する電力の最適化とは対照的に、質問および付勢信号からの回収(再生)電圧を高めることを目的とする。
【0007】
トランスポンダ回路は、入力に接続された変調器と、変調器に接続された信号検出器と、識別コードを生成する論理回路とを含み、アンテナと変調器との間にインピーダンス整合回路を用いずに、入力を直接アンテナに接続し、アンテナの給電点インピーダンスにおける実部は入力インピーダンスの実部に実質的に等しい。
【0008】
トランスポンダ回路は、倍電圧回路のような、電圧増倍(multiplier)回路を含むものとしてもよい。
トランスポンダ回路は、単一チップ上に集積することが好ましい。この集積は、CMOS技術を利用することによって、行うことができる。
【0009】
アンテナは、多素子半波長ダイポールから成るものとすることができる。アンテナは、典型的には3素子または5素子半波長ダイポールで構成すればよい。更に、アンテナは、誘導性リアクタンス素子も含み、好適な動作周波数において、前記入力インピーダンスの容量性リアクタンス成分を相殺することができる。この誘導性リアクタンス素子は、例えば、アンテナの給電点またはその近くに配されるループ形態で構成すればよい。
【0010】
別の実施形態では、アンテナは半波長ダイポールから成るものとしてもよく、給電点を適切に偏心して位置付けることにより、給電点インピーダンスを入力インピーダンスに近似する。また、アンテナは、半波長よりも適切に長くして、誘導性リアクタンス成分を生成し、好適な動作周波数において入力インピーダンスの容量性リアクタンス成分を相殺することが可能である。
【0011】
更に本発明によれば、変調器は、アンテナを通じて受信した付勢信号を、識別コード信号を用いて、80%未満の変調深さで変調するように構成することができる。
識別コード信号は2進データ・ストリームを含むものとすることができ、変調器は、データ・ストリームによって制御されるように接続された切り換え(スイッチング)手段を含み、インピーダンス構成をトランスポンダ回路に加入および離脱するように切り換え、アンテナの給電点インピーダンスと実質的に整合される第1の値と、多くとも第1の値の80%である第2の値との間で入力インピーダンスを変化させることも可能である。
【0012】
また、本発明の範囲内には、受信した付勢信号を、80%未満の変調深さで、応答信号を用いて変調する変調器を含むトランスポンダ回路から成るトランスポンダも含む。
変調深さは、好ましくは20%ないし40%の間であり、典型的には約30%である。
【0013】
応答信号は2進ストリームを含むことができ、変調器は、2進ストリームによって制御されるように接続されたスイッチング手段を含み、トランスポンダ回路に加入および離脱するようにインピーダンス構成を切り換え、トランスポンダ回路に接続されたアンテナの給電点インピーダンスと実質的に整合される第1の値と、多くとも第1の値の80%である第2の値との間で、トランスポンダ回路の入力における入力インピーダンスを変化させることも可能である。
【0014】
スイッチング手段は、トランジスタのような能動スイッチング素子を含むものとすることができ、更にインピーダンス構成は、抵抗を含むものとすることができる。
更に本発明の範囲には、電子式識別システム用トランスポンダも含まれ、このトランスポンダは、
トランスポンダ回路の入力に接続されたアンテナを含み、
トランスポンダ回路が、
アンテナに接続された付勢信号検出器と、
検出器に接続され、付勢信号から再生した電圧を蓄積する蓄積コンデンサと、
アンテナに接続された変調器と、
変調器のための制御信号を生成する回路と、
を含み、
変調器は制御信号に応答し、80%未満の変調深さで付勢信号を変調するように構成されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
これより、添付図面を参照しながら、一例としてのみであるが、本発明について更に説明する。
従来技術のトランスポンダ10のブロック図を図1に示す。トランスポンダ10は、約50Ωないし100Ω、典型的に、73Ωの給電点インピーダンスZAINを有する、半波長ダイポール・アンテナ12を備えている。整合ネットワーク14がアンテナ12と検出器/変調器回路16との間に備えられ、アンテナのインピーダンスを検出器/変調器回路16の入力インピーダンスZDINに整合させる。検出器/変調器回路16のインピーダンスZDINは、典型的に、約125Ωないし200Ωである。検出器/変調器回路16は、論理回路18に接続されている。検出器は、受信した質問信号から電力を収集し、蓄積コンデンサ上に電圧を累積し、論理回路および変調回路を駆動する。質問器(図示せず)およびトランスポンダ10の動作範囲は、検出回路によって復元されコンデンサ上に蓄積される電圧によって異なる。
【0016】
前述の低インピーダンス・アンテナ(73Ω)および低インピーダンス検出器/変調器回路(125Ω〜200Ω)を有する従来技術のシステムの動作範囲は、満足できるものではない。更に、整合ネットワーク14は、公知のトランスポンダのコストの一因となる。更にまた、図9に示すように、100%変調を利用する従来技術のトランスポンダでは、蓄積コンデンサ上の電圧は、コンデンサ上で必要とされる最小値未満に、間欠的に低下する。
【0017】
本発明によるトランスポンダ20のブロック図を、図2に示す。トランスポンダ20は、検出器/変調器回路24を含む、高入力インピーダンストランスポンダ回路に直接接続された高インピーダンス・アンテナ22(ZAIN>400Ω)を備えている。検出器/変調器回路24は、論理回路26に接続されている。
【0018】
検出器/変調器回路24の入力インピーダンスZTINを大きくすることによって、復元される電圧も増大する。その関係は、次の式で決定される。
V=√(P×ZTIN
ここで、P=信号の電力、および
TIN=トランスポンダ回路の入力インピーダンス
である。
【0019】
更に、倍電圧回路28(図3に示す)の形態の電圧増倍回路を備えることによって、この電圧を更に高める。倍電圧回路28は次のように動作する。
質問信号SINの正の半サイクルSINP1の間、電流がコンデンサC1およびダイオードD2を通過し、蓄積コンデンサC2を、半サイクルSINP1のピーク電圧まで充電する。負の半サイクルSINNの間、電流はダイオードD1を通過し、コンデンサC1を逆に負の半サイクルSINNのピーク電圧まで充電する。次の正の半サイクルSINP2の間、コンデンサC1上の電圧は、正の半サイクルSINP2の電圧に加算され、コンデンサC2を信号SINのピーク・ピーク電圧に充電する。
【0020】
入力インピーダンスZTINは、特に、浮遊回路抵抗のインピーダンス、インダクタンスおよび容量(キャパシタンス)、導通していない場合の整流ダイオードD1,D2のインピーダンス、導通している場合の整流ダイオードD1,D2の順方向抵抗、論理回路26によって示されるインピーダンス、および高インピーダンス状態における場合の変調器30のインピーダンスによって決定される。
【0021】
インピーダンスZTINを大きくすることにより、復元電圧も増大する。インピーダンスZTINは、変調器30,倍電圧回路28および論理回路26を単一チップ32上に適切に集積することにより、公知の検出回路のそれと比較して約1桁、即ち、約1200Ωないし1800Ωに増大させることができる。
【0022】
入力インピーダンスZTINを増大させるためには、入力と並列の容量性構成部品および抵抗の効果を減少させ、そしてダイオードD1,D2の接合容量を減少させ、変調器30のインピーダンスを増大させる必要がある。論理回路26のインピーダンスは、集積回路ウエハの製造における最新のCMOS技術を用いることにより、15,000Ωから300,000Ωを超えるまでに、大幅な増大が可能である。しかしながら、公知のトランスポンダの低入力インピーダンス(125Ωないし200Ω)の最大の要因は、入力に直接接続される変調回路である。2番目の要因は、前述のダイオードD1,D2である。
【0023】
チップ32の入力インピーダンスZTINを高めることにより、変調器30は公知の変調器の様に高い電流を通過させることが不要となる。これによって、変調器の能動半導体素子(図6のT1を参照のこと)の小型化が可能となるという利点が得られ、更に、浮遊容量の減少および抵抗の増大をもたらし、その結果ZTINを更に高めることになる。
【0024】
入力インピーダンスZTINは、ダイオードD1,D2の不飽和順方向抵抗を大きくし、蓄積コンデンサC2と結合(カップリング)コンデンサC1との間に理想的なバランス状態を確保することによって、数千オームにまで高めることができる。尚、約1200Ωないし1800Ωの入力インピーダンスZTINがよい結果をもたらすことがわかった。
【0025】
アンテナ22の整合を促進するためには、チップ32の入力インピーダンスZTINを故意に容量性に維持すればよい。
入力インピーダンスを高めたトランスポンダの利点を利用するためには、高インピーダンス信号源も必要となる。図1に示すように、低インピーダンス・アンテナをインピーダンス変換ネットワーク14と組み合わせることによってチップの入力インピーダンスを整合させるという従来の手法を用いる代わりに、本発明は、高インピーダンス・アンテナ22を用い、チップ32上の検出器/変調器回路24に直接接続し、整合ネットワークの必要性をなくした。
【0026】
アンテナ22は、多素子半波長ダイポールから成るものとすることができる。かかるアンテナの給電点インピーダンスZAINは、以下の式で与えられる。
Z=73×n
ここで、nは直径が等しい素子の数である。
【0027】
したがって、4素子ダイポール・アンテナの給電点インピーダンスは約1170Ωとなり、一方5素子ダイポールの給電点インピーダンスは約1825Ωとなる。多ワイヤ・ダイポール・アンテナを用いることにより、インピーダンス変換または整合ネットワークの必要性をなくし、給電点インピーダンスZAINを検出器ZTINの入力インピーダンスに緊密に整合させることが可能となる。
【0028】
典型的な5素子ダイポール・アンテナ22.1を図4に示す。給電点36間に接続したヘアピン・ループ34を追加し、前述のトランスポンダ回路のZTINにおける容量性入力リアクタンスに大きさが等しい、適切な誘導性リアクタンスを導入することによって、動作周波数における純粋な抵抗性整合を得る。
【0029】
図5に示すのは、22.2と付番した、比較的給電点インピーダンスZAINが高いアンテナの別の実施例である。アンテナ22.2は、供給位置が中心からずれている、折返し(folded)半波長ダイポールである。インピーダンスZAINは、アンテナの中心における電流の実際の給電点における電流に対する比率の二乗を、中心給電点のインピーダンスに乗算することによって得られる。アンテナを半波長より多少長くすることによって、インピーダンスZAINは誘導性となり、前述のトランスポンダ回路のZTINにおける容量性入力リアクタンスを相殺する。
【0030】
アンテナ22.2をチップ32に直接接続することにより、偏心給電アンテナ(off-centre fed antenna)に伴う放射パターンの問題を回避することができると考えられる。
本発明によるトランスポンダ20を用いることによって、識別システムの動作範囲は、従来のシステムのそれと比較すると、大幅に拡大可能であることがわかった。トランスポンダ20のコストも、整合ネットワーク14を除去したことにより、削減可能である。
【0031】
図6に変調器30を更に詳細に示す。変調器30は、論理回路16が生成するデータ・ストリーム(図7に示す)によって駆動され、このデータ・ストリームがトランスポンダの特性となる。前述のように、変調器および論理回路には、検出器および増倍回路によって累積され、蓄積コンデンサC2上に蓄積されている電荷による電力が供給される。コンデンサC2は、チップ32上に他の電子構成部品と共に集積することが好ましい。
【0032】
これも先に述べたことであるが、前述のデータ・ストリームによって制御される変調器30は、質問器から受信した付勢信号を変調し、付勢信号におけるエネルギのいくらかを反射し、質問器に戻す。これは、後方散乱変調として知られている。変調深さは、トランスポンダの不整合入力インピーダンスZTINUの、整合入力インピーダンスZTINMに対する比率によって決定される。
【0033】
前述の変調深さを得るには、変調器30がオフの場合(即ち、データ・ストリームが論理高の場合)のトランスポンダの入力インピーダンスZTINMをアンテナ・インピーダンスZAINに整合し、検出回路に最大エネルギが得られるようにすると共に、データ・ストリームが論理低(ロー:low)の場合のトランスポンダの入力インピーダンスZTINMの不整合を制御することにより付勢エネルギの制御された部分のみを質問器に反射する、即ち後方散乱させるようにする。
【0034】
変調深さを20%および40%の間とすれば、一方において、応答信号を搬送する後方散乱データ・ストリームを質問器が効果的に信号を復元すること、および他方において、コンデンサC2上の電圧という形態で蓄積するためにトランスポンダが付勢信号から電力を適切に収集することの間に、容認可能な折衷案が有られることがわかった。
【0035】
第1の実際例において、アンテナのインピーダンスは、抵抗が463オーム、およびそれに並列なインダクタンスが915MHzにおいて11.7nHである。抵抗R1およびコンデンサC3は、変調器が「オフ」の場合(即ち、データ・ストリームが論理高(ハイ:high)の場合)、ZTINMにおいて抵抗が463Ω、およびそれに並列の容量性リアクタンスが915MHzにおいて2.54pFとなるように選択する。データ・ストリームがローであり、変調器30が「オン」である場合、トランジスタT1はスイッチR2をトランスポンダ回路に切り換えるため、不整合インピーダンスZTINUは、抵抗が148.9Ω、およびそれに並列の容量性リアクタンスが915MHzにおいて2.27pFとなる。これによって、約30%の変調深さが得られる。
【0036】
第2の実際例では、3素子半波ダイポール・アンテナを用い、その給電点インピーダンスは、抵抗が680Ω、およびそれに並列なインダクタンスが915MHzにおいて19nHである。抵抗R1およびコンデンサC3は、変調器30が「オフ」の場合、ZTINMは抵抗が680Ωおよび並列の容量性リアクタンスが915MHzにおいて1.56pFとなるように選択する。変調器が「オン」の場合、不整合インピーダンスZTINUは、抵抗が475Ω、および並列の容量性リアクタンスが915MHzにおいて2.65pFとなる。これによっても、約30%の変調深さが得られる。
【0037】
図6の点X、YおよびZにおける波形を、それぞれ図7ないし図9に示す。破線で示す波形は、100%変調を利用する従来技術の変調器の回路の対応する点における波形である。
【0038】
特許請求の範囲および本発明の精神から逸脱することなく、本発明によるトランスポンダは、その詳細において多くの変形があることは認められよう。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】従来技術の質問器の基本ブロック図。
【図2】本発明による質問器の基本ブロック図。
【図3】倍電圧回路を含む検出回路を更に詳細に示す、本発明によるトランスポンダのブロック図。
【図4】本発明によるトランスポンダのアンテナ形成部分の概略図。
【図5】本発明によるトランスポンダの一部を形成することが可能な別のアンテナの概略図。
【図6】変調回路を更に詳細に示す、トランスポンダのブロック図。
【図7】図6のブロック図に示した回路の種々の点における波形を示す図。
【図8】図6のブロック図に示した回路の種々の点における波形を示す図。
【図9】図6のブロック図に示した回路の種々の点における波形を示す図。
【符号の説明】
【0040】
10 トランスポンダ
12 半波長ダイポール・アンテナ
20 トランスポンダ
22 アンテナ
22.1 5素子ダイポール・アンテナ
22.2 アンテナ
24 検出器/変調器回路
28 倍電圧回路
30 変調器
32 単一チップ
34 ヘアピン・ループ
36 給電点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナとトランスポンダ回路との間に配置された入力を含む電子式識別システム用トランスポンダであって、前記トランスポンダ回路の入力インピーダンスが少なくとも400Ωであることを特徴とするトランスポンダ。
【請求項2】
請求項1記載のトランスポンダにおいて、前記トランスポンダ回路が、前記入力に接続された変調器と、前記変調器に接続された信号検出器と、識別コードを生成する論理回路とを含み、アンテナと前記変調器との間にインピーダンス整合回路を用いずに、前記入力を直接アンテナに接続し、前記アンテナの給電点インピーダンスにおける実部が、前記入力インピーダンスの実部に実質的に等しい、トランスポンダ。
【請求項3】
請求項1および2のいずれか1項記載のトランスポンダにおいて、前記トランスポンダ回路が電圧増倍回路を含む、トランスポンダ。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項記載のトランスポンダにおいて、前記トランスポンダ回路が単一チップ上に集積される、トランスポンダ。
【請求項5】
請求項2記載のトランスポンダにおいて、前記アンテナが多素子ダイポール・アンテナである、トランスポンダ。
【請求項6】
請求項2記載のトランスポンダにおいて、前記アンテナが偏心給電ダイポール・アンテナである、トランスポンダ。
【請求項7】
請求項2記載のトランスポンダにおいて、前記変調器が、アンテナを介して受信した付勢信号を、80%未満の変調深さにおいて、識別コード信号によって変調する、トランスポンダ。
【請求項8】
請求項7記載のトランスポンダにおいて、前記識別コード信号が2進データ・ストリームを含み、前記変調器が前記データ・ストリームによって制御されるように接続されたスイッチング手段を含み、前記アンテナの給電点インピーダンスと実質的に整合される第1の値と、多くとも前記第1の値の80%である第2の値との間で前記入力インピーダンスを変化させる、トランスポンダ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−101909(P2010−101909A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−17581(P2010−17581)
【出願日】平成22年1月29日(2010.1.29)
【分割の表示】特願平10−241748の分割
【原出願日】平成10年8月27日(1998.8.27)
【出願人】(506047938)ズィーアイエイチ・コーポレーション (3)
【Fターム(参考)】