説明

電子情報配信システム

【目的】配布物などによるアナログ手段による連絡の伝達ミスを防止できる通信技術を利用した電子情報配信システムの提供を目的とする。
【構成】携帯電子媒体4を保持した所属者が任意団体施設に入室する際、リーダライタ3は前記携帯電子媒体4の記憶手段43が記憶する所属者情報を読み出し、電子配信装置2の記憶手段24に記憶している情報との一致・不一致を判断して認証する(S1)。その後前記保持者に対して配信すべき電子情報の有無を判断し(S2)、配信すべき電子情報がある場合にはリーダライタ3を介して前記携帯電子媒体4に前記電子情報を配信する(S3)。前記携帯電子端末4は、配信された前記電子情報を記憶手段43に記憶し(S4)、表示手段により前記電子情報を表示する(S5)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、任意団体の加盟者に配信した情報を加盟者が保持する携帯電子媒体に表示する情報配信システムに関する。
【0002】
近年のInformation Technology(IT)を利用した情報通信技術の発達はめざましく、あらゆる情報の入手が容易に可能である。しかし幼稚園や小中学校等の教育機関においては、行事連絡や緊急連絡などの父兄との連絡を紙の資料による配布や、電話等のアナログ手段を通じて行われることが少なくない。
【0003】
上述したアナログ手段は、子供を通じて父兄に手渡される配布物であったり、掲示板に掲示された内容確認であるため、子供が学校で配布されたことを忘れたり、紛失した場合や、掲示内容を忘れてしまった場合などは、必要な情報が父兄に伝わらなかったり、確認していても忘れてしまうことがあるため、応答期限がさだめられている内容であっても期限内に適切な応答ができない等の不都合を生じることがある。
【0004】
また、近年、登下校時における連れ去りや誘拐など子供を狙った卑劣な犯罪が増加しており、このような犯罪から子供を守るため情報端末による通信技術を利用した子供の安否を父兄に連絡するシステムや、学校や塾から子供の所在を父兄に連絡するシステムなどが知られているが、子供の所在を通知するのみで連絡事項等の情報授受には利用されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−200856号公報
【特許文献2】特開2009−253492号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、配布物などによるアナログ手段による連絡の伝達ミスを防止できる通信技術を利用した電子情報配信システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、任意団体の所属者に対して配信した電子情報を携帯電子媒体に表示を可能にする情報配信システムであって、電子情報配信装置と、携帯電子媒体とを備え、前記電子情報配信装置は、携帯電子媒体の保有する前記所属者が任意団体施設への入退場を判断する所属者認証手段と、前記所属者認証手段によって所属者であると判断した場合に、当該所属者の携帯電子媒体に送信すべき電子情報の有無を判断する送信情報判断手段と、前記送信情報判断手段により送信すべき電子情報を有すると判断した場合に前記携帯電子媒体に電子情報を配信する電子情報配信手段とを有し、前記携帯電子媒体は、所属者識別情報と前記電子情報配信装置から配信された電子情報とを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶した電子情報を表示画面上に表示する表示手段とを有し、前記記憶手段に記憶された電子情報は、前記電子情報配信装置からの削除指示により削除が可能であること、を特徴とする電子情報配信システムである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば配布物などによるアナログ手段による連絡の伝達ミスを防止できる通信技術を利用した電子情報配信システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施例を示す電子情報配信システムの構成図
【図2】本発明の一実施例を示す電子情報配信システムの動作を説明するフロー図
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、本件特許発明の一実施形態である電子情報配信システムの構成図である。電子情報配信システム1は、電子情報配信装置2と、所属者情報の読込みおよび電子情報の書換えを行なうリーダライタ3と、前記所属者が保持する携帯電子媒体4とから構成される。
【0011】
電子情報配信装置2は、所属者認証手段21と、送信情報判別手段22と、電子情報配信手段23と、記憶手段24とを有する。
前記所属者認証手段21は、携帯電子媒体4を保持する個人が任意団体の施設に入退室する際に、前記携帯電子媒体4を保持する個人が任意団体の所属者であるか否かについて判断する。その判断手法は当該携帯電子媒体4の記憶手段43に記憶されている所属者識別情報と、電子情報配信装置2の記憶手段に24に記憶されている所属者情報との一致・不一致を判定することにより所属者であるか否かを判断するものである。これにより例えば任意団体が学校のような教育機関である場合においては、前記携帯電子媒体を保持する学生の出欠状況を把握することが可能となり、また会社である場合には出社状況の把握をすることが可能となる。
【0012】
前記送信情報判別手段22は、前記所属者認証手段21により前記携帯電子媒体4を保持する個人が所属者であると判断した場合に、記憶媒体43に記憶された所属者情報に応じて前記携帯電子媒体4に配信すべき電子情報の有無を判断する。これにより新規に配信すべき電子情報の有無について判断することが可能であるとともに、学年単位や、クラス単位、学部・学科、部門毎に異なる配信情報を配信すべき対象者を特定して電子情報の配信が可能となる。また、ここでいう電子情報とは、任意団体から当該任意団体の所属者に対して配信するあらゆる情報を意味し、例えば、学校行事・学年行事等のお知らせや、給食費の徴収予告、会社における福利厚生に関する連絡などをいう。
【0013】
前記電子情報配信手段23は、前記送信情報配信手段22にいて配信すべき電子情報を携帯電子媒体4に対してリーダライタ3を介して配信する。
【0014】
記憶手段24は、任意団体の所属者情報を、性別、学年、クラス、学部、所属部署等の分類項目とともに記憶する。これにより携帯電子媒体4を保持する個人が所属者であるか否かの判断を当該電子媒体4が記憶する所属者情報との一致・不一致により認証する。また前記記憶手段24はさらに特定の分類項目と対応させて電子情報を記憶する。これにより、特定の電子情報を対象者のみに配信することができる。
【0015】
携帯電子媒体4は、受信手段41と、表示手段42と、記憶手段43を有する。ここで前記携帯電子媒体4は、リーダライタ3とデータの読み書き等の非接触通信を行うものであるが、従来技術として知られる非接触通信を行うためのICチップやアンテナの構成についての説明は省略する。
【0016】
受信手段41は、リーダライタ3を介して電子情報配信装置2から配信される電子情報を受信し、記憶手段43に記憶する。前記記憶手段43に記憶された電子情報は表示手段42により可視化した情報を表示する。これにより、携帯電子媒体4の保持者は、配信された情報を表示画面上で確認することができる。表示手段42は、液晶技術や、電子ペーパー技術等の既存の表示技術を採用することができる。
【0017】
また、前記記憶手段43に記憶された電子情報は、電子情報配信装置2の削除要求がない限り、記憶手段から携帯電子媒体4の保持者が削除することができないように制限することができる。これにより、前記保持者が誤って配信された電子情報を削除することを防止することができる。また、例えば、電子情報が学校の給食費の納付のお知らせ等の場合、前記保持者に対して給食費の納付手続き等の特定の行為を要求するものである場合には、その行為の完了確認がなされるまで注意喚起を継続することが可能となる。
また、電子情報配信装置2の削除要求は、配信する電子情報にあらかじめ表示期間を設定しておいて、設定された期間終了後には表示画面上から削除されるようにしてもよい。
【0018】
図2は本発明の一実施例を示す電子情報配信システムの動作を説明するフロー図である。
携帯電子媒体4を保持した所属者が任意団体施設に入室する際、リーダライタ3は前記携帯電子媒体4の記憶手段43が記憶する所属者情報を読み出し、電子配信装置2の記憶手段24に記憶している情報との一致・不一致を判断して認証する(S1)。その後前記保持者に対して配信すべき電子情報の有無を判断し(S2)、配信すべき電子情報がある場合にはリーダライタ3を介して前記携帯電子媒体4に前記電子情報を配信する(S3)。前記携帯電子端末4は、配信された前記電子情報を記憶手段43に記憶し(S4)、表示手段により前記電子情報を表示する(S5)。
【0019】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することがかのうである。
【符号の説明】
【0020】
1・・・電子情報配信システム
2・・・電子情報配信装置
21・・所属者認証手段
22・・送信情報判別手段
23・・電子情報配信手段
3・・・リーダライタ
4・・・携帯電子媒体
41・・受信手段
42・・表示手段
24,43・・記憶手段
















【特許請求の範囲】
【請求項1】
任意団体の所属者に対して配信した電子情報を携帯電子媒体に表示を可能にする情報配信システムであって、電子情報配信装置と、携帯電子媒体とを備え、前記電子情報配信装置は、携帯電子媒体の保有する所属者が任意団体施設への入退場を判断する所属者認証手段と、前記所属者認証手段によって所属者であると判断した場合に、当該所属者の携帯電子媒体に送信すべき電子情報の有無を判断する送信情報判断手段と、前記送信情報判断手段により送信すべき電子情報を有すると判断した場合に前記携帯電子媒体に電子情報を配信する電子情報配信手段とを有し、前記携帯電子媒体は、所属者識別情報と前記電子情報配信装置から配信された電子情報とを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶した電子情報を表示画面上に表示する表示手段とを有し、前記記憶手段に記憶された電子情報は、前記電子情報配信装置からの削除指示により削除が可能であること、を特徴とする電子情報配信システム。
























【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−160040(P2011−160040A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−17952(P2010−17952)
【出願日】平成22年1月29日(2010.1.29)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】