説明

電子文書処理装置、電子文書管理装置、及び電子文書処理方法

【課題】 複数のデバイスの使用頻度に応じて、電子文書の出力可能部数を調整できるようにする。
【解決手段】 電子文書の印刷部数が、管理テーブル800に登録された印刷可能残数の上限値を越えている場合、出力デバイス311は、その電子文書の電子署名でグループ化されたその他の出力デバイスに印刷部数の譲渡を依頼するようにした。したがって、出力デバイス131で管理する電子文書の印刷上限数を越えた場合でも、電子文書に署名されたグループ内のデバイスに問い合わせることで、印刷可能残数をグループ内で共有することができる。よって、複数の出力デバイスの使用頻度に応じて、電子文書の出力可能部数を調整することが可能になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子文書処理装置、電子文書管理装置、及び電子文書処理方法に関し、特に、電子文書をサーバからデバイスに配信するために用いて好適なものである。
【背景技術】
【0002】
近年、サーバに対して、各クライアントから電子文書をアップロードすることにより、サーバ側で電子文書を管理すると共に、印刷出力の操作性を向上するために、サーバ側で管理している電子文書を事前にデバイスに配信する技術が用いられている。
また、不正な印刷を抑止するための技術としては、ユーザ単位や電子文書単位で、印刷数の上限を設定した印刷抑止技術が用いられている。
特許文献1には、ユーザ毎に出力数の上限値を設定した印刷抑止機能をプリント管理サーバで管理する技術が開示されている。また、特許文献2には、ジョブを生成したユーザによる入力データやジョブサーバの設定により、ジョブの有効期間や印刷可能部数等を設定可能とする技術が開示されている。
【0003】
【特許文献1】特開2003−50692号公報
【特許文献2】特開2004−152108号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前述した従来技術を用いた場合、事前にデバイスに配信した電子文書の印刷抑止機能は、電子文書単位やユーザ単位で実行される。このため、例えば、ある1つの部門に属する複数のデバイスに共通の電子文書を配信した場合、配信時の課金を考慮すると、以下のような管理上の問題が発生する。
(1)使用頻度の多いデバイスでは出力可能部数の上限に達してしまう。
(2)使用頻度の少ないデバイスでは出力可能部数を全て出力できない。
【0005】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、複数のデバイスの使用頻度に応じて、電子文書の出力可能部数を調整できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の電子文書処理装置は、ユーザにより指定された電子文書の出力部数が設定部数を越えているか否かを判断する判断手段と、前記判断手段により、前記電子文書の出力部数が設定部数を越えていると判断された場合、その電子文書に付与されている、他の電子文書処理装置の署名情報に基づいて、当該他の電子文書処理装置に、前記電子文書の出力部数の譲渡依頼を行う譲渡依頼手段と、前記他の電子文書処理装置から、前記電子文書の出力部数の譲渡を受ける出力部数取得手段と、前記指定された出力部数の電子文書を出力する出力手段と、前記出力手段により出力された出力部数に応じて、前記設定部数を更新する更新手段とを有し、前記出力手段は、前記判断手段により、前記電子文書の出力部数が設定部数を越えていると判断された場合には、前記電子文書の出力部数の譲渡を受けてから、前記指定された出力部数の電子文書を出力することを特徴とする電子文書処理装置。
本発明の電子文書処理装置の他の態様では、電子文書の出力部数の譲渡依頼を、他の電子文書処理装置から受け付ける譲渡依頼受付手段と、前記譲渡依頼受付手段により受け付けられた譲渡依頼に応じて、前記電子文書の出力部数を、前記他の電子文書処理装置に譲渡する譲渡手段とを有することを特徴とする。
本発明の電子文書管理装置は、電子文書の配信先である電子文書処理装置の署名情報であって、当該電子文書を共有可能な複数の電子文書処理装置の署名情報を、当該電子文書に付与する付与手段と、前記付与手段により署名情報が付与された電子文書を、前記複数の電子文書処理装置に配信する配信手段とを有することを特徴とする。
【0007】
本発明の電子文書処理方法は、ユーザにより指定された電子文書の出力部数が設定部数を越えているか否かを判断する判断ステップと、前記判断ステップにより、前記電子文書の出力部数が設定部数を越えていると判断された場合、その電子文書に付与されている、他の電子文書処理装置の署名情報に基づいて、当該他の電子文書処理装置に、前記電子文書の出力部数の譲渡依頼を行う譲渡依頼ステップと、前記他の電子文書処理装置から、前記電子文書の出力部数の譲渡を受ける出力部数取得ステップと、前記指定された出力部数の電子文書を出力する出力ステップと、前記出力ステップにより出力された出力部数に応じて、前記設定部数を更新する更新ステップとを有し、前記出力ステップは、前記判断ステップにより、前記電子文書の出力部数が設定部数を越えていると判断された場合には、前記電子文書の出力部数の譲渡を受けてから、前記指定された出力部数の電子文書を出力することを特徴とする。
本発明の電子文書処理方法の他の態様では、電子文書の出力部数の譲渡依頼を、他の電子文書処理装置から受け付ける譲渡依頼受付ステップと、前記譲渡依頼受付ステップにより受け付けられた譲渡依頼に応じて、前記電子文書の出力部数を、前記他の電子文書処理装置に譲渡する譲渡ステップとを有することを特徴とする。
本発明の電子文書処理方法のその他の態様では、電子文書の配信先である電子文書処理装置の署名情報であって、当該電子文書を共有可能な複数の電子文書処理装置の署名情報を、当該電子文書に付与する付与ステップと、前記付与手段により署名情報が付与された電子文書を、前記複数の電子文書処理装置に配信する配信ステップとを有することを特徴とする。
【0008】
本発明のコンピュータプログラムは、ユーザにより指定された電子文書の出力部数が設定部数を越えているか否かを判断する判断ステップと、前記判断ステップにより、前記電子文書の出力部数が設定部数を越えていると判断された場合、その電子文書に付与されている、他の電子文書処理装置の署名情報に基づいて、当該他の電子文書処理装置に、前記電子文書の出力部数の譲渡依頼を指示する譲渡依頼ステップと、前記他の電子文書処理装置から、前記電子文書の出力部数の譲渡を受ける出力部数取得ステップと、前記指定された出力部数の電子文書の出力を指示する出力ステップと、前記出力ステップにより出力が指示された出力部数に応じて、前記設定部数を更新する更新ステップとをコンピュータに実行させ、前記出力ステップは、前記判断ステップにより、前記電子文書の出力部数が設定部数を越えていると判断された場合には、前記電子文書の出力部数の譲渡を受けてから、前記指定された出力部数の電子文書の出力を指示することを特徴とする。
本発明のコンピュータプログラムの他の態様では、電子文書の出力部数の譲渡依頼を、他の電子文書処理装置から受け付ける譲渡依頼受付ステップと、前記譲渡依頼受付ステップにより受け付けられた譲渡依頼に応じて、前記電子文書の出力部数を、前記他の電子文書処理装置に譲渡することを指示する譲渡ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする。
本発明のコンピュータプログラムのその他の態様では、電子文書の配信先である電子文書処理装置の署名情報であって、当該電子文書を共有可能な複数の電子文書処理装置の署名情報を、当該電子文書に付与する付与ステップと、前記付与手段により署名情報が付与された電子文書を、前記複数の電子文書処理装置に配信することを指示する配信ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、電子文書の出力可能部数を越えた場合でも、電子署名を用いることにより、複数の電子文書処理装置間で出力部数の共有が可能となり、電子文書処理装置の使用頻度に応じて、電子文書の出力可能部数を調整できる。
また、本発明の他の特徴によれば、複数のグループに属する電子文書処理装置の署名情報を、重複することなく電子文書に付与するようにした。従って、複数のグループに属する電子文書処理装置へ、電子文書の配信が指定された場合でも、グループ単位で電子文書を配信する必要がなくなり、その電子文書処理装置に配信する電子文書を1つにすることが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
(第1の実施形態)
以下、図面を参照しながら、本発明の第1の実施形態について説明する。
図1は、電子文書管理システムの構成の一例を示す図である。図1に示す電子文書管理システムでは、サーバ用パーソナルコンピュータ121に対して、クライアント用パーソナルコンピュータ111から指示/操作を行い、サーバ用パーソナルコンピュータ121から出力デバイス131、132に電子文書を配信する。更に、電子文書管理システムでは、電子文書の出力上限数を、各出力デバイス131、132が共有できるようにしている。尚、以下の説明では、クライアント用パーソナルコンピュータ111をクライアントPC111と称し、サーバ用パーソナルコンピュータ121(電子文書管理サーバ)をサーバPC121と称する。
【0011】
図1において、クライアントPC111、サーバPC121、及び出力デバイス131、132は、夫々ローカルエリアネットワーク(LAN)101に接続されている。
サーバPC121は、電子文書管理装置の一例として設けられている。サーバPC121は、電子文書の管理機能と配信機能とを有し、クライアントPC111からの指示を受けて、出力デバイス131、132に電子文書を配信する。また、サーバPC121は、各出力デバイス131、132の電子署名を事前に登録している。サーバPC121は、クライアントPC111からの配信指示に応じて配信する電子文書に、同一のグループとして指定された各出力デバイス131、132の電子署名を設定する。
尚、本実施形態においては、サーバPC121とクライアントPC111との通信手法については特に限定されない。また、サーバPC121自体が、クライアントPC111と同じ指示処理を直接行う形態であっても構わない。更に、クライアントPC111内の構成は、LAN101に接続でき、且つサーバPC121に指示が可能なPCであれば、特に限定されるものではない。
【0012】
出力デバイス131、132は、電子文書処理装置の一例として設けられる。出力デバイス131、132は、夫々、LAN101に接続でき、且つサーバPC121から配信された電子文書を保管及び管理する。出力デバイス131、132は、管理している電子文書をユーザに選択させて印刷指示を行わせることが可能である。そして、出力デバイス131、132は、印刷指示が行われた電子文書を出力する機能を少なくとも有する。
また出力デバイス131、132は、印刷可能部数(出力上限数)を電子文書毎に管理し、印刷指示が行われた際に指定された部数を印刷可能か否かを判断し、印刷可能であれば電子文書を出力すると共に、印刷可能部数を使った分だけ減らして管理する。一方、印刷不可であれば、出力デバイス131、132は、クライアントPC111にエラーを返す。
【0013】
図2は、サーバPC121の概略構成の一例を示す図である。尚、クライアントPC111も、図2に示す構成により実現することができる。
図2において、ビデオRAM(VRAM)201は、CRT表示装置202の画面に表示される文字やイメージを展開して記憶する。
ビットムーブユニット(BMU)203は、メモリ間、或いはメモリと各デバイスとの間のデータ転送をコントロールする。
【0014】
キーボード204は、ユーザインターフェースであり、入力に関する各種キーを備えている。ポインティングデバイス(PD)205も、ユーザインターフェースであり、CRT表示装置202の画面上でアイコン等を指し示すため等に用いられる。
CPU206は、ROM208やHDD210に記憶された制御プログラム(後述する本実施形態に係るプログラムやエラー処理プログラムを始めとする各種のプログラム)に基づいて本装置の各部を制御する。
【0015】
RAM209は、ROM208やHDD210に記憶されている各種のプログラムをCPU206が実行するときに使用されるワークエリアや、エラー処理時の一時退避エリアとして用いられる。ハードディスクドライブ(HDD)210、フロッピー(登録商標)ディスクドライブ(FDD)211には、後述する本実施形態に係るプログラム(アプリケーションプログラム)やデータ、データベース、ライブラリ等の保存用に用いられる。また、HDD210、FDD211は、クライアントPC111からアップロードされたファイル(電子文書)の保存にも用いられる。
【0016】
ネットワークインタフェース(NET−I/F)212は、クライアントPC111、及び出力デバイス131、132の間でLAN101(ネットワーク)を経由してデータのやり取りを行うために、LAN101上でデータの制御と診断を行う。
I/Oバス207は、前述した各ユニット間を相互に接続するためのものである。I/Oバス207は、アドレスバス、データバス及び制御バスを備えている。
【0017】
以上のような構成を有するサーバPC121に電源が投入されると、CPU206は、ROM208のブートプログラムに従ってサーバPC121を初期化し、HDD210からOS(オペレーティングシステム)のロードを行う。そして、CPU206は、OSのロードを行った後、各種アプリケーションプログラム等を動作させる。
【0018】
尚、本実施形態のサーバは、汎用の情報処理装置(PC等)をその基礎にしているため、プログラムはHDD210に記憶されるものとしたが、例えば、HDD210に記憶されているプログラムをROM208に記憶させてもよい。すなわち、プログラムを記憶する記憶媒体によって本発明が限定されるものでもない。
また、本実施形態では、データを格納するデータベース及び電子文書の情報管理を1つのサーバPC121で実現している。しかしながら、例えば、データベースサーバやファイル共有サーバを電子文書管理システムに設け、データベース及び電子文書の情報管理を夫々別の情報処理装置を用いて実現してもよい。すなわち、サーバの数によって本発明が限定されるものではない。
【0019】
図3は、出力デバイス131、132の構成の一例を示す図である。尚、ここでは、出力デバイス131、132が、マルチファンクションプリンタ(MFP)である場合を例に挙げて示している。図3において、出力デバイス131、132は、原稿自動送り部(フィーダ)300、原稿のスキャナ部301、ユーザインターフェース部302、給紙部303、定着部304、排紙部305、フィニッシング装置306、及び排紙トレイ307を備えている。
図4は、出力デバイス131、132における情報処理機能の概略構成の一例を示す図である。
ユーザインターフェース部400は、操作者に対しユーザインターフェースを提供する。このユーザインターフェース部400は、図3に示したユーザインターフェース部302に対応する。ネットワークインタフェース部401は、LAN101(ネットワーク)を介して外部機器と通信を行うためのものである。
CPU402は、出力デバイス131、132を制御するプログラムを実行する。ROM403は、組込済みプログラムおよびデータが記録する。RAM404は、ROM403やHDD405によって記憶されている各種のプログラムをCPU402が実行するときに使用されるワークエリアや、エラー処理時の一時退避エリアとして用いられる。HDD405は、各種のプログラムやデータを記憶する大容量の記憶媒体である。尚、各部はI/Oバス406を介して相互に接続される構成となっている。
【0020】
図5は、サーバPC121で各出力デバイス131、132の電子署名を管理する方法の一例を概念的に示す図である。
図5において、署名情報の一例である電子署名501、502は、それぞれ任意の出力デバイスの電子署名である。図5において、出力デバイスAの電子署名501は、出力デバイス131の電子署名に対応し、出力デバイスBの電子署名502は、出力デバイス132の電子署名に対応するものとする。
【0021】
クライアントPC111は、出力デバイス131、132の電子署名を、各出力デバイス131、132から予め取得しておき、電子文書の配信先としてサーバPC121に登録されている配信先デバイス情報に対して登録を行うものとする。尚、電子署名の登録方法は一般的な方法でよく、特に問わないものとする。
【0022】
デバイス情報管理テーブル510は、配信先デバイス情報を管理しているデータベース(テーブル)である。このデバイス情報管理テーブル510は、例えばHDD210に設けられている。ここでは、デバイス名、IPアドレス、及び電子署名を配信先デバイス情報として格納する場合を例に挙げて示している。尚、サーバPC121は、配信先デバイス情報のうち、必要なデータをクライアントPC111から入力して事前に登録することとなるが、登録する方法は特に限定されない。
【0023】
各出力デバイス131、132の電子署名501、502は、デバイス情報管理テーブル510の署名情報の欄に登録される。尚、電子署名501、502は、ファイルとして管理しても、デバイス情報管理テーブル510の中に格納してもよい。すなわち、電子署名501、502の管理方法は、特に限定するものではない。
前述したように、図5を用いて示したデバイス情報管理テーブル510に、配信先となるデバイス名、配信先となるデバイスのIPアドレス、及び配信先となるデバイスの電子署名を予め登録しておくものとする。
【0024】
図6は、サーバPC121が管理する電子文書の配信を指示する際にクライアントPC111に表示されるGUI(グラフィックユーザインターフェース)の一例を示す図である。図6において、GUIである配信指示画面601には、少なくとも、配信文書一覧602と、配信先デバイス及び部数一覧603と、配信ボタン604とが表示される。
配信文書一覧602は、サーバPC121で管理されている電子文書の中から、出力デバイス131、132配信する電子文書をユーザが選択するためのGUIである。但し、サーバPC121が管理している電子文書を選択する方法は、このようなものに限定されるものではない。例えば、検索等の機能を使って、サーバPC121が管理している電子文書を選択するようにしてもよい。
【0025】
配信先デバイス及び部数一覧603は、配信文書一覧602の中からユーザによって選択された電子文書を配信する出力デバイス131、132と、その出力デバイス131、132における印刷可能部数とをユーザが指定するためのGUIである。印刷可能部数は、出力デバイス単位で指定することが可能であり、指定された印刷可能部数が注文部数としてサーバPC121に計上される。配信先デバイス及び部数一覧603において、複数の出力デバイス131、132がユーザによって選択されると、選択された複数の出力デバイス131、132を、電子文書を共有可能な1つのグループとして構成することが可能となる。但し、グループを構成する方法は、複数のデバイスが選択できる方法であれば特に限定されるものではない。例えば、グループの情報を作成して出力デバイスを予め登録しておき、そのグループを配信先として選択する方法をとってもよい。
配信ボタン604は、配信文書一覧602と、配信先デバイス及び部数一覧603とを用いてユーザによって指定された内容に従って電子文書を配信する際にユーザによって指示されるボタンである。配信ボタン604が押されると、クライアントPC111は、サーバPC121に、配信指示画面601で指定された「電子文書、出力デバイス、及び印刷可能部数」をサーバPC121に送信する。
以上のような方法を用いることで、配信する電子文書と、その電子文書の配信先となるデバイスとを同時に複数選択すると共に、電子文書の印刷可能部数を出力デバイス毎に指定して、電子文書の配信指示を行うことが可能となる。
【0026】
図7は、図6に示した配信指示画面601を用いて、電子文書の配信指示があった場合の電子文書管理システムにおける動作の一例を説明する図である。
図7において、クライアントPC111からサーバPC121に対して、電子文書の配信指示が行われる(ステップS1)。電子文書の配信指示の方法は、図6を用いて説明した通りである。尚、ここでは、電子文書名が「2006/07/05.pdf」の電子文書の配信先となる出力デバイスとして、出力デバイス131、132(出力デバイスA、出力デバイスB)が指定されているものとする。すなわち、出力デバイス131、132(出力デバイスA、出力デバイスB)が1つのグループとして指定されているものとする。また、出力デバイス131(出力デバイスA)に対しては20部、出力デバイス132(出力デバイスB)に対しては30部の印刷可能部数が指定されているものとする。
【0027】
そして、サーバPC121は、電子文書の配信指示で指定されている2つの出力デバイス131、132の電子署名501、502を、電子文書名「2006/07/05.pdf」の電子文書に対して付与したファイルを作成する(ステップS2)。尚、ここでは電子文書名をファイルの識別子に用いているが、必ずしもこのようにする必要はない。ファイル名が重複する場合等を考慮して識別子を別途用意するようにしてもよい。
【0028】
次に、サーバPC121は、作成した「電子署名付き電子文書」を、クライアントPC111からの配信指示により指示された出力デバイスに配信する(ステップS3a、S3b)。このとき、サーバPC121は、クライアントPC111からの配信指示により指示された印刷可能部数を指定して、作成した「電子署名付き電子文書」を配信する。具体的に、サーバPC121は、出力デバイス131(出力デバイスA)に対して20部の印刷可能部数を指定して、電子署名付き電子文書を配信する。一方、サーバPC121は、出力デバイス132(出力デバイスB)に対しては30部の印刷可能部数を指定して、電子署名付き電子文書を配信する。
各出力デバイス131、132は、サーバPC121から配信された「電子署名付き電子文書」と共に、その電子文書の印刷可能部数を、例えばHDD405a、405bに格納する。
【0029】
図8は、電子署名付き電子文書と、その電子文書の印刷可能部数とを管理するための管理テーブルの一例を示す図である。図8(a)に示す管理テーブル800aは、出力デバイス131(出力デバイスA)が備えるHDD405aに格納され、図8(b)に示す管理テーブル800bは、出力デバイス132(出力デバイスB)が備えるHDD405bに格納されているものである。
管理テーブル800a、800bには、夫々ファイルナンバ(ファイルNo)801a、801bと、ファイル802a、802bと、印刷可能残数803a、803bとが記憶されている。
【0030】
ここでは、図8(a)に示すように、出力デバイス131(出力デバイスA)の管理テーブル800aには、ファイルナンバ801aが「4」の欄に「2006/07/05.pdf」の電子ファイルと、「20」の印刷可能残数とが追加されるものとする。また、図8(b)に示すように、出力デバイス132(出力デバイスB)の管理テーブル800bには、ファイルナンバ801aが「2」の欄に「2006/07/05.pdf」の電子ファイルと、「30」の印刷可能残数とが追加されるものとする。尚、管理テーブル800a、800bにおける印刷可能残数は、電子ファイルの印刷可能部数の残数を示すものであるので、その初期値は、サーバPC121から指定された印刷可能部数となる。
【0031】
図9は、電子文書の配信処理時の電子文書管理システムにおける動作の一例を説明するフローチャートである。
まず、ステップS901において、クライアントPC111は、電子文書の配信指示をサーバPC121に対して行う。前述したように、この電子文書の配信指示では、配信対象の電子文書と、その電子文書の配信先となるグループに属する各出力デバイス131、132と、出力デバイス131、132別の印刷可能部数とを指示する処理となる。
【0032】
次に、ステップS902において、サーバPC121は、クライアントPC111から、電子文書の配信指示を受信する。すなわち、サーバPC121は、配信対象の電子文書と、その電子文書の配信先となるグループに属する各出力デバイス131、132と、出力デバイス131、132別の印刷可能部数との指定を受け付ける。そして、サーバPC121は、受信した電子文書の配信指示の内容に基づいて、配信先となるグループに属する各出力デバイス131、132を特定する。そして、サーバPC121は、特定した各出力デバイス131、132の電子署名501、502を、デバイス情報管理テーブル510から収集する。尚、前述したように、サーバPC121は、電子署名501、502を、出力デバイス131、132から予め取得して、デバイス情報管理テーブル510に登録している。このように本実施形態では、例えば、ステップS902の処理を行うことによって、受付手段が実現される。
【0033】
次に、ステップS903において、サーバPC121は、ステップS902で収集した全ての電子署名501、502を、電子文書の配信指示により指定された電子文書に署名(付与)する。尚、サーバPC121は、このステップS903で署名処理を行う電子文書を、HDD210からRAM209等の一時領域に、配信用にコピーし、コピーした電子文書に対して電子署名501、502を付与する。これにより、HDD210に記憶されている電子文書の原版を保持することができる。このように本実施形態では、例えば、ステップS903の処理を行うことにより、付与手段が実現される。
【0034】
次に、ステップS904において、サーバPC121は、ステップS903で電子署名501、502が付与された電子文書を各出力デバイス131、132に配信する。電子文書の配信先は、ステップS901でクライアントPC111が指示した出力デバイスとなる。また、電子署名501、502が付与された電子文書に対して、ステップS901でクライアントPC111が指示した印刷可能部数が指定される。このように本実施形態では、例えば、ステップS904の処理を行うことにより、配信手段が実現される。
次に、ステップS905において、出力デバイス131、132は、ステップS904で配信された電子文書及び印刷可能部数を、図8に示したようにして管理テーブル800に格納する。このように本実施形態では、例えば、ステップS905の処理を行うことにより、管理手段が実現される。
【0035】
図10は、電子文書の出力指示を行う際に出力デバイス131、132に表示されるGUIの一例を示す図である。
図10において、ユーザは、サーバPC121から配信された電子文書の一覧1001の中から、対象となる電子文書を指定するものとする。また、ユーザは、印刷部数を指定するコントロール1002に対して、対象となる電子文書の印刷部数を指定する。そして、ユーザは、プリントボタン1003を押下して、印刷最終指示を行う。この印刷最終指示により、電子文書の一覧1001の中から指定された電子文書を、印刷部数を指定するコントロール1002で指定された印刷部数の出力が指示される。但し、電子文書の出力を指示する方法は、このようなものに限定されるものではない。例えば、印刷用紙やステープル等の出力設定を、前述した指定と並行して行ってもよい。
【0036】
図11は、電子文書の印刷指示がなされた場合の出力デバイスの動作の一例を説明する図である。尚、ここでは、出力デバイス131(出力デバイスA)に格納されている電子文書の印刷指示がなされた場合を例に挙げて示している。
図11において、出力デバイス131(出力デバイスA)に表示されるGUI1101では、電子文書名が「2006/07/05.pdf」の電子文書に対して30部の印刷が指示されているとする。尚、このGUI1101は、図10に示したGUIと対応するものである。
【0037】
図8(a)に示したように、電子文書名が「2006/07/05.pdf」の電子文書の印刷可能残数は、「20」である。このため、電子文書名が「2006/07/05.pdf」の電子文書の印刷部数として10部が不足する。そこで、出力デバイス131は、電子文書に付与されている電子署名501〜504から、まず出力デバイス132(出力デバイスB)を特定する。次に、出力デバイス131は、特定した出力デバイス132に、電子文書名が「2006/07/05.pdf」の電子文書に対する印刷部数の譲渡依頼を行う。
【0038】
この譲渡依頼を受けた出力デバイス132は、指定された電子文書(電子文書名が「2006/07/05.pdf」の電子文書)に対して、出力デバイス131の電子署名501が付与されているか否かを、管理テーブル800bの登録内容から確認する。そして、指定された電子文書に対して、出力デバイス131の電子署名501が付与されている場合、出力デバイス132は、出力デバイス131、132が同一のグループであると判断する。その上で、出力デバイス132は、指定された電子文書に対して、譲渡依頼された印刷部数以上の印刷可能残数が設定されているか否かを判断する。
【0039】
図8(b)に示したように、指定された電子文書(電子文書名が「2006/07/05.pdf」の電子文書)の印刷可能残数は、「30」である。よって、出力デバイス132は、指定された電子文書に対して、譲渡依頼された印刷部数以上の印刷可能残数が設定されていると判断する。そして、出力デバイス132は、印刷可能残数のうち10部を出力デバイス131に譲渡し、管理テーブル800bにおける印刷可能残数を30部から20部に修正して、管理テーブル800bの登録内容を更新する。
【0040】
一方、出力デバイス131は、指定された電子文書に対して、出力デバイス132から譲渡された印刷部数(=10部)と、管理テーブル800aに登録されている印刷可能残数(=20部)とを加算した部数の印刷を行う権利を持つことになる。したがって、出力デバイス131は、指定された電子文書に対して、当初の30部の出力を行うことができる。また、出力デバイス131は、指定された電子文書の出力に合わせて、管理テーブル800aに登録されている印刷可能残数を20部から0部に修正し、管理テーブル800aの登録内容を更新する。
【0041】
尚、管理テーブル800bにおいて、指定された電子文書に対して、譲渡依頼された印刷部数以上の印刷可能残数が設定されていない場合、出力デバイス132は、印刷部数の譲渡ができないことを示す譲渡不可応答を、出力デバイス131に対して行う。この譲渡不可応答を受けると、出力デバイス131は、出力デバイス132の電子署名502に続いて電子文書に付与されている電子署名503、504で特定される出力デバイスC、Dの順で譲渡依頼をしていく。電子文書に付与されている全ての電子署名501〜504で特定される出力デバイスA〜Dから、譲渡不可応答がなされた場合には、エラーとなり、出力デバイス131は、指定された電子文書を、指定された印刷部数、出力することができないことを表示する。このとき、印刷することができない印刷部数を表示するようにしてもよい。
【0042】
図12は、出力デバイスでの電子文書の印刷処理時の電子文書管理システムにおける動作の一例を説明するフローチャートである。尚、図12では、出力デバイス131(出力デバイスA)に格納されている電子文書の印刷指示がなされるとし、印刷部数の譲渡依頼がなされる出力デバイスを譲渡側出力デバイスと表記している。
【0043】
まず、ステップS1201において、出力デバイス131は、印刷設定を受け付ける。具体的に説明すると、出力デバイス131は、図10に示したようなGUIを表示する。そして、電子文書の一覧1001の中から、対象となる電子文書の指定を受け付けると共に、印刷部数を指定するコントロール1002に対する印刷部数の指定を受け付ける。
次に、ステップS1202において、出力デバイス131は、ステップS1201で設定された印刷設定を用いた印刷指示を行う。具体的に説明すると、出力デバイス131は、図10に示したプリントボタン1003の操作を受け付ける。
【0044】
次に、ステップS1203において、出力デバイス131は、対象となる電子文書に対して指定された印刷部数と、管理テーブル800aに登録されている印刷可能残数とを比較し、対象となる電子文書に対し、指定された印刷部数の印刷が可能か否かを判断する。すなわち、対象となる電子文書に対して指定された印刷部数が、管理テーブル800aに登録されている印刷可能残数を越えていないか否かを判断する。この判断の結果、印刷が可能であると判断された場合にはステップS1204に進み、印刷可能残数が不足しており、印刷が不可能であると判断された場合にはステップS1206に進む。このように本実施形態では、例えば、管理テーブル800aに登録されている印刷可能残数が設定部数に対応する。そして、例えば、ステップS1203の処理を行うことにより、判断手段が実現される。
【0045】
ステップS1204において、出力デバイス131は、ステップS1203で印刷可能と判断された結果を受け、ステップS1202で行われた印刷指示に従って印刷を行う。
次に、ステップS1205において、出力デバイス131は、管理テーブル800aにおいて、対象となる電子文書に対して設定されている印刷可能残数を更新する。具体的に、出力デバイス131は、対象となる電子文書に対して設定されている印刷可能残数からステップS1204で出力した印刷部数を減らした値を新たな印刷可能残数として、管理テーブル800aに登録する。このステップS1205の処理は、出力デバイス131で印刷可能残数が足りている場合の最終処理であり、このステップS1205の処理が終了すると、図12におけるフローチャートの処理を終了する。
【0046】
ステップS1203において、印刷が不可能であると判断された場合にはステップS1206に進み、出力デバイス131は、対象となる電子文書に、他の出力デバイスの電子署名が付与されているか否かを、管理テーブル800aの登録内容に基づいて判断する。尚、出力デバイス131での印刷可能残数が不足していると判断された場合には(ステップS1203でYESと判定された場合には)、出力デバイス131以外の他の出力デバイスのうち、最初に設定されている出力デバイスの電子署名が選択される。また、譲渡依頼を行った出力デバイスから譲渡不可応答がなされた場合には(後述するステップS1212からステップS1206に進んだ場合には)、その出力デバイスの次に設定されている出力デバイスの電子署名が選択される。従って、ステップS1206は、電子署名の有無の判断と共に、全ての電子署名を対象としたかの判断を行う分岐処理となる。このように本実施形態では、例えば、ステップS1206の処理を行うことにより、第2の判断手段が実現される。
【0047】
このステップS1206において、対象となる電子文書に、他の出力デバイスの電子署名が付与されている(残っている)場合には、ステップS1207に進む。一方、対象とする電子文書に、他の出力デバイスの電子署名が付与されていない(残っていない)場合には(出力デバイス131以外の他の出力デバイスの全てから譲渡不可応答がなされた場合には)、エラーとしてステップS1209に進む。
【0048】
ステップS1209に進むと、出力デバイス131は、エラー処理である。このエラー処理では、印刷できなかった旨をユーザに通知する等の処理が行われる。しかしながら、エラー処理の手法は、このようなものに限定するものではない。このステップS1209の処理が終了すると、図12におけるフローチャートの処理を終了する。
【0049】
ステップS1206において、対象となる電子文書に、他の出力デバイスの電子署名が付与されている(残っている)場合には、ステップS1207に進む。そして、出力デバイス131は、その電子署名から、譲渡依頼を行う出力デバイスの情報(アドレス等)を特定する。このように本実施形態では、譲渡依頼を行う出力デバイスの情報は、電子署名の情報から抽出するものとする。但し、譲渡依頼を行う出力デバイスの情報を抽出することができれば、譲渡依頼を行う出力デバイスの情報を特定する方法は、このようなものに限定されない。
【0050】
次に、ステップS1208において、出力デバイス131は、ステップS1207で特定した出力デバイスに、不足した印刷部数の譲渡依頼を行う。このステップS1208の処理では、少なくとも、譲渡依頼元の出力デバイスの識別情報と、譲渡対象の電子文書の識別情報と、譲渡依頼を行う印刷部数とを含めて譲渡依頼を行うものとする。このように本実施形態では、例えば、ステップS1208の処理を行うことにより、譲渡依頼手段が実現される。
以上の処理により印刷部数が不足した際に、印刷部数の譲渡依頼が他のデバイスに対して行われる。
【0051】
次に、ステップS1210において、譲渡側出力デバイス(例えば出力デバイス132)は、ステップS1208で行われた譲渡依頼を受信する。このステップS1210で受信する情報には、前述したように、少なくとも、譲渡依頼元の出力デバイスの識別情報と、譲渡対象の電子文書の識別情報と、譲渡依頼を行う印刷部数(譲渡部数)とが含まれる。このように本実施形態では、例えば、ステップS1210の処理を行うことによって、譲渡依頼受付手段が実現される。
【0052】
次に、ステップS1211において、譲渡側出力デバイスは、譲渡側出力デバイス内で管理されている電子文書に、譲渡依頼元の出力デバイス131の電子署名が付与されているか否かを、管理テーブル800の登録内容に基づいて判断する。この判断は、受信した「譲渡依頼元の出力デバイス131の識別情報と、譲渡対象の電子文書の識別情報」をキーとして行われる。この判断の結果、譲渡側出力デバイス内で管理されている電子文書に、譲渡依頼元の出力デバイス131の電子署名が付与されていない場合は、印刷部数を譲渡する権限がないと判断してステップS1212に進む。一方、譲渡側出力デバイスは、譲渡側出力デバイス内で管理されている電子文書に、譲渡依頼元の出力デバイス131の電子署名が付与されている場合は、印刷部数を譲渡する権限があると判断してステップS1213に進む。
以上のように本実施形態では、例えば、ステップS1211の処理を行うことにより、判断手段が実現される。
【0053】
譲渡依頼元の出力デバイス131の電子署名が付与されておらず、ステップS1212に進むと、譲渡側出力デバイスは、譲渡不可応答を、譲渡依頼元の出力デバイス131に対して、譲渡不可応答を行う。そして、前述したステップS1206に進む。印刷部数の譲渡を行えない場合、このステップS1212の処理で、譲渡側出力デバイスの処理は終了する。
一方、譲渡依頼元の出力デバイス131の電子署名が付与されており、ステップS1213に進むと、譲渡側出力デバイスは、譲渡依頼された印刷部数以上の部数が、印刷可能残数として管理テーブル800に登録されているか否かを判断する。この判断の結果、譲渡依頼された印刷部数以上の部数が、印刷可能残数として登録されておらず、残部数が不足している場合には、印刷部数を譲渡することができないため、前述したステップS1212に進む。一方、譲渡依頼された印刷部数以上の部数が、印刷可能残数として登録されており、残部数がある場合には、印刷部数を譲渡することが可能という最終判断となり、ステップS1214に進む。
以上のように本実施形態では、例えば、ステップS1213の処理を行うことにより、第2の判断手段が実現される。
尚、ステップS1212、S1213の順番は特に限定されるものではなく、入れ替えてもよい。
【0054】
ステップS1214に進むと、譲渡側出力デバイスは、管理テーブル800に登録されている印刷可能残数から、譲渡する印刷部数を減らした印刷部数を、譲渡対象の電子文書に対する新たな印刷可能残数とする。このステップS1214の処理は、譲渡依頼側の出力デバイス131における印刷可能残数の不足を補填する処理となる。
このように本実施形態では、例えば、ステップS1214の処理を行うことにより、更新手段が実現される。
次に、ステップS1215において、譲渡側出力デバイスは、ステップS1210で受信した譲渡依頼に対する返信として、印刷部数の譲渡応答を行う。この譲渡応答には、少なくとも、印刷部数に関する情報が含まれている。譲渡側デバイスが印刷部数を譲渡する場合には、このステップS1215の処理で、譲渡側出力デバイスの処理は終了する。このように本実施形態では、例えば、ステップS1215の処理を行うことにより、譲渡手段が実現される。
【0055】
次に、ステップS1216において、出力デバイス131は、譲渡側デバイスからの譲渡応答を受けて、ステップS1202で行われた印刷指示に従う印刷部数の印刷を行う。そして、出力デバイス131は、管理テーブル800aにおいて、譲渡対象の電子文書に対する新たな印刷可能残数を0(ゼロ)とする。
以上のように本実施形態では、例えば、ステップS1205、S1216の処理を行うことにより、更新手段が実現される。また、例えば、ステップS1204、S1216の処理を行うことにより、出力手段が実現される。さらに、例えば、ステップS1216の処理を行うことにより、出力部数取得手段が実現される。
【0056】
以上のように本実施形態では、電子文書の印刷部数が、管理テーブル800に登録された印刷可能残数の上限値を越えている場合、出力デバイス131は、その電子文書の電子署名でグループ化されたその他の出力デバイスに印刷部数の譲渡を依頼するようにした。したがって、出力デバイス131で管理する電子文書の印刷上限数を越えた場合でも、電子文書に署名されたグループ内のデバイスに問い合わせることで、印刷部数をグループ内で共有することができる。よって、複数の出力デバイスの使用頻度に応じて、電子文書の出力可能部数を調整することが可能になる。
【0057】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態では、印刷可能部数を共有するグループが複数である場合に好適な電子文書管理システムについて説明する。本実施形態と前述した第1の実施形態とは、複数のグループが設定されている場合の電子文書の配信方法の一部が主として異なる。したがって、本実施形態の説明において、前述した第1の実施形態と同一の部分については、図1〜図12に付した符号と同一の符号を付すこと等により、詳細な説明を省略する。
【0058】
図13は、印刷可能部数を共有する範囲として設定される複数のグループの一例を示す図である。
図13において、グループ1301(グループA)には、出力デバイス131〜133(出力デバイスA、B、C)が属している。グループ1302(グループB)には、出力デバイス132〜134(出力デバイスB、C、D)が属している。また、グループ1303(グループC)には、出力デバイス133、135、136(出力デバイスC、E、F)が属している。
【0059】
このような場合にグループ単位で電子文書の配信を行うと、出力デバイス132、133(出力デバイスB、C)は複数のグループに属するため、同一の電子文書でもあるのにも関わらず、複数回の配信がなされることになる。特に、出力デバイス133(出力デバイスC)には、3つも同じ電子文書が配信されてしまう。このようにすると、第1の実施形態で説明した電子署名の確認方法が複雑になる。そこで、本実施形態では、以下のようにして電子文書を配信するようにしている。
【0060】
図14は、複数のグループにデバイスが属する場合における電子文書の配信方法の一例を説明する図である。
サーバPC121は、同時に指定された複数のグループ内に属する各出力デバイス別に、その出力デバイスが属するグループ(一覧)をリストアップする。そして、サーバPC121は、リストアップした各グループにおける出力デバイスの重複を排除した後、リストアップしたグループに属する出力デバイスの電子署名を重複することなく電子文書に付与する。
【0061】
例えば、出力デバイス133(出力デバイスC)は、グループ1301〜1303(グループA、B、C)に属している。グループ1301(グループA)内の出力デバイスは、出力デバイス131〜133(出力デバイスA、B、C)である。また、グループ1302(グループB)内の出力デバイスは、出力デバイス132〜134(出力デバイスB、C、D)である。更に、グループ1303(グループC)内の出力デバイスは、出力デバイス133、135、136(出力デバイスC、E、F)である。よって、重複する出力デバイスは、出力デバイス132、133(出力デバイスB、C)である。そこで、サーバPC121は、出力デバイス132、133(出力デバイスB、C)の重複を排除した後、各グループ1301〜1303に属する出力デバイス131〜136の電子署名を、重複することなく電子文書に付与する。すなわち、電子文書に付与される「出力デバイス131〜136」の電子署名は、夫々1つとなる。
本実施形態では、例えば、以上のようにしてサーバPC121が動作することにより、第2の受付手段、及び付与手段が実現される。
尚、ここでは、例えば、出力デバイス132、133(出力デバイスB、C)の重複を排除するようにしたが、必ずしもこのようにする必要はない。例えば、各グループ1301〜1303に属する出力デバイス131〜136の電子署名を全て作成し、作成した電子署名が重複した場合に、その電子署名の重複を排除して、出力デバイスの電子署名を重複することなく電子文書に付与するようにしてもよい。
【0062】
電子文書1401は、出力デバイス131(出力デバイスA)に配信される電子文書である。出力デバイス131(出力デバイスA)が属しているグループ1301(グループA)の各出力デバイス131〜133(出力デバイスA、B、C)の電子署名が、出力デバイス131に配信される電子文書に夫々1つずつ付与されている。
【0063】
電子文書1402は、出力デバイス132(出力デバイスB)に配信される電子文書である。出力デバイス132が属しているグループ1301、1302(グループA、B)の全ての出力デバイス131〜134(出力デバイスA、B、C、D)の電子署名が、出力デバイス132に配信される電子文書に夫々1つずつ付与されている。
【0064】
電子文書1403は、出力デバイス133(出力デバイスC)に配信される電子文書である。出力デバイス132が属しているグループ1301〜1303(グループA、B、C)の全ての出力デバイス131〜136(出力デバイスA、B、C、D、E、F)の電子署名が、出力デバイス133に配信される電子文書に夫々1つずつ付与されている。
【0065】
電子文書1404は、出力デバイス134(出力デバイスD)に配信される電子文書である。出力デバイス134が属しているグループ1302(グループB)の出力デバイス132〜134(出力デバイスB、C、D)の電子署名が、出力デバイス134に配信される電子文書に夫々1つずつ付与されている。
最後に、電子文書1405は、出力デバイス135、136(出力デバイスE、F)に配信される共通の電子文書である。出力デバイス135、136が属しているグループ1303(グループC)の全ての出力デバイス133、135、136(出力デバイスC、E、F)の電子署名が、出力デバイス135、136に配信される電子文書に夫々1つずつ付与されている。
【0066】
以上のように本実施形態では、電子文書の配信先の出力デバイスが複数のグループに属している場合には、複数のグループにおける出力デバイスの重複を排除した上で、その出力デバイスの電子署名を、電子文書に付与するようにした。したがって、電子文書の配信先である(1つの)出力デバイスが複数のグループに属する場合であっても、1つの配信指示では、同一の出力デバイスに1つの電子文書しか配信しなくてよくなる。よって、各出力デバイスは、同一の電子文書をグループ毎に複数管理する必要がなくなり、同一の電子文書については、1つだけを管理するだけで、前述した第1の実施形態と同様の電子文書管理システムを実現できる。よって、電子文書の配信先の出力デバイスが複数のグループに属している場合でも、印刷部数をグループ内で適切に共有することができる。
【0067】
(本発明の他の実施形態)
前述した本発明の実施形態における電子文書処理装置、電子文書管理装置を構成する各手段、並びに電子文書処理方法の各ステップは、コンピュータのRAMやROMなどに記憶されたプログラムが動作することによって実現できる。このプログラム及び前記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は本発明に含まれる。
【0068】
また、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラム若しくは記憶媒体等としての実施形態も可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用してもよいし、また、一つの機器からなる装置に適用してもよい。
【0069】
尚、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラム(実施形態では図9、図12等に示すフローチャートに対応したプログラム)を、システムあるいは装置に直接、あるいは遠隔から供給する。そして、そのシステムあるいは装置のコンピュータが前記供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合を含む。
【0070】
したがって、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、前記コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。
【0071】
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等の形態であってもよい。
【0072】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RWなどがある。また、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM,DVD−R)などもある。
【0073】
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続する。そして、前記ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、若しくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。
【0074】
また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明に含まれるものである。
【0075】
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせる。そして、ダウンロードした鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
【0076】
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される。その他、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
【0077】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。その後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現される。
【0078】
尚、前述した各実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明の第1の実施形態を示し、電子文書管理システムの構成の一例を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態を示し、サーバPCの概略構成の一例を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施形態を示し、出力デバイスの構成の一例を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態を示し、出力デバイスにおける情報処理機能の概略構成の一例を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施形態を示し、サーバPCで各出力デバイスの電子署名を管理する方法の一例を概念的に示す図である。
【図6】本発明の第1の実施形態を示し、サーバPCが管理する電子文書の配信を指示する際にクライアントPCに表示されるGUIの一例を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施形態を示し、電子文書の配信指示があった場合の電子文書管理システムにおける動作の一例を説明する図である。
【図8】本発明の第1の実施形態を示し、電子署名付き電子文書と、その電子文書の印刷可能部数とを管理するための管理テーブルの一例を示す図である。
【図9】本発明の第1の実施形態を示し、電子文書の配信処理時の電子文書管理システムにおける動作の一例を説明するフローチャートである。
【図10】本発明の第1の実施形態を示し、電子文書の出力指示を行う際に出力デバイスに表示されるGUIの一例を示す図である。
【図11】本発明の第1の実施形態を示し、電子文書の印刷指示がなされた場合の出力デバイスの動作の一例を説明する図である。
【図12】本発明の第1の実施形態を示し、出力デバイスでの電子文書の印刷処理時の電子文書管理システムにおける動作の一例を説明するフローチャートである。
【図13】本発明の第2の実施形態を示し、印刷可能部数を共有する範囲として設定される複数のグループの一例を示す図である。
【図14】本発明の第2の実施形態を示し、複数のグループにデバイスが属する場合における電子文書の配信方法の一例を説明する図である。
【符号の説明】
【0080】
101 LAN
111 クライアントPC
121 サーバPC
131〜136 出力デバイス
501〜506 電子署名
510 デバイス情報管理テーブル
800 管理テーブル
1301〜1303 グループ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザにより指定された電子文書の出力部数が設定部数を越えているか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段により、前記電子文書の出力部数が設定部数を越えていると判断された場合、その電子文書に付与されている、他の電子文書処理装置の署名情報に基づいて、当該他の電子文書処理装置に、前記電子文書の出力部数の譲渡依頼を行う譲渡依頼手段と、
前記他の電子文書処理装置から、前記電子文書の出力部数の譲渡を受ける出力部数取得手段と、
前記指定された出力部数の電子文書を出力する出力手段と、
前記出力手段により出力された出力部数に応じて、前記設定部数を更新する更新手段とを有し、
前記出力手段は、前記判断手段により、前記電子文書の出力部数が設定部数を越えていると判断された場合には、前記電子文書の出力部数の譲渡を受けてから、前記指定された出力部数の電子文書を出力することを特徴とする電子文書処理装置。
【請求項2】
電子文書処理装置の署名情報が付与された電子文書と、当該電子文書の出力可能部数とを管理する管理手段と、
前記判断手段により、前記電子文書の出力部数が、当該電子文書の出力可能部数を越えていると判断された場合に、前記管理手段により管理されている内容に基づいて、前記電子文書に、他の電子文書処理装置の署名情報が付与されているか否かを判断する第2の判断手段とを有し、
前記譲渡依頼手段は、前記判断手段により、前記電子文書の出力部数が、当該電子文書の出力可能部数を越えていると判断され、且つ前記第2の判断手段により、前記電子文書に、他の電子文書処理装置の署名情報が付与されていると判断された場合に、当該他の電子文書処理装置に、出力部数の譲渡依頼を行うことを特徴とする請求項1に記載の電子文書処理装置。
【請求項3】
電子文書の出力部数の譲渡依頼を、他の電子文書処理装置から受け付ける譲渡依頼受付手段と、
前記譲渡依頼受付手段により受け付けられた譲渡依頼に応じて、前記電子文書の出力部数を、前記他の電子文書処理装置に譲渡する譲渡手段とを有することを特徴とする電子文書処理装置。
【請求項4】
電子文書処理装置の署名情報が付与された電子文書と、当該電子文書の出力可能部数とを管理する管理手段と、
前記譲渡依頼を行った他の電子文書処理装置の署名情報が付与されている電子文書を、前記管理手段により管理しているか否かを判断する判断手段と、
前記譲渡手段により譲渡された出力部数に応じて、前記出力可能部数を更新する更新手段とを有し、
前記譲渡手段は、前記判断手段により、前記譲渡依頼を行った他の電子文書処理装置の署名情報が付与されている電子文書を管理していると判断された場合に、前記譲渡依頼がなされた出力部数を、前記他の電子文書処理装置に譲渡することを特徴とする請求項3に記載の電子文書処理装置。
【請求項5】
電子文書処理装置の署名情報が付与された電子文書と、当該電子文書の出力可能部数とを管理する管理手段と、
前記譲渡依頼がなされた出力部数が、当該電子文書の出力可能部数を越えていないか否かを判断する第2の判断手段と、
前記譲渡手段により譲渡された出力部数に応じて、前記出力可能部数を更新する更新手段とを有し、
前記譲渡手段は、前記第2の判断手段により、前記譲渡依頼がなされた電子文書の出力部数が、当該電子文書の出力可能部数を越えていないと判断された場合に、前記譲渡依頼がなされた出力部数を、前記他の電子文書処理装置に譲渡することを特徴とする請求項3又は4に記載の電子文書処理装置。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の電子文書処理装置の各手段と、請求項3〜5に記載の電子文書処理装置の各手段とを有することを特徴とする電子文書処理装置。
【請求項7】
電子文書の配信先である電子文書処理装置の署名情報であって、当該電子文書を共有可能な複数の電子文書処理装置の署名情報を、当該電子文書に付与する付与手段と、
前記付与手段により署名情報が付与された電子文書を、前記複数の電子文書処理装置に配信する配信手段とを有することを特徴とする電子文書管理装置。
【請求項8】
配信する電子文書と、当該電子文書の配信先である複数の電子文書処理装置と、当該複数の電子文書処理装置の夫々における電子文書の出力可能部数との指定を受け付ける受付手段を有し、
前記付与手段は、前記受付手段により受け付けられた複数の電子文書処理装置の署名情報を、電子文書に付与し、
前記配信手段は、前記付与手段により署名情報が付与された電子文書と、当該電子文書の出力可能部数とを、当該電子文書の配信先である複数の電子文書処理装置に配信することを特徴とする請求項7に記載の電子文書管理装置。
【請求項9】
1つ又は複数の電子文書処理装置が属する複数のグループの指定を受け付ける第2の受付手段を有し、
前記付与手段は、前記第2の受付手段により受け付けられた複数のグループに属する電子文書処理装置の署名情報を、重複することなく前記電子文書に付与することを特徴とする請求項7又は8に記載の電子文書管理装置。
【請求項10】
ユーザにより指定された電子文書の出力部数が設定部数を越えているか否かを判断する判断ステップと、
前記判断ステップにより、前記電子文書の出力部数が設定部数を越えていると判断された場合、その電子文書に付与されている、他の電子文書処理装置の署名情報に基づいて、当該他の電子文書処理装置に、前記電子文書の出力部数の譲渡依頼を行う譲渡依頼ステップと、
前記他の電子文書処理装置から、前記電子文書の出力部数の譲渡を受ける出力部数取得ステップと、
前記指定された出力部数の電子文書を出力する出力ステップと、
前記出力ステップにより出力された出力部数に応じて、前記設定部数を更新する更新ステップとを有し、
前記出力ステップは、前記判断ステップにより、前記電子文書の出力部数が設定部数を越えていると判断された場合には、前記電子文書の出力部数の譲渡を受けてから、前記指定された出力部数の電子文書を出力することを特徴とする電子文書処理方法。
【請求項11】
電子文書の出力部数の譲渡依頼を、他の電子文書処理装置から受け付ける譲渡依頼受付ステップと、
前記譲渡依頼受付ステップにより受け付けられた譲渡依頼に応じて、前記電子文書の出力部数を、前記他の電子文書処理装置に譲渡する譲渡ステップとを有することを特徴とする電子文書処理方法。
【請求項12】
電子文書の配信先である電子文書処理装置の署名情報であって、当該電子文書を共有可能な複数の電子文書処理装置の署名情報を、当該電子文書に付与する付与ステップと、
前記付与ステップにより署名情報が付与された電子文書を、前記複数の電子文書処理装置に配信する配信ステップとを有することを特徴とする電子文書処理方法。
【請求項13】
ユーザにより指定された電子文書の出力部数が設定部数を越えているか否かを判断する判断ステップと、
前記判断ステップにより、前記電子文書の出力部数が設定部数を越えていると判断された場合、その電子文書に付与されている、他の電子文書処理装置の署名情報に基づいて、当該他の電子文書処理装置に、前記電子文書の出力部数の譲渡依頼を指示する譲渡依頼ステップと、
前記他の電子文書処理装置から、前記電子文書の出力部数の譲渡を受ける出力部数取得ステップと、
前記指定された出力部数の電子文書の出力を指示する出力ステップと、
前記出力ステップにより出力が指示された出力部数に応じて、前記設定部数を更新する更新ステップとをコンピュータに実行させ、
前記出力ステップは、前記判断ステップにより、前記電子文書の出力部数が設定部数を越えていると判断された場合には、前記電子文書の出力部数の譲渡を受けてから、前記指定された出力部数の電子文書の出力を指示することを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項14】
電子文書の出力部数の譲渡依頼を、他の電子文書処理装置から受け付ける譲渡依頼受付ステップと、
前記譲渡依頼受付ステップにより受け付けられた譲渡依頼に応じて、前記電子文書の出力部数を、前記他の電子文書処理装置に譲渡することを指示する譲渡ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項15】
電子文書の配信先である電子文書処理装置の署名情報であって、当該電子文書を共有可能な複数の電子文書処理装置の署名情報を、当該電子文書に付与する付与ステップと、
前記付与ステップにより署名情報が付与された電子文書を、前記複数の電子文書処理装置に配信することを指示する配信ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2008−310441(P2008−310441A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−155636(P2007−155636)
【出願日】平成19年6月12日(2007.6.12)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】