説明

電子文書装置および電子文書記憶方法

【課題】 ブックマーク機能を用いて電子文書の所在情報を保存する操作を行なわなくても、データをダウンロードするのに表示したことのある電子文書を簡単に再表示することができる電子文書表示装置を提供する。
【解決手段】 通信回線網2を介してサーバ6内の電子文書18に接続し、このサーバが保有するデータ20を取得可能な通信部32と、電子文書を表示する表示部10と、通信部により取得したデータを記憶する記憶部42と、通信部によるデータの取得時に、このデータを取得するのに表示部に表示したことのある電子文書の所在情報を、このデータに関連付けて記憶部に記憶するよう制御する制御部44とを有するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信回線網上のサーバに接続して、このサーバ内のサイトが有するWebページのような電子文書を閲覧したり、画像、動画及び音声等の各種のデータをダウンロードしたりすることができる電子文書装置および電子文書記憶方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来において、図8に示すように、通信回線網2、及びこの通信回線網2に回線接続された基地局4を介して、この通信回線網2を含んで構成されるインターネット上のサーバ6に通信接続し、このサーバ6内のサイトが有するWebページのような電子文書を閲覧したり、画像、動画、及び音楽等を含む音声等の各種のデータファイル(データ)をダウンロード(取得)したりすることができる電子文書表示装置8があった(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ここで、電子文書とは、Webブラウザのようなブラウザ(インターネット閲覧用ソフトウェア)上で閲覧することができる情報のまとまりであって、文字及び/又は画像の情報を含むHTMLなどのブラウザに対応したコンピュータ言語にて記述されるように構成されているものをいう。この電子文書は、文字や画像の情報の他にも、音声や動画等の情報を含むように構成することができる。
【0004】
また、サイトとは、通信回線網2上に構築される、この通信回線網2に接続された一若しくは複数のサーバ6によって運営される、多数のWebページのような電子文書をひとまとめにして構成されるデータ群のことをいう。
【0005】
また、上記のような電子文書は、複数が互いにリンク付けられている。一般的には、電子文書表示装置8の表示部10に表示されるときに、その文章中の特定の一部分に対し、関連する電子文書を登録してあるサーバ上のアドレスを対応付けて電子文書上にて記載されてサーバ上で管理運営されている。このような電子文書が電子文書表示装置8の表示部10に表示されるときに、ユーザーが、表示部10上で、リンク付けられた特定部分を指定する操作が行なわれると、この特定の部分に関連付けられているアドレスを基に通信回線網2を通じてサーバから取得して、関連付けられた他の文章や電子文書等を表示部10に表示することができるようになっている。また、電子文書の特定の一部分に、電子文書表示装置8内の不図示の記憶部から直接、他の文章や電子文書等を取得する命令文を関連付けておくことにより、このような特定部分を指定する操作が行なわれると、他の文章や電子文書等を電子文書表示装置8内の記憶部から読み出したりするように構成することもできる。
【0006】
したがって、電子文書表示装置8は、リンク付けにより、表示部10に表示中の電子文書における、他の電子文書等に関連付けられている特定の部分を指定することにより、連鎖的に次々と他の電子文書等を表示部10に表示させていくことができるようになっている。
【0007】
例えば、電子文書表示装置8は、操作でブラウザが起動されることにより、図9の(a)に示すように、この電子文書表示装置8が有する不図示の記憶部内に記憶されていた「TOPメニュー」の電子文書12を、表示部10に表示させるようになっているものとする。そして、この電子文書12は、図示されるように一例として4つの選択項目を含んでおり、それぞれの項目には関連する電子文書の格納されるサイトへのアドレスのリンク付けが予め行なわれている。
【0008】
このような電子文書12が表示部10に表示された後に、ユーザーが、この電子文書12中に記載されている、他の電子文書に関連付けられた複数の項目の中から、操作により上下方向、又は左右方向に移動可能なカーソル14を移動させて、「自動車」の項目を選択して指定したとすると、電子文書表示装置8は、この項目に対応するURL(Uniform Resource Locator)のような所在情報(アドレス)に基づいて、図8に示すサーバ6等に接続し、この指定した項目に関連付けられている図9の(b)に示すようなWebページである電子文書16を、表示部10に表示するようになっている。
【0009】
そして、このような電子文書16が表示部10に表示されたときにおいても、この電子文書16中に記載されている、他の電子文書に関連付けられた複数の項目の中から、カーソル14でいずれかの項目を選択して指定することにより、電子文書表示装置8は、この項目にリンク付けられた対応する所在情報に基づいて、他の電子文書等を表示するようになっている。電子文書表示装置8は、このような操作を繰返して行なうことにより、連鎖的に次々と他の電子文書等を表示部10に表示させることができるようになっている。
【0010】
また、上記のような操作を繰返すことにより様々な電子文書を経由した後に、例えば図9の(c)に示すような、複数のダウンロード可能なデータファイル等を提供する電子文書18が表示部10に表示された場合には、ユーザーは、これらのデータファイルの中から所望するいずれかのものを選択して指定する操作を行なうことにより、この指定したデータファイルを出力(表示出力や音声出力)したり、ダウンロードしたりすることができる。
【0011】
ダウンロードしたデータファイルは、電子文書表示装置8の不図示の記憶部に記憶される。このダウンロードしたデータファイルが、例えば図9の(d)に示すような画像20である場合には、サーバ6等との通信接続の切断後においても、不図示の記憶部内からこのダウンロードした画像20のデータファイルを引出して表示部10に表示させることができる。
【0012】
また、前記特許文献1に係る電子文書表示装置8の中には、例えば、図9の(c)に示す電子文書18を表示部10に表示した後に、サーバ6との通信接続を一旦切断したような場合でも、この電子文書18を簡単に再表示させることができるようにするため、操作により、電子文書18を表示させるための所在情報を保存しておくブックマーク機能を備えるようになっているものがあった。
【0013】
また、前記特許文献1に係る電子文書表示装置8の中には、このようなダウンロードした画像20等のデータファイルを、電子メール等のような通信メッセージで送受信することができるようになっているものがあった。
【0014】
例えば、図8において、符号8a及び8bで示される2つの電子文書表示装置8の一方の電子文書表示装置8aが、図9の(d)に示す画像20をダウンロードした後に(図8中、矢印A)、このダウンロードした画像20を、他方の電子文書表示装置8bに通信メッセージで送信することができる(図8中、矢印B)。そして、電子文書表示装置8bは、その表示部10に、受信した画像20を表示することができる。
【特許文献1】特開2002−169644号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、前記特許文献1のような電子文書表示装置8では、例えば、図9の(c)に示す電子文書18を表示部10に表示しているときに、図9の(d)に示す画像20をダウンロードして、サーバ6との通信接続を一旦切断した後に、図9の(c)に示す電子文書18から画像20とは異なる別の画像をダウンロードするために、この電子文書18を再表示させたくなった場合であって、ブックマーク機能(URLなどのWebページのアドレスを図示しない記憶部に複数記憶しておく機能)によりこの電子文書18の所在情報を保存しておかなかったような場合には、切断前にこの電子文書18を表示させるまでに辿った経路と同じ経路を再度辿る必要があるため、余計な通信費用が掛かると共に、操作が煩わしいという問題があった。
【0016】
また、ブックマーク機能により電子文書18の所在情報を保存しておいた場合であっても、このブックマーク機能により電子文書18と異なる他の電子文書の所在情報が大量に保存されている場合には、結局電子文書18の所在情報がいずれであるのか分かりづらいために、短時間で電子文書18を再表示させることが難しいという問題があった。
【0017】
また、例えば、図8に示す電子文書表示装置8bのユーザーは、電子文書表示装置8aから通信メッセージにより画像20を受信した後に、この画像20とは異なる別の画像を電子文書18から直接ダウンロードしたくなったような場合には、電子文書表示装置8aのユーザーから電子文書18又は画像20の所在情報を教えてもらい、この所在情報を電子文書表示装置8bに入力するか、或いは、電子文書表示装置8aのユーザーから電子文書18までの経路を教えてもらい、これと同じ経路を辿るようにする必要があるという問題があった。
【0018】
そこで本発明は、上記問題点に鑑みて、ブックマーク機能を用いて電子文書の所在情報を保存する操作を行なわなくても、データをダウンロードするときに表示した、ダウンロードするデータへのリンク付けのされた項目の含まれる電子文書を簡単に再表示することができる電子文書表示装置および電子文書記憶方法を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記課題を解決するために、本発明の携帯端末装置は、
通信回線網を介してサーバ内の電子文書に接続し、前記サーバが保有するデータを取得可能な通信部と、
前記電子文書を表示する表示部と、
前記通信部により取得したデータを記憶する記憶部と、
前記通信部により前記データを取得する際、当該データを取得する過程で前記表示部に表示したことのある前記電子文書の所在情報を、当該データに関連付けて前記記憶部に記憶するよう制御する制御部とを有することを特徴とするものである。
【0020】
また、本発明による携帯端末装置は、
前記データが、文字列を記入可能な自由領域を含む複数の領域を有して構成され、
前記制御部は、前記自由領域に前記所在情報を記入することにより、前記データに前記所在情報を関連付けて記憶するようになっていてもよい。
【0021】
また、本発明による携帯端末装置は、前記制御部は、前記所在情報を前記自由領域に記入する際に、所在情報であることを示す種別情報を付して記入するよう制御するようになっていてもよい。
【0022】
また、本発明による携帯端末装置は、前記制御部は、前記所在情報を前記自由領域に記入する際に、当該自由領域に既に他の種別情報が記入されている場合は、所在情報の記入を行なわないよう制御するようになっていてもよい。
【0023】
また、本発明による携帯端末装置は、前記制御部は、前記データを取得する直前に前記表示部に表示され、当該データのリンク付けられた項目を含む電子文書の所在情報を前記データの自由領域に対し記入するよう制御するようになっていてもよい。
【0024】
また、本発明による携帯端末装置は、前記制御部は、前記記憶部に記憶されたデータを出力する際に、前記自由領域に前記所在情報が記憶されていた場合には、当該出力するデータに関する操作メニューに、当該所在情報の表示又は当該所在情報への接続を指示する項目を含めるよう制御するようになっていてもよい。
【0025】
上記課題を解決するために、本発明の電子文書記憶方法は、
通信回線網を介してサーバ内の電子文書に接続するステップと、
前記サーバが保有するデータを取得するステップと、
前記電子文書を表示するステップと、
取得したデータを記憶するステップと、
前記データを取得する際、当該データを取得する過程で前記表示部に表示したことのある前記電子文書の所在情報を、当該データに関連付けるステップとを有することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0026】
このような本発明の電子文書表示装置および電子文書記憶方法によれば、ブックマーク機能を用いて電子文書の所在情報を保存する操作を行なわなくても、データをダウンロードするのに表示したことのある電子文書を簡単に再表示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明に係る電子文書表示装置および電子文書記憶方法の実施の形態について、図面に基づいて具体的に説明する。
【0028】
図1ないし図7は、本発明の一実施の形態に係る携帯電話機30(電子文書表示装置に相当)およびその電子文書記憶方法について説明するために参照する図である。これらの図に示す携帯電話機30は、従来の電子文書表示装置8と同様の部分には同じ符号を付して説明し、従来と同様の構成についての重複する説明は省略するものとする。
【0029】
図1は、本実施の形態に係る携帯電話機30の回路構成を示すブロック図である。同図に示すように、携帯電話機30は、表示部10、通信部32、操作部34、スピーカー38、マイクロホン40、記憶部42、及びこれらを制御する制御部44を備えている。
【0030】
ユーザーの操作に基づいて、この携帯電話機30の通信部32が、図2に示すように、基地局4及び通信回線網2を介してサーバ6に接続し、このサーバ6内のサイトが保有する画像、動画又は音声等のデータファイルをダウンロード(取得)した場合には(図2中、矢印A)、このダウンロードしたデータファイルは、図1に示す携帯電話機30の記憶部42に記憶される。
【0031】
次に、操作部34は、図3に示すように、ソフトキー34a,34b,34cを備えている。また、表示部10の表示面には、その最も操作部34寄りの下段部分46に、操作部34のソフトキー34a,34b,34cのそれぞれに対応する機能ガイダンス46a,46b,46cが表示されるようになっている。そして、表示部10には、その下段部分46の上側の最も広い中段部分48に電子文書等の画面が表示されるようになっている。
【0032】
操作部34のソフトキー34a,34b,34cのいずれかを押下する操作が行なわれたときには、この操作に対応する制御部44の処理動作は、表示部10の中段部分48に表示される画面が切替えられるたびに異なる内容になるため、ソフトキー34a,34b,34cのそれぞれの現在の操作内容は、表示部10の機能ガイダンス46a,46b,46cにその内容が表示されるようになっている。
【0033】
また、中段部分48に表示される画面によっては、例えばソフトキー34aを操作しても、この操作に対応する制御部44の処理動作が行なわれないような場合があり、このような場合にはこのソフトキー34bに対応する機能ガイダンス46aは表示されないようになっている。
【0034】
また、ソフトキー34b,34cのそれぞれに対応する機能ガイダンス46b,46cも、機能ガイダンス46aと同様に、ソフトキー34b,34cのそれぞれに対応する制御部44の処理動作が行なわれないような場合には、表示されないようになっている。
【0035】
このような機能ガイダンス46a,46b,46cのそれぞれを表示したり表示しないようにしたりする制御は、制御部44が行なうようになっている。また、機能ガイダンス46a,46b,46cのそれぞれに表示されるソフトキー34a,34b,34cの操作内容の標記は、予め記憶部42に記憶されており、制御部44が、表示部10の中段部分48に表示される画面に基づいて、操作内容の標記のいずれを機能ガイダンス46a,46b,46cとして表示させるのかを判断するようになっている。
【0036】
また、図1に示す制御部44は、その後述する所在情報埋込み機能の処理動作により、ダウンロードした画像、動画又は音声等のデータファイル中における後述の自由領域に、URL等のような所在情報を埋め込むようになっている。
【0037】
制御部44は、例えばJPEG(Joint Photographic Experts Group)形式等の画像や、MPEG(Motion Picture Experts Group)形式、3GPP(3rd Generation Partnership Project)形式、及び3GPP2(3rd Generation Partnership Project2)形式等の動画や、MP3(MPeg audio layer3)形式等の音声のデータファイル等を、後述する所在情報埋込み機能の処理動作の対象としている。
【0038】
図4は、このような所在情報埋込み機能の処理動作の対象となる画像、動画、音声等の各種のデータファイル50の一般的な構造を示す概念図である。同図中の(a)に示すように、このようなデータファイル50は、そのデータ本体52がヘッダ54とフッタ56に挟まれる構造になっている。
【0039】
そして、データ本体52は、図4の(b)に示すように、画像、動画、音声等の実体データ58、作成日データ60、及び作成者データ62等の他に、文字列を記入可能な自由領域64を含んで構成されている。図4の(b)中において自由領域64は、便宜上1つのまとまった領域として表されているが、複数の領域に分割されていることもある。
【0040】
この自由領域64には、後述する制御部44の所在情報埋込み機能の処理動作により、図4の(c)に示すようなヘッダ66(種別情報)及び所在情報68の文字列が埋込まれる(書込まれる)。ヘッダ66は、このヘッダ66に続くデータが所在情報68であることを示す識別子である。このような自由領域64に書込まれるヘッダ66及び所在情報68は、図4の(a)に示すデータ本体52中における自由領域64以外の他の領域部分に対して、全く影響を与えない。
【0041】
次に、図5のフローチャートに基づいて、携帯電話機30の制御部44の所在情報埋込み機能の処理動作について説明する。なお、この所在情報埋込み機能は、ユーザーの操作により、その処理動作を行なうかどうかについての設定の「ON」及び「OFF」を切り替えることができるようになっている。
【0042】
ところで、携帯電話機30は、ブラウザが起動されると、初めに記憶部42に記憶される「TOPページ」や、インターネット上のサイト検索エンジンなどにより、接続したいサイトを特定すると共に、そのURLなどのアドレス情報を取得する。そして、この取得したアドレス情報を記憶部42内に設けた領域内に確保し、これを用いて通信部32により基地局を介してサーバ、サイトを特定して通信を開始して電子文書(Webページ)を取得する。以降、電子文書にて表示されるアドレス情報のリンク付けられた特定部分を操作部34にて指定するごとに、電子文書にてリンク先として規定され記憶されているアドレス情報を抽出して記憶部42に記憶しつつ、このアドレス情報に基づいて新たな電子文書を表示する。
【0043】
さて、携帯電話機30は、図2に示すように、ユーザーの操作に基づいて取得したアドレス情報などの所在情報を記憶部42に記憶しつつ、サーバ6に接続して電子文書を取得し(図2中、矢印A)、その表示部10に様々な電子文書を表示してその所在情報を記憶しつつこれらを経由した後に、前記従来の電子文書表示装置8において、図9の(c)に示すような電子文書18から画像20のデータファイルをダウンロードしたのと同様に、図2に示すサーバ6内のサイトが保有する画像、動画又は音声等のデータファイルのリンク付けられる項目(特定部分)を選択指定してダウンロード(取得)する場合には(図5中、ステップS101のYES)、データをダウンロードして記憶部42上に一旦ダウンロードしてバッファリングすると共に、このデータの取得の際に使用したアドレス情報(URLなど)を記憶部42に残しておく。次に所在情報埋込み機能の設定が「ON」になっているかどうかを判断するようになっている(ステップS102)。
【0044】
所在情報埋込み機能の設定が「OFF」であった場合には(ステップS102のNO)、ステップS103以降の処理動作は行なわれない。ステップS102において所在情報埋込み機能の設定が「ON」であった場合には(ステップS102のYES)、制御部44は、記憶部42にてバッファリングされるダウンロードしたデータファイルのデータ形式を確認した後に、このダウンロードしたデータファイルについて、図4の(b)に示す自由領域64に相当するような自由領域があるかどうかを検索するようになっている(ステップS103)。
【0045】
そして、制御部44は、このダウンロードしたデータファイルの自由領域に、既に所在情報が埋込まれているかどうかを、例えば図4の(c)に示すヘッダ66に相当するようなヘッダの有無により確認するようになっている(ステップS104)。既に所在情報が埋込まれていた場合には(ステップS104の「有り」)、制御部44は、このダウンロードしたデータファイルをそのままの状態で、記憶部42に記憶するようになっている(ステップS105)。また、自由領域64に相当するような自由領域が無かった場合にも同様にダウンロードしたデータファイルをそのままの状態で、記憶部42に記憶する。
【0046】
また、ステップS104において、ダウンロードしたデータファイルの自由領域に、所在情報がまだ埋込まれていなかった場合には(ステップS104の「無し」)、制御部44は、このダウンロードしたデータファイルの自由領域に、図4の(c)に示すヘッダ66及び所在情報68のそれぞれに相当するように、ダウンロードしたデータを取得する際に用いた電子文書のアドレス情報(URLなど)を所在情報とし、ヘッダ(種別情報)と共に書込み(図5中、ステップS106)、記憶部42に記憶する(ステップS105)。
【0047】
これにより、ステップS106において埋込まれる所在情報は、ダウンロードしたデータファイルの元の所在、すなわち、このダウンロードしたデータファイルの、図2に示すサーバ6内のサイト内における電子文書としての元の所在を直接指し示すものである。
【0048】
例えば、携帯電話機30により図9の(d)に示す画像20のデータファイルをダウンロードしたような場合には、この画像20のデータファイルの電子文書としての元の所在を直接指し示す「http://www.ghi.co.jp./product/photo03.jpg」(ダウンロードを指示したときのWebページのアドレス)のような所在情報が、ダウンロードした画像20のデータファイルの自由領域に埋め込まれる。
【0049】
次に、図6及び図7のフローチャートに基づいて、データファイルに埋め込まれた所在情報を参照することにより通信接続するときの制御部44の処理動作について説明する。
【0050】
図1に示す記憶部42内に記憶されたデータファイルの中から、いずれかのものが指定されると共に、この指定されたデータファイルを表示部10に表示したり、スピーカー38から音声出力させたりする操作が行なわれると(図6中、ステップS201)、制御部44は、このデータファイルの出力を開始するようになっている(ステップS202)。
【0051】
また、制御部44は、このようなステップS202の処理動作を開始すると共に、ステップS203以降の処理動作を行なうようになっている。まず、制御部44は、ステップS202で処理動作を開始したデータファイル内に自由領域があるかどうかを確認するようになっている(ステップS203)。データファイル内に自由領域が無い場合には(ステップS203のNO)、ステップS204以降の処理動作は行なわれない。
【0052】
ステップS203において、データファイル内に自由領域があった場合には(ステップS203のYES)、制御部44は、この自由領域に所在情報が埋込まれているかどうかを(例えばヘッダ66の有無により)確認するようになっている(ステップS204)。所在情報が埋込まれていない場合には(ステップS204のNO)、ステップS205以降の処理動作は行なわれない。
【0053】
ステップS204において、データファイルの自由領域に所在情報が埋込まれていた場合には(ステップS204のYES)、制御部44は、サブメニューに「所在情報表示」という項目を追加するようになっている(ステップS205)。
【0054】
ここで、サブメニューとは、例えば「編集」、「コピー」、「削除」、及び「送信」等の項目で構成される操作メニューであって、データファイルの出力中(表示中や鳴動中)に図3に示す表示部10の下段部分46の機能ガイダンス46aに「サブメニュー」と表示されているときに、この機能ガイダンス46aに対応するソフトキー34aが押下されると、表示部10の中段部分48にサブメニューが表示されるようになっているものである。
【0055】
そして、このような機能ガイダンス46aとしての「サブメニュー」の文字列の表示は、図6のステップS201のような操作が行なわれて記憶部42内のいずれかの画像、動画又は音声等のデータファイルが指定されたり、この指定されたデータファイルがステップS202のように出力されたりしたことに対応して、制御部44の処理動作によって行なわれる。
【0056】
したがって、図示しないが、「サブメニュー」という文字列が機能ガイダンス46aとして表示された後に、ユーザーがこの機能ガイダンス46aに対応するソフトキー34aを押下することにより、サブメニューを表示部10の中段部分48に表示させ、この不図示のサブメニューのいずれかの項目を指定したことに対応して行なわれる、制御部44の処理動作は、図6のステップ1で指定したデータファイルに対して行なわれるようになっている。
【0057】
また、図6のステップS205において、この不図示のサブメニューに「所在情報表示」という項目が追加されるまでは、ソフトキー34aを押下することにより、この不図示のサブメニューを表示部10の中段部分48に表示させても、「所在情報表示」という項目は表示されないようになっており、所在情報を登録してあるデータファイルの展開時のみに「所在情報表示」という項目が表示され、ユーザーは所在情報の登録の有無を容易に知ることができる。
【0058】
次に、制御部44は、図6のステップS205の処理動作の後に、図3に示すソフトキー34aが押下されて不図示のサブメニューが表示部10の中段部分48に表示され、この不図示のサブメニューの中から「所在情報表示」の項目を指定する操作が行なわれたかどうかを判断するようになっている(図7中、ステップS206)。
【0059】
図6のステップS205の処理動作の後に、ソフトキー34aが押下されなかった場合には(ステップS206のNO)、制御部44は、ステップS207以降の処理動作は行なわない。また、ソフトキー34aを押下して不図示のサブメニューを表示部10の中段部分48に表示させた後に、このサブメニューの中から「所在情報表示」以外の項目を指定し、実行要求する操作が行なわれた場合には(同じくステップS206のNO)、制御部44は、ステップS207以降の処理動作は行なわずに、指定された項目に対応する処理動作を行なうようになっている。
【0060】
そして、図6のステップS205の処理動作の後に、ソフトキー34aを押下する操作が行なわれて、サブメニューが表示部10の中段部分48に表示された後に、このサブメニューの中から「所在情報表示」の項目が指定された場合には(ステップS206のYES)、図示しないが、この表示部10の中段部分48に表示中のサブメニューに代えて、図6のステップS201で指定したデータファイルの自由領域に埋込まれている所在情報を表示するようになっている(ステップS207)。
【0061】
そして、ユーザーの操作により、表示部10の中段部分48に表示された不図示の所在情報が指定されてアクセス要求がなされると(ステップS208のYES)、制御部44は、通信部32に、この所在情報により特定されるアドレスの示すサーバ中の電子文書(Webページ)に通信接続させるようになっている(ステップS209)。
【0062】
通常、同一サイト内の電子文書等は、互いにリンクが張られており、系統立てられた階層構造になっていることが多い。このため、ステップS209で通信接続した電子文書の上位又は下位の階層に目的の電子文書があるような場合には、ユーザーは、ステップS209で通信接続した電子文書を手掛かりとして、目的の電子文書まで容易に辿りつくことができる。
【0063】
また、図2に示すように、携帯電話機30aが、サーバ6内のサイトが有するデータファイルをダウンロード(図2中、矢印A)した後に、このデータファイルを通信メッセージ等により携帯電話機30bに送信した場合には(図2中、矢印B)、携帯電話機30bのユーザーは、図6及び図7に示すフローチャートの処理動作により、携帯電話機30aから受信したデータファイルの元の電子文書、または、この電子文書の上位又は下位の階層の電子文書まで容易に辿りつくことができる(図2中、矢印C)。
【0064】
したがって、例えば、図2に示す携帯電話機30aのユーザーは、図9の(d)に示す画像20のデータファイルをダウンロード(図2中、矢印A)して、一旦通信接続を切断した後に、図9の(c)に示す電子文書18を再び閲覧したくなったような場合には、図6及び図7に示すフローチャートの処理動作により、ダウンロードした画像20のデータファイル内の所在情報を手掛かりにして、目的の電子文書18まで簡単に辿りつくことができる。
【0065】
また、図2に示すように、携帯電話機30bのユーザーは、携帯電話機30aがダウンロードした画像20のデータファイルを、この携帯電話機30aから受信(図2中、矢印B)した後に、この画像20のデータファイルを提供する図9の(c)に示す電子文書18を閲覧したくなったような場合には、図6及び図7に示すフローチャートの処理動作により、携帯電話機30aから受信した画像20のデータファイル内の所在情報を手掛かりにして、目的の電子文書18まで簡単に辿りつくことができる(図2中、矢印C)。
【0066】
このような本実施の形態に係る携帯電話機30および電子文書記憶方法によれば、ブックマーク機能を用いて電子文書の所在情報を保存する操作を行なわなくても、データをダウンロードするときに表示した、ダウンロードするデータへのリンク付けのされた項目の含まれる電子文書を簡単に再表示することができる。
【0067】
また、携帯電話機30aによりダウンロードされたデータが、この携帯電話機30aと異なる携帯電話機30bに送信されたような場合にも、この携帯電話機30bは、受信したデータをダウンロードするのに表示する必要がある電子文書を簡単に表示することができる。
【0068】
なお、本実施の形態では、図5のステップS106において、データファイルをダウンロードするのに表示したことのある電子文書の所在情報を、このデータファイルの自由領域に埋込むことにより、データファイルと所在情報とを互いに関連付けるようになっていたが、他の手法によってデータファイルと所在情報とを互いに関連付けるようになっていてもよい。
【0069】
また、本実施の形態では、図5中のステップS106において、ダウンロードしたデータファイルの自由領域に埋込まれる所在情報は、このダウンロードしたデータファイルの元の所在を直接指し示すものであったが、ダウンロード可能なデータファイルを提供する電子文書のような、データファイルのダウンロードの直前に閲覧していた電子文書、または、この直前の電子文書を表示させるまでに経由した他の電子文書等の所在情報が埋め込まれていてもよい。
【0070】
例えば、図9の(d)に示す画像20のデータファイルをダウンロードしたような場合に、この画像20のデータファイルを含む複数のダウンロード可能なデータファイルを提供する、図9の(c)に示す電子文書18の所在を指し示す「http://www.ghi.co.jp./product/photomenu/」のような所在情報が、図5のステップS106において、ダウンロードした画像20のデータファイルの自由領域に埋め込まれるようになっていてもよい。
【0071】
また、本実施の形態では、図6のステップS205において、サブメニューに
「所在情報表示」という項目を追加するようになっていたが、このような「所在情報表示」の項目の代わりに、「所在情報への接続」という項目を追加するようになっていてもよい。
【0072】
このような場合には、制御部44は、図7のステップS206において、「所在情報表示」の項目を指定する操作が行なわれたがどうかを確認するのではなく、「所在情報への接続」の項目を指定する操作が行なわれたがどうかを確認するようになる。
【0073】
また、制御部44は、図7のステップS206において「所在情報への接続」の項目を指定する操作が行なわれたことを確認した場合には(ステップS206のYES)、通信部32に、図6のステップS201で指定したデータファイル内の所在情報により特定されるアドレスの示すサーバ中の電子文書(Webページ)に直ちに通信接続させ(図7中、ステップS209)、ステップS207及びS208は省略するような動作手順となる。
【0074】
また、本実施の形態においては、図4に示すように、作成日60や自由領域64がデータ本体58に含まれる例にて本発明の実施例を説明したが、これに限定されるものではなく、ヘッダ54若しくはフッタ56に含まれていてもよいことはいうまでもない。
【0075】
また、本実施の形態においては、携帯電話機30に本発明を適用した場合について説明したが、携帯電話機30以外の、PHS(Personal Handy phone System)、通信機能を有するPDA(Personal Digital Assistant)やカーナビゲーションシステムなどの他の電子文書表示装置、並びに通信回線網に接続可能なパーソナルコンピューター等についても本発明を適用することができることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の一実施の形態に係る携帯電話機30の回路構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る携帯電話機30(30a,30b)、並びに通信回線網2、基地局4及びサーバ6を示す模式図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係る携帯電話機30の正面図である。
【図4】図1に示す制御部44の処理動作の対象となるデータファイル50の概念図である。
【図5】図1に示す制御部44の所在情報埋込み機能の動作手順を示すフローチャートである。
【図6】ダウンロードしたデータファイルに所在情報埋込み機能により埋め込まれた所在情報に基づいて、通信接続するときの制御部44の動作手順を示すフローチャートである。
【図7】ダウンロードしたデータファイルに所在情報埋込み機能により埋め込まれた所在情報に基づいて、通信接続するときの制御部44の動作手順を示すフローチャートである。
【図8】従来の携帯電話機8(8a,8b)、並びに通信回線網2、基地局4及びサーバ6を示す模式図である。
【図9】図9(a)〜(d)は、図8に示す携帯電話機8(8a,8b)の表示部10に,電子文書12,16,18及び画像20を順番に表示させた状態、並びにこの電子文書16,18及び画像20の所在を特定する所在情報を各々に示す概念図である。
【符号の説明】
【0077】
2 通信回線網
4 基地局
6 サーバ
8 電子文書表示装置
10 表示部
12 電子文書
14 カーソル
16,18 電子文書
20 画像(電子文書)
30 携帯電話機
32 通信部
34 操作部
34a,34b,34c ソフトキー
38 スピーカー
40 マイクロホン
42 記憶部
44 制御部
46 下段部分
46a,46b,46c 機能ガイダンス
48 中段部分
50 データファイル
52 データ本体
54 ヘッダ
56 フッタ
58 実体データ
60 作成日データ
62 作成者データ
64 自由領域
66 ヘッダ(種別情報)
68 所在情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信回線網を介してサーバ内の電子文書に接続し、前記サーバが保有するデータを取得可能な通信部と、
前記電子文書を表示する表示部と、
前記通信部により取得したデータを記憶する記憶部と、
前記通信部により前記データを取得する際、当該データを取得する過程で前記表示部に表示したことのある前記電子文書の所在情報を、当該データに関連付けて前記記憶部に記憶するよう制御する制御部と
を有することを特徴とする電子文書表示装置。
【請求項2】
前記データが、文字列を記入可能な自由領域を含む複数の領域を有して構成され、
前記制御部は、前記自由領域に前記所在情報を記入することにより、前記データに前記所在情報を関連付けて記憶することを特徴とする請求項1に記載の電子文書表示装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記所在情報を前記自由領域に記入する際に、所在情報であることを示す種別情報を付して記入するよう制御することを特徴とする請求項2に記載の電子文書表示装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記所在情報を前記自由領域に記入する際に、当該自由領域に既に他の種別情報が記入されている場合は、所在情報の記入を行なわないよう制御することを特徴とする請求項2又は3に記載の電子文書表示装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記データを取得する直前に前記表示部に表示され、当該データのリンク付けられた項目を含む電子文書の所在情報を前記データの自由領域に対し記入するよう制御することを特徴とする請求項2ないし4のいずれか一に記載の電子文書表示装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記記憶部に記憶されたデータを出力する際に、前記自由領域に前記所在情報が記憶されていた場合には、当該出力するデータに関する操作メニューに、当該所在情報の表示又は当該所在情報への接続を指示する項目を含めるよう制御することを特徴とする請求項2ないし5のいずれか一に記載の電子文書表示装置。
【請求項7】
通信回線網を介してサーバ内の電子文書に接続するステップと、
前記サーバが保有するデータを取得するステップと、
前記電子文書を表示するステップと、
取得したデータを記憶するステップと、
前記データを取得する際、当該データを取得する過程で前記表示部に表示したことのある前記電子文書の所在情報を、当該データに関連付けるステップと
を有することを特徴とする電子文書記憶方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−276968(P2006−276968A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−91074(P2005−91074)
【出願日】平成17年3月28日(2005.3.28)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】