説明

電子時計

【課題】衛星信号の受信頻度を向上でき、かつ、消費電力を低減できる電子時計を提供する。
【解決手段】腕時計1は、GPS衛星を捕捉し、捕捉したGPS衛星からの衛星信号を受信する受信処理を実施するGPS装置25と、衛星信号に基づいて内部時刻情報を修正する時刻修正部37と、内部時刻情報を表示する時刻表示部222と、前記受信処理を制御する受信制御部36と、光量を検出するソーラーパネル24とを備え、受信制御部36は、検出された光量に基づいて受信処理を実施する光量検出受信制御部361と、予め設定された設定時刻になった場合に受信処理を実施する定時受信制御部362とを備える。そして、光量検出受信制御部361は、第一捕捉時間内で衛星捕捉できなかった場合は受信停止させ、定時受信制御部362は、第一捕捉時間よりも短い第二捕捉時間内で衛星捕捉できなかった場合は受信停止させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、GPS衛星等の位置情報衛星から送信される電波を受信する電子時計に関する。
【背景技術】
【0002】
自己位置を測位するためのシステムであるGPS(Global Positioning System)システムでは、地球を周回する軌道を有するGPS衛星が用いられており、このGPS衛星には、原子時計が備えられている。このため、GPS衛星は、極めて正確な時刻情報(GPS時刻、衛星時刻情報)を有している。
【0003】
このGPS衛星から送信される航法データに含まれる時刻情報を利用して、計時手段で計時している内部時刻情報を補正する電子時計が知られている(特許文献1参照)。
この特許文献1には、GPS衛星からの衛星信号を受信する受信処理において、まず、衛星信号を受信可能なGPS衛星をサーチする処理を行い、その後、サーチにより捕捉したGPS衛星からの衛星信号を受信する電子時計が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−60456号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、GPS衛星からの衛星信号の受信処理は、屋内で実施することは困難である。このため、屋外での受信処理を行うために、電子時計に光量検出手段を設け、光量検出手段により所定光量が検出された場合に、受信処理を実施する構成も考えられている。
しかしながら、上記のような光量検出手段により検出された光量に基づいて受光処理を実施する場合、例えば冬季等では衣服によって電子時計が隠れる場合があり、所定光量を検出できず、受信処理の頻度が低下することがある。この場合、時刻修正の頻度が低下するため、電子時計に表示される時刻の精度が低下してしまうという課題がある。
【0006】
これに対して、光量検出に基づいた受信処理が一定時間実施されなかった場合に、予め設定された定刻に自動的に受信処理を実施する構成も考えられる。
しかしながら、設定された定刻において、電子時計が屋内に位置していることもあり、受信処理を実施したとしても、GPS衛星を捕捉できない場合がある。このような場合、受信処理を継続すると、衛星信号を受信ができないばかりか、受信処理に係る消費電力だけが増大してしまうという課題がある。
【0007】
本発明は、衛星信号の受信頻度を向上でき、かつ、消費電力を低減できる電子時計を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の電子時計は、位置情報衛星を捕捉し、捕捉した前記位置情報衛星からの衛星信号を受信する受信部と、前記受信部が受信した衛星信号に基づいて内部時刻情報を修正する時刻修正部と、前記内部時刻情報を表示する時刻表示部と、光量を検出する光量検出部と、前記受信部を制御する受信制御部と、を具備し、前記受信制御部は、前記光量検出部により検出された光量が所定光量以上である場合に、前記受信部を制御して前記衛星信号の受信処理を行う光量検出受信制御部と、前記内部時刻情報が予め設定された設定時刻になった場合に、前記受信部を制御して前記衛星信号の受信処理を行う定時受信制御部と、を備え、前記光量検出受信制御部は、前記受信部を制御して受信処理を開始した際に、第一捕捉時間以内に前記位置情報衛星が捕捉できない場合、前記受信処理を停止し、前記定時受信制御部は、前記受信部を制御して受信処理を開始した際に、前記第一捕捉時間よりも短い第二捕捉時間以内に前記位置情報衛星が捕捉できない場合、前記受信処理を停止することを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、受信制御部は、光量検出受信制御部および定時受信制御部を備える。光量検出受信制御部は、電子時計に照射されて光量検出部により検出される光量が所定光量以上となった場合に、受信部を制御して衛星信号を受信する処理を行う。一方、定時受信制御部は、内部時刻情報が予め設定された設定時刻になった場合に、受信部を制御して衛星信号を受信する処理を行う。
この際、例えば電子時計が屋内に位置している場合や、冬季等において衣服により電子時計が隠れている場合、光量検出部で検出される光量が所定光量未満と小さくなる。この場合、光量検出受信制御部による受信処理は実施されない。従って、衛星信号を受信する頻度が低下し、衛星信号で内部時刻を修正する頻度も低下する。
これに対して、本発明では、光量検出受信制御部だけでなく、設定時刻に受信処理を行う定時受信制御部も備えている。このため、光量検出による受信処理を実施できない場合でも、定時受信制御部による受信処理を実施できる。従って、衛星信号の受信頻度を向上でき、時刻修正の実施頻度も向上でき、表示される時刻の精度低下を抑制できる。
【0010】
また、衛星信号を受信する場合は、最初に位置情報衛星の捕捉(サーチ)処理を行い、一定時間の間に位置情報衛星を捕捉できなかった場合は、捕捉処理を停止(タイムアウト)させる。
ここで、光量検出受信制御部は、光量が所定光量以上になった場合、つまり、屋外に位置している可能性が高い状態で、受信部の制御を実施する。したがって、例えば電子時計を装着した利用者がビルの間に移動した場合などにおいて、受信感度が悪化する場合もあるが、タイムアウトまでの時間である第一捕捉時間を、例えば10秒程度に長めに設定することで、受信部による捕捉処理の成功率も高くなる。
一方、定時受信制御部により受信部の制御を実施する場合、電子時計が屋外に位置しているか否かが不明である。このため、屋内で受信処理を行うこともあり、この場合、捕捉処理を継続しても、位置情報衛星を捕捉できず、消費電力が増大してしまう。このため、腕時計のような電池駆動の電子時計では、電池電力が低下して電源の持続時間が短くなってしまう。
そこで、本発明では、定時受信制御部により受信部の制御を実施する場合、タイムアウトまでの第二捕捉時間は、光量検出受信制御部により受信部の制御を実施する場合のタイムアウトまでの第一捕捉時間よりも短い時間、例えば5秒程度に短く設定されている。このため、定時受信制御部の制御により捕捉処理により衛星信号を捕捉できない場合、より早期に捕捉処理を停止することができ、消費電力の増大を抑えることができる。
以上により、本発明では、衛星信号の受信頻度を向上でき、かつ、消費電力を低減できる。
【0011】
本発明の電子時計では、前記受信制御部は、前記光量検出受信制御部を動作させ、前記定時受信制御部を停止させる第一受信モードと、前記光量検出受信制御部および定時受信制御部を動作させる第二受信モードとを選択可能に構成され、前記第一受信モードでの制御を開始後、所定期間以内に、受信処理が開始されなかった場合は、前記第二受信モードでの制御に切り替え、前記第二受信モードでの制御を開始後、前記光量検出受信制御部による受信処理が開始された場合、定時受信制御部を停止することが好ましい。
【0012】
本発明によれば、第一受信モードでは、光量検出受信制御部のみが動作される。従って、受信制御部による受信制御の開始時に第一受信モードで制御すれば、所定光量が検出された場合のみ、つまり屋外に移動した場合に受信処理が行われるため、受信に成功する確率を向上できる。したがって、屋内での受信処理のような無駄な受信処理が行われないので、消費電力の増大も防止できる。
また、第一受信モードで所定期間、受信処理が開始されなかった場合は、第二受信モードに切り替えているので、所定光量が検出されない場合でも、設定時刻になれば定時受信制御部による受信処理が開始されるので、受信頻度を高めることができる。
【0013】
本発明の電子時計では、前記受信制御部は、前記第二受信モードでの制御を開始後、前記定時受信制御部による受信処理が開始され、前記第二捕捉時間以内に前記位置情報衛星を捕捉できないために受信処理を停止した場合は、第二受信モードでの制御を継続することが好ましい。
【0014】
本発明によれば、定時受信制御部による受信処理が開始されても、第二捕捉時間以内に位置情報衛星を捕捉できない場合は受信処理を停止している。この第二捕捉時間は第一捕捉時間に比べて短いため、その時間での受信処理による電力消費も少ない。従って、第二受信モードでの制御を継続することができる。
そして、第二受信モードでの制御を継続すれば、衛星信号の受信頻度や時刻修正の頻度を向上でき、時計に表示される時刻の精度を向上させることができる。
【0015】
本発明の電子時計では、前記受信制御部は、前記第二捕捉時間以内に前記位置情報衛星を捕捉できないために受信処理を停止した処理が連続して所定の規定回数以上になった場合は、前記第一受信モードでの制御に切り替えることが好ましい。
【0016】
定時受信制御部による受信処理は、設定時刻に実施されるので、その受信処理時に位置情報衛星の捕捉に連続して所定の規定回数失敗する場合、その設定時刻において電子時計が屋外に位置していないことが多いと推定できる。例えば、電子時計の利用者が、屋外に出る出勤時刻を設定時刻として設定した場合であっても、例えば利用者の生活リズムが変化して、設定時刻において、屋外に位置していない場合がある。このような場合、次の設定時刻においても、電子時計が屋外に位置している可能性は低く、その設定時刻において、受信処理を実施することは、消費電力の増大を招く。
これに対して、本発明では、定時受信制御部による受信処理時の位置情報衛星の捕捉処理が連続して規定回数以上失敗した場合、受信制御部は、第一受信モードに切り替えて光量検出受信制御部のみを動作させる。これにより、設定時刻における無駄な受信処理の回数を減らすことができ、より省電力化を図ることができる。
【0017】
本発明の電子時計は、当該電子時計を駆動させる電力を供給する電池と、前記電池の電圧値を検出する電圧検出部と、を備え、前記受信制御部は、前記第一受信モードでの制御時に、前記光量検出受信制御部による受信処理が行われた場合と、前記第二受信モードでの制御時に、前記光量検出受信制御部による受信処理が行われた場合と、前記第二受信モードでの制御時に、前記定時受信制御部による受信処理が開始されて前記第二捕捉時間以内に前記位置情報衛星を捕捉できた場合に、前記電圧検出部で電池の電圧値を検出し、検出された電圧値が所定の閾値未満の場合は、設定された休止期間の間、受信制御を休止し、検出された電圧値が所定の閾値以上の場合は、受信制御を休止せずに第一受信モードでの制御を行うことが好ましい。
【0018】
光量検出受信制御部による受信処理が行われた場合、受信処理が成功した場合でも失敗した場合でも電力が消費される。受信失敗には、第一捕捉時間内に位置情報衛星を捕捉できない場合も含まれるが、第一捕捉時間は第二捕捉時間に比べて長いため、電力消費もその分大きくなる。
同様に、定時受信制御部による受信処理が行われた場合も、第二捕捉時間内に位置情報衛星が捕捉できない場合は電力消費が少ないが、位置情報衛星を捕捉できて衛星信号の受信処理が行われた場合には、受信に成功した場合でも失敗した場合でも電力消費が多くなる。
従って、第二捕捉時間内に捕捉できなかった場合を除き、受信処理が開始された場合には、受信処理で多大な電力が消費される。そこで、電池電圧を検出し、所定の閾値未満であれば休止期間(例えば2日間)、受信制御を休止する。これにより、休止期間中の電力消費が低減し、その期間に充電することで電池電圧を高めることもできる。一方、電池電圧が所定の閾値以上であれば第一受信モードでの制御を継続し、屋外に移動したと判定された場合のみ受信処理を行うことで、電力消費を抑制できる。
【0019】
本発明の電子時計は、当該電子時計を駆動させる電力を供給する電池と、前記電池の電圧値を検出する電圧検出部と、を備え、前記定時受信制御部は、前記電圧検出部により検出された前記電圧値に応じて前記第二捕捉時間を設定することが好ましい。
【0020】
本発明によれば、例えば、電池の電圧値が所定電圧未満である場合、定時受信制御部は、前記第二捕捉時間を、電池の電圧値が所定電圧未満である場合、所定電圧以上に比べて短く設定する。受信部による位置情報衛星の捕捉処理時間が長くなると、電池の電力残量が少ない場合に、電池電圧がIC等の作動電圧以下に低下してしまう可能性もある。これに対して、本発明では、電池の電圧が小さい場合では、捕捉処理におけるタイムアウトまでの時間をより短くすることで、電池電圧の低下割合を抑えることができる。
【0021】
本発明の電子時計は、前記設定時刻を設定する定刻設定部を備え、前記定刻設定部は、前記光量検出受信制御部による受信処理が成功した時刻を前記設定時刻に設定することが好ましい。
一般に、利用者の生活リズム(行動パターン)において、出勤時間や昼休み等の屋外に出る時間は決まっている。このため、光量検出部により所定光量が検出され、光量検出受信制御部による受信処理に成功した時刻を設定時刻とすることで、利用者の生活リズムに合わせて、屋外に出る時刻を設定時刻とすることができる。したがって、このような設定時刻に、定時受信制御部による受信処理を行うことで、受信環境が良好な屋外で受信処理を実施できる可能性が高くなり、衛星信号を受信できる確率も向上できる。
【0022】
本発明の電子時計では、前記定時受信制御部は、前記設定時刻の所定時間前および所定時間後のうち、少なくともいずれか一方で、前記受信部を制御して前記位置情報衛星の捕捉処理を行い、当該捕捉処理において、前記第二捕捉時間よりも短い第三捕捉時間以内に前記位置情報衛星が捕捉できない場合、当該捕捉処理を停止し、前記位置情報衛星を捕捉できた場合、捕捉した前記位置情報衛星からの衛星信号の受信処理を行うことが好ましい。
【0023】
本発明によれば、定時受信制御部は、設定時刻での受信処理に加え、設定時刻の所定時間前および所定時間後にも、受信部を制御し捕捉処理を行う。このような構成とすることで、例えば利用者の生活リズムに僅かに変化し、設定時刻において電子時計が屋外に位置していない場合であっても、設定時刻の前後に実施される捕捉処理により、位置情報衛星を捕捉することができることがある。この場合、捕捉した位置情報衛星からの衛星信号を受信することで、時刻修正部は、時刻修正を実施することができる。
また、このような設定時刻の前後における捕捉処理におけるタイムアウトまでの時間を第二捕捉時間よりも短い第三捕捉時間に設定している。これにより、設定時刻の前後に実施される捕捉処理での消費電力の増大を抑えることができる。
なお、定時受信制御部は、設定時刻の所定時間前に位置情報衛星を捕捉し、衛星信号を受信した場合には、その後の設定時刻や設定時刻の所定時間後の受信処理は実施する必要がない。同様に、設定時刻での受信処理で衛星信号を受信した場合には、設定時刻の所定時間後の受信処理は実施する必要がない。
【0024】
本発明の電子時計は、前記光量検出受信制御部による前記受信処理が行われた日時を記憶する光量受信日時記憶部を備え、前記受信制御部は、前記内部時刻情報の日時が、前記光量受信日時記憶部の日時から予め設定された有効時間以上経過した日時である場合、前記定時受信制御部を停止することが好ましい。
【0025】
一般に、光量検出受信制御部による受信処理が長期間行われない場合、電子時計が屋内に置かれたままになっている場合が考えられる。このような場合、定時受信制御部の制御により受信処理を実施しても、位置情報衛星を捕捉できず、電力だけが消費される可能性が高くなる。
これに対して、本発明では、光量検出受信制御部により受信処理が実施された日時を光量受信日時記憶部に記憶しておき、光量受信日時記憶部に最後に記憶された日時から、所定の有効時間以上が経過している場合、受信制御部は、定時受信制御部を停止して動作させず、光量検出受信制御部のみを動作させる。これにより、電子時計が継続して屋内に置かれている状態で、定時受信制御部による受信処理は行われず、当該処理による無駄な電力消費を防止でき、さらなる省電力化を図ることができる。
【0026】
本発明の電子時計は、前記受信部で受信される衛星信号の信号レベルを検出するレベル検出部を備え、前記光量検出受信制御部及び前記定時受信制御部は、前記受信処理中に、前記レベル検出部により検出される信号レベルが所定レベル閾値未満となった場合、前記受信処理を停止することが好ましい。
【0027】
受信処理を行っていた場合でも、例えば電子時計を装着した利用者が屋内やトンネル等の中に入り、衛星信号の受信環境が悪い場所に移動する場合がある。このような場合、受信処理を継続すると、衛星信号の受信ができないにもかかわらず、電力のみが消費される。
これに対して、本発明では、受信処理中にレベル検出部により検出された衛星信号の信号レベルがレベル閾値未満である場合、その受信処理を停止させる。このため、上記のように、衛星信号の受信環境が悪くなった場合に、早期に受信処理を停止させることができ、消費電力の増大を抑えることができる。
なお、レベル検出部に信号レベルの検出処理は、受信処理中の間、常時行ってもよいし、一定時間毎に行ってもよい。常時検出すれば、受信レベルの変化をリアルタイムに検出できて受信環境の悪化も早期に検出できる。一方、一定時間毎に検出すれば、レベル検出処理による電力消費を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の第一実施形態に係る腕時計を示す概略図。
【図2】第一実施形態の腕時計の正面図。
【図3】第一実施形態の腕時計の主なハードウエア構成等を示す概略図。
【図4】第一実施形態の腕時計の主なシステム構成を示すブロック図。
【図5】第一実施形態の腕時計における自動受信処理のフローチャート。
【図6】第一実施形態の腕時計における光量検出自動受信処理のフローチャート。
【図7】第一実施形態の腕時計における定時自動受信処理のフローチャート。
【図8】第二実施形態の腕時計における定時自動受信処理のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0029】
[第一実施形態]
以下、本発明の第一実施形態を、図面に基づいて説明する。
[電子時計の構造]
図1は、本発明に係る電子時計であるGPS時刻修正装置付き腕時計1(以下「腕時計1」という)を示す概略図であり、図2は腕時計1の正面図である。
【0030】
図1に示すように、腕時計1は、地球の上空を所定の軌道で周回している複数のGPS衛星10のうち、少なくとも1つのGPS衛星10からの衛星信号を受信して衛星時刻情報を取得し、内部に保持した時刻情報(内部時刻情報)を修正できるように構成されている。なお、GPS衛星10は、本発明における位置情報衛星の一例であり、地球の上空に複数存在している。現在は約30個のGPS衛星10が周回している。
【0031】
図2は、本実施形態の腕時計1の概略構成を示す平面図である。
この腕時計1は、図2に示すように、文字板2および指針3からなる時刻表示部222と、ボタン4,5と、リューズ6と、を備える。このうち、指針3は、時針131、分針132、秒針133を備え、当該指針3は、ステップモーター等により、歯車を介して駆動される。
また、ボタン4,5、及びリューズ6は、腕時計1を手動により操作するための外部操作部材である。具体的には、リューズ6が操作されると表示時刻が修正される。また、ボタン4が長時間(例えば3秒以上)にわたって押されると、衛星信号を受信する受信処理が実行される。
また、ボタン5が押されると、受信モード(測時モード又は測位モード)を切り替える切替処理が実行される。
また、腕時計1は、ボタン4の操作による手動受信処理だけでなく、自動的に衛星信号を受信する自動受信処理を実行する。この自動受信処理としては、例えば文字板2に積層されたソーラーパネル24により所定量以上の光量を受光した際に自動的に受信する光量検出自動受信処理、及び設定時刻に自動的に受信する定時自動受信処理が含まれる。
【0032】
[腕時計の回路構成]
次に、腕時計1の回路構成に関して説明する。
図3は、腕時計1の主なハードウエア構成等を示す概略図である。図4は、腕時計1の構成を示す機能ブロック図である。
図3に示すように、腕時計1は、入力装置21、表示装置22、電池23、ソーラーパネル24(光量検出部)、GPS装置25(受信部)、記憶装置26、及び制御部30を備えている。
入力装置21は、ボタン4,5、及びリューズ6により構成される。
表示装置22は、表示駆動部221と、時刻表示部222とを備える。この表示駆動部221は、指針3を駆動させるためのステッピングモーターや各種輪列等により構成される。また、時刻表示部222は、文字板2、指針3等により構成される。
電池23は、二次電池であり、ソーラーパネル24で発電された電力を蓄電する。また、電池23は、表示装置22、GPS装置25、記憶装置26、及び制御部30等の腕時計1の各構成に対して電力を供給する。
ソーラーパネル24は、光エネルギーを電気エネルギーに変換して発電する光電変換素子を備えている。また、ソーラーパネル24は、光を受光した際に、その光量に基づいた検出信号を制御部30に出力する。
【0033】
[GPS装置の構成]
GPS装置25は、GPSアンテナ251を備えている。また、GPS装置25は、図示を略すが、GPS衛星から送信される衛星信号を受信してデジタル信号に変換するRF(Radio Frequency)部と、受信信号の相関判定を行って同期を行うBB部(ベースバンド部)と、BB部で復調された航法メッセージ(衛星信号)から時刻情報や測位情報を取得する情報取得部とを備える。
【0034】
RF部は、バンドパスフィルター、PLL回路、IFフィルター、VCO(Voltage Co
ntrolled Oscillator)、ADC(A/D変換器)、ミキサー、LNA(Low Noise Amplifier)、IFアンプ等を備えている。
そして、バンドパスフィルターで抜き出された衛星信号は、LNAで増幅された後、ミキサーでVCOの信号とミキシングされ、IF(Intermediate Frequency:中間周波数)にダウンコンバートされる。ミキサーでミキシングされたIFは、IFアンプ、IFフィルターを通り、ADC(A/D変換器)でデジタル信号に変換される。
【0035】
BB部は、GPS衛星で送信時に使用されたものと同一のC/Aコードからなるローカルコードを生成するローカルコード生成部と、前記ローカルコードとRF部から出力される受信信号との相関値を算出する相関部とを備える。
そして、前記相関部で算出された相関値が所定の閾値以上であれば、受信した衛星信号に用いられたC/Aコードと生成したローカルコードが一致していることになり、衛星信号を捕捉(同期)することができる。このため、受信した衛星信号を、前記ローカルコードを用いて相関処理することで、航法メッセージを復調することができる。
【0036】
情報取得部は、BB部で復調した航法メッセージから時刻情報や位置情報を取得する。すなわち、GPS衛星から送信される航法メッセージには、プリアンブルデータ及びHOW(Handover Word)のTOW(Time of Week、「Zカウント」ともいう)、各サブフレームデータが含まれている。サブフレームデータは、サブフレーム1からサブフレーム5まであり、各サブフレームには、例えば、週番号データや衛星健康状態データを含む衛星補正データ等や、エフェメリス(GPS衛星毎の詳細な軌道情報)や、アルマナック(全GPS衛星の概略軌道情報)などのデータが含まれている。
従って、情報取得部は、受信した航法メッセージから所定のデータ部分を抽出し、時刻情報や位置情報を取得している。
【0037】
[記憶装置の構成]
記憶装置26は、ROM261及びRAM262を備える。
ROM261には、制御部30で実行するプログラム等が記憶されている。
一方、図4に示すように、RAM262は、設定時刻記憶部263、捕捉結果記憶部264、光量受信日時記憶部265、及び時刻情報記憶部266等を備える。
設定時刻記憶部263は、定時自動受信処理を実施するための設定時刻を記憶する。
捕捉結果記憶部264は、定時自動受信処理において、GPS装置25によりGPS衛星10を捕捉する捕捉処理(第二捕捉処理)が実施された場合に、当該捕捉処理が成功したか否かを示す捕捉結果が記憶される。また、第二捕捉処理における捕捉結果が失敗であり、かつ、前日の第二捕捉処理における捕捉結果も失敗であった場合、捕捉失敗が連続した回数(日数)をも記憶する。
【0038】
光量受信日時記憶部265は、光量検出自動受信処理時に、GPS衛星10からの衛星信号を受信し、時刻修正処理が実施された場合、その衛星信号を受信した日時を記憶する。
時刻情報記憶部266は、GPS装置25の受信処理により取得した衛星信号に含まれる時刻情報等が記憶される。
【0039】
[制御部の構成]
制御部30は、GPS装置25を制御し、取得した衛星信号に含まれる時刻情報に基づいて内部時刻情報の時刻を修正する。
制御部30は、ROM261に記憶されたプログラムにより各種制御を行う。このため、制御部30は、図4に示すように、屋外判定部31、定刻設定部32、定刻判定部33、電池電圧検出部34、レベル検出部35、受信制御部36、及び時刻修正部37、表示制御部38等を備える。
【0040】
屋外判定部31は、ソーラーパネル24で受光された光量が所定光量以上であるか否かを判断し、光量が所定光量以上である場合に、腕時計1が屋外に位置していると判定する。
【0041】
定刻設定部32は、定時自動受信処理を実施するための設定時刻を設定する。本実施形態では、定刻設定部32は、光量受信日時記憶部265に記憶された時刻、つまり、光量検出自動受信処理が成功した場合の、当該受信処理が実施された時刻を設定時刻に設定する。そして、定刻設定部32は、設定した時刻を設定時刻記憶部263に記憶する。
【0042】
定刻判定部33は、腕時計1によって計時される内部時刻情報が、設定時刻記憶部263に記憶される設定時刻になったか否かを判定する。
電池電圧検出部34は、電池23の電圧値を検出する。
レベル検出部35は、GPS装置25により衛星信号を受信している間、受信中の衛星信号の信号レベルを検出する。
【0043】
受信制御部36は、GPS装置25を制御して光量検出自動受信処理を実施する光量検出受信制御部361と、GPS装置25を制御して定時自動受信処理を実施する定時受信制御部362とを備える。
光量検出受信制御部361は、屋外判定部31により、腕時計1が屋外に位置していると判定された場合に、光量検出自動受信処理を実施する。
この光量検出自動受信処理では、まず、光量検出受信制御部361は、GPS装置25を制御して、GPS衛星10の捕捉処理(第一捕捉処理)を実施させる。そして、光量検出受信制御部361は、この第一捕捉処理でGPS衛星10の捕捉が成功した場合、GPS装置25を制御して、捕捉したGPS衛星10からの衛星信号を受信する受信処理(第一受信処理)を実施させる。
なお、光量検出受信制御部361による光量検出自動受信処理についての詳細な説明は後述する。
【0044】
定時受信制御部362は、定刻判定部33により、内部時刻情報が設定時刻記憶部263に記憶される設定時刻になったと判定された場合に、定時自動受信処理を実施する。
この定時自動受信処理では、定時受信制御部362は、まず、GPS装置25を制御して、GPS衛星10の捕捉処理(第二捕捉処理)を実施させる。そして、定時受信制御部362は、この第二捕捉処理でGPS衛星10の捕捉が成功した場合、GPS装置25を制御して、捕捉したGPS衛星10からの衛星信号を受信する受信処理(第二受信処理)を実施させる。
なお、定時受信制御部362による定時自動受信処理についての詳細な説明は後述する。
【0045】
そして、受信制御部36は、光量検出受信制御部361のみを動作させる第一受信モードと、光量検出受信制御部361および定時受信制御部362の両方を動作させる第二受信モードとを選択して制御する。
【0046】
時刻修正部37は、GPS装置25により取得され、時刻情報記憶部266に記憶された時刻情報に基づいて内部時刻情報を修正する。
表示制御部38は、内部時刻情報の時刻に基づいて、表示駆動部221を駆動させ、時刻表示部222にて時刻を表示させる。
【0047】
[腕時計における自動受信処理]
次に、受信制御部により実施される自動受信処理について、図5、図6、図7のフローチャートを参照して説明する。
図5は、制御部30により実行される自動受信処理を示すフローチャートである。
受信制御部36は、自動受信処理を開始すると、最初に第一受信モードで制御する。このため、光量検出受信制御部361のみを動作させる。
光量検出受信制御部361は、屋外判定部31を用いて、ソーラーパネル24で受光された光量が所定光量以上であるか否かを判断する(S1)。
光量検出受信制御部361は、S1において「Yes」と判断した場合、つまり、ソーラーパネル24で受光した光量が所定光量以上である場合、腕時計1が屋外に位置していると判定する。
この場合、光量検出受信制御部361は、光量検出自動受信処理を実施する(S2)。
【0048】
[光量検出自動受信処理]
図6は、光量検出自動受信処理を示すフローチャートである。
このS2の光量検出自動受信処理では、図6に示すように、光量検出受信制御部361は、GPS装置25を制御して、GPS衛星10を捕捉する第一捕捉処理を実施する(S21)。
そして、光量検出受信制御部361は、S21において、予め設定された第一捕捉時間以内に、GPS衛星10を捕捉できたか否かを判断する(S22)。
ここで、第一捕捉時間は、光量検出による受信実験で、SNR(Signal to Noise ratio)が30以上の衛星信号を送信するGPS衛星10を少なくとも1つ以上捕捉可能である確率が十分に高くなる時間が設定されている。本実施形態では、前記受信実験において、SNR30以上のGPS衛星10を1つ以上捕捉できた確率が95%以上であった8秒に設定している。このような第一捕捉時間を設定することにより、捕捉不可能なGPS衛星10に対して捕捉処理を長時間継続することを防止でき、無駄な電力消費を抑えることができる。
【0049】
そして、S22において「No」と判断された場合、受信制御部36は、光量検出受信制御部361による受信処理に失敗したと判断して次の自動受信処理の開始タイミングを設定する(S23)。具体的には、受信制御部36は、電池電圧検出部34により検出される電池23の電圧値に基づいて、電圧値が3.9V以上である場合、次の自動受信処理の開始タイミングを例えば翌日のAM0:00:00に設定する。また、受信制御部36は、電池23の電圧値が3.9V未満である場合は、次の自動受信処理の開始タイミングを例えば3日後のAM0:00:00に設定し、2日間の受信休止期間を設定する。
【0050】
一方、光量検出受信制御部361は、S22において、「Yes」と判断した場合、捕捉したGPS衛星10から送信される衛星信号を受信する第一受信処理を実施し(S24)、さらに、衛星信号の受信が成功した否かを判断する(S25)。なお、光量検出受信制御部361は、第一受信処理において、予め設定された所定の時間(例えば30秒から1分)の間に、衛星信号を受信できた場合に、受信成功と判断する。また、前記所定の時間の間に衛星信号を受信できなかった場合、及び、レベル検出部35により検出される衛星信号の信号レベルが予め設定されたレベル閾値未満となった場合に、受信失敗と判断する。
【0051】
そして、光量検出受信制御部361は、このS25において、成功と判断した場合は、受信した衛星信号に含まれる時刻情報等を時刻情報記憶部266に記憶する。
この後、時刻修正部37は、時刻情報記憶部266に記憶された時刻情報に基づいて、内部時刻情報を修正する(S26)。また、このS26において、光量検出受信制御部361は、第一受信処理が成功した日時を光量受信日時記憶部265に記憶する。また、定刻設定部32は、第一受信処理が成功した時刻を、設定時刻記憶部263に記憶する。
【0052】
また、光量検出受信制御部361は、S25において「No」と判断した場合、及びS26の時刻修正の後、S23の処理を実施し、次の自動受信処理の開始タイミングを設定する。
以上のS2の光量検出自動受信処理が実施された後、図5に示すように、自動受信処理を終了させる。そして、内部時刻情報がS23により設定された自動受信処理の開始タイミングとなった場合、再び自動受信処理のS1が実施される。
【0053】
図5に戻り、S1において、屋外判定部31により「No」と判断された場合、受信制御部36は、内部時刻情報に基づいて、1日が経過したか否かを判断する(S3)。
このS3において、「No」と判断した場合、受信制御部36は、S1に戻り、屋外判定部31による光量判定を継続させる。
一方、S3において「Yes」と判断された場合、つまり、第1日目において、光量検出自動受信処理が実施されなかったと判断された場合、受信制御部36は、まず、内部時刻情報で示される現在の日時が、最後に光量検出自動受信処理が実施された日時から所定の有効期間以内であるか否かを判断する(S4)。
このS4では、受信制御部36は、光量受信日時記憶部265に記憶された日時を参照し、現在の日時が光量受信日時記憶部265に記憶された日時から有効期間以内であるか否かを判断する。
【0054】
このS4において、「No」と判断された場合、S1に戻る。つまり、S4において、「No」と判断された場合、腕時計1が長期間の間、屋内に放置された状態であるとして、受信制御部36は、第一受信モードでの制御を継続し、光量検出受信制御部361のみを動作させる。
一方、受信制御部36は、S4において、「Yes」と判断すると、後述する定時自動受信処理時の捕捉失敗回数(日数)が規定回数(日数)以上であるかを判断する(S5)。本実施形態では、規定回数は3(3日)に設定されている。
【0055】
そして、S5において「Yes」と判断した場合、受信制御部36は、捕捉結果記憶部264に記憶される捕捉失敗回数を「0」に戻し(S6)、S1に戻る。つまり、S5において「Yes」と判断された場合、設定時刻において腕時計1が屋外に位置している可能性が低いとして、受信制御部36は、第一受信モードでの制御を実施し、光量検出受信制御部361のみを動作させる。
一方、S5において「No」と判断した場合、受信制御部36は、第二受信モードでの制御を実施し、光量検出受信制御部361および定時受信制御部362を並行して動作させる。
【0056】
この第二受信モードでは、光量検出受信制御部361は、屋外判定部31を用いて、ソーラーパネル24で受光された光量が所定光量以上であるか否かを判断する(S7)。そして、光量検出受信制御部361は、S7において「Yes」と判断した場合、S2の光量検出自動受信処理を実施する。
また、S7において「No」と判断された場合、定時受信制御部362は、定刻判定部33を用いて、内部時刻情報で示される時刻が、設定時刻記憶部263に記憶される設定時刻になったか否かを判定する(S8)。
そして、S8において、定刻判定部33により「No」と判定された場合は、S7に戻る。
一方、定時受信制御部362は、S8において「Yes」と判断した場合、つまり、内部時刻情報の時刻が、設定時刻になった場合、定時自動受信処理を実施する(S9)。
【0057】
[定時自動受信処理]
図7は、定時自動受信処理を示すフローチャートである。
このS9の定時自動受信処理では、図7に示すように、定時受信制御部362は、GPS装置25を制御して、GPS衛星10を捕捉する第二捕捉処理を実施する(S31)。
そして、定時受信制御部362は、S31において、予め設定された第二捕捉時間以内に、GPS衛星10を捕捉できたか否かを判断する(S32)。
ここで、第二捕捉時間は、受信実験でSNR(Signal to Noise ratio)が30以上の衛星信号を送信するGPS衛星10を少なくとも1つ以上捕捉可能である確率が例えば80%程度である時間が設定され、本実施形態では、5秒に設定されている。つまり、第二捕捉時間は、第一捕捉時間よりも短い時間に設定されている。このような第二捕捉時間を設定することで、光量検出受信制御部361による捕捉処理よりもさらに電力消費を抑えることができる。
【0058】
そして、S32において「No」と判断された場合、受信制御部36は、捕捉結果記憶部264に記憶される捕捉失敗回数に「1」を加算する(S33)。この後、受信制御部36は、図5のS5の処理に戻る。
一方、定時受信制御部362は、S32において「Yes」と判断した場合、捕捉したGPS衛星10から送信される衛星信号を受信する第二受信処理を実施し(S34)、さらに、衛星信号の受信が成功した否かを判断する(S35)。なお、定時受信制御部362は、第二受信処理において、予め設定された所定の時間(例えば30秒から1分)の間に、衛星信号を受信できた場合に、受信成功と判断する。また、前記所定の時間の間に衛星信号を受信できなかった場合、及び、レベル検出部35により検出される衛星信号の信号レベルが予め設定されたレベル閾値未満となった場合に、受信失敗と判断する。
【0059】
そして、このS35において「No」と判断された場合、受信制御部36は、定時受信制御部362による受信処理が失敗したと判断して、次の自動受信処理の開始タイミングを設定する(S36)。具体的には、受信制御部36は、電池電圧検出部34により検出される電池23の電圧値に基づいて、電圧値が3.9V以上である場合、次の自動受信処理の開始タイミングを例えば翌日のAM0:00:00に設定する。また、受信制御部36は、電池23の電圧値が3.9V未満である場合は、次の自動受信処理の開始タイミングを例えば3日後のAM0:00:00に設定し、2日間の受信休止期間を設定する。
【0060】
一方、定時受信制御部362は、S35において「Yes」と判断した場合は、受信した衛星信号に含まれる時刻情報を時刻情報記憶部266に記憶する。
この後、時刻修正部37は、時刻情報記憶部266に記憶された時刻情報に基づいて、内部時刻情報を修正する(S37)。そして、このS37の後、受信制御部36は、S36の処理を実施し、次の自動受信処理の開始タイミングを設定する。
以上のS9の定時自動受信処理が実施された後、また、S7により「Yes」と判断されて実施されたS2の光量検出自動処理が実施された後、受信制御部36は、図5に示すように、捕捉結果記憶部264に記憶される捕捉失敗回数を「0」に戻し(S10)、自動受信処理を終了させる。そして、内部時刻情報がS35により設定された自動受信処理の開始タイミングとなった場合、再び受信制御部36は、自動受信処理を実施し、S1の処理が実施される。
【0061】
[実施形態の作用効果]
本実施形態の腕時計1は、ソーラーパネル24により受光される光の光量に基づいてGPS装置25に光量検出自動受信処理を実施させる光量検出受信制御部361と、設定時刻になった際にGPS装置25に定時自動受信処理を実施させる定時受信制御部362と、を有する受信制御部36を備えている。
そして、光量検出受信制御部361は、第一捕捉処理において、第一捕捉時間以内にGPS衛星10が捕捉できない場合に、受信処理を停止させ、定時受信制御部362は、第二捕捉処理において、第一捕捉時間よりも短い第二捕捉時間以内にGPS衛星10が捕捉できない場合に、第二捕捉処理を停止させる。
このような構成では、例えば、冬季等において衣服により光量が検出されない場合においても、定時受信制御部362による定時自動受信処理が実施されることとなる。したがって、衛星信号の受信頻度が高くなり、受信した衛星信号に基づいた時刻修正の頻度の高くなるので、時刻表示部222に表示される時刻の精度低下を抑制できる。
一方、定時受信制御部362による定時自動受信処理では、屋外であるか否かが判定されないため、受信環境が悪い状態で定時自動受信処理が実施される可能性もある。これに対して、本実施形態では、定時受信制御部362は、第一捕捉時間よりも短い第二捕捉時間で第二捕捉処理をタイムアウトさせる。このため、定時自動受信処理において、GPS衛星10を捕捉できない場合は、早期に第二捕捉処理を停止させ、消費電力を低減できる。
以上により、本実施形態の腕時計1では、衛星信号の受信頻度の向上による内部時刻情報の時刻の精度を高めつつ、省電力化を図ることができる。
【0062】
本実施形態では、受信制御部36は、光量検出受信制御部361のみを動作させる第一受信モードと、光量検出受信制御部361および定時受信制御部362を並行して動作させる第二受信モードを設定することができる。そして、受信制御部36は、自動受信処理において、最初に第一受信モードでの制御を実施する。この第一受信モードでは、所定光量が検出された場合のみ、つまり、屋外であると判定された場合に受信処理が実施されるので、受信処理の成功率を向上させることができる。この場合、屋内での受信処理等、無駄な受信処理が実施されないため、消費電力を抑えることができる。
一方、受信制御部36は、第一日目において、第一受信モードで受信処理が実施されなかった場合に、第二受信モードに切り替える。このため、所定光量が検出されない場合でも、第二日目において、設定時刻に基づいた定時自動受信処理が実施されることで、受信頻度を向上させることができる。
【0063】
本実施形態では、受信制御部36は、第二受信モードでの制御において、定時自動受信処理が実施され、第二捕捉処理において、捕捉失敗であった場合、第二受信モードでの制御を継続して実施する。
定時受信制御部362は、第一捕捉時間よりも短い第二捕捉時間で第二捕捉処理をタイムアウトさせる。したがって、第二捕捉処理における電力消費量は、第一捕捉処理に比べて少なく、第二受信モードを継続することができる。また、第二受信モードの制御を継続することで、衛星信号の受信頻度を高めることができるため、時刻表示部222により表示される時刻の精度を高めることができる。
【0064】
本実施形態では、受信制御部36は、捕捉結果記憶部264に記憶される捕捉失敗回数が規定回数以上となった場合に、第一受信モードでの制御に切り替える。
設定時刻において実施される定時自動受信処理の第二捕捉処理において、捕捉失敗が連続する場合、設定時刻において電子時計が屋外に位置していないことが多いと考えられる。このような場合、引き続き、設定時刻における定時自動受信処理を実施した場合、同様に第二捕捉処理が失敗する可能性が高く、消費電力が増大する。
これに対して、上記のように、連続して第二捕捉処理が失敗した回数が規定回数以上となった場合、第一受信モードに切り替えられることで、無駄な受信処理の回数を減らすことができ、より消費電力を抑えることができる。
【0065】
本実施形態では、受信制御部36は、光量検出自動受信処理が実施された場合、及び定時自動受信処理において第二受信処理が実施された場合に、次の自動受信処理の開始タイミングを設定する。この時、受信制御部36は、電池電圧検出部34に検出される電池23の電圧値に基づいて、電圧値が3.9V以上である場合、次の自動受信処理の開始タイミングを翌日のAM0:00:00に設定し、電圧値が3.9V未満である場合、次の自動受信処理の開始タイミングを3日後のAM0:00:00に設定して、2日間の休止期間を設定する。
このような構成では、第二捕捉処理を除いた受信処理(光量検出自動受信処理や定時自動受信処理の第二受信処理)では、電力消費量が大きいため、電池23の電圧値が低い場合に受信処理が実施されると、システムダウンが起こる可能性もある。これに対して、本実施形態では、休止期間を設定することで、休止期間中の電力消費を抑えることができる。また、その間の電池23が充電されることで、電池電圧を高めることができる。
【0066】
本実施形態では、定刻設定部32は、光量検出自動受信処理が成功した場合に、その受信処理が実施された時刻を設定時刻に設定し、設定時刻記憶部263に記憶する。
一般に、利用者の生活リズムにおいて、出勤時間や昼休み等の屋外に出る時間は決まっている。このため、上述のように、光量検出自動受信処理が成功した場合の時刻を設定時刻とすることで、利用者の生活リズムにおいて屋外に出る時刻を設定時刻として設定することができる。したがって、このような設定時刻に基づいて、定時自動受信処理を実施することで、屋外で定時自動受信処理が実施される可能性が高くなり、衛星信号を受信できる確率も向上させることができる。
【0067】
本実施形態では、定時受信制御部362は、光量受信日時記憶部265に記憶された光量自動受信処理が最後に実施された日時を参照し、内部時刻情報の日時が、この光量受信日時記憶部に記憶された日時から有効時間以上経過した日時である場合、第一動作モードに切り替える。
一般に、所定光量以上の光量が検出されることで実施される光量検出自動受信処理が、有効期間以上実施されていない場合、腕時計1が長期間屋内に放置されていることが考えられる。これに対して、本実施形態では、定時受信制御部362は、内部時刻情報の日時が、光量受信日時記憶部265に記憶される日時から有効期間以上経過していると判断した場合、定時自動受信処理を実施しない。このため、受信環境が悪い屋内での定時自動受信処理が実施されず、当該処理による電力消費をなくすことができ、さらなる省電力化を図ることができる。
【0068】
本実施形態では、光量検出受信制御部361は、第一受信処理において、レベル検出部35により検出される衛星信号の信号レベルを監視し、当該信号レベルが、予め設定されたレベル閾値未満となる場合、第一受信処理を停止させる。同様に、定時受信制御部362は、第二受信処理において、レベル検出部35により検出される衛星信号の信号レベルを監視し、当該信号レベルが、予め設定されたレベル閾値未満となる場合、第二受信処理を停止させる。
第一受信処理又は第二受信処理中に、腕時計1を装着した利用者が、例えば屋内やトンネル等、衛星信号の受信環境が悪い場所に移動した場合、受信処理が継続されると、消費電力が増大してしまう。これに対して、本実施形態では、上述のように、第一受信処理又は第二受信処理中に、衛星信号の信号レベルがレベル閾値未満となった場合に、受信処理を停止させるため、消費電力の増大を抑えることができる。
【0069】
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態について、図面に基づいて説明する。
上記第一実施形態では、定時受信制御部362は、第二捕捉処理において、固定値である第二捕捉時間により、タイムアウトを実施した。これに対して、第二実施形態では、第二捕捉時間を電池23の電圧値に応じて変化させる点で、上記第一実施形態と相違する。
なお、第二実施形態の腕時計は、図1から図4に示すような第一実施形態の腕時計1と同様の構成を有する。したがって、定時受信制御部362以外の各構成についての詳細な説明を省略する。
【0070】
第二実施形態の定時受信制御部362は、定時自動受信処理の第二捕捉処理において、電池電圧検出部34により検出される電池23の電圧値に応じて、当該第二捕捉処理におけるタイムアウトまでの時間(第二捕捉時間)を変更する。
具体的には、定時受信制御部362は、電池23の電圧値が3.9V以上である場合、上記第一実施形態と同様、第二捕捉時間として例えば5秒を設定する。一方、定時受信制御部362は、電池23の電圧値が3.9V未満である場合、タイムアウトまでの第二捕捉時間として、電池23の電圧値が3.9V以上の場合に比べて短い時間(例えば4秒)に設定する。
なお、本実施形態では、電池23の電圧値に応じて、5秒または4秒のいずれかに設定する例を示すが、これに限定されない。例えば、定時受信制御部362は、電池23の電圧値が3.9V未満である場合、電圧値に応じてより細かく変化させる構成としてもよい。
【0071】
次に、このような定時受信制御部362の制御により実施される定時自動受信処理について、図8に基づいて説明する。
図8は、第二実施形態における定時自動受信処理を示すフローチャートである。なお、図8において、図7と同様の処理については同符号を付し、その説明を省略する。
【0072】
第二実施形態における定時自動受信処理では、図8に示すように、S31の第二捕捉処理が実施されると、定時受信制御部362は、電池電圧検出部34により検出される電池23の電圧値を参照し、電圧値が3.9V以上であるか否かを判定する(S38)。
定時受信制御部362は、S38において、「Yes」と判定した場合は、第二捕捉時間を5秒に設定し(S39)、「No」と判定した場合は、第二捕捉時間を4秒に設定する(S40)。
次に、定時受信制御部362は、第一実施形態と同様にS32の処理を実施する。この際、定時受信制御部362は、S39,S40で設定された第二捕捉時間以内にGPS衛星10が捕捉されたか否かを判断する。
【0073】
そして、定時受信制御部362は、S32で「Yes」と判断した場合、S33の第二受信処理を実施する。一方、定時受信制御部362は、S32で「No」と判断した場合、捕捉失敗回数に1を加算し(S33)、図5の処理に戻る。つまり、その日の設定時刻における定時自動受信処理は失敗したと判断し、第一実施形態と同様に、捕捉失敗回数が規定回数未満であれば、腕時計1は、光量検出受信制御部361および定時受信制御部362の両方を動作させる第二受信モードでの制御を継続する。
【0074】
[第二実施形態の作用効果]
第二実施形態では、定時受信制御部362は、電池電圧検出部34により検出される電池23の電圧値を監視し、当該電圧値が3.9V以上である場合、第二捕捉時間を5秒として、第二捕捉処理を実施する。一方、定時受信制御部362は、電圧値が3.9V未満である場合、第二捕捉時間をより短い時間である4秒として、第二捕捉処理を実施する。
腕時計1の各構成のうちでも、GPS装置25の消費電力は大きく、電池23の電力残量が少ない状態で、GPS装置25の第二捕捉処理を長時間実施すると、システムダウンに陥り、時刻表示部222により時刻を表示させることができなくなる可能性がある。これに対して、本実施形態では、電池23の電圧値に応じて、第二捕捉処理におけるタイムアウトまでの第二捕捉時間を設定し、電池電圧が低下した場合には第二捕捉時間を短くしているので、消費電力の低減でき、システムダウン等の不都合を抑制することができる。
【0075】
〔変形例〕
なお、本発明は前記各実施形態に限定されない。
例えば、定時受信制御部362は、設定時刻の前後に位置情報衛星の捕捉処理を別途行ってもよい。
すなわち、定時受信制御部362は、設定時刻に加え、設定時刻の所定時間前(例えば10分前)、または、設定時刻の所定時間後(例えば10分後)において、位置情報衛星の捕捉処理を行う。この場合の位置情報衛星の捕捉時間は、設定時刻での定時自動受信処理時の第二捕捉時間(例えば5秒)よりも短い第三捕捉時間(例えば4秒)に設定すればよい。
【0076】
そして、定時受信制御部362は、設定時刻の所定時間前に位置情報衛星を捕捉した場合には、そのまま衛星信号の受信処理を行う。この場合、その後の設定時刻や設定時刻の所定時間後の受信処理は実施しない。また、設定時刻での定時自動受信処理で衛星信号を受信した場合には、設定時刻の所定時間後の受信処理も実施しない。従って、設定時刻後に位置情報衛星の捕捉処理が行われるのは、設定時刻の所定時間前および設定時刻で位置情報衛星を捕捉できなかった場合である。
【0077】
この変形例によれば、例えば利用者の生活リズムに僅かに違いが生じ、設定時刻において電子時計が屋外に位置していない場合であっても、その前後に短時間(第三捕捉時間)の位置情報衛星の捕捉処理を行っているので、衛星信号を受信できる可能性を高めることができる。また、設定時刻の前後での捕捉処理のタイムアウト時間である第三捕捉時間を、第二捕捉時間よりも短い時間に設定しているので、消費電力を抑制できる。
【0078】
前記実施形態では、第一受信処理及び第二受信処理において、レベル検出部35により検出される衛星信号の信号レベルが、所定のレベル閾値未満となった場合に、受信処理を停止させる例を示したが、これに限定されない。例えば、信号レベルが所定のレベル閾値未満になっても、第一受信処理及び第二受信処理を継続してもよい。この場合、例えば腕時計1を装着した利用者が一時的にトンネル内やビルの間に入った場合など、時間経過によって受信環境が良好となる場合に、第一受信処理及び第二受信処理を継続して実施することができる。
また、信号レベルがレベル閾値未満となった時間を計測し、当該時間が、所定時間以上となった場合に、受信処理を停止させる処理を実施してもよい。
【0079】
また、上記実施形態では、光量受信日時記憶部265に記憶された日時から有効期間が経過している場合、定時受信制御部362の制御による定時自動受信処理を実施しないとしたが、これに限らない。例えば、有効期間を設定せずに、継続して定時自動受信処理を実施してもよい。つまり、腕時計1が屋内で放置されて光量検出自動受信処理が実施されない場合でも、場所によってはGPS衛星10を捕捉し、衛星信号を受信できる場合がある。このような場合では、定時受信制御部362による定時自動受信処理を実施することで、内部時刻情報を精度の高い時刻に維持することができる。したがって、次に利用者が腕時計1を使用する際に、改めて時刻修正を実施することなく、腕時計1の利便性を高めることができる。
一方、光量受信日時記憶部265に記憶された日時から有効期間が経過している場合、さらに光量検出受信制御部361の制御により実施される光量検出自動受信処理をも停止させる処理をしてもよく、この場合、更に消費電力の増大を抑制することができる。
【0080】
また、定刻設定部32は、光量検出自動受信処理が成功した時刻を、設定時刻として設定したが、例えば利用者により手動で入力される時刻を設定時刻として設定してもよい。
【0081】
上記実施形態では、定時自動受信処理時の第二捕捉処理が連続して失敗した回数(日数)が規定回数(規定日数)以上となった場合に、定時受信制御部362を停止して定時自動受信処理を実施せず、光量検出受信制御部361による光量検出自動受信処理のみが実施される例を示したが、これに限定されない。例えば、第二捕捉処理が連続して失敗した回数(日数)が規定回数以上となった場合も、定時自動受信処理が実施される構成としてもよい。
【0082】
また、受信制御部36は、第一受信モードにおいて受信処理が実施されなかった場合に、第二受信モードに切り替えたが、例えば、自動受信処理を第二受信モードのみで制御してもよい。
この場合であっても、定時自動受信処理の第二捕捉処理が、第一捕捉時間よりも短い第二捕捉時間でタイムアウトされることで、消費電力を抑えることができる。
【0083】
上記実施形態では、光量検出部として発電機能を有するソーラーパネル24を例示したが、例えば発電機能を有さない光センサー等を備える構成としてもよい。
【0084】
また、上述の実施形態は、位置情報衛星の例としてGPS衛星について説明したが、本発明の位置情報衛星としては、GPS衛星だけではなく、ガリレオ(EU)、GLONASS(ロシア)、北斗(中国)などの他の全地球的航法衛星システム(GNSS)や、SBASなどの静止衛星や準天頂衛星などの時刻情報を含む衛星信号を発信する位置情報衛星でもよい。
【0085】
本発明の電子時計は、指針を有するアナログ時計に限らず、指針およびディスプレイを有するコンビネーション時計や、ディスプレイのみを有するデジタル時計に適用してもよい。さらに、本発明は、腕時計に限らず、懐中時計などの各種携帯型の時計や、本発明の電子時計を備えた携帯電話機、デジタルカメラ、PND(パーソナル・ナビゲーション・デバイス)、カーナビなどの各種携帯型情報端末等の電子機器に適用してもよい。
【符号の説明】
【0086】
1…腕時計(電子時計)、2…時刻表示部を構成する文字板、3…時刻表示部を構成する指針、10…GPS衛星(位置情報衛星)、22…表示装置、23…電池、24…ソーラーパネル(光量検出部)、25…GPS装置(受信部)、26…記憶装置、30…制御部、31…屋外判定部、32…定刻設定部、33…定刻判定部、34…電池電圧検出部、35…レベル検出部、36…受信制御部、37…時刻修正部、38…表示制御部、222…時刻表示部、262…RAM、263…設定時刻記憶部、264…捕捉結果記憶部、265…光量受信日時記憶部、361…光量検出受信制御部、362…定時受信制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置情報衛星を捕捉し、捕捉した前記位置情報衛星からの衛星信号を受信する受信部と、
前記受信部が受信した衛星信号に基づいて内部時刻情報を修正する時刻修正部と、
前記内部時刻情報を表示する時刻表示部と、
光量を検出する光量検出部と、
前記受信部を制御する受信制御部と、を具備し、
前記受信制御部は、
前記光量検出部により検出された光量が所定光量以上である場合に、前記受信部を制御して前記衛星信号の受信処理を行う光量検出受信制御部と、
前記内部時刻情報が予め設定された設定時刻になった場合に、前記受信部を制御して前記衛星信号の受信処理を行う定時受信制御部と、を備え、
前記光量検出受信制御部は、前記受信部を制御して受信処理を開始した際に、第一捕捉時間以内に前記位置情報衛星が捕捉できない場合、前記受信処理を停止し、
前記定時受信制御部は、前記受信部を制御して受信処理を開始した際に、前記第一捕捉時間よりも短い第二捕捉時間以内に前記位置情報衛星が捕捉できない場合、前記受信処理を停止する
ことを特徴とする電子時計。
【請求項2】
請求項1に記載の電子時計において、
前記受信制御部は、
前記光量検出受信制御部を動作させ、前記定時受信制御部を停止させる第一受信モードと、
前記光量検出受信制御部および定時受信制御部を動作させる第二受信モードとを選択可能に構成され、
前記第一受信モードでの制御を開始後、所定期間以内に、受信処理が開始されなかった場合は、前記第二受信モードでの制御に切り替え、
前記第二受信モードでの制御を開始後、前記光量検出受信制御部による受信処理が開始された場合、定時受信制御部を停止する
ことを特徴とする電子時計。
【請求項3】
請求項2に記載の電子時計において、
前記受信制御部は、
前記第二受信モードでの制御を開始後、前記定時受信制御部による受信処理が開始され、前記第二捕捉時間以内に前記位置情報衛星を捕捉できないために受信処理を停止した場合は、第二受信モードでの制御を継続する
ことを特徴とする電子時計。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の電子時計において、
前記受信制御部は、
前記第二捕捉時間以内に前記位置情報衛星を捕捉できないために受信処理を停止した処理が連続して所定の規定回数以上になった場合は、
前記第一受信モードでの制御に切り替える
ことを特徴とする電子時計。
【請求項5】
請求項2から請求項4のいずれかに記載の電子時計において、
当該電子時計を駆動させる電力を供給する電池と、
前記電池の電圧値を検出する電圧検出部と、を備え、
前記受信制御部は、
前記第一受信モードでの制御時に、前記光量検出受信制御部による受信処理が行われた場合と、
前記第二受信モードでの制御時に、前記光量検出受信制御部による受信処理が行われた場合と、
前記第二受信モードでの制御時に、前記定時受信制御部による受信処理が開始されて前記第二捕捉時間以内に前記位置情報衛星を捕捉できた場合に、
前記電圧検出部で電池の電圧値を検出し、検出された電圧値が所定の閾値未満の場合は、設定された休止期間の間、受信制御を休止し、検出された電圧値が所定の閾値以上の場合は、受信制御を休止せずに第一受信モードでの制御を行う
ことを特徴とする電子時計。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれかに記載の電子時計において、
当該電子時計を駆動させる電力を供給する電池と、
前記電池の電圧値を検出する電圧検出部と、を備え、
前記定時受信制御部は、前記電圧検出部により検出された前記電圧値に応じて前記第二捕捉時間を設定する
ことを特徴とする電子時計。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれかに記載の電子時計において、
前記設定時刻を設定する定刻設定部を備え、
前記定刻設定部は、前記光量検出受信制御部による受信処理が成功した時刻を前記設定時刻に設定する
ことを特徴とする電子時計。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれかに記載の電子時計において、
前記定時受信制御部は、前記設定時刻の所定時間前および所定時間後のうち、少なくともいずれか一方で、前記受信部を制御して前記位置情報衛星の捕捉処理を行い、当該捕捉処理において、
前記第二捕捉時間よりも短い第三捕捉時間以内に前記位置情報衛星が捕捉できない場合、当該捕捉処理を停止し、
前記位置情報衛星を捕捉できた場合、捕捉した前記位置情報衛星からの衛星信号の受信処理を行う
ことを特徴とする電子時計。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれかに記載の電子時計において、
前記光量検出受信制御部による前記受信処理が行われた日時を記憶する光量受信日時記憶部を備え、
前記受信制御部は、前記内部時刻情報の日時が、前記光量受信日時記憶部の日時から予め設定された有効時間以上経過した日時である場合、前記定時受信制御部を停止する
ことを特徴とする電子時計。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれかに記載の電子時計において、
前記受信部で受信される衛星信号の信号レベルを検出するレベル検出部を備え、
前記光量検出受信制御部及び前記定時受信制御部は、前記受信処理中に、前記レベル検出部により検出される信号レベルが所定レベル閾値未満となった場合、前記受信処理を停止する
ことを特徴とする電子時計。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−50380(P2013−50380A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−188467(P2011−188467)
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】