説明

電子書籍表示装置

【課題】電子書籍を閲覧するため、ページの一時的な戻り、進み動作を行う際に、これまでのような画面のボタンの押下や、操作部を使用したしおりの作成、戻り操作ではなく、しおり付けと、一時的な戻り動作を、実際の本をめくるように簡単かつ迅速に行うことのできる電子書籍表示装置を提供することを目的とする。
【解決手段】タッチパネル102において、右手の指111をスライドさせる前、つまり111aの位置にあるときに、左手の指112で「らりるれろ」の表示位置122a近傍の112aの位置を押さえると、111aと112aの位置を検知点として検知し、さらに2点検知であることを判定することにより、112aがしおり位置として設定され、押さえている間はしおり位置が維持される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子化された書籍を表示するための電子書籍表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子書籍等を閲覧するための電子書籍表示装置は、略薄箱状に形成された筐体に、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示部が設けられているとともに、表示部に隣接して操作部が設けられていることが多い。
【0003】
電子書籍の情報は、筐体に内蔵された記憶部(RAM、HDD等)に格納されて読み取られるか、あるいは汎用の記憶媒体(メモリカード等)に格納され、筐体に設けられた挿入部に記憶媒体を挿入、電気的に接続することにより読み取られる。
【0004】
この電子書籍表示装置は、例えば電子書籍の1ページ分あるいは見開き2ページ分の情報が表示部にイメージとして表示され、使用者が表示画面上や表示画面の近傍の操作部を操作することにより、電子書籍のページ送りあるいはページ戻りが順次行われる。
【0005】
また、従来の電子書籍のコンテンツを表示する装置やソフトウェアの中には、しおりを設定したページの先頭の所定の文字数の範囲内の文字列を一覧にして表示できるものがある。ユーザは、表示画面上や表示画面の近傍の操作部のボタンを操作し、その一覧の中から所望のしおりを選択することにより、選択したしおりが設定されているページが表示され、そこから電子書籍のコンテンツを読み始めることができる。
【0006】
図7は特許文献1に開示された電子表示装置を示す斜視図である。
【0007】
電子表示装置10は、筐体11と、筐体11の表面11Aに設けられた略長方形で縦長使いの表示部12と、筐体11の把持部13に設けられた操作部14と、表示部12に表示させる情報を格納する記憶部15と、表示部12に情報を表示させる制御部16とを備え、操作部14が操作されることにより制御部16が表示部12の表示を切り換えるように構成されている。
【0008】
操作部14は、表示部12の天地方向(長手方向)に対して平行な方向に沿う第1摺接面21を備え、第1摺接面21に隣接する第2〜第4の摺接面22〜24を一定間隔をおいて上(天)から下(地)に向けて順に備える。
【0009】
以上のように構成された電子表示装置に電子書籍を表示させる場合、電子表示装置10の電源をオンにして、表示部12にメニューを表示させ、操作部14の第1摺接面21を操作して、メニューのなかから「書籍」を選択し、第3摺接面23を操作して「書籍」を決定する。
【0010】
電子表示装置10にメモリーカードを挿入した後、第3摺接面23を操作して「書籍」の情報を決定すると、表示部12に複数の「作品名」が表示され、第1摺接面21を操作して所望の「作品名」を選択し、第3摺接面23を操作して決定する。
【0011】
表示部12に、作品名が表示されるとともに、「読む」、「目次」、「書誌」および「しおり」が表示され、第1摺接面21を操作して、「読む」を選択すると、表示部12に作品の内容が表示される。
【0012】
ページをめくる際は、第2摺接面22を、表示部12の天地方向に対して直交する方向に沿わせ、指を右側から左側方向に摺接させることで、摺接方向に準じてページを右側から左側方向に送ることができる。また、指を左側から右側方向に摺接させることで、ページを左側から右側方向に送ることができる。
【0013】
これにより、あたかも紙の書籍をめくるような直感的な操作性が得られる。
【0014】
また、表示部12に表示される「しおり」を決定すると、表示部12にしおりとして、「しおり付け」および「一覧」が表示され、第1摺接面21を操作して、「しおり付け」および「一覧」のなかから、「しおり付け」を選択し、第3摺接面23を操作して「しおり付け」を決定することにより、表示部12にしおり付けの内容が表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開2007−18095号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
ところで、一般に紙の書籍の場合、一時的に現在読んでいる箇所以前や以後のページを確認する際に、手又はしおりを挟むことにより、以前、以後のページを確認し、確認後手又はしおりの場所に戻すという作業を多く利用する。
【0017】
従って、電子書籍を閲覧する電子書籍表示装置においても、感覚的にあたかも紙の書籍で行うように、以前のページ確認やしおり位置までページ戻りやページ送りを行える操作が望ましい。
【0018】
一般に電子書籍表示装置では、ボタンの押下などにより表示の切り替えを行うが、実際に自分が操作したという実感が乏しく感覚的に操作することが出来なかった。
【0019】
上述の特許文献1に記載された電子表示装置は、ページめくりなどについては、紙の書籍をめくるような直感的な操作性が得られるが、しおり付けは、第1摺接面21を操作して、「しおり付け」を選択し、第3摺接面23を操作して「しおり付け」を決定するようにするため、紙の書籍のような直感的な操作性にはならない。
【0020】
また、ここには記載されていないが、しおり付けした位置にページ戻りやページ送りを行うには、表示されたしおりの一覧から選択し、ボタン等で確定することにより、所望のしおり位置のページを表示するという操作が推測され、しおり位置までページ戻りやページ送りを迅速に行えないため、紙の書籍の場合のようなしおり感覚を得ることはできない。
【0021】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、電子書籍を閲覧するため、ページの一時的な戻り、進み動作を行う際に、これまでのような画面のボタンの押下や、操作部を使用したしおりの作成、戻り操作ではなく、しおり付けと、一時的な戻り動作を、実際の本をめくるように簡単かつ迅速に行うことのできる電子書籍表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、書籍コンテンツを表示する表示手段と、表示手段に重畳され、指などでタッチ入力するタッチ入力手段とを備え、タッチ入力手段は2点検知機能を有し、書籍コンテンツを表示する際、1点のみのタッチ入力でページめくり操作を行い、続けてタッチ入力した時、表示されているページにしおりが設定されることを特徴とする。
【0023】
さらにその状態を続けることにより、しおり位置が維持され、その間はいつでも迅速にしおり位置に戻すことができる。
【0024】
これにより、実際の本に行う感覚で、しおり付けおよびしおり位置までの戻りを、簡単、迅速に行うことができる。
【発明の効果】
【0025】
電子書籍の閲覧をするため、ページの一時的な戻り、進み動作をする際に、ボタンの押下や、操作部を使用することなく、しおり付けと、一時的な戻り動作を、実際の本をめくるように簡単かつ迅速に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施の形態の電子書籍表示装置の表示画面を模式的に示した図
【図2】同電子書籍表示装置の構成を示すブロック図
【図3】同電子書籍表示装置により実現される機能の構成の例を示す図
【図4】同電子書籍表示装置のしおり位置設定方法を説明するためのフローチャート
【図5】同電子書籍表示装置のしおり設定後の処理を説明するためのフローチャート
【図6】同電子書籍表示装置でしおり位置に戻す操作について説明する表示画面を模式的に示した図
【図7】従来の電子表示装置を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の電子書籍表示装置の実施の形態について図を用いて説明する。
【0028】
(実施の形態1)
図1は、本発明の一実施の形態の電子書籍表示装置の表示画面を模式的に示した図である。
【0029】
図1において、電子書籍表示装置100は、表示面に表示部101と、その前面にタッチパネル102が重畳されて設けられている。
【0030】
表示部101は、例えば、LCDなどにより構成され、電子書籍のコンテンツや各種の操作画面等を表示する。
【0031】
タッチパネル102は、表示部101上に重畳して使用し、電極は透明に形成され、指やペンを接触させて表示部101に表示される電子書籍のコンテンツや各種画面の操作を行う。
【0032】
図2は、電子書籍表示装置100の構成を示すブロック図である。電子書籍表示装置100は、表示部101、CPU(Central Processing Unit)201、画像処理部202、ROM(Read Only Memory)203、RAM(Random Access Memory)204、タッチパネル処理部205、入力部206、出力部207、通信部208、およびドライブ209から構成される。
【0033】
CPU201 、画像処理部202 、ROM203、およびRAM204は、バス211を介して相互に接続され、表示部101、入力部206、出力部207、通信部208、および、ドライブ209は、入出力インタフェース212を介して相互に接続される。バス211および入出力インタフェース212は、相互に接続される。
【0034】
CPU201は、入出力インタフェース212およびバス211を介して、ユーザが入力部206を用いて入力した処理の指示やデータの入力を受け、入力された処理の指示などに基づいて、ROM203に記憶されているプログラム、または、タッチパネル処理部205からRAM204にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
【0035】
画像処理部202は、例えば、DSP(Digital Signal Processor)などのプロセッサにより構成され、CPU201の制御の基に、表示部101に表示させる画像データを生成する。
【0036】
画像処理部202は、生成した画像データを、バス211および入出力インタフェース212を介して、表示部101に供給し、表示部101に画像データに基づく画像を表示させる。
【0037】
ROM203は、CPU201が使用するプログラムや演算用のパラメータのうちの基本的に固定のデータを格納する。
【0038】
RAM204は、CPU201の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータやデータを格納する。
【0039】
タッチパネル処理部205は、タッチパネル102への入力を検知し、検知データをCPU201に送信する。CPU201は、このデータを基に画像処理部202で画像処理を行い、表示部101に映像を出力する。
【0040】
入力部206は、図1のタッチパネル102や、マウス、キーボード、または、ポインティングデバイス(例えば、スタイラスペンなど)などにより構成され、ユーザが電子書籍表示装置100に各種の指令を入力するとき操作される。
【0041】
出力部207は、例えば、スピーカなどにより構成され、CPU201により処理される音声などを出力する。
【0042】
通信部208は、有線通信または無線通信により、インターネットに接続して、インターネットに接続されているサーバ等と通信を行う。
【0043】
ドライブ209は、必要に応じて入出力インタフェース212に接続される。ドライブ209は、光ディスク、光磁気ディスク、あるいは半導体メモリなどよりなるリムーバブルメディアが適宜接続され、リムーバブルメディアから読み出した各種のデータ(例えば、書籍データまたは辞書データなど)を、電子書籍表示装置100の各部に供給する。
【0044】
図3は、本実施の形態における、CPU201が所定のプログラムを実行することにより実現される機能の構成の例を示すブロック図である。
【0045】
図3では、タッチパネル処理部205と画像処理部202において、しおり位置設定、および、しおり位置情報保持を含む機能が実現される。
【0046】
画像処理部202は、表示部101の各種の画面の表示を制御する。画像処理部202は、コンテンツ表示制御部305を含むように構成される。
【0047】
コンテンツ表示制御部305は、入出力インタフェース212およびバス211を介して、ユーザが入力部206を用いて入力した処理の指示やデータの入力を受け、電子書籍のコンテンツの表示を制御する。
【0048】
具体的には、コンテンツ表示制御部305は、ユーザの指示に基づいて、バス211および入出力インタフェース212を介して、タッチパネル102によって操作された動作を検知し、電子書籍のコンテンツを表示させるための表示データを生成する。コンテンツ表示制御部305は、生成した表示データをバス211を介して画像処理部202に供給する。
【0049】
タッチパネル処理部205内の検知部301では、画面のタッチパネルの値(電気信号、圧力の変化等)を検知し、画像処理部202の制御をおこなう。2点検知部302は、タッチパネル102が2点感知された際に、後述するフローチャートに従って、2点中の1点をしおり位置設定部303でしおり位置として設定し、しおり位置情報保持部304でしおり位置情報を保持しておく。このしおり位置は設定により文字だけではなく単語、行、ページ単位でのしおり位置の保持が可能である。
【0050】
次に、電子書籍表示装置100により実行される処理を説明する。
【0051】
まず、図4のフローチャートを参照して、電子書籍表示装置100により実行されるしおり設定処理を説明する。なお、この処理は、例えば、表示部101に電子書籍のコンテンツが表示されている場合、タッチパネル102が押されたことを検知し、入出力インタフェース212およびバス211を介して、入力部206からしおり位置設定部303に情報が供給されたとき開始される。
【0052】
ステップS1において、タッチパネル処理部205の検知部301でタッチパネルの入力の検知を行う。
【0053】
ステップS2において、2点検知部302で、タッチパネルの検知点が2点あるかどうかを検知する。具体的には、静電容量式(Projective)タッチパネルによって、画面上で2点検知する。なお、タッチパネルは静電容量式に限るものではなく、抵抗膜方式でもよい。
【0054】
タッチパネルを検知した際に2点検知がない場合はしおり設定状態には入らない。2点検知された際には、ステップS4でしおり位置を決定する。
【0055】
ステップS3、S4において、2点の位置情報を検知し、2点中1点の検知位置が固定されているかの確認をする。固定の方法としては、数回のサンプリング検知を行い、座標位置の変化がないことを固定条件とする。なお固定位置判別方法としてはこの方法だけに限らない。
【0056】
この固定位置がしおり位置設定部303でしおり位置として設定され、この固定位置の検知が無くなるまで、しおり位置情報保持部304でしおり情報として保持される。
【0057】
また、2点検知された際に、2点とも固定位置で動かない場合や、2点とも動き続けている場合はしおり位置設定状態には入らない。
【0058】
次に、図5のフローチャートを参照して、電子書籍表示装置100により実行される電子書籍しおり設定後の処理について説明する。
【0059】
ステップS11において、図4で設定完了したしおり位置の検知点をA、もう一方の検知点をBとした際に、タッチパネル処理部205において検知点Aが保持されているかどうかを確認する。検知点Aが保持されていなければ、しおり位置に設定した情報は破棄される。
【0060】
ステップS12において、タッチパネル処理部205で検知点Bの動作の確認を行う。検知点Bで所定の動作がされている場合、検知点Bの動作に合わせて、画像処理部202で処理を行い、表示部101に所定動作に合わせた画像を表示させる。
【0061】
ステップS13において、タッチパネル処理部205で検知点Aが保持されているかを確認する。検知点Aが保持されていなければ、しおり位置に設定した場所は破棄される。
【0062】
ステップS14において、タッチパネル処理部205で検知点Bが無くなったかどうかを検知する。この際、検知点Bが無くなっていなければ、S11に戻り、再度検知点Bの動作に合わせて画面の更新を行う。
【0063】
ステップS15において、タッチパネル処理部205において検知点Aが保持されているかどうかを確認する。検知点Aが保持されていなければ、しおり位置に設定した場所は破棄される。
【0064】
ステップS16において、タッチパネル処理部205で検知点Bが再度検知されていないかどうかを確認する。もし検知点Bが再度出現している場合はS11に戻り、再度検知点Bの動作に合わせて画面の更新を行う。
【0065】
ステップS17において、タッチパネル処理部205で検知点Aで所定の動作が行われるかどうかの検知を行う。ここで所定の動作が行われなければ、保持しているしおり情報を破棄して、現在の画面を表示する。ここで所定の動作が行われれば画像処理部202で処理を行い、表示部101にしおり位置に設定した画面を表示する。
【0066】
次に、図1を用いて、電子書籍表示装置100により実行される電子書籍しおり処理の一例を示す。
【0067】
図1は、電子書籍表示装置100の表示面に表示部101とその前面にタッチパネル102が配置されている状態で、タッチパネル102を右手の指111、左手の指112で動作させた状態を示している。
【0068】
表示部101には、121aの位置に「あいうえお」、122aの位置に「らりるれろ」が表示されている。
【0069】
指111をタッチパネル102に接触させて111aから111bの位置にスライドさせた際に、タッチパネル処理部205でスライド動作を判定し、CPU201、画像処理部202を介してスライドに合わせて、表示部101に表示された画面をスライドさせる。
【0070】
これにより「あいうえお」、「らりるれろ」の表示がそれぞれ121b、122bの位置に移動する。
【0071】
なお、表示の移動量は指111のスライド量と同じでなくてもよく、少しのスライド量で表示の移動量を大きくするようにしても良い。
【0072】
また、本実施の形態では指を使用しているが、ペンなど検知できるものであればすべてに適応できる。
【0073】
しおり位置を設定する場合は、タッチパネル102において、右手の指111をスライドさせる前、つまり111aの位置にあるときに、左手の指112で「らりるれろ」の表示位置122a近傍の112aの位置を押さえる。
【0074】
このとき、タッチパネル処理部205の検知部301は、111aと112aの位置を検知点として検知し、さらに2点検知部302が2点検知であることを判定する。
【0075】
図3のフローチャートで示したように、2点検知があると、検知点111a、検知点112aのどちらかをしおり位置設定部303でしおり位置とする。
【0076】
今回は検知点112aを固定としてしおり位置とする。なお、検知点111aをしおり位置にしても同様の効果を有するが、後から接触した方とした方がより自然であり、好ましい。
【0077】
しおり位置が決定されると、しおり位置情報保持部304に検知点301下にある表示部101上の行「らりるれろ」の位置122aがしおり位置情報として格納され保持される。
【0078】
しおり位置を保持するには、左手の指112をタッチパネル102から離さず、112aの位置を押さえたままにしておく必要がある。
【0079】
しおり位置情報を保持した状態で、上述のように、指111を111aから111bの位置にスライドさせると、タッチパネル処理部205でスライド動作を判定し、スライドに合わせて、画像処理部202が画面表示をスライドさせる。この時点で指112をタッチパネル102から離せばしおり位置情報は破棄される。
【0080】
なお、図1では右から左へのスライド動作を示しているが、逆方向、上下方向でも同様の操作が可能である。
【0081】
次にスライドした画面表示をしおり位置に戻す操作について説明する。
【0082】
図6は、しおり位置情報を保持した状態で、右手の指111をタッチパネル102から離した状態を示す図である。
【0083】
図1のように指111をスライド動作させて画面表示をスライドさせ、タッチパネル102上の122aの位置を指112で押さえて固定させた状態で、指111をタッチパネル102から離しても、しおり位置情報は保持されている。
【0084】
この状態で再度指111がタッチパネル102に触れて、スライド動作を継続させることができる。
【0085】
図6において、画面表示をスライドさせ、「あいうえお」、「らりるれろ」の表示がそれぞれ121b、122bの位置にあるとき、指111をタッチパネル102から離し、指112をタッチパネル102から離さないまま、逆方向の112bの位置に少しスライドさせると、保持されたしおり位置情報保持部304からしおり位置を読み出し、CPU201、画像処理部202を介して表示部101にしおり位置の画像(「あいうえお」、「らりるれろ」の表示がそれぞれ121a、122aの位置)を表示させる。
【0086】
このとき、指112のスライド量はいくらでも構わない。また、スライド方向は逆であっても良い。
【0087】
なお、本実施の形態では、指によるスライド動作での例を示したが、スライド動作以外の方法でタッチパネル制御を行うようにしてもよい。
【0088】
また、本実施の形態では、しおりの設定、しおり位置に戻す操作を分りやすくするため、行単位でのしおり位置保持方法の例を示したが、単語やページ単位での制御を行うようにしてもよいことは言うまでもない。
【0089】
このように、電子書籍の閲覧の際、ページの一時的な戻り、進み動作を行う際に、ボタンの押下や、操作部を使用することなく、しおり付けと、一時的な戻り動作を、実際の本をめくるように簡単かつ迅速に行うことができる。
【0090】
なお、本実施の形態では、2点検知でしおり位置設定を行ったが、多点検知を用いて同様の制御を行えば、複数のしおり位置を設定することができ、それぞれのしおり位置から任意の位置を呼び出すことが可能である。
【0091】
例えば、指の数だけしおり位置を設定し、戻したいしおり位置の指のみをスライドすれば、簡単かつ迅速にその位置の文章を表示させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0092】
本発明は、電子化された書籍を表示するための電子書籍表示装置に適用でき、特に、表示画面にタッチパネルが重畳され、書籍サイズに小型化された電子書籍表示装置等に有用である。
【符号の説明】
【0093】
100 電子書籍表示装置
101 表示部
102 タッチパネル
111、112 指
111a、111b、112a、112b 指の位置
121a、121b、122a、122b 表示位置
201 CPU
202 画像処理部
203 ROM
204 RAM
205 タッチパネル処理部
206 入力部
207 出力部
208 通信部
209 ドライブ
211 バス
212 入出力インタフェース
301 検知部
302 2点検知部
303 しおり位置設定部
304 しおり位置情報保持部
305 コンテンツ表示制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
書籍コンテンツを表示する表示手段と、
前記表示手段に重畳され、指またはペンの接触による2点検知機能を有するタッチ入力手段と、
前記書籍コンテンツを表示する際、前記タッチ入力手段が2点を同時に検知した場合、いずれかの1点が前記書籍コンテンツのしおり位置に設定されることを特徴とする電子書籍表示装置。
【請求項2】
前記タッチ入力手段に接触させた指またはペンのスライド動作により、前記書籍コンテンツの行送りまたはページ送りを行うことを特徴とする請求項1記載の電子書籍表示装置。
【請求項3】
前記タッチ入力手段が2点を同時に検知し、所定の固定条件を満たしたとき、いずれかの1点が前記書籍コンテンツのしおり位置に設定されることを特徴とする請求項1記載の電子書籍表示装置。
【請求項4】
前記タッチ入力手段が2点を同時に検知後、数回のサンプリング検知を行い、座標位置の変化がないことを固定条件とすることを特徴とする請求項3記載の電子書籍表示装置。
【請求項5】
設定されたしおり位置に接触させた指またはペンが接触中はしおり位置が維持され、非接触になったときにしおり位置が解除されることを特徴とする請求項1記載の電子書籍表示装置。
【請求項6】
設定されたしおり位置に接触させた指またはペンをスライド動作させることにより、前記書籍コンテンツのしおり位置の内容を表示することを特徴とする請求項5記載の電子書籍表示装置。
【請求項7】
多点検知を用いて、複数のしおり位置を設定することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の電子書籍表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−8676(P2012−8676A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−142318(P2010−142318)
【出願日】平成22年6月23日(2010.6.23)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】