説明

電子機器、充電システム、及び充電異常通知方法

【課題】非接触充電システムにおいて充電異常が発生した場合に、ユーザが格別の注意を払わなくともその旨を把握できる電子機器、充電システム、及び充電異常通知方法を提供する。
【解決手段】電子機器10は、動作用電力を供給する二次電池130と、外部から電気的非接触の状態で電力を受電する受電部110と、受電した電力によって二次電池130を充電する充電部120と、充電の状態を示す充電状態パラメータを検出する検出部140と、検出部140が検出した充電状態パラメータに基づき、充電の状態が異常であるか否かを判別する異常判別部175と、異常判別部175が充電の状態が異常であると判別した場合に、異常を通知する出力を行う出力部150と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器、充電システム、及び充電異常通知方法に関する。より詳しくは、非接触型の充電器を介して二次電池を非接触で充電できる電子機器、該電子機器と充電器とを備える充電システム、及び充電時の充電異常通知方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器が備える二次電池を充電するにあたって、充電器と電子機器とを電力供給用のラインや接続端子によって物理的に接続せずに充電するシステムが知られている。このような充電システムは非接触充電システムと呼ばれる。非接触充電システムは、電力を非接触で充電器から電子機器へ供給する方法によって、電磁誘導型、電波型、電界結合型、磁界共鳴型、等に分類できる。
【0003】
非接触充電システムは、以下の利点を有する。
(1)充電効率が高い。
(2)充電器と電子機器とを電気的に接続するための充電電力供給用のラインが不要である。
(3)充電電力供給用のラインが不要となるため、ラインを接続するための接続端子も不要となる。そのため、接続端子の形状を考慮することなく充電が可能である。
(4)接続端子におけるラインとの接触不良が起こらない。
【0004】
一方で、非接触充電システムは充電異常が起こりやすいという問題点を持つ。
特に、電磁誘導現象により充電器のコイルから電子機器側のコイルへ電力を供給して二次電池の充電を行う電磁誘導型の非接触充電システムにおいては、コイルとコイルとの間に金属等の異物が存在すると発熱が起こり、電子機器の損壊や火災の発生等の深刻な事態につながる恐れがある。
【0005】
また、電波型、電磁結合型又は磁界共鳴型のシステムにおいては、充電器と電子機器との間に金属等の異物が存在する場合、上記のような発熱は起こりにくいものの、電力が上手く供給されず、そのため二次電池への充電が困難となる、若しくは時間がかかるという問題が発生しやすい。
【0006】
非接触充電システムにおいて充電異常が発生した場合に対応する技術が開発されている。例えば特許文献1は、非接触充電システムにおいて充電異常が発生すると、充電を停止する電子機器および非接触充電システムを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−336710号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
非接触充電システムにおいて充電異常に対応する技術は未だ不十分である。例えば、特許文献1に記載の技術では、充電異常が発生すると充電が停止されるだけである。そのため、ユーザは格別の注意を払わないと異常が発生し、充電が停止したことを知ることができない。そのため、充電が行われないまま時間が過ぎてしまい、ユーザが早期に対策を講ずることが出来ない恐れがある。
【0009】
本発明は以上のような事情に鑑みてなされたものであり、非接触充電システムにおいて充電異常が発生した場合に、ユーザが格別の注意を払わなくともその旨を把握できる電子機器、充電システム、及び充電異常通知方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の観点に係る電子機器は、
動作用電力を供給する二次電池と、
外部から電気的非接触の状態で電力を受電する受電部と、
前記電力によって前記二次電池を充電する充電部と、
充電の状態を示す充電状態パラメータを検出する検出部と、
該検出部が検出した前記充電状態パラメータに基づき、前記充電の状態が異常であるか否かを判別する異常判別部と、
該異常判別部が前記充電の状態が異常であると判別した場合に、異常を通知する出力を行う出力部と、
を備える。
【0011】
本発明の第2の観点に係る充電システムは、
第1の観点に係る前記電子機器と、
前記充電部に、受電用電力を電気的非接触の状態で供給する非接触型充電器と、
を備える。
【0012】
本発明の第3の観点に係る充電異常通知方法は、
動作用電力を供給する二次電池を備える電子機器の充電異常通知方法であって、
外部から電気的非接触の状態で受電した電力で前記二次電池を充電する充電ステップと、
該充電ステップにおける充電の状態を示す充電状態パラメータを検出する検出ステップと、
該検出ステップで検出した前記充電状態パラメータに基づき、前記充電の状態が異常であるか否かを判別する異常判別ステップと、
該異常判別ステップで、前記充電の状態が異常であると判別した場合に、異常を通知する出力を行う出力ステップと、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本願発明によれば、非接触充電システムにおいて充電異常が発生した場合に、ユーザが格別の注意を払わなくともその旨を把握できる電子機器、充電システム、及び充電異常通知方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態1に係る充電システムの概略構成例を示すブロック図である。
【図2】実施形態1に係る電子機器の機能構成を含む詳細構成例を示すブロック図である。
【図3】実施形態1に係る充電異常を通知する処理の例を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施形態2に係る充電異常を通知する処理の例を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施形態3に係る充電異常を通知する処理の例を示すフローチャートである。
【図6】実施形態3に係る出力態様リストの例を示す図である。
【図7】本発明の実施形態4に係る電子機器の機能構成を含む詳細構成例を示すブロック図である。
【図8】実施形態4に係る充電異常を通知する処理の例を示すフローチャートである。
【図9】本発明のその他の実施形態に係る充電システムの概略構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための形態を、図を参照して説明する。なお、図中同一又は相当する部分には同一符号を付す。
【0016】
(実施形態1)
図1に示すように、充電システム1は、電子機器10と、交流電源20と、非接触型の充電器30とで構成される。以下では、充電システム1が電磁誘導型の非接触充電システムである場合を例にして説明する。
【0017】
電子機器10の本願発明に係る部分は、受電部110と、充電部120と、二次電池130と、検出部140と、出力部150と、記憶部160と、制御部170と、を備える。
【0018】
充電器30は、変換部310と、送電部320と、制御部330と、を備える。
【0019】
充電システム1は、交流電源20からの電力により、充電器30を介して、電子機器10と充電器30とを電力供給ライン等で電気的に接続させずに、すなわち電気的に非接触の状態で、電子機器10の二次電池130を充電する。
【0020】
受電部110は、充電器30から送られてくる電力を非接触で受電する。受電部110はコイルで構成され、電磁誘導による誘起交流電流という形で電力を受電する。詳細は後述する。
【0021】
充電部120は、受電部110の誘起交流電流を直流に変換して、二次電池130を充電する。詳細は後述する。
【0022】
二次電池130は、例えばリチウムイオン電池等の充電可能な電池で構成され、充電部120から供給される電力により充電される。また、二次電池130は、充電部120を含め、電子機器10の動作用電力を供給する。
【0023】
検出部140は、受電部110及び充電部120による二次電池130の充電の状態を示す充電状態パラメータを測定する。詳細は後述する。
【0024】
出力部150は、測定された充電状態パラメータから、充電状態に異常があると判別されたとき、充電異常を知らせる情報を出力してユーザに通知する。詳細は後述する。
【0025】
記憶部160は、例えばフラッシュメモリ、その他のメモリ、又はディスク装置などで構成され各種情報を記憶し保存する。詳細は後述する。
【0026】
制御部170は、物理的にはCPU又はDSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)、RAM(Random Access Memory)等から構成され、充電部120、検出部140、出力部150、及び記憶部160を制御する。詳細は後述する。
【0027】
充電器30の変換部310は、交流電源20から供給された交流電力を直流電力に変換するACアダプタと、ACアダプタにより変換されて得られた直流電力を、所定の交流電力に変換して送電部320に供給する充電部とを備える。
【0028】
送電部320は、変換部310から供給された交流電力を受電部110に非接触で供給する。送電部320はコイルで構成される。
【0029】
充電器30の制御部330は、物理的にはCPU又はDSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)、RAM(Random Access Memory)等から構成され、変換部310の制御、及び送電部320に対する電力供給のオン/オフ制御を行う。また、充電器30の認証用のIDを示す情報信号を送電部320に供給する。
【0030】
次に、実施形態1に係る電子機器10の詳細について図2に従って説明する。図2は、図1に示す充電部120、検出部140、出力部150の詳細構成を示すと共に、記憶部160及び制御部170の機能構成を示す。
【0031】
受電部110のコイルは、送電部320のコイルに交流電流を通電することにより発生する磁束に鎖交するように配置される。これにより送電部320のコイルに交流電流を通電すると、電磁誘導により受電部110のコイルに交流電流が誘起される。この誘起交流電流が二次電池130の充電用の交流電力として使用される。また、受電部110は、充電器30の認証用のIDを示す情報信号を、送電部320のコイルを介して、電磁誘導により受信し、充電部120に送信する。
【0032】
充電部120は、変換部121を備え、受電部110で受電した交流電力を直流電力に変換して、二次電池130に出力することにより二次電池130を充電する。また、充電部120は、受電部110から送信される認証用のIDを示す情報信号を受信し、制御部170に送信する。
【0033】
検出部140は、温度検出部141と、電流検出部142と、を備える。
【0034】
温度検出部141は、例えばサーミスタ又は赤外線カメラ等から構成され、電子機器10の筐体の充電器30に対向する面の温度を検出し、検出結果を制御部170(具体的には検出制御部174)に送信する。赤外線カメラの場合は温度分布情報が得られるため、測定した面の最高温度に関するデータが得られる。
【0035】
電流検出部142は、電流計で構成され、受電部110の誘起交流電流を検出する。充電部120(具体的は変換部121)に流れる電流値を検出し、検出結果を制御部170(具体的には検出制御部174)に送信する。
【0036】
出力部150は、電子機器10のユーザに充電異常を通知するための、例えば、音声出力部151、発振出力部152、発光出力部153、及び画面表示部154の少なくとも1つで構成される。
【0037】
音声出力部151は、例えばスピーカ等で構成され、制御部170(具体的には後述する出力制御部171)から伝達された音響信号に基づき音声を出力する。音響信号は例えば音量、周期等を規定する。
【0038】
発振出力部152は、例えばバイブレータ等で構成され、出力制御部171から伝達された強度、周期等に基づき振動する。
【0039】
発光出力部153は、LED(Light Emission Diode)等の発光素子で構成され、出力制御部171から伝達された色、強度、周期等に基づき発光する。
【0040】
画面表示部154は、物理的には液晶画面等から構成され、出力制御部171から伝達された画面を表示する。
【0041】
記憶部160は、機能的構成として、出力態様記憶部161と閾値記憶部162を備える。
【0042】
出力態様記憶部161は、出力部150によりどの様な内容の出力を行うかを定義した出力態様リストを記憶・保存する。出力部150が図2に示すように複数の出力部構成機器を備えている場合は、出力態様リストは、どの出力部構成機器にどの様な内容の出力を行うかを定義している。
【0043】
閾値記憶部162は、後述する制御部170による異常判別処理の際の判断基準となる上限値等の閾値を記憶する。
【0044】
制御部170は、機能的構成として、出力制御部171と、充電制御部172と、認証部173と、検出制御部174と、異常判別部175と、記憶制御部176と、を備える。
【0045】
出力制御部171は、出力部150を制御して、出力態様記憶部161に記憶されている出力態様リストに基づき、出力部150に出力を実行させる。
【0046】
充電制御部172は、充電部120を制御して、充電器30の認証に成功すれば充電部120に充電を実行させる。充電器30の認証は、次のようにして実行される。まず、充電制御部172は、充電部120から充電器30の認証用のIDを示す情報信号を受け取り、認証部173に送信する。充電制御部172は、認証部173から認証結果を受信し、認証成功の結果であれば充電部120への充電を開始する制御を行う。認証に成功しなければ充電を開始する制御を行わない。
【0047】
認証部173は、充電制御部172が充電部120から受け取った充電器30の認証用のIDを示す情報信号と記憶部160に保存されている認証用IDとを比較し、その同一性により、充電器30の認証を行い、認証結果を充電制御部172に送信する。
【0048】
検出制御部174は、検出部140を制御して、充電状態パラメータの検出を実行させ、その結果を受信する。具体的には、温度検出部141及び電流検出部142を制御して、それぞれ、電子機器10の筐体の充電器30に対向する面の温度、及び充電部120を流れる電流値を検出させ、検出結果を取得する。
【0049】
異常判別部175は、検出制御部174で取得した検出部140の充電状態パラメータの検出結果に基づき、充電状態の異常の有無を判別する。異常判別部175は、この判別において、閾値記憶部162に記憶保存されている各種閾値を読み出して利用する。
【0050】
記憶制御部176は、記憶部160を制御して、記憶部160に情報を記憶させ、また記憶部160に記憶された情報を読み出す。
【0051】
次に電子機器10の充電異常通知処理に関する動作について図3を参照して説明する。
【0052】
電子機器10が充電器30にセットされると、充電器30の制御部330は、充電器30の認証用IDを示す情報信号を、送電部320を介して受電部110に送信する。充電部120は、受電部110が受信した情報信号を充電制御部172に送信する。認証部173は受信した情報信号に基づき充電器30の認証用IDを取得し、充電器30を認証する。この認証はあらかじめ記憶部160に登録、保存している認証用IDと比較することにより実行される。認証に成功すると充電が開始され、図3にフローチャートで示す充電異常通知処理1が開始される。
【0053】
まず、検出制御部174は、温度検出部141から検出結果である温度の情報を取得する(ステップS101)。
【0054】
次に、異常判別部175は、取得した温度が、閾値記憶部162に記憶された温度上限値以上であるか否かにより、充電異常の有無を判別する(ステップS102)。
【0055】
異常判別部175は、取得した温度が温度上限値以上である場合(ステップS102;NO)、充電異常が発生していると判別し、異常通知処理として、出力制御部171は出力部150に指令して警告出力を行い、充電制御部172は、充電部120を制御して、充電部120による二次電池130への充電を停止する(ステップS106)。
【0056】
温度が温度上限未満である場合(ステップS102;YES)、充電制御部172は電流検出部142から充電部120の変換部121に流れる電流を検出し、電流値として取得する(ステップS103)。そして、異常判別部175は、当該電流値が電流上限値以上であるか否かを判別することにより充電異常の発生の有無を判別する(ステップS104)。
【0057】
異常判別部175は、取得された電流値が閾値記憶部162に記憶されている電流上限値以上である場合(ステップS104;NO)、充電異常が発生していると判別して先に説明した異常通知処理が行われる(ステップS106)。
【0058】
電流値が電流上限値未満である場合(ステップS104;YES)、電流異常は発生していないと判別され、充電が継続される(ステップS105)。充電が継続される場合は、充電期間中、ステップS101以下の充電異常通知処理1が繰り返される。一方、充電異常が発生していると判別された場合は、異常通知処理(ステップS106)が行われた後、充電異常通知処理1は終了する。
【0059】
以上に説明したように、実施形態1に係る電子機器10によれば、充電異常が発生していると判別された場合に出力部150が警告出力を行う。そのため、ユーザは充電異常が発生した場合に格別の注意を払わなくても充電異常が発生したことをすぐに把握できる。
【0060】
なお、図3において、ステップS101とステップS102とを一組とし、ステップS103とステップS104とを他の一組として、これらの組の実施順は入れ替えてもよい。
【0061】
また、上記説明では、検出部140は温度検出部141と電流検出部142とを備えているとしたが、どちらか一方だけを備えていてもよい。その場合は、図3のフローチャートは、ステップS101とステップS102との組、又はステップS103とステップS104との組のいずれの組が省略される。
【0062】
検出部140が、温度検出部141と電流検出部142のいずれか一方だけを備えている場合は、既に説明した効果を奏しつつ、電子機器10の構成が簡略化され、コストが低減するという効果がある。
【0063】
一方、検出部140が、温度検出部141と電流検出部142の両方を備えている場合は、いずれか一方の場合に比べて、異常判別処理がより確実に実行できるという効果を奏することができる。
【0064】
(実施形態2)
次に、実施形態2について説明する。実施形態2は、充電中に充電電流が所定の閾値を下回った場合にも充電異常が発生していると判別して警告出力を行うことを特徴とする。
【0065】
実施形態2に係る充電システム1、電子機器10及び充電器30の構成は図1、図2に示すものと同様である。
【0066】
実施形態2に係る電子機器10の充電異常通知処理に関する動作について図4に従って説明する。図4は、実施形態2に係る電子機器10の充電異常を通知する処理の例を充電異常通知処理2として示したフローチャートである。図4に示すステップS201〜S204の処理内容は図3のステップS101〜S104の処理内容にそれぞれ対応し、同じであるので説明を省略する。
【0067】
異常判別部175は、取得された電流値が電流上限値未満であると判別したとき(ステップS204;YES)、電流値が閾値記憶部162に記憶されている電流下限値以下でないかどうかを判別する(ステップS205)。電流値が電流下限値以下であると判別されたとき(ステップS205;NO)は、充電用の電力が不足しており、充電に時間がかかることになる。従って、この場合も、異常判別部175は、充電異常が発生したものと判別する。この判別結果に基づき、異常通知処理(ステップS207)が行われる。ステップS207で行われる異常通知処理は、充電異常通知処理1における異常通知処理(ステップS106)と同様である。
【0068】
異常判別部175は、電流値が電流下限値以上の場合(ステップS205;YES),充電異常は発生していないと判別する。この結果を受けて充電制御部172は充電部120を制御して、充電部120により二次電池130への充電を継続させる(ステップS206)。充電が行われた場合は、充電期間中、ステップS201以下の充電異常通知処理2が繰り返される。一方、充電異常が発生している場合は、異常通知処理(ステップS206)が実行された後、充電異常通知処理2は終了する。
【0069】
以上に説明したように、実施形態2に係る電子機器10によれば、電子機器10に供給される充電電流が小さすぎて充電に時間がかかりすぎる場合でも充電異常があったと判別され、出力部150が警告出力を行うため、ユーザは格別の注意を払わなくてもすぐにその状況を把握できる。
【0070】
なお、ステップS204とステップS205の順序はどちらを先にしてもよい。また、ステップS201とS202とを一組とし、ステップS203〜S205を一組として、両組の順序はどちらを先にしてもよい。
【0071】
更に、図4では取得された電流値が下限値未満であるかどうかの判別ステップ(ステップS205)を図3に示すフローチャートに追加する形としたが、これに限定されることはない。図4から、ステップS202〜S204を削除し、充電異常の判定を、電流値が下限値未満であるかどうかの判別(ステップS205)のみとしてもよく、また、ステップS201とステップS202を削除する、又はステップS104のみを削除してもよい。これらのいずれの場合も充電異常の警告出力により電子機器10のユーザに充電異常を通知することができるという効果を奏することができる。
【0072】
(実施形態3)
実施形態3について説明する。実施形態3は、充電異常と判別された原因それぞれについて異なる異常通知処理が行われることを特徴とする。
【0073】
実施形態3に係る充電システム1,電子機器10及び充電器30の構成は、実施形態1及び2の場合と同様である。
【0074】
実施形態3に係る電子機器10の充電異常通知処理に関する動作について図5に従って説明する。図5は、この実施形態2に係る電子機器10の充電異常を通知する処理の例を充電異常通知処理3として示したフローチャートである。図5に示すステップS301〜S306の処理内容は図4のステップS201〜S206の処理内容にそれぞれ対応し、同じであるので説明を省略する。
【0075】
図5に示す処理が図4に示す処理と異なる点は、ステップS302、S304、S305の各判別処理において、「NO」の判別の時はそれぞれ異なる処理を実施する点である。
【0076】
異なる処理には出力部150からの警告出力の内容も含まれる。出力の内容(広義には出力部150を構成する機器のどれを使用して出力するかという点も含む出力態様)を定義する出力態様リストは充電異常と判別された原因それぞれについての出力内容を定義すると共に、出力部150を構成する機器が複数ある場合は、構成機器毎に出力内容を定義する。
【0077】
充電異常通知処理3では、ステップS301で取得された温度が温度上限値以上であると判別された場合(ステップS302;NO)、充電異常が発生したと判別され、温度異常通知処理(ステップS307)が実行される。具体的には、出力態様記憶部161に記憶された出力態様リストに従って、温度が異常である旨をユーザに知らせる警告出力がなされる。さらに、受電部110から充電部120への電力供給経路が遮断され、充電が中止される。なお、充電器30へ充電を中止する旨が伝達されてもよい。
【0078】
温度が温度上限値未満であると判別された場合(ステップS302;YES)、は電流取得ステップに移行し(ステップS303)、次にステップS304に移行する。ステップS303、S304、S305は図4のステップS203、S204、S205のそれぞれに対応し、処理内容は同一であるので、説明を省略する。
【0079】
ステップS303で取得された電流値が電流上限値以上であると判別された場合(ステップS304;NO)、過剰電流通知処理(ステップS308)が実行される。具体的には、出力態様記憶部161に記憶された出力態様リストに従って、過剰電流が検出された旨をユーザに知らせる警告出力がされる。さらに、受電部110から充電部120への電力供給経路が遮断され、充電が停止される。なお、充電器30へ充電を中止する旨が伝達されてもよい。
【0080】
また、電流値が電流下限値以下であると判別された場合(ステップS305;NO)、充電電力不足通知処理が実行される(ステップS309)。充電電力不足通知処理では、出力態様記憶部161に記憶された出力態様リストに従って、電流が不足しているために効率的な充電ができない旨の警告が出力される。この場合、充電実施による危険性は低いため、充電を続行することができる。
【0081】
電流値が電流下限値より大きい場合(ステップS305;YES)、または充電電力不足通知処理(ステップS309)が行われた後、充電が継続される(ステップS306)。充電期間中は、ステップS301以下の充電異常通知処理3が繰り返される。一方、温度異常通知処理(ステップS307)又は過剰電流通知処理(ステップS308)が行われた場合は、充電を停止し、充電異常通知処理3は終了する。
【0082】
ここで、本実施形態3に係る警告出力は、ユーザが、出力の内容から、充電異常と判別された原因を認識できるようなものとする。このような出力の内容を定義する出力態様リストの例を図6に示す。
【0083】
図6は、実施形態3に係る出力態様リストの例を示す。
【0084】
図6(a)は、出力部150が音声出力部151と発光出力部153とを備えている場合の出力態様リストの例で、図6(b)は、出力部150が音声出力部151と画面表示部154とを備えている場合の出力態様リストの例である。
【0085】
図6(a)、(b)ともに、充電異常の原因を1〜5のケースに区分し、それぞれに対して出力部150の構成機器毎に出力内容を示している。ケース1は電流値が電流下限値以下の場合、ケース2は電流値が電流上限値以上の場合、ケース3は温度が温度上限値以上の場合、ケース4はケース1とケース3とが併発した場合、ケース5はケース2とケース3とが併発した場合である。ケース1とケース2とが併発することはあり得ないので表には含まれていない。
【0086】
図6(a)では、音声出力部151の出力態様としては音声、例えば警告音の発生周期を3段階に区分してケースに応じて長周期、中周期、短周期に分けて出力する。一方、発光出力部153は橙と赤のいずれかの発光が可能なものとして、ケース1から3までは発光させず、ケース4では橙、ケース5では赤に発光させる。このように音声出力部151と発光出力部153の出力態様を充電異常の原因に対応して変化させることにより、ユーザは、音声出力部151の発する警告音により充電異常の発生を認識できると共に、両出力から、例示するケース1〜5の異常の原因を区別して認識することができる。
【0087】
図6(b)では、音声出力部151の出力態様はケースによらず同じである。この音声出力部151からの警告音により、ユーザは充電異常の発生を認識する。画面表示部154は、充電異常の原因を画面に表示するので、ユーザはこの画面を見ることにより発生している異常の原因を把握することができる。
【0088】
図6に示す例以外にも、種々の出力態様の例が考えられる。出力部150を構成する機器が1種類の場合で、例えば音声出力部151だけの場合、例えば音量、周期の組み合わせにより前記5ケースについて区別した出力が可能である。逆に3種類以上の出力部150の組み合わせによる出力も考えられる。
【0089】
以上に説明したように、実施形態3に係る電子機器10によれば、充電異常と判別された原因毎に異なる出力が行われるため、ユーザはどのような充電異常が起こったか、格別の注意を払わなくとも把握できる。危険性が高い異常(温度異常)が起こった場合と、危険性の低い異常(充電電力不足)が起こった場合と、それぞれの状況に応じて異なった警告が出力されるため、ユーザは何が起こったか把握し、状況に応じた行動を取ることができる。
【0090】
なお、図5では温度異常、過剰電流、充電電力不足の3種類の充電異常を対象としているがこれに限る必要はない。この中の任意の2種類の異常を対象として本実施形態3を実施しても良いし、他の充電異常を含むものとしてもよい。いずれの場合も本実施形態3に記載の発明によればユーザに対する充電異常発生の通知という点で同様の効果を奏することができる。
【0091】
(実施形態4)
次に、実施形態4について説明する。
実施形態4は、充電状態の変動を検出し、当該変動が所定の基準よりも大きい場合に充電異常が発生したと判別する事を特徴とする。
【0092】
実施形態4に係る充電システム1及び充電器30の構成は、実施形態1乃至3の場合と同様である。
【0093】
図7は、実施形態4に係る電子機器11の構成を示す。電子機器11は、実施形態1に係る電子機器10と比べて、記憶部160が履歴記憶部163を備え、制御部170が変動値算定部177を備えるという点で異なる。
【0094】
履歴記憶部163には、充電状態パラメータのデータが履歴情報として記憶される。
【0095】
変動値算定部177は、履歴記憶部163に記憶された履歴情報と取得した充電状態パラメータとから、取得した充電状態パラメータの変動値を算定する。
【0096】
異常判別部175は、算定された変動値が閾値記憶部162に記憶されている変動上限値以上かどうかを判別し、「以上」の場合は充電異常と判別する。
【0097】
実施形態4に係る電子機器11の充電異常通知処理に関する動作について図8に従って説明する。図8は、この実施形態3に係る電子機器11の充電異常を通知する処理の例を充電異常通知処理4として示すフローチャートである。
【0098】
図8のステップS401、S402、S403の処理内容は、図5のステップS301、S302、S307の処理内容にそれぞれ対応し、同じであるため、説明を省略する。
【0099】
異常判別部175により、ステップS401で取得された温度が温度上限未満であると判別された場合(ステップS402;YES)、温度変動値についての判別ステップ(ステップS404)に移行する。
【0100】
ここでは、まず、変動値算定部177が、履歴記憶部163に記憶されている過去の温度データを読み出し、過去に取得された温度データに対する現在の取得された温度の変動の大きさ(温度変動値)を算定する。
【0101】
温度変動値の算定例を説明する。変動値算定部177は、直近の過去所定期間に取得された温度データを履歴記憶部163から読み出し、例えばその平均値Tmとを算定する。次に、現在の取得された温度TとTmとの差の絶対値Δを算定し、これを温度変動値とする。
【0102】
次に、異常判別部175は、閾値記憶部162に記憶されている所定の温度変動上限値を読み出し、算定された温度変動値が温度変動上限値よりも大きいか否かを判別する(ステップS403)。
【0103】
温度変動値が温度変動上限値以上である場合(ステップS403;NO)、温度異常変動通知処理が行われる(ステップS405)。具体的には、出力制御部171は、出力態様記憶部161に記憶された出力態様リストを読み出し、これに従って出力部150を構成する機器に温度が異常に変動している旨の警告出力を実行させる制御を行う。このときの出力態様リストは、異常の内容として温度異常変動を含み、この異常に対応した出力部150を構成する機器毎の出力の態様を含む。また、充電制御部172は、受電部110から充電部120への電力供給経路を遮断し、充電を中止する。なお、充電器制御部172は、充電器30に対して充電の中止をする旨の伝達をしてもよい。その後、充電異常処理4の処理は終了する。
【0104】
温度変動値が温度変動上限値未満の場合(ステップS404;YES)、電流取得ステップ(ステップS406)に移行する。ステップS406では充電に使用される電流の大きさが取得される。ステップS406、S407、S408,S411、S412の処理内容は図5のステップS303、S304、S308,S305、S309の処理内容にそれぞれ対応し、同じであるから、説明を省略する。
【0105】
ステップS406で取得された電流の大きさが電流上限値未満であった場合(ステップS407;YES)、電流変動判別ステップ(ステップS409)に移行する。
【0106】
ここでは、まず、変動値算定部177が、履歴記憶部163に記憶されている過去の電流のデータを読み出し、過去に取得された電流のデータに対する現在の取得された電流の変動の大きさ(電流変動値)を算定する。
【0107】
電流変動値の算定例を説明する。変動値算定部177は、直近の過去所定期間に取得された電流データを履歴記憶部163から読み出し、例えばその平均値Imとを算定する。次に、現在の取得された電流IとImとの差の絶対値Δを算定し、これを電流変動値とする。
【0108】
次に、異常判別部175は、閾値記憶部162に記憶されている電流変動上限値を読み出し、算定された電流変動値が電流変動上限値よりも大きいか否かを判別する(ステップS409)。
【0109】
電流変動値が電流変動上限値以上の場合(ステップS409;NO)、異常電流変動通知処理が行われる(ステップS410)。具体的には、出力制御部171は、出力態様記憶部161に記憶された出力態様リストを読み出し、これに従って出力部150を構成する機器に電流値が異常に変動している旨の警告出力を実行させる制御を行う。このときの出力態様リストは、異常の内容として電流異常変動を含み、この異常に対応した出力部150を構成する機器毎の出力の態様を含む。また、充電制御部172は、受電部110から充電部120への電力供給経路を遮断し、充電を中止する。なお、充電器制御部172は、充電器30に対して充電の中止をする旨の伝達をしてもよい。その後、充電異常処理4の処理は終了する。
【0110】
電流変動値が電流変動上限値未満の場合(ステップS409;YES)、電流値が電流下限値以下であるかどうかの判別(ステップS411)に移行する。ステップS411、S412の処理内容は図5のステップS305、S309の処理内容にそれぞれ対応し、同じなので説明を省略する。
【0111】
ステップS406で取得された電流値が電流下限値より大きい場合(ステップS411;YES)、または充電電力不足通知処理(ステップS412)が行われた後、充電が続行されるとともに、充電状態パラメータが履歴データとして記憶部160に保存される(ステップS413;充電・履歴保存処理)。具体的には、現在の温度と現在の電流値とが履歴データとして履歴記憶部163に記憶、保存される。
【0112】
充電・履歴保存処理(ステップS413)が行われた場合は、ステップS401に戻り、充電異常通知処理4が繰り返される。一方、温度異常通知処理(ステップS403)、温度異常変動通知処理(ステップS405)、過剰電流通知処理(ステップS408)、異常電流変動通知処理(ステップS410)、のいずれかが行われると、充電異常通知処理4は終了する。
【0113】
以上に説明したように、実施形態4に係る電子機器11によれば、温度や電流値が上限値、下限値などの閾値を超えない場合でも、急激に変動している場合に充電を停止して、ユーザに通知する。これにより、充電異常が発生した場合に、閾値を超えてから異常を検出する場合よりも早期に対応することが出来るため、内部回路の損傷や火災の発生といった問題が起こるリスクを減少させることが出来る。
【0114】
なお、実施形態4では、一つの異常と判別される要因が検出されるとその要素に対応した通知処理が実施されたが、異常通知を行う方法はこれに限られない。その他の実施形態として、一つの要因が検出された場合に、その他の要因が存在するか否か検出して、複数の要因が検出された場合に、当該要因の組み合わせに対応した処理を行う構成が可能である。例えば、充電異常処理4(図8)において、温度異常が検出された場合に、温度が異常に変動しているかさらに検出する。そして、温度が異常に変動していた場合は温度が急速に上昇して閾値を超えたのであるから、変動異常が無い場合より大きな警告を発する、といった構成が可能である。この出力態様は出力態様リストに異常内容の組み合わせに対応した項目を作り、これに対応する出力部150を構成する機器の出力内容を含めることで実施することができる。なお、図3、図4に示すように、異常通知処理を共通化してしまっても差し支えない。
【0115】
図8に示す充電異常通知処理4は、温度変動値及び電流変動値の両者についての異常判別を含むが、いずれか一方のみとしてもよい。更に、温度異常、過剰電流異常、充電電力不足に関する異常判別の全てと組み合わせなくてもよく、少なくともいずれか一つと組み合わせてもよい。その場合でも、充電異常をユーザに知らせることができるという本願発明の効果を奏することができる。
【0116】
以上、本発明の実施形態1〜4について説明したが、本発明の実施形態はこれに限られるものではない。
【0117】
上記実施形態では、充電システム1は二つのコイルの間で起きる電磁誘導現象により電力を供給する構成を持つが、本発明の他の実施形態においては、充電システムは電場共鳴、磁場共鳴を利用して電力を非接触で供給するシステムのいずれかであってもよい。また、電波によって電力を供給するシステム利用することも可能である。このような電磁誘導によらない方法では、異物の存在によって異常な加熱が起こるリスクは少ない。しかし、電磁誘導による方法よりも電力を送信する能力が落ちるため、充電電力の不足が起こりやすい。そのため、このようなシステムでは、特に実施形態2〜4に示したような、充電中に電力不足が発生した場合に警告する技術は有用である。
【0118】
また、温度検出部141は、複数個の温度検出部141で構成されてもよい。異常判別部175は、複数個の温度検出部141の検出結果の中の最高温度に基づいて異常判別行ってもよい。これにより、より早期に充電異常の判別が可能となり、この判別結果に基づきより早期に充電異常の警告出力を行うことができる。
【0119】
温度検出部141は赤外線カメラから構成され、充電器周辺の所定の空間の最高温度を検出する構成を持ちうる。この場合、異常の検出は当該最高温度に基づいて行われる。
【0120】
上記実施形態1〜4では、認証用IDコードなど認証のための情報の伝達は受電部110と送電部320とを用いて行われる。しかし、情報伝達を行う構成はこれに限られない。充電器30と電子機器10又は11とがそれぞれ情報伝達のための通信部を持ち、当該通信部を用いて情報伝達を行ってもよい。
【0121】
上記実施形態1〜4では、電子機器10、又は11が検出部140と、出力部150と、を備える構成とした。しかし、図9に充電システム2として示すように、充電器31が検出部340と、出力部350と、記憶部360とを備えてもよい。検出部340は温度を検出する温度検出部を備える。
【0122】
このような構成にした場合、充電器31では制御部330の制御により、検出部340、出力部350、及び記憶部360を利用して、図3のステップS102、ステップS106、又は図5のステップS302、S307と同様の処理を行う。実施形態1〜4に係る内容の内、温度に関する充電異常判別とその後の処理は、この実施形態においてもそのまま成立する。電子機器10又は11にいても重複して充電異常別と出力とを実施するか、それとも一部のみ実施するかは自由である。
【0123】
この場合も、温度による充電異常を早期にユーザに伝えることができる。また、電子機器10又は11が、これまで説明したような異常通知機能を持たない場合であっても、充電異常を判別して通知することが出来る。
【0124】
なお、図3、図4、図5、及び図8に示すフローチャートは本願発明に係る電子機器10又は11の充電異常通知に係る動作を説明すると共に、充電異常通知方法及び充電異常通知プログラムの内容をも示している。充電異常通知方法及び充電異常通知プログラムにおいても上記で説明した効果を奏することができる。
【0125】
なお、上記実施形態は、本発明の具体的実施態様の例示であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。本発明は、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範囲において、自在に変形、応用あるいは改良して実施できる。
【0126】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下に限らない。
【0127】
(付記1)
動作用電力を供給する二次電池と、
外部から電気的非接触の状態で電力を受電する受電部と、
前記電力によって前記二次電池を充電する充電部と、
充電の状態を示す充電状態パラメータを検出する検出部と、
該検出部が検出した前記充電状態パラメータに基づき、前記充電の状態が異常であるか否かを判別する異常判別部と、
該異常判別部が前記充電の状態が異常であると判別した場合に、異常を通知する出力を行う出力部と、
を備える電子機器。
【0128】
(付記2)
前記検出部は、前記充電状態パラメータとして、前記充電部の温度を検出する温度検出部を備える、
ことを特徴とする付記1に記載の電子機器。
【0129】
(付記3)
前記異常判別部は、前記温度検出部が検出した温度が予め定められた温度上限値を超えた場合に、前記充電の状態が異常であると判別する、
ことを特徴とする付記2に記載の電子機器。
【0130】
(付記4)
前記検出部は、前記充電状態パラメータとして、前記受電した電力により前記充電部に流れる電流の大きさを検出する電流検出部を備える、
ことを特徴とする付記1乃至3のいずれか一つに記載の電子機器。
【0131】
(付記5)
前記異常判別部は、前記電流の大きさが予め定められた電流上限値を超えた場合に前記充電の状態が異常であると判別する、
ことを特徴とする付記4に記載の電子機器。
【0132】
(付記6)
前記異常判別部は、前記電流の大きさが予め定められた最低充電電流値を下回った場合に前記充電の状態が異常であると判別する、
ことを特徴とする付記4又は5に記載の電子機器。
【0133】
(付記7)
前記検出部が検出した前記充電状態パラメータの履歴を記憶する履歴記憶部と、
前記履歴に基づいて取得された前記充電状態パラメータの変動値を算定する変動値算定部と、
をさらに備え、
前記異常判別部は、前記変動値が予め定められた変動基準を超えた場合に、前記充電の状態が異常であると判別する、
ことを特徴とする付記1乃至6のいずれか一つに記載の電子機器。
【0134】
(付記8)
記憶部をさらに備え、
前記出力部は、出力方式として画面表示部、音声出力部、発振出力部、発光出力部のなかの少なくとも一つを備え、
前記異常判別部により判別される異常の内容に対応して、前記少なくとも一つの出力方式によりどの様な出力を行うかを定義する出力態様リストをあらかじめ記憶・保存する出力態様記憶部を備え、
前記出力部は、前記出力態様リストに従って出力を行う、
ことを特徴とする付記1乃至7のいずれか一つに記載の電子機器。
【0135】
(付記9)
付記1乃至8のいずれか一つに記載の電子機器と、
前記充電部に、受電用電力を電気的非接触の状態で供給する非接触型充電器と、
を備える充電システム。
【0136】
(付記10)
前記非接触型充電器は、
前記充電器の充電時の温度を検出する温度検出部と、
前記温度検出部が検出した温度に基づき、充電の状態が異常であるか否かを判別する制御部と、
充電の状態が異常であると判別された場合に、異常を通知する出力を行う出力部と、
を備える、
ことを特徴とする付記9に記載の充電システム。
【0137】
(付記11)
動作用電力を供給する二次電池を備える電子機器の充電異常通知方法であって、
外部から電気的非接触の状態で受電した電力で前記二次電池を充電する充電ステップと、
該充電ステップにおける充電の状態を示す充電状態パラメータを検出する検出ステップと、
該検出ステップで検出した前記充電状態パラメータに基づき、前記充電の状態が異常であるか否かを判別する異常判別ステップと、
該異常判別ステップで、前記充電の状態が異常であると判別した場合に、異常を通知する出力を行う出力ステップと、
を備えることを特徴とする充電異常通知方法。
【0138】
(付記12)
動作用電力を供給する二次電池を備える電子機器の充電異常通知プログラムであって、
外部から電気的非接触の状態で受電した電力で前記二次電池を充電する充電ステップと、
該充電ステップにおける充電の状態を示す充電状態パラメータを検出する検出ステップと、
該検出ステップで検出した前記充電状態パラメータに基づき、前記充電の状態が異常であるか否かを判別する異常判別ステップと、
該異常判別ステップで、前記充電の状態が異常であると判別した場合に、異常を報知する出力を行う出力ステップと、
をコンピュータに実行させることを特徴とする充電異常通知プログラム。
【符号の説明】
【0139】
1 充電システム
2 充電システム
10 電子機器
11 電子機器
20 交流電源
30 充電器
31 充電器
110 受電部
120 充電部
121 変換部
130 二次電池
140 検出部
141 温度検出部
142 電流検出部
150 出力部
151 音声出力部
152 発振出力部
153 発光出力部
154 画面表示部
160 記憶部
161 出力態様記憶部
162 閾値記憶部
163 履歴記憶部
170 制御部
171 出力制御部
172 充電制御部
173 認証部
174 検出制御部
175 異常判別部
176 記憶制御部
177 変動値算定部
310 変換部
320 送電部
330 制御部
340 検出部
350 出力部
360 記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動作用電力を供給する二次電池と、
外部から電気的非接触の状態で電力を受電する受電部と、
前記電力によって前記二次電池を充電する充電部と、
充電の状態を示す充電状態パラメータを検出する検出部と、
該検出部が検出した前記充電状態パラメータに基づき、前記充電の状態が異常であるか否かを判別する異常判別部と、
該異常判別部が前記充電の状態が異常であると判別した場合に、異常を通知する出力を行う出力部と、
を備える電子機器。
【請求項2】
前記検出部は、前記充電状態パラメータとして、前記充電部の温度を検出する温度検出部を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記異常判別部は、前記温度検出部が検出した温度が予め定められた温度上限値を超えた場合に、前記充電の状態が異常であると判別する、
ことを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記検出部は、前記充電状態パラメータとして、前記受電した電力により前記充電部に流れる電流の大きさを検出する電流検出部を備える、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項5】
前記異常判別部は、前記電流の大きさが予め定められた電流上限値を超えた場合に前記充電の状態が異常であると判別する、
ことを特徴とする請求項4に記載の電子機器。
【請求項6】
前記異常判別部は、前記電流の大きさが予め定められた最低充電電流値を下回った場合に前記充電の状態が異常であると判別する、
ことを特徴とする請求項4又は5に記載の電子機器。
【請求項7】
前記検出部が検出した前記充電状態パラメータの履歴を記憶する履歴記憶部と、
前記履歴に基づいて取得された前記充電状態パラメータの変動値を算定する変動値算定部と、
をさらに備え、
前記異常判別部は、前記変動値が予め定められた変動基準を超えた場合に、前記充電の状態が異常であると判別する、
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項8】
記憶部をさらに備え、
前記出力部は、出力方式として画面表示部、音声出力部、発振出力部、発光出力部のなかの少なくとも一つを備え、
前記異常判別部により判別される異常の内容に対応して、前記少なくとも一つの出力方式によりどの様な出力を行うかを定義する出力態様リストをあらかじめ記憶・保存する出力態様記憶部を備え、
前記出力部は、前記出力態様リストに従って出力を行う、
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか一項に記載の電子機器と、
前記充電部に、受電用電力を電気的非接触の状態で供給する非接触型充電器と、
を備える充電システム。
【請求項10】
動作用電力を供給する二次電池を備える電子機器の充電異常通知方法であって、
外部から電気的非接触の状態で受電した電力で前記二次電池を充電する充電ステップと、
該充電ステップにおける充電の状態を示す充電状態パラメータを検出する検出ステップと、
該検出ステップで検出した前記充電状態パラメータに基づき、前記充電の状態が異常であるか否かを判別する異常判別ステップと、
該異常判別ステップで、前記充電の状態が異常であると判別した場合に、異常を通知する出力を行う出力ステップと、
を備えることを特徴とする充電異常通知方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−205485(P2012−205485A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−70835(P2011−70835)
【出願日】平成23年3月28日(2011.3.28)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】