電子機器、出力方法及びプログラム
【課題】コンテンツにエラーが発生してもデータの途切れや乱れを発生させることなく、エラーが発生していない状態に極力近い自然なデータを出力させること。
【解決手段】カムコーダ100のデータ選択部19は、メイン映像データにエラーが発生していると判断した場合、当該エラーが発生したフレームに対応する時刻情報を有するサブ映像データのフレームにエラーが発生しているか否かを確認し、サブ映像データにエラーが発生していない場合には、当該サブ映像データを選択する。出力制御部20は、当該選択されたサブ映像データを、メイン映像データに置換して表示させる。
【解決手段】カムコーダ100のデータ選択部19は、メイン映像データにエラーが発生していると判断した場合、当該エラーが発生したフレームに対応する時刻情報を有するサブ映像データのフレームにエラーが発生しているか否かを確認し、サブ映像データにエラーが発生していない場合には、当該サブ映像データを選択する。出力制御部20は、当該選択されたサブ映像データを、メイン映像データに置換して表示させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像データや音声データ等のコンテンツを出力することが可能な電子機器、当該電子機器における出力方法及びそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
記録媒体上に記録されたコンテンツや、伝送路を介して電子機器へ送信されるコンテンツを再生する際には、記録媒体の読み出しの際にエラーが発生したり、伝送路上でエラーが混入したりする場合がある。そこで、従来から、コンテンツにエラー訂正用のパリティデータを付加し、エラーが発生した場合には当該パリティデータを用いてエラーを訂正することが行われている。
【0003】
しかし、このようなエラー訂正処理を行っても、全てのエラーを除去することができない場合もある。この除去できないエラーは、コンテンツを再生する電子機器において、映像の途切れや、映像の乱れを引き起こす。
【0004】
このようなエラーの発生への対処方法として、下記特許文献1には、駒落しされた(エラーが発生した)複数のフレームのうち、最初のフレームの1つ前のフレームと、最後のフレームの1つ後のフレームとから、フレームを補間する技術が記載されている。
【特許文献1】特開平6−237444号公報(図2等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術を用いてエラーが発生したフレームを補間する場合、エラーが長時間分のフレームについて発生した場合には、補間された類似の画像を長時間表示することになり、表示画像が不自然になってしまい、ユーザに違和感や不快感を与えてしまうことになる。
【0006】
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、コンテンツにエラーが発生しても、データの途切れや乱れを発生させることなく、エラーが発生していない状態に極力近い自然なデータを出力させることが可能な電子機器、当該電子機器における出力方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決するため、本発明の主たる観点に係る電子機器は、出力すべき時刻を示す時刻情報を有する第1のコンテンツと、前記時刻情報を有し前記第1のコンテンツに関連する第2のコンテンツとを入力する入力手段と、前記入力された第1のコンテンツにエラーが発生しているか否かを判断する判断手段と、前記第1のコンテンツに前記エラーが発生していると判断された場合に、前記第2のコンテンツから、前記エラーが発生している第1のデータが有する第1の時刻情報に対応する第2の時刻情報を有する第2のデータを抽出する抽出手段と、前記第1のデータを前記抽出された第2のデータに置換して前記第1のコンテンツを出力する出力手段とを具備する。
【0008】
ここで電子機器とは、例えばカムコーダ、HDD(Hard Disk Drive)/DVD(Digital Versatile Disk)/BD(Blu-ray Disc)レコーダ、DVD/BDプレーヤ、テレビジョン装置、オーディオプレーヤ、PC(Personal Computer)、ゲーム機器、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistants)、カーナビゲーション装置等である。また第1のコンテンツとは、例えばユーザが自ら撮影または作成したり、インターネット上からダウンロードしたり、放送番組として受信したりした映像コンテンツまたは音声コンテンツである。また第2のコンテンツとは、例えば、第1のコンテンツとしての映像コンテンツから作成されたサーチ再生用(変速再生用)の映像データや、第1のコンテンツとしての映像コンテンツを別の角度から撮影したマルチアングル用の映像データ等、通常再生とは異なる特殊再生用のデータや、12セグメントの通常のテレビ放送用データに対する1セグメント放送用データ等、第1のコンテンツの補助的な役割を果たすコンテンツである。また、第2のコンテンツは、第1のコンテンツのデータをコピーしたものであっても構わない。上記時刻情報とは、例えばMPEG(Moving Picture Experts Group)形式のコンテンツに付加されるPTS(Presentation Time Stamp)である。
【0009】
上記入力手段は、記録媒体に記憶された第1及び第2のコンテンツを読み出す場合や、放送波やネットワークを介して第1及び第2のコンテンツを受信する場合を含む概念である。また上記出力手段は、上記電子機器が内蔵するディスプレイやスピーカから第1のコンテンツを出力する場合のほか、電子機器に外部接続されたディスプレイやスピーカへ第1のコンテンツを出力する場合も含む概念である。
【0010】
この構成により、第1のコンテンツにエラーが発生しても、第1のコンテンツを出力する際、エラーが発生したデータについては第2のコンテンツに切り替えて出力することができるため、出力されるデータが途切れたり、乱れたりすることを防ぎ、エラーが発生していない状態に極力近い自然な状態で出力することができる。
【0011】
上記電子機器において、前記判断手段は、前記第2のコンテンツの前記第2のデータに前記エラーが発生しているか否かを判断し、当該電子機器は、前記第2のデータに前記エラーが発生していると判断された場合に、前記第1のコンテンツのうち、前記第1のデータが有する前記第1の時刻情報の前後で連続する各時刻情報を有する各データを基に第3のデータを生成する手段を更に具備し、前記出力手段は、前記第1のデータを前記生成された第3のデータに置換して前記第1のコンテンツを出力するようにしてもよい。
【0012】
また、上記電子機器において、前記判断手段は、前記第2のコンテンツの前記第2のデータに前記エラーが発生しているか否かを判断し、当該電子機器は、前記第2のデータに前記エラーが発生していると判断された場合に、前記第2のコンテンツのうち、前記第2のデータが有する前記第2の時刻情報の前後で連続する各時刻情報を有する各データを基に第3のデータを生成する手段を更に具備し、前記出力手段は、前記第1のデータを前記生成された第3のデータに置換して前記第1のコンテンツを出力するようにしてもよい。
【0013】
これにより、第2のコンテンツにエラーが発生している場合でも、第1のコンテンツのエラーデータの前後のデータや、第2のコンテンツのエラーデータの前後のデータから第3のデータを生成して出力することで、第1のコンテンツの途切れや乱れを防ぐことができる。
【0014】
上記電子機器において、前記抽出手段は、前記第2のコンテンツから、前記第1のデータが有する前記第1の時刻情報の前または後で連続する第3の時刻情報に対応する第4の時刻情報を有する第3のデータを抽出し、前記出力手段は、前記第1のコンテンツのうち、前記第3の時刻情報を有するデータを前記第3のデータに置換して、前記第2のデータと連続させて出力するようにしても構わない。
【0015】
これにより、第1のコンテンツ中のエラーが発生したデータを第2のデータに置換するのみならず、当該エラーが発生したデータに連続する前または後のデータも第3のデータに置換することで、第1のコンテンツから第2のコンテンツへの変わり目を違和感なく自然な感じで出力することができる。なお、第3のデータは、例えば第1及び第2のコンテンツが映像コンテンツの場合、第1のデータを構成するフレームと連続した前後各2フレームや4フレーム等の所定フレームのデータである。
【0016】
上記電子機器において、前記第1及び第2のコンテンツは、それぞれ複数のフレームから構成される映像コンテンツであり、前記判断手段は、前記エラーが発生しているか否かを、前記各フレームが所定の複数のフレーム毎に区分されたフレーム区間毎に判断し、前記抽出手段は、前記各フレーム区間のうち第1のフレーム区間を構成する各フレームのうち少なくとも1つのフレームに前記エラーが発生していると判断された場合に、前記第2のコンテンツから、前記第1のフレーム区間が有する第3の時刻情報に対応する第4の時刻情報を有する第2のフレーム区間の各フレームを抽出し、前記出力手段は、前記第1のフレーム区間の各フレームを前記第2のフレーム区間の各フレームに置換して前記第1のコンテンツを出力するようにしてもよい。
【0017】
これにより、エラーの発生を、各フレーム区間の複数のフレームについてまとめて判断して、そのフレーム区間内のフレームに1つでもエラーが発生した場合にはクレーム区間毎第2のコンテンツに置換することで、1つのフレーム毎に判断して置換する場合に比べて処理が容易になり、負荷を軽減することができる。また、1つのフレーム区間でエラーがランダムに発生した場合でも、そのフレーム区間をまとめて置換することで、1のコンテンツと第2のコンテンツとが頻繁に切り替わって表示される映像が不自然になるのを防ぐことができる。
【0018】
更に、上記第1及び第2のコンテンツがMPEG形式の映像データである場合には、上記フレーム区間をGOP(Group of Picture)とすることもできる。MPEG形式では、映像データを表示すべき時刻を示す上記PTSと、映像データをデコードすべき時刻を示すDTS(Decoding Time Stamp)とが定められており、1つのGOP内でデコード順と表示順とが異なっている。したがって、上記第1のフレーム区間でエラーが連続して発生しても、上記置換した第2のフレーム区間の各フレームを表示する場合には、並び替えが生じて各フレームの表示順が不連続になる場合がある。しかし、1つのGOPを第1のコンテンツと第2のコンテンツとの置換単位とすることで、上記各フレームの並び替えの影響を受けるのを防ぎ、第1のコンテンツと第2のコンテンツとを違和感なく切り替えることができる。
【0019】
この場合、上記電子機器は、前記第1のコンテンツの第1のフレームレートと、前記第2のコンテンツの第2のフレームレートとをそれぞれ検出する検出手段と、前記検出された第1のフレームレートと第2のフレームレートとが異なる場合に、前記抽出された第2のフレーム区間の前記第2のフレームレートが前記第1のフレームレートとなるよう前記第2のデータにフレームを補間する補間手段とを更に具備していてもよい。
【0020】
これにより、第1のコンテンツのフレームレートに合わせて第2のコンテンツを加工することで、第2のフレーム区間の各フレームを、より第1のコンテンツに近い状態で出力することができる。
【0021】
上記電子機器において、前記第1のコンテンツは、ピクチャタイプが異なる複数のフレームから構成されるMPEGデータであり、前記抽出手段は、前記エラーが発生していると判断された第1のフレームの前記ピクチャタイプに応じて、前記第1のフレームと、当該第1のフレームを参照して生成された第2のフレームとにそれぞれ前記時刻情報が対応する第3のフレーム及び第4のフレームとを前記第2のコンテンツから抽出し、前記出力手段は、前記第1のフレームを前記第3のフレームに置換し、前記第2のフレームを前記第4のフレームに置換して前記第1のコンテンツを出力するようにしても構わない。
【0022】
これにより、エラーが発生しているフレームのピクチャタイプに応じて、エラーが発生しているフレームのみならず、例えばPピクチャやBピクチャ等、当該エラーが発生しているフレームを参照しているフレームも第2のコンテンツに置換することで、第1のコンテンツに発生したエラーから間接的に発生する映像データの途切れや乱れも防ぐことができる。
【0023】
上記電子機器において、前記第1及び第2のコンテンツは映像コンテンツであり、当該電子機器は、前記第1のコンテンツの第1の解像度と、前記第2のコンテンツの第2の解像度とをそれぞれ検出する検出手段と、前記検出された第1の解像度と第2の解像度とが異なる場合に、前記抽出された第2のデータの前記第2の解像度を前記第1の解像度へ変換する変換手段とを更に具備してもよい。
【0024】
これにより、第1のコンテンツの解像度に合わせて第2のデータを加工することで、当該第2のデータを、より第1のコンテンツに近い状態で出力することができる。
【0025】
上記電子機器は、複数の異なる前記第2のコンテンツを、前記第1のコンテンツとの類似度に応じた優先度を示す優先度情報とそれぞれ対応付けて記憶する記憶手段を更に具備し、前記入力手段は、前記優先度情報を基に、前記各第2のコンテンツから1つの第2のコンテンツを入力し、前記判断手段は、前記第2のコンテンツの前記第2のデータに前記エラーが発生しているか否かを判断し、前記出力手段は、前記第1のデータを、前記エラーが発生していないと判断された前記第2のコンテンツのうち、前記優先度が最も高い前記第2のコンテンツの前記第2のデータに置換して前記第1のコンテンツを出力するようにしてもよい。
【0026】
これにより、複数の第2のコンテンツから、第1のコンテンツとの類似度が最も高く、かつ、置換対象となる第2のデータにエラーが発生していない1つの第2のコンテンツを選択することで、エラーが発生したデータについて、第1のコンテンツから第2のコンテンツへ、より違和感無く切り替えることができる。例えば、複数の第2のコンテンツとして、サーチ再生用の映像データと、第1のコンテンツを別の角度から撮影したマルチアングル用の映像データとが記憶されている場合、第1のコンテンツとの類似度はサーチ再生用の映像データの方が高いため、優先度もサーチ再生用の映像データの方が高くなる。
【0027】
上記電子機器は、前記第1のコンテンツを基に前記第2のコンテンツを生成する生成手段を更に具備しても構わない。
【0028】
これにより、元々第2のコンテンツが存在しない場合であっても、第1のコンテンツを基に第2のコンテンツを生成することで、第1のコンテンツにエラーが発生した場合に備えることができる。例えば、第1のコンテンツがMPEG形式の映像データである場合には、生成手段は、第1のコンテンツ中のIピクチャから、DCT(Discrete Cosine Transform)係数のうちDC(Direct Current)成分を抽出することで、サーチ再生用の映像データを第2のコンテンツとして生成することができる。また、例えば第1のコンテンツが放送番組の場合、当該放送番組を受信したときに、当該放送番組を例えばH.264規格等、比較的情報量の少ない圧縮符号化形式で再エンコードして第2のコンテンツを生成することもできる。
【0029】
上記電子機器は、前記第1のコンテンツを第1の領域に記憶し、前記第2のコンテンツを前記第1の領域とは異なる第2の領域に記憶する記憶手段を更に具備してもよい。
【0030】
これにより、第1のコンテンツと第2のコンテンツとが別個に読み出されることになるため、読み出し時のエラーを極力防ぐことができる。
【0031】
上記電子機器は、前記第1のコンテンツに前記エラーを訂正するための第1のエラー訂正符号を付加して当該第1のコンテンツを記憶し、前記第2のコンテンツに前記第1のエラー訂正符号とは異なる第2のエラー訂正符号を付加して当該第2のコンテンツを記憶する記憶手段を更に具備し、前記判断手段は、前記第1及び第2のエラー訂正符号によって訂正できないエラーが前記第1のコンテンツ及び前記第2のデータに発生しているか否かをそれぞれ判断するようにしても構わない。
【0032】
これにより、第1のコンテンツと第2のコンテンツとに別個に独立してエラー訂正符号を付加することで、第1のコンテンツと第2のコンテンツの両方にエラーが発生してしまうことを防ぎ、第1のコンテンツの第1のデータが第2のコンテンツのデータに置換できない事態を極力防ぐことができる。
【0033】
上記電子機器において、前記入力手段は、前記第2のコンテンツを前記第1のコンテンツよりも先に入力するようにしても構わない。
【0034】
これにより、第1のコンテンツよりも第2のコンテンツが先に入力されることで、第1のコンテンツ中のエラーが発生したデータの前または後で連続する上記第3のデータにより第1のコンテンツを抽出して置換する際に、当該第3のデータがまだ入力されておらず抽出できないという事態を防ぐことができる。すなわち、当該第3のデータを即座に抽出して、出力までの処理速度を向上させることができる。
【0035】
本発明の他の観点に係る出力方法は、出力すべき時刻を示す時刻情報を有する第1のコンテンツと、前記時刻情報を有し前記第1のコンテンツに関連する第2のコンテンツとを入力し、前記入力された第1のコンテンツにエラーが発生しているか否かを判断し、前記第1のコンテンツに前記エラーが発生していると判断された場合に、前記第2のコンテンツから、前記エラーが発生している第1のデータが有する第1の時刻情報に対応する第2の時刻情報を有する第2のデータを抽出し、前記第1のデータを前記抽出された第2のデータに置換して前記第1のコンテンツを出力するものである。
【0036】
本発明のまた別の観点に係るプログラムは、電子機器に、出力すべき時刻を示す時刻情報を有する第1のコンテンツと、前記時刻情報を有し前記第1のコンテンツに関連する第2のコンテンツとを入力するステップと、前記入力された第1のコンテンツにエラーが発生しているか否かを判断するステップと、前記第1のコンテンツに前記エラーが発生していると判断された場合に、前記第2のコンテンツから、前記エラーが発生している第1のデータが有する第1の時刻情報に対応する第2の時刻情報を有する第2のデータを抽出するステップと、前記第1のデータを前記抽出された第2のデータに置換して前記第1のコンテンツを出力するステップとを実行させるためのものである。
【発明の効果】
【0037】
以上のように、本発明によれば、コンテンツにエラーが発生しても、データの途切れや乱れを発生させることなく、エラーが発生していない状態に極力近い自然なデータを出力させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
【0039】
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るカムコーダの構成を示したブロック図である。
同図に示すように、本実施形態に係るカムコーダ100は、レンズ1、CCD(Charge Coupled Device)2、A/D(Analog/Digital)コンバータ3、MPEGエンコーダ4、サブ映像生成部5、データ多重部6、ECC(Error Correcting Code)付加部7、テープドライブ8、CPU(Central Processing Unit)10、操作入力部11、エラー訂正部12、データ分離部13、MPEGデコーダ14、メイン映像補間部15、サブ映像補間部16、メイン映像バッファ17、サブ映像バッファ18、データ選択部19及び出力制御部20を有する。
【0040】
CPU10は、カムコーダ100の各ブロックと信号をやり取りして各種演算処理を行い、各ブロックを統括的に制御する。
【0041】
レンズ1は、被写体に反射した光を集め、被写体の像の光をCCD2の受光部に結像させる。また、レンズ1は、CPU10により駆動される。CCDは、CCDセンサから構成され、レンズ1により結像された光を光電変換することにより、光をアナログの電気信号に変換し、A/Dコンバータ3に供給する。なお、CCD2に換えて、例えば、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ等の他の撮像素子を用いても構わない。
【0042】
A/Dコンバータ3は、CPU10の制御の下、CCD2から供給されるアナログの画像信号を、デジタルの画像データに変換し、MPEGエンコーダ4に供給する。MPEGエンコーダ4は、A/Dコンバータ3から供給された画像データを、例えばMPEG−2等のMPEG方式でエンコードする。このエンコードされた画像データが、本実施形態におけるメイン映像データとなる。このとき、メイン映像データを構成する各フレームには、デコードすべき時刻を示すデコード時刻情報(DTS)と、表示すべき時刻を示す表示時刻情報(PTS)とが付加される。
【0043】
サブ映像生成部5は、MPEGエンコーダ4によりエンコードされたメイン映像データを入力し、当該メイン映像データを基にサブ映像データを生成する。ここで、サブ映像データとしては、例えば、早送りや巻き戻し等のサーチ再生用の映像データや、スロー再生用の映像データ等、変速再生用の映像データが生成される。このうち、サーチ再生用の映像データは、例えば、メイン映像データのうち、MPEGにおけるIピクチャから、DCT係数のうちDC成分を抽出することで生成される。
【0044】
データ多重部6は、上記メイン映像データと、サブ映像データとを多重化する。また、図示しないが、メイン映像データの撮影時に入力された音声データも、上記A/Dコンバータ3及びMPEGエンコーダ4を介してデータ多重部6で上記メイン映像データ及びサブ映像データと多重化される。
【0045】
ECC付加部7は、上記多重化されたメイン映像データ及びサブ映像データに、エラー訂正符号(ECC)としてのパリティデータを付加する。このとき、パリティデータは、メイン映像データとサブ映像データとに別個に独立して付加されるのが好ましい。これにより、再生時にメイン映像データとサブ映像データとに同時にエラーが発生してしまうのを防ぎ、エラー訂正能力を高めることができる。なお、パリティデータに替わり、ハミング符号やリードソロモン符号等の他のエラー訂正符号が用いられても構わない。
【0046】
テープドライブ8は、例えば図示しない磁気ヘッド、回転ドラム、ドラムモータ及びキャプシタンモータ等により構成される。テープドライブ8は、上記多重化されパリティデータを付加された映像データを、CPU10の制御の下、回転ドラムに巻き付けられた磁気テープ9に記録する。この磁気テープは、例えばDVC(Digital Video Cassette)であり、テープドライブ8は、上記映像データを、このDVCに例えばHDVフォーマットで記録する。
【0047】
また、テープドライブ8は、磁気テープ9に記録された映像データの再生時に、CPU10の制御の下、当該映像データを磁気テープ9から読み出し、エラー訂正部12へ出力する。
【0048】
なお、テープドライブ8は、磁気テープ9において、メイン映像データとサブ映像データとを極力離れた別個のトラックに記録するのが好ましい。これにより、映像データの読み出し時に、メイン映像データとサブ映像データとが同時にエラーとなってしまうのを防ぐことができる。
【0049】
エラー訂正部12は、上記磁気テープ9から読み出された映像データを入力し、当該映像データにエラーが発生しているか否かを、パリティ計算を行って確認する。そして、エラー訂正部12は、映像データにエラーが発生している場合には、当該映像データに付加されたパリティデータを用いてエラーを訂正する。エラー訂正部12は、エラー訂正を行った結果として、エラーの有無、すなわち、エラーを完全に訂正できたか、それとも完全には訂正しきれなかったかを示すフラグを、ECC単位の各映像データに付加する。
【0050】
データ分離部13は、エラー訂正部12から入力された映像データを、メイン映像データとサブ映像データとに分離する。分離された映像データのうち、メイン映像データはMPEGデコーダ14へ出力され、サブ映像データはサブ映像補間部16へ出力される。
【0051】
MPEGデコーダ14は、上記分離されたメイン映像データをMPEG方式に従ってデコードし、メイン映像補間部15へ出力する。
【0052】
メイン映像補間部15は、メイン映像データ中に、上記エラー訂正部12によって訂正しきれなかったエラーが存在するか否かを上記フラグによって判断する。そして、メイン映像補間部15は、メイン映像データ中に訂正しきれなかったエラーが存在する場合には、そのエラーとなったフレームの前後の時刻情報(PTS)を有する各フレームを基に、当該エラーとなったフレームに相当するフレームを補間する補間データ(以下、メイン映像補間データと称する)を生成し、上記メイン映像データと共にメイン映像バッファ17へ出力する。
【0053】
サブ映像補間部16は、上記メイン映像データ中でエラーとなったフレームと同一の時刻情報(PTS)を有するフレームがサブ映像データ中に存在するか否かを判断する。そして、サブ映像補間部は、上記エラーとなったフレームと同一の時刻情報を有するフレームがサブ映像データ中に存在しない場合には、エラー該当時刻の前後の時刻情報を有する各フレームを基に、エラー該当時刻のフレームを補間する補間データ(以下、サブ映像補間データと称する)を生成し、上記サブ映像データと共にサブ映像バッファ18へ出力する。すなわち、サブ映像補間部16は、サブ映像データのフレームレートがメイン映像データのフレームレートと異なる場合に、サブ映像データのフレームレートがメイン映像データのフレームレートと合致するようにフレームを補間する。
【0054】
メイン映像バッファ17は、上記メイン映像補間部15から入力したメイン映像データ及びメイン映像補間データとを一時的に格納し、必要に応じてデータ選択部19へ出力する。サブ映像バッファ18は、上記サブ映像補間部16から入力したサブ映像データ及びサブ映像補間データを一時的に格納し、必要に応じてデータ選択部19へ出力する。
【0055】
データ選択部19は、メイン映像データの再生時に、上記メイン映像データ及びサブ映像データを上記時刻情報(PTS)に従って順次入力し、入力されたメイン映像データ及びサブ映像データにエラーが存在するか否かを上記フラグを基に判断する。そして、データ選択部19は、そのエラー状況に応じてメイン映像データ、サブ映像データ、メイン映像補間データ及びサブ映像補間データのいずれを出力すべきかを選択し、選択されたデータを出力制御部20へ出力する。
【0056】
出力制御部20は、上記データ選択部19から入力した各データを、その出力タイミングを上記PTSにより調整しながら、例えばカムコーダ100に搭載された液晶ディスプレイ(図示せず)や、カムコーダ100に接続されたテレビジョン装置またはディスプレイ装置等の外部表示機器へ出力する。
【0057】
操作入力部11は、例えばタッチパネルや操作ボタン等で構成され、カムコーダの各種機能を実行するための各種操作命令をユーザから入力して、CPU10へ出力する。
【0058】
次に、以上のように構成されたカムコーダ100の動作について説明する。
【0059】
図2は、本実施形態において、メイン映像データの再生命令が入力された場合におけるカムコーダ100の動作の流れを示したフローチャートである。なお、同図においては、磁気テープ9から読み出された映像データが、エラー訂正部12、データ分離部13、MPEGデコーダ14、メイン映像補間部15及びサブ映像補間部16を経て、メイン映像バッファ17及びサブ映像バッファ18に格納されているものとして説明する。
【0060】
同図に示すように、まず、カムコーダ100のデータ選択部19は、上記メイン映像バッファ17に格納されているメイン映像データを順次入力し、当該メイン映像データにエラーが発生しているか否か、すなわち上記エラー訂正部12により訂正しきれなかったエラーが存在するか否かを、例えばフレーム毎に判断する(ステップ21)。
【0061】
エラーが存在しないと判断された場合(No)、データ選択部19は、そのままメイン映像データを選択する(ステップ27)。
【0062】
エラーが存在すると判断された場合(Yes)、データ選択部19は、上記メイン映像データ中のエラーデータが有する時刻情報に対応する時刻情報を有するサブ映像データが、上記サブ映像バッファ18に存在するか否かを判断する(ステップ22)。該当する時刻情報を有するサブ映像データが存在する場合(Yes)には、データ選択部19は、そのサブ映像データを選択する(ステップ23)。
【0063】
また、上記ステップ22において、該当する時刻情報を有するサブ映像データが存在しないと判断された場合(No)には、データ選択部19は、上記サブ映像補間部16において、該当時刻の前後の時刻情報を有するサブ映像データ(フレーム)から生成された上記サブ映像補間データをサブ映像データとして選択する(ステップ24)。
【0064】
続いて、データ選択部19は、選択されたサブ映像データにエラーが存在するか否か、すなわち上記エラー訂正部12により訂正しきれなかったエラーが存在するか否かを判断する(ステップ25)。
【0065】
選択されたサブ映像データにエラーが存在すると判断された場合(Yes)、データ選択部19は、上記メイン映像補間部15において、該当時刻の前後の時刻情報を有するメイン映像データ(フレーム)から生成された上記メイン映像補間データを選択する(ステップ26)。
【0066】
そして、出力制御部20は、上記データ選択部19により選択されたデータを抽出して、カムコーダ100のディスプレイまたはカムコーダ100に外部接続されたディスプレイ装置に出力し、表示させる(ステップ28)。
【0067】
図3は、本実施形態におけるメイン映像データ及びサブ映像データの表示方法について示した図である。なお、同図において、サブ映像データは、メイン映像データとフレームレートが対応していない場合には、対応するように上記サブ映像補間部16によりフレームを補間されているものとする。
同図に示すように、上記メイン映像バッファ17に格納されたメイン映像データのうち、時刻t2〜t3までの各時刻情報を有するフレームM1〜M7にエラーが発生している。また、上記サブ映像バッファ18に格納されたサブ映像データにも、時刻t5〜t6までの各時刻情報を有する各フレームにエラーが発生している。
【0068】
このような場合、カムコーダ100は、上述したデータ選択部19の処理により、メイン映像データ中のエラーが発生している上記フレームM1〜M7を、サブ映像データ中の、対応する時刻情報を有するエラーが発生していないフレームS1〜S7に置換して表示させる。
【0069】
すなわち、カムコーダ100は、メイン映像データにエラーが存在しない時刻t1までは、そのままメイン映像データを選択して表示させ、メイン映像データにエラーが存在する時刻t2〜t3までは、メイン映像データをサブ映像データに切り替えて表示させ、メイン映像データエラーが存在しない時刻t4以降は、サブ映像データを再びメイン映像データへ切り替えて表示させる。
【0070】
このように、カムコーダ100は、メイン映像データにエラーが発生しているか否かに応じてメイン映像データとサブ映像データとを切り替えて表示できるため、上記エラー訂正部12によりメイン映像データのエラーを訂正しきれなかった場合でも、メイン映像データの表示が途切れてブラックアウトしたり、乱れたりするのを防ぎ、メイン映像データに極力近い状態で映像データを表示することができる。
【0071】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、本実施形態において、上記第1の実施形態と同様の構成及び機能となる箇所については説明を省略し、第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0072】
上記第1の実施形態においては、メイン映像データにエラーが発生した場合に、エラーが発生したデータのみをサブ映像データに切り替えて表示していた。しかし、本実施形態においては、メイン映像データにエラーが発生したフレームの数フレーム前からサブ映像データに切り替え、またエラーが存在しなくなったフレームの数フレーム後からサブ映像データをメイン映像データに切り替えて表示することとしている。以下、この場合の動作の詳細について説明する。
【0073】
図4は、本実施形態において、メイン映像データの再生命令が入力された場合におけるカムコーダ100の動作の流れを示したフローチャートである。なお、同図においても、上記図2の場合と同様に、磁気テープ9から読み出された映像データが、メイン映像バッファ17及びサブ映像バッファ18に格納されているものとして説明する。
【0074】
同図に示すように、まず、カムコーダ100のデータ選択部19は、上記メイン映像バッファ17に格納されているメイン映像データの、現在の時刻情報(データ選択部19へ入力されたフレームが有する時刻情報)を有するフレームの2フレーム後のメイン映像データ、または、現在の時刻情報を有するフレームの3フレーム前のメイン映像データにエラーが発生しているか否かをフレーム毎に判断する(ステップ41)。
【0075】
エラーが存在しないと判断された場合(No)、データ選択部19は、上記第1実施形態における図2のステップ27の処理と同様、そのままメイン映像データを選択する(ステップ47)。
【0076】
エラーが存在すると判断された場合(Yes)、データ選択部19は、現在の時刻情報に対応する時刻情報を有するサブ映像データが、上記サブ映像バッファ18に存在するか否かを判断する(ステップ42)。該当する時刻情報を有するサブ映像データが存在する場合(Yes)には、データ選択部19はそのサブ映像データを選択する(ステップ43)。
【0077】
また、上記ステップ42において、該当する時刻情報を有するサブ映像データが存在しないと判断された場合(No)には、データ選択部19は、上記図2のステップ24の処理と同様、上記サブ映像補間部16において、該当時刻の前後の時刻情報を有するサブ映像データから生成された上記サブ映像補間データをサブ映像データとして選択する(ステップ44)。
【0078】
その後は、上記第1の実施形態における図2のステップ25以降の処理と同様に、データ選択部19が、選択されたサブ映像データにエラーが存在するか否かを判断し(ステップ25)、エラーが存在する場合にはメイン映像補間データを選択し(ステップ26)、出力制御部20が、データ選択部19により選択された各データを出力する(ステップ28)。カムコーダ100は、以上の処理を、データ選択部19に入力されるフレーム毎に順次行うことで、エラーが発生しているメイン映像データのみならず、その前の2フレーム分及び後の3フレーム分のデータもサブ映像データに置換することができる。
【0079】
図5は、本実施形態におけるメイン映像データ及びサブ映像データの表示方法について示した図である。
同図に示すように、上記メイン映像バッファ17に格納されたメイン映像データのうち、時刻t3〜t4までの各時刻情報を有するフレームM3〜M9にエラーが発生している。また、上記サブ映像バッファ18に格納されたサブ映像データにも、時刻t7〜t8までの各時刻情報を有する各フレームにエラーが発生している。
【0080】
このような場合、カムコーダ100は、上述したデータ選択部19の処理により、メイン映像データ中のエラーが発生した上記フレームM3〜M7のみならず、エラーが発生した最初のフレームであるフレームM3の前の連続する2つのフレームM1、M2と、エラーが発生した最後のフレームであるフレームM7の後の連続する3つのフレームM10〜M12も含めて、フレームM1〜M12全体をサブ映像データのフレームS1〜S12に置換して表示させる。
【0081】
すなわち、カムコーダ100は、メイン映像データにエラーが発生する時刻t3の3フレーム前の時刻t1まではメイン映像データを選択して表示させ、時刻t3の2フレーム前の時刻t2から、エラーが発生した最後の時刻t4の3フレーム後の時刻t5までは、メイン映像データをサブ映像データに切り替えて表示させ、時刻t4の4フレーム後の時刻t6以降は、再びサブ映像データを再びメイン映像データへ切り替えて表示させる。
【0082】
このように、カムコーダ100は、メイン映像データ中のエラーが発生したデータのみならず、その前後のデータも加えてサブ映像データに置換することで、メイン映像データにランダムにエラーが発生した場合に、メイン映像データとサブ映像データとが頻繁に切り替わることで、表示される映像に対してユーザが違和感を覚えるのを防ぐことができる。すなわち、カムコーダ100は、メイン映像データからサブ映像データに表示を切り替える場合には、サブ映像データにある程度の長さを持たせることで、メイン映像データとサブ映像データの変わり目を目立たなくし、より自然な映像を表示させることができる。
【0083】
なお、エラーが発生したメイン映像データに対応するサブ映像データの前後に付け加えて切り替えるフレームの数は、上記2フレーム及び3フレームに限られるものではなく、適宜変更可能である。
【0084】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。なお、本実施形態においても、上記第1及び第2の実施形態と同様の構成及び機能となる箇所については説明を省略し、上記各実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0085】
本実施形態においては、カムコーダ100は、MPEG符号化形式の特徴をより考慮してメイン映像データとサブ映像データとを切り替えることとしている。
【0086】
まず、ここで、MPEGによる符号化方式について説明する。
図6は、MPEG映像データにおけるGOP及びピクチャタイプについて示した図である。同図における矢印は、各フレームの参照元のフレームを示している。また図7は、MPEG映像データのエンコード処理、デコード処理及び再生処理における映像データの処理順序を示した図である。
【0087】
図6に示すように、MPEG符号化方式では、所定枚数のフレームにより1つのGOPが形成される。同図においては、9枚のフレームで1つのGOPが形成されているが、1つのGOP内のフレーム数はこれに限られず、15枚、18枚等、他の枚数であっても構わない。
【0088】
また、GOPは、Iピクチャ、Pピクチャ及びBピクチャの最大3種類のピクチャタイプのフレームにより構成される。1つのGOPには、フレーム内符号化画像であるIピクチャが少なくとも1枚含まれている。このIピクチャは、DCTにより1フレームの画素データのみによって符号化されたものであり、時間方向の予測は行われない。このIピクチャから所定のaフレーム毎(同図ではa=3)の画像データは、第1及び第2の前方予測符号化画像としてのPピクチャ(P1及びP2)に変換される。この場合、第2の前方予測符号化画像P2は、第1の前方予測符号化画像P1から変換される。更に、Iピクチャまたは各Pピクチャの間の各フレームの画像データは、その前方及び後方の画像データを用いた両方向予測符号化画像であるBピクチャに変換される。
【0089】
図6及び図7に示すように、エンコード処理においては、原画像から、まずIピクチャが符号化され、続いて、Pピクチャが符号化され、更に、IピクチャまたはPピクチャの後にBピクチャが符号化される。各フレームの画像はこの符号化順序で記録媒体上に記録され、上述したDTS及びPTSにより、デコード時に並び替えられて原画像の順序に戻される。
【0090】
上述のように、Iピクチャはフレーム内の情報のみによって符号化されているため、単独の符号化データのみによって復号可能である。一方、Pピクチャ及びBピクチャは、他の画像データとの相関を基に符号化されているため、単独の符号化データのみでは復号することができない。
【0091】
このように、MPEG符号化形式では、PピクチャまたはBピクチャは、他のIピクチャまたはPピクチャを参照することで生成されているため、IピクチャまたはPピクチャにエラーが発生すると、そのIピクチャまたはPピクチャを参照して生成されたPピクチャまたはBピクチャも復号できなくなる。
【0092】
また、上述したように、MPEG符号化方式では、各フレームにDTSとPTSの2種類の時刻情報が付加されており、デコード時と表示時とで処理されるフレームの順序が異なっている。そうすると、上記第1の実施形態において、カムコーダ100がDTSを基にメイン映像データとサブ映像データとを選択した場合には、表示時に並び替えが生じる。したがって、メイン映像データ中の連続したフレームにエラーが発生した場合に、カムコーダ100が、当該連続したフレームをサブ映像データの連続したフレームに置換した場合でも、実際にその置換したフレームが表示される場合には、上記並び替えにより、メイン映像データとサブ映像データとの間でランダムな切り替えが生じ、映像として非常に見づらいものとなる場合が考えられる。
【0093】
そこで、本実施形態においては、メイン映像データ中の1つのGOP内で少なくとも1つのフレームにエラーが発生した場合には、そのGOP内の全てのフレームをまとめてサブ映像データに置換することで、上記各フレーム間の相関やフレームの並び替えの影響を防ぐこととしている。
【0094】
図8は、本実施形態におけるメイン映像データ及びサブ映像データの表示方法について示した図である。
同図においては、説明を簡単にするために、メイン映像データは1つのGOPが3枚のフレームからなるMPEGデータであり、サブ映像データは、1つのGOP内の最初のフレーム(例えばIピクチャ)から生成されるものとする。すなわち、メイン映像データ中の1つのGOP内の最初のフレームが、それに対応するサブ映像データと同一の時刻情報を有しているものとする。例えば、サブ映像データ中のフレームS1は、メイン映像データのGOP1に属するフレームM1から生成され、両者は同一の時刻情報(t1)を有している。また、各GOPには、それぞれECC単位が対応しており、上記エラー訂正部12は、このECC単位に基づいてエラー検出及び訂正を行う。
【0095】
本実施形態においては、上記データ選択部19は、メイン映像データ及びサブ映像データの各フレーム単位ではなく、GOP単位でエラーの有無を判断する。この判断の結果、同図においては、各ECC単位のうち、ECC1に対応するGOP1及びGOP2においてエラーが訂正しきれずに残っている。具体的には、例えば、GOP1内のフレームM1及びM2と、GOP2内のフレームM4にエラーが発生している。この場合、上記図6で示したGOP構造により、上記フレームM1、M2及びM4のみならず、GOP1及びGOP2に属する他のフレームについても正しく再生できない可能性がある。
【0096】
そこで、上記データ選択部19は、メイン映像データのGOP1内の先頭のフレームの表示時刻t1においては、この時刻t1に相当する表示時刻情報を有するサブ映像データ中のフレームS1を選択し、上記出力制御部20は、上記表示時刻情報を基に表示を切り替える。また、メイン映像データが1つのGOPに3枚存在するのに対して、サブ映像データは1枚しか存在しないため、上記サブ映像補間部16が、GOP1内のフレームM2及びM3に対応するフレームとして、上記フレームS1を2枚コピーし、データ選択部19が選択したそれら3枚のフレームを、出力制御部20がそれらの表示時刻を制御しながら、時刻t1〜t2までの間、繰り返して表示させる。
【0097】
データ選択部19は、GOP2についても同様に、表示時刻t2からt3までの間、GOP2内のフレームM4〜M6に替えて、サブ映像データのフレームS2及びそのコピーを選択し、出力制御部20がそれらのフレームを表示させる。
【0098】
その後、メイン映像データのGOP3から(時刻t3以降)は、メイン映像データにエラーが存在していないため、データ選択部19は、サブ映像データからメイン映像データに再び選択を切り替えて、出力制御部20がそのメイン映像データを表示させる。
【0099】
以上の処理により、カムコーダ100は、メイン映像データにエラーが存在するか否かをGOP単位で判断し、エラーが発生した場合には、GOP単位で複数のフレームをまとめてサブ映像データに切り替えることで、MPEG符号化方式における各フレーム間の相関により、エラーが発生したフレームから派生して発生するエラーの影響や、PTSとDTSの相違により生じる並び替えの影響を防ぐことができる。また、カムコーダ100は、エラーの判断を複数のフレームについてまとめて行い、まとめて切り替えることで、処理が簡素化され、処理負荷を軽減することができる。
【0100】
なお、サブ映像データにエラーが発生した場合には、サブ映像補間部16が、そのエラーが発生したフレームの前後の表示時刻情報を有する各フレームから該当時刻のフレームを補間するようにすればよい。
【0101】
また、上記サブ映像補間部16は、上記GOP1のフレームM2及びM3に対応するフレームを、サブ映像データのフレームS1をコピーすることで生成するのではなく、フレームS1及びS2を基に予測されるフレームを補間するようにしても構わない。これにより、サブ映像データをより滑らかに表示することができる。
【0102】
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。なお、本実施形態においても、上記第1乃至第3の実施形態と同様の構成及び機能となる箇所については説明を省略し、上記各実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0103】
上記第3の実施形態においては、カムコーダ100は、メイン映像データのエラーをGOP単位で判断し、GOP単位で複数のフレームをまとめてサブ映像データに切り替えるようにしていた。しかし、本実施形態においては、各GOP内のフレーム毎にエラーを判断し、エラーが発生したフレームのピクチャタイプに応じて、サブ映像データへの切り替え手法を変更することとしている。
【0104】
図9は、本実施形態において、メイン映像データの再生命令が入力された場合におけるカムコーダ100の動作の流れを示したフローチャートである。なお、同図においても、上記図2及び図4の場合と同様に、磁気テープ9から読み出された映像データが、メイン映像バッファ17及びサブ映像バッファ18に格納されているものとして説明する。
【0105】
同図に示すように、まず、カムコーダ100のデータ選択部19は、上記メイン映像バッファ17に格納されているメイン映像データを順次入力し、当該メイン映像データにエラーが発生しているか否かをフレーム毎に判断する(ステップ101)。
【0106】
エラーが存在しないと判断された場合(No)、データ選択部19は、そのままメイン映像データを選択する(ステップ102)。
【0107】
エラーが存在すると判断された場合(Yes)には、データ選択部19は、エラーが発生したフレームがIピクチャか否かを判断する(ステップ103)。そして、データ選択部19は、エラーが発生したフレームがIピクチャであると判断された場合(Yes)には、そのIピクチャと、そのIピクチャを参照して生成されたPピクチャと、そのIピクチャ及びPピクチャを参照して生成されたBピクチャにそれぞれ対応する時刻情報を有するサブ映像データの各フレームを選択する(ステップ104)。
【0108】
上記ステップ103において、エラーが発生したフレームがIピクチャでないと判断された場合(No)には、データ選択部19は、エラーが発生したフレームがPピクチャであるか否かを判断する(ステップ105)。そして、データ選択部19は、エラーが発生したフレームがPピクチャであると判断された場合(Yes)には、そのPピクチャと、そのPピクチャを参照して生成されたBピクチャにそれぞれ対応する時刻情報を有するサブ映像データの各フレームを選択する(ステップ106)。
【0109】
上記ステップ105において、エラーが発生したフレームがPピクチャでないと判断された場合(No)、すなわち、エラーが発生したフレームがBピクチャであると判断された場合には、データ選択部19は、そのBピクチャに対応する時刻情報を有するサブ映像データのフレームを選択する(ステップ107)。
【0110】
続いて、データ選択部19は、上記各ステップで選択されたデータにエラーが存在するか否かを判断し(ステップ108)、エラーが存在する場合(Yes)には、上記メイン映像補間部15において、エラー発生時刻の前後の時刻情報を有するメイン映像データの各フレームから生成された上記メイン映像補間データを選択する(ステップ109)。
【0111】
そして、出力制御部20は、データ選択部19で選択されたフレームを、PTSに基づいてその出力時刻を制御しながら表示させる(ステップ110)。
【0112】
図10は、本実施形態におけるメイン映像データ及びサブ映像データの表示方法について示した図である。同図における矢印は、各フレームの参照元のフレームを示す。また、説明を簡単にするため、各GOP内のフレームは、Iピクチャ1枚、Pピクチャ1枚、Bピクチャ2枚の計4枚としているが、もちろん4枚以上存在していても構わない。また、同図においては、サブ映像データの各フレームは、メイン映像データの各フレームと1対1で対応しているが、そうでない場合には、上記サブ映像補間部16により、メイン映像データのフレームレートに合わせてサブ映像データにフレームを補間すればよい。
【0113】
同図に示すように、メイン映像データのGOP2では、PピクチャであるフレームP5にエラーが発生している。この場合、カムコーダ100は、データ選択部19及び出力制御部20により、フレームP5をサブ映像データの対応する時刻情報を有するフレームS2に切り替えて表示させる。また、フレームP2は、Bピクチャである前後のフレームB4及びB6に参照されているため、カムコーダ100は、上記図9のステップ106で示したように、各フレームB4及びB6もそれぞれサブ映像データのフレームS1及びS3と切り替えて表示させる。
【0114】
GOP3では、BピクチャであるフレームB10にエラーが発生している。この場合、カムコーダ100は、上記図9のステップ107で示したように、このフレームB10をサブ映像データのフレームS4に切り替えて表示させる。フレームB10は、GOP3内においてどのフレームからも参照されていないため、その他のフレームをサブ映像データに切り替える必要はない。
【0115】
GOP4では、IピクチャであるフレームI11にエラーが発生している。この場合、カムコーダ100は、フレームI11をサブ映像データのフレームS5に切り替えて表示させる。また、フレームI11は、PピクチャであるフレームP13と、BピクチャであるフレームB12に参照され、またフレームP13はBピクチャであるフレームB14に参照されているため、カムコーダ100は、上記図9のステップ104で示したように、各フレームB12、P13及びB14もそれぞれサブ映像データのフレームS6、S7及びS8に切り替えて表示させる。
【0116】
以上の処理により、カムコーダ100は、メイン映像データの各GOPを形成する各フレームのピクチャタイプに応じて、エラーとなったフレームのみならず、そのフレームを参照して生成されているフレームについてもサブ映像データへ切り替えることで、1つのフレームに発生したデータから派生するエラーの影響を確実に防ぐことができる。また、上記第3の実施形態のようにGOP単位でまとめて切り替える場合に比べて、例えばBピクチャのみにエラーが発生した場合等に、切り替えるフレーム数が大幅に少なくなるため、処理速度を向上させることができる。
【0117】
なお、同図においては、カムコーダ100は、各フレーム間の相関をGOP毎に判断していたが、複数のGOPに跨って判断しても構わない。すなわち、例えば同図のGOP2のIピクチャであるフレームI3にエラーが発生した場合には、フレームI3、B4、P5及びB6をサブ映像データに切り替えるのみならず、フレームI3を参照して生成されるGOP1のフレームB2もサブ映像データに切り替えるようにしても構わない。これより、表示映像の途切れや乱れを更に確実に防ぐことができる。
【0118】
(第5の実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。なお、本実施形態においても、上記第1乃至第4の実施形態と同様の構成及び機能となる箇所については説明を省略し、上記各実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0119】
上記各実施形態においては、サブ映像データが1つのみ存在する場合を例に説明したが、本実施形態においては、サブ映像データが複数存在する場合の映像データの切り替え手法について説明する。
【0120】
本実施形態においては、サブ映像データは、メイン映像データを基に例えば2つ生成される。各サブ映像データには、メイン映像データとの類似度に応じて優先度が設けられ、それぞれ上記サブ映像バッファ18に格納される。ここでは、この2つのサブ映像データを、類似度の高い順に、第1のサブ映像データ、第2のサブ映像データと称する。また、第1のサブ映像データ及び第2のサブ映像データには、上記各実施形態と同様に第1のサブ映像補間データ及び第2のサブ映像補間データが生成されサブ映像バッファ18に格納される。
【0121】
第1のサブ映像データとしては、例えば、8倍速サーチ再生用の映像データが生成され、第2のサブ映像データとしては、例えば24倍速サーチ再生用の映像データが生成される。8倍速サーチ再生用の映像データは、上述したように、例えばメイン映像データのIピクチャのDC成分を抽出することで生成され、24倍速サーチ再生用の映像データは、例えば8倍速サーチ再生用の映像データの解像度を1/4に変換することで生成される。24倍速サーチ再生用の映像データは、解像度が低い分、8倍速サーチ再生用データに比べてメイン映像データとの類似度が低いため、上記優先度も低くなる。
【0122】
図11は、本実施形態におけるメイン映像データの再生命令が入力された場合におけるカムコーダ100の動作の流れを示したフローチャートである。
同図に示すように、まず、カムコーダ100のデータ選択部19は、上記メイン映像バッファ17に格納されているメイン映像データにエラーが発生しているか否かを判断する(ステップ111)。
【0123】
エラーが存在しないと判断された場合(No)、データ選択部19は、そのままメイン映像データを選択する(ステップ112)。
【0124】
エラーが存在すると判断された場合(Yes)には、データ選択部19は、サブ映像バッファ18から、第1のサブ映像データを入力する(ステップ113)。続いて、データ選択部19は、上記エラーデータに対応する時刻情報を有する第1のサブ映像データが存在するか否かを判断し(ステップ113)、存在しないと判断された場合(No)には、上記各実施形態における場合と同様に、第1のサブ映像補間データを選択する(ステップ115)。
【0125】
続いて、データ選択部19は、選択された第1のサブ映像データにエラーが存在するか否かを判断し(ステップ116)、エラーが存在すると判断された場合(Yes)には、第2のサブ映像データを入力する(ステップ117)。
【0126】
そして、データ選択部19は、上記第1のサブ映像データについての上記ステップ113〜116に対応する処理を第2のサブ映像データについて行い(ステップ118〜121)、第2のサブ映像データにエラーが存在すると判断された場合(ステップ121のYes)には、メイン映像補間データを選択する(ステップ122)。
【0127】
そして、出力制御部20は、上記データ選択部19により選択された各映像データを出力する(ステップ124)。
【0128】
図12は、本実施形態におけるメイン映像データ、第1のサブ映像データ及び第2のサブ映像データの表示方法について示した図である。
同図に示すように、メイン映像データのフレームM1〜M7にエラーが発生しており、このフレームM1〜M7に対応する時刻情報を有する第1のサブ映像データのフレームS1〜S7にはエラーが発生していないため、カムコーダ100は、当該フレームM1〜M7をフレームS1〜S7に置換して表示させる。
【0129】
また、メイン映像データのフレームM8〜M12にもエラーが発生しており、このフレームM8〜M12に対応する時刻情報を有する第1のサブ映像データのフレームS8〜S12にもエラーが発生している。一方、上記フレームM8〜M12に対応する時刻情報を有する第2のサブ映像データのフレームSa〜Seにはエラーが発生していない。よって、カムコーダ100は、フレームM8〜M12をフレームSa〜Seに置換して表示させる。
【0130】
以上の処理により、カムコーダ100は、サブ映像データが複数存在する場合には、メイン映像データに対する各サブ映像データの類似度に応じて各サブ映像データに優先度を設けて、当該優先度に応じて、エラーが発生したメイン映像データを、エラーが発生していないサブ映像データに切り替えることで、常に最適なサブ映像データをメイン映像データから切り替えて表示することができる。
【0131】
本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0132】
上述の各実施形態において、サブ映像データの解像度がメイン映像データの解像度と異なる場合、上記サブ映像補間部16は、サブ映像データを、メイン映像データの解像度に合わせて変換するようにしても構わない。これにより、サブ映像データを、メイン映像データにより近い状態で出力することができる。
【0133】
上述の第2の実施形態においては、カムコーダ100は、サブ映像データをメイン映像データよりも先に入力するのが好ましい。例えば、上記図1において、メイン映像データがMPEGデコーダ14によりデコードする必要があるのに対して、サブ映像データはデコードする必要がないように生成するのが好ましい。また、メイン映像バッファ17の容量を、サブ映像バッファ18の容量に比べて大きくするのが好ましい。このようにすることで、メイン映像データは、デコード処理の時間分と、メイン映像バッファ17への格納処理及びメイン映像バッファ17からデータ選択部19への入力処理の時間分だけ、サブ映像データよりもデータ選択部19に後に入力されることとなる。すなわち、メイン映像データよりもサブ映像データの方がデータ選択部19に先に入力されることになる。
【0134】
これにより、メイン映像データに発生したエラーデータに対応する時刻の前後の時刻情報を有するサブ映像データも含めて表示を切り替える際に、サブ映像データがデータ選択部19にまだ入力されておらず、出力制御部20から出力できないという事態を防ぐことができる。すなわち、切り替えるべきサブ映像データを即座に抽出して、出力までの処理速度を向上させることができる。
【0135】
上述の実施形態においては、電子機器としてカムコーダを例に挙げて説明した。しかし、電子機器としては、他にも、例えばHDD/DVD/BDレコーダや、DVD/BDプレーヤ、テレビジョン装置、オーディオプレーヤ、PC、ゲーム機器、携帯電話機やPDA等のモバイル端末、カーナビゲーション装置等、あらゆる機器を適用することができる。上記メイン映像データ及びサブ映像データの記録媒体としても、HDD、DVD、BD、フラッシュメモリ等、あらゆる媒体を適用することができる。映像データの符号化形式としても、MPEG以外に、例えばH.263、Motion JPEG、On2VP3、Theora、RealVideo(登録商標)等の他の符号化形式を用いても構わない。
【0136】
また、上述の実施形態においては、カムコーダ100は、サブ映像データとして、サーチ再生用の映像データを用いていた。しかし、カムコーダ100は、例えばスロー再生用の映像データ等、他の変速再生用の映像データや、メイン映像データと同じ表示時刻を有する映像を別の角度から撮影した、マルチアングル用の映像データを用いることもできる。更に、カムコーダ100は、メイン映像データをコピーしたデータをサブ映像データとして用いても構わない。また、上記第5の実施形態において、これらの複数の映像データに優先度を設けて切り替えるようにしてもよい。
【0137】
また、電子機器として、HDD/DVD/BDレコーダやテレビジョン装置等、放送を受信し記録する機能を有する機器を適用した場合には、メイン映像データとして、通常の12セグメントの放送データを用い、サブ映像データとして、モバイル端末用の1セグメントの放送データを用いることもできる。また、1セグメントの放送データをメイン映像データとして受信するようなモバイル端末においては、12セグメントの放送データをサブ映像データとして用いることもできる。
【0138】
また、上記放送を受信して記録する機能を有する機器においては、例えば、メイン映像データとして、受信した放送データを用い、サブ映像データとして、受信した放送データの解像度をダウンコンバートして再エンコードすることにより生成した簡易映像データを、サブ映像データとして用いても構わない。
【0139】
上記各実施形態で説明した構成は、相互に組み合わせることも勿論可能である。例えば、カムコーダ100は、上記第2乃至第4の実施形態で説明した構成は、上記第5の実施形態のようにサブ映像データが複数存在する場合にも実施することができる。
【0140】
上述の実施形態においては、コンテンツとして映像データを用いた場合を説明したが、コンテンツとして音声データを用いても構わない。例えば、オーディオプレーヤにおいて、フラッシュメモリやHDD等に楽曲等のメイン音声データをMPEG形式でエンコードして記録する際に、サンプリング周波数、量子化ビット数等のパラメータを変更してサブ音声データを生成し、メイン音声データにエラーが発生した場合には、時刻情報を基にサブ音声データに切り替えるようにすればよい。また、音声データの符号化形式としては、MPEG以外にも例えばATRAC(登録商標)、AC−3(ドルビーデジタル)、dts(登録商標、Digital Theater Systems)等の他の形式を用いてもよく、また記録媒体として、CD(Compact Disc)やMD(Mini Disc)等を用いても構わない。
【図面の簡単な説明】
【0141】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るカムコーダの構成を示したブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るカムコーダの、映像データ再生時における動作の流れを示したフローチャートである。
【図3】本発明の第1の実施形態におけるメイン映像データ及びサブ映像データの表示方法について示した図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係るカムコーダの、映像データ再生時における動作の流れを示したフローチャートである。
【図5】本発明の第2の実施形態におけるメイン映像データ及びサブ映像データの表示方法について示した図である。
【図6】MPEG映像データにおけるGOP及びピクチャタイプについて示した図である。
【図7】MPEG映像データのエンコード処理、デコード処理及び再生処理における映像データの処理順序を示した図である。
【図8】本発明の第3の実施形態におけるメイン映像データ及びサブ映像データの表示方法について示した図である。
【図9】本発明の第4の実施形態に係るカムコーダの、映像データ再生時における動作の流れを示したフローチャートである。
【図10】本発明の第4の実施形態におけるメイン映像データ及びサブ映像データの表示方法について示した図である。
【図11】本発明の第5の実施形態におけるカムコーダの、映像データ再生時における動作の流れを示したフローチャートである。
【図12】本発明の第5の実施形態におけるメイン映像データ及びサブ映像データの表示方法について示した図である。
【符号の説明】
【0142】
4…MPEGエンコーダ
5…サブ映像生成部
6…データ多重部
7…ECC付加部
8…テープドライブ
9…磁気テープ
10…CPU
12…エラー訂正部
13…データ分離部
14…MPEGデコーダ
15…メイン映像補間部
16…サブ映像補間部
17…メイン映像バッファ
18…サブ映像バッファ
19…データ選択部
20…出力制御部
100…カムコーダ
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像データや音声データ等のコンテンツを出力することが可能な電子機器、当該電子機器における出力方法及びそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
記録媒体上に記録されたコンテンツや、伝送路を介して電子機器へ送信されるコンテンツを再生する際には、記録媒体の読み出しの際にエラーが発生したり、伝送路上でエラーが混入したりする場合がある。そこで、従来から、コンテンツにエラー訂正用のパリティデータを付加し、エラーが発生した場合には当該パリティデータを用いてエラーを訂正することが行われている。
【0003】
しかし、このようなエラー訂正処理を行っても、全てのエラーを除去することができない場合もある。この除去できないエラーは、コンテンツを再生する電子機器において、映像の途切れや、映像の乱れを引き起こす。
【0004】
このようなエラーの発生への対処方法として、下記特許文献1には、駒落しされた(エラーが発生した)複数のフレームのうち、最初のフレームの1つ前のフレームと、最後のフレームの1つ後のフレームとから、フレームを補間する技術が記載されている。
【特許文献1】特開平6−237444号公報(図2等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術を用いてエラーが発生したフレームを補間する場合、エラーが長時間分のフレームについて発生した場合には、補間された類似の画像を長時間表示することになり、表示画像が不自然になってしまい、ユーザに違和感や不快感を与えてしまうことになる。
【0006】
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、コンテンツにエラーが発生しても、データの途切れや乱れを発生させることなく、エラーが発生していない状態に極力近い自然なデータを出力させることが可能な電子機器、当該電子機器における出力方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決するため、本発明の主たる観点に係る電子機器は、出力すべき時刻を示す時刻情報を有する第1のコンテンツと、前記時刻情報を有し前記第1のコンテンツに関連する第2のコンテンツとを入力する入力手段と、前記入力された第1のコンテンツにエラーが発生しているか否かを判断する判断手段と、前記第1のコンテンツに前記エラーが発生していると判断された場合に、前記第2のコンテンツから、前記エラーが発生している第1のデータが有する第1の時刻情報に対応する第2の時刻情報を有する第2のデータを抽出する抽出手段と、前記第1のデータを前記抽出された第2のデータに置換して前記第1のコンテンツを出力する出力手段とを具備する。
【0008】
ここで電子機器とは、例えばカムコーダ、HDD(Hard Disk Drive)/DVD(Digital Versatile Disk)/BD(Blu-ray Disc)レコーダ、DVD/BDプレーヤ、テレビジョン装置、オーディオプレーヤ、PC(Personal Computer)、ゲーム機器、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistants)、カーナビゲーション装置等である。また第1のコンテンツとは、例えばユーザが自ら撮影または作成したり、インターネット上からダウンロードしたり、放送番組として受信したりした映像コンテンツまたは音声コンテンツである。また第2のコンテンツとは、例えば、第1のコンテンツとしての映像コンテンツから作成されたサーチ再生用(変速再生用)の映像データや、第1のコンテンツとしての映像コンテンツを別の角度から撮影したマルチアングル用の映像データ等、通常再生とは異なる特殊再生用のデータや、12セグメントの通常のテレビ放送用データに対する1セグメント放送用データ等、第1のコンテンツの補助的な役割を果たすコンテンツである。また、第2のコンテンツは、第1のコンテンツのデータをコピーしたものであっても構わない。上記時刻情報とは、例えばMPEG(Moving Picture Experts Group)形式のコンテンツに付加されるPTS(Presentation Time Stamp)である。
【0009】
上記入力手段は、記録媒体に記憶された第1及び第2のコンテンツを読み出す場合や、放送波やネットワークを介して第1及び第2のコンテンツを受信する場合を含む概念である。また上記出力手段は、上記電子機器が内蔵するディスプレイやスピーカから第1のコンテンツを出力する場合のほか、電子機器に外部接続されたディスプレイやスピーカへ第1のコンテンツを出力する場合も含む概念である。
【0010】
この構成により、第1のコンテンツにエラーが発生しても、第1のコンテンツを出力する際、エラーが発生したデータについては第2のコンテンツに切り替えて出力することができるため、出力されるデータが途切れたり、乱れたりすることを防ぎ、エラーが発生していない状態に極力近い自然な状態で出力することができる。
【0011】
上記電子機器において、前記判断手段は、前記第2のコンテンツの前記第2のデータに前記エラーが発生しているか否かを判断し、当該電子機器は、前記第2のデータに前記エラーが発生していると判断された場合に、前記第1のコンテンツのうち、前記第1のデータが有する前記第1の時刻情報の前後で連続する各時刻情報を有する各データを基に第3のデータを生成する手段を更に具備し、前記出力手段は、前記第1のデータを前記生成された第3のデータに置換して前記第1のコンテンツを出力するようにしてもよい。
【0012】
また、上記電子機器において、前記判断手段は、前記第2のコンテンツの前記第2のデータに前記エラーが発生しているか否かを判断し、当該電子機器は、前記第2のデータに前記エラーが発生していると判断された場合に、前記第2のコンテンツのうち、前記第2のデータが有する前記第2の時刻情報の前後で連続する各時刻情報を有する各データを基に第3のデータを生成する手段を更に具備し、前記出力手段は、前記第1のデータを前記生成された第3のデータに置換して前記第1のコンテンツを出力するようにしてもよい。
【0013】
これにより、第2のコンテンツにエラーが発生している場合でも、第1のコンテンツのエラーデータの前後のデータや、第2のコンテンツのエラーデータの前後のデータから第3のデータを生成して出力することで、第1のコンテンツの途切れや乱れを防ぐことができる。
【0014】
上記電子機器において、前記抽出手段は、前記第2のコンテンツから、前記第1のデータが有する前記第1の時刻情報の前または後で連続する第3の時刻情報に対応する第4の時刻情報を有する第3のデータを抽出し、前記出力手段は、前記第1のコンテンツのうち、前記第3の時刻情報を有するデータを前記第3のデータに置換して、前記第2のデータと連続させて出力するようにしても構わない。
【0015】
これにより、第1のコンテンツ中のエラーが発生したデータを第2のデータに置換するのみならず、当該エラーが発生したデータに連続する前または後のデータも第3のデータに置換することで、第1のコンテンツから第2のコンテンツへの変わり目を違和感なく自然な感じで出力することができる。なお、第3のデータは、例えば第1及び第2のコンテンツが映像コンテンツの場合、第1のデータを構成するフレームと連続した前後各2フレームや4フレーム等の所定フレームのデータである。
【0016】
上記電子機器において、前記第1及び第2のコンテンツは、それぞれ複数のフレームから構成される映像コンテンツであり、前記判断手段は、前記エラーが発生しているか否かを、前記各フレームが所定の複数のフレーム毎に区分されたフレーム区間毎に判断し、前記抽出手段は、前記各フレーム区間のうち第1のフレーム区間を構成する各フレームのうち少なくとも1つのフレームに前記エラーが発生していると判断された場合に、前記第2のコンテンツから、前記第1のフレーム区間が有する第3の時刻情報に対応する第4の時刻情報を有する第2のフレーム区間の各フレームを抽出し、前記出力手段は、前記第1のフレーム区間の各フレームを前記第2のフレーム区間の各フレームに置換して前記第1のコンテンツを出力するようにしてもよい。
【0017】
これにより、エラーの発生を、各フレーム区間の複数のフレームについてまとめて判断して、そのフレーム区間内のフレームに1つでもエラーが発生した場合にはクレーム区間毎第2のコンテンツに置換することで、1つのフレーム毎に判断して置換する場合に比べて処理が容易になり、負荷を軽減することができる。また、1つのフレーム区間でエラーがランダムに発生した場合でも、そのフレーム区間をまとめて置換することで、1のコンテンツと第2のコンテンツとが頻繁に切り替わって表示される映像が不自然になるのを防ぐことができる。
【0018】
更に、上記第1及び第2のコンテンツがMPEG形式の映像データである場合には、上記フレーム区間をGOP(Group of Picture)とすることもできる。MPEG形式では、映像データを表示すべき時刻を示す上記PTSと、映像データをデコードすべき時刻を示すDTS(Decoding Time Stamp)とが定められており、1つのGOP内でデコード順と表示順とが異なっている。したがって、上記第1のフレーム区間でエラーが連続して発生しても、上記置換した第2のフレーム区間の各フレームを表示する場合には、並び替えが生じて各フレームの表示順が不連続になる場合がある。しかし、1つのGOPを第1のコンテンツと第2のコンテンツとの置換単位とすることで、上記各フレームの並び替えの影響を受けるのを防ぎ、第1のコンテンツと第2のコンテンツとを違和感なく切り替えることができる。
【0019】
この場合、上記電子機器は、前記第1のコンテンツの第1のフレームレートと、前記第2のコンテンツの第2のフレームレートとをそれぞれ検出する検出手段と、前記検出された第1のフレームレートと第2のフレームレートとが異なる場合に、前記抽出された第2のフレーム区間の前記第2のフレームレートが前記第1のフレームレートとなるよう前記第2のデータにフレームを補間する補間手段とを更に具備していてもよい。
【0020】
これにより、第1のコンテンツのフレームレートに合わせて第2のコンテンツを加工することで、第2のフレーム区間の各フレームを、より第1のコンテンツに近い状態で出力することができる。
【0021】
上記電子機器において、前記第1のコンテンツは、ピクチャタイプが異なる複数のフレームから構成されるMPEGデータであり、前記抽出手段は、前記エラーが発生していると判断された第1のフレームの前記ピクチャタイプに応じて、前記第1のフレームと、当該第1のフレームを参照して生成された第2のフレームとにそれぞれ前記時刻情報が対応する第3のフレーム及び第4のフレームとを前記第2のコンテンツから抽出し、前記出力手段は、前記第1のフレームを前記第3のフレームに置換し、前記第2のフレームを前記第4のフレームに置換して前記第1のコンテンツを出力するようにしても構わない。
【0022】
これにより、エラーが発生しているフレームのピクチャタイプに応じて、エラーが発生しているフレームのみならず、例えばPピクチャやBピクチャ等、当該エラーが発生しているフレームを参照しているフレームも第2のコンテンツに置換することで、第1のコンテンツに発生したエラーから間接的に発生する映像データの途切れや乱れも防ぐことができる。
【0023】
上記電子機器において、前記第1及び第2のコンテンツは映像コンテンツであり、当該電子機器は、前記第1のコンテンツの第1の解像度と、前記第2のコンテンツの第2の解像度とをそれぞれ検出する検出手段と、前記検出された第1の解像度と第2の解像度とが異なる場合に、前記抽出された第2のデータの前記第2の解像度を前記第1の解像度へ変換する変換手段とを更に具備してもよい。
【0024】
これにより、第1のコンテンツの解像度に合わせて第2のデータを加工することで、当該第2のデータを、より第1のコンテンツに近い状態で出力することができる。
【0025】
上記電子機器は、複数の異なる前記第2のコンテンツを、前記第1のコンテンツとの類似度に応じた優先度を示す優先度情報とそれぞれ対応付けて記憶する記憶手段を更に具備し、前記入力手段は、前記優先度情報を基に、前記各第2のコンテンツから1つの第2のコンテンツを入力し、前記判断手段は、前記第2のコンテンツの前記第2のデータに前記エラーが発生しているか否かを判断し、前記出力手段は、前記第1のデータを、前記エラーが発生していないと判断された前記第2のコンテンツのうち、前記優先度が最も高い前記第2のコンテンツの前記第2のデータに置換して前記第1のコンテンツを出力するようにしてもよい。
【0026】
これにより、複数の第2のコンテンツから、第1のコンテンツとの類似度が最も高く、かつ、置換対象となる第2のデータにエラーが発生していない1つの第2のコンテンツを選択することで、エラーが発生したデータについて、第1のコンテンツから第2のコンテンツへ、より違和感無く切り替えることができる。例えば、複数の第2のコンテンツとして、サーチ再生用の映像データと、第1のコンテンツを別の角度から撮影したマルチアングル用の映像データとが記憶されている場合、第1のコンテンツとの類似度はサーチ再生用の映像データの方が高いため、優先度もサーチ再生用の映像データの方が高くなる。
【0027】
上記電子機器は、前記第1のコンテンツを基に前記第2のコンテンツを生成する生成手段を更に具備しても構わない。
【0028】
これにより、元々第2のコンテンツが存在しない場合であっても、第1のコンテンツを基に第2のコンテンツを生成することで、第1のコンテンツにエラーが発生した場合に備えることができる。例えば、第1のコンテンツがMPEG形式の映像データである場合には、生成手段は、第1のコンテンツ中のIピクチャから、DCT(Discrete Cosine Transform)係数のうちDC(Direct Current)成分を抽出することで、サーチ再生用の映像データを第2のコンテンツとして生成することができる。また、例えば第1のコンテンツが放送番組の場合、当該放送番組を受信したときに、当該放送番組を例えばH.264規格等、比較的情報量の少ない圧縮符号化形式で再エンコードして第2のコンテンツを生成することもできる。
【0029】
上記電子機器は、前記第1のコンテンツを第1の領域に記憶し、前記第2のコンテンツを前記第1の領域とは異なる第2の領域に記憶する記憶手段を更に具備してもよい。
【0030】
これにより、第1のコンテンツと第2のコンテンツとが別個に読み出されることになるため、読み出し時のエラーを極力防ぐことができる。
【0031】
上記電子機器は、前記第1のコンテンツに前記エラーを訂正するための第1のエラー訂正符号を付加して当該第1のコンテンツを記憶し、前記第2のコンテンツに前記第1のエラー訂正符号とは異なる第2のエラー訂正符号を付加して当該第2のコンテンツを記憶する記憶手段を更に具備し、前記判断手段は、前記第1及び第2のエラー訂正符号によって訂正できないエラーが前記第1のコンテンツ及び前記第2のデータに発生しているか否かをそれぞれ判断するようにしても構わない。
【0032】
これにより、第1のコンテンツと第2のコンテンツとに別個に独立してエラー訂正符号を付加することで、第1のコンテンツと第2のコンテンツの両方にエラーが発生してしまうことを防ぎ、第1のコンテンツの第1のデータが第2のコンテンツのデータに置換できない事態を極力防ぐことができる。
【0033】
上記電子機器において、前記入力手段は、前記第2のコンテンツを前記第1のコンテンツよりも先に入力するようにしても構わない。
【0034】
これにより、第1のコンテンツよりも第2のコンテンツが先に入力されることで、第1のコンテンツ中のエラーが発生したデータの前または後で連続する上記第3のデータにより第1のコンテンツを抽出して置換する際に、当該第3のデータがまだ入力されておらず抽出できないという事態を防ぐことができる。すなわち、当該第3のデータを即座に抽出して、出力までの処理速度を向上させることができる。
【0035】
本発明の他の観点に係る出力方法は、出力すべき時刻を示す時刻情報を有する第1のコンテンツと、前記時刻情報を有し前記第1のコンテンツに関連する第2のコンテンツとを入力し、前記入力された第1のコンテンツにエラーが発生しているか否かを判断し、前記第1のコンテンツに前記エラーが発生していると判断された場合に、前記第2のコンテンツから、前記エラーが発生している第1のデータが有する第1の時刻情報に対応する第2の時刻情報を有する第2のデータを抽出し、前記第1のデータを前記抽出された第2のデータに置換して前記第1のコンテンツを出力するものである。
【0036】
本発明のまた別の観点に係るプログラムは、電子機器に、出力すべき時刻を示す時刻情報を有する第1のコンテンツと、前記時刻情報を有し前記第1のコンテンツに関連する第2のコンテンツとを入力するステップと、前記入力された第1のコンテンツにエラーが発生しているか否かを判断するステップと、前記第1のコンテンツに前記エラーが発生していると判断された場合に、前記第2のコンテンツから、前記エラーが発生している第1のデータが有する第1の時刻情報に対応する第2の時刻情報を有する第2のデータを抽出するステップと、前記第1のデータを前記抽出された第2のデータに置換して前記第1のコンテンツを出力するステップとを実行させるためのものである。
【発明の効果】
【0037】
以上のように、本発明によれば、コンテンツにエラーが発生しても、データの途切れや乱れを発生させることなく、エラーが発生していない状態に極力近い自然なデータを出力させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
【0039】
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るカムコーダの構成を示したブロック図である。
同図に示すように、本実施形態に係るカムコーダ100は、レンズ1、CCD(Charge Coupled Device)2、A/D(Analog/Digital)コンバータ3、MPEGエンコーダ4、サブ映像生成部5、データ多重部6、ECC(Error Correcting Code)付加部7、テープドライブ8、CPU(Central Processing Unit)10、操作入力部11、エラー訂正部12、データ分離部13、MPEGデコーダ14、メイン映像補間部15、サブ映像補間部16、メイン映像バッファ17、サブ映像バッファ18、データ選択部19及び出力制御部20を有する。
【0040】
CPU10は、カムコーダ100の各ブロックと信号をやり取りして各種演算処理を行い、各ブロックを統括的に制御する。
【0041】
レンズ1は、被写体に反射した光を集め、被写体の像の光をCCD2の受光部に結像させる。また、レンズ1は、CPU10により駆動される。CCDは、CCDセンサから構成され、レンズ1により結像された光を光電変換することにより、光をアナログの電気信号に変換し、A/Dコンバータ3に供給する。なお、CCD2に換えて、例えば、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ等の他の撮像素子を用いても構わない。
【0042】
A/Dコンバータ3は、CPU10の制御の下、CCD2から供給されるアナログの画像信号を、デジタルの画像データに変換し、MPEGエンコーダ4に供給する。MPEGエンコーダ4は、A/Dコンバータ3から供給された画像データを、例えばMPEG−2等のMPEG方式でエンコードする。このエンコードされた画像データが、本実施形態におけるメイン映像データとなる。このとき、メイン映像データを構成する各フレームには、デコードすべき時刻を示すデコード時刻情報(DTS)と、表示すべき時刻を示す表示時刻情報(PTS)とが付加される。
【0043】
サブ映像生成部5は、MPEGエンコーダ4によりエンコードされたメイン映像データを入力し、当該メイン映像データを基にサブ映像データを生成する。ここで、サブ映像データとしては、例えば、早送りや巻き戻し等のサーチ再生用の映像データや、スロー再生用の映像データ等、変速再生用の映像データが生成される。このうち、サーチ再生用の映像データは、例えば、メイン映像データのうち、MPEGにおけるIピクチャから、DCT係数のうちDC成分を抽出することで生成される。
【0044】
データ多重部6は、上記メイン映像データと、サブ映像データとを多重化する。また、図示しないが、メイン映像データの撮影時に入力された音声データも、上記A/Dコンバータ3及びMPEGエンコーダ4を介してデータ多重部6で上記メイン映像データ及びサブ映像データと多重化される。
【0045】
ECC付加部7は、上記多重化されたメイン映像データ及びサブ映像データに、エラー訂正符号(ECC)としてのパリティデータを付加する。このとき、パリティデータは、メイン映像データとサブ映像データとに別個に独立して付加されるのが好ましい。これにより、再生時にメイン映像データとサブ映像データとに同時にエラーが発生してしまうのを防ぎ、エラー訂正能力を高めることができる。なお、パリティデータに替わり、ハミング符号やリードソロモン符号等の他のエラー訂正符号が用いられても構わない。
【0046】
テープドライブ8は、例えば図示しない磁気ヘッド、回転ドラム、ドラムモータ及びキャプシタンモータ等により構成される。テープドライブ8は、上記多重化されパリティデータを付加された映像データを、CPU10の制御の下、回転ドラムに巻き付けられた磁気テープ9に記録する。この磁気テープは、例えばDVC(Digital Video Cassette)であり、テープドライブ8は、上記映像データを、このDVCに例えばHDVフォーマットで記録する。
【0047】
また、テープドライブ8は、磁気テープ9に記録された映像データの再生時に、CPU10の制御の下、当該映像データを磁気テープ9から読み出し、エラー訂正部12へ出力する。
【0048】
なお、テープドライブ8は、磁気テープ9において、メイン映像データとサブ映像データとを極力離れた別個のトラックに記録するのが好ましい。これにより、映像データの読み出し時に、メイン映像データとサブ映像データとが同時にエラーとなってしまうのを防ぐことができる。
【0049】
エラー訂正部12は、上記磁気テープ9から読み出された映像データを入力し、当該映像データにエラーが発生しているか否かを、パリティ計算を行って確認する。そして、エラー訂正部12は、映像データにエラーが発生している場合には、当該映像データに付加されたパリティデータを用いてエラーを訂正する。エラー訂正部12は、エラー訂正を行った結果として、エラーの有無、すなわち、エラーを完全に訂正できたか、それとも完全には訂正しきれなかったかを示すフラグを、ECC単位の各映像データに付加する。
【0050】
データ分離部13は、エラー訂正部12から入力された映像データを、メイン映像データとサブ映像データとに分離する。分離された映像データのうち、メイン映像データはMPEGデコーダ14へ出力され、サブ映像データはサブ映像補間部16へ出力される。
【0051】
MPEGデコーダ14は、上記分離されたメイン映像データをMPEG方式に従ってデコードし、メイン映像補間部15へ出力する。
【0052】
メイン映像補間部15は、メイン映像データ中に、上記エラー訂正部12によって訂正しきれなかったエラーが存在するか否かを上記フラグによって判断する。そして、メイン映像補間部15は、メイン映像データ中に訂正しきれなかったエラーが存在する場合には、そのエラーとなったフレームの前後の時刻情報(PTS)を有する各フレームを基に、当該エラーとなったフレームに相当するフレームを補間する補間データ(以下、メイン映像補間データと称する)を生成し、上記メイン映像データと共にメイン映像バッファ17へ出力する。
【0053】
サブ映像補間部16は、上記メイン映像データ中でエラーとなったフレームと同一の時刻情報(PTS)を有するフレームがサブ映像データ中に存在するか否かを判断する。そして、サブ映像補間部は、上記エラーとなったフレームと同一の時刻情報を有するフレームがサブ映像データ中に存在しない場合には、エラー該当時刻の前後の時刻情報を有する各フレームを基に、エラー該当時刻のフレームを補間する補間データ(以下、サブ映像補間データと称する)を生成し、上記サブ映像データと共にサブ映像バッファ18へ出力する。すなわち、サブ映像補間部16は、サブ映像データのフレームレートがメイン映像データのフレームレートと異なる場合に、サブ映像データのフレームレートがメイン映像データのフレームレートと合致するようにフレームを補間する。
【0054】
メイン映像バッファ17は、上記メイン映像補間部15から入力したメイン映像データ及びメイン映像補間データとを一時的に格納し、必要に応じてデータ選択部19へ出力する。サブ映像バッファ18は、上記サブ映像補間部16から入力したサブ映像データ及びサブ映像補間データを一時的に格納し、必要に応じてデータ選択部19へ出力する。
【0055】
データ選択部19は、メイン映像データの再生時に、上記メイン映像データ及びサブ映像データを上記時刻情報(PTS)に従って順次入力し、入力されたメイン映像データ及びサブ映像データにエラーが存在するか否かを上記フラグを基に判断する。そして、データ選択部19は、そのエラー状況に応じてメイン映像データ、サブ映像データ、メイン映像補間データ及びサブ映像補間データのいずれを出力すべきかを選択し、選択されたデータを出力制御部20へ出力する。
【0056】
出力制御部20は、上記データ選択部19から入力した各データを、その出力タイミングを上記PTSにより調整しながら、例えばカムコーダ100に搭載された液晶ディスプレイ(図示せず)や、カムコーダ100に接続されたテレビジョン装置またはディスプレイ装置等の外部表示機器へ出力する。
【0057】
操作入力部11は、例えばタッチパネルや操作ボタン等で構成され、カムコーダの各種機能を実行するための各種操作命令をユーザから入力して、CPU10へ出力する。
【0058】
次に、以上のように構成されたカムコーダ100の動作について説明する。
【0059】
図2は、本実施形態において、メイン映像データの再生命令が入力された場合におけるカムコーダ100の動作の流れを示したフローチャートである。なお、同図においては、磁気テープ9から読み出された映像データが、エラー訂正部12、データ分離部13、MPEGデコーダ14、メイン映像補間部15及びサブ映像補間部16を経て、メイン映像バッファ17及びサブ映像バッファ18に格納されているものとして説明する。
【0060】
同図に示すように、まず、カムコーダ100のデータ選択部19は、上記メイン映像バッファ17に格納されているメイン映像データを順次入力し、当該メイン映像データにエラーが発生しているか否か、すなわち上記エラー訂正部12により訂正しきれなかったエラーが存在するか否かを、例えばフレーム毎に判断する(ステップ21)。
【0061】
エラーが存在しないと判断された場合(No)、データ選択部19は、そのままメイン映像データを選択する(ステップ27)。
【0062】
エラーが存在すると判断された場合(Yes)、データ選択部19は、上記メイン映像データ中のエラーデータが有する時刻情報に対応する時刻情報を有するサブ映像データが、上記サブ映像バッファ18に存在するか否かを判断する(ステップ22)。該当する時刻情報を有するサブ映像データが存在する場合(Yes)には、データ選択部19は、そのサブ映像データを選択する(ステップ23)。
【0063】
また、上記ステップ22において、該当する時刻情報を有するサブ映像データが存在しないと判断された場合(No)には、データ選択部19は、上記サブ映像補間部16において、該当時刻の前後の時刻情報を有するサブ映像データ(フレーム)から生成された上記サブ映像補間データをサブ映像データとして選択する(ステップ24)。
【0064】
続いて、データ選択部19は、選択されたサブ映像データにエラーが存在するか否か、すなわち上記エラー訂正部12により訂正しきれなかったエラーが存在するか否かを判断する(ステップ25)。
【0065】
選択されたサブ映像データにエラーが存在すると判断された場合(Yes)、データ選択部19は、上記メイン映像補間部15において、該当時刻の前後の時刻情報を有するメイン映像データ(フレーム)から生成された上記メイン映像補間データを選択する(ステップ26)。
【0066】
そして、出力制御部20は、上記データ選択部19により選択されたデータを抽出して、カムコーダ100のディスプレイまたはカムコーダ100に外部接続されたディスプレイ装置に出力し、表示させる(ステップ28)。
【0067】
図3は、本実施形態におけるメイン映像データ及びサブ映像データの表示方法について示した図である。なお、同図において、サブ映像データは、メイン映像データとフレームレートが対応していない場合には、対応するように上記サブ映像補間部16によりフレームを補間されているものとする。
同図に示すように、上記メイン映像バッファ17に格納されたメイン映像データのうち、時刻t2〜t3までの各時刻情報を有するフレームM1〜M7にエラーが発生している。また、上記サブ映像バッファ18に格納されたサブ映像データにも、時刻t5〜t6までの各時刻情報を有する各フレームにエラーが発生している。
【0068】
このような場合、カムコーダ100は、上述したデータ選択部19の処理により、メイン映像データ中のエラーが発生している上記フレームM1〜M7を、サブ映像データ中の、対応する時刻情報を有するエラーが発生していないフレームS1〜S7に置換して表示させる。
【0069】
すなわち、カムコーダ100は、メイン映像データにエラーが存在しない時刻t1までは、そのままメイン映像データを選択して表示させ、メイン映像データにエラーが存在する時刻t2〜t3までは、メイン映像データをサブ映像データに切り替えて表示させ、メイン映像データエラーが存在しない時刻t4以降は、サブ映像データを再びメイン映像データへ切り替えて表示させる。
【0070】
このように、カムコーダ100は、メイン映像データにエラーが発生しているか否かに応じてメイン映像データとサブ映像データとを切り替えて表示できるため、上記エラー訂正部12によりメイン映像データのエラーを訂正しきれなかった場合でも、メイン映像データの表示が途切れてブラックアウトしたり、乱れたりするのを防ぎ、メイン映像データに極力近い状態で映像データを表示することができる。
【0071】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、本実施形態において、上記第1の実施形態と同様の構成及び機能となる箇所については説明を省略し、第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0072】
上記第1の実施形態においては、メイン映像データにエラーが発生した場合に、エラーが発生したデータのみをサブ映像データに切り替えて表示していた。しかし、本実施形態においては、メイン映像データにエラーが発生したフレームの数フレーム前からサブ映像データに切り替え、またエラーが存在しなくなったフレームの数フレーム後からサブ映像データをメイン映像データに切り替えて表示することとしている。以下、この場合の動作の詳細について説明する。
【0073】
図4は、本実施形態において、メイン映像データの再生命令が入力された場合におけるカムコーダ100の動作の流れを示したフローチャートである。なお、同図においても、上記図2の場合と同様に、磁気テープ9から読み出された映像データが、メイン映像バッファ17及びサブ映像バッファ18に格納されているものとして説明する。
【0074】
同図に示すように、まず、カムコーダ100のデータ選択部19は、上記メイン映像バッファ17に格納されているメイン映像データの、現在の時刻情報(データ選択部19へ入力されたフレームが有する時刻情報)を有するフレームの2フレーム後のメイン映像データ、または、現在の時刻情報を有するフレームの3フレーム前のメイン映像データにエラーが発生しているか否かをフレーム毎に判断する(ステップ41)。
【0075】
エラーが存在しないと判断された場合(No)、データ選択部19は、上記第1実施形態における図2のステップ27の処理と同様、そのままメイン映像データを選択する(ステップ47)。
【0076】
エラーが存在すると判断された場合(Yes)、データ選択部19は、現在の時刻情報に対応する時刻情報を有するサブ映像データが、上記サブ映像バッファ18に存在するか否かを判断する(ステップ42)。該当する時刻情報を有するサブ映像データが存在する場合(Yes)には、データ選択部19はそのサブ映像データを選択する(ステップ43)。
【0077】
また、上記ステップ42において、該当する時刻情報を有するサブ映像データが存在しないと判断された場合(No)には、データ選択部19は、上記図2のステップ24の処理と同様、上記サブ映像補間部16において、該当時刻の前後の時刻情報を有するサブ映像データから生成された上記サブ映像補間データをサブ映像データとして選択する(ステップ44)。
【0078】
その後は、上記第1の実施形態における図2のステップ25以降の処理と同様に、データ選択部19が、選択されたサブ映像データにエラーが存在するか否かを判断し(ステップ25)、エラーが存在する場合にはメイン映像補間データを選択し(ステップ26)、出力制御部20が、データ選択部19により選択された各データを出力する(ステップ28)。カムコーダ100は、以上の処理を、データ選択部19に入力されるフレーム毎に順次行うことで、エラーが発生しているメイン映像データのみならず、その前の2フレーム分及び後の3フレーム分のデータもサブ映像データに置換することができる。
【0079】
図5は、本実施形態におけるメイン映像データ及びサブ映像データの表示方法について示した図である。
同図に示すように、上記メイン映像バッファ17に格納されたメイン映像データのうち、時刻t3〜t4までの各時刻情報を有するフレームM3〜M9にエラーが発生している。また、上記サブ映像バッファ18に格納されたサブ映像データにも、時刻t7〜t8までの各時刻情報を有する各フレームにエラーが発生している。
【0080】
このような場合、カムコーダ100は、上述したデータ選択部19の処理により、メイン映像データ中のエラーが発生した上記フレームM3〜M7のみならず、エラーが発生した最初のフレームであるフレームM3の前の連続する2つのフレームM1、M2と、エラーが発生した最後のフレームであるフレームM7の後の連続する3つのフレームM10〜M12も含めて、フレームM1〜M12全体をサブ映像データのフレームS1〜S12に置換して表示させる。
【0081】
すなわち、カムコーダ100は、メイン映像データにエラーが発生する時刻t3の3フレーム前の時刻t1まではメイン映像データを選択して表示させ、時刻t3の2フレーム前の時刻t2から、エラーが発生した最後の時刻t4の3フレーム後の時刻t5までは、メイン映像データをサブ映像データに切り替えて表示させ、時刻t4の4フレーム後の時刻t6以降は、再びサブ映像データを再びメイン映像データへ切り替えて表示させる。
【0082】
このように、カムコーダ100は、メイン映像データ中のエラーが発生したデータのみならず、その前後のデータも加えてサブ映像データに置換することで、メイン映像データにランダムにエラーが発生した場合に、メイン映像データとサブ映像データとが頻繁に切り替わることで、表示される映像に対してユーザが違和感を覚えるのを防ぐことができる。すなわち、カムコーダ100は、メイン映像データからサブ映像データに表示を切り替える場合には、サブ映像データにある程度の長さを持たせることで、メイン映像データとサブ映像データの変わり目を目立たなくし、より自然な映像を表示させることができる。
【0083】
なお、エラーが発生したメイン映像データに対応するサブ映像データの前後に付け加えて切り替えるフレームの数は、上記2フレーム及び3フレームに限られるものではなく、適宜変更可能である。
【0084】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。なお、本実施形態においても、上記第1及び第2の実施形態と同様の構成及び機能となる箇所については説明を省略し、上記各実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0085】
本実施形態においては、カムコーダ100は、MPEG符号化形式の特徴をより考慮してメイン映像データとサブ映像データとを切り替えることとしている。
【0086】
まず、ここで、MPEGによる符号化方式について説明する。
図6は、MPEG映像データにおけるGOP及びピクチャタイプについて示した図である。同図における矢印は、各フレームの参照元のフレームを示している。また図7は、MPEG映像データのエンコード処理、デコード処理及び再生処理における映像データの処理順序を示した図である。
【0087】
図6に示すように、MPEG符号化方式では、所定枚数のフレームにより1つのGOPが形成される。同図においては、9枚のフレームで1つのGOPが形成されているが、1つのGOP内のフレーム数はこれに限られず、15枚、18枚等、他の枚数であっても構わない。
【0088】
また、GOPは、Iピクチャ、Pピクチャ及びBピクチャの最大3種類のピクチャタイプのフレームにより構成される。1つのGOPには、フレーム内符号化画像であるIピクチャが少なくとも1枚含まれている。このIピクチャは、DCTにより1フレームの画素データのみによって符号化されたものであり、時間方向の予測は行われない。このIピクチャから所定のaフレーム毎(同図ではa=3)の画像データは、第1及び第2の前方予測符号化画像としてのPピクチャ(P1及びP2)に変換される。この場合、第2の前方予測符号化画像P2は、第1の前方予測符号化画像P1から変換される。更に、Iピクチャまたは各Pピクチャの間の各フレームの画像データは、その前方及び後方の画像データを用いた両方向予測符号化画像であるBピクチャに変換される。
【0089】
図6及び図7に示すように、エンコード処理においては、原画像から、まずIピクチャが符号化され、続いて、Pピクチャが符号化され、更に、IピクチャまたはPピクチャの後にBピクチャが符号化される。各フレームの画像はこの符号化順序で記録媒体上に記録され、上述したDTS及びPTSにより、デコード時に並び替えられて原画像の順序に戻される。
【0090】
上述のように、Iピクチャはフレーム内の情報のみによって符号化されているため、単独の符号化データのみによって復号可能である。一方、Pピクチャ及びBピクチャは、他の画像データとの相関を基に符号化されているため、単独の符号化データのみでは復号することができない。
【0091】
このように、MPEG符号化形式では、PピクチャまたはBピクチャは、他のIピクチャまたはPピクチャを参照することで生成されているため、IピクチャまたはPピクチャにエラーが発生すると、そのIピクチャまたはPピクチャを参照して生成されたPピクチャまたはBピクチャも復号できなくなる。
【0092】
また、上述したように、MPEG符号化方式では、各フレームにDTSとPTSの2種類の時刻情報が付加されており、デコード時と表示時とで処理されるフレームの順序が異なっている。そうすると、上記第1の実施形態において、カムコーダ100がDTSを基にメイン映像データとサブ映像データとを選択した場合には、表示時に並び替えが生じる。したがって、メイン映像データ中の連続したフレームにエラーが発生した場合に、カムコーダ100が、当該連続したフレームをサブ映像データの連続したフレームに置換した場合でも、実際にその置換したフレームが表示される場合には、上記並び替えにより、メイン映像データとサブ映像データとの間でランダムな切り替えが生じ、映像として非常に見づらいものとなる場合が考えられる。
【0093】
そこで、本実施形態においては、メイン映像データ中の1つのGOP内で少なくとも1つのフレームにエラーが発生した場合には、そのGOP内の全てのフレームをまとめてサブ映像データに置換することで、上記各フレーム間の相関やフレームの並び替えの影響を防ぐこととしている。
【0094】
図8は、本実施形態におけるメイン映像データ及びサブ映像データの表示方法について示した図である。
同図においては、説明を簡単にするために、メイン映像データは1つのGOPが3枚のフレームからなるMPEGデータであり、サブ映像データは、1つのGOP内の最初のフレーム(例えばIピクチャ)から生成されるものとする。すなわち、メイン映像データ中の1つのGOP内の最初のフレームが、それに対応するサブ映像データと同一の時刻情報を有しているものとする。例えば、サブ映像データ中のフレームS1は、メイン映像データのGOP1に属するフレームM1から生成され、両者は同一の時刻情報(t1)を有している。また、各GOPには、それぞれECC単位が対応しており、上記エラー訂正部12は、このECC単位に基づいてエラー検出及び訂正を行う。
【0095】
本実施形態においては、上記データ選択部19は、メイン映像データ及びサブ映像データの各フレーム単位ではなく、GOP単位でエラーの有無を判断する。この判断の結果、同図においては、各ECC単位のうち、ECC1に対応するGOP1及びGOP2においてエラーが訂正しきれずに残っている。具体的には、例えば、GOP1内のフレームM1及びM2と、GOP2内のフレームM4にエラーが発生している。この場合、上記図6で示したGOP構造により、上記フレームM1、M2及びM4のみならず、GOP1及びGOP2に属する他のフレームについても正しく再生できない可能性がある。
【0096】
そこで、上記データ選択部19は、メイン映像データのGOP1内の先頭のフレームの表示時刻t1においては、この時刻t1に相当する表示時刻情報を有するサブ映像データ中のフレームS1を選択し、上記出力制御部20は、上記表示時刻情報を基に表示を切り替える。また、メイン映像データが1つのGOPに3枚存在するのに対して、サブ映像データは1枚しか存在しないため、上記サブ映像補間部16が、GOP1内のフレームM2及びM3に対応するフレームとして、上記フレームS1を2枚コピーし、データ選択部19が選択したそれら3枚のフレームを、出力制御部20がそれらの表示時刻を制御しながら、時刻t1〜t2までの間、繰り返して表示させる。
【0097】
データ選択部19は、GOP2についても同様に、表示時刻t2からt3までの間、GOP2内のフレームM4〜M6に替えて、サブ映像データのフレームS2及びそのコピーを選択し、出力制御部20がそれらのフレームを表示させる。
【0098】
その後、メイン映像データのGOP3から(時刻t3以降)は、メイン映像データにエラーが存在していないため、データ選択部19は、サブ映像データからメイン映像データに再び選択を切り替えて、出力制御部20がそのメイン映像データを表示させる。
【0099】
以上の処理により、カムコーダ100は、メイン映像データにエラーが存在するか否かをGOP単位で判断し、エラーが発生した場合には、GOP単位で複数のフレームをまとめてサブ映像データに切り替えることで、MPEG符号化方式における各フレーム間の相関により、エラーが発生したフレームから派生して発生するエラーの影響や、PTSとDTSの相違により生じる並び替えの影響を防ぐことができる。また、カムコーダ100は、エラーの判断を複数のフレームについてまとめて行い、まとめて切り替えることで、処理が簡素化され、処理負荷を軽減することができる。
【0100】
なお、サブ映像データにエラーが発生した場合には、サブ映像補間部16が、そのエラーが発生したフレームの前後の表示時刻情報を有する各フレームから該当時刻のフレームを補間するようにすればよい。
【0101】
また、上記サブ映像補間部16は、上記GOP1のフレームM2及びM3に対応するフレームを、サブ映像データのフレームS1をコピーすることで生成するのではなく、フレームS1及びS2を基に予測されるフレームを補間するようにしても構わない。これにより、サブ映像データをより滑らかに表示することができる。
【0102】
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。なお、本実施形態においても、上記第1乃至第3の実施形態と同様の構成及び機能となる箇所については説明を省略し、上記各実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0103】
上記第3の実施形態においては、カムコーダ100は、メイン映像データのエラーをGOP単位で判断し、GOP単位で複数のフレームをまとめてサブ映像データに切り替えるようにしていた。しかし、本実施形態においては、各GOP内のフレーム毎にエラーを判断し、エラーが発生したフレームのピクチャタイプに応じて、サブ映像データへの切り替え手法を変更することとしている。
【0104】
図9は、本実施形態において、メイン映像データの再生命令が入力された場合におけるカムコーダ100の動作の流れを示したフローチャートである。なお、同図においても、上記図2及び図4の場合と同様に、磁気テープ9から読み出された映像データが、メイン映像バッファ17及びサブ映像バッファ18に格納されているものとして説明する。
【0105】
同図に示すように、まず、カムコーダ100のデータ選択部19は、上記メイン映像バッファ17に格納されているメイン映像データを順次入力し、当該メイン映像データにエラーが発生しているか否かをフレーム毎に判断する(ステップ101)。
【0106】
エラーが存在しないと判断された場合(No)、データ選択部19は、そのままメイン映像データを選択する(ステップ102)。
【0107】
エラーが存在すると判断された場合(Yes)には、データ選択部19は、エラーが発生したフレームがIピクチャか否かを判断する(ステップ103)。そして、データ選択部19は、エラーが発生したフレームがIピクチャであると判断された場合(Yes)には、そのIピクチャと、そのIピクチャを参照して生成されたPピクチャと、そのIピクチャ及びPピクチャを参照して生成されたBピクチャにそれぞれ対応する時刻情報を有するサブ映像データの各フレームを選択する(ステップ104)。
【0108】
上記ステップ103において、エラーが発生したフレームがIピクチャでないと判断された場合(No)には、データ選択部19は、エラーが発生したフレームがPピクチャであるか否かを判断する(ステップ105)。そして、データ選択部19は、エラーが発生したフレームがPピクチャであると判断された場合(Yes)には、そのPピクチャと、そのPピクチャを参照して生成されたBピクチャにそれぞれ対応する時刻情報を有するサブ映像データの各フレームを選択する(ステップ106)。
【0109】
上記ステップ105において、エラーが発生したフレームがPピクチャでないと判断された場合(No)、すなわち、エラーが発生したフレームがBピクチャであると判断された場合には、データ選択部19は、そのBピクチャに対応する時刻情報を有するサブ映像データのフレームを選択する(ステップ107)。
【0110】
続いて、データ選択部19は、上記各ステップで選択されたデータにエラーが存在するか否かを判断し(ステップ108)、エラーが存在する場合(Yes)には、上記メイン映像補間部15において、エラー発生時刻の前後の時刻情報を有するメイン映像データの各フレームから生成された上記メイン映像補間データを選択する(ステップ109)。
【0111】
そして、出力制御部20は、データ選択部19で選択されたフレームを、PTSに基づいてその出力時刻を制御しながら表示させる(ステップ110)。
【0112】
図10は、本実施形態におけるメイン映像データ及びサブ映像データの表示方法について示した図である。同図における矢印は、各フレームの参照元のフレームを示す。また、説明を簡単にするため、各GOP内のフレームは、Iピクチャ1枚、Pピクチャ1枚、Bピクチャ2枚の計4枚としているが、もちろん4枚以上存在していても構わない。また、同図においては、サブ映像データの各フレームは、メイン映像データの各フレームと1対1で対応しているが、そうでない場合には、上記サブ映像補間部16により、メイン映像データのフレームレートに合わせてサブ映像データにフレームを補間すればよい。
【0113】
同図に示すように、メイン映像データのGOP2では、PピクチャであるフレームP5にエラーが発生している。この場合、カムコーダ100は、データ選択部19及び出力制御部20により、フレームP5をサブ映像データの対応する時刻情報を有するフレームS2に切り替えて表示させる。また、フレームP2は、Bピクチャである前後のフレームB4及びB6に参照されているため、カムコーダ100は、上記図9のステップ106で示したように、各フレームB4及びB6もそれぞれサブ映像データのフレームS1及びS3と切り替えて表示させる。
【0114】
GOP3では、BピクチャであるフレームB10にエラーが発生している。この場合、カムコーダ100は、上記図9のステップ107で示したように、このフレームB10をサブ映像データのフレームS4に切り替えて表示させる。フレームB10は、GOP3内においてどのフレームからも参照されていないため、その他のフレームをサブ映像データに切り替える必要はない。
【0115】
GOP4では、IピクチャであるフレームI11にエラーが発生している。この場合、カムコーダ100は、フレームI11をサブ映像データのフレームS5に切り替えて表示させる。また、フレームI11は、PピクチャであるフレームP13と、BピクチャであるフレームB12に参照され、またフレームP13はBピクチャであるフレームB14に参照されているため、カムコーダ100は、上記図9のステップ104で示したように、各フレームB12、P13及びB14もそれぞれサブ映像データのフレームS6、S7及びS8に切り替えて表示させる。
【0116】
以上の処理により、カムコーダ100は、メイン映像データの各GOPを形成する各フレームのピクチャタイプに応じて、エラーとなったフレームのみならず、そのフレームを参照して生成されているフレームについてもサブ映像データへ切り替えることで、1つのフレームに発生したデータから派生するエラーの影響を確実に防ぐことができる。また、上記第3の実施形態のようにGOP単位でまとめて切り替える場合に比べて、例えばBピクチャのみにエラーが発生した場合等に、切り替えるフレーム数が大幅に少なくなるため、処理速度を向上させることができる。
【0117】
なお、同図においては、カムコーダ100は、各フレーム間の相関をGOP毎に判断していたが、複数のGOPに跨って判断しても構わない。すなわち、例えば同図のGOP2のIピクチャであるフレームI3にエラーが発生した場合には、フレームI3、B4、P5及びB6をサブ映像データに切り替えるのみならず、フレームI3を参照して生成されるGOP1のフレームB2もサブ映像データに切り替えるようにしても構わない。これより、表示映像の途切れや乱れを更に確実に防ぐことができる。
【0118】
(第5の実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。なお、本実施形態においても、上記第1乃至第4の実施形態と同様の構成及び機能となる箇所については説明を省略し、上記各実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0119】
上記各実施形態においては、サブ映像データが1つのみ存在する場合を例に説明したが、本実施形態においては、サブ映像データが複数存在する場合の映像データの切り替え手法について説明する。
【0120】
本実施形態においては、サブ映像データは、メイン映像データを基に例えば2つ生成される。各サブ映像データには、メイン映像データとの類似度に応じて優先度が設けられ、それぞれ上記サブ映像バッファ18に格納される。ここでは、この2つのサブ映像データを、類似度の高い順に、第1のサブ映像データ、第2のサブ映像データと称する。また、第1のサブ映像データ及び第2のサブ映像データには、上記各実施形態と同様に第1のサブ映像補間データ及び第2のサブ映像補間データが生成されサブ映像バッファ18に格納される。
【0121】
第1のサブ映像データとしては、例えば、8倍速サーチ再生用の映像データが生成され、第2のサブ映像データとしては、例えば24倍速サーチ再生用の映像データが生成される。8倍速サーチ再生用の映像データは、上述したように、例えばメイン映像データのIピクチャのDC成分を抽出することで生成され、24倍速サーチ再生用の映像データは、例えば8倍速サーチ再生用の映像データの解像度を1/4に変換することで生成される。24倍速サーチ再生用の映像データは、解像度が低い分、8倍速サーチ再生用データに比べてメイン映像データとの類似度が低いため、上記優先度も低くなる。
【0122】
図11は、本実施形態におけるメイン映像データの再生命令が入力された場合におけるカムコーダ100の動作の流れを示したフローチャートである。
同図に示すように、まず、カムコーダ100のデータ選択部19は、上記メイン映像バッファ17に格納されているメイン映像データにエラーが発生しているか否かを判断する(ステップ111)。
【0123】
エラーが存在しないと判断された場合(No)、データ選択部19は、そのままメイン映像データを選択する(ステップ112)。
【0124】
エラーが存在すると判断された場合(Yes)には、データ選択部19は、サブ映像バッファ18から、第1のサブ映像データを入力する(ステップ113)。続いて、データ選択部19は、上記エラーデータに対応する時刻情報を有する第1のサブ映像データが存在するか否かを判断し(ステップ113)、存在しないと判断された場合(No)には、上記各実施形態における場合と同様に、第1のサブ映像補間データを選択する(ステップ115)。
【0125】
続いて、データ選択部19は、選択された第1のサブ映像データにエラーが存在するか否かを判断し(ステップ116)、エラーが存在すると判断された場合(Yes)には、第2のサブ映像データを入力する(ステップ117)。
【0126】
そして、データ選択部19は、上記第1のサブ映像データについての上記ステップ113〜116に対応する処理を第2のサブ映像データについて行い(ステップ118〜121)、第2のサブ映像データにエラーが存在すると判断された場合(ステップ121のYes)には、メイン映像補間データを選択する(ステップ122)。
【0127】
そして、出力制御部20は、上記データ選択部19により選択された各映像データを出力する(ステップ124)。
【0128】
図12は、本実施形態におけるメイン映像データ、第1のサブ映像データ及び第2のサブ映像データの表示方法について示した図である。
同図に示すように、メイン映像データのフレームM1〜M7にエラーが発生しており、このフレームM1〜M7に対応する時刻情報を有する第1のサブ映像データのフレームS1〜S7にはエラーが発生していないため、カムコーダ100は、当該フレームM1〜M7をフレームS1〜S7に置換して表示させる。
【0129】
また、メイン映像データのフレームM8〜M12にもエラーが発生しており、このフレームM8〜M12に対応する時刻情報を有する第1のサブ映像データのフレームS8〜S12にもエラーが発生している。一方、上記フレームM8〜M12に対応する時刻情報を有する第2のサブ映像データのフレームSa〜Seにはエラーが発生していない。よって、カムコーダ100は、フレームM8〜M12をフレームSa〜Seに置換して表示させる。
【0130】
以上の処理により、カムコーダ100は、サブ映像データが複数存在する場合には、メイン映像データに対する各サブ映像データの類似度に応じて各サブ映像データに優先度を設けて、当該優先度に応じて、エラーが発生したメイン映像データを、エラーが発生していないサブ映像データに切り替えることで、常に最適なサブ映像データをメイン映像データから切り替えて表示することができる。
【0131】
本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0132】
上述の各実施形態において、サブ映像データの解像度がメイン映像データの解像度と異なる場合、上記サブ映像補間部16は、サブ映像データを、メイン映像データの解像度に合わせて変換するようにしても構わない。これにより、サブ映像データを、メイン映像データにより近い状態で出力することができる。
【0133】
上述の第2の実施形態においては、カムコーダ100は、サブ映像データをメイン映像データよりも先に入力するのが好ましい。例えば、上記図1において、メイン映像データがMPEGデコーダ14によりデコードする必要があるのに対して、サブ映像データはデコードする必要がないように生成するのが好ましい。また、メイン映像バッファ17の容量を、サブ映像バッファ18の容量に比べて大きくするのが好ましい。このようにすることで、メイン映像データは、デコード処理の時間分と、メイン映像バッファ17への格納処理及びメイン映像バッファ17からデータ選択部19への入力処理の時間分だけ、サブ映像データよりもデータ選択部19に後に入力されることとなる。すなわち、メイン映像データよりもサブ映像データの方がデータ選択部19に先に入力されることになる。
【0134】
これにより、メイン映像データに発生したエラーデータに対応する時刻の前後の時刻情報を有するサブ映像データも含めて表示を切り替える際に、サブ映像データがデータ選択部19にまだ入力されておらず、出力制御部20から出力できないという事態を防ぐことができる。すなわち、切り替えるべきサブ映像データを即座に抽出して、出力までの処理速度を向上させることができる。
【0135】
上述の実施形態においては、電子機器としてカムコーダを例に挙げて説明した。しかし、電子機器としては、他にも、例えばHDD/DVD/BDレコーダや、DVD/BDプレーヤ、テレビジョン装置、オーディオプレーヤ、PC、ゲーム機器、携帯電話機やPDA等のモバイル端末、カーナビゲーション装置等、あらゆる機器を適用することができる。上記メイン映像データ及びサブ映像データの記録媒体としても、HDD、DVD、BD、フラッシュメモリ等、あらゆる媒体を適用することができる。映像データの符号化形式としても、MPEG以外に、例えばH.263、Motion JPEG、On2VP3、Theora、RealVideo(登録商標)等の他の符号化形式を用いても構わない。
【0136】
また、上述の実施形態においては、カムコーダ100は、サブ映像データとして、サーチ再生用の映像データを用いていた。しかし、カムコーダ100は、例えばスロー再生用の映像データ等、他の変速再生用の映像データや、メイン映像データと同じ表示時刻を有する映像を別の角度から撮影した、マルチアングル用の映像データを用いることもできる。更に、カムコーダ100は、メイン映像データをコピーしたデータをサブ映像データとして用いても構わない。また、上記第5の実施形態において、これらの複数の映像データに優先度を設けて切り替えるようにしてもよい。
【0137】
また、電子機器として、HDD/DVD/BDレコーダやテレビジョン装置等、放送を受信し記録する機能を有する機器を適用した場合には、メイン映像データとして、通常の12セグメントの放送データを用い、サブ映像データとして、モバイル端末用の1セグメントの放送データを用いることもできる。また、1セグメントの放送データをメイン映像データとして受信するようなモバイル端末においては、12セグメントの放送データをサブ映像データとして用いることもできる。
【0138】
また、上記放送を受信して記録する機能を有する機器においては、例えば、メイン映像データとして、受信した放送データを用い、サブ映像データとして、受信した放送データの解像度をダウンコンバートして再エンコードすることにより生成した簡易映像データを、サブ映像データとして用いても構わない。
【0139】
上記各実施形態で説明した構成は、相互に組み合わせることも勿論可能である。例えば、カムコーダ100は、上記第2乃至第4の実施形態で説明した構成は、上記第5の実施形態のようにサブ映像データが複数存在する場合にも実施することができる。
【0140】
上述の実施形態においては、コンテンツとして映像データを用いた場合を説明したが、コンテンツとして音声データを用いても構わない。例えば、オーディオプレーヤにおいて、フラッシュメモリやHDD等に楽曲等のメイン音声データをMPEG形式でエンコードして記録する際に、サンプリング周波数、量子化ビット数等のパラメータを変更してサブ音声データを生成し、メイン音声データにエラーが発生した場合には、時刻情報を基にサブ音声データに切り替えるようにすればよい。また、音声データの符号化形式としては、MPEG以外にも例えばATRAC(登録商標)、AC−3(ドルビーデジタル)、dts(登録商標、Digital Theater Systems)等の他の形式を用いてもよく、また記録媒体として、CD(Compact Disc)やMD(Mini Disc)等を用いても構わない。
【図面の簡単な説明】
【0141】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るカムコーダの構成を示したブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るカムコーダの、映像データ再生時における動作の流れを示したフローチャートである。
【図3】本発明の第1の実施形態におけるメイン映像データ及びサブ映像データの表示方法について示した図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係るカムコーダの、映像データ再生時における動作の流れを示したフローチャートである。
【図5】本発明の第2の実施形態におけるメイン映像データ及びサブ映像データの表示方法について示した図である。
【図6】MPEG映像データにおけるGOP及びピクチャタイプについて示した図である。
【図7】MPEG映像データのエンコード処理、デコード処理及び再生処理における映像データの処理順序を示した図である。
【図8】本発明の第3の実施形態におけるメイン映像データ及びサブ映像データの表示方法について示した図である。
【図9】本発明の第4の実施形態に係るカムコーダの、映像データ再生時における動作の流れを示したフローチャートである。
【図10】本発明の第4の実施形態におけるメイン映像データ及びサブ映像データの表示方法について示した図である。
【図11】本発明の第5の実施形態におけるカムコーダの、映像データ再生時における動作の流れを示したフローチャートである。
【図12】本発明の第5の実施形態におけるメイン映像データ及びサブ映像データの表示方法について示した図である。
【符号の説明】
【0142】
4…MPEGエンコーダ
5…サブ映像生成部
6…データ多重部
7…ECC付加部
8…テープドライブ
9…磁気テープ
10…CPU
12…エラー訂正部
13…データ分離部
14…MPEGデコーダ
15…メイン映像補間部
16…サブ映像補間部
17…メイン映像バッファ
18…サブ映像バッファ
19…データ選択部
20…出力制御部
100…カムコーダ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
出力すべき時刻を示す時刻情報を有する第1のコンテンツと、前記時刻情報を有し前記第1のコンテンツに関連する第2のコンテンツとを入力する入力手段と、
前記入力された第1のコンテンツにエラーが発生しているか否かを判断する判断手段と、
前記第1のコンテンツに前記エラーが発生していると判断された場合に、前記第2のコンテンツから、前記エラーが発生している第1のデータが有する第1の時刻情報に対応する第2の時刻情報を有する第2のデータを抽出する抽出手段と、
前記第1のデータを前記抽出された第2のデータに置換して前記第1のコンテンツを出力する出力手段と
を具備する電子機器。
【請求項2】
請求項1に記載の電子機器であって、
前記判断手段は、前記第2のコンテンツの前記第2のデータに前記エラーが発生しているか否かを判断し、
当該電子機器は、
前記第2のデータに前記エラーが発生していると判断された場合に、前記第1のコンテンツのうち、前記第1のデータが有する前記第1の時刻情報の前後で連続する各時刻情報を有する各データを基に第3のデータを生成する手段を更に具備し、
前記出力手段は、前記第1のデータを前記生成された第3のデータに置換して前記第1のコンテンツを出力する
ことを特徴とする電子機器。
【請求項3】
請求項1に記載の電子機器であって、
前記判断手段は、前記第2のコンテンツの前記第2のデータに前記エラーが発生しているか否かを判断し、
当該電子機器は、
前記第2のデータに前記エラーが発生していると判断された場合に、前記第2のコンテンツのうち、前記第2のデータが有する前記第2の時刻情報の前後で連続する各時刻情報を有する各データを基に第3のデータを生成する手段を更に具備し、
前記出力手段は、前記第1のデータを前記生成された第3のデータに置換して前記第1のコンテンツを出力する
ことを特徴とする電子機器。
【請求項4】
請求項1に記載の電子機器であって、
前記抽出手段は、前記第2のコンテンツから、前記第1のデータが有する前記第1の時刻情報の前または後で連続する第3の時刻情報に対応する第4の時刻情報を有する第3のデータを抽出し、
前記出力手段は、前記第1のコンテンツのうち、前記第3の時刻情報を有するデータを前記第3のデータに置換して、前記第2のデータと連続させて出力する
【請求項5】
請求項1に記載の電子機器であって、
前記第1及び第2のコンテンツは、それぞれ複数のフレームから構成される映像コンテンツであり、
前記判断手段は、前記エラーが発生しているか否かを、前記各フレームが所定の複数のフレーム毎に区分されたフレーム区間毎に判断し、
前記抽出手段は、前記各フレーム区間のうち第1のフレーム区間を構成する各フレームのうち少なくとも1つのフレームに前記エラーが発生していると判断された場合に、前記第2のコンテンツから、前記第1のフレーム区間が有する第3の時刻情報に対応する第4の時刻情報を有する第2のフレーム区間の各フレームを抽出し、
前記出力手段は、前記第1のフレーム区間の各フレームを前記第2のフレーム区間の各フレームに置換して前記第1のコンテンツを出力する
ことを特徴とする電子機器。
【請求項6】
請求項5に記載の電子機器であって、
前記第1のコンテンツの第1のフレームレートと、前記第2のコンテンツの第2のフレームレートとをそれぞれ検出する検出手段と、
前記検出された第1のフレームレートと第2のフレームレートとが異なる場合に、前記抽出された第2のフレーム区間の前記第2のフレームレートが前記第1のフレームレートとなるよう前記第2のデータにフレームを補間する補間手段と
を更に具備することを特徴とする電子機器。
【請求項7】
請求項1に記載の電子機器であって、
前記第1のコンテンツは、ピクチャタイプが異なる複数のフレームから構成されるMPEGデータであり、
前記抽出手段は、前記エラーが発生していると判断された第1のフレームの前記ピクチャタイプに応じて、前記第1のフレームと、当該第1のフレームを参照して生成された第2のフレームとにそれぞれ前記時刻情報が対応する第3のフレーム及び第4のフレームとを前記第2のコンテンツから抽出し、
前記出力手段は、前記第1のフレームを前記第3のフレームに置換し、前記第2のフレームを前記第4のフレームに置換して前記第1のコンテンツを出力する
ことを特徴とする電子機器。
【請求項8】
請求項1に記載の電子機器であって、
前記第1及び第2のコンテンツは映像コンテンツであり、
当該電子機器は、
前記第1のコンテンツの第1の解像度と、前記第2のコンテンツの第2の解像度とをそれぞれ検出する検出手段と、
前記検出された第1の解像度と第2の解像度とが異なる場合に、前記抽出された第2のデータの前記第2の解像度を前記第1の解像度へ変換する変換手段と
を更に具備することを特徴とする電子機器。
【請求項9】
請求項1に記載の電子機器であって、
複数の異なる前記第2のコンテンツを、前記第1のコンテンツとの類似度に応じた優先度を示す優先度情報とそれぞれ対応付けて記憶する記憶手段を更に具備し、
前記入力手段は、前記優先度情報を基に、前記各第2のコンテンツから1つの第2のコンテンツを入力し、
前記判断手段は、前記第2のコンテンツの前記第2のデータに前記エラーが発生しているか否かを判断し、
前記出力手段は、前記第1のデータを、前記エラーが発生していないと判断された前記第2のコンテンツのうち、前記優先度が最も高い前記第2のコンテンツの前記第2のデータに置換して前記第1のコンテンツを出力する
ことを特徴とする電子機器。
【請求項10】
請求項1に記載の電子機器であって、
前記第1のコンテンツを基に前記第2のコンテンツを生成する生成手段を更に具備する
ことを特徴とする電子機器。
【請求項11】
請求項1に記載の電子機器であって、
前記第1のコンテンツを第1の領域に記憶し、前記第2のコンテンツを前記第1の領域とは異なる第2の領域に記憶する記憶手段
を更に具備することを特徴とする電子機器。
【請求項12】
請求項2に記載の電子機器であって、
前記第1のコンテンツに前記エラーを訂正するための第1のエラー訂正符号を付加して当該第1のコンテンツを記憶し、前記第2のコンテンツに前記第1のエラー訂正符号とは異なる第2のエラー訂正符号を付加して当該第2のコンテンツを記憶する記憶手段
を更に具備し、
前記判断手段は、前記第1及び第2のエラー訂正符号によって訂正できないエラーが前記第1のコンテンツ及び前記第2のデータに発生しているか否かをそれぞれ判断する
ことを特徴とする電子機器。
【請求項13】
請求項4に記載の電子機器であって、
前記入力手段は、前記第2のコンテンツを前記第1のコンテンツよりも先に入力する
ことを特徴とする電子機器。
【請求項14】
出力すべき時刻を示す時刻情報を有する第1のコンテンツと、前記時刻情報を有し前記第1のコンテンツに関連する第2のコンテンツとを入力し、
前記入力された第1のコンテンツにエラーが発生しているか否かを判断し、
前記第1のコンテンツに前記エラーが発生していると判断された場合に、前記第2のコンテンツから、前記エラーが発生している第1のデータが有する第1の時刻情報に対応する第2の時刻情報を有する第2のデータを抽出し、
前記第1のデータを前記抽出された第2のデータに置換して前記第1のコンテンツを出力する
コンテンツ出力方法。
【請求項15】
電子機器に、
出力すべき時刻を示す時刻情報を有する第1のコンテンツと、前記時刻情報を有し前記第1のコンテンツに関連する第2のコンテンツとを入力するステップと、
前記入力された第1のコンテンツにエラーが発生しているか否かを判断するステップと、
前記第1のコンテンツに前記エラーが発生していると判断された場合に、前記第2のコンテンツから、前記エラーが発生している第1のデータが有する第1の時刻情報に対応する第2の時刻情報を有する第2のデータを抽出するステップと、
前記第1のデータを前記抽出された第2のデータに置換して前記第1のコンテンツを出力するステップと
を実行させるためのプログラム。
【請求項1】
出力すべき時刻を示す時刻情報を有する第1のコンテンツと、前記時刻情報を有し前記第1のコンテンツに関連する第2のコンテンツとを入力する入力手段と、
前記入力された第1のコンテンツにエラーが発生しているか否かを判断する判断手段と、
前記第1のコンテンツに前記エラーが発生していると判断された場合に、前記第2のコンテンツから、前記エラーが発生している第1のデータが有する第1の時刻情報に対応する第2の時刻情報を有する第2のデータを抽出する抽出手段と、
前記第1のデータを前記抽出された第2のデータに置換して前記第1のコンテンツを出力する出力手段と
を具備する電子機器。
【請求項2】
請求項1に記載の電子機器であって、
前記判断手段は、前記第2のコンテンツの前記第2のデータに前記エラーが発生しているか否かを判断し、
当該電子機器は、
前記第2のデータに前記エラーが発生していると判断された場合に、前記第1のコンテンツのうち、前記第1のデータが有する前記第1の時刻情報の前後で連続する各時刻情報を有する各データを基に第3のデータを生成する手段を更に具備し、
前記出力手段は、前記第1のデータを前記生成された第3のデータに置換して前記第1のコンテンツを出力する
ことを特徴とする電子機器。
【請求項3】
請求項1に記載の電子機器であって、
前記判断手段は、前記第2のコンテンツの前記第2のデータに前記エラーが発生しているか否かを判断し、
当該電子機器は、
前記第2のデータに前記エラーが発生していると判断された場合に、前記第2のコンテンツのうち、前記第2のデータが有する前記第2の時刻情報の前後で連続する各時刻情報を有する各データを基に第3のデータを生成する手段を更に具備し、
前記出力手段は、前記第1のデータを前記生成された第3のデータに置換して前記第1のコンテンツを出力する
ことを特徴とする電子機器。
【請求項4】
請求項1に記載の電子機器であって、
前記抽出手段は、前記第2のコンテンツから、前記第1のデータが有する前記第1の時刻情報の前または後で連続する第3の時刻情報に対応する第4の時刻情報を有する第3のデータを抽出し、
前記出力手段は、前記第1のコンテンツのうち、前記第3の時刻情報を有するデータを前記第3のデータに置換して、前記第2のデータと連続させて出力する
【請求項5】
請求項1に記載の電子機器であって、
前記第1及び第2のコンテンツは、それぞれ複数のフレームから構成される映像コンテンツであり、
前記判断手段は、前記エラーが発生しているか否かを、前記各フレームが所定の複数のフレーム毎に区分されたフレーム区間毎に判断し、
前記抽出手段は、前記各フレーム区間のうち第1のフレーム区間を構成する各フレームのうち少なくとも1つのフレームに前記エラーが発生していると判断された場合に、前記第2のコンテンツから、前記第1のフレーム区間が有する第3の時刻情報に対応する第4の時刻情報を有する第2のフレーム区間の各フレームを抽出し、
前記出力手段は、前記第1のフレーム区間の各フレームを前記第2のフレーム区間の各フレームに置換して前記第1のコンテンツを出力する
ことを特徴とする電子機器。
【請求項6】
請求項5に記載の電子機器であって、
前記第1のコンテンツの第1のフレームレートと、前記第2のコンテンツの第2のフレームレートとをそれぞれ検出する検出手段と、
前記検出された第1のフレームレートと第2のフレームレートとが異なる場合に、前記抽出された第2のフレーム区間の前記第2のフレームレートが前記第1のフレームレートとなるよう前記第2のデータにフレームを補間する補間手段と
を更に具備することを特徴とする電子機器。
【請求項7】
請求項1に記載の電子機器であって、
前記第1のコンテンツは、ピクチャタイプが異なる複数のフレームから構成されるMPEGデータであり、
前記抽出手段は、前記エラーが発生していると判断された第1のフレームの前記ピクチャタイプに応じて、前記第1のフレームと、当該第1のフレームを参照して生成された第2のフレームとにそれぞれ前記時刻情報が対応する第3のフレーム及び第4のフレームとを前記第2のコンテンツから抽出し、
前記出力手段は、前記第1のフレームを前記第3のフレームに置換し、前記第2のフレームを前記第4のフレームに置換して前記第1のコンテンツを出力する
ことを特徴とする電子機器。
【請求項8】
請求項1に記載の電子機器であって、
前記第1及び第2のコンテンツは映像コンテンツであり、
当該電子機器は、
前記第1のコンテンツの第1の解像度と、前記第2のコンテンツの第2の解像度とをそれぞれ検出する検出手段と、
前記検出された第1の解像度と第2の解像度とが異なる場合に、前記抽出された第2のデータの前記第2の解像度を前記第1の解像度へ変換する変換手段と
を更に具備することを特徴とする電子機器。
【請求項9】
請求項1に記載の電子機器であって、
複数の異なる前記第2のコンテンツを、前記第1のコンテンツとの類似度に応じた優先度を示す優先度情報とそれぞれ対応付けて記憶する記憶手段を更に具備し、
前記入力手段は、前記優先度情報を基に、前記各第2のコンテンツから1つの第2のコンテンツを入力し、
前記判断手段は、前記第2のコンテンツの前記第2のデータに前記エラーが発生しているか否かを判断し、
前記出力手段は、前記第1のデータを、前記エラーが発生していないと判断された前記第2のコンテンツのうち、前記優先度が最も高い前記第2のコンテンツの前記第2のデータに置換して前記第1のコンテンツを出力する
ことを特徴とする電子機器。
【請求項10】
請求項1に記載の電子機器であって、
前記第1のコンテンツを基に前記第2のコンテンツを生成する生成手段を更に具備する
ことを特徴とする電子機器。
【請求項11】
請求項1に記載の電子機器であって、
前記第1のコンテンツを第1の領域に記憶し、前記第2のコンテンツを前記第1の領域とは異なる第2の領域に記憶する記憶手段
を更に具備することを特徴とする電子機器。
【請求項12】
請求項2に記載の電子機器であって、
前記第1のコンテンツに前記エラーを訂正するための第1のエラー訂正符号を付加して当該第1のコンテンツを記憶し、前記第2のコンテンツに前記第1のエラー訂正符号とは異なる第2のエラー訂正符号を付加して当該第2のコンテンツを記憶する記憶手段
を更に具備し、
前記判断手段は、前記第1及び第2のエラー訂正符号によって訂正できないエラーが前記第1のコンテンツ及び前記第2のデータに発生しているか否かをそれぞれ判断する
ことを特徴とする電子機器。
【請求項13】
請求項4に記載の電子機器であって、
前記入力手段は、前記第2のコンテンツを前記第1のコンテンツよりも先に入力する
ことを特徴とする電子機器。
【請求項14】
出力すべき時刻を示す時刻情報を有する第1のコンテンツと、前記時刻情報を有し前記第1のコンテンツに関連する第2のコンテンツとを入力し、
前記入力された第1のコンテンツにエラーが発生しているか否かを判断し、
前記第1のコンテンツに前記エラーが発生していると判断された場合に、前記第2のコンテンツから、前記エラーが発生している第1のデータが有する第1の時刻情報に対応する第2の時刻情報を有する第2のデータを抽出し、
前記第1のデータを前記抽出された第2のデータに置換して前記第1のコンテンツを出力する
コンテンツ出力方法。
【請求項15】
電子機器に、
出力すべき時刻を示す時刻情報を有する第1のコンテンツと、前記時刻情報を有し前記第1のコンテンツに関連する第2のコンテンツとを入力するステップと、
前記入力された第1のコンテンツにエラーが発生しているか否かを判断するステップと、
前記第1のコンテンツに前記エラーが発生していると判断された場合に、前記第2のコンテンツから、前記エラーが発生している第1のデータが有する第1の時刻情報に対応する第2の時刻情報を有する第2のデータを抽出するステップと、
前記第1のデータを前記抽出された第2のデータに置換して前記第1のコンテンツを出力するステップと
を実行させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−60502(P2009−60502A)
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−227667(P2007−227667)
【出願日】平成19年9月3日(2007.9.3)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年9月3日(2007.9.3)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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