説明

電子機器、管理システム、及び管理プログラム

【課題】利便性に優れたジョブ実行管理サービスを実現可能な電子機器、管理システム、及び管理プログラムを提供する。
【解決手段】電子機器200は、ジョブを蓄積した利用者と該利用者の蓄積ジョブとを対応付けて管理し、利用者と該利用者に対してジョブの実行を許可した実行許可利用者とを対応付けて管理するコンピュータ100に接続される機器であって、コンピュータ100から、ログイン利用者の蓄積ジョブに関するジョブ情報80Daと該ログイン利用者に対応付けられた実行許可利用者の蓄積ジョブに関するジョブ情報80Dbとを取得し、取得したジョブ情報80Dをログイン利用者に提示する手段22と、ログイン利用者から、提示したジョブ情報80Dに基づく実行ジョブの選択・指示を受け付けると、コンピュータ100から、実行ジョブに該当する蓄積ジョブのジョブデータを取得し、取得したジョブデータを実行する手段23と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器によるジョブの実行を管理する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、画像処理装置が、ログイン利用者のジョブリストを表示し、ジョブリストから選択されたジョブを実行する技術が開示されている。また、特許文献2には、利用者ごとに画像処理装置の利用履歴を記録し、記録した利用履歴に基づき、ジョブの実行を制限する技術が開示されている。
【0003】
このように、画像処理装置などの電子機器によるジョブの実行を管理する技術は、TCO(Total Cost of Ownership)削減や機密保持(情報セキュリティ)の観点から有効な手段である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の方法では、次のような問題がある。従来では、電子機器に利用者がログインし、ジョブリストの取得を指示すると、ログイン利用者のジョブリストが表示される。つまり、ログイン利用者の蓄積ジョブ(ログイン利用者がオーナーのジョブ)のみを対象としたジョブリストが表示される。
【0005】
しかし、電子機器の利用場面には、次のようなケースが考えられる。例えば、利用者Aが利用者Bに依頼され、利用者Bの蓄積ジョブを実行するケースが考えられる。この場合、電子機器では、上述したように、ログイン利用者Aのジョブリストしか表示されないため、利用者Bに依頼されたジョブを選択し、実行することができない。また、例えば、1人の利用者が複数のログインアカウントを有する場合でも同じことが考えられる。この場合、電子機器では、利用者がログインしたアカウントに紐付くジョブのみを対象としたジョブリストが表示されるため、同一利用者の蓄積ジョブであっても、他のアカウントに紐付くジョブを選択し、実行することができない。
【0006】
このようなことから、ジョブ実行管理では、電子機器の上記利用場面などを想定し、利便性に優れたジョブ実行管理サービスを提供できることが望ましい。
【0007】
本発明は上記従来技術の問題点を鑑み提案されたものであり、利便性に優れたジョブ実行管理サービスを実現可能な電子機器、管理システム、及び管理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係る電子機器は、所定の記憶領域に、ジョブを蓄積した利用者と該利用者の蓄積ジョブとを対応付けて管理し、前記利用者と該利用者に対してジョブの実行を許可した実行許可利用者とを対応付けて管理するコンピュータに、所定のデータ伝送路で接続される電子機器であって、前記コンピュータから、ログイン利用者の蓄積ジョブに関するジョブ情報と該ログイン利用者に対応付けられた実行許可利用者の蓄積ジョブに関するジョブ情報とを取得し、取得したジョブ情報を前記ログイン利用者に提示する情報提示手段と、前記ログイン利用者から、提示したジョブ情報に基づく実行ジョブの選択・指示を受け付けると、前記コンピュータから、前記実行ジョブに該当する蓄積ジョブのジョブデータを取得し、取得したジョブデータを実行する実行制御手段と、を有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、利便性に優れたジョブ実行管理サービスを実現可能な電子機器、管理システム、及び管理プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る管理システムの構成例を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る管理装置のハードウェア構成例を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る画像処理装置のハードウェア構成例を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係るジョブ実行管理機能の構成例を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る利用者情報のデータ例を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係るジョブ情報のデータ例を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る実行許可情報のデータ例を示す図である。
【図8】本発明の第1の実施形態に係るジョブ実行管理の処理手順例(その1)を示すシーケンス図である。
【図9】本発明の第1の実施形態に係るジョブリスト生成時のデータ操作例を示す図である。
【図10】本発明の第1の実施形態に係るジョブ実行管理の処理手順例(その2)を示すシーケンス図である。
【図11】本発明の第1の実施形態に係る更新情報のデータ例を示す図である。
【図12】本発明の変形例1に係るジョブ実行管理の処理手順例を示すシーケンス図である。
【図13】本発明の変形例1に係る表示制御値の付加処理手順例(その1)を示すフローチャートである。
【図14】本発明の変形例1に係るジョブリスト画面の表示例(その1)を示す図である。
【図15】本発明の変形例1に係る表示制御値の付加処理手順例(その2)を示すフローチャートである。
【図16】本発明の変形例1に係るジョブリスト画面の表示例(その2)を示す図である。
【図17】本発明の変形例2に係るジョブ実行管理機能の構成例を示す図である。
【図18】本発明の変形例3に係るジョブ実行管理機能の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の好適な実施の形態(以下「実施形態」という)について、図面を用いて詳細に説明する。
【0012】
[第1の実施形態]
<システム構成>
図1は、本実施形態に係る管理システム1の構成例を示す図である。
図1には、1又は複数の画像処理装置200〜200(以下総称する場合「画像処理装置200」という)と管理装置100が、所定のデータ伝送路N(例えば「LAN:Local Area Network」)に接続されるシステム構成例が示されている。
【0013】
画像処理装置200は、印刷を含む画像処理機能を有する電子機器であり、プリンタやMFP(Multifunction Peripheral)などである。管理装置100は、所定の記憶領域に蓄積されたジョブを管理し、蓄積ジョブの実行による画像処理装置200の機器利用を管理する管理機能を有する情報処理装置であり、管理サーバなどである。
【0014】
管理装置100は、画像処理装置200からの取得要求に応じて、利用者のジョブリストを応答する。その結果、画像処理装置200では、取得したジョブリストを表示し、利用者の実行ジョブ選択・ジョブ実行指示を受け付ける。その後、管理装置100は、画像処理装置200からの取得要求に応じて、選択・指示された実行ジョブの該当ジョブデータを応答する。その結果、画像処理装置200では、取得したジョブデータを実行し、ジョブ実行による機器利用を管理装置100に通知する。これを受けて管理装置100では、受け付けた通知に基づき、機器利用の履歴を更新する。
【0015】
以上のように、本実施形態に係る管理システム1は、画像処理装置200によるジョブの実行を管理するジョブ実行管理サービスを提供することができる。
【0016】
<ハードウェア構成>
《管理装置》
図2は、本実施形態に係る管理装置のハードウェア構成例を示す図である。
図2に示すように、管理装置100は、入力装置101、表示装置102、外部I/F103、RAM(Random Access Memory)104、ROM(Read Only Memory)105、CPU(Central Processing Unit)106、通信I/F107、及びHDD(Hard Disk Drive)108などを備え、それぞれがバスBで相互に接続されている。
【0017】
入力装置101は、キーボードやマウスなどを含み、管理装置100に各操作信号を入力するのに用いられる。表示装置102は、ディスプレイなどを含み、管理装置100による処理結果を表示する。
【0018】
通信I/F107は、管理装置100をネットワークに接続するインタフェースである。これにより、管理装置100は、通信I/F107を介して、他の機器(画像処理装置)とデータ通信を行うことができる。
【0019】
HDD108は、プログラムやデータを格納している不揮発性の記憶装置である。格納されるプログラムやデータには、装置全体を制御する基本ソフトウェアであるOS(Operating System)、及びOS上において各種機能を提供するアプリケーションソフトウェアなどがある。また、HDD108は、格納しているプログラムやデータを、所定のファイルシステム及び/又はDB(Data Base)により管理している。
【0020】
外部I/F103は、外部装置とのインタフェースである。外部装置には、記録媒体103aなどがある。これにより、管理装置100は、外部I/F103を介して、記録媒体103aの読み取り及び/又は書き込みを行うことができる。記録媒体103aには、例えば、フロッピー(商標又は登録商標)ディスク、CD(Compact Disk)、及びDVD(Digital Versatile Disk)、ならびに、SDメモリカード(SD Memory card)やUSBメモリ(Universal Serial Bus memory)などがある。
【0021】
ROM105は、電源を切っても内部データを保持することができる不揮発性の半導体メモリ(記憶装置)である。ROM105には、管理装置100の起動時に実行されるBIOS(Basic Input/Output System)、OS設定、及びネットワーク設定などのプログラムやデータが格納されている。RAM104は、プログラムやデータを一時保持する揮発性の半導体メモリ(記憶装置)である。CPU106は、上記記憶装置(例えば「HDD」や「ROM」など)から、プログラムやデータをRAM上に読み出し、処理を実行することで、装置全体の制御や搭載機能を実現する演算装置である。
【0022】
以上のように、本実施形態に係る管理装置100は、上記ハードウェア構成により、ジョブ実行管理を含む各種情報処理サービスを提供することができる。
【0023】
《画像処理装置》
図3は、本実施形態に係る画像処理装置の200ハードウェア構成例を示す図である。
図3に示すように、画像処理装置200は、コントローラ210、操作パネル220、プロッタ230、及びスキャナ240などを備え、それぞれが相互にバスBで接続されている。
【0024】
操作パネル220は、表示部及び入力部を備えており、機器情報などの各種情報をユーザに提供したり、動作設定や動作指示などの各種利用者操作を受け付けたりする。プロッタ230は、画像形成部を備えており、用紙に出力画像を形成する。出力画像を形成する方式には、例えば、電子写真プロセスやインクジェット方式などがある。スキャナ240は、原稿を光学的に読み取り、読み取り画像を生成する。
【0025】
コントローラ210は、CPU211、記憶装置212、通信I/F213、及び外部I/F214などを備えており、それぞれが相互にバスBで接続されている。
【0026】
CPU211、通信I/F213、及び外部I/F214は、上記情報処理装置100が備えるCPU106、通信I/F107、及び外部I/F103と同様である。また、記憶装置212は、プログラムや各種データ(例えば「画像データ」)を格納し保持する。記憶装置212には、RAM104、ROM105、及びHDD108などがある。
【0027】
以上のように、本実施形態に係る画像処理装置200では、上記ハードウェア構成により、印刷を含む画像処理サービスを提供することができる。
【0028】
<ジョブ実行管理機能>
本実施形態に係るジョブ実行管理機能について説明する。
本実施形態に係る管理システム1では、管理装置100が、利用者と利用者に対してジョブの実行を許可した利用者との対応関係を管理している。画像処理装置200は、このような管理装置100に対して、ログイン利用者のジョブリストの取得を要求する。その結果、管理装置100からは、ログイン利用者の蓄積ジョブとログイン利用者に対応付けられた利用者の蓄積ジョブを対象とするジョブリストが応答される。その後、画像処理装置200は、ログイン利用者による実行ジョブの選択・指示を受け付けると、管理装置100に対して、実行ジョブのデータ取得を要求する。その結果、管理装置100からは、蓄積されている該当ジョブデータが応答される。その後、画像処理装置200は、ジョブデータを実行し、管理装置100に対して、ジョブ実行による利用履歴の記録対象にあたる利用者を通知し、利用履歴の更新を要求する。その結果、管理装置100では、該当利用者の利用履歴が更新される。本実施形態に係る管理システム1は、このようなジョブ実行管理機能を有している。
【0029】
従来のジョブ実行管理方法では、画像処理装置200にログインした利用者が、ジョブの実行が許可された他の利用者の蓄積ジョブを実行することができなかった。また、複数のログインアカウントを有する利用者が、画像処理装置200にログインしたアカウント以外のアカウントに紐付く蓄積ジョブを実行することができなかった。
【0030】
そこで、本実施形態に係る管理システム1では、管理装置100が、利用者と利用者に対してジョブの実行を許可した利用者との対応関係を管理し、ログイン利用者の蓄積ジョブとログイン利用者が対応付けられた利用者の蓄積ジョブを対象とするジョブリストを、要求元の画像処理装置200に応答する仕組みとした。
【0031】
これにより、本実施形態に係る管理システム1は、ログイン利用者に対して実行が許可された全ての蓄積ジョブを実行ジョブとして選択・指示可能な環境を提供する。その結果、本実施形態に係る管理システム1では、利便性に優れたジョブ実行管理サービスを実現できる。
【0032】
以下に、本実施形態に係るジョブ実行管理機能の構成とその動作について説明する。
図4は、本実施形態に係るジョブ実行管理機能の構成例を示す図である。
図4に示すように、本実施形態に係るジョブ実行管理機能は、利用者情報管理部11、ジョブ情報管理部12、実行許可情報管理部13、ジョブ編集部14、認証部21、情報提示部22、及び実行制御部23などを有している。
【0033】
利用者情報管理部11、実行許可情報管理部12、ジョブ情報管理部12、及びジョブ編集部14は、管理装置100が有する機能部である。また、認証部21、情報提示部22、及び実行制御部23は、画像処理装置200が有する機能部である。
【0034】
このように、本実施形態に係るジョブ実行管理機能は、各機器が有する上記各機能部が連携動作することで実現される。
【0035】
《画像処理装置》
認証部21は、利用者認証を行う機能部である。認証部21は、認証要求を受け付けると、要求に応じて、管理装置100に利用者認証を要求する。このとき、認証部21は、要求時に受け取った(入力された)ログイン情報を管理装置100に送信し、認証要求する。その結果、認証部21には、管理装置100から認証結果(利用者情報)が応答される。認証部21は、認証結果に基づき、機器利用の許可/不許可を制御する。なお、本実施形態の説明の中で用いる「ログイン利用者」とは、認証部21により機器利用が許可された利用者を意味する。
【0036】
情報提示部22は、利用者に対して各種情報を提示する機能部である。情報提示部22は、情報提示要求を受け付けると、管理装置100に提示情報の取得を要求する。例えば、情報提示部22は、ログイン利用者のジョブリスト表示要求を受け付けたとする。このとき、情報提示部22は、認証部21からログイン利用者の利用者識別情報を取得し、取得した利用者識別情報を管理装置100に送信し、取得要求する。その結果、情報提示部22には、管理装置100からジョブリスト(ジョブ情報群)が応答される。情報提示部22は、ジョブリストに基づき、情報提示画面(ジョブリスト画面)を操作パネル220に表示する。
【0037】
実行制御部23は、ジョブ実行を制御する機能部である。実行制御部23は、実行要求を受け付けると、管理装置100に実行ジョブのジョブデータの取得を要求する。このとき、実行制御部23は、情報提示画面を介して選択・指示された実行ジョブのジョブ識別情報を管理装置100に送信し、取得要求する。その結果、実行制御部23には、管理装置100から蓄積されている該当ジョブデータが応答される。実行制御部23は、取得したジョブデータを実行する。
【0038】
また、実行制御部23は、管理装置100にジョブ実行による利用履歴の更新を要求する。このとき、実行制御部23は、ジョブ実行による利用履歴の記録対象にあたる利用者の利用者識別情報(以下「利用履歴記録対象利用者識別情報」という)とジョブ実行時の機器利用値などを含む更新情報を生成し、生成した更新情報を管理装置100に送信し、更新要求する。その結果、管理装置100では、利用者識別情報に基づき特定された利用者の利用履歴が機器利用値により更新される。
【0039】
なお、利用履歴記録対象利用者識別情報は、選択・指示された実行ジョブのジョブ識別情報に基づき、管理装置100から取得したジョブリストから取得できる。つまり、ジョブリストには、ジョブ識別情報で識別される蓄積ジョブの利用履歴記録対象利用者識別情報が含まれている。
【0040】
実行制御部23が、利用履歴記録対象利用者識別情報を更新情報に含める理由は、次の通りである。
【0041】
従来のジョブ実行管理方法では、次のような問題がある。従来では、利用者と利用履歴とが対応付けられて管理されており、利用者が蓄積ジョブを実行すると、ジョブ実行による機器利用値が、利用者の利用履歴に記録される。つまり、機器利用値が、ジョブを実行した利用者の利用履歴に記録される。
【0042】
しかし、画像処理装置200の機器利用には、次のような場面が考えられる。例えば、利用者Aが利用者Bに依頼され、利用者Aが利用者Bの蓄積ジョブを実行する場面が考えられる。この場合、ジョブ実行による機器利用値が、利用者Aの利用履歴として記録されてしまう。本来であれば、このようなジョブ実行の場合、機器利用値は、ジョブ実行を依頼した利用者Bの利用履歴に記録されることが望ましい。このような問題は、上記場面以外にも、例えば、1人の利用者が複数のログインアカウントを有する場合でも同じことが考えられる。そのため、実行制御部23は、実行ジョブのジョブ識別情報に対応付けられた利用履歴記録対象利用者識別情報を管理装置100に送信し、更新要求する。
【0043】
《管理装置》
利用者情報管理部11は、所定のデータ操作により利用者情報を管理する機能部である。利用者情報は、ジョブ実行管理サービスの提供対象にあたる利用者に関する情報であり、利用者情報保持部90に登録・保持されている。なお、利用者情報保持部90は、管理装置100が備える記憶装置の所定の記憶領域にあたる。
【0044】
ここで、利用者情報について説明する。
図5は、本実施形態に係る利用者情報90Dのデータ例を示す図である。
図5に示すように、利用者情報90Dは、利用者識別、認証、利用権限、利用履歴、利用上限などの各情報項目が対応付けられた1又は複数の情報セットを含み、これらの情報セットを利用者単位で管理している。
【0045】
[利用者識別]項目は、利用者を識別する利用者識別情報を保持する項目であり、項目値には、利用者に対してユニークに割り当てられた識別子(利用者ID)などがある。[認証]項目は、利用者の認証情報を保持する項目であり、項目値には、利用者認証時に用いる認証値(パスワード)などがある。[利用権限]項目は、利用者の利用権限情報を保持する項目であり、項目値には、利用者に対して利用が許可された機能リスト(1又は複数の機能識別子によるデータ)などがある。[利用履歴]項目は、利用者の利用履歴情報を保持する項目であり、項目値には、利用者の機器利用による利用履歴値(実行ジョブごとの機器利用値を累積した値)などがある。[利用上限]項目は、利用者の利用上限情報を項目であり、項目値には、利用者に対して割り当てられた利用上限値(利用上限判定の基準値:閾値)などがある。
【0046】
図4の説明に戻る。利用者情報管理部11は、次のような要求を受け付けると、利用者情報保持部90にアクセスし、参照した利用者情報90Dに対して、要求に応じたデータ操作を行う。
【0047】
例えば、利用者情報管理部11は、情報登録要求を受け付けると、要求時に受け付けた利用者識別情報、認証情報、利用権限情報、利用上限情報を利用者情報90Dの該当情報項目値として登録する。これにより、利用者情報90Dには、新規の情報セット(レコード)が生成される。またこのとき、[利用履歴]項目値は、デフォルト値('0')が登録される。
【0048】
また、利用者情報管理部11は、情報取得要求を受け付けると、要求時に受け付けた利用者識別情報に基づき、利用者情報90Dを参照し、該当情報セットを特定する。利用者情報管理部11は、特定した情報セットの該当情報項目値を取得し、要求元に応答する。
【0049】
例えば、利用者情報管理部11は、画像処理装置200が有する認証部21から認証要求を受け付けると、要求時に受け付けたログイン情報に含まれる利用者識別情報に基づき、利用者情報90Dを参照し、該当情報セットを特定する。利用者情報管理部11は、特定した情報セットの認証情報と要求時に受け付けたログイン情報に含まれる認証情報を比較し、一致していれば、同情報セットの利用者情報90Dを認証結果として、要求元(認証部)に応答する。
【0050】
また、利用者情報管理部11は、情報更新要求を受け付けると、要求時に受け付けた利用者識別情報に基づき、利用者情報90Dを参照し、該当情報セットを特定する。利用者情報管理部11は、特定した情報セットの該当情報項目値を要求時に受け付けた所定の情報により更新する。
【0051】
例えば、利用者情報管理部11は、画像処理装置200が有する実行制御部23から利用履歴更新要求を受け付けると、要求時に受け付けた更新情報に含まれる利用者識別情報に基づき、利用者情報90Dを参照し、該当情報セットを特定する。利用者情報管理部11は、特定した情報セットの利用履歴情報を要求時に受け付けた更新情報に含まれる機器利用値により更新する(利用履歴情報の値に機器利用値を加算した値に更新する)。
【0052】
ジョブ情報管理部12は、所定のデータ操作によりジョブ情報を管理する機能部である。ジョブ情報は、管理装置100に蓄積されているジョブ(蓄積ジョブ)に関する情報であり、ジョブ情報保持部80に登録・保持されている。なお、ジョブ情報保持部80は、管理装置100が備える記憶装置の所定の記憶領域にあたる。
【0053】
ここで、ジョブ情報について説明する。
図6は、本実施形態に係るジョブ情報80Dのデータ例を示す図である。
図6に示すように、ジョブ情報80Dは、ジョブ識別、蓄積利用者識別、書誌、蓄積先などの各情報項目が対応付けられた1又は複数の情報セットを含み、これらの情報セットをジョブ単位で管理している。
【0054】
[ジョブ識別]項目は、蓄積ジョブを識別するジョブ識別情報を保持する項目であり、項目値には、ジョブ蓄積時に発行された識別子(ジョブID)などがある。[蓄積利用者識別]項目は、ジョブを蓄積した利用者を識別する利用者識別情報を保持する項目である。[書誌]項目は、蓄積ジョブの書誌情報を保持する項目であり、項目値には、ジョブ蓄積時にジョブデータ(又はジョブデータの付加情報)から取得した書誌項目値などがある。なお、書誌項目値には、蓄積ジョブのファイル名、ページ数、及び蓄積ジョブの実行条件設定値(部数設定やカラー設定)などがある。[蓄積先]項目は、ジョブデータの蓄積先情報を保持する項目であり、項目値には、蓄積したジョブデータへのデータパスなどがある。
【0055】
図4の説明に戻る。ジョブ情報管理部12は、次のような要求を受け付けると、ジョブ情報保持部80にアクセスし、参照したジョブ情報80Dに対して、要求に応じたデータ操作を行う。
【0056】
例えば、ジョブ情報管理部12は、ジョブ登録要求を受け付けると、要求時に受け付けたジョブデータを所定の記憶領域に格納・蓄積し、ジョブ識別情報を発行し、ジョブデータから書誌情報を取得する。ジョブ情報管理部12は、発行したジョブ識別情報、取得した書誌情報、ジョブデータの蓄積先情報をジョブ情報80Dの該当情報項目値として登録する。これにより、ジョブ情報80Dには、蓄積したジョブデータに対応する新規の情報セット(レコード)が生成される。
【0057】
また、ジョブ情報管理部12は、情報取得要求を受け付けると、要求時に受け付けた利用者識別情報に基づき、ジョブ情報80Dを参照し、該当情報セットを特定する。ジョブ情報管理部12は、特定した情報セットの該当情報項目値を取得し、要求元に応答する。
【0058】
例えば、ジョブ情報管理部12は、画像処理装置200が有する情報提示部22からジョブリスト取得要求を受け付けると、要求時に受け付けたログイン利用者の利用者識別情報と後述する実行許可情報管理部13から取得した実行許可利用者識別情報(ログイン利用者に対してジョブの実行を許可した利用者の利用者識別情報)に基づき、ジョブ情報80Dを参照し、該当情報セットを特定する。ジョブ情報管理部12は、特定した情報セットのジョブ情報80Dと後述する実行許可情報管理部13から取得した利用履歴記録対象利用者識別情報(ジョブ実行による利用履歴の記録対象にあたる利用者の利用者識別情報)に基づき、ジョブリストを生成する。ジョブ情報管理部12は、生成したジョブリストを応答する。つまり、ジョブ情報管理部12は、ログイン利用者の蓄積ジョブとログイン利用者に対して実行を許可した利用者の蓄積ジョブを対象とするジョブリストを、要求元(情報提示部)に応答する。
【0059】
また、ジョブ情報管理部12は、ジョブ取得要求を受け付けると、要求時に受け付けたジョブ識別情報に基づき、ジョブ情報80Dを参照し、該当情報セットを特定する。ジョブ情報管理部12は、特定した情報セットの蓄積先情報に基づき、該当ジョブデータを取得し、要求元に応答する。
【0060】
例えば、ジョブ情報管理部12は、画像処理装置200が有する実行制御部23からジョブ取得要求を受け付けると、要求時に受け付けた実行ジョブのジョブ識別情報に基づき、ジョブ情報80Dを参照し、該当情報セットを特定する。ジョブ情報管理部12は、特定した情報セットの蓄積先情報に基づき、該当ジョブデータを取得し、要求時に受け付けた利用履歴記録対象利用者識別情報に基づき、取得したジョブデータを編集する。ジョブ情報管理部12は、編集したジョブデータを、要求元(実行制御部)に応答する。
【0061】
なお、ジョブデータの編集は、ジョブ編集部14により行われる。よって、ジョブ情報管理部12は、ジョブ編集部14にジョブデータと利用履歴記録対象利用者識別情報を渡し、データ編集を指示する。ジョブ編集部14は、ジョブ情報管理部12からの編集指示を受け付けると、指示された際に受け取ったジョブデータのヘッダ部を参照し、ジョブデータを蓄積した利用者の利用者識別情報を、指示された際に受け取った利用履歴記録対象利用者識別情報により編集する(書き換える)。
【0062】
実行許可情報管理部13は、所定のデータ操作により実行許可情報を管理する機能部である。実行許可情報は、ログイン利用者とログイン利用者に対してジョブの実行を許可した利用者との対応関係を管理する情報であり、実行許可情報保持部70に登録・保持されている。なお、実行許可情報保持部70は、管理装置100が備える記憶装置の所定の記憶領域にあたる。
【0063】
ここで、実行許可情報について説明する。
図7は、本実施形態に係る実行許可情報70Dのデータ例を示す図である。
図7に示すように、実行許可情報70Dは、ログイン利用者識別、実行許可利用者識別、利用履歴記録対象利用者識別などの各情報項目が対応付けられた1又は複数の情報セットを含み、これらの情報セットを利用者単位で管理している。
【0064】
[ログイン利用者識別]項目は、ログイン利用者の利用者識別情報(以下「ログイン利用者識別情報」という)を保持する項目である。[実行許可利用者識別]項目は、ログイン利用者に対してジョブの実行を許可した利用者(実行許可利用者)の利用者識別情報(実行許可利用者識別情報)を保持する項目である。[利用履歴記録対象利用者識別]項目は、ジョブ実行による利用履歴の記録対象にあたる利用者(履歴記録対象利用者)の利用者識別情報(利用履歴記録対象利用者識別情報)を保持する項目である。
【0065】
上記実行許可情報70Dでは、1つのログイン利用者識別情報に対して、複数の実行許可利用者識別情報と利用履歴記録対象利用者識別情報を対応付けて管理することができる。つまり、1人の利用者に対してジョブの実行を許可した複数の他の利用者を対応付けて管理することができる。また、1人の利用者に対して自身の蓄積ジョブの実行を許可した複数のログインアカウントを対応付けて管理することができる。
【0066】
図4の説明に戻る。実行許可情報管理部13は、次のような要求を受け付けると、実行許可情報保持部70にアクセスし、参照した実行許可情報70Dに対して、要求に応じたデータ操作を行う。
【0067】
例えば、実行許可情報管理部13は、情報登録指示を受け付けると、指示を受け付けた際のログイン利用者識別情報、1又は複数の実行許可利用者識別情報、1又は複数の利用履歴記録対象利用者識別情報を実行許可情報70Dの該当情報項目値として登録する。これにより、実行許可情報70Dには、ログイン利用者、実行許可利用者、利用履歴記録対象利用者を対応付けた新規の情報セット(レコード)が生成される。
【0068】
また、実行許可情報管理部13は、情報取得指示を受け付けると、指示を受け付けた際のログイン利用者識別情報に基づき、実行許可情報70Dを参照し、該当情報セットを特定する。実行許可情報管理部13は、特定した情報セットの該当情報項目値を取得し、要求元に応答する。
【0069】
例えば、実行許可情報管理部13は、ジョブ管理部12から情報取得指示を受け付けると、指示を受け付けた際のログイン利用者識別情報に基づき、実行許可情報70Dを参照し、該当情報セットを特定する。実行許可情報管理部13は、特定した情報セットの1又は複数の実行許可利用者識別情報と利用履歴記録対象利用者識別情報を、指示元(ジョブ情報管理部)に応答する。
【0070】
このように、本実施形態に係るジョブ実行管理機能では、管理装置100が、利用者と利用者に対してジョブの実行を許可した利用者との対応関係を管理し、ログイン利用者の蓄積ジョブとログイン利用者が対応付けられた利用者の蓄積ジョブを対象とするジョブリストを、要求元の画像処理装置200に応答する。
【0071】
以上のように、本実施形態に係るジョブ実行管理機能は、上記各機能部が連携動作することにより実現される。なお、上記各機能部は、システム1を構成する各機器に搭載(インストール)されるプログラム(ジョブ実行管理機能を実現するソフトウェア)が、演算装置(CPU)により、記憶装置(「HDD」や「ROM」)からメモリ(RAM)上に読み出され、各機器において、以下の処理が実行されることで実現される。
【0072】
本実施形態に係るジョブ実行管理機能の詳細な動作(機能部群の連携動作)について、処理手順を示すシーケンス図を用いて説明する。なお、以下には、ジョブ実行管理機能の処理手順を、主に2つの処理に分けて説明する。具体的には、画像処理装置200が管理装置100から取得したジョブリストを表示するまでの処理、画像処理装置200が管理装置100から取得したジョブデータを実行するまでの処理の順に説明する。
【0073】
《ジョブリスト表示までの処理》
図8は、本実施形態に係るジョブ実行管理の処理手順例(その1)を示すシーケンス図である。
図8に示すように、画像処理装置200は、ログイン画面を介して、利用者ログインによる認証要求を受け付けると、認証部21が利用者認証を行う。認証部21は、管理装置100(利用者情報管理部)にログイン情報を送信し、認証結果の利用者情報の取得を要求する(ステップS101)。
【0074】
これを受けて管理装置100は、利用者情報保持部90にアクセスし、利用者情報管理部11が、受信したログイン情報と参照した利用者情報90Dに基づき利用者認証を行う(ステップS102)。利用者情報管理部11は、ログイン情報の利用者識別情報に基づき、利用者情報90の該当情報セットを特定し、特定した情報セットの認証情報とログイン情報の認証情報を比較する。その結果、利用者情報管理部11は、比較結果が一致していれば、特定した情報セットの利用者情報90Dを認証結果として、画像処理装置200(認証部)に応答する(ステップS103)。一方、比較結果が不一致であれば、不許可の旨を認証結果として、画像処理装置200(認証部)に応答する。
【0075】
その結果、画像処理装置200は、認証部21が、管理装置100(利用者情報管理部)から認証結果を受信し、所定の記憶領域に認証結果を保持する。このとき、画像処理装置200は、不許可の認証結果を受信した場合に、利用者に対してその旨を通知する(認証結果画面に表示する)。一方、利用者情報の認証結果を受信した場合には、画面上に配置された、ジョブリスト画面への遷移を指示するGUI(Graphical User Interface)を有効にする(例えば「表示ボタンを表示する」)。
【0076】
次に、画像処理装置200は、上記GUIを介して、ジョブリスト表示要求を受け付けると、情報提示部22が、認証部21にログイン利用者識別情報の取得を指示する(ステップS201)。その結果、認証部21は、保持している利用者情報から利用者識別情報を取得し、ログイン利用者識別情報として情報提示部22に渡す(ステップS202)。
【0077】
情報提示部22は、管理装置100(ジョブ情報管理部)にログイン利用者識別情報を送信し、ログイン利用者のジョブリストの取得を要求する(ステップS203)。
【0078】
これを受けて管理装置100は、ジョブ情報管理部12が、実行許可情報管理部13に受信したログイン利用者識別情報を渡し、ログイン利用者に対応付けられている実行許可利用者と利用履歴記録対象利用者の各利用者識別情報の取得を指示する(ステップS204)。その結果、実行許可情報管理部13は、実行許可情報保持部70にアクセスし、受け取ったログイン利用者識別情報に基づき、参照した実行許可情報70Dから、ログイン利用者識別情報に対応付けられた実行許可利用者識別情報と利用履歴記録対象利用者識別情報を取得し、ジョブ情報管理部12に渡す(ステップS205)。このとき、実行許可情報管理部13は、ログイン利用者識別情報に基づき、実行許可情報70Dの該当情報セットを特定し、特定した情報セットの実行許可利用者識別情報と利用履歴記録対象利用者識別情報を取得する。
【0079】
これにより、ジョブ情報管理部12は、ログイン利用者、ログイン利用者に対してジョブの実行を許可した実行許可利用者、及びジョブ実行による利用履歴の記録対象にあたる利用履歴記録対象利用者の各利用者識別情報を取得したことになる。ジョブ情報管理部12は、例えば、ログイン利用者が利用者Aの場合、上記ステップS203の処理で、画像処理装置200(情報提示部)から"UserA"を、ログイン利用者識別情報として取得している。また、例えば、実行許可情報管理部13が、図7に示す実行許可情報70Dを管理している場合には、上記ステップS204,S205の処理で、実行許可情報管理部13から"UserB"を実行許可利用者識別情報、"UserB"を利用履歴記録対象利用者識別情報として取得している。
【0080】
次に、管理装置100は、ジョブ情報保持部80にアクセスし、ジョブ情報管理部12が、上記各利用者識別情報と参照したジョブ情報80Dに基づき、次のような処理を実行することでジョブリストを生成する。
【0081】
図9は、本実施形態に係るジョブリスト生成時のデータ操作例を示す図である。
図9には、ログイン利用者が利用者Aであった場合に、図6に示すジョブ情報80Dに基づき、ジョブリストJLを生成した際のデータ操作例が示されている。以下の処理については、図9に示すデータ操作例を用いて説明する。
【0082】
ジョブ情報管理部12は、ログイン利用者識別情報に基づき、参照したジョブ情報80Dから、ログイン利用者のジョブ情報80Daを取得する(ステップS206)。具体的には、ジョブ情報80Dが図6に示すデータの場合、ログイン利用者識別情報"UserA"に基づき、図9(A)に示すジョブ情報80Daが取得される。
【0083】
次に、ジョブ情報管理部12は、実行許可利用者識別情報に基づき、参照したジョブ情報80Dから、実行許可利用者のジョブ情報80Dbを取得する(ステップS207)。具体的には、ジョブ情報80Dが図6に示すデータの場合、ログイン利用者識別情報"UserB"に基づき、図9(B)に示すジョブ情報80Dbが取得される。
【0084】
次に、ジョブ情報管理部12は、取得したジョブ情報80Dに基づき、ジョブリストLDを生成する(ステップS208)。具体的には、ログイン利用者のジョブ情報80Daと実行許可利用者のジョブ情報80Dbをデータ連結し、情報項目ごとに統合する(図9(A)と図9(B)のデータを統合する)。またこのとき、ジョブ情報管理部12は、ジョブリストLDに含まれるジョブごとに利用履歴記録対象利用者識別情報を付加する。具体的には、ログイン利用者Aのジョブに対しては、ログイン利用者自身が利用履歴記録対象利用者にあたることから、ログイン利用者識別情報"UserA"を利用履歴記録対象利用者識別情報として付加する。また、実行許可利用者Bのジョブに対しては、上記ステップS204,S205の処理で取得した利用履歴記録対象利用者識別情報"UserB"を付加する。これにより、図9(C)に示すようなジョブリストLDが生成される。
【0085】
管理装置100は、ジョブ情報管理部12が生成したジョブリストLD(利用履歴記録対象利用者識別情報が付加されたジョブリスト)を、画像処理装置200(情報提示部)に応答する(ステップS209)。
【0086】
その結果、画像処理装置200は、情報提示部22が、操作パネル220を表示制御し、受信したジョブリストLDを表示する(ステップS210)。
【0087】
これにより、本実施形態に係る管理システム1は、ログイン利用者に対して実行が許可された全ての蓄積ジョブを実行ジョブとして選択・指示可能な環境を提供する。
【0088】
《ジョブ実行までの処理》
図10は、本実施形態に係るジョブ実行管理の処理手順例(その2)を示すシーケンス図である。
図10に示すように、画像処理装置200は、ジョブリスト画面を介して、ログイン利用者が選択・指示したジョブの実行要求を受け付けると、実行制御部23が、管理装置100(ジョブ情報管理部)にジョブ識別情報と利用履歴記録対象利用者識別情報を送信し、実行ジョブのジョブデータの取得を要求する(ステップS301)。なお、送信するジョブ識別情報と利用履歴記録対象利用者識別情報は、表示されたジョブリストLDに含まれる。よって、実行制御部23は、ログイン利用者からの実行ジョブの選択・指示を受け付けることで、ジョブリストLDから該当ジョブ識別情報とジョブ識別情報に対応付けられた利用履歴記録対象利用者識別情報を取得できる。
【0089】
これを受けて管理装置100は、ジョブ情報管理部12が、受信したジョブ識別情報に基づき、所定の記憶領域に蓄積されている実行ジョブのジョブデータを取得する(ステップS302)。このとき、管理装置100は、ジョブ情報保持部80にアクセスし、ジョブ情報管理部12が、受信したジョブ識別情報に基づき、参照したジョブ情報80の該当情報セットを特定し、特定した情報セットの蓄積先情報に従って、ジョブデータを取得する。
【0090】
次に、ジョブ情報管理部12は、ジョブ編集部14に取得したジョブデータと受信した利用履歴記録対象利用者識別情報を渡し、実行ジョブのジョブデータの編集を指示する(ステップS304)。その結果、ジョブ編集部14は、受け取ったジョブデータのヘッダ(ジョブデータを蓄積した利用者の利用者識別情報)を、受け取った利用履歴記録対象利用者識別情報により書き換えて更新し、編集済みジョブデータをジョブ情報管理部12に渡す(ステップS305)。
【0091】
管理装置100は、ジョブ情報管理部12が編集済みジョブデータ(利用者識別情報が利用履歴記録対象利用者識別情報に書き換えられたジョブデータ)を、画像処理装置200(実行制御部)に応答する(ステップS306)。
【0092】
これを受けて画像処理装置200は、実行制御部23が、受信した編集済みジョブデータに基づき、ログイン利用者が選択・指示したジョブを実行する(ステップS307)。このとき、実行制御部23は、ジョブ実行による機器利用値を取得する。
【0093】
実行制御部23は、ジョブの実行が終了すると、取得した機器利用値と利用履歴記録対象利用者識別情報に基づき、利用履歴記録対象利用者の利用者情報90Dを更新する更新情報を生成する(ステップS308)。このとき、実行制御部23は、図11に示すような更新情報UPDを生成する。
【0094】
図11は、本実施形態に係る更新情報UPDのデータ例を示す図である。
図11には、ログイン利用者Aが、図9(C)に示すジョブリストJLに基づく画面から、該当ジョブの全てを実行した場合に生成される更新情報UPDのデータ例が示されている。実行制御部23は、利用履歴記録対象利用者識別情報、機器利用値、実行条件設定値が対応付けられた情報セットを実行ジョブごとに生成し、データ結合することで更新情報UPDを生成する。具体的には、ジョブ識別情報"J0001"が実行ジョブの場合、利用履歴記録対象利用者識別情報"UserA"、機器利用値'5'、実行条件設定値"(カラー,・・・)"を含む情報セットが生成される。また、ジョブ識別情報"J0002"が実行ジョブの場合、利用履歴記録対象利用者識別情報"UserB"、機器利用値'1'、実行条件設定値"(モノクロ,・・・)"を含む情報セットが生成される。また、ジョブ識別情報"J0003"が実行ジョブの場合、利用履歴記録対象利用者識別情報"UserB"、機器利用値'3'、実行条件設定値"(カラー,・・・)"を含む情報セットが生成される。これにより、これらの情報セットをデータ結合することで、図11に示すような更新情報UPDが生成される。
【0095】
画像処理装置200は、実行制御部23が生成した更新情報UPDを、管理装置100(更新情報受信部)に送信し、利用履歴記録対象利用者の利用履歴の更新を要求する(ステップS309)。
【0096】
これを受けて管理装置100は、利用者情報保持部90にアクセスし、利用者情報管理部11が、受信した更新情報UPDと参照した利用者情報90Dに基づき、利用履歴記録対象利用者の利用履歴を更新する(ステップS310)。このとき、利用者情報管理部11は、更新情報UPDの利用履歴記録対象利用者識別情報に基づき、参照した利用者情報90Dの該当情報セットを特定し、特定した情報セットの利用履歴情報を、更新情報UPDの機器利用値に基づき更新する。具体的には、利用履歴情報の値に機器利用値を加算した値で利用履歴情報の値を書き換える。
【0097】
これにより、本実施形態に係る管理システム1は、ジョブ実行による機器利用値が、ジョブの実行を依頼した利用者の利用履歴として記録可能な環境を提供する。
【0098】
<変形例>
ここで、上記ジョブリスト生成の変形処理を提案する。
図12は、本変形例1に係る管理処理手順例を示すシーケンス図である。
図12に示す処理手順と図8に示す処理手順と違いは、管理装置100が、ジョブリスト生成時に、生成するジョブリストJLに含まれるジョブを蓄積した利用者の利用上限の超過結果や利用権限などに従って表示態様を変化させる表示制御値を付加し、画像処理装置200に応答する点である。よって、以下には、図8に示す処理手順と異なる生成処理についてのみ説明する。
【0099】
図12に示すように、ジョブ情報管理部12は、ログイン利用者識別情報に基づき、参照したジョブ情報80Dから、ログイン利用者のジョブ情報80Daを取得する(ステップS406)。
【0100】
次に、ジョブ情報管理部12は、実行許可利用者識別情報に基づき、参照したジョブ情報80Dから、実行許可利用者のジョブ情報80Dbを取得する(ステップS407)。
【0101】
次に、ジョブ情報管理部12は、利用者情報管理部11に取得したジョブ情報80Dの蓄積利用者識別情報を渡し、ジョブリストJLに含まれるジョブを蓄積した利用者の利用者情報90Dの取得を指示する(ステップS408)。その結果、利用者情報管理部11は、該当利用者情報90Dを取得し、ジョブ情報管理部12に取得した利用者情報90Dを渡す(ステップS409)。このとき、利用者情報管理部11は、受け取った蓄積利用者識別情報に基づき、参照した利用者情報90Dの該当情報セットを特定し、特定した情報セットを、ジョブリストJLに含まれるジョブを蓄積した利用者の利用者情報90Dとして取得する。
【0102】
次に、ジョブ情報管理部12は、取得したジョブ情報80Dに基づき、ジョブリストLDを生成する(ステップS410)。このとき、ジョブ情報管理部12は、取得した利用者情報90Dに基づき、蓄積利用者に対応するジョブの表示態様を制御する表示制御値を決定し、決定した表示制御値を該当ジョブごとに付加する。
【0103】
管理装置100は、ジョブ情報管理部12が生成したジョブリストLD(利用履歴記録対象利用者識別情報と表示制御値が付加されたジョブリスト)を、画像処理装置200(情報提示部)に応答する(ステップS411)。
【0104】
その結果、画像処理装置200は、情報提示部22が、受信した表示制御値に従って操作パネル220を表示制御し、受信したジョブリストLDを表示する(ステップS412)。
【0105】
以下に、上記ステップS410における表示制御値の付加処理の詳細について説明する。
【0106】
《表示制御値の付加処理:その1》
図13は、本変形例1に係る表示制御値の付加処理手順例(その1)を示すフローチャートである。図13には、利用者の利用上限に従って表示制御値を決定・付加する処理手順例が示されている。
【0107】
図13に示すように、ジョブ情報管理部12は、ジョブリストJLに含まれるジョブを蓄積した利用者の利用者情報90Dを参照し、利用履歴情報と利用上限情報を特定する(ステップS11)。
【0108】
次に、ジョブ情報管理部12は、利用履歴情報と利用上限情報を比較し、比較結果に基づき、蓄積利用者の利用履歴が利用上限を超えているか否かを判定する(ステップS12)。
【0109】
その結果、ジョブ情報管理部12は、蓄積利用者の利用履歴が利用上限を超えていると判定した場合(ステップS12:YES)、該当利用者に対応するジョブをジョブリスト画面上から選択不可能とする表示制御値を決定し、決定した表示制御値を該当ジョブ情報80Dに対応付けて付加する(ステップS13)。
【0110】
一方、ジョブ情報管理部12は、蓄積利用者の利用履歴が利用上限を超えていないと判定した場合(ステップS12:NO)、該当利用者に対応するジョブをジョブリスト画面上から選択可能とする表示制御値を決定し、決定した表示制御値を該当ジョブ情報80Dに対応付けて付加する(ステップS14)。
【0111】
ジョブ情報管理部12は、上記ステップS11−14までの処理を、利用者情報90Dの取得数だけ繰り返し実行する。
【0112】
これにより、画像処理装置200では、例えば、図14に示すような表示態様でジョブリスト画面Wを表示することができる。
【0113】
図14は、本変形例1に係るジョブリスト画面Wの表示例(その1)を示す図である。
図14には、利用履歴が利用上限を超えている利用者の蓄積ジョブが選択不可能となっているジョブリスト画面Wの表示例が示されている。具体的には、(A)には、利用者Aの利用履歴が利用上限を超えている場合のジョブリスト画面W1の表示例であり、(B)には、利用者Bの利用履歴が利用上限を超えている場合のジョブリスト画面W2の表示例である。なお、選択不可能とする表示制御方法には、例えば、該当ジョブ情報80Dを半輝度表示とする方法や該当ジョブ情報80Dを非表示とする方法などがある。
【0114】
このように、本変形例では、ジョブリストJLに含まれるジョブを蓄積した利用者の利用上限の超過結果に従って表示態様を変化させることができる。
【0115】
《表示制御値の付加処理:その2》
図15は、本変形例1に係る表示制御値の付加処理手順例(その2)を示すフローチャートである。図15には、利用者の利用権限に従って表示制御値を決定・付加する処理手順例が示されている。
【0116】
図15に示すように、ジョブ情報管理部12は、ジョブリストJLに含まれるジョブのジョブ情報80Dとジョブを蓄積した利用者の利用者情報90Dを参照し、書誌情報と利用権限情報を特定する(ステップS21)。
【0117】
次に、ジョブ情報管理部12は、書誌情報の実行条件設定値と利用権限情報に基づき、ジョブの実行条件に対して利用権限が許可されていないか否かを判定する(ステップS22)。
【0118】
その結果、ジョブ情報管理部12は、ジョブの実行条件に対して利用権限が許可されていないと判定した場合(ステップS22:YES)、該当利用者に対応するジョブをジョブリスト画面上から選択不可能とする表示制御値を決定し、決定した表示制御値を該当ジョブ情報80Dに対応付けて付加する(ステップS23)。
【0119】
一方、ジョブ情報管理部12は、ジョブの実行条件に対して利用権限が許可されていると判定した場合(ステップS22:NO)、該当利用者に対応するジョブをジョブリスト画面上から選択可能とする表示制御値を決定し、決定した表示制御値を該当ジョブ情報80Dに対応付けて付加する(ステップS24)。
【0120】
ジョブ情報管理部12は、上記ステップS21−24までの処理を、利用者情報90Dの取得数だけ繰り返し実行する。
【0121】
これにより、画像処理装置200では、例えば、図16に示すような表示態様でジョブリスト画面Wを表示することができる。
【0122】
図16は、本変形例1に係るジョブリスト画面Wの表示例(その2)を示す図である。
図16には、ジョブの実行条件に対して利用権限が許可されていない利用者の蓄積ジョブが選択不可能となっているジョブリスト画面Wの表示例が示されている。具体的には、(A)には、利用者Aがカラー印刷機能の利用権限を許可されていない場合のジョブリスト画面W3の表示例であり、(B)には、利用者Aと利用者Bの両方がカラー印刷機能の利用権限を許可されていない場合のジョブリスト画面W4の表示例である。
【0123】
このように、本変形例では、ジョブリストJLに含まれるジョブを蓄積した利用者の利用権限に従って表示態様を変化させることができる。
【0124】
なお、上記変形例に示す処理の他に、次のような情報をジョブリストJLに付加するようにしてもよい。
【0125】
例えば、利用上限の超過結果に従った処理の場合には、利用履歴が利用上限を超えている利用者に対応するジョブの利用履歴記録対象利用者識別情報として、利用者に対してジョブの実行を許可した実行許可利用者のうち、利用履歴が利用上限を超えていない実行許可利用者の利用者識別情報をジョブリストJLに付加してもよい。具体的には、図14(A)に示すジョブリスト画面の表示例の場合、利用者Aに対応するジョブの利用履歴記録対象利用者識別情報"UserA"の代わりに、利用者Bの利用者識別情報"UserB"がジョブリストJLに付加される。
【0126】
また、利用権限に従った処理の場合には、利用権限が許可されていない利用者に対応するジョブの利用履歴記録対象利用者識別情報として、利用者に対してジョブの実行を許可した実行許可利用者のうち、利用権限が許可されている実行許可利用者の利用者識別情報をジョブリストJLに付加してもよい。具体的には、図16(A)に示すジョブリスト画面の表示例の場合、利用者Aに対応するジョブの利用履歴記録対象利用者識別情報"UserA"の代わりに、利用者Bの利用者識別情報"UserB"がジョブリストJLに付加される。
【0127】
<まとめ>
以上のように、本実施形態に係る管理システム1によれば、管理装置100が、実行許可情報管理部13により、利用者と利用者に対してジョブの実行を許可した利用者との対応関係を管理している。画像処理装置200は、このような管理装置100に対して、情報提示部22により、ログイン利用者のジョブリストの取得を要求する。その結果、管理装置100からは、ジョブ情報管理部12と実行許可情報管理部13の連携動作により、ログイン利用者の蓄積ジョブとログイン利用者に対応付けられた利用者の蓄積ジョブを対象とするジョブリストJLが応答される。
【0128】
その後、画像処理装置200は、情報提示部22により、ログイン利用者による実行ジョブの選択・指示を受け付けると、実行制御部23により、管理装置100に対して、実行ジョブのデータ取得を要求する。その結果、管理装置100からは、ジョブ情報管理部12により、蓄積されている該当ジョブデータが応答される。その後、画像処理装置200は、実行制御部23により、ジョブデータを実行し、管理装置100に対して、ジョブ実行による利用履歴の記録対象にあたる利用者を通知し、利用履歴の更新を要求する。その結果、管理装置100では、利用者情報管理部11により、該当利用者の利用履歴が更新される。
【0129】
これによって、本実施形態に係る管理システム1は、ログイン利用者に対して実行が許可された全ての蓄積ジョブを実行ジョブとして選択・指示可能な環境を提供でき、利便性に優れたジョブ実行管理サービスを実現できる。
【0130】
ここまで、上記実施形態の説明を行ってきたが、上記実施形態に係る「ジョブ実行管理機能」は、図を用いて説明を行った各処理手順を、動作環境(プラットフォーム)にあったプログラミング言語でコード化したプログラムが、システム1を構成する各機器(「管理装置」、「画像処理装置」など)が備える演算装置(CPU)により実行されることで実現される。
【0131】
上記プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体103a,214aに格納することができる。これにより、例えば、管理装置100の場合、外部I/F103を介して、管理装置100にインストールすることができる。また、管理装置100は、通信I/F107を備えていることから、電気通信回線を用いて上記プログラムをダウンロードし、インストールすることもできる。画像処理装置200の場合も同様である。
【0132】
[その他の変形例]
また、上記実施形態では、画像処理装置200と管理装置100を有する管理システム1の機能構成について説明を行ったが、この限りでない。例えば、図17、18に示すような機能構成であってもよい。
【0133】
図17は、本変形例2に係るジョブ実行管理機能の構成例を示す図である。図17には、画像処理装置200が、上記実施形態に係る機能部の全てを有する機能構成例が示されている。このような構成により、画像処理装置単体で、上記実施形態に係るジョブ実行管理機能を実現することができる。
【0134】
また、図18は、本変形例3に係るジョブ実行管理機能の構成例を示す図である。図18には、画像処理装置200の他に、蓄積ジョブを管理するジョブ管理装置300と利用者を管理する利用者管理装置400を有する管理システム1の機能構成例が示されている。この場合、ジョブ管理装置300が、ジョブ情報管理部12、実行許可情報管理部13、及びジョブ編集部14を有し、利用者管理装置400が、利用者情報管理部11を有する。上記実施形態で説明を行った各機能部の連携動作は、両機器間のデータ通信により実現する。このような構成により、例えば、既存の利用者管理装置400と連携し、上記実施形態に係るジョブ実行管理機能を実現することができる。
【0135】
また、上記実施形態では、1の管理装置100と1又は複数の画像処理装置200を備える管理システム1の機能構成例を示したが、複数の管理装置100〜100を備える管理システム1の構成も考えられる。この場合、次のような方法により、上記実施形態に係るジョブ実行管理機能を実現することもできる。
【0136】
例えば、画像処理装置200が、情報提示部22により、各管理装置100にジョブリスト取得要求し、取得した複数のジョブリストJLを統合し、表示してもよい。
【0137】
また、画像処理装置200が、情報提示部22により、各管理装置100から必要情報を取得し、ジョブリストJLを生成・表示するようにしてもよい。具体的には、情報提示部22は、各管理装置100が有する実行許可情報管理部13からログイン利用者に基づき実行許可利用者識別情報及び利用履歴記録対象利用者識別情報を取得する。情報提示部22は、ログイン利用者と実行許可利用者に基づき、各管理装置100が有するジョブ情報管理部12からログイン・実行許可利用者に基づくジョブ情報80Dを取得する。情報提示部22は、取得したジョブ情報80Dに基づき、利用履歴記録対象利用者識別情報が付加されたジョブリストJLを生成し、表示する。
【0138】
最後に、上記実施形態に挙げた形状や構成に、その他の要素との組み合わせなど、ここで示した要件に、本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【符号の説明】
【0139】
1 管理システム
11 利用者情報管理部
12 ジョブ情報管理部
13 実行許可情報管理部
14 ジョブ編集部
21 認証部
22 情報提示部
23 実行制御部
70 実行許可情報保持部(D:実行許可情報)
80 ジョブ情報保持部(D:ジョブ情報)
90 利用者情報保持部(D:利用者情報)
100 管理装置(情報処理装置)
200 画像処理装置(電子機器)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0140】
【特許文献1】特開2000−035869号公報
【特許文献2】特開2011−059631号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の記憶領域に、ジョブを蓄積した利用者と該利用者の蓄積ジョブとを対応付けて管理し、前記利用者と該利用者に対してジョブの実行を許可した実行許可利用者とを対応付けて管理するコンピュータに、所定のデータ伝送路で接続される電子機器であって、
前記コンピュータから、ログイン利用者の蓄積ジョブに関するジョブ情報と該ログイン利用者に対応付けられた実行許可利用者の蓄積ジョブに関するジョブ情報とを取得し、取得したジョブ情報を前記ログイン利用者に提示する情報提示手段と、
前記ログイン利用者から、提示したジョブ情報に基づく実行ジョブの選択・指示を受け付けると、前記コンピュータから、前記実行ジョブに該当する蓄積ジョブのジョブデータを取得し、取得したジョブデータを実行する実行制御手段と、を有することを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記情報提示手段は、
前記ログイン利用者の利用者識別情報を前記コンピュータに送信し、前記ジョブ情報の取得を要求し、前記利用者識別情報に基づき特定された前記ログイン利用者の蓄積ジョブのジョブ識別情報を含むジョブ情報と、前記利用者識別情報に対応付けられた実行許可利用者識別情報に基づき特定された前記実行許可利用者の蓄積ジョブのジョブ識別情報を含むジョブ情報とを取得し、取得したジョブ情報を提示し、
前記実行制御手段は、
選択・指示された実行ジョブのジョブ情報に含まれるジョブ識別情報を前記コンピュータに送信し、該ジョブ識別情報に基づき特定された蓄積ジョブのジョブデータを取得し、取得したジョブデータを実行することを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記コンピュータは、所定の記憶領域に、前記利用者と該利用者の機器利用に関する利用履歴とを対応付けて管理し、
前記実行制御手段は、
ジョブ実行による機器利用値を前記コンピュータに送信し、該ジョブ実行による利用履歴の記録対象にあたる利用履歴記録対象利用者の利用履歴の更新を要求することを特徴とする請求項1又は2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記情報提示手段は、
前記コンピュータから、前記ログイン利用者の蓄積ジョブ実行による前記利用履歴記録対象利用者の利用履歴記録対象利用者識別情報が付加された前記ジョブ情報と、前記実行許可利用者の蓄積ジョブ実行による前記利用履歴記録対象利用者の利用履歴記録対象利用者識別情報が付加された前記ジョブ情報とを取得し、取得したジョブ情報を提示し、
前記実行制御手段は、
選択・指示された実行ジョブのジョブ情報に付加された利用履歴記録対象利用者識別情報とジョブ実行による機器利用値とを前記コンピュータに送信し、前記利用履歴記録対象利用者の利用履歴の更新を要求することを特徴とする請求項3に記載の電子機器。
【請求項5】
前記情報提示手段は、
前記利用者の利用上限の超過結果及び/又は前記利用者の利用権限に従って、前記ジョブ情報の提示態様を制御することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項6】
前記情報提示手段は、
前記コンピュータから、前記ログイン利用者の利用上限の超過結果に基づく提示態様を制御する制御値が付加された前記ジョブ情報と、前記実行許可利用者の利用上限の超過結果に基づく提示態様を制御する制御値が付加された前記ジョブ情報とを取得し、取得した制御値に基づき、利用上限を超過している利用者のジョブ情報と利用上限を超過しいていない利用者のジョブ情報とを、異なる表示態様で提示することを特徴とする請求項5に記載の電子機器。
【請求項7】
前記情報提示手段は、
利用上限を超過した利用者のジョブ情報を、該ジョブ情報に基づく実行ジョブの選択・指示を許可しない表示態様で提示することを特徴とする請求項6に記載の電子機器。
【請求項8】
前記情報提示手段は、
前記コンピュータから、前記ログイン利用者の利用権限に基づく提示態様を制御する制御値が付加された前記ジョブ情報と、前記実行許可利用者の利用権限に基づく提示態様を制御する制御値が付加された前記ジョブ情報とを取得し、取得した制御値に基づき、利用権限が許可されていない利用者のジョブ情報と利用権限が許可されている利用者のジョブ情報とを、異なる表示態様で提示することを特徴とする請求項7に記載の電子機器。
【請求項9】
前記情報提示手段は、
利用権限が許可されていない利用者のジョブ情報を、該ジョブ情報に基づく実行ジョブの選択・指示を許可しない表示態様で提示することを特徴とする請求項8に記載の電子機器。
【請求項10】
電子機器とコンピュータとが所定のデータ伝送路で接続される管理システムであって、
前記コンピュータを
所定の記憶領域に、ジョブを蓄積した利用者と該利用者の蓄積ジョブとを対応付けて管理するジョブ管理手段と、
所定の記憶領域に、前記利用者と該利用者に対してジョブの実行を許可した実行許可利用者とを対応付けて管理する実行許可管理手段として機能させるプログラムと、
前記コンピュータから、ログイン利用者の蓄積ジョブに関するジョブ情報と該ログイン利用者に対応付けられた実行許可利用者の蓄積ジョブに関するジョブ情報とを取得し、取得したジョブ情報を前記ログイン利用者に提示する情報提示手段と、
前記ログイン利用者から、提示したジョブ情報に基づく実行ジョブの選択・指示を受け付けると、前記コンピュータから、前記実行ジョブに該当する蓄積ジョブのジョブデータを取得し、取得したジョブデータを実行する実行制御手段と、を有する前記電子機器と、を備えることを特徴とする管理システム。
【請求項11】
所定の記憶領域に、ジョブを蓄積した利用者と該利用者の蓄積ジョブとを対応付けて管理し、前記利用者と該利用者に対してジョブの実行を許可した実行許可利用者とを対応付けて管理するコンピュータに、所定のデータ伝送路で接続される電子機器で実行させる管理プログラムであって、
前記電子機器を
前記コンピュータから、ログイン利用者の蓄積ジョブに関するジョブ情報と該ログイン利用者に対応付けられた実行許可利用者の蓄積ジョブに関するジョブ情報とを取得し、取得したジョブ情報を前記ログイン利用者に提示する情報提示手段と、
前記ログイン利用者から、提示したジョブ情報に基づく実行ジョブの選択・指示を受け付けると、前記コンピュータから、前記実行ジョブに該当する蓄積ジョブのジョブデータを取得し、取得したジョブデータを実行する実行制御手段として機能させる管理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2013−89125(P2013−89125A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−230960(P2011−230960)
【出願日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】