説明

電子機器、通信システム

【課題】テレビなどの外部機器に、自機が記録している画像データを通信するのに便利な電子機器を提供することを目的とする。
【解決手段】デジタルカメラ100は、テレビ200と接続可能であり、メモリカード111に記録された画像データを無線LAN通信部115から出力可能である。デジタルカメラ100は、使用者による操作を受け付ける操作部材113と、コントローラ180とを有する。コントローラ180は、操作部材113により選択された画像データをテレビ200に送信するよう無線LAN通信部115を制御するPUSHモードと、PULLモードのときは、テレビ200から要求された画像データをテレビ200に送信するよう無線LAN通信部115を制御するPULLモードとを有する。また、コントローラ180は、PULLモードのときは、操作部材113によるPULLモードからPUSHモードへの切換のための操作があっても、PULLモードからPUSHモードへの切換を禁止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野は、画像データを記録し、外部機器に接続可能な電子機器、及び電子機器と外部機器とを接続する通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、デジタルカメラとテレビジョン受像機とを接続ケーブル等を介して接続し、デジタルカメラで撮像した画像をテレビジョン受像機(以下、「テレビ」という)に表示可能に構成する場合がある。
【0003】
特許文献1には、デジタルカメラとテレビとを無線通信により接続して、デジタルカメラで撮像した画像をテレビに表示可能に構成したシステムが開示されている。具体的には、このシステムでは、テレビは、テレビ放送を受信する放送受信モードと、デジタルカメラ等から受信した画像を表示可能な静止画モードとを有し、デジタルカメラからの無線でのモード切換信号を受信可能に構成されている。また、デジタルカメラは、モード切換信号を送信して、テレビを放送受信モードから静止画モードに切り換えて、テレビにデジタルカメラからの画像を表示させることが可能に構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−158403号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に記載のものでは、以下のような問題が生じる可能性がある。例えば、家庭において、父親がテレビを観賞する一方、子供がデジタルカメラで撮影画像を鑑賞しているときに、子供がデジタルカメラでテレビを静止画モードに切り換える操作を誤って行ってしまうと、父親が鑑賞しているテレビの画面が突然切り替わる虞がある。このように、デジタルカメラ等の電子機器からテレビ等の外部機器に自由に画像データを送信できると、外部機器において不都合が生じる場合がある。
【0006】
このような問題に鑑み、電子機器から外部機器に画像データを送信する際の外部機器における不都合を防止可能な電子機器及び通信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様において、外部機器と接続可能であり、内蔵または外付けの記録媒体に記録された画像データを内蔵または外付けの送信部から外部機器に出力可能な電子機器が提供される。電子機器は、使用者による操作を受け付ける操作部と、制御部を備える。制御部は、操作部により選択された画像データを送信部が外部機器に送信するよう制御する第一の通信モードと、外部機器から要求された画像データを送信部が外部機器に送信するよう制御する第二の通信モードとを有し、第二の通信モードのときは、操作部による第二の通信モードから第一の通信モードへの切換のための操作があっても、第二のモードから第一のモードへの切換を禁止する。
【0008】
第2の態様において、互いに接続可能な電子機器および外部機器から構成される通信システムが提供される。この通信システムにおいて、電子機器は、内蔵または外付けの記録媒体に記録された画像データを内蔵または外付けの送信部から外部機器に出力可能である。電子機器は、使用者による操作を受け付ける操作部と、制御部とを備える。制御部は、操作部により選択された画像データを送信部が外部機器に送信するよう制御する第一の通信モードと、外部機器から要求された画像データを送信部が外部機器に送信するよう制御する第二の通信モードとを有し、第二の通信モードのときは、操作部による第二の通信モードから第一の通信モードへの切換のための操作があっても、第二のモードから第一のモードへの切換を禁止する。外部機器は、電子機器から画像データを受信する受信部と、使用者による操作を受け付ける操作部と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
上記各態様によれば、外部機器が、電子機器の操作部に対する操作により、第二の通信モードから第一の通信モードへ突然切り換えられるのが防止される。すなわち、外部機器に不都合が生じるのが防止される。たとえば、外部機器の画面が切り換わるのが防止される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】デジタルカメラ100とテレビ200とリモコン300の接続状況を説明するための図
【図2】デジタルカメラ100の構成を示すブロック図
【図3】テレビ200の構成を示すブロック図
【図4】リモコン300の構成を示すブロック図
【図5】テレビ200のネットワーク接続動作のフローチャート
【図6A】テレビ200が作成するテーブルを説明するための模式図
【図6B】デジタルカメラ100が作成するテーブルを説明するための模式図
【図7】デジタルカメラ100のネットワーク接続動作のフローチャート
【図8A】デジタルカメラ100とテレビ200との動作を説明する為のシーケンス図(PUSHモードにおいてリモコンの操作を行ったとき)
【図8B】デジタルカメラ100とテレビ200との動作を説明する為のシーケンス図(PULLモードにおいてリモコンの操作を行ったとき)
【図9A】デジタルカメラ100とテレビ200との動作を説明する為のシーケンス図(PUSHモードにおいてデジタルカメラの操作を行ったとき)
【図9B】デジタルカメラ100とテレビ200との動作を説明する為のシーケンス図(PULLモードにおいてデジタルカメラの操作を行ったとき)
【図9C】デジタルカメラ100とテレビ200との動作を説明する為のシーケンス図(PULLモードにおいてデジタルカメラの操作を行ったときにおける他の例)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施の形態について説明する。
1.実施の形態1
図1は、電子機器としてのデジタルカメラ100と、外部機器としてのテレビジョン受像機200(以下、テレビ200と称する。)とにより構成される通信システムを示す図である。
【0012】
1−1.概要
本実施の形態にかかるデジタルカメラ100は、自機を、通信システムを構成するネットワーク400に接続することができる。デジタルカメラ100は、ネットワーク400を介して、他のデジタルカメラや、テレビ200と通信をすることができる。テレビ200は、デジタルカメラ100からネットワーク400を介して取得した画像を表示する。リモコン300は、テレビ200を遠隔操作可能な操作装置である。本実施の形態において、デジタルカメラ100とテレビ200は無線通信によりネットワーク400に接続する。またテレビ200は赤外線通信によりリモコン300からの操作を受け付ける。なお、デジタルカメラ100とテレビ200との通信方法は一例であって、デジタルカメラ100とテレビ200とが画像データを通信できる方法であれば、無線通信でなく、他の方法であってもよい。また、テレビ200がリモコン300からの操作を受け付け可能な方法であれば、赤外線通信でなく、他の方法であってもよい。
【0013】
デジタルカメラ100は、テレビ200に対して所定の操作を遠隔で行うことができる。また、デジタルカメラ100は、ネットワーク400に接続されたテレビ200に、デジタルカメラ100に格納されている画像データのうち必要な画像データのみを選択して送信及び表示することができる。
【0014】
1−2.構成
次に、デジタルカメラ100、テレビ200及び、リモコン300の構成について説明する。
【0015】
1−2−1.デジタルカメラの構成
デジタルカメラ100の電気的構成について図2を用いて説明する。図2は、デジタルカメラ100の電気的構成を示すブロック図である。デジタルカメラ100は、光学系110、絞り116、レンズ駆動部120、シャッター130、CCDイメージセンサー140、A/Dコンバーター(以下、「ADC」という)150、画像処理部160、バッファ170、コントローラ180、カードスロット190、表示モニタ112、操作部材113、内部メモリ114、及び無線LAN通信部115を有する。カードスロット190には、外部記憶媒体としてのメモリカード111が接続可能である。
【0016】
デジタルカメラ100は、光学系110により形成された被写体像をCCDイメージセンサー140で撮像して画像データを生成する。CCDイメージセンサー140で生成された画像データは、画像処理部160で各種処理が施され、メモリカード111に格納される。以下、デジタルカメラ100の構成を詳細に説明する。
【0017】
コントローラ180は、デジタルカメラ100の全体を制御する。コントローラ180は、半導体素子などで実現可能である。コントローラ180は、ハードウェアのみで構成してもよいし、ハードウェアとソフトウェアとを組み合わせることにより実現してもよい。コントローラ180は、マイコンなどで実現できる。
【0018】
光学系110は、ズームレンズやフォーカスレンズ等の複数のレンズから構成される。
【0019】
レンズ駆動部120は、コントローラ180からの制御信号に従って光学系110に含まれる各種レンズを駆動する。レンズ駆動部120は、例えばズームレンズを駆動するズームモータや、フォーカスレンズを駆動するフォーカスモータがこれにあたり、ステッピングモータやDCモータなどにより実現できる。レンズ駆動部120は、ズームレンズを光軸に沿って移動させることにより、CCDイメージセンサー140上に形成される被写体像を拡大、縮小する。また、レンズ駆動部120は、フォーカスレンズを光軸に沿って移動させることにより、CCDイメージセンサー140上に形成される被写体像のピントを調整する。
【0020】
絞り116は、使用者の設定に応じて若しくは所定のプログラム線図に基づいてコントローラ180からの制御信号に従い、開口部の大きさを調整し、CCDメージセンサー140側に透過する光の量を調整する。
【0021】
シャッター130は、コントローラ180からの制御信号に従って、CCDイメージセンサー140に入射する光を遮光する。
【0022】
CCDイメージセンサー140は、光学系110で形成された被写体像を撮像して、画像データを生成する。CCDイメージセンサー140はコントローラ180からの制御信号に従って、露光、転送、電子シャッターなどの各種動作を行う。
【0023】
ADC150は、CCDイメージセンサー140で生成された画像データを、アナログ形式からデジタル形式に変換する。
【0024】
画像処理部160は、CCDイメージセンサー140で生成された画像データに対して各種処理を施す。画像処理部160は、表示モニタ112に表示するための画像データを生成したり、メモリカード111に格納するための画像データを生成したりする。例えば、画像処理部160は、CCDイメージセンサー140で生成された画像データに対してガンマ補正、ホワイトバランス補正、傷補正などの各種処理を行う。また、画像処理部160は、CCDイメージセンサー140で生成された画像データを、JPEG規格に準拠した圧縮形式等により圧縮する。また、画像処理部160は、画像データに対して電子的に拡大処理又は縮小処理を行う。その際、画像処理部160は、画像データに対して、画像データの一部の切り出し処理、間引き処理、補間処理などの処理を適宜実行する。このようにして、画像処理部160は、画像データの画素数を変換できる。画像処理部160は、DSPやマイコンなどで実現できる。
【0025】
バッファ170は、画像処理部160及びコントローラ180のワークメモリとして機能する。バッファ170は、例えば、DRAM、強誘電体メモリなどで実現できる。
【0026】
カードスロット190は、メモリカード111を着脱可能である。カードスロット190は、機械的及び電気的にメモリカード111と接続可能である。メモリカード111は、フラッシュメモリや強誘電体メモリなどを内部に含み、画像処理部160で生成された画像データを格納可能である。
【0027】
内部メモリ114は、フラッシュメモリや強誘電体メモリなどで構成される。内部メモリ114は、デジタルカメラ100全体を制御するための制御プログラム等を記憶している。また、内部メモリ114は、デジタルカメラ100とネットワーク400を介して接続されるテレビ200を制御するための制御プログラムを記憶する。例えば、内部メモリ114は、画像共有モードにおいてテレビ200を制御するためのプログラムを記憶する。なお、画像共有モードについては後述する。デジタルカメラ100は、テレビ200との接続が完了した際に、内部メモリ114に記憶しているテレビ200を制御するための上記プログラムをテレビ200に通知する。これにより、テレビ200は、取得したプログラムに基づいて、自機を制御することができる。
【0028】
表示モニタ112は、CCDイメージセンサー140で生成した画像データが示す画像(スルー画像)や、メモリカード111から読み出された画像データが示す画像を表示可能である。また、表示モニタ112は、デジタルカメラ100の各種設定を行うための各種メニュー画面等も表示可能である。表示モニタ112は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどにより実現可能である。
【0029】
操作部材113は、使用者からの操作を受け付ける。操作部材113は、例えば、使用者からの操作を受け付けるレリーズ釦や十字キー、タッチパネル等により構成される。ここで、レリーズ釦は、使用者による押下動作を受け付ける。デジタルカメラ100が撮影モードに設定されている際に、レリーズ釦が使用者により半押しされると、オートフォーカス動作が行われ、全押しされると、撮影動作が行われる。また、使用者は、十字キーを操作することにより、操作されたキー方向に応じて表示モニタ112に表示されたメニューの中から項目を選択することができる。他の実施形態としては、使用者は、タッチパネルに触れることにより、表示モニタ112に表示されたメニューの中から項目を選択することができる。
【0030】
無線LAN通信部115は、無線通信を実現するための通信手段であり、無線LAN通信により、ネットワーク400に接続することができる。無線LAN通信部115は、モジュール化されている場合が多いが、コントローラ180の一部として構成してもよい。なお、無線LAN通信部115は、デジタルカメラ100に内蔵されるものであっても、デジタルカメラ100に取付けおよび取り外し可能な外付け無線LANI/Fであってもよい。デジタルカメラ100は、無線通信により接続したネットワーク400を介して、テレビ200と各種通信を行う。例えば、デジタルカメラ100は、ネットワーク400を介して、メモリカード111に記憶している画像データをテレビ200に通知できる。また、デジタルカメラ100は、ネットワーク400を介して、内部メモリ114に記憶しているテレビ200を制御するためのプログラムをテレビ200に通知できる。
【0031】
1−2−2.テレビジョン受像機の構成
テレビ200の電気的構成について図3を用いて説明する。図3は、テレビ200の構成を示すブロック図である。テレビ200は、テレビチューナ210、A/Dコンバーター(以下「ADC」という)211、画像処理部220、バッファ230、コントローラ240、操作部材250、表示モニタ260、無線LAN通信部270、内部メモリ280、及び赤外線受信部290を有する。
【0032】
テレビ200は、テレビチューナ210により映像信号を受信する。テレビ200は、受信した映像信号に対して、画像処理部220により各種画像処理を行い、画像処理後の映像信号が示す映像を表示モニタ260に表示できる。また、テレビ200は、無線LAN通信部270を介して画像データを他の機器から取得し、取得した画像データが示す画像を表示モニタ260に表示できる。またテレビ200は赤外線受光部290を有し、リモコン300から発信される赤外線による制御信号を赤外線受光部290により受信し、この制御信号に対応する所定の動作を行う。以下、テレビ200の構成を詳細に説明する。
【0033】
不図示のアンテナは、外部の放送局から発信される電磁波を受信する。テレビチューナ210は、不図示のアンテナを介して受信した電磁波から、目的のチャンネルの映像信号を抽出する。
【0034】
ADC211は、テレビチューナ210により受信されたチャンネルの映像信号を、アナログ形式からデジタル形式に変換する。デジタル信号に変換後の映像信号は、画像処理部220に出力される。
【0035】
画像処理部220は、ADC211から取得した映像信号に対して各種画像処理を施す。例えば、画像処理部220は、テレビチューナ210から取得した映像信号に対して、ガンマ補正や傷補正などの各種画像処理を行う。画像処理部220は、各種画像処理を施した映像信号を表示モニタ260に出力する。画像処理部220は、DSPやマイコンなどで実現できる。
【0036】
バッファ230は、画像処理部220及びコントローラ240のワークメモリとして機能する。バッファ230は、例えば、DRAM、強誘電体メモリなどで実現できる。
【0037】
操作部材250は、使用者からの操作を受け付ける。操作部材250は、例えば、使用者からの操作を受け付ける電源スイッチやチャンネル変更スイッチ等により構成される。
【0038】
無線LAN通信部270は、無線通信を実現するための通信手段であり、無線通信により、ネットワーク400に接続することができる。無線LAN通信部270は、モジュール化されている場合が多いが、コントローラ240の一部として構成してもよい。テレビ200は、無線通信により接続したネットワーク400を介して、デジタルカメラ100等の機器と各種通信を行う。例えば、テレビ200は、ネットワーク400を介してデジタルカメラ100等の機器から画像データを取得できる。また、例えば、テレビ200は、ネットワーク400を介して、デジタルカメラ100の内部メモリ114に格納されているテレビ200を制御するための制御プログラムを取得することができる。テレビ200は、デジタルカメラ100等の機器から取得した画像データや制御プログラムを内部メモリ280に記憶できる。
【0039】
コントローラ240は、テレビ200の全体を制御する。コントローラ240は、半導体素子などで実現可能である。コントローラ240は、ハードウェアのみで構成してもよいし、ハードウェアとソフトウェアとを組み合わせることにより実現してもよい。コントローラ240は、マイコンなどで実現できる。コントローラ240は、内部メモリ280に記憶されている制御プログラム若しくはネットワーク400を介してデジタルカメラ100から取得した制御プログラムに基づいて、テレビ200全体を制御する。
【0040】
内部メモリ280は、フラッシュメモリや強誘電体メモリなどで構成される。内部メモリ280は、テレビ200全体を制御するための制御プログラム等を記憶している。
【0041】
表示モニタ260は、画像処理部220で各種画像処理を施された映像信号が示す映像や、内部メモリ280に記憶されている画像データが示す画像を表示できる。表示モニタ260は、プラズマディスプレイや液晶ディスプレイなどにより実現可能である。
【0042】
1−2−3.リモコンの構成
図4はリモコン300の構成を示すブロック図である。リモコン300の操作部材310が操作されると、コントローラ320はこの操作に対応する電気信号を赤外線送信部330に送信する。赤外線送信部330は電気信号を赤外線信号に変換して出力する。出力された赤外線信号はテレビ200の赤外線受光部290に入力される。これにより、リモコン300の操作部材310が操作されると、テレビ200に対して所定の制御が施されることとなる。
【0043】
1−2−4.対応関係
デジタルカメラ100は、電子機器の一例である。テレビ200は、外部機器の一例である。メモリカード111は、記録部の一例である。デジタルカメラ100の操作部材113は、電子機器の操作部の一例である。デジタルカメラ100の無線LAN通信部115は、送信部の一例である。テレビ200の無線LAN通信部270は、受信部の一例である。テレビ200の操作部材250またはリモコン300は、外部機器の操作部の一例である。PUSHモードは、第一の通信モードの一例である。PULLモードは、第二の通信モードの一例である。表示モニタ112は、表示部の一例である。コントローラ180は、制御部の一例である。
【0044】
1−3.動作
ネットワークを介して接続されたデジタルカメラ100及びテレビ200の動作について説明する。
【0045】
1−3−1.ネットワークへの接続動作
デジタルカメラ100と、テレビ200とを画像共有モードに設定するためには、各機器を同一のネットワーク400に接続する必要がある。画像共有モードは、デジタルカメラ100に記録されている画像をテレビ200に表示させるモードである。ネットワークへの接続動作について、図5〜図7を用いて説明する。
【0046】
1−3−1−1.テレビジョン受像機のネットワークへの接続動作
まず、テレビ200のネットワーク400への接続動作について図5を用いて説明する。図5は、テレビ200のネットワーク400への接続動作を説明するためのフローチャートである。
【0047】
テレビ200の操作部材250に対して、使用者によりテレビ200をネットワーク400に接続するための操作が行われると、テレビ200はネットワーク接続モードに設定される(S500)。テレビ200がネットワーク接続モードに設定されると、コントローラ240は、無線LAN通信部270を介してネットワーク400上のアクセスポイントにアクセスし、無線LAN接続を確立させる(S501)。無線LAN接続を確立させると、コントローラ240は、無線LAN通信部270を介してアクセスポイントからIPアドレスを取得する(S502)。
【0048】
IPアドレスを取得すると、コントローラ240は、図6Aに示すような管理テーブルAを作成する(S503)。例えば、ここでは、コントローラ240は、IPアドレスとして「192.168.8.2」というアドレスを取得したとする。この段階においては、コントローラ240は、図6Aに示す1行目(「機器:テレビ」「アドレス:192.168.8.2」)のデータのみを含む管理テーブルAを生成する。なお、上記実施の形態において、無線LAN接続の確立(S501)から管理テーブルAの作成(S503)までのステップは、使用者の操作により行われたが、使用者の操作と関係なく行われてもよい。たとえば、テレビ200の電源がONになったときに行われてもよい。
【0049】
管理テーブルAを作成すると、コントローラ240は、無線LAN通信部270を介して、同一のネットワークに接続されている他の機器を探す(デバイスサーチ)(S504)。
【0050】
同一のネットワーク400上に他の機器が接続されていないと判断すると(S505)、コントローラ240は、一定期間が経過するまで待機する(S510)。一定期間が経過すると、コントローラ240は、デバイスサーチを再開する(S504)。
【0051】
一方、同一のネットワーク400上に他の機器が接続されている場合、当該他機器は、自らがネットワークに接続していることを同一ネットワーク上の他の機器にアナウンスを行なう。コントローラ240は、当該アナウンスを受信すると、他の機器が接続されていることを識別する(S506)。また、コントローラ240は、同一のネットワーク上に接続されている他の機器の情報を取得する(S506)。具体的には、コントローラ240は、同一のネットワーク上に接続されている他の機器の種類に関する情報、及び他の機器のネットワーク400におけるアドレス情報(以下、これらを総称して「他の機器の情報」という)を少なくとも取得する。なお、同一ネットワーク上に他の機器が複数接続されていることを検出した場合には、コントローラ240は、接続されている他の機器の情報を一つずつ取得する。また、この際、コントローラ240は、同一のネットワーク上に接続されている他の機器がテレビ200を制御するためのプログラムを送信する場合には、そのプログラムを取得する。
【0052】
同一のネットワーク上に接続されている他の機器の情報を取得すると、コントローラ240は、取得した情報を、既に作成済の管理テーブルAに追加する(S507)。例えば、図6Aを例に説明する。同一のネットワークにデジタルカメラ100が接続されていると判断すると、コントローラ240は、このデジタルカメラ100に関する情報を管理テーブルAに追加する。具体的には、機器:「デジタルカメラ」、アドレス:「192.168.8.3」という情報を管理テーブルAに追加する。
【0053】
管理テーブルAに他の機器の情報を追加すると、コントローラ240は、同一のネットワークに接続されている全ての他の機器の情報を取得したか否かを判断する(S508)。全ての他の機器の情報を取得していないと判断すると、コントローラ240は、未だ取得していない他の機器の情報の取得を繰り返す(S506〜S508)。
【0054】
一方、全ての他の機器の情報を取得したと判断すると、コントローラ240は、一定期間を経過したかを判断する(S509)。一定期間を経過したと判断すると、コントローラ240は、同一のネットワーク400に検出していない他の機器が接続されていないかを調べるためにデバイスサーチを繰り返す(S504)。
【0055】
以上の手順により、テレビ200は、ネットワーク400に接続された際に、同一のネットワークに接続されている他の機器の種類やIPアドレスの情報を取得することができる。また、テレビ200は、ネットワークに接続された際に、デジタルカメラ100から画像共有モードにおいて自機を制御するための制御プログラムを取得することができる。
【0056】
1−3−1−2.デジタルカメラのネットワークへの接続動作
次に、デジタルカメラ100のネットワーク400への接続動作について図7を用いて説明する。図7は、デジタルカメラ100のネットワーク400への接続動作を説明するためのフローチャートである。
【0057】
デジタルカメラ100の操作部材113に対して、使用者によりデジタルカメラ100をネットワークに接続するための操作が行われると、デジタルカメラ100がネットワーク接続モードに設定される(S600)。ネットワーク接続モードに設定されると、コントローラ180は、無線LAN通信部115を介してネットワーク400上のアクセスポイントにアクセスし、無線LAN接続を確立させる(S601)。無線LAN接続を確立させると、コントローラ180は、無線LAN通信部115を介してアクセスポイントからIPアドレスを取得する(S602)。
【0058】
IPアドレスを取得すると、コントローラ180は、自機が参加した旨をネットワーク400に接続されている他の機器にアナウンスする(S603)。他の機器にアナウンスをすると、コントローラ180は、同一のネットワーク400に接続されているテレビ200からのアクセスがあったか否かを判定する(S604)。アクセスがない場合は、アクセスがあるまで、上記ステップS603のアナウンスを繰り返す。
【0059】
テレビ200からのアクセスがあると、コントローラ180は、図6Bに示すような管理テーブルを作成する(S605)。また、コントローラ180は、テレビ200に対して、テレビ200を制御するためのプログラムを通知する。
【0060】
これにより、デジタルカメラ100は、ネットワーク接続が完了した際に、同一ネットワーク上に存在するテレビ200の種類及びIPアドレスの情報を取得することができる。
【0061】
1−3−2.リモコンによるモード切り換え動作
図8A、図8Bは、リモコン300に対する操作により、テレビ200に画像を表示させるときの動作を示すシーケンス図である。
【0062】
ここで、テレビ200に画像を表示させるときのモードとして、主導権の異なるPUSHモードとPULLモードの2つのモードがある。「PUSHモード」とは、デジタルカメラ100の操作部材113を操作することにより、デジタルカメラ100のメモリカード111に保存されている画像データを、無線通信により接続したネットワーク400を介してテレビ200へ送信し、テレビ200にて当該画像データが示す画像を表示することを可能とするモードである。「PULLモード」とは、リモコン300の操作部材310を操作することによりデジタルカメラ100のメモリカード111に保存されている画像データを、ネットワーク400を介してテレビ200が取得し、当該画像データが示す画像をテレビ200に表示することを可能とするモードである。デジタルカメラ100およびテレビ200は、それぞれ、PUSHモードとPULLモードとを有する。具体的には、デジタルカメラ100のコントローラ180は、操作部材113により選択された画像データをテレビ200に送信するよう無線LAN通信部115を制御するPUSHモードと、テレビ200から要求された画像データが示す画像を無線LAN通信部115がテレビ200に送信するよう制御するPULLモードとを有する。テレビ200のコントローラ240は、デジタルカメラ100から送信された画像データが示す画像を表示するよう表示モニタ260を制御するPUSHモードと、リモコン300の操作部材310により選択された画像データをデジタルカメラ100から取得し、当該画像データが示す画像を表示モニタ260に表示するよう制御するPULLモードとを有する。なお、PUSHモードでは、デジタルカメラ100の操作部材113を操作することにより、テレビ200の電源をOFFからONとし、またテレビ200を、TVチューナー210で受信した映像の表示からデジタルカメラ100に記憶されている画像の表示に切り換えることができる。
【0063】
1−3−2−1 PULLモードからPUSHモードへの切換操作が行われた場合
まず、図8Aを参照してテレビ200をPUSHモードに切り換える操作が行われた場合について説明する。デジタルカメラ100とテレビ200の電源が投入された後、デジタルカメラ100の表示モニタ112に表示されるメニューで無線接続(無線通信によるネットワーク400への接続)を選択すると、デジタルカメラ100のコントローラ180は、無線通信によりネットワーク400に接続され、さらにテレビ200にネットワーク400を介して接続される(S700)。一般に、テレビ200の接続先はデジタルカメラ100以外にもビデオレコーダ、ビデオゲームや、他のデジタルカメラなど複数存在し得る。そのため、使用者はリモコン300を操作することで、テレビ200の接続先を複数の接続先の中からデジタルカメラ100に指定する(S701)。
【0064】
使用者によりリモコン300に対してテレビ200を“PUSHモード”に切り換える操作が行われると、テレビ200は“PUSHモード”に切り換えられ、その後の操作を待つ(S702)。すなわち、リモコン300のコントローラ320は使用者による操作を受け付け、赤外線送信部330を介した赤外線通信により、“PUSHモード”に切り換える旨の指示をテレビ200のコントローラ240に送信する。テレビ200のコントローラ240は、”PUSHモード”に切り換える旨の指示を受け取ると、ネットワーク400を介して、デジタルカメラ100をPUSHモードに切り換える旨の指示をデジタルカメラ100のコントローラ180に送信する(S703)。本処理によりデジタルカメラ100は、テレビ200に画像を送信して表示させることが可能なPUSHモードとなる。このときテレビ200も“PUSHモード”に設定され、デジタルカメラ100からの通信を受け付け可能な状態となる。
【0065】
デジタルカメラ100がPUSHモードのときに、使用者によりデジタルカメラ100に対してメニュー操作などが行われると、デジタルカメラ100は、メニュー操作に対応する画像表示を行う(S704)。例えば、デジタルカメラ100は、使用者の操作に応じて、メモリカード111に記録された画像をデジタルカメラ100の表示モニタ112に表示させることができる。また、デジタルカメラ100は、表示された画像の中からテレビ200に送信する画像として使用者により選択された画像再生を実行する。デジタルカメラ100は、使用者の操作により、表示モニタ112に例えば画像データのサムネイルを一覧表示させることができる。デジタルカメラ100は、表示したサムネイルの中からテレビ200への表示を所望する画像として使用者により選択された画像の画像データのみを送信することもできる。これにより、デジタルカメラ100は、使用者の操作に応じて、メモリカード111に記録された失敗画像および表示不要な画像については、テレビ200に表示させないことができる。
【0066】
使用者によりデジタルカメラ100からテレビ200に送信する画像データが選択されると、デジタルカメラ100のコントローラ180は、ネットワーク400を介して、テレビ200のコントローラ240に対して、選択された画像データの所在情報を発行する(S705)。所在情報は、デジタルカメラ100のネットワーク上のアドレス情報と、メモリカード111内のディレクトリ情報とから構成される。デジタルカメラ100のネットワーク上のアドレス情報が「192.168.8.3」であり、送信したい画像データが格納されているメモリカード111内のディレクトリが「/hdd/001.jpg」であるとすると、所在情報は、「192.168.8.3/hdd/001.jpg」となる。
【0067】
画像データの所在情報を取得すると、テレビ200のコントローラ240は、取得した所在情報を内部メモリ280に記憶する。所在情報を内部メモリ280に記憶すると、テレビ200のコントローラ240は、テレビ200によって表示可能な画像の解像度(サイズ)に関する情報をデジタルカメラ100のコントローラ180に送信する(S706)。例えば、テレビ200がフルハイビジョンの画像を表示できるのであれば、テレビ200のコントローラ240は、「1920×1080」画素を示す情報をデジタルカメラ100に送信する。
【0068】
画像の解像度に関する情報を取得すると、デジタルカメラ100のコントローラ180は、使用者により選択された画像を示す画像データを、取得した解像度情報が示す解像度の画像データに変換するよう画像処理部160を制御する。例えば、使用者により選択された画像を示す画像データの解像度が「4000×2000」画素であるとする。この場合には、デジタルカメラ100のコントローラ180は、「4000×2000」画素の画像データに基づいて、「1920×1080」画素の画像データを生成するよう画像処理部160を制御する。画像処理部160がテレビ200の解像度に合致した画像データを生成すると、デジタルカメラ100のコントローラ180は、ネットワーク400を介して、画像処理部160により生成された画像データをテレビ200のコントローラ240に送信する(S707)。具体的には、たとえば、テレビ200のコントローラ240は、選択された画像データの所在情報に基づき、ネットワーク400を介して、画像処理部160により生成された画像データをデジタルカメラ100から取得する。
【0069】
テレビ200のコントローラ240は、取得した画像データが示す画像を表示モニタ260に表示する(S708)。
【0070】
なお、PUSHモードにおいては、テレビ200は、デジタルカメラ100から受け付けた画像のみを表示する。そのため、テレビ200に表示されている画像とは別の画像をデジタルカメラ100の表示モニタ112に表示しているときや、画像送信の要否を判断しているときに、表示モニタ260に表示されている画像は、テレビ200の表示モニタ260には反映されない。デジタルカメラ100から画像データの送信があったときに、テレビ200は該当の画像データが示す画像のみを表示モニタ260に反映する。
【0071】
1−3−2−2 PUSHモードからPULLモードへの切換操作が行われた場合
次に、図8Bを参照し、テレビ200をPULLモードに切り換える操作が行われた場合について説明する。PULLモードへ設定する場合、リモコン300を操作することにより、テレビ200をPULLモードに設定する(S709)。リモコン300のコントローラ320は、赤外線通信により、テレビ200のコントローラ240にテレビ200をPULLモードにする旨の指示を送信する。テレビ200のコントローラ240は、PULLモードにする旨の指示を受けると、ネットワーク400を介して、デジタルカメラ100のコントローラ180に”PULLモード”に切り換える旨の指示を発行する(S710)。デジカメ100は、PULLモードに設定されると、デジタルカメラ100は次の処理を実行可能な状態になる。このようにPULLモードに設定されると、使用者は、デジタルカメラ100に対する操作で画像を送信することが出来なくなる。以降はリモコン300に対する操作でテレビ200が画像表示する。リモコン300に対する操作によるPULLモードの通知は、割り込み処理であって、任意のタイミングで実行可能である。
【0072】
テレビ200がPULLモードに設定されると、テレビ200のコントローラ240は、デジタルカメラ100のコントローラ180に対して、メモリカード111に記録された画像データのサムネイルを要求する(S711)。デジタルカメラ100のコントローラ180は、この要求を受けて、テレビ200のコントローラ240にサムネイルを送信する(S712)。このサムネイルは、メモリカード111に記録された全画像データに対するものである。もちろん、メモリカード111に記録された一部の画像データに対するサムネイルを送信してもよい。テレビ200の表示モニタ260は、デジタルカメラ100から受信したサムネイルを一覧表示する。これにより、使用者はテレビ200の大画面においてサムネイルを選択することで、メモリカード111に記録された画像データの中から、所望の画像データを選択することができる。
【0073】
その後、使用者によるリモコン300に対する操作により所望の画像のサムネイルが選択された場合(S713)、テレビ200は、デジタルカメラ100に対して、選択された画像の画像データの送信を要求する(S714)。画像データの送信が要求されると、デジタルカメラ100のコントローラ180は、テレビ200のコントローラ240にその画像データを送信する(S715)。テレビ200のコントローラ240は、デジタルカメラ100から画像データを受信すると、表示モニタ260に画像データが示す画像、つまり選択された1枚の画像を拡大表示する(S716)。
【0074】
1−3−3.デジタルカメラによるモード切り換え動作
図9A、図9Bはデジタルカメラ100とテレビ200とがネットワーク400を介して接続されている時にデジタルカメラ100に対する操作により、モード切り換え動作を行った場合の動作を説明するためのシーケンス図である。以下、図9A、図9Bを用いて動作を説明する。
【0075】
本実施形態のデジタルカメラ100は、デジタルカメラ100の操作部材113を操作することにより、デジタルカメラ100及びデレビ200をPUSHモードからPULLモードに切り換えることができる。一方、デジタルカメラ100の操作部材113を操作することにより、デジタルカメラ100及びデレビ200をPULLモードからPUSHモードに切り換えることは、原則禁止されている。この点について、以下、具体的に説明する。
【0076】
1−3−3−1. PUSHモードからPULLモードへの切換操作が行われた場合
まず、図9Aを参照して、PUSHモードからPULLモードに切り換える操作が行われた場合について説明する。デジタルカメラ100において、使用者により操作部材113を介して、PUSHモードからPULLモードへの切り換え操作が行われると(S801)、デジタルカメラ100のコントローラ180は、ネットワーク400を介して、テレビ200のコントローラ240に”PULLモード”に切り換える旨の通知を送信する(S801)。テレビ200のコントローラ240は、PULLモードにする旨の通知を受けると、テレビ200自身をPULLモードに切り換えるとともに、ネットワーク400を介して、デジタルカメラ100のコントローラ180に”PULLモード”に切り換える旨を指示する。デジタルカメラ100のコントローラ180は、テレビ200から”PULLモード”に切り換える旨の指示を受けると、デジタルカメラ100自身をPULLモードに切り換える(S802)。これにより、デジタルカメラ100及びテレビ200の双方が、PULLモードに設定される。PULLモードにおける動作等は前述の通りであり、説明を省略する。
【0077】
1−3−3−2. PULLモードからPUSHモードへの切換操作が行われた場合
次に、図9Bを参照して、デジタルカメラ100上でPULLモードからPUSHモードへの切換操作が行われた場合について説明する。デジタルカメラ100は、使用者により操作部材113を介してPULLモードからPUSHモードへの切り換え操作が行われた場合(S810)、表示モニタ112に、例えば「テレビを使用中です。PULLモードからPUSHモードへ切り換えることはできません」等の警告の表示を行う(S811)が、テレビ200のコントローラ240へは”PUSHモード”に切り換える旨の通知を送信しない。すなわち、デジタルカメラ100上でPULLモードからPUSHモードへの切換操作があっても、PUSHモードへの切換が禁止される。これにより、例えばデジタルカメラ100の操作部材113に対する誤操作等により、テレビ200が突然、PULLモードからPUSHモードへ切り換えられ、テレビ200の画面が切り換わるのが防止される。また、上記切換操作が誤操作等であった場合は、テジタルカメラ100の使用者が、誤操作等であったことを認識することができる。
【0078】
なお、デジタルカメラ100においてPULLモードからPUSHモードへの切換操作が行われた場合、図9Bに示す制御に代えて、図9Cに示すような制御を行ってもよい。すなわち、図9Bに示す制御では、デジタルカメラ100上でPULLモードからPUSHモードへの切換操作があったときに、PUSHモードへの切換が禁止されたが、図9Cに示す制御では、警告が表示されたときに、切換の禁止を解除可能としている。具体的には、デジタルカメラ100は、使用者により操作部材113を介して、PULLモードからPUSHモードへの切り換え操作が行われた場合(S820)、表示モニタ112に、例えば「テレビを使用中です。PULLモードからPUSHモードへ切り換えてもよいですか?」等の警告の表示を行う(S821)。これにより、テジタルカメラ100の使用者は、この切換操作が誤操作等であった場合、誤操作等であったことを認識することができる。これにより、例えばデジタルカメラ100の操作部材113に対する誤操作等により、テレビ200が突然、PULLモードからPUSHモードへ切り換えられ、テレビ200の画面が切り換わるのが防止される。警告表示後、使用者により操作部材113を介して、PULLモードからPUSHモードへ切り換えてもよい旨が選択されると(S822)、デジタルカメラ100のコントローラ180は、ネットワーク400を介して、テレビ200のコントローラ240に”PUSHモード”に切り換える旨を通知する(S823)。テレビ200のコントローラ240は、”PUSHモード”に切り換える旨の通知を受けると、ネットワーク400を介して、デジタルカメラ100をPUSHモードに切り換える旨をデジタルカメラ100のコントローラ180に指示する(S824)。これにより、デジタルカメラ100は、警告表示後においても、上記切換操作が誤操作等でなかった場合には、PULLモードからPUSHモードへ切り換えることとなる。
【0079】
以上の手順により、デジタルカメラ100は、テレビ200に画像を送信して表示させることが可能なPUSHモードに設定される。このときテレビ200も“PUSHモード”に設定され、デジタルカメラ100からの通信を受け付け可能な状態となる。このように、デジタルカメラ100の操作部材113に対する切換操作によりPULLモードからPUSHモードへの切換が実行される。したがって、デジタルカメラ100の使用者の利便性が確保される。
【0080】
1−4.まとめ
以上説明したように、実施の形態1のデジタルカメラ100は、テレビ200と接続可能である。デジタルカメラ100は、メモリカード111に記録された画像データを無線LAN通信部115からテレビ200に出力可能である。デジタルカメラ100は、使用者による操作を受け付けて画像データを選択する操作部材113と、コントローラ180を有する。コントローラ180は、PUSHモードと、PULLモードとを有し、PUSHモードのときは、操作部材113により選択された画像データをテレビ200に送信し、PULLモードのときは、テレビ200から要求された画像データをテレビ200に送信するよう無線LAN通信部115を制御する。これにより、デジタルカメラ100は、デジタルカメラ100の操作者が所望する画像データをテレビ200に送信することができるモードと、テレビ200が要求する画像データをデジタルカメラ100からテレビ200に送信するモードとを切り換えることができる。従って、使用者は必要に応じて、デジタルカメラ100から画像データを送信する方法と、テレビ200が要求する画像データを送信する方法とを使い分けることができる。
【0081】
また、デジタルカメラ100において、PUSHモードおよびPULLモードは、どちらかが択一的に選択される。すなわち、PUSHモードが選択されているときは、PULLモードは選択されない。また、PULLモードが選択されているときは、PUSHモードは選択されない。従って、デジタルカメラ100とテレビ200との通信処理を簡単なものとすることができる。
【0082】
また、デジタルカメラ100において、PUSHモードおよびPULLモードは、テレビ200からの要求に応じて選択可能である。これにより、デジタルカメラ100は、画像データを受け取る立場であるテレビ200の主導によりPUSHモードとPULLモードとを切り換えることができる。また、実施の形態1にて述べたようにリモコン300によりテレビ200からのデジタルカメラ100への要求を制御することで、リモコン300の主導によりPUSHモードとPULLモードとを切り換えることができる。
【0083】
また、本実施形態のデジタルカメラ100においては、デジタルカメラ100の操作部材113を操作することにより、PUSHモードからPULLモードへの切り換えを行うことができる。これにより、リモコン300がユーザの近傍にないような場合でも、モードの切り換えを行うことができる。
【0084】
一方、PULLモードのときは、デジタルカメラ100の操作部材113を操作することによるPULLモードからPUSHモードへの切換が原則禁止される。したがって、デジタルカメラ100の操作部材113を操作することにより選択された画像データをテレビ200に送信することが禁止される。よって、テレビ200が、デジタルカメラ100の操作部材113に対する操作により、突然、PULLモードからPUSHモードへ切り換えられ、テレビ200の画面が切り換わるのが防止される。
【0085】
また、デジタルカメラ100において、PULLモードのときに、操作部材113によるPULLモードからPUSHモードへの切換操作があったときは、表示モニタ112に、切換が禁止されている旨の警告表示が行われてもよい。これにより、使用者が、操作したにもかかわらず、モードが変更されないことに対して疑念等を抱くのが防止される。
【0086】
また、警告表示後、デジタルカメラ100において、操作部材113に対する切換操作によりPULLモードからPUSHモードへの切換を可能としてもよい。これにより、デジタルカメラ100の使用者の利便性が確保される。
【0087】
また、デジタルカメラ100は、画像データを表示する表示モニタ112と、メモリカード111に記録された画像データを表示モニタ112にサムネイル一覧表示するコントローラ180とを更に備える。そして、操作部材113は使用者の操作にしたがい、表示モニタ112にサムネイル一覧表示された画像データからテレビ200に送信する画像データを選択する。これにより、デジタルカメラ100はサムネイル一覧表示された画像データから所望のものだけをテレビ200に通信する。従って、使用者は、サムネイル一覧表示を見ながら送信したい画像を選択できるとともに、必要な画像のみをデジタルカメラ100からテレビ200に送信することができる。
【0088】
以上説明した実施の形態1の通信システムは、互いに接続可能なデジタルカメラ100およびテレビ200から構成される通信システムである。デジタルカメラ100は、画像データを記録するメモリカード111と、使用者による操作を受け付けて画像データを選択する操作部材113と、画像データをテレビ200に送信する無線LAN通信部115と、PUSHモードと、PULLモードとを有する。テレビ200は、デジタルカメラ100から画像データを受信する無線LAN通信部270と、使用者による操作を受け付けて画像データを選択する操作部材250とを有する。そして、デジタルカメラ100の無線LAN通信部115は、PUSHモードのときは、操作部材113により選択された画像データをテレビ200に送信し、PULLモードのときは、操作部材250により選択された画像データをテレビ200に送信する。これにより、実施の形態1の通信システムは、デジタルカメラ100の操作者が所望する画像データをテレビ200に通信することができるモードと、テレビ200が要求する画像データをデジタルカメラ100からテレビ200に通信するモードとを切り換えることができる。従って、使用者は必要に応じて、デジタルカメラ100から画像データを送信する方法と、テレビ200が要求する画像データを送信する方法とを使い分けることができる。
【0089】
また、実施の形態1の通信システムにおいて、操作部材250は、テレビ200を遠隔操作可能なリモコン300である。これにより、使用者はリモコン300の操作によりテレビ200から離れた場所からテレビ200がデジタルカメラ100から要求する画像を選択することができる。
【0090】
また、実施の形態1の通信システムにおいて、デジタルカメラ100は、PUSHモードのときに、リモコン300による操作があった場合、PULLモードに移行する。これにより、デジタルカメラ100の操作よりもリモコン300の操作を優先してモードを切り換えることができる。リモコン300が操作される場合、使用者は、デジタルカメラ100ではなくテレビ200を操作したい状況が多いと想定されるが、リモコン300の操作によりPULLモードに移行させることで、使用者はテレビ200をすぐに操作することができる。
【0091】
特に、実施の形態1の通信システムにおいては、PULLモードのときは、デジタルカメラ100の操作部材113によるPULLモードからPUSHモードへの切換が禁止される。したがって、デジタルカメラ100の操作部材113により選択された画像データをテレビ200に送信することが禁止される。よって、テレビ200が、デジタルカメラ100の操作部材113に対する操作により、突然、PULLモードからPUSHモードへ切り換えられ、テレビ200の画面が切り換わるのが防止される。
【0092】
2.他の実施の形態
上記実施の形態に限定されず、種々の実施の形態が考えられる。他の実施の形態について、以下にまとめて記載する。
【0093】
また、上記実施の形態では、テレビ200側においてはリモコン300に対する操作によりデジタルカメラ100をPULLモードに設定するようにしたが、これに限定されない。例えば、リモコン300を使用せずに、テレビ200の操作部材250を操作することにより、PULLモードに設定するようにしてもよい。
【0094】
また、デジタルカメラ100がPUSHモードでかつテレビ200がデジタルカメラ100からの信号を受信可能な状態のときに、リモコン300に対する操作を行うことにより、テレビ200の表示モニタ260の表示を見たいテレビ番組にすぐに切り換え、所望の画像を表示するようにしてもよい。この場合、リモコン300の操作部材310は、PULLモード設定用の操作釦と、テレビ番組表示用の操作釦とに分けて備えておくと、使用者が所望する画像を表示モニタ260に表示させやすくなる。
【0095】
また、テレビ200の電源が一旦OFFされた後、改めてONされる場合に、設定されたモードを継続させてもよい。すなわち、テレビ200の電源off前にPUSHモードが設定されていれば、電源の再投入後にもPUSHモードを継続し、テレビ200の電源OFF前にPULLモードが設定されていれば、電源の再投入後にもPULLモードを継続させてもよい。これにより、例えば、デジタルカメラ100に対する操作でテレビ200に画像を表示している途中で、一旦テレビ200の電源をOFFし、再度電源をONするような場合にも、デジタルカメラ100に対する面倒な接続設定操作を繰り返すことなく、設定しておいたモードのまま、直ぐにテレビ200への表示を再開することが出来る。
【0096】
また、上記実施形態のデジタルカメラ100においては、画像データは、カードスロット190に接続されたメモリカード111に記録されるが、これに限定されない。例えば、画像データ保存用の内部メモリを設け、この内部メモリに画像データを保存するようにしてもよい。
【0097】
また、上記実施形態のデジタルカメラ100は、テレビ200と通信するための(画像データをテレビ200に送信するための)無線LAN通信部115を有しているが、必ずしも無線LAN機能を内蔵している必要はない。例えば、カードスロット190に、無線LAN機能を有するSDカード等を接続することにより、テレビ200と通信できるようにしてもよい。なお、テレビ200がSDカード等を接続可能なカードスロットを有している場合、同様のことが可能である。
【0098】
また、上記実施形態のデジタルカメラ100においては、PUSHモードからPULLモードへの切換を原則禁止しているが、設定メニュー等により禁止を解除可能としてもよい。
【0099】
また、上記実施形態においては、PULLモードからPUSHモードへの切換の禁止をデジタルカメラ100側で行っているが、テレビ200側においてPULLモードからPUSHモードへの切換の禁止を行ってもよい。例えば、PULLモードのときにおいて、デジタルカメラ100からテレビ200にPUSHモードへの切換指示があったときには、テレビ200において切換を許可しないようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0100】
本実施形態から導かれる技術思想は、画像データを記録しており、ネットワークを介して画像データを送受信可能な電子機器、例えばモバイル端末、動画の撮像装置、スマートフォン等に対して広く適用可能である。
【符号の説明】
【0101】
100 デジタルカメラ
110 光学系
120 レンズ駆動部
116 絞り
130 シャッター
140 CCDイメージセンサー
150 A/Dコンバーター
160 画像処理部
170 バッファ
180 コントローラ
190 カードスロット
111 メモリカード
112 表示モニタ
113 操作部材
114 内部メモリ
115 無線LAN通信部
200 テレビ
210 テレビチューナ
220 画像処理部
230 バッファ
240 コントローラ
250 操作部材
260 表示モニタ
270 無線LAN通信部
280 内部メモリ
290 赤外線受光部
300 リモコン
310 操作部材
320 コントローラ
330 赤外線送信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部機器と接続可能であり、内蔵または外付けの記録媒体に記録された画像データを内蔵または外付けの送信部から前記外部機器に出力可能な電子機器であって、
使用者による操作を受け付ける操作部と、
前記操作部により選択された画像データを前記送信部が前記外部機器に送信するよう制御する第一の通信モードと、前記外部機器から要求された画像データを前記送信部が前記外部機器に送信するよう制御する第二の通信モードとを有し、前記第二の通信モードのときは、前記操作部による前記第二の通信モードから前記第一の通信モードへの切換のための操作があっても、前記第二のモードから前記第一のモードへの切換を禁止する制御部と、を備える、
電子機器。
【請求項2】
画像を表示する画像表示部をさらに備え、
前記制御部は、前記第二の通信モードのときに、前記操作部による第二の通信モードから第一の通信モードへの切換操作があったときは、前記画像表示部に警告表示を行わせる、
請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記制御部は、前記警告表示後、さらに前記操作部による第二の通信モードから第一の通信モードへの切換操作があったときは、第二の通信モードから第一の通信モードへの切換への禁止を解除する、
請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
画像データを表示する表示部と、
前記記録媒体に記録された画像データのサムネイルを前記表示部に一覧表示する表示制御部と、を更に備え、
前記操作部は、前記表示部に一覧表示された前記サムネイルを選択することによって前記外部機器に送信する画像データを選択する、
請求項1に記載の電子機器。
【請求項5】
互いに接続可能な電子機器および外部機器から構成される通信システムであって、
前記電子機器は、
内蔵または外付けの記録媒体に記録された画像データを内蔵または外付けの送信部から前記外部機器に出力可能であり、
使用者による操作を受け付ける操作部と、
前記操作部により選択された画像データを前記送信部が前記外部機器に送信するよう制御する第一の通信モードと、前記外部機器から要求された画像データを前記送信部が前記外部機器に送信するよう制御する第二の通信モードとを有し、前記第二の通信モードのときは、前記操作部による前記第二の通信モードから前記第一の通信モードへの切換のための操作があっても、前記第二のモードから前記第一のモードへの切換を禁止する制御部と、を備え、
前記外部機器は、
前記電子機器から画像データを受信する受信部と、
使用者による操作を受け付ける操作部と、を備える、
通信システム。
【請求項6】
前記外部機器の操作部は、前記外部機器を遠隔操作可能な操作装置である、
請求項5に記載の通信システム。
【請求項7】
前記電子機器は、前記第一の通信モードのときに、前記外部機器の操作部による前記第一の通信モードから前記第二の通信モードへの切換のための操作があった場合、前記第二の通信モードに移行する、
請求項5に記載の通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【公開番号】特開2011−147118(P2011−147118A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−272618(P2010−272618)
【出願日】平成22年12月7日(2010.12.7)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】