説明

電子機器、電子機器の制御方法、プログラム及び記憶媒体

【課題】動作の記録を残す際、設定されている時間の状態を識別可能に記録するようにし、時間が信頼出来る状態、そうでない場合を後で判別可能にできるようにすることである。
【解決手段】データ処理を実行する電子機器であって、時刻情報を供給する時刻情報供給装置と通信する通信手段と、前記時刻情報供給装置から供給される第1の時刻情報に従って時間を設定する第1の設定手段と、前記時刻情報供給装置を使わずにユーザによって設定された第2の時刻情報に従って時間を設定する第2の設定手段と、データ処理が実行されたときに前記第1の設定手段によって時間が設定されている状態であるか前記第2の設定手段によって時間が設定されている状態であるかを識別可能に、前記電子機器によって実行された当該データ処理のログ情報を保持する保持手段とを有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、時刻情報を供給する時刻情報供給装置と通信可能な電子機器および電子機器の制御方法およびプログラム及び記憶媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、インターネットを使用した時刻サービス、電波を使った時刻サービス、放送の時報を利用した時刻サービスを用い(外部から供給される時刻情報を使って)、内部時計の時刻合わせを行う機能を内蔵した装置が提案されている(例えば、下記特許文献1,2参照)。
【0003】
このような時刻サービスを利用した装置は多くあるが、単純に時刻を合わせる機能を内蔵しただけで、合わせた時刻を積極的に活用するような装置は少なかった。
【0004】
また、様々な情報がデジタル化するにつれ、デジタル化されたデータの作成時刻、変更の時刻など細かな情報管理が求められるようになってきており、例えば、同じデジタルデータが複数あった時、最新のデータを見つけるにはこうした日時情報は判断の上、重要な情報となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−16528号公報
【特許文献2】特開2000−131471号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のように時刻サービスを使い内蔵計時機能の校正を自動的に行う装置は、装置使用者の時刻合わせの負担を軽減する事が可能になるが、以下のように厳密に正確な日時を常に保持可能かという点に関して幾つか問題点があるものと思わる。
【0007】
例えば、上述のような時刻サービスを利用可能な装置には、操作者が該装置に対してマニュアルで日時を設定する機能が搭載されているかもしれないし、搭載されていないかもしれないが、何れにしても、上記のような装置に、このような機能が搭載されているなら、操作者の入力ミス、または、意図的に日時を変えて入力した時など、時刻サービス機能が機能して正しい日時が設定されるまで正しい日時情報が保証できない不確かな時刻設定状態が生ずる等の問題が考えられる。
【0008】
また、時刻サービスが何らかの理由により長期間使用できなくなった場合、内蔵計時機能の精度によっては日時が信頼できない状態になる可能性が考えられる。
【0009】
又、従来の提案では、時刻サービスを使って正確な時間情報に基づいた動作を可能にするという事ばかりに着目しており、例えば、このような装置を操作に不慣れな利用者が使った場合でも適正に対処できるのか、及びこのような装置にて、もし何らかの事情により時刻サービスを利用できない状況(或いは、時刻サービスを利用できるのにも拘らず実際には利用されていないような状況)が起きた(又は起こり得る)場合に、何にも対処しない状態のままで良いのか、その装置の利用自体を全て禁止するのか、一部制限をつけたうえで動作可能にするのかなど、どのように対処すれば良いのか、どのように対処するのがその装置の利用者にとって最善なのか、使い勝手が良くなるのか等、現実的に起こりそうな状況・問題に対して何ら着目、対処しきれていなかった。
【0010】
又、時刻サービスを利用可能な装置といっても、各装置毎に実行可能な処理や、その装置が有する機能等が多種多様であると思われるので、例えば、もしこのような時刻サービスを画像形成装置に適用した場合、単に時刻サービスを搭載するだけよりも、その装置固有の能力や利用環境に則した工夫を検討した方がより使い勝手の良いものとなるなど、時刻サービス機能を搭載する場合に、その装置が、どのような機能を有し、どのような処理が可能なのか、及びどのように利用者に使われるのか等、その装置の特徴や利用状況・使用環境等を考慮にいれた設計・仕様を考えることが、利用者の立場にたった、より使い勝手の良い、装置・システムを提供できるし、実用化にもつながると思われる。
【0011】
このように、上述のような、時刻サービス等の外部から供給される時刻情報を利用可能にする装置・システムを実際に実用化しようとした場合に、考えるべき状況や問題がまだまだ残されており、このようなことまでをも深く検討・対処したものが望まれる。
【0012】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、上述のような問題発生も未然に解決し、時刻サービス等の外部から供給される時刻情報を利用可能な装置を実際に実用化しようとした場合に、現実的に起こりそうな状況・問題にも対処した、利用者の立場にたった、より使い勝手を向上させることができる電子機器および電子機器の制御方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【0013】
又、本発明は、上述の目的に加え、更に、動作の記録を残す際、設定されている時間の状態を識別可能に記録するようにし、時間が信頼出来る状態、そうでない場合を後で判別可能にできる電子機器および電子機器の制御方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、以下の特徴的構成を備える。
【0015】
データ処理を実行する電子機器であって、時刻情報を供給する時刻情報供給装置と通信する通信手段と、前記時刻情報供給装置から供給される第1の時刻情報に従って時間を設定する第1の設定手段と、前記時刻情報供給装置を使わずにユーザによって設定された第2の時刻情報に従って時間を設定する第2の設定手段と、データ処理が実行されたときに前記第1の設定手段によって時間が設定されている状態であるか前記第2の設定手段によって時間が設定されている状態であるかを識別可能に、前記電子機器によって実行された当該データ処理のログ情報を保持する保持手段と、を有することを特徴とする。
【0016】
データ処理を実行する電子機器の制御方法であって、時刻情報を供給する時刻情報供給装置から供給される第1の時刻情報に従って時間を設定する第1の設定工程と、前記時刻情報供給装置を使わずにユーザによって設定された第2の時刻情報に従って時間を設定する第2の設定工程と、データ処理が実行されたときに前記第1の設定手段によって時間が設定されている状態であるか前記第2の設定手段によって時間が設定されている状態であるかを識別可能に、前記電子機器によって実行された当該データ処理のログ情報を保持手段に保持させる保持工程と、を有することを特徴とする。
【0017】
プログラムであって、上記の制御方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0018】
記憶媒体であって、上記のプログラムを記憶することを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、時刻サービス等の外部から供給される時刻情報を利用可能な装置を実際に実用化しようとした場合に、現実的に起こりそうな状況・問題にも対処した、利用者の立場にたった、より使い勝手を向上させることができる。
【0020】
動作の記録を残す際、設定されている時間の状態を識別可能に記録するようにし、時間が信頼出来る状態、そうでない場合を後で判別可能にできる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1実施形態を示す電子機器を適用したインターネットファクシミリ装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る電子機器における第1のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図3】図1に示した表示部とキー操作部を含む操作パネル部の一例を示す平面図である。
【図4】図1に示した表示部とキー操作部を含む操作パネル部の一例を示す平面図である。
【図5】図1に示した表示部とキー操作部を含む操作パネル部の一例を示す平面図である。
【図6】図1に示した表示部とキー操作部を含む操作パネル部の一例を示す平面図である。
【図7】本発明に係る電子機器における第2のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図8】本発明に係る電子機器における第3のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図9】図1に示した電子機器における送受信に関するログ情報の表示例を示す図である。
【図10】図1に示した各インターネットファックス間の通信セッション(通信手続き)を説明する図である。
【図11】本発明に係る電子機器における第4のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図12】本発明に係る電子機器における第5のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図13】図1に示したCPUが各種の制御を実行する上で判断材料としている、各種の状況・条件・規則をまとめた管理情報テーブルの一例を示す図である。
【図14】本発明の第2実施形態を示すネットワークシステム構成を説明する図である。
【図15】図14に示した画像形成装置の構成を説明するブロック図である。
【図16】図15に示した操作部の一例を示す平面図である。
【図17】図16に示した表示部に表示される操作画面例を示す図である。
【図18】図16に示した表示部に表示される操作画面例を示す図である。
【図19】図16に示した表示部に表示される操作画面例を示す図である。
【図20】図16に示した表示部に表示される操作画面例を示す図である。
【図21】図16に示した表示部に表示される操作画面例を示す図である。
【図22】図16に示した表示部に表示される操作画面例を示す図である。
【図23】図16に示した表示部に表示される操作画面例を示す図である。
【図24】図16に示した表示部に表示される操作画面例を示す図である。
【図25】図16に示した表示部に表示される操作画面例を示す図である。
【図26】図16に示した表示部に表示される操作画面例を示す図である。
【図27】図16に示した表示部に表示される操作画面例を示す図である。
【図28】図15に示したメモリで管理される動作モード別の各状態管理テーブルの一例を示す図である。
【図29】図16に示した表示部に表示される操作画面例を示す図である。
【図30】図16に示した表示部に表示される操作画面例を示す図である。
【図31】本発明に係る画像処理装置で読み取り可能な各種データ処理プログラムを格納する記憶媒体のメモリマップを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
【0023】
以下、本実施形態では時刻設定サービス機能を内蔵した電子機器(尚、電子機器は、時に、情報処理装置や、画像形成装置としても取り扱われ、単にデバイスとも呼ぶ)として、インターネットファクシミリ通信を行う機器を例として説明する。
【0024】
また、本実施形態において時刻設定サービスはインターネット経由のサービスを使うものとする。インターネット経由の時刻設定サービスは年月日時刻全ての情報の同期が可能であり、本発明の実施形態としては好適である。
【0025】
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態を示す電子機器を適用したインターネットファクシミリ装置の構成を示すブロック図である。
【0026】
図1において、11はインターネットファクシミリ本体(インターネットファクシミリ)で、CPUバス12で接続された、CPU21、RAM22、ハードディスクドライブ(以下、HDD)23、ネットワークカード24、表示部25、キー操作部26、原稿の読み取りを行うスキャナ部27、プリントを行うプリンタ部28等を具備する。
【0027】
CPU21は、内部発信器により発生するクロックをカウントすることにより計時を行う。計時情報はRAM22に記憶され、必要に応じて表示部25に表示される。
【0028】
本実施形態のインターネットファクシミリ11は、ネットワークカード24を介してインターネット13に接続される。インターネットファクシミリ本体310(自装置のデータ通信可能な他のインターネットファクシミリ装置。単に相手先とも呼ぶ)は、インターネットファクシミリ本体11と通信動作を行う装置であり、本実施形態の装置と同等の構成・機能を具備しており、両装置の通信動作フローについては後述する。
【0029】
また、インターネットファクシミリ11は、例えば「time.nist.gov」や「time.windows(登録商標).com」などの時刻サービスサーバ14に接続し時刻の同期が可能な機能を内蔵している。
【0030】
インターネット経由の時刻サービスサーバ14は、正確な時計を内蔵し、インターネットファクシミリ本体11とインターネットを介して日時情報を供給する。インターネットファクシミリ11は、インターネット経由の通信ディレイを測定し補正する毎に秒単位以下の正確な日時情報を得ることが出来る。こうした時刻サービスサーバの原理は広く知られており本実施形態では詳細な説明を省略する。
【0031】
本発明は、電波や電話を使った時刻設定サービスに適用する事も可能であるが、単に時報に同期するだけのものであれば、手動で設定した年月日が間違っている時に修正が出来ないという不都合がある。こうした場合は、手動設定した年月日等、保障を完全に出来ないものは正しいものとして装置の設定を変えるなどすれば良い。本実施形態は、こうした時刻設定サービスの種類により本発明に関して制限を加えるものではない。
【0032】
このように、本実施形態は、如何なる通信媒体やサービスを利用しようが、自装置自身でも例えば操作部を介して操作者による時刻情報の手動設定が可能な装置(或いはシステム等)であり、且つ、時刻情報を発生可能な外部装置とデータ通信可能なもので、時刻情報の発生源としての該外部装置から供給された(或いは外部装置から積極的に取得した)時刻情報を、自動及び手動で選択的に本装置に設定可能なものに適用可能としている。
【0033】
尚、自装置にて例えば操作部等を介して本装置の利用者により手動設定される時刻情報を第1タイプの時刻データとするならば、このような時刻情報発生源の外部から取得した時効情報を第2タイプの時刻データとする。逆に、時刻情報発生源としての外部から取得した時効情報を第1タイプの時刻データとするならば、自装置にて例えば操作部等を介して本装置の利用者により手動設定される時刻情報を第2タイプの時刻データとする。どちらの場合に適用しても良い。
【0034】
又、本実施形態での、時刻情報には、西暦何年かを特定する年データ、何月何日かを特定する日付データ、何時何分何秒かを特定する時間データ等、複数種類の時間的要素を含めた場合を例にとり説明するが、本実施形態はこれに限らず、これ以外の時間要素(何曜日かを特定する曜日データ)を含めてもよいし、これらの複数種類の時間要素のうちの一部のみ(例えば、年データ、日付データ、時間データ、の3種類の時間要素のみ)を含むようにしても良い。
【0035】
又、これら各種の時間要素のうちの、一部(例えば、年データと日付データ)は自装置で設定された時刻情報を利用し、別の部分(例えば、時間データ)は外部の時刻情報発生源から取得した情報を利用するように構成しても良い。
【0036】
そして、本実施形態は、上述のような構成を前提とし、自装置の操作部を介してセットされた時刻情報(第1タイプの時刻データ)に基づいた処理・機能が実行可能であると共に、外部の時刻情報発生源から取得した時刻情報(第2タイプの時刻データ)に基づいた処理・機能が実行可能であり、且つ、何れのタイプの時刻データが自装置に対して登録設定されていなくても(時刻データの未設定状態)、実行可能な処理や機能を有する装置・システムに適用可能としている。
【0037】
このように、本実施形態の装置(システム)は、手動設定された時刻データに従った動作もできるし、自動設定された時刻データに従った動作もできるし、尚且つ、手動でも自動でも時間情報が設定されていない場合でも動作可能としており、このような構成のもと、装置がどの状態なのか(第1タイプの時刻データが設定された状態なのか、第2タイプの時刻データが設定された状態なのか、第1、第2の何れの時刻データも設定されていない状態なのか)を区別可能に関連情報をメモリに記憶保持し、該情報(時刻データの設定状況)に応じて、利用者とのユーザインターフェースとなる操作部の操作画面の表示内容や、実行を許可/禁止する機能・処理を、動的に切り替えるよう制御可能に構成している。
【0038】
図2は、本発明に係る電子機器における第1のデータ処理手順の一例を示すフローチャートであり、例えばインターネットファクシミリ11の日時情報設定に関係する動作手順に対応する。なお、SP1〜SP14は各ステップを示す。
【0039】
尚、このフローチャートを含む、本実施形態で述べる各種のフローチャートの処理は、本装置のCPU21が、本実施形態の各フローチャートの処理を実行する為のプログラムを記憶した不図示のメモリから所望のプログラムを読出し実行することにより実行されるものとするが、どの装置のどのユニットが本実施形態の処理を実行させるための制御部として機能しても本実施形態は適用可能とする。
【0040】
インターネットファクシミリ11の電源が入れられると、ステップSP1で、CPU21は、RAM22に記憶される内部のパラメータSTS、パラメータMDの値を「0」とし初期化を行う。
【0041】
なお、パラメータSTSは、本装置における日時設定の状態を保持するパラメータである。STS=0の時は、本装置の電源オン時で日時等の設定を何もしていない状態を示す。STS=1の時は、日時情報を手動で設定した状態を示す(この場合、入力ミスの可能性がある)STS=2の時は、時刻サービスサーバ14に接続し正常に日時設定が完了した状態を示す。
【0042】
STS=3の時は、何らかの理由により所定時間間隔以上、時刻サービスサーバ14で日時の校正が出来ない状態を示す。
【0043】
本実施形態は、このように、本装置における時刻情報に関わる複数種類のステータス状況を用意しており、本装置における時刻情報のステータスを示す情報としてのSTSパラメータを使ってCPU21により例えば以下のような管理制御を行う。
【0044】
例えば、本装置が具備する操作部を介して利用者により時刻情報(第1タイプの時刻データ)がセットされていない事を操作部からの検知信号により判断した場合で、且つ、本装置とデータ通信可能な外部発生源から出力される時刻情報(第2タイプの時刻データ)の所得・設定(校正)がなされていない事をネットワークカード24等の所定のユニットからの検知信号により判断した場合には、CPU21は、日時情報が手動でも自動でも未設定・未校正(時刻データの未設定状態)とみなし、該メモリ内の上記パラメータSTSの値を「0」とするよう制御する。
【0045】
本装置が具備する操作部を介して利用者により時刻データ(第1タイプの時刻データ)がセットされたことを操作部からの検知信号により判断した場合、CPU21は、本装置に対して日時情報が手動で設定された(時刻データの手動設定済状態)とみなし、パラメータSTSを「1」とするよう該メモリ内のデータを更新する。
【0046】
本装置とデータ通信可能な外部の時刻情報発生源から時刻データ(第2タイプの時刻データ)の自動取得及び自動校正処理した事を、ネットワークカード24等の所定のユニットからの検知信号により判断した場合には、CPU21は、日時情報が自動で設定された(時刻データの校正済状態)とみなし、パラメータSTSを「2」とするよう該メモリ内のデータを書き換えるよう制御する。
【0047】
本装置とデータ通信可能な外部の時刻情報発生源からの時刻データ(第2タイプの時刻データ)を適正に自動取得・校正出来ない状態が発生している事を、ネットワークカード24等の所定のユニットからのネットワーク通信エラー信号等により判断した場合には、CPU21は、日時情報の校正エラー(時刻データの要校正状態)とみなし、パラメータSTSを「3」とするよう該メモリ内のデータを書き換える。
【0048】
尚、これらの本装置における時刻設定に関わるステータス情報(パラメータSTSの値)を、CPU21は、後述の操作画面の表示内容を決定する際や、以下の機能制限を行うか否か、及び機能制限する場合はどの機能を制限するのか等を決定する際に利用している。
【0049】
また、パラメータMDは、パラメータSTSの値によってインターネットファクスの動作に制限を加える際に使うパラメータである。
【0050】
本実施形態の装置は、スキャナユニットを介して入力したジョブデータを他装置へ送信処理させる動作や、他装置から受信したジョブデータをプリンタ部にてプリント処理させる動作等、複数の機能や動作モードを具備している。そして、本実施形態では、このように複数の機能・動作モードを具備した装置において、これらの複数のモードの中には、より正確な(高精度な)時刻情報が本装置に対してセットされ(校正済み)、その上で、この時間情報を利用して動作した方が、より使い勝手・効果が期待できる機能もあれば、高精度な時刻情報までは必要ないが、ある程度、正確な時刻情報を利用すれば、より使い勝手・効果がより期待できる機能もあれば、時刻情報自体を必要とせずとも、十分に、その効果を発揮できる機能もあり、様々な特性の機能・モードが混在していることに着目している。
【0051】
このような状況に鑑み、本実施形態は、パラメータSTSの値に基づいてセット可能なパラメータMDを使って、本装置の各種の機能動作の制限を実行可能に制御している。本実施形態では、例えば、以下のような設定とする。
【0052】
MD=0の時は、パラメータSTSの値にかかわらず(即ち、本装置における時刻データに関する現在の設定状況に依らずに)、本装置が具備する複数の動作モード(機能とも呼ぶ)の動作の制限を行わない動作モードが選択されていることを示す。
【0053】
この状況の場合(MD=0の場合)、STSの値が何れの値であろうと関係なく、CPU21は、本装置が具備する複数の動作モード(受信したジョブデータをプリントする為の外部受信プリントモードや、入力したジョブデータを外部へ送信する為の外部送信モード等を含む複数の動作モード)の、どの動作モードも利用者により選択可能に制御し、どのモードの実行も許可するよう制御する。
【0054】
MD=1の時は、パラメータSTSの値が「2」でない時(換言すると、パラメータSTSの値が0か1か3の時)でもデータ受信動作のみ許可する動作モードが選択されていることを示す。これは換言すると、パラメータSTSの値が0、1、2、3の何れの場合でも、データ受信動作の実行は許可する(それ以外の動作モードは禁止する)が、パラメータSTSの値が「2」のときのみ、該データ受信動作モードと共に、該データ受信動作以外の動作モードで、その実行を許可するモード(例えば、他装置へのデータ送信処理モード)が存在することを意味する。
【0055】
この設定状況の場合(MD=1の場合)において、例えば、本装置の現在の動作状況が、操作部からの手動設定による時刻データ(第1時刻データ)に基づいた動作が可能な状態の場合(STS=1の場合)、及び手動/自動の何れの時刻データも設定されていない状態の場合(STS=0の場合)、及び外部からの時刻データの校正処理が実行不可な状態の場合(STS=3の場合)の、3つの動作状況のうちのどの動作状況であっても、CPU21は、外部から出力され受信したジョブデータをプリンタ部によりプリントさせる動作(外部受信プリントモード)の実行は許可し、該外部受信プリントモード以外の他の動作モード(例えば外部送信モード等)の実行は禁止するよう制御する。尚且つ、この設定状況(MD=1)の場合において、例えば、本装置の現在の動作状況が、外部装置からの時刻データ(第2時刻データ)に基づいた動作が可能な状態の場合(STS=2の場合)には、CPU21は、上記外部受信プリントモードの実行を許可すると共に、他の動作状況(STS=0又は1又は3の場合)では禁止していた動作モード(例えば外部送信モード)の実行をも許可するよう制御する。
【0056】
MD=2の時は、パラメータSTSの値が「2」でない時でもデータ送信動作のみ許可する動作モードが選択されていることを示す。これは換言すると、パラメータSTSの値が0、1、2、3の何れの場合でも、データ送信動作の実行は許可する(それ以外の動作モードは禁止する)が、パラメータSTSの値が「2」の場合では、該データ送信動作モードと共に、該データ送信動作以外の動作モードで、その実行を許可するモード(例えば、外部受信プリントモード)が存在することを意味する。
【0057】
この設定状況の場合(MD=2の場合)において、例えば、本装置の現在の動作状況が、操作部からの手動設定による時刻データ(第1時刻データ)に基づいた動作が可能な状態の場合(STS=1の場合)、及び、手動/自動の何れの時刻データも設定されていない状態の場合(STS=0の場合)、及び、外部からの時刻データの校正処理が実行不可な状態の場合(STS=3の場合)の、どの動作状況であっても、CPU21は、上記外部送信モードの実行は許可し、該外部送信モード以外の他の動作モード(例えば外部受信プリントモード等)の実行は禁止するよう制御する。
【0058】
尚且つ、この設定状況(MD=2)の場合において、例えば、本装置の現在の動作状況が、外部装置からの時刻データ(第2時刻データ)に基づいた動作が可能な状態の場合(STS=2の場合)には、CPU21は、上記外部送信モードの実行を許可すると共に、他の動作状況(STS=0又は1又は3の場合)では禁止していた動作モード(例えば外部受信プリントモード)の実行をも許可するよう制御する。
【0059】
尚、このような、CPU21が各種の制御を実行する上で判断材料としている、各種の状況・条件・規則をまとめたものを、例えば、図13のように、テーブル形式で不図示のメモリに管理情報として記憶保持しておき、CPU21により、このテーブル情報に従って、適宜読出し実行可能に構成しても良い。又、パラメータMDの値は、本装置の操作部にて操作者により設定可能に構成しても良いし、CPU21が管理するパラメータSTSの値に基づき自動的にCPU21が設定可能に構成しても良い。この場合、CPU21は、図13の管理テーブルデータ1300の管理情報、メモリに設定登録したパラメータMDの値及びパラメータSTSの値に基づいて、上述したような、或いは、後述する本装置における動作モードの実行可否及び動作モードの制限を決定するよう制御している。尚、動作モードの制限内容(図13の右端欄の内容)は、適宜利用者により変更可能に構成しても良い。又、本装置に新たに機能が追加された際に、その追加機能の条件を設定し、それを反映した管理データとして管理テーブルデータ1300の内容を適宜更新するよう制御しても良い。
【0060】
他の設定例・制御例としては、例えば、データ送信動作時、原稿の読み取りは許可するが実際の送信はSTS=2の時許可するようCPU21により制御したり、受信動作時、受信データをHDD23に蓄えておき仮の時刻を記録しておき、STS=2の時、校正された日時を仮の時刻との差分を計算し受信データの時刻情報を書き換え、受信データのプリントを行う等の動作を実行可能にCPU21により制御してもよい。このように、更にきめ細かい制御を可能に構成しても良い。
【0061】
これにより、日時設定のみ正常でない場合でも、ある程度装置を使う事が可能になり装置の稼動率を向上させる等の効果が本実施形態によるその他の効果に加えて得られる。
【0062】
ここで、本実施形態の装置が具備する図1の表示部25、キー操作部26の例を図3〜図6に示す。
【0063】
図3〜図6は、図1に示した表示部25とキー操作部26を含む操作パネル部の一例を示す平面図であり、図1と同一のものには同一の符号を付してある。
【0064】
尚、本実施形態の操作パネルの構成に関し、表示部25の表示画面上にソフトキーを設け、それ以外(キー31〜38)をメカ的なハードキーとして構成した場合で主に説明するが、すべてのキーを操作画面上に設けるよう(全てソフトキー)に構成しても良いし、図3に示すハードキーの一部(キー31〜33等)を表示画面内にソフトキーとして搭載するよう構成しても良い。如何なる操作部構成でも本実施形態は適用出来る。
【0065】
図3〜図6の各図に示す表示部25は、上述のCPU21により表示制御されており、CPU21は、図2のフローチャートの処理を含む各種の処理に従って、メモリに保持しているSTSの値やMDの値等の各種パラメータに基づいて、該表示部25に表示すべき表示内容は決定し、その決定した表示内容を具備した操作画面を、表示部25に表示するよう制御している。従って、後述の各キーはハードキーでも操作画面内に具備するソフトキーでもどちらでも良い。
【0066】
なお、図3は、電源オン時の表示部25、キー操作部26の例である。
【0067】
これらの図において、表示部25は、例えば液晶画面を使用し図示の下部に示すように、日時設定の状況、日時情報に使用している。
【0068】
尚、この図3の状態は、本装置の動作状況が、操作者による時刻情報(第1タイプの時刻データ)の設定もなされておらず場合、且つ、外部の時刻情報発生源からの時刻情報(第2タイプの時刻データ)の設定もなされていない場合(STS=0の場合)に対応した表示画面例であり、このような状況の時に、CPU21は、図3の表示例のような表示内容を具備した操作画面を表示部25に表示するよう制御する。
【0069】
キー操作部26において、31は日時手動設定キーで、手動による日時設定を行う際、使用するキーである。キー31をユーザが押下したことに応答し、CPU21は、表示部25に、本装置の利用者による日時設定(第1タイプの時刻データの設定)を行う為の時刻情報手動設定画面(不図示)を表示させる。そして、当該画面を介して、及び詳細な説明は省略するが、数値の入力を行うテンキー38と入力のクリアを行うクリアキー36、入力の確定指示を行うエンターキー37の各キーを使って、操作者により手動で日時情報(何年、何月、何日、何時何分何秒等)を設定可能に構成している。
【0070】
上述の時刻情報手動設定画面を介して操作者による時刻情報の手動設定(第1タイプの時刻データの設定)がなされた場合(図2のフローのステップSP4に相当)、CPU21は、STSパラメータの値を「1」に更新し(ステップSP5に相当)、且つ、その手動設定された時刻データをメモリに登録し、その登録された時刻データを基準とした計時処理、及びその計時処理結果に基づく後述の図4のような時刻表示を表示部25に実行させるよう(本装置に対して時刻情報が設定されている旨、及びその時刻情報は本装置の操作者により手動で設定された旨を、本装置の利用者に識別可能にする為の表示データを具備した操作画面を表示部25に表示するよう)制御する(ステップSP6に相当)。
【0071】
これにより、本装置は時刻情報が設定されており、且つ、その時刻情報は操作者により手動で設定されたものであるということが操作部を介して利用者により把握可能にすることが出来る。
【0072】
32は日時自動設定キーで、時刻サービスサーバ14を使った日時設定を強制的に行う時、または、時刻サービスサーバ14を使った日時設定を定期的に行う際の時間間隔等を設定する為に使用する。時間間隔等の設定には、クリアキー36、エンターキー37、テンキー38を使用する。
【0073】
上述のキー32を介して、操作者は、時刻情報の自動設定指示を入力することが出来る。キー32がユーザにより押下された場合に、CPU21は、該指示を受け、時刻サービス利用モードに入り、本装置とデータ通信可能な時刻サービスサーバ14等の外部の時刻情報発生源から時刻情報を獲得し、その獲得した時刻情報(第2タイプの時刻データ)を基準とした計時処理、及びその計時処理結果に基づく後述の図5のような時刻表示を表示部25に実行させるよう(本装置に対して時刻情報が設定されている旨、及びその時刻情報は外部の時刻情報発生源から自動取得・設定した時刻情報である旨、及びその時刻情報は校正済みである旨を、本装置の利用者に識別可能にする為の表示データを具備した操作画面を表示部25に表示するよう)制御する。又、CPU21は、この一連の処理と共に、STSパラメータの値を「2」にデータ更新するよう制御する(以上、図2のステップSP7〜ステップSP10の処理に相当)。これにより、本装置は時刻情報が設定されており、且つ、その時刻情報は外部の時刻情報発生源からの時刻情報に基づいて自動設定されたものであり、該時刻情報は既に校正済みである事等が操作部を介して利用者により把握可能にすることが出来る。
【0074】
尚、このキー32が押下された場合、自動設定モードに移行して、外部の時刻情報発生源からの時刻情報の取得処理、及び外部から取得した時刻情報の設定処理、及び外部から取得した時刻情報による本装置の時刻情報の校正処理(時間合わせ処理)を実行させるようCPU21により制御するが、これらの取得処理、設定処理、校正処理は、ユーザがキー32を押下したら、その直後に、リアルタイムに実行させるよう制御しても良いし、ユーザがキー32を押下してから所定時間経過した後(例えば、1時間後)に実行させるよう制御しても良いし、ユーザがキー32を押下してから所定時間経過する毎に(例えば、4時間単位)で自動的に実行するよう制御しても良い。このように、自動設定処理の実行するタイミングは適宜本装置の利用環境に合わせて決定しても良く、このように、外部の時刻情報発生源から取得した時刻情報を使った管理・運用・制御が出来る構成であれば本実施形態は適用出来る。
【0075】
33は各種設定キーで、このキー33が押下されることに応答し、CPU21は、操作者によるパラメータMD値の設定処理及び変更処理を可能にする為のMD値設定画面(不図示)を表示部25に表示させる指示を入力する為のMD値設定キー、及び時刻サービスサーバ14を一度使用してから時刻サービスサーバ14を利用出来ない時間間隔の上限値を設定する為の上限値設定画面を表示部25に表示させる指示を入力する為の上限値設定キー等の、各種設定キーを具備した詳細設定画面(不図示)を表示部25に表示するよう制御する。
【0076】
例えば、上述のキー33のユーザ押下に応答して表示部25に表示させた詳細設定画面(不図示)のMD値設定キー(不図示)がユーザにより押下された場合、CPU25は、表示部25の表示内容を上述のMD値設定画面(不図示)に切り替え、該画面を介して、パラメータMDの値を操作者により設定及び変更可能に制御する。この画面を介して設定されたMD値はメモリに登録情報として保持させておき、上述の各種動作モードの制限時にこの値を利用する(後述の図7のステップSP21、SP22に相当)。
【0077】
同様に、上限値の設定には、クリアキー36、エンターキー37、テンキー38を使用する。この上限値は装置の時刻計測機能の精度と時刻精度の保障値から固定値としても良いが、本実施形態では初期値からユーザが任意に設定可能としている。
【0078】
例えば、上述のキー33のユーザ押下に応答して表示部25に表示させた詳細設定画面(不図示)の上限値設定キー(不図示)がユーザにより押下された場合、CPU25は、表示部25の表示内容を上限値設定画面(不図示)に切り替えるよう制御する。
【0079】
この上限値設定画面を介して、ユーザは、上述の自動設定モード下において時刻サービスサーバ14等の外部の時刻情報発生源から時刻情報を自動取得・設定・校正する時間間隔を設定可能に制御する。これにより、例えば、該画面を介してユーザにより時間間隔として「4時間」が設定された場合、この情報を管理情報として保持しておき、CPU21は、4時間経過する毎に、時刻サービスサーバ14にアクセスして、時刻情報を自動的に取得、設定、校正可能に制御する。
【0080】
又、本実施形態は、CPU21の制御の下、例えば、時刻サービスサーバ14にアクセス要求した時点から時刻サービスサーバ14から応答がない期間を応答無期間とし、この応答無期間が所定期間を経過したと判断した場合に、校正エラーと判断し、STSパラメータの値を「3」とし、例えば、図6の表示例のように、本装置が現在利用している時刻情報は校正処理(現在装置が採用している時刻情報と本当の時刻情報とがずれている場合にそのずれを調整し、正しい時間にする処理)が必要である旨を本装置の利用者に識別可能にする為の表示データを具備した操作画面を表示部25に表示可能に制御している(図2のフローのステップSP13やSP14の処理に相当)。
【0081】
そして、このような処理における、応答無期間が所定期間を経過したか否かの判断処理で用いる該所定期間自体を、上述の上限値設定画面を介して、ユーザにより設定可能に構成している。
【0082】
例えば、上記上限値設定画面においてユーザにより「15分」が設定された場合に、CPU21は、時刻サービスサーバ14に対してアクセスした時点から15分経過しても、何ら時刻サービスサーバ14から応答がないと判断したことに応じて、CPU21は、本装置の時間設定に関わる現在のステータス状況を要校正状態とし(STS=3にする)、図6のように、その旨を表示部25を介して利用者に通知可能に構成する。
【0083】
これにより、自動設定モードを利用可能なものにて、操作部25に表示している時刻情報は校正が必要である旨もユーザに把握させることが出来る。
【0084】
34はスタートキーで、送信処理すべき原稿に対する各種の設定(原稿に対する画像処理の設定や宛先の設定等)を行った上で、ユーザがキー34を押下すると、これを受けCPU21は、該原稿のジョブデータ送信動作を実行させるよう制御する。35はストップキーで、データ送信、データ受信動作の中止を指示する為のキーとして使用する。
【0085】
なお、本実施形態の装置はハードディスク等の複数のジョブを格納可能なメモリを有しており、該メモリに画像を保持しておくことも可能としており、プリント済みの画像もメモリから再度印刷可能に構成している。従って、このように再プリントする場合にも、その再プリントの設定を行った上で、スタートキー34を押すことで、受信したデータの再プリントを実行可能にする。
【0086】
上述のような本実施形態の構成を踏まえた上で、再度図2のフローチャートの説明に戻る。ステップSP2では、本装置は現在電源オンされ、パラメータSTS=0の状態なので、CPU21は、表示部25に、日時設定がされていない状態を示す「未設定」の表示を行うよう制御する。この表示の例を図3に示す。この例では文字により「未設定」の表示を行っているが、この場合、日時情報はオール0なので、日時情報「0000年00時00分00秒」を点滅するようにしてもよい。
【0087】
また、表示部25がカラー表示可能であれば日時情報の色や背景を例えば赤にするなどしてユーザに警告するようにしてもよい。
【0088】
このように、本実施形態は、現在の本装置の動作状況として、時刻情報が手動でも自動でも設定されておらず、時刻情報が未設定の状況下にて本装置が動作中である状況の場合には、その旨をユーザに通知する為の情報を報知するようCPU21により制御する。
【0089】
尚、本実施形態では、報知ユニットの一つの例として表示部25を採用しているが、報知方法の形態としては、これに限らず、音声を出力する音声ユニットや表示ランプ等の報知ユニットでも適用可能にし、例えば、上記の旨をユーザに通知する為の情報を音声ユニットによる音声出力によりユーザに報知する構成でも良い。
【0090】
次に、ステップSP3で、キー操作部26の日時手動設定キー31が押された場合、あるいは日時自動設定キー32が押された場合、もしくは、所定時間間隔に設定した時刻サービスサーバ14を使った日時設定の定期的なサービスが必要か判断して、いずれの条件にも該当しないと判断した場合は、ステップSP11に進む。
【0091】
本実施形態において、時刻サービスサーバ14による日時情報の校正(正確な時間に調整する為の時間合わせ処理等)を行うには、所定の時間間隔(この時間間隔は、上述したように、キー33の押下により表示部25に表示させる上述の設定画面を介してユーザにより設定可能)で時刻サービスにアクセスする、もしくは、キー操作部26のキー操作により時刻サービスにアクセスするものとする。このように、本実施形態では、時刻サービスから時刻データを取得する処理及び取得した時刻データに基づいた時間合わせ処理を含む一連の処理を実行させるタイミングとして、操作部からのキー操作に応答して、そのタイミングでリアルタイムに実行させる場合と、所定時間間隔毎に実行させる場合の、2つのケースを用意し、両タイミングでも、いずれか一方のタイミングでも、上記処理を適宜実行可能に、CPU21により制御している。
【0092】
一方、ステップSP3で、キー操作部26の日時手動設定キー31が押されたと判断した場合は、ステップSP4で、日時手動設定キー31が押されたと判断された場合に実行されるプログラムに基づき、上述のようにテンキー38等を使い、日時の設定を行う。
【0093】
そして、日時が正常に入力されたらステップSP5に進み、CPU21は、メモリ内のSTSパラメータの値を、パラメータSTS=1とするようデータ更新させる。
【0094】
次に、ステップSP6に進み、図4に示すように「手動済」と表示部25に表示を行う。
【0095】
なお、表示部25がカラー表示可能であれば日時情報の色や背景を例えばオレンジ色にするなどして「設定はされたが本当に正確かは保障できない」旨ユーザに警告するようにしてもよい。そして、ステップSP6終了後はステップSP11に進む。
【0096】
このように、本実施形態は、現在の本装置の動作状況として、操作者により操作部を介して時刻情報が手動で設定されたステータス(第1タイプの時刻データによる設定)である場合には、その旨(現在、本装置に対して時刻情報が設定されている旨、及びその設定済みの時刻情報は操作部を介してユーザにより手動で設定された旨、及び時刻情報が利用者により手動設定された状況下で本装置が動作している旨など)を利用者に通知する為の表示データを具備した操作画面を表示部25に表示するようCPU21により制御している。
【0097】
一方、ステップSP3で、日時自動設定キー32が押された場合、もしくは、所定時間間隔に設定した時刻サービスサーバ14を使った日時設定の定期的なサービスが必要と判断された場合、ステップSP7に示す時刻サービス処理を実行する。
【0098】
具体的には、時刻サービスサーバ14を使った日時設定処理を行い、ステップSP8に進み、ステップSP7の日時設定処理が正常に行われたか否かの判断を行い、正常であると判断した場合は、ステップSP9に、異常であると判断した場合はステップSP11に進む。
【0099】
なお、ステップSP8で異常と判断される場合には、時刻サービスサーバ14のサービスが停止している場合、インターネット13に何らかの原因で接続出来ない場合、ネットワークカード24に何らかの故障があり時刻サービスサーバ14にアクセス出来ない場合等、色々な要因が考えられる。
【0100】
また、異常と判断された場合、異常があったと表示するとともに細かな原因が特定できた場合、一緒に表示部25に表示するようにしても良い。
【0101】
そして、ステップSP8で、正常に時刻サービスサーバ14を使った日時設定処理が終了したら、ステップSP9で、パラメータSTS=2とし、ステップSP10で、図5に示すように「校正済」を表示部25に表示を行う。なお、表示部25がカラー表示可能であれば日時情報の色や背景を例えば黒色や緑色にするなどし「日時情報が保障できる状態である」旨ユーザに明示するようにしてもよい。
【0102】
このように、本実施形態は、現在の本装置の動作状況として、本装置に対して外部の時刻情報発生源から取得した時刻情報が設定され(第2タイプの時刻データによる設定)、その外部から取得した時刻情報に従って本装置が動作する状況である場合には、その旨(現在、本装置に対して時刻情報が設定されている旨、及びその設定済みの時刻情報は外部の時刻情報発生源から獲得した時刻情報である旨、及び現在、本装置は、その外部から獲得した時刻情報に従って動作する状況である旨など)を利用者に通知する為の表示データを具備した操作画面を表示部25に表示するようCPU21により制御している。
【0103】
一方、ステップSP11では、時刻サービスサーバ14を利用出来ない時間間隔の上限値と前回時刻サービスサーバ14を利用してからの現在の時間間隔値を比較する。そして、ステップSP12で、現在の時間が所定範囲内か判定を行い、範囲内であると判断した場合はステップSP3へ進み、範囲外であると判断した場合はステップSP13に進む。
【0104】
そして、ステップSP13で図6に示すように「要校正」を表示部25に表示を行う。次に、ステップSP14で、パラメータSTSを「3」として、ステップSP3へ戻る。
【0105】
なお、上記ステップSP13において、表示部25がカラー表示可能であれば日時情報の色や背景を例えば青色にするなどし「日時情報が保障できない状態である」旨ユーザに明示するようにしてもよい。
【0106】
このように、本実施形態は、現在の本装置の動作状況として、外部の時刻情報発生源から取得する時刻情報(第2タイプの時刻データ)を使って本装置の時間情報を調整(校正)する設定がなされているが、適正に校正処理が行えていない状況である場合には、その旨(外部から取得する時刻情報に基づいた時刻校正処理を実行する設定がなされているが、適正に校正処理が完了していない旨など)を利用者に通知する為の表示データを具備した操作画面を表示部25に表示するようCPU21により制御している。
【0107】
図7は、本発明に係る電子機器における第2のデータ処理手順の一例を示すフローチャートであり、図3に示した各種設定キー33を押した場合の動作手順に対応する。なお、SP21〜SP24は各ステップを示す。
【0108】
図3に示した各種設定キー33が押された場合、まず、ステップSP21を実行する。そして、ステップSP21では、パラメータMDの値を変更する等の動作モードを設定するか否かの判定を行い(例えば、キー33の押下に応答し表示部25に表示させた不図示の詳細設定画面上のMD値設定キー(不図示)がユーザにより押下されたか否かの判断を行う)、YESであれば、ステップSP22に進み、不図示のMD値設定画面を表示部25に表示させ、該画面を介してユーザによりパラメータMDの値の変更を行わせる。なお、パラメータMDの値は、本実施形態では、「0」から「2」であり、ステップSP22は、この値の範囲で数値の変更を行う。これによりパラメータMDの値を適宜データ更新するようCPU21は制御する。
【0109】
そして、ステップSP23では、時刻サービスサーバ14を利用出来ない時間間隔の上限値の変更が必要かの判定を行い(例えば、キー33の押下に応答し表示部25に表示させた不図示の詳細設定画面上の上限値設定キー(不図示)がユーザにより押下されたか否かの判断を行う)、NOならば、そのまま処理を終了し、YESの場合は、ステップSP24に進み、不図示の上限値設定画面を表示部25に表示させ、該画面を介してユーザにより上限値の変更を行わせて、その上限値の情報(外部から時刻情報を取得する処理及びその取得した時刻情報を使った時間調整処理を含む一連の校正処理を所定期間経過する毎に定期的に実行させる場合に該所定期間をどのくらいの間隔にするかの設定データ、及び時刻サービスサーバ14から時刻情報を獲得する為に時刻サービスサーバ14に対して時刻情報の獲得要求を示すアクセスを行ったが該時刻サービスサーバ14から応答が無い場合において、どのくらい時間が経過したらエラーとして表示部25に要校正画面を表示させるかを決定する為の、その無応答期間に関する設定データ等)をメモリに保持して、処理を終了する。
【0110】
図8は、本発明に係る電子機器における第3のデータ処理手順の一例を示すフローチャートであり、パラメータMD値に基づくインターネットファクシミリの送受信動作手順に対応する。なお、SP31〜SP36は各ステップを示す。CPU21は、この処理を行うにあたり、現在メモリ上にセットされているSTSパラメータの値、MDパラメータの値、及び図13に示す管理テーブルデータ1300の情報をメモリから読出し参照し、これらの情報に従った処理を実行させるよう制御している。
【0111】
なお、本処理は、図3に示したスタートキー34が押されるか、インターネットファクシミリの自動受信、手動受信のリクエストがあった場合に実行される。
【0112】
まず、ステップSP31では、パラメータSTSの値が「2」であるか否かの判定を行い、YESの場合、ステップSP32に進み、データ送信、もしくは、データ受信動作を行い、処理を終了する。
【0113】
一方、ステップSP31で、パラメータSTSの値が「2」でないと判断した場合は、ステップSP33で、パラメータMDの値が「1」であるか否かの判定を行い、YESの場合、ステップSP34に進み、受信リクエストであるか判断し、受信リクエストの場合、受信動作を行い、送信リクエストの場合、何もせずスキップする等して、処理を終了する。
【0114】
一方、ステップSP33で、パラメータMDの値が「1」でないと判断した場合は、ステップSP35で、パラメータMDの値が「2」でるか否かの判定を行い、YESの場合は、ステップSP36に進み、送信リクエストであるか判断し、送信リクエストの場合、送信動作を行い、受信リクエストの場合、何もせずスキップ等して、処理を終了する。
【0115】
一方、ステップSP35で、パラメータMDの値が「2」でないと判断した場合は、本処理を終了する。
【0116】
なお、送信、受信の詳細な動作フローは省略するが、実行時に動作ログをHDD23に残すようにする。この際、STS値を時刻と一緒に記録する。
【0117】
このように、図8に示すフローチャートによれば、パラメータSTSの値、パラメータMDの値により上記説明の動作の制限が実現される。
【0118】
図9は、図1に示した電子機器における送受信に関するログ情報の表示例を示す図である。このログ情報は不図示のメモリ上に格納保持させるようCPU21により制御しており、例えばユーザからの指示に応答し、適宜、該ログ情報を表示部25に表示するよう制御している。
【0119】
図9において、JobIDと書かれた列は、送受信動作を行った際の動作順を示すIDである。Send/Receiveと書かれた列は、受信、送信の動作を示す。STSと書かれた列は、送受信が行われた時のSTS値を示す。Date&Timeの列は、送受信が行われた時の日時分秒を示す。
【0120】
図9の例では、電源ON直後、STS=0の時、一回送信動作が行われ。二回目の送信の前に手動で日時の設定が行われ、時刻サービスサーバ14を使った日時設定はJobID=4の前に行われたという事がパラメータSTSの値より分る。
【0121】
また、JobID=9のところでSTS=3となっているのは、時刻サービスサーバ14を利用出来ない時間間隔の上限値を96時間とセットしていたが何らかの理由により、この上限をJobID=8からJobID=9との間に越えてしまったということを示している。
【0122】
そして、JobID=10の前に、正常に時刻サービスサーバ14を利用出来、STS=2の状態に復帰している事が分る。
【0123】
なお、図9の例は、データ送受信ログなので、時刻設定に関わる動作の記録表示を除外しているが、必要に応じ手動による時刻設定、自動時刻校正のされたログを残し表示、印刷するようにしても良い。
【0124】
また、図9では採用されたパラメータSTS、Date&Time情報のみを記録しているが、採用前の自装置、相手装置のパラメータSTS、Date&Time情報を記録、表示可能にしても良い。
【0125】
この場合、異常動作の判断も可能になり、より正確な動作情況を把握可能になる。
【0126】
このように、本実施形態では、本装置にて処理したジョブの履歴情報を記憶管理するようCPU21により制御しており、その履歴情報として、各ジョブ毎に、そのジョブの処理モードを識別可能にし(外部送信モードのジョブなのか、外部受信プリントモードのジョブなのかを区別可能にし)、尚且つ、そのジョブを処理した際の本装置のステータスは、STS=0の状況であったのか、STS=1の状況であったか、STS=2の状況であったか、STS=3の状況であったのかを区別可能にし、尚且つ、その処理を実行した際の時刻を特定可能にするよう、履歴データを作成管理するよう制御しており、操作部からのユーザからのログ情報表示指示に応答して、該履歴データを図9の表示例のような表示画面形式で表示部25に表示するようCPU21により制御している。
【0127】
以上、説明したように本実施形態によれば、時刻サービスサーバ14を利用した装置において、その装置の日時設定情報の確かさをパラメータSTSの値として記録、利用する事により、装置が動作した日時情報の正確さがユーザに分るようになった。
【0128】
また、日時情報が正確でない状態で装置を使用したくない場合、ユーザに指示により動作の制限を加える事が出来るようになった。
【0129】
以下、より具体的なSTS情報、日時情報に関する情報交換に関する動作フローの例を図10〜図12を参照して説明する。
【0130】
図10は、図1に示したインターネットファクシミリ11とインターネットファックス310との通信セッション(通信手続き)を説明する図である。
【0131】
図11は、本発明に係る電子機器における第4のデータ処理手順の一例を示すフローチャートであり、図8に示したステップSP32、SP36の送信処理手順に対応する。なお、SP41〜SP46は各ステップを示す。
【0132】
まず、ステップSP41で、図10に示す接続に相当する処理を行う。そして、ステップSP42で、図10に示す自装置時刻情報送信、相手装置時刻情報受信に相当する処理を行い、上述のように通信の遅延時間の補正を行うため、時刻情報の交換と時刻の計算を行う。
【0133】
なお、本実施形態では、相手装置が時刻自動設定機能を内蔵していない場合を想定して、ステップSP43の処理を追加している。
【0134】
そして、ステップSP43で、相手が時刻自動設定機能を内蔵しているかの判断を行い、内蔵していないと判断した場合、ステップSP45へ進み、内蔵していると判断した場合、ステップSP44に進み処理を行う。
【0135】
そして、ステップSP44で、自装置のパラメータSTSと相手装置のパラメータSTSの値の比較判断を行い、最適な時刻情報の選択処理(例えば、下記の時刻情報採用例1〜10)を行う。
【0136】
〔時刻情報採用例1〕
例えば、自装置のパラメータSTS=0(設定なし状態)で、かつ、相手装置のパラメータSTS=0である場合、共通のパラメータSTSは「0」となり、日時情報として、互いの情報をそれぞれ保持し合う。
【0137】
〔時刻情報採用例2〕
自装置のパラメータSTS=0で、相手装置のパラメータSTS=0以外の場合には、共通のパラメータSTSは相手装置のパラメータSTSの値とし、日時情報は相手装置の日時情報を採用する。
【0138】
〔時刻情報採用例3〕
また、自装置のパラメータSTS=1(手動設定状態)で、かつ、相手装置のパラメータSTS=0である場合は、共通のパラメータSTSの値は「1」となり、日時情報として、自装置の日時情報を採用する。
【0139】
〔時刻情報採用例4〕
さらに、自装置のパラメータSTS=1(手動設定状態)で、かつ、相手装置のパラメータSTS=1である場合、共通のパラメータSTSは「1」となり、日時情報は、互いの装置の日時情報が変更無し状態となる。
【0140】
〔時刻情報採用例5〕
また、自装置のパラメータSTS=1で、かつ、相手装置のパラメータSTS=2もしくは3の場合、共通のパラメータSTSは、相手装置のSTSの値となり、日時情報として、相手装置の日時情報を採用する。
【0141】
〔時刻情報採用例6〕
さらに、自装置のパラメータSTS=2で、かつ、相手装置のパラメータSTS=2の場合、共通のパラメータSTSは「2」となり、日時情報は、互いの情報を保持し合う。
【0142】
〔時刻情報採用例7〕
また、自装置のパラメータSTS=2、相手装置のパラメータSTS=2以外の場合、共通のパラメータSTSは「2」となり、日時情報は、自装置の日時情報を採用する。
【0143】
〔時刻情報採用例8〕
また、自装置のパラメータSTS=3で、かつ、相手装置のパラメータSTS=2である場合、共通のパラメータSTSは「2」となり、日時情報は、相手装置の日時情報を採用する。
【0144】
〔時刻情報採用例9〕
さらに、自装置のパラメータSTS=3で、かつ、相手装置のパラメータSTS=3である場合、共通のパラメータSTSは、「3」となり、日時情報は互いの情報を保持し合う。
【0145】
〔時刻情報採用例10〕
また、自装置のパラメータSTS=3で、かつ、相手装置のパラメータSTS=0もしくは1の場合、共通のパラメータSTSは「3」となり、日時情報は自装置の日時情報を採用する。
【0146】
この例では、自装置と相手装置のパラメータSTS値のみを比較して判断しているが、日時情報の比較を加味しても良い。その場合、互いのパラメータSTS=2にもかかわらず日時情報が大きく異なる場合などの異常検知などを行い、採用したパラメータSTSの値と日時情報と一緒に自装置、相手装置の元のパラメータSTS値と日時情報を記録し後で参照できるようにしておいても良い。
【0147】
そして、ステップSP45では、ステップSP44の処理が行われた場合は、その判断により自装置のパラメータSTSの値、日時情報の変更を行う。
【0148】
次に、ステップSP46では、修正されたパラメータSTSの値、日時情報を用いてインターネットファックス送信処理を行い、処理を終了する。
【0149】
図12は、本発明に係る電子機器における第5のデータ処理手順の一例を示すフローチャートであり、図8に示したステップSP32、SP34の受信処理手順に対応する。
【0150】
なお、ステップSP51からステップSP56の処理は、図11のステップSP41〜ステップSP46に対応しており、処理内容も同じなので説明は省略する。
【0151】
また、上記電子機器には、プリンタ装置,スキャナ装置,スキャナ機能とプリンタ機能とを兼ね備える複合画像処理装置,携帯端末機器(例えば携帯電話,デジタルカメラ)等を含むものとする。以下、その一例を説明する。
【0152】
上述の形態では、電子機器として、ファクシミリ装置を例として説明したが、その他のデバイスであって、時間指定処理を伴って所定のデータ処理を行う様な機器、例えばスキャナ装置,プリンタ装置,スキャナ機能とプリンタ機能とを通信により行う複合画像処理装置であっても本発明を適用可能である。また、これらの機器が複数ネットワーク上で接続されているような画像処理システムであっても本発明を適用可能である。
【0153】
〔具体例1〕
時刻指定を伴ってインターネット上のホームページにアクセスして、最新のホームページをダウンロードして印刷する処理時に、上記時刻設定状態を判定して、上記ホームページへのアクセスを制限したり、該アクセスは実行して、ダウンロードしたページの印刷を制限したり、該印刷処理がカラーページであっても、時刻設定が正確でないときは、カラー印刷に代えてモノクロ印刷したり、受信したページの情報をハードディスクに蓄積する等を制限テーブルとして管理して、該ホームページの印刷処理実行を細かく制御できるように構成してもよい。
【0154】
〔具体例2〕
ネットワークで複数の機器が通信可能な場合にはそれぞれの時刻の設定状態において、ネットワーク上で処理可能な複合画像処理装置の複合機能使用あるいは単一機能使用を制限するように構成してもよい。
【0155】
〔具体例3〕
また、例えば複合画像処理装置において、プリントジョブを受けた際に、時刻指定印刷情報が付加されている場合に、時刻設定が正確でないときは、カラー印刷要求に代えてモノクロ印刷したり、受信したプリントジョブをハードディスクに蓄積する等を制限テーブルとして管理して、該プリントジョブの処理実行を細かく制御できるように構成してもよい。
【0156】
このように、本形態によれば、時刻サービスを利用した装置における時刻設定状態の詳細に分析し、その状態を保持するとともに、ユーザに操作部などを介して認知可能となる。
【0157】
また、信頼出来る日時情報が保障出来ない場合、動作を制限する機能処理を容易に行える。
【0158】
また、動作を制限させない場合、動作の状態記録時に上記の時刻設定状態を同時に記録することもできる。
【0159】
尚且つ、時刻サービス機能に対応したその装置(本例ではインターネットファクシミリ装置)が実行可能な処理や、有する機能及び利用環境を考慮した上記各種の表示制御や動作制限を実現可能とし、適正な管理運用ができ、その装置の特性に見合った操作性の向上が図れる。
【0160】
〔第2実施形態〕
次に、図14〜図30などを用いて第2実施形態例について説明する。
【0161】
上述の形態例では、主に、インターネットファクシミリ装置で説明したが、ここでは、電子機器の他の例として、コピー機能やプリント機能やファクシミリ機能等の複数の機能(モードとも呼ぶ)を具備したデジタル複合機能装置としての画像形成装置の場合を例にとり説明する。
【0162】
図14は、本発明の第2実施形態を示すネットワークシステム構成を説明する図である。
【0163】
図14において、画像形成装置1401は、ネットワーク等の通信媒体1400を介して、時刻サーバ等の時刻情報発生源となる外部装置1402や、ホストコンピュータ等のクライアントコンピュータ1403や1404や、他の画像形成装置としてのデジタル複合機1405や、上述の実施形態で述べた装置と同様なインターネットファクシミリ装置1406と、各種のデータ通信を可能としている。
【0164】
そして、本画像形成装置1401は、コピーモードやプリントモードやファクシミリモード等の複数のモードを具備しており、自装置のスキャナ部で読取ったジョブデータや、クライアントコンピュータ1403や1404から出力されたジョブデータや、他のデジタル複合機が具備するスキャナから出力されたジョブデータや、インターネットファクシミリ装置1406から出力されたジョブデータ等を、自装置が具備するハードディスク等の記憶ユニットを介して、自装置が具備するプリンタ部でプリント処理させたり、自装置が具備する通信ユニットを介して他装置へ転送処理させたり、各種の出力処理を実行可能に構成している。尚且つ、上述した時刻サービス機能も搭載している。
【0165】
図15は、図14に示した画像形成装置1401の構成を説明するブロック図であり、図14と同一のものには同一の符号を付してある。
【0166】
図15において、本実施形態の画像形成装置1401は、制御部1501、スキャナ部1502、操作部1503、メモリ1504、外部通信部1505、データ処理部1506、プリンタ部1507、ハードディスク1508等の各種のユニットを具備している。
【0167】
スキャナ部1502はADF等の原稿給送装置を有し原稿台にセットされた原稿画像の読取処理を実行し、該読取った画像データをデータ処理部1506へ出力する。
【0168】
操作部1503はタッチパネル形式の表示部やメカ的なハードキーを具備し、操作者による各種の設定を行わせる。メモリ部1504は、制御部1501が各ユニットを制御する上で必要なプログラムや後述する管理テーブルデータ等の各種の管理情報等を記憶する。
【0169】
外部通信部1505は、ネットワーク1400等の通信媒体を介して、各種の外部装置(図14に示す1402〜1406等)との各種のデータ(画像データやコマンドデータやステータスリクエスト情報やステータス情報、時刻データ等)の送受を行う。データ処理部1506は、画像データを処理する際のページメモリ等のメモリや画像処理部や外部装置からのPDLデータをビットマップデータに展開する展開部やデータの圧縮処理や伸長処理を行う圧縮・伸長部等を具備し、スキャナ部1502からのジョブデータ(画像データを含む)や外部通信部1505を介して入力された外部装置からのジョブデータを、ジョブデータに対して設定された出力処理条件に従って適宜処理し、該処理済み画像データをハードディスク1508やプリンタ部1507へ出力したり、外部装置へ送信する場合は外部通信部1505へ処理済画像データを出力する。
【0170】
ハードディスク1508は、複数のジョブデータ(複数の一連の画像データ)を記憶・保持可能な記憶領域を具備し、データ処理部1506経由で入力される、スキャナ部1502からのジョブデータや各種の外部装置(図14に示す1402〜1406等)からのジョブデータ等を記憶保持可能に構成されている。プリンタ部1507は、データ処理部1506経由で入力される、スキャナ部1502からのジョブデータや各種の外部装置(図14に示す1402〜1406等)からのジョブデータやハードディスク1508からのジョブデータを、そのジョブに対して設定された印刷処理条件に従ってプリント処理する。
【0171】
そして、制御部1501は、これら画像形成装置1401が具備する各種のユニット(1502〜1508等)を全体制御し、各ユニットに適切な処理を実行させるよう制御している。
【0172】
尚、このように、これらの各ユニットを画像形成装置1401が全て具備する例について説明するが、本実施形態はこれに限らず、こられの一部のユニットを外部に設ける構成(例えば、ハードディスク1508等の記憶ユニットが外部装置に設けられているシステム)や、同一筐体内に具備する構成や、別筐体に夫々収められている構成(例えば、スキャナ部1502やプリンタ部1507が夫々別筐体で構成されているシステム)でも良く、様々な装置構成に本実施形態は適用出来る。
【0173】
又、制御部1501は、これら各ユニットの動作状況を把握する為に、各ユニットに問い合わせデータを発行したり、その返信結果データを受信可能に構成しており、各ユニットのステータス状況などを把握できるようにしている。
【0174】
例えば、制御部1501は、スキャナ部1502からの状態情報に基づき、スキャナ1502にて原稿読取中であるか否かに関する情報や原稿ジャムが発生していないか等の情報を確認し、ハードディスク1508からの状態情報に基づき、ハードディスク1508にてジョブデータの書き込み中や読出し中であるか等の情報を確認し、プリンタ部1507からの情報により、プリンタ部1507にてプリント中か否か、エラーが発生していないか等の情報を確認し、外部通信部1505からの情報により、外部データの受信中であるか、外部装置へデータ転送中であるかに関する情報を確認するなど、各種のステータス情報を取得把握可能に構成している。
【0175】
又、本画像形成装置1401は、上述例と同様に、時刻サービスを利用可能な構成としており、本装置の操作部から手動で時刻情報を設定可能とする(第1タイプの時刻データの設定)と共に、本装置とデータ通信可能な外部の時刻情報発生源(例えば図14に示す1402)からの時刻情報を設定可能としており(第2タイプの時刻データの設定)、これに関わる各種の制御(操作画面表示制御、動作モード制限制御)を制御部1501により実行している。
【0176】
制御部1501は、操作部からのユーザの指示に応答し、外部の時刻情報発生源となる外部装置1402(時刻サーバとも呼ぶ)に対して、例えばネットワーク1400経由で、時刻データの取得要求コマンドデータを送信し、これに応答し、該外部装置1402は正確な時刻データを本画像形成装置1401に返信し、本画像形成装置1401は該外部から取得した時効データを適宜設定可能としている。
【0177】
尚、本実施形態は、このように、本画像形成装置1401の制御部1501が、該外部の時刻情報発生源に対して積極的に時刻データの取得要求を発行することで、該外部の時刻情報発生源から時刻データを獲得するという構成でも良いが、本画像形成装置1401から時刻データの取得要求コマンドを該外部装置1402に出力すること無しに、該外部装置1402から定期的に時刻データを配信してもらうようにすることで、該時刻データを制御部1501が獲得するような構成でも良い。
【0178】
但し、少なくとも、本画像形成装置1401の操作者により、外部の時刻データが欲しい旨を、例えば外部の時刻データの獲得要求指示として、操作部1503等のユーザインターフェースを介して入力したら、該外部装置1402から時刻データを獲得できるようにする。そして、制御部1501は、取得した外部からの時刻データに基づいた操作部1503に対する各種の表示制御や、本画像形成装置が具備する機能、動作モードの動作制限制御を実行可能にする。
【0179】
尚、制御部1501は内部にタイマユニットを具備しており、例えば、操作部から時刻データが手動で設定されたら、その手動設定された時刻データを基準にタイマを1秒ずつカウントし、それを時刻情報として反映させる(例えば操作部1503に現在の日時を表示する際に利用)。又、同様に、外部からの時刻データが設定されたら、その外部から獲得した時刻データを基準にタイマを1秒ずつカウントし、それを時刻情報として反映させる。
【0180】
次に、制御部1501により制御される操作部1503について図16を用いて説明する。
【0181】
図16は、図15に示した操作部1503の一例を示す平面図であり、図15と同一のものには同一の符号を付してある。
【0182】
図16において、操作部1503は、表示部1601や、メカ的なハードキー部1602を具備している。尚、表示部1601は、液晶型タッチパネル形式で構成されており、各種の情報を表示したり、ソフトキーを具備した操作画面を表示して、ユーザによるボタン押下に応答可能に構成されているが、本実施形態は、このようなタッチパネル形式のUIに限らず、例えばプリンタドライバのように、マウス操作等、ポインティングデバイスによりキー操作可能な構成でも良い。何れにしても、各種の情報を表示する表示機能としての役目と、各種のユーザからの指示を入力する操作指示機能としての役目を兼用できるような構成であればよい。
【0183】
ユーザのキー1603の操作により本画像形成装置1401の電源のON/OFFを実行する。ユーザのスタートキー1604の操作により各種のユーザの所望のジョブの処理を実行させる。キー1605はテンキーとして各種の数値入力を行う。ユーザキー1606は初期設定や管理者設定やタイマ設定等の各種のユーザモード設定画面を表示させる指示を入力する為のものである。尚、ハードキー群1602には、データの受信中の旨をユーザに通知する表示部やエラーが発生した場合にその旨を点滅表示でユーザに通知する表示部や電源がON状態である旨をユーザに通知する表示部なども具備している。
【0184】
次に、制御部1501による表示制御のもと操作部1503内の表示部1601に表示させる各種の操作画面例ついて図17〜図27等を用いて説明する。
【0185】
図17〜図27は、図16に示した表示部1601に表示される操作画面例を示す図である。
【0186】
図17に示すように、表示部1601に表示させる表示画面1700は、主に、3つの表示構成要素を有するよう構成されている。
【0187】
1つは、コピーモードや送信モードやファクシミリモードやボックスモードや拡張モード等を含む、本画像形成装置1401が具備する複数の動作モード(機能とも呼ぶ)の中から所望の動作モードをユーザにより選択させる為の操作指示キー(操作ボタン)を具備する機能選択部1701、1つは、該機能選択部1701を介して選択された動作モードにて処理対象となるジョブデータ(画像データ)に対して各種の処理条件(例えば印刷設定パラメータ等)をユーザにより設定する為の操作指示キーを具備した処理条件設定部1702、1つは、本画像形成装置1401の動作状況を示す各種のステータス情報(画像データ読込中、プリント中などの動作状況情報、原稿ジャム、記録紙ジャム、ステイプルジャム等の各種のエラー情報、トナー切れ、紙なし等の各種の警告情報などを含む)をユーザに通知確認可能にする為のステータス表示部1703である。
【0188】
このように、表示部1601に表示させる表示画面の内容としてこれら3つの表示構成要素を有す。処理条件設定部1702は、機能選択部1701で選択されたモードに応じた表示内容となるよう表示制御される。機能選択部1701は、他の画面に遷移しても機能できるように(例えば、他の画面に移行しても機能選択部1701が表示されているような操作画面で、機能を選択できる構成)表示制御される。ステータス表示部1703は、どの画面に遷移しても常に画像形成装置のステータス情報がユーザにより確認できるように(例えば、どの画面に切り替えてもステータスライン1703が表示部に表示されているような状態にする)表示制御される。
【0189】
本画像形成装置1401は、スキャナ部1502からのジョブデータ(画像データとも呼ぶ)をハードディスク1508等のメモリを介してプリンタ部1507でプリントさせるコピーモードを有す。又、クライアントコンピュータ1403、1404、他のデジタル複合機1405、ファクシミリ装置1406等の外部装置からのジョブデータをハードディスク1508等のメモリを介してプリンタ部1507でプリントさせる外部プリントモードも有す。又、スキャナ部1502から出力されたジョブデータや外部装置(1403から1406等)から出力されたジョブデータをハードディスク1508内部の所定の記憶領域(ボックス領域とも呼ぶ)に格納保持させ、該ボックスへのジョブデータの格納後、操作部1503から所望のジョブデータを選択して、その時点で、プリンタ部1507でプリントさせたり、外部通信部1505により外部装置へ送信処理させることが可能なボックスモードも有す。このように本実施形態の画像形成装置は、少なくとも2つの動作モードを含む複数の動作モードを具備しているが、本実施形態はこれに限らず、いずれか1つの動作モードのみを有する単一機能の画像形成装置であっても良い。
【0190】
そして、本画像形成装置1401は、制御部1501の制御のもと、当該表示部1601に時刻情報を表示可能に構成しており、本画像形成装置1401に対して時刻情報が設定されているか否か、及び時刻情報がセットされているならば、それはユーザが自装置の操作部1503を介して手動で設定された時刻データ(第1タイプの時刻データ)に基づいた時刻情報であるのか、或いは、外部の時刻情報発生源(例えば時刻サーバ1402等)から供給された時刻データ(第2タイプの時刻データ)に基づいた時刻情報であるのか等をユーザが、それぞれ他の状態と区別して識別可能にする為の通知データを表示部1601を介して報知させるよう制御部1501により制御している。尚、表示部1601は、あくまでも報知ユニットの一例であって、本実施形態はこれに限らず、例えば、音声出力可能な音声ユニット等の報知ユニットにより上記通知データを報知させることにより、該情報をユーザに通知するような構成でも勿論良い。この制御部1501による操作部1503に対する表示制御を、図18〜図24等の操作画面例を使って説明する。
【0191】
本実施形態の制御部1501は、操作部1503からの時刻データに関するユーザ設定情報や、メモリ1504からの時刻データに関する登録情報や外部通信部1505からの外部の時刻情報発生源(図14の時刻サーバ1402等)からの時刻データに関わる情報などに基づき、画像形成装置1401の現在のステータス情報(カレントステータス情報)の1つの要素として、例えば以下のような時刻情報にかかわる複数種類のステータス情報を区別把握管理し、それを表示部1601での表示画面上に反映させたり、動作モード制限に活用している。
【0192】
(1)現在、本画像形成装置1401は、時刻データのユーザ手動による設定がなされておらず、且つ、時刻サーバからの時刻データの自動取得による設定もなされておらず、時刻情報が未設定状態のままでの動作環境下であること(即ち、本画像形成装置1401は、現在、第1タイプの時刻データも、第2タイプの時刻データも、何れも利用していない事)を意味する第1状態(第1の時刻情報ステータス状態)。
【0193】
(2)現在、本画像形成装置1401は、時刻情報が設定済みであり、その時刻情報は、ユーザが自装置の操作部1503を介して手動で設定された時刻データ(第1タイプの時刻データ)に基づいた時刻情報であり、現在、本画像形成装置1401は、その時刻情報にのっとった動作環境下であること(即ち、本画像形成装置1401は第1タイプの時刻データに基づいた時刻情報を現在利用していること)を意味する第2状態(第2の時刻情報ステータス状態)。
【0194】
(3)現在、本画像形成装置1401は、時刻情報が設定済みであり、その時刻情報は、外部の時刻情報発生源(例えば時刻サーバ1402等)から獲得した時刻データ(第2タイプの時刻データ)に基づいた時刻情報であり、信頼度のより高い高精度の時刻情報であり、現在、本画像形成装置1401は、その時刻情報にのっとった動作環境下であること(即ち、本画像形成装置1401は第2タイプの時刻データに基づいた時刻情報を現在利用していること)を意味する第3状態(第3の時刻情報ステータス状態)。
【0195】
(4)現在、本画像形成装置1401は、時刻情報が設定済みではあるが、その時刻情報は、最も高い精度ではない時刻情報であり、その時刻情報に対して校正処理(現在の実際の時間に合わせるよう時間合わせする処理)が必要であり、現在、本画像形成装置1401は、時刻情報の要校正状態のままでの動作環境下であること(即ち、本画像形成装置1401が現在利用している時刻情報は時間調整等の校正処理が必要でること)を意味する第4状態(第4の時刻情報ステータス状態)。
【0196】
このように、本実施形態の画像形成装置1401は、制御部1501による制御のもと、時刻情報にかかわる複数種類のステータス情報を取り扱っている。
【0197】
制御部1501は、本画像形成装置1401における時刻情報に関わる現在のステータス(カレントステータス)が上述の第1状態に該当すると判断した場合に、上記第1状態である旨をユーザに識別可能にする為の通知データの表示を行うステータス表示部を具備した表示画面(例えば、図18に示すように、ステータス表示部1703bを具備した操作画面1700b)を、表示部1601に、表示させるよう表示制御する。
【0198】
制御部1501は、本画像形成装置1401における時刻情報に関係する現在の動作状態が上述の第2状態に該当すると判断した場合に、上記第2状態である旨をユーザに識別可能にする為の通知データの表示を行うステータス表示部を具備した表示画面(例えば、図19に示すように、ステータス表示部1703cを具備した操作画面1700c)を、表示部1601に、表示させるよう表示制御する。
【0199】
制御部1501は、本画像形成装置1401における時刻情報にかかわる現在のステータス状況が上述の第3状態に該当すると判断した場合に、上記第3状態である旨をユーザに識別可能にする為の通知データの表示を行うステータス表示部を具備した表示画面(例えば、図20に示すように、ステータス表示部1703dを具備した操作画面1700d)を、表示部1601に、表示させるよう表示制御する。
【0200】
制御部1501は、本画像形成装置1401の現在の時刻情報のステータス状況が上述の第4状態に該当すると判断した場合に、上記第4状態である旨をユーザに識別可能にする為の通知データの表示を行うステータス表示部を具備した表示画面(例えば、図21に示すように、ステータス表示部1703eを具備した操作画面1700e)を、表示部1601に、表示させるよう表示制御する。
【0201】
このように、制御部1501は、本画像形成装置1401で起こり得る複数種類の時刻情報に関わるステータス(動作状況)のうちの、本画像形成装置1401における時刻情報に関わる現在のステータス情報をユーザに確認可能にする為の通知データを、他の時刻情報のステータス状況とは区別可能にした上で、報知ユニットにより生成させ、ユーザに通知するよう制御している。
【0202】
又、本実施形態は上述したように、コピーモードやボックスモード等の複数の動作モード(複数の機能)を具備しており、操作性を向上させるべく、選択されたモードに応じた操作画面を表示部1601に表示させるようにしており、各モード毎に区別した、ユーザにより分りやすい操作画面を表示部1601に表示させるよう制御部1501により制御している。
【0203】
そこで、本実施形態は、このような操作性向上を実現した表示画面設計を配慮し、このような複数の動作モードを具備した装置における使い勝手のよい操作画面を提供できる効果を維持しながら、上述の時刻情報に関わるステータス情報をユーザに報知可能に制御部1501により制御しており、ユーザの立場、その装置の特性、利用環境を配慮した更なる操作性向上を実現できるようにしている。以下に、その具体例をもって説明する。
【0204】
本実施形態では、上述したように複数の画像形成モードを具備しており、それに対応するよう、操作画面内の複数の表示構成要素の中のモード選択部1701にモード選択キー群(図17では、コピーモードキー、送信/ファクシミリキー、ボックスキー、拡張キーがある)を設け、画面上で何れかのモードキーが押下されたことに応じて、その選択されたモードキーに対応した操作画面に表示部1601の表示内容を切り替えるよう制御部1501により制御している。尚、どのモードの画面を初期画面としておくかは、予めユーザにより操作部1503を介して設定することが出来る(この例では、コピーモードの設定画面が基本画面となるようユーザにより設定登録されている例で説明する)。
【0205】
そして、制御部1501は、上述の表示制御を維持した状態で、先の時刻情報に関するステータス表示制御をも実現するよう表示制御している。
【0206】
例えば、当該画像形成装置1401の時刻情報に関する現在のステータス状況は上記第2状態に該当し、基本画面としてコピーモードが予め設定されている場合には、制御部1501は、図19に示すように、モード選択部1701cの表示と、コピーモードの処理条件設定部1702cの表示と、上記第2状態を示す通知データを具備したステータス表示部1703cの表示とが、表示部1601で実行させるよう表示部1601を制御する。
【0207】
この表示状態にて、例えば、該画面1700c上のモード選択部1701cにて送信/ファクシミリモードキーがユーザにより押下された場合、制御部1501は、該ユーザからのモード選択指示に応答し、送信/ファクシミリモードに対応した操作画面の表示を表示部1601に実行させるよう制御すると共に、現在の画像形成装置1401の時刻情報に関わるステータス状況は上記第2状態に該当するので、その第2状態を示す通知データの表示を該表示部1601に実行させるよう制御する。例えば、この場合、制御部1501は、図22に示すように、モード選択部1701fの表示と、送信/ファクシミリモードの処理条件設定部1702fの表示と、上記第2状態を示す通知データを具備したステータス表示部1703fの表示とが、表示部1601で一緒に実行させるよう、表示部1601を制御する。
【0208】
そして、制御部1501は、図22に示す操作画面1700fを介して、ユーザにより、本画像形成装置1401の時刻状態に関する現在のステータス状況は上記第2状態であることを把握させた状態で、送信/ファクシミリモード下にて送信処理すべきジョブデータ(画像データ)に対する各種の所望の処理条件(宛先の設定、送信形態の設定、原稿の読込に関する設定、ファイル形式の設定、スタンプに関する設定、ジョブ終了通知に関する設定等の各種の送信設定パラメータ)を、処理条件設定部1702を介して設定可能にする。そして、ユーザによる送信設定が確定し、スタートキー1604が押下されたら、ユーザからの所望の処理条件でジョブデータの送信処理を外部通信部1505により実行させる。
【0209】
次に、別の表示制御例を説明する。例えば、現在の画像形成装置1401の時刻情報に関するステータス状況は上記第3状態に該当し、基本画面としてコピーモードが予め設定されている場合には、制御部1501は、図20に示すように、モード選択部1701dの表示と、コピーモードの処理条件設定部1702dの表示と、上記第3状態を示す通知データを具備したステータス表示部1703dの表示とが、表示部1601で実行させるよう、操作部1503を制御する。
【0210】
この表示状態にて、例えば、該画面1700d上のモード選択部1701dにてボックスモードキーがユーザにより押下された場合、制御部1501は、該ユーザからのモード選択指示に応答し、ボックスモードに対応した操作画面の表示を表示部1601に実行させるよう制御すると共に、現在の画像形成装置1401の時刻情報に関わるステータス状況は上記第3状態に該当するので、その第3状態を示す通知データの表示を該表示部1601に実行させるよう制御する。
【0211】
例えば、この場合、制御部1501は、図23に示すように、モード選択部1701gの表示と、ボックスモードの処理条件設定部1702gの表示と、上記第3状態を示す通知データを具備したステータス表示部1703gの表示とが、表示部1601で一緒に実行させるよう、表示部1601を制御する。
【0212】
尚、ボックスモードとは、本画像形成装置1401が具備するハードディスク1508内の少なくとも一部の記憶領域をボックス領域とし、そのボックス領域を複数のボックスに予め分けておき、各ユーザ毎にボックスを割当可能とし、更に、各ボックス毎に複数のジョブデータ(一連の画像データ)を格納可能とし、スキャナ部1502からのジョブデータや外部装置(1402〜1406)からのジョブデータを、選択したボックスに格納可能とし(ボックスへの読込処理)、尚且つ、ボックスに格納されたジョブデータを出力する際には、ユーザにより、操作部1503において、複数のボックスから所望のボックスを選択させ、選択したボックスの中から所望のジョブデータを選択させ、選択したジョブデータに対する処理条件を適宜設定させ、操作部1503におけるボックスモードでの出力操作を介した上で、ユーザにより選択されたジョブデータをユーザにより選択されたボックス領域から読み出して、外部への送信処理やプリンタ処理等の出力処理を、ユーザにより該ジョブに対して設定された処理条件に従って実行させること(ボックスからの出力処理)を可能にする機能である。
【0213】
制御部1501は、ボックスモードの為の図23に示す操作画面1700gを介して、ユーザにより、本画像形成装置1401の時刻状態に関する現在のステータス状況は上記第3状態であることを把握させた状態で、ボックスモード下にて出力処理すべきジョブデータ(画像データ)に対する各種の所望の処理条件(ボックスの選択、選択したボックスからのジョブ選択、選択したジョブに対する出力処理条件等の各種のボックス設定パラメータ)を処理条件設定部1702を介して設定可能にする。
【0214】
尚、ボックスモードにて、ボックスにジョブデータを格納する(ボックスへの読込処理)場合は、例えば、ハードディスク1508内の複数のボックス(例えば100個のボックス)からユーザが所望のボックスを、ボックス選択部1704g内のボックスキーを介して、ユーザにより選択させる(ここではボックス番号1のボックスが選択されたものとする)。これを受け制御部1501は、図24に示すような、選択されたボックス内のジョブを選択可能にする為のジョブ選択画面1700hを表示部1601上に表示させる。
【0215】
尚、この例では、時刻サーバ1402における時刻情報に関わる現在のステータス状況は上記第3状態なので、ユーザに該第3状態である旨を通知する為の通知データの表示を引き続き維持した状態で上記ボックスモードのジョブ選択画面1700hを表示させるよう表示部1601を制御する。
【0216】
ジョブ選択画面1700hは、そのボックスに格納されているジョブの情報(ジョブ名、用紙サイズ、ページ枚数、格納日時など)を表示する為の表示機能とそのボックスから所望のジョブを選択する為の操作機能とを兼用するリスト表示部1709hを具備している。
【0217】
図24に示す例では、このボックスの中には既に2つのジョブ(2つの一連の画像データ)が格納済であり、これらは、12ページからなるジョブと、1ページからのジョブである事や、それらのジョブをいつこのボックスに格納したかを特定する格納日時情報等がわかる。このようにボックス内のジョブ情報を該画面で確認できるように表示制御している。ここで、原稿読込みキー1707hがユーザにより押下されると、これを受け、制御部1501は読込処理を開始し、該指示により入力された例えばスキャナ部1502からのジョブデータを該ボックスに格納させるよう制御する。読込処理が完了すると、この場合は、既に格納済みの2番目のジョブの下に当該新たなジョブデータの情報をリスト表示させる。
【0218】
又、ボックスからのジョブの出力処理を実行する場合には、先程と同様に、図23に示す画面1700gを介してボックスの選択操作を行わせ(ここでは、先程と同様にボックス番号1のボックスを選択したものとする)、選択されたユーザボックスのジョブ選択画面1705hを表示させる。
【0219】
そして、リスト表示部1709hを介して所望のジョブをユーザにより選択させる。この例では、2番目のジョブが選択されたことを意味している。このジョブの選択がなされた上で、例えばプリントキー1706hがユーザにより押下された場合には、この選択されたジョブ(ドキュメント2)を、その選択されたジョブに対して設定された印刷処理条件でもって、プリンタ部1507にてプリントさせるよう制御部1501により制御する。一方、ジョブが選択された上でユーザにより送信キー1708hが押下された場合には、このジョブ(ドキュメント2)を、その選択されたジョブに対して設定された送信処理条件でもって、外部通信部1505により外部送信させるよう制御部1501により制御する。尚、ジョブに対して出力設定条件を設定する方法としては、ボックスへのジョブの読込時において予め出力条件を設定した上でボックスに登録させておき、出力時には、選択されたジョブを、その選択されたジョブに対して読込時に予め設定されていた出力処理条件でもって出力可能にする方法と、更に、不図示の画面で、選択したジョブに対する出力処理条件を変更するための設定変更画面を介して新たな処理条件を設定可能にする方法等を具備している。
【0220】
以上説明した、各種の表示遷移制御例を参照しても分るように、制御部1501は、ユーザ操作に応答し、ある動作モードから別の動作モードへと切り替える場合でも(ある画像形成モードの操作画面から別の画像形成モードの操作画面へと表示部1601の表示内容を切り替えさせるような場合でも)、画像形成装置1401における時刻情報に関する現在のステータス情報を、ユーザが知りたい時にリアルタイムで把握できるように、例えば、ステータス表示部1703が表示部1601に常に表示されているような表示制御を行い、時刻情報に関する現在のステータス状況をリアルタイムに報知ユニットを介してユーザに報知可能に制御している(上述した、表示部1601における、現在の時刻情報のステータス状況が第2状態下での、図19に示すコピーモード操作画面1700cから送信/ファクシミリモード操作画面1700fへの制御部1501による表示遷移制御例参照。及び、現在の時刻情報のステータス状況が第3状態下での、図20に示すコピーモード操作画面1700dから図23に示すボックスモードの操作画面1700gへの制御部1501による表示遷移制御例参照)。
【0221】
尚且つ、制御部1501は、同一の動作モード下でも、ユーザが複数の操作画面に跨って設定を行うことを考慮し、同一の画像形成モード下にて、ある操作画面から別の操作画面へと表示部1601の表示内容を切り替えさせるような場合でも、画像形成装置1401における時刻情報に関わる現在のステータス情報を、ユーザが知りたい時にリアルタイムで把握できるように、例えば、ステータス表示部1703が表示部1601に常に表示されているような表示制御を行い、時刻情報に関する現在のステータス状況をリアルタイムに報知ユニットを介してユーザに報知可能に制御している(上述した、表示部1601における、現在の時刻情報のステータス状況が第3状態下での、図23に示すのボックスモードにおけるボックス選択画面1700gから図24に示すボックスモードにおけるジョブ選択画面1705hへの制御部1501による表示遷移制御例参照)。
【0222】
尚、本実施形態のボックスモードに関し、各ボックス毎にパスワードやICカード等の認証データの設定を可能とし、例えば、パスワード設定有りのボックス、パスワード設定なしのボックスというように、区別可能に制御している。そして、ボックスに対するアクセスを行う際に(読込み時や出力時)に、そのボックスを利用するのに認証データの入力が必要なボックス(例えば、パスワード有りボックス)ならば、そのボックスに対応した認証データをユーザ操作を介して入力させることにより、そのボックスに対する処理(ボックスへのジョブ格納、或いは、ボックスからのジョブ出力)を許可し、一方、そのボックスを利用するのに認証データの入力が不必要なボックス(例えば、パスワードなしボックス)ならば、ユーザ操作による認証データの入力無しに、そのボックスに対する処理(ボックスへのジョブ格納、或いは、ボックスからのジョブ出力)を許可するよう制御する。
【0223】
このように、本実施形態によれば、装置の現在の時刻情報に関するステータス状況をユーザにその他のステータス状況と区別して表示出来るようにすることは勿論のこと、時刻サービスを供給可能に構成しようとしている、その装置自身が複数の動作モードを有している事、及び使い勝手を考慮した設計として、各モード毎に異なる操作画面を介してユーザにより処理可能に構成している事、及び同一のモードでも複数の操作画面を跨って設定可能に構成していることなどの、その装置の特徴、能力、機能、構成、操作性等を配慮した報知形態で、上記ステータス情報をユーザに報知可能に構成できるようにすることで、更なる操作性の向上を図ることが出来、このような装置でも時刻サービスを円滑且つ最大限に活用でき、例えば、時刻サービス機能を搭載した複合機能装置の実用化にも貢献できるようになる。
【0224】
尚、本実施形態の画面表示構成に関し、モード選択部1701と処理条件設定部1702とが1つの表示画面で構成され、ステータス表示部1703が1つの表示部として構成されるような表示構成としている(別画面形式の表示構成)。しかし、本実施形態はこれに限らず、これらの3つの表示構成要素が1つの操作画面となるような表示構成でも良いし、夫々が全て別々の表示画面でも良い。何れにしても、例えば、コピーモードの設定画面からファクシミリモードの設定画面へと遷移される等の、ある操作画面から別の操作画面に切り換わる場合でも、表示部1601等の報知ユニットを介して、ユーザが欲しし時にリアルタイムで本画像形成装置1401の時刻情報にまつわる現在のステータス状況を確認可能な構成であればよい。
【0225】
本画像形成装置1401に対して第1タイプの時刻データを設定する為のユーザ操作と、第2タイプの時刻データを設定する為のユーザ操作に関して、図25〜図27を用いて夫々説明する。
【0226】
上述の図16に示した操作部1503上のユーザモードキー1606がユーザにより押下されると、それに応答し制御部1501は、表示部1601に、図25に示すようなユーザモード設定画面1800aを表示させ、ユーザにより該画面を介して各種の共通設定を可能にする。
【0227】
ここで、該画面1800a上のタイマ設定キー1801aがユーザにより押下された場合、制御部1501はこれに応答し、表示部1601に、図26に示すようなタイマ設定画面1800bを表示させる。
【0228】
該画面1800bを表示部1601に表示させる場合には、制御部1501は、日付時刻設定キー1802bを表示させると共に、本画像形成装置1401の時刻情報に関する現在のステータスを示す通知データの表示も行わせる(ここでは、上記第1状態であることをユーザに確認させている)。そして、該画面上のキー1802bが押下された場合、制御部1501は、図27に示すのようなキー1803c〜キー1805cの各種キーを具備した日付時刻設定画面1800cを表示部1601に表示させ、該画面を介して時刻データに関し、ユーザにより手動で時刻設定するか、外部の時刻発生源からの時刻データを自動でセットするか等をユーザにより選択させる。
【0229】
画面1800cにてユーザによりキー1803が選択されたうえでOKキー1807cが押下された場合、制御部1501は、外部からの時刻データの自動取得がユーザにより選択されたと判断し、外部の時刻情報発生源(例えば図14の1402)から時刻データをネットワーク1400経由で獲得し(獲得したら、その外部からの時刻データを表示部1806cに表示させるようにしても良い)、以後、その時刻データにのっとった時刻表示、動作制御等を本画像形成装置1401にて行うよう制御する。キー1804cがユーザにより押下されたうえでOKキー1807cが押下された場合は、制御部1501は、本画像形成装置1401における外部からの時刻データの取得動作を禁止するよう制御する。
【0230】
キー1805cがユーザにより押下された場合には、時刻データの手動設定がなされたと判断し、時刻設定のための表示部1806c及びテンキー1605を介してユーザにより手動で時刻データを設定させ、OKキー1807cが押下されたら、以後、その時刻データにのっとった時刻表示、動作制御等を本画像形成装置1401にて行うよう制御する。キー1803cから1805c等の何れのキーもユーザにより押下されなかった場合には、時刻データは未設定であると判断する。
【0231】
制御部1501は、該画面におけるユーザからの設定情報は初期設定登録情報として、メモリ1504に記憶保持しておくよう制御する。
【0232】
そして、該画面を介して何れのキーもユーザにより操作されず、第1タイプ、第2タイプの何れのタイプの時刻データも未登録であると判断した場合には、本画像形成装置1401における時刻情報に関わるステータス状態は第1状態であると判断する。キー1805cを介してユーザにより手動で時刻データが設定された場合には、制御部1501は、本画像形成装置1401における時刻情報に関わるステータス状態は第2状態であると判断する。
【0233】
キー1803cを介して,外部からの時刻データの自動取得がユーザにより選択された場合で、且つ、そのユーザからの指示に従って、適正に外部の時刻発生源から時刻データを獲得でき、且つ、該獲得した時刻データに乗っ取って本画像形成装置1401にて適正に動作している状態であると判断した場合には、制御部1501は、本画像形成装置1401における時刻情報に関わるステータス状態は第3状態であると判断する。
【0234】
又、制御部1501は、キー1803cが押下されユーザにより自動取得要求はなされているものの、外部の時刻発生源から適正に時刻データを獲得できない状況であったり、時間調整(校正)できていない状態であると判断した場合には、本画像形成装置1401における時刻情報に関わるステータス状態は第4状態であると判断する。
【0235】
そして、制御部1501は、これらの判断結果を、上述の表示制御(図17の操作画面1700b〜画面1700h)に用いたり、以下の本画像形成装置1401における動作モード制限制御に用いるよう制御している。
【0236】
以下、本画像形成装置1401における制御部1501による動作モードの制限制御について説明する。上述したように、当該画像形成装置1401は、コピーモード、送信/ファクシミリモード、プリンタモード、ボックスモードの少なくとも何れかの画像形成モードを含む複数の動作モード(複数の機能)を具備している。そして、各モードとも、例えば、1つのジョブデータに対して複数の設定項目としての処理条件パラメータ(例えば、コピーモードのジョブデータに対して、両面印刷を設定し、且つ、ステイプルモードも設定し且つ、Nin1モードも設定するなど)を、設定可能にしている。
【0237】
このような構成のもと、ユーザからの指示により、ジョブ処理要求を受け付け、ユーザの所望のジョブデータを処理する場合、制御部1501は、その注目ジョブが上述の複数の動作モード(例えば、コピーモード、送信/ファクシミリモード、プリンタモード、ボックスモード)のうちのどの画像形成モードのジョブであるかを判断する為の、動作モード判断処理を行う。且つ、そのジョブデータに対して設定された処理条件には、どのような設定項目が含まれているかを判断する為の、処理条件判断処理を行う。
【0238】
尚且つ、本画像形成装置1401における時刻情報に関する現在のステータス状況は上記第1状態〜第4状態の何れかの状態であるかを判断する為の、時刻情報カレントステータス判断処理等を行う。そして、制御部1501は、これら複数の判断処理により得られた、これらの判断結果、及び図28に示すようなメモリ1504に管理データとして保持している動作モードの制限の規定・ルールを定めた禁則データなどを基に、そのジョブデータの処理実行の可否を決定するよう制御する。
【0239】
図28は、第1状態〜第4状態の各状態毎に、実行を許可する画像形成モードと、実行を禁止する画像形成モードを決定するものであり、且つ、各状態毎に、実行を許可する設定項目(処理条件パラメータ)と、実行許可する設定項目を決定するものである。この管理データとしての禁則データは、例えば図28のようなテーブルデータ形式でメモリ1504に管理保持して、制御部1501により、上述の判断結果と共に参照可能に構成している。
【0240】
尚、この図28の禁則データは適宜修正可能に構成しており、管理者等のユーザにより任意に操作、再構成可能としている。
【0241】
これにより、本実施形態の画像形成装置1401が具備する複数の動作モードに関し、例えば、本画像形成装置1401の時刻情報に関する現在のステータス状態が第3状態の場合には、複数の動作モードの全ての実行を許可するよう制御し、第2状態の場合には、複数の動作モードのうちの第1の動作モードの実行及び第2の動作モードの実行は許可すると共に第3の動作モードの実行は禁止し、第1状態の場合には、第1の動作モードの実行は許可し、第2、第3の動作モードの実行は禁止し、第4状態の場合には、第1、第2、第3の動作モードの実行を全て禁止するように、制御部1501により制御可能にしている。
【0242】
尚且つ、例えば、同一の動作モードあっても、ジョブデータに対してユーザにより設定された処理条件(設定項目)次第で、実行を許可したり、禁止したり出来るように制御し、このような制御を、上記同様、第1〜第4状態の各状態毎に、決定するよう制御部1501により制御可能に構成している。
【0243】
これにより、本画像形成装置1401における時刻情報に関するカレントステータス情報を用いて、本画像形成装置の特性、本画像形成装置が具備する能力、モード、機能等に即したきめ細かい制御を実現可能にしている。
【0244】
以下、図28の禁則例に従った、制御部1501によるジョブ処理制御方法の一例を説明する。尚、以下はあくまでも本実施形態の制御の一例であって、これ以外でも勿論適用可能とする。
【0245】
例えば、ユーザにより出力要求のなされた処理すべき処理対象のジョブデータ(一連の画像データとも呼ぶ)がコピーモードのジョブデータの場合、そのジョブデータに設定された処理条件(設定項目)に関係なく、且つ、本画像形成装置1401における時刻情報に関するカレントステータス状態が、第1〜第4の何れの状態であっても、そのジョブデータの実行を許可するよう制御する(図28のテーブルデータ1900のコピーモードの禁則表参照)。
【0246】
例えば、ユーザにより出力要求のなされた処理すべきジョブデータ(一連の画像データとも呼ぶ)が送信/ファクシミリモードのジョブデータの場合で、且つ、本画像形成装置1401における時刻情報に関するカレントステータス状態が第1状態の場合(以下、第1状況下と称す)において、そのジョブデータに対して設定された処理条件の中に、通常のファクシミリ送信を行う設定、及びファイル送信を行う設定、及びボックス保管を行う設定、及び通常受信を行う設定のうちの、少なくとも何れかの設定が含まれている場合には、そのジョブデータの処理実行を許可するよう制御する。
【0247】
尚且つ、該第1状況下にて、該ジョブデータの処理条件の中に、進展ファクシミリ送信を行う設定、電子メール送信を行う設定、インターネットファクシミリ送信を行う設定、進展受信を行う設定のうちの、少なくとも何れかの設定が含まれている場合には、そのジョブデータの処理実行辞退は禁止はしないが、該処理を実行する前にユーザに対して警告通知を表示部1601等の報知ユニットを介して実行させ、ユーザによる確認を経たうえで、処理を実行するよう制御する。
【0248】
尚且つ、該第1状況下にて、該ジョブデータの処理条件の中に、タイマ送信を行う設定やタイマ受信を行う設定が含まれている場合には、そのジョブデータの処理実行は禁止するよう制御する(図28のテーブルデータ1900の送信/ファクシミリモードの第1状態における禁則表参照)。
【0249】
このような制御を各状態毎、各モード毎、各設定項目毎に行うよう制御部1501により制御する。以下、説明を簡潔且つ明瞭にするため、各状態毎にまとめて説明する。
【0250】
(1)本画像形成装置1401における時刻情報に関するカレントステータスが第1状態であると制御部1501により判断した場合において、例えば、
・コピーモードのジョブ(全て)、
・送信/ファクシミリモードのジョブで、且つ、通常のファクシミリ送信の設定、或いは、ボックスに保管する設定、或いは、ダイレクト送信する設定、或いは、通常受信する設定の何れかの設定がなされたジョブ、
・プリンタモードのジョブで、且つ、片面/両面印刷設定、或いは、ソートモードの設定、或いは、ステイプルモードの設定、縮小レイアウトモードの設定、或いは、拡大レイアウトモードの設定、編集モードの設定、ウォータマークの設定の何れかの設定がなされたジョブ、
・ボックスモードのジョブで、且つ、パスワード無しボックスへの格納を行う設定、或いは、パスワード有りボックスへの格納を行う設定、パスワード無しボックスからの出力を行う設定、片面印刷/両面印刷設定、ソートモードの設定、ステイプルモードの設定、の何れかの設定がなされたジョブ等のジョブを処理する場合には、そのジョブに対して設定された処理条件に従って処理する事を許可するよう制御部1501により制御する。
又例えば、送信/ファクシミリモードのジョブで、且つ、進展ファクシミリ送信を行う設定、電子メール送信を行う設定、インターネットファクシミリ送信を行う設定、進展受信を行う設定、の何れかの設定がなされたジョブ、
・プリンタモードのジョブで且つ、ホールドジョブを行う(入力しても直ぐにはプリントせずハードディスク1508に一旦格納し、操作部1503からの指示によりはじめてプリンタ部1507でプリントさせる処理)設定がなされたジョブ、
・ボックスモードのジョブで且つ、パスワード有りボックスからの出力を行う設定がなされたジョブ等のジョブを処理する場合には、表示部1601等の報知ユニットによる警告報知を実行させたうえで、そのジョブに対して設定された処理条件に従って処理する事を許可するよう制御部1501により制御する(尚、警告表示を確認したうえで、ユーザによりそのジョブの処理を実行するか否かを操作部1503を介して選択決定可能に構成する
又例えば、送信/ファクシミリモードのジョブで、且つ、タイマ送信を行う設定、或いは、ジョブ終了通知を行う設定、或いは、タイマ受信を行う設定、又は、通信管理レポートの出力を行う設定の何れかの設定がなされたジョブ、
・プリントモードのジョブで且つ、セキュアプリントを行う設定(ジョブデータを入力してもプリンタ部1507で直ぐにプリントせず、ハードディスク1508に保持しておき、操作部1503を介してそのジョブに対応する認証データの入力がユーザにより行われたことを条件にプリンタ部1507でプリントさせる処理)が行われたジョブ、
・ボックスモードのジョブで且つ、自動消去機能(ジョブデータをボックスに格納した時点から所定時間経過したことを条件に該ボックスから該ジョブデータを自動的に消去させる処理や、ボックスからジョブデータをプリントした時点から所定時間経過したことを条件に該ボックスから該ジョブデータを自動的に消去させる処理等を実行する為の機能)を行う設定がなされたジョブ等のジョブを処理する場合や、ジョブ履歴表示処理(ハードディスク1508に記憶した複数種類のジョブデータの履歴情報を表示部1601に表示させる処理)等を行う場合には、その処理の実行を禁止するよう制御部1501により制御する。
【0251】
(2)本装置1401における時刻情報に関するカレントステータスが第2状態であると制御部1501により判断した場合において、例えば、
・送信/ファクシミリモードのジョブでかつ、電子メール送信を行う設定、又は、通信管理リポートを出力する設定が行われたジョブを処理する場合、
及び、
・ジョブ履歴表示を行う場合、等には、表示部1601等の報知ユニットによる警告報知を実行させたうえで、そのジョブに対して設定された処理条件に従って処理する事を許可するよう制御部1501により制御する。
また、上記の場合以外の処理を行う場合等には、その処理の実行を許可するよう制御部1501により制御する。
【0252】
(3)本画像形成装置1401における時刻情報に関するカレントステータスが第3状態であると制御部1501により判断した場合には、例えば、上述の全ての処理の実行を許可するよう制御部1501により制御する。
【0253】
(4)本画像形成装置1401における時刻情報に関するカレントステータスが第4状態であると制御部1501により判断した場合において、例えば、
・送信/ファクシミリモードのジョブでかつ、通常ファクシミリ送信の設定、或いは、電子メールの設定、インターネットファクシミリ送信の設定、ボックスへの保管の設定、ダイレクト送信の設定の何れかの設定がなされたジョブを処理する場合、及び、
・ジョブ履歴表示を行う場合、
等には、表示部1601等の報知ユニットによる警告報知を実行させたうえで、そのジョブに対して設定された処理条件に従って処理する事を許可するよう制御部1501により制御する。
又例えば、送信/ファクシミリモードのジョブでかつ、進展ファクシミリ送信を行う設定、或いは、タイマ送信を行う設定、或いは、ジョブ終了通知を行う設定、或いは、進展受信を行う設定、或いは、タイマ受信を行う設定、或いは、通信管理レポートの出力を行う設定等の何れかの設定がなされたジョブ、
・プリンタモードのジョブで且つ、セキュアプリントジョブの設定、又は、ホールドジョブの設定、の何れかの設定がなされたジョブ、
・ボックスモードのジョブで且つ、パスワード有りボックスからの出力の設定、或いは、自動消去機能の設定がされたジョブ、
等を処理する場合には、その処理の実行を禁止するよう制御部1501により制御し、
又例えば、上述の各処理以外の処理を行う場合には、その処理の実行を許可するよう制御部1501により制御する。
【0254】
以上のような、図28の禁則データに従った動作モードの制限処理を制御部1501の制御のもと実行させる。
【0255】
尚、上述の制御例を見ても分るように、本実施形態では、複数の動作モードや処理条件のうちの、時間情報を特に必要とする動作モードや処理条件(送信/ファクシミリモードにおけるタイマ送信、タイマ受信、通信管理レポート、ボックスモードにおける自動消去機能等)、に関しては、第2状態や第3状態(好ましくは第3状態)のときに、その実行を許可するよう制御し(上記状態以外の状態の時にはこれらのモード、処理条件の設定は禁止する)、複数の動作モード、処理条件のうちの、時間情報を特に必要とせずに処理可能なものについては、第1状態や第4状態でも実行を許可するように制御部1501により制御可能にしている。
【0256】
これにより、時刻情報がより精度の高い(本来の正確な時間により近い)状況下にて、時刻情報を用いた動作モード、処理を、安心して利用・実行できるようにすることができるので、利用者にとってより安心感、満足度の高い装置を提供できる。又、例えば、時間情報の精度が低い状況下では、時間情報を利用する動作モードや処理の利用をユーザに制限させるようにすることができるので、時間情報がセットされているもののその時間情報は実際には正確ではなく(精度が低い)、それにも関わらず、ユーザがそのことを気づかずに時間情報を用いた動作モードや処理を利用してしまうことにより、実際の処理が実行されてしまった後にそれが露呈してユーザに迷惑をかけてしまう等の問題が生じる事も未然に防止できる。尚且つ、上記表示制御により、ユーザ自身に時間情報の情報を積極的に通知確認させることができるので、よりその効果を一層高めることが出来る。
【0257】
又、本実施形態では、複数の動作モードや処理条件のうちの、より重要度・セキュリティ度が高い動作モードや処理条件(プリントモードにおけるセキュアプリント設定や、ボックスモードにおけるパスワード有りボックスに対する読込みやプリントなどの設定)に関しては、第2状態や第3状態(好ましくは第3状態)のときに、その実行を許可するよう制御し(上記状態以外の状態の時にはこれらのモード、処理条件の設定は禁止する)、複数の動作モード、処理条件のうちの、重要度・セキュリティレベルが特に高くないものについては、第1状態や第4状態でも実行を許可する制御部1501により制御可能にしている。
【0258】
何れにしても、本画像形成装置1401の特徴、能力等を加味して、適宜、図28のような禁則データを作成し、それに基づいた管理運用が出来ればよい。
【0259】
尚、図28の禁則表を参照し、例えば、ある動作モードの1つのジョブデータに対して複数の処理条件が設定されている場合に、その中に、実行を禁止する項目(図19では×印の項目)と、実行を許可する項目(図28では○印の項目)や、実行を許可するが警告する項目(図28では△印の項目)が混在しているようなジョブデータについては、×印の項目を最優先にし、例えば、そのジョブの処理自体を全て禁止するようにしても良いし、×印の項目に該当する処理のみは実行せず、○印の項目や△印の項目に該当する処理は行うようにしも良い。
【0260】
例えば、第1状態において、ボックスモードのジョブに対して、パスワード無しボックスからの出力の設定(図28では、○印の項目に相当)と共に、自動消去機能の設定(図28では、×印の項目に相当)がなされているなら、制御部1501は、例えば、このジョブをボックスから読み出してプリントさせる処理自体は実行を許可するがこのジョブを自動消去する処理はしないよう、夫々、プリンタ部1507やハードディスク1508を制御したり、或いは、このジョブの出力も許可せず且つ自動消去もしないようプリンタ部1507やハードディスク1508を制御するようにしても良い。何れの構成を採用する場合でも、制御部1501は、×印の項目に該当する処理の実行は禁止できるように、該当するユニットを制御する。
【0261】
尚、処理を禁止する方法としては、ユーザからその処理に対応する処理条件が操作部1503等を介して設定された上で、その設定を無視して、該関係するユニット(例えば、スキャナ部1502や、データ処理部1506、外部通信部1505、プリンタ部1507、ハードディスク1508など、処理すべきジョブデータに直接影響のあるユニット)自身を動作させないよう該ユニットを制御することにより、その処理の実行を禁止させる方法や、予め、その処理に関係する処理条件を指示する為の操作キー(例えばタッチパネル形式のソフトキー)を操作画面上から消去したり、網掛け表示やグレーアウト表示することで、その操作キー自身のキー操作をオペレータにより実行できない状態(キー操作無効状態)にするよう操作部を制御することにより、その処理の実行を禁止させる方法等があるが、何れの方法でも本実施形態を適用でき、禁止すべき処理を実際に禁止できるように構成できれば本実施形態は適用可能である。
【0262】
このように、本実施形態によれば、上述の表示制御に連動して、装置の現在の時刻情報に関するステータス状況を最大限に活用し、時刻サービスを供給可能に構成しようとしている、その装置自身が複数の動作モードを有している事、及びそれらの特徴や使い勝手等を考慮しながら、該装置における動作モードの制限制御を行えることができ、更なる操作性の向上を図ることをでき、このような装置でも時刻サービスを円滑且つ最大限に活用でき、例えば、時刻サービス機能を搭載した複合機能装置の実用化にも貢献できる。
【0263】
又、上述の実施形態では、画像形成装置1401側での制御部1501による表示制御、動作モード制限制御について主に説明したが、本実施形態はこれに限らず、例えば、クライアントコンピュータ1403や1404や他のデジタル複合機1405等の外部装置側にて、上記と同様の表示制御、動作モード制限制御を実現可能に構成し、上記と同等の効果を、遠隔地から本画像形成装置1401を利用する場合にでも適用可能に構成している。
【0264】
以下に、外部装置(情報処理装置とも呼ぶ)の一例としてクライアントコンピュータ1403が具備する制御部やプリンタドライバやステータスモニタ機能などを利用して上述の表示制御や動作モード制限制御をクライアントコンピュータ1403側にて実行可能にする場合の例について説明する。
【0265】
例えば、クライアントコンピュータ1403にて、ユーザ操作により、画像形成装置1401の為のプリンタドライバの設定画面を該クライアントコンピュータの表示部に表示させる場合や、本画像形成装置1401のステータス状況を知る為のクライアントコンピュータ1403が具備するステータスモニタ機能を立ち上げた場合に、図14のネットワーク1400等の通信媒体を介して、該クライアントコンピュータ1403から本画像形成装置1401に対して、画像形成装置1401のステータスリクエストコマンドデータを送信させる。
【0266】
該コマンドデータを受けた本画像形成装置1401は、該リクエストに応答し、画像形成装置1401の時間情報に関わる現在のステータスデータを含んだ、本画像形成装置1401における現在のステータス情報(このステータス情報には、画像形成装置がプリント中であるかアイドル状態であるかエラー中であるか等の動作状況に関するステータス情報、給紙部や排紙部でのシートの有無等のシートの残量検知情報に関するステータス情報、トナー切れ、紙なし等の消耗品に関するステータス情報等を含ませることができ、上記時刻情報に関するステータス情報以外にもこのようなステータス情報を該ステータスデータに含ませた状態でコンピュータへ送信したり、時刻情報に関するステータス情報のみを該コンピュータへ送信するようにしても良い)を、上記クライアントコンピュータ1403に対して返信する。
【0267】
そして、クライアントコンピュータ1403において、該画像形成装置1401から獲得した、該画像形成装置1401の現在のステータス情報を、該コンピュータ1403の表示部に、例えば、図18〜図21の表示例で示した、ステータス表示部1703b〜1703eのような通知データの表示を実行させるように制御する。
【0268】
尚、本画像形成装置1401の時刻情報に関わる現在のステータス情報のクライアントコンピュータ1403における表示方法に関しては、例えば、図29に示すような、画像形成装置1401の時刻情報に関する現在のステータス情報を少なくとも有するデバイスのステータス情報を表示する為のデバイス状況表示部2001aや印刷設定指示部を具備した、画像形成装置1401の為のプリンタドライバ画面2000aを、クライアントコンピュータ1403の制御部により、クライアントコンピュータ1403の表示部に、表示させるよう制御する。又、その他の例として、例えば、プリンタドライバ画面とは異なる、例えば、図30に示すような、画像形成装置1401の時刻情報に関する現在のステータス情報を少なくとも有するデバイスのステータス情報を表示する為のデバイス状況表示部2001bを具備したステータスモニタ画面2000bを、クライアントコンピュータ1403の制御部により、クライアントコンピュータ1403の表示部に、表示させるよう制御する構成でも良い。
【0269】
このように、各種の表示形式が種々考えられるが、少なくとも、画像形成装置1401の現在の時刻情報に関するステータス状況として、現在、画像形成装置1401は、上述の第1状態〜第4状態のうちの、どの状態であるのかが、他の状態と区別して、クライアントコンピュータ1403側にて、ユーザが把握できるような報知形態で、クライアントコンピュータ1403の表示部等の報知ユニット(この他にもクライアントコンピュータ1403が有する音声出力ユニットなどの報知ユニットでも良い)により報知処理を実行させるように構成していればよい。
【0270】
そして、クライアントコンピュータ1403から出力されるジョブデータの動作制限に関しては、図28のテーブルデータ1900内のプリンタモードのために記載された禁則データに従って、その実行の許可、あるいは禁止、あるいは警告表示したうえで許可するよう、選択的に実行可能に、上記と同様に制御すればよい。
【0271】
これにより、上述の表示制御、動作制限制御を、外部装置側でも実行可能になり、本実施形態による上記効果を、画像形成装置側だけでなく、外部装置側でも得られるようになり、外部装置のユーザにも上記効果を提供できるようになる。
【0272】
尚、上述の2種類の制御(表示制御、動作制限制御)に関し、これら2つの制御を両方ともクライアントコンピュータ1403等の外部装置側でプリンタドライバやステータスモニタ等を利用して実行可能に構成しても良いし、一方の制御のみ(例えば、表示制御のみ)を該外部装置側で実行できるように構成しても良いし、他方の制御(動作制限制御)を本画像形成装置1401の制御部1501にて実行可能に構成しても良い。
【0273】
又、上述した形態に関しても、画像形成装置1401等の装置に限らず、プリンタ装置,スキャナ装置,携帯電話,デジタルカメラ等時刻情報を利用可能な装置で、好ましくは複数の動作モード、複数の処理を実行可能な装置であれば、本実施形態(主に、表示制御や動作モードの制限制御などを含む)を適用出来る。
【0274】
以下、図31に示すメモリマップを参照して本発明に係る電子機器で読み取り可能なデータ処理プログラムの構成について説明する。
【0275】
図31は、本発明に係る電子機器で読み取り可能な各種データ処理プログラム(各フローチャートの処理を実行する為のプログラム、各表示画面の表示制御を実行する為のプログラムを含む)を格納する記憶媒体のメモリマップを説明する図である。
【0276】
なお、特に図示しないが、記憶媒体に記憶されるプログラム群を管理する情報、例えばバージョン情報,作成者等も記憶され、かつ、プログラム読み出し側のOS等に依存する情報、例えばプログラムを識別表示するアイコン等も記憶される場合もある。
【0277】
さらに、各種プログラムに従属するデータも上記ディレクトリに管理されている。また、各種プログラムをコンピュータにインストールするためのプログラムや、インストールするプログラムが圧縮されている場合に、解凍するプログラム等も記憶される場合もある。
【0278】
本実施形態における図2,図7,図8,図11,図12に示す機能や各種の表示制御の機能が外部からインストールされるプログラムによって、ホストコンピュータにより遂行されていてもよい。そして、その場合、CD−ROMやフラッシュメモリやFD等の記憶媒体により、あるいはネットワークを介して外部の記憶媒体から、プログラムを含む情報群を出力装置に供給される場合でも本発明は適用されるものである。
【0279】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するソフトウエアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0280】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0281】
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク,ハードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD−R,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROM,EEPROM等を用いることができる。
【0282】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0283】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0284】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施形態の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0285】
本発明の様々な例と実施形態を示して説明したが、当業者であれば、本発明の趣旨と範囲は、本明細書内の特定の説明に限定されない。
【0286】
以上により、時刻サービス内蔵の電子機器に適用する事により、操作者は今設定されている日時が信頼に足るものであるか常に知る事が可能になり、日時設定状態が所望の状態の時、動作可能にする事により信頼出来ない状態で装置を使用する事を回避可能になる。
【0287】
また、装置の使用を制限しない場合も、どのような日時設定状態で装置を使用したか記録が残るので、より正確な日時の管理が可能になる。
【0288】
なお、電波や電話を使った時刻設定サービスに適用する事も可能であるが、単に時刻情報に同期するだけのものであれば、手動で設定した年月日が間違っている時に修正が出来ないという不都合がある。こうした場合は、手動設定した年月日等、保障を完全に出来ないものは正しいものとして装置の設定を変えるなどすれば良い。本実施形態は、こうした時刻設定サービスの種類により本発明に関して制限を加えるものではない。
【0289】
さらに、時刻サービスサーバ14を利用した装置において、その装置の日時設定情報の確かさをパラメータSTSの値として記録、利用する事により、装置が動作した日時情報の正確さがユーザに分るようになった。
【0290】
また、パラメータSTSを他装置と情報交換し、より確かな情報を採用、記録する事により、正しい日時情報に基づいた動作が可能になった。
【0291】
さらに、日時情報が正確でない状態で装置を使用したくない場合、ユーザに指示により動作の制限を加える事が出来るようになった。
【0292】
尚且つ、これらの効果に加え、各実施形態で述べた各効果を達成することが出来る。
【0293】
又、上述の実施形態では、装置の時刻情報に関わる現在のステータス状況が、上記第1状態〜第4状態のうちのどの状態であるかを、操作者に他の状態と区別して識別可能にする為の報知データの報知処理を実行させる為の報知ユニットの例として、表示部、音声ユニット、表示ランプ等で説明した。しかし、これに限らず、本実施形態は、例えば、プリンタ部1507により、当該ステータス情報を、記録紙にプリントさせるような構成でも良く、この場合は、プリンタ部1507自体が報知ユニットの役目を果たす。つまり、本装置の利用者が本装置における時刻情報に関する現在のステータス状態を把握、確認できるような構成ならば、如何なる報知ユニットを採用しても、何れも適用可能である。そして、上述の各表示画面例のように、ユーザに報知対象の時刻情報が、第1タイプの時刻データに基づいた時刻情報であるのか、第2タイプの時刻データに基づいた時刻情報であるのかを、ユーザにより識別可能にする為の報知情報(手動済を示す情報、校正済を示す情報)や、時刻情報自体が未設定であることや、校正が必要であることを、ユーザにより識別可能にする為の報知情報(未設定を示す情報、要校正を示す情報)を、出力可能に制御し、ユーザにその旨を通知出来るような構成であれば良い。
【0294】
以上説明したように、本実施形態によれば、時刻サービスで取得する第1の時刻情報またはユーザが設定する第2の時刻情報に従い時刻を計時可能な電子機器において、計時している時刻の設定履歴に従う現在の時刻の信頼性を評価して表示部に表示するとともに、該表示されている時刻の設定状態に従い実行可能なデータ処理の実行の可否を制御するので、計時している時刻の設定状態をユーザが確認して、その表示時刻の精度を容易に確認できるとともに、該設定に従いユーザが設定したデータ処理の実行の可否を自在に決定することができるという効果を奏する。
【0295】
又本実施形態によれば、時刻サービスを応用した時刻設定機能を内蔵した装置間同士で通信を行った際に取得される時刻情報と自己管理している時刻情報の状態とを比較判定して、より信頼性の高い時刻情報を基準とするように時刻情報を更新管理するので、自己管理している時刻情報が機器相互の通信時毎に、現在の時刻情報が信頼に足るものであるか否かを客観的に判定して、常に精度の高い時刻情報に従うデータ処理を実現できるという効果を奏する。
【0296】
又本実施形態によれば、装置の現在の時刻情報に関するステータス状況をユーザにその他のステータス状況と区別して報知出来るようにすることは勿論のこと、時刻サービスを供給可能に構成しようとしている、その装置自身が複数の動作モードを有している事、及び使い勝手を考慮した設計など、その装置の特徴、能力、機能、構成、操作性等を配慮した報知形態で、上記ステータス情報をユーザに報知可能に構成できるようにすることで、更なる操作性の向上を図ることが出来、このような装置でも時刻サービスを円滑且つ最大限に活用でき、例えば、時刻サービス機能を搭載した複合機能装置の実用化にも貢献できるようになる。
【0297】
又、本実施形態によれば、上述の表示制御に連動して、装置の現在の時刻情報に関するステータス状況を最大限に活用し、時刻サービスを供給可能に構成しようとしている、その装置自身が複数の動作モードを有している事、及びそれらの特徴や使い勝手等を考慮しながら、該装置における動作モードの制限制御を行うことができ、更なる操作性の向上を図ることをでき、このような装置でも時刻サービスを円滑且つ最大限に活用でき、例えば、時刻サービス機能を搭載した複合機能装置の実用化にも貢献できる。
【0298】
又、本実施形態によれば、上述の制御を、時刻サービスを享受する装置自身でも実行できるだけでなく、該装置を遠隔から操作する例えばコンピュータを含む該装置とデータ通信可能な情報処理装置等の外部装置側でも実行できるようにし、時刻サービス機能が搭載された装置を直接操作するユーザにも、時刻サービス機能が搭載された装置を遠隔から操作する外部装置のユーザにも、わけ隔てなく、上記効果を提供することができ、時刻サービス機能が搭載された装置を利用する多種多様のユーザに上記効果を提供できる。
【符号の説明】
【0299】
11 インターネットファクシミリ本体
13 インターネット
14 時刻サービスサーバ
21 CPU
22 RAM
23 HDD
24 ネットワークカード
25 表示部
26 キー操作部
27 スキャナ部
28 プリンタ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ処理を実行する電子機器であって、
時刻情報を供給する時刻情報供給装置と通信する通信手段と、
前記時刻情報供給装置から供給される第1の時刻情報に従って時間を設定する第1の設定手段と、
前記時刻情報供給装置を使わずにユーザによって設定された第2の時刻情報に従って時間を設定する第2の設定手段と、
データ処理が実行されたときに前記第1の設定手段によって時間が設定されている状態であるか前記第2の設定手段によって時間が設定されている状態であるかを識別可能に、前記電子機器によって実行された当該データ処理のログ情報を保持する保持手段と、
を有することを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記保持手段で保持されているログ情報を表示する表示手段を有することを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記電子機器で実行されるデータ処理は、データ送信またはデータ受信であることを特徴とする請求項1乃至2のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項4】
前記保持手段で保持されているログ情報は、データ処理の種類、データ処理が実行された時刻、データ処理の動作順を示すIDのうちの少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項5】
前記電子機器はスキャナ及びプリンタのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項6】
前記第1の設定手段によって時間が設定された場合には前記第1の設定手段によって時間が設定されたことを示し、前記第2の設定手段によって時間が設定された場合には前記第2の設定手段によって時間が設定されたことを示すステータス情報を格納する格納手段を有し、
前記ステータス情報に基づいて前記ログ情報が前記保持手段に保持されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項7】
前記保持手段はさらに、データ処理が実行されるときに前記第1の設定手段及び前記第2の設定手段のいずれによっても時間が設定されていない状態であることを識別可能に、当該データ処理のログ情報を保持することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項8】
前記通信手段はネットワークを介して前記時刻情報供給装置としての時刻サービスサーバと通信することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項9】
前記第1の設定手段による時間の設定を行うか、前記第2の設定手段による時間の設定を行うかをユーザが選択できるようにする選択手段を有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項10】
データ処理を実行する電子機器の制御方法であって、
時刻情報を供給する時刻情報供給装置から供給される第1の時刻情報に従って時間を設定する第1の設定工程と、
前記時刻情報供給装置を使わずにユーザによって設定された第2の時刻情報に従って時間を設定する第2の設定工程と、
データ処理が実行されたときに前記第1の設定手段によって時間が設定されている状態であるか前記第2の設定手段によって時間が設定されている状態であるかを識別可能に、前記電子機器によって実行された当該データ処理のログ情報を保持手段に保持させる保持工程と、
を有することを特徴とする制御方法。
【請求項11】
請求項10に記載の制御方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項12】
請求項11に記載のプログラムを記憶することを特徴とする記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【公開番号】特開2012−230126(P2012−230126A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−164671(P2012−164671)
【出願日】平成24年7月25日(2012.7.25)
【分割の表示】特願2003−370586(P2003−370586)の分割
【原出願日】平成15年10月30日(2003.10.30)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】