説明

電子機器およびプログラム

【課題】プロジェクタに接続可能な小型電子機器において、ユーザ操作に応じた表示データと当該表示データに対応する重要なデータとを併せて外部の表示装置に表示させる。
【解決手段】例えば関数グラフモードにおいて、グラフ表示の座標レンジを設定する表示設定データと所望のグラフ式とを入力し、当該グラフ式に対応するグラフを描画した関数グラフ画面GFを表示部20に表示させると、予め記憶された各動作モードでの画面タイプ対応データに従い、表示された画面タイプ(関数グラフ画面)に対応する他の画面タイプ(グラフ式画面と表示設定画面)が決定される。すると、現在表示中の関数グラフ画面GFと共に、前記決定された対応画面タイプのグラフ式画面SFと表示設定画面SHの各画像をプロジェクタ30用に配置したプロジェクタ送信画像データが生成され、プロジェクタ30に送信されてスクリーン37に投影表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロジェクタなどの大画面表示装置との接続機能を有する小型の電子機器およびその制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、関数計算などの多種多様な計算処理が行える関数電卓と称する小型電子式計算機を、教育現場に持ち込んで使用することが広く行われるようになっている。
【0003】
この小型電子式計算機を、例えば計算の学習のために先生と生徒の両者が持って使用する場合に、先生が授業によって操作したキーの画像、このキーのキーボード上での位置を識別状態にしたキーボードの画像、このキー操作に応じて動作した表示画面の画像を併せてプロジェクタに送信する。
【0004】
そして、キー操作の都度、そのキーの画像、キーボードの画像、表示画面の画像を更新してプロジェクタ側で表示させることで、この計算機を利用した種々の計算の学習が効率良く行えるようにした電子機器(小型電子式計算機)が考えられている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−108132号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記従来の電子機器(小型電子式計算機)では、先生がどのようなキー操作を行っているかの実際の操作手順、キーの位置、キー操作に応じた動作画面を、プロジェクタ側でリアルタイムに生徒が見て、主に計算機の操作手法について学習することはできる。
【0007】
しかしながら、前記電子機器(小型電子式計算機)において、例えば任意の関数式を入力し、この関数式に応じたグラフを表示させた場合に、そのキー操作の画像とグラフの画像とをプロジェクタ側で表示させることはできるものの、関数式とグラフと当該グラフの表示範囲(座標レンジ)など、操作データではなく、ある処理により得られた表示データに対応する重要なデータを併せて表示させることはできない。
【0008】
本発明は、このような課題に鑑みなされたもので、ユーザ操作に応じた表示データと当該表示データに対応する重要なデータとを併せて外部の表示装置に表示させることが可能になる電子機器およびその制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の電子機器は、表示装置との接続機能を有し表示部を備えた電子機器であって、ユーザ操作に応じてデータを処理するデータ処理手段と、このデータ処理手段によるデータ処理に応じて取得されるそれぞれ対応関係を有する複数種類の画面データの各画面タイプを対応付けて記憶する画面タイプ対応記憶手段と、前記データ処理手段によるデータ処理に応じて取得された画面データを前記表示部に表示させる処理画面表示制御手段と、この処理画面表示制御手段により前記表示部に表示された画面データの画面タイプに対応する他の画面タイプを前記画面タイプ対応記憶手段により記憶された各画面タイプに基づき決定する対応画面タイプ決定手段と、この対応画面タイプ決定手段により決定された他の画面タイプの画面データを前記データ処理手段によるデータ処理に基づき取得する対応他画面取得手段と、前記処理画面表示制御手段により表示された画面データと前記対応他画面取得手段により取得された他の画面タイプの画面データとからなる画像を前記表示装置へ送信する画像送信手段と、を備えたことを特徴としている。
【0010】
請求項2に記載の電子機器は、前記請求項1に記載の電子機器において、前記画像送信手段により前記表示装置へ送信する画像は、前記処理画面表示制御手段により表示された画面データと前記対応他画面取得手段により取得された他の画面タイプの画面データとを一画面に配置した画像であり、当該画像内で前記処理画面表示制御手段により表示された画面データは識別されてなることを特徴としている。
【0011】
請求項3に記載の電子機器は、前記請求項1または請求項2に記載の電子機器において、前記処理画面表示制御手段により前記表示部に表示された画面データの画面タイプが変更されたことを判断する画面タイプ変更判断手段と、この画面タイプ変更判断手段により前記表示部に表示された画面データの画面タイプが変更されたと判断される毎に、前記対応画面タイプ決定手段による他の画面タイプの決定、前記対応他画面取得手段による他の画面タイプの画面データの取得、前記画像送信手段による前記表示装置への画像の送信を実行させる画面タイプ変更制御手段と、を備えたことを特徴としている。
【0012】
請求項4に記載の電子機器は、前記請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載の電子機器において、前記画像送信手段による前記表示装置への画像の送信の後に、ユーザ操作に応じて、当該画像に含まれる他の画面タイプの画面データの数の変更を指示する画面変更指示手段と、この画面変更指示手段により他の画面タイプの画面データの数の変更が指示される毎に、当該指示された他の画面タイプの画面データの数に応じて、前記対応他画面取得手段による他の画面タイプの画面データの取得、前記画像送信手段による前記表示装置への画像の送信を実行させる画面数変更制御手段と、を備えたことを特徴としている。
【0013】
請求項5に記載の電子機器は、前記請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載の電子機器において、前記データ処理手段は、ユーザ操作に応じて入力されたグラフ化すべき関数式のデータとグラフの表示範囲を設定する表示設定データとに基づいて当該関数式に対応するグラフを描画するグラフ描画手段を有し、前記画面タイプ対応記憶手段は、前記グラフ描画手段によるデータ処理に応じて取得される関数式の画面と表示設定の画面とグラフの画面の各画面タイプを対応付けて記憶する関数グラフ用の画面タイプ対応記憶手段を有し、前記処理画面表示制御手段は、前記グラフ描画手段によるデータ処理に応じて取得されたグラフの画面を前記表示部に表示させる関数グラフ画面の表示制御手段を有し、前記画像送信手段による前記表示装置への画像の送信の後に、ユーザ操作に応じて、前記関数式における特徴点の算出を指示する特徴点算出指示手段と、この特徴点算出指示手段による指示に応じて、前記関数式の特徴点を算出する特徴点算出手段と、この特徴点算出手段により算出された前記関数式の特徴点が前記表示設定データにより設定されたグラフの表示範囲に含まれるか否かを判断する特徴点判断手段と、この特徴点判断手段により前記関数式の特徴点が前記表示設定データにより設定されたグラフの表示範囲に含まれると判断された場合に、前記関数グラフ画面の表示制御手段により表示されたグラフの画面内に前記特徴点を付加した画面データと前記対応他画面取得手段により取得された前記関数式の画面データと前記表示設定の画面データとからなる画像を再生成して前記表示装置へ送信する第1の再生成画像送信手段と、前記特徴点判断手段により前記関数式の特徴点が前記表示設定データにより設定されたグラフの表示範囲に含まれないと判断された場合に、当該設定されたグラフの表示範囲を前記特徴点が含まれる表示範囲に変更する表示設定変更手段と、この表示設定変更手段により変更されたグラフの表示範囲に応じて前記関数グラフ画面の表示制御手段により表示されたグラフの画面を修正するグラフ画面修正手段と、このグラフ画面修正手段により表示範囲の修正されたグラフの画面内に前記特徴点を付加した画面データと前記対応他画面取得手段により取得された前記関数式の画面データと前記表示設定変更手段により変更された表示設定の画面データとからなる画像を再生成して前記表示装置へ送信する第2の再生成画像送信手段と、を備えたことを特徴としている。
【0014】
請求項6に記載のプログラムは、表示装置との接続機能を有し表示部を備えた電子機器のコンピュータを制御するためのプログラムであって、前記コンピュータを、ユーザ操作に応じてデータを処理するデータ処理手段、このデータ処理手段によるデータ処理に応じて取得されるそれぞれ対応関係を有する複数種類の画面データの各画面タイプを対応付けてメモリに記憶させる画面タイプ対応記憶手段、前記データ処理手段によるデータ処理に応じて取得された画面データを前記表示部に表示させる処理画面表示制御手段、この処理画面表示制御手段により前記表示部に表示された画面データの画面タイプに対応する他の画面タイプを前記画面タイプ対応記憶手段により記憶された各画面タイプに基づき決定する対応画面タイプ決定手段、この対応画面タイプ決定手段により決定された他の画面タイプの画面データを前記データ処理手段によるデータ処理に基づき取得する対応他画面取得手段、前記処理画面表示制御手段により表示された画面データと前記対応他画面取得手段により取得された他の画面タイプの画面データとからなる画像を前記表示装置へ送信する画像送信手段、として機能させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ユーザ操作に応じた表示データと当該表示データに対応する重要なデータとを併せて外部の表示装置に表示させることが可能になる電子機器およびその制御プログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の電子機器の実施形態に係るグラフ関数電卓(小型電子機器)10にプロジェクタ30を組み合わせた学習情報投影システムの構成を示すブロック図。
【図2】縦型のグラフ関数電卓10の外観構成を示す正面図。
【図3】横型のグラフ関数電卓10の外観構成を示す正面図。
【図4】前記グラフ関数電卓10のROM12に記憶される主なデータの内容を示す図。
【図5】前記グラフ関数電卓10のDRAM17に確保されたデータメモリの内容を示す図。
【図6】前記グラフ関数電卓(小型電子機器)10の関数グラフモードでの関数グラフデータ入力/グラフ表示処理を示すフローチャート。
【図7】前記グラフ関数電卓(小型電子機器)10の統計グラフモードでの統計グラフデータ入力/グラフ表示処理を示すフローチャート。
【図8】前記グラフ関数電卓(小型電子機器)10の各動作モードにおいて割り込みで繰り返し実行されるプロジェクタ対応処理を示すフローチャート。
【図9】前記縦型のグラフ関数電卓(小型電子機器)10の関数グラフモードでのプロジェクタ対応処理に伴う電卓表示動作およびプロジェクタ表示動作の具体例を示す図。
【図10】前記横型のグラフ関数電卓(小型電子機器)10の統計グラフモードでのプロジェクタ対応処理に伴う電卓表示動作およびプロジェクタ表示動作の具体例(その1)を示す図。
【図11】前記横型のグラフ関数電卓(小型電子機器)10の統計グラフモードでのプロジェクタ対応処理に伴う電卓表示動作およびプロジェクタ表示動作の具体例(その2)を示す図。
【図12】前記横型のグラフ関数電卓(小型電子機器)10の関数グラフモードでのプロジェクタ対応処理に伴う電卓表示動作およびプロジェクタ表示動作の具体例(その1)を示す図。
【図13】前記横型のグラフ関数電卓(小型電子機器)10の関数グラフモードでのプロジェクタ対応処理に伴う電卓表示動作およびプロジェクタ表示動作の具体例(その2)を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下図面により本発明の実施の形態について説明する。
【0018】
図1は、本発明の電子機器の実施形態に係るグラフ関数電卓(小型電子機器)10にプロジェクタ30を組み合わせた学習情報投影システムの構成を示すブロック図である。
【0019】
図2は、縦型のグラフ関数電卓10の外観構成を示す正面図である。
【0020】
図3は、横型のグラフ関数電卓10の外観構成を示す正面図である。
【0021】
グラフ関数電卓10は、コンピュータである制御部(CPU)11を備えている。
【0022】
制御部(CPU)11は、ROM(Flash)12に予め記憶されているシステムプログラム、あるいはメモリカード13からI/Oポート14を介してROM12内のシステム領域に記憶された計算機制御プログラム、あるいはI/Oポート14から外部PC15を経由して接続される通信ネットワークN上のWebサーバ(プログラムサーバ)16からダウンロードされて前記ROM12内のシステム領域に記憶された計算機制御プログラムに従い、DRAM17を作業用メモリ(ワークメモリ)として回路各部の動作を制御する。そして、前記ROM12に予め記憶されたシステムプログラムやそのシステム領域に読み込まれた計算機制御プログラムは、キーボード18からのキー入力信号に応じて起動される。
【0023】
なお、前記ROM12に記憶される計算機制御プログラムには、本グラフ関数電卓10の全動作中に渡ってその計算・表示動作の制御を行うための基本処理プログラム12a(図4参照)が含まれており、キー入力された数値,記号,計算式の表示、計算式の演算、演算結果の表示、グラフの描画・表示、カーソル(ポインタ)の表示・移動表示などが制御される。また、この計算機制御プログラムには、本グラフ関数電卓10をプロジェクタ30に接続した場合に、該プロジェクタ30によってグラフ関数電卓10における現在の表示画面および現在の表示画面の内容に対応(関係)する他の画面を併せて表示させるための画像データを生成して送信するプロジェクタ対応処理プログラム12b(図4参照)も含まれる。
【0024】
制御部(CPU)11には、前記ROM12、メモリカード13、I/Oポート14、DRAM17、キーボード18が接続される他に、液晶駆動回路19を介して液晶表示部(LCD)20が接続される。
【0025】
前記I/Oポート14には、当該グラフ関数電卓10における現在の表示画面および現在の表示画面に対応(関係)する他の画面を併せて投影表示させるためのプロジェクタ30が接続される。
【0026】
前記キーボード18には、図2、図3に示すように、各種関数の指定や計算形式の指定などを行う関数・機能キーと共に、演算子キー、テンキー、カーソルキーなどの種々のキーが設けられる。
【0027】
図4は、前記グラフ関数電卓10のROM12に記憶される主なデータの内容を示す図である。
【0028】
ROM12には、前記計算機制御プログラムとしての基本処理プログラム12aおよびプロジェクタ対応処理プログラム12bが記憶される他に、画面タイプ対応データ12cが記憶される。
【0029】
この画面タイプ対応データ12cは、グラフ関数電卓10の各動作モードにおいて、互いに対応関係にある画面のタイプを対応付けて記憶するデータであり、例えば関数式に応じたグラフを表示する関数グラフモード用の画面タイプ対応データ12c1としては、当該グラフを描画する関数グラフ画面(GF)と、当該グラフに対応するグラフ式(関数式)を描画するグラフ式画面(SF)と、前記関数グラフ画面(GF)の表示範囲(座標レンジ)を設定する表示設定画面(SH)との3つの画面タイプが対応付けられて記憶される。
【0030】
また、例えば統計(表)データに応じた回帰グラフを表示する統計グラフモード用の画面タイプ対応データ12c2としては、当該グラフを描画する統計グラフ画面(GT)と、当該グラフに対応する統計(表)データを描画する表データ画面(LT)と、前記統計グラフ画面(GT)の表示範囲(座標レンジ)を設定する表示設定画面(SH)と、統計(表)データを回帰させるグラフの種類を設定する統計設定画面(ST)との4つの画面タイプが対応付けられて記憶される。
【0031】
さらに、例えば方程式に係数を入力してその解を表示する方程式演算モード用の画面タイプ対応データ12c3としては、方程式に任意の係数を入力する方程式係数画面と、係数の入力された方程式の解を描画する方程式解画面との2つの画面タイプが対応付けられて記憶される。
【0032】
その他の動作モード用の画面タイプ対応データも同様にして記憶される。
【0033】
図5は、前記グラフ関数電卓10のDRAM17に確保されたデータメモリの内容を示す図である。
【0034】
前記DRAM17には、図5に示すように、グラフ式データメモリ17a、表示設定データメモリ17b、表データメモリ17c1、統計設定データメモリ17c2、接続有無メモリ17d、現在画面タイプメモリ17e、対応他画面タイプメモリ17f、送信他画面タイプメモリ17g、現在画面画像メモリ17h、他画面n画像メモリ17in…、送信画像メモリ17jなどが備えられる。
【0035】
グラフ式データメモリ17aには、グラフ化すべき関数式が記憶される、
表示設定データメモリ17bには、グラフを描画する画面の座標レンジが記憶される。
【0036】
表データメモリ17c1には、統計(表)データが記憶される。
【0037】
統計設定データメモリ17c2には、前記統計(表)データを解析する形態や対象項目が記憶される。
【0038】
接続有無メモリ17dには、プロジェクタ30との接続状態を示すフラグが記憶される。
【0039】
現在画面タイプメモリ17eには、本グラフ関数電卓10にて現在表示中の画面タイプが記憶される。
【0040】
対応他画面タイプメモリ17fには、前記現在画面タイプメモリ17eに記憶された現在画面タイプに対応して前記画面タイプ対応データ12cから読み出された関係する他の画面タイプが記憶される。
【0041】
送信他画面タイプメモリ17gには、前記対応他画面タイプメモリ17fに記憶された他の画面タイプのうちプロジェクタ30へ送信すべき他の画面タイプが選択的に記憶される。
【0042】
現在画面画像メモリ17hには、前記現在画面タイプメモリ17eに記憶された現在表示中の画面タイプの実画像データが記憶される。
【0043】
他画面1画像メモリ17i1,他画面2画像メモリ17i2,…には、前記対応他画面タイプメモリ17fに記憶された他の画面タイプそれぞれの実画像データが記憶される。
【0044】
送信画像メモリ17jには、前記現在画面画像メモリ17hに記憶された現在表示中の画面タイプの実画像データと、前記送信他画面タイプメモリ17gに記憶されたプロジェクタ30へ送信すべき他の画面タイプに従い前記他画面1画像メモリ17i1,他画面2画像メモリ17i2,…から選択的に読み出された他の画面タイプそれぞれの実画像データとを併せて配置したプロジェクタ送信画像データが記憶される。
【0045】
一方、プロジェクタ30は、コンピュータである制御部(CPU)31を備えている。
【0046】
制御部(CPU)31は、ROM32に予め記憶されているシステムプログラム、あるいはI/Oポート33から外部PC15を経由して接続される通信ネットワークN上のWebサーバ(プログラムサーバ)16からダウンロードされて前記ROM32内のシステム領域に記憶されたプロジェクタ制御プログラムに従い、RAM34を作業用メモリ(ワークメモリ)として回路各部の動作を制御する。そして、前記ROM32に予め記憶されたシステムプログラムやそのシステム領域に読み込まれたプロジェクタ制御プログラムは、キー入力部35からのキー入力信号や前記グラフ関数電卓10から受信される各種のデータ信号に基づき起動される。
【0047】
制御部(CPU)31には、前記ROM32、I/Oポート33、RAM34、キー入力部35が接続される他に、画像出力部36が接続され、スクリーン37に対するグラフ関数電卓10の現在の表示画面および現在の表示画面に対応(関係)する他の画面を併せた画像(グラフ関数電卓10から受信されたプロジェクタ送信画像)の投影表示制御が行われる。
【0048】
このようなグラフ関数電卓(小型電子機器)10にプロジェクタ30を組み合わせた学習情報投影システムでは、グラフ関数電卓10の各動作モードにおいて、ユーザ操作に応じた画面データ(17h)が生成されて液晶表示部20に表示されると、この表示された画面データ(17h)の画面タイプ(17e)に対応(関係)した画面タイプ(17f)が前記画面タイプ対応データ12cに基づき決定される。そして、前記表示された画面データ(17h)と、前記決定された画面タイプ(17f)に対応する画面データ(17in)とを併せて配置したプロジェクタ用の画像データ(17j)が生成される。そして、前記生成されたプロジェクタ用の画像データ(17j)がプロジェクタ30に送信されて投影表示される。
【0049】
これにより、グラフ関数電卓10のユーザ操作に応じてその表示部20に表示される画面データ(例えば関数グラフ画面GF)だけでなく、この画面データの内容に連動する他の画面データ(グラフ式画面SFと表示設定画面SH)も併せて、プロジェクタ30にてリアル且つ明確に分かり易く投影表示させることができる。
【0050】
次に、前記構成のグラフ関数電卓(小型電子機器)10にプロジェクタ30を組み合わせた学習情報投影システムの動作について説明する。
【0051】
図6は、前記グラフ関数電卓(小型電子機器)10の関数グラフモードでの関数グラフデータ入力/グラフ表示処理を示すフローチャートである。
【0052】
図7は、前記グラフ関数電卓(小型電子機器)10の統計グラフモードでの統計グラフデータ入力/グラフ表示処理を示すフローチャートである。
【0053】
図8は、前記グラフ関数電卓(小型電子機器)10の各動作モードにおいて割り込みで繰り返し実行されるプロジェクタ対応処理を示すフローチャートである。
【0054】
図9は、前記縦型のグラフ関数電卓(小型電子機器)10の関数グラフモードでのプロジェクタ対応処理に伴う電卓表示動作およびプロジェクタ表示動作の具体例を示す図である。
【0055】
ユーザ操作に応じて、グラフ関数電卓10の動作モードが関数グラフモードに設定されると、図6における関数グラフデータ入力/グラフ表示処理が起動される。
【0056】
先ず、グラフを表示させる表示画面(20)上の座標レンジを設定するために、表示設定(View Window)の入力操作が行われると(ステップF1)、液晶表示部20に表示設定画面SH(図9参照)が表示される(ステップF2)。
【0057】
この表示設定画面SHにおいて、x軸の最小値(xmin)/最大値(xmax)、スケール(scale)、1表示ドット当たりの変化幅(dot)、y軸の最小値(ymin)/最大値(ymax)、スケール(scale)が入力されると(ステップF3)、入力された表示設定データは、DRAM17内の表示設定データメモリ17bに登録される(ステップF4)。
【0058】
次に、グラフ化の対象とするグラフ式(関数式)を入力するために、グラフ式画面の入力操作が行われると(ステップF5)、液晶表示部20にグラフ式画面SF(図9参照)が表示される(ステップF6)。
【0059】
このグラフ式画面SFにおいて、所望のグラフ式(関数式)が、例えば[y1=x2][y2=x][y3=-x]として入力されると(ステップF7)、入力されたグラフ式データは、DRAM17のグラフ式データメモリ17aに登録される(ステップF8)。
【0060】
ここで、グラフ描画の実行を指示する操作が行われると(ステップF9)、図2および図9(A)に示すように、前記表示設定データメモリ17bに記憶された表示設定データ(SH)に応じた座標レンジを対象に、前記グラフ式データメモリ17aに記憶された各グラフ式(関数式)に対応するグラフy1,y2,y3を描画した関数グラフ画面GFが、液晶表示部20に表示される(ステップF10)。
【0061】
前記関数グラフモードでの関数グラフデータ入力/グラフ表示処理に伴い割り込みで起動されるプロジェクタ対応処理12b(図8参照)において、DRAM17内の接続有無メモリ17dに記憶されるプロジェクタ30との接続状態を示すフラグに基づき、図9(A)(B)に示すように、プロジェクタ30との接続があると判断されると(ステップP1(Yes))、新規で接続されたのかまたは既に接続中であったのかが判断される(ステップP2)。
【0062】
ここで、プロジェクタ30と新規で接続されたと判断されると(ステップP2(Yes))、DRAM17内の現在画面タイプメモリ17eに記憶される画面タイプのデータに基づき、現在、液晶表示部20に表示されている画面のタイプが関数グラフ画面(GF)であると判定される(ステップP3)。
【0063】
すると、ROM12に記憶された関数グラフモード用の画面タイプ対応データ12c1(図4参照)に基づき、前記関数グラフ画面GFに対応する他画面のタイプが、グラフ式画面(SF)と表示設定画面(SH)として決定され、対応他画面タイプメモリ17fに記憶される(ステップP4)。
【0064】
そして、前記関数グラフ画面GFに対応する他画面のタイプとして、グラフ式画面(SF)と表示設定画面(SH)があると判断されると(ステップP5(Yes))、前記現在画面タイプメモリ17eに記憶された画面タイプ(関数グラフ画面(GF))と、前記対応他画面タイプメモリ17fに記憶された他画面タイプ(グラフ式画面(SF)と表示設定画面(SH))との3つの画面タイプが、プロジェクタ30へ送信すべき画面タイプとして設定される。そしてその他画面タイプ(グラフ式画面(SF)と表示設定画面(SH))が、送信他画面タイプメモリ17gに記憶される(ステップP6)。
【0065】
すると、前記プロジェクタ30へ送信すべき画面数“3”とその画面タイプ(関数グラフ画面(GF)、グラフ式画面(SF)、表示設定画面(SH))に応じて、プロジェクタ30で投影すべき画像上での各画面のサイズと位置が設定される(ステップP8)。
【0066】
そして、前記現在表示中の関数グラフ画面GFに対応して送信他画面タイプメモリ17gに記憶された他画面タイプ(グラフ式画面(SF)と表示設定画面(SH))それぞれのグラフ式画面SFの画像と表示設定画面SHの画像とが、グラフ式データメモリ17aに記憶されたグラフ式のデータと表示設定データメモリ17bに記憶された表示設定のデータとに基づき生成され、他画面1画像メモリ17i1と他画面2画像メモリ17i2に記憶される(ステップP9)。
【0067】
すると、現在画面画像メモリ17hに記憶された現在表示中の関数グラフ画面GFの画像データ(赤枠R付き)と、前記他画面1画像メモリ17i1と他画面2画像メモリ17i2に記憶されたグラフ式画面SFの画像データと表示設定画面SHの画像データとを、前記ステップP8にて設定された各画面位置に応じてプロジェクタ30用の1画面に配置したプロジェクタ送信画像データが生成され、送信画像データメモリ17jに記憶される。そして、この送信画像データメモリ17jに記憶されたプロジェクタ送信画像データは、I/Oポート14を介してプロジェクタ30へ送信される(ステップP10)。
【0068】
これにより、図9(A)(B)に示すように、プロジェクタ30のスクリーン37には、グラフ関数電卓10のユーザ操作に応じて電卓10自身の表示部20に表示された関数グラフ画面GF(赤枠R付き)だけでなく、この関数グラフ画面GFの内容に連動しているグラフ式画面SFと表示設定画面SHも併せて、リアル且つ明確に分かり易く投影表示させることができる。
【0069】
この図9(A)(B)に示すような表示状態にあるグラフ関数電卓10において、その液晶表示部20に表示されている関数グラフ画面GFを自動で拡大して表示させるために、「Zoom Auto」の入力操作が行われると(ステップF11(Yes))、表示設定データメモリ17bに記憶されている表示設定データ(SH)が、前記関数グラフ画面GFの各グラフy1,y2,y3を一定量拡大する値に変更される。そして、この変更後の表示設定データ(SH)に対応して前記各グラフy1,y2,y3を拡大して描画した関数グラフ画面GF′(図9(C)参照)が液晶表示部20に表示される(ステップF12)。
【0070】
ここで、前記図8におけるプロジェクタ対応処理が割り込みにより起動されると、接続有無メモリ17dに記憶されるフラグに従い、プロジェクタ30と接続中であると判断される(ステップP1→P2(No))。
【0071】
そして、現在画面タイプメモリ17eに記憶される画面タイプのデータに基づき、現在液晶表示部20に表示されている画面のタイプが関数グラフ画面(GF)であると判定され(ステップP24)、前回処理の際から画面タイプは変更されていないと判断される(ステップP25(No))。
【0072】
そして、「Zoom」系の入力操作が行われたと判断されると(ステップP11(Yes))、前記表示設定データメモリ17bに記憶されている表示設定データ(SH)が変更されたことが検知され(ステップP12(Yes))、この変更された表示設定データ(SH)に応じた表示設定画面SH′の画像データが生成されて他画面2画像メモリ17i2に書き替えられて記憶される(ステップP13)。
【0073】
すると、現在画面画像メモリ17hに記憶された現在表示中で自動拡大処理された関数グラフ画面GF′の画像データ(赤枠R付き)と、前記他画面1画像メモリ17i1に記憶されたグラフ式画面SFの画像データ、前記他画面2画像メモリ17i2に記憶された変更後の表示設定画面SH′の画像データとを、プロジェクタ30用の1画面に配置したプロジェクタ送信画像データが再生成され、送信画像データメモリ17jに記憶されてプロジェクタ30へ送信される(ステップP14)。
【0074】
これにより、図9(C)に示すように、プロジェクタ30のスクリーン37には、グラフ関数電卓10のユーザ操作に応じて自動拡大表示された関数グラフ画面GF′(赤枠R付き)だけでなく、この拡大後の関数グラフ画面GF′の内容に連動しているグラフ式画面SFと表示設定画面SH′も併せて、リアル且つ明確に分かり易く投影表示させることができる。
【0075】
図10は、前記横型のグラフ関数電卓(小型電子機器)10の統計グラフモードでのプロジェクタ対応処理に伴う電卓表示動作およびプロジェクタ表示動作の具体例(その1)を示す図である。
【0076】
図11は、前記横型のグラフ関数電卓(小型電子機器)10の統計グラフモードでのプロジェクタ対応処理に伴う電卓表示動作およびプロジェクタ表示動作の具体例(その2)を示す図である。
【0077】
ユーザ操作に応じて、グラフ関数電卓10の動作モードが統計グラフモードに設定されると、図7における統計グラフデータ入力/グラフ表示処理が起動される。
【0078】
先ず、グラフを表示させる表示画面(20)上の座標レンジを設定するために、表示設定(View Window)の入力操作が行われると(ステップT1)、液晶表示部20に表示設定画面SH(図10(B2)参照)が表示される(ステップT2)。
【0079】
この表示設定画面SHにおいて、x軸の最小値(xmin)/最大値(xmax)、スケール(scale)、1表示ドット当たりの変化幅(dot)、y軸の最小値(ymin)/最大値(ymax)が入力されると(ステップT3)、入力された表示設定データは、DRAM17内の表示設定データメモリ17bに登録される(ステップT4)。
【0080】
次に、グラフ化の対象とする統計(表)データを入力するために、表データ画面の入力操作が行われると(ステップT5)、図3および図10(A1)に示すように、液晶表示部20に表データ画面LTが表示される(ステップT6)。
【0081】
この表データ画面LTにおいて、所望の表データが、例えば[List1:1,2,3,4][List2:4,-5,6,7]として入力されると(ステップT7)、入力された表(統計)データは、DRAM17の表データメモリ17c1に登録される(ステップT8)。なお、この表データ画面LTに対する表データの入力状態で、グラフ関数電卓10がプロジェクタ30に接続された場合、図10(B1)に示すように、同表データの入力状態にある表データ画面LTの画像データが現在画面画像メモリ17hから読み出され、そのままプロジェクタ30に送信されてスクリーン37に投影表示される。
【0082】
さらに、前記表(統計)データの解析形態を設定するために、統計設定画面の入力操作が行われると(ステップT9)、液晶表示部20に統計設定画面ST(図10(B2)参照)が表示される(ステップT10)。
【0083】
この統計設定画面STにおいて、所望の解析形態の統計設定データが、例えば[Graph Type:Cubic(三次回帰)][X List:List1][Y List:List2][Frequency:1]として入力されると(ステップT11)、入力された統計設定データは、DRAM17の統計設定データメモリ17c2に登録される(ステップT12)。
【0084】
ここで、グラフ描画の実行を指示する操作が行われると、前記表データメモリ17c1に記憶された表データ(LT)を前記統計設定データメモリ17c2に記憶された統計設定データ(ST)に従い解析したグラフyが、前記表示設定データメモリ17bに記憶された表示設定データ(SH)に応じた座標レンジに応じて描画される。そして、図10(A2)に示すように、前記グラフyの描画された統計グラフ画面GTが、液晶表示部20に表示される(ステップT13)。
【0085】
前記統計グラフモードでの統計グラフデータ入力/グラフ表示処理に伴い割り込みで起動されるプロジェクタ対応処理12b(図8参照)において、DRAM17内の接続有無メモリ17dに記憶されるプロジェクタ30との接続状態を示すフラグに基づき、図9(A2)(B2)に示すように、プロジェクタ30と接続中であると判断されると(ステップP1→(No))、DRAM17内の現在画面タイプメモリ17eに記憶される画面タイプのデータに基づき、現在、液晶表示部20に表示されている画面のタイプが統計グラフ画面(GT)であると判定される(ステップP24)。
【0086】
すると、前記図10(A1)で示した表データ画面LTから、現在の統計グラフ画面GTへ画面タイプが変更されたと判断されるので(ステップP25(Yes))、ROM12に記憶された統計グラフモード用の画面タイプ対応データ12c2(図4参照)に基づき、前記統計グラフ画面GTに対応する他画面のタイプが、表データ画面(LT)と表示設定画面(SH)と統計設定画面(ST)として決定され、対応他画面タイプメモリ17fに記憶される(ステップP4)。
【0087】
そして、前記統計グラフ画面GTに対応する他画面のタイプとして、表データ画面(LT)と表示設定画面(SH)と統計設定画面(ST)があると判断されると(ステップP5(Yes))、前記現在画面タイプメモリ17eに記憶された画面タイプ(統計グラフ画面(GT))と、前記対応他画面タイプメモリ17fに記憶された他画面タイプ(表データ画面(LT)と表示設定画面(SH)と統計設定画面(ST))との4つの画面タイプが、プロジェクタ30へ送信すべき画面タイプとして設定される。そしてその他画面タイプ(表データ画面(LT)と表示設定画面(SH)と統計設定画面(ST))が、送信他画面タイプメモリ17gに記憶される(ステップP6)。
【0088】
すると、前記プロジェクタ30へ送信すべき画面数“4”とその画面タイプ(統計グラフ画面(GT)、表データ画面(LT)、表示設定画面(SH)、統計設定画面(ST))に応じて、プロジェクタ30で投影すべき画像上での各画面のサイズと位置が設定される(ステップP8)。
【0089】
そして、前記現在表示中の統計グラフ画面GTに対応して送信他画面タイプメモリ17gに記憶された他画面タイプ(表データ画面(LT)と表示設定画面(SH)と統計設定画面(ST))それぞれの表データ画面LTの画像と表示設定画面SHの画像と統計設定画面STの画像とが、表データメモリ17c1に記憶された表データと表示設定データメモリ17bに記憶された表示設定のデータと統計設定データメモリ17c2に記憶された統計設定のデータとに基づき生成され、他画面1画像メモリ17i1〜他画面3画像メモリ17i3に記憶される(ステップP9)。
【0090】
すると、現在画面画像メモリ17hに記憶された現在表示中の統計グラフ画面GTの画像データ(赤枠R付き)と、前記他画面1画像メモリ17i1〜他画面3画像メモリ17i3に記憶された表データ画面LTの画像データと表示設定画面SHの画像データと統計設定画面STの画像データとを、前記ステップP8にて設定された各画面位置に応じてプロジェクタ30用の1画面に配置したプロジェクタ送信画像データが生成され、送信画像データメモリ17jに記憶されてプロジェクタ30へ送信される(ステップP10)。
【0091】
これにより、図10(A2)(B2)に示すように、プロジェクタ30のスクリーン37には、グラフ関数電卓10のユーザ操作に応じて電卓10自身の表示部20に表示された統計グラフ画面GT(赤枠R付き)だけでなく、この統計グラフ画面GTの内容に連動している表データ画面GTと表示設定画面SHと統計設定画面STも併せて、リアル且つ明確に分かり易く投影表示させることができる。
【0092】
この図10(A2)(B2)に示すような表示状態にあるグラフ関数電卓10において、その液晶表示部20に表示されている統計グラフ画面GTを自動で拡大して表示させるために、「Zoom Auto」の入力操作が行われると(ステップT14(Yes))、表示設定データメモリ17bに記憶されている表示設定データ(SH)が、前記統計グラフ画面GTのグラフyを一定量拡大する値に変更される。そして、この変更後の表示設定データ(SH)に対応して前記グラフyを拡大して描画した統計グラフ画面GT′が液晶表示部20に表示される(ステップT15)。
【0093】
ここで、前記図8におけるプロジェクタ対応処理が割り込みにより起動され、前述した関数グラフモードでの「Zoom Auto」の入力操作時と同様に、「Zoom」系の入力操作が行われたと判断されると(ステップP11(Yes))、前記表示設定データメモリ17bに記憶されている表示設定データ(SH)が変更されたことが検知され(ステップP12(Yes))、この変更された表示設定データ(SH)に応じた表示設定画面SH′の画像データが生成されて他画面2画像メモリ17i2に書き替えられて記憶される(ステップP13)。
【0094】
すると、現在画面画像メモリ17hに記憶された現在表示中で自動拡大処理された統計グラフ画面GT′の画像データ(赤枠R付き)と、前記他画面1画像メモリ17i1に記憶された表データ画面LTの画像データ、前記他画面2画像メモリ17i2に記憶された変更後の表示設定画面SH′の画像データ、前記他画面3画像メモリ17i3に記憶された統計設定画面STの画像データとを、プロジェクタ30用の1画面に配置したプロジェクタ送信画像データが再生成され、送信画像データメモリ17jに記憶されてプロジェクタ30へ送信される(ステップP14)。
【0095】
これにより、プロジェクタ30のスクリーン37には、前述した関数グラフモードでの関数グラフ画面GFの拡大表示(図9(C)参照)と同様に、グラフ関数電卓10のユーザ操作に応じて自動拡大表示された統計グラフ画面GT′(赤枠R付き)だけでなく、この拡大後の統計グラフ画面GT′の内容に連動している表データ画面LTと表示設定画面SH′と統計設定画面STも併せて、リアル且つ明確に分かり易く投影表示させることができる。
【0096】
また、プロジェクタ30に表示させる他画面の画面数を減少変更するためのキーボード18における[Shift]+[↓]キーの操作入力に応じて、他画面変更操作(減少)があったと判断されると(ステップP15(Yes))、前記送信他画面タイプメモリ17gに記憶されているプロジェクタ30へ送信すべき3つの他画面タイプ(表データ画面(LT)、表示設定画面(SH)、統計設定画面(ST))が、予め定められた1つの他画面タイプ(表示設定画面(SH))に減らされて変更される(ステップP16)。
【0097】
すると、現在画面タイプメモリ17eに記憶されている現在表示中の画面タイプ(統計グラフ画面(GT))と送信他画面タイプメモリ17gに減少変更されて記憶された1つの他画面タイプ(表示設定画面(SH))に基づき得られる、プロジェクタ30へ送信すべき画面数“2”とその画面タイプ(統計グラフ画面(GT)、表示設定画面(SH))に応じて、プロジェクタ30で投影すべき画像上での各画面のサイズと位置が設定される(ステップP8)。
【0098】
そして、前記送信他画面タイプメモリ17gに記憶された他画面タイプ(表示設定画面(SH))の表示設定画面SHの画像が、表示設定データメモリ17bに記憶された表示設定のデータに基づき生成され、他画面1画像メモリ17i1に記憶される(ステップP9)。
【0099】
すると、現在画面画像メモリ17hに記憶された現在表示中の統計グラフ画面GTの画像データ(赤枠R付き)と、前記他画面1画像メモリ17i1に記憶された表示設定画面SHの画像データとを、前記ステップP8にて設定された各画面位置に応じてプロジェクタ30用の1画面に配置したプロジェクタ送信画像データが生成され、送信画像データメモリ17jに記憶されてプロジェクタ30へ送信される(ステップP10)。
【0100】
これにより、図11(A3)(B3)に示すように、プロジェクタ30のスクリーン37には、グラフ関数電卓10のユーザ操作に応じて電卓10自身の表示部20に表示された統計グラフ画面GT(赤枠R付き)と、この統計グラフ画面GTの内容に連動している表データ画面GTと表示設定画面SHと統計設定画面STのうちの表示設定画面SHだけを併せて、投影表示させることができる。
【0101】
この後さらに、キーボード18における[Shift]+[↓]キーの操作入力に応じて、他画面変更操作(減少)があったと判断されると(ステップP15(Yes))、前記送信他画面タイプメモリ17gに現在記憶されている1つの他画面タイプ(表示設定画面(SH))が“0”に減らされて変更される(ステップP16)。
【0102】
すると、前記同様の処理を経て、現在画面画像メモリ17hに記憶された現在表示中の統計グラフ画面GTの画像データ(赤枠R付き)だけをプロジェクタ30用の1画面に配置したプロジェクタ送信画像データが生成され、送信画像データメモリ17jに記憶されてプロジェクタ30へ送信される(ステップP8〜P10)。
【0103】
これにより、図11(A4)(B4)に示すように、プロジェクタ30のスクリーン37には、グラフ関数電卓10のユーザ操作に応じて電卓10自身の表示部20に表示された統計グラフ画面GT(赤枠R付き)だけを投影表示させることができる。
【0104】
ここで、例えばキーボード18における[Shift]+[↑]キーの操作入力に応じて、他画面変更操作(増加)があったと判断されると(ステップP15(Yes))、送信他画面タイプメモリ17gに記憶されている他画面タイプの数が増加変更され(ステップP16)、前記図11(A3)(B3)で示したように、プロジェクタ30のスクリーン37には、グラフ関数電卓10にて現在表示中の統計グラフ画面GTに表示設定画面SHを併せた2画面を再表示させることができる(ステップP8〜P10)。
【0105】
この後さらに、[Shift]+[↑]キーの操作入力に応じて、他画面変更操作(増加)があったと判断されると(ステップP15(Yes))、前記同様の処理を経て(ステップP16→P8〜P10)、プロジェクタ30のスクリーン37には、前記図10(A2)(B2)で示したように、グラフ関数電卓10にて現在表示中の統計グラフ画面GTに、表データ画面LT、表示設定画面SH、統計設定画面STを併せた4画面を再表示させることができる。
【0106】
図12は、前記横型のグラフ関数電卓(小型電子機器)10の関数グラフモードでのプロジェクタ対応処理に伴う電卓表示動作およびプロジェクタ表示動作の具体例(その1)を示す図である。
【0107】
図13は、前記横型のグラフ関数電卓(小型電子機器)10の関数グラフモードでのプロジェクタ対応処理に伴う電卓表示動作およびプロジェクタ表示動作の具体例(その2)を示す図である。
【0108】
関数グラフモードでの関数グラフデータ入力/グラフ表示処理(図6参照)に従い、表示設定画面SHを表示させて表示設定データ(xmin:-6.3/xmax:6.3/scale:1/dot:0.1/ymin:-3.1/ymax:3.1)を入力して登録し(ステップF1〜F4)、次に、グラフ式画面SFを表示させて所望のグラフ式[y1=x2-4]を入力して登録し(ステップF5〜F8)、グラフ描画の実行を指示する(ステップF9)。
【0109】
すると、図12(A1)に示すように、前記表示設定データ(SH)に応じた座標レンジを対象に、前記グラフ式[y1=x2-4]に対応するグラフy1を描画した関数グラフ画面GFが、液晶表示部20に表示される(ステップF10)。
【0110】
ここで、図8におけるプロジェクタ対応処理が割り込みにより起動されると、前述したステップP1〜P10の処理を経て、現在画面画像メモリ17hに記憶された現在表示中の関数グラフ画面GFの画像データ(赤枠R付き)と、他画面1画像メモリ17i1と他画面2画像メモリ17i2に記憶されたグラフ式画面SFの画像データと表示設定画面SHの画像データとを、プロジェクタ30用の1画面に配置したプロジェクタ送信画像データが生成され、プロジェクタ30へ送信される(ステップP10)。
【0111】
これにより、図12(A1)(B1)に示すように、プロジェクタ30のスクリーン37には、グラフ関数電卓10のユーザ操作に応じて電卓10自身の表示部20に表示された関数グラフ画面GF(赤枠R付き)だけでなく、この関数グラフ画面GFの内容に連動しているグラフ式画面SFと表示設定画面SHも併せて、リアル且つ明確に分かり易く投影表示させることができる。
【0112】
ここで、図12(A2)に示すように、グラフ関数電卓10にて表示中の画面が、ユーザ操作に応じてグラフ式画面SFに切り換えられると、表示中の画面タイプが変更されたと判断されることで(ステップP25(No))、当該グラフ式画面SFの画像データを赤枠R付きにしたプロジェクタ送信画像データが再生成されてプロジェクタ30に送信される(ステップP4〜P10)。
【0113】
これにより、図12(B2)に示すように、プロジェクタ30のスクリーン37には、電卓10にて切り換え表示されたグラフ式画面SFが赤枠R付きで、当該グラフ式画面SFと連動する関数グラフ画面GFおよび表示設定画面SHと共に表示される。
【0114】
さらに、図13(A3)に示すように、グラフ関数電卓10にて表示中の画面が、ユーザ操作に応じて表示設定画面SHに切り換えられると、前記同様に表示中の画面タイプが変更されたと判断されることで(ステップP25(No))、当該表示設定画面SHの画像データを赤枠R付きにしたプロジェクタ送信画像データが再生成されてプロジェクタ30に送信される(ステップP4〜P10)。
【0115】
これにより、図13(B3)に示すように、プロジェクタ30のスクリーン37には、電卓10にて切り換え表示された表示設定画面SHが赤枠R付きで、当該表示設定画面SHと連動する関数グラフ画面GFおよびグラフ式画面SFと共に表示される。
【0116】
よって、グラフ関数電卓10における画面タイプの切り換えに対応させて、プロジェクタ30にて表示させている複数の画面のうち何れの画面が電卓10側で表示されているのかを明確に認識できるようになる。
【0117】
次に、前記図12(A1)(B1)に示すような表示状態にあるグラフ関数電卓10において、その液晶表示部20に表示されている関数グラフ画面GFにおけるグラフy1の切片を求解して表示させるための、「Solve y軸切片[ICPT]」の入力操作が行われると(ステップF13(Yes))、グラフ式データメモリ17aに記憶されているグラフ式[y=x2-4]に基づきy軸切片が算出され、その切片座標値[x=0,y=-4]が、図13(A4)に示すように、関数グラフ画面GF上に付加されて表示される。この際、求解された切片座標[x=0,y=-4]の位置が、関数グラフ画面GFの座標レンジに含まれる場合は、当該切片座標[x=0,y=-4]の位置にポインタPが表示される(ステップF14)。
【0118】
なお、図13(A4)で示した関数グラフ画面GFの座標レンジ(xmin:-6.3〜xmax:6.3/ymin:-3.1〜ymax:3.1)には、範囲aに示すように、前記求解された切片座標[x=0,y=-4]は含まれないため、当該切片座標を示すポインタPは表示されない。
【0119】
ここで、前記図8におけるプロジェクタ対応処理が割り込みにより起動され、「Solve」系の入力操作が行われたと判断されると(ステップP17(Yes))、前記求解された切片座標[x=0,y=-4]が前記関数グラフ画面GFの画面内に含まれているか否か判断される(ステップP18)。
【0120】
そして、図13(A4)で示したように、前記求解された切片座標[x=0,y=-4]は関数グラフ画面GFの画面内に含まれてないと判断されると(ステップP18(No))、現在の関数グラフ画面GFの表示設定データの座標レンジ(xmin:-6.3〜xmax:6.3/ymin:-3.1〜ymax:3.1)が、前記求解された切片座標[x=0,y=-4]を含む座標レンジ(例えばxmin:-6.3〜xmax:6.3/ymin:-4.5〜ymax:2.5)に変更される(ステップP19)。
【0121】
すると、プロジェクタ30専用として、現在表示中の関数グラフ画面GF(図13(A4)参照)が、前記変更された表示設定データの座標レンジに応じた関数グラフ画面GFpに修正され、前記求解された切片座標[x=0,y=-4]を示すポインタPが付加されると共に、当該修正後の関数グラフ画面GFpの画像データが生成される(ステップP20)。
【0122】
また、前記変更された表示設定データに対応する表示設定画面SHpの画像データが生成される(ステップP21)。
【0123】
すると、前記ステップP20にて生成された修正後の関数グラフ画面GFpの画像データ(現在表示中の関数グラフ画面GFに対応する範囲の赤枠R付き)と、前記ステップP21にて生成された変更後の表示設定画面SHpの画像データ、前記他画面1画像メモリ17i1に記憶されたグラフ式画面SFの画像データとを、プロジェクタ30用の1画面に配置したプロジェクタ送信画像データが再生成され、送信画像データメモリ17jに記憶されてプロジェクタ30へ送信される(ステップP22)。
【0124】
これにより、グラフ関数電卓10の液晶表示部20に表示された関数グラフ画面GFの範囲内に、求解された切片座標[x=0,y=-4]の位置が含まれていなくても、プロジェクタ30のスクリーン37には、図13(B4)の範囲aに示すように、当該切片座標[x=0,y=-4]を示すポインタPを付加した関数グラフ画面GFpが投影表示されると共に、当該関数グラフ画面GFpの内容に連動しているグラフ式画面SFと表示設定画面SHpも併せて投影表示される。
【0125】
一方、前記ステップP18において、前記求解された切片座標が現在表示中の関数グラフ画面GFの座標レンジ内に含まれていると判断された場合は(ステップP18(Yes))、当該現在表示中である切片座標のポインタPが付加された関数グラフ画面GFの画像データ(赤枠R付き)と、他画面2画像メモリ17i2に記憶された表示設定画面SHの画像データ、他画面1画像メモリ17i1に記憶されたグラフ式画面SFの画像データとを、プロジェクタ30用の1画面に配置したプロジェクタ送信画像データが再生成され、プロジェクタ30へ送信される(ステップP23)。
【0126】
前記ステップP17〜P23におけるプロジェクタ対応処理の説明では、前記関数グラフデータ入力/グラフ表示処理でのステップF13,F14の処理に従い、y軸切片を求解した場合の具体例について説明したが、それだけでなく、ステップF15,F16の処理に従い極大値を求解した場合、あるいは他の処理に従い極小値,根などを求解した場合でも、前記同様のプロジェクタ対応処理(ステップP17〜P23)に従い、プロジェクタ30のスクリーン37には、求解された座標を示すポインタPを付加した関数グラフ画面GFp(GF)を表示させることができる。
【0127】
なお、前記プロジェクタ対応処理でのステップP5において、現在表示中の画面タイプに対応する他画面のタイプがないと判断された場合には(ステップP5(No))、現在画面タイプメモリ17eに記憶された1つの画面タイプだけが、プロジェクタ30へ送信すべき画面タイプとして設定される(ステップP7)。
【0128】
そして、現在画面画像メモリ17hに記憶された現在表示中の画面の画像データ(赤枠R付き)をそのままプロジェクタ30用の1画面に配置したプロジェクタ送信画像データが生成され、プロジェクタ30へ送信される(ステップP8〜P10)。
【0129】
したがって、前記構成のグラフ関数電卓(小型電子機器)10にプロジェクタ30を組み合わせた学習情報投影システムによれば、例えば関数グラフモードにおいて、グラフ表示の座標レンジを設定する表示設定データと所望のグラフ式とを入力し、当該グラフ式に対応するグラフを描画した関数グラフ画面GFを表示部20に表示させると、予め記憶された各動作モードでの画面タイプ対応データ12c1,12c2,…に従い、表示された画面タイプ(関数グラフ画面)に対応する他の画面タイプ(グラフ式画面と表示設定画面)が決定される。すると、現在表示中の関数グラフ画面GFと共に前記決定された対応画面タイプのグラフ式画面SFと表示設定画面SHの各画像をプロジェクタ30用に配置したプロジェクタ送信画像データが生成され、プロジェクタ30に送信されてスクリーン37に投影表示される。
【0130】
このため、グラフ関数電卓10のユーザ操作に応じて電卓10自身の表示部20に表示された関数グラフ画面GFだけでなく、この関数グラフ画面GFの内容に連動しているグラフ式画面SFと表示設定画面SHも併せて、リアル且つ明確に分かり易く投影表示させることができる。
【0131】
また、前記構成の学習情報投影システムによれば、前記プロジェクタ送信画像データに含まれる電卓20自身にて現在表示中の画面の画像には、赤枠Rなどの識別マークが付加されてプロジェクタ30へ送信されるので、プロジェクタ30に表示された複数の画面のうちで、電卓10にて現在表示中の画面と、対応する他の画面とを明確に識別して認識できる。
【0132】
また、前記構成の学習情報投影システムによれば、現在表示部20に表示中の画面の画面タイプが、他の画面タイプに変更されると、その都度、変更後の画面タイプに対応する他の画面タイプが決定されてプロジェクタ送信画像データが再生成され、プロジェクタ30に送信されて投影表示されるので、電卓10側での処理により適宜変更される画面に連動する他の画面を、常にプロジェクタ30に表示させて見ることができる。
【0133】
また、前記構成の学習情報投影システムによれば、前記プロジェクタ送信画像データに含ませる他の画面タイプの画面の数について、[Shift+↓]キーの操作に応じて減少処理を実施し、[Shift+↑]キーの操作に応じて増加処理を実施し、プロジェクタ30にて投影表示させる他の画面データの数を適宜増減変更できるので、電卓10側にて表示中の画面に対し、必要に応じた対応画面だけを選択的に表示させることができる。
【0134】
さらに、前記構成の学習情報投影システムによれば、グラフ関数電卓10における関数グラフ画面GFの表示状態で、そのグラフ式の切片,極大値,極小値,根などの特徴点を求解した際に、求解した特徴点の座標が表示中の関数グラフ画面GFの座標レンジに含まれない場合には、当該求解した特徴点の座標が含まれる座標レンジの関数グラフ画面GFpに修正され、その特徴点の座標にポインタPが付加される。そして、修正された関数グラフ画面GFpと当該修正画面GFpに対応する画面とからなるプロジェクタ送信画像データが再生成されてプロジェクタ30へ送信される。
【0135】
このため、グラフ関数電卓10に表示された関数グラフ画面GF内に、求解された特徴点の位置が含まれていなくても、プロジェクタ30のスクリーン37には、当該特徴点をポインタPで示した関数グラフ画面GFpと、この関数グラフ画面GFpの内容に連動している他の画面とを併せて表示させることができる。
【0136】
前記実施形態では、関数グラフモードと統計グラフモードにおける動作例を主体に説明したが、他の動作モードでも前記同様のプロジェクタ対応処理が可能であるのは勿論である。
【0137】
なお、前記各実施形態において記載したグラフ関数電卓(小型電子機器)10にプロジェクタ30を組み合わせた学習情報投影システムによる各処理の手法、すなわち、図6のフローチャートで示す関数グラフデータ入力/グラフ表示処理、図7のフローチャートで示す統計グラフデータ入力/グラフ表示処理、図8のフローチャートで示すプロジェクタ対応処理などの各手法は、何れもコンピュータに実行させることができるプログラムとして、メモリカード(ROMカード、RAMカード等)、磁気ディスク(フロッピディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD等)、半導体メモリ等の外部記憶媒体(13)に格納して配布することができる。そして、プロジェクタ30と接続可能な小型電子式計算機や小型PC、PDA、携帯電話などの種々の電子機器であるコンピュータ端末は、この外部記憶媒体(13)に記憶されたプログラムを内部メモリ(12)に読み込み、この読み込んだプログラムによって動作が制御されることにより、前記各実施形態において説明した電卓(電子機器)画面とその連動画面とを含めた画像のプロジェクタ30への送信機能を実現し、前述した手法による同様の処理を実行することができる。
【0138】
また、前記各手法を実現するためのプログラムのデータは、プログラムコードの形態として通信ネットワーク(インターネット)N上を伝送させることができ、この通信ネットワーク(インターネット)Nに接続されたコンピュータ端末(プログラムサーバ)16から前記のプログラムデータを取り込み、前述した電卓(電子機器)画面とその連動画面とを含めた画像のプロジェクタ30への送信機能を実現することもできる。
【0139】
なお、本願発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。さらに、前記各実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、各実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されたり、幾つかの構成要件が異なる形態にして組み合わされても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除されたり組み合わされた構成が発明として抽出され得るものである。
【符号の説明】
【0140】
10 …グラフ関数電卓(小型電子機器)
11 …電卓側制御部(CPU)
12 …電卓側ROM
12a…基本処理プログラム
12b…プロジェクタ対応処理プログラム
12c…画面タイプ対応データ
13 …メモリカード(外部記憶媒体)
14 …電卓側I/Oポート(通信手段)
15 …外部PC
16 …Webサーバ
17 …電卓側DRAM
17a…グラフ式データメモリ
17b…表示設定データメモリ
17c1…表データメモリ
17c2…統計設定データメモリ
17d…接続有無メモリ
17e…現在画面タイプメモリ
17f…対応他画面タイプメモリ
17g…送信他画面タイプメモリ
17h…現在画面画像メモリ
17in…他画面n画像メモリ
17j…送信画像メモリ
18 …電卓側キーボード
19 …液晶駆動回路
20 …液晶表示部(LCD)
30 …プロジェクタ
31 …プロジェクタ側制御部(CPU)
32 …プロジェクタ側ROM
33 …プロジェクタ側I/Oポート(通信手段)
34 …プロジェクタ側RAM
35 …プロジェクタ側キー入力部
36 …画像出力部
37 …スクリーン
GF …関数グラフ画面
GF′…「Zoom」後の関数グラフ画面
GFp…座標レンジ変更後の関数グラフ画面
SF …グラフ式画面
SH …表示設定画面
SH′…「Zoom」後の表示設定画面
R …赤枠表示
LT …表データ画面
GT …統計グラフ画面
ST …統計設定画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置との接続機能を有し表示部を備えた電子機器であって、
ユーザ操作に応じてデータを処理するデータ処理手段と、
このデータ処理手段によるデータ処理に応じて取得されるそれぞれ対応関係を有する複数種類の画面データの各画面タイプを対応付けて記憶する画面タイプ対応記憶手段と、
前記データ処理手段によるデータ処理に応じて取得された画面データを前記表示部に表示させる処理画面表示制御手段と、
この処理画面表示制御手段により前記表示部に表示された画面データの画面タイプに対応する他の画面タイプを前記画面タイプ対応記憶手段により記憶された各画面タイプに基づき決定する対応画面タイプ決定手段と、
この対応画面タイプ決定手段により決定された他の画面タイプの画面データを前記データ処理手段によるデータ処理に基づき取得する対応他画面取得手段と、
前記処理画面表示制御手段により表示された画面データと前記対応他画面取得手段により取得された他の画面タイプの画面データとからなる画像を前記表示装置へ送信する画像送信手段と、
を備えたことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記画像送信手段により前記表示装置へ送信する画像は、前記処理画面表示制御手段により表示された画面データと前記対応他画面取得手段により取得された他の画面タイプの画面データとを一画面に配置した画像であり、当該画像内で前記処理画面表示制御手段により表示された画面データは識別されてなることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記処理画面表示制御手段により前記表示部に表示された画面データの画面タイプが変更されたことを判断する画面タイプ変更判断手段と、
この画面タイプ変更判断手段により前記表示部に表示された画面データの画面タイプが変更されたと判断される毎に、前記対応画面タイプ決定手段による他の画面タイプの決定、前記対応他画面取得手段による他の画面タイプの画面データの取得、前記画像送信手段による前記表示装置への画像の送信を実行させる画面タイプ変更制御手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記画像送信手段による前記表示装置への画像の送信の後に、ユーザ操作に応じて、当該画像に含まれる他の画面タイプの画面データの数の変更を指示する画面変更指示手段と、
この画面変更指示手段により他の画面タイプの画面データの数の変更が指示される毎に、当該指示された他の画面タイプの画面データの数に応じて、前記対応他画面取得手段による他の画面タイプの画面データの取得、前記画像送信手段による前記表示装置への画像の送信を実行させる画面数変更制御手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載の電子機器。
【請求項5】
前記データ処理手段は、ユーザ操作に応じて入力されたグラフ化すべき関数式のデータとグラフの表示範囲を設定する表示設定データとに基づいて当該関数式に対応するグラフを描画するグラフ描画手段を有し、
前記画面タイプ対応記憶手段は、前記グラフ描画手段によるデータ処理に応じて取得される関数式の画面と表示設定の画面とグラフの画面の各画面タイプを対応付けて記憶する関数グラフ用の画面タイプ対応記憶手段を有し、
前記処理画面表示制御手段は、前記グラフ描画手段によるデータ処理に応じて取得されたグラフの画面を前記表示部に表示させる関数グラフ画面の表示制御手段を有し、
前記画像送信手段による前記表示装置への画像の送信の後に、ユーザ操作に応じて、前記関数式における特徴点の算出を指示する特徴点算出指示手段と、
この特徴点算出指示手段による指示に応じて、前記関数式の特徴点を算出する特徴点算出手段と、
この特徴点算出手段により算出された前記関数式の特徴点が前記表示設定データにより設定されたグラフの表示範囲に含まれるか否かを判断する特徴点判断手段と、
この特徴点判断手段により前記関数式の特徴点が前記表示設定データにより設定されたグラフの表示範囲に含まれると判断された場合に、前記関数グラフ画面の表示制御手段により表示されたグラフの画面内に前記特徴点を付加した画面データと前記対応他画面取得手段により取得された前記関数式の画面データと前記表示設定の画面データとからなる画像を再生成して前記表示装置へ送信する第1の再生成画像送信手段と、
前記特徴点判断手段により前記関数式の特徴点が前記表示設定データにより設定されたグラフの表示範囲に含まれないと判断された場合に、当該設定されたグラフの表示範囲を前記特徴点が含まれる表示範囲に変更する表示設定変更手段と、
この表示設定変更手段により変更されたグラフの表示範囲に応じて前記関数グラフ画面の表示制御手段により表示されたグラフの画面を修正するグラフ画面修正手段と、
このグラフ画面修正手段により表示範囲の修正されたグラフの画面内に前記特徴点を付加した画面データと前記対応他画面取得手段により取得された前記関数式の画面データと前記表示設定変更手段により変更された表示設定の画面データとからなる画像を再生成して前記表示装置へ送信する第2の再生成画像送信手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載の電子機器。
【請求項6】
表示装置との接続機能を有し表示部を備えた電子機器のコンピュータを制御するためのプログラムであって、
前記コンピュータを、
ユーザ操作に応じてデータを処理するデータ処理手段、
このデータ処理手段によるデータ処理に応じて取得されるそれぞれ対応関係を有する複数種類の画面データの各画面タイプを対応付けてメモリに記憶させる画面タイプ対応記憶手段、
前記データ処理手段によるデータ処理に応じて取得された画面データを前記表示部に表示させる処理画面表示制御手段、
この処理画面表示制御手段により前記表示部に表示された画面データの画面タイプに対応する他の画面タイプを前記画面タイプ対応記憶手段により記憶された各画面タイプに基づき決定する対応画面タイプ決定手段、
この対応画面タイプ決定手段により決定された他の画面タイプの画面データを前記データ処理手段によるデータ処理に基づき取得する対応他画面取得手段、
前記処理画面表示制御手段により表示された画面データと前記対応他画面取得手段により取得された他の画面タイプの画面データとからなる画像を前記表示装置へ送信する画像送信手段、
として機能させるようにしたコンピュータ読み込み可能なプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−53827(P2011−53827A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−200821(P2009−200821)
【出願日】平成21年8月31日(2009.8.31)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.FLASH
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】