説明

電子機器制御システム、サーバ、電子機器、クライアント端末、及び電子機器制御方法

【課題】サーバとデータ出力可能な電子機器とがネットワーク接続されたシステムで、サーバ側で電子機器の制限機能及びその代替機能をアカウント情報毎やユーザ種別毎に一元的に管理することが可能で、且つ電子機器でユーザが出力データの内容を事前確認可能にする。
【解決手段】端末20は、ユーザ情報、又はユーザ情報及び電子機器30で使用する機能設定情報、又はユーザ情報及び機能設定情報を含む出力データを、サーバ10に送信する。サーバ10は、送信されたユーザ情報に関連付けられた制限機能情報・代替機能情報を読み出し、端末20に、それら情報自体を送信、又は出力データ中の機能設定情報の制限機能情報の部分を代替機能情報に変更して送信、又はその変更を行った出力データを送信する。端末20は、送信された情報に基づき、出力データのプレビュー画像を生成し表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワーク上にサーバとクライアント端末と電子機器とが接続される電子機器制御システム、そのサーバ、その電子機器、そのクライアント端末、及びその電子機器制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
サーバとクライアント端末と電子機器とがネットワークに接続され、その電子機器を制御するための電子機器制御システムにおいて、サーバ側で電子機器の制限する機能を一元的に制御管理する技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−172094号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のシステムでは、管理者にて制限する機能が設定されているが、ユーザは出力するまで、機能制限によって希望する出力ができるのか否かを確認することができない。
【0005】
本発明は、上述のような実状を鑑みてなされたものであり、その目的は、サーバとデータ出力が可能な電子機器とがネットワークに接続された電子機器制御システムにおいて、サーバ側で電子機器の制限する機能(制限機能)及びその代替機能をアカウント情報毎やユーザ種別毎に一元的に管理することが可能で、且つ、ユーザがクライアント端末を操作して電子機器でデータ出力を行う際、若しくはユーザが直接電子機器を操作してサーバに蓄えられたデータを出力する際、若しくはユーザが直接電子機器を操作して電子機器内のデータを出力する際に、出力前にそのユーザが事前に出力するデータの内容を確認できるようにすること、並びに、そのサーバ、その電子機器、及びそのクライアント端末を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の第1の技術手段は、サーバと、クライアント端末と、該クライアント端末からの指示に応じて前記サーバを介してデータ出力が可能な電子機器と、がネットワークに接続される電子機器制御システムであって、前記サーバは、ユーザアカウント情報、ユーザアカウント情報及びグループ設定情報、及び、ユーザの種別を示すユーザ種別情報のうち、いずれかで定義されるユーザ情報と、前記電子機器の機能のうち使用を制限する機能を示す制限機能情報と、前記制限する機能の代替として使用する機能を示す代替機能情報とを、それぞれ関連付けて記憶する制限情報記憶部を備え、前記クライアント端末は、(1a)前記ユーザ情報を、若しくは(1b)前記ユーザ情報及び前記電子機器にて使用する機能設定情報を、若しくは(1c)前記ユーザ情報及び前記電子機器にて使用する機能設定情報を含む出力データを、前記サーバに送信する端末側情報送信部を備え、前記サーバは、さらに、前記端末側情報送信部から送信された前記ユーザ情報が前記制限情報記憶部に記憶されているか否かについて検索し、前記ユーザ情報が記憶されていた場合に、前記ユーザ情報に関連付けられた前記制限機能情報及び前記代替機能情報を読み出す検索部と、(2a)該検索部で読み出された前記制限機能情報及び前記代替機能情報を前記クライアント端末に送信する、若しくは(2b)前記検索部で読み出された前記制限機能情報及び前記代替機能情報に基づき前記機能設定情報の前記制限機能情報に該当する部分を前記代替機能情報に変更し、変更後の機能設定情報を前記クライアント端末に送信する、若しくは(2c)前記検索部で読み出された前記制限機能情報及び前記代替機能情報に基づき前記出力データ中の前記機能設定情報の前記制限機能情報に該当する部分を前記代替機能情報に変更し、変更後の出力データを前記クライアント端末に送信する変更情報送信部と、を備え、前記クライアント端末は、さらに、(3a)前記変更情報送信部から送信された前記制限機能情報及び前記代替機能情報に基づき、若しくは(3b)前記変更情報送信部から送信された前記変更後の機能設定情報に基づき、若しくは(3c)前記変更情報送信部から送信された前記変更後の出力データに基づき、出力データのプレビュー画像を生成し表示するプレビュー表示部を備えたことを特徴としたものである。
【0007】
第2の技術手段は、第1の技術手段において、前記サーバは、さらに、前記クライアント端末から、前記プレビュー表示部で表示されたプレビュー画像に対応する出力データを出力する指示を受けたときに、該出力データを前記電子機器に出力可能な出力データとして記憶する記憶部を備えたことを特徴としたものである。
第3の技術手段は、第2の技術手段において、前記サーバは、前記記憶部に記憶された前記電子機器に出力可能な出力データを、そのまま直ぐに前記電子機器に出力することを特徴としたものである。
第4の技術手段は、第2の技術手段において、前記電子機器は、前記ユーザ情報を前記サーバに送信して、送信した前記ユーザ情報に対応し且つ前記記憶部に記憶された前記電子機器に出力可能な出力データを前記サーバから受信して、受信した出力データのプレビュー画像を生成し表示する機器側のプレビュー表示部を備えたことを特徴としたものである。
【0008】
第5の技術手段は、サーバとデータ出力が可能な電子機器とがネットワークに接続される電子機器制御システムであって、前記サーバは、ユーザアカウント情報、ユーザアカウント情報及びグループ設定情報、及び、ユーザの種別を示すユーザ種別情報のうち、いずれかで定義されるユーザ情報と、前記電子機器の機能のうち使用を制限する機能を示す制限機能情報と、前記制限する機能の代替として使用する機能を示す代替機能情報とを、それぞれ関連付けて記憶する制限情報記憶部を備え、前記電子機器は、(Ia)前記ユーザ情報を、若しくは(Ib)前記ユーザ情報及び前記電子機器にて使用する機能設定情報を、若しくは(Ic)前記ユーザ情報及び前記電子機器にて使用する機能設定情報を含む出力データを、前記サーバに送信する機器側情報送信部を備え、前記サーバは、さらに、前記機器側情報送信部から送信された前記ユーザ情報が前記制限情報記憶部に記憶されているか否かについて検索し、前記ユーザ情報が記憶されていた場合に、前記ユーザ情報に関連付けられた前記制限機能情報及び前記代替機能情報を読み出す検索部と、(IIa)該検索部で読み出された前記制限機能情報及び前記代替機能情報を前記電子機器に送信する、若しくは(IIb)前記検索部で読み出された前記制限機能情報及び前記代替機能情報に基づき前記機能設定情報の前記制限機能情報に該当する部分を前記代替機能情報に変更し、変更後の機能設定情報を前記電子機器に送信する、若しくは(IIc)前記検索部で読み出された前記制限機能情報及び前記代替機能情報に基づき前記出力データ中の前記機能設定情報の前記制限機能情報に該当する部分を前記代替機能情報に変更し、変更後の出力データを前記電子機器に送信する変更情報送信部と、を備え、前記電子機器は、さらに、(IIIa)前記変更情報送信部から送信された前記制限機能情報及び前記代替機能情報に基づき、若しくは(IIIb)前記変更情報送信部から送信された前記変更後の機能設定情報に基づき、若しくは(IIIc)前記変更情報送信部から送信された前記変更後の出力データに基づき、出力データのプレビュー画像を生成し表示するプレビュー表示部を備えたことを特徴としたものである。
【0009】
第6の技術手段は、第1〜第5のいずれかの技術手段において、前記サーバは、前記制限情報記憶部及び前記検索部を有する認証サーバと、該認証サーバに接続され、前記変更情報送信部を有するデータ処理管理サーバとで構成されることを特徴としたものである。
【0010】
第7の技術手段は、クライアント端末と電子機器とネットワークに接続されるサーバであって、前記電子機器は、前記クライアント端末からの前記サーバを介した指示に応じてデータ出力が可能な機器であり、前記サーバは、ユーザアカウント情報、ユーザアカウント情報及びグループ設定情報、及び、ユーザの種別を示すユーザ種別情報のうち、いずれかで定義されるユーザ情報と、前記電子機器の機能のうち使用を制限する機能を示す制限機能情報と、前記制限する機能の代替として使用する機能を示す代替機能情報とを、それぞれ関連付けて記憶する制限情報記憶部と、前記クライアント端末から(1a)前記ユーザ情報、若しくは(1b)前記ユーザ情報及び前記電子機器にて使用する機能設定情報、若しくは(1c)前記ユーザ情報及び前記電子機器にて使用する機能設定情報を含む出力データ、が送信されてきた場合、前記クライアント端末から送信された前記ユーザ情報が前記制限情報記憶部に記憶されているか否かについて検索し、前記ユーザ情報が記憶されていた場合に、前記ユーザ情報に関連付けられた前記制限機能情報及び前記代替機能情報を読み出す検索部と、(2a)該検索部で読み出された前記制限機能情報及び前記代替機能情報を前記クライアント端末に送信する、若しくは(2b)前記検索部で読み出された前記制限機能情報及び前記代替機能情報に基づき前記機能設定情報の前記制限機能情報に該当する部分を前記代替機能情報に変更し、変更後の機能設定情報を前記クライアント端末に送信する、若しくは(2c)前記検索部で読み出された前記制限機能情報及び前記代替機能情報に基づき前記出力データ中の前記機能設定情報の前記制限機能情報に該当する部分を前記代替機能情報に変更し、変更後の出力データを前記クライアント端末に送信する変更情報送信部と、を備えたことを特徴としたものである。
【0011】
第8の技術手段は、第7の技術手段におけるサーバと、電子機器とにネットワークを介して接続されるクライアント端末であって、前記電子機器は、前記クライアント端末からの前記サーバを介した指示に応じてデータ出力が可能な機器であり、前記クライアント端末は、(1a)ユーザアカウント情報、ユーザアカウント情報及びグループ設定情報、及び、ユーザの種別を示すユーザ種別情報のうち、いずれかで定義されるユーザ情報を、若しくは(1b)前記ユーザ情報及び前記電子機器にて使用する機能設定情報を、若しくは(1c)前記ユーザ情報及び前記電子機器にて使用する機能設定情報を含む出力データを、前記サーバに送信する端末側情報送信部と、(3a)前記変更情報送信部から送信された前記制限機能情報及び前記代替機能情報に基づき、若しくは(3b)前記変更情報送信部から送信された前記変更後の機能設定情報に基づき、若しくは(3c)前記変更情報送信部から送信された前記変更後の出力データに基づき、出力データのプレビュー画像を生成し表示するプレビュー表示部と、を備えたことを特徴としたものである。
【0012】
第9の技術手段は、データ出力が可能な電子機器とネットワークに接続されるサーバであって、ユーザアカウント情報、ユーザアカウント情報及びグループ設定情報、及び、ユーザの種別を示すユーザ種別情報のうち、いずれかで定義されるユーザ情報と、前記電子機器の機能のうち使用を制限する機能を示す制限機能情報と、前記制限する機能の代替として使用する機能を示す代替機能情報とを、それぞれ関連付けて記憶する制限情報記憶部と、前記電子機器から(Ia)前記ユーザ情報、若しくは(Ib)前記ユーザ情報及び前記電子機器にて使用する機能設定情報、若しくは(Ic)前記ユーザ情報及び前記電子機器にて使用する機能設定情報を含む出力データ、が送信されてきた場合、前記電子機器から送信された前記ユーザ情報が前記制限情報記憶部に記憶されているか否かについて検索し、前記ユーザ情報が記憶されていた場合に、前記ユーザ情報に関連付けられた前記制限機能情報及び前記代替機能情報を読み出す検索部と、(IIa)該検索部で読み出された前記制限機能情報及び前記代替機能情報を前記電子機器に送信する、若しくは(IIb)前記検索部で読み出された前記制限機能情報及び前記代替機能情報に基づき前記機能設定情報の前記制限機能情報に該当する部分を前記代替機能情報に変更し、変更後の機能設定情報を前記電子機器に送信する、若しくは(IIc)前記検索部で読み出された前記制限機能情報及び前記代替機能情報に基づき前記出力データ中の前記機能設定情報の前記制限機能情報に該当する部分を前記代替機能情報に変更し、変更後の出力データを前記電子機器に送信する変更情報送信部と、を備えたことを特徴としたものである。
【0013】
第10の技術手段は、第9の技術手段におけるサーバと接続され、データ出力が可能な電子機器であって、(Ia)ユーザアカウント情報、ユーザアカウント情報及びグループ設定情報、及び、ユーザの種別を示すユーザ種別情報のうち、いずれかで定義されるユーザ情報を、若しくは(Ib)前記ユーザ情報及び前記電子機器にて使用する機能設定情報を、若しくは(Ic)前記ユーザ情報及び前記電子機器にて使用する機能設定情報を含む出力データを、前記サーバに送信する機器側情報送信部と、(IIIa)前記変更情報送信部から送信された前記制限機能情報及び前記代替機能情報に基づき、若しくは(IIIb)前記変更情報送信部から送信された前記変更後の機能設定情報に基づき、若しくは(IIIc)前記変更情報送信部から送信された前記変更後の出力データに基づき、出力データのプレビュー画像を生成し表示するプレビュー表示部と、を備えたことを特徴としたものである。
【0014】
第11の技術手段は、サーバと、クライアント端末と、該クライアント端末からの指示に応じて前記サーバを介してデータ出力が可能な電子機器と、がネットワークに接続される電子機器制御システムにおける電子機器制御方法であって、前記サーバが、ユーザアカウント情報、ユーザアカウント情報及びグループ設定情報、及び、ユーザの種別を示すユーザ種別情報のうち、いずれかで定義されるユーザ情報と、前記電子機器の機能のうち使用を制限する機能を示す制限機能情報と、前記制限する機能の代替として使用する機能を示す代替機能情報とを、それぞれ関連付けて記憶する制限情報記憶ステップと、前記クライアント端末が、(1a)前記ユーザ情報を、若しくは(1b)前記ユーザ情報及び前記電子機器にて使用する機能設定情報を、若しくは(1c)ユーザ情報及び前記電子機器にて使用する機能設定情報を含む出力データを、前記サーバに送信する端末側情報送信ステップと、前記サーバが、前記端末側情報送信ステップで送信された前記ユーザ情報が前記制限情報記憶ステップで記憶されたか否かについて検索し、前記ユーザ情報が記憶されていた場合に、前記ユーザ情報に関連付けられた前記制限機能情報及び前記代替機能情報を読み出す検索ステップと、前記サーバが、(2a)前記検索ステップで読み出された前記制限機能情報及び前記代替機能情報を前記クライアント端末に送信する、若しくは(2b)前記検索ステップで読み出された前記制限機能情報及び前記代替機能情報に基づき前記機能設定情報の前記制限機能情報に該当する部分を前記代替機能情報に変更し、変更後の機能設定情報を前記クライアント端末に送信する、若しくは(2c)前記検索ステップで読み出された前記制限機能情報及び前記代替機能情報に基づき前記出力データ中の前記機能設定情報の前記制限機能情報に該当する部分を前記代替機能情報に変更し、変更後の出力データを前記クライアント端末に送信する変更情報送信ステップと、前記クライアント端末が、(3a)前記変更情報送信ステップで送信された前記制限機能情報及び前記代替機能情報に基づき、若しくは(3b)前記変更情報送信ステップで送信された前記変更後の機能設定情報に基づき、若しくは(3c)前記変更情報送信ステップで送信された前記変更後の出力データに基づき、出力データのプレビュー画像を生成し表示するプレビュー表示ステップと、を有することを特徴としたものである。
【0015】
第12の技術手段は、サーバとデータ出力が可能な電子機器とがネットワークに接続される電子機器制御システムにおける電子機器制御方法であって、前記サーバが、ユーザアカウント情報、ユーザアカウント情報及びグループ設定情報、及び、ユーザの種別を示すユーザ種別情報のうち、いずれかで定義されるユーザ情報と、前記電子機器の機能のうち使用を制限する機能を示す制限機能情報と、前記制限する機能の代替として使用する機能を示す代替機能情報とを、それぞれ関連付けて記憶する制限情報記憶ステップと、前記電子機器が、(Ia)前記ユーザ情報を、若しくは(Ib)前記ユーザ情報及び前記電子機器にて使用する機能設定情報を、若しくは(Ic)前記ユーザ情報及び前記電子機器にて使用する機能設定情報を含む出力データを、前記サーバに送信する機器側情報送信ステップと、前記サーバが、前記機器側情報送信ステップで送信された前記ユーザ情報が前記制限情報記憶ステップに記憶されているか否かについて検索し、前記ユーザ情報が記憶されていた場合に、前記ユーザ情報に関連付けられた前記制限機能情報及び前記代替機能情報を読み出す検索ステップと、前記サーバが、(IIa)前記検索ステップで読み出された前記制限機能情報及び前記代替機能情報を前記電子機器に送信する、若しくは(IIb)前記検索ステップで読み出された前記制限機能情報及び前記代替機能情報に基づき前記機能設定情報の前記制限機能情報に該当する部分を前記代替機能情報に変更し、変更後の機能設定情報を前記電子機器に送信する、若しくは(IIc)前記検索ステップで読み出された前記制限機能情報及び前記代替機能情報に基づき前記出力データ中の前記機能設定情報の前記制限機能情報に該当する部分を前記代替機能情報に変更し、変更後の出力データを前記電子機器に送信する変更情報送信ステップと、前記電子機器が、(IIIa)前記変更情報送信ステップで送信された前記制限機能情報及び前記代替機能情報に基づき、若しくは(IIIb)前記変更情報送信ステップで送信された前記変更後の機能設定情報に基づき、若しくは(IIIc)前記変更情報送信ステップで送信された前記変更後の出力データに基づき、出力データのプレビュー画像を生成し表示するプレビュー表示ステップと、を有することを特徴としたものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、サーバとデータ出力が可能な電子機器とがネットワークに接続された電子機器制御システムにおいて、サーバ側で電子機器の制限する機能(制限機能)及びその代替機能をアカウント情報毎やユーザ種別毎に一元的に管理することが可能で、且つ、ユーザがクライアント端末を操作して電子機器でデータ出力を行う際、若しくはユーザが直接電子機器を操作してサーバに蓄えられたデータを出力する際、若しくはユーザが直接電子機器を操作して電子機器内のデータを出力する際に、出力前にそのユーザが事前に出力するデータの内容を確認できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態に係る電子機器制御システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】図1の電子機器制御システムにおけるサーバに格納されたユーザテーブルの例を示す図である。
【図3】図1の電子機器制御システムにおけるサーバに格納されたグループユーザテーブルの例を示す図である。
【図4】図1の電子機器制御システムにおけるサーバに格納された機能テーブルの例を示す図である。
【図5】図1の電子機器制御システムにおけるサーバに格納された制限・代替テーブルの例を示す図である。
【図6】図1の電子機器制御システムにおけるサーバに格納されたグループ管理テーブルの例を示す図である。
【図7】図1の電子機器制御システムにおけるサーバに格納された機能制限管理テーブルの例を示す図である。
【図8】図1の電子機器制御システムにおけるクライアント端末上での動作を説明するためのフロー図である。
【図9】図1の電子機器制御システムにおけるサーバ上での動作を説明するためのフロー図である。
【図10】図1の電子機器制御システムにおける電子機器上での動作を説明するためのフロー図である。
【図11】本発明の他の構成の電子機器制御システムにおける電子機器上での動作を説明するためのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、本発明の一実施形態に係る電子機器制御システムの概略構成を示すブロック図である。図1で例示する本実施形態に係る電子機器制御システム100は、サーバ10とクライアント端末20と電子機器30とが、ネットワーク40を介して接続されており、相互のデータ通信が可能になっている。電子機器30は、クライアント端末20からのサーバ10を介した指示に従ってデータ出力が可能である。電子機器30は、本体に設けられた操作部からのユーザ操作によってもデータ出力が可能な機器であることが好ましい。
【0019】
電子機器30としては、例えばプリンタ、ファクシミリ装置等の単機能の画像形成装置、印刷機能やファクシミリ機能等の複数の機能を有する複合機などが挙げられる。なお、クライアント端末20、電子機器30が共に1台のみ接続されたシステム構成について説明するが、システム構成はこれに限らず、クライアント端末20、電子機器30の一方又は双方を複数台、ネットワーク40に接続したシステムにも同様に適用できる。また、以下の説明は、異なる種類の電子機器30がネットワーク40に接続されたシステムにもサーバ10が各電子機器の機能を管理できるように構成しておけば同様に適用できる。
【0020】
サーバ10は、入力部11、主制御部12、通信部13、制限機能設定部14、検索部15、機能設定情報変更部16、及び記憶部17を備え、クライアント端末20からの電子機器30に対する出力データや、電子機器30の機能のうち制限する機能(制限機能)とその代替となる機能(代替機能)、ユーザアカウント設定やグループ設定の各々を関連付けたデータを処理する。
【0021】
入力部11は、制限機能や代替機能、ユーザアカウント設定(及びグループ設定)の各々を関連付ける入力を受け付ける。サーバ10本体上のI/O機器から入力でもよいし、クライアント端末20上のWebブラウザなどを経由、電子機器30上のI/O機器から入力することとしてもよい。なお、以下の例では主にグループ管理を採用した例を示すが、グループ管理を行わず個人ユーザのアカウントのみについて処理するシステムとして電子機器制御システム100を構築することもできる。
【0022】
主制御部12は、CPU(Central Processing Unit)や作業領域としてのRAM(Random Access Memory)やサーバプログラムの格納領域としてのROM(Read Only Memory)などを備え、サーバ10内の各種機能の制御を行う。通信部13は、ネットワーク40を経由して、クライアント端末20から電子機器30への出力データを受信したり、クライアント端末20上のドライバ部25へ記憶部17に記憶されたアカウントに関する情報や機能制限と代替機能に関するデータを送信したり、電子機器30へ代替機能に変更された出力データを送信したりする。
【0023】
制限機能設定部14は、入力部11を経由して入力された、制限機能や代替機能、ユーザアカウント設定、グループ設定の各々を関連付けたデータを、記憶部17に設定・記憶する。制限機能設定部14及び記憶部17で例示したように、サーバ10は、ユーザアカウントの情報又はユーザアカウントの情報及びグループ設定の情報と、電子機器30の機能のうち使用を制限する機能を示す制限機能情報と、制限する機能の代替として使用する機能を示す代替機能情報とを、それぞれ関連付けて記憶する制限情報記憶部を備える。
【0024】
検索部15は、クライアント端末20から受信した電子機器30への出力データに含まれるユーザアカウントや、クライアント端末20より受信したクライアント端末20上のドライバ部25上で使用されるユーザアカウントや、電子機器30より受信した電子機器30上で使用されるユーザアカウントが、記憶部17に記憶された制限機能や代替機能、ユーザアカウント設定、グループ設定の各々を関連付けたデータ内に含まれるか否かを検索する。このように、検索部15は、クライアント端末20から送信されたユーザアカウントの情報が上記制限情報記憶部に記憶されているか否かについて検索する。また、検索部15は、電子機器30からのユーザアカウント情報に基づく出力データの検索も行う。
【0025】
さらに、検索部15は、検索の結果、そのユーザアカウント情報が記憶されていた場合、すなわちクライアント端末20から受信した電子機器30への出力データに対するユーザアカウントやドライバ部25上で使用されるユーザアカウントが上記関連付けたデータに含まれる場合に、そのユーザアカウント情報に関連付けられた制限機能情報及び代替機能情報を読み出す。なお、クライアント端末20からはユーザアカウントの情報のみが送信され、且つグループ設定は記憶部17で記憶されているのみであることを前提に説明しているが、ユーザアカウント情報及びグループ設定情報をクライアント端末20から送信して、検索部15が送信された情報から検索を実行するように構成してもよい。
【0026】
そして、機能設定情報変更部16は、後述の処理2aを実行可能なように構成しておく。若しくは後述の処理2bを実行可能なように構成しておいてもよいし、後述の処理2cを実行可能なように構成しておいてもよい。なお、機能設定情報変更部16は、3つの処理a〜cの全て又は2つを実行可能に構成しておき、実際にはクライアント端末20から送信されてきた情報の種類に応じて、それらの中から1つの処理を選択して実行するように構成することもできる。
【0027】
処理2aは、(1a)クライアント端末20からユーザアカウント情報が送信されてきた場合に、機能設定情報変更部16によって実行される。機能設定情報変更部16は、処理2aとして、検索部15で読み出された制限機能情報及び代替機能情報、つまりそのユーザアカウントに対応する制限機能及びその代替機能の情報を、通信部13を介してクライアント端末20に送信する。
【0028】
処理2bは、(1b)クライアント端末20からユーザアカウント情報及び電子機器30にて使用する機能設定情報(出力の際の設定内容を示す情報)が送信されてきた場合に、機能設定情報変更部16によって実行される。機能設定情報変更部16は、処理2bとして、そのユーザアカウントに対応する制限機能及びその代替機能の情報に基づき、設定内容のうち制限機能が示す設定を代替機能が示す設定に書き換える変更を行って、変更後の機能設定情報を、通信部13を介してクライアント端末20に送信する。つまり、処理2bでは、検索部15で読み出された制限機能情報及び代替機能情報に基づき、機能設定情報の制限機能情報に該当する部分を代替機能情報に変更し、変更後の機能設定情報をクライアント端末20に送信する。
【0029】
処理2cは、(1c)クライアント端末20からユーザアカウント情報及び電子機器30にて使用する機能設定情報を含む出力データが送信されてきた場合に、機能設定情報変更部16によって実行される。機能設定情報変更部16は、処理2cとして、検索部15で読み出された制限機能情報及び代替機能情報に基づき、その出力データが示す設定内容のうち、制限機能が示す設定を代替機能が示す設定に書き換える変更を行って、変更後の出力データを、通信部13を介してクライアント端末20に送信する。つまり、処理2cでは、検索部15により読み出された制限機能情報及び代替機能情報に基づき、出力データ中の機能設定情報の制限機能情報に該当する部分を代替機能情報に変更し、変更後の出力データをクライアント端末20に送信する。
【0030】
機能設定情報変更部16、記憶部17、及び通信部13で例示したように、サーバ10は次の変更情報送信部を備える。すなわち、この変更情報送信部は、上記1aの場合に上記処理2aを実行する、若しくは上記1bの場合に上記処理2bを実行する、若しくは、上記1cの場合に上記処理2cを実行する。
【0031】
また、記憶部17は、クライアント端末20から受信した電子機器30への出力データであって制限に引っ掛からないものや、機能設定情報変更部16にて書き換えられた電子機器30への出力データを、少なくとも対応するデータが電子機器30へ出力されるまで一時的に記憶する。この出力データは、クライアント端末20で後述のプレビュー表示後にクライアント端末20からの出力指示に基づくデータであり、制限機能が代替機能に変更されたデータであって、電子機器30で出力可能となった(制限された機能が含まないようになった)データである。換言すると、サーバ10の記憶部17は、クライアント端末20から、クライアント端末20でプレビュー表示されたプレビュー画像に対応する出力データを出力する指示を受けたときに、その出力データを電子機器30に出力可能な出力データとして記憶するようになっている。
【0032】
そして、サーバ10は、電子機器30より受信した電子機器30上で使用されるユーザアカウントが、上記関連付けたデータに含まれる場合に、そのユーザアカウントに対応する出力データ(必要に応じて制限機能がその代替機能に変更された出力データ)を読み出し、通信部13を介して電子機器30に送信するようになっている。
【0033】
クライアント端末20は、パーソナルコンピュータ(PC)や携帯情報端末(PDA)などでなり、入力部21、主制御部22、通信部23、プレビュー表示部24、ドライバ部25、及びアプリケーション部26を備え、電子機器30にて出力するデータを作成、出力、プレビュー表示を行う。なお、出力対象のデータをクライアント端末20で作成することを前提に説明するが、単に外部記録媒体や他のクライアント端末などから取り込んだデータも出力対象とできる。
【0034】
入力部21は、アプリケーション部26でのデータの作成や、ドライバ部25での操作やプレビュー表示部24などを操作する入力を受け付ける。主制御部22は、CPUや作業領域としてのRAMやオペレーションシステムのプログラムの格納領域としてのROMなどを備え、クライアント端末20内の制御を行う。通信部23は、ネットワーク40を経由して、サーバ10に対して電子機器30への出力データを送信したり、サーバ10へユーザアカウントを送信したりする。このように、クライアント端末20は、(1a)ユーザアカウント情報、若しくは(1b)ユーザアカウント情報及び電子機器30にて今回使用する機能設定情報、若しくは(1c)ユーザアカウントの情報及び電子機器30にて今回使用する機能設定情報を含む出力データを、サーバ10に送信する端末側情報送信部を備える。また、通信部23は、サーバ10上の記憶部17に記憶された、そのユーザアカウントに対応する機能制限と代替機能に関するデータを受信する。
【0035】
プレビュー表示部24は、表示部及び表示部でのプレビュー表示させる制御を行うプレビュー表示制御部を有する。ドライバ部25は、アプリケーション部26にて作成したデータを電子機器30で出力することが可能なデータ形式に変換する。また、電子機器30で出力されるデータのイメージを表示するプレビュー表示部24を呼び出す。アプリケーション部26は、アプリケーションソフトを有し、電子機器30で出力するデータを作成する。
【0036】
プレビュー表示部24のプレビュー表示制御部は、アプリケーション部26で作成されたデータに対して、自動的に若しくは入力部21からのユーザのプレビュー指示により、ドライバ部25から起動され、サーバ10上の記憶部17に記憶されたユーザアカウントに対する制限機能と代替機能に関するデータに基づいた、電子機器30で出力されるイメージを、表示部にプレビュー表示させる。このように、プレビュー表示部24は、サーバ10から送信された制限機能情報及び代替機能情報に基づき、若しくはサーバ10から送信された変更後の出力データに基づき、出力データのプレビュー画像を生成し表示する。
【0037】
ここで、クライアント端末20が出力データを送信する前にユーザアカウントのみをサーバ10に送信する場合(上記1aの場合)には、プレビュー表示部24のプレビュー表示制御部は、サーバ10上の記憶部17に記憶され機能設定情報変更部16が読み出した、ユーザアカウントに対する制限機能と代替機能のデータを受信し、アプリケーション部26で作成されたデータに対して、受信した代替機能に基づき電子機器30で出力されるイメージを生成し、表示部にプレビュー表示させる。
【0038】
また、クライアント端末20がユーザアカウントと共に機能設定情報(出力のための設定内容を示す情報)をサーバ10に送信する場合(上記1bの場合)としては、電子機器30に対して出力しようとしている出力データの現在の設定内容がそのユーザに対しての制限機能を必要とする設定内容である場合、つまり制限機能として定められた設定を含む場合が含まれる。従って、機能設定情報をサーバ10に送信する場合には、プレビュー表示部24のプレビュー表示制御部は、アプリケーション部26で作成されたデータに対して、記憶部17に記憶されたユーザアカウントに対する制限機能と代替機能とに基づいて機能設定情報変更部16で変更された機能設定情報を受信し、受信した変更後の機能設定情報に基づき、電子機器30で出力される出力データのイメージを生成し、表示部にプレビュー表示させる。
【0039】
また、クライアント端末20がユーザアカウントと共に出力データをサーバ10に送信する場合(上記1cの場合)としては、電子機器30に対する出力データがそのユーザに対しての制限機能を必要とするデータである場合、つまり制限機能として定められた設定を含む場合が含まれる。従って、出力データをサーバ10に送信する場合には、プレビュー表示部24のプレビュー表示制御部は、アプリケーション部26で作成されたデータに対して、記憶部17に記憶されたユーザアカウントに対する制限機能と代替機能とに基づいて機能設定情報変更部16で変更された出力データを受信し、受信した出力データに基づき電子機器30で出力されるイメージを生成し、表示部にプレビュー表示させる。
【0040】
このように、クライアント端末20のプレビュー表示部24は、上記1a、1b、1cのそれぞれの場合、(3a)上記変更情報送信部から送信された制限機能情報及び代替機能情報に基づき、(3b)上記変更情報送信部から送信された変更後の機能設定情報に基づき、(3c)上記変更情報送信部から送信された変更後の出力データに基づき、出力データのプレビュー画像を生成し表示する。
【0041】
これにより、出力しようとしているデータ又は出力したいデータが制限機能の設定を含んでユーザが意図しているまま出力ができない場合にも、クライアント端末20において、出力前にそのユーザが事前に出力するデータの内容を確認できるようになる。従って、ことで、ユーザが予期しない出力を防ぐことができる。無論、プレビュー表示部24は、制限機能に関係しない出力データについてもプレビュー表示を行えばよいが、自動的にプレビュー表示を行う場合には制限機能に引っかかる出力データについてのみプレビュー表示を実行するようにしてもよい。
【0042】
電子機器30は、入力部31、主制御部32、通信部33、プレビュー表示部34、及び出力部35を備え、クライアント端末20で作成された出力データに関して、ネットワーク40を介してサーバ10から受け取り、出力部35にて出力したり、プレビュー表示部34にてプレビュー表示したりする。
【0043】
入力部31は、電子機器30を使用するユーザアカウントの入力や、サーバ10に登録する制限機能や代替機能、ユーザアカウント設定、グループ設定の各々を関連付ける入力を受け付ける。主制御部32は、CPUや作業領域としてのRAMや処理プログラムの格納領域としてのROMなどを備え、電子機器30内について制御する。通信部33は、クライアント端末20で作成された出力データに関して、ネットワーク40を介してサーバ10から受信したり、ユーザアカウントをサーバ10に送信したりする。なお、入力部31で入力された登録用のデータは通信部33を介してサーバ10に送られ、適宜記憶部17に登録され、後の判定に用いられるが、同様の登録はサーバ10や管理者権限をもったユーザが使用するクライアント端末20からも可能である。
【0044】
プレビュー表示部34は、表示部及び表示部でのプレビュー表示させる制御を行うプレビュー表示制御部を有する。プレビュー表示制御部は、自動的に若しくは入力部31からのユーザのプレビュー指示により、入力部31で入力されたユーザアカウントに合致する、記憶部17に蓄えられ通信部33を介して受信した出力データについて、電子機器30で出力されるイメージを表示部にプレビュー表示させる。ここで、プレビュー表示される対象の出力データは、クライアント端末20からの出力指示に基づき蓄えられた出力データであって、必要に応じて制限機能が代替機能に書き換えられた出力データである。このように、プレビュー表示部34は、ユーザアカウントの情報をサーバ10に送信して、送信したユーザアカウントの情報に対応し且つ記憶部17に記憶された、電子機器30に出力可能な出力データをサーバ10から受信して、受信した出力データのプレビュー画像を生成し、表示する。
【0045】
これにより、電子機器30で、ユーザアカウントを入力することで、サーバ10に既に蓄えられた出力データを出力する際であっても、出力したいデータが制限機能の設定を含んでユーザが意図しているまま出力ができない場合にも、電子機器30本体において、出力前にそのユーザが事前に出力するデータの内容を確認できるようになる。無論、プレビュー表示部34は、制限機能に関係しない出力データについてもプレビュー表示を行えばよいが、自動的にプレビュー表示を行う場合には制限機能に引っかかる出力データについてのみプレビュー表示を実行するようにしてもよい。
【0046】
プレビュー表示した後は、入力部31からの実行操作を受け付けることで、出力部35で出力すればよい。出力部35は、クライアント端末20で作成されたデータに関して、ネットワーク40を介してサーバ10から受け取り、出力するよう構成されていればよい。例えば電子機器30がプリンタの場合、印刷された用紙が出力される。ここでサーバ10から受け取る出力データは、必要に応じて機能設定情報変更部16での変更処理を経たものとなる。なお、出力部35は、その制御のために、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)を備えてもよい。また、主制御部32としてASICを備える構成も可能である。
【0047】
また、クライアント端末20からの出力データをサーバ10に一旦蓄えておき、電子機器30からのユーザアカウントの入力をトリガとして電子機器30で出力する例を挙げたが、クライアント端末20の入力部21で実行操作がなされたときに、サーバ10がそのまま直ぐに電子機器30に対し、必要に応じて書き換えられた出力データを送信するように構成することもできる。このように、サーバ10は、記憶部17に記憶された電子機器30に出力可能な出力データをそのまま、記憶されたときに直ぐ、すなわち出力指示がクライアント端末20からあったときに直ぐ、電子機器30に出力するようにしてもよい。また、このような構成の場合、ユーザはプレビュー表示部24にて既にプレビュー表示で出力内容を確認済みであるため、その出力データを受信した電子機器30は、プレビュー表示無く自動的に出力すれば済む。
【0048】
次に、本実施形態に係る電子機器制御システム100の処理について、電子機器30がプリンタである場合を例に挙げて具体的に説明する。図2〜図7は、本実施形態に係る電子機器制御システムのサーバに格納された、制限機能と代替機能、ユーザアカウント設定やグループ設定の各々を関連付けたデータの一例を示す図である。ここで、図2、図3、図4、図5、図6、図7は、それぞれ、記憶部17に格納されたユーザテーブルの例、グループユーザテーブルの例、機能テーブルの例、制限・代替テーブルの例、グループ管理テーブルの例、機能制限管理テーブルの例を示す図であり、これらのテーブルは以下の例のように記憶部17において関連付けられて記憶されている。なお、関連付けの方法やテーブルのフォーマットなどはここで例示するものに限らない。
【0049】
ユーザテーブル51は、ユーザアカウントが登録されたテーブルであり、ユーザアカウントのIDとユーザアカウント名が格納されている。例えば、ユーザテーブル51の1行目(第1レコード)は、ユーザアカウントIDが「1」で、ユーザアカウント名が「ユーザA」である。グループテーブル52は、グループが登録されたテーブルであり、グループIDとグループ名が格納されている。例えば、グループテーブル52の1行目は、グループIDが「1」で、グループ名が「グループA」である。
【0050】
機能テーブル53は、各種機能が登録されたテーブルであり、機能IDと機能名が格納されている。例えば、機能テーブル53の1行目は、機能IDが「1」で、機能名が「片面印刷」である。機能名としては、その他、両面印刷、1−UP(1枚に1頁を印刷)、2−UP(1枚に2頁を印刷)、カラー印刷、白黒印刷などが挙げられる。
【0051】
制限・代替機能テーブル54は、制限機能と代替機能が登録されたテーブルであり、制限IDと制限機能ID、代替機能IDが格納されている。例えば、1行目は、制限IDが「1」で、制限機能IDが「1」であることから機能テーブル53より「片面印刷」であることを示しており、代替機能ID「2」であることから機能テーブル53より「両面印刷」であることを示している。
【0052】
グループ管理テーブル55は、ユーザアカウントとグループを紐付けるテーブルであり、グループ管理IDとグループID、ユーザアカウントID名が格納されている。例えば、1行目は、グループ管理IDが「1」で、グループIDが「1」であることからグループテーブル52より「グループA」であることを示しており、ユーザアカウントIDが「1」であることからユーザテーブル51より「ユーザA」であることを示している。
【0053】
機能制限管理テーブル56は、制限機能と代替機能、ユーザアカウント又はグループとを紐付けるテーブルであり、機能制限条件IDと対象フラグ、対象ID、制限IDが格納されている。対象フラグは、制限される対象がグループかユーザアカウントについて表現し、「0」がユーザアカウントを対象、「1」がグループ対象としている。対象IDは、対象フラグに対応しており、「0」のユーザアカウント対象ならユーザアカウントIDを表し、「1」のグループ対象ならグループIDを表す。例えば、1行目は、機能制限条件IDが「1」で、対象フラグが「0」すなわち「ユーザアカウント対象」であり、対象IDが「1」であることからユーザテーブル51より「ユーザA」であることを示している。さらに、一行目は、制限ID「1」であることから制限・代替機能テーブル54より制限機能IDが「1」で且つ代替機能IDが「2」であること、すなわち機能テーブル53より制限機能が「片面印刷」で且つ代替機能が「両面印刷」であることを示している。
【0054】
例えば、ユーザAの検索を行った場合で、グループ管理も行っている場合は以下の通りとなる。
ユーザアカウントID「1」が入力されたとき、ユーザテーブル51より「ユーザA」であること、またグループ管理テーブル55よりグループIDが「1」、すなわちグループテーブル52より「グループA」に所属することがわかる。よって、機能制限管理テーブル56における対象フラグ「0」、対象ID「1」すなわち「ユーザA」の条件(ユーザA個人の条件)と、対象フラグ「1」、対象ID「1」すなわち「グループA」の条件(ユーザAが属するグループの条件)を抽出する。
【0055】
機能制限管理テーブル56より、機能制限条件ID「1」と「2」が該当する。それぞれ、制限IDが「1」と「2」となっている。制限・代替機能テーブル54より、制限機能ID「1」と代替機能ID「2」との組み合わせ、制限機能ID「3」と代替機能ID「4」の組み合わせとなる。機能テーブル53より、それぞれ、制限機能「片面印刷」の代替機能「両面印刷」、制限機能「1−UP」の代替機能「2−UP」であるとわかる。
【0056】
つまり、ユーザAが出力する場合、「片面印刷」設定がされている場合は「両面印刷」に、「1−UP」が設定されている場合は「2−UP」に変更されるということがわかる。
【0057】
次に、図8〜図10を参照しながら、本実施形態に係る電子機器制御システム100の各装置での処理例を説明する。図8、図9、図10は、それぞれ、図1の電子機器制御システムにおける、クライアント端末上での動作、サーバ上での動作、電子機器上での動作を説明するためのフロー図である。以下でも電子機器30としてプリンタを例に挙げて説明する。
【0058】
まず、クライアント端末20上での動作例を図8に基づき説明する。
ユーザが入力部21から起動操作することで、主制御部22がクライアント端末20上でアプリケーション部26を起動させる(ステップS1)。主制御部22は入力部21からアプリケーションの終了指示があったか否かを判定し(ステップS2)、あった場合には処理を終了する。一方、終了指示が無い段階では(ステップS2でNOの場合には)、主制御部22は、アプリケーションの起動状態を継続して、入力部21からの指示に従いアプリケーション部26がデータ作成を行う(ステップS3)。
【0059】
次に、主制御部22は入力部21からデータ作成終了指示があったか否かを判定し(ステップS4)、データ作成終了指示があるまで(YESとなるまで)、アプリケーション部26にステップS3でのデータ作成を継続させる。ステップS4でYESとなった段階で、主制御部22は入力部21から印刷指示がなされたか否かを判定する(ステップS5)。ステップS5でNOの場合、ステップS2へ戻る。ここで、ステップS4に関するデータ作成終了指示としては、出力する段階になったことを示す指示であれば済み、出力指示(この例ではステップS5に関する印刷指示)が適用できるため、ステップS4は無くてもよい。
【0060】
一方、ステップS5でYESの場合、主制御部22がドライバ部25を起動させる(ステップS6)。主制御部22は、入力部21からのプレビュー表示の指示を受け付けたか否かを判定し(ステップS7)、NOの場合には後述のステップS13へ進む。
【0061】
ステップS7でYESの場合には、主制御部22はプレビュー表示部24を起動させ、通信部23からネットワーク40を介してサーバ10にユーザアカウントを送信する(ステップS8)。送信するユーザアカウントはクライアント端末20へのログイン時などに入力部21から既に入力されているか、そのクライアント端末20が特定のユーザしか使用しない環境では、予めクライアント端末20に割り当てられているユーザのユーザアカウントを読み出すことで得られる。
【0062】
サーバ10は、通信部13にてユーザアカウントを受信し、検索部15にて該当ユーザアカウントに対する制限機能とその代替機能の情報が存在するか否かを検索する。存在する場合には検索部15がその制限機能及び代替機能の情報を検索結果として読み出し、機能設定情報変更部16がその検索結果を通信部13からネットワーク40を介してクライアント端末20に送信する。存在しない場合には存在しない旨の検索結果をサーバ10が同様に送信する。クライアント端末20では、通信部23にて検索結果を受信する(ステップS9)。主制御部22は、受信した検索結果にて該当ユーザアカウントに対して制限機能があったか否かを判定し(ステップS10)、制限機能があった場合(YESの場合)、プレビュー表示部24にて制限機能の設定を検索結果として受信した代替機能に変更した設定に従って、プレビュー画像を作成する(ステップS11)。そして、プレビュー表示部24は、そのプレビュー画像を表示させる(ステップS12)。
【0063】
その後、主制御部22は、入力部21からの印刷指示を受け付けたか否かを判定し(ステップS13)、印刷出力する場合(YESの場合)、ドライバ部25にて出力データを作成し、通信部23からネットワーク40を介してサーバ10に出力データを送信する(ステップS14)。一方、ステップS13でNOの場合、ステップS2へ戻る。
【0064】
図8では、ステップS8においてユーザアカウントのみを送信する例を説明したが、他の処理例として上述したように、ステップS8にてさらに印刷対象の出力データの送信も行うように構成してもよい。例えば印刷ジョブ等の出力データにユーザアカウントを含むようにしてもよい。この出力データには機能設定情報も含まれているものとする。その場合、ステップS9〜S12の代わりに代替機能に変更後の出力データをサーバ10から受信してプレビュー画像を生成・表示するような処理を行えばよい。
【0065】
次に、このような例におけるサーバ10での動作例、すなわちサーバ10上でクライアント端末20から出力データを受信した場合の動作例を、図9に基づき説明する。
サーバ10の主制御部12は、クライアント端末20からサーバ10の通信部13にて電子機器30で出力処理を行う出力データを受信したか否かを判定する(ステップS21)。受信しなかった場合(NOの場合)には処理を終了し、受信した場合(YESの場合)には、検索部15が該当ユーザアカウントの制限機能を検索する(ステップS22)。検索部15は、検索の結果、該当ユーザアカウントの制限機能が存在するか否かを判定する(ステップS23)。
【0066】
該当ユーザアカウントの機能制限があった場合(ステップS23でYESの場合)、受信した出力データ内(の機能設定情報)に制限機能が含まれているか否かを解析・判定する(ステップS24)。該当機能がある場合(ステップS24でYESの場合)、機能設定情報変更部16が、受信した出力データにおける該当する制限機能を代替機能に変更する(ステップS25)。ステップS25で変更された出力データは、主制御部22が記憶部17に格納する(ステップS26)。また、制限機能が無かった場合(ステップS23でNOの場合)や出力データ内に該当する制限機能が無かった場合(ステップS24でNOの場合)には、クライアント端末20から受信した出力データをそのまま記憶部17に格納する。
【0067】
また、印刷ジョブ等の出力データを送信する代わりに、機能設定情報を送信する形態においては、ステップS9〜S12の代わりにサーバ10から代替機能に変更後の機能設定情報を得て、電子機器30の設定をそれに基づき変更してプレビュー画像を生成・表示すればよく、その詳細な説明は省略する。
【0068】
次に、電子機器30上でサーバ10に蓄積された出力データを出力する場合の動作例を、図10に基づき説明する。
電子機器30の主制御部32は、入力部31にてユーザアカウントが入力されたか否かを判定する(ステップS31)。この入力はIDカードの挿入・データ読み出しによってなされてもよい。ユーザアカウントの入力が無かった場合(NOの場合)には処理を終了し、あった場合(YESの場合)には、主制御部32は、通信部33からネットワーク40を介してサーバ10にユーザアカウントを送信する(ステップS32)。
【0069】
サーバ10では、通信部13にてこのユーザアカウントを受信し、検索部15が記憶部17に該当ユーザアカウントに対する出力データが存在するか否かを検索し、通信部13からネットワーク40を介して電子機器30に該当ユーザアカウントに対する検索結果を送信する。電子機器30では、主制御部32が通信部33を介してこの検索結果を受信し、検索結果が該当ユーザアカウントに対する出力データがあることを示すか否かを判定する(ステップS33)。無かった場合(ステップS33でNOの場合)には処理を終了する。
【0070】
一方、主制御部32は、該当する出力データがあった場合(ステップS33でYESの場合)、ユーザ操作や事前設定などに基づき、プレビュー表示を行うか否かを判定する(ステップS34)。プレビュー表示を行う場合(ステップS34でYESの場合)には、主制御部32は、通信部33にて、サーバ10から出力データ(必要に応じて機能設定情報変更部16で書き換えられた出力データ)をネットワーク40を介して受信する(ステップS35)。そして、主制御部32がプレビュー表示部34を起動し、プレビュー表示部34が、受信された出力データのプレビュー画像を生成して表示する(ステップS36)。
【0071】
ステップS36に続き、並びにプレビュー表示を行わない場合(ステップS34でNOの場合)、主制御部32が入力部31から印刷指示が入力されたか否かを判定し(ステップS37)、行わない場合(NOの場合)には処理を終了する。
【0072】
一方、印刷出力を行う場合(ステップS37でYESの場合)、主制御部32が、サーバ10から出力データを受信済みか否かを判定する(ステップS38)。出力データを受信済みである場合(ステップS38でYESの場合)は、主制御部32が出力部35にそのまま出力処理を行わせる(ステップS40)。サーバ10から出力データを受信済みでない場合(ステップS38でNOの場合)は、主制御部32が、通信部33にて、サーバ10の通信部13からネットワーク40を介して出力データの送信を要求して受信し(ステップS39)、出力処理を行う(ステップS40)。
【0073】
以上説明したように、本発明に係る電子機器制御システムによれば、ユーザアカウント設定やグループ設定といったアカウント情報、機能制限情報、代替機能情報をそれぞれ対応付けてサーバに記憶させておき、クライアント端末又は電子機器を使用するユーザのユーザアカウントに応じて、制限機能とその代替機能への変更が可能となり、アカウント情報毎に一元的に機能の制限について管理することが可能となる。つまり、サーバに、ユーザアカウント又はユーザアカウント及びグループ設定に対する機能制限と代替機能のポリシー設定を行い、そのポリシー設定により、例えば両面印刷禁止などの機能制限の制御を行うことができる。
【0074】
さらに、本発明に係る電子機器制御システムによれば、ユーザがクライアント端末を操作して電子機器でデータ出力を行う際、若しくはユーザが直接電子機器を操作してサーバに蓄えられたデータ出力を行う際に、出力前にそのユーザが事前に出力するデータの内容を確認できるようになる。つまり、クライアント端末又は電子機器におけるプレビュー機能により、機能制限された結果を電子機器での出力作業を終える前に希望の出力か否かを確認できる。従って、機能制限にて希望しない出力をしてしまうということを事前に防ぐことができ、ユーザの誤操作による無駄な出力を防ぐことができる。
【0075】
また、電子機器として電子写真プリンタ等の通常のプリンタを例に挙げ、そのプリンタの設置場所については言及していないが、電子写真プリンタは例えば写真プリント・製本などを行う店舗等の外部施設に設置されていてもよい。より具体的には、図1においてネットワーク40がインターネット、電子機器30がコンビニエンスストアのキオスク端末やDPE(Development, Printing, Enlargement)ショップの電子写真プリンタであるといった例が挙げられる。このような使用環境では、ユーザは、携帯情報端末や自宅のPC等のクライアント端末20を用いてその店舗のホームページからオンライン写真プリントを依頼することができる。特に、ユーザは、ユーザアカウントに応じた画質や大きさの写真、つまり、ユーザアカウントに応じて予めサーバ10上で設定された制限機能情報及び代替機能情報に従った画質や大きさの写真を、電子写真プリンタの設置場所やそこからの配達により得ることができる。そして、ユーザは、その画質や大きさの写真を事前にクライアント端末20で閲覧することができるため、閲覧後に実際に依頼するか否かを決定することができる。
【0076】
また、サーバ10において制限機能情報や代替機能情報と関連付けて記憶される情報が、ユーザアカウント情報、又はユーザアカウント情報及びグループ設定情報である例を挙げたが、代わりに、ユーザの種別を示すユーザ種別情報であってもよい。つまり、サーバ10においては、制限機能情報や代替機能情報と関連付けて、ユーザアカウント情報、ユーザアカウント情報及びグループ設定情報、ユーザ種別情報のうち、いずれかで定義されるユーザ情報が記憶されていればよい。
【0077】
ユーザ種別情報とは、サーバ10においてユーザをユーザ種別で特定するための情報である。サーバ10では、ユーザ種別情報と利用可能な機能(制限機能情報と代替機能情報)とを関連付けたテーブルを格納しておく。そして、クライアント端末20は、ユーザ操作による入力やICカードの挿入などに基づきサーバ10にユーザ種別情報を送信し、サーバ10からユーザ種別に応じ利用可能な出力機能(印刷機能等)に関する情報を得て、それに従ったプレビュー表示が可能となる。これにより、サーバ10上ではユーザ種別に対応して利用可能な機能のみを管理すればよく、全てのユーザに対し個別に管理する必要が無くなるためサーバ10の負荷やサーバ10の管理者の作業が簡素化される。
【0078】
例えば、ユーザ種別情報としては、オンライン写真プリントの会員カードに記載されている、ユーザのランクを示す数値などが挙げられる。会員カードはICカードでなくてもその表面にランクに関する情報が印字されていればランクをスキャナで読み取ることができる。サーバ10は、ユーザのランクが暗号化された数値で記述されたテーブルを参照することでサーバ10上で解読してランクを判定して、機能制限してその代替機能をクライアント端末20側に送信するとよい。また、ユーザのランクとしては、高額課金ユーザ、通常課金ユーザ、無料お試しユーザなどが挙げられる。制限の方法の例としては、ユーザ種別情報をサーバ10に送信するようにしておくことで、ユーザのランク(例えば購入実績)に応じた広告データのカラー印刷制限や画質印刷制限などにも利用できる。
【0079】
また、図1で主に説明したシステム構成例において、サーバ10は、その機能の一部を分散させて配置してもよい。より好ましくは、サーバ10は、制限情報記憶部及び検索部を有する認証サーバと、認証サーバに接続され且つ変更情報送信部を有するデータ処理管理サーバとで構成するとよい。データ出力が印刷の場合で説明すると、認証機能と印刷管理機能とを同一サーバが実行するのではなく、機能を分散させた個々のサーバで実行するようにしてもよい。
【0080】
また、上述した各構成例の電子機器制御システム(以下、第1システムという)では、クライアント端末20が必須なシステムであったが、本発明では図1のシステムにおいて、クライアント端末20を設けずサーバ10及び電子機器30で構成されるシステムも採用できる。このような構成の電子機器制御システム(以下、第2システムという)における電子機器は、基本的に、本体に設けられた操作部からのユーザ操作によってデータ出力が可能な機器とする。このように、第2システムは図1の電子機器制御システム100からクライアント端末20を除いたシステムであり、同様に図1を参照しながら簡単に説明する。また、第2システムにおいても、第1システムと同様、サーバの機能を分散して配置してもよい。
【0081】
第2システムにおけるサーバ10も、記憶部17や制限機能設定部14等で例示できる上述した制限情報記憶部や、検索部15を備える。また、第2システムにおける電子機器30は、(Ia)ユーザ情報を、若しくは(Ib)ユーザ情報及び電子機器にて使用する機能設定情報を、若しくは(Ic)ユーザ情報及び機能設定情報を含む出力データを、サーバ10に送信する機器側情報送信部を備える。この機器側情報送信部は主に主制御部32及び通信部33で例示できる。サーバ10の検索部15は、上記機器側情報送信部から送信されたユーザ情報が上記制限情報記憶部に記憶されているか否かについて検索し、ユーザ情報が記憶されていた場合に、そのユーザ情報に関連付けられた制限機能情報及び代替機能情報を読み出す。
【0082】
第2システムにおけるサーバ10は、第1システムと同様に機能設定情報変更部16で主に例示できる変更情報送信部を備える。但し、第2システムにおける変更情報送信部は情報の送信先が、当然ではあるがクライアント端末ではなく電子機器30となる。つまり、第2システムにおける変更情報送信部は、上記(Ia)、(Ib)、(Ic)にそれぞれ対応して、(IIa)検索部15で読み出された制限機能情報及び代替機能情報を電子機器30に送信する、若しくは(IIb)検索部15で読み出された制限機能情報及び代替機能情報に基づき機能設定情報の制限機能情報に該当する部分を代替機能情報に変更し、変更後の機能設定情報を電子機器30に送信する、若しくは(IIc)検索部15で読み出された制限機能情報及び代替機能情報に基づき出力データ中の機能設定情報の制限機能情報に該当する部分を代替機能情報に変更し、変更後の出力データを電子機器30に送信する。そして、電子機器30は、プレビュー表示部34を備える。但し、第2システムにおけるプレビュー表示部34は、サーバ10からの送信の内容からも分かるように、上記(Ia)、(Ib)、(Ic)にそれぞれ対応して、(IIIa)送信された制限機能情報及び代替機能情報に基づき、若しくは(IIIb)送信された変更後の機能設定情報に基づき、若しくは(IIIc)送信された変更後の出力データに基づき、出力データのプレビュー画像を生成し表示する。
【0083】
図11を参照しながら、第2システムの各装置での処理例を説明する。図11は、第2システムにおける電子機器上での動作を説明するためのフロー図である。以下、電子機器30として複写機を例に挙げて説明する。複写機は、出力処理として光学的に読み取った画像データの印刷を実行する。
【0084】
まず、複写機である電子機器30では、ユーザが入力部31からログイン情報を入力することで、主制御部32がログイン処理を実行させる(ステップS51)。主制御部32は入力部31からコピー条件の設定を受け付けて設定を実行しながら(ステップS52)、入力部31におけるコピー開始キーの押下を待つ(ステップS53)。コピー開始キーが押下された段階で、主制御部32の制御に基づき、スキャンを開始しスキャンされた結果の画像データの生成を行い、生成したスキャン画像データを保存する(ステップS54)。
【0085】
主制御部32は、入力部31からのプレビュー表示の設定(デフォルト設定も含む)が事前になされているか否かを判定し(ステップS55)、NOの場合には後述のステップS62へ進み、印刷処理を実行する。
【0086】
ステップS55でYESの場合には、主制御部32はプレビュー表示部34を起動させ、通信部33からネットワーク40を介してサーバ10にユーザアカウントを送信する(ステップS56)。送信するユーザアカウントはステップS51のログイン時などに入力部21から既に入力されているか、ステップS55の後にユーザに入力を催促して入力させればよい。
【0087】
サーバ10は、通信部13にてユーザアカウントを受信し、検索部15にて該当ユーザアカウントに対する制限機能とその代替機能の情報が存在するか否かを検索する。存在する場合には検索部15がその制限機能及び代替機能の情報を検索結果として読み出し、機能設定情報変更部16がその検索結果を通信部13からネットワーク40を介して電子機器30に送信する。存在しない場合には存在しない旨の検索結果をサーバ10が同様に送信する。電子機器30では、通信部33にて検索結果を受信する(ステップS57)。なお、ユーザの電子機器30の使用自体に関する認証もサーバ10で行う場合には、ステップS51のログイン処理時にサーバ10との通信により行えばよいが、その際にステップS56,S57の処理を実行しておくことが望ましい。
【0088】
主制御部32は、受信した検索結果にて該当ユーザアカウントに対して制限機能があったか否かを判定し(ステップS58)、制限機能があった場合(YESの場合)、プレビュー表示部34にて制限機能の設定を検索結果として受信した代替機能に変更した設定に従って、スキャン画像データからプレビュー画像を作成する(ステップS59)。そして、プレビュー表示部34は、そのプレビュー画像を表示させる(ステップS60)。
【0089】
その後、主制御部32は、入力部31からの印刷指示を受け付けたか否かを判定し(ステップS61)、印刷出力する場合(YESの場合)、出力部35にて出力データ(印刷データ)を作成し、印刷処理を実行する(ステップS62)。一方、ステップS61でNOの場合、ステップS52へ戻って、ユーザはコピー条件の再設定から再度操作し、求める画質のプレビューが確認できた段階で印刷指示を出せばよい。
なお、コピー条件の再設定は、ステップS60でプレビュー表示を行った段階で受け付け、ステップS54で保存したスキャン画像データを再設定後に、同じく保存しておいた制限機能及び代替機能を考慮に入れて加工して、加工後の画像データからプレビュー画像を生成し、ユーザに確認させるようにしてもよい。これにより、ステップS52へ戻るなどして再度スキャンする必要がなくなる。
【0090】
また、図11では、ステップS56においてユーザアカウントのみを送信する例を説明したが、第1システムにおける処理として図9で例示した処理と同様に、ステップS56にてさらに印刷対象の出力データの送信も行うように構成してもよい。例えば印刷ジョブのデータにユーザアカウントを含むようにしてもよい。その場合、ステップS57〜S60の代わりに代替機能に変更後の出力データをサーバ10から受信してプレビュー画像を生成・表示するような処理を行えばよい。また、印刷ジョブのデータを送信する代わりに、機能設定情報(この例ではコピー条件を示す情報)を送信し、ステップS57〜S60の代わりにサーバ10から代替機能に変更後の機能設定情報を得て、電子機器30の設定をそれに基づき変更してプレビュー画像を生成・表示するような処理を行ってもよい。
【0091】
このように、本発明に係る第2システムによれば、サーバ側で電子機器の制限する機能(制限機能)及びその代替機能をアカウント情報毎やユーザ種別毎に一元的に管理することが可能で、且つ、ユーザが直接電子機器を操作して電子機器でデータ出力を行う際に、出力前にそのユーザが事前に出力するデータの内容を確認できるようになる。例えば、複写機で原稿を読み取った画像データを作成し、それをカラー印刷しようと条件設定したとき、サーバでカラーの制限がかけられていたらモノクロに印刷設定を変えて印刷を実行するようなこともできる。
【0092】
なお、第2システムの応用例としては、クライアント端末20も含めた第1システムの説明として上述した様々な例が同様に適用できる。但し、サーバ10に蓄積した出力データを電子機器から読み出す形態については特に適用する必要性がない。
【0093】
以上、本発明に係る電子機器制御システム(第1システム及び第2システム)及びそれらのシステム内の各装置を中心に説明したが、本発明は、各装置における制御の流れを例示したように、このような接続形態の電子機器制御システムにおける電子機器制御方法としての形態も採り得る。
【0094】
第1システムにおける電子機器制御方法は、次の制限情報記憶ステップ、端末側情報送信ステップ、検索ステップ、変更情報送信ステップ、及びプレビュー表示ステップを有する。
【0095】
各ステップについて簡単に説明すると、制限情報記憶ステップは、サーバが、ユーザ情報と、電子機器の機能のうち使用を制限する機能を示す制限機能情報と、制限する機能の代替として使用する機能を示す代替機能情報とを、それぞれ関連付けて記憶するステップである。端末側情報送信ステップは、クライアント端末が、(1a)ユーザ情報を、若しくは(1b)ユーザ情報及び電子機器にて使用する機能設定情報を、若しくは(1c)ユーザ情報及び機能設定情報を含む出力データを、サーバに送信するステップである。
【0096】
検索ステップは、サーバが、端末側情報送信ステップで送信されたユーザ情報が制限情報記憶ステップで記憶されたか否かについて検索し、ユーザ情報が記憶されていた場合に、ユーザ情報に関連付けられた制限機能情報及び代替機能情報を読み出すステップである。変更情報送信ステップは、サーバが、(2a)検索ステップで読み出された制限機能情報及び代替機能情報をクライアント端末に送信する、若しくは(2b)検索ステップで読み出された制限機能情報及び代替機能情報に基づき機能設定情報の制限機能情報に該当する部分を代替機能情報に変更し、変更後の機能設定情報をクライアント端末に送信する、若しくは(2c)検索ステップで読み出された制限機能情報及び代替機能情報に基づき出力データ中の機能設定情報の制限機能情報に該当する部分を代替機能情報に変更し、変更後の出力データをクライアント端末に送信するステップである。
【0097】
プレビュー表示ステップは、クライアント端末が、(3a)変更情報送信ステップで送信された制限機能情報及び代替機能情報に基づき、若しくは(3b)変更情報送信ステップで送信された変更後の機能設定情報に基づき、若しくは(3c)変更情報送信ステップで送信された変更後の出力データに基づき、出力データのプレビュー画像を生成し表示するステップである。なお、本発明に係る電子機器制御方法の応用例としては、電子機器制御システム(第1システム)の説明として上述した様々な例が同様に適用できるため、その説明を省略する。
【0098】
第2システムにおける電子機器制御方法は、次の制限情報記憶ステップ、機器側情報送信ステップ、検索ステップ、変更情報送信ステップ、及びプレビュー表示ステップを有する。
【0099】
制限情報記憶ステップは、サーバが、ユーザ情報と、電子機器の機能のうち使用を制限する機能を示す制限機能情報と、制限する機能の代替として使用する機能を示す代替機能情報とを、それぞれ関連付けて記憶するステップである。機器側情報送信ステップは、電子機器が、(Ia)ユーザ情報を、若しくは(Ib)ユーザ情報及び電子機器にて使用する機能設定情報を、若しくは(Ic)ユーザ情報及び電子機器にて使用する機能設定情報を含む出力データを、サーバに送信するステップである。検索ステップは、サーバが、機器側情報送信ステップで送信されたユーザ情報が制限情報記憶ステップに記憶されているか否かについて検索し、ユーザ情報が記憶されていた場合に、ユーザ情報に関連付けられた制限機能情報及び代替機能情報を読み出すステップである。
【0100】
変更情報送信ステップは、サーバが、(IIa)検索ステップで読み出された制限機能情報及び代替機能情報を電子機器に送信する、若しくは(IIb)検索ステップで読み出された制限機能情報及び代替機能情報に基づき機能設定情報の制限機能情報に該当する部分を代替機能情報に変更し、変更後の機能設定情報を電子機器に送信する、若しくは(IIc)検索ステップで読み出された制限機能情報及び代替機能情報に基づき出力データ中の機能設定情報の制限機能情報に該当する部分を代替機能情報に変更し、変更後の出力データを電子機器に送信するステップである。プレビュー表示ステップは、電子機器が、(IIIa)変更情報送信ステップで送信された制限機能情報及び代替機能情報に基づき、若しくは(IIIb)変更情報送信ステップで送信された変更後の機能設定情報に基づき、若しくは(IIIc)変更情報送信ステップで送信された変更後の出力データに基づき、出力データのプレビュー画像を生成し表示するステップである。なお、第2システムにおける電子機器制御方法の応用例としては、第2システムの説明として上述した通りであり、その説明を省略する。
【0101】
また、サーバ10、クライアント端末20、及び電子機器30におけるプログラムとして説明したように、本発明は、上述した実施形態を構成する第1システムの各装置における各部として、コンピュータを機能させるプログラムやそのプログラムを記録した記録媒体としての形態も採り得る。また、同様に、サーバ及び電子機器で構成される第2システムの各装置における各部として、コンピュータを機能させるプログラムやそのプログラムを記録した記録媒体としての形態も採り得る。これらのプログラムは、上述の電子機器制御方法を各装置のコンピュータ(主制御部)に実行させるためのプログラムとも言える。
【0102】
この記録媒体に記録されたこれらのプログラムや、ネットワーク経由で受信したこれらのプログラムを、該当装置に備えられたメモリ或いは記憶装置に格納し、そのプログラムをコンピュータ(主制御部)が実行することによって、本発明の機能は実現できる。例えば、図1のドライバ部25及びプレビュー表示部24での制御を行うためのプログラム又は図1のプレビュー表示部34のように、クライアント端末上又は電子機器上にドライバプログラムとして組み込むことで、ドライバプログラムからのプレビュー表示を行うことができる。また、上記プログラムは、そのプログラムの指示に基づき、オペレーティングシステム或いは他のアプリケーションプログラム等と共同して処理することによって上述した本発明の機能が実現されるようなプログラムであってもよい。
【0103】
なお、上記記録媒体としては、ディスク系(例えば、磁気ディスク、光ディスク等)、カード系(例えば、メモリカード、光カード等)、半導体メモリ系(例えば、ROM、不揮発性メモリ等)、テープ系(例えば、磁気テープ、カセットテープ等)等のいずれの形態の記録媒体であってもよい。また、ネットワーク経由で受信するとは、外部サーバの記憶装置などに記録されたプログラムを受信することを指す。
このように、本発明の機能をプログラム化して流通させることによって、コストの低廉化、及び可搬性や汎用性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0104】
10…サーバ、11…サーバの入力部、12…サーバの主制御部、13…サーバの通信部、14…制限機能設定部、15…検索部、16…機能設定情報変更部、17…記憶部、20…クライアント端末、21…クライアント端末の主制御部、21…クライアント端末の入力部、22…クライアント端末の主制御部、23…クライアント端末の通信部、24…プレビュー表示部、25…ドライバ部、26…アプリケーション部、30…電子機器、31…電子機器の入力部、32…電子機器の主制御部、33…電子機器の通信部、34…電子機器のプレビュー表示部、35…出力部、40…ネットワーク、51…ユーザテーブル、52…グループテーブル、53…機能テーブル、54…制限・代替機能テーブル、55…グループ管理テーブル、56…機能制限管理テーブル、100…電子機器制御システム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバと、クライアント端末と、該クライアント端末からの指示に応じて前記サーバを介してデータ出力が可能な電子機器と、がネットワークに接続される電子機器制御システムであって、
前記サーバは、ユーザアカウント情報、ユーザアカウント情報及びグループ設定情報、及び、ユーザの種別を示すユーザ種別情報のうち、いずれかで定義されるユーザ情報と、前記電子機器の機能のうち使用を制限する機能を示す制限機能情報と、前記制限する機能の代替として使用する機能を示す代替機能情報とを、それぞれ関連付けて記憶する制限情報記憶部を備え、
前記クライアント端末は、(1a)前記ユーザ情報を、若しくは(1b)前記ユーザ情報及び前記電子機器にて使用する機能設定情報を、若しくは(1c)前記ユーザ情報及び前記電子機器にて使用する機能設定情報を含む出力データを、前記サーバに送信する端末側情報送信部を備え、
前記サーバは、さらに、前記端末側情報送信部から送信された前記ユーザ情報が前記制限情報記憶部に記憶されているか否かについて検索し、前記ユーザ情報が記憶されていた場合に、前記ユーザ情報に関連付けられた前記制限機能情報及び前記代替機能情報を読み出す検索部と、(2a)該検索部で読み出された前記制限機能情報及び前記代替機能情報を前記クライアント端末に送信する、若しくは(2b)前記検索部で読み出された前記制限機能情報及び前記代替機能情報に基づき前記機能設定情報の前記制限機能情報に該当する部分を前記代替機能情報に変更し、変更後の機能設定情報を前記クライアント端末に送信する、若しくは(2c)前記検索部で読み出された前記制限機能情報及び前記代替機能情報に基づき前記出力データ中の前記機能設定情報の前記制限機能情報に該当する部分を前記代替機能情報に変更し、変更後の出力データを前記クライアント端末に送信する変更情報送信部と、を備え、
前記クライアント端末は、さらに、(3a)前記変更情報送信部から送信された前記制限機能情報及び前記代替機能情報に基づき、若しくは(3b)前記変更情報送信部から送信された前記変更後の機能設定情報に基づき、若しくは(3c)前記変更情報送信部から送信された前記変更後の出力データに基づき、出力データのプレビュー画像を生成し表示するプレビュー表示部を備えたことを特徴とする電子機器制御システム。
【請求項2】
前記サーバは、さらに、前記クライアント端末から、前記プレビュー表示部で表示されたプレビュー画像に対応する出力データを出力する指示を受けたときに、該出力データを前記電子機器に出力可能な出力データとして記憶する記憶部を備えたことを特徴とする請求項1に記載の電子機器制御システム。
【請求項3】
前記サーバは、前記記憶部に記憶された前記電子機器に出力可能な出力データを、そのまま直ぐに前記電子機器に出力することを特徴とする請求項2に記載の電子機器制御システム。
【請求項4】
前記電子機器は、前記ユーザ情報を前記サーバに送信して、送信した前記ユーザ情報に対応し且つ前記記憶部に記憶された前記電子機器に出力可能な出力データを前記サーバから受信して、受信した出力データのプレビュー画像を生成し表示する機器側のプレビュー表示部を備えたことを特徴とする請求項2に記載の電子機器制御システム。
【請求項5】
サーバとデータ出力が可能な電子機器とがネットワークに接続される電子機器制御システムであって、
前記サーバは、ユーザアカウント情報、ユーザアカウント情報及びグループ設定情報、及び、ユーザの種別を示すユーザ種別情報のうち、いずれかで定義されるユーザ情報と、前記電子機器の機能のうち使用を制限する機能を示す制限機能情報と、前記制限する機能の代替として使用する機能を示す代替機能情報とを、それぞれ関連付けて記憶する制限情報記憶部を備え、
前記電子機器は、(Ia)前記ユーザ情報を、若しくは(Ib)前記ユーザ情報及び前記電子機器にて使用する機能設定情報を、若しくは(Ic)前記ユーザ情報及び前記電子機器にて使用する機能設定情報を含む出力データを、前記サーバに送信する機器側情報送信部を備え、
前記サーバは、さらに、前記機器側情報送信部から送信された前記ユーザ情報が前記制限情報記憶部に記憶されているか否かについて検索し、前記ユーザ情報が記憶されていた場合に、前記ユーザ情報に関連付けられた前記制限機能情報及び前記代替機能情報を読み出す検索部と、(IIa)該検索部で読み出された前記制限機能情報及び前記代替機能情報を前記電子機器に送信する、若しくは(IIb)前記検索部で読み出された前記制限機能情報及び前記代替機能情報に基づき前記機能設定情報の前記制限機能情報に該当する部分を前記代替機能情報に変更し、変更後の機能設定情報を前記電子機器に送信する、若しくは(IIc)前記検索部で読み出された前記制限機能情報及び前記代替機能情報に基づき前記出力データ中の前記機能設定情報の前記制限機能情報に該当する部分を前記代替機能情報に変更し、変更後の出力データを前記電子機器に送信する変更情報送信部と、を備え、
前記電子機器は、さらに、(IIIa)前記変更情報送信部から送信された前記制限機能情報及び前記代替機能情報に基づき、若しくは(IIIb)前記変更情報送信部から送信された前記変更後の機能設定情報に基づき、若しくは(IIIc)前記変更情報送信部から送信された前記変更後の出力データに基づき、出力データのプレビュー画像を生成し表示するプレビュー表示部を備えたことを特徴とする電子機器制御システム。
【請求項6】
前記サーバは、前記制限情報記憶部及び前記検索部を有する認証サーバと、該認証サーバに接続され、前記変更情報送信部を有するデータ処理管理サーバとで構成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電子機器制御システム。
【請求項7】
クライアント端末と電子機器とネットワークに接続されるサーバであって、
前記電子機器は、前記クライアント端末からの前記サーバを介した指示に応じてデータ出力が可能な機器であり、
前記サーバは、
ユーザアカウント情報、ユーザアカウント情報及びグループ設定情報、及び、ユーザの種別を示すユーザ種別情報のうち、いずれかで定義されるユーザ情報と、前記電子機器の機能のうち使用を制限する機能を示す制限機能情報と、前記制限する機能の代替として使用する機能を示す代替機能情報とを、それぞれ関連付けて記憶する制限情報記憶部と、
前記クライアント端末から(1a)前記ユーザ情報、若しくは(1b)前記ユーザ情報及び前記電子機器にて使用する機能設定情報、若しくは(1c)前記ユーザ情報及び前記電子機器にて使用する機能設定情報を含む出力データ、が送信されてきた場合、前記クライアント端末から送信された前記ユーザ情報が前記制限情報記憶部に記憶されているか否かについて検索し、前記ユーザ情報が記憶されていた場合に、前記ユーザ情報に関連付けられた前記制限機能情報及び前記代替機能情報を読み出す検索部と、
(2a)該検索部で読み出された前記制限機能情報及び前記代替機能情報を前記クライアント端末に送信する、若しくは(2b)前記検索部で読み出された前記制限機能情報及び前記代替機能情報に基づき前記機能設定情報の前記制限機能情報に該当する部分を前記代替機能情報に変更し、変更後の機能設定情報を前記クライアント端末に送信する、若しくは(2c)前記検索部で読み出された前記制限機能情報及び前記代替機能情報に基づき前記出力データ中の前記機能設定情報の前記制限機能情報に該当する部分を前記代替機能情報に変更し、変更後の出力データを前記クライアント端末に送信する変更情報送信部と、
を備えたことを特徴とするサーバ。
【請求項8】
請求項7に記載のサーバと、電子機器とにネットワークを介して接続されるクライアント端末であって、
前記電子機器は、前記クライアント端末からの前記サーバを介した指示に応じてデータ出力が可能な機器であり、
前記クライアント端末は、
(1a)ユーザアカウント情報、ユーザアカウント情報及びグループ設定情報、及び、ユーザの種別を示すユーザ種別情報のうち、いずれかで定義されるユーザ情報を、若しくは(1b)前記ユーザ情報及び前記電子機器にて使用する機能設定情報を、若しくは(1c)前記ユーザ情報及び前記電子機器にて使用する機能設定情報を含む出力データを、前記サーバに送信する端末側情報送信部と、
(3a)前記変更情報送信部から送信された前記制限機能情報及び前記代替機能情報に基づき、若しくは(3b)前記変更情報送信部から送信された前記変更後の機能設定情報に基づき、若しくは(3c)前記変更情報送信部から送信された前記変更後の出力データに基づき、出力データのプレビュー画像を生成し表示するプレビュー表示部と、
を備えたことを特徴とするクライアント端末。
【請求項9】
データ出力が可能な電子機器とネットワークに接続されるサーバであって、
ユーザアカウント情報、ユーザアカウント情報及びグループ設定情報、及び、ユーザの種別を示すユーザ種別情報のうち、いずれかで定義されるユーザ情報と、前記電子機器の機能のうち使用を制限する機能を示す制限機能情報と、前記制限する機能の代替として使用する機能を示す代替機能情報とを、それぞれ関連付けて記憶する制限情報記憶部と、
前記電子機器から(Ia)前記ユーザ情報、若しくは(Ib)前記ユーザ情報及び前記電子機器にて使用する機能設定情報、若しくは(Ic)前記ユーザ情報及び前記電子機器にて使用する機能設定情報を含む出力データ、が送信されてきた場合、前記電子機器から送信された前記ユーザ情報が前記制限情報記憶部に記憶されているか否かについて検索し、前記ユーザ情報が記憶されていた場合に、前記ユーザ情報に関連付けられた前記制限機能情報及び前記代替機能情報を読み出す検索部と、
(IIa)該検索部で読み出された前記制限機能情報及び前記代替機能情報を前記電子機器に送信する、若しくは(IIb)前記検索部で読み出された前記制限機能情報及び前記代替機能情報に基づき前記機能設定情報の前記制限機能情報に該当する部分を前記代替機能情報に変更し、変更後の機能設定情報を前記電子機器に送信する、若しくは(IIc)前記検索部で読み出された前記制限機能情報及び前記代替機能情報に基づき前記出力データ中の前記機能設定情報の前記制限機能情報に該当する部分を前記代替機能情報に変更し、変更後の出力データを前記電子機器に送信する変更情報送信部と、
を備えたことを特徴とするサーバ。
【請求項10】
請求項9に記載のサーバと接続され、データ出力が可能な電子機器であって、
(Ia)ユーザアカウント情報、ユーザアカウント情報及びグループ設定情報、及び、ユーザの種別を示すユーザ種別情報のうち、いずれかで定義されるユーザ情報を、若しくは(Ib)前記ユーザ情報及び前記電子機器にて使用する機能設定情報を、若しくは(Ic)前記ユーザ情報及び前記電子機器にて使用する機能設定情報を含む出力データを、前記サーバに送信する機器側情報送信部と、
(IIIa)前記変更情報送信部から送信された前記制限機能情報及び前記代替機能情報に基づき、若しくは(IIIb)前記変更情報送信部から送信された前記変更後の機能設定情報に基づき、若しくは(IIIc)前記変更情報送信部から送信された前記変更後の出力データに基づき、出力データのプレビュー画像を生成し表示するプレビュー表示部と、
を備えたことを特徴とする電子機器。
【請求項11】
サーバと、クライアント端末と、該クライアント端末からの指示に応じて前記サーバを介してデータ出力が可能な電子機器と、がネットワークに接続される電子機器制御システムにおける電子機器制御方法であって、
前記サーバが、ユーザアカウント情報、ユーザアカウント情報及びグループ設定情報、及び、ユーザの種別を示すユーザ種別情報のうち、いずれかで定義されるユーザ情報と、前記電子機器の機能のうち使用を制限する機能を示す制限機能情報と、前記制限する機能の代替として使用する機能を示す代替機能情報とを、それぞれ関連付けて記憶する制限情報記憶ステップと、
前記クライアント端末が、(1a)前記ユーザ情報を、若しくは(1b)前記ユーザ情報及び前記電子機器にて使用する機能設定情報を、若しくは(1c)ユーザ情報及び前記電子機器にて使用する機能設定情報を含む出力データを、前記サーバに送信する端末側情報送信ステップと、
前記サーバが、前記端末側情報送信ステップで送信された前記ユーザ情報が前記制限情報記憶ステップで記憶されたか否かについて検索し、前記ユーザ情報が記憶されていた場合に、前記ユーザ情報に関連付けられた前記制限機能情報及び前記代替機能情報を読み出す検索ステップと、
前記サーバが、(2a)前記検索ステップで読み出された前記制限機能情報及び前記代替機能情報を前記クライアント端末に送信する、若しくは(2b)前記検索ステップで読み出された前記制限機能情報及び前記代替機能情報に基づき前記機能設定情報の前記制限機能情報に該当する部分を前記代替機能情報に変更し、変更後の機能設定情報を前記クライアント端末に送信する、若しくは(2c)前記検索ステップで読み出された前記制限機能情報及び前記代替機能情報に基づき前記出力データ中の前記機能設定情報の前記制限機能情報に該当する部分を前記代替機能情報に変更し、変更後の出力データを前記クライアント端末に送信する変更情報送信ステップと、
前記クライアント端末が、(3a)前記変更情報送信ステップで送信された前記制限機能情報及び前記代替機能情報に基づき、若しくは(3b)前記変更情報送信ステップで送信された前記変更後の機能設定情報に基づき、若しくは(3c)前記変更情報送信ステップで送信された前記変更後の出力データに基づき、出力データのプレビュー画像を生成し表示するプレビュー表示ステップと、
を有することを特徴とする電子機器制御方法。
【請求項12】
サーバとデータ出力が可能な電子機器とがネットワークに接続される電子機器制御システムにおける電子機器制御方法であって、
前記サーバが、ユーザアカウント情報、ユーザアカウント情報及びグループ設定情報、及び、ユーザの種別を示すユーザ種別情報のうち、いずれかで定義されるユーザ情報と、前記電子機器の機能のうち使用を制限する機能を示す制限機能情報と、前記制限する機能の代替として使用する機能を示す代替機能情報とを、それぞれ関連付けて記憶する制限情報記憶ステップと、
前記電子機器が、(Ia)前記ユーザ情報を、若しくは(Ib)前記ユーザ情報及び前記電子機器にて使用する機能設定情報を、若しくは(Ic)前記ユーザ情報及び前記電子機器にて使用する機能設定情報を含む出力データを、前記サーバに送信する機器側情報送信ステップと、
前記サーバが、前記機器側情報送信ステップで送信された前記ユーザ情報が前記制限情報記憶ステップに記憶されているか否かについて検索し、前記ユーザ情報が記憶されていた場合に、前記ユーザ情報に関連付けられた前記制限機能情報及び前記代替機能情報を読み出す検索ステップと、
前記サーバが、(IIa)前記検索ステップで読み出された前記制限機能情報及び前記代替機能情報を前記電子機器に送信する、若しくは(IIb)前記検索ステップで読み出された前記制限機能情報及び前記代替機能情報に基づき前記機能設定情報の前記制限機能情報に該当する部分を前記代替機能情報に変更し、変更後の機能設定情報を前記電子機器に送信する、若しくは(IIc)前記検索ステップで読み出された前記制限機能情報及び前記代替機能情報に基づき前記出力データ中の前記機能設定情報の前記制限機能情報に該当する部分を前記代替機能情報に変更し、変更後の出力データを前記電子機器に送信する変更情報送信ステップと、
前記電子機器が、(IIIa)前記変更情報送信ステップで送信された前記制限機能情報及び前記代替機能情報に基づき、若しくは(IIIb)前記変更情報送信ステップで送信された前記変更後の機能設定情報に基づき、若しくは(IIIc)前記変更情報送信ステップで送信された前記変更後の出力データに基づき、出力データのプレビュー画像を生成し表示するプレビュー表示ステップと、
を有することを特徴とする電子機器制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−203938(P2011−203938A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−69805(P2010−69805)
【出願日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】