説明

電子機器及びそのリモコン装着方法、並びに、表示装置

【課題】二つ折り可能な本体部を有する利便性の良い電子機器を提供することを課題とする。
【解決手段】電子機器(プレイヤー1)は、第一部位(表示部10)と第二部位(支持部20)とを二つ折り可能に接続した本体部2と、この本体部2を操作するリモコン40とを備える。二つ折り保持手段50は、二つ折り状態の本体部2に対してリモコン40を装着することにより本体部2を二つ折り状態に保持する。二つ折り保持手段50は、開閉側縁部32における表示部10と支持部20とに接続することにより本体部2を二つ折り状態に保持してもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第一部位と第二部位とを二つ折り可能に接続した本体部及びリモコンを備える電子機器及びそのリモコン装着方法、並びに、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
DVD(Digital Versatile Disk)プレイヤーといった再生装置、DVDレコーダーといった記録再生装置、等の装置は、通常、リモコン(リモートコントロール装置)が付属している。このリモコンを装置本体に対して着脱可能に装着することも行われている。
【0003】
特許文献1に記載のマルチメディアプレーヤは、本体及びリモコン手段を含み、該リモコン手段に幾つかのファンクションボタンが形成され、該本体に収容部及び少なくとも一つの受信素子が形成されていて、前記リモコン手段は着脱可能に前記収容部内に取付けけられている。
特許文献2に記載のリモコン付きプレイヤーは、プレイヤーの天板にリモコンと同形状の凹部が形成されており、この凹部に収納されたリモコンがマグネットでプレイヤーに吸着される。
特許文献3に記載のカセットレコーダは、リモコン送信機を本体に着脱自在に装着している。
特許文献4に記載のビデオテープレコーダは、リモコンを本体に着脱自在に装着している。
特許文献5に記載の撮像機器は、撮像機器のカセット収納部に設けられたカセット蓋体にリモコンをスライド収納している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−50602号公報
【特許文献2】特開2003−36667号公報
【特許文献3】実開昭58−37246号公報
【特許文献4】実開昭62−140784号公報
【特許文献5】特開平5−347727号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、二つ折り可能な本体部に対してリモコンを装着するのに好適な技術が無い。
【0006】
以上を鑑み、本発明は、二つ折り可能な本体部を有する利便性の良い電子機器を提供する目的を有している。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明は、第一部位と第二部位とを二つ折り可能に接続した電子機器本体部と、この電子機器本体部を操作するリモコンとを備える電子機器において、
二つ折り状態の前記電子機器本体部に対して前記リモコンが装着されることにより該電子機器本体部を二つ折り状態に保持する二つ折り保持手段を備える態様を有している。
【0008】
また、本発明は、第一部位と第二部位とを二つ折り可能に接続した電子機器本体部と、この電子機器本体部を操作するリモコンとを備える電子機器のためのリモコン装着方法において、
二つ折り状態の前記電子機器本体部に対して前記リモコンを装着することにより該電子機器本体部を二つ折り状態に保持する態様も有している。
【発明の効果】
【0009】
請求項1、請求項8に係る発明によれば、二つ折り可能な本体部を有する利便性の良い電子機器を提供することができる。
請求項2に係る発明では、二つ折り可能な電子機器本体部が不用意に開くことをより確実に抑制することができる。
請求項3に係る発明では、簡易な手段で二つ折り可能な電子機器本体部が不用意に開くことを抑制することができる。
請求項4に係る発明では、さらに簡易な手段で二つ折り可能な電子機器本体部が不用意に開くことを抑制することができる。
請求項5、請求項6に係る発明では、リモコンが不用意に操作されることを抑制することができる。
請求項7に係る発明では、簡易な構成でリモコンが不用意に操作されることを抑制することができる。
請求項9に係る発明によれば、二つ折り可能な本体部を有する利便性の良い表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】(a)は本発明の一実施形態に係る電子機器(1)の外観を例示する斜視図、(b)は電子機器本体部(2)を開いた状態を例示する斜視図、である。
【図2】電子機器(1)の側面を例示する側面図である。
【図3】(a)はリモコン40の操作面41を例示する図、(b)はリモコン40の裏面40bを例示する図、である。
【図4】(a)は連結部材54の外観を例示する斜視図、(b)は連結部材54を例示する側面図、である。
【図5】(a)は変形例に係るリモコン40の外観を示す斜視図、(b)は電子機器(1)の側面を示す側面図、である。
【図6】(a)は変形例に係る電子機器(1)の外観を示す斜視図、(b)はリモコン40を示す側面図、である。
【図7】電子機器(1)の要部を示す側面図である。
【図8】(a)は変形例に係る電子機器(1)の外観を示す斜視図、(b)及び(c)はリモコン40を示す側面図、である。
【図9】電子機器(1)の要部を示す側面図である。
【図10】(a)は変形例に係る電子機器(1)の外観を示す斜視図、(b)は電子機器(1)の要部を示す側面図である。
【図11】カバー部材56の要部を示す斜視図である。
【図12】変形例に係る電子機器(1)の外観を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(1)電子機器の概略:
図1(a)に例示する電子機器(1)は、本体部(電子機器本体部)2とリモコン(リモートコントロール装置)40とを備える。図1(b)に例示するように、本体部2は、表示部(第一部位)10と支持部(第二部位)20とを二つ折り可能に接続している。リモコン40は、本体部2を操作するための装置である。
【0012】
本発明を適用可能な電子機器には、記録再生装置を含む再生装置、テレビジョンといった受信装置、テレビジョンが一体化された再生装置、ディスプレイ、これらの組合せ、等が含まれる。再生装置には、DVDプレイヤーやBD(Blue-ray Disc)プレイヤーやCD(Compact Disc)といった光ディスク再生装置、DVDレコーダーやBDレコーダーやCDレコーダーとおった光ディスク記録再生装置、IC(集積回路)レコーダー、ビデオデッキ、これらの組合せ、等が含まれる。
本発明を適用可能な表示装置は、表示部を備えていればよく、上述した電子機器が含まれる。図1(a)に例示する表示装置は、ポータブルDVDプレイヤーといったプレイヤー1であるものとする。
【0013】
上記プレイヤー1に例示される電子機器は、二つ折り状態の前記電子機器本体部(2)に対して前記リモコン40が装着されることにより該電子機器本体部(2)を二つ折り状態に保持する二つ折り保持手段50を備える態様を有する。本態様は、リモコン40の装着に起因して電子機器本体部(2)が二つ折り状態に保持されるので、二つ折り可能な電子機器本体部(2)が不用意に開くことを抑制することができ、利便性が向上する。
ここで、二つ折り保持手段50は、電子機器本体部やリモコンとは別の接続部材で構成されてもよいし、電子機器本体部とリモコンとにそれぞれ形成された構造で構成されてもよい。
【0014】
前記電子機器本体部(2)は、前記第一部位(10)と前記第二部位(20)との二つ折りの回転軸AX1となる軸側縁部31と、該軸側縁部31に対向した開閉側縁部32とを有していてもよい。
前記二つ折り保持手段50は、前記開閉側縁部32における前記第一部位(10)と前記第二部位(20)とに接続することにより前記電子機器本体部(2)を二つ折り状態に保持してもよい。本態様は、二つ折り可能な電子機器本体部(2)が不用意に開くことをより確実に抑制することができる。
【0015】
前記二つ折り保持手段50は、前記二つ折り状態の電子機器本体部(2)における前記第一部位(10)と前記第二部位(20)とにスライド可能に接続することにより該電子機器本体部(2)を二つ折り状態に保持してもよい。本態様は、簡易な手段で二つ折り可能な電子機器本体部(2)が不用意に開くことを抑制することができる。
ここで、二つ折り保持手段50は、リモコンとは別の接続部材に設けた第一及び第二の接続部材側スライド構造と第一部位及び第二部位に設けた第一及び第二の本体部側スライド構造とで構成されてもよいし、該第一及び第二の本体部側スライド構造とリモコンに設けた第一及び第二のリモコン側スライド構造とで構成されてもよい。
【0016】
前記二つ折り保持手段50は、前記二つ折り状態の電子機器本体部(2)と前記リモコン40とをスライド可能に連結してもよい。本態様は、さらに簡易な手段で二つ折り可能な電子機器本体部(2)が不用意に開くことを抑制することができる。
【0017】
前記二つ折り保持手段50は、前記リモコン40を収容するリモコン収容部57を有し、該リモコン収容部57に前記リモコン40を収容した状態で前記二つ折り状態の電子機器本体部(2)における前記第一部位(10)と前記第二部位(20)とに接続することにより該電子機器本体部(2)を二つ折り状態に保持してもよい。本態様は、リモコン40が不用意に操作されることを抑制することができる。
【0018】
前記リモコン40は、前記電子機器本体部(2)を操作するための操作面41を有し、前記二つ折り状態の電子機器本体部(2)に装着されたときに前記操作面41が隠れるようにしてもよい。本態様も、リモコン40が不用意に操作されることを抑制することができる。
【0019】
前記リモコン40は、前記操作面41を前記二つ折り状態の電子機器本体部(2)に向けて装着されてもよい。本態様は、簡易な構成でリモコン40が不用意に操作されることを抑制することができる。
【0020】
本技術の目的の一つは、ポータブルプレーヤー/レコーダーを持ち運ぶ際に、本体にはめ込んでリモコンを同時に持ち運べるようにすることにある。電子機器をリモコンスライド収納式ポータブルプレーヤー/レコーダーとすることにより、リモコンを、わざわざ別に持ち運ばなくても良くなる。リモコンで前面を固定することにより、不用意に開くことを防ぐことができる。また、使用せず保管しておく際にリモコンを失う可能性が低くなる。例えば、本体前面にリモコンをスライド式で収納できる箇所を設ける事で、別途リモコンを持ち運ぶ手間が省ける。
【0021】
(2)電子機器の構成:
図1(a),(b)及び図2に例示する本体部2は、二つ折りの動作を実現させるヒンジ機構30を背面の軸側縁部31に有している。軸側縁部31は、表示部10と支持部20との二つ折りの回転軸AX1となる。この軸側縁部31に対向する正面の開閉側縁部32は、二つ折りの開閉操作を行う部位とされるとともに、リモコン40に接続された連結部材54により二つ折り状態に保持される部位とされている。
ヒンジ機構30は、回転軸AX1を中心として表示部10と支持部20とを相対的に回動させるのみならず、本体部2が開いた状態において回転軸AX1と直交するなど交わる方向に表示部10を回動させる機構でもよい。
【0022】
本体部2の表示部10は、DVD等の記録媒体から再生される映像等を出力するための可動部位とされている。表示部10の内側面10aには、液晶画面といった画面17、スピーカーといった音声出力部18、等が設けられている。画面17には、再生された映像が表示される。音声出力部18には、再生された音声が出力される。また、内側面10aには、二つ折り保持手段用の溝部51も形成されている。この溝部51は、長手方向DR1の両端部となる側縁部33,33に繋がっている。
【0023】
本体部2の支持部20は、ある物の上に載置され表示部10を支持する部位とされ、表示部10の動作を制御する。支持部20は、プレイヤー全体の制御部、記録媒体の再生部、表示部10への信号送出部、記録媒体の蓋27、各種操作ボタン、等が設けられている。蓋開き操作ボタンが操作されると、内側面20aに設けられた蓋27が開き、記録媒体を出し入れすることができる。また、内側面20aには、二つ折り保持手段用の溝部52も形成されている。この溝部52は、長手方向DR1の両端部となる側縁部33,33に繋がっている。
【0024】
図2及び図3(a),(b)に例示するリモコン40は、本体部2を操作するための操作面41を表面40aに有している。操作面41には、電源キーを含む複数の操作キー41aが配置され、電池42aを出し入れするための蓋42が取り付けられている。この操作面41とは反対側の裏面40bには、連結部材54の挿入部54cを長手方向DR1へのスライド可能に挿入させる溝部53が形成されている。
【0025】
本プレイヤー1は、二つ折り状態の本体部2とリモコン40とを長手方向DR1へのスライド可能に連結する連結部材54を備えている。この連結部材54と溝部51,52,53とは、二つ折り保持手段50を構成する。
【0026】
図4(a),(b)に例示するように、連結部材54は、二つ折り状態の本体部2における表示部10と支持部20とに挟まれる連絡部54dを中心として、本体部2側の表示部10側となる挿入部(第一の接続部材側スライド構造)54a、本体部2側の支持部20側となる挿入部(第二の接続部材側スライド構造)54b、リモコン40側となる挿入部(第三の接続部材側スライド構造)54c、を有している。図2(b)の例では、プレイヤー1に複数の連結部材54が設けられていることが示されている。
【0027】
表示部側の挿入部54aは、表示部10側へ延出した挿入基部54a1と、この挿入基部54a1の先端縁部となる上縁部からリモコン40側へ延出した折曲部54a2とを有する断面フック形状とされている。支持部側の挿入部54bは、支持部20側へ延出した挿入基部54b1と、この挿入基部54b1の先端縁部となる下上縁部からリモコン40側へ延出した折曲部54b2とを有する断面フック形状とされている。リモコン側の挿入部54cは、連結部材54の長手方向DR1に対する幅が比較的狭い挿入基部54c1から先端縁部となる太幅部54c2にかけて徐々に太くなっている。
【0028】
図2に例示するように、表示部10に設けられた溝部(第一の本体部側スライド構造)51は、断面形状を挿入基部54a1に合わせて上方へ凹んだ溝基部51aと、断面形状を折曲部54a2に合わせてリモコン40側へ凹んだ抜け止め部51bとを有している。支持部20に設けられた溝部(第二の本体部側スライド構造)52は、断面形状を挿入基部54b1に合わせて下方へ凹んだ溝基部52aと、断面形状を折曲部54b2に合わせてリモコン40側へ凹んだ抜け止め部52bとを有している。リモコン40に設けられた溝部(リモコン側スライド構造)53は、断面形状を挿入部54cに合わせて、長手方向DR1に対する幅が比較的狭い溝基部53aから最も深い太幅部53bにかけて徐々に拡がっている。
【0029】
表示部10に形成された溝部51に挿入部54aが挿入されると、表示部10と連結部材54とがスライド可能に接続される。支持部20に形成された溝部52に挿入部54bが挿入されると、支持部20と連結部材54とがスライド可能に接続される。リモコン40に形成された溝部53に挿入部54cが挿入されると、リモコン40と連結部材54とがスライド可能に接続される。従って、二つ折り状態の本体部2とリモコン40とが連結部材54により長手方向DR1へスライド可能に連結される。
なお、表示部10や支持部20やリモコン40から連結部材54が簡単に脱落しないように、連結部材54や溝部51,52,53にストッパ構造を形成してもよい。
【0030】
(3)リモコン装着方法、並びに、電子機器の作用及び効果:
次に、図1〜4を参照して、本プレイヤー1のリモコン装着方法の一例を説明する。図2(b)に示ように、リモコン40に対して2つの連結部材54がスライド可能に接続されているものとする。
まず、本体部2を閉じた状態にする。この状態で、図2(b)に示す連結部材54,54をそれぞれ脱落しない範囲で長手方向DR1の両外側へ引き出す。次に、一方の連結部材54について、溝部51に挿入部54aを挿入し溝部52に挿入部54bを挿入して、長手方向DR1へスライドさせていく。さらに、他方の連結部材54について、溝部51に挿入部54aを挿入し溝部52に挿入部54bを挿入して、長手方向DR1へスライドさせていく。すると、図1(a)に示すように、本体部2の開閉側縁部32にリモコン40が装着される。
【0031】
すなわち、リモコン40の装着に起因して、本体部2が二つ折り状態に保持される。従って、本態様は、二つ折り可能な本体部2が不用意に開くことを抑制することができ、利便性が向上する。また、本体部2の開閉側縁部32が保持されるので、本体部2が不用意に開くことをより確実に抑制することができる。さらに、連結部材54という簡易な手段で本体部2が不用意に開くことを抑制することができる。
【0032】
(4)変形例:
図5(a)は、変形例に係るリモコン40の外観を示す斜視図である。図5(b)は、変形例に係るプレイヤー1の側面を示す側面図である。以下、上述した構成要素は、同じ符号を付して説明を省略する。
本プレイヤー1のリモコン40は、二つ折り状態の本体部2に装着されたときに操作面41が隠れる。
【0033】
本リモコン40は、操作面に41に、連結部材54の挿入部54cを長手方向DR1へのスライド可能に挿入させる溝部53が形成されている。電池の蓋については、裏面40bに設けるとよい。
連結部材54をスライド可能に接続したリモコン40の操作面41を二つ折り状態の本体部2に向けるようにして、溝部51に挿入部54aを挿入し溝部52に挿入部54bを挿入して連結部材54を長手方向DR1へスライドさせていくと、本体部2の開閉側縁部32にリモコン40が装着される。このとき、図5(b)に示すように、操作面41は、二つ折り状態の本体部2に向いており、本体部2に接触して隠れる。従って、本態様は、簡易な構成で本体部2に装着されたリモコン40が不用意に操作されることを抑制することができる。
【0034】
図6(a)は、別の変形例に係るプレイヤー1の外観を例示する斜視図である。図6(b)は、リモコン40を例示する側面図である。図7は、プレイヤー1の要部を例示する側面図である。
本プレイヤー1のリモコン40も、二つ折り状態の本体部2に装着されたときに操作面41が隠れる。また、本プレイヤー1には、連結部材54が設けられていない。本プレイヤー1の開閉側縁部32には、リモコン40をスライド可能に収容する溝部60が形成されている。
【0035】
リモコン40は、裏面40bに長手方向DR1に沿った溝部43が形成されている。この溝部43は、長手方向DR1に対する幅が比較的狭い細幅部43aから最も深い太幅部43bにかけて徐々に拡がっている。裏面40bに溝部43が設けられることにより、表示部10側の挿入部(第一のリモコン側スライド構造)43cと支持部20側の挿入部(第二のリモコン側スライド構造)43dとが形成されている。
このリモコンの溝部43と本体部の溝部60とは、二つ折り保持手段50を構成する。
【0036】
表示部10に設けられた溝部60は、断面形状をリモコン40の一部分に合わせて上方へ凹んだ溝基部61aと、断面形状を挿入部43cに合わせてリモコン40側へ凹んだ抜け止め部(第一の本体部側スライド構造)61bとを有している。支持部20に設けられた溝部60は、断面形状をリモコン40の別の一部分に合わせて下方へ凹んだ溝基部62aと、断面形状を挿入部43dに合わせてリモコン40側へ凹んだ抜け止め部(第二の本体部側スライド構造)62bとを有している。抜け止め部61b,62bは、リモコン40の長手方向DR1に対する幅が比較的狭い細幅部61c,62cから最も深い太幅部61d,62dにかけて徐々に拡がっている。
【0037】
本体部2を閉じた状態とし、リモコン40について、抜け止め部61bに挿入部43cを挿入し抜け止め部62bに挿入部43dを挿入して、長手方向DR1へスライドさせていくと、図6(a)に示すように、本体部2の開閉側縁部32にリモコン40が装着される。
すなわち、リモコン40の装着に起因して、本体部2が二つ折り状態に保持される。従って、本態様は、連結部材が無くても二つ折り可能な本体部2が不用意に開くことを抑制することができ、利便性が向上するうえ、コストダウンを図ることができる。また、本体部2に装着されたリモコン40が不用意に操作されることを抑制することができる。
【0038】
一方、図8(a)〜(c)及び図9に示すように、本体部の開閉側縁部32をリモコン40で挟んでもよい。図8(a)は、別の変形例に係るプレイヤー1の外観を示す斜視図である。図8(b)は、リモコン40を示す側面図である。図9は、プレイヤー1の要部を示す側面図である。
リモコン40は、操作面41に長手方向DR1に沿った溝部44が形成されている。この溝部44は、長手方向DR1に対する幅が比較的狭い細幅部44aから最も深い太幅部44bにかけて徐々に拡がっている。裏面40bに溝部44が設けられることにより、表示部10側の挿入部(第一のリモコン側スライド構造)44cと支持部20側の挿入部(第二のリモコン側スライド構造)44dとが形成されている。
【0039】
表示部10の開閉側縁部32の外側面10bには、断面形状を挿入部44cに合わせて内側面10a側に凹んだ溝部71が形成されている。溝部71は、最も開閉側縁部32側の凸部71aから最も軸側縁部31側の凹部71bまで徐々に深くされている。支持部20の開閉側縁部32の外側面20bには、断面形状を挿入部44dに合わせて内側面20a側に凹んだ溝部72が形成されている。溝部72は、最も開閉側縁部32側の凸部72aから最も軸側縁部31側の凹部72bまで徐々に深くされている。
この本体部の溝部71,72とリモコンの溝部44とは、二つ折り保持手段50を構成する。
【0040】
本体部2を閉じた状態とし、開閉側縁部32をリモコンの溝部44に挿入するようにしてリモコン40を長手方向DR1へスライドさせていくと、図8(a)に示すように、本体部2の開閉側縁部32にリモコン40が装着される。
すなわち、リモコン40の装着に起因して、本体部2が二つ折り状態に保持される。従って、本態様は、連結部材が無くても二つ折り可能な本体部2が不用意に開くことを抑制することができ、利便性が向上するうえ、コストダウンを図ることができる。また、本体部2に装着されたリモコン40が不用意に操作されることを抑制することができる。本態様は、図6(a)で示した態様と比べて、リモコンを大きくすることができ、リモコンの強度を向上させることができる。
【0041】
また、図8(c)に示すように、裏面40bに溝部44を形成してもよい。この場合、リモコン装着時に操作面41が外側を向くことになるものの、操作面41に溝部44が無いので、図8(b)で示した態様と比べてリモコン40の外観が向上する。
【0042】
図10(a)は、別の変形例に係るプレイヤー1の外観を示す斜視図である。図10(b)は、プレイヤー1の要部を示す側面図である。図11は、カバー部材56の要部を示す斜視図である。
本プレイヤー1は、連結部材54の代わりにカバー部材56が設けられている。カバー部材56は、長手方向DR1へスライド可能にリモコン40を収容するリモコン収容部57を有している。表示部10には、図9で示したような溝部71が形成されている。支持部20には、図9で示したような溝部72が形成されている。
【0043】
カバー部材56は、正面側となる基部56aを中心として、表示部10側の縁部から本体部2側へ延出した延出部56b1、支持部20側の縁部から本体部2側へ延出した延出部56b2、前記延出部56b1の先端縁部から支持部20側へ延出した挿入部(第一の接続部材側スライド構造)56c1、前記延出部56b2の先端縁部から表示部10側へ延出した挿入部(第二の接続部材側スライド構造)56c2、を有している。これにより、基部56aと挿入部56c1,56c2の間であって表示部側の延出部56b1と支持部側の延出部56b2の間がリモコン収容部57とされている。このリモコン収容部57に繋がる溝は、断面形状を本体部の開閉側縁部32に合わせて、長手方向DR1に対する幅が比較的狭い細幅部56d1,56d2から最も深い太幅部56e1,56e2にかけて徐々に拡がっている。
上記延出部56b1,延出部56b2と本体部の溝部71,72とは、二つ折り保持手段50を構成し、リモコン収容部57にリモコン40を収容した状態で二つ折り状態の本体部2における表示部10と支持部20とに接続することにより本体部2を二つ折り状態に保持する。
【0044】
本体部2を閉じた状態とし、リモコン収容部57にリモコン40を収容して、開閉側縁部32を延出部56b1,延出部56b2間に挿入するようにしてリモコン40を長手方向DR1へスライドさせていくと、図10(a)に示すように、本体部2の開閉側縁部32にリモコン40が装着される。
すなわち、リモコン40の装着に起因して、本体部2が二つ折り状態に保持される。このとき、リモコンの操作面41が隠れるので、リモコン40が不用意に操作されることを抑制することができる。本態様は、リモコン40を本体部2や連結部材54に接続するための特別な形状を不要にすることができる。
【0045】
図12は、変形例に係るプレイヤー1の外観を示す斜視図である。本プレイヤー1は、開閉側縁部32ではなく、軸側縁部31と開閉側縁部32とを結ぶ側縁部33にリモコン40が装着される。図12に示すプレイヤー1は、正面から見て右側にリモコン40が装着されるが、左側にリモコン40が装着されてもよいし、両側の側縁部33に対してリモコン40が着脱可能とされてもよい。さらに、開閉側縁部32にもリモコン40が着脱可能とされてもよい。
【0046】
なお、リモコンの装着時に操作面が隠れるのは必須ではなく、電子機器本体部とリモコンとが直接又は間接的にスライド可能に接続されるのも必須ではない。
むろん、従属請求項に係る構成要件を有しておらず独立請求項に係る構成要件のみからなる電子機器、リモコン装着方法、等でも、上述した基本的な作用、効果が得られる。
【0047】
以上説明したように、本発明によると、種々の態様により、二つ折り可能な本体部を有する利便性の良い電子機器等の技術を提供することができる。
【0048】
また、本発明は上記実施例に限られるものでないことは言うまでもない。当業者であれば言うまでもないことであるが、
・上記実施例の中で開示した相互に置換可能な部材および構成等を適宜その組み合わせを変更して適用すること
・上記実施例の中で開示されていないが、公知技術であって上記実施例の中で開示した部材および構成等と相互に置換可能な部材および構成等を適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること
・上記実施例の中で開示されていないが、公知技術等に基づいて当業者が上記実施例の中で開示した部材および構成等の代用として想定し得る部材および構成等と適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること
は本発明の一実施例として開示されるものである。
【符号の説明】
【0049】
1…プレイヤー(電子機器、表示装置)、2…本体部(電子機器本体部)、
10…表示部(第一部位)、10a…内側面、10b…外側面、
17…画面、18…音声出力部、
20…支持部(第二部位)、20a…内側面、20b…外側面、
27…蓋、
30…ヒンジ機構、
31…軸側縁部、32…開閉側縁部、33…側縁部、
40…リモコン、40a…表面、40b…裏面、
41…操作面、41a…操作キー、42…蓋、42a…電池、
43,44…溝部、43a,44a…細幅部、43b,44b…太幅部、
43c,43d,44c,44d…挿入部、
50…二つ折り保持手段、
51,52,53…溝部、
51a,52a,53a…溝基部、51b,52b…抜け止め部、53b…太幅部、
54…連結部材、
54a,54b,54c…挿入部、
54a1,54b1,54c1…挿入基部、54a2,54b2…折曲部、
54c2…太幅部、54d…連絡部、
56…カバー部材、
56a…基部、56b1,56b2…延出部、56c1,56c2…挿入部、
56d1,56d2…細幅部、56e1,56e2…太幅部、
57…リモコン収容部、
60…溝部、61a,62a…溝基部、61b,62b…抜け止め部、
61c,62c…細幅部、61d,62d…太幅部、
71,72…溝部、71a,72a…凸部、71b,72b…凹部、
AX1…回転軸、DR1…長手方向。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一部位と第二部位とを二つ折り可能に接続した電子機器本体部と、この電子機器本体部を操作するリモコンとを備える電子機器において、
二つ折り状態の前記電子機器本体部に対して前記リモコンが装着されることにより該電子機器本体部を二つ折り状態に保持する二つ折り保持手段を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記電子機器本体部は、前記第一部位と前記第二部位との二つ折りの回転軸となる軸側縁部と、該軸側縁部に対向した開閉側縁部とを有し、
前記二つ折り保持手段は、前記開閉側縁部における前記第一部位と前記第二部位とに接続することにより前記電子機器本体部を二つ折り状態に保持することを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記二つ折り保持手段は、前記二つ折り状態の電子機器本体部における前記第一部位と前記第二部位とにスライド可能に接続することにより該電子機器本体部を二つ折り状態に保持することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記二つ折り保持手段は、前記二つ折り状態の電子機器本体部と前記リモコンとをスライド可能に連結することを特徴とする請求項3に記載の電子機器。
【請求項5】
前記二つ折り保持手段は、前記リモコンを収容するリモコン収容部を有し、該リモコン収容部に前記リモコンを収容した状態で前記二つ折り状態の電子機器本体部における前記第一部位と前記第二部位とに接続することにより該電子機器本体部を二つ折り状態に保持することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項6】
前記リモコンは、前記電子機器本体部を操作するための操作面を有し、前記二つ折り状態の電子機器本体部に装着されたときに前記操作面が隠れることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項7】
前記リモコンは、前記操作面を前記二つ折り状態の電子機器本体部に向けて装着されることを特徴とする請求項6に記載の電子機器。
【請求項8】
第一部位と第二部位とを二つ折り可能に接続した電子機器本体部と、この電子機器本体部を操作するリモコンとを備える電子機器のためのリモコン装着方法において、
二つ折り状態の前記電子機器本体部に対して前記リモコンを装着することにより該電子機器本体部を二つ折り状態に保持することを特徴とするリモコン装着方法。
【請求項9】
表示部と支持部とを二つ折り可能に接続した本体部と、この本体部を操作するリモコンとを備え、前記本体部が前記表示部と前記支持部との二つ折りの回転軸となる軸側縁部と該軸側縁部に対向した開閉側縁部とを有する表示装置において、
二つ折り状態の前記本体部の開閉側縁部に対して前記リモコンが装着され該開閉側縁部における前記表示部と前記支持部とにスライド可能に接続することにより前記本体部を二つ折り状態に保持する二つ折り保持手段を備えることを特徴とする表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−198952(P2012−198952A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−61531(P2011−61531)
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】