電子機器及び吸着部材
【課題】固定に関するユーザの利便性を向上させる。
【解決手段】載置面20bと、第1端部20hと、この第1端部20hとは反対側に位置する第2端部20gとを有した本体筐体20と、表示画面を有した表示装置1が収容させた表示筐体10と、前記表示画面が露出する位置と、前記表示画面が覆われる位置との間で回動可能に前記本体筐体10の第1端部20hと前記表示筐体10とを接続したヒンジ15と、前記本体筐体10の載置面20bに位置し、吸着面300b1と、この吸着面300b1を囲う周壁300b2と、前記本体筐体10の第1端部20h側から前記吸着面300b1まで貫通された貫通孔302とが設けられ、外部部材400に吸着する弾性の吸着部材300と、を具備する。
【解決手段】載置面20bと、第1端部20hと、この第1端部20hとは反対側に位置する第2端部20gとを有した本体筐体20と、表示画面を有した表示装置1が収容させた表示筐体10と、前記表示画面が露出する位置と、前記表示画面が覆われる位置との間で回動可能に前記本体筐体10の第1端部20hと前記表示筐体10とを接続したヒンジ15と、前記本体筐体10の載置面20bに位置し、吸着面300b1と、この吸着面300b1を囲う周壁300b2と、前記本体筐体10の第1端部20h側から前記吸着面300b1まで貫通された貫通孔302とが設けられ、外部部材400に吸着する弾性の吸着部材300と、を具備する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器及び吸着部材に関する。
【背景技術】
【0002】
ポータブルコンピュータのような電子機器を机等の上に載置する際に、当該電子機器の破損を回避する目的や、スライドを防止する目的で電子機器の載置面に弾性体を設ける構造が広く用いられている。
【0003】
例えば、特許文献1には、ノートパソコン本体部後方側面がキズついたり割れたりすることを防止するゴム足構造を提供した携帯型情報処理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−241511号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に示すような従来の技術では、任意方向からゴム足に係る応力に対して、耐性を強化することについて考慮がなされていない。例えば特許文献1に開示されるようなノートブック型パーソナルコンピュータの場合、表示装置がヒンジを介して電子機器本体に接続された構造を有する。このような構造では、表示装置を開く力が電子機器本体に伝わることで、当該電子機器本体が固定位置から動いてしまう可能性がある。一方、電子機器を机等に強固に固定した場合は取り外す際の利便性に欠ける。
【0006】
本発明の目的は、固定に関するユーザの利便性を向上させることができる電子機器及び吸着部材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため、本発明の一つの形態に係る電子機器は、載置面と、第1端部と、この第1端部とは反対側に位置する第2端部とを有した本体筐体と、表示画面を有した表示装置が収容させた表示筐体と、前記表示画面が露出する位置と、前記表示画面が覆われる位置との間で回動可能に前記本体筐体の第1端部と前記表示筐体とを接続したヒンジと、前記本体筐体の載置面に位置し、吸着面と、この吸着面を囲う周壁と、前記本体筐体の第1端部側から前記吸着面まで貫通された貫通孔とが設けられ、外部部材に吸着する弾性の吸着部材と、を具備することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の一つの形態に係る電子機器は、載置面と、第1端部と、この第1端部とは反対側に位置する第2端部とを有した本体筐体と、表示画面を有した表示装置が収容させた表示筐体と、前記表示画面が露出する位置と、前記表示画面が覆われる位置との間で回動可能に前記本体筐体の第1端部と前記表示筐体とを接続したヒンジと、吸着面と、この吸着面の周囲を囲んで突出した弾性の周壁と、前記本体筐体の第1端部側から前記周壁を貫通した貫通孔とが設けられ、前記本体筐体の載置面に位置して外部部材に吸着する吸着部材と、を具備することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の一つの形態に係る吸着部材は、第1面と、この第1面とは反対側に位置して外部部材に吸着する第2面と、この第2面の周囲を囲むとともに貫通孔が設けられた弾性の周壁と、を有し、前記周壁の収縮に伴い、前記貫通孔を閉じるとともに前記周壁と前記外部部材と前記第2面に囲まれた空間内の圧力を下げて前記外部部材に対する吸着力を得て、前記周壁の前記貫通孔が設けられた側面での伸長に伴い、前記貫通孔を開くとともに前記周壁と前記外部部材と前記第2面に囲まれた空間内の圧力を上げて前記外部部材に対する吸着力を失うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
上記の構成によれば、固定に関するユーザの利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態に係る電子機器の外観を示す概略図である。
【図2】A−A部における断面図である。
【図3】第1の実施形態のポータブルコンピュータ100の下部筐体20の底面20bを示した図である。
【図4】第1の実施形態のポータブルコンピュータ100に設けられた吸着部材を示した斜視図である。
【図5】第1の実施形態のポータブルコンピュータ100に設けられた吸着部材の断面図である。
【図6】第1の実施形態のポータブルコンピュータ100に設けられた吸着部材の吸着面を示した図である。
【図7】第1の実施形態のポータブルコンピュータ100に設けられた吸着部材の後方を示した図である。
【図8】第1の実施形態のポータブルコンピュータ100を机400に載置した過程の吸着部材300を示す図である。
【図9】第1の実施形態の上部筐体10を表示部10Aが覆われた位置から表示部10Aが露出する位置まで回動させる過程の吸着部材300を示す図である。
【図10】図9における領域Bを拡大して示した図である。
【図11】第1の実施形態のポータブルコンピュータ100を机400から持ち上げる過程の吸着部材300を示す図である。
【図12】図10における領域Cを拡大して示した図である。
【図13】第1の実施形態のポータブルコンピュータ100に設けられた吸着部材の第1の変形例を示した図である。
【図14】第1の実施形態のポータブルコンピュータ100に設けられた吸着部材の第2の変形例を示した図である。
【図15】第1の実施形態のポータブルコンピュータ100に設けられた吸着部材の第3の変形例を示した図である。
【図16】第2の実施形態に係る吸着部材の斜視図である。
【図17】第2の実施形態に係るポータブルコンピュータ100に設けられた吸着部材の断面図である。
【図18】第2の実施形態に係るポータブルコンピュータ100に設けられた吸着部材の後方を示した図である。
【図19】第2の実施形態に係るポータブルコンピュータ100に設けられた吸着部材の変形例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(電子機器の構成)
図1は、本発明の実施の形態に係る電子機器の外観を示す概略図である。図2は、A−A部における断面図である。図1及び図2では、本発明の実施形態の一例としてノートブック型ポータブルコンピュータを開示している。なお、この明細書において、ポータブルコンピュータ100を利用者側から見て、手前を「前」、奥側を「後」、上、下、左、右をそれぞれ定義する。
【0013】
本実施例のポータブルコンピュータ100(電子機器)は、表示部10Aと本体部20Aとから構成されている。表示部10Aと本体部20Aとはヒンジ部15により開閉自在に接続されている。本体部20Aは下部筐体20を有す。下部筐体20(本体筐体)は、CPU(Central Processing Unit)やメモリ等の電子部品を実装したプリント基板201(回路基板、回路板)であって情報を処理する本体機能部2を収容している。
【0014】
下部筐体20は、上面20a、底面20b、左側面20e、右側面20f、前面20g、及び背面20hを有している。この下部筐体20には、文字やコマンドを入力するためのキーボード等の文字入力部3と、ポインティングデバイスとしてのトラックパッド4Aと、選択・決定コマンドを入力するための決定スイッチ4Bと、利用者の認証等に用いる指紋読取部5とが収納されている。上面20aは、左右のパームレスト部20a1、20a2を有する。上面20aには、開口部20A〜Dが開けられている。また、上面20aには、開口部20D周辺に窪部21が形成されている。開口部20Aからは文字入力部3が露出している。開口部20Bからはトラックパッド4Aが露出している。開口部20Cからは決定スイッチ4Bが露出している。開口部20Dからは指紋読取部5が露出している。
【0015】
表示部10Aは上部筐体10(表示筐体)を有する。上部筐体10には文字や画像等を表示する表示画面を有する画像表示装置1(表示装置)が収容されている。上部筐体10は前面20iを有する。前面20iには開口部20Eが開けられている。開口部20Eからは画像表示部1が露出している。上部筐体10は、ヒンジ部15によって下部筐体20に対して、表示部10Aが覆われた位置と表示部10Aが露出する位置との間で回動可能に設けられている。
【0016】
図2に示すように、本実施例のポータブルコンピュータ100は、下部筐体20の底面20bに吸着固定機構300と、緩衝部材301とを有する。吸着固定機構300と緩衝部材301とは、弾性を有する材料であり、例えばポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ゴム材、又は軟質樹脂材等で構成される。緩衝部材301は、ポータブルコンピュータ100が机などの外部部材に載置されたときに、当該外部部材とポータブルコンピュータ100との接触に伴う衝撃を緩和する。
【0017】
本実施例における吸着固定機構300は、下部筐体20の底面20bの所定位置に固定されており、ポータブルコンピュータ100を机等に載置させた際に当該机の天板表面に吸着する。これにより、吸着固定機構300は、ポータブルコンピュータを机に固定させることが可能となる。
【0018】
(吸着部材の構成)
次に、図3乃至図7を参照しながら、本実施例のポータブルコンピュータ100に設けられた吸着部材の構成について説明する。図3は、本実施例のポータブルコンピュータ100の下部筐体20の底面20bを示した図である。図4は、本実施例のポータブルコンピュータ100に設けられた吸着部材を示した斜視図である。図5は、本実施例のポータブルコンピュータ100に設けられた吸着部材の断面図である。図6は、本実施例のポータブルコンピュータ100に設けられた吸着部材の吸着面を示した図である。図7は、本実施例のポータブルコンピュータ100に設けられた吸着部材の後方を示した図である。尚ここでは、本実施例の吸着部材300の構成材料として、ゴム製の材料を採用した場合を例にとって説明する。
【0019】
図3に示すように、本実施例の吸着部材300は、ポータブルコンピュータ100を利用者側から見て手前に設けられる。即ち、下部筐体20の底面20bにおける前面20g近傍であって、例えば上面20aの左右のパームレスト部20a1、20a2、又はトラックパッド4Aや決定スイッチ4B等の裏側に位置している。
【0020】
図4乃至図6に示すように、本実施例の吸着部材300は、ポータブルコンピュータ100の下部筐体20の底面20bに接着する接着面300aと、この接着面300aとはた反対側に位置する吸着面300bと、接着面300aと吸着面300bとに跨って設けられた前方側面300c、後方側面300d、右側壁300e、及び左側壁300fとを有する。接着面300aは、例えば平滑な面であり、下部筐体20の底面20bに粘性の接着材料等(図示していない)を用いて接合される。
【0021】
図5及び図6に示すように、吸着面300bには、中央部300b1と、この中央部300b1の周囲を囲うとともに吸着面300bから突出した周壁部300b2と、が設けられる。中央部300b1は、周壁部300b2より奥まって位置する。このような構成により、例えばポータブルコンピュータ100を机等に載置した場合、当該机の天板と、中央部300b1と、周壁部300b2との間には、所定の空隙が生じる。
【0022】
前方側面300cは、ポータブルコンピュータ100を利用者側から見て手前、即ち、下部筐体20のトラックパッド4Aや指紋センサ50等が設けられた側方を向いて設けられる。後方側面300dは、ポータブルコンピュータ100を利用者側から見て奥側、即ち、下部筐体20のヒンジ部15が設けられた側方を向いて設けられる。
【0023】
図5に示すように、本実施例の吸着部材300の後方側面300dには、後方から吸着面300bの中央部300b1に至るまで貫通した貫通孔302が設けられる。図7に示すように、貫通孔302は、断面形状が楕円の形状を有している。
【0024】
(吸着部材の作用)
次に、図8乃至図12を参照しながら、本実施例のポータブルコンピュータ100に設けられた吸着部材の作用について説明する。図8乃至図12は、本実施例のポータブルコンピュータ100を机400に載置して利用する際における吸着部材300の状態を其々示した断面図である。図8は、本実施例のポータブルコンピュータ100を机400に載置した過程の吸着部材300を示す図である。図9は、本実施例の上部筐体10を表示部10Aが覆われた位置から表示部10Aが露出する位置まで回動させる過程の吸着部材300を示す図である。図10は、図9における領域Bを拡大して示した図である。図11は、本実施例のポータブルコンピュータ100を机400から持ち上げる過程の吸着部材300を示す図である。図12は、図10における領域Cを拡大して示した図である。
【0025】
先ず、図8を参照しながら、本実施例のポータブルコンピュータ100を机400に載置した過程の吸着部材300の作用を説明する。図8に示すように、ポータブルコンピュータ100を机400に載置すると、当該ポータブルコンピュータ100の自重によって吸着部材300が、下部筐体20の厚さ方向に収縮する。これにより、吸着部材300の後方側面300dから吸着面300bの中央部300b1に至るまで貫通した貫通孔302が閉通し、当該貫通孔302から中央部300b1への気体の流入が防止される。
【0026】
また、吸着部材300の吸着面300bに設けられた周壁300b2は、他の部分と比較して小さい肉厚を有しているため大きく収縮される。これにより、机400の天板と、中央部300b1と、周壁部300b2との間にある空間の圧力が下がり、机400の天板に対する吸着力が生じる。
【0027】
このような構成により、本実施例の吸着部材300は、ポータブルコンピュータ100を机等の外部部材上に載置した際、当該ポータブルコンピュータ100の自重を受けて収縮し、机等の外部部材に対する吸着力を発生させる。これにより、本実施例では接着材等を用いずともに、強い吸着性能によってポータブルコンピュータ100を強固に外部部材に固定、或いは保持させることができる。本実施例の吸着部材300は、ポータブルコンピュータ100の自重を受けて収縮するため、ユーザは固定に関する特別な操作をすることが不要である。
【0028】
次に図9及び図10を参照しながら、本実施例のポータブルコンピュータ100の上部筐体10を表示部10Aが覆われた位置から表示部10Aが露出する位置まで回動させる過程における吸着部材300の作用を説明する。
【0029】
上部筐体10を表示部10Aが覆われた位置から表示部10Aが露出する位置まで回動させる場合、下部筐体20にも上部筐体10の回動方向への力が働く。例えばポータブルコンピュータ100が軽量化設計されている場合、上部筐体10の回動動作に伴い、下部筐体20も同時に浮き上がってしまう可能性がある。
【0030】
ここで本実施例では、下部筐体20の前面20g側に吸着部材300を有している。図9に示すように、本実施例の吸着部材300は、下部筐体20に働く回動方向への力を抑制する。
【0031】
図10に示すように、本実施例の吸着部材300は、下部筐体20に上部筐体10の回動方向(上方向)へ力F1が働くと前方側面300cが伸張される。前方側面300cには貫通孔302が設けられていない。また、ポータブルコンピュータ100の前方から下部筐体20が持ち上がる場合は、吸着部材300の後方側面300dが伸張させることはないため、貫通孔302は閉通した状態を保たれ、机400の天板と、中央部300b1と、周壁部300b2との間にある空間に空気が流入することが無い。
【0032】
このような構成により、本実施例では、下部筐体20の浮き上がりを阻止することができる。例えば、従来は下部筐体20の浮き上がりを阻止するため、一方の手で上部筐体10を開き、他方の手で下部筐体20を載置面側に押さえつける必要があったが、本実施例の吸着部材300を用いることにより、上部筐体10の開閉を片手で簡易に行えることが実現される。これにより、本実施例では、上部筐体10の開閉動作に関するユーザの利便性を向上させることができる。
【0033】
次に、図11及び図12を参照しながら、本実施例のポータブルコンピュータ100を机400から持ち上げる過程における吸着部材300の作用を説明する。尚、ここでは、ポータブルコンピュータ100を後方から持ち上げた場合、即ちヒンジ部15が設けられた側方から机400と離れる方向に力を加えた場合を想定して説明する。
【0034】
図11及び図12に示すように、ポータブルコンピュータ100を後方から持ち上げた場合、下部筐体20にもヒンジ部15が設けられた側方から机400と離れる方向に力が働く。
【0035】
図11及び図12に示すように、ポータブルコンピュータ100の後方から下部筐体20が持ち上がる場合は、吸着部材300の後方側面300dが伸張させる。後方側面300dが伸張されると、当該後方側面300dに設けられた貫通孔302は閉通した状態から開通した状態に変形する。これにより、図12に示すように貫通孔302から机400の天板と、中央部300b1と、周壁部300b2との間にある空間に空気が流入するため、当該空間内の圧力が上がり、吸着部材300の机400に対する吸着力が失われる。
【0036】
このような構成により、本実施例では、特別な操作の必要なく、下部筐体20を簡単に取外すことが出来き、ポータブルコンピュータ100の取り外し作業に関するユーザの利便性を向上させることができる。
【0037】
以上、説明した通り、本実施例の吸着部材300の構成によれば、電子機器の固定に関するユーザの利便性を向上させることができる。尚ここでは、下部筐体20の底壁20bにおける吸着部材300が設けられる位置を前方としたが、これに限らず、上部筐体10の開閉に伴う下部筐体20の浮き上がりを抑制できる位置であれば良く、例えば前方と後方の中間位置に設けても良い。
【0038】
次に、図13乃至図15を参照しながら、本発明の第1の実施形態における変形例について説明する。図13は、第1の実施形態のポータブルコンピュータ100に設けられた吸着部材の第1の変形例を示した図である。図14は、第1の実施形態のポータブルコンピュータ100に設けられた吸着部材の第2の変形例を示した図である。図15は、第1の実施形態のポータブルコンピュータ100に設けられた吸着部材の第3の変形例を示した図である。
【0039】
先ず、図13を参照しながら、吸着部材300の第1の変形例を説明する。図13に示すように、吸着部材300の前方側面300cには、補強部材500が設けられている。補強部材500は、剛性或いは吸着部材300よりも少ない弾性を有する。これにより、例えば、上部筐体10の開閉動作に伴って前方側面300cを伸張させる応力が働いたとしても、補強部材500によって前方側面300cの伸張、及び吸着部材300全体の伸張が抑制され、貫通孔302が開通されること防止することができる。
【0040】
次に、図14を参照しながら吸着部材300の第2の変形例を説明する。図14に示すように、第2の変形例では、中央部300b1と周壁300b2とで囲われた領域の断面形状が四角形状になるように構成され、貫通孔302が接着面300aと吸着面300bとに略平行に設けられている。
【0041】
このような構成により、より大きな伸縮能力を周壁300b2に持たせることが可能となる。尚、ここでは、吸着面300bの中央部300b1と周壁300b2とで囲われた領域がドーム状、即ち、断面が円弧状になるように周壁300b2を設けた例と、中央部300b1と周壁300b2とで囲われた領域の断面形状が四角形状になるように構成された例とを示したが、これに限らず、被吸着領域である外部部材の表面と、中央部300b1と、周壁部300b2との間に圧力を変化させることが可能な空間を生じさせる構成であればよく、断面が三角形状であってもよい。
【0042】
次に、図15を参照しながら吸着部材300の第3の変形例を説明する。図15に示すように、第3の変形例では、中央部300b1が接着面300aまで達している形状、即ち、吸着部材300が周壁300b2で構成された筒形状を有している。
【0043】
このような構成により、より大きな伸縮能力を周壁300b2に持たせることが可能となると共に、製造の簡易化を実現する。
また、本実施例の吸着部材300では、吸着面300bと外部部材とが対向した場合の例を示したが、これに限らず、吸着面300bと下部筐体の底壁20bとを対向させてもよい。
【0044】
次に、本発明の第2の実施形態に係る電子機器としてのポータブルコンピュータ及び吸着部材を、図16及び図18を参照して説明する。図16は、第2の実施形態に係る吸着部材の斜視図である。図17は、第2の実施形態に係るポータブルコンピュータ100に設けられた吸着部材の断面図である。図18は、第2の実施形態に係るポータブルコンピュータ100に設けられた吸着部材の後方を示した図である。
【0045】
第2の実施形態の電子機器の一例である吸着部材300は、貫通孔302、後方側面300d、右側壁300e、及び左側壁300fの構造が第1の実施形態のものと異なっているが、他の部分は第1の実施形態と共通している。このため、主として異なる部分について説明し、共通する部分については共通の符号を付して説明を省略する。第2の実施形態に係るポータブルコンピュータ100は、図1に示す第1の実施形態のものと同様の外観を有する。
【0046】
図16乃至図18に示すように、第2の実施形態に係る吸着部材300は、上部部材3001と、下部部材3002とで構成される。上部部材3001と、下部部材3002とは、前方側壁300cと、右側壁300e及び左側壁300fに設けられた蛇腹状の板バネ303とで其々接続されている。下部部材3002の上面3002aには、吸着面300bの中央部300b1に至る貫通孔302が形成されている。
【0047】
図17に示すように、上部部材3001と、下部部材3002とは、厚みs1,s2を其々有する。このs1とs2との和は、吸着部材300の厚みtに相当する。
ここで、第2の実施形態におけるポータブルコンピュータ100の作用について説明する。
先ず、ポータブルコンピュータ100を机などの外部部材に載置すると、当該ポータブルコンピュータ100の自重によって吸着部材300の板ばね303が、下部筐体20の厚さ方向に収縮する。これにより、上部部材3001の下面3001bと下部部材3002の上面3002aとが当接し、下部部材3002の上面3002aから吸着面300bの中央部300b1に至るまで貫通した貫通孔302が閉通し、当該貫通孔302から中央部300b1への気体の流入が防止される。
【0048】
また、第1の実施形態と同様に、吸着部材300の吸着面300bに設けられた周壁300b2は、他の部分と比較して小さい肉厚を有しているため大きく収縮される。これにより、机400の天板と、中央部300b1と、周壁部300b2との間にある空間の圧力が下がり、机400の天板に対する吸着力が生じる。
【0049】
ポータブルコンピュータ100を後方から持ち上げた場合、ポータブルコンピュータ100の自重によって厚み方向に収縮していた板ばね303が伸張され、上部部材3001の下面3001bと、下部部材3002の上面3002aとが離れる。これにより上面3002aに設けられた貫通孔302は閉通した状態から開通した状態になり、貫通孔302から机400の天板と、中央部300b1と、周壁部300b2との間にある空間に空気が流入するため、当該空間内の圧力が上がり、吸着部材300の机400に対する吸着力が失われる。
【0050】
このような構成により、第2の実施形態に係るポータブルコンピュータ100では、第1の実施形態に係るポータブルコンピュータと同様の効果を得られる。また、第2の実施形態に係る構成を有することで、吸着部材が伸縮性の低い部材で構成された場合であっても、板ばね303の大きな伸縮性で補完することが可能である。即ち、第2の実施形態に係る吸着部材300は、厚さ方向の弾性力と、当該厚さ方向と交差する方向の弾性力が異なる。これにより、第2の実施形態では、吸着部材の厚さ方向に所定の剛性を有することで、ポータブルコンピュータを強固に保持することが可能となるとともに、十分な吸着効果と取り外しの際の利便性を確保することができる。
【0051】
尚、貫通孔302の構成は、図16乃至図18に示した形状に限らす、板ばね303の伸張に伴い、上部部材3001の下面3001bと、下部部材3002の上面3002aとが離れる際に机400の天板と、中央部300b1と、周壁部300b2との間にある空間を流入させることができればよく、例えば傾斜を有して中央部300b1に達していてもよい。或いは第1の実施形態の第2の変形例で示したように、下部部材3002が筒形状を有していてもよい。
【0052】
また、第2の実施形態に係るポータブルコンピュータ100においては、上部部材3001は必ずしも必要ではなく、例えばポータブルコンピュータ100の下部筐体20の底壁20bと、下部部材3002の前方側面が接合していれば、上部部材3001を下部筐体20で代用することができる。
【0053】
次に、第2の実施形態に係るポータブルコンピュータ100の変形例について図19を参照しながら説明する。図19は、第2の実施形態に係るポータブルコンピュータ100の変形例を示した図である。
【0054】
図19に示すように、本変形例では、板ばね303が吸着部材300の内側にむいて伸縮される構成を有している。また、吸着部材300の内面には、板ばね303を収容する収容部304が設けられている。この構成により、本変形例では板ばね303が、吸着部材300の外部に突出することがない。これにより、例えば突出した板ばね303が外部部材に引っかかり損傷することを防止することができる。また、板ばね303を収容する収容部304を設けることで、板ばね303を収縮させた際に、当該板ばね303の厚みに影響されることなく上部部材3001の下面3001bと、下部部材3002の上面3002aとを密着させることが可能となる。
【0055】
以上、第1及び第2の実施形態に係るポータブルコンピュータ1について説明したが、本発明の実施形態はこれらに限定されない。第1及び第2の実施形態に係る構成要素は、適宜組み合わせて実施することができる。
【0056】
本発明が適用可能な電子機器はポータブルコンピュータに限らず、例えばデジタルカメラやビデオカメラ、パーソナルデジタルアシスタントなど種々の電子機器に適用可能である。
【符号の説明】
【0057】
1…画像表示部
2…本体機能部
3…文字入力部
4A…トラックパッド
4B…決定スイッチ
5…指紋読取部
10A…表示部
10…上部筐体
20A…本体部
20…下部筐体(筐体)
20a…上面
20b…底面
20e…左側面
20f…右側面
20g…前面
20h…背面
20i…前面
100…ポータブルコンピュータ
201…プリント基板
300…吸着部材
300…緩衝部材
302…貫通孔
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器及び吸着部材に関する。
【背景技術】
【0002】
ポータブルコンピュータのような電子機器を机等の上に載置する際に、当該電子機器の破損を回避する目的や、スライドを防止する目的で電子機器の載置面に弾性体を設ける構造が広く用いられている。
【0003】
例えば、特許文献1には、ノートパソコン本体部後方側面がキズついたり割れたりすることを防止するゴム足構造を提供した携帯型情報処理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−241511号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に示すような従来の技術では、任意方向からゴム足に係る応力に対して、耐性を強化することについて考慮がなされていない。例えば特許文献1に開示されるようなノートブック型パーソナルコンピュータの場合、表示装置がヒンジを介して電子機器本体に接続された構造を有する。このような構造では、表示装置を開く力が電子機器本体に伝わることで、当該電子機器本体が固定位置から動いてしまう可能性がある。一方、電子機器を机等に強固に固定した場合は取り外す際の利便性に欠ける。
【0006】
本発明の目的は、固定に関するユーザの利便性を向上させることができる電子機器及び吸着部材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため、本発明の一つの形態に係る電子機器は、載置面と、第1端部と、この第1端部とは反対側に位置する第2端部とを有した本体筐体と、表示画面を有した表示装置が収容させた表示筐体と、前記表示画面が露出する位置と、前記表示画面が覆われる位置との間で回動可能に前記本体筐体の第1端部と前記表示筐体とを接続したヒンジと、前記本体筐体の載置面に位置し、吸着面と、この吸着面を囲う周壁と、前記本体筐体の第1端部側から前記吸着面まで貫通された貫通孔とが設けられ、外部部材に吸着する弾性の吸着部材と、を具備することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の一つの形態に係る電子機器は、載置面と、第1端部と、この第1端部とは反対側に位置する第2端部とを有した本体筐体と、表示画面を有した表示装置が収容させた表示筐体と、前記表示画面が露出する位置と、前記表示画面が覆われる位置との間で回動可能に前記本体筐体の第1端部と前記表示筐体とを接続したヒンジと、吸着面と、この吸着面の周囲を囲んで突出した弾性の周壁と、前記本体筐体の第1端部側から前記周壁を貫通した貫通孔とが設けられ、前記本体筐体の載置面に位置して外部部材に吸着する吸着部材と、を具備することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の一つの形態に係る吸着部材は、第1面と、この第1面とは反対側に位置して外部部材に吸着する第2面と、この第2面の周囲を囲むとともに貫通孔が設けられた弾性の周壁と、を有し、前記周壁の収縮に伴い、前記貫通孔を閉じるとともに前記周壁と前記外部部材と前記第2面に囲まれた空間内の圧力を下げて前記外部部材に対する吸着力を得て、前記周壁の前記貫通孔が設けられた側面での伸長に伴い、前記貫通孔を開くとともに前記周壁と前記外部部材と前記第2面に囲まれた空間内の圧力を上げて前記外部部材に対する吸着力を失うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
上記の構成によれば、固定に関するユーザの利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態に係る電子機器の外観を示す概略図である。
【図2】A−A部における断面図である。
【図3】第1の実施形態のポータブルコンピュータ100の下部筐体20の底面20bを示した図である。
【図4】第1の実施形態のポータブルコンピュータ100に設けられた吸着部材を示した斜視図である。
【図5】第1の実施形態のポータブルコンピュータ100に設けられた吸着部材の断面図である。
【図6】第1の実施形態のポータブルコンピュータ100に設けられた吸着部材の吸着面を示した図である。
【図7】第1の実施形態のポータブルコンピュータ100に設けられた吸着部材の後方を示した図である。
【図8】第1の実施形態のポータブルコンピュータ100を机400に載置した過程の吸着部材300を示す図である。
【図9】第1の実施形態の上部筐体10を表示部10Aが覆われた位置から表示部10Aが露出する位置まで回動させる過程の吸着部材300を示す図である。
【図10】図9における領域Bを拡大して示した図である。
【図11】第1の実施形態のポータブルコンピュータ100を机400から持ち上げる過程の吸着部材300を示す図である。
【図12】図10における領域Cを拡大して示した図である。
【図13】第1の実施形態のポータブルコンピュータ100に設けられた吸着部材の第1の変形例を示した図である。
【図14】第1の実施形態のポータブルコンピュータ100に設けられた吸着部材の第2の変形例を示した図である。
【図15】第1の実施形態のポータブルコンピュータ100に設けられた吸着部材の第3の変形例を示した図である。
【図16】第2の実施形態に係る吸着部材の斜視図である。
【図17】第2の実施形態に係るポータブルコンピュータ100に設けられた吸着部材の断面図である。
【図18】第2の実施形態に係るポータブルコンピュータ100に設けられた吸着部材の後方を示した図である。
【図19】第2の実施形態に係るポータブルコンピュータ100に設けられた吸着部材の変形例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(電子機器の構成)
図1は、本発明の実施の形態に係る電子機器の外観を示す概略図である。図2は、A−A部における断面図である。図1及び図2では、本発明の実施形態の一例としてノートブック型ポータブルコンピュータを開示している。なお、この明細書において、ポータブルコンピュータ100を利用者側から見て、手前を「前」、奥側を「後」、上、下、左、右をそれぞれ定義する。
【0013】
本実施例のポータブルコンピュータ100(電子機器)は、表示部10Aと本体部20Aとから構成されている。表示部10Aと本体部20Aとはヒンジ部15により開閉自在に接続されている。本体部20Aは下部筐体20を有す。下部筐体20(本体筐体)は、CPU(Central Processing Unit)やメモリ等の電子部品を実装したプリント基板201(回路基板、回路板)であって情報を処理する本体機能部2を収容している。
【0014】
下部筐体20は、上面20a、底面20b、左側面20e、右側面20f、前面20g、及び背面20hを有している。この下部筐体20には、文字やコマンドを入力するためのキーボード等の文字入力部3と、ポインティングデバイスとしてのトラックパッド4Aと、選択・決定コマンドを入力するための決定スイッチ4Bと、利用者の認証等に用いる指紋読取部5とが収納されている。上面20aは、左右のパームレスト部20a1、20a2を有する。上面20aには、開口部20A〜Dが開けられている。また、上面20aには、開口部20D周辺に窪部21が形成されている。開口部20Aからは文字入力部3が露出している。開口部20Bからはトラックパッド4Aが露出している。開口部20Cからは決定スイッチ4Bが露出している。開口部20Dからは指紋読取部5が露出している。
【0015】
表示部10Aは上部筐体10(表示筐体)を有する。上部筐体10には文字や画像等を表示する表示画面を有する画像表示装置1(表示装置)が収容されている。上部筐体10は前面20iを有する。前面20iには開口部20Eが開けられている。開口部20Eからは画像表示部1が露出している。上部筐体10は、ヒンジ部15によって下部筐体20に対して、表示部10Aが覆われた位置と表示部10Aが露出する位置との間で回動可能に設けられている。
【0016】
図2に示すように、本実施例のポータブルコンピュータ100は、下部筐体20の底面20bに吸着固定機構300と、緩衝部材301とを有する。吸着固定機構300と緩衝部材301とは、弾性を有する材料であり、例えばポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ゴム材、又は軟質樹脂材等で構成される。緩衝部材301は、ポータブルコンピュータ100が机などの外部部材に載置されたときに、当該外部部材とポータブルコンピュータ100との接触に伴う衝撃を緩和する。
【0017】
本実施例における吸着固定機構300は、下部筐体20の底面20bの所定位置に固定されており、ポータブルコンピュータ100を机等に載置させた際に当該机の天板表面に吸着する。これにより、吸着固定機構300は、ポータブルコンピュータを机に固定させることが可能となる。
【0018】
(吸着部材の構成)
次に、図3乃至図7を参照しながら、本実施例のポータブルコンピュータ100に設けられた吸着部材の構成について説明する。図3は、本実施例のポータブルコンピュータ100の下部筐体20の底面20bを示した図である。図4は、本実施例のポータブルコンピュータ100に設けられた吸着部材を示した斜視図である。図5は、本実施例のポータブルコンピュータ100に設けられた吸着部材の断面図である。図6は、本実施例のポータブルコンピュータ100に設けられた吸着部材の吸着面を示した図である。図7は、本実施例のポータブルコンピュータ100に設けられた吸着部材の後方を示した図である。尚ここでは、本実施例の吸着部材300の構成材料として、ゴム製の材料を採用した場合を例にとって説明する。
【0019】
図3に示すように、本実施例の吸着部材300は、ポータブルコンピュータ100を利用者側から見て手前に設けられる。即ち、下部筐体20の底面20bにおける前面20g近傍であって、例えば上面20aの左右のパームレスト部20a1、20a2、又はトラックパッド4Aや決定スイッチ4B等の裏側に位置している。
【0020】
図4乃至図6に示すように、本実施例の吸着部材300は、ポータブルコンピュータ100の下部筐体20の底面20bに接着する接着面300aと、この接着面300aとはた反対側に位置する吸着面300bと、接着面300aと吸着面300bとに跨って設けられた前方側面300c、後方側面300d、右側壁300e、及び左側壁300fとを有する。接着面300aは、例えば平滑な面であり、下部筐体20の底面20bに粘性の接着材料等(図示していない)を用いて接合される。
【0021】
図5及び図6に示すように、吸着面300bには、中央部300b1と、この中央部300b1の周囲を囲うとともに吸着面300bから突出した周壁部300b2と、が設けられる。中央部300b1は、周壁部300b2より奥まって位置する。このような構成により、例えばポータブルコンピュータ100を机等に載置した場合、当該机の天板と、中央部300b1と、周壁部300b2との間には、所定の空隙が生じる。
【0022】
前方側面300cは、ポータブルコンピュータ100を利用者側から見て手前、即ち、下部筐体20のトラックパッド4Aや指紋センサ50等が設けられた側方を向いて設けられる。後方側面300dは、ポータブルコンピュータ100を利用者側から見て奥側、即ち、下部筐体20のヒンジ部15が設けられた側方を向いて設けられる。
【0023】
図5に示すように、本実施例の吸着部材300の後方側面300dには、後方から吸着面300bの中央部300b1に至るまで貫通した貫通孔302が設けられる。図7に示すように、貫通孔302は、断面形状が楕円の形状を有している。
【0024】
(吸着部材の作用)
次に、図8乃至図12を参照しながら、本実施例のポータブルコンピュータ100に設けられた吸着部材の作用について説明する。図8乃至図12は、本実施例のポータブルコンピュータ100を机400に載置して利用する際における吸着部材300の状態を其々示した断面図である。図8は、本実施例のポータブルコンピュータ100を机400に載置した過程の吸着部材300を示す図である。図9は、本実施例の上部筐体10を表示部10Aが覆われた位置から表示部10Aが露出する位置まで回動させる過程の吸着部材300を示す図である。図10は、図9における領域Bを拡大して示した図である。図11は、本実施例のポータブルコンピュータ100を机400から持ち上げる過程の吸着部材300を示す図である。図12は、図10における領域Cを拡大して示した図である。
【0025】
先ず、図8を参照しながら、本実施例のポータブルコンピュータ100を机400に載置した過程の吸着部材300の作用を説明する。図8に示すように、ポータブルコンピュータ100を机400に載置すると、当該ポータブルコンピュータ100の自重によって吸着部材300が、下部筐体20の厚さ方向に収縮する。これにより、吸着部材300の後方側面300dから吸着面300bの中央部300b1に至るまで貫通した貫通孔302が閉通し、当該貫通孔302から中央部300b1への気体の流入が防止される。
【0026】
また、吸着部材300の吸着面300bに設けられた周壁300b2は、他の部分と比較して小さい肉厚を有しているため大きく収縮される。これにより、机400の天板と、中央部300b1と、周壁部300b2との間にある空間の圧力が下がり、机400の天板に対する吸着力が生じる。
【0027】
このような構成により、本実施例の吸着部材300は、ポータブルコンピュータ100を机等の外部部材上に載置した際、当該ポータブルコンピュータ100の自重を受けて収縮し、机等の外部部材に対する吸着力を発生させる。これにより、本実施例では接着材等を用いずともに、強い吸着性能によってポータブルコンピュータ100を強固に外部部材に固定、或いは保持させることができる。本実施例の吸着部材300は、ポータブルコンピュータ100の自重を受けて収縮するため、ユーザは固定に関する特別な操作をすることが不要である。
【0028】
次に図9及び図10を参照しながら、本実施例のポータブルコンピュータ100の上部筐体10を表示部10Aが覆われた位置から表示部10Aが露出する位置まで回動させる過程における吸着部材300の作用を説明する。
【0029】
上部筐体10を表示部10Aが覆われた位置から表示部10Aが露出する位置まで回動させる場合、下部筐体20にも上部筐体10の回動方向への力が働く。例えばポータブルコンピュータ100が軽量化設計されている場合、上部筐体10の回動動作に伴い、下部筐体20も同時に浮き上がってしまう可能性がある。
【0030】
ここで本実施例では、下部筐体20の前面20g側に吸着部材300を有している。図9に示すように、本実施例の吸着部材300は、下部筐体20に働く回動方向への力を抑制する。
【0031】
図10に示すように、本実施例の吸着部材300は、下部筐体20に上部筐体10の回動方向(上方向)へ力F1が働くと前方側面300cが伸張される。前方側面300cには貫通孔302が設けられていない。また、ポータブルコンピュータ100の前方から下部筐体20が持ち上がる場合は、吸着部材300の後方側面300dが伸張させることはないため、貫通孔302は閉通した状態を保たれ、机400の天板と、中央部300b1と、周壁部300b2との間にある空間に空気が流入することが無い。
【0032】
このような構成により、本実施例では、下部筐体20の浮き上がりを阻止することができる。例えば、従来は下部筐体20の浮き上がりを阻止するため、一方の手で上部筐体10を開き、他方の手で下部筐体20を載置面側に押さえつける必要があったが、本実施例の吸着部材300を用いることにより、上部筐体10の開閉を片手で簡易に行えることが実現される。これにより、本実施例では、上部筐体10の開閉動作に関するユーザの利便性を向上させることができる。
【0033】
次に、図11及び図12を参照しながら、本実施例のポータブルコンピュータ100を机400から持ち上げる過程における吸着部材300の作用を説明する。尚、ここでは、ポータブルコンピュータ100を後方から持ち上げた場合、即ちヒンジ部15が設けられた側方から机400と離れる方向に力を加えた場合を想定して説明する。
【0034】
図11及び図12に示すように、ポータブルコンピュータ100を後方から持ち上げた場合、下部筐体20にもヒンジ部15が設けられた側方から机400と離れる方向に力が働く。
【0035】
図11及び図12に示すように、ポータブルコンピュータ100の後方から下部筐体20が持ち上がる場合は、吸着部材300の後方側面300dが伸張させる。後方側面300dが伸張されると、当該後方側面300dに設けられた貫通孔302は閉通した状態から開通した状態に変形する。これにより、図12に示すように貫通孔302から机400の天板と、中央部300b1と、周壁部300b2との間にある空間に空気が流入するため、当該空間内の圧力が上がり、吸着部材300の机400に対する吸着力が失われる。
【0036】
このような構成により、本実施例では、特別な操作の必要なく、下部筐体20を簡単に取外すことが出来き、ポータブルコンピュータ100の取り外し作業に関するユーザの利便性を向上させることができる。
【0037】
以上、説明した通り、本実施例の吸着部材300の構成によれば、電子機器の固定に関するユーザの利便性を向上させることができる。尚ここでは、下部筐体20の底壁20bにおける吸着部材300が設けられる位置を前方としたが、これに限らず、上部筐体10の開閉に伴う下部筐体20の浮き上がりを抑制できる位置であれば良く、例えば前方と後方の中間位置に設けても良い。
【0038】
次に、図13乃至図15を参照しながら、本発明の第1の実施形態における変形例について説明する。図13は、第1の実施形態のポータブルコンピュータ100に設けられた吸着部材の第1の変形例を示した図である。図14は、第1の実施形態のポータブルコンピュータ100に設けられた吸着部材の第2の変形例を示した図である。図15は、第1の実施形態のポータブルコンピュータ100に設けられた吸着部材の第3の変形例を示した図である。
【0039】
先ず、図13を参照しながら、吸着部材300の第1の変形例を説明する。図13に示すように、吸着部材300の前方側面300cには、補強部材500が設けられている。補強部材500は、剛性或いは吸着部材300よりも少ない弾性を有する。これにより、例えば、上部筐体10の開閉動作に伴って前方側面300cを伸張させる応力が働いたとしても、補強部材500によって前方側面300cの伸張、及び吸着部材300全体の伸張が抑制され、貫通孔302が開通されること防止することができる。
【0040】
次に、図14を参照しながら吸着部材300の第2の変形例を説明する。図14に示すように、第2の変形例では、中央部300b1と周壁300b2とで囲われた領域の断面形状が四角形状になるように構成され、貫通孔302が接着面300aと吸着面300bとに略平行に設けられている。
【0041】
このような構成により、より大きな伸縮能力を周壁300b2に持たせることが可能となる。尚、ここでは、吸着面300bの中央部300b1と周壁300b2とで囲われた領域がドーム状、即ち、断面が円弧状になるように周壁300b2を設けた例と、中央部300b1と周壁300b2とで囲われた領域の断面形状が四角形状になるように構成された例とを示したが、これに限らず、被吸着領域である外部部材の表面と、中央部300b1と、周壁部300b2との間に圧力を変化させることが可能な空間を生じさせる構成であればよく、断面が三角形状であってもよい。
【0042】
次に、図15を参照しながら吸着部材300の第3の変形例を説明する。図15に示すように、第3の変形例では、中央部300b1が接着面300aまで達している形状、即ち、吸着部材300が周壁300b2で構成された筒形状を有している。
【0043】
このような構成により、より大きな伸縮能力を周壁300b2に持たせることが可能となると共に、製造の簡易化を実現する。
また、本実施例の吸着部材300では、吸着面300bと外部部材とが対向した場合の例を示したが、これに限らず、吸着面300bと下部筐体の底壁20bとを対向させてもよい。
【0044】
次に、本発明の第2の実施形態に係る電子機器としてのポータブルコンピュータ及び吸着部材を、図16及び図18を参照して説明する。図16は、第2の実施形態に係る吸着部材の斜視図である。図17は、第2の実施形態に係るポータブルコンピュータ100に設けられた吸着部材の断面図である。図18は、第2の実施形態に係るポータブルコンピュータ100に設けられた吸着部材の後方を示した図である。
【0045】
第2の実施形態の電子機器の一例である吸着部材300は、貫通孔302、後方側面300d、右側壁300e、及び左側壁300fの構造が第1の実施形態のものと異なっているが、他の部分は第1の実施形態と共通している。このため、主として異なる部分について説明し、共通する部分については共通の符号を付して説明を省略する。第2の実施形態に係るポータブルコンピュータ100は、図1に示す第1の実施形態のものと同様の外観を有する。
【0046】
図16乃至図18に示すように、第2の実施形態に係る吸着部材300は、上部部材3001と、下部部材3002とで構成される。上部部材3001と、下部部材3002とは、前方側壁300cと、右側壁300e及び左側壁300fに設けられた蛇腹状の板バネ303とで其々接続されている。下部部材3002の上面3002aには、吸着面300bの中央部300b1に至る貫通孔302が形成されている。
【0047】
図17に示すように、上部部材3001と、下部部材3002とは、厚みs1,s2を其々有する。このs1とs2との和は、吸着部材300の厚みtに相当する。
ここで、第2の実施形態におけるポータブルコンピュータ100の作用について説明する。
先ず、ポータブルコンピュータ100を机などの外部部材に載置すると、当該ポータブルコンピュータ100の自重によって吸着部材300の板ばね303が、下部筐体20の厚さ方向に収縮する。これにより、上部部材3001の下面3001bと下部部材3002の上面3002aとが当接し、下部部材3002の上面3002aから吸着面300bの中央部300b1に至るまで貫通した貫通孔302が閉通し、当該貫通孔302から中央部300b1への気体の流入が防止される。
【0048】
また、第1の実施形態と同様に、吸着部材300の吸着面300bに設けられた周壁300b2は、他の部分と比較して小さい肉厚を有しているため大きく収縮される。これにより、机400の天板と、中央部300b1と、周壁部300b2との間にある空間の圧力が下がり、机400の天板に対する吸着力が生じる。
【0049】
ポータブルコンピュータ100を後方から持ち上げた場合、ポータブルコンピュータ100の自重によって厚み方向に収縮していた板ばね303が伸張され、上部部材3001の下面3001bと、下部部材3002の上面3002aとが離れる。これにより上面3002aに設けられた貫通孔302は閉通した状態から開通した状態になり、貫通孔302から机400の天板と、中央部300b1と、周壁部300b2との間にある空間に空気が流入するため、当該空間内の圧力が上がり、吸着部材300の机400に対する吸着力が失われる。
【0050】
このような構成により、第2の実施形態に係るポータブルコンピュータ100では、第1の実施形態に係るポータブルコンピュータと同様の効果を得られる。また、第2の実施形態に係る構成を有することで、吸着部材が伸縮性の低い部材で構成された場合であっても、板ばね303の大きな伸縮性で補完することが可能である。即ち、第2の実施形態に係る吸着部材300は、厚さ方向の弾性力と、当該厚さ方向と交差する方向の弾性力が異なる。これにより、第2の実施形態では、吸着部材の厚さ方向に所定の剛性を有することで、ポータブルコンピュータを強固に保持することが可能となるとともに、十分な吸着効果と取り外しの際の利便性を確保することができる。
【0051】
尚、貫通孔302の構成は、図16乃至図18に示した形状に限らす、板ばね303の伸張に伴い、上部部材3001の下面3001bと、下部部材3002の上面3002aとが離れる際に机400の天板と、中央部300b1と、周壁部300b2との間にある空間を流入させることができればよく、例えば傾斜を有して中央部300b1に達していてもよい。或いは第1の実施形態の第2の変形例で示したように、下部部材3002が筒形状を有していてもよい。
【0052】
また、第2の実施形態に係るポータブルコンピュータ100においては、上部部材3001は必ずしも必要ではなく、例えばポータブルコンピュータ100の下部筐体20の底壁20bと、下部部材3002の前方側面が接合していれば、上部部材3001を下部筐体20で代用することができる。
【0053】
次に、第2の実施形態に係るポータブルコンピュータ100の変形例について図19を参照しながら説明する。図19は、第2の実施形態に係るポータブルコンピュータ100の変形例を示した図である。
【0054】
図19に示すように、本変形例では、板ばね303が吸着部材300の内側にむいて伸縮される構成を有している。また、吸着部材300の内面には、板ばね303を収容する収容部304が設けられている。この構成により、本変形例では板ばね303が、吸着部材300の外部に突出することがない。これにより、例えば突出した板ばね303が外部部材に引っかかり損傷することを防止することができる。また、板ばね303を収容する収容部304を設けることで、板ばね303を収縮させた際に、当該板ばね303の厚みに影響されることなく上部部材3001の下面3001bと、下部部材3002の上面3002aとを密着させることが可能となる。
【0055】
以上、第1及び第2の実施形態に係るポータブルコンピュータ1について説明したが、本発明の実施形態はこれらに限定されない。第1及び第2の実施形態に係る構成要素は、適宜組み合わせて実施することができる。
【0056】
本発明が適用可能な電子機器はポータブルコンピュータに限らず、例えばデジタルカメラやビデオカメラ、パーソナルデジタルアシスタントなど種々の電子機器に適用可能である。
【符号の説明】
【0057】
1…画像表示部
2…本体機能部
3…文字入力部
4A…トラックパッド
4B…決定スイッチ
5…指紋読取部
10A…表示部
10…上部筐体
20A…本体部
20…下部筐体(筐体)
20a…上面
20b…底面
20e…左側面
20f…右側面
20g…前面
20h…背面
20i…前面
100…ポータブルコンピュータ
201…プリント基板
300…吸着部材
300…緩衝部材
302…貫通孔
【特許請求の範囲】
【請求項1】
載置面と、第1端部と、この第1端部とは反対側に位置する第2端部とを有した本体筐体と、
表示画面を有した表示装置が収容させた表示筐体と、
前記表示画面が露出する位置と、前記表示画面が覆われる位置との間で回動可能に前記本体筐体の第1端部と前記表示筐体とを接続したヒンジと、
前記本体筐体の載置面に位置し、吸着面と、この吸着面を囲う周壁と、前記本体筐体の第1端部側から前記吸着面まで貫通された貫通孔とが設けられた、外部部材に吸着する弾性の吸着部材と、
を具備することを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記吸着部材は、前記外部部材への圧接による収縮に伴い、前記貫通孔を閉じるとともに当該吸着部材と前記外部部材とに挟まれた空間内の圧力を下げて前記外部部材に対する吸着力を得て、
前記本体筐体の第1端部側から前記外部部材に対して離れる方向への伸長に伴い、前記貫通孔を開くとともに当該吸着部材と前記外部部材とに挟まれた空間内の圧力を上げて前記外部部材に対する吸着力を失う
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記吸着部材は、前記本体筐体の第2端部近傍に設けられたことを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記吸着部材の貫通孔は、前記周壁に設けられたことを特徴とする請求項3に記載の電子機器。
【請求項5】
前記吸着部材は、前記本体筐体の厚さ方向の弾性力と、前記本体筐体の厚さ方向と交差する方向の弾性力が異なることを特徴とする請求項4に記載の電子機器。
【請求項6】
前記貫通孔の周縁に位置する周壁の一部は、前記本体筐体の厚さ方向に伸縮する板ばねであることを特徴とする請求項5に記載の電子機器。
【請求項7】
載置面と、第1端部と、この第1端部とは反対側に位置する第2端部とを有した本体筐体と、
表示画面を有した表示装置が収容させた表示筐体と、
前記表示画面が露出する位置と、前記表示画面が覆われる位置との間で回動可能に前記本体筐体の第1端部と前記表示筐体とを接続したヒンジと、
吸着面と、この吸着面の周囲を囲んで突出した弾性の周壁と、前記本体筐体の第1端部側から前記周壁を貫通した貫通孔とが設けられ、前記本体筐体の載置面に位置して外部部材に吸着する吸着部材と、
を具備することを特徴とする電子機器。
【請求項8】
前記吸着部材は、前記本体筐体の第2端部近傍に設けられたことを特徴とする請求項7に記載の電子機器。
【請求項9】
第1面と、この第1面とは反対側に位置して外部部材に吸着する第2面と、この第2面の周囲を囲むとともに貫通孔が設けられた弾性の周壁と、を有し、
前記周壁の収縮に伴い、前記貫通孔を閉じるとともに前記周壁と前記外部部材と前記第2面に囲まれた空間内の圧力を下げて前記外部部材に吸着力を得て、
前記周壁の前記貫通孔が設けられた側面での伸長に伴い、前記貫通孔を開くとともに前記周壁と前記外部部材と前記第2面に囲まれた空間内の圧力を上げて前記外部部材に対する吸着力を失う
ことを特徴とする吸着部材。
【請求項10】
厚さ方向の弾性力と、当該厚さ方向と交差する方向の弾性力が異なることを特徴とする請求項9に記載の吸着部材。
【請求項1】
載置面と、第1端部と、この第1端部とは反対側に位置する第2端部とを有した本体筐体と、
表示画面を有した表示装置が収容させた表示筐体と、
前記表示画面が露出する位置と、前記表示画面が覆われる位置との間で回動可能に前記本体筐体の第1端部と前記表示筐体とを接続したヒンジと、
前記本体筐体の載置面に位置し、吸着面と、この吸着面を囲う周壁と、前記本体筐体の第1端部側から前記吸着面まで貫通された貫通孔とが設けられた、外部部材に吸着する弾性の吸着部材と、
を具備することを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記吸着部材は、前記外部部材への圧接による収縮に伴い、前記貫通孔を閉じるとともに当該吸着部材と前記外部部材とに挟まれた空間内の圧力を下げて前記外部部材に対する吸着力を得て、
前記本体筐体の第1端部側から前記外部部材に対して離れる方向への伸長に伴い、前記貫通孔を開くとともに当該吸着部材と前記外部部材とに挟まれた空間内の圧力を上げて前記外部部材に対する吸着力を失う
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記吸着部材は、前記本体筐体の第2端部近傍に設けられたことを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記吸着部材の貫通孔は、前記周壁に設けられたことを特徴とする請求項3に記載の電子機器。
【請求項5】
前記吸着部材は、前記本体筐体の厚さ方向の弾性力と、前記本体筐体の厚さ方向と交差する方向の弾性力が異なることを特徴とする請求項4に記載の電子機器。
【請求項6】
前記貫通孔の周縁に位置する周壁の一部は、前記本体筐体の厚さ方向に伸縮する板ばねであることを特徴とする請求項5に記載の電子機器。
【請求項7】
載置面と、第1端部と、この第1端部とは反対側に位置する第2端部とを有した本体筐体と、
表示画面を有した表示装置が収容させた表示筐体と、
前記表示画面が露出する位置と、前記表示画面が覆われる位置との間で回動可能に前記本体筐体の第1端部と前記表示筐体とを接続したヒンジと、
吸着面と、この吸着面の周囲を囲んで突出した弾性の周壁と、前記本体筐体の第1端部側から前記周壁を貫通した貫通孔とが設けられ、前記本体筐体の載置面に位置して外部部材に吸着する吸着部材と、
を具備することを特徴とする電子機器。
【請求項8】
前記吸着部材は、前記本体筐体の第2端部近傍に設けられたことを特徴とする請求項7に記載の電子機器。
【請求項9】
第1面と、この第1面とは反対側に位置して外部部材に吸着する第2面と、この第2面の周囲を囲むとともに貫通孔が設けられた弾性の周壁と、を有し、
前記周壁の収縮に伴い、前記貫通孔を閉じるとともに前記周壁と前記外部部材と前記第2面に囲まれた空間内の圧力を下げて前記外部部材に吸着力を得て、
前記周壁の前記貫通孔が設けられた側面での伸長に伴い、前記貫通孔を開くとともに前記周壁と前記外部部材と前記第2面に囲まれた空間内の圧力を上げて前記外部部材に対する吸着力を失う
ことを特徴とする吸着部材。
【請求項10】
厚さ方向の弾性力と、当該厚さ方向と交差する方向の弾性力が異なることを特徴とする請求項9に記載の吸着部材。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2011−34308(P2011−34308A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−179518(P2009−179518)
【出願日】平成21年7月31日(2009.7.31)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月31日(2009.7.31)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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