説明

電子機器及び電子機器のデータ蓄積方法

【課題】メモリカードへのデータ書き込みが不能となって当該データを電子機器の内蔵メモリに保存しても、メモリカードへのデータ書き込みが可能になったときに自動的にメモリカードへのデータ移動が可能な電子機器及び電子機器のデータ蓄積方法を提供する。
【解決手段】データを蓄積するデータ蓄積部8と、メモリカード20を接続するメモリカード接続部12と、メモリカード20又はデータ蓄積部8に転送するデータを一時蓄積する一時データ蓄積部9と、メモリカード20又はデータ蓄積部8にデータを転送するファイル保存部133と、メモリカード20がデータを蓄積できるか否かを判定する管理部132とを有し、ファイル保存部133は管理部132の判定結果が蓄積不可の場合、一時データ蓄積部9に蓄積されたデータをデータ蓄積部8に転送し、その後管理部132の判定結果が蓄積可能に変わった場合にデータ蓄積部8に蓄積されたデータをメモリカード20に転送する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内蔵のメモリ以外にメモリカードを使用したデータの保存が可能な電子機器及び該電子機器のデータ蓄積方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、メモリカードが機器本体に装着可能であって、メモリカードへのデータの記録ができない場合に機器本体の内蔵メモリに当該データを記録するようにした電子機器がある(例えば、特許文献1参照)。また、記録媒体に対してデータの書き込み・読み出しを行う複数のドライブのなかでデータの書き込みが不能となったドライブが発生した場合、当該ドライブから他の正常なドライブに切替えて、正常なドライブにデータの書き込みを行うようにした電子機器がある(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2007−201694号公報
【特許文献2】特開平2−187817号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、メモリカードが抜かれるなどしてメモリカードへのデータの書き込みを行うことができなくなった場合に、データの保存先を機器本体の内蔵メモリに変更するようにすると、内蔵メモリのデータ容量をすぐに使い切ってしまい、その後、内蔵メモリを使用したい場合があっても使用することができなくなる問題がある。なお、この問題は大容量のメモリを使用することで回避可能であるが、コストが嵩むことになる。また、一旦機器本体の内蔵メモリに保存したデータであっても、本来はメモリカードに書き込みたいデータであれば、内蔵メモリからメモリカードに転送することになるが、データ転送に手間がかかるという問題がある。
【0005】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、メモリカードへのデータ書き込みが不能となって当該データを電子機器の内蔵メモリに保存するようにしてもメモリカードへのデータ書き込みが可能になったときに自動的にメモリカードに転送することができる電子機器及び電子機器のデータ蓄積方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の電子機器は、データを蓄積するデータ蓄積部と、外部記憶装置を接続する外部記憶装置接続部と、前記外部記憶装置又は前記データ蓄積部に転送するデータを一時蓄積する一時データ蓄積部と、前記外部記憶装置又は前記データ蓄積部にデータを転送するデータ転送部と、前記外部記憶装置がデータを蓄積できるか否かを判定する外部記憶装置判定部と、を有する電子機器において、前記データ転送部は、前記外部記憶装置判定部の判定結果が蓄積できなかった場合、前記一時データ蓄積部に蓄積されたデータを前記データ蓄積部に転送し、その後、前記外部記憶装置判定部の判定結果が蓄積できるに変わった場合に、前記データ蓄積部に蓄積されたデータを前記外部記憶装置に転送する。
【0007】
この構成により、データの転送先が外部記憶装置であって、その外部記憶装置が機器本体から抜かれた場合でも再度接続されたときに自動的にデータの転送が行われるので、データの転送に手間がかかることがない。また、外部記憶装置に転送するデータは、外部記憶装置が電子機器に接続される限り電子機器に残ったままにならないので、電子機器の内蔵メモリであるデータ蓄積部を有効利用が可能となる。したがって、従来のような内蔵メモリのデータ容量をすぐに使い切ってしまうようなことを最小限に抑えることができる。
【0008】
また、上記構成において、前記外部記憶装置接続部に接続された前記外部記憶装置が以前に前記外部記憶装置接続部に接続されていた外部記憶装置と同一か否かを、それぞれのファイルパスを参照することによって判断する外部記憶装置同一判断部を有する。
【0009】
この構成により、確実に同一の外部記憶装置にデータが転送され、異なる外部記憶装置にデータが転送されるような誤りを防止できる。
【0010】
また、上記構成において、前記データ蓄積部に蓄積されたデータをマークを付けて表示する表示部を有する。
【0011】
この構成により、外部記憶装置に蓄積するデータを判別することができる。
【0012】
また、上記構成において、前記一時データ蓄積部に蓄積されるデータを取得する通信部を有する。
【0013】
この構成により、通信部を介して外部のデータを取得することができる。
【0014】
また、上記構成において、前記外部記憶装置判定部の判定結果が蓄積できなかった場合とは、前記外部記憶装置の記憶容量に空きがない場合、又は前記外部記憶装置が前記外部記憶装置接続部に接続されていない場合、又は前記外部記憶装置に対するデータ記憶がロックされている場合、又は前記外部記憶装置にデータを転送する権利がない場合のうち少なくともいずれか1つである。
【0015】
本発明の電子機器のデータ蓄積方法は、データをデータ蓄積部に蓄積するデータ蓄積ステップと、外部記憶装置を接続する外部記憶装置接続ステップと、前記外部記憶装置又は前記データ蓄積部に転送するデータを一時データ蓄積部に一時蓄積する一時データ蓄積ステップと、前記外部記憶装置又は前記データ蓄積部にデータを転送するデータ転送ステップと、前記外部記憶装置がデータを蓄積できるか否かを判定する外部記憶装置判定ステップと、有する電子機器のデータ蓄積方法において、前記データ転送ステップは、前記外部記憶装置判定ステップの判定結果が蓄積できなかった場合、前記一時データ蓄積部に蓄積されたデータを前記データ蓄積部に転送し、その後、前記外部記憶装置判定ステップの判定結果が蓄積できるに変わった場合に、前記データ蓄積部に蓄積されたデータを前記外部記憶装置に転送する。
【0016】
この方法により、データの転送先が外部記憶装置であって、その外部記憶装置が機器本体から抜かれた場合でも再度接続されたときに自動的にデータの転送が行われるので、データの転送に手間がかかることがない。また、外部記憶装置に転送するデータは、外部記憶装置が電子機器に接続される限り電子機器に残ったままにならないので、電子機器の内蔵メモリであるデータ蓄積部を有効利用が可能となる。したがって、従来のような内蔵メモリのデータ容量をすぐに使い切ってしまうようなことを最小限に抑えることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、外部記憶装置にデータを書き込むことができなくなって電子機器本体の内蔵メモリに保存するようにしても、外部記憶装置へのデータの書き込みが可能になった場合に自動的に内蔵メモリからメモリカードにデータを転送することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための好適な実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0019】
図1は、本発明の一実施の形態に係る電子機器の概略構成を示すブロック図である。図1において、本実施の形態の電子機器1は、アンテナ2、送受信部3、メモリ4、入力装置5、表示装置6、優先保存先情報保存部7、データ蓄積部8、一時データ蓄積部9、機器−メモリカードファイル情報保持部10、サーバ−機器ファイル情報保持部11、メモリカード接続部12及び制御部13を有している。制御部13は、ダウンロード部131、管理部132及びファイル保存部133を有している。なお、本実施の形態の電子機器1は、携帯電話であるとして説明を続ける。
【0020】
本実施の形態の電子機器1で用いられるメモリカード(外部記憶装置)20は、電子機器接続部21、データ蓄積部22及び機器−メモリカードファイル情報保持部23を有している。また、本実施の形態の電子機器1は、サーバ30からデータのダウンロードが可能になっている。なお、本実施の形態の電子機器1の説明において、データの他にファイルとコンテンツを用いるが、いずれも「データ」である。
【0021】
送受信部3は、アンテナ2を介して図示せぬ移動体通信網に接続し、移動体通信網に接続されたサーバ30と通信を行う。メモリ4は、制御部13を動作させるためのプログラムを記憶する。また、メモリ4は、制御部13の動作においてワークメモリとしても使用される。入力装置5は、電子機器1を使用するための操作を行うものである。例えば、サーバ30からダウンロードするファイルの選択や、サーバ30からダウンロードしたファイルの保存先の設定に使用される。表示装置6は、電子機器1の動作における各種表示を行う。例えばファイル転送時にどのファイルを転送するかの表示や、メモリカード20に転送するファイルを提示する表示を行う。
【0022】
優先保存先情報保存部7は、ユーザが設定したデータ保存先を指定する情報(優先保存先情報)を保存する。ユーザは、制御部13のダウンロード部131がサーバ30からファイルをダウンロードするに先立ち、ダウンロードしたファイルを電子機器1内に保存するか、メモリカード20内に保存するかを事前に設定する。この事前設定された優先保存先情報が優先保存先情報保存部7に保存される。また、この優先保存先情報保持部7は、制御部13のダウンロード部131がサーバ30から取得したファイルのファイル種別とファイルサイズを保存する。コンテンツを取得する場合は、コンテンツ情報として、「コンテンツの種類」、「データサイズ」、「著作権に係る制限情報」、「メモリカードの情報(メモリカード20にデータを転送できる権利があるか否かという情報)」を取得する。
【0023】
データ蓄積部8は電子機器1の内蔵メモリであり、データを蓄積する。一時データ蓄積部9は、ダウンロードされたファイルを一時的に記憶する。一時データ蓄積部9に保存された状態のファイルは、電子機器1のデータ蓄積部8に転送されるか、メモリカード20に転送されるかは決まっていない。機器−メモリカードファイル情報保持部10は、メモリカード内ファイルパスと電子機器内ファイルパスの情報をペアで機器−メモリカードファイル情報として保持する。
【0024】
メモリカード接続部12は、電子機器1にメモリカード20が接続されているか、接続されていないかの判断を行い、接続されていると判断した場合にはメモリカード20の空き容量を取得する。制御部13のダウンロード部131は、送受信部3を制御してサーバ30からファイルと該ファイルのファイル種別及びファイルサイズをダウンロードし、それらを一時データ蓄積部9に蓄積させる。制御部13の管理部132は、ユーザによって事前設定された優先保存先情報、ファイル種別、ファイルサイズ、メモリカードが接続されているか、メモリカードの空き容量の情報を元にダウンロードされたファイルの保存先をメモリカード20に決定するかどうか判断する。
【0025】
また、制御部13の管理部132は、ダウンロードされたファイルをメモリカード20へ保存する場合はメモリカード内ファイルパスを決定し、電子機器1内に保存する場合は電子機器内ファイルパスを決定する。また、管理部132は、一時データ蓄積部9に保存されているファイルを電子機器内ファイルパスに従ってデータ蓄積部8に移動する。また、管理部132は、メモリカード20がデータを蓄積できるか否かの判定の判定結果が蓄積できなかった場合、一時データ蓄積部9に蓄積されたデータをデータ蓄積部8に転送し、その後、メモリカード20がデータを蓄積できるか否かの判定の判定結果が蓄積できるに変わった場合に、データ蓄積部8に蓄積されたデータをメモリカード20に転送する。この際、電子機器1の機器−メモリカードファイル情報保持部10に保持されている「機器−メモリカードファイル情報」とメモリカード20の機器−メモリカードファイル情報保持部23に保持されている「機器−メモリカードファイル情報」を参照し、電子機器1からメモリカード20へ転送するファイルを決定する。また、メモリカード20がデータを蓄積できるか否かの判定の判定結果が蓄積できなかった場合とは、メモリカード20の記憶容量に空きがない場合、又はメモリカード20がメモリカード接続部12に接続されていない場合、又はメモリカード20に対するデータ記憶がロックされている場合、又はメモリカード20にデータを転送する権利がない場合のうち少なくともいずれか1つである。
【0026】
制御部13のファイル保存部133は、メモリカード内ファイルパスと電子機器内ファイルパスの各情報をペアで電子機器1の機器−メモリカードファイル情報保持部10とメモリカード20の機器−メモリカードファイル情報保持部23のそれぞれに保存する。
【0027】
なお、上記メモリカード接続部12は、外部記憶装置接続部に対応する。また、制御部13の管理部132は、データ転送部、外部記憶装置判定部及び外部記憶装置同一判断部に対応する。また、表示装置6は表示部に対応する。また、送受信部3は、通信部に対応する。
【0028】
図2〜図4は、電子機器1がサーバ30からコンテンツをダウンロードしたときの動作を模式的に示した図である。まず図2の(a)に示すように、電子機器1はメモリカード20が装着されている状態で、サーバ30からダウンロード対象のコンテンツ情報を取得する。電子機器1はダウンロード対象のコンテンツ情報を取得した後ファイルパスを決定し、ファイルパスとサーバ上コンテンツURL(Uniform Resource Locator)を保存する。ここで、サーバ上コンテンツURLを保存する理由はサーバ30との間の通信が途切れてしまうことがあるので、途切れてしまっても再び通信ができるようにするためである。ファイルパスは電子機器1用とメモリカード20用の2種類ある。電子機器1の機器−メモリカードファイル情報保持部10にサーバ上コンテンツURLと電子機器内ファイルパスとメモリカード内ファイルパスを保存し、メモリカード20の機器−メモリカードファイル情報保持部23に電子機器内ファイルパスとメモリカード内ファイルパスを保存する。
【0029】
電子機器1は、サーバ上コンテンツURLとファイルパスを保存した後、図2の(b)に示すようにサーバ30からコンテンツをダウンロードし、一時データとして一時データ蓄積部9に蓄積する。コンテンツのダウンロードは制御部13のダウンロード部131によって行われる。次に、図2の(c)に示すようにメモリカード20が電子機器1から引き抜かれると、電子機器1はメモリカードの引き抜きを検出する。メモリカードの引き抜きを検出すると、図3の(d)に示すように一時データ蓄積部9に蓄積した一時データを電子機器内ファイルパスへ保存する。すなわち、電子機器内ファイルパスが設定されたデータ蓄積部8に保存する。一時データをデータ蓄積部8に移動することで、一時データ蓄積部9の一時データは不要となるので、図3の(e)に示すように一時データ蓄積部9の一時データを削除する。
【0030】
一時データ蓄積部9の一時データを削除した後、メモリカード20が電子機器1に接続されると、電子機器1はメモリカード20が接続されたことを検出する。そして、図4の(f)に示すように電子機器1の機器−メモリカードファイル情報保持部10に保存している電子機器内ファイルパス及びメモリカード内ファイルパスとメモリカード20の機器−メモリカードファイル情報保持部23に保存されている電子機器内ファイルパス及びメモリカード内ファイルパスとを照合し、一致すれば、以前に接続されたメモリカード20の再接続であると判断し、電子機器内ファイルパスにあるデータをメモリカード20に移動する。電子機器内ファイルパスにあるデータをメモリカード20に移動した後、図4の(g)に示すように電子機器1の機器−メモリカードファイル情報保持部10に保存しているサーバ上コンテンツURL、電子機器内ファイルパス及びメモリカード内ファイルパスを削除し、さらにメモリカード20の機器−メモリカードファイル情報保持部23に保存されている電子機器内ファイルパス及びメモリカード内ファイルパスを削除する。すなわち、メモリカード20に転送すべきデータをメモリカード20に転送したので、当該データに関する情報は不要となるので消去する。
【0031】
図5〜図8は、本実施の形態の電子機器1のファイルダウンロード時の処理の詳細を示すフローチャートである。図5及び図6において、まずユーザが入力装置5を操作してサーバ30からダウンロードするファイルを選択する(ステップS10)。電子機器1はユーザが選択したファイルについて、ファイル種別とファイルサイズをサーバ30から取得する(ステップS11)。ユーザが選択したファイルのファイル種別とファイルサイズを取得した後、ユーザが設定した優先保存先情報が“電子機器内”であるかどうか判定する(ステップS12)。ユーザが優先保存先情報を設定した場合、当該情報は優先保存先情報保存部7に保存される。優先保存先情報が“電子機器内”を示していれば、第1保存先候補を“電子機器内”、第2保存先候補を“メモリカード内”に設定する(ステップS13)。これに対して、優先保存先情報が“電子機器内”を示していなければ、第1保存先候補を“メモリカード内”、第2保存先候補を“電子機器内”に設定する(ステップS14)。
【0032】
保存先候補を設定した後、サーバ30から取得したファイル種別が電子機器内保存可かどうか判定する(ステップS15)。電子機器内保存可でなければ、保存先候補から“電子機器内”を削除する(ステップS16)。ファイル種別が電子機器内保存可であれば、ステップS16の処理を行わず次のステップすなわちステップS17に進む。ステップS17では、サーバ30から取得したファイル種別がメモリカード内保存可かどうか判定する(ステップS17)。メモリカード内保存可でなければ、保存先候補から“メモリカード内”を削除する(ステップS18)。ファイル種別がメモリカード内保存可であれば、ステップS18の処理を行わず次のステップすなわちステップS19に進む。ステップS19では、保存先候補ありかを判定する(ステップS19)。保存先候補がなければダウンロード失敗として(ステップS20)本処理を終える。これに対して、保存先候補がある場合は、第1保存先候補が“電子機器内”かどうか判定する(ステップS21)。第1保存先候補が“電子機器内”であれば、電子機器1内をチェックする(ステップS22)。電子機器1内をチェックして保存不可であれば、保存先候補から“電子機器内”を削除し(ステップS23)、ステップS19の判定に戻る。
【0033】
これに対して電子機器1内をチェックして保存可であればステップS24に進む。一方、ステップS21の判定で第1保存先候補が“電子機器内”でなければメモリカード20内をチェックする(ステップS25)。メモリカード20内をチェックして保存不可であれば、保存先候補から“メモリカード内”を削除し(ステップS26)、ステップS19の判定に戻る。これに対して、メモリカード20内をチェックして保存可であればステップS24に進む。ステップS24では、第1保存先候補が“電子機器内”であるかどうか判定し、“電子機器内”であれば電子機器1内に保存し(ステップS27)、本処理を終える。これに対して第1保存先候補が“電子機器内”でなければ、“メモリカード内ファイルパス”と“電子機器内ファイルパス”を決定する(ステップS28)。そして、電子機器1内に“メモリカード内ファイルパス”と“電子機器内ファイルパス”を保存する(ステップS29)。さらに続いてメモリカード20内に“メモリカード内ファイルパス”と“電子機器内ファイルパス”を保存する(ステップS30)。電子機器1内とメモリカード20内の双方に“メモリカード内ファイルパス”と“電子機器内ファイルパス”を保存した後、ダウンロードしたファイルを一時データ蓄積部9へ保存する(ステップS31)。
【0034】
次いで、電子機器1にメモリカード20が装着されているかを判定する(ステップS32)。メモリカード20が装着されていれば、一時データ蓄積部9に保存したファイルをメモリカード20に移動し保存する(ステップS33)。次いで、電子機器1内の“メモリカード内ファイルパス”と“電子機器内ファイルパス”を削除し(ステップS34)、さらにメモリカード20内の“メモリカード内ファイルパス”と“電子機器内ファイルパス”を削除する(ステップS35)。次いで、一時データ蓄積部9のデータを削除し(ステップS36)、本処理を終える。一方、ステップS32の判定でメモリカード20が装着されていなければ、ダウンロードしたファイルを電子機器内ファイルパスへ保存し(ステップS37)、次いで一時データ蓄積部9のデータを削除して(ステップS36)本処理を終える。
【0035】
図7は、上記ステップS22の電子機器内チェック処理の詳細を示すフローチャートである。図7において、まず電子機器1内にサーバ30から取得したファイルサイズ分の空きがあるかどうか判定する(ステップS40)。空きがあればファイルの保存が可能と判定し(ステップS41)、空きがなければファイルの保存が不可能と判定する(ステップS42)。いずれかの判定を行った後、本処理を抜ける。
【0036】
図8は、上記ステップS25のメモリカード内チェック処理の詳細を示すフローチャートである。図8において、まず電子機器1にメモリカード20が装着されているかどうか判定する(ステップS50)。メモリカード20が装着されていなければ、保存不可と判定し(ステップS51)、本処理を抜ける。メモリカード20が装着されていれば、メモリカード20が書き込み可能かどうか判定する(ステップS52)。メモリカード20が書き込み可能でなければステップS51で保存不可と判定して本処理を抜ける。メモリカード20が書き込み可能であれば、メモリカード20内にサーバ30から取得したファイルサイズ分の空きがあるかどうか判定する(ステップS53)。空きがなければステップS51で保存不可と判定して本処理を抜ける。空きがあれば保存可能と判定し(ステップS54)、本処理を抜ける。
【0037】
図9は、電子機器1においてメモリカード20が装着されたときの処理を示すフローチャートである。図9において、まずメモリカード20が装着されたかどうか判定する(ステップS60)。メモリカード20が装着されていなければ、装着されるまでこのステップを繰り返す。メモリカード20が装着された場合、電子機器1内に“メモリカード内ファイルパス”と“電子機器内ファイルパス”の情報があるかどうか判定する(ステップS61)。電子機器1内に当該情報がなければ本処理を抜ける。これに対して、電子機器1内に当該情報があれば、メモリカード20内に“メモリカード内ファイルパス”と“電子機器内ファイルパス”の情報があるかどうか判定する(ステップS62)。メモリカード20内に当該情報がなければ本処理を抜ける。これに対して、メモリカード20内に当該情報があれば、ユーザに対してメモリカード20に転送するファイルを提示する(ステップS63)。
【0038】
次いで、電子機器1のデータ蓄積部8からメモリカード20のデータ蓄積部22にファイルを転送する(ステップS64)。ファイル転送後、電子機器1内の“メモリカード内ファイルパス”と“電子機器内ファイルパス”を削除する(ステップS65)。さらにメモリカード20内の“メモリカード内ファイルパス”と“電子機器内ファイルパス”を削除する(ステップS66)。この処理を終えた後、本処理を抜ける。
【0039】
図10は、電子機器1内に保存したファイルをメモリカード20に転送する際の電子機器1の表示装置6に表示される画面の遷移を示す図である。図10において、電子機器1内に保存されたファイルが一覧表示される(「ファイル1、ファイル2、ファイル3、ファイル4」)。この状態でメモリカード20が電子機器1に装着されると、メモリカード20が抜かれてやむをえず電子機器1内に保存されたファイルがある場合にはそのファイルを示すマーク50が表示される。このマーク50が表示されたファイルをユーザが選択すると、機能メニュー51が表示される。この機能メニューには「再生」、「転送」、…の各種機能がある。ここでユーザが「転送」を選択したとすると、転送確認「メモリカードに一括転送しますか?」52が表示される。「Yes」を選択すると、マーク50が付与されたファイル2,4がメモリカード20に転送される。ファイルの転送中は転送確認52に「転送中…」が表示される。ファイル2,4の転送が終了すると、ファイル一覧には「ファイル1」と「ファイル3」が残った状態になる。ファイル1,3は電子機器1内に残っているファイルである。
【0040】
このように本実施の形態の電子機器1によれば、データを蓄積するデータ蓄積部8と、メモリカード20を接続するメモリカード接続部12と、メモリカード20又はデータ蓄積部8に転送するデータを一時蓄積する一時データ蓄積部9と、メモリカード20又はデータ蓄積部8にデータを転送するファイル保存部133と、メモリカード20がデータを蓄積できるか否かを判定する管理部132とを有し、ファイル保存部133は、管理部132の判定結果が蓄積できなかった場合、一時データ蓄積部9に蓄積されたデータをデータ蓄積部8に転送し、その後、管理部132の判定結果が蓄積できるに変わった場合に、データ蓄積部8に蓄積されたデータをメモリカード20に転送する。したがって、データ転送先がメモリカード20であって、メモリカード20が電子機器1から抜かれた場合でも、再度接続されたときに自動的にデータ転送が行われるので、データ転送に手間がかかることがない。また、メモリカード20に転送するデータは、メモリカード20が電子機器1に接続される限り電子機器1に残ったままにならないので、電子機器1の内蔵メモリであるデータ蓄積部9の有効利用が可能となる。したがって、従来のような内蔵メモリのデータ容量をすぐに使い切ってしまうようなことを最小限に抑えることができる。
【0041】
また、電子機器1に接続されたメモリカード20が以前に接続されていたメモリカードと同一か否かを、それぞれのファイルパスを参照することによって判断するので、確実に同一のメモリカード20にデータを転送でき、異なるメモリカードにデータが転送されるような誤りを防止できる。
【0042】
また、データ蓄積部8に蓄積されたデータにマークを付けて表示することができる表示装置6を有するので、メモリカード20に蓄積するデータを容易に判別することができる。
【0043】
また、サーバ30が有するデータを取得可能な送受信部3を有するので、一時データ蓄積部9に蓄積するデータを取得することができる。
【0044】
制御部13の管理部132の判定結果が蓄積できなかった場合とは、メモリカード20の記憶容量に空きがない場合、又はメモリカード20が電子機器1に接続されていない場合、又はメモリカード20に対するデータ記憶がロックされている場合、又はメモリカード20にデータを転送する権利がない場合のうち少なくともいずれか1つである。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明は、メモリカードへのデータ書き込みが不能となって当該データを電子機器の内蔵メモリに保存するようにしてもメモリカードへのデータ書き込みが可能になったときに自動的にメモリカードへのデータ移動を行えるといった効果を有し、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)、パーソナルコンピュータ等のメモリカードの使用が可能な様々な電子機器への適用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の一実施の形態に係る電子機器の概略構成を示すブロック図
【図2】図1の電子機器がサーバからコンテンツをダウンロードしたときの動作を模式的に示した図
【図3】図1の電子機器がサーバからコンテンツをダウンロードしたときの動作を模式的に示した図
【図4】図1の電子機器がサーバからコンテンツをダウンロードしたときの動作を模式的に示した図
【図5】図1の電子機器のファイルダウンロード時の処理の詳細を示すフローチャート
【図6】図1の電子機器のファイルダウンロード時の処理の詳細を示すフローチャート
【図7】図5のフローチャートのステップS22の電子機器内チェック処理の詳細を示すフローチャート
【図8】図5のフローチャートのステップS25のメモリカード内チェック処理の詳細を示すフローチャート
【図9】図1の電子機器においてメモリカードが装着されたときの処理を示すフローチャート
【図10】図1の電子機器内に保存したファイルをメモリカードに転送する際の電子機器の表示装置に表示される画面の遷移を示す図
【符号の説明】
【0047】
1 電子機器
2 アンテナ
3 送受信部
4 メモリ
5 入力装置
6 表示装置
7 優先保存先情報保持部
8 データ蓄積部
9 一時データ蓄積部
10 機器−メモリカードファイル情報保持部
11 サーバ−機器ファイル情報保持部
12 メモリカード接続部
13 制御部
20 メモリカード
21 電子機器接続部
22 データ蓄積部
23 機器−メモリカードファイル情報保持部
30 サーバ
131 ダウンロード部
132 管理部
133 ファイル保存部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データを蓄積するデータ蓄積部と、
外部記憶装置を接続する外部記憶装置接続部と、
前記外部記憶装置又は前記データ蓄積部に転送するデータを一時蓄積する一時データ蓄積部と、
前記外部記憶装置又は前記データ蓄積部にデータを転送するデータ転送部と、
前記外部記憶装置がデータを蓄積できるか否かを判定する外部記憶装置判定部と、
を有する電子機器において、
前記データ転送部は、前記外部記憶装置判定部の判定結果が蓄積できなかった場合、前記一時データ蓄積部に蓄積されたデータを前記データ蓄積部に転送し、その後、前記外部記憶装置判定部の判定結果が蓄積できるに変わった場合に、前記データ蓄積部に蓄積されたデータを前記外部記憶装置に転送する電子機器。
【請求項2】
前記外部記憶装置接続部に接続された前記外部記憶装置が以前に前記外部記憶装置接続部に接続されていた外部記憶装置と同一か否かを、それぞれのファイルパスを参照することによって判断する外部記憶装置同一判断部を有する請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記データ蓄積部に蓄積されたデータをマークを付けて表示する表示部を有する請求項1又は請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記一時データ蓄積部に蓄積されるデータを取得する通信部を有する請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の電子機器。
【請求項5】
前記外部記憶装置判定部の判定結果が蓄積できなかった場合とは、前記外部記憶装置の記憶容量に空きがない場合、又は前記外部記憶装置が前記外部記憶装置接続部に接続されていない場合、又は前記外部記憶装置に対するデータ記憶がロックされている場合、又は前記外部記憶装置にデータを転送する権利がない場合のうち少なくともいずれか1つである請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の電子機器。
【請求項6】
データをデータ蓄積部に蓄積するデータ蓄積ステップと、
外部記憶装置を接続する外部記憶装置接続ステップと、
前記外部記憶装置又は前記データ蓄積部に転送するデータを一時データ蓄積部に一時蓄積する一時データ蓄積ステップと、
前記外部記憶装置又は前記データ蓄積部にデータを転送するデータ転送ステップと、
前記外部記憶装置がデータを蓄積できるか否かを判定する外部記憶装置判定ステップと、
を有する電子機器のデータ蓄積方法において、
前記データ転送ステップは、前記外部記憶装置判定ステップの判定結果が蓄積できなかった場合、前記一時データ蓄積部に蓄積されたデータを前記データ蓄積部に転送し、その後、前記外部記憶装置判定ステップの判定結果が蓄積できるに変わった場合に、前記データ蓄積部に蓄積されたデータを前記外部記憶装置に転送する電子機器のデータ蓄積方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−288939(P2009−288939A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−139391(P2008−139391)
【出願日】平成20年5月28日(2008.5.28)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】