説明

電子機器

【課題】カバー側と本体ケースとの間の配線を不要とすることが可能な電子機器を提供する。
【解決手段】本体ケース2と、本体ケース2に開閉可能に設けられたカバー3と、前記カバー3側に設けられ、押圧操作がされる操作ボタン4と、前記本体ケース2側に設けられ、前記カバー3が閉まった状態で前記操作ボタン4からの押圧力を受けて押圧されるスイッチ40と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カバーが開閉可能に設けられた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器の中には、本体ケースのうち例えばユーザ側に向けられる前面側にカバーが開閉可能に設けられたものがある。ユーザは、このカバーを開けて所定の作業(例えば消耗品の交換など)を行う。一方、電子機器には、一般的にユーザによる所定の入力操作がされる操作ボタンが設けられているが、従来の電子機器では、その操作ボタンが本体ケースの上面側など、上記ユーザ側に向けられた前面側から離れた位置に設けられていた(特許文献1参照)。従って、電子機器の配置場所によっては、ユーザにとって操作ボタンの入力操作がし難くなるという問題があった。
【特許文献1】特開2006−35649公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そこで、上記操作ボタンをカバー自体に設ける構成が考えられる。ここで、単に、上記操作ボタン、及び、その操作ボタンからの押圧力を受けてオン信号を出力するスイッチを両方ともカバー側に設ける構成とすると、上記スイッチと本体ケース内の制御回路とを電気ケーブル等で配線する必要がある。そうすると、カバーの開閉時に電気ケーブルが屈曲されたりして当該電気ケーブルが損傷したり断線したりするおそれがある。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、カバー側と本体ケースとの間の配線を不要とすることが可能な電子機器を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の目的を達成するための手段として、第1の発明に係る電子機器は、本体ケースと、前記本体ケースに開閉可能に設けられたカバーと、前記カバー側に設けられ、押圧操作がされる操作ボタンと、前記本体ケース側に設けられ、前記カバーが閉まった状態で前記操作ボタンからの押圧力を受けて押圧されるスイッチと、を備える。
本発明によれば、操作ボタンをカバー側に設け、その操作ボタンからの押圧力を直接的または間接的に受けて押圧されるスイッチを本体ケース側に設けることで、カバー側に電気的構成を設けないようにした。これにより、カバー側と本体ケースとの間の配線を不要にすることができる。
【0005】
第2の発明は、第1の発明の電子機器であって、前記カバーが閉まった状態で、前記操作ボタンのうち前記押圧力により前記スイッチを押圧する押圧部が、前記スイッチのうち前記押圧部に押圧される接触部よりも前記カバーの開閉時の中心軸側から見て外寄りに位置する構成とされ、前記本体ケースのうち前記カバーが設けられた一側面側から見て、前記カバーの開閉時の中心軸が、前記スイッチの前記接触部よりも手前側に位置する。
仮に、本体ケースのうちカバーが設けられた一側面側から見て、カバーの開閉の中心軸を、スイッチの接触部と同じ位置或いはそれよりも後方に設けた構成とすると、カバーを閉じるときに操作ボタンの押圧部がスイッチの接触部に側方から突き当たって各部材が損傷してしまうおそれがある。これに対して、本発明では、上記一側面側から見て、カバーの開閉時の中心軸を、スイッチの接触部よりも手前側に配置した。これにより、カバーを閉じるときに操作ボタンの押圧部がスイッチの接触部に対して上方から接近することになり、押圧部と接触部との干渉を抑制することができる。
【0006】
第3の発明は、第2の発明の電子機器であって、前記カバーは、前記中心軸に対して前記押圧部が接近した接近位置と離間した離間位置との間で移動可能とされ、前記カバーを開いた状態から閉じた状態にする際に、当該カバーを前記離間位置から前記接近位置に向かって移動させる移動手段を備える。
本発明によれば、カバーが閉じられる際に、開閉時の中心軸に対して押圧部が離間した位置から接近した接近位置に向かって移動されるので、カバーの開閉時において押圧部と接触部との干渉をより確実に抑制することができる。
【0007】
第4の発明は、第1から第3のいずれか一つの発明の電子機器であって、前記本体ケースのうち前記カバーが閉まった状態で前記操作ボタンの背後に位置する部分には発光部が設けられ、前記操作ボタンのうち前記押圧力により前記スイッチを押圧する押圧部と、前記スイッチのうち前記押圧部に押圧される接触部とが前記発光部を間に挟んだ2点で互いに接触する構成とされている。
本発明によれば、操作ボタンの押圧操作がされたときに、操作ボタンの押圧部とスイッチの接触部とが発光部を間に挟んだ2点で接触する構成とされている。従って、1点で接触する構成に比べて操作ボタンの押圧操作を円滑に行うことができる。
【0008】
第5の発明は、第1から第4のいずれか一つの発明の電子機器であって、前記カバーには、前記カバーが開いた状態で前記操作ボタンを所定範囲以上押圧されることを阻止する阻止手段が設けられている。
本発明によれば、カバーが開いた状態で操作ボタンが押圧される範囲が制限されるから、必要以上に押圧されて破損したりすることを防止できる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、操作ボタンをカバー側に設け、その操作ボタンからの押圧力を受けて押圧されるスイッチを本体ケース側に設けることで、カバー側に電気的構成を設けないようにした。これにより、カバー側と本体ケースとの間の配線を不要にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の実施形態1について図1〜図8を参照して説明する。
(レーザプリンタの全体構成)
図1は、レーザプリンタ(以下、「プリンタ1」という。電子機器の一例。)の外観を示す斜視図である。このプリンタ1は全体として箱形の本体ケース2を備える。本体ケース2のうちユーザ側に向けられる面(「カバーが設けられた一側面」の一例 以下、「プリンタ1の前面」という)には、フロントカバー3が開閉可能に設けられている。ユーザは、このフロントカバー3(カバーの一例)を開けて例えば後述するプロセスカートリッジ17の交換や用紙6のジャム処理などを行う。このフロントカバー3は、プリンタ1の前面上半分及び上面前端側を覆う形状になっている。
【0011】
また、フロントカバー3の上面左端には操作ボタン4が設けられている。ユーザがこの操作ボタン4を押圧操作することで、例えば印刷を許容するオンライン状態と印刷を停止するオフライン状態との切り替えや、テストパターンの印刷指令などを行うことができる。フロントカバー3の下には給紙トレイ5が引き出し可能に設けられている。
【0012】
また、本体ケース2の上面には、印刷がされた用紙6が積載される排紙トレイ7が設けられている。なお、本体ケース2の上面のうち、上記操作ボタン4の近傍にはプリンタ1の状態(トナーの残量、ドラムの寿命、紙づまりや給紙ミスの有無)に応じたパターンで発光するランプが設けられている。
【0013】
図2は、プリンタ1の側断面図(紙面右側がプリンタ1の前側)である。なお、同図は給紙トレイ5が引き出された状態である。図1において、プリンタ1は、本体ケース2内に、印刷媒体としての用紙6を給紙するためのフィーダ部9や、給紙された用紙6に画像を形成するための画像形成部10などを備えている。
【0014】
(1)フィーダ部
フィーダ部9は、給紙トレイ5、給紙ローラ(図示せず)、レジストレーションローラ12などを備えている。給紙トレイ5上の最上位にある用紙6が給紙ローラによって1枚ずつ給紙される。給紙された用紙6は、レジストレーションローラ12によってレジストされた後に転写位置に送られる。
【0015】
(2)画像形成部
画像形成部10は、スキャナ部16、プロセスカートリッジ17および定着部18を備えている。
【0016】
スキャナ部16は、レーザ発光部、ポリゴンミラー(図示せず)等を備える。レーザ発光部からの発光されるレーザ光は、ポリゴンミラーによって偏向されつつ感光ドラム27の表面上に照射される。
【0017】
また、プロセスカートリッジ17は、現像ローラ(図示せず)、感光ドラム27、スコロトロン型の帯電器29及び転写ローラ30を備えている。
【0018】
帯電器29は、感光ドラム27の表面を一様に正極性に帯電させる。その後、感光ドラム27の表面は、スキャナ部16からのレーザ光により露光され、静電潜像が形成される。次いで、現像ローラの表面上に担持されるトナーが、感光ドラム27上に形成された静電潜像に供給され現像される。
【0019】
用紙6が上記転写位置を通過するときに、転写ローラ30に転写電圧が印加されることで感光ドラム27上のトナー像が用紙6に転写される。
【0020】
定着部18は、用紙6上のトナーを、用紙6が加熱ローラ19と押圧ローラ20との間を通過する間に熱定着させる。その熱定着後の用紙6は排紙パス21を介して排紙トレイ7上に排紙される。
【0021】
(操作ボタン及びスイッチの構成)
上述したように、操作ボタン4が本体ケース2側ではなくフロントカバー3側に設けられている。図3は図1のY−Y破断面における操作ボタン4及びスイッチ40周辺部分の断面図である。同図に示すように、フロントカバー3の左端の傾斜した部分には貫通孔31が形成されており、ここに操作ボタン4が挿入されている。この操作ボタン4は光透過性の樹脂材料で形成され、その基端部30がフロントカバー3の裏面に保持されるとともに、当該基端部30と操作ボタン4の一端部4Aとが図示しない薄肉状の樹脂バネ部分を介して一体的に連結されている。これにより、操作ボタン4は、上記樹脂バネ部分が自身の弾力に抗して変形する(撓む)ことにより、フロントカバー3の貫通孔31内で、実質的に上下動可能とされている。
【0022】
また、フロントカバー3の裏面にはストッパ部材32(阻止手段の一例)が固定されており、このストッパ部材32の先端部が操作ボタン4の上記一端部4Aの下方に所定の隙間を介して配置されている。
【0023】
図4は図1のZ−Z破断面における操作ボタン4及びスイッチ40周辺部分の断面図である。スイッチ40は、タクティールフィードバック・プッシュスイッチ(以下、単に「プッシュスイッチ41」という)及びプッシュ部材42を備える。プッシュスイッチ41は、トップキー44を押してもロックされず、放すと同時に元へ戻るノンロックタイプのスイッチであり、回路基板43上に搭載されている。プッシュスイッチ41はトップキー44が押されると上記回路基板43に接続されているプリンタ1の制御回路(図示せず)に入力信号を出力する。
【0024】
プッシュ部材42は、後方の基端部45が回転可能に軸支されることで、先端部46側が上下に揺動可能とされている。また、プッシュ部材42の略中央部には上記トップキー44に当接するボス47が設けられている。このボス47と先端部46との間であって操作ボタン4の直下の位置には、上方に向かって広く開放した挿通孔48が形成されている。挿通孔48の直下であって回路基板43上には、発光素子49(発光部の一例 例えば発光ダイオードなど)が搭載されている。発光素子49から出射された光は、プッシュ部材42の挿通孔48を介して操作ボタン4の背面に照射され、これにより操作ボタン4が発光する。
【0025】
ユーザが操作ボタン4を押圧操作すると、この操作ボタン4からの押圧力を受けてプッシュ部材42がプッシュスイッチ41のトップキー44を押すようになっている。ここで、本実施形態では、操作ボタン4側に3つの押圧部50A,50B,50Cが設けられている。具体的には、押圧部50Aは、操作ボタン4の前端に位置し、プッシュ部材42の上記先端部46(接触部の一例)を押圧する。押圧部50Bは、操作ボタン4の後端に位置し、プッシュ部材42の中央部51(接触部の一例)を押圧する。更に、本実施形態では、図3に示すように、プッシュ部材42には側方に突出した突出部52が設けられており、この突出部52(接触部の一例)を操作ボタン4の側端部である押圧部50Cが押圧する。
【0026】
(フロントカバーの開閉構造)
フロントカバー3は下端部側を中心に開閉する。図4に示すように、フロントカバー3の下側両端部(図4等ではその一端部側のみ図示)には第1溝60及び第2溝61がそれぞれ形成されている。第1溝60は上下に延びた形状をなす。第2溝61は第1溝60の後方から下方に向かって円弧状に延びた形状をなす。一方、本体ケース2側には、フロントカバー3を閉めた状態で第1溝60及び第2溝61の上端部に位置するガイドピン62,63がそれぞれ設けられている。なお、第1溝60、第2溝61及びガイドピン62,63はいずれも上記操作ボタン4の押圧部50A,50B,50C及びプッシュ部材42よりもプリンタ1の前面側に設けられている。
【0027】
また、第2溝61は、図4に示すように、フロントカバー3が閉じられた状態において、第1溝60内に位置するガイドピン62を中心とした一定の曲率ではなく、下方に行く程、ガイドピン62から離間するように変化している。これにより、フロントカバー3が開かれる際には、ガイドピン63が第2溝61内を相対的に移動するに伴い、ガイドピン62が第1溝60内を相対的に下方に向かって移動させようとする力を受ける。このとき、本体ケース2から見れば、フロントカバー3の開放端側の部分、すなわち、操作ボタン4が設けられている上側部分が、ガイドピン62に対して離間する方向に移動させられることになる。(図6,7参照)
【0028】
一方、フロントカバー3が閉じられる際には、上記とは反対に、フロントカバー3の開放端側の部分、すなわち、操作ボタン4が設けられている上側部分が、ガイドピン62に対して接近する方向への移動が徐々に許されるようになる。
この結果、フロントカバー3自身が持つ自重により、操作ボタン4が設けられている上側部分が、ガイドピン62に対して接近する方向に移動しながら、閉じられることになる。
【0029】
なお、フロントカバー3が閉じられた状態において、フロントカバー3を自重のみにより保持するようにした場合には、例えば、自重に抗してフロントカバー3を上方向に持ち上げようとする力が作用すると、図5に示すように簡単に持ち上がってしまう。これを防止する方法としては、フロントカバー3を閉じた状態に保持するための機構として、図8に示すようなラッチ機構を採用すればよい。すなわち、フロントカバー3と一体的に自身の弾性に抗して撓曲可能なラッチ片71を設け、一方、本体ケース2側には、ラッチ片71に対して係合可能な位置に係止部72を設ける。これにより、フロントカバー3が閉じられた状態では、係止部72に対してラッチ片71が自身の持つ弾性力で下方から係合することで、結果として、フロントカバー3は下向きの付勢力が与えられることにより、図5に示すように、フロントカバー3が不意に持ち上がってしまうことがなくなる。
【0030】
フロントカバー3を開く際には、ラッチ片71の弾性力に抗してフロントカバー3を開くだけでよい。すなわち、ラッチ片71の傾斜面が係止部72に当接することで、係止部72の下側を簡単に乗り越えることができるため、ロック解除ボタン等の特別なボタン操作は不要である。
もとより、ロック解除ボタンを備えたロック機構によってフロントカバー3を閉じた状態に保持するようにしてもよいことは勿論である。
【0031】
以上の構成により、フロントカバー3が開かれる際には、開閉時の中心軸であるガイドピン62に対して操作ボタン4の押圧部50A,50B,50Cが接近した位置から離間する方向に移動させられ、また、フロントカバー3が閉じられる際には、上記とは反対に、操作ボタン4の押圧部50A,50B,50Cが、ガイドピン62に対して接近する方向へ移動させられる。従って、第1溝60、第2溝61及びガイドピン62,63は移動手段として機能する。
【0032】
(本実施形態の効果)
(1)プリンタ1は、ユーザ側に向けられる前面側にフロントカバー3や給紙トレイ5が設けられている。従って、ユーザの操作性を考慮すれば、操作ボタン4もこの前面側に設けるべきである。そこで、本実施形態では、デザイン面等も考慮して操作ボタン4をフロントカバー3に設けるようにした。しかも、操作ボタン4をフロントカバー3側に設け、その操作ボタン4からの押圧力を受けてオンオフされるスイッチ40を本体ケース2側に設けることで、フロントカバー3側に電気的構成を設けないようにした。これにより、フロントカバー3側と本体ケース2との間の配線を不要にすることができる。
【0033】
(2)仮に、図9に示す比較例のように、操作ボタン4'の押圧部50'がフロントカバー3'の開閉動作の中心軸X'よりもプリンタ1の前面側に設けた構成とすると、フロントカバー3'を閉じるときに操作ボタン4'の押圧部50'がスイッチ40'の接触部(比較例ではプッシュスイッチのトップキー44')に側方から突き当たって各部材が損傷してしまうおそれがある。これに対処する方法として、フロントカバー3'が閉まった状態で操作ボタン4'の押圧部50'とスイッチ40'の接触部との間の隙間を広くすることが考えられる。しかし、隙間を広く確保する分だけ、操作ボタン4'を深い位置まで押圧しなければスイッチ40'をオンすることができなくなるため操作性の面で好ましくない。また、装置全体の小型化やデザインの自由度の弊害になりかねない。
【0034】
これに対して、本実施形態では、第1溝60、第2溝61及びガイドピン62,63はいずれも上記操作ボタン4の押圧部50A,50B,50C及びプッシュ部材42よりもプリンタ1の前面側に設けられている。つまり、プリンタ1の前面側から見て、フロントカバー3の開閉時の中心軸Xを、スイッチ40の接触部46,51,52よりも手前側に配置した。これにより、フロントカバー3を閉じるときに操作ボタン4の押圧部50A,50B,50Cがスイッチ40の接触部46,51,52に対して上方から接近することになり、押圧部50A,50B,50Cと接触部46,51,52との干渉を抑制することができる。
【0035】
しかも、フロントカバー3は、その開閉操作に伴って、フロントカバー3が開かれる際には、開閉時の中心軸であるガイドピン62に対して操作ボタン4の押圧部50A,50B,50Cが接近した位置から離間する方向に移動させられ、また、フロントカバー3が閉じられる際には、上記とは反対に、操作ボタン4の押圧部50A,50B,50Cが、ガイドピン62に対して接近する方向へ移動させられる。従って、フロントカバー3の開閉時において押圧部50A,50B,50Cと接触部46,51,52との干渉をより確実に抑制することができる。また、フロントカバー3が閉じられた状態において、フロンカバー3の下端面と、その直ぐ下側に対向する本体部分、例えば、図1に示すように、給紙トレイ5の前面側上端面とが近接配置されている場合であっても、フロントカバー3の開閉に伴って、それら両者が接触する虞れがない。言い換えれば、接触しないように大きな間隙を設ける必要がなくなるので、誤って手指等を挟む危険もないし、ゴミ等が侵入する虞れも少ない。
【0036】
(3)本実施形態では、操作ボタン4自体を発光させるために、その背面側に発光素子49を配置している。従って、操作ボタン4の中央位置にプッシュ部材42を押圧する押圧部を設けることができない。更に、操作ボタン4は、フロントカバー3の傾斜部分に配置されているため、ユーザにより様々な角度から押圧されることが考えられる。これに対して、本実施形態では、操作ボタン4の周縁部に位置する複数の押圧部(50A,50B,50C)によってプッシュ部材42を押圧する構成とした。従って、操作ボタン4が様々な角度から押圧されることがあっても、プッシュ部材42を押圧してプッシュスイッチ41のトップキー44を確実に押すことができる。
【0037】
(4)フロントカバー3を開いた状態でユーザが操作ボタン4を押圧してしまうことがあり得るが、本実施形態では、その操作ボタン4が所定範囲だけ押圧されたときに、その一端部4Aがストッパ部材32に当接してこれ以上、下方に押されることが防止される。従って、操作ボタン4が押圧される範囲を制限できるため、必要以上に押圧されて破損したりすることを防止できる。
【0038】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)「電子機器」には、上記実施形態のレーザプリンタ1以外の画像処理装置(例えばインクジェットプリンタ、ファクシミリ装置などの画像形成装置、画像読取装置)が含まれる。また、これら以外であっても、例えば消耗品の交換などの所定の作業を行うために開閉するカバーを備える機器であれば含まる。
【0039】
(2)上記実施形態では、操作ボタン4がスイッチ40(プッシュ部材42)を3点で押圧する構成としたが、これに限らず、少なくとも発光素子49を間に挟んだ2点で押圧する構成であればよく、4点以上で押圧する構成であってもよい。
【0040】
(3)上記実施形態では、「スイッチ」として、プッシュスイッチ41に加えてプッシュ部材42を備えたスイッチ40を例に挙げたが、プッシュ部材42を備えず、操作ボタン4の押圧部が直接プッシュスイッチ41を押圧する構成であっても勿論よい。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の一実施形態に係るプリンタの外観を示す斜視図
【図2】図1のX−X破断面におけるプリンタの断面図
【図3】図1のY−Y破断面における操作ボタン及びスイッチ部分の断面図
【図4】図1のZ−Z破断面における操作ボタン及びスイッチ部分の断面図(フロントカバーが閉まった状態)
【図5】図1のZ−Z破断面における操作ボタン及びスイッチ部分の断面図(フロントカバーを上方に持ち上げた状態)
【図6】図1のZ−Z破断面における操作ボタン及びスイッチ部分の断面図(フロントカバーの開き動作の途中の状態)
【図7】図1のZ−Z破断面における操作ボタン及びスイッチ部分の断面図(フロントカバーが開いた状態)
【図8】フロントカバーを閉じた状態に保持するラッチ機構を示す図
【図9】比較例の操作ボタン及びスイッチ部分の断面図
【符号の説明】
【0042】
1…プリンタ(電子機器)
2…本体ケース
3…フロントカバー(カバー)
4…操作ボタン
32…ストッパ部材(阻止手段)
40…スイッチ
49…発光素子(発光部)
50A,50B,50C…押圧部
46…先端部(接触部)
51…中央部(接触部)
52…突出部(接触部)
60…第1溝(移動手段)
61…第2溝(移動手段)
62,63…ガイドピン(移動手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体ケースと、
前記本体ケースに開閉可能に設けられたカバーと、
前記カバー側に設けられ、押圧操作がされる操作ボタンと、
前記本体ケース側に設けられ、前記カバーが閉まった状態で前記操作ボタンからの押圧力を受けて押圧されるスイッチと、を備える電子機器。
【請求項2】
請求項1に記載の電子機器であって、
前記カバーが閉まった状態で、前記操作ボタンのうち前記押圧力により前記スイッチを押圧する押圧部が、前記スイッチのうち前記押圧部に押圧される接触部よりも前記カバーの開閉時の中心軸側から見て外寄りに位置する構成とされ、
前記本体ケースのうち前記カバーが設けられた一側面側から見て、前記カバーの開閉時の中心軸が、前記スイッチの前記接触部よりも手前側に位置する。
【請求項3】
請求項2に記載の電子機器であって、
前記カバーは、前記中心軸に対して前記押圧部が接近した接近位置と離間した離間位置との間で移動可能とされ、
前記カバーを開いた状態から閉じた状態にする際に、当該カバーを前記離間位置から前記接近位置に向かって移動させる移動手段を備える。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電子機器であって、
前記本体ケースのうち前記カバーが閉まった状態で前記操作ボタンの背後に位置する部分には発光部が設けられ、
前記操作ボタンのうち前記押圧力により前記スイッチを押圧する押圧部と、前記スイッチのうち前記押圧部に押圧される接触部とが前記発光部を間に挟んだ2点で互いに接触する構成とされている。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の電子機器であって、
前記カバーには、前記カバーが開いた状態で前記操作ボタンを所定範囲以上押圧されることを阻止する阻止手段が設けられている。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2008−311052(P2008−311052A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−157264(P2007−157264)
【出願日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】