電子機器
【課題】二つの筐体の周縁部同士をより近接した状態にしやすい電子機器を得る。
【解決手段】実施形態にかかる電子機器で、第一筐体は、第一表示装置の第一表示画面が露出された第一開口部が設けられた第一面部と、第一面部の周縁に沿った第一角部と、を有する。第二筐体は、第二表示装置の第二表示画面が露出された第二開口部が設けられた第二面部と、第二面部の周縁に沿うとともに前記第一角部の近傍で該第一角部に対して平行に延びた第二角部と、を有する。ヒンジ機構は、前記第一筐体に接続された第一接続部と、前記第二筐体に接続された第二接続部と、を有し、第一筐体と第二筐体とを回動可能に接続し、第一筐体と第二筐体との回動中に、第一接続部と第二接続部との間の距離を変化させることで当該回動中における第一角部と第二角部とが互いに平行な状態で第一角部と第二角部との間の距離が所定距離以内に維持される。
【解決手段】実施形態にかかる電子機器で、第一筐体は、第一表示装置の第一表示画面が露出された第一開口部が設けられた第一面部と、第一面部の周縁に沿った第一角部と、を有する。第二筐体は、第二表示装置の第二表示画面が露出された第二開口部が設けられた第二面部と、第二面部の周縁に沿うとともに前記第一角部の近傍で該第一角部に対して平行に延びた第二角部と、を有する。ヒンジ機構は、前記第一筐体に接続された第一接続部と、前記第二筐体に接続された第二接続部と、を有し、第一筐体と第二筐体とを回動可能に接続し、第一筐体と第二筐体との回動中に、第一接続部と第二接続部との間の距離を変化させることで当該回動中における第一角部と第二角部とが互いに平行な状態で第一角部と第二角部との間の距離が所定距離以内に維持される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、二つの筐体が回動可能に連結され、二つの筐体が閉じられた折り畳み状態と二つの筐体が開かれた展開状態とを切り替え可能な電子機器が、知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−222079号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種の電子機器では、二つの筐体の周縁部同士が近接した状態にあることが望まれる場合がある。
【0005】
本発明の実施形態は、二つの筐体の周縁部同士をより近接した状態にしやすい電子機器を得ることを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態にかかる電子機器は、第一表示装置と、第一筐体と、第二表示装置と、第二筐体と、ヒンジ機構と、を備える。第一表示装置は、第一表示画面を含む。第一筐体は、第一表示装置を収容し、第一表示画面が露出された第一開口部が設けられた第一面部と、この第一面部の周縁に沿った第一角部と、を有する。第二表示装置は、第二表示画面を含む。第二筐体は、第二表示装置を収容し、第二表示画面が露出された第二開口部が設けられた第二面部と、この第二面部の周縁に沿うとともに前記第一角部の近傍で該第一角部に対して平行に延びた第二角部と、を有する。ヒンジ機構は、前記第一筐体に接続された第一接続部と、前記第二筐体に接続された第二接続部と、を有し、第一筐体と第二筐体とを回動可能に接続し、第一筐体と第二筐体との回動中に、第一接続部と第二接続部との間の距離を変化させることで当該回動中における第一角部と第二角部とが互いに平行な状態で第一角部と第二角部との間の距離が所定距離以内に維持される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、一実施形態にかかる電子機器の展開状態の一例を示す斜視図である。
【図2】図2は、一実施形態にかかる電子機器の展開状態の一例を示す側面図である。
【図3】図3は、一実施形態にかかる電子機器の展開状態の一例を示す平面図である。
【図4】図4は、一実施形態にかかる電子機器の展開状態の一例を示す側面図である。
【図5】図5は、一実施形態にかかる電子機器の折り畳み状態の一例を示す側面図である。
【図6】図6は、一実施形態にかかる電子機器の折り畳み状態の一例を示す平面図である。
【図7】図7は、一実施形態にかかる電子機器の展開状態の一例を示すさらに別の視線での斜視図である。
【図8】図8は、一実施形態にかかる電子機器の展開状態の一例を示すさらに別の視線での斜視図である。
【図9】図9は、一実施形態にかかる電子機器の制御回路の一例を示す概略図である。
【図10】図10は、第1実施形態にかかる電子機器に含まれるヒンジ機構の一例を示す斜視図であって、二つの筐体が展開された状態での図である。
【図11】図11は、第1実施形態にかかる電子機器に含まれるヒンジ機構の一例を示す斜視図であって、二つの筐体が図10より狭められた状態での図である。
【図12】図12は、第1実施形態にかかる電子機器に含まれるヒンジ機構の一例を示す斜視図であって、二つの筐体が図11より狭められた状態での図である。
【図13】図13は、第1実施形態にかかる電子機器に含まれるヒンジ機構の一例を示す斜視図であって、二つの筐体が折り畳まれた状態での図である。
【図14】図14は、第2実施形態にかかる電子機器に含まれるヒンジ機構の一例を示す斜視図である。
【図15】図15は、第2実施形態にかかる電子機器に含まれるヒンジ機構の一例を示す側面図であって、二つの筐体が展開された状態での図である。
【図16】図16は、第2実施形態にかかる電子機器に含まれるヒンジ機構の一例を示す側面図であって、二つの筐体が図15より狭められた状態での図である。
【図17】図17は、第2実施形態にかかる電子機器に含まれるヒンジ機構の一例を示す側面図であって、二つの筐体が図16より狭められた状態での図である。
【図18】図18は、第2実施形態にかかる電子機器に含まれるヒンジ機構の一例を示す側面図であって、二つの筐体が折り畳まれた状態での図である。
【図19】図19は、第2実施形態の変形例にかかる電子機器に含まれるヒンジ機構の一例を示す側面図である。
【図20】図20は、第2実施形態の変形例にかかる電子機器に含まれるヒンジ機構の一例を示す正面図である。
【図21】図21は、第3実施形態にかかる電子機器に含まれるヒンジ機構の一例を模式的に示す側面図であって、二つの筐体が展開された状態での図である。
【図22】図22は、第3実施形態にかかる電子機器に含まれるヒンジ機構の一例を模式的に示す側面図であって、二つの筐体が図21より狭められた状態での図である。
【図23】図23は、第3実施形態にかかる電子機器に含まれるヒンジ機構の一例を模式的に示す側面図であって、二つの筐体が折り畳まれた状態での図である。
【図24】図24は、第4実施形態にかかる電子機器の展開状態の一例を示す斜視図である。
【図25】図25は、第1実施形態の変形例にかかる電子機器の展開状態の一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に示される複数の実施形態あるいは実施例には、同様の構成要素が含まれている。よって、以下では、これら同様の構成要素には共通の符号が付与され、重複する説明が省略される。
【0009】
<第1実施形態>
図1等に示されるように、本実施形態にかかる電子機器1は、所謂ノート型のパーソナルコンピュータとして構成されている。電子機器1は、矩形状の扁平な第一筐体(筐体、第一部分)2と、矩形状の扁平な第二筐体(筐体、第二部分)3と、を備えている。これら第一筐体2および第二筐体3は、接続部分(第三筐体、第三部分)4を介して、図1〜4等に示される展開状態と図5,6等に示される折り畳み状態との間で相対回動可能(相対移動可能)に接続されている。図3,4等に示されるように、第一筐体2と第二筐体3とが最大角度(180°)に展開された展開状態では、第一筐体2の面(前面、表面)2aと第二筐体3の面(前面、表面)3aとがほぼ平面状に連なる。一方、図5に示されるように、折り畳み状態では、第一筐体2の面2aと第二筐体3の面3aとが対向し、近接する。
【0010】
本実施形態では、第一筐体2および第二筐体3の折り畳みの角度によらず、すなわち、図1〜6等に示されるような展開状態や折り畳み状態の種々の角度で、第一筐体2の周縁部の一部としての端部(辺部)2bと、第二筐体3の周縁部の一部としての端部(辺部)3bとが、相互に近接してほぼ並行して(平行に)沿っている。すなわち、本実施形態では、端部2b,3bが基端部となり、それらの反対側の端部2c,3cが先端部となる姿勢で、第一筐体2と第二筐体3とが、相対回動可能に接続されている。本実施形態では、端部2bが第一端部の一例であり、端部3bが第二端部の一例である。
【0011】
接続部分4の筐体4e内には、第一筐体2と第二筐体3とを回動可能に接続するヒンジ機構(接続部、ヒンジ部、回動連結部)5が収容されている。ヒンジ機構5(図10参照)は、第一筐体2および第二筐体3の基端部、すなわち、端部2bおよび端部3bを、回動可能に接続する。接続部分4の筐体4eは、ヒンジ機構5のカバーの一例である。
【0012】
また、本実施形態では、接続部分4は、図6に示されるように、ベース部(基部、長部、第一部)4cと、突出部(端部、第二部)4dとを有する。ベース部4cは、第一筐体2の端部2bおよび第二筐体3の端部3bに隙間をあけて対向し、端部2b,3bに沿って延びている。また、ベース部4cは、図2等に示されるように、端部2b,3bから離れる方向に延びている。そして、図6に示されるように、突出部4dは、ベース部4cの長手方向両端部から、第一筐体2の端部(辺部)2d,2eおよび第二筐体3の端部(辺部)3d,3eに沿って、第一筐体2の端部2cおよび第二筐体3の端部3c側に延びている。そして、第一筐体2の端部2d,2eおよび第二筐体3の端部3d,3eには、二つの突出部4dに対応して、切欠状の凹部(切欠部、領域、空間)2f,3fが設けられている。突出部4dは、凹部2f,3f内に収容されている。そして、本実施形態では、二つの突出部4dのそれぞれに、独立したヒンジ機構5が収容されている。本実施形態では、接続部分4や端部2b,3bの所要の剛性が確保され、二つのヒンジ機構5(図5参照)での回動状態がほぼ同じになるように構成されている。
【0013】
図1,3等に示されるように、第一筐体2は、壁部として、前面としての面2aを形成する前壁2g、後面としての面2hを形成する後壁2i(図5参照)、および側面としての面2jを形成する周壁(側壁)2kを有している。前壁2gには、矩形状の開口部(貫通部、穴部)2nが設けられている。第一筐体2内には、表示モジュール(表示装置、モジュール)としてのディスプレイパネル6が収容されている。ディスプレイパネル6は、一例としては、液晶ディスプレイ(LCD,liquid crystal display)や、有機ELディスプレイ(OELD,organic electroluminescent display)等として構成されうる。そして、ディスプレイパネル6の前面の一部である表示画面(画面、表示面)6aが、開口部2nから露出している。なお、第一筐体2は、四つの角部2mを有している。これら四つの角部2mのうち、基端部としての端部2b側の二つの角部2mには、上述したように、接続部分4の突出部4dが収容される凹部2fが、設けられている。
【0014】
また、図1,3等に示されるように、第二筐体3は、壁部として、前面としての面3aを形成する前壁3g、後面としての面3hを形成する後壁3i(図5参照)、および側面としての面3jを形成する周壁(側壁)3kを有している。前壁3gには、矩形状の開口部(貫通部、穴部)3nが設けられている。第二筐体3内には、表示モジュール(表示装置、モジュール)としてのディスプレイパネル6が収容されている。ディスプレイパネル6は、一例としては、液晶ディスプレイ(LCD,liquid crystal display)や、有機ELディスプレイ(OELD,organic electroluminescent display)等として構成されうる。そして、ディスプレイパネル6の前面の一部である表示画面(画面、表示面)6aが、開口部3nから露出している。なお、第二筐体3は、四つの角部3mを有している。これら四つの角部3mのうち、基端部としての端部3b側の二つの角部3mには、上述したように、接続部分4の突出部4dが収容される凹部3fが、設けられている。
【0015】
ここで、図1,3等に示されるように、本実施形態では、第一筐体2の開口部2nは、端部2bの凹部2f,2f間の領域(突出部)に進出し、開口部2nの端部2b側の縁2pは、端部2b(面2aの周縁に沿った周縁部の一部としてのエッジ部(角部)2q側)の近傍に位置されている。また、第二筐体3の開口部3nは、端部3bの凹部3f,3f間の領域(突出部)に進出し、開口部3nの端部3b側の縁3pは、端部3b(面3aの周縁に沿った周縁部の一部としてのエッジ部(角部)3q側)の近傍に位置されている。すなわち、本実施形態では、開口部2n,3n同士が、相互に近接して配置されている。したがって、図1,3等に示されるように、展開状態において、第一筐体2の表示画面6aと第二筐体3の表示画面6aとの間の表示不能区間(非表示区間、非表示部分、非表示幅)をより狭くする(小さくする)ことができる。これにより、二つの表示画面6aに連続した映像(静止画、動画等)が表示される場合に、二つの表示画面6aで映像のずれを減らしやすい。
【0016】
また、各ディスプレイパネル6の前面側には、入力操作部として、薄型のタッチパネルユニット7が設けられている。タッチパネルユニット7は、その前面側での手指やスタイラス等による接触状態や近接状態(あるいはその変化)を検知する。また、タッチパネルユニット7は透明に構成されている。よって、表示画面6aに映し出された映像の光は、タッチパネルユニット7を介して前面側に出射される。この光を使用者(操作者)が映像として視認する。
【0017】
また、展開状態で開口部2n,3nの周囲に露出する面(前面、縁面)2a,3aには、操作部(入力部)8として、例えば、ボタン(電源ボタン、クリックボタン等)や、カーソル等の表示画面6a内での選択領域を移動させるポインティングデバイス等が設けられうる。また、この面2a,3aには、例えば、撮像部としてのカメラや音声入力部としてのマイクロフォン等の入力部9、あるいは、音声出力部としてのスピーカや表示出力部としてのランプやLED(light emitting diode)等の出力部10等が設けられうる。
【0018】
上述したように、本実施形態では、各ディスプレイパネル6の前面側にはタッチパネルユニット7が位置されているため、開口部2n,3n内の表示画面6aの領域がほぼ全体的に入力操作部となりうる。ここで、本実施形態にかかる電子機器1は、図1,2等に示されるように、第一筐体2および第二筐体3のうち一方(例えば第一筐体2)が平面P(載置面、図2参照)上に載置され、かつ他方(例えば第二筐体3)が第一筐体2から起立された使用形態(第一の置きモードのうちの一つ)で使用することができる。この場合には、自動的にあるいは手動操作により、当該一方(載置部分、第一筐体2)の表示画面6aに文字の入力部分(例えば、キーボードの画像や、文字を囲う枠の画像、文字に対応した要素の画像等)を表す画像(図示せず)が表示される。
【0019】
このような、第一筐体2および第二筐体3のうちいずれか一方が平面P(載置面)上に載置される置きモードとしては、(1)第一筐体2が載置部分(平置部分、横置部分)となって第二筐体3が起立部分(縦置部分)となる形態(第一の置きモードのうちの一つ、図1,2等参照)と、(2)第二筐体3が載置部分となって第一筐体2が起立部分となる形態との二つの形態(第一の置きモードのうちのもう一つ、図示せず)がある。電子機器1は、どちらの形態(姿勢)でも使用できるように構成することができる。ただし、例えば、何らかの理由で、置きモードとしては、いずれか一方の形態(例えば上記(1))にしたいような場合、面2a,3aに、電子機器1の使用形態を示唆する、すなわち方向を意識させ得る表示要素(例えば、図柄、絵、記号、文字等)11を、付与することができる。なお、表示要素11は、ロゴマークや、商品名、メーカ名等であってもよい。また、図4のように、(3)第一筐体2および第二筐体3のうち載置部分ではない方を起立させずに平面P(載置面)上に置いて使用することも可能である(第二の置きモード)。
【0020】
また、本実施形態にかかる電子機器1は、(4)第一筐体2の端部2dと第二筐体3の端部3dとが平面P(載置面)上に載置される形態(第三の置きモードのうちの一つ、図7参照)でも使用することができ、さらに、(5)第一筐体2の端部2eと第二筐体3の端部3eとが平面P(載置面)上に載置される形態(第三の置きモードのうちのもう一つ、図示せず)でも使用することができる。
【0021】
ここで、本実施形態では、接続部分4は、端部2d,3dに沿って端部2b,3bから離間する方向に延びており、上記(4)の形態で使用される際に平面P(載置面)に接触する接触部4f(図1,2等参照)を有している。また、接続部分4は、接触部4fの反対側に、端部2e,3eに沿って端部2b,3bから離間する方向に延びて、上記(5)の形態で使用される際に平面P(載置面)に接触する接触部4g(図7参照)を有している。このように、本実施形態では、接続部分4が表示画面6aの後面側に延びたことで、端部2b,3bから、平面P(載置面)に沿って、三方向に、支持部が延びている。よって、上記(4),(5)の第三の置きモードでも、接続部分4が無い場合に比べて、より安定的に電子機器1を載置することができる。この接続部分4により、第三の置きモードで使用される場合に、電子機器1が後面側に倒れにくくなる。
【0022】
また、本実施形態では、図5等に示されるように、第一筐体2の幅方向両側の端部2d,2eおよび第二筐体3の幅方向両側の端部3d,3eには、表示画面6aの反対側に位置した壁部としての後壁2i,3iの周縁部から外側に張り出す突出部(張出部、壁部)2r,3rが設けられている。そして、上記(4),(5)の第三の置きモード(図7参照)では、平面P(載置面)上には、接触部4f,4gとともに、これら突出部2r,3rが当接する。したがって、突出部2r,3rが設けられていない場合に比べて、電子機器1が机上等に載置される際などに、ディスプレイパネル6に衝撃が入力されにくくなり、ディスプレイパネル6の保護性を高めることができる。また、突出部2r,3rが突出した分、ディスプレイパネル6を机上等の載置面から離間した状態に位置させることができるため、机上等の載置面等の平面P上に水等の液体がこぼれていたような状況にあっても、その液体がディスプレイパネル6に触れにくくなる。さらに、突出部2r,3rは、先端側の端部2c,3cにも設けられている。よって、突出部2r,3rに手指等を掛けることで、折り畳み状態(閉じた状態)から第一筐体2および第二筐体3を開きやすくなるという利点もある。本実施形態では、突出部2r,3rは、第一筐体2の端部2b以外の三つの端部2c,2d,2eと第二筐体3の端部3b以外の三つの端部3c,3d,3eに設けられている。
【0023】
また、本実施形態では、使用者は、(6)第一筐体2および第二筐体3を横(左右)に並べた図7に示される姿勢で電子機器1を持つ形態(第一の持ちモード)では、端部2b,3bから後面側に延びた(突出した)接続部分4を、持ち部(把持部、保持部)として用いることができる。したがって、使用者は、表示画面6aに接触することなく、手指等で電子機器1を持つことができる。また、使用者は、電子機器1を手で持ちやすくなる。
【0024】
一方、本実施形態では、使用者は、(7)第一筐体2および第二筐体3を縦(上下)に並べた図3に示される姿勢で把持する形態(第二の持ちモード)では、第一筐体2または第二筐体3の端部2c,2d,2e,3c,3d,3eを、持ち部(把持部、保持部)として用いることができる。本実施形態では、端部2c,2d,2e,3c,3d,3eでは、ディスプレイパネル6(開口部2n,3n)の縁は、対応する面2a,3aの外縁から離間しているため、使用者が手指等で電子機器1の端部2c,2d,2e,3c,3d,3eを持つ際に、手指等が表示画面6aに接触しにくい。
【0025】
また、本実施形態では、図8に示されるように、接続部分4の外面(面)4hには、外部コネクタを差し込むコネクタ(例えば、AC(alternating current)アダプタ用のコネクタ、USB(universal serial bus)コネクタ、カードコネクタ等)等の部品(結合部、結合体)の結合部14や、操作ボタン(押しボタン)、スイッチ等の操作部(入力操作部)15を、設けることができる。結合部14や操作部15は、外面4hのうち、各形態(特に置きモードの(1)や(2)等)で露出している部分や露出しやすい部分に設けるのが、好適である。
【0026】
さらに、接続部分4は、電子機器1を動作させる電源となるバッテリ13を装着(保持、収容、取付)することができる。このバッテリ13は、接続部分4に着脱可能に構成することができる。本実施形態では、接続部分4は、端部2b,3bに沿って延びているため、比較的長くより容量の大きいバッテリ13を装備しやすい。
【0027】
また、第一筐体2および第二筐体3のうち少なくとも一方には、図示しない回路基板や電子部品等が収容され、図9に示されるような、制御回路12が構成されている。本実施形態では、制御回路12は、制御部12a、記憶部12b、姿勢センサ12c、開閉センサ12d、入力部12e、出力部12f等を有する。制御部12aは、例えばCPU(Central Processing Unit)として構成され、姿勢センサ12cによる姿勢検知結果や、入力部12eによる入力結果に基づいて、出力部12fを制御する。姿勢センサ12cは、例えば加速度センサ等として構成され、電子機器1の姿勢を検知する。開閉センサ12dは、例えば接触センサや、圧力センサ、非接触センサ(磁気センサ)等として構成され、第一筐体2と第二筐体3との開閉位置や、開閉状態、相対位置、角度等を検知する。入力部12eは、例えば、タッチパネルユニット7や、上述した入力部8,9等として構成される。出力部12fは、例えば、ディスプレイパネル6や、上述した出力部10等として構成される。制御部12aは、表示制御部の一例であり、入力部12e(入力部8)は、入力操作部の一例である。なお、制御回路12には、コントローラ(図示せず)等も設けられる。
【0028】
ヒンジ機構5は、第一角部としてのエッジ部2qおよび第二角部としてのエッジ部3qのうち一方を、他方に対して、隙間をあけて、その周囲(周辺)で、近接した状態(近傍(近く)に位置した状態)で、回動させる。すなわち、ヒンジ機構5は、第一筐体2に接続された第一部分としてのシャフト(接続部、固定部、取付部)24aと、第二筐体3に接続された第二部分としてのシャフト(接続部、固定部、取付部)25aとを有する。そして、ヒンジ機構5は、各部や各部品を介して、第一筐体2と第二筐体3とを回動可能に接続する。また、ヒンジ機構5は、第一筐体2と第二筐体3との回動中に、シャフト24aとシャフト25aとの距離の変化を許容して、エッジ部2q,3q同士(端部2b,3b同士)の距離の変化を抑制している。
【0029】
図10〜13には、本実施形態にかかるヒンジ機構5の一例が示されている。ヒンジ機構5は、第一筐体2に接続された第一部品24と、第二筐体3に接続された第二部品25と、を有する。第一部品24は、第一筐体2に固定されたシャフト24aと、シャフト24aに固定されたアーム(突出部、回動部)24bと、を有する。第二部品25は、第二筐体3に固定されたシャフト25aと、シャフト25aに固定されたアーム(突出部、回動部)25bと、を有する。
【0030】
そして、本実施形態では、アーム24bおよびアーム25bの先端部(シャフト24a,25aから離間した部位)同士が、円柱状(丸棒状)の連結部材(軸受部材、軸部材、介在部材、シャフト)26を介して、回動可能に連結されている。したがって、本実施形態では、連結部材26の軸心が、第一筐体2と第二筐体3との回動軸Axである。連結部材26の位置が、第一部品24と第二部品25との接続位置Cpである。なお、シャフト24a,25aは、第一筐体2または第二筐体3からエッジ部2q,3qに沿う方向に突出した突出部の一例でもある。シャフト24a,25aは並行して(平行に)配置されている。また、アーム24b,25bは、シャフト24a,25bの長手方向(突出方向)に沿って間隔をあけて二個ずつ設けられており、連結部材26は、これら二つのアーム24b,24bおよびアーム25b,25b間で架け渡されて、アーム24b,24bおよびアーム25b,25bによって、その両端部が支持されている。
【0031】
ここで、本実施形態では、接続位置Cp(連結部材26)は、シャフト24a,25aよりも、エッジ部2q,3qの近くに位置されている。具体的には、接続位置Cp(連結部材26、回動軸Ax)が、エッジ部2q,3qの端部2qa,3qaに対して、エッジ部2q,3qに沿った方向の外方(図10〜13では手前側)に位置されている。回動軸Axは、図10の展開状態で、エッジ部2qとエッジ部3qとの間の隙間の中央の位置に対して、第一筐体2および第二筐体3の面2a,3aより当該隙間の半分の高さだけ離れた位置に、位置されている。したがって、図10〜13に示されるように、エッジ部2qはエッジ部3qの回りを回動し、これに伴って、第一筐体2および第二筐体3は、エッジ部2q,3qに近接した位置にある回動軸Axを中心として回動する。
【0032】
このとき、図10〜13を参照すれば、ヒンジ機構5では、シャフト24a,25a間の距離L1〜L4が、短い状態、長い状態、短い状態と変化していることが、理解できよう。すなわち、図10に示される180°の展開状態(図4参照)でのシャフト24a,25a間の距離L1に対して、図10よりも第一筐体2および第二筐体3を閉じた状態(図11)でのシャフト24a,25a間の距離L2は長くなる。また、図11の状態でのシャフト24a,25a間の距離L2に対して、図11よりも第一筐体2および第二筐体3を閉じた状態(図12)でのシャフト24a,25a間の距離L3は長くなる。シャフト24a,25a間の距離(L1〜L4)は、第一筐体2(の面2aや表示画面6a)と第二筐体3(の面3aや表示画面6a)との角度がほぼ直角(90°)であるときに最大となる。シャフト24a,25a間の距離が最大となるこの角度より角度が小さくなると、シャフト24a,25a間の距離は徐々に短くなる。そして、図13に示されるように、0°の折り畳み状態(図5参照)でのシャフト24a,25a間の距離L4は、図10に示される180°の展開状態でのシャフト24a,25a間の距離L1と同じになる。このようなヒンジ機構5の構成および動作により、エッジ部3qは、エッジ部2qの回りを、隙間をあけて近接した状態で回動する。なお、第一筐体2および第二筐体3の回動は相対的なものであるから、エッジ部3qがエッジ部2qの周囲を回動するときには、エッジ部2qがエッジ部3qの周囲を回動している。
【0033】
また、本実施形態にかかるヒンジ機構5は、第一部品24および第二部品25に回動可能に支持されたあるいは接続された第三部品27と、この第三部品27と第一部品24および第二部品25との間のそれぞれに介在する抵抗要素28と、を有している。
【0034】
第三部品27は、一例として、比較的細長い板状の部材として構成されている。そして、第三部品27の長手方向の一方側には、シャフト25aが貫通する貫通孔(円形孔、開口部、支持孔部)27aが設けられるとともに、他方側には、シャフト24aが貫通し、その長手方向に沿って延びた長穴状の開口部(貫通孔、スリット、溝、ガイド)27bが設けられている。第三部品27は、シャフト25aに回動可能に支持されるとともに、シャフト24aに回動可能かつ開口部27bに沿って移動可能に支持されている。図10〜13を参照すれば明らかとなるように、第一筐体2および第二筐体3の回動に伴って、第三部品27と第一部品24および第二部品25とは、相対的に回動する。
【0035】
抵抗要素(当接要素、摩擦要素、保持要素)28は、一例として、シャフト24a,25aが貫通する複数のリング状の皿ばねを積み重ねて構成されている。抵抗要素28は、第三部品27と第一部品24との間、ならびに第三部品27と第二部品25との間に、それぞれ介在されている。すなわち、抵抗要素28の一つは、第三部品27と第一部品24とに当接して挟まれ、抵抗要素28のもう一つは、第三部品27と第二部品25とに当接して挟まれている。これら二つの抵抗要素28は、それぞれ弾性的な反発力(押圧力)を与え、第一部品24と第三部品27との間、ならびに第二部品25と第三部品27との間、ひいては、第一部品24と第二部品25との間、さらには、第一筐体2と第二筐体3との間に、摩擦抵抗を生じさせている。このように、本実施形態では、第三部品27と抵抗要素28とを含む構成によって、第一筐体2と第二筐体3との間に、摩擦抵抗を生じさせることができる。なお、抵抗要素28は、シャフト24a,25aのうちいずれか一方のみに対応させて設けることができる。
【0036】
また、本実施形態では、第一筐体2および第二筐体3がずれるのを抑制する係合機構(係り機構)21が設けられている。係合機構21は、図1等に示すように、第二筐体3に設けられた突起21aと、第一筐体2に設けられて突起21aを受け容れる凹部21cを有した受容部21bとを有する。突起21aは第二係合部の一例であり、受容部21bは第一係合部の一例である。本実施形態では、第一筐体2および第二筐体3の先端側の端部2c,3cの端部(両端部)に、係合機構21を構成する突起21aおよび受容部21bが設けられている。突起21aおよび受容部21bが、回動軸Axと交叉する方向に係合する(係る)。なお、本実施形態では、突起21aと受容部21bとの係合によって、第一筐体2の面2aと第二筐体3の面3aとが隙間をあけて対向することができる。しかし、他の部位の凹凸構造等で、第一筐体2の面2aと第二筐体3の面3aとの間に隙間が設けられてもよい。
【0037】
また、何らかの理由で、置きモードとしては、いずれか一方の形態(例えば上記(1))にしたいような場合、第一筐体2および第二筐体3のうち、平面P(載置面)上に載置される載置部分である方(例えば、第一筐体2)に、突起21aがあると、使用者の手指等と突起21aとが干渉しやすくなる。そこで、突起21aは、載置部分(例えば、第一筐体2)に設けられ、受容部21bは、起立部分(例えば、第二筐体3)に設けられるのが好適である。この場合、表示制御部としての制御部12aは、載置部分である方(例えば、第一筐体2)の表示画面6aに、文字の入力部分(例えば、キーボードの画像や、文字を囲う枠の画像、文字に対応した要素の画像等)を表す画像(図示せず)を表示させる。その場合、さらに、抵抗機構16A,16Bの抵抗力の大きさを相異ならせることで、載置部分と起立部分とを規定しやすくなる。すなわち、上述したように、例えば、抵抗機構16Aの抵抗力を抵抗機構16Bの抵抗力より大きく設定することで、図12のヒンジ機構5の状態、および図13の電子機器1の状態、すなわち、第一筐体2が載置部分となって第二筐体3が起立部分となる状態を、得やすくなり、ひいては、使用者の手指と突起21aとがより干渉しにくくなる。
【0038】
また、本実施形態では、端部2c,3c側の側壁(周壁)2k,3kは、第一筐体2および第二筐体3の内部側に凹む状態に曲がった部分(凹部)2v(図1参照),3v(図7参照)を有している。これらの部分2v,3vは連なって、対向する面2a,3aの部分が底部である一連の曲面(側面)を形成している。これにより、使用者が第一筐体2と第二筐体3とを開く際に、先端側の端部2c,3c側の側壁(周壁)2k,3kに手指を掛けやすくなる。
【0039】
以上、説明したように、本実施形態では、接続部としてのヒンジ機構5は、第一角部としてのエッジ部2qおよび第二角部としてのエッジ部3qのうち一方が他方に隙間をあけて近接した状態で回動可能に、第一筐体2と前記第二筐体3とを接続することができる。また、本実施形態では、ヒンジ機構5は、第一筐体2および第二筐体3の回動に際して、第一部分としてのシャフト24aと、第二部分としてのシャフト25aとの相対的な距離の変化を許容して、当該回動中における第一角部としてのエッジ部2qと第二角部としてのエッジ部3qとの距離が変化するのを抑制することができる。よって、第一筐体2および第二筐体3の角度に係わらず、周縁部(エッジ部2q,3q)同士を、より近接した状態に維持しやすい。
【0040】
また、本実施形態では、第一部品24と第二部品25との接続位置Cpが、第一部分としてのシャフト24aおよび第二部分としてのシャフト25aより、エッジ部2q,3qの近くに位置されている。よって、第一筐体2と第二筐体3とが回動する際にエッジ部2q,3qの距離が変化する(隙間が拡大する)のを、比較的簡素な構成によって抑制することができる。さらに、本実施形態では、接続位置Cpが、エッジ部2qおよびエッジ部3qの端部2qa,3qaに対してエッジ部2qおよびエッジ部3qの外方に位置されている。よって、エッジ部2q,3qの距離が変化する(隙間が拡大する)のをより抑制することができる。
【0041】
また、本実施形態では、ヒンジ機構5および接続位置Cpが、第一筐体2および第二筐体3の角部2m,3mに設けられた凹部2f,3fのうち少なくともいずれか一方に、配置されている。よって、接続位置Cpを、エッジ部2q,3q(の延長線上)により近づけて位置させやすくなる。
【0042】
<第2実施形態>
図14〜18には、本実施形態にかかるヒンジ機構5Aの一例が示されている。本実施形態でも、ヒンジ機構5Aは、第一角部としてのエッジ部2qおよび第二角部としてのエッジ部3qのうち一方を、他方の周囲で、隙間をもって近接した状態で、回動させる。すなわち、ヒンジ機構5Aは、第一筐体2に接続された第一部分としてのシャフト(接続部、固定部、取付部)29aと、第二筐体3に接続された第二部分としてのシャフト(接続部、固定部、取付部)30aとを有する。そして、ヒンジ機構5Aは、各部や各部品を介して、第一筐体2と第二筐体3とを回動可能に接続する。また、ヒンジ機構5Aは、第一筐体2と第二筐体3との回動中に、シャフト29aとシャフト30aとの距離の変化を許容して、エッジ部2q,3q同士(端部2b,3b同士)の距離の変化を抑制している。なお、本実施形態にかかるヒンジ機構5Aは、上記第1実施形態にかかるヒンジ機構5に替えて電子機器1に装備することができる。すなわち、本実施形態にかかる電子機器1のヒンジ機構5A以外の構成は、上記第1実施形態と同様に構成できるため、説明を省略する。
【0043】
ヒンジ機構5Aは、第一筐体2に接続された第一部品29と、第二筐体3に接続された第二部品30と、を有する。第一部品29は、第一筐体2に固定されたシャフト29aと、シャフト29aに固定されたカム(当接部、接触部、押圧部、位置決め部)29bと、を有する。カム29bは、シャフト29aの径方向に突出している。第二部品30は、第二筐体3に固定されたシャフト30aと、シャフト30aに固定されたカム(当接部、接触部、押圧部、位置決め部)30bと、を有する。カム30bは、シャフト30aの径方向に突出している。カム29bは、当接領域31a,31bが当接する範囲で、カム30bの周囲を転動する。すなわち、カム30bは、当接領域31a,31bが当接する範囲で、カム29bの周囲を転動する。カム29bは、第一当接部の一例であり、カム30bは、第二当接部の一例である。
【0044】
そして、本実施形態では、ヒンジ機構5Aは、第一部品29と第二部品30とを押し付ける押付要素としてコイルばね(弾性要素、付勢要素、押圧要素)32を有している。本実施形態では、コイルばね32は、ねじりばねとして用いられている。コイルばね32は、中間部としての巻回部32aと、その両側の二つの端部としての引掛部32bと、を有している。引掛部32bの一方はシャフト29aに引っ掛けられ、他方はシャフト30aに引っ掛けられている。コイルばね32は、引掛部32bを介して、シャフト29a,30aに、これらシャフト29a,30a同士が離間するのを抑制する方向の荷重を与える。したがって、コイルばね32により、カム29b,30b同士が押し付けられ、カム29b,30b同士、ひいては第一部品29および第二部品30、さらには第一筐体2および第二筐体3が離間するのが、抑制される。
【0045】
また、カム29b,30bの当接領域(接触領域、噛み合い領域、係合領域、押圧領域、外周、周面)31a,31bには、シャフト29a,30aの延びた方向に沿った凹凸形状(例えば、突起や、凹部、歯等)が設けられている。カム29b,30bの当接領域31a,31b同士が当接すると、これら当接領域31a,31b同士が当接して、カム29b,30b同士が周方向にずれる(滑る、外れる)のが抑制される。なお、シャフト29a,30aは、第一筐体2または第二筐体3からエッジ部2q,3qに沿う方向に突出した突出部の一例でもある。シャフト29a,30aは並行して(平行に)配置されている。また、本実施形態では、当接領域31a,31bは、シャフト29a,30aよりも、エッジ部2q,3qの近くに位置されている。凹凸形状は、滑り抑制要素の一例である。
【0046】
このような構成のヒンジ機構5Aでは、図15〜18に示されるように、第一筐体2および第二筐体3の回動に伴って、カム29b,30bの当接領域31a,31bでの当接位置および当接姿勢が変化する。すなわち、第一筐体2および第二筐体3は、カム29b,30bの形状(プロファイル)にしたがって、回動する。図15〜18を参照すれば、本実施形態でも、ヒンジ機構5Aでも、シャフト29a,30a間の距離L11〜L14が、短い状態、長い状態、短い状態と変化していることが、理解できよう。すなわち、図15に示される180°の展開状態(図4参照)でのシャフト29a,30a間の距離L11に対して、図15よりも第一筐体2および第二筐体3を閉じた状態(図16)でのシャフト29a,30a間の距離L12は長くなる。また、図16の状態でのシャフト29a,30a間の距離L12に対して、図16よりも第一筐体2および第二筐体3を閉じた状態(図17)でのシャフト29a,30a間の距離L13は長くなる。シャフト29a,30a間の距離(L11〜L14)は、第一筐体2(の面2aや表示画面6a)と第二筐体3(の面3aや表示画面6a)との角度がほぼ直角(90°)であるときに最大となる。シャフト29a,30a間の距離が最大となるこの角度より角度が小さくなると、シャフト29a,30a間の距離は徐々に短くなる。そして、図18に示されるように、0°の折り畳み状態(図5参照)でのシャフト29a,30a間の距離L14は、図15に示される180°の展開状態でのシャフト29a,30a間の距離L11と同じになる。このようなヒンジ機構5Aの構成および動作により、エッジ部3qは、エッジ部2qの回りを、隙間をあけて近接した状態で回動する。なお、第一筐体2および第二筐体3の回動は相対的なものであるから、エッジ部3qがエッジ部2qの周囲を回動するときには、エッジ部2qがエッジ部3qの周囲を回動している。
【0047】
カム29b,30bの当接領域31a,31bでのプロファイル(形状)は、鏡像関係にある。すなわち、図15で左右対称となっている。また、このプロファイルは、基本的には、第一筐体2および第二筐体3の端部2b,3b(エッジ部2q,3q)の形状に沿っている。ただし、回動姿勢の急変を避けるため、プロファイルは、エッジ部2q,3qに対応する部分では、筐体外側に凸に湾曲した形状に形成され、滑らかに形成されている。また、当接領域31a,31bの全域で、図15〜18等の側面視で、第一筐体2および第二筐体3の前面としての面2a、ならびに側面としての面2jより筐体外側(外方)に配置されている。これにより、第一筐体2および第二筐体3が干渉するのが抑制されている。
【0048】
また、本実施形態にかかるヒンジ機構5Aは、第一部品29および第二部品30に移動可能に支持されたあるいは接続された第三部品33と、この第三部品33と第一部品29および第二部品30との間のそれぞれに介在する抵抗要素28と、を有している。
【0049】
第三部品33は、一例として、連結点33cで回動可能に接続された比較的細長いプレート状のアーム33a,33bを有したリンクアームとして構成されている。アーム33a,33b同士の角度が変化することで、第三部品33は、シャフト29a,30a間の距離の変化に応じて伸縮する。第一筐体2および第二筐体3の回動に伴って、アーム33a,33bと第一部品29および第二部品30とは、相対的に回動する。
【0050】
抵抗要素(当接要素、摩擦要素、保持要素)28は、上記第1実施形態と同様である。抵抗要素28は、アーム33aと第一部品29との間、ならびにアーム33bと第二部品30との間に、それぞれ介在されている。すなわち、抵抗要素28の一つは、アーム33aと第一部品29とに当接して挟まれ、抵抗要素28のもう一つは、アーム33bと第二部品30とに当接して挟まれている。これら二つの抵抗要素28は、それぞれ弾性的な反発力(押圧力)を与え、アーム33aと第一部品29との間、ならびにアーム33bと第二部品30との間、ひいては、第一部品29と第二部品30との間、さらには、第一筐体2と第二筐体3との間に、摩擦抵抗を生じさせている。このように、本実施形態では、第三部品33と抵抗要素28とを含む構成によって、第一筐体2と第二筐体3との間に、摩擦抵抗を生じさせることができる。
【0051】
<第2実施形態の変形例>
図19,20には、本変形例にかかるヒンジ機構5Bの一例が示されている。本変形例では、カム29b,30bの構成および配置が上記第2実施形態と同様である。よって、第一筐体2および第二筐体3は、このヒンジ機構5Bを介して、上記第2実施形態と同様に動作する。また、本変形例にかかるヒンジ機構5Bは、上記第1実施形態にかかるヒンジ機構5に替えて電子機器1に装備することができる。すなわち、本実施形態にかかる電子機器1のヒンジ機構5B以外の構成は、上記第1実施形態と同様に構成できるため、説明を省略する。
【0052】
また、本変形例では、ヒンジ機構5Bは、上記第1実施形態と同様の第三部品27を有し、この第三部品27と第一部品29および第二部品30との間に介在した上記第1実施形態と同様の抵抗要素28を有している。よって、これら第三部品27および抵抗要素28によって得られる作用は、上記第1実施形態と同様である。
【0053】
ただし、本変形例では、引っ張りばねとしてのコイルばね35が用いられている。すなわち、コイルばね35は、シャフト29a,30a間に位置された巻回部35aと、巻回部35aの長手方向両端部の引掛部35bと、を有し、引掛部35bが、シャフト29a,30aに引っ掛けられている。コイルばね35は、引掛部35bを介して、シャフト29a,30aに、これらシャフト29a,30a同士が離間するのを抑制する方向の荷重を与える。したがって、コイルばね35により、カム29b,30b同士が押し付けられ、カム29b,30b同士、ひいては第一部品29および第二部品30、さらには第一筐体2および第二筐体3が離間するのが、抑制される。
【0054】
<第3実施形態>
図21〜23には、本実施形態にかかるヒンジ機構5Cが示されている。本実施形態にかかるヒンジ機構5Cは、基本的に上記第2実施形態と同様の構成であり、第一当接部およびシャフトとして構成される第一部品36と、この第一部品36に当接して第一部品36の周囲を転動する第二当接部としてのカム37bと、図示しない押付機構と、を有する。すなわち、本実施形態では、シャフトとして構成された第一部品36をカムとして利用し、これに伴って、カムとしての第一部品36とカム37bとのプロファイルが相違している。押付機構は、上記第2実施形態と同様に構成することができ、シャフトとしての第一部品36と、第二部品37のシャフト37aとを押し付ける。
【0055】
カム37bのプロファイルを適宜に設定することで、本実施形態でも、ヒンジ機構5Cは、第一角部としてのエッジ部2qおよび第二角部としてのエッジ部3qのうち一方を、他方の周囲で、隙間をもって近接した状態で、回動させる。すなわち、ヒンジ機構5Cは、第一筐体2に接続された第一部分としての第一部品(接続部、固定部、取付部)36と、第二筐体3に接続された第二部分としてのシャフト(接続部、固定部、取付部)37aとを有する。そして、ヒンジ機構5Cは、各部や各部品を介して、第一筐体2と第二筐体3とを回動可能に接続する。また、ヒンジ機構5Cは、第一筐体2と第二筐体3との回動中に、第一部品36とシャフト37aとの距離の変化を許容して、エッジ部2q,3q同士(端部2b,3b同士)の距離の変化を抑制している。なお、本実施形態にかかるヒンジ機構5Cは、上記第1実施形態にかかるヒンジ機構5に替えて電子機器1に装備することができる。すなわち、本実施形態にかかる電子機器1のヒンジ機構5C以外の構成は、上記第1実施形態と同様に構成できるため、説明を省略する。
【0056】
そして、図21〜23に示されるように、第一筐体2および第二筐体3の回動に伴って、カム37bと第一部品36との当接位置および当接姿勢が変化する。すなわち、第一筐体2および第二筐体3は、カム37bの形状(プロファイル)にしたがって、回動する。図21〜23を参照すれば、ヒンジ機構5Cでも、第一部品36とシャフト37aとの間の距離L21〜L23が、短い状態、長い状態、短い状態と変化していることが、理解できよう。本実施形態でも、図23に示される0°の折り畳み状態(図5参照)での第一部品36とシャフト37aとの間の距離L23は、図21に示される180°の展開状態での第一部品36とシャフト37aとの間の距離L21と同じになる。このようなヒンジ機構5Cの構成および動作により、エッジ部3qは、エッジ部2qの回りを、隙間をあけて近接した状態で回動する。なお、第一筐体2および第二筐体3の回動は相対的なものであるから、エッジ部3qがエッジ部2qの周囲を回動するときには、エッジ部2qがエッジ部3qの周囲を回動している。以上の本実施形態によれば、使用するカム37bが一つで済む分、製造の手間を減らすことができる。
【0057】
<第4実施形態>
図24に示される本実施形態では、第一当接部としてのカム38aが、第一筐体2のエッジ部2qで交叉する面(前面)2aおよび(基端側の側面)面2j(ただし図24には示されず)に亘って設けられ、第二当接部としてのカム38bが、第二筐体3のエッジ部3qで交叉する面(前面)3aおよび面(基端側の側面)3j(ただし図24には示されず)に亘って設けられている。第一当接部および第二当接部(カム38a,38b)が異なる点以外、上記第2実施形態と同様であり、同様の効果が得られる。本実施形態によれば、カム38a,38bを第一筐体2および第二筐体3に設けたため、接続部分4内のヒンジ機構(図示せず)の構成をより小さくかつより簡素にすることができる。接続部分4内には、第一筐体2に接続されたシャフト等として構成される第一部分(第一部品、図示せず)と、第二筐体3に接続されたシャフト等として構成される第二部分(第二部品、図示せず)と、カム38a,38b同士を押し付ける方向に、第一部分と第二部分とを付勢するコイルばね等の押付機構(図示せず)とが、収容される。
【0058】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態には限定されず、種々の変形が可能である。例えば、図25に示される変形例のように、電子機器1の接続部分4Aは、両端部に配置された別個の(二つの)構成要素とすることが可能である。この場合、各接続部分4Aにヒンジ機構(図示せず)が収容される。
【0059】
また、本発明は、例えば、携帯電話機や、スマートフォン、スマートブック、電子書籍端末、PDA(Personal Digital Assistant)、ゲーム機等の他の電子機器としても実施することができる。また、第一筐体および第二筐体の一方のみが表示画面を有した電子機器としても実施することができる。また、本発明は、電子機器や、第一筐体、第二筐体、第一表示装置、第二表示装置、第一部分、第二部分、第一部品、第二部品、第三部品、当接要素、押付要素、第一当接部、第二当接部、滑り抑制要素、外面、モジュール、等のスペック(数、形式、構成、位置、配置、形状、大きさ、厚さ、動作範囲、材質、結合対象等)を適宜に変更した形態として実施することができる。また、上記実施形態や上記変形例は、適宜に組み合わせて実施することができる。
【0060】
以下に、本願原出願の特許査定時の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
第一表示画面を含む第一表示装置と、
前記第一表示装置が収容され、前記第一表示画面が露出された第一開口部が設けられた第一面部と、この第一面部の周縁に沿った第一角部と、を有した第一筐体と、
第二表示画面を含む第二表示装置と、
前記第二表示装置が収容され、前記第二表示画面が露出された第二開口部が設けられた第二面部と、この第二面部の周縁に沿うとともに前記第一角部の近傍で該第一角部に対して平行に延びた第二角部と、を有した第二筐体と、
前記第一筐体に接続された第一接続部と、前記第二筐体に接続された第二接続部と、を有し、前記第一筐体と前記第二筐体とを回動可能に接続し、前記第一筐体と前記第二筐体との回動中に、前記第一接続部と前記第二接続部との間の距離を変化させることで当該回動中における前記第一角部と前記第二角部とが互いに平行な状態で前記第一角部と前記第二角部との間の距離が一定に維持される、ヒンジ機構と、
を備えた、電子機器。
[2]
第一面部と、端部と、この端部に位置されたモジュールと、前記第一面部の周縁に沿った第一角部と、を有した第一筐体と、
第二面部と、この第二面部の周縁に沿うとともに前記第一角部の近傍で該第一角部に対して平行に延びた第二角部と、を有した第二筐体と、
前記第一筐体に支持された第一シャフト部と、前記第二筐体に支持された第二シャフト部とを繋ぐとともに前記第一筐体と前記第二筐体とを回動可能に接続し、前記第一筐体と前記第二筐体との回動中に、前記第一シャフト部と前記第二シャフト部との間の距離を変化させることで当該回動中に前記第一角部と前記第二角部との距離が一定に維持される、ヒンジ機構と、
を備えた、電子機器。
[3]
前記ヒンジ機構は、前記第一シャフト部に固定された第一部品と、該第一部品と回動可能に接続され前記第二シャフト部に固定された第二部品と、を有し、
前記第一部品と前記第二部品との接続位置が、前記第一シャフト部および前記第二シャフト部より前記第一角部および前記第二角部の近くに位置された、[2]に記載の電子機器。
[4]
前記接続位置が、前記第一角部および前記第二角部の端部に対して前記第一角部および前記第二角部に沿った方向の外方に位置された、[3]に記載の電子機器。
[5]
前記第一筐体の前記第一角部の端部に第一凹部が設けられ、前記第二筐体の前記第二角部の端部に第二凹部が設けられ、前記接続位置が、前記第一凹部および前記第二凹部のうち少なくともいずれか一方に位置された、[3]または[4]に記載の電子機器。
[6]
前記第一シャフト部および前記第二シャフト部に支持された第三部品と、
前記第三部品と前記第一部品または前記第二部品との間に介在された当接要素と、
を有した、[3]〜[5]のうちいずれか一つに記載の電子機器。
[7]
前記第一筐体に接続された第一当接部と、
前記第二筐体に接続され、前記第一当接部に当接して該第一当接部の周囲を転動する第二当接部と、
前記第一当接部と前記第二当接部とを押し付ける押付要素と、
を有した、[1]に記載の電子機器。
[8]
前記第一当接部と前記第二当接部との滑りを抑制する滑り抑制要素を有した、[7]に記載の電子機器。
[9]
前記滑り抑制要素が、前記第一当接部と前記第二当接部との接触部分に設けられた凸部または凹部を含む、[8]に記載の電子機器。
[10]
前記第一当接部が前記第一筐体の外面に設けられ、前記第二当接部が前記第二筐体の外面に設けられた、[7]〜[9]のうちいずれか一つに記載の電子機器。
[11]
第一表示画面を含む第一表示装置と、
前記第一表示装置が収容され、前記第一表示画面が露出された第一開口部が設けられた第一面部と、この第一面部の周縁に沿った第一角部と、を有した第一筐体と、
第二表示画面を含む第二表示装置と、
前記第二表示装置が収容され、前記第二表示画面が露出された第二開口部が設けられた第二面部と、この第二面部の周縁に沿うとともに前記第一角部の近傍で該第一角部に対して平行に延びた第二角部と、を有した第二筐体と、
前記第一角部の長手方向の端部から前記長手方向と交叉しかつ前記第一表示画面に沿った方向に離れるとともに前記第一筐体の厚さ方向に離れた第一位置で前記第一筐体に接続され、前記第一位置から前記端部側に向けて延びた第一部分を有した第一部品と、
前記第二角部の長手方向の端部から前記長手方向と交叉しかつ前記第二表示画面に沿った方向に離れるとともに前記第二筐体の厚さ方向に離れた第二位置で前記第二筐体に接続され、前記第二位置から前記端部側に向けて延びた第二部分を有した第二部品と、
前記第一部分と前記第二部分とを回動可能に接続して、少なくとも前記第一表示画面と前記第二表示画面とが面した折り畳み状態と前記第一表示画面と前記第二表示画面とが同じ側を向いて並んだ展開状態との間で前記第一角部または前記第二角部の長手方向の視線で前記第一角部および前記第二角部のうち一方の回りに他方を回動可能とする接続部と、
を備えた、電子機器。
[12]
第一表示画面を含む第一表示装置と、
前記第一表示装置が収容され、前記第一表示画面が露出された第一開口部が設けられた第一面部と、この第一面部の周縁に沿った第一角部と、を有した第一筐体と、
第二表示画面を含む第二表示装置と、
前記第二表示装置が収容され、前記第二表示画面が露出された第二開口部が設けられた第二面部と、この第二面部の周縁に沿うとともに前記第一角部の近傍で該第一角部に対して平行に延びた第二角部と、を有した第二筐体と、
前記第一角部の長手方向の第一端部から当該長手方向と交叉した方向に沿って前記第二筐体とは反対側に離れた第一位置で前記第一筐体に接続され、前記第一位置から前記第一端部側に向けて延びた第一部分を有した第一部品と、
前記第二角部の長手方向の第二端部から当該長手方向と交叉した方向に沿って前記第一筐体とは反対側に離れた第二位置で前記第二筐体に接続され、前記第二位置から前記第二端部側に向けて延びた第二部分を有した第二部品と、
前記第一部分と前記第二部分とを、前記第一角部または前記第二角部の長手方向の視線で、前記第一表示画面と前記第二表示画面とが同じ側を向いて並んだ展開状態における前記第一角部と前記第二角部との間の位置であって前記第一表示画面および前記第二表示画面上に離間した位置で、回動可能に接続した接続部と、
を備えた、電子機器。
[13]
前記回動中に前記第一角部と前記第二角部との距離が一定に維持される、[11]または[12]に記載の電子機器。
[14]
前記回動中に前記第一角部と前記第二角部との距離が一定以下に維持される、[11]または[12]に記載の電子機器。
【符号の説明】
【0061】
1…電子機器、2…第一筐体、2a,2j,3a,3j…面(外面)、2f…凹部(第一凹部)、2q…エッジ部(第一角部)、2u…開口部(第一開口部)、3…第二筐体、3f…凹部(第二凹部)、3q…エッジ部(第二角部)、3n…開口部(第二開口部)、5,5A〜5C…ヒンジ機構(接続部)、6…ディスプレイパネル(表示装置、モジュール)、6a…表示画面、24,29…第一部品、24a,29a…シャフト(第一部分)、25,30,37…第二部品、25a,30a,37a…シャフト(第二部分)、27,33…第三部品、29b,38a…カム(第一当接部)、30b,37b,38b…カム(第二当接部)、31a,31b…当接領域(滑り抑制要素)、32,35…コイルばね(押付要素)、36…第一部品(第一部分、第一当接部)。
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、二つの筐体が回動可能に連結され、二つの筐体が閉じられた折り畳み状態と二つの筐体が開かれた展開状態とを切り替え可能な電子機器が、知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−222079号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種の電子機器では、二つの筐体の周縁部同士が近接した状態にあることが望まれる場合がある。
【0005】
本発明の実施形態は、二つの筐体の周縁部同士をより近接した状態にしやすい電子機器を得ることを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態にかかる電子機器は、第一表示装置と、第一筐体と、第二表示装置と、第二筐体と、ヒンジ機構と、を備える。第一表示装置は、第一表示画面を含む。第一筐体は、第一表示装置を収容し、第一表示画面が露出された第一開口部が設けられた第一面部と、この第一面部の周縁に沿った第一角部と、を有する。第二表示装置は、第二表示画面を含む。第二筐体は、第二表示装置を収容し、第二表示画面が露出された第二開口部が設けられた第二面部と、この第二面部の周縁に沿うとともに前記第一角部の近傍で該第一角部に対して平行に延びた第二角部と、を有する。ヒンジ機構は、前記第一筐体に接続された第一接続部と、前記第二筐体に接続された第二接続部と、を有し、第一筐体と第二筐体とを回動可能に接続し、第一筐体と第二筐体との回動中に、第一接続部と第二接続部との間の距離を変化させることで当該回動中における第一角部と第二角部とが互いに平行な状態で第一角部と第二角部との間の距離が所定距離以内に維持される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、一実施形態にかかる電子機器の展開状態の一例を示す斜視図である。
【図2】図2は、一実施形態にかかる電子機器の展開状態の一例を示す側面図である。
【図3】図3は、一実施形態にかかる電子機器の展開状態の一例を示す平面図である。
【図4】図4は、一実施形態にかかる電子機器の展開状態の一例を示す側面図である。
【図5】図5は、一実施形態にかかる電子機器の折り畳み状態の一例を示す側面図である。
【図6】図6は、一実施形態にかかる電子機器の折り畳み状態の一例を示す平面図である。
【図7】図7は、一実施形態にかかる電子機器の展開状態の一例を示すさらに別の視線での斜視図である。
【図8】図8は、一実施形態にかかる電子機器の展開状態の一例を示すさらに別の視線での斜視図である。
【図9】図9は、一実施形態にかかる電子機器の制御回路の一例を示す概略図である。
【図10】図10は、第1実施形態にかかる電子機器に含まれるヒンジ機構の一例を示す斜視図であって、二つの筐体が展開された状態での図である。
【図11】図11は、第1実施形態にかかる電子機器に含まれるヒンジ機構の一例を示す斜視図であって、二つの筐体が図10より狭められた状態での図である。
【図12】図12は、第1実施形態にかかる電子機器に含まれるヒンジ機構の一例を示す斜視図であって、二つの筐体が図11より狭められた状態での図である。
【図13】図13は、第1実施形態にかかる電子機器に含まれるヒンジ機構の一例を示す斜視図であって、二つの筐体が折り畳まれた状態での図である。
【図14】図14は、第2実施形態にかかる電子機器に含まれるヒンジ機構の一例を示す斜視図である。
【図15】図15は、第2実施形態にかかる電子機器に含まれるヒンジ機構の一例を示す側面図であって、二つの筐体が展開された状態での図である。
【図16】図16は、第2実施形態にかかる電子機器に含まれるヒンジ機構の一例を示す側面図であって、二つの筐体が図15より狭められた状態での図である。
【図17】図17は、第2実施形態にかかる電子機器に含まれるヒンジ機構の一例を示す側面図であって、二つの筐体が図16より狭められた状態での図である。
【図18】図18は、第2実施形態にかかる電子機器に含まれるヒンジ機構の一例を示す側面図であって、二つの筐体が折り畳まれた状態での図である。
【図19】図19は、第2実施形態の変形例にかかる電子機器に含まれるヒンジ機構の一例を示す側面図である。
【図20】図20は、第2実施形態の変形例にかかる電子機器に含まれるヒンジ機構の一例を示す正面図である。
【図21】図21は、第3実施形態にかかる電子機器に含まれるヒンジ機構の一例を模式的に示す側面図であって、二つの筐体が展開された状態での図である。
【図22】図22は、第3実施形態にかかる電子機器に含まれるヒンジ機構の一例を模式的に示す側面図であって、二つの筐体が図21より狭められた状態での図である。
【図23】図23は、第3実施形態にかかる電子機器に含まれるヒンジ機構の一例を模式的に示す側面図であって、二つの筐体が折り畳まれた状態での図である。
【図24】図24は、第4実施形態にかかる電子機器の展開状態の一例を示す斜視図である。
【図25】図25は、第1実施形態の変形例にかかる電子機器の展開状態の一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に示される複数の実施形態あるいは実施例には、同様の構成要素が含まれている。よって、以下では、これら同様の構成要素には共通の符号が付与され、重複する説明が省略される。
【0009】
<第1実施形態>
図1等に示されるように、本実施形態にかかる電子機器1は、所謂ノート型のパーソナルコンピュータとして構成されている。電子機器1は、矩形状の扁平な第一筐体(筐体、第一部分)2と、矩形状の扁平な第二筐体(筐体、第二部分)3と、を備えている。これら第一筐体2および第二筐体3は、接続部分(第三筐体、第三部分)4を介して、図1〜4等に示される展開状態と図5,6等に示される折り畳み状態との間で相対回動可能(相対移動可能)に接続されている。図3,4等に示されるように、第一筐体2と第二筐体3とが最大角度(180°)に展開された展開状態では、第一筐体2の面(前面、表面)2aと第二筐体3の面(前面、表面)3aとがほぼ平面状に連なる。一方、図5に示されるように、折り畳み状態では、第一筐体2の面2aと第二筐体3の面3aとが対向し、近接する。
【0010】
本実施形態では、第一筐体2および第二筐体3の折り畳みの角度によらず、すなわち、図1〜6等に示されるような展開状態や折り畳み状態の種々の角度で、第一筐体2の周縁部の一部としての端部(辺部)2bと、第二筐体3の周縁部の一部としての端部(辺部)3bとが、相互に近接してほぼ並行して(平行に)沿っている。すなわち、本実施形態では、端部2b,3bが基端部となり、それらの反対側の端部2c,3cが先端部となる姿勢で、第一筐体2と第二筐体3とが、相対回動可能に接続されている。本実施形態では、端部2bが第一端部の一例であり、端部3bが第二端部の一例である。
【0011】
接続部分4の筐体4e内には、第一筐体2と第二筐体3とを回動可能に接続するヒンジ機構(接続部、ヒンジ部、回動連結部)5が収容されている。ヒンジ機構5(図10参照)は、第一筐体2および第二筐体3の基端部、すなわち、端部2bおよび端部3bを、回動可能に接続する。接続部分4の筐体4eは、ヒンジ機構5のカバーの一例である。
【0012】
また、本実施形態では、接続部分4は、図6に示されるように、ベース部(基部、長部、第一部)4cと、突出部(端部、第二部)4dとを有する。ベース部4cは、第一筐体2の端部2bおよび第二筐体3の端部3bに隙間をあけて対向し、端部2b,3bに沿って延びている。また、ベース部4cは、図2等に示されるように、端部2b,3bから離れる方向に延びている。そして、図6に示されるように、突出部4dは、ベース部4cの長手方向両端部から、第一筐体2の端部(辺部)2d,2eおよび第二筐体3の端部(辺部)3d,3eに沿って、第一筐体2の端部2cおよび第二筐体3の端部3c側に延びている。そして、第一筐体2の端部2d,2eおよび第二筐体3の端部3d,3eには、二つの突出部4dに対応して、切欠状の凹部(切欠部、領域、空間)2f,3fが設けられている。突出部4dは、凹部2f,3f内に収容されている。そして、本実施形態では、二つの突出部4dのそれぞれに、独立したヒンジ機構5が収容されている。本実施形態では、接続部分4や端部2b,3bの所要の剛性が確保され、二つのヒンジ機構5(図5参照)での回動状態がほぼ同じになるように構成されている。
【0013】
図1,3等に示されるように、第一筐体2は、壁部として、前面としての面2aを形成する前壁2g、後面としての面2hを形成する後壁2i(図5参照)、および側面としての面2jを形成する周壁(側壁)2kを有している。前壁2gには、矩形状の開口部(貫通部、穴部)2nが設けられている。第一筐体2内には、表示モジュール(表示装置、モジュール)としてのディスプレイパネル6が収容されている。ディスプレイパネル6は、一例としては、液晶ディスプレイ(LCD,liquid crystal display)や、有機ELディスプレイ(OELD,organic electroluminescent display)等として構成されうる。そして、ディスプレイパネル6の前面の一部である表示画面(画面、表示面)6aが、開口部2nから露出している。なお、第一筐体2は、四つの角部2mを有している。これら四つの角部2mのうち、基端部としての端部2b側の二つの角部2mには、上述したように、接続部分4の突出部4dが収容される凹部2fが、設けられている。
【0014】
また、図1,3等に示されるように、第二筐体3は、壁部として、前面としての面3aを形成する前壁3g、後面としての面3hを形成する後壁3i(図5参照)、および側面としての面3jを形成する周壁(側壁)3kを有している。前壁3gには、矩形状の開口部(貫通部、穴部)3nが設けられている。第二筐体3内には、表示モジュール(表示装置、モジュール)としてのディスプレイパネル6が収容されている。ディスプレイパネル6は、一例としては、液晶ディスプレイ(LCD,liquid crystal display)や、有機ELディスプレイ(OELD,organic electroluminescent display)等として構成されうる。そして、ディスプレイパネル6の前面の一部である表示画面(画面、表示面)6aが、開口部3nから露出している。なお、第二筐体3は、四つの角部3mを有している。これら四つの角部3mのうち、基端部としての端部3b側の二つの角部3mには、上述したように、接続部分4の突出部4dが収容される凹部3fが、設けられている。
【0015】
ここで、図1,3等に示されるように、本実施形態では、第一筐体2の開口部2nは、端部2bの凹部2f,2f間の領域(突出部)に進出し、開口部2nの端部2b側の縁2pは、端部2b(面2aの周縁に沿った周縁部の一部としてのエッジ部(角部)2q側)の近傍に位置されている。また、第二筐体3の開口部3nは、端部3bの凹部3f,3f間の領域(突出部)に進出し、開口部3nの端部3b側の縁3pは、端部3b(面3aの周縁に沿った周縁部の一部としてのエッジ部(角部)3q側)の近傍に位置されている。すなわち、本実施形態では、開口部2n,3n同士が、相互に近接して配置されている。したがって、図1,3等に示されるように、展開状態において、第一筐体2の表示画面6aと第二筐体3の表示画面6aとの間の表示不能区間(非表示区間、非表示部分、非表示幅)をより狭くする(小さくする)ことができる。これにより、二つの表示画面6aに連続した映像(静止画、動画等)が表示される場合に、二つの表示画面6aで映像のずれを減らしやすい。
【0016】
また、各ディスプレイパネル6の前面側には、入力操作部として、薄型のタッチパネルユニット7が設けられている。タッチパネルユニット7は、その前面側での手指やスタイラス等による接触状態や近接状態(あるいはその変化)を検知する。また、タッチパネルユニット7は透明に構成されている。よって、表示画面6aに映し出された映像の光は、タッチパネルユニット7を介して前面側に出射される。この光を使用者(操作者)が映像として視認する。
【0017】
また、展開状態で開口部2n,3nの周囲に露出する面(前面、縁面)2a,3aには、操作部(入力部)8として、例えば、ボタン(電源ボタン、クリックボタン等)や、カーソル等の表示画面6a内での選択領域を移動させるポインティングデバイス等が設けられうる。また、この面2a,3aには、例えば、撮像部としてのカメラや音声入力部としてのマイクロフォン等の入力部9、あるいは、音声出力部としてのスピーカや表示出力部としてのランプやLED(light emitting diode)等の出力部10等が設けられうる。
【0018】
上述したように、本実施形態では、各ディスプレイパネル6の前面側にはタッチパネルユニット7が位置されているため、開口部2n,3n内の表示画面6aの領域がほぼ全体的に入力操作部となりうる。ここで、本実施形態にかかる電子機器1は、図1,2等に示されるように、第一筐体2および第二筐体3のうち一方(例えば第一筐体2)が平面P(載置面、図2参照)上に載置され、かつ他方(例えば第二筐体3)が第一筐体2から起立された使用形態(第一の置きモードのうちの一つ)で使用することができる。この場合には、自動的にあるいは手動操作により、当該一方(載置部分、第一筐体2)の表示画面6aに文字の入力部分(例えば、キーボードの画像や、文字を囲う枠の画像、文字に対応した要素の画像等)を表す画像(図示せず)が表示される。
【0019】
このような、第一筐体2および第二筐体3のうちいずれか一方が平面P(載置面)上に載置される置きモードとしては、(1)第一筐体2が載置部分(平置部分、横置部分)となって第二筐体3が起立部分(縦置部分)となる形態(第一の置きモードのうちの一つ、図1,2等参照)と、(2)第二筐体3が載置部分となって第一筐体2が起立部分となる形態との二つの形態(第一の置きモードのうちのもう一つ、図示せず)がある。電子機器1は、どちらの形態(姿勢)でも使用できるように構成することができる。ただし、例えば、何らかの理由で、置きモードとしては、いずれか一方の形態(例えば上記(1))にしたいような場合、面2a,3aに、電子機器1の使用形態を示唆する、すなわち方向を意識させ得る表示要素(例えば、図柄、絵、記号、文字等)11を、付与することができる。なお、表示要素11は、ロゴマークや、商品名、メーカ名等であってもよい。また、図4のように、(3)第一筐体2および第二筐体3のうち載置部分ではない方を起立させずに平面P(載置面)上に置いて使用することも可能である(第二の置きモード)。
【0020】
また、本実施形態にかかる電子機器1は、(4)第一筐体2の端部2dと第二筐体3の端部3dとが平面P(載置面)上に載置される形態(第三の置きモードのうちの一つ、図7参照)でも使用することができ、さらに、(5)第一筐体2の端部2eと第二筐体3の端部3eとが平面P(載置面)上に載置される形態(第三の置きモードのうちのもう一つ、図示せず)でも使用することができる。
【0021】
ここで、本実施形態では、接続部分4は、端部2d,3dに沿って端部2b,3bから離間する方向に延びており、上記(4)の形態で使用される際に平面P(載置面)に接触する接触部4f(図1,2等参照)を有している。また、接続部分4は、接触部4fの反対側に、端部2e,3eに沿って端部2b,3bから離間する方向に延びて、上記(5)の形態で使用される際に平面P(載置面)に接触する接触部4g(図7参照)を有している。このように、本実施形態では、接続部分4が表示画面6aの後面側に延びたことで、端部2b,3bから、平面P(載置面)に沿って、三方向に、支持部が延びている。よって、上記(4),(5)の第三の置きモードでも、接続部分4が無い場合に比べて、より安定的に電子機器1を載置することができる。この接続部分4により、第三の置きモードで使用される場合に、電子機器1が後面側に倒れにくくなる。
【0022】
また、本実施形態では、図5等に示されるように、第一筐体2の幅方向両側の端部2d,2eおよび第二筐体3の幅方向両側の端部3d,3eには、表示画面6aの反対側に位置した壁部としての後壁2i,3iの周縁部から外側に張り出す突出部(張出部、壁部)2r,3rが設けられている。そして、上記(4),(5)の第三の置きモード(図7参照)では、平面P(載置面)上には、接触部4f,4gとともに、これら突出部2r,3rが当接する。したがって、突出部2r,3rが設けられていない場合に比べて、電子機器1が机上等に載置される際などに、ディスプレイパネル6に衝撃が入力されにくくなり、ディスプレイパネル6の保護性を高めることができる。また、突出部2r,3rが突出した分、ディスプレイパネル6を机上等の載置面から離間した状態に位置させることができるため、机上等の載置面等の平面P上に水等の液体がこぼれていたような状況にあっても、その液体がディスプレイパネル6に触れにくくなる。さらに、突出部2r,3rは、先端側の端部2c,3cにも設けられている。よって、突出部2r,3rに手指等を掛けることで、折り畳み状態(閉じた状態)から第一筐体2および第二筐体3を開きやすくなるという利点もある。本実施形態では、突出部2r,3rは、第一筐体2の端部2b以外の三つの端部2c,2d,2eと第二筐体3の端部3b以外の三つの端部3c,3d,3eに設けられている。
【0023】
また、本実施形態では、使用者は、(6)第一筐体2および第二筐体3を横(左右)に並べた図7に示される姿勢で電子機器1を持つ形態(第一の持ちモード)では、端部2b,3bから後面側に延びた(突出した)接続部分4を、持ち部(把持部、保持部)として用いることができる。したがって、使用者は、表示画面6aに接触することなく、手指等で電子機器1を持つことができる。また、使用者は、電子機器1を手で持ちやすくなる。
【0024】
一方、本実施形態では、使用者は、(7)第一筐体2および第二筐体3を縦(上下)に並べた図3に示される姿勢で把持する形態(第二の持ちモード)では、第一筐体2または第二筐体3の端部2c,2d,2e,3c,3d,3eを、持ち部(把持部、保持部)として用いることができる。本実施形態では、端部2c,2d,2e,3c,3d,3eでは、ディスプレイパネル6(開口部2n,3n)の縁は、対応する面2a,3aの外縁から離間しているため、使用者が手指等で電子機器1の端部2c,2d,2e,3c,3d,3eを持つ際に、手指等が表示画面6aに接触しにくい。
【0025】
また、本実施形態では、図8に示されるように、接続部分4の外面(面)4hには、外部コネクタを差し込むコネクタ(例えば、AC(alternating current)アダプタ用のコネクタ、USB(universal serial bus)コネクタ、カードコネクタ等)等の部品(結合部、結合体)の結合部14や、操作ボタン(押しボタン)、スイッチ等の操作部(入力操作部)15を、設けることができる。結合部14や操作部15は、外面4hのうち、各形態(特に置きモードの(1)や(2)等)で露出している部分や露出しやすい部分に設けるのが、好適である。
【0026】
さらに、接続部分4は、電子機器1を動作させる電源となるバッテリ13を装着(保持、収容、取付)することができる。このバッテリ13は、接続部分4に着脱可能に構成することができる。本実施形態では、接続部分4は、端部2b,3bに沿って延びているため、比較的長くより容量の大きいバッテリ13を装備しやすい。
【0027】
また、第一筐体2および第二筐体3のうち少なくとも一方には、図示しない回路基板や電子部品等が収容され、図9に示されるような、制御回路12が構成されている。本実施形態では、制御回路12は、制御部12a、記憶部12b、姿勢センサ12c、開閉センサ12d、入力部12e、出力部12f等を有する。制御部12aは、例えばCPU(Central Processing Unit)として構成され、姿勢センサ12cによる姿勢検知結果や、入力部12eによる入力結果に基づいて、出力部12fを制御する。姿勢センサ12cは、例えば加速度センサ等として構成され、電子機器1の姿勢を検知する。開閉センサ12dは、例えば接触センサや、圧力センサ、非接触センサ(磁気センサ)等として構成され、第一筐体2と第二筐体3との開閉位置や、開閉状態、相対位置、角度等を検知する。入力部12eは、例えば、タッチパネルユニット7や、上述した入力部8,9等として構成される。出力部12fは、例えば、ディスプレイパネル6や、上述した出力部10等として構成される。制御部12aは、表示制御部の一例であり、入力部12e(入力部8)は、入力操作部の一例である。なお、制御回路12には、コントローラ(図示せず)等も設けられる。
【0028】
ヒンジ機構5は、第一角部としてのエッジ部2qおよび第二角部としてのエッジ部3qのうち一方を、他方に対して、隙間をあけて、その周囲(周辺)で、近接した状態(近傍(近く)に位置した状態)で、回動させる。すなわち、ヒンジ機構5は、第一筐体2に接続された第一部分としてのシャフト(接続部、固定部、取付部)24aと、第二筐体3に接続された第二部分としてのシャフト(接続部、固定部、取付部)25aとを有する。そして、ヒンジ機構5は、各部や各部品を介して、第一筐体2と第二筐体3とを回動可能に接続する。また、ヒンジ機構5は、第一筐体2と第二筐体3との回動中に、シャフト24aとシャフト25aとの距離の変化を許容して、エッジ部2q,3q同士(端部2b,3b同士)の距離の変化を抑制している。
【0029】
図10〜13には、本実施形態にかかるヒンジ機構5の一例が示されている。ヒンジ機構5は、第一筐体2に接続された第一部品24と、第二筐体3に接続された第二部品25と、を有する。第一部品24は、第一筐体2に固定されたシャフト24aと、シャフト24aに固定されたアーム(突出部、回動部)24bと、を有する。第二部品25は、第二筐体3に固定されたシャフト25aと、シャフト25aに固定されたアーム(突出部、回動部)25bと、を有する。
【0030】
そして、本実施形態では、アーム24bおよびアーム25bの先端部(シャフト24a,25aから離間した部位)同士が、円柱状(丸棒状)の連結部材(軸受部材、軸部材、介在部材、シャフト)26を介して、回動可能に連結されている。したがって、本実施形態では、連結部材26の軸心が、第一筐体2と第二筐体3との回動軸Axである。連結部材26の位置が、第一部品24と第二部品25との接続位置Cpである。なお、シャフト24a,25aは、第一筐体2または第二筐体3からエッジ部2q,3qに沿う方向に突出した突出部の一例でもある。シャフト24a,25aは並行して(平行に)配置されている。また、アーム24b,25bは、シャフト24a,25bの長手方向(突出方向)に沿って間隔をあけて二個ずつ設けられており、連結部材26は、これら二つのアーム24b,24bおよびアーム25b,25b間で架け渡されて、アーム24b,24bおよびアーム25b,25bによって、その両端部が支持されている。
【0031】
ここで、本実施形態では、接続位置Cp(連結部材26)は、シャフト24a,25aよりも、エッジ部2q,3qの近くに位置されている。具体的には、接続位置Cp(連結部材26、回動軸Ax)が、エッジ部2q,3qの端部2qa,3qaに対して、エッジ部2q,3qに沿った方向の外方(図10〜13では手前側)に位置されている。回動軸Axは、図10の展開状態で、エッジ部2qとエッジ部3qとの間の隙間の中央の位置に対して、第一筐体2および第二筐体3の面2a,3aより当該隙間の半分の高さだけ離れた位置に、位置されている。したがって、図10〜13に示されるように、エッジ部2qはエッジ部3qの回りを回動し、これに伴って、第一筐体2および第二筐体3は、エッジ部2q,3qに近接した位置にある回動軸Axを中心として回動する。
【0032】
このとき、図10〜13を参照すれば、ヒンジ機構5では、シャフト24a,25a間の距離L1〜L4が、短い状態、長い状態、短い状態と変化していることが、理解できよう。すなわち、図10に示される180°の展開状態(図4参照)でのシャフト24a,25a間の距離L1に対して、図10よりも第一筐体2および第二筐体3を閉じた状態(図11)でのシャフト24a,25a間の距離L2は長くなる。また、図11の状態でのシャフト24a,25a間の距離L2に対して、図11よりも第一筐体2および第二筐体3を閉じた状態(図12)でのシャフト24a,25a間の距離L3は長くなる。シャフト24a,25a間の距離(L1〜L4)は、第一筐体2(の面2aや表示画面6a)と第二筐体3(の面3aや表示画面6a)との角度がほぼ直角(90°)であるときに最大となる。シャフト24a,25a間の距離が最大となるこの角度より角度が小さくなると、シャフト24a,25a間の距離は徐々に短くなる。そして、図13に示されるように、0°の折り畳み状態(図5参照)でのシャフト24a,25a間の距離L4は、図10に示される180°の展開状態でのシャフト24a,25a間の距離L1と同じになる。このようなヒンジ機構5の構成および動作により、エッジ部3qは、エッジ部2qの回りを、隙間をあけて近接した状態で回動する。なお、第一筐体2および第二筐体3の回動は相対的なものであるから、エッジ部3qがエッジ部2qの周囲を回動するときには、エッジ部2qがエッジ部3qの周囲を回動している。
【0033】
また、本実施形態にかかるヒンジ機構5は、第一部品24および第二部品25に回動可能に支持されたあるいは接続された第三部品27と、この第三部品27と第一部品24および第二部品25との間のそれぞれに介在する抵抗要素28と、を有している。
【0034】
第三部品27は、一例として、比較的細長い板状の部材として構成されている。そして、第三部品27の長手方向の一方側には、シャフト25aが貫通する貫通孔(円形孔、開口部、支持孔部)27aが設けられるとともに、他方側には、シャフト24aが貫通し、その長手方向に沿って延びた長穴状の開口部(貫通孔、スリット、溝、ガイド)27bが設けられている。第三部品27は、シャフト25aに回動可能に支持されるとともに、シャフト24aに回動可能かつ開口部27bに沿って移動可能に支持されている。図10〜13を参照すれば明らかとなるように、第一筐体2および第二筐体3の回動に伴って、第三部品27と第一部品24および第二部品25とは、相対的に回動する。
【0035】
抵抗要素(当接要素、摩擦要素、保持要素)28は、一例として、シャフト24a,25aが貫通する複数のリング状の皿ばねを積み重ねて構成されている。抵抗要素28は、第三部品27と第一部品24との間、ならびに第三部品27と第二部品25との間に、それぞれ介在されている。すなわち、抵抗要素28の一つは、第三部品27と第一部品24とに当接して挟まれ、抵抗要素28のもう一つは、第三部品27と第二部品25とに当接して挟まれている。これら二つの抵抗要素28は、それぞれ弾性的な反発力(押圧力)を与え、第一部品24と第三部品27との間、ならびに第二部品25と第三部品27との間、ひいては、第一部品24と第二部品25との間、さらには、第一筐体2と第二筐体3との間に、摩擦抵抗を生じさせている。このように、本実施形態では、第三部品27と抵抗要素28とを含む構成によって、第一筐体2と第二筐体3との間に、摩擦抵抗を生じさせることができる。なお、抵抗要素28は、シャフト24a,25aのうちいずれか一方のみに対応させて設けることができる。
【0036】
また、本実施形態では、第一筐体2および第二筐体3がずれるのを抑制する係合機構(係り機構)21が設けられている。係合機構21は、図1等に示すように、第二筐体3に設けられた突起21aと、第一筐体2に設けられて突起21aを受け容れる凹部21cを有した受容部21bとを有する。突起21aは第二係合部の一例であり、受容部21bは第一係合部の一例である。本実施形態では、第一筐体2および第二筐体3の先端側の端部2c,3cの端部(両端部)に、係合機構21を構成する突起21aおよび受容部21bが設けられている。突起21aおよび受容部21bが、回動軸Axと交叉する方向に係合する(係る)。なお、本実施形態では、突起21aと受容部21bとの係合によって、第一筐体2の面2aと第二筐体3の面3aとが隙間をあけて対向することができる。しかし、他の部位の凹凸構造等で、第一筐体2の面2aと第二筐体3の面3aとの間に隙間が設けられてもよい。
【0037】
また、何らかの理由で、置きモードとしては、いずれか一方の形態(例えば上記(1))にしたいような場合、第一筐体2および第二筐体3のうち、平面P(載置面)上に載置される載置部分である方(例えば、第一筐体2)に、突起21aがあると、使用者の手指等と突起21aとが干渉しやすくなる。そこで、突起21aは、載置部分(例えば、第一筐体2)に設けられ、受容部21bは、起立部分(例えば、第二筐体3)に設けられるのが好適である。この場合、表示制御部としての制御部12aは、載置部分である方(例えば、第一筐体2)の表示画面6aに、文字の入力部分(例えば、キーボードの画像や、文字を囲う枠の画像、文字に対応した要素の画像等)を表す画像(図示せず)を表示させる。その場合、さらに、抵抗機構16A,16Bの抵抗力の大きさを相異ならせることで、載置部分と起立部分とを規定しやすくなる。すなわち、上述したように、例えば、抵抗機構16Aの抵抗力を抵抗機構16Bの抵抗力より大きく設定することで、図12のヒンジ機構5の状態、および図13の電子機器1の状態、すなわち、第一筐体2が載置部分となって第二筐体3が起立部分となる状態を、得やすくなり、ひいては、使用者の手指と突起21aとがより干渉しにくくなる。
【0038】
また、本実施形態では、端部2c,3c側の側壁(周壁)2k,3kは、第一筐体2および第二筐体3の内部側に凹む状態に曲がった部分(凹部)2v(図1参照),3v(図7参照)を有している。これらの部分2v,3vは連なって、対向する面2a,3aの部分が底部である一連の曲面(側面)を形成している。これにより、使用者が第一筐体2と第二筐体3とを開く際に、先端側の端部2c,3c側の側壁(周壁)2k,3kに手指を掛けやすくなる。
【0039】
以上、説明したように、本実施形態では、接続部としてのヒンジ機構5は、第一角部としてのエッジ部2qおよび第二角部としてのエッジ部3qのうち一方が他方に隙間をあけて近接した状態で回動可能に、第一筐体2と前記第二筐体3とを接続することができる。また、本実施形態では、ヒンジ機構5は、第一筐体2および第二筐体3の回動に際して、第一部分としてのシャフト24aと、第二部分としてのシャフト25aとの相対的な距離の変化を許容して、当該回動中における第一角部としてのエッジ部2qと第二角部としてのエッジ部3qとの距離が変化するのを抑制することができる。よって、第一筐体2および第二筐体3の角度に係わらず、周縁部(エッジ部2q,3q)同士を、より近接した状態に維持しやすい。
【0040】
また、本実施形態では、第一部品24と第二部品25との接続位置Cpが、第一部分としてのシャフト24aおよび第二部分としてのシャフト25aより、エッジ部2q,3qの近くに位置されている。よって、第一筐体2と第二筐体3とが回動する際にエッジ部2q,3qの距離が変化する(隙間が拡大する)のを、比較的簡素な構成によって抑制することができる。さらに、本実施形態では、接続位置Cpが、エッジ部2qおよびエッジ部3qの端部2qa,3qaに対してエッジ部2qおよびエッジ部3qの外方に位置されている。よって、エッジ部2q,3qの距離が変化する(隙間が拡大する)のをより抑制することができる。
【0041】
また、本実施形態では、ヒンジ機構5および接続位置Cpが、第一筐体2および第二筐体3の角部2m,3mに設けられた凹部2f,3fのうち少なくともいずれか一方に、配置されている。よって、接続位置Cpを、エッジ部2q,3q(の延長線上)により近づけて位置させやすくなる。
【0042】
<第2実施形態>
図14〜18には、本実施形態にかかるヒンジ機構5Aの一例が示されている。本実施形態でも、ヒンジ機構5Aは、第一角部としてのエッジ部2qおよび第二角部としてのエッジ部3qのうち一方を、他方の周囲で、隙間をもって近接した状態で、回動させる。すなわち、ヒンジ機構5Aは、第一筐体2に接続された第一部分としてのシャフト(接続部、固定部、取付部)29aと、第二筐体3に接続された第二部分としてのシャフト(接続部、固定部、取付部)30aとを有する。そして、ヒンジ機構5Aは、各部や各部品を介して、第一筐体2と第二筐体3とを回動可能に接続する。また、ヒンジ機構5Aは、第一筐体2と第二筐体3との回動中に、シャフト29aとシャフト30aとの距離の変化を許容して、エッジ部2q,3q同士(端部2b,3b同士)の距離の変化を抑制している。なお、本実施形態にかかるヒンジ機構5Aは、上記第1実施形態にかかるヒンジ機構5に替えて電子機器1に装備することができる。すなわち、本実施形態にかかる電子機器1のヒンジ機構5A以外の構成は、上記第1実施形態と同様に構成できるため、説明を省略する。
【0043】
ヒンジ機構5Aは、第一筐体2に接続された第一部品29と、第二筐体3に接続された第二部品30と、を有する。第一部品29は、第一筐体2に固定されたシャフト29aと、シャフト29aに固定されたカム(当接部、接触部、押圧部、位置決め部)29bと、を有する。カム29bは、シャフト29aの径方向に突出している。第二部品30は、第二筐体3に固定されたシャフト30aと、シャフト30aに固定されたカム(当接部、接触部、押圧部、位置決め部)30bと、を有する。カム30bは、シャフト30aの径方向に突出している。カム29bは、当接領域31a,31bが当接する範囲で、カム30bの周囲を転動する。すなわち、カム30bは、当接領域31a,31bが当接する範囲で、カム29bの周囲を転動する。カム29bは、第一当接部の一例であり、カム30bは、第二当接部の一例である。
【0044】
そして、本実施形態では、ヒンジ機構5Aは、第一部品29と第二部品30とを押し付ける押付要素としてコイルばね(弾性要素、付勢要素、押圧要素)32を有している。本実施形態では、コイルばね32は、ねじりばねとして用いられている。コイルばね32は、中間部としての巻回部32aと、その両側の二つの端部としての引掛部32bと、を有している。引掛部32bの一方はシャフト29aに引っ掛けられ、他方はシャフト30aに引っ掛けられている。コイルばね32は、引掛部32bを介して、シャフト29a,30aに、これらシャフト29a,30a同士が離間するのを抑制する方向の荷重を与える。したがって、コイルばね32により、カム29b,30b同士が押し付けられ、カム29b,30b同士、ひいては第一部品29および第二部品30、さらには第一筐体2および第二筐体3が離間するのが、抑制される。
【0045】
また、カム29b,30bの当接領域(接触領域、噛み合い領域、係合領域、押圧領域、外周、周面)31a,31bには、シャフト29a,30aの延びた方向に沿った凹凸形状(例えば、突起や、凹部、歯等)が設けられている。カム29b,30bの当接領域31a,31b同士が当接すると、これら当接領域31a,31b同士が当接して、カム29b,30b同士が周方向にずれる(滑る、外れる)のが抑制される。なお、シャフト29a,30aは、第一筐体2または第二筐体3からエッジ部2q,3qに沿う方向に突出した突出部の一例でもある。シャフト29a,30aは並行して(平行に)配置されている。また、本実施形態では、当接領域31a,31bは、シャフト29a,30aよりも、エッジ部2q,3qの近くに位置されている。凹凸形状は、滑り抑制要素の一例である。
【0046】
このような構成のヒンジ機構5Aでは、図15〜18に示されるように、第一筐体2および第二筐体3の回動に伴って、カム29b,30bの当接領域31a,31bでの当接位置および当接姿勢が変化する。すなわち、第一筐体2および第二筐体3は、カム29b,30bの形状(プロファイル)にしたがって、回動する。図15〜18を参照すれば、本実施形態でも、ヒンジ機構5Aでも、シャフト29a,30a間の距離L11〜L14が、短い状態、長い状態、短い状態と変化していることが、理解できよう。すなわち、図15に示される180°の展開状態(図4参照)でのシャフト29a,30a間の距離L11に対して、図15よりも第一筐体2および第二筐体3を閉じた状態(図16)でのシャフト29a,30a間の距離L12は長くなる。また、図16の状態でのシャフト29a,30a間の距離L12に対して、図16よりも第一筐体2および第二筐体3を閉じた状態(図17)でのシャフト29a,30a間の距離L13は長くなる。シャフト29a,30a間の距離(L11〜L14)は、第一筐体2(の面2aや表示画面6a)と第二筐体3(の面3aや表示画面6a)との角度がほぼ直角(90°)であるときに最大となる。シャフト29a,30a間の距離が最大となるこの角度より角度が小さくなると、シャフト29a,30a間の距離は徐々に短くなる。そして、図18に示されるように、0°の折り畳み状態(図5参照)でのシャフト29a,30a間の距離L14は、図15に示される180°の展開状態でのシャフト29a,30a間の距離L11と同じになる。このようなヒンジ機構5Aの構成および動作により、エッジ部3qは、エッジ部2qの回りを、隙間をあけて近接した状態で回動する。なお、第一筐体2および第二筐体3の回動は相対的なものであるから、エッジ部3qがエッジ部2qの周囲を回動するときには、エッジ部2qがエッジ部3qの周囲を回動している。
【0047】
カム29b,30bの当接領域31a,31bでのプロファイル(形状)は、鏡像関係にある。すなわち、図15で左右対称となっている。また、このプロファイルは、基本的には、第一筐体2および第二筐体3の端部2b,3b(エッジ部2q,3q)の形状に沿っている。ただし、回動姿勢の急変を避けるため、プロファイルは、エッジ部2q,3qに対応する部分では、筐体外側に凸に湾曲した形状に形成され、滑らかに形成されている。また、当接領域31a,31bの全域で、図15〜18等の側面視で、第一筐体2および第二筐体3の前面としての面2a、ならびに側面としての面2jより筐体外側(外方)に配置されている。これにより、第一筐体2および第二筐体3が干渉するのが抑制されている。
【0048】
また、本実施形態にかかるヒンジ機構5Aは、第一部品29および第二部品30に移動可能に支持されたあるいは接続された第三部品33と、この第三部品33と第一部品29および第二部品30との間のそれぞれに介在する抵抗要素28と、を有している。
【0049】
第三部品33は、一例として、連結点33cで回動可能に接続された比較的細長いプレート状のアーム33a,33bを有したリンクアームとして構成されている。アーム33a,33b同士の角度が変化することで、第三部品33は、シャフト29a,30a間の距離の変化に応じて伸縮する。第一筐体2および第二筐体3の回動に伴って、アーム33a,33bと第一部品29および第二部品30とは、相対的に回動する。
【0050】
抵抗要素(当接要素、摩擦要素、保持要素)28は、上記第1実施形態と同様である。抵抗要素28は、アーム33aと第一部品29との間、ならびにアーム33bと第二部品30との間に、それぞれ介在されている。すなわち、抵抗要素28の一つは、アーム33aと第一部品29とに当接して挟まれ、抵抗要素28のもう一つは、アーム33bと第二部品30とに当接して挟まれている。これら二つの抵抗要素28は、それぞれ弾性的な反発力(押圧力)を与え、アーム33aと第一部品29との間、ならびにアーム33bと第二部品30との間、ひいては、第一部品29と第二部品30との間、さらには、第一筐体2と第二筐体3との間に、摩擦抵抗を生じさせている。このように、本実施形態では、第三部品33と抵抗要素28とを含む構成によって、第一筐体2と第二筐体3との間に、摩擦抵抗を生じさせることができる。
【0051】
<第2実施形態の変形例>
図19,20には、本変形例にかかるヒンジ機構5Bの一例が示されている。本変形例では、カム29b,30bの構成および配置が上記第2実施形態と同様である。よって、第一筐体2および第二筐体3は、このヒンジ機構5Bを介して、上記第2実施形態と同様に動作する。また、本変形例にかかるヒンジ機構5Bは、上記第1実施形態にかかるヒンジ機構5に替えて電子機器1に装備することができる。すなわち、本実施形態にかかる電子機器1のヒンジ機構5B以外の構成は、上記第1実施形態と同様に構成できるため、説明を省略する。
【0052】
また、本変形例では、ヒンジ機構5Bは、上記第1実施形態と同様の第三部品27を有し、この第三部品27と第一部品29および第二部品30との間に介在した上記第1実施形態と同様の抵抗要素28を有している。よって、これら第三部品27および抵抗要素28によって得られる作用は、上記第1実施形態と同様である。
【0053】
ただし、本変形例では、引っ張りばねとしてのコイルばね35が用いられている。すなわち、コイルばね35は、シャフト29a,30a間に位置された巻回部35aと、巻回部35aの長手方向両端部の引掛部35bと、を有し、引掛部35bが、シャフト29a,30aに引っ掛けられている。コイルばね35は、引掛部35bを介して、シャフト29a,30aに、これらシャフト29a,30a同士が離間するのを抑制する方向の荷重を与える。したがって、コイルばね35により、カム29b,30b同士が押し付けられ、カム29b,30b同士、ひいては第一部品29および第二部品30、さらには第一筐体2および第二筐体3が離間するのが、抑制される。
【0054】
<第3実施形態>
図21〜23には、本実施形態にかかるヒンジ機構5Cが示されている。本実施形態にかかるヒンジ機構5Cは、基本的に上記第2実施形態と同様の構成であり、第一当接部およびシャフトとして構成される第一部品36と、この第一部品36に当接して第一部品36の周囲を転動する第二当接部としてのカム37bと、図示しない押付機構と、を有する。すなわち、本実施形態では、シャフトとして構成された第一部品36をカムとして利用し、これに伴って、カムとしての第一部品36とカム37bとのプロファイルが相違している。押付機構は、上記第2実施形態と同様に構成することができ、シャフトとしての第一部品36と、第二部品37のシャフト37aとを押し付ける。
【0055】
カム37bのプロファイルを適宜に設定することで、本実施形態でも、ヒンジ機構5Cは、第一角部としてのエッジ部2qおよび第二角部としてのエッジ部3qのうち一方を、他方の周囲で、隙間をもって近接した状態で、回動させる。すなわち、ヒンジ機構5Cは、第一筐体2に接続された第一部分としての第一部品(接続部、固定部、取付部)36と、第二筐体3に接続された第二部分としてのシャフト(接続部、固定部、取付部)37aとを有する。そして、ヒンジ機構5Cは、各部や各部品を介して、第一筐体2と第二筐体3とを回動可能に接続する。また、ヒンジ機構5Cは、第一筐体2と第二筐体3との回動中に、第一部品36とシャフト37aとの距離の変化を許容して、エッジ部2q,3q同士(端部2b,3b同士)の距離の変化を抑制している。なお、本実施形態にかかるヒンジ機構5Cは、上記第1実施形態にかかるヒンジ機構5に替えて電子機器1に装備することができる。すなわち、本実施形態にかかる電子機器1のヒンジ機構5C以外の構成は、上記第1実施形態と同様に構成できるため、説明を省略する。
【0056】
そして、図21〜23に示されるように、第一筐体2および第二筐体3の回動に伴って、カム37bと第一部品36との当接位置および当接姿勢が変化する。すなわち、第一筐体2および第二筐体3は、カム37bの形状(プロファイル)にしたがって、回動する。図21〜23を参照すれば、ヒンジ機構5Cでも、第一部品36とシャフト37aとの間の距離L21〜L23が、短い状態、長い状態、短い状態と変化していることが、理解できよう。本実施形態でも、図23に示される0°の折り畳み状態(図5参照)での第一部品36とシャフト37aとの間の距離L23は、図21に示される180°の展開状態での第一部品36とシャフト37aとの間の距離L21と同じになる。このようなヒンジ機構5Cの構成および動作により、エッジ部3qは、エッジ部2qの回りを、隙間をあけて近接した状態で回動する。なお、第一筐体2および第二筐体3の回動は相対的なものであるから、エッジ部3qがエッジ部2qの周囲を回動するときには、エッジ部2qがエッジ部3qの周囲を回動している。以上の本実施形態によれば、使用するカム37bが一つで済む分、製造の手間を減らすことができる。
【0057】
<第4実施形態>
図24に示される本実施形態では、第一当接部としてのカム38aが、第一筐体2のエッジ部2qで交叉する面(前面)2aおよび(基端側の側面)面2j(ただし図24には示されず)に亘って設けられ、第二当接部としてのカム38bが、第二筐体3のエッジ部3qで交叉する面(前面)3aおよび面(基端側の側面)3j(ただし図24には示されず)に亘って設けられている。第一当接部および第二当接部(カム38a,38b)が異なる点以外、上記第2実施形態と同様であり、同様の効果が得られる。本実施形態によれば、カム38a,38bを第一筐体2および第二筐体3に設けたため、接続部分4内のヒンジ機構(図示せず)の構成をより小さくかつより簡素にすることができる。接続部分4内には、第一筐体2に接続されたシャフト等として構成される第一部分(第一部品、図示せず)と、第二筐体3に接続されたシャフト等として構成される第二部分(第二部品、図示せず)と、カム38a,38b同士を押し付ける方向に、第一部分と第二部分とを付勢するコイルばね等の押付機構(図示せず)とが、収容される。
【0058】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態には限定されず、種々の変形が可能である。例えば、図25に示される変形例のように、電子機器1の接続部分4Aは、両端部に配置された別個の(二つの)構成要素とすることが可能である。この場合、各接続部分4Aにヒンジ機構(図示せず)が収容される。
【0059】
また、本発明は、例えば、携帯電話機や、スマートフォン、スマートブック、電子書籍端末、PDA(Personal Digital Assistant)、ゲーム機等の他の電子機器としても実施することができる。また、第一筐体および第二筐体の一方のみが表示画面を有した電子機器としても実施することができる。また、本発明は、電子機器や、第一筐体、第二筐体、第一表示装置、第二表示装置、第一部分、第二部分、第一部品、第二部品、第三部品、当接要素、押付要素、第一当接部、第二当接部、滑り抑制要素、外面、モジュール、等のスペック(数、形式、構成、位置、配置、形状、大きさ、厚さ、動作範囲、材質、結合対象等)を適宜に変更した形態として実施することができる。また、上記実施形態や上記変形例は、適宜に組み合わせて実施することができる。
【0060】
以下に、本願原出願の特許査定時の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
第一表示画面を含む第一表示装置と、
前記第一表示装置が収容され、前記第一表示画面が露出された第一開口部が設けられた第一面部と、この第一面部の周縁に沿った第一角部と、を有した第一筐体と、
第二表示画面を含む第二表示装置と、
前記第二表示装置が収容され、前記第二表示画面が露出された第二開口部が設けられた第二面部と、この第二面部の周縁に沿うとともに前記第一角部の近傍で該第一角部に対して平行に延びた第二角部と、を有した第二筐体と、
前記第一筐体に接続された第一接続部と、前記第二筐体に接続された第二接続部と、を有し、前記第一筐体と前記第二筐体とを回動可能に接続し、前記第一筐体と前記第二筐体との回動中に、前記第一接続部と前記第二接続部との間の距離を変化させることで当該回動中における前記第一角部と前記第二角部とが互いに平行な状態で前記第一角部と前記第二角部との間の距離が一定に維持される、ヒンジ機構と、
を備えた、電子機器。
[2]
第一面部と、端部と、この端部に位置されたモジュールと、前記第一面部の周縁に沿った第一角部と、を有した第一筐体と、
第二面部と、この第二面部の周縁に沿うとともに前記第一角部の近傍で該第一角部に対して平行に延びた第二角部と、を有した第二筐体と、
前記第一筐体に支持された第一シャフト部と、前記第二筐体に支持された第二シャフト部とを繋ぐとともに前記第一筐体と前記第二筐体とを回動可能に接続し、前記第一筐体と前記第二筐体との回動中に、前記第一シャフト部と前記第二シャフト部との間の距離を変化させることで当該回動中に前記第一角部と前記第二角部との距離が一定に維持される、ヒンジ機構と、
を備えた、電子機器。
[3]
前記ヒンジ機構は、前記第一シャフト部に固定された第一部品と、該第一部品と回動可能に接続され前記第二シャフト部に固定された第二部品と、を有し、
前記第一部品と前記第二部品との接続位置が、前記第一シャフト部および前記第二シャフト部より前記第一角部および前記第二角部の近くに位置された、[2]に記載の電子機器。
[4]
前記接続位置が、前記第一角部および前記第二角部の端部に対して前記第一角部および前記第二角部に沿った方向の外方に位置された、[3]に記載の電子機器。
[5]
前記第一筐体の前記第一角部の端部に第一凹部が設けられ、前記第二筐体の前記第二角部の端部に第二凹部が設けられ、前記接続位置が、前記第一凹部および前記第二凹部のうち少なくともいずれか一方に位置された、[3]または[4]に記載の電子機器。
[6]
前記第一シャフト部および前記第二シャフト部に支持された第三部品と、
前記第三部品と前記第一部品または前記第二部品との間に介在された当接要素と、
を有した、[3]〜[5]のうちいずれか一つに記載の電子機器。
[7]
前記第一筐体に接続された第一当接部と、
前記第二筐体に接続され、前記第一当接部に当接して該第一当接部の周囲を転動する第二当接部と、
前記第一当接部と前記第二当接部とを押し付ける押付要素と、
を有した、[1]に記載の電子機器。
[8]
前記第一当接部と前記第二当接部との滑りを抑制する滑り抑制要素を有した、[7]に記載の電子機器。
[9]
前記滑り抑制要素が、前記第一当接部と前記第二当接部との接触部分に設けられた凸部または凹部を含む、[8]に記載の電子機器。
[10]
前記第一当接部が前記第一筐体の外面に設けられ、前記第二当接部が前記第二筐体の外面に設けられた、[7]〜[9]のうちいずれか一つに記載の電子機器。
[11]
第一表示画面を含む第一表示装置と、
前記第一表示装置が収容され、前記第一表示画面が露出された第一開口部が設けられた第一面部と、この第一面部の周縁に沿った第一角部と、を有した第一筐体と、
第二表示画面を含む第二表示装置と、
前記第二表示装置が収容され、前記第二表示画面が露出された第二開口部が設けられた第二面部と、この第二面部の周縁に沿うとともに前記第一角部の近傍で該第一角部に対して平行に延びた第二角部と、を有した第二筐体と、
前記第一角部の長手方向の端部から前記長手方向と交叉しかつ前記第一表示画面に沿った方向に離れるとともに前記第一筐体の厚さ方向に離れた第一位置で前記第一筐体に接続され、前記第一位置から前記端部側に向けて延びた第一部分を有した第一部品と、
前記第二角部の長手方向の端部から前記長手方向と交叉しかつ前記第二表示画面に沿った方向に離れるとともに前記第二筐体の厚さ方向に離れた第二位置で前記第二筐体に接続され、前記第二位置から前記端部側に向けて延びた第二部分を有した第二部品と、
前記第一部分と前記第二部分とを回動可能に接続して、少なくとも前記第一表示画面と前記第二表示画面とが面した折り畳み状態と前記第一表示画面と前記第二表示画面とが同じ側を向いて並んだ展開状態との間で前記第一角部または前記第二角部の長手方向の視線で前記第一角部および前記第二角部のうち一方の回りに他方を回動可能とする接続部と、
を備えた、電子機器。
[12]
第一表示画面を含む第一表示装置と、
前記第一表示装置が収容され、前記第一表示画面が露出された第一開口部が設けられた第一面部と、この第一面部の周縁に沿った第一角部と、を有した第一筐体と、
第二表示画面を含む第二表示装置と、
前記第二表示装置が収容され、前記第二表示画面が露出された第二開口部が設けられた第二面部と、この第二面部の周縁に沿うとともに前記第一角部の近傍で該第一角部に対して平行に延びた第二角部と、を有した第二筐体と、
前記第一角部の長手方向の第一端部から当該長手方向と交叉した方向に沿って前記第二筐体とは反対側に離れた第一位置で前記第一筐体に接続され、前記第一位置から前記第一端部側に向けて延びた第一部分を有した第一部品と、
前記第二角部の長手方向の第二端部から当該長手方向と交叉した方向に沿って前記第一筐体とは反対側に離れた第二位置で前記第二筐体に接続され、前記第二位置から前記第二端部側に向けて延びた第二部分を有した第二部品と、
前記第一部分と前記第二部分とを、前記第一角部または前記第二角部の長手方向の視線で、前記第一表示画面と前記第二表示画面とが同じ側を向いて並んだ展開状態における前記第一角部と前記第二角部との間の位置であって前記第一表示画面および前記第二表示画面上に離間した位置で、回動可能に接続した接続部と、
を備えた、電子機器。
[13]
前記回動中に前記第一角部と前記第二角部との距離が一定に維持される、[11]または[12]に記載の電子機器。
[14]
前記回動中に前記第一角部と前記第二角部との距離が一定以下に維持される、[11]または[12]に記載の電子機器。
【符号の説明】
【0061】
1…電子機器、2…第一筐体、2a,2j,3a,3j…面(外面)、2f…凹部(第一凹部)、2q…エッジ部(第一角部)、2u…開口部(第一開口部)、3…第二筐体、3f…凹部(第二凹部)、3q…エッジ部(第二角部)、3n…開口部(第二開口部)、5,5A〜5C…ヒンジ機構(接続部)、6…ディスプレイパネル(表示装置、モジュール)、6a…表示画面、24,29…第一部品、24a,29a…シャフト(第一部分)、25,30,37…第二部品、25a,30a,37a…シャフト(第二部分)、27,33…第三部品、29b,38a…カム(第一当接部)、30b,37b,38b…カム(第二当接部)、31a,31b…当接領域(滑り抑制要素)、32,35…コイルばね(押付要素)、36…第一部品(第一部分、第一当接部)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一表示画面を含む第一表示装置と、
前記第一表示装置が収容され、前記第一表示画面が露出された第一開口部が設けられた第一面部と、この第一面部の周縁に沿った第一角部と、を有した第一筐体と、
第二表示画面を含む第二表示装置と、
前記第二表示装置が収容され、前記第二表示画面が露出された第二開口部が設けられた第二面部と、この第二面部の周縁に沿うとともに前記第一角部の近傍で該第一角部に対して平行に延びた第二角部と、を有した第二筐体と、
前記第一筐体に接続された第一接続部と、前記第二筐体に接続された第二接続部と、を有し、前記第一筐体と前記第二筐体とを回動可能に接続し、前記第一筐体と前記第二筐体との回動中に、前記第一接続部と前記第二接続部との間の距離を変化させることで当該回動中における前記第一角部と前記第二角部とが互いに平行な状態で前記第一角部と前記第二角部との間の距離が所定距離以内に維持される、ヒンジ機構と、
を備えた、電子機器。
【請求項2】
前記第一筐体の前記第一角部の端部に第一凹部が設けられ、前記第二筐体の前記第二角部の端部に第二凹部が設けられ、前記第一接続部の少なくとも一部が前記第二凹部に収容され、前記第二接続部の少なくとも一部が前記第一凹部に収容された、請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
第一面部と、この第一面部の周縁に沿った第一角部と、を有した第一筐体と、
第二面部と、この第二面部の周縁に沿うとともに前記第一角部の近傍で該第一角部と平行に延びた第二角部と、を有した第二筐体と、
前記第一筐体に接続された第一接続部と、前記第二筐体に接続された第二接続部とを繋ぐとともに前記第一筐体と前記第二筐体とを回動可能に接続し、前記第一筐体と前記第二筐体との回動中に、前記第一接続部と前記第二接続部との間の距離を変化させることで当該回動中における前記第一角部と前記第二角部とが互いに平行な状態で前記第一角部と前記第二角部との間の距離が所定距離以内に維持される、ヒンジ機構と、
を備えた、電子機器。
【請求項4】
前記第一筐体は、第一端部と、この第一端部に位置された第一モジュールとを有した、請求項3に記載の電子機器。
【請求項5】
前記第二筐体は、前記第一端部に面した第二端部と、この第二端部に位置された第二モジュールとを有した、請求項4に記載の電子機器。
【請求項6】
前記第一筐体に設けられた第一切欠に、前記第二接続部の少なくとも一部が収容され、
前記第二筐体に設けられた第二切欠に、前記第一接続部の少なくとも一部が収容された、請求項3〜5のうちいずれか一つに記載の電子機器。
【請求項7】
前記第一接続部と前記第二接続部とが、前記第一角部または前記第二角部の長手方向の視線で、前記第一面部と前記第二面部とが同じ側を向いて並んだ展開状態における前記第一角部と前記第二角部との間の位置であって前記第一面部および前記第二面部より上方となる位置で、回動可能に接続された、請求項3〜6のうちいずれか一つに記載の電子機器。
【請求項1】
第一表示画面を含む第一表示装置と、
前記第一表示装置が収容され、前記第一表示画面が露出された第一開口部が設けられた第一面部と、この第一面部の周縁に沿った第一角部と、を有した第一筐体と、
第二表示画面を含む第二表示装置と、
前記第二表示装置が収容され、前記第二表示画面が露出された第二開口部が設けられた第二面部と、この第二面部の周縁に沿うとともに前記第一角部の近傍で該第一角部に対して平行に延びた第二角部と、を有した第二筐体と、
前記第一筐体に接続された第一接続部と、前記第二筐体に接続された第二接続部と、を有し、前記第一筐体と前記第二筐体とを回動可能に接続し、前記第一筐体と前記第二筐体との回動中に、前記第一接続部と前記第二接続部との間の距離を変化させることで当該回動中における前記第一角部と前記第二角部とが互いに平行な状態で前記第一角部と前記第二角部との間の距離が所定距離以内に維持される、ヒンジ機構と、
を備えた、電子機器。
【請求項2】
前記第一筐体の前記第一角部の端部に第一凹部が設けられ、前記第二筐体の前記第二角部の端部に第二凹部が設けられ、前記第一接続部の少なくとも一部が前記第二凹部に収容され、前記第二接続部の少なくとも一部が前記第一凹部に収容された、請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
第一面部と、この第一面部の周縁に沿った第一角部と、を有した第一筐体と、
第二面部と、この第二面部の周縁に沿うとともに前記第一角部の近傍で該第一角部と平行に延びた第二角部と、を有した第二筐体と、
前記第一筐体に接続された第一接続部と、前記第二筐体に接続された第二接続部とを繋ぐとともに前記第一筐体と前記第二筐体とを回動可能に接続し、前記第一筐体と前記第二筐体との回動中に、前記第一接続部と前記第二接続部との間の距離を変化させることで当該回動中における前記第一角部と前記第二角部とが互いに平行な状態で前記第一角部と前記第二角部との間の距離が所定距離以内に維持される、ヒンジ機構と、
を備えた、電子機器。
【請求項4】
前記第一筐体は、第一端部と、この第一端部に位置された第一モジュールとを有した、請求項3に記載の電子機器。
【請求項5】
前記第二筐体は、前記第一端部に面した第二端部と、この第二端部に位置された第二モジュールとを有した、請求項4に記載の電子機器。
【請求項6】
前記第一筐体に設けられた第一切欠に、前記第二接続部の少なくとも一部が収容され、
前記第二筐体に設けられた第二切欠に、前記第一接続部の少なくとも一部が収容された、請求項3〜5のうちいずれか一つに記載の電子機器。
【請求項7】
前記第一接続部と前記第二接続部とが、前記第一角部または前記第二角部の長手方向の視線で、前記第一面部と前記第二面部とが同じ側を向いて並んだ展開状態における前記第一角部と前記第二角部との間の位置であって前記第一面部および前記第二面部より上方となる位置で、回動可能に接続された、請求項3〜6のうちいずれか一つに記載の電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【公開番号】特開2012−190491(P2012−190491A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−150734(P2012−150734)
【出願日】平成24年7月4日(2012.7.4)
【分割の表示】特願2011−38599(P2011−38599)の分割
【原出願日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年7月4日(2012.7.4)
【分割の表示】特願2011−38599(P2011−38599)の分割
【原出願日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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