説明

電子機器

【課題】開閉カバーに誤って過大な負荷が加わった場合でも破損を防止する。
【解決手段】筐体2と、開閉カバー5とを有し、開閉カバー5は軸本体71を備え、筐体2は軸本体71を係合する孔本体61を備え、軸本体71は周方向における一部領域に突起部72を備え、孔本体61は周方向における一部領域に突起部62を備え、第1突起部及72び突起部62は、開閉カバー5の閉じ状態では互いに周方向に離間した状態にあり、開閉カバー5の閉じ状態から開き方向への回動にしたがって互いの周方向距離が近接するとともに、当該開閉カバー5が第1回動位置となると互いに当接し、開閉カバー5が第1回動位置からさらに開き方向に回動して第2回動位置となると、突起部72及び突起部62のうち一方が他方へ乗りあがって軸方向に重なり合うことで係合を解除可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筐体の開口部を開閉カバーで開閉する電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
装置の外郭を構成する筐体に設けた開口部を、回動可能な開閉カバーを手操作することによって開閉する電子機器として、例えば特許文献1記載のものが知られている。この従来技術による電子機器(テープ印刷装置)は、筐体(本体筐体)の開口部を開閉するために開閉カバー(上カバー)が設けられる。開閉カバーは、筐体の背面側に配設されたヒンジ部により、筐体に対し回動可能に係合されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−28977号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、上記従来技術のヒンジ部のような回動可能な係合構造においては、開閉カバーを操作する力が大きすぎて過大な負荷がかかったときの破損防止のため、回動動作が一定の範囲を超えたら当該係合が外れるようにしておくことが望ましい。しかしながら、上記従来技術では、その点までは配慮されず、開閉カバーと筐体との係合が解除可能とはなっていなかった。
【0005】
本発明の目的は、開閉カバーに誤って過大な負荷が加わった場合でも、開閉カバーが筐体から外れることで当該過大な負荷を逃がし、破損を確実に防止できる電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本願発明は、装置の外郭を構成するとともに開口部を備える筐体と、前記開口部を開閉する開閉カバーと、を有する電子機器であって、前記開閉カバー及び前記筐体のうち一方は、所定の軸心を備えた軸部を備えており、前記開閉カバー及び前記筐体のうち他方は、前記軸心を中心として回動可能に前記軸部を係合する軸受孔部を備えており、前記軸部は、その周方向における一部領域に、第1突起部を備えており、前記軸受孔部は、その周方向における一部領域に、第2突起部を備えており、前記第1突起部及び前記第2突起部は、前記開閉カバーの閉じ状態では互いに周方向に離間した状態にあり、前記開閉カバーの前記閉じ状態から開き方向への回動にしたがって互いの周方向距離が近接するとともに、当該開閉カバーが第1回動位置となると互いに当接し、前記開閉カバーが前記第1の回動位置からさらに前記開き方向に回動して第2回動位置となると、前記第1突起部及び第2突起部のうち一方が他方へ乗りあがって前記軸方向に重なり合うことで、前記軸部と前記軸受孔部との係合を解除可能とするように構成されていることを特徴とする。
【0007】
本願発明においては、筐体に設けられた開口部を、開閉カバーを手操作することで開閉する。開閉カバーは、軸部と軸受孔部とによる係合構造によって、筐体に対し回動可能に支持されている。
【0008】
このとき、開閉カバーの回動位置に応じて上記係合を解除可能とするために、軸部には周方向一部領域に第1突起部が設けられ、軸受孔部には周方向一部領域に第2突起部が設けられている。開閉カバーが閉じ状態にあるときには、第1突起部及び第2突起部は、互いに周方向に離間した状態にある。この状態から開閉カバーが開き方向に回動されるにつれ、第1突起部及び第2突起部の間の周方向距離が小さくなり、近接する。さらに開閉カバーが開き方向に回動されて第1回動位置となると、第1突起部と第2突起部とは互いに当接する。
【0009】
そして、さらに開閉カバーが開き方向に回動されて第2回動位置となると、第1突起部が第2突起部へ乗りあがる(又は第2突起部が第1突起部に乗りあがる)態様でそれら第1突起部及び第2突起部が軸方向に重なり合う。これによって、これまで係合してきた軸部及び軸受孔部の軸方向相対位置が変化し、それら軸部及び軸受孔部の係合が緩み、当該係合を解除可能となる。
【0010】
以上のようにして、開閉カバーの回動角度がある程度大きくなると軸部と軸受孔部との係合が解除され、開閉カバーが筐体から外れるようにすることができる。この結果、開閉カバーに誤って過大な負荷が加わった場合でも、開閉カバーが筐体から外れることで当該過大な負荷を逃がし、開閉カバーや筐体の破損を防止することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、開閉カバーに誤って過大な負荷が加わった場合でも、破損を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本実施形態に係る印字ラベル作成装置の外観を表す斜視図である。
【図2】印字ラベル作成装置の平面図である。
【図3】印字ラベル作成装置の背面図である。
【図4】印字ラベル作成装置にロールシートホルダが装着された状態を開閉カバーを開けて示す斜視図である。
【図5】ロールシートホルダを印字ラベル作成装置に装着した状態を示す側断面図である。
【図6】印字ラベル作成装置の開閉カバーを開けた状態を示す平面図である。
【図7】図6に示す状態からさらに開閉カバーを開きリンクレバーが外れた状態を示す平面図である。
【図8】印字ラベル作成装置の開閉カバーが開かれた状態を示す左側後方からの斜視図である。
【図9】印字ラベル作成装置の開閉カバーを外した状態を示す左側面図である。
【図10】印字ラベル作成装置の開閉カバーを外した状態を示す平面図である。
【図11】図10中のa−a断面による側断面図、及び図11(a)中のy−y断面による拡大断面図である。
【図12】印字ラベル作成装置の開閉カバーを外した状態を示す斜視図である。
【図13】サーマルヘッドがプラテンローラに押圧付勢された状態を示す要部拡大側断面図である。
【図14】サーマルヘッドがプラテンローラから離間した状態を示す要部拡大側断面図である。
【図15】図1に示す構造より開閉カバーを抽出した状態に相当する、閉じ状態における開閉カバーを表す右側面図である。
【図16】開閉カバーの平面図である。
【図17】図16中のz−z断面による側断面図、及び図17(a)中のx−x断面による拡大断面図である。である。
【図18】図6中の開閉カバーを抽出して表す拡大の平面図である。
【図19】開閉カバーのヒンジブラケットの要部詳細構造を表す斜視図、及び、筐体のヒンジアームの要部詳細構造を表す斜視図である。
【図20】印字ラベル作成装置の開閉カバーが閉じられている状態を表す側断面図である。
【図21】図20の状態から開閉カバーが開き方向に回動し、リンクレバーの係合爪部が開閉カバーの係合軸から外れる寸前の状態を表す、側断面図である。
【図22】図21の状態から開閉カバーがさらに開き方向に回動し、ヒンジブラケットの突起部とヒンジアームの突起部とが周方向に当接した状態を表す側断面図である。
【図23】図22の状態から開閉カバーがさらに開き方向に回動し、ヒンジブラケットの突起部がヒンジアームの突起部に乗り上がり始めた状態を表す側断面図である。
【図24】図23の状態から開閉カバーがさらに開き方向に回動し、開閉カバーのヒンジブラケットが筐体のヒンジアームから外れる寸前の状態を表す側断面図である。
【図25】図20に示された開閉カバーの回動位置における(左右一対のうち右側の)ヒンジ部の係合状態を表す要部拡大斜視図である。
【図26】図21に示された開閉カバーの回動位置における(左右一対のうち右側の)ヒンジ部の係合状態を表す要部拡大斜視図である。
【図27】図22に示された開閉カバーの回動位置における(左右一対のうち右側の)ヒンジ部の係合状態を表す要部拡大斜視図である。
【図28】図23に示された開閉カバーの回動位置における(左右一対のうち右側の)ヒンジ部の係合状態を表す要部拡大斜視図である。
【図29】図24に示された開閉カバーの回動位置における(左右一対のうち右側の)ヒンジ部の係合状態を表す要部拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0014】
本実施形態は、本発明を電子機器としての印字ラベル作成装置1に適用したものである。先ず、本実施形態に係るロールシートホルダの上側を覆う開閉カバー5を備えた印字ラベル作成装置1の概略構成について図1乃至図12に基づき説明する。
【0015】
<印字ラベル作成装置1の概略構造>
図1乃至図4に示すように、印字ラベル作成装置1は、当該装置1の外郭を構成するとともに、所定幅のロールシート3A(各請求項記載の被印字テープに相当)が巻回されたロールシートホルダ3を収納するロールシートホルダ収納部4を備える樹脂製の筐体2と、シートホルダ収納部4の上側を覆うように後側上端縁部に、後部側左右一対のヒンジ部80(ヒンジブラケット70については後述する)を介して開閉自在に取り付けられた透明樹脂製の開閉カバー5と、を有している。
【0016】
ロールシート3Aは、自己発色性を有する長尺状の感熱シート(いわゆる、サーマルペーパー)や、該感熱シートの片面に粘着剤を介して離形紙が貼り合わされた長尺状のラベルシート等で構成され、ロールシートホルダ3に巻回されている。
【0017】
筐体2は、筐体本体2Aと、筐体本体2Aの後部に突設された左右一対のヒンジアーム60,60(アーム部)と、を備えている。開閉カバー5は、ヒンジ部80における軸心k(図3、図9、図12参照)まわりに回動可能となるように上記ヒンジアーム60,60によって支持され、当該回動によりロールシートホルダ収納部4上方の開口部OPを開閉する。この開閉カバー5では、開閉カバー5は、左側に設けられた左壁面5Dと、右側に設けられた右壁面5Cと、左壁面5Dと右壁面5Cとを接続するように延設される中間壁面5Eとが、略コの字形状となって一体に構成されている。さらに、開閉カバー5には、略コの字形状の左壁面5D、中間壁面5E、右壁面5Cの内縁部を覆うように、当該左壁面5D、中間壁面5E、右壁面5Cとは別部材の天板5Fが取り付けられている。
【0018】
また、開閉カバー5の前側のフロントカバー6には、印刷されたロールシート3Aを外部に排出するシート排出口6Aが形成されている。また、このシート排出口6Aの上側の前面部には電源ボタン7A、押下することによってシート排出口6Aの内側に設けられたカッターユニット8(後述の図5参照)を駆動させてロールシート3Aを所望の長さに切断し印字ラベル(図示せず)を生成するカットボタン7B、押下している間ロールシート3Aを搬送方向に排出するフィードボタン7C、その他のボタン7Dの合計4個のボタンが略水平に配置されている。
【0019】
また、開閉カバー5の凹み部5Aの正面左側には、前側方向に所定長さ突出した押し爪部5Bが設けられている。また、開閉カバー5を閉じた場合に、筐体2の当該押し爪部5Bが当接する位置には、マイクロスイッチ等から構成されて、この押し爪部5Bによって押下されたか否か、即ち、開閉カバー5が閉じられたか否かを判別するための開閉カバー検出スイッチ18が配置されている。
【0020】
また、筐体2の背面部には不図示の電源コードが接続されるインレット10が配設されると共に、その横側(図3中の左側)には不図示のパーソナルコンピュータ等と接続されるUSB(Universal Serial Bus)コネクタ11が設けられている。
【0021】
<ロールシートホルダ収納部の詳細>
図4〜図8に示すように、ロールシートホルダ収納部4の搬送方向に対して略垂直方向の一方の側端縁部(図4中、右側側端縁部)に、ホルダ支持部材23が設けられている。このホルダ支持部材23には、上方に開口すると共に幅方向両側に開口する側面視略縦長Uの字状の第1位置決め溝部24が形成されており、ロールシートホルダ3を構成する位置決め保持部材20の外側方向に突設される、断面略矩形状の取付部材21を嵌め込むことができる。
【0022】
また、ロールシート3Aを挿入する挿入口26(図5参照)の後端縁部からロールシートホルダ収納部4の前側上端縁部まで略水平に延出された載置部29が設けられている。また、この載置部29の搬送方向後側の端縁角部には、ロールシート3Aの複数の幅寸法に対応して断面略L字状の5個の第2位置決め溝部30A〜30Eが形成されている。この各第2位置決め溝部30A〜30Eは、図5に示すように、ロールシートホルダ3を構成するガイド部材28の載置部29に当接する先端下端部分を、上方から嵌め込むことができるように形成されている。
【0023】
また、ロールシートホルダ収納部4の底面部には、ホルダ支持部材23の内側基端部から対向する側面部基端部まで搬送方向に対して略垂直に平面視横長四角形の位置決め凹部4Aが、所定深さで形成されている。この位置決め凹部4Aの搬送方向幅寸法は、ロールシートホルダ3を構成する位置決め保持部材20及びガイド部材28の各下端縁部の幅寸法にほぼ等しくなるように形成されている。
【0024】
また、位置決め凹部4Aのホルダ支持部材23の内側基端部には、搬送方向に縦長の平面視長四角形の判別凹部4Bが形成されている。この判別凹部4Bは、位置決め保持部材20の下端縁部から略直角内側方向に延出されるシート判別部(不図示)に対向しており、位置決め凹部4Aよりもさらに所定深さだけ深くなるように形成されている。
【0025】
そして、この判別凹部4Bには、プッシュ式のマイクロスイッチ等から構成されて、ロールシート3Aの種別、材質、ロールシート幅等を判別するための5個のシート判別センサP1、P2、P3、P4、P5がL字状に設けられている。この各シート判別センサP1〜P5は、プランジャーとマイクロスイッチ等から構成される公知の機械式スイッチからなり、該各プランジャーの上端部は、該判別凹部4Bの底面部から位置決め凹部4Aの底面部近傍まで突き出るように設けられている。そして、この各シート判別センサP1〜P5は、それらセンサP1〜P5に対し位置決め保持部材20の下端縁部から略直角内側方向に延出されるシート判別部に形成される各センサ孔(不図示)が有るか否かを検出して、そのオン・オフ信号によりロールシートホルダ3に装着されたロールシート3Aの種別、材質、ロールシート幅等を検出する。
【0026】
尚、本実施形態の場合は、各シート判別センサP1〜P5は、そのプランジャーが常には、判別凹部4Bの底面から位置決め凹部4Aの底面部近傍まで突き出しており、マイクロスイッチがオフ状態になっている。そして、シート判別部の各センサ孔が、各シート判別センサP1〜P5に対向する位置に有る場合には、プランジャーが押下されずマイクロスイッチがオフ状態にあるので、オフ信号が出力される。一方、シート判別部の各センサ孔が、各シート判別センサP1〜P5に対向する位置に無い場合には、プランジャーが押下されてマイクロスイッチがオン状態になるので、オン信号が出力される。従って、各シート判別センサP1〜P5によって5ビットの「0」、「1」信号が出力され、各シート判別センサP1〜P5が全てオフ状態の場合、即ち、ロールシートホルダ3が装着されていない場合には、5ビットの「00000」の信号が出力される。
【0027】
また、挿入口26のホルダ支持部材23側の側端縁部には、載置部29のほぼ搬送方向後端部まで案内部31が形成され、ロールシート3Aを挿入口26まで案内している。ここで、この案内部31の内側端面31A(図6中、左側端面)は、該ホルダ支持部材23に嵌め込まれる位置決め部材20の内側端面に対向する位置、つまり、同一平面上に位置するように形成されている。これにより、ロールシートホルダ3から引き出されたロールシート3Aの外側の側端縁部は、この案内部31の内側端面に当接して、挿入口26へ案内される
【0028】
<サーマルヘッド・カッターユニット等の内部機器>
また、上記図5及び、図9、図10、図11に示すように、挿入口26のロールシート搬送方向奥側には、プラテンローラ35(搬送ローラ)が回転自在に軸支されている。また、サーマルヘッド32(印字ヘッド)が、押圧バネ36(押圧手段)によって上方に付勢されているヘッド支持部材37の上面に固定されている。また、このヘッド支持部材37の搬送方向に対して後側の端縁部は、フレーム38の背面部によって上下方向に揺動可能に支持されている。そして、ホルダ収納部4のホルダ支持部材23と反対側の側端縁部に対向する、筐体2の開口部OP周縁の内側には、断面円形状でリンクレバー34の厚さにほぼ等しい高さに形成された係合軸33(係合突起部;図4、図7参照)が立設されている。この係合軸33には、サーマルヘッド32を上下動させるリンクレバー34の一方の端縁部に形成された略Cリング状の係合爪部34Aが切欠部34Bを介して嵌め込まれ(図9、図11参照)、これによってリンクレバー34の端縁部が回動可能且つ着脱可能に取り付けられている。なお、係合爪部34Aは、切欠部34Bによって係合軸33の外周部のうち一部を露出させつつ、それ以外の部分を包囲するように構成されている。そして、開閉カバー5を開閉すると、リンクレバー34が前後方向に移動し、リリースレバー51、レバー軸50を介して、サーマルヘッド32が上下動される(後述する図13及び図14参照)。すなわち、上記開閉カバー5の閉じ動作に伴うレバー軸50の回動によって、押圧バネ36によって上方に付勢されているサーマルヘッド32が、プラテンローラ35にロールシート3Aを押圧付勢して印字可能な状態になる。また、開閉カバー5の開き動作に伴うレバー軸50の上記とは逆方向への回動によって、開閉カバー5を開くことによって、後述のようにサーマルヘッド32が、プラテンローラ35から離間し、ロールシート3Aを挿入口26から挿通して、プラテンローラ35とサーマルヘッド32との間に挿通可能な状態になる。
【0029】
また、プラテンローラ35及びサーマルヘッド32から、ロールシート3Aの搬送方向下流側(図5、図11(a)中左側)には、カッターユニット8が設けられている。このカッターユニット8は、図5及び図11に示すように、固定刃8Aと可動刃8Bとを有している。前述したカットボタン7Bが押下された場合には、可動刃8BがDCモータ等で構成される切断用モータ8Cにより上下方向に往復移動される。これにより、上記サーマルヘッド32による印字がなされた後のロールシート3Aが固定刃8Aと可動刃8Bとによって所望の長さに切断されて印字ラベルが生成され、シート排出口6Aから排出される。尚、可動刃8Bは正面視V字形に構成されている。
【0030】
一方、ロールシートホルダ収納部4の下側には、仕切壁39を介して、制御基板40が設けられている。この制御基板40には、外部のパーソナルコンピュータ等からの指令によりサーマルヘッド32等の各機構部を駆動制御する制御回路部が形成されると共に、各シート判別センサP1〜P5が電気的に接続されている。また、フレーム38の下方には、仕切壁39を介して、電源回路部が形成された電源基板41が設けられている。なお、上記サーマルヘッド32は、フレキシブルフラットケーブル(FFC)43によって、制御基板40の底面側に設けられたコネクタ44に接続されている。そして、制御基板40及び電源基板41は、底面部にネジ止めされた薄い鋼板製の底面カバー45によって覆われている。
【0031】
<開閉カバーの閉じ状態での係止>
また、図12及び上記図6〜図10に示すように、ロールシート収納部4の前側の壁部には、弾性変形可能に形成された爪状の係止部15,15が設けられている。また、係止部15,15に対向するように、開閉カバー5の天板5Fの左右両端下方側には、図6、図7(後述する図17、図19も参照)に示すように、水平リブ状の被係止部16,16が設けられている。なお、前述の図4では、係止部15及び被係止部16の図示は省略されている。これにより、開閉カバー5を前側方向に回動させることにより、各係止部15と各被係止部16とが係合し、開閉カバー5が閉じられた状態で保持される。また、開閉カバー5の前端中央部に形成される凹み部5Aに指を掛けて後側方向に回動させることによって、各係止部15と各被係止部16との係合が外れ、開閉カバー5を開くことが可能となる。
【0032】
<サーマルヘッドの上下動>
次に、開閉カバー5の開閉に連動してサーマルヘッド32を上下動させる機構について、説明する。
【0033】
上記した図5、図8、図9に示すように、プラテンローラ35のローラ軸35Aの左側端縁部を軸支する左側フレーム47には、後述のようにサーマルヘッド32を上下動させるためのリリース軸48(図13、図14、及び図5参照)の左側端縁部が軸支されると共に、所定長さだけ外側方向に突出している。また、このリリース軸48の左側端縁部には、外周面の約半周部分にギヤが形成されたリリースギヤ(図示せず)が取り付けられている。
【0034】
また、この左側フレーム47には、上記リリースギヤの後側にレバー軸50が立設され、リリースレバー51の一端の厚さ方向に穿設された貫通孔(図示せず)が嵌入されて、該リリースレバー51を回動可能に枢支している。また、リリースレバー51の貫通孔側の外周面のうち、開閉カバー5を閉じた際にリリースギヤに対向する約半周部分には、リリースギヤに歯合するレバーギヤ(図示せず)が形成されている。
【0035】
また、このリリースレバー51のレバーギヤの上側部分には、リリースギヤのギヤが形成されていない部分に当接可能な当接片(図示せず)が突設されている。これにより、リリースレバー51が後側方向に回動してレバーギヤとリリースギヤとのかみ合いが外れそうになった際に、当接片がリリースギヤに当接して、リリースレバー51の回動を制限するように構成されている。
【0036】
こうして、開閉カバー5を閉じた場合には、リンクレバー34が開閉カバー5の動きに連動して前側方向に移動し、リリースレバー51がレバー軸50を中心にして左側面視反時計方向に回動されて、レバーギヤを介してリリースギヤが左側面視時計方向に約180度回転される。
【0037】
これにより、図13に示すように、リリースギヤが左側面視時計方向に約180度回転した場合には、このリリースギヤに左端縁部が取り付けられたリリース軸も左側面視時計方向(図13中、矢印X1方向)に約180度回転される。そして、サーマルヘッド支持部材37の下面部に設けられる側面視略L字形の下部干渉部材57(図5も参照)の先端が、リリース軸48の切欠面58の下方に位置するようになる。このため、下部干渉部材57の先端が、リリース軸48によって下方に押下されないため、押圧バネ36によってヘッド支持部材37が上方に回動されて、サーマルヘッド32が、プラテンローラ35にロールシート3Aを押圧付勢して印字可能な状態になる。
【0038】
これに対して、前述の図4、図6、図8に示すように、開閉カバー5を開いた場合には、リンクレバー34が開閉カバー5の動きに連動して後側方向に移動し、リリースレバー51がレバー軸50を中心にして左側面視時計方向に回動される。そして、リリースレバー51の回動に伴って、レバーギヤを介してリリースギヤが左側面視反時計方向に約180度回転される。また、リリースレバー51の下端部が挿通孔の外周部に当接して、開閉カバー5の開放角度が規制される。尚、リリースレバー51のレバーギヤの上側に突設される当接片とリリースギヤとの間には所定隙間が形成されている。
【0039】
これにより、リリースギヤが左側面視反時計方向に約180度回転した場合には、このリリースギヤに左端縁部が取り付けられたリリース軸48も左側面視反時計方向(図14中、矢印X2方向)に約180度回転される。そして、サーマルヘッド支持部材37の下面部に設けられる側面視略L字形の下部干渉部材57の先端が、リリース軸48の円筒側面で下方(図14中、矢印X3方向)に押下される。このため、ヘッド支持部材37が押圧バネ36の付勢力に抗して下方に回動されて、サーマルヘッド32がプラテンローラ35から離間し、ロールシート3Aを挿入口26から挿通して、プラテンローラ35とサーマルヘッド32との間に挿通可能な状態になる。
【0040】
なお、上記したリリースレバー51、リリースギヤ(図示せず)、リリース軸48、及び下部干渉部材57が、各請求項記載のリリース手段を構成する。
【0041】
<開閉カバーの係合解除構造>
以上の基本構成において、本実施形態の特徴は、開閉カバー5に誤って過大な負荷が加わった場合に、開閉カバー5と筐体2との係合を解除可能とするヒンジ部80の構造ある。以下、その内容を順を追って説明をする。
【0042】
上記図1、図2、図3、図7、図8に示すように、ヒンジ部80は、開閉カバー5の中間壁面5Eの後端から突出して左右一対で設けられたヒンジブラケット70,70と、筐体本体2Aの後端から突出して左右一対で設けられ、上記ヒンジブラケット70,70を回動可能にそれぞれ挿入させるヒンジアーム60,60と、を備えている。
【0043】
ヒンジブラケット70は、図15〜図18に示すように、前述の軸心kを中心軸とする略円柱形の軸本体71を互いに内側に向けて相対峙するように、左右一対設けられている。また、図19(a)に示すように、軸本体71の頭端面の周方向における一部領域(例えば半円弧領域)には、突起部72(第1突起部)が軸本体71の周縁部から軸心kの軸方向に向けて突設されている。なお、軸本体71と突起部72とが、各請求項記載の軸部を構成している。この突起部72の円弧に沿った一端72a側が軸本体71の頭端面に連なり、突起部72の面の高さ寸法(上記軸心k方向に沿った寸法)は円弧に沿う傾斜面によって他端72b側に向かって次第に高くなり、突起部72の円弧に沿った他端72b側では、後述するヒンジアーム60の孔本体61の孔内周の上記高さ寸法と略同じとなる。また、突起部72の外周部72cは径方向に向けて傾斜状となって軸本体71の外周部71aに連なるように面取り形成されている。
【0044】
ヒンジアーム60は、前述の図9〜図12に示すように、左右方向外側から上記左右一対の軸本体71,71を摺動可能に収納支持するように左右一対設けられており、上記ヒンジブラケット70の軸本体71に対応した軸心kを中心軸とする孔本体61が穿設されている。すなわち、孔本体61の内径は軸本体71の外径と略同じであり、これら孔本体61と軸本体71とは、互いに摺動しながら同一の軸心kまわりに回動できるように係合されている。また、図19(b)に示すように、孔本体61の周方向における一部領域(例えば半円弧領域)には、矩形板状の突起部62(第2突起部)が孔本体61の周縁部から径方向内側に向けて突設されている。この突起部62の厚さはヒンジアーム60の高さと同じである。なお、孔本体61と突起部62とが、各請求項記載の軸受孔部を構成している。
【0045】
また、上記図9、図10、図12等に示すように、左右一対のヒンジアーム60,60(アーム部)の基端部(筐体本体2Aとの連結部近傍)の左右方向外側には、それぞれ、例えば所定幅で上下方向に延設される溝形状のスリット63(剛性低減部)が設けられている。これにより、左右一対のヒンジアーム60,60は、それぞれ、左右方向外側への撓みよりも左右方向内側(各請求項記載の所定方向に相当)への撓みが生じやすいように構成されている。
【0046】
<突起部の乗り上げによる係合解除動作の詳細>
次に、開閉カバー5の閉じ状態から開き状態への移行に伴う、突起部72及び突起部62の乗り上げ動作挙動を、図20〜図29を用いて説明する。
【0047】
まず、開閉カバー5が閉じられた状態では、図20及び図25に示すように、開閉カバー5のヒンジブラケット70の突起部72と、筐体2のヒンジアーム60の突起部62とは、互いに周方向に離間した状態にある。
【0048】
その後、開閉カバー5が開き方向(図20、図25の矢印A参照)に回動するにつれて、図21及び図26に示すように、ヒンジブラケット70の突起部72が、ヒンジアーム60の孔本体61の内部において周方向に沿って(この例では時計回り。図26参照)移動し、ヒンジアーム60の突起部62との互いの周方向距離が近接していく。
【0049】
さらにその後、開閉カバー5が開き方向(図21、図26の矢印B参照)に回動し、ある回動位置(各請求項記載の第3回動位置に相当。図示省略)に達すると、リンクレバー34の上記係合爪部34Aが、切欠部34Bによって開閉カバー5の上記係合軸33から外れる(言い換えれば係合軸33が切欠部34Bより係合爪部34A外へ離脱する。後述の図22参照)。
【0050】
上記の後、さらに開閉カバー5が開き方向に回動すると、図22及び図27に示すように、ヒンジブラケット70の突起部72と、ヒンジアーム60の突起部62とが、周方向に互いに当接する。なお、開閉カバー5のこの回動位置が各請求項記載の第1回動位置に相当する。開閉カバー5の閉じ状態(図20及び図25)からこの第1回動位置までの間、ヒンジブラケット70の突起部72は、ヒンジアーム60の孔本体61の径方向内側に位置している。
【0051】
さらにその後、開閉カバー5が開き方向(図22、図27の矢印C参照)に回動し、ある回動位置に達すると、図23及び図28に示すように、上記のようにして周方向に移動してきたヒンジブラケット70の突起部72が、ヒンジアーム60の突起部62に乗り上がり始め、互いに軸心kの軸方向に重なり合い始める。図28の図示においては、突起部72は突起部62に対し部分的に重なるようにしつつ、突起部62の右奥方向の向こう側に存在している。この際、上記ヒンジブラケット70の突起部72の乗り上がりにより、ヒンジアーム60が左右方向内側(図28中の太矢印参照)に撓む。すなわち、この例では、ヒンジアーム60の剛性がヒンジブラケット70の剛性よりも小さくなる(ヒンジブラケット70が撓まずヒンジアーム60が撓む)ように予め構成されている。そしてさらに開閉カバー5の開き方向(図23、図28の矢印D参照)への回動が進むにつれ突起部72の上記乗り上がりが進み、突起部72の周方向全域が突起部62に乗り上がり軸心kの軸方向に重なり合うようになって、最終的には突起部72が孔本体61の外部へと離脱する。これにより、ヒンジブラケット70とヒンジアーム60との係合(言い換えれば開閉カバー5と筐体2との係合)が解除される。
【0052】
図24及び図29は、上記のようにして係合が解除される寸前の状態を表しており、上記図23及び図28に示す乗り上がり始めから、図24及び図29に示す係合解除寸前までの開閉カバーの回動位置範囲が、各請求項記載の第2回動位置に相当している。
【0053】
以上説明したように、本実施形態においては、筐体2の開口部OPを開閉する開閉カバー5は、ヒンジブラケット70とヒンジアーム60とによる係合構造によって、筐体2に対し回動可能に支持されている。このとき、開閉カバー5の回動位置に応じて上記係合を解除可能とするために、ヒンジブラケット70の軸本体71の周方向一部領域に突起部72が設けられ、ヒンジアーム60の孔本体61の周方向一部領域に突起部62が設けられている。開閉カバー5が閉じ状態にあるときには突起部72及び突起部62は互いに周方向に離間した状態にある(図20及び図25参照)が、開閉カバー5が開き方向に回動して上記第1回動位置となると突起部72と突起部62とは互いに当接する(図22及び図27参照)。そして、さらに開閉カバー5が開き方向に回動されて上記第2回動位置となると、突起部72が突起部62へ乗りあがる態様でそれら突起部72及び突起部62が軸心kの軸方向に重なり合う(図23及び図28、図24及び図29参照)。これにより、これまで係合してきたヒンジブラケット70及びヒンジアーム60の上記軸方向相対位置が変化し、それらヒンジブラケット70及びヒンジアーム60の係合が緩み、当該係合を解除可能となる。以上のようにして、開閉カバー5の回動角度がある程度大きくなるとヒンジブラケット70とヒンジアーム60との係合が解除され、開閉カバー5が筐体2から外れる。この結果、開閉カバー5に誤って過大な負荷が加わった場合でも、開閉カバー5が筐体2から外れることで当該過大な負荷を逃がし、開閉カバー5や筐体2の破損を防止することができる。
【0054】
また、本実施形態においては、特に、開閉カバー5の閉じ状態から上記第1回動位置(図22、図27参照)までの間は、ヒンジブラケット70の軸本体71の突起部72は、ヒンジアーム60の孔本体61の径方向内側に位置している。これにより、開閉カバー5が閉じ状態と上記第1回動位置との間に位置している間は、ヒンジブラケット70とヒンジアーム60との係合が確実に維持された状態で円滑に開閉カバー5の開閉を行うことができる。また、突起部72が外に向かって飛び出していないので、ヒンジ部80に手が触れてもケガをすることがなく安全である。
【0055】
また、本実施形態においては、特に、開閉カバー5が上記第1回動位置(図22、図27参照)から回動して上記第2回動位置となるときに、ヒンジアーム60が左右方向内側に撓む(図23、図28参照)ことにより、突起部72が突起部62へ乗りあがり軸心kの軸方向に重なり合い、それらを確実に上記軸方向に重なり合わせることができる。その際、筐体2Aから突出して設けるヒンジアーム60の方が、開閉カバー5のヒンジブラケット70よりも長いので弾性を持たせやすく、撓ませやすいという意義もある。
【0056】
また、本実施形態においては、特に、筐体2のヒンジアーム60がスリット63を備えている。これにより、上記乗りあがり時における上記ヒンジアーム60の左右方向内側への撓みを起こりやすくすることができるので、突起部72と突起部62とをさらに確実に重なり合わせることができる。
【0057】
また、本実施形態においては、特に、リンクレバー34と開閉カバー5との係合の際、リンクレバー34の係合爪部34Aが開閉カバー5の係合軸33の一部を露出させつつそれ以外の大部分を包囲する構造とする。これにより、大きな負荷が加わった場合には、係合爪部34Aが弾性変形することで、係合軸33を包囲せず出させる部分(非包囲部分である切欠部34B)を拡大し、当該切欠部34Bから係合軸33を係合爪部34A外へと離脱させることができる。したがって、開閉カバー5に誤って過大な負荷が加わった場合には、上述のようにして開閉カバー5が筐体2から外れるのみならず、開閉カバー5がリンクレバー34からも外れるようにすることができる。この結果、開閉カバー5や筐体2の破損をさらに確実に防止することができる。また、開閉カバー5がリンクレバー34から外れることにより、リンクレバー34の他方側端部に位置するリリースレバー51、リリースギヤ(図示せず)、リリース軸48、下部干渉部材57との連結構造が外れたり破損することがない。この結果、離脱した係合爪部34Aを弾性変形させて押し広げ、再び係合軸33を係合させるだけで、容易に元の状態に復帰させることができる。
【0058】
なお、上記実施形態においては、軸本体71及び突起部72が開閉カバー5のヒンジブラケット70に設けられ、孔本体61及び突起部62が筐体2のヒンジアーム60に設けられているが、これとは逆に、軸本体71及び突起部72と同等の構造を筐体2側に設け、孔本体61及び突起部62と同等の構造を開閉カバー5のヒンジブラケット70に設け、それらによって上記同様の解除可能な係合構造を実現するようにしてもよい。この場合も同様の効果を得る。
【0059】
また、上記は、電子機器として、被印字テープに所望の印刷を行って印字ラベルを作成する印字ラベル作成装置に対し、本発明を適用したが、これに限られない。例えば、バッテリ電源により駆動される携帯用プリンタや、例えばA4、A3、B4、B5サイズ等の通常の被印刷用紙に画像を形成したり文字を印刷するプリンタ等の、他のタイプの印刷装置に本発明を適用してもよい。また印刷装置にも限られず、開口部を備えた筐体を有する電子機器であれば他のものに対しても本発明は適用でき、この場合も同様の効果を得る。
【0060】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0061】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0062】
1 印字ラベル作成装置(電子機器)
2 筐体
2A 筐体本体
3A ロールシート(被印字媒体)
5 開閉カバー
32 サーマルヘッド(印字ヘッド)
33 係合軸
34 リンクレバー
34A 係合爪部
35 プラテンローラ(搬送ローラ)
36 押圧バネ(押圧手段)
37 ヘッド支持部材
48 リリース軸(リリース手段)
50 レバー軸
51 リリースレバー(リリース手段)
57 下部干渉部材(リリース手段)
60 ヒンジアーム(アーム部)
61 孔本体(軸受孔部)
62 突起部(第2突起部、軸受孔部)
63 スリット(剛性低減部)
70 ヒンジブラケット
71 軸本体(軸部)
72 突起部(第1突起部、軸部)
80 ヒンジ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置の外郭を構成するとともに開口部を備える筐体と、
前記開口部を開閉する開閉カバーと、
を有する電子機器であって、
前記開閉カバー及び前記筐体のうち一方は、所定の軸心を備えた軸部を備えており、
前記開閉カバー及び前記筐体のうち他方は、前記軸心を中心として回動可能に前記軸部を係合する軸受孔部を備えており、
前記軸部は、その周方向における一部領域に、第1突起部を備えており、
前記軸受孔部は、その周方向における一部領域に、第2突起部を備えており、
前記第1突起部及び前記第2突起部は、
前記開閉カバーの閉じ状態では互いに周方向に離間した状態にあり、
前記開閉カバーの前記閉じ状態から開き方向への回動にしたがって互いの周方向距離が近接するとともに、当該開閉カバーが第1回動位置となると互いに当接し、
前記開閉カバーが前記第1の回動位置からさらに前記開き方向に回動して第2回動位置となると、前記第1突起部及び第2突起部のうち一方が他方へ乗りあがって前記軸方向に重なり合うことで、前記軸部と前記軸受孔部との係合を解除可能とする
ように構成されていることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
請求項1記載の電子機器において、
前記軸部は、
円筒形状の軸本体と、
前記軸本体の周縁部から軸方向に突出した前記第1突起部と、
を備えており、
前記軸受孔部は、
前記軸本体部を摺動可能に収納支持する孔本体と、
前記孔本体の周縁部から径方向内側に突出した前記第2突起部と、
を備えており、
前記開閉カバーの前記閉じ状態から前記第1回動位置までの間は、前記軸部の前記第1突起部は、前記軸受孔部の前記孔本体の径方向内側に位置している
ことを特徴とする電子機器。
【請求項3】
請求項2記載の電子機器において、
前記筐体は、
筐体本体と、
前記筐体本体に対し突出して設けられ、略先端に前記軸部又は前記軸受孔部を備えたアーム部と、
を有しており、
前記開閉カバーが前記第1の回動位置から回動して前記第2回動位置となるときに、前記アーム部が所定方向に撓むことにより、前記第1突起部及び第2突起部のうち一方が他方へ乗りあがり前記軸方向に重なり合う
ことを特徴とする電子機器。
【請求項4】
請求項3記載の電子機器において、
前記筐体の前記アーム部は、
前記所定方向と反対側への撓みよりも前記所定方向への撓みを生じやすくするための、剛性低減部を備える
ことを特徴とする電子機器。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の電子機器において、
被印字テープを搬送する搬送ローラと、
前記搬送ローラにより搬送される被印字テープに対し所望の印刷を行う印字ヘッドと、
前記被印字テープを前記搬送ローラ及び前記印字ヘッドにより挟持して押圧付勢する押圧手段と、
前記搬送ローラと前記印字ヘッドとの離間と圧接とを行うリリース手段と、
を前記筐体内に有し、
かつ、
前記開閉カバーの開閉動作に連動して前記リリース手段による前記離間及び前記圧接を行うために、一方側端部に設けられ弾性変形可能な係合爪部が前記開閉カバーに係合されるとともに、他方側端部が前記リリース手段に連結される、リンクレバーを設け、
前記開閉カバーは、
前記リンクレバーと係合するための係合軸を備えており、
前記リンクレバーの前記係合爪部は、
前記係合突起部の外周部のうち一部を露出させつつそれ以外の部分を包囲するように構成され、前記第1回動位置よりも前記開閉カバーが閉じ方向に回動した第3回動位置において前記係合爪部が前記係合軸から外れる
ことを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2012−250473(P2012−250473A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−125550(P2011−125550)
【出願日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】