説明

電子機器

【課題】カバーをケースに対して繰り返しスライドさせても、十分な保持力を維持できる電子機器を提供する。
【解決手段】ケース20の所定領域を覆うカバー30は、所定領域の一部を覆う取付開始位置P1から、所定領域の全部を覆う取付完了位置P0まで、ケース20に対して相対的に摺動することにより、ケース20に取り付けられる。ケース20には、表面201から弾性部材271を介して突没可能な第1突起26が設けられており、カバー30の裏面301には、カバー30が取付開始位置P1と取付完了位置P0との間を摺動するときに第1突起26を沈ませながら通過する第2突起38が設けられている。従って、カバー30を繰り返しスライドすることにより、第1突起26は第2突起38に接触して上下に繰り返し移動するが、第1突起26は弾性部材271の弾性力により上下移動するため、樹脂の劣化を伴わず、十分な保持力を長期間維持できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開口部を覆うカバーをスライド可能且つ取り外し可能に有する電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、電子機器等の電池カバーには、スライド可能且つ取り外し可能となっているものがある(例えば、特許文献1参照)。
図16に示すように、特許文献1に記載の電子機器100は、筐体本体101に設けた電池収納部102と、電池収納部102を覆う電池カバー103とを有する。電池カバー103を筐体本体101にロックさせるために、第1垂直ロック手段としての鉤部104および外側突起105と、第2垂直ロック手段としての垂直方向係止爪106および内側突起107とを有する。
そして、第1垂直ロック手段および第2垂直ロック手段を電池カバー103又は筐体本体101の複数箇所に一体成型し、それぞれ異なる方式でカバー103を筐体本体101にロックする。
【0003】
これにより、電池カバー103の筐体本体101に対する着脱が容易であり、かつ衝撃等による意図しない脱落を防止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−335201号公報(第6図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前述した特許文献1に記載の電子機器100においては、第1垂直ロック手段および第2垂直ロック手段は樹脂で形成されており、樹脂の弾性力により保持しているため、繰り返しスライドすることにより、樹脂が劣化して保持力が低下し、十分な保持力が得られない場合があるという問題があった。
【0006】
本発明は、従来の問題を解決するためになされたもので、カバーをケースに対して繰り返しスライドさせても、十分な保持力を維持できる電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様に係る電子機器は、ケースと、前記ケースの所定領域を覆うために、前記所定領域の一部を覆う取付開始位置から、前記所定領域の全部を覆う取付完了位置まで、前記ケースに対して相対的に摺動することにより前記ケースに取り付けられるカバーと、前記ケースの前記カバー側の面から弾性部材を介して突没可能な第1突起と、前記カバーの前記ケース側の面に設けられ、前記カバーが前記取付開始位置と前記取付完了位置との間を摺動するときに前記第1突起を沈ませながら通過する第2突起と、を備えたものである。
【0008】
また、本発明の第2の態様に係る電子機器は、前記第1突起が、前記カバーが前記取付開始位置から前記取付完了位置に移動するときに前記第2突起が接触する第1取付け傾斜面と、前記カバーが前記取付完了位置から前記取付開始位置に摺動するときに前記第2突起が接触する第1取外し傾斜面と、を備えたものである。
【0009】
また、本発明の第3の態様に係る電子機器は、前記第2突起が、前記第1取付け傾斜面および前記第1取外し傾斜面に対してそれぞれ面摺接可能な第2取付け傾斜面および第2取外し傾斜面を備えたものである。
【0010】
また、本発明の第4の態様に係る電子機器は、前記ケースに対する前記カバーの摺動方向に対して、前記第1取付け傾斜面が前記第1取外し傾斜面よりも緩やかな傾斜角度であるものである。
【0011】
また、本発明の第5の態様に係る電子機器は、前記カバーの裏面に設けられた舌部と、前記第1突起の近傍に設けられ、前記カバーが前記取付開始位置から前記取付完了位置へ移動する際に、前記第1突起と前記第2突起とが接触するよりも前に前記舌部に挿入される舌挿入部とを備えたものである。
【0012】
また、本発明の第6の態様に係る電子機器は、前記カバーに設けられ、前記ケースに対する摺動方向に沿うカバー側壁と、前記ケースに設けられ、前記カバー側壁と略平行なケース側壁と、前記カバー側壁の内面に設けられ、前記取付完了位置において前記ケースおよび前記カバーの平面方向の位置規制を行うカバー側壁突起と、前記ケース側壁に設けられ前記カバーの平面方向の位置規制を行うケース側壁突起との少なくとも一方を備えるものである。
【0013】
また、本発明の第7の態様に係る電子機器は、カバー側壁突起およびケース側壁突起は、前記カバーが前記取付開始位置と前記取付完了位置との間を摺動するときに互いに摺接しながら乗り越え、前記第1突起の耐摩耗性が前記カバー側壁突起の耐摩耗性よりも高いものである。
【0014】
また、本発明の第8の態様に係る電子機器は、前記カバー側壁突起および前記ケース側壁突起のうちの少なくとも一方が凸状の曲面を備えたものである。
【0015】
さらに、本発明の第9の態様に係る電子機器は、前記カバー側壁の内面および前記ケース側壁のうちの少なくとも一方に設けられて他方に向かって突出し、前記カバーと前記ケースとの前記摺動方向の移動を規制する規制突起を備えるものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、カバーを繰り返しスライドすることにより、第1突起は第2突起に接触して上下に繰り返し移動するが、第1突起は弾性部材の弾性力により上下移動するため、樹脂の劣化を伴わず、十分な保持力を長期間維持できるという効果を有する電子機器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】(A)は本発明に係る実施形態の携帯端末においてカバーをケースに取り付けた状態を示す全体斜視図であり、(B)はカバーをスライドさせて取り外す状態を示す全体斜視図
【図2】(A)はカバーをケースに取り付けた状態を示す断面図であり、(B)はカバーをスライドさせて取り外す状態を示す断面図
【図3】カバーをケースから取り外した状態を示す分解斜視図
【図4】(A)はケースの全体斜視図であり、(B)はカバーの内面の全体斜視図
【図5】(A)は図3中V−V位置の断面であり、(B)は電池パック保持部材が規制部材により規制された状態を示す断面図
【図6】(A)は電池パックの端面の斜視図であり、(B)は(A)中B−B位置の断面図
【図7】(A)は図4(B)中VII−VII位置の断面図であり、(B)は(A)中B−B位置の断面図
【図8】(A)は係合突起および当接部とカメラレンズとの関係を示す斜視図であり、(B)は(A)中B方向から見た正面図
【図9】スピーカ取付部の断面図
【図10】フラッシュライトの斜視図
【図11】(A)はカバーが取付完了位置にある状態を示す斜視図であり、(B)はカバーが取付開始位置にある状態を示す斜視図
【図12】(A)はカバーが取付完了位置にある場合のシャッタースイッチを示す斜視図であり、(B)はカバーが取付開始位置にある場合のシャッタースイッチを示す斜視図であり、(C)は鍔部材における逃げ部を示す斜視図
【図13】(A)は図3中XIII−XIII位置においてカバーが取付開始位置にある状態の断面図であり、(B)はカバーが取付完了位置にある状態の断面図であり、(C)は(A)中C部分の拡大図
【図14】(A)は第1突起の側面図であり、(B)は(A)中B方向から見た正面図
【図15】(A)は図3中XV位置の拡大図であり、(B)は図4中XV位置の拡大図
【図16】(A)は従来の電子機器において電池カバーを完全に取り付けた状態を示す平面図であり、(B)はB−B位置の拡大断面図
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る実施形態の電子機器について、図面を用いて説明する。
図1に示すように、本発明に係る実施形態の電子機器としての携帯端末10は、矩形箱状のケース20と、ケース20の表面201の全面を覆うカバー30とを有し、カバー30に設けられているカメラ用開口部31から、カメラユニット40が露出している。
なお、ケース20のカバー30とは反対側面には、表示板や操作部等を有する表カバー(図示省略)が取り付けられている。
また、以後の説明において、上側とはカバー30側をいい、下側とはケース20側をいう。
【0019】
図2に示すように、ケース20には、カバー30側に開口した凹状の電池収容部21が設けられており、電池パック11が収容される。カバー30は、電池収容部21を覆う蓋部材でもある。
【0020】
カバー30をケース20に取り付ける際には、図1(B)および図2(B)に示すように、カバー30を、電池収容部21の一部を覆う取付開始位置P1においてケース20の表面201に載置する。そして、ケース20に対する厚み方向の相対位置を維持したまま、すなわちケース20の表面201と平行にカバー30を相対的に後方(図2(B)矢印A方向)へスライドさせて、電池収容部21の全部を覆う取付完了位置P0まで摺動する。これにより、カバー30は、ケース20に取り付けられて、カバー20の全面を覆う。この間のスライド量は、取付開始位置P1と取付完了位置P0との間の距離L1である(図1(B)参照)。
【0021】
図3および図4に示すように、電池収容部21の内面211には、電池パック11の端面11Bに向かって突没可能であって電池パック11を保持する電池パック保持部材22が設けられている。
【0022】
図5(A)に示すように、電池パック保持部材22は、上方および前方に逆L字状に突出する電池パック係止爪221を有しており、電池パック11の上面11Aを係止する。電池パック係止爪221の上面222は、電池パック係止爪221の基端側から先端側まで電池パック11の上面11Aに向かう下り傾斜面となっている。
また、電池パック保持部材22は、弾性部材である保持部材用スプリング23によって、電池パック11の端面11Bに向かって常時付勢されている。
【0023】
従って、電池パック11を電池収容部21に収容する際には、電池パック11の端面11Bと反対側端面(図示省略)を電池収容部21に引っ掛けて、電池パック11の端面11B側で電池パック保持部材22の電池パック係止爪221の上面222を押すことにより、上面222の傾斜面に沿って電池パック保持部材22を後退させながら電池パック11を収容する。
そして、電池パック11が電池パック係止爪221の下側に移動すると、電池パック保持部材22が保持部材用スプリング23により押し出されて、電池パック係止爪221が電池パック11の上面11Aを係止する。
【0024】
図4(B)および図5(B)に示すように、カバー30の裏面301には、カバー30が取付完了位置P0(図2参照)にあるときに、電池パック係止爪221に係合する規制部材32が設けられている。
規制部材32は、電池パック11を保持している状態にある電池パック保持部材22が、電池パック11から離れる方向(図5(B)において左側)への移動を規制する。
【0025】
一方、図6に示すように、電池パック11の端面11Bには、電池パック11を収容した際に電池パック保持部材22の電池パック係止爪221に対応する位置に、係止凹部12が設けられている。
従って、電池パック11を電池収容部21から取り外す際に、片手で、容易に電池パック11を取り外すことができる。
【0026】
以下、より詳細に説明する。保持部材用スプリング23によって電池パック11側に付勢されている電池パック保持部材22を保持部材用スプリング23の付勢力に抗して外す方向へ後退させると、電池パック11の係止凹部12が露出する。その状態では、電池パック保持部材22を後退させるために用いた指が、電池パック11の係止凹部12付近に存在するのでこの指を係止凹部12に引っ掛けて、電池パック11を取り出すことができる。
【0027】
図2に示すように、ケース20の表面201には、カメラユニット40を収容する凹部24(以後、「カメラ凹部24」という。)が設けられており、カバー30にはカメラ凹部24に対向してカメラ用開口部31(図1参照)が設けられている。カバー30の表面302のカメラ用開口部31の周囲には、円形の筒部としての枠部材33が設けられている。
【0028】
カメラ凹部24には、縁に沿った縁部として縁リブ241が立設されている。
一方、カメラユニット40はカメラ凹部24に収容され、カメラユニット40の先端に位置するカメラレンズ41の頂部が、縁リブ241よりも低く位置するように配置されている(図7(A)参照)。
【0029】
図7に示すように、カバー30の裏面301におけるカメラ用開口部31の周囲には、カバー30の表面302側に突出するレンズ移動用凹部34が設けられている。カメラレンズ41および縁リブ241はレンズ移動用凹部34の内部に収容されており、カバー30を図7中上下方向へスライドさせることにより、レンズ移動用凹部34の内部において相対的に上下方向へ移動する。
【0030】
レンズ移動用凹部34は、縁リブ241を収容可能な幅を有する長円形状をしており、移動可能代Dを有する。なお、レンズ移動用凹部34は、長円形状でなくともよい。縁リブ241を収容可能なスペースが確保できるのであれば、大きな円形状や直線部分を有する形状であっても構わない。
従って、カバー30を取付開始位置P1と取付完了位置P0との間でスライドさせても、カバー30の枠部材33のカメラ用開口部31から見えるカメラレンズ41は常に真円形状となるので、外観を良好に保つことができる。
【0031】
図4(B)および図8(A)に示すように、カバー30における裏面301の中央部には、係合突起35が設けられている。また、係合突起35に隣接して、係合突起35の先端位置よりもケース20に向かって突出する(図8(B)参照)当接部36が設けられている。当接部36が係合突起35を挟んで一対設けられている。
なお、ここでは、当接部36として、L字形状のリブを設けたが、この他、例えば矩形の平板状とすることもできる。
一方、図4(A)に示すように、ケース20の表面201には、カバー30が取付完了位置P0に摺動したときに、係合突起35が挿入される係合孔部25が設けられている。
【0032】
従って、カバー30をケース20に取り付ける際に、カバー30を取付開始位置P1に位置決めし、カバー30を取付完了位置P0に向かってスライドさせると、係合突起35が係合孔部25に係合する。このとき、係合突起35よりも当接部36がケース20側に向かって突出しているので、当接部36が縁リブ241の上面に当接しても、係合突起35はカメラレンズ41に当接しない。
【0033】
図9に示すように、ケース20におけるカメラレンズ41の近傍に、スピーカ42が取り付けられている。
図4(A)にも示すように、スピーカ42の上方に対応するケース20の表面201には、カメラレンズ41に隣接した位置にスピーカ42からの音をケース20の外部に放音する第1音孔431が開口している。第1音孔431の途中位置には桟434が2カ所設けられており、第1音孔431を三分割している。
【0034】
また、図4(B)にも示すように、カバー30の内外を連通してカバー30の外部に放音する第2音孔432が、カメラレンズ41用の枠部材33のカバー30に対する取付部に設けられている。第2音孔432の途中位置には、第1音孔431に対応して桟435が2カ所設けられており、第2音孔432を三分割している。
さらに、図4(A)に示すように、ケース20の表面201において、第1音孔431を囲うように音孔壁部433が形成されており、カバー30が取付完了位置にあるときに、第1音孔431から出た音を第2音孔432に導く。
【0035】
図1に示すように、カバー30の表面302には、カメラユニット40で撮影する際に用いられるフラッシュライト44が露出している。
図3に示すように、フラッシュライト44はケース20の表面201に取り付けられており、カバー30において対応する位置には、長円形状をしたライト孔45が設けられている。
【0036】
図10に示すように、フラッシュライト44は、ライト孔45よりも大きな例えば矩形板状のベース層441と、このベース層441に積層された長円形状の中間層442と、この中間層442に積層され光を発する発光層443を有する。
【0037】
ベース層441は、例えば上面を銀色等の光を反射する色で形成し、反射板となるものが望ましい。なお、発光体444(図11参照)の上方に対向する位置には、円形の開口部が設けられており、発光体444の光を外部に照射する。
中間層442は、例えば透明な樹脂製であり、カバー30が取付開始位置P1にあるときにはカバー30に隠蔽されるとともに、カバー30が取付完了位置P0にある使用時には露出する。
発光層443は、中間層442と一体的に透明な樹脂で形成され、表面を波板状に形成して、発光体444からの光を所定の範囲に拡散する。
【0038】
従って、図11(B)に示すように、カバー30が取付開始位置P1にある場合には、ライト孔45からベース層441の一部が露出して、中間層442はカバー30の下に隠れる。
一方、図11(A)に示すように、カバー30が取付完了位置P0にある使用時には、ベース層441はライト孔45に露出しないで、中間層442の一部がライト孔45から露出する。
【0039】
図1および図12に示すように、カメラユニット40を作動させ、フラッシュライト44を発光させるためのシャッタースイッチ46が、ケース20の側面202に設けられている。
ケース20の側面202には長円形状の鍔部材47が設けられており、鍔部材47の内部でシャッタースイッチ46が押圧可能に設けられている。
一方、図3に示すように、カバー30の側面303には、鍔部材47の形状に対応して縁部371が設けられており、縁部371の内側にはシャッタースイッチ用切欠37が設けられている。
【0040】
シャッタースイッチ用切欠37は、鍔部材47の形状に対応して、長円形状をほぼ半分にした形状をしており、図12(A)に示すように、カバー30が取付完了位置P0にある場合には露出しない。
一方、図12(B)に示すように、カバー30が取付開始位置P1にある場合には、シャッタースイッチ用切欠37は鍔部材47の外側に露出する。
【0041】
図12(C)に示すように、鍔部材47は、ケース20の側面202に露出する表装材471と、表装材471の後方に一体的に設けられてケース20の側面202に取り付けるための筒状部材472を有する。筒状部材472におけるカバー30取付方向側端部(図12(C)において右側)には、筒状部材472の外周面が表装材471の内側(図12(C)において左側)に凹んだ逃げ部473が設けられている。
【0042】
この逃げ部473には、取付開始位置P1にあるカバー30の縁部371が侵入可能となっているので、カバー30を取り付ける際に、縁部371が筒状部材472と干渉するのを回避している。
【0043】
図4(A)に示すように、電池収容部21の端部側には、ケース20の表面201から突没可能な第1突起26が設けられている。
一方、図4(B)に示すように、カバー30の裏面301には、カバー30が取付開始位置P1と前記取付完了位置P0との間を摺動するときに、第1突起26を沈ませながら通過する第2突起38が設けられている。
【0044】
図13に示すように、第1突起26は、ケース20に設けられている第1突起ガイド部27の内部に、上下移動可能に保持されており、弾性部材である第1突起用スプリング271により上方に付勢されている。
【0045】
図14に示すように、第1突起26は、第1突起用スプリング271が巻装される柱部261と、柱部261の頂部に設けられている平板状のベース部262と、ベース部262の上に設けられた山型の突起部263を有する。
【0046】
突起部263は、カバー30が取付開始位置P1から取付完了位置P0に摺動するとき、すなわち取付け方向(図13(A)参照)に摺動するときに、第2突起38が接触する第1取付け傾斜面264と、カバー30が取付完了位置P0から取付開始位置P1に摺動するとき、すなわち取外し方向(図13(B)参照)に摺動するときに第2突起38が接触する第1取外し傾斜面265とを有する。
【0047】
一方、図13(C)に示すように、第2突起38においては、第1突起26の第1取付け傾斜面264および第1取外し傾斜面265に対してそれぞれ面摺接可能な第2取付け傾斜面381および第2取外し傾斜面382を有する。
【0048】
図14(A)に示すように、第1取付け傾斜面264のカバー30の摺動方向に対する傾斜角度θ1は、第1取外し傾斜面265の傾斜角度θ2よりも緩やかな傾斜角度とするのが望ましい。例えば、θ1=55度、θ2=70度程度にすることができる。
これにより、カバー30の取付時には容易にカバー30をスライドでき、カバー30の取外しの際には、取付時に比して力がいるので、不用意にカバー30が外れるのを防止できる。
【0049】
なお、第2突起38についても、第2取付け傾斜面381の傾斜角度を、第2取外し傾斜面382の傾斜角度よりも緩やかな傾斜角度とするのが望ましい。
なお、傾斜面の角度が急峻なほど、カバー30のスライド時に第1突起用スプリング27を押圧する方向への分力が小さくなるため、ライドに要する力が大きくなり、かつ、スライドによって第1突起28が削れ易くなる。一方、角度が平坦なほど、スライドに要する力が小さくなり、かつ、第1突起28が削れにくくなる。
そのため、第1突起用スプリング27の付勢力が強い場合には角度を平坦に、付勢力が弱い場合には角度を急峻にすることが望ましい。
【0050】
図4(B)に示すように、カバー30の裏面301の端部に舌部39を設け、図4(A)に示すように、ケース20の表面201において第1突起26に隣接した位置に、カバー30が取付完了位置P0にあるときに舌部39が挿入される舌挿入部28が設けられている。
これにより、カバー30が取付完了位置P0にあるときに、第1突起用スプリング271により上方へ付勢されている第1突起26が、第2突起38を介して、カバー30を押し上げるのを防止する。
【0051】
なお、舌部39と舌挿入部28との配置はこれに限られるものではなく、第1突起26の周辺に配置され、かつ、第1突起26が第2突起38に接触するよりも前に、舌部39が舌挿入部28に挿入される位置に配置されていれば、どのような位置に配置されていても構わない。
また、舌部39と舌挿入部28との組も2組には限られず、1組であってもよいし、3組以上あってもよい。
【0052】
図15(A)および(B)に示すように、カバー30においてケース20に対する摺動方向に沿って設けられたカバー側壁304には、ケース20側に突出するカバー側壁突起305が設けられている(図4(B)参照)。
また、ケース20においてカバー側壁304と略平行なケース側壁203には、カバー30側に突出するケース側壁突起204が設けられている(図3および図4(A)参照)。
【0053】
また、図15(A)に示すように、ケース側壁203には、カバー側壁304に向かって突出する規制突起205が設けられている。このカバー側の規制突起205は、ケース20側の規制突起306に対応する位置に設けられており、カバー側壁突起305とケース側壁突起204との当接が崩れてしまうことを防止している。後述するとおり、カバー側壁突起305とケース側壁突起204とは、互いに当接することによって、幅方向(本実施形態では、ケース20の幅方向)のがたつきを防止している。そのため、カバー側壁突起305とケース側壁突起204とのスライド方向の位置がずれてしまい、互いに当接しなくなってしまうと、ケース20の幅方向のがたつきが防止できなくなってしまう。そこで、規制突起205と規制突起306とによって、カバー側壁突起305とケース側壁突起204とのスライド方向の距離を、一定の距離以下になるよう制限している。
【0054】
なお、規制突起205と規制突起306とはカバー30がケース20に取り付けられた状態で当接している必要はなく、図15(A)のとおり、間に微少な空間が設けられていてもよい。また、図15(A)のとおり、規制突起205および規制突起306は、それぞれ、カバー30およびケース20の近傍まで突出しているため、カバー側壁突起305およびケース側壁突起204と同様、これらの規制突起にもケース20の幅方向の位置を規制する効果がある。
なお、規制突起205の突出寸法は、ケース側壁突起204の突出寸法よりも小さく設定する。これにより、規制突起205がカバー側壁突起305に当接して,カバー30のスライドを停止させるのを防止できる。
【0055】
なお、スライド時の突起の磨耗を抑制するためには、カバー側壁突起305およびケース側壁突起204のうちの少なくとも一方が凸状の曲面を有するのが望ましい。
なお、図15においては、カバー側壁突起305およびケース側壁突起204の形状を半円断面としている。
【0056】
従って、カバー30が取付開始位置P1と取付完了位置P0との間を摺動するときに、カバー側壁突起305と、ケース側壁突起204とが互いに摺接しながら乗り越えて移動する。
なお、第1突起26の耐摩耗性が、カバー側壁突起305の耐摩耗性よりも高いものとするのが望ましい。これは、第1突起26が筐体の厚み方向のスペースを要するため、筐体内部の回路基板等と干渉しないよう、配置できる数および位置が限定されるのに対し、カバー側壁突起305は、これらの制約が薄く、磨耗に備えて複数の突起を配置したりすることが容易であるためである。
【0057】
以上、説明した本発明に係る実施形態の携帯端末10によれば、電池パック11を電池収容部21に収容し、カバー30を取付開始位置P1から取付完了位置P0までスライドさせることによりカバー30で電池収容部21を覆うと、カバー30の裏面301に設けられている規制部材32が、電池パック11の上面を係止することにより電池パック11を保持している電池パック保持部材22の電池パック係止爪221に係合するので、電池パック係止爪221が外れる方向への電池パック保持部材22の移動を規制し、電池パック11が電池収容部21から脱落するのを,確実に防止できる。
【0058】
また、カバー30を取付開始位置P1へ摺動すると、規制部材32も移動して電池パック係止爪221との係合を解くので、電池パック保持部材22の電池パック係止爪221が外れる方向への移動が可能となり、カバー30を外して電池パック11を容易に取り出すことができる。
また、規制部材32と電池パック係止爪221との係合が不十分な場合には、カバー30が適正に取り付けられないので、電池パック11の取付けが不十分であると容易に発見できる。
【0059】
また、電池パック保持部材22は保持部材用スプリング23により、電池パック11の端面に向かって付勢されているので、電池パック11を収容すると電池パック保持部材22は電池パック11方向へ押し出される。これにより、電池パック11を確実に保持することができる。
【0060】
また、電池パック係止爪221の上面222に、基端側から先端側まで電池パック11の上面11Aに向かう下り傾斜面が設けられているので、電池パック11を電池収容部21に押し込むことにより電池パック係止爪221が後退する。このため、容易に電池パック11を電池収容部21に収容できる。
【0061】
さらに、電池パック11の端面11Bにおいて電池パック係止爪221に対応する位置には係止凹部12が設けられているので、電池パック11を取り出す際に、電池パック係止爪221を後退させるとともに係止凹部12に指を掛けて、容易に取り出すことができる。
なお、上述した実施形態では、係止凹部12の近傍に凸部を設けているが、これも同様の目的を達成するためのものである。また、係止凹部12を設けず、凸部のみを設けたり、凸部を設けず係止凹部12のみを設けるとしても良い。すなわち、係止凹部は、必ずしも電池パックの他の面全体から見て凹んでいる必要はなく、相対的に凹んでいれば十分である。近傍に凸部があれば相対的に指を掛けられる係止凹部が存在することとなるため、本明細書では、指掛けを行う部分の近傍に凸部のみを設けることも、係止凹部を設ける一手段であると見做す。
【0062】
また、本発明に係る実施形態の携帯端末10によれば、カバー30が取付完了位置P0に摺動したときに、カバー30におけるケース20側の中央部に設けられた係合突起35が、ケース20の表面201に設けられた係合孔部25に挿入されるので、カバー30の中央部の浮き上がりを防止できる。
また、カメラレンズ41は、頂部がケース20の表面201に設けられたカメラ凹部24の縁リブ241よりも低い位置となるように配置されており、カバー30の係合突起35に隣接して設けられた当接部36が、係合突起35の先端位置よりもケース20に向かって突出している。このため、カバー30をスライドさせる際に、何らかの力でカバー30をケース20に押し付けても、当接部36がカメラ凹部24の縁リブ241と当接して、係合突起35はカメラレンズ41に達しないので、カメラレンズ41を傷つけるのを確実に防止できる。
【0063】
また、当接部36は、係合突起35を挟んで一対設けられているので、カバー30をケース20側に押し付ける力が作用すると、当接部36が縁リブ241に当接し、係合突起35がカメラレンズ41に当接して傷つけるのを確実に防止できる。
【0064】
また、カメラレンズ41を収容するカメラ凹部24は、ケース20の表面201に設けられている枠状のリブである縁リブ241により形成されており、縁リブ241の先端位置がカメラレンズ41のカバー30側の端面よりもカバー30側に突出して配置されているので、係合突起35をカメラレンズ41に近付けると当接部36が縁リブ241の先端面に接触する。このため、係合突起35がカメラレンズ41に当接して傷つけるのを確実に防止できる。
【0065】
また、ケース20に収容されたスピーカ42からの音を、カバー30の内外を連通する第2音孔432を通して筐体外へ放音するので、カバー30の外側正面から音孔が見えず,外観を損ねない。
なお、第2音孔432は、ケース20に対するカバー30の取付け形態に依存せずに設けることができる。
【0066】
また、ケース20に対してカバー30を取付完了位置P0に取り付けた状態で、第1音孔431と第2音孔432との間に略筒状の連通路を形成する音孔壁部433を設けたので、音圧の劣化や音抜けを防止できる。
【0067】
また、第2音孔432に音孔を横断する桟435を設けたので、音孔部分の強度を確保できる。
なお、第2音孔432はカバー30から突出しているため、カバー30の取り外し時に指が第2音孔432に挿入され、第2音孔432に無理な力がかかり破損する虞がある。そのため、桟435を設けることで、指が第2音孔432の奥に入り込むことを防ぐことも可能となる。
【0068】
さらに、ケース20の表面201に設けられ、表面201から突出するフラッシュライト44は、取付開始位置P1から取付完了位置P0までカバー30に設けられたライト孔45に収容される。フラッシュライト44は、ベース層441と、ベース層441に積層される中間層442と、中間層442に積層される発光層443とを有する。ベース層441は、ライト孔45よりも大きい。中間層442は、カバー30が取付開始位置P1にあるときにカバー30に隠蔽されるとともに、取付完了位置P0にあるときに露出する。また、発光層443は、カバー30が取付開始位置P1および取付完了位置P0にあるときにライト孔45から露出する。このため、カバー30が取付完了位置P0にある状態では、発光層443とともに中間層442がライト孔45から露出する。中間層442はベース層441よりも突出しているため、ベース層441が直接視認される場合と比べ、発光層443と露出している部分との段差の違和感が低減できる。
【0069】
また、本発明に係る実施形態の携帯端末10によれば、ケース20の所定領域を覆うカバー30は、所定領域の一部を覆う取付開始位置P1から、所定領域の全部を覆う取付完了位置P0まで、ケース20に対して相対的に摺動することにより、ケース20に取り付けられる。ケース20には、表面201から第1突起用スプリング271を介して突没可能な第1突起26が設けられており、カバー30の裏面301には、カバー30が取付開始位置P1と取付完了位置P0との間を摺動するときに第1突起26を沈ませながら通過する第2突起38が設けられている。
従って、カバー30を繰り返しスライドすることにより、第1突起26は第2突起38に接触して上下に繰り返し移動するが、第1突起26は第1突起用スプリング271の弾性力により上下移動するため、樹脂の劣化を伴わず、十分な保持力を長期間維持できる。
【0070】
また、カバー30を取付開始位置P1から取付完了位置P0にスライドさせて取り付ける際に、第1突起26は第2突起38に接触するが、このとき、第1突起26に設けられている第1取付け傾斜面264に沿って第2突起38が移動するので、第1突起26をスムーズに押し下げることができる。
また、カバー30を取付完了位置P0から取付開始位置P1にスライドさせて取り外す際に、第1突起26は第2突起38に接触するが、このとき、第1突起26に設けられている第1取外し傾斜面265に沿って第2突起38が移動するので、第1突起26をスムーズに押し下げることができ、接触部の摩耗を低減できる。
【0071】
また、第1突起26に設けられている第1取付け傾斜面264および第1取外し傾斜面265に沿って相対的に摺動することにより第1突起26を押し下げる第2突起38に、第2取付け傾斜面381および第2取外し傾斜面382を設けたので、第1突起26をスムーズに押し下げることができ、接触部の摩耗を低減できる。
【0072】
また、カバー30に設けられている第1突起26において、カバー30を取り付ける際に第2突起38に接触する第1取付け傾斜面264の傾斜角度θ1が、カバー30を取り外す際に第2突起38に接触する第1取外し傾斜面265の傾斜角度θ2よりも緩やかなので、カバー30を取り付ける際にはスムーズに取り付けることができ、且つカバー30は不用意に外れない。
【0073】
また、カバー30のスライド時に、第1突起26と第2突起38とが接触する前に、カバー30の裏面に設けられた舌部39が、第1突起26の近傍に設けられた舌挿入部28に挿入されるので、第1突起26をカバー30側に押し上げている第1突起用スプリング271の弾性力によってカバー30が押し上げられるのを防止できる。
【0074】
また、ケース20に対する摺動方向に沿ってカバー30に設けられカバー側壁304と、カバー側壁304と略平行にケース20に設けられたケース側壁203との協働により、カバー30は取付開始位置P1と取付完了位置P0との間でケース20に対して相対的にスライド可能となる。カバー側壁304にはカバー側壁突起305が設けられ、ケース側壁203にはケース側壁突起204が設けられており、カバー30もしくはケース20の平面方向の移動を規制する。そのため、スライド方向と異なる方向(例えば、ケース20の幅方向)等、第1突起26および第2突起38のみでは十分に位置規制を行うことが難しい方向についても、カバー30とケース20とがずれてしまうことを防ぐことができる。なお、上述した実施形態では、カバー側壁304とケース側壁203の両方に突起を設けているが、いずれか一方にのみ突起を設けるとしてもよい。
【0075】
また、カバー側壁突起305とケース側壁突起204とは、スライド時に互いに摺接しながら乗り越えることで、スライド方向への位置規制も行うことができる。
なお、カバー側壁突起305とケース側壁突起204とは、摺接によって磨耗する虞があるが、第1突起用スプリング271により機械的にケース20側に付勢されている第1突起26の耐摩耗性を、樹脂製のカバー側壁突起305およびケース側壁突起204の耐摩耗性よりも高くしておけば、樹脂製のカバー側壁突起305およびケース側壁突起204が磨耗しても、第1突起26および第2突起38によってスライド方向への位置規制を行うことができ、使用感の変化を感じにくくすることが出来る。
【0076】
また、カバー側壁突起305およびケース側壁突起204のうちの少なくとも一方が凸状の曲面を有するので、直線的な部分を有する突起を用いる場合と比べ、摺接時にカバー側突起305およびケース側突起204の磨耗を抑制することができる。
【0077】
さらに、カバー側壁304の内面およびケース側壁203のうちの少なくとも一方であるケース側壁203に、他方に向かって突出する規制突起205を設けたので、カバー側壁突起305とケース側壁突起204との間のスライド方向の距離を一定の距離以下に制限することができ、カバー側壁突起305とケース側壁突起204とが互いに離れてしまうことによってスライド方向と異なる方向へのずれが発生してしまうことを防止することができる。
【0078】
(その他変形例)
以上、実施形態に基づいて本発明に係る電子機器を説明した。しかし、本発明は上述した実施形態に限られるものではない。
上述した実施形態では、第1突起26および第2突起38を1組設けていたがこれに限られるものではない。複数組設けるとしてもよい。
【0079】
また、上述した実施形態では、カバー側壁突起305およびケース側壁突起204は、カバー30とケース20とのスライドに伴って互いに乗り越えるものとしたが、これに限られるものではない。乗り越えず、互いに当接するのみであっても構わない。この場合、スライド方向の位置規制を行う効果は薄れるが、これらの側壁突起がなくとも、第1突起26および第2突起38とが接することによってスライド方向の位置規制を行うことが可能である。ただし、第1突起26は比較的容易に上下動するように構成されているので、側壁突起も用いて位置規制を行うことが望ましい。
【0080】
また、上述した実施形態では、スライド方向と異なる方向の位置規制は、カバー側壁突起305およびケース側壁突起204によって行っていたが、これに限られるものではない。例えば、第1突起26の周辺に、第2突起38の平面方向の形状と略同一の壁を設けることで、第2突起38の、スライド方向と異なる方向への可動範囲を規制するとしてもよい。
このような構成にすれば、第2突起38を介してスライド方向と異なる方向の位置規制も行うことが可能となる。
【0081】
また、上述した実施形態では、縁リブ241は、カメラレンズ41の全周を囲っていたが、これに限られるものではない。カメラレンズ41の一部のみを囲む構造であってもよい。すなわち、縁リブ241は、スライド時に当接部36が当接しうる範囲だけ囲んでいれば十分であるので、他の部分を囲まないものとしてもよい。
【0082】
また、上述した実施形態では、係合突起35は、カバー30の略中央部に設けられていたがこれに限られるものではない。他の部分に設けられているとしてもよいし、複数の箇所に設けられているとしてもよい。ただし、より少ない突起で確実にカバー30の浮きを押さえるためには略中央部に配置されていることが望ましい。
【0083】
また、上述した実施形態では、カバー30とケース20とは厚み方向の相対位置を維持したままスライドしていたが、これに限られるものではない。例えば、カバー30とケース20とを厚み方向において斜めにスライドさせる等、スライド時に両者の相対位置が変化する構成であっても構わない。
【0084】
また、上述した実施形態では、第1音孔431に対して桟435が設けられていたが、これに限られるものではない。第1音孔431には桟を設けないものとしてもよい。ただし、第2音孔432に桟を設ける場合は、それに対応する桟を第1音孔431にも設けた方が音のゆがみ等を抑制することができる。
【0085】
また、本発明の適用対象は携帯端末には限られない。適宜、他の電子機器に適用するとしてもよい。
なお、本発明の電子機器は、前述した実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形,改良等が可能である。
【符号の説明】
【0086】
10 携帯端末(電子機器)
20 ケース
201 表面
203 ケース側壁
204 ケース側壁突起
205 規制突起
26 第1突起
264 第1取付け傾斜面
265 第1取外し傾斜面
271 第1突起用スプリング(弾性部材)
28 舌挿入部
30 カバー
301 裏面
304 カバー側壁
305 カバー側壁突起
38 第2突起
381 第2取付け傾斜面
382 第2取外し傾斜面
39 舌部
P0 取付完了位置
P1 取付開始位置
θ1,θ2 傾斜角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケースと、
前記ケースの所定領域を覆うために、前記所定領域の一部を覆う取付開始位置から、前記所定領域の全部を覆う取付完了位置まで、前記ケースに対して相対的に摺動することにより前記ケースに取り付けられるカバーと、
前記ケースの前記カバー側の面から弾性部材を介して突没可能な第1突起と、
前記カバーの前記ケース側の面に設けられ、前記カバーが前記取付開始位置と前記取付完了位置との間を摺動するときに前記第1突起を沈ませながら通過する第2突起と、を備える電子機器。
【請求項2】
請求項1に記載の電子機器において、
前記第1突起が、前記カバーが前記取付開始位置から前記取付完了位置に移動するときに前記第2突起が接触する第1取付け傾斜面と、
前記カバーが前記取付完了位置から前記取付開始位置に摺動するときに前記第2突起が接触する第1取外し傾斜面と、を備える電子機器。
【請求項3】
請求項2に記載の電子機器において、
前記第2突起が、前記第1取付け傾斜面および前記第1取外し傾斜面に対してそれぞれ面摺接可能な第2取付け傾斜面および第2取外し傾斜面を備える電子機器。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の電子機器において、
前記ケースに対する前記カバーの摺動方向に対して、前記第1取付け傾斜面が前記第1取外し傾斜面よりも緩やかな傾斜角度である電子機器。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のうちのいずれか1項に記載の電子機器において、
前記カバーの裏面に設けられた舌部と、
前記第1突起の近傍に設けられ、前記カバーが前記取付開始位置から前記取付完了位置へ摺動する際に、前記第1突起と前記第2突起とが接触するよりも前に前記舌部に挿入される舌挿入部とを備える電子機器。
【請求項6】
請求項1に記載の電子機器において、
前記カバーに設けられ、前記ケースに対する摺動方向に沿うカバー側壁と、
前記ケースに設けられ、前記カバー側壁と略平行なケース側壁と、
前記カバー側壁の内面に設けられ、前記取付完了位置において前記ケースおよび前記カバーの平面方向の位置規制を行うカバー側壁突起と、前記ケース側壁に設けられ前記カバーの平面方向の位置規制を行うケース側壁突起との少なくとも一方を備える電子機器。
【請求項7】
請求項6に記載の電子機器であって、
前記カバー側壁突起および前記ケース側壁突起は、前記カバーが前記取付開始位置と前記取付完了位置との間を摺動するときに互いに摺接しながら乗り越え、
前記第1突起の耐摩耗性が前記カバー側壁突起の耐摩耗性よりも高い電子機器。
【請求項8】
請求項7に記載の電子機器において、
前記カバー側壁突起および前記ケース側壁突起のうちの少なくとも一方が凸状の曲面を備える電子機器。
【請求項9】
請求項6ないし請求項8のうちのいずれか1項に記載の電子機器において、
前記カバー側壁の内面および前記ケース側壁のうちの少なくとも一方に設けられて他方に向かって突出し、前記カバーと前記ケースとの前記摺動方向の移動を規制する規制突起を備える電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−73376(P2012−73376A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−217660(P2010−217660)
【出願日】平成22年9月28日(2010.9.28)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】