説明

電子機器

【課題】汎用性を損なうことなく外部接続端子への誤差込を防止することのできる電子機器を提供する。
【解決手段】外部機器と接続するために筐体11を開口する端子接続口32と、端子接続口32の内方に複数の外部接続端子(24、25)と、を備える電子機器10である。端子接続口32には、位置に応じていずれか1つの外部接続端子のみを露出させる端子選択部材(34)が設けられ、端子選択部材は、各外部接続端子のうちの最も大きなものを露出させる大きさ寸法の露出窓36を有し、複数の外部接続端子のいずれか1つを露出窓36から露出させるとともに、他の外部接続端子を遮蔽すべく各外部接続端子の並列方向に移動可能に筐体11に設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルカメラ等の電子機器に関し、特に複数の外部接続端子を有する電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子機器の一例としてのデジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラ(以下、「デジタルカメラ」という)では、取得した画像データを外部機器へと出力するための外部接続端子が設けられているものがある。ここで、外部接続端子では、用途や機能等に応じて様々な規格が定められており、それぞれの規格に適合する差込接続端子の差し込みが可能とされている。このため、デジタルカメラでは、使い勝手を向上させるために、異なる規格の複数の外部接続端子を設けることが考えられている。
【0003】
ここで、複数の外部接続端子が設けられている場合、各外部接続端子では、適合しない規格の差込接続端子が誤って差し込まれる虞がある。このような誤差込は、外部接続端子や差込接続端子の不具合や電子機器の不具合を招く虞があることから、誤差込を防止するための構造が考えられている(特許文献1参照)。この構造では、差込接続端子が設けられたコネクタ部に、対象とする電子機器の外形形状(筐体の形状)に対応させて突起部を設ける。このため、この構造では、適合しない外部接続端子に差込接続端子を差し込もうとすると、その外部接続端子が設けられた設置面(筐体)に突起部が干渉するので、誤差込を防止することができる。また、適合する外部接続端子に差込接続端子を差し込むと、突起部は三脚穴の内方もしくは筐体の外側へと回避することができ、上記した設置面と突起部とが干渉することはないので、適切に差し込むことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した構造では、電子機器の外形形状に対応させてコネクタ部における差込接続端子と突起部との位置関係および大きさ寸法を設定する必要があることから、互いに対応された電子機器とコネクタ部との間のみで誤差込の防止の効果を得ることができるものであり、汎用性に欠けてしまう。
【0005】
本発明は、上記の事情に鑑みて為されたもので、汎用性を損なうことなく外部接続端子への誤差込を防止することのできる電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の電子機器は、外部機器と接続するために筐体を開口する端子接続口と、該端子接続口の内方に複数の外部接続端子と、を備える電子機器であって、前記端子接続口には、位置に応じていずれか1つの前記外部接続端子のみを露出させる端子選択部材が設けられ、該端子選択部材は、前記各外部接続端子のうちの最も大きなものを露出させる大きさ寸法の露出窓を有し、複数の前記外部接続端子のいずれか1つを前記露出窓から露出させるとともに、他の前記外部接続端子を遮蔽すべく前記各外部接続端子の並列方向に移動可能に前記筐体に設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
請求項1に記載の電子機器では、汎用性を損なうことなく外部接続端子への誤差込を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明に係る撮像装置の一例としてのデジタルカメラ10におけるレンズ鏡胴13の状態の変化の様子を示す説明図であり、(a)は収納位置を示し、(b)は繰出位置を示す。
【図2】デジタルカメラ10における制御ブロックを示す説明図である。
【図3】デジタルカメラ10を背面側から見た様子を示す模式的な斜視図であり、(a)は端子蓋33が閉じている様子を示し、(b)は端子蓋33が開けられて端子接続口32が露出された様子を示している。
【図4】端子接続口32内においてUSB端子24とHDMI端子25とのいずれか一方が選択的に露出される様子を示す説明図であり、(a)はUSB端子24が露出された様子を示し、(b)はHDMI端子25が露出された様子を示す。
【図5】USB端子24およびHDMI端子25の設置構造を説明するために、それらが設けられた回路基板35と端子選択板34と外カバー31(端子蓋33)とを分解して示す説明図である。
【図6】端子選択板34および外カバー31を図5の矢印A1から見た様子を示す説明図である。
【図7】外カバー31に端子選択板34が設けられた様子を示す図6と同様の説明図であり、(a)は図4(a)の状態を示し、(b)は図4(b)の状態を示す。
【図8】外カバー31の端子接続口32と端子選択板34(その露出窓36)と両端子(USB端子24およびHDMI端子25)との位置関係を示す説明図であり、(a)は図7(a)のI−I線に沿って得られた断面で示し、(b)は図7(b)のII−II線に沿って得られた断面で示し、(c)は図7(a)のIII−III線に沿って得られた断面で示す。
【図9】実施例2のデジタルカメラ10Bにおける特徴部分を説明するための図7と同様の説明図であり、(a)はUSB端子24が露出された様子を示し、(b)はHDMI端子25が露出された様子を示し、(c)は(a)における端子選択板34B、ガイド部38B、弾性部材41およびカム機構42を抜き出して示している。
【図10】デジタルカメラ10Bにおけるカム機構42の作用を説明するための説明図である。
【図11】デジタルカメラ10Bの端子接続口32内においてUSB端子24とHDMI端子25とのいずれか一方が選択的に露出される様子を示す図4と同様の説明図であり、(a)はUSB端子24が露出された様子を示し、(b)はHDMI端子25が露出された様子を示す。
【図12】実施例3のデジタルカメラ10Cにおける特徴部分を説明するための図7および図9と同様の説明図であり、(a)はUSB端子24が露出された様子を示し、(b)はHDMI端子25が露出された様子を示し、(c)は(b)における端子選択板34C、ガイド部38C、変換機構46および駆動機構47を抜き出して示している。
【図13】デジタルカメラ10Cにおける制御ブロックを示す図2と同様の説明図である。
【図14】デジタルカメラ10Cにおける表示部18に選択画面52および状態表示部53が表示されている様子と、端子接続口32内においてUSB端子24とHDMI端子25とのいずれか一方が選択的に露出される様子と、を示す図4と同様の説明図であり、(a)はUSB端子24が露出された様子(状態)を示し、(b)はHDMI端子25が露出された様子(状態)を示す。
【図15】実施例4のデジタルカメラ10Dにおける特徴部分を説明するための図7、図9および図12と同様の説明図であり、(a)はUSB端子24が露出された様子を示し、(b)はHDMI端子25が露出された様子を示し、(c)は(a)における端子選択板34D、ガイド部38D、弾性部材41Dおよび駆動機構47Dを抜き出して示している。
【図16】実施例4のデジタルカメラ10Eにおける特徴部分であるUSB端子24、HDMI端子25およびAV端子26の設置構造を説明するために、それらが設けられた回路基板35Eと端子選択板34Eと外カバー31E(端子蓋33E)とを分解して示す図5と同様の説明図である。
【図17】デジタルカメラ10Eにおける制御ブロックを示す図2および図13と同様の説明図である。
【図18】デジタルカメラ10Eにおける特徴部分を説明するための図4および図11と同様の説明図であり、(a)はUSB端子24が露出された様子を示し、(b)はHDMI端子25が露出された様子を示し、(c)はAV端子26が露出された様子を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願発明に係る電子機器の各実施例について図面を参照しつつ説明する。
【実施例1】
【0010】
本発明に係る電子機器の一実施例としての撮像装置であるデジタルカメラ10の概略的な構成を、図1から図8を用いて説明する。以下の説明では、デジタルカメラ10を基準として、後述する撮影光学系12の光軸(図1(b)の矢印参照)方向を前後方向(被写体側が前方(F側))とし(矢印FB参照)、デジタルカメラ10を正面視した高さ方向を上下方向とし(矢印UD参照(上側がU))、前後方向および上下方向を含む面に直交する方向を左右方向(デジタルカメラ10を正面視して左手が右側方向(R側)となる)とする(矢印LR参照)。
【0011】
まず、本発明に係る電子機器の一例としてのデジタルカメラ10を、図1から図3を用いて説明する。デジタルカメラ10は、図1に示すように、筐体11の前面(図1を正面視して手前側の面)側に撮影光学系12(図1(b)参照)を有するレンズ鏡胴13が設けられている。この撮影光学系12は、最も被写体側に配置される対物レンズ12a(図1(b)参照)や、図示は略すが、固定レンズ、ズームレンズ、シャッタユニットおよび絞りユニット等の複数の光学部材を備える。対物レンズ12aを含む撮影光学系12としての各光学部材は、レンズ鏡胴13により撮影光学系12の光軸方向(図1(b)の矢印参照)に移動可能に保持される。そのレンズ鏡胴13は、撮影光学系12の光軸に沿って、所定の収納位置(図1(a)参照)と所定の繰出位置(撮影待機状態(図1(b)参照))との間で進退移動(繰り出しおよび繰り入れ)可能とされている。レンズ鏡胴13では、所定の収納位置(図1(a)参照)と所定の繰出位置(図1(b)参照)とで移行することにより、撮影光学系12(図1参照)の各光学部材(図示せず)を所定のごとく移動させる。
【0012】
筐体11では、上面(図1を正面視して上側の面)に、操作部としての電源ボタン14、シャッターボタン15、モード切替ダイアル16が設けられている。電源ボタン14は、デジタルカメラ10を起動するための操作(起動操作)と、デジタルカメラ10を停止するための操作(停止操作)と、をするものである。シャッターボタン15は、被写体の撮影動作を実行するために、上下方向の下方へと押し下げる操作(以下、押下操作ともいう)をするものである。モード切替ダイアル16は、各種のシーンモード、静止画モード、動画モード等を設定するものである。
【0013】
また、筐体11では、図3に示すように、背面(図3を正面視して手前側の面)にその他の操作スイッチ17や、表示部18(その表示面)が設けられている(図2参照)。この操作スイッチ17は、各メニュー等の設定のための方向指示用スイッチや各種スイッチである。また、表示部18は、撮像された画像データや記録媒体に記録された画像データに基づき画像を表示する。
【0014】
このデジタルカメラ10は、図2に示すように、制御部21と、撮像素子22と、レンズ鏡胴駆動ユニット23と、を有する。また、デジタルカメラ10には、USB(Universal Serial Bus)端子24と、HDMI(High−Definition Multimedia Interface)端子25と、が設けられている。制御部21は、操作部としての電源ボタン14、シャッターボタン15、モード切替ダイアル16および操作スイッチ17に為された操作に基づく駆動処理や、撮像素子22からの信号に基づく画像データの生成処理や、表示部18およびレンズ鏡胴駆動ユニット23の駆動等の制御を、記憶部21aに格納されたプログラムにより統括的に行う。
【0015】
また、制御部21は、USB端子24およびHDMI端子25と電気的に接続されており、それらに接続された差込接続端子(外部入出力端子(図示せず))を経て、外部機器(その制御部)と情報(画像データ等)を適宜遣り取りすることが可能とされている。さらに、制御部21は、図示を略す挿入箇所に装填された記録媒体19への情報(画像データ等)の格納および情報の抽出を行うことが可能とされている。
【0016】
撮像素子22は、CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサ等の固体撮像素子で構成されており、撮影光学系12を通して受光面(図示せず)上に結像された被写体像を電気信号(画像データ)に変換して出力する。その出力された電気信号(画像データ)は、制御部21へと伝送される。
【0017】
レンズ鏡胴駆動ユニット23は、レンズ鏡胴13を収納位置(図1(a)参照)と繰出位置(図1(b)参照)とで移行させることにより、撮影光学系12の各光学部材を各々支持する光学部材保持枠(図示せず)を移動させる。
【0018】
USB端子24およびHDMI端子25は、デジタルカメラ10において、制御部21の外部機器への接続を可能とする接続端子いわゆる外部接続端子(外部出力端子)として設けられている。このUSB端子24およびHDMI端子25は、図示は略すがそれぞれの規格に応じた差込接続端子の接続を可能とするものであり、接続された差込接続端子を経て外部機器(その制御部)と制御部21との情報(画像データ等)の遣り取りを可能とする。
【0019】
デジタルカメラ10では、シャッターボタン15に1段階の押下操作が為されると、制御部21がレンズ鏡胴駆動ユニット23を制御してピント調節の動作を実行する。また、デジタルカメラ10では、シャッターボタン15に2段階の押下操作が為されると、制御部21が撮影光学系12を通して撮像素子22の受光面で受光した被写体像の画像データを生成し、その画像データを適宜記録媒体19へと格納する。さらに、デジタルカメラ10では、制御部21の制御下で、生成した画像データに基づく画像や記録媒体19から抽出した画像データに基づく画像を表示部18に適宜表示させることができる。
【0020】
本発明に係るデジタルカメラ10では、外部機器の差込接続端子(図示せず)が接続される複数の外部接続端子すなわちUSB端子24およびHDMI端子25の設置構造に特徴がある。この設置構造について、図3から図8を用いて説明する。図3は、デジタルカメラ10を背面側から見た様子を示す模式的な斜視図であり、(a)は端子蓋33が閉じている様子を示し、(b)は端子蓋33が開けられて端子接続口32が露出された様子を示している。図4は、端子接続口32内においてUSB端子24とHDMI端子25とのいずれか一方が選択的に露出される様子を示す説明図であり、(a)はUSB端子24が露出された様子を示し、(b)はHDMI端子25が露出された様子を示す。図5は、USB端子24およびHDMI端子25の設置構造を説明するために、それらが設けられた回路基板35と端子選択板34と外カバー31(端子蓋33)とを分解して示す説明図である。図6は、端子選択板34および外カバー31を図5の矢印A1から見た様子を示す説明図である。図7は、外カバー31に端子選択板34が設けられた様子を示す図6と同様の説明図であり、(a)は図4(a)の状態を示し、(b)は図4(b)の状態を示す。図8は、外カバー31の端子接続口32と端子選択板34(その露出窓36)と両端子(USB端子24およびHDMI端子25)との位置関係を示す説明図であり、(a)は図7(a)のI−I線に沿って得られた断面で示し、(b)は図7(b)のII−II線に沿って得られた断面で示し、(c)は図7(a)のIII−III線に沿って得られた断面で示す。なお、図6および図7では、理解容易のために、USB端子24とHDMI端子25と回路基板35とを省略して示している。また、図8では、理解容易のために、端子蓋33を省略して示している。
【0021】
本発明に係るデジタルカメラ10では、図3に示すように、筐体11の外表面を構成する外カバー31に設けられた端子接続口32から、USB端子24とHDMI端子25とのいずれか一方(図3(b)に示す例ではUSB端子24)への外部機器の差込接続端子(図示せず)の接続が可能とされている。この端子接続口32は、筐体11における右測面(図3を正面視して手前側の面)の外表面を構成する外カバー31を左右方向に貫通して形成されている。端子接続口32は、端子蓋33により遮蔽可能とされている。
【0022】
その端子蓋33は、全体に板状を呈し、端子接続口32の開口端に嵌め込むことが可能な大きさ寸法および形状とされている(図3(a)参照)。端子蓋33は、連結帯33aにより端子接続口32の開口端に連結されており、端子接続口32(その開口端)からはずされた際の外カバー31(筐体11)すなわちデジタルカメラ10からの脱落が防止されている(図3(b)等参照)。この端子接続口32では、図4(a)に示すようにUSB端子24のみを露出させることと、図4(b)に示すようにHDMI端子25のみを露出させることと、を選択することが可能とされている。これを可能とするために、端子接続口32の奥側(裏側であり筐体11の内方側)に端子選択板34と両端子(USB端子24およびHDMI端子25)とが設けられている(図4および図5参照)。
【0023】
USB端子24とHDMI端子25とは、図5に示すように、上下方向に並列して回路基板35に実装されて設けられている。実施例1では、USB端子24が下側とされ、HDMI端子25が上側とされている。この回路基板35は、図示は略すがコンデンサや抵抗等の電子部品が実装されており、上述した制御部21(図2参照)を含む電子回路を構成する。回路基板35は、USB端子24およびHDMI端子25と制御部21とを電気的に接続している。この回路基板35は、図示は略すが筐体11の内方でその筐体11に固定されている。回路基板35は、外カバー31に対して、上下方向に並列して実装されたUSB端子24とHDMI端子25との双方を、外カバー31の端子接続口32に左右方向で対向させる位置関係、換言すると外カバー31(筐体11)の右側から左右方向で端子接続口32を見ると、その内方にUSB端子24とHDMI端子25とが存在する(露出される)位置関係とされている(図8等参照)。その外カバー31の裏側に端子選択板34が設けられる。
【0024】
その端子選択板34は、平板状を呈し、外カバー31の裏面31a(図6等参照)に宛がうことが可能とされている。端子選択板34は、端子接続口32の開口寸法よりも大きな寸法とされており、外カバー31の裏面31aに宛がわれた状態で、端子接続口32を塞ぐことが可能とされている(図6および図7等参照)。また、端子選択板34は、USB端子24とHDMI端子25とが並列された上下方向で見ると、少なくとも端子接続口32に対して後述する移動範囲分だけ大きな大きさ寸法、換言すると後述する移動範囲における位置に拘らず端子接続口32を塞ぐことが可能な大きさ寸法とされている。
【0025】
端子選択板34には、USB端子24とHDMI端子25とが並列された上下方向で見た中央に露出窓36が設けられている。この露出窓36は、端子選択板34を左右方向に貫通して形成されている。露出窓36は、デジタルカメラ10に設けられる複数の外部接続端子のうちの最も大きなものを露出させることを可能とする大きさ寸法とされている。この露出窓36は、実施例1では、上述したようにデジタルカメラ10にUSB端子24とHDMI端子25とが設けられていることから、僅かではあるが大きいUSB端子24の露出を可能とする大きさ寸法とされている。ここで、露出を可能とする大きさ寸法とは、外カバー31(筐体11)の右側から左右方向で端子接続口32を見た際(端子接続口32を正面視した際)、露出窓36の内方で当該外部接続端子を見ることが可能であるとともに、露出窓36を経てその外部接続端子への差込接続端子(図示せず)の接続を可能とすることを言う(図4(a)等参照)。
【0026】
また、端子選択板34には、図5に示すように、表面34aに標示部37が設けられている。この標示部37は、デジタルカメラ10に設けられる複数の外部接続端子の情報の把握を容易とするものである。標示部37は、実施例1では、USB端子24の端子の名称としてのUSBの文字列からなる標示部37aと、HDMI端子25の端子の名称としてのHDMIの文字列からなる標示部37bと、を有する。この標示部37aおよび標示部37bは、USB端子24とHDMI端子25とが並列された上下方向で露出窓36を挟んで並列されており、その露出窓36の上側に標示部37a(USBの文字列)が設けられ、露出窓36の下側に標示部37b(HDMIの文字列)が設けられている。この標示部37は、後述するように露出窓36がUSB端子24と左右方向で対向されると(図7(a)等参照)、標示部37aが端子接続口32内に存在するとともに標示部37bが端子接続口32の下側で外カバー31の裏側に隠れ、かつ後述するように露出窓36がHDMI端子25と左右方向で対向されると(図7(b)等参照)、標示部37bが端子接続口32内に存在するとともに標示部37aが端子接続口32の上側で外カバー31の裏側に隠れる位置関係とされている。この端子選択板34は、外カバー31の裏側において、USB端子24とHDMI端子25とが並列された上下方向に移動可能に設けられる。実施例1では、端子選択板34を上下方向に移動可能とするために、外カバー31の裏面31aに、一対のガイド部38が設けられている。
【0027】
その一対のガイド部38は、図6に示すように、前後方向で見て端子接続口32を挟みつつ上下方向に伸びて形成されている。両ガイド部38は、上下方向に直交する断面がL字状を呈し、外カバー31の裏面31aから左右方向の左側(筐体11の内側)へと突出された後に、互いに接近する方向へと屈曲されている。この両ガイド部38は、その裏面31aからの突出箇所の前後方向で見た間隔と、裏面31aから屈曲された箇所までの左右方向で見た間隔と、が端子選択板34を受け入れることが可能な大きさ寸法とされている。このため、両ガイド部38は、矢印A2に示すように、外カバー31の裏面31aと協働して端子選択板34を受け入れることにより、その端子選択板34を裏面31aに宛がいつつ外カバー31に対して上下方向へとスライド移動させることができる(図7および図8参照)。
【0028】
この一対のガイド部38では、上下方向で見た両端位置(上端部38aと下端部38b)において、外カバー31の裏面31aから左側(筐体11の内側)への突出量が小さくされている(図8参照)。換言すると、一対のガイド部38では、上端部38aと下端部38bとにおいて、裏面31aから屈曲された箇所までの左右方向で見た間隔が狭められている。このため、両ガイド部38は、後述する移動可能とされた範囲の下限位置および上限位置に存在する端子選択板34を、解除可能に固定することができる。
【0029】
また、実施例1では、外カバー31の裏面31aには、一対のガイド部38の上下方向で見た両端位置に、一対の規制部39が設けられている。この一対の規制部39は、両ガイド部38による端子選択板34の上下方向への移動範囲を規定するものであり、裏面31aから左側(筐体11の内側)へと突出されて形成されている。
【0030】
端子選択板34は、図7(a)に示すように、下側の端部が下側の規制部39(規制部39a)に当てられると(移動範囲における下限とされる)、図7(a)および図8(a)に示すように、露出窓36を左右方向でUSB端子24に対向させる大きさ寸法および位置関係とされている。この露出窓36を左右方向でUSB端子24に対向させるとは、外カバー31(筐体11)の右側から左右方向で端子接続口32を経て露出窓36を見ると(端子接続口32および露出窓36を正面視すると)、露出窓36の内方にUSB端子24が存在する(露出される)位置関係とされていることを言う(図4(a)および図8(a)参照)。このとき、標示部37aは、端子接続口32内に存在され、かつ標示部37bは、端子接続口32の下側で外カバー31の裏側に隠れる大きさ寸法および位置関係とされている。
【0031】
また、端子選択板34は、図7(b)に示すように、上側の端部が上側の規制部39bに当てられると(移動範囲における上限とされる)、図7(b)および図8(b)に示すように、露出窓36を左右方向でHDMI端子25に対向させる大きさ寸法および位置関係とされている。この露出窓36を左右方向でHDMI端子25に対向させるとは、外カバー31(筐体11)の右側から左右方向で端子接続口32を経て露出窓36を見ると(端子接続口32および露出窓36を正面視すると)、露出窓36の内方にHDMI端子25が存在する(露出される)位置関係とされていることを言う(図4(b)および図8(b)参照)。このとき、標示部37aは、端子接続口32の上側で外カバー31の裏側に隠れ、かつ標示部37bは、端子接続口32内に存在される大きさ寸法および位置関係とされている。
【0032】
このような構成であることから、デジタルカメラ10では、端子蓋33を開けた状態において、端子選択板34を移動可能とされた範囲の下限位置に存在させることにより(図7(a)および図8(a)参照)、端子接続口32において、露出窓36からUSB端子24を露出させるとともに、その上方に標示部37aを配することができる(図4(a)参照)。また、デジタルカメラ10では、端子蓋33を開けた状態において、端子選択板34を移動可能とされた範囲の上限位置に存在させることにより(図7(b)および図8(b)参照)、端子接続口32において、露出窓36からHDMI端子25を露出させるとともに、その下方に標示部37bを配することができる(図4(b)参照)。このため、端子選択板34は、端子接続口32において露出させる端子を選択するための端子選択部材として機能する。このとき、デジタルカメラ10では、一対のガイド部38の上端部38aと下端部38bとが外カバー31の裏面31aからの間隔が狭められていることから、露出窓36からUSB端子24を露出させた状態もしくは露出窓36からHDMI端子25を露出させた状態で、端子選択板34を固定することができる。このことから、実施例1では、一対のガイド部38の上端部38aと下端部38bとが、端子選択部材(端子選択板34)を解除可能に固定する位置決め機構として機能する。
【0033】
実施例1のデジタルカメラ10では、端子接続口32に設けられた複数の外部接続端子すなわちUSB端子24とHDMI端子25とにおいて、端子選択板34の露出窓36からいずれか一方のみを露出させることができ、かつその状態において他方を端子選択板34で隠すことができるので、誤差込を防止することができる。これは、以下のことによる。複数の外部接続端子が目の前にある場合には、使用者はいずれの外部接続端子に差込接続端子を差し込めば良いのか、換言すると、いずれの外部接続端子が差込接続端子に適合する規格のものであるのか、が解らず、差込接続端子を誤って適合しない規格の外部接続端子に差し込んでしまう虞がある。すなわち、使用者は、複数の外部接続端子が目の前にある場合、例えば、形の違いを見分けることでいずれの外部接続端子がいずれの規格であるのかを判断する必要があるが、形状からの見分けでは誤った判断を下す虞があり、特に異なる規格であっても似通った形状である場合には判別が容易ではない。また、各外部接続端子の色を異なるものとすることにより、各外部接続端子の規格の判断を容易なものとすることも考えられているが、例えば暗がりである場合のように、使用者が色を適切に把握することができない場合、誤った判断を下す虞がある。これに対し、実施例1のデジタルカメラ10では、端子接続口32に、必ずUSB端子24かHDMI端子25のいずれか一方しか存在していないことから、いずれの端子が差込接続端子(図示せず)に適合する規格のものであるのかを使用者に判断させることがないので、誤差込を防止することができる。
【0034】
また、実施例1のデジタルカメラ10では、移動可能な端子選択板34の位置を変えるだけで、その露出窓36から露出させる外部接続端子(USB端子24またはHDMI端子25)を変更することができるので、複雑な操作を必要とすることなく、使用可能とする外部接続端子を選択することができる。
【0035】
さらに、実施例1のデジタルカメラ10では、端子接続口32にUSB端子24およびHDMI端子25を設けるとともに、その端子接続口32の裏側(外カバー31の裏面31a)に各外部接続端子の並列方向に移動可能に、露出窓36を有する端子選択板34を設ける構成であることから、簡易な構成でいずれか1つの外部接続端子のみを露出させることができる。
【0036】
実施例1のデジタルカメラ10では、端子選択板34の露出窓36からUSB端子24とHDMI端子25とのいずれか一方を露出させるとともに、他方を端子選択板34(その露出窓36以外の箇所)で隠すものであることから、USB端子24およびHDMI端子25やその周囲の形状と、それらに差し込まれる各差込接続端子(図示せず)やその周囲の形状と、を対応させる必要がないので、汎用性を損なうことを防止することができる。
【0037】
実施例1のデジタルカメラ10では、USB端子24またはHDMI端子25のうちのいずれか一方を露出窓36から露出させると、併せて露出させた端子を表す標示部37(標示部37aまたは標示部37b)を端子接続口32の内方で露出させることから、露出窓36から露出している外部接続端子の把握を容易なものとすることができ、誤差込をより確実に防止することができる。
【0038】
実施例1のデジタルカメラ10では、露出窓36から露出させたいずれか1つの外部接続端子(USB端子24またはHDMI端子25)に対応する標示部37(実施例1では、標示部37aまたは標示部37b)のみを端子接続口32の内方に露出させることから、使用者は端子接続口32内における単一の標示部37に基づいて露出窓36から露出された単一の外部接続端子がいずれの規格に対応しているものであるのかを把握するだけでよいので、誤差込をより確実に防止することができる。
【0039】
実施例1のデジタルカメラ10では、露出窓36から露出している外部接続端子(USB端子24またはHDMI端子25)の情報を示す標示部37が、USB端子24に対応する標示部37aが名称(USBの文字列)とされているとともに、HDMI端子25に対応する標示部37bが名称(HDMIの文字列)とされていることから、露出窓36から露出している外部接続端子の把握をより容易なものとすることができる。
【0040】
実施例1のデジタルカメラ10では、一対のガイド部38の上端部38aと下端部38bとにより位置決め機構を形成しているので、簡単な構成とすることができる。
【0041】
したがって、実施例1のデジタルカメラ10では、汎用性を損なうことなく外部接続端子(USB端子24またはHDMI端子25)への誤差込を防止することができる。
【0042】
なお、上記した実施例1では、一対のガイド部38の上端部38aと下端部38bとが外カバー31の裏面31aからの間隔が狭められて位置決め機構が構成されていたが、露出窓36からUSB端子24を露出させた状態もしくは露出窓36からHDMI端子25を露出させた状態で端子選択板34を解除可能に固定することができるものであればよく、上記した実施例1に限定されるものではない。
【実施例2】
【0043】
次に、実施例2の撮像装置としてのデジタルカメラ10Bについて、図9から図11を用いて説明する。この実施例2は、デジタルカメラ10Bにおける端子選択板34Bを移動させる構成が上記した実施例1のデジタルカメラ10とは異なる例である。この実施例2のデジタルカメラ10Bは、基本的な構成は上記した実施例1のデジタルカメラ10と同様であることから、等しい構成の個所には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。図9は、デジタルカメラ10Bにおける特徴部分を説明するための図7と同様の説明図であり、(a)はUSB端子24が露出された様子を示し、(b)はHDMI端子25が露出された様子を示し、(c)は(a)における端子選択板34B、ガイド部38B、弾性部材41およびカム機構42を抜き出して示している。図10は、デジタルカメラ10Bにおけるカム機構42の作用を説明するための説明図である。図11は、デジタルカメラ10Bの端子接続口32内においてUSB端子24とHDMI端子25とのいずれか一方が選択的に露出される様子を示す図4と同様の説明図であり、(a)はUSB端子24が露出された様子を示し、(b)はHDMI端子25が露出された様子を示す。
【0044】
実施例2のデジタルカメラ10Bでは、図9に示すように、外カバー31の裏面31aに、一対のガイド部38Bに加えて、弾性部材41とカム機構42とが設けられている。また、実施例2のデジタルカメラ10Bでは、弾性部材41およびカム機構42を設けるために、背面側(図9を正面視して右手前側)のガイド部38Bが、上下方向で見た中間位置で切り欠かれており、上側部と下側部とに分割されている。
【0045】
弾性部材41は、端子選択板34Bに、USB端子24とHDMI端子25とが並列された方向の一方側へ向けて移動させる力(以下、移動力ともいう)を付与するものである。弾性部材41は、実施例2では、螺旋状とされた線材により構成され、無負荷状態において最も縮むとともに、一端41aと他端41bとを引き離す動作に抗する弾性力を発揮する引張コイルスプリングとされている。この弾性部材41は、一端41aが固定ピン43を介して端子選択板34Bの前後方向の背面側の側面(図9を正面視して右手前側の面)に固定されるとともに、他端41bが固定ピン43を介して上下方向で見て一端41aよりも下側において前後方向の背面側のガイド部38Bであって分割された下側部に固定されている。このため、弾性部材41は、ガイド部38B(外カバー31)に対して下側への移動力を端子選択板34Bに付与する。
【0046】
カム機構42は、ガイド部38Bに設けられたカムピン部44と、そのカムピン部44を案内するカム溝部45と、を有する。カムピン部44は、前後方向の背面側(図3を正面視して右手前側)のガイド部38Bであって分割された上側部に取り付けられた一端部44aと、そこから前後方向に直交する面に沿って伸びる架渡部44bと、その先端に設けられた他端部44cと、を有する。一端部44aは、前後方向を回転軸線として回転可能にガイド部38B(その上側部)に取り付けられている。架渡部44bは、前後方向に直交する面に沿う板状を呈し、ガイド部38Bに取り付けられた一端部44aを基点として、他端部44cを前後方向の前方へ向けてカム溝部45(その後述する環状溝45b)に押し当てる。その他端部44cは、架渡部44bから前面側(図9を正面視して左奥側)へと突出されており、カム溝部45の後述する環状溝45bに挿入されている。
【0047】
そのカム溝部45は、基部45aの前後方向での背面側の面に環状溝45bが設けられて形成されている。カム溝部45は、基部45aが分割されたガイド部38Bにおける中間位置(上側部と下側部との間)で端子選択板34Bの前後方向の背面側の側面(図9を正面視して右手前側の面)に設けられている。その環状溝45bは、カムピン部44の他端部44cを受け入れることが可能であるとともに、その受け入れた他端部44cとの干渉が可能とされている。環状溝45bは、図10に示すように、全体に環状を呈し、上下方向の上側から他端部44cに当たることが可能な2つの停留部45cおよび停留部45dと、それらの間で上下方向の下側へと突出する2つの折返部45eおよび折返部45fと、を有する。すなわち、停留部45cおよび停留部45dは、環状溝45bで受け入れた他端部44cに対して、上下方向の上側の壁面が形成されている。
【0048】
カム溝部45は、カムピン部44の一端部44aとの上下方向で見た間隔が変化すると、その一端部44aを回転中心として架渡部44bが回転することにより、他端部44cを所定の方向へと案内する(図9参照)。詳細には、カム溝部45の環状溝45bは、他端部44cを上下方向の上側の停留部45cの位置で受け入れた状態から、カムピン部44の一端部44aとの上下方向で見た間隔が狭まると、他端部44cを矢印A11、矢印A12に沿って案内して、折返部45eの位置へと導く。その後、カム溝部45の環状溝45bは、カムピン部44の一端部44aとの上下方向で見た間隔が拡がると、他端部44cを矢印A13に沿って案内して、上下方向の下側の停留部45dの位置へと導く。その後、カム溝部45の環状溝45bは、カムピン部44の一端部44aとの上下方向で見た間隔が狭まると、他端部44cを矢印A14に沿って案内して、折返部45fの位置へと導く。その後、カム溝部45の環状溝45bは、カムピン部44の一端部44aとの上下方向で見た間隔が拡がると、他端部44cを矢印A15に沿って案内して、上下方向の上側の停留部45cの位置へと導く。ここで、明確な図示は略すが、環状溝45bでは、上述した各矢印(A11、A12、A13、A14、A15)の順での他端部44cの案内をより確実なものとするために、底面(前後方向で見て前側となる壁面)に、適宜段差を設ける構成としてもよい。このため、カム機構42において、カム溝部45の環状溝45bが案内溝として機能し、カムピン部44の他端部44cが案内突起として機能する。また、端子選択板34Bは、カム機構42における、一端部44aがガイド部38Bに固定されたカムピン部44の他端部44cと、カム溝部45の環状溝45bとの干渉により、一対のガイド部38B(外カバー31)に対する上下方向への移動範囲が規定される。
【0049】
このカムピン部44とカム溝部45とは、環状溝45bの上側の停留部45cでカムピン部44の他端部44cを受け入れて、端子選択板34Bを移動可能とされた範囲の下限位置(カム溝部45とカムピン部44の一端部44aとの上下方向での間隔が最も大きくなる)とすると(図9(a)参照)、端子選択板34Bが露出窓36からUSB端子24を露出させかつその上方に標示部37aを配した状態とする位置関係とされている(図11(a)参照)。また、カムピン部44とカム溝部45とは、環状溝45bの下側の停留部45dでカムピン部44の他端部44cを受け入れると(図9(b)参照)、端子選択板34Bが露出窓36からHDMI端子25を露出させかつその下方に標示部37bを配した状態とする位置関係とされている(図11(b)参照)。さらに、カムピン部44とカム溝部45とは、端子選択板34Bが移動可能とされた範囲の上限位置(カム溝部45とカムピン部44の一端部44aとの上下方向での間隔が最も小さくなる)とされると、環状溝45bの折返部45eもしくは折返部45fでカムピン部44の他端部44cを受け入れる位置関係とされている。このため、実施例2のデジタルカメラ10では、端子選択板34Bは、露出窓36とHDMI端子25とを左右方向で対向させた(露出させた)状態から、端子接続口32(外カバー31)に対してさらに上方向へと移動させることが可能とされている(図9(b)参照)。
【0050】
そのカム溝部45が設けられた端子選択板34Bには、表面34aに操作突起34b(図11参照)が設けられている。操作突起34bは、図11に示すように、端子選択板34Bの表面34aから右側(図11を正面視して手前右側)へ向けて突出されている。この操作突起34bは、図示は略すが、端子蓋33を閉じて端子接続口32を遮蔽した状態(図3(a)参照)において、その端子蓋33と干渉しない大きさ寸法とされている。また、操作突起34bは、端子選択板34Bが移動可能な範囲のいずれの位置とされていても、端子接続口32内に存在する位置関係とされている(図11参照)。
【0051】
この端子選択板34Bは、移動可能とされた範囲の下限位置に存在すると(図9(a)参照)、端子接続口32において、露出窓36からUSB端子24を露出させるとともに、その上方に標示部37aを配する(図9(a)および図11(a)参照)。このとき、カム溝部45では、カムピン部44の他端部44cを、環状溝45bにおける上下方向の上側の停留部45c(図10参照)の位置で受け入れた状態とされている。
【0052】
その状態から端子接続口32内において操作突起34bを弾性部材41に抗して上下方向の上側へと移動させると(図11(a)の矢印A16参照)、端子選択板34Bが端子接続口32(外カバー31)に対して上方向へと移動する。すると、端子選択板34B(その側面)に設けられたカム溝部45と、カムピン部44の一端部44aとの上下方向で見た間隔が狭まるので、カムピン部44の他端部44cがカム溝部45の環状溝45bの折返部45eの位置へと導かれる(図10の矢印A11、A12参照)。このため、他端部44cと折返部45eとが上下方向で当たり、操作突起34bすなわち端子選択板34Bを上下方向の上側へと移動させることができなくなる。この他端部44cを停留部45cから折返部45eへと変位させる操作突起34bの上下方向の上側への移動量を第1所定量とする。
【0053】
この状態において、操作突起34bを上側へと移動させることをやめると、弾性部材41からの移動力により、端子選択板34Bが端子接続口32(外カバー31)に対して下方向へと移動する。すると、端子選択板34B(その側面)に設けられたカム溝部45と、カムピン部44の一端部44aとの上下方向で見た間隔が拡がるので、カムピン部44の他端部44cがカム溝部45の環状溝45bの上下方向の下側の停留部45dの位置へと導かれる(図10の矢印A13参照)。すると、上述したように、端子選択板34Bは、端子接続口32において、露出窓36からHDMI端子25を露出させるとともに、その下方に標示部37bを配する(図11(b)参照)。このとき、操作突起34bすなわち端子選択板34Bでは、外方から何らの力を受けない場合に弾性部材41からの移動力により上下方向の上側へと移動することが防止されているとともに、他端部44cと停留部45dとが上下方向で当たることで弾性部材41からの移動力に抗して上下方向の下側へと移動することが防止される(図9(b)参照)。
【0054】
その状態から端子接続口32内において操作突起34bを弾性部材41に抗して上下方向の上側へと移動させると(図11(b)の矢印A17参照)、端子選択板34Bが端子接続口32(外カバー31)に対して上方向へと移動する。すると、端子選択板34B(その側面)に設けられたカム溝部45と、カムピン部44の一端部44aとの上下方向で見た間隔が狭まるので、カムピン部44の他端部44cがカム溝部45の環状溝45bの折返部45fの位置へと導かれる(図10の矢印A14参照)。このため、他端部44cと折返部45fとが上下方向で当たり、操作突起34bすなわち端子選択板34Bを上下方向の上側へと移動させることができなくなる。この他端部44cを停留部45dから折返部45fへと変位させる操作突起34bの上下方向の上側への移動量を第2所定量とする。
【0055】
この状態において、操作突起34bを上側へと移動させることをやめると、弾性部材41からの移動力により、端子選択板34Bが端子接続口32(外カバー31)に対して下方向へと移動する。すると、端子選択板34B(その側面)に設けられたカム溝部45と、カムピン部44の一端部44aとの上下方向で見た間隔が拡がるので、カムピン部44の他端部44cがカム溝部45の環状溝45bの上下方向の上側の停留部45cの位置へと導かれる(図10の矢印A15参照)。すると、上述したように、端子選択板34Bは、端子接続口32において、露出窓36からUSB端子24を露出させるとともに、その上方に標示部37aを配する(図11(a)参照)。このとき、操作突起34bすなわち端子選択板34Bでは、外方から何らの力を受けない場合に弾性部材41からの移動力により上下方向の上側へと移動することが防止されているとともに、他端部44cと停留部45cとが上下方向で当たることで弾性部材41からの移動力に抗して上下方向の下側へと移動することが防止される。このことから、実施例2では、弾性部材41とカム溝部45とが、端子選択部材(端子選択板34B)を解除可能に固定する位置決め機構として機能する。これに伴い、実施例2の両ガイド部38では、上端部38aと下端部38bとの間隔が、他の箇所と同様とされている。また、外カバー31の裏面31aには、両規制部39(図6等参照)が設けられていない。
【0056】
このような構成であることから、デジタルカメラ10Bでは、端子蓋33を開けた状態において、端子選択板34Bを移動可能とされた範囲の下限位置に存在させることにより(図9(a)参照)、端子接続口32において、露出窓36からUSB端子24を露出させるとともに、その上方に標示部37aを配した状態で固定することができる(図11(a)参照)。また、デジタルカメラ10Bでは、その状態から操作突起34bを上下方向の上側へと第1所定量だけ移動して(図11(a)矢印A16参照)、その操作突起34bへの操作を止めることにより、端子接続口32において、露出窓36からHDMI端子25を露出させるとともに、その下方に標示部37bを配した状態で固定することができる(図9(b)および図11(b)参照)。このとき、使用者は、他端部44cが折返部45eに当たることで、操作突起34bが上側への第1所定量に到達したことを把握することができる。さらに、デジタルカメラ10Bでは、その状態から操作突起34bを上下方向の上側へと第2所定量だけ移動して(図11(b)矢印A17参照)、その操作突起34bへの操作を止めると、端子選択板34Bは、端子接続口32において、露出窓36からUSB端子24を露出させるとともに、その上方に標示部37aを配した状態で固定することができる(図9(a)および図11(a)参照)。このとき、使用者は、他端部44cが折返部45fに当たることで、操作突起34bが上側への第2所定量に到達したことを把握することができる。
【0057】
実施例2のデジタルカメラ10Bでは、基本的に実施例1のデジタルカメラ10と同様の構成であることから、基本的に実施例1と同様の効果を得ることができる。
【0058】
それに加えて、実施例2のデジタルカメラ10Bでは、端子接続口32において露出窓36からUSB端子24を露出させかつその露出窓36の上方に標示部37aを配した状態から、操作突起34bを上下方向の上側へと移動させることで、端子接続口32において露出窓36からHDMI端子25を露出させかつその露出窓36の下方に標示部37bを配した状態とすることができるので、端子接続口32において露出する端子を容易に切り替えることができる。
【0059】
また、実施例2のデジタルカメラ10Bでは、端子接続口32において露出窓36からHDMI端子25を露出させかつその露出窓36の下方に標示部37bを配した状態から、操作突起34bを上下方向の上側へと移動させることで、端子接続口32において露出窓36からUSB端子24を露出させかつその露出窓36の上方に標示部37aを配した状態とすることができるので、端子接続口32において露出する端子を容易に切り替えることができる。
【0060】
さらに、実施例2のデジタルカメラ10Bでは、操作突起34bによる切り替えに要する第1所定量よりも第2所定量が小さいものであることから、露出窓36から露出させる端子をUSB端子24からHDMI端子25へと切り替えることに比して、HDMI端子25からUSB端子24へと切り替えることを容易なものとすることができる。このことは、USB端子24の使用頻度が高い使用者への使い勝手を向上させることができる。なお、実施例2において、USB端子24を優先的な配置としたのは、現在の電子周辺機器の普及状況下では、一般的にはHDMI端子25よりもUSB端子24の使用頻度の方が高いことが考えられることに基づくものであり、HDMI端子25を優先的な配置としても良いことは言うまでもない。
【0061】
実施例2のデジタルカメラ10Bでは、弾性部材41とカム溝部45とにより位置決め機構を形成しているので、簡単な構成とすることができる。
【0062】
したがって、実施例2のデジタルカメラ10Bでは、汎用性を損なうことなく外部接続端子(USB端子24またはHDMI端子25)への誤差込を防止することができる。
【0063】
なお、実施例2では、カム機構42のカム溝部45(環状溝45b)が上述した構成とされていたが、複数の外部接続端子(実施例2ではUSB端子24およびHDMI端子25)の並列方向(上下方向)で案内溝(カム溝部45の環状溝45b)と案内突起(カムピン部44の他端部44c)とを干渉させることで、弾性部材41からの移動力に抗してその並列方向の複数の位置で端子選択部材(端子選択板34B)を固定するものであればよく、上記した実施例2に限定されるものではない。
【実施例3】
【0064】
次に、実施例3の撮像装置としてのデジタルカメラ10Cについて、図12から図14を用いて説明する。この実施例3は、デジタルカメラ10Cにおける端子選択板34Cを移動させる構成が上記した実施例1のデジタルカメラ10および実施例2のデジタルカメラ10Bとは異なる例である。この実施例3のデジタルカメラ10Cは、基本的な構成は上記した実施例1のデジタルカメラ10と同様であることから、等しい構成の個所には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。図12は、デジタルカメラ10Cにおける特徴部分を説明するための図7および図9と同様の説明図であり、(a)はUSB端子24が露出された様子を示し、(b)はHDMI端子25が露出された様子を示し、(c)は(b)における端子選択板34C、ガイド部38C、変換機構46および駆動機構47を抜き出して示している。図13は、デジタルカメラ10Cにおける制御ブロックを示す図2と同様の説明図である。図14は、デジタルカメラ10Cにおける表示部18に選択画面52および状態表示部53が表示されている様子と、端子接続口32内においてUSB端子24とHDMI端子25とのいずれか一方が選択的に露出される様子と、を示す図4と同様の説明図であり、(a)はUSB端子24が露出された様子(状態)を示し、(b)はHDMI端子25が露出された様子(状態)を示す。
【0065】
実施例3のデジタルカメラ10Cでは、図12に示すように、外カバー31の裏面31aに、一対のガイド部38Cに加えて、変換機構46と駆動機構47とが設けられている。また、実施例3のデジタルカメラ10Cでは、変換機構46および駆動機構47を設けるために、実施例2と同様に、背面側(図12を正面視して右手前側)のガイド部38Cが、上下方向で見た中間位置で切り欠かれており、上側部と下側部とに分割されている。
【0066】
変換機構46は、駆動機構47の駆動力を、端子選択板34CをUSB端子24とHDMI端子25とが並列された方向を移動させる力に変換するものである。この変換機構46は、歯車部材48と、そこに噛み合うことが可能とされて端子選択板34Cに設けられたギヤ歯49と、を有する。歯車部材48は、円板部材の外周面にギヤ歯が設けられて形成されており、中心に回転軸48aが設けられている。この歯車部材48は、回転軸48aが外カバー31の裏面31aに左右方向に伸びつつ回転可能に取り付けられる。歯車部材48は、実施例2では、外周方向で見て、大略3/4周となる大きさ寸法で切り欠かれており、その切り欠きにより両端面48b、48cが形成されている。この歯車部材48(外周面のギヤ歯)は、端子選択板34Cのギヤ歯49と噛み合わされている。
【0067】
そのギヤ歯49は、分割されたガイド部38Cにおける中間位置で、端子選択板34Cの前後方向の背面側(図12を正面視して右手前側の面)の側面に上下方向に伸びて設けられている。また、端子選択板34Cでは、ギヤ歯49の上下方向の両端部に、一対の規制突起51が設けられている。この両規制突起51は、端子選択板34Cの上述した側面から前後方向の背面側へと突出して形成されており、歯車部材48の端面48bもしくは端面48cと前後方向で干渉することが可能とされている。その歯車部材48は、駆動機構47からの駆動力を受けることで回転駆動される。
【0068】
その駆動機構47は、電力の供給により制御部21の制御下で駆動されるものであり、実施例3では、駆動モータで構成され、明確な図示は略すがその出力軸が歯車部材48の回転軸48aと連結されている。この駆動機構47は、図13に示すように、制御部21の制御下で適宜駆動されることにより、歯車部材48を回転軸48a回りに適宜回転させて、そこに噛み合わされたギヤ歯49を介して端子選択板34Cを上下方向に移動させる(図12参照)。
【0069】
この端子選択板34Cにおけるギヤ歯49および両規制突起51と、歯車部材48と、は、以下のような位置関係とされている。歯車部材48の端面48bが上下方向の上側の規制突起51と干渉すると、図12(a)に示すように、端子選択板34Cが露出窓36からUSB端子24を露出させかつその上方に標示部37aを配した状態とされる(図12(a)および図14(a)参照)。また、歯車部材48の端面48cが上下方向の下側の規制突起51と干渉すると、図12(b)に示すように、端子選択板34Cが露出窓36からHDMI端子25を露出させかつその下方に標示部37bを配した状態とされる(図12(b)および図14(b)参照)。このことから、実施例3では、駆動機構47と、歯車部材48と、端子選択板34Cにおけるギヤ歯49および両規制突起51と、が、端子選択部材(端子選択板34C)を解除可能に固定する位置決め機構として機能する。これに伴い、実施例3の両ガイド部38では、上端部38aと下端部38bとの間隔が、他の箇所と同様とされている。また、外カバー31の裏面31aには、両規制部39が設けられていない。
【0070】
加えて、実施例3のデジタルカメラ10Cでは、図14に示すように、制御部21の制御下で、表示部18に選択画面52と状態表示部53とを表示させることが可能とされている。その選択画面52は、デジタルカメラ10Cに設けられた複数の外部接続端子のうちのいずれかを選択するために用いる表示である。選択画面52は、実施例3では、接続端子と表記した選択事項表示52aと、USBと表記した選択項目表示52bと、HDMIと表記した選択項目表示52cと、いずれを選択するかを示す選択指示表示52dと、を有する。制御部21は、外部接続端子を選択する旨の操作が為されると、表示部18に選択画面52をさせ、操作スイッチ17の操作に応じて選択指示表示52dの表示位置で選択項目表示52bあるいは選択項目表示52cを支持させることにより、いずれかの外部接続端子(USB端子24あるいはHDMI端子25)の選択を可能とする。制御部21は、操作スイッチ17への操作により、選択画面52においていずれかの外部接続端子が選択されると、その選択に応じて駆動機構47を駆動して端子選択板34Cの位置を調整する。なお、選択画面52は、使用者による複数の外部接続端子のうちのいずれかの選択を可能とするものであればよく、表記内容や操作スイッチ17による選択方法等に関しては、実施例3に限定されるものではない。
【0071】
状態表示部53は、現在選択されている外部接続端子を示すものである。この状態表示部53は、実施例3では、USB端子24が選択されている場合にはUSBの文字列を表記し(図14(a)参照)、HDMI端子25が選択されている場合にはHDMIの文字列を表記する(図14(b)参照)。状態表示部53は、図示は略すが、表示部18での表示が行われている際には常時表示させるものであってもよく、使用者の意図(操作スイッチ17への操作等)に応じて適宜表示させるものであってもよい。なお、状態表示部53は、現在選択されている外部接続端子がいずれであるかの認識を可能とするものであればよく、表記内容や表記形態等に関しては、実施例3に限定されるものではない。
【0072】
さらに、実施例3では、制御部21は、デジタルカメラ10Cが停止されると、その次の起動時に、複数の外部接続端子のうち最も優先順位が高いものを、露出窓36から露出させる構成としている。制御部21は、実施例3では、デジタルカメラ10Cが停止されると、その次の起動時に、駆動機構47を駆動して端子選択板34Cの位置を調整し、露出窓36からUSB端子24を露出させかつその上方に標示部37aを配した状態とする(図14(a)参照)。なお、この最も優先順位が高いものの設定は、電子周辺機器の普及状況等から適宜設定すればよく、また、使用者に最も優先順位が高い外部接続端子を設定させる構成としてもよく、実施例3に限定されるものではない。また、デジタルカメラ10Cを停止させる際に、駆動機構47を駆動して端子選択板34Cの位置を調整し、露出窓36からUSB端子24を露出させかつその上方に標示部37aを配した状態としてもよい。
【0073】
このような構成であることから、デジタルカメラ10Cでは、選択画面52での表示に従う操作スイッチ17での操作により、端子蓋33を開けた状態における端子接続口32において、露出窓36からUSB端子24を露出させるとともに、その上方に標示部37aを配した状態で固定することができる(図14(a)参照)。また、デジタルカメラ10Cでは、選択画面52での表示に従う操作スイッチ17での操作により、端子蓋33を開けた状態における端子接続口32において、露出窓36からHDMI端子25を露出させるとともに、その下方に標示部37bを配した状態で固定することができる(図14(b)参照)。
【0074】
実施例3のデジタルカメラ10Cでは、基本的に実施例1のデジタルカメラ10と同様の構成であることから、基本的に実施例1と同様の効果を得ることができる。
【0075】
それに加えて、実施例3のデジタルカメラ10Cでは、選択画面52での表示に従う操作スイッチ17での操作により、USB端子24もしくはHDMI端子25を露出窓36から露出させることができるので、端子接続口32において露出する端子を容易に切り替えることができる。
【0076】
また、実施例3のデジタルカメラ10Cでは、表示部18の状態表示部53により、端子接続口32において選択された外部接続端子がいずれであるのかを認識することができるので、使い勝手をより向上させることができる。
【0077】
さらに、実施例3のデジタルカメラ10Cでは、起動されると、端子接続口32では最も優先順位の高い外部接続端子(実施例3ではUSB端子24)が選択されて露出窓36から露出されていることから、優先順位の低い外部接続端子を利用するとき以外には何らの操作を必要とすることなく、端子蓋33を開けるだけで最も優先順位の高い外部接続端子(実施例3ではUSB端子24)を利用することができる。
【0078】
実施例3のデジタルカメラ10では、駆動機構47と歯車部材48と端子選択板34Cにおけるギヤ歯49および両規制突起51とにより位置決め機構を形成しているので、自動で外部接続端子を選択する(制御部21の制御下で端子選択板34Cの位置を変更する)ことを可能としつつ簡単な構成とすることができる。
【0079】
したがって、実施例3のデジタルカメラ10Cでは、汎用性を損なうことなく外部接続端子(USB端子24またはHDMI端子25)への誤差込を防止することができる。
【0080】
なお、実施例3では、変換機構46の歯車部材48が上述した構成とされていたが、駆動機構47により駆動されることで、端子選択部材(端子選択板34C)を複数の外部接続端子(実施例2ではUSB端子24およびHDMI端子25)の並列方向に移動させるものであればよく、上記した実施例3に限定されるものではない。
【0081】
また、実施例3では、制御部21が、デジタルカメラ10Cの起動時に、複数の外部接続端子のうち最も優先順位が高いものを露出窓36から露出させる構成としていたが、起動する際の直近において露出窓36から露出させた外部接続端子を露出窓36から露出させる構成(直近に選択された端子選択部材(端子選択板34C)の位置を維持する)としてもよく、上記した実施例3に限定されるものではない。なお、実施例3のデジタルカメラ10Cでは、駆動機構47の制御を停止すると端子選択板34Cの位置を維持することから、後者の構成とすると、簡易な制御としつつ電力消費を抑制することができる。
【実施例4】
【0082】
次に、実施例4の撮像装置としてのデジタルカメラ10Dについて、図15を用いて説明する。この実施例4は、デジタルカメラ10Dにおける端子選択板34Dを移動させる構成が上記した実施例1のデジタルカメラ10、実施例2のデジタルカメラ10Bおよび実施例3のデジタルカメラ10Cとは異なる例である。この実施例4のデジタルカメラ10Dは、基本的な構成は上記した実施例1のデジタルカメラ10と同様であることから、等しい構成の個所には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。図15は、デジタルカメラ10Dにおける特徴部分を説明するための図7、図9および図12と同様の説明図であり、(a)はUSB端子24が露出された様子を示し、(b)はHDMI端子25が露出された様子を示し、(c)は(a)における端子選択板34D、ガイド部38D、弾性部材41Dおよび駆動機構47Dを抜き出して示している。
【0083】
実施例4のデジタルカメラ10Dでは、図15に示すように、外カバー31の裏面31aに、一対のガイド部38Dに加えて、弾性部材41Dと駆動機構47Dとが設けられている。また、実施例4のデジタルカメラ10Dでは、弾性部材41Dおよび駆動機構47Dを設けるために、実施例2と同様に、背面側(図15を正面視して右手前側)のガイド部38Dが、上下方向で見た中間位置で切り欠かれており、上側部と下側部とに分割されている。
【0084】
弾性部材41Dは、端子選択板34Dに、USB端子24とHDMI端子25とが並列された方向の一方側へ向けて移動させる力(以下、移動力ともいう)を付与するものである。弾性部材41Dは、実施例4では、螺旋状とされた線材により構成され、無負荷状態において最も縮むとともに、一端41aと他端41bとを引き離す動作に抗する弾性力を発揮する引張コイルスプリングとされている。この弾性部材41Dは、一端41aが固定ピン43Dを介して端子選択板34Dの前後方向の背面側の側面(図15を正面視して右手前側の面)に固定されるとともに、他端41bが固定ピン43Dを介して上下方向で見て一端41aよりも下側において前後方向の背面側のガイド部38Dであって分割された下側部に固定されている。このため、弾性部材41Dは、ガイド部38D(外カバー31)に対して下側への移動力を端子選択板34Dに付与する。
【0085】
駆動機構47Dは、電力の供給により制御部21の制御下で駆動されるものであり、実施例4では、通電されていないときに基準長さ(図15(a)参照)とされるとともに、通電されると基準長さから収縮する(図15(b)参照)電子部品で構成されている。このような電子部品としては、形状記憶合金を利用したものや、圧電素子を利用したものが挙げられる。この駆動機構47Dは、実施例3の駆動機構47と同様に、制御部21の制御下で適宜駆動される(図13参照)。駆動機構47Dは、図15(a)に示すように、一端47aが前後方向の背面側(図15を正面視して右手前側)のガイド部38Dであって分割された上側部に取り付けられ、他端47bが分割されたガイド部38Dにおける中間位置(上側部と下側部との間)で端子選択板34Dの前後方向の背面側の側面(図15を正面視して右手前側の面)に取り付けられている。この駆動機構47Dは、通電されていないと一端47aと他端47bとを基準長さの間隔とし(図15(a)参照)、通電されると弾性部材41Dに抗して一端47aと他端47bとを基準長さから収縮した間隔(図15(b)参照)とすることにより、端子選択板34Dを上下方向の上側へと移動させる。駆動機構47Dは、基準長さとされると、端子選択板34Dを、露出窓36からUSB端子24を露出させかつその上方に標示部37aを配した状態とする。また、駆動機構47Dは、図15(b)に示すように、制御部21の制御下で弾性部材41Dに抗して基準長さから収縮されると、端子選択板34Dを、露出窓36からHDMI端子25を露出させかつその下方に標示部37bを配した状態とする。このことから、実施例4では、駆動機構47Dと弾性部材41Dと、が、外カバー31の裏面31aの両規制部39と協働して、端子選択部材(端子選択板34D)を解除可能に固定する位置決め機構として機能する。これに伴い、実施例4の両ガイド部38Dでは、上端部38aと下端部38bとの間隔が、他の箇所と同様とされている。
【0086】
また、実施例4のデジタルカメラ10Dでは、制御部21の制御下で外部接続端子を選択することが可能であることから、実施例3と同様に、制御部21が表示部18に選択画面52と状態表示部53とを表示させるとともに、選択画面52に従う操作スイッチ17での操作による外部接続端子の選択を可能としている(図14参照)。さらに、実施例4では、制御部21は、実施例3と同様に、デジタルカメラ10Dが停止されると、その次の起動時に、複数の外部接続端子のうち、最も優先順位が高いもの(USB端子24)を露出窓36から露出させるものとしている。
【0087】
このような構成であることから、デジタルカメラ10Dでは、選択画面52(図14参照)での表示に従う操作スイッチ17での操作により、端子蓋33を開けた状態の端子接続口32において、露出窓36からUSB端子24を露出させるとともに、その上方に標示部37aを配した状態で固定することができる(図15(a)参照)。また、デジタルカメラ10Dでは、選択画面52(図14参照)での表示に従う操作スイッチ17での操作により、端子蓋33を開けた状態の端子接続口32において、露出窓36からHDMI端子25を露出させるとともに、その下方に標示部37bを配した状態で固定することができる(図15(b)参照)。
【0088】
実施例4のデジタルカメラ10Dでは、基本的に実施例1のデジタルカメラ10と同様の構成であることから、基本的に実施例1と同様の効果を得ることができる。
【0089】
それに加えて、実施例4のデジタルカメラ10Dでは、選択画面52(図14参照)での表示に従う操作スイッチ17での操作により、USB端子24もしくはHDMI端子25を露出窓36から露出させることができるので、端子接続口32において露出する端子を容易に切り替えることができる。
【0090】
また、実施例4のデジタルカメラ10Dでは、表示部18の状態表示部53(図14参照)により、端子接続口32において選択された外部接続端子がいずれであるのかを認識することができるので、使い勝手をより向上させることができる。
【0091】
さらに、実施例4のデジタルカメラ10Dでは、起動されると、端子接続口32では最も優先順位の高い外部接続端子(実施例4ではUSB端子24)が選択されていることから、優先順位の低い外部接続端子を利用するとき以外には何らの操作を必要とすることなく、端子蓋33を開けるだけで最も優先順位の高い外部接続端子(実施例4ではUSB端子24)を利用することができる。
【0092】
実施例4のデジタルカメラ10Dでは、駆動機構47Dと弾性部材41Dと外カバー31の裏面31aとにより位置決め機構を形成しているので、自動で外部接続端子を選択する(制御部21の制御下で端子選択板34Dの位置を変更する)ことを可能としつつ簡単な構成とすることができる。
【0093】
実施例4のデジタルカメラ10Dでは、駆動機構47Dに通電しているときのみに露出窓36からHDMI端子25を露出させるものであるので、USB端子24の使用頻度が高い使用者への使い勝手を向上させることができる。なお、実施例4において、USB端子24を優先的な配置としたのは、現在の電子周辺機器の普及状況下では、一般的にはHDMI端子25よりもUSB端子24の使用頻度の方が高いことが考えられることに基づくものであり、HDMI端子25を優先的な配置としても良いことは言うまでもない。
【0094】
したがって、実施例4のデジタルカメラ10Dでは、汎用性を損なうことなく外部接続端子(USB端子24またはHDMI端子25)への誤差込を防止することができる。
【0095】
なお、実施例4では、位置決め機構として、駆動機構47Dと弾性部材41Dとに加えて、外カバー31の裏面31aの両規制部39を用いる構成としていたが、駆動機構47Dにおける位置決めの性能(基準長さと、そこから収縮された際の長さ寸法の精度)が十分に得られれば、両規制部39を用いる必要はなく、上記した実施例4に限定されるものではない。このような構成とする場合、駆動機構47Dが、弾性部材41Dからの移動力に抗して、外部接続端子(USB端子24およびHDMI端子25)の並列方向の一方側(上下方向の下側)へと端子選択板34Dが移動することを規制する規制部として機能する。
【0096】
また、実施例4では、制御部21(図13参照)が、デジタルカメラ10Dの起動時に、複数の外部接続端子のうち最も優先順位が高いものを露出窓36から露出させる構成としていたが、起動する際の直近において露出窓36から露出させた外部接続端子を露出窓36から露出させる構成(直近に選択された端子選択部材(端子選択板34D)を露出させる位置へと適宜移動する)としてもよく、上記した実施例4に限定されるものではない。なお、実施例4のデジタルカメラ10Dでは、駆動機構47Dの制御を停止すると、弾性部材41Dからの移動力により端子選択板34Dが上下方向の下側(並列方向の一方側)へと移動することから、前者の構成とすると、簡易な制御としつつ電力消費を抑制することができる。
【0097】
さらに、実施例4では、通電されることにより収縮する駆動機構47Dが用いられていたが、通電されることにより、弾性部材41Dによる移動力に抗して端子選択部材(端子選択板34D)を移動させて当該端子選択部材の位置を調整するものであればよく、上記した実施例4に限定されるものではない。
【実施例5】
【0098】
次に、実施例5の撮像装置としてのデジタルカメラ10Eについて、図16から図18を用いて説明する。この実施例5は、デジタルカメラ10Eにおいて設けられる外部接続端子の個数および端子選択板34Eの構成が上記した実施例1のデジタルカメラ10、実施例2のデジタルカメラ10B、実施例3のデジタルカメラ10Cおよび実施例4のデジタルカメラ10Dとは異なる例である。この実施例5のデジタルカメラ10Eは、基本的な構成は上記した実施例1のデジタルカメラ10と同様であることから、等しい構成の個所には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。図16は、デジタルカメラ10Eにおける特徴部分であるUSB端子24、HDMI端子25およびAV端子26の設置構造を説明するために、それらが設けられた回路基板35Eと端子選択板34Eと外カバー31E(端子蓋33E)とを分解して示す図5と同様の説明図である。図17は、デジタルカメラ10Eにおける制御ブロックを示す図2および図13と同様の説明図である。図18は、デジタルカメラ10Eにおける特徴部分を説明するための図4および図11と同様の説明図であり、(a)はUSB端子24が露出された様子を示し、(b)はHDMI端子25が露出された様子を示し、(c)はAV端子26が露出された様子を示す。
【0099】
実施例5のデジタルカメラ10Eでは、図16に示すように、回路基板35Eに、USB端子24とHDMI端子25とに加えて、AV端子26が実装されている。このAV端子26は、デジタルカメラ10において、制御部21の外部機器への接続を可能とする接続端子いわゆる外部接続端子(外部出力端子)として設けられている。AV端子26は、図示は略すがUSB端子24およびHDMI端子25とは異なる規格に応じた差込接続端子の接続を可能とするものであり、接続された差込接続端子を経て外部機器(その制御部)への制御部21からの情報(画像データ等)の送信を可能とする(図17参照)。
【0100】
実施例5では、USB端子24とHDMI端子25とAV端子26とは、上下方向に並列して回路基板35Eに設けられており、USB端子24が最も下側とされ、HDMI端子25が中間位置とされ、AV端子26が最も上側とされている。この回路基板35Eは、実施例1の回路基板35と同様に、図示は略すがコンデンサや抵抗等の電子部品が実装されており、制御部21(図17参照)を含む電子回路を構成し、USB端子24、HDMI端子25およびAV端子26と制御部21とを電気的に接続している。その制御部21は、図17に示すように、USB端子24、HDMI端子25およびAV端子26と電気的に接続されており、それらに接続された差込接続端子(図示せず)を経て、外部機器(その制御部)と情報(画像データ等)を適宜遣り取りすることが可能とされている。その回路基板35Eは、図示は略すが筐体11の内方でその筐体11に固定されている。
【0101】
この回路基板35Eは、図16に示すように、各端子が実装された面に化粧板54が設けられており、その化粧板54に標示部37Eが設けられている。この標示部37Eは、デジタルカメラ10に設けられる複数の外部接続端子の情報の把握を容易とするものであり、実施例5では、USB端子24の端子の名称としてのUSBの文字列からなる標示部37Eaと、HDMI端子25の端子の名称としてのHDMIの文字列からなる標示部37Ebと、AV端子26の端子の名称としてのAV−OUTの文字列からなる標示部37Ecと、を有する。この標示部37Eaは、USB端子24が設けられた位置の前後方向の前側(図16を正面視して右斜め上側)に、そのUSB端子24と並列して設けられている。また、標示部37Ebは、HDMI端子25が設けられた位置の前後方向の前側にそのHDMI端子25と並列して設けられ、標示部37Ecは、AV端子26が設けられた位置の前後方向の前側にそのHDMI端子25と並列して設けられている。この回路基板35Eは、外カバー31Eに対して、上下方向に並列して実装されたUSB端子24とHDMI端子25とAV端子26との3つを、外カバー31Eの端子接続口32Eに左右方向で対向させる位置関係、換言すると外カバー31E(筐体11)の右側から左右方向で端子接続口32Eを見ると、その内方にUSB端子24とHDMI端子25とAV端子26とが存在する(露出される)位置関係とされている。その外カバー31Eの裏側に端子選択板34Eが設けられる。
【0102】
その端子選択板34Eは、平板状を呈し、外カバー31Eの裏面31a(図6等参照)に宛がうことが可能とされている。端子選択板34Eは、端子接続口32Eの開口寸法よりも大きな寸法とされており、外カバー31Eの裏面31aに宛がわれた状態で、端子接続口32Eを塞ぐことが可能とされている。また、端子選択板34Eは、USB端子24とHDMI端子25とAV端子26とが並列された上下方向で見ると、少なくとも端子接続口32Eに対して後述する移動範囲分だけ大きな大きさ寸法、換言すると後述する移動範囲における位置に拘らず端子接続口32Eを塞ぐことが可能な大きさ寸法とされている。
【0103】
端子選択板34Eには、3つの端子が並列された上下方向で見た中央に露出窓36Eが設けられている。この露出窓36Eは、端子選択板34Eを左右方向に貫通して形成されている。露出窓36Eは、デジタルカメラ10Eに設けられる複数の外部接続端子のうちの最も大きなものと、その前側に並列された標示部37Eと、を同時に露出させることを可能とする大きさ寸法とされている。実施例5では、上述したようにデジタルカメラ10EにUSB端子24とHDMI端子25とAV端子26とが設けられており、僅かではあるが大きいAV端子26とそこに並列された標示部37Ecとの露出を可能とする大きさ寸法とされている(図18(c)参照)。この端子選択板34Eは、実施例1と同様の一対のガイド部(図6等のガイド部38参照)により、外カバー31Eの裏側において、USB端子24とHDMI端子25とAV端子26とが並列された上下方向に所定の移動範囲内で移動可能に設けられる。そのガイド部は、長さ寸法および対応する一対の規制部の上下方向での位置が異なることを除くと、実施例1のガイド部38および両規制部39と同様の構成であることから、その詳細な説明は省略する。
【0104】
端子選択板34Eは、設定された移動範囲における最も下方の位置とされると、図18(a)に示すように、USB端子24およびそこに並列された標示部37Eaに、露出窓36Eを左右方向で対向させる大きさ寸法および位置関係とされている。この露出窓36Eを左右方向でUSB端子24および標示部37Eaに対向させるとは、外カバー31E(筐体11)の右側から左右方向で端子接続口32Eを経て露出窓36Eを見ると(端子接続口32Eおよび露出窓36Eを正面視すると)、露出窓36Eの内方にUSB端子24および標示部37Eaが存在する(露出される)位置関係とされていることを言う。このとき、HDMI端子25および標示部37Ebと、AV端子26および標示部37Ecと、は、露出窓36Eの上側において端子選択板34Eの裏側に隠れる大きさ寸法および位置関係とされている。
【0105】
また、端子選択板34Eは、設定された移動範囲における上下方向で見た中央位置とされると、図18(b)に示すように、HDMI端子25およびそこに並列された標示部37Ebに、露出窓36Eを左右方向で対向させる大きさ寸法および位置関係とされている。この露出窓36Eを左右方向でHDMI端子25および標示部37Ebに対向させるとは、外カバー31E(筐体11)の右側から左右方向で端子接続口32Eを経て露出窓36Eを見ると(端子接続口32Eおよび露出窓36Eを正面視すると)、露出窓36Eの内方にHDMI端子25および標示部37Ebが存在する(露出される)位置関係とされていることを言う。このとき、USB端子24および標示部37Eaは露出窓36Eの下側で、また、AV端子26および標示部37Ecは露出窓36Eの上側で、端子選択板34Eの裏側に隠れる大きさ寸法および位置関係とされている。
【0106】
さらに、端子選択板34Eは、設定された移動範囲における最も上方の位置とされると、図18(c)に示すように、AV端子26およびそこに並列された標示部37Ecに、露出窓36Eを左右方向で対向させる大きさ寸法および位置関係とされている。この露出窓36Eを左右方向でAV端子26および標示部37Ecに対向させるとは、外カバー31E(筐体11)の右側から左右方向で端子接続口32Eを経て露出窓36Eを見ると(端子接続口32Eおよび露出窓36Eを正面視すると)、露出窓36Eの内方にAV端子26および標示部37Ecが存在する(露出される)位置関係とされていることを言う。このとき、USB端子24および標示部37Eaと、HDMI端子25および標示部37Ebと、は、露出窓36Eの下側で端子選択板34Eの裏側に隠れる大きさ寸法および位置関係とされている。
【0107】
加えて、端子選択板34Eとそれを上下方向に移動可能とする一対のガイド部(図示せず)とには、図示は略すが、一方に他方へ向けて突出するとともに弾性的に突出量が変化する突起部と、他方にその突起部を受け入れることのできる3つの挿入部と、が設けられている。その突起部は、図示は略すが、圧縮バネを介して凹所に配置することにより、弾性的に突出量が変化するものとすることができる。各挿入部は、図示は略すが、端子選択板34Eが露出窓36EをUSB端子24および標示部37Eaに対向させる位置となると突起部を受け入れる位置と、端子選択板34Eが露出窓36EをHDMI端子25および標示部37Ebに対向させる位置となると突起部を受け入れる位置と、端子選択板34Eが露出窓36EをAV端子26および標示部37Ecに対向させる位置となると突起部を受け入れる位置と、に設けられている。
【0108】
このような構成であることから、デジタルカメラ10Eでは、端子蓋33Eを開けた状態において、端子選択板34Eを移動可能とされた範囲の下限位置に存在させることにより、端子接続口32Eにおいて、露出窓36EからUSB端子24および標示部37Eaを露出させることができる(図18(a)参照)。また、デジタルカメラ10Eでは、端子蓋33Eを開けた状態において、端子選択板34Eを移動可能とされた範囲の中央位置に存在させることにより、端子接続口32Eにおいて、露出窓36EからHDMI端子25および標示部37Ebを露出させることができる(図18(b)参照)。さらに、デジタルカメラ10Eでは、端子蓋33Eを開けた状態において、端子選択板34Eを移動可能とされた範囲の上限位置に存在させることにより、端子接続口32Eにおいて、露出窓36EからAV端子26および標示部37Ecを露出させることができる(図18(c)参照)。このため、端子選択板34Eは、端子接続口32Eにおいて露出させる端子を選択するための端子選択部材として機能する。このとき、デジタルカメラ10Eでは、端子選択板34Eと一対のガイド部(図示せず)とに突起部と3つの挿入部とが設けられていることから、露出窓36EからUSB端子24および標示部37Eaを露出させた状態、または露出窓36EからHDMI端子25および標示部37Ebを露出させた状態、または露出窓36EからAV端子26および標示部37Ecを露出させた状態で、端子選択板34Eを固定することができる。このことから、実施例5では、端子選択板34Eおよび一対のガイド部(図示せず)の突起部と3つの挿入部とが、端子選択部材(端子選択板34E)を解除可能に固定する位置決め機構として機能する。
【0109】
実施例5のデジタルカメラ10Eでは、端子接続口32Eに設けられた複数の外部接続端子すなわちUSB端子24とHDMI端子25とAV端子26とにおいて、端子選択板34Eの露出窓36Eからいずれか一つのみを露出させることができ、かつその状態においてその他の2つを端子選択板34Eで隠すことができるので、誤差込を防止することができる。
【0110】
また、実施例5のデジタルカメラ10Eでは、移動可能な端子選択板34Eの位置を変えるだけで、その露出窓36Eから露出させる外部接続端子(USB端子24、HDMI端子25またはAV端子26)を変更することができるので、複雑な操作を必要とすることなく、使用可能とする外部接続端子を選択することができる。
【0111】
さらに、実施例5のデジタルカメラ10Eでは、端子接続口32EにUSB端子24、HDMI端子25およびAV端子26を設けるとともに、その端子接続口32Eの裏側(外カバー31Eの裏面31a)に各外部接続端子の並列方向に移動可能に露出窓36Eを有する端子選択板34Eを設ける構成であることから、簡易な構成でいずれか1つの外部接続端子のみを露出させることができる。
【0112】
実施例5のデジタルカメラ10Eでは、端子選択板34Eの露出窓36EからUSB端子24とHDMI端子25とAV端子26とのいずれか一つを露出させるとともに、他の2つを端子選択板34E(その露出窓36E以外の箇所)で隠すものであることから、USB端子24、HDMI端子25およびAV端子26やその周囲の形状と、それらに差し込まれる各差込接続端子(図示せず)やその周囲の形状と、を対応させる必要がないので、汎用性を損なうことを防止することができる。
【0113】
実施例5のデジタルカメラ10Eでは、USB端子24、HDMI端子25またはAV端子26のうちのいずれか一つを露出窓36Eから露出させると、併せて露出させた端子を表す標示部37E(標示部37Ea、標示部37Ebまたは標示部37Ec)を端子接続口32Eの内方で露出窓36Eから露出させることから、その露出窓36Eから露出している外部接続端子の把握を容易なものとすることができ、誤差込をより確実に防止することができる。
【0114】
実施例5のデジタルカメラ10Eでは、露出窓36Eから露出させたいずれか1つの外部接続端子(USB端子24、HDMI端子25またはAV端子26)に対応する標示部37E(実施例5では、標示部37Ea、標示部37Ebまたは標示部37Ec)のみを端子接続口32E(露出窓36E)の内方に露出させることから、使用者は端子接続口32E(露出窓36E)内における単一の標示部37Eに基づいて露出窓36Eから露出された単一の外部接続端子がいずれの規格に対応しているものであるのかを把握するだけでよいので、誤差込をより確実に防止することができる。
【0115】
実施例5のデジタルカメラ10Eでは、露出窓36Eから露出している外部接続端子(USB端子24、HDMI端子25またはAV端子26)の情報を示す標示部37Eが、USB端子24に対応する標示部37Eaが名称(USBの文字列)とされ、標示部37Ebが名称(HDMIの文字列)とされ、標示部37Ecが名称(AV−OUTの文字列)とされていることから、露出窓36Eから露出している外部接続端子の把握をより容易なものとすることができる。
【0116】
実施例5のデジタルカメラ10Eでは、端子選択板34Eおよび一対のガイド部(図示せず)の突起部と3つの挿入部とにより位置決め機構を形成しているので、簡単な構成とすることができる。
【0117】
したがって、実施例5のデジタルカメラ10Eでは、汎用性を損なうことなく外部接続端子(USB端子24、HDMI端子25またはAV端子26)への誤差込を防止することができる。
【0118】
なお、実施例5では、位置決め機構として、端子選択板34Eおよび一対のガイド部(図示せず)の突起部と3つの挿入部とを設けていたが、複数の外部接続端子(USB端子24、HDMI端子25またはAV端子26)の並列方向の複数の位置で端子選択部材(端子選択板34E)を解除可能に固定するものであれば、弾性部材41およびカム機構42(実施例2参照)を用いるものであってもよく、変換機構46および駆動機構47(実施例3参照)を用いるものであってもよく、駆動機構47Dおよび弾性部材41D(実施例4参照)を用いるものであってもよく、上記した実施例5に限定されるものではない。
【0119】
また、実施例5では、使用者が手動で端子選択部材(端子選択板34E)を複数の外部接続端子(USB端子24、HDMI端子25またはAV端子26)の並列方向へと移動させる構成とされていたが、外部接続端子の切り替えを容易なものとすべく、実施例3のように変換機構46と駆動機構47とを用いて制御部21の制御下で移動させるものであってもよく、実施例4のように駆動機構47Dと弾性部材41Dとを用いて制御部21の制御下で移動させるものであってもよく、上記した実施例5に限定されるものではない。このような構成とする場合、選択された外部接続端子の認識を容易とすべく、実施例3または実施例4と同様に、制御部21が表示部18に選択画面52と状態表示部53とを表示させるとともに、選択画面52に従う操作スイッチ17での操作による外部接続端子の選択を可能とすることが望ましい。加えて、制御部21は、実施例3または実施例4と同様に、デジタルカメラ10Eが停止されると、その次の起動時に、複数の外部接続端子のうち、最も優先順位が高いもの(USB端子24)を露出窓36Eから露出させるものとすることとしてもよい。
【0120】
なお、上記した各実施例では、本発明に係る電子機器の一例としてのデジタルカメラ10、10B、10C、10D、10Eについて説明したが、外部機器と接続するために筐体を開口する端子接続口と、該端子接続口の内方に複数の外部接続端子と、を備える電子機器であって、前記端子接続口には、位置に応じていずれか1つの前記外部接続端子のみを露出させる端子選択部材が設けられ、該端子選択部材は、前記各外部接続端子のうちの最も大きなものを露出させる大きさ寸法の露出窓を有し、複数の前記外部接続端子のいずれか1つを前記露出窓から露出させるとともに、他の前記外部接続端子を遮蔽すべく前記各外部接続端子の並列方向に移動可能に前記筐体に設けられている電子機器であればよく、上記した各実施例に限定されるものではない。
【0121】
また、上記した各実施例では、端子選択部材の一例として端子選択板34、34B、34C、34D、34Eが設けられていたが、位置に応じていずれか1つの外部接続端子のみを露出させるものであればよく、上記した各実施例に限定されるものではない。
【0122】
さらに、上記した各実施例では、外カバー31の裏面31aに一対のガイド部(38等)が設けられていたが、端子選択部材(端子選択板(34等))を複数の外部接続端子の並列方向にスライド移動させるものであればよく、上記した各実施例に限定されるものではない。
【0123】
上記した各実施例では、標示部37、37Eが露出さている外部接続端子の名称とされていたが、露出窓36、36Eから露出されている外部接続端子がなんであるのかの把握を容易とするものであればよく、上記した各実施例に限定されるものではない。
【0124】
上記した実施例1から実施例4では、外部接続端子としてUSB端子24とHDMI端子25とが用いられていたが、電子機器(デジタルカメラ10、10B、10C、10D)において制御部21の外部機器(その制御部)への接続を可能とする接続端子であればよく、上記した実施例1から実施例4に限定されるものではない。
【0125】
上記した実施例5では、外部接続端子としてUSB端子24とHDMI端子25とAV端子26とが用いられていたが、電子機器(デジタルカメラ10E)において制御部21の外部機器(その制御部)への接続を可能とする接続端子であればよく、上記した実施例5に限定されるものではない。
【0126】
上記した各実施例では、2つの外部接続端子(実施例1から実施例4)もしくは3つの外部接続端子(実施例5)が設けられている例を示したが、電子機器(デジタルカメラ10等)において制御部21の外部機器(その制御部)への接続を可能とする接続端子であれば4つ以上設けられていてもよく、上記した各実施例に限定されるものではない。
【0127】
上記した各実施例では、撮像装置としてのデジタルカメラ10、10B、10C、10D、10Eにおいて複数の外部接続端子のうち選択したいずれか1つのみを露出させるものとしていたが、複数の外部接続端子が設けられるものであれば、カメラ機能を組み込んだPDA(personal data assistant)や携帯電話機等の携帯型情報端末装置としての電子機器や画像入力装置としての電子機器に適用してもよく、上記した各実施例に限定されるものではない。これは、上述した電子機器では、複数の外部接続端子が設けられることにより、誤差込の問題が生じ得るものであって本願発明の構成を適用することができることによる。
【0128】
以上、本発明の電子機器(撮像装置)を各実施例に基づき説明してきたが、具体的な構成については各実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
【符号の説明】
【0129】
10、10B、10C、10D、10E (電子機器の一例としての)デジタルカメラ
11 筐体
12 撮影光学系
18 表示部
21 制御部
22 撮像素子
24 (外部接続端子の一例としての)USB端子
25 (外部接続端子の一例としての)HDMI端子
26 (外部接続端子の一例としての)AV端子
31、31E (筐体の一部を構成する)外カバー
32、32E 端子接続口
34、34B、34C、34D、34E (端子選択部材の一例としての)端子選択板
36、36E 露出窓
37、37E (露出窓から露出されている外部接続端子の名称の一例としての)標示部
38a (位置決め部の一例としての)上端部
38b (位置決め部の一例としての)下端部
39 規制部
41 弾性部材
41D 弾性部材
42 カム機構
44c (案内突起の一例としての)他端部
45 (位置決め部の一例としての)カム溝部
45b (案内溝の一例としての)環状溝
46 変換機構
47、47D 駆動機構
48 歯車部材
49 ギヤ歯
51 (位置決め部の一例としての)規制突起
52 選択画面
53 状態表示部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0130】
【特許文献1】特開2006−147197号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部機器と接続するために筐体を開口する端子接続口と、該端子接続口の内方に複数の外部接続端子と、を備える電子機器であって、
前記端子接続口には、位置に応じていずれか1つの前記外部接続端子のみを露出させる端子選択部材が設けられ、
該端子選択部材は、前記各外部接続端子のうちの最も大きなものを露出させる大きさ寸法の露出窓を有し、複数の前記外部接続端子のいずれか1つを前記露出窓から露出させるとともに、他の前記外部接続端子を遮蔽すべく前記各外部接続端子の並列方向に移動可能に前記筐体に設けられていることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記端子選択部材は、前記露出窓から露出している前記外部接続端子の名称を前記端子接続口の内方で露出させることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記各外部接続端子は、前記筐体の内側において直線上に並列されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電子機器であって、
さらに、前記露出窓から前記各外部接続端子を露出させるそれぞれの位置で前記端子選択部材を解除可能に固定する位置決め機構を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項5】
前記位置決め機構は、前記並列方向の一方側へと前記端子選択部材を移動させる移動力を該端子選択部材に付与する弾性部材と、案内溝およびそこに干渉する案内突起を有するカム機構と、を有し、
該カム機構は、前記並列方向で見た複数の位置で、前記弾性部材からの移動力に抗して前記案内溝と前記案内突起とを干渉させることを特徴とする請求項4に記載の電子機器。
【請求項6】
前記位置決め機構は、駆動機構と、該駆動機構からの駆動力を前記端子選択部材の前記並行方向への移動力に変換する変換機構と、を有し、
該変換機構は、前記端子選択部材に設けられたギヤ歯と、該ギヤ歯に噛み合いつつ前記筐体に設けられた歯車部材と、を有し、
前記駆動機構は、前記歯車部材を回転させることを特徴とする請求項4に記載の電子機器。
【請求項7】
前記位置決め機構は、駆動機構と、前記並列方向の一方側へと前記端子選択部材を移動させる移動力を該端子選択部材に付与する弾性部材と、該弾性部材からの移動力に抗して前記端子選択部材の前記並列方向の一方側への移動を規制する規制部と、を有し、
前記駆動機構は、通電されることにより、前記弾性部材からの移動力に抗して前記端子選択部材を前記並列方向の他方へと移動させることを特徴とする請求項4に記載の電子機器。
【請求項8】
請求項6または請求項7に記載の電子機器であって、
さらに、前記駆動機構を制御する制御部を備え、
前記各外部接続端子では、予め優先順位が設定され、
前記制御部は、起動時に、前記駆動機構により前記端子選択部材を、最も高い優先順位の前記外部接続端子を前記露出窓から露出させる位置とすることを特徴とする電子機器。
【請求項9】
請求項6または請求項7に記載の電子機器であって、
さらに、前記駆動機構を制御する制御部を備え、
前記制御部は、起動時に、前記駆動機構により前記端子選択部材を、直近において前記露出窓から露出させた前記外部接続端子を前記露出窓から露出させる位置とすることを特徴とする電子機器。
【請求項10】
請求項6から請求項9のいずれか1項に記載の電子機器であって、
さらに、前記駆動機構を制御する制御部と、該制御部の制御下で表示を行う表示部と、を備え、
前記制御部は、前記表示部に複数の前記外部接続端子のうちのいずれかを選択させる選択画面を表示させ、該選択画面において選択された前記外部接続端子を前記露出窓から露出させる位置へと前記駆動機構により前記端子選択部材を移動させることを特徴とする電子機器。
【請求項11】
前記制御部は、現在選択されている前記外部接続端子を示す状態表示部を、前記表示部に表示させることを特徴とする請求項10に記載の電子機器。
【請求項12】
前記筐体に撮像光学系と該撮像光学系により形成された被写体像を取得する撮像素子とを収容した請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の電子機器により構成される撮像装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2013−114972(P2013−114972A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−261742(P2011−261742)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】