説明

電子血圧計および充電ガイド方法

【課題】太陽電池による適切な充電タイミングをユーザに報知することができる電子血圧計および充電ガイド方法を提供すること。
【解決手段】電子血圧計は、圧力センサの検知信号に基づいて、天気を予測するための予測処理部112と、充電池の電圧に基づいて、充電池の残容量を算出するための容量算出部116と、天気の予測結果と残容量とに基づいて、充電池への充電の推奨度合いを報知するための報知処理部118とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池を備えた電子血圧計、および、該電子血圧計の充電ガイド方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、家庭など院外においても、血圧を測定可能な小型の電子血圧計が市販されている。たとえば早朝高血圧は心臓病や脳卒中などに関係しており、早朝高血圧や夜間高血圧の発見が重要視されている。心血管系の疾患のリスク解析を行なうためには、毎日同じ時間帯に血圧を測定し、血圧と時間との相互関係を把握することが有用である。
【0003】
ところで、先般より、省エネルギーの観点などから、太陽電池を備えた小型の電子機器が存在している。このような電子機器は、蓄電池(たとえば充電池)に太陽電池が出力する電気エネルギーを蓄えておくことで動作される。そのため、太陽電池と充電池とを含む電源構成の小型の電子機器は、使用場所と充電場所とを別にすることができる。
【0004】
特許文献1には、所定時間毎に気圧を測定して気圧データを得るための圧力センサにより、天気予測することが開示されている。
【特許文献1】特開平5−60879号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のような電源構成の電子機器では、電源供給を太陽光に委ねているため、充電切れの際、乾電池やACアダプタで駆動する装置のように直ぐに対応できない。
【0006】
したがって、このような電源構成を電子血圧計に適用した場合、測定すべき時間帯に、充電切れで血圧を測定できないという不都合が生じる恐れがある。
【0007】
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであって、その目的は、天気を予測することで適切な充電タイミングをユーザに報知することができる電子血圧計および充電ガイド方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明のある局面に従う電子血圧計は、被測定者の血圧を測定するための電子血圧計であって、太陽光を受光し、受光した光エネルギーを電気エネルギーに変換するための太陽電池と、太陽電池が出力する電気エネルギーを蓄えるための蓄電手段と、被測定者の所定の身体部位に巻き付けるためのカフと、カフ内の圧力および大気圧を検知するための圧力センサと、圧力センサの検知信号に基づいて、被測定者の血圧を測定するための制御を行なう測定制御手段と、検知信号に基づいて、天気を予測するための予測処理手段と、蓄電手段の電圧に基づいて、蓄電手段の残容量を算出するための容量算出手段と、予測手段による予測結果と残容量とに基づいて、蓄電手段への充電の推奨度合いを報知するための報知処理手段とを備える。
【0009】
好ましくは、容量算出手段は、蓄電手段の電圧と測定制御手段による血圧の測定回数との関係を示す特性情報に基づいて、蓄電手段の電圧を測定回数に置き換えることにより、、残容量を算出する。
【0010】
好ましくは、報知処理手段は、さらに、地域情報に基づいて、充電の推奨度合いを報知する。
【0011】
好ましくは、測定制御手段による血圧の測定結果情報を記憶するための記憶手段と、測定結果情報に基づき、被測定者の測定頻度を算出するための頻度算出手段とをさらに備え、報知処理手段は、さらに、測定頻度に基づいて、充電の推奨度合いを報知する。
【0012】
好ましくは、報知処理手段は、さらに、天気の予測結果を報知する。
この発明の他の局面に従う充電ガイド方法は、太陽光を受光し、受光した光エネルギーを電気エネルギーに変換するための太陽電池と、太陽電池が出力する電気エネルギーを蓄えるための蓄電手段と、圧力センサとを備えた電子血圧計において実行される充電ガイド方法であって、圧力センサの検知信号に基づいて、天気を予測するステップと、蓄電手段の電圧に基づいて、蓄電手段の残容量を算出するステップと、天気の予測結果と残容量との組合せに基づいて、蓄電手段への充電の推奨度合いを判定するステップと、判定された充電の推奨度合いを報知するステップとを備える。
【発明の効果】
【0013】
本発明によると、天気の予測結果に応じて適切な充電タイミングをユーザに報知することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0015】
本実施の形態における電子血圧計(以下「血圧計」という)は、太陽光を受光し、受光した光エネルギーを電気エネルギーに変換するための太陽電池と、太陽電池が出力する電気エネルギーを蓄えるための蓄電池(たとえば充電池)とを備える。
【0016】
家庭用など小型の血圧計は、一般的に、日々または日内の血圧変化を把握するために用いられる。そのため、太陽電池と蓄電池とを含む電源構成を血圧計に適用した場合、充電切れにより血圧の測定が不能となることを避ける必要がある。一度満充電すれば、長期間(1週間から1ヶ月程度)再充電の必要はないため、以前の充電日を忘れてしまい、突然充電切れになる恐れがある。
【0017】
突然の充電切れを避けるために、常に窓際に血圧計を置くことや、バッテリーローの閾値を上げることも考えられる。しかしながら、充電池などの蓄電池は、電池容量(電荷量)を使い切ってから満充電することが電池寿命によいと言われている。また、太陽光により筐体や表示装置などが劣化する場合があり有効的でない。
【0018】
そこで、本実施の形態では、突然の充電切れを高い確率で防止することができ、かつ、電池および筐体の劣化を防止することのできる血圧計を提供する。
【0019】
以下、本実施の形態における血圧計について詳細に説明する。
<外観および構成について>
(外観について)
はじめに図1および図2を参照して、本実施の形態における血圧計1の外観について説明する。
【0020】
図1は、本発明の実施の形態における血圧計1の外観を示す図である。
図1を参照して、血圧計1は、本体部10と、被測定者のたとえば上腕に巻付けるためのカフ20と、本体部10とカフ20とを接続するためのエアチューブ24Aとを備える。また、血圧計1は、手動式の加圧機構を備えており、たとえば、ゴム球30および、ゴム球30と本体部10とを接続するためのエアチューブ24Bとを備える。ゴム球30は、ユーザにより押圧操作されることで、エアチューブ24(24A,24B)を介して、カフ20に空気を送り込む。
【0021】
図2は、本発明の実施の形態における本体部10を後方から見た斜視図である。
図1および図2を参照して、本体部10は、5面体であり、机などの台と接する設置面と、設置面と所定の角度をなす表面10Aと、設置面に対して垂直な面である2つの側面10B,10Cおよび背面10Dとを有している。
【0022】
本体部10の表面10Aには、測定結果などを表示するための表示部40と、ユーザ(代表的に被測定者)からの指示の入力を受付けるための操作部41とが配置される。操作部41は、たとえば、電源のON/OFFを切替えるための電源スイッチ41A、測定開始の指示を入力するための測定スイッチ41B、および、過去の測定結果を読出して表示する指示を入力するためのメモリスイッチ41Cとを含む。
【0023】
表示部40は、たとえば液晶等のディスプレイにより構成される。
本体部10の左側面10Bには、上述のエアチューブ24A,24Bが接続されている。
【0024】
本体部10の背面10Dには、太陽電池(ソーラーパネル)50が配置される。これにより、血圧計1を室内の窓際など外光が差す場所に置くと、太陽電池50が太陽光を受光し、受光した光エネルギーを電気エネルギーに変換する。つまり、太陽電池50は、受光量に応じて、電気エネルギーを発生する。発生した電気エネルギーは、本体部10に内蔵された充電池51に出力される。
【0025】
なお、血圧計1の本体部10の形状はこのような例に限定されない。また、手動式の加圧機構としてゴム球30を備えることとしたが、これに限定されない。
【0026】
また、本実施の形態における血圧計1は、手動式の加圧機構を設けることとするが、これに代えて、または加えて、周知の自動加圧機構を設けてもよい。周知の自動加圧機構は、たとえば、カフ20に空気を送り込むためのポンプ、ポンプを駆動するための駆動回路、カフ20の空気を排気するための排気弁、および排気弁を駆動するための駆動回路を含む。これらの駆動装置は、CPU100により制御される。
【0027】
(構成について)
図3は、本発明の実施の形態における血圧計1のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0028】
図3を参照して、血圧計1のカフ20は、空気が内包される空気袋21を含む。ゴム球30は、空気袋21にエアチューブ24(24A,24Bを含む)を介して空気を供給または排出する。ゴム球30の所定の位置には、空気を排出するための極小な排気口31が設けられている。また、ゴム球30は、操作部41に含まれる専用スイッチ(図示せず)が押下されることで空気を急速に排気することができる。ユーザは、ゴム球30の押圧操作をすることで、空気袋21に空気を供給することができる。
【0029】
本体部10は、各部を集中的に制御および監視するためのCPU(Central Processing Unit)100と、圧力センサ32と、発振回路35と、不揮発性のメモリ部39と、表示部40と、操作部41と、電源部42と、計時動作を行なうための計時部43と、音を出力するためのブザー44と、光を出力するためのLED(Light Emitting Diode)45を内蔵する。
【0030】
圧力センサ32は、空気袋21内の圧力(以下、「カフ圧」という)を検知するためのデバイスである。圧力センサは、通常、大気圧を検知可能である。本実施の形態における血圧計1は、この圧力センサ32を利用して天気を予測する。圧力センサ32は、大気圧の絶対値または相対値を検知する。
【0031】
圧力センサ32は、検知した圧力により容量値が変化する。発振回路35は、圧力センサ32の容量値に応じた発振周波数の信号をCPU100に出力する。CPU100は、発振回路35から得られる信号を圧力に変換し圧力を検知する。
【0032】
メモリ部39は、CPU100に所定の動作をさせるプログラムや測定結果情報などの各種情報を記憶する。
【0033】
電源部42は、操作部41からの電源ONの指示によりCPU100に電力を供給する。電源部42は、太陽電池50が出力する電気エネルギーを蓄えるための充電池(蓄電池)51を含む。血圧計1は、充電池51に蓄えられた電気エネルギーを電源として動作する。充電池51は、たとえばニッケル水素電池である。
【0034】
なお、電源部42には、充電池51の電圧を検出するための電圧検出部(図示せず)も含まれており、電圧検出部(図示せず)は検出した電圧をCPU100に出力するものとする。これにより、CPU100は、充電池51の電圧を取得することができる。
【0035】
図4は、本発明の実施の形態における血圧計1の機能ブロック図である。なお、CPU100と直接的に信号の授受を行なわないハードウェアについては図示を省略している。
【0036】
図4を参照して、CPU100は、血圧測定のための制御を行なう測定制御部102と、充電タイミングをガイド(報知)するための制御を行なうガイド制御部104とを含む。
【0037】
測定制御部102は、発振回路35からの出力に基づき、被測定者の血圧を測定するための制御を行なう。測定制御部102は、測定した血圧を、測定日時と対応付けてメモリ部39に記録する。
【0038】
ガイド制御部104は、予測処理部112と、頻度算出部114と、容量算出部116と、報知処理部118とを有する。
【0039】
予測処理部112は、圧力センサ32の検知結果に応じて、天気を予測する。具体的には、発振回路35からの信号を定期的に受付け、大気圧の絶対値または相対値のトレンドをメモリ部39に記録する。予測処理部112は、所定の時間(たとえば6時間)ごとに、大気圧の絶対値または相対値のトレンドに基づいて、未来の天気(たとえば3時間後の天気)を予測する。天気の予測方法については、公知の手法が採用されてよい。
【0040】
頻度算出部114は、被測定者の測定頻度を算出する。具体的には、頻度算出部114は、メモリ部39に記憶された測定結果情報に基づいて、1日における平均測定回数を測定頻度として算出する。なお、血圧計1は、1人の被測定者により使用されることと仮定するが、複数人により使用されてもよい。その場合、上記測定制御部102は、被測定者の識別情報と、測定結果とを対応付けてメモリ部39に記憶するものとする。これにより、頻度算出部114は、被測定者ごとの測定頻度を算出することができる。
【0041】
容量算出部116は、充電池51の電圧に基づいて、充電池51の残容量(以下「電池容量」という)を算出する。より具体的には、容量算出部116は、充電池51の電圧と測定回数との関係を示す特性情報(電圧−測定回数特性)に基づいて、充電池51の電圧を測定回数に置き換える。そして、「満充電時の測定可能回数(最大測定回数)」に対する「満充電時からの合計測定回数」の比率により、電池容量を算出(推定)する。満充電時からの合計測定回数は、前回の充電が完了した時点での初期の満充電時と比較した電圧低下分に相当する測定回数(以下「電圧低下相当回数」という)と、前回の充電完了時からの実際の測定回数(以下「実測定回数」という)とを加算して算出される。電圧低下相当回数は、前回充電が完了した時点での充電池51の電圧(「前回充電電圧」ともいう)と、特性情報とに基づいて、算出される。なお、CPU100は、充電が完了した時点で、充電池51の電圧を検出し、検出した値(前回充電電圧)をメモリ部39の所定の領域に記憶しておくものとする。また、本実施の形態では、電圧−測定回数特性を表わすデータテーブル392(図10)が、メモリ部39に記憶されているものとするが、データテーブル392に代えて、電圧−測定回数特性を表わす相関式が記憶されていてもよい。
【0042】
このように、本実施の形態では、満充電時からの合計測定回数は、電圧低下相当回数と実測定回数とに基づいて算出される。しかしながら、このような算出手法に限定されるものではなく、たとえば、充電池51の現在の電圧を検出し、検出した電圧に対応する測定回数をデータテーブル392から読出すことで算出されてもよい。
【0043】
なお、同じ電池容量でも、晴天が多い地域と晴天が少ない地域とでは、充電の遂行を報知するタイミングを異ならせることが好ましい。そのため、本実施の形態では、容量算出部116は、算出された電池容量を地域情報で補正する。つまり、算出された電池容量は、地域の天気傾向に応じた電池容量に置き換えられる。
【0044】
地域情報は、仕向地に応じて予め設定されていてもよいし、ユーザにより操作部41を介して入力されてもよい。後者の場合、メモリ部39は、予め、地域ごとに天気係数を対応付けた係数テーブルを有しているものとする。CPU100は、ユーザにより選択された地域に対応する天気係数にフラグを立てておく。これにより、容量算出部116は、係数テーブルを参照することで、電池容量を補正することができる。なお、天気係数としては、たとえば、晴天の多い地域を「1.0」、雨天の多い(地域晴天が少ない地域)を「0.7」とする。このように、雨天が多い地域の充電容量を、実際の値よりも減らすことで、雨天が多い地域にて晴天が予測される場合、晴天が多い地域よりも早く充電を促すことができる。
【0045】
容量算出部116は、さらに、その地域が季節により天気傾向が異なる場合には、電池容量を、季節に応じて補正することとしてもよい。つまり、上記天気係数は、月または月日により異なっていてもよい。その場合、係数テーブルは、地域と月(または月日)との組合せに対応付けて、天気係数を記憶しているものとする。たとえば、晴天の多い地域と晴天の多い月との組合せに対応付けて、天気係数「1.0」が記憶され、晴天の多い地域と晴天の少ない月との組合せに対応付けて、天気係数「0.9」が記憶される。これにより、容量算出部116は、計時部43による計時データと係数テーブルとに基づいて、算出した電池容量を、地域および季節の天気傾向に応じた電池容量に置き換えることができる。
【0046】
報知処理部118は、予測処理部112による天気の予測結果と、(補正後の)電池容量とに基づいて、充電の推奨度合いを報知する。より具体的には、報知処理部118は、天気の予測結果、算出された測定頻度(1日当りの平均測定回数)、および、補正された電池容量の組合せに基づいて、充電の推奨度合を判定する。そして、その判定結果を報知する。このように、本実施の形態では、天気の予測結果と、測定頻度と、(実際の)電池容量と、地域情報(および季節情報)との組合せに基づいて、充電の推奨度合いが判定される。
【0047】
「推奨度合い」は、少なくとも、推奨する、しない、の2つのパターンを含み、好ましくは、これらに加え、強い推奨、軽い推奨、注意をさらに含む。本実施の形態では、推奨度合いとして、レベル0:推奨しない、レベル1:軽い推奨、レベル2:推奨、レベル3:強い推奨、レベル3’:注意の5つが設けられる。推奨度合いの報知形態は、表示部40への表示、ブザー44からの音の出力、およびLED45からの光の出力のうち少なくとも1つであればよい。
【0048】
本実施の形態では、表示部40に充電メッセージの表示の有無、および、充電メッセージの内容により、充電の推奨度合いを報知する。充電メッセージの有無の設定例を図20に示す。
【0049】
図20を参照して、電池容量が50%〜30%の場合、天気予測結果が曇天であって平均測定回数が多い場合、充電メッセージが必要である。これに対し、電池容量が上記の場合、天気予測結果が晴天であれば充電メッセージは不要とする。晴天が予測される場合には、血圧を測定してからでも短期間で満充電可能であることが予測される。そのため、制定が予測された場合には、曇天が予測された場合よりも充電のタイミングを遅らせることができる。その結果、電池寿命の劣化を防止することができる。
【0050】
また、雨天が予測された場合には、電池容量が50%〜30%であっても十分な充電が予測できないため、充電のガイドは行なわないように設定してもよい。これにより、効率の悪い充電を避けることが可能となる。
【0051】
報知処理部118は、さらに、予測された天気を報知する。充電の推奨度合の報知タイミングと天気の報知タイミングとは、異なってもよい。天気の報知は、天気予測のタイミングで(所定の時間(たとえば6時間))更新される。充電の推奨度合いの報知は、少なくとも1日に1回行なわれればよい。その場合、早朝(たとえば6時)に報知されることが好ましい。なお、頻度算出部114および容量算出部116は、充電の推奨度合いの報知タイミングに合わせて、それぞれの処理を実行するものとする。
【0052】
図4においてCPU100に含まれた各機能ブロックの動作は、メモリ部39中に格納されたソフトウェアを実行することで実現されてもよいし、少なくとも1つについては、ハードウェアで実現されてもよい。
【0053】
<動作について>
(血圧測定処理)
図5は、本発明の実施の形態における血圧測定処理の流れを示すフローチャートである。図5のフローチャートに示す処理は、予めプログラムとしてメモリ部39に格納されており、CPU100がこのプログラムを読み出して実行することにより、血圧測定処理の機能が実現される。
【0054】
図5を参照して、CPU100は、電源スイッチ41Aが押下されたことを検知すると、所定の初期化処理を実行する(ステップS102)。
【0055】
次に、測定スイッチ41Bが押下されたことを検知すると、CPU100の測定制御部106は、カフ20の加圧処理を実行する(ステップS104)。本実施の形態では、手動式の加圧機構を設けている。そのため、測定制御部102は、ステップS104において、発振回路35からの出力に基づきカフ圧を検出し、カフ圧が所定値(たとえば180mmHg)に達したか否かを判断する。測定制御部102は、カフ圧が所定値に達するまでの間、ユーザに対し加圧操作を促してもよい。具体的には、たとえば、表示部40に、現在のカフ圧と所定値との両方を表示して、ユーザに加圧の操作を促進すればよい。
【0056】
測定制御部102は、カフ圧が所定値に達したと判断した場合、加圧操作の終了を報知する。これにより、ゴム球30の排気口31より定量で空気が排気され、カフ圧は徐々に減圧される(ステップS106)。
【0057】
次に、測定制御部102は、公知の手法で血圧(最高血圧、最低血圧)を算出する(ステップS108)。具体的には、カフ圧が徐々に減圧する過程において、発振回路35から得られる発振周波数に基づき脈波情報を抽出する。そして、抽出された脈波情報により血圧を算出する。測定制御部102は、公知の手法により脈拍数をさらに算出してもよい。
【0058】
血圧が算出されると、測定制御部102は、算出された血圧と測定日時とを対応付けてメモリ部39の測定結果記憶領域390に格納する(ステップS110)。測定日時は、計時部43からの計時信号に基づき取得され、血圧測定の際の日時、たとえば、測定スイッチ41Bが押下された時点における日時である。
【0059】
図6は、本発明の実施の形態における測定結果記憶領域390のデータ構造の一例を示す図である。
【0060】
図6を参照して、測定結果記憶領域390には、測定値と測定日時とが対応付けられたレコードが、測定データM1〜Mm(ただし、m=1,2,3,…)として格納される。各測定データには、最高血圧を示す最高血圧データSBP、最低血圧を示す最低血圧データDBP、脈拍数を示す脈拍数データPLS、および、測定日時データDTが含まれる。
【0061】
なお、測定値と測定日時とは、対応付けされて格納されればよく、レコードを用いた格納形式に限定されるものではない。
【0062】
再び図5を参照して、測定制御部102は、メモリ部39の所定の領域に記憶された実測定回数Nを、1だけインクリメントする(ステップS112)。実測定回数Nは、充電毎にリセットされるものとする。これにより、前回の充電が完了してからの血圧測定回数がメモリ部39に記憶される。なお、この実測定回数データは、必須ではなく、たとえば、直前の充電日時のデータを所定の領域に記憶するようにしてもよい。このようにしても、充電日時データと測定データの測定日時データとに基づいて、前回の充電からの血圧測定回数(実測定回数)を算出することができる。
【0063】
最後に、測定制御部102は、算出された血圧を表示部40に表示する(ステップS114)。
【0064】
以上で、血圧測定処理は終了される。
(充電ガイド処理)
図7は、本発明の実施の形態における血圧計1のCPU100が実行する充電ガイド処理を示すフローチャートである。図7のフローチャートに示す処理は、予めプログラムとしてメモリ部39に格納されており、CPU100がこのプログラムを読み出して実行することにより、充電ガイド処理の機能が実現される。
【0065】
図7を参照して、初めに、予測処理部112は、発振回路35からの出力に基づき大気圧を測定し、その測定結果をメモリ部39のたとえば所定の領域に記録する(ステップS202)。
【0066】
予測処理部112は、この処理が開始されてから所定時間(たとえば6時間)経過したか否かを判断する(ステップS204)。所定時間経過するまで、大気圧の測定と記録とを繰返す(ステップS204においてNO)。この処理が開始されてから所定時間経過したと判断された場合(ステップS204においてYES)、ステップS206に進む。
【0067】
ステップS206において、予測処理部112は、公知の手法により天気を予測する。予測した天気の情報は、内部メモリに一時的に記録する。
【0068】
次に、頻度算出部114は、被測定者の1日の平均測定回数を算出する(ステップS208)。より具体的には、測定結果記憶領域390に記憶された測定結果データの測定日時に基づいて、平均測定回数を算出する。
【0069】
続いて、容量算出部116は、電池容量算出処理を実行する(ステップS210)。電池容量算出処理は、図8のサブルーチンを用いて詳細に説明する。
【0070】
図8は、本発明の実施の形態における電池容量算出処理を示すフローチャートである。
図8を参照して、容量算出部116は、充電池51の現在の電圧を検知する(ステップS302)。続いて、容量算出部116は、メモリ部39に記憶された実測定回数Nを読出す(ステップS304)。
【0071】
実測定回数Nが読出されると、容量算出部116は、満充電時から現在までの合計測定回数を算出する(ステップS306)。合計測定回数の算出については、図9および図10を参照して詳細に説明する。
【0072】
図9は、充電池51の電圧と測定回数との関係(充電池電圧−測定回数特性)を示すグラフである。
【0073】
血圧計1での測定の際の消費電力は、測定時間を一定に保つことで毎回等しいと考えることができるため、このグラフに示されるような充電池電圧−測定回数特性に基づいて、合計測定回数を算出することができる。たとえば、この特性を反映したデータテーブル392をメモリ部39に記憶しておくことで、合計測定回数を算出することができる。なお、血圧計1が自動加圧機構を備える場合であって、充電池電圧が低い場合であっても、たとえば、加圧ポンプをPWM(Pulse Width Modulation)制御するなどにより、消費電力を毎回等しくすることができる。
【0074】
図10は、充電池電圧−測定回数特性を表わすデータテーブル392の一例を示す図である。
【0075】
データテーブル392は、充電池電圧(単位:V)と測定回数とを対応付けて記憶している。具体的には、たとえば、満充電時の電圧「1.400V」と対応付けて、測定回数「0」が記憶されている。バッテリーロー時の電圧「0.900V」と対応付けて、測定回数「400」が記憶されている。これにより、満充電時の測定可能回数は、400回であることが示される。また、電圧「1.100V」と対応付けて、測定回数「300」が記憶されている。これにより、充電池51の電圧が1.100Vであれば、満充電時から測定されたと推定される回数は300回であり、測定可能と推定される回数は、100回(“400−100”)であることが示される。
【0076】
なお、充電池51は、充放電を繰返すうちに放電(充電)特性が変化するため、図10に示した測定回数は初期値であって、算出された合計測定回数により更新されることが好ましい。本実施の形態では、現在の充電池51の特性に応じてデータテーブル392の測定回数が更新されるので、電池容量算出の精度を高く保つことができる。
【0077】
ステップS306において、容量算出部116は、このデータテーブル392を参照して、合計測定回数を算出する。
【0078】
まず、容量算出部116は、前回充電が完了した際の充電池51の電圧(前回充電電圧)をメモリ部39より読出す。続いて、容量算出部116は、前回充電が完了した時点での電圧低下相当回数を算出する。つまり、データテーブル392において、前回充電電圧と対応付けられた測定回数を読出す。たとえば、前回充電電圧が1.300Vとすると、電圧低下相当回数は、50回として算出される(既に50回測定したと考える)。
【0079】
容量算出部116は、上記ステップS304で読出された実測定回数Nと電圧低下相当回数とを加算することで、合計測定回数を算出する。たとえば実測定回数Nが230回であると仮定すると、合計測定回数は280回となる。
【0080】
次に、容量算出部116は、最大測定回数と、算出された合計測定回数とに基づき、電池容量を算出する(ステップS308)。具体的には、電池容量(単位:%)は、“{(最大測定回数−合計測定回数)/最大可能回数}×100”として算出することができる。つまり、現状の充電池51の電圧での測定可能回数を最大可能回数で除することにより算出することができる。上述の例では、電池容量は、“{(400−280)/400}×100”より、30%として算出される。
【0081】
このように、本実施の形態では、電池容量は、上記充電池電圧−測定回数特性に基づいて電圧を測定回数に置換えることで算出される。
【0082】
なお、本実施の形態において、データテーブル392には、充電池電圧と測定回数そのものとが対応付けられて記憶されることとしたが、測定回数そのものではなく、測定可能回数が記憶されてもよい。このような場合、データテーブルより満充電電圧に対応する測定可能回数と、現在の電圧に対応する測定可能回数とを読出すことで、電池容量を算出することができる。
【0083】
ステップS308の処理が終わると、容量算出部116は、予め入力された地域情報に基づいて、ステップS308で算出された電池容量を補正する(ステップS310)。具体的には、算出された電池容量と上述の天気係数とを乗算することで算出される。
【0084】
最後に、ステップS302で検知した現在の充電池51の電圧と、ステップS306で算出した合計測定回数とに基づき、データテーブル392が更新される(ステップS312)。たとえば、検知された電圧が1.100Vであり、算出された合計測定回数が280回であったとすると、データテーブル392において、電圧「1.100V」と対応付けられた測定回数を「280」に更新する。なお、現在の電圧に対応する測定回数のみを更新するのではなく、この更新に伴ない、他の電圧に対応する測定回数も更新することが好ましい。たとえば、各電圧において、更新前の測定回数と更新後の測定回数との比率が等しくなるように更新することとしてよい。
【0085】
このように、本実施の形態では、容量算出処理の度に、データテーブル392が更新される。したがって、データテーブル392は、常に、現在の充電池51の放電特性を適切に反映することができる。これにより、充放電が繰返されたとしても、電池容量算出の精度が落ちることを防止することができる。
【0086】
また、電池容量は、単に充電池51の電圧のみで算出されるのではなく、電圧−測定回数特性により電圧を測定回数に置き換えた上で算出される。このように、血圧計特有の手法で電池容量が推定されるため、的確に、充電の推奨度合いを判定することができる。
【0087】
この処理が終わると、処理はメインルーチンに戻される。
再び図7を参照して、地域情報を加味した電池容量が算出されると、報知処理部118は、天気予測の結果が何であったか否かを判断する(ステップS212)。
【0088】
天気予測の結果が晴天であった場合、報知処理部118は、第1報知処理を実行する(ステップS214)。天気予測の結果が曇天であった場合、第2報知処理を実行する(ステップS216)。天気予測が雨天であった場合、第3報知処理を実行する(ステップS218)。第1〜第3報知処理については、それぞれ、図11〜19を用いて説明する。
【0089】
図11は、本発明の実施の形態における第1報知処理を示すフローチャートである。
図11を参照して、報知処理部118は、表示部40に晴天を示す天気マークを表示する(ステップS402)。
【0090】
次に、報知処理部118は、電池容量が30%以下であるか否かを判断する(ステップS404)。電池容量が30%以下であると判断された場合(ステップS404においてYES)、ステップS406に進む。
【0091】
電池容量が30%を超えていると判断された場合(ステップS404においてNO)、推奨度合いはレベル0と判定され、充電ガイド処理は終了される。つまり、天気予報が晴天であり、かつ、電池容量が30%を越えている場合には、天気マークのみが表示される。これにより、充電は推奨されないことが報知される。なお、本実施の形態では、充電が推奨されない場合、天気マークのみを表示することとするが、たとえば「充電は必要ありません」というメッセージも表示することとしてもよい。
【0092】
ステップS406において、報知処理部118は、電池容量が15%以下であるか否かを判断する。電池容量が15%以下であると判断された場合(ステップS406においてYES)、ステップS412に進む。電池容量が15%を超えていると判断された場合(ステップS406においてNO)、ステップS408に進む。
【0093】
ステップS408において、報知処理部118は、1日の平均測定回数が所定数(たとえば5回)以上であったか否かを判断する。1日の平均測定回数が所定数以上であると判断された場合ステップS410に進む。
【0094】
1日の平均測定回数が所定数未満であると判断された場合、推奨度合いはレベル0と判定され、充電ガイド処理は終了される。つまり、天気予報が晴天であり、かつ、電池容量が15%を越えており、かつ、平均測定回数が所定数未満である場合には、天気マークのみが表示される。これにより、充電は推奨されないことが報知される。
【0095】
ステップS410において、報知処理部118は、充電の推奨度合いはレベル2(推奨)であると判定し、表示部40に忘れずに充電するよう表示する。図12は、図11のステップS410で表示される画面401の一例を示す図である。
【0096】
図12を参照して、画面401には、天気予測結果と電池容量情報と充電の推奨度合いとが含まれる。天気予測結果としては、晴天であることを示すマーク501が表示される。電池容量情報としては、「30%以下」という文字502が表示される。充電の推奨度合いとしては、「忘れず充電して下さい!」というメッセージ503が表示される。これにより、本日が適切な充電タイミングであることが報知される。
【0097】
なお、充電の推奨度合いは、上述のようなメッセージ(および電池容量情報)に代えて、推奨レベルにより報知されてもよい。
【0098】
このように、本実施の形態では、6時間ごとに、天気マーク、電池容量情報、充電の推奨度合いが更新される。なお、充電の推奨度合いを1日1回のみ報知する場合には、図12のような画面401は、たとえば所定時間(たとえば3時間〜6時間)だけ表示される。以降の画面も同様とする。
【0099】
ステップS412において、報知処理部118は、充電の推奨度合いはレベル3(強い推奨)であると判定し、表示部40に必ず充電するよう表示する。図13は、図11のステップS412で表示される画面402の一例を示す図である。
【0100】
図13を参照して、画面402には、天気予測結果として、晴天を示すマーク501が表示される。電池容量情報としては、「わずか」という文字504が表示される。推奨度合いとしては、「必ず充電して下さい!!」というメッセージ505が表示される。これにより、本日は、充電切れなく血圧測定するための、最後の充電タイミングであることが報知される。
【0101】
ステップS410またはステップS412の処理が終わると、充電ガイド処理は終了される。
【0102】
図14は、本発明の実施の形態における第2報知処理を示すフローチャートである。
図14を参照して、報知処理部118は、表示部40に曇天を示すマークを表示する(ステップS502)。報知処理部は、次に、電池容量が50%以下であるか否かを判断する(ステップS504)。電池容量が50%以下であると判断された場合(ステップS504においてYES)、ステップS506に進む。
【0103】
電池容量が50%を超えていると判断された場合(ステップS504においてNO)、推奨度合いはレベル0と判定され、充電ガイド処理は終了される。つまり、天気予報が曇天であり、かつ、電池容量が50%を越えている場合には、天気マークのみが表示される。これにより、充電は推奨されないことが報知される。
【0104】
ステップS506において、報知処理部118は、電池容量が30%以下であるか否かを判断する。30%を超えていると判断された場合(ステップS506においてNO)、ステップS508に進む。電池容量が30%以下であると判断された場合(ステップS506においてYES)、ステップS512に進む。
【0105】
ステップS508において、報知処理部118は、1日の平均測定回数が所定数(たとえば10回)以上であるか否かを判断する。1日の平均測定回数が所定数以上であると判断された場合、ステップS510に進む。
【0106】
1日の平均測定回数が所定数未満であると判断された場合、推奨度合いはレベル0と判定され、充電ガイド処理は終了される。つまり、天気予報が曇天であり、かつ、電池容量が30%を越えており、かつ、平均測定回数が所定数未満である場合には、天気マークのみが表示される。これにより、充電は推奨されないことが報知される。
【0107】
このように、電池容量が30%を越えている場合、天気予測結果が晴天であれば無条件にレベル0と判断されたのに対し、天気予測結果が曇天であれば、被測定者の平均測定回数の多さに応じてレベルが異なる。これにより、被測定者の測定習慣を考慮した充電ガイドを実現することができる。
【0108】
ステップS510において、報知処理部118は、充電の推奨度合いはレベル1(軽い推奨)であると判定し、表示部40に、早めに充電するようメッセージを表示する。図15は、図14のステップS510で表示される画面403の一例を示す図である。
【0109】
図15を参照して、画面403には、天気予測結果として、曇天を示すマーク511が表示される。電池容量情報としては、「50%以下」という文字512が表示される。推奨度合いとしては、「早めに充電して下さい。」というメッセージ513が表示される。これにより、充電タイミングが迫っていることが報知される。
【0110】
ステップS512において、報知処理部118は、電池容量が15%以下であるか否かを判断する。電池容量が15%を超えていると判断した場合(ステップS512においてNO)、ステップS514に進む。電池容量が15%以下であると判断した場合(ステップS512においてYES)、ステップS518に進む。
【0111】
ステップS514において、報知処理部118は、1日の平均測定回数が所定数(たとえば5回)以上であるか否かを判断する。所定数以上であると判断された場合、ステップS516に進む。
【0112】
所定数未満であると判断された場合、推奨度合いはレベル0と判定され、充電ガイド処理は終了される。
【0113】
ステップS516において、報知処理部118は、推奨度合いはレベル2(推奨)と判定し、表示部40に、忘れず充電するようメッセージを表示する。図16は、図14のステップS516で表示される画面404の一例を示す図である。
【0114】
図16を参照して、画面404には、天気予測結果として、曇天を示すマーク511が表示される。電池容量情報として、「30%以下」という文字514が表示される。また、推奨度合いとしては、「忘れず充電して下さい!」というメッセージ515が表示される。
【0115】
ステップS518において、報知処理部118は、推奨度合いはレベル3(強い推奨)と判定し、表示部40に、必ず充電するようメッセージを表示する。図17は、図14のステップS518で表示される画面405の一例を示す図である。
【0116】
図17を参照して、画面405には、天気予測として、曇天を示すマーク511が表示される。電池容量として、「わずか」という文字516が表示される。推奨度合いとしては、「必ず充電して下さい!!」というメッセージ517が表示される。
【0117】
ステップS510,S516,S518の処理が終わると、充電ガイド処理は終了される。
【0118】
図18は、本発明の実施の形態における第3報知処理を示すフローチャートである。
図18を参照して、報知処理部118は、天気マークとして、雨天を表示する(ステップS602)。
【0119】
次に、報知処理部118は、電池容量が50%以下であるか否かを判断する(ステップS604)。電池容量が50%以下であると判断された場合(ステップS604においてYES)、ステップS606に進む。
【0120】
電池容量が50%を超えていると判断された場合(ステップS604においてNO)、推奨度合いはレベル0と判定され、充電ガイド処理は終了される。
【0121】
ステップS606において、報知処理部118は、推奨度合いはレベル3’(注意)と判定し、表示部40に、注意メッセージを表示する。この処理が終わると、充電ガイド処理は終了される。
【0122】
図19は、図18のステップS606において表示される画面406の一例を示す図である。
【0123】
図19を参照して、画面406には、天気予測結果として、雨天を示すマーク521が表示される。電池容量情報として、「わずか」という文字522が表示される。推奨度合いとしては、「充電切れに注意!」というメッセージ523が表示される。これにより、適切な充電タイミングを逃してしまい、充電切れの可能性があることが報知される。
【0124】
ステップS606の処理が終わると、充電ガイド処理は終了される。
なお、天気予測結果が雨天の場合も、平均測定回数および/または電池容量により、充電の推奨度合いを異ならせてもよい。
【0125】
上述の充電ガイド処理は、この処理が実行中でない場合に常に行なわれてよい。
以上のように、本実施の形態によると、天気予測結果、電池容量、被測定者の測定習慣および、地域(および季節)の天気傾向の組合せに基づいて、充電の推奨度合いが判定され報知される。これにより、適切な充電タイミングをガイドすることができる。そのため、中途半端に充放電を繰り返すことを防止することができる。その結果、充電池51の劣化を防止することができる。
【0126】
また、ユーザは、充電時のみ血圧計1を太陽光にさらせばよいので、常に窓際に置いて充電することがなくなる。そのため、血圧計1の筐体や表示部40などの劣化も抑制される。その結果、血圧計1の寿命を延ばすことができる。
【0127】
また、充電切れで使用できない時間を減少させることができる。また、使用者の充電管理が容易になる。
【0128】
また、太陽電池による充電量は天気に左右されるが、本実施の形態では天気予測結果も報知するため、ユーザは充電にかかる時間を推定することができる。その結果、ユーザは、晴天時に効率良く充電することも可能となる。
【0129】
また、本実施の形態では、血圧計1に実装されている圧力センサ32により、血圧計1の設置場所の大気圧を測定し、天気を予測する。したがって、天気予測が困難な地域(例えば東南アジア)でも、精度良く充電をガイドできる。また、圧力センサ32は、通常の血圧計に実装されているため、天気予測のためのデバイス(気圧測定器)を新たに設ける必要がない。
【0130】
また、本発明の血圧計が行なう、充電ガイド方法を、プログラムとして提供することもできる。このようなプログラムは、CD−ROM(Compact Disc-ROM)などの光学媒体や、メモリカードなどのコンピュータ読取り可能な記録媒体にて記録させて、プログラム製品として提供することもできる。また、ネットワークを介したダウンロードによって、プログラムを提供することもできる。
【0131】
提供されるプログラム製品は、フラッシュメモリなどのプログラム格納部にインストールされて実行される。なお、プログラム製品は、プログラム自体と、プログラムが記憶された記憶媒体とを含む。
【0132】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0133】
【図1】本発明の実施の形態における血圧計の外観を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態における血圧計の本体部を後方から見た斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態における血圧計のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態における血圧計の機能ブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態における血圧測定処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施の形態における測定結果記憶領域のデータ構造の一例を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態における血圧計のCPUが実行する充電ガイド処理を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施の形態における電池容量算出処理を示すフローチャートである。
【図9】充電池の電圧と測定回数との関係(充電池電圧−測定回数特性)を示すグラフである。
【図10】充電池電圧−測定回数特性を表わすデータテーブルの一例を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態における第1報知処理を示すフローチャートである。
【図12】図11のステップS410で表示される画面の一例を示す図である。
【図13】図11のステップS412で表示される画面の一例を示す図である。
【図14】本発明の実施の形態における第2報知処理を示すフローチャートである。
【図15】図14のステップS510で表示される画面の一例を示す図である。
【図16】図14のステップS516で表示される画面の一例を示す図である。
【図17】図14のステップS518で表示される画面の一例を示す図である。
【図18】本発明の実施の形態における第3報知処理を示すフローチャートである。
【図19】図18のステップS606において表示される画面の一例を示す図である。
【図20】充電メッセージの設定例を示す図である。
【符号の説明】
【0134】
1 血圧計、10 本体部、10A 表面、10B,10C 側面、10D 背面、20 カフ、21 空気袋、24,24A,24B エアチューブ、30 ゴム球、31 排気口、32 圧力センサ、35 発振回路、39 メモリ部、40 表示部、41 操作部、42 電源部、43 計時部、44 ブザー、45 LED、50 太陽電池、51 充電池、100 CPU、102 測定制御部、104 ガイド制御部、106 測定制御部、112 予測処理部、114 頻度算出部、116 容量算出部、118 報知処理部、390 測定結果記憶領域、392 データテーブル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定者の血圧を測定するための電子血圧計であって、
太陽光を受光し、受光した光エネルギーを電気エネルギーに変換するための太陽電池と、
前記太陽電池が出力する電気エネルギーを蓄えるための蓄電手段と、
前記被測定者の所定の身体部位に巻き付けるためのカフと、
前記カフ内の圧力および大気圧を検知するための圧力センサと、
前記圧力センサの検知信号に基づいて、前記被測定者の血圧を測定するための制御を行なう測定制御手段と、
前記検知信号に基づいて、天気を予測するための予測処理手段と、
前記蓄電手段の電圧に基づいて、前記蓄電手段の残容量を算出するための容量算出手段と、
前記予測手段による予測結果と前記残容量とに基づいて、前記蓄電手段への充電の推奨度合いを報知するための報知処理手段とを備える、電子血圧計。
【請求項2】
前記容量算出手段は、前記蓄電手段の電圧と前記測定制御手段による血圧測定回数との関係を示す特性情報に基づいて、前記蓄電手段の電圧を測定回数に置き換えることにより、前記残容量を算出する、請求項1に記載の電子血圧計。
【請求項3】
前記報知処理手段は、さらに、地域情報に基づいて、充電の推奨度合いを報知する、請求項1または2に記載の電子血圧計。
【請求項4】
前記測定制御手段による血圧の測定結果情報を記憶するための記憶手段と、
前記測定結果情報に基づき、前記被測定者の測定頻度を算出するための頻度算出手段とをさらに備え、
前記報知処理手段は、さらに、前記測定頻度に基づいて、充電の推奨度合いを報知する、請求項1〜3のいずれかに記載の電子血圧計。
【請求項5】
前記報知処理手段は、さらに、前記予測結果を報知する、請求項1〜4のいずれかに記載の電子血圧計。
【請求項6】
太陽光を受光し、受光した光エネルギーを電気エネルギーに変換するための太陽電池と、前記太陽電池が出力する電気エネルギーを蓄えるための蓄電手段と、圧力センサとを備えた電子血圧計において実行される充電ガイド方法であって、
前記圧力センサの検知信号に基づいて、天気を予測するステップと、
前記蓄電手段の電圧に基づいて、前記蓄電手段の残容量を算出するステップと、
天気の予測結果と前記残容量との組合せに基づいて、前記蓄電手段への充電の推奨度合いを判定するステップと、
判定された充電の推奨度合いを報知するステップとを備える、充電ガイド方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2009−225842(P2009−225842A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−71605(P2008−71605)
【出願日】平成20年3月19日(2008.3.19)
【出願人】(503246015)オムロンヘルスケア株式会社 (584)
【Fターム(参考)】